JP5745731B2 - サルモネラワクチン - Google Patents

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Description

本発明は、ワクチンにおいて使用するためのサルモネラ(Salmonella)細菌、これらの細菌に基づくワクチン、ワクチンの製造のためのそのような細菌の使用、およびそのようなワクチンの製造方法に関する。
従来技術および発明が解決しようとする課題
サルモネラ(Salmonella)属の細菌はヒトおよび動物の両方において病原性を示すことが知られている。米国だけでも、毎年、サルモネラ感染症に罹患したヒトの症例数は200万を超える。ほとんどの場合、その感染は、汚染された食物により引き起こされる。よく知られた感染源は、卵(アヒルおよびニワトリの両方の卵)、卵含有製品、ならびに十分に加熱されていない鶏肉および豚肉である。特に幼児、小児、老人および免疫低下患者においては、そのような感染に対する抵抗力が低い。特にこれらの群においては、サルモネラ感染症による年間死亡率が高い。過去数年間に、より効率的な大規模畜産業が動物密度の莫大な増加を招いた。その結果、動物の感染症およびそれに伴う感染食物により引き起こされるヒト感染症の数の増加が認められている。動物がサルモネラ感染の主要感染源であることは明らかである。この感染源を防除することは困難である。第1に、ほとんどの場合のサルモネラ感染は、十分に成長した健康な動物においては重篤な疾患を引き起こさない。これらの動物は、その細菌を長期にわたり保持することがある。その間、それらの動物は該細菌を糞便中に放出し続ける。これは、より感染しやすい若い動物における感染を回避することを事実上不可能にする。第2に、多数のサルモネラ種は、いくつかの異なる宿主動物種においてコロニーを形成する。それらのサルモネラ種のなかには、特定の宿主において一次感染を引き起こすものもあれば、そのような制限を何ら受けないものもある。一次感染因子としては、腸チフス菌(S. typhi)およびパラチフス菌(S. paratyphi)がヒトにおける感染にしばしば関連している。腸チフス菌(S. typhi)は下痢を引き起こし、その結果、脱水症を引き起こす。この感染は、熱帯地方において非常に頻繁に見出される。エス・ダブリン(S. dublin)はウシ(特に、若いウシ)に関連しており、その場合、それは該症例の50%以上において致命的な感染症を引き起こす。ウマ流産菌(S. abortus-equi)はウマにおいて流産を引き起こす。ヒツジ流産菌(S. abortus-ovi)はヒツジにおいて流産を引き起こす。ブタコレラ菌(S. choleraesuis)は、若いブタにおける致命的な下痢の原因となる。ネズミチフス菌(S. typhimurium)および腸炎菌(S. enteritidis)は、家禽、ブタ、ウシおよびげっ歯類においてサルモネラ症を引き起こす。また、アリゾナ・サルモネラ(S. arizonae)はシチメンチョウにおいて疾患を引き起こす。爬虫類などの非食用動物も、アリゾナ・サルモネラ(S. arizonae)などのサルモネラ感染症に罹患する。
効果的なサルモネラワクチンが必要とされていることは明らかである。ヒトからヒトに伝染するサルモネラ感染症からヒトを防御するためのワクチンが必要とされている。また、食物感染性サルモネラ感染症からヒトを防御するためのワクチンが必要とされている。そして最後に、サルモネラ感染症に対して動物を防御するためのワクチンが必要とされている。現在、種々のサルモネラ種に対するいくつかのワクチンが商業的に入手可能である。これらのワクチンは、ワクチンの観点からは時には有効であるが、重大な欠点を有する。それらは、野生型細菌と同じ抗原負荷を有するため、一般に、野生型細菌の感染の場合と同等の抗体集団を誘導する。したがって、サルモネラ陽性動物の血清中の抗体の分析は、該動物が陽性である理由を明らかにしない。これはワクチン接種によるものかもしれないが、それは、ビルレントな野外株の感染によっても同等に引き起こされうる。したがって、ある動物がサルモネラ陽性であれば、それは感染しているとみなされる。したがって、いわゆるマーカーワクチンを得ることが望ましいであろう。マーカーワクチンは、例えば、野生型感染により誘導される抗体パネルとは異なる特徴的な抗体パネルに基づいて、野生型感染から識別されうるワクチンである。例えば、野生型細菌上に存在する免疫原性タンパク質が、ワクチン接種に使用する突然変異体においては存在しない場合に、異なる抗体パネルが誘導される。その場合、宿主は、ワクチン接種後にそのタンパク質に対する抗体を産生しないであろう。マーカー抗原は、少なくとも以下の特徴を有する。
・それは、該細菌の生存能を著しく損なうことなく欠失されうる。
・それは、存在する場合、抗体を誘導する。
・それは、存在する場合、該細菌の免疫原性に寄与しない。
・その不存在は、好ましくは、弱毒化に寄与する。
適当なマーカー抗原を探索する場合には、すべての公知サルモネラ抗原が考慮されるべきである。いくつかのトリ白痢菌(S. pullorum)およびヒナ白痢菌(S. gallinarum)亜種を除くすべての野生型サルモネラ種で見出される公知抗原は鞭毛である。野生型形態においては鞭毛を保持するサルモネラ種の具体例としては、ネズミチフス菌(S. typhimurium)、腸炎菌(S. enteritidis)、ブタコレラ菌(S. choleraesuis)、エス・ダブリン(S. dublin)、腸チフス菌(S. typhi)、ヒツジ流産菌(S. abortus-ovi)、ウマ流産菌(S. abortus-equi)、パラチフスA菌およびB菌(S. paratyphi AおよびB)、エス・デルビィ(S. derby)、エス・ハダー(S. hadar)、ハイデルベルク菌(S. heidelberg)、アゴナ菌(S. agona)およびアリゾナ・サルモネラ(S. arizonae)が挙げられる。鞭毛は、細胞表面から突き出た長い構造体であり、運動性および或る宿主細胞への侵入において重要な役割を果たす。鞭毛は、フラジェリンと称されるタンパク質の長い重合体よりなる。これらの鞭毛は高レベルの抗体を誘導することが公知である。また、鞭毛の不存在は、宿主外での該細菌の生存能を有意に損なわないことが公知である。すなわち、実質的にすべてのサルモネラ種の無鞭毛突然変異体が公知であり、インビトロで増殖されうる。それにもかかわらず、サルモネラの鞭毛タンパク質が適当なマーカーとみなされたことはない。なぜなら、それらは、4つのマーカー要件のうちの3つを満たさないか又は部分的にしか満たさないからである。すなわち、
