JP2011516082A - 小分子修飾因子の使用を通して多能性遺伝子を誘発することによる細胞の再プログラミング - Google Patents

小分子修飾因子の使用を通して多能性遺伝子を誘発することによる細胞の再プログラミング Download PDF

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Abstract

本発明は細胞を再プログラミングするための方法、組成物、及びキットに関する。一実施形態においては、本発明は、遺伝子が多能性又は多分化能性となるのに寄与する、少なくとも1の遺伝子の発現を誘発するステップを具える方法に関する。更に別の実施形態においては、本方法は、遺伝子が多能性又は多分化能性となるのに寄与する、少なくとも1の遺伝子の発現を誘発する小分子修飾因子に、細胞を曝露するステップを具える。更に別の実施形態においては、本発明はES様細胞の特徴を有することができ、様々な分化細胞型に再分化又は分化形質転換されうる再プログラミングされた細胞及び再プログラミングされた細胞の濃縮集団に関する。
【選択図】図1

Description

[関連特許出願の相互参照]
本出願は2006年8月1日出願の米国特許出願第11/497,064号の一部継続出願であり、2005年8月1日出願の米国仮特許出願第60/704,465の米国特許法第119条(e)の利益を主張し、更に2008年4月7日出願の米国仮特許出願第61/043,066号;2008年4月7日出願の米国仮特許出願第61/042,890号;2008年4月7日出願の米国仮特許出願第61/042,995号;及び、2008年11月12日の米国仮特許出願第61/113,971号;の米国特許法第119条(e)の利益を主張し、その各々は全体として説明されたかのように引用によって本明細書に組み込まれる。
[本発明の技術分野]
本発明の実施形態は細胞生物学、幹細胞、細胞分化、体細胞核移植、及び細胞治療法の分野に関する。特に、本発明の実施形態は、細胞を再プログラミングするための方法、組成物、及びキット、ならびに細胞治療法に関する。
再生医療は、多くの人の病気の治療法として非常に有望であるが、現在の科学研究で直面する最も困難な技術的課題の一部を伴っている。再生医療び技術的課題は、低いクローニング効率と;強力な多能性組織の供給不足と;どのように細胞分化を制御するか、及び、どの胚性幹細胞型が選択された療法に用いられうるかについての一般化された知識の不足と;を含む。ES細胞は大きな可塑性を有しているが、未分化ES細胞は組織型の混合物を含む奇形腫(良性腫瘍)を形成しうる。更に、ある供給源から別の供給源へのES細胞の移植は大抵は、新しい細胞の拒絶を防止する薬剤の投与を要求する。
胎児起源ではない組織から幹細胞を産生するための新しい手段を同定するために努力がなされてきた。あるアプローチは自己成体幹細胞の処置を含む。再生医療で自己成体幹細胞を用いる利点は、同一の患者で取得及び帰還され、従って、免疫介在性の拒絶を受けないという事実である。主要な弱点は、これらの細胞がES細胞の可塑性及び多能性を欠如しており、これらの可能性が不確かであることである。別のアプローチは成体組織から体細胞を再プログラミングして、多能性のES様細胞を生成することを目的とする。しかしながら、このアプローチは、細胞が分化するか細胞周期から離脱するとすぐに固定されると考えられる固有のエピジェネティックなサインを、多細胞生物内の各細胞型が有するため、困難である。
細胞DNAは一般的には、核酸及びタンパク質を含む複合体であるクロマチンの形態で存在する。実際に、ほとんどの細胞RNA分子は更に核タンパク複合体の形態で存在する。クロマチンの核タンパク構造は当該技術分野の当業者に既知のように、広範な研究対象である。一般的には、染色体DNAはヌクレオソームにパッケージングされる。ヌクレオソームはコアとリンカーとを含む。ヌクレオソームのコアは約150の染色体DNAの塩基対を周りで包むコアヒストンの八量体(H2A、H2B、H3、H4が各2つ)を含む。更に、約50の塩基対のリンカーDNA断片はリンカーヒストンH1と関連づけられる。ヌクレオソームは高次クロマチン線維に組織化され、クロマチン線維は染色体に組織化される。例えば、“Chromatin:Structure and Function”,3rd Ed.,Academic Press,San Diego,1998参照。
クロマチン構造は静的ではないが、クロマチン再構成として既知のプロセスによって集団的に修飾を受ける。クロマチン再構成は例えば、DNAの領域からヌクレオソームを除去するか;DNAの1の領域から他の領域にヌクレオソームを移動させるか;あるいは、ヌクレオソーム間の空間を変えるか;ヌクレオソームを染色体中のDNAの領域に添加する;ように作用する。クロマチン再構成は更に、高次構造の変化を引き起こすことができ、これによって転写型活性クロマチン(オープンクロマチン又はユークロマチン)と、転写型不活性クロマチン(クローズクロマチ又はヘテロクロマチン)との間の平衡状態に影響を与える。