・それらは、宿主外での生存に必須ではないものの、免疫の誘導に関与する宿主マクロファージ内での細菌の生存および維持において重要な役割を果たしている(Methner, U.およびBarrow, P.A., Berl. Munch. Tierartzl. Wschr. 110:391-396 (1997), Weinsteinら, Infect. Immun. 46:819-825 (1984))。
・それらは該細菌の免疫原性に大いに寄与する(このため、それらは、短い異種アミノ酸配列の担体タンパク質として使用されさえする)(Joys, T.M., SAAS Bulletin: Biochem. & Biotech. 4:56-59 (1991), Newton, S.M.C.ら, Science 244:70-72 (1989))。
・それらの不存在は弱毒化に寄与しない(Lockman, H.A.およびCurtiss, R, Infect & Immun. 58:137-143 (1990), Methner, U.およびBarrow, P.A., Berl. Munch. Tierartzl. Wschr. 110:391-396 (1997))。
・有鞭毛サルモネラ細菌は他の有鞭毛サルモネラの結合を抑制する。しかしながら、無鞭毛サルモネラ細菌は、他の有鞭毛サルモネラに対する抑制能の低下を示し、したがって、サルモネラ感染の全体的レベルを増加しさえする(Methner, U.およびBarrow, P.A., Berl. Munch. Tierartzl. Wschr. 110:391-396 (1997), Weinsteinら, Infect. Immun. 46:819-825 (1984))。
これらの理由の組合せにより、鞭毛は、サルモネラワクチンに関する適当な検出可能マーカー抗原とはみなされていなかった。
課題を解決するための手段
驚くべきことに、そのような一般的な憶測に反して、鞭毛の不存在はサルモネラのワクチン接種能に影響を及ぼさないことが、本発明において見出された。これは、野生型サルモネラに感染した動物においては鞭毛に対する大量の抗体が見出されること(これは、再び、それらの抗原性を証明するものである)を考慮すると、特に驚くべきことである。野生型形態においては鞭毛を保持するが、フラジェリンまたは鞭毛の抗原決定基の少なくとも1つに対する抗体を誘導する能力をもはや有さないことを特徴とする、サルモネラ症に対するヒトおよび動物の防御のためのワクチンに使用されるサルモネラ(Salmonella)属の細菌を初めて提供することが、本発明の目的である。
フラジェリンは、いくつかの抗原決定基を含む約500アミノ酸のタンパク質である。すなわち、フラジェリン上には、宿主動物において抗体を産生させるいくつかの領域が存在する。これらの抗原決定基は、T.M. Joys(Joys, T.M., SAAS Bulletin: Biochem. & Biotech. 4:56-59 (1991))により同定され局在化されている。本発明の目的においては、フラジェリンまたは鞭毛の抗原決定基の少なくとも1つに対する抗体を誘導する能力をもやは有さない細菌は、抗原決定基のすべてを尚も有するフラジェリンまたは鞭毛を含まない細菌とみなされる。すべての抗原決定基を除去する必要はない。すなわち、それらの抗原決定基の1つを欠失させるだけで十分である。したがって、血清陽性動物の血清中のこの抗原決定基に対する抗体に関するスクリーニングは、マーカーでワクチン接種された動物と野生型に感染した動物との識別を可能にするであろう。そのような抗体は、ワクチン接種された動物においては見出されないが、自然感染した動物においては存在するであろう。スクリーニングは、後記の常套的な簡便な診断手段で容易に行うことができる。
フラジェリンの合成およびそれに続く鞭毛への成熟に関しては、現在では多くのことが公知である[例えば、Escherichia coli and Salmonella typhimurium, 第10章: Flagella and motility, Frederick C. Neidhardtら編, 第2版, ISBN 1-55581-084-5 (1996)、ならびにMacnab, R.M.; Genetics and biogenesis of bacterial flagella (Annual Review of Genetics 26:131-158 (1992))。鞭毛発生の過程は、鞭毛をコードする遺伝子だけではなく鞭毛および鞭毛モーターの合成に関与する多数の遺伝子をも含む多数の遺伝子の協同的作用を要する。概ね、本発明に従い細菌を作製するための2つのアプローチがある。第1に、1以上の抗原決定基を突然変異させるために、フラジェリンタンパク質をコードする遺伝子内に突然変異を引き起こすことができる。第2に、鞭毛の発生に関与する1以上の遺伝子を突然変異させることができる。これは、フラジェリンまたは更には鞭毛全体の生合成を妨げ、多くの場合には、細菌膜を介するフラジェリンの輸送さえも妨げるであろう。鞭毛が全く産生されない場合には、鞭毛中のフラジェリンの特異的フォールディングにより定められる抗原決定基は存在しないであろう。フラジェリン自体が該膜を介して輸送されずに細菌内部に残存する場合には、フラジェリンに対する抗体の誘導は生じないであろう。集合および輸出に関与することが当技術分野において知られているあらゆる種類の遺伝子または遺伝子クラスター[例えば、形態学的集合経路(Morphlolgical Assembly Pathway)および鞭毛特異的輸出経路(Flagellum-specific Export Pathway)]が、突然変異の標的となりうる。それらはすべて、フラジェリンまたは少なくとも1本の鞭毛を欠く細菌を与える。さらに、明瞭化のために、最終的な鞭毛の合成の全過程に関与する全経路を、鞭毛発生経路と称することとする。
したがって、好ましい実施形態において、該細菌は、鞭毛発生経路の遺伝子内の突然変異のため、フラジェリンまたは鞭毛の抗原決定基の少なくとも1つに対する抗体を誘導する能力を有さない。
しかしながら、実用性の観点からは、ワクチンにおいて使用する細菌から全フラジェリン遺伝子(の一部)を、該鞭毛タンパク質をコードする遺伝子の単なる欠失により欠失させることが望ましいかもしれない。種々のサルモネラ種の鞭毛タンパク質をコードする遺伝子が公知である。それらはすべて密接に関連しており、したがって高度に相同性である。フラジェリン遺伝子は、とりわけ、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)(Li, J.ら, Proc. Natl. Acad. Sci. 91, 2552-2556 (1994))、腸炎菌(Salmonella enteritidis)(Selander, R.K.ら, J. Bacteriol. 174, 3587-3592 (1992))、サルモネラ・ダブリン(Salmonella dublin)(Masten, B.J.およびJoys, T.M., J. Bacteriol, 175, 5359-5365 (1993))、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)(de Vries, N.ら, Appl. Environ. Microbiol. 64, 5033-5038 (1998))、ウマ流産菌(Salmonella abortus-equi)(Hanafusa, T.ら, Mol. Gen. Genet. 236, 260-266 (1993))に関して記載されている。新規サルモネラ種のフラジェリン遺伝子は、既存および公知のサルモネラフラジェリン遺伝子に対するそれらの相同性に基づいて容易に見出すことができる。標準的なハイブリダイゼーション技術は、フラジェリン遺伝子の位置決定に十分なものである。
野生型鞭毛保持サルモネラ細菌には2つのフラジェリン遺伝子が存在する。これらの遺伝子の一方だけのスイッチが入る(すなわち、与えられた任意の時点でフラジェリンを産生する)。鞭毛相変異と称されるメカニズムにより、103〜105世代のオーダーのタイムスケールで、それらの遺伝子は役割を変化させて、それらのうちの発現されていない方の遺伝子が発現されるようになり、その逆も生じる[例えば、Escherichia coli and Salmonella typhimurium. 第10章: Flagella and motility. Frederick C. Neidhardtら編, 第2版, ISBN 1-55581-084-5 (1996)に記載されている)。ある世代数の後に本発明の株がフラジェリンの発現を開始するのを避けるためには、両方のフラジェリン遺伝子を非機能的にする必要がある。あるいは、該相変換メカニズムが非機能的にされている場合には、その時に発現されるフラジェリン遺伝子をノックアウトするだけで十分である。
非機能的遺伝子は、フラジェリンをもはやコードしていない遺伝子である。これは、抗原決定基をコードするコード配列の一部が除去された遺伝子でありうる。
該フラジェリン遺伝子またはフラジェリン生合成に関与するその他の公知遺伝子のいずれかを非機能的にする1つの可能な方法は、野生型細菌の鞭毛を産生する細菌の突然変異誘発剤(例えば、塩基類似体)での処理、紫外線での処理または温度処理などの古典的な方法によるものである(Anderson, P. 1995. Mutagenesis, Methods in Cell Biology 48, p.31-58, H.F. Epstein and D.C. Shakes (編))。野生型が鞭毛を有する種々の細菌の無鞭毛突然変異体を作製するための他の方法は、とりわけ、Liu, S.L.ら(Infect. Immun., 1988年8月; 56(8): 1967-73)、Haas, Rら(Mol. Microbiol. 1993年5月; 8(4): 753-60)およびGraf, J.ら(J. Bacteriol., 1994年11月; 16(22): 6986-91)に記載されている。
無鞭毛細菌に関する選択は、鞭毛の不存在または存在に関する光学顕微鏡分析により非常に容易に行われる。フラジェリンまたは鞭毛の抗原決定基の少なくとも1つを欠く細菌に関する選択は、フラジェリンまたは鞭毛に対するモノクローナル抗体を使用する結合アッセイにより行うことができる。そのような抗鞭毛または抗フラジェリンモノクローナル抗体は、標準的な技術に従い[とりわけ、当技術分野で公知の技術(KohlerおよびMilstein, Nature, 256, 495-497, 1975)により近交系マウスを(鞭毛で)免疫することにより]製造することができる。このようにして得られたモノクローナル抗体を、突然変異細菌を使用する結合アッセイにおいて使用することができ、特異的モノクローナル抗体に結合しない細菌は、フラジェリンまたは鞭毛の抗原決定基の少なくとも1つを欠く細菌である。
古典的な突然変異技術により生じる突然変異の本質は知られていない。これは、生じる可能性は低いが結局は野生型に復帰しうる点突然変異かもしれない。したがって、トランスポゾン突然変異誘発が、優れた代替手段である。トランスポゾン突然変異誘発による突然変異は、当技術分野においてよく知られた突然変異誘発技術でもある。これは、染色体内の限局部位において達成される突然変異である。ランダムにではなく意図的に所定部位に突然変異が導入される可能性は、組換えDNA技術によりもたらされる。そのような突然変異は、1個のヌクレオチドの挿入、欠失、別のヌクレオチドによるその置換またはそれらの組合せであってもよいが、該突然変異遺伝子は機能的な鞭毛をもはやコードしていないことが唯一の条件として要求される。そのような突然変異は、例えば、多数の塩基対の欠失により作製することができる。10塩基対の伸長などの非常に小さな欠失でさえ、フラジェリンを非機能的にすることが既に可能であろう。1個の塩基対の欠失からでさえ、非機能的フラジェリンを得ることが既に可能であろう。なぜなら、そのような突然変異の結果として、その他の塩基対は、もはや正しいリーディングフレームで存在しないからである。3個の塩基対により分割できない多数の塩基対の各欠失または挿入が、そのようなフレームシフトを引き起こす。より好ましくは、より長い伸長(例えば、100塩基対)を除去する。より一層好ましくは、全フラジェリン遺伝子を欠失させる。特に、オープンリーディングフレーム内に終結コドンを導入する突然変異またはオープンリーディングフレーム内でフレームシフトを引き起こす突然変異は、もはやフラジェリンをコードしない株を得るのに非常に適している、と容易に理解されうる。