染色体タンパク質は多数の型の化学的修飾を受ける。これらのコアヒストンの翻訳後修飾のための1の機構は、高保存型の塩基であるN末端リジン残基の可逆性アセチル化である。ヒストンアセチル化の定常状態は、競合する1以上のヒストンアセチルトランスフェラーゼと、HDACと本明細書中で称される1以上のヒストン脱アセチル化酵素との間の動的平衡によって確立される。ヒストンアセチル化及び脱アセチル化は転写調節に連結している。ヒストンの可逆性アセチル化はクロマチン再構成を引き起こし、このように遺伝子転写の調節機構として作用する。一般的に、ヒストンの高アセチル化は遺伝子発現を促進する一方、ヒストン脱アセチル化は転写抑制と相関づけられる。ヒストンアセチルトランスフェラーゼは転写共役因子として作用することが示されてきたが、脱アセチル化酵素は転写抑制経路に属することが発見された。
ヒストンアセチル化と脱アセチル化との間の動的平衡は標準的な細胞増殖に必須である。ヒストン脱アセチル化の抑制は細胞周期停止、細胞分化、アポトーシス、形質転換表現型の反転を引き起こす。
遺伝子発現の調節に関与する別のタンパク質の群はDNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)であり、転写サイレンシングを引き起こすゲノムのメチル化パターンの産生に関与する。DNAメチル化は胚発生、X染色体不活性化、ゲノムインプリンティング、及び遺伝子発現の調節を含む多くの哺乳類プロセスの中心である。哺乳類におけるDNAメチル化は、S−アデノシルメチオニンのメチル基のシトシンのC5位への移動によって得られる。この反応はDNAメチルトランスフェラーゼによって触媒され、CpGジヌクレオチド中のシトシンに特異的である。ヒトゲノムにおけるCpGジヌクレオチド中の総てのシトシンの70%がメチル化され、脱アミノ化を起こし、シトシンのチミン遷移を引き起こす。このプロセスは総てのヌクレオチドの約40%までグアニン及びシトシンの発生頻度の減少と、更に、その予期される発生頻度の約4分の1までCpGジヌクレオチドの発生頻度の減少を引き起こす。
4の活性DNAメチルトランスフェラーゼが哺乳類で同定された。それらはDNMT1、DNMT2、DNMT3A、及びDNMT3Bと称される。更に、DNMT3LはDNMT3A及びDNMT3Bと構造上密接に関連し、DNAメチル化に重要であるが、それ自身は不活性であると思われるタンパク質である。CpG島を含むプロモーター領域におけるシトシンのメチル化は脊椎動物細胞の下流コード配列の転写不活性化を引き起こす。
メチル−CpG結合タンパク質(MBD1ないし4)として知られるタンパク質のファミリーはメチル化介在性転写サイレンシングに重要な役割を果たすと考えられる。MeCP2は特徴づけるべきこのファミリーの第1の要素であり、メチル−CpG結合ドメイン(MBD)及び転写抑制ドメイン(TRD)を含み、メチル化DNAとの相互作用を促進し、Sin3A/HDAC複合体をメチル化DNAに向ける。同様に、MeCP2、MBD1、MBD2、及びMBD3は強力な転写抑制因子であることが示されてきた。MBD4はDNAグリコシラーゼであり、G:T不整合を修復する。このファミリーの各要素はMBD3を除いて、哺乳類細胞中でメチル化DNAと複合体を形成し、ほとんどの場合、MBD1及びMBD4は既知のクロマチン再構成複合体中に配置された。Mi−2複合体はDNAメチル化をクロマチン再構成及びヒストン脱アセチル化と共役する。
エピジェネリックな調節に関与する別のタンパク質の群は、酵素であるヒストンメチルトランスフェラーゼ(HMT)である、共同因子であるS−アデノシルメチオニンから、ヒストンタンパク質のリジン及びアルギニン残基への1ないし3のメチル基の移動を触媒するヒストンリジンN−メチルトランスフェラーゼ及びN−メチルトランスフェラーゼである。メチル化ヒストンはより強固にDNAを結合し、転写を抑制する。
クロマチンの構造は更に、クロマチン再構成複合体として知られる巨大分子集合体の活性を通して変えられうる。例えば、Cairns(1998)Trends Biochem.Sci.23:20 25;Workmanら(1998)Ann.Rev.Biochem.67:545−579;Kingstonら(1999)Genes Devel.13:2339−2352;及びMurchardtら(1999)J.Mol.Biol.293:185−197参照。クロマチン再構成複合体はヌクレオソームアレイの破壊又は再形成に関係づけられて、転写、DNA複製、及びDNA修復を引き起こす(Bocharら(2000)PNAS USA 97(3):1038−43)。これらのクロマチン再構成複合体の多くは異なるサブユニット組成物を有するが、総ては再構成活性のためのATPアーゼ酵素に依存している。インビボでの遺伝子活性用のクロマチン再構成複合体の活性化に対する要求のいくつかの実施例が更に存在する。