部位特異的突然変異誘発は、1以上の特異的抗原決定基を欠くフラジェリン遺伝子の作製に特に適した方法である。Joys(Joys, T.M, SAAS Bulletin: Biochem. & Biotech. 4:56-59 (1991))により作製された抗原決定基の地図に基づき、1以上の特異的抗原決定基が除去された突然変異フラジェリン遺伝子を作製することができる。フラジェリン陰性突然変異体の構築のためのすべての組換えDNA技術はよく知られた標準的技術である。それらは、フラジェリン遺伝子のクローニング、部位特異的突然変異誘発による該遺伝子配列の修飾、制限酵素消化およびそれに続く再連結またはPCRアプローチ、およびついで行う突然変異遺伝子による野生型フラジェリン遺伝子の置換(対立遺伝子交換または対立遺伝子置換)に関連したものである。プラスミド内へのフラジェリン遺伝子のクローニング、制限酵素による該遺伝子の消化およびそれに続くエンドヌクレアーゼ処理、再連結および宿主株内での相同組換えなどの標準的な組換えDNA技術はすべて、当技術分野において公知であり、とりわけ、Maniatis/Sambrook(Sambrook, J.ら, Molecular cloning: a laboratory manual ISBN 0-87969-309-6)に記載されている。部位特異的突然変異は、例えば、Clontechが販売しているTransformer(登録商標)キットを使用するインビトロ部位特異的突然変異誘発により得ることができる。PCR技術は、Dieffenbach & Dreksler, PCR primers, a laboratory manual. ISBN 0-87969-447-5 (1995)に詳細に記載されている。
したがって、より好ましい形態においては、本発明の本実施形態は、フラジェリン遺伝子内の突然変異のためにフラジェリンを発現できない細菌に関する。
最も好ましくは、該細菌は、ネズミチフス菌(S. typhimurium)、腸炎菌(S. enteritidis)、ブタコレラ菌(S. choleraesuis)、エス・ダブリン(S. dublin)、腸チフス菌(S. typhi)、ヒツジ流産菌(S. abortus-ovi)、ウマ流産菌(S. abortus-equi)、パラチフスA菌およびB菌(S. paratyphi AおよびB)、エス・デルビィ(S. derby)、エス・ハダー(S. hadar)、ハイデルベルク菌(S. heidelberg)、アゴナ菌(S. agona)およびアリゾナ・サルモネラ(S. arizonae)よりなる群から選ばれる。
本発明のもう1つの目的は、サルモネラ症に対してヒトおよび動物を防御するための適当なマーカーワクチンを初めて提供することにある。本発明のワクチンは、前記の細菌またはその抗原性物質と医薬上許容される担体とを含むという特徴を有する。本発明のワクチンの主な利点は、それによりワクチン接種されたヒトおよび動物が、ワクチン接種されていないヒトおよび動物ならびに野生型サルモネラに感染したヒトおよび動物から、それらの抗体パネルに基づいて識別されうることである。
本発明のワクチンは、生弱毒化または不活化形態であってもよい。どちらの場合においても、鞭毛またはフラジェリンの抗原決定基の少なくとも1つの不存在が、野生型の感染後に誘導されるものから容易に識別されうるワクチン接種後の抗体パネルを与えるであろう。
不活化ワクチンは、それらが本質的に安全であるという、生ワクチンより優れた利点を有する。したがって、本発明の1つの好ましい形態は、該細菌が不活化形態であるワクチンに関する。
しかしながら、生サルモネラ細菌に基づく本発明のワクチンは、それらが自然感染をより良く模擬し従ってより優れた様態で免疫系を刺激するという、不活化細菌を含むワクチンより優れた利点を有する。それらはまた、後記で説明するとおりの更なる重要な利点を有する。一般に、生弱毒化ワクチンの開発は困難であり、多くの時間を要する。さらに、弱毒化の度合の微調整は複雑であり、高ビルレンスは疾患を引き起こし、低いビルレンスは不十分な防御しか誘導しない。驚くべきことに、本発明のワクチンは、それらの鞭毛保持対応物と比較して、ビルレンスにおける有意な相違を示さない。すなわち、フラジェリン遺伝子の除去は、弱毒化のレベルを有意に変化させない。これは、以下の予想外の利点を有する。すなわち、ワクチンにおける使用に適した将来の及び承認されている既存の生弱毒化サルモネラ株は、それらがフラジェリンまたは鞭毛の抗原決定基の少なくとも1つに対する抗体を誘導できなくされている限り、本発明において使用可能である。したがって、もう1つの好ましい形態においては、本発明のワクチンは生弱毒化細菌を含む。
現在、愛玩動物および家畜の両方に大量のワクチンが投与されていることを考えると、ワクチン接種コストの低減の理由だけにおいても、いくつかのワクチンの組合せ投与が望ましいことは明らかである。したがって、他の病原性微生物またはウイルスから選ばれる抗原をコードする異種遺伝子用紙換え担体として生弱毒化細菌を使用することは非常に魅力的である。そのような組換え担体の投与は、同時に2以上の疾患に対する免疫が誘導されるという利点を有する。本発明のワクチンにおいて使用するための生弱毒化細菌は、異種遺伝子に非常に適した担体を提供する。原則として、そのような異種遺伝子は細菌ゲノム内の任意の非必須部位に挿入することができる。
したがって、本発明のもう1つの実施形態は、異種遺伝子が挿入された本発明の細菌に関する。そのような異種遺伝子は、前記のとおり、例えば、他の病原性微生物またはウイルスから選ばれる抗原をコードする遺伝子であってもよい。そのような遺伝子は、例えば、病原性ヘルペスウイルス(例えば、ヘルペスウイルスの構造タンパク質をコードする遺伝子)、レトロウイルス(例えば、gp160エンベロープタンパク質)、アデノウイルスなどに由来するものであってもよい。異種遺伝子は病原性細菌からも得ることができる。例えば、アクチノバシラス・プリゥロニュウモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)毒素、クロストリジウム(Clostridium)毒素、外膜タンパク質などの細菌毒素をコードする遺伝子は、非常に適した細菌異種遺伝子である。もう1つの可能性は、免疫系の刺激に関与するタンパク質(例えば、インターロイキン、腫瘍壊死因子またはインターフェロン)をコードする遺伝子または免疫調節に関与する別の遺伝子を挿入することである。
挿入部位としてのフラジェリン遺伝子の使用は、異種遺伝子のための新たな挿入部位を見出す必要がないという利点、そして更に、フラジェリン遺伝子が不活性化されており、新たに導入された異種遺伝子が(相同細菌遺伝子と協同的に)発現されうるという利点を有する。そのような組換え担体の構築は、対立遺伝子交換などの標準的な分子生物学的技術を用いる常套手段により行うことができる。
したがって、本実施形態の好ましい形態においては、該異種遺伝子をフラジェリン遺伝子内に挿入する。該異種遺伝子は、フラジェリン遺伝子内のいずれかの部位に挿入されることが可能であり、あるいは部分的または完全に欠失しているフラジェリン遺伝子の部位に挿入することができる。
また、本発明のワクチンは、前記の細菌またはその抗原性物質に加えて、医薬上許容される担体を含有する。そのような担体は水などの単純なものであってもよいが、それは例えば、該細菌を培養した培養流体を含んでいてもよい。もう1つの適当な担体として、例えば、生理的塩濃度の溶液が挙げられる。
有用な投与量は、ワクチン接種される動物の年齢、体重および種類、投与の方法および経路ならびにワクチン接種の対象となる病原体のタイプに応じて様々となるであろう。該ワクチンは、免疫応答を惹起するのに十分な任意の用量の細菌を含むことが可能である。例えば、103〜1010細菌の用量が非常に適した用量である。
所望により、アジュバント活性を有する1以上の化合物を該ワクチンに加えることができる。アジュバントは、該免疫系の非特異的刺激因子である。それらは、該ワクチンに対する宿主の免疫応答を増強する。当技術分野で公知のアジュバントの具体例としては、フロイント完全および不完全アジュバント、ビタミンE、非イオンブロック重合体、ムラミルジペプチド、ISCOM(免疫刺激複合体; 例えば、欧州特許EP 109942を参照されたい)、サポニン、鉱油、植物油およびCarbopolが挙げられる。粘膜適用に特に適したアジュバントとしては、例えば、大腸菌(E. coli)易熱性毒素(LT)またはコレラ(Cholera)毒素(CT)が挙げられる。他の適当なアジュバントとしては、例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウムまたは酸化アルミニウム、油性乳剤(例えば、Bayol(登録商標)またはMarcol 52(登録商標)のもの)、サポニンまたはビタミンEソリュビリゼートが挙げられる。したがって、好ましい形態においては、本発明のワクチンはアジュバントを含む。
本発明で有用な医薬上許容される担体または希釈剤の他の具体例には、SPGAなどの安定化剤、炭水化物(例えば、ソルビトール、マンニトール、デンプン、ショ糖、グルコース、デキストラン)、アルブミンまたはカゼインなどのタンパク質、ウシ血清または脱脂乳などのタンパク質含有物質、およびバッファー(例えば、リン酸バッファー)が含まれる。そのような安定化剤を該ワクチンに加える場合には特に、該ワクチンは凍結乾燥または噴霧乾燥に非常に適している。したがって、より好ましい形態においては、該ワクチンは凍結乾燥または噴霧乾燥形態である。
動物またはヒトに投与する場合には、本発明のワクチンは、とりわけ、鼻腔内に、噴霧により、皮内に、皮下に、経口的に、エアゾールにより又は筋肉内に投与することができる。家禽に適用する場合には、それらに加えて、羽板への投与および点滴投与が適している。
本発明のもう1つの実施形態は、サルモネラ(Salmonella)細菌による感染または感染の病原性効果に対してヒトおよび動物を防御するワクチンの製造のための、本発明の細菌の使用に関する。
本発明はまた、本発明のワクチンの製造方法に関する。そのような方法は、本発明の細菌またはその抗原性物質と医薬上許容される担体とを混合することを含む。
血清中のサルモネラ抗フラジェリン抗体または抗鞭毛抗体の不存在/存在に関するスクリーニングのための診断試験は、例えば、鞭毛、または精製されたフラジェリン、またはそれらの抗原性断片を含む短いポリペプチドをELISAプレートのウェル壁にコーティングする簡便なELISA試験であってもよい。その場合、試験されるヒトまたは動物からの血清と共にインキュベートし、ついで例えば関連するヒトまたは動物抗体に対する標識抗体と共にインキュベートすることにより、フラジェリンに対する抗体の存在または不存在が示されうる。
診断試験系のもう1つの例としては、例えば、フラジェリンを含むウエスタンブロットを、試験するヒトまたは動物の血清と共にインキュベートし、ついで該ブロットを分析することが挙げられる。サルモネラフラジェリンに対する抗体の検出のための診断試験は、好ましくは、精製形態のフラジェリンを含むキットの形態である。該フラジェリンは、例えば、適当なカラム上での標準的なタンパク質分離技術により分離されうるであろう。もう1つの可能性としては、PAAGEゲル上での分離、およびそれに続くウエスタンブロット法が挙げられる。ウエスタンブロット上で、該フラジェリンは、他のサルモネラタンパク質のバンドから分離される特異的なバンドを形成し、したがって同様にそれは精製されているとみなされる。また、該タンパク質の純粋形態は、フラジェリンをコードする核酸配列を発現させることにより得ることができる。概ね、そのような診断試験系を調製するための最も容易な方法は、前記のとおりの精製された全フラジェリンを使用することである。しかしながら、フラジェリンの一部だけを使用することも十分に可能である。ただし、これは、使用する断片が該タンパク質の抗原決定基を尚も含む場合に限られる。自明のこととして、フラジェリンのすべての抗原決定基が抗体を誘導するであろう。したがって、フラジェリンの抗原決定基の1つだけを含むフラジェリン断片の使用が、抗フラジェリン抗体に対する結合をもたらしうるであろう。
非感染のヒトまたは動物からの血清、感染しているヒトまたは動物からの血清およびワクチン接種されたヒトまたは動物からの血清を互いに識別しうる試験は、例えば、フラジェリンでコーティングされたウェルAと、もう1つのサルモネラ免疫原(おそらく全サルモネラ細胞)でコーティングされたウェルBとを含む。ウェルAおよびBと反応する血清は、圃場感染または古典的なワクチンでのワクチン接種を示し、ウェルBとだけ反応する血清は、試験動物が該マーカーワクチンでワクチン接種されていることを示す。
実施例1
家禽およびブタにおいて生ワクチンとして試験されており良好な防御レベルをもたらす弱毒化株であるネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)株STMPを、化学的突然変異誘発の出発材料として使用した。
化学的突然変異誘発
ネズミチフス菌(S. typhimurium)STMPを血液寒天培地上で増殖させ、陽性O抗原B群凝集反応およびH抗原2型凝集反応に関して検査する。1つのコロニーをLB培地内に接種し、通気しながら37℃で20時間インキュベートした。10μlの一晩培養物を10mlのLB(3培養物)中で希釈し、該培養が600nmで0.5のO.D.に達するまで、通気しながら37℃で6時間インキュベートした。サンプルを採取して、生存可能な細菌の数を測定した。それらの3個の10ml培養のそれぞれに、100μlのトリオキサレン(Sigmaからの化学的突然変異誘発物質; DMSO中3mg/ml)を加え、該懸濁液を10cm径のペトリ皿に注いだ。該懸濁液に、20cmの距離から紫外線(Transilluminator; 波長365nm)を5、10または15分間照射した。10μlを10mlの0.9%NaClに移し、1/10希釈物を調製し、突然変異誘発培養内の細菌の生存率の測定のために100μlを血液寒天プレート上にプレーティングした。約3%および20%の生存率を有する培養を、600nmで0.5のODに達するまで、100mlのLB内で増殖させた。細菌を遠心分離により集め、5mlのLBに再懸濁し、30%グリセロール中で-70℃で保存した。
非運動性無鞭毛突然変異体の選択
該突然変異細菌(3%の生存率; 5,000〜10,000個の突然変異体)を該グリセロールストックから3個の血液寒天プレートのそれぞれに接種した。細菌をLB中に集め、600nmのODを2.17に調節した。6個の10倍希釈物をLB中で調製し、ついで50μlのH2抗血清(Difco)を450μlの細菌懸濁液に加えた。突然変異体の懸濁液を無鞭毛細菌に関して富化させるために、H抗血清でのこの選択工程を含めた。この懸濁液を、振とう(250rpm)しながら37℃で6時間インキュベートし、ついで凝集反応複合体を除去するためにEppendorfmini遠心管中、1000rpmで1分間遠心分離した。該上清から、1、10および100μlを血液寒天プレート上に配置し、37℃で20時間インキュベートした。
結果:
ネズミチフス菌(S. typhimurium)STMPの非運動性突然変異体の同定
H2抗血清と共にインキュベートすることによる無鞭毛細菌に関する選択は、該血清処理突然変異体懸濁液(3%の生存率)が播かれたプレート(106倍希釈)上では約40コロニーの増殖をもたらしたが、該血清処理STMP懸濁液が播かれたプレート(106倍希釈)上ではコロニーは全く増殖しなかった。この結果は、H2抗血清で凝集しない突然変異体(おそらく無鞭毛化している)が存在することを示した。それらの40個のコロニーをH2凝集反応に関して及び運動性に関して光学顕微鏡を用いて試験した。すべての突然変異体はH2凝集反応に関して陰性であったが、光学顕微鏡による観察では1個の突然変異体だけが非運動性であるらしかった。この非運動性突然変異体はB群O抗原凝集反応に関して陽性であった。この突然変異体をSTM2000と命名した。
ネズミチフス菌(S. typhimurium)STMPの非運動性突然変異体STM2000のインビトロ安定性
血液寒天プレート上での12回のインビトロ継代により、STM2000の表現型安定性を試験した。同じ実験において、該親株STMPもまた、12回継代した。これらの培養を光学顕微鏡により観察したところ、該突然変異体培養内のすべての細菌は依然として非運動性であった。STMP細菌のすべての細胞が同レベルの運動性を示したわけではなかったが、STMP細菌は運動性であった。STMPとSTM2000との電子顕微鏡による比較により、突然変異細菌上に鞭毛が存在しないことが確認された。
ネズミチフス菌(S. typhimurium)STMPの非運動性突然変異体STM2001のインビトロ安定性
異なる実験において、ネズミチフス菌(S. typhimurium)SL3261(寄託番号SGSC439, Salmonella Genetic Stock Centre, University of Calgary, Alberta, Canada)をNTGで化学的に突然変異誘発させ、前記のとおりに非運動性突然変異体を選択した。1個の突然変異体STM2001は、フラジェリン特異的モノクローナル抗体との反応を示さなかった。2Dタンパク質ゲル電気泳動後、STM2001は、その親株と比較して、51kDaおよびpI 4.7のフラジェリンのスポットを欠くことが示された。この株の遺伝的安定性を、少なくとも50世代にわたり増殖させることにより試験した。この期間の後においても依然として、復帰突然変異体は見出されなかった。すべての細菌は尚も非運動性であった。株STM2001は、Centraalbureau voor Schimmelcultures(CBS)、Oosterstraat 1、PO. box 273,3740 AG Baam、The Netherlandsに受託番号CBS 108955として寄託されている。
実施例2
実験計画
腸炎菌(S. enteritidis)(S.e.)ファージ4型株から有鞭毛および無鞭毛ワクチンを製造した。該細菌をリン酸トリプトースブロス(Tryptose Phosphate Broth)内で培養し、ホルマリンを最終濃度0.5%まで加えることにより不活化し、ついで該細菌細胞を遠心分離により収穫した。該細胞をリン酸バッファー塩液に再懸濁し、5 x 109細菌/mlで油中水型エマルションワクチンに製剤化した。5匹のニワトリに該S.e. fla+ワクチンを筋肉内注射し、5匹のニワトリに該S.e. fla-ワクチンを投与した。該動物を、14および18週齢の時点で0.5mlのワクチンでワクチン接種した。22週齢の時点で、該ニワトリから採血し、S.e.のg,mフラジェリンに対する抗体に特異的な二重抗体サンドウィッチ遮断ELISA系(Zijderveld, F.G vanら, (1993) Vet. Quart. 15, 135-137)において血清を試験した。
動物
約14週齢の市販の産卵型ニワトリを、サルモネラを保持しない集団から入手した。
結果:
該S.e. fla+ワクチンを投与した5匹すべてのニワトリは、g,m特異的ELISA(遮断率>60%)において血清変換し、一方、該fla-ワクチンでワクチン接種した5匹のニワトリは血清陰性のままであった。
実施例3
実験1
実験計画
安全性を評価するために、鞭毛陽性ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)株STMP、鞭毛陰性ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)株STM2000または野生型ネズミチフス菌(S. typhimurium)(Salmonella typhimurium)をブロイラーに経口的(1ml)、皮下(0.5ml)および筋肉内(0.5ml)に接種した。接種後1週間にわたり該動物を観察し、ついで該生存ニワトリの死後検査を行った。
動物
3週齢の市販のブロイラーを、サルモネラを保持しない集団から得た。
結果:
接種後、野生型ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)を投与した10匹中8匹の動物が死亡した(表1)。剖検の際に、該野生型株を接種した2匹の生存ニワトリは、壊死病巣を有する腫張した肝臓、腫張した脾臓および心膜水腫を有していた。該STMPを接種したニワトリのうちの1匹は、若干腫張した肝臓を有し、STM2000を接種した1匹のニワトリは、若干腫張した脾臓を有していた。それらの2群においては、さらなる異常は認められなかった。
Figure 0005745731
実験2
実験計画
安全性および効力の両方を試験するために、STMPまたはSTMP2000のいずれかを3日齢および15日齢のブロイラーに経口的に接種し、ついで22日齢の時点でテトラサイクリン耐性野生型ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)株で攻撃感染を行った。安全性は、ワクチン接種後の臨床的観察および体重増加の測定により評価した。また、腸管内の該ワクチン株の存在を判定するために、第10日および第22日に総排出腔スワブを採取した。スワブを使用して、ブリリアントグリーン寒天培地(BGA)に直接的に、およびラパポート・バシリエイド・ブロス(Rappaport Vassiliades Broth(RVB))内での富化後に接種した。攻撃感染後1週間にわたり該動物を観察し、ついで該生存ニワトリの死後検査を行った。生存しているワクチン接種ニワトリの肝臓、脾臓、総排出腔スワブおよび盲腸内容物のスワブを、テトラサイクリン含有BGA(BGAtet)上への直接接種により該攻撃株に関して培養した。また、該スワブを強化培地(テトラサイクリンを含有する緩衝化ペプトン水)内でインキュベートし、ついでBGAtet上にプレーティングした。
動物
3日齢の市販のブロイラーを、サルモネラを保持しない集団から入手した。
結果:
3日齢および15日齢における経口ワクチン接種の後、臨床的異常は何ら観察されなかった。また、ワクチン接種群における平均体重増加は、対照群と異ならなかった(表3)。どちらの株も、ワクチン接種の7日後に採取した該ワクチン接種動物の総排出腔スワブ内に存在した(表2)。該STMP接種群のニワトリが、より高い比率で、直接プレーティング後に培養陽性であったことは、この株が、STM2000株より多くの数で腸管にコロニー形成することを示している。
Figure 0005745731
攻撃感染後、STMP群では1匹(7%)のニワトリが死亡した。これに対して、STM2000群の死亡率は0、ワクチン接種されていない対照における死亡率は80%であった(表3)。また、対照群の生存ニワトリは、ワクチン接種体よりかなり少ない体重増加を示した。攻撃感染後のSTM2000ワクチン接種群の体重増加は、STMPワクチン接種群の体重増加より有意に高かった。
Figure 0005745731
表4に示すとおり、脾臓および肝臓からの該攻撃生物の再分離率における相違は認められなかった。総排出腔スワブおよび盲腸内容物からの再分離により判断される腸管のコロニー形成は、STM2000でワクチン接種された群では、有意に、より低かった。
Figure 0005745731
実施例4
実験計画
効力を試験するために、STMP(109.0 CFU)またはSTM2000(109.3 CFU)をブタに経口的に接種し、ついで2週間後にストレプトマイシン耐性野生型ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)株(1011.0 CFU)で経口攻撃感染を行った。攻撃の5日後および8日後の糞便サンプルを培養することにより、該攻撃株の放出を測定した。約5gの糞便をペプトン水中に配置し、2時間インキュベートした。ついで10倍系列希釈をストレプトマイシン含有RVB培地内で作製し、一晩培養し、ストレプトマイシンを含有するリン酸トリプトースブロス(Tryptose Phosphate Broth)上にプレーティングした。該攻撃株を含有する最大希釈物を使用して、再分離得点(陽性の最大希釈率の逆数)を計算した。STMPでワクチン接種した8匹のブタおよびワクチン接種されていない8匹の対照を、第1実験において使用した。第2実験では、9匹のブタをSTM2000でワクチン接種し、ワクチン接種されていない9匹の対照を使用した。
動物
6週齢のSPFブタを両方の実験において使用した。
結果:
表5に示すとおり、両方のワクチン株は、該攻撃株の糞便放出を有意に減少させる能力を有していた。
Figure 0005745731
STM2000およびその親株ネズミチフス菌(S. typhimurium)STMPのタンパク質プロフィール分析。レーン1、11および12, 示されているとおりの分子量マーカー;レーン2、5および8, 血液寒天培地上で12回継代されたネズミチフス菌(S. typhimurium)STMP;レーン3、6および9, 血液寒天培地上で12回継代されたSTM2000;レーン4、7および10, 血液寒天培地上で2回継代されたSTM2000。レーン2、3および4, 全タンパク質プロフィール;レーン5、6および7, 超音波処理および遠心分離後のペレット;レーン8、9および10, 超音波処理および遠心分離後の上清。タンパク質はクーマシーブリリアントブルーで染色した。 ネズミチフス菌(S. typhimurium)STMP(A)の電子顕微鏡検査の写真である。 ネズミチフス菌(S. typhimurium)STMP(A)の非運動性突然変異体STM2000(B)の電子顕微鏡検査の写真である。

Claims (20)

  1. サルモネラ症に対するヒトまたは動物の防御のためのワクチンであって、野生型形態においては鞭毛を保持するサルモネラ(Salmonella)属の細菌であり、且つ、フラジェリンまたは鞭毛の抗原決定基の少なくとも1つに対する抗体を誘導する能力を有さない非運動性無鞭毛突然変異体である生弱毒化形態の細菌と、医薬上許容される担体とを含むことを特徴とするワクチン。
  2. 細菌が、鞭毛発生経路の遺伝子内の突然変異のため、フラジェリンまたは鞭毛の抗原決定基の少なくとも1つに対する抗体を誘導する能力を有さない、請求項1に記載のワクチン。
  3. 突然変異が、フラジェリン遺伝子内に位置する、請求項2に記載のワクチン。
  4. 細菌が、ネズミチフス菌(S. typhimurium)、腸炎菌(S. enteritidis)、ブタコレラ菌(S. choleraesuis)、エス・ダブリン(S. dublin)、腸チフス菌(S. typhi)、ヒツジ流産菌(S. abortus−ovi)、ウマ流産菌(S. abortus−equi)、パラチフスA菌およびB菌(S. paratyphi AおよびB)、エス・デルビィ(S. derby)、エス・ハダー(S. hadar)、ハイデルベルク菌(S. heidelberg)、アゴナ菌(S. agona)およびアリゾナ・サルモネラ(S. arizonae)よりなる群から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のワクチン。
  5. 細菌が、異種遺伝子を更に保持し、該異種遺伝子がフラジェリン遺伝子内に挿入されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のワクチン。
  6. 細菌が、セントラルビューロー・フォア・シメカルチャーズ(Centraalbureau voor Schimmelcultures)に受託番号CBS 108955として寄託されている株により代表される株に属する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のワクチン。
  7. アジュバントを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のワクチン。
  8. 凍結乾燥または噴霧乾燥形態である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のワクチン。
  9. サルモネラ(Salmonella)細菌による感染または感染の病原性効果に対してヒトまたは動物を防御するワクチンの製造のための、野生型形態においては鞭毛を保持するサルモネラ(Salmonella)属の細菌であり、且つ、フラジェリンまたは鞭毛の抗原決定基の少なくとも1つに対する抗体を誘導する能力を有さない非運動性無鞭毛突然変異体である生弱毒化形態の細菌の使用。
  10. 細菌が、鞭毛発生経路の遺伝子内の突然変異のため、フラジェリンまたは鞭毛の抗原決定基の少なくとも1つに対する抗体を誘導する能力を有さない、請求項9に記載の細菌の使用。
  11. 突然変異が、フラジェリン遺伝子内に位置する、請求項10に記載の細菌の使用。
  12. 細菌が、ネズミチフス菌(S. typhimurium)、腸炎菌(S. enteritidis)、ブタコレラ菌(S. choleraesuis)、エス・ダブリン(S. dublin)、腸チフス菌(S. typhi)、ヒツジ流産菌(S. abortus−ovi)、ウマ流産菌(S. abortus−equi)、パラチフスA菌およびB菌(S. paratyphi AおよびB)、エス・デルビィ(S. derby)、エス・ハダー(S. hadar)、ハイデルベルク菌(S. heidelberg)、アゴナ菌(S. agona)およびアリゾナ・サルモネラ(S. arizonae)よりなる群から選ばれる、請求項9〜11のいずれか1項に記載の細菌の使用。
  13. 細菌が、異種遺伝子を更に保持し、該異種遺伝子がフラジェリン遺伝子内に挿入されている、請求項9〜12のいずれか1項に記載の細菌の使用。
  14. 細菌が、セントラルビューロー・フォア・シメカルチャーズ(Centraalbureau voor Schimmelcultures)に受託番号CBS 108955として寄託されている株により代表される株に属する、請求項9〜13のいずれか1項に記載の細菌の使用。
  15. 野生型形態においては鞭毛を保持するサルモネラ(Salmonella)属の細菌であり、且つ、フラジェリンまたは鞭毛の抗原決定基の少なくとも1つに対する抗体を誘導する能力を有さない非運動性無鞭毛突然変異体である生弱毒化形態の細菌と、医薬上許容される担体とを混合することを含んでなる、サルモネラ症に対してヒトまたは動物を防御するためのワクチンの製造方法。
  16. 細菌が、鞭毛発生経路の遺伝子内の突然変異のため、フラジェリンまたは鞭毛の抗原決定基の少なくとも1つに対する抗体を誘導する能力を有さない、請求項15に記載のワクチンの製造方法。
  17. 突然変異が、フラジェリン遺伝子内に位置する、請求項16に記載のワクチンの製造方法。
  18. 細菌が、ネズミチフス菌(S. typhimurium)、腸炎菌(S. enteritidis)、ブタコレラ菌(S. choleraesuis)、エス・ダブリン(S. dublin)、腸チフス菌(S. typhi)、ヒツジ流産菌(S. abortus−ovi)、ウマ流産菌(S. abortus−equi)、パラチフスA菌およびB菌(S. paratyphi AおよびB)、エス・デルビィ(S. derby)、エス・ハダー(S. hadar)、ハイデルベルク菌(S. heidelberg)、アゴナ菌(S. agona)およびアリゾナ・サルモネラ(S. arizonae)よりなる群から選ばれる、請求項15〜17のいずれか1項に記載のワクチンの製造方法。
  19. 細菌が、異種遺伝子を更に保持し、該異種遺伝子がフラジェリン遺伝子内に挿入されている、請求項15〜18のいずれか1項に記載のワクチンの製造方法。
  20. 細菌が、セントラルビューロー・フォア・シメカルチャーズ(Centraalbureau voor Schimmelcultures)に受託番号CBS 108955として寄託されている株により代表される株に属する、請求項15〜19のいずれか1項に記載のワクチンの製造方法。
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