多能性又は全能性細胞の分化され、特異化された表現型への発達は、発達中に発現した特定の遺伝子のセットによって決定される。遺伝子発現は陽性又は陰性のいずれかの調節を起こす遺伝子調節タンパク質の配列特異性の結合によって直接的に介在される。しかしながら、遺伝子発現を直接的に介在するこれらの調節タンパク質のうちのいずれかの能力は少なくとも部分的には、細胞DNA内の結合部位の到達性に依存している。上述のように、細胞DNAにおける配列の到達性は多くの場合、細胞DNAがパッケージングされる細胞クロマチンの構造に依存する。
従って、多能性に要求される遺伝子の発現を誘発できる方法、組成物、及びキットを同定することは有用であり、それには、転写抑制に関与するタンパク質の活性を抑制しうる方法、組成物、及びキットが含まれる。
本発明は、細胞を再プログラミングするための方法、組成物、及びキットに関する。本発明の実施形態は、多能性又は多分化能性遺伝子の発現を誘発するステップを具える方法に関する。更に別の実施形態においては、本発明は更に、再プログラミングされた細胞を生成することに関する。更なる別の実施形態においては、更なる別の実施形態においては、本発明は転写抑制に関与するタンパク質の活性を抑制するステップを具える方法に関する。更に別の実施形態においては、本発明は調節タンパク質の活性、発現、又は活性及び発現を変えるステップを具える、細胞を再プログラミングするための方法に関する。本発明は更に、多能性又は多分化能性遺伝子の発現を誘発するステップと、細胞を再プログラミングするステップとを具える。
本発明の実施形態は更に、細胞集団、細胞培養液、細胞培養液からの細胞のサブセット、均質性細胞培養液、又は不均質性細胞培養液を、転写抑制に関連するタンパク質の活性、発現、又は活性及び発現を抑制する薬剤と接触させるステップと;多能性又は多分化能性遺伝子の発現を誘発するステップと;細胞を再プログラミングするステップと;を具える、細胞を再プログラミングするための方法に関する。本方法は更に、再プログラミングされた細胞を再分化するステップを具える。
更に別の実施形態においては、本発明は、調節タンパク質の発現、活性、又は発現及び活性を変える小分子修飾因子に細胞を曝露するステップと;多能性又は多分化能性遺伝子の発現を誘発するステップと;細胞を選択するステップ;とを具え、分化能が前記細胞に回復する、細胞を再プログラミングするための方法に関する。
転写抑制に関与するタンパク質、又は調節タンパク質の活性、発現、又は活性及び発現を変える薬剤は、限定しないが小分子、小分子抑制因子、及び小分子活性化因子を含む。
多能性又は多分化能性遺伝子の発現を誘発する薬剤は、限定しないが小分子、小分子抑制因子、及び小分子抑制因子を含む。
転写抑制に関与する任意のタンパク質は本発明の方法によって阻害でき、限定しないがDNAメチルトランスフェラーゼ、ヒストン脱アセチル化酵素、メチル結合ドメインタンパク質、ヒストンメチルトランスフェラーゼ、SWI/SNF複合体の成分、NuRD複合体の成分、及びINO80複合体の成分を含む。
いくつかの実施形態においては、少なくとも1の小分子抑制因子は、DNAメチルトランスフェラーゼ、ヒストン脱アセチル化酵素、メチル結合ドメインタンパク質、又はヒストンメチルトランスフェラーゼの活性を抑制するのに用いられうる。更なる別の実施形態においては、2以上の小分子抑制因子は転写抑制に関与する2以上のタンパク質の活性を抑制するのに用いることができ、限定しないがDNAメチルトランスフェラーゼ、ヒストン脱アセチル化酵素、メチル結合ドメインタンパク質、又はヒストンメチルトランスフェラーゼを含む。
更なる別の実施形態においては、本発明は、細胞を少なくとも1のDNMTの活性を抑制する小分子抑制因子と接触させるステップと;少なくとも1のCpGジヌクレオチドを脱メチル化するステップと;遺伝子が多能性又は多分化能性となるのに寄与する、少なくとも1の遺伝子の発現を誘発するステップと;細胞を再プログラミングするステップと;を具える方法に関する。
更に別の実施形態においては、本発明は、初期の表現型を有する細胞を、少なくとも1の調節タンパク質の活性、発現、又は活性及び発現を変える小分子修飾因子を曝露するステップと;細胞の初期の表現型を、細胞の小分子修飾因子への曝露後に取得される表現型と比較するステップと;再プログラミングされた、かつ多能性又は多分化能性である細胞を選択するステップと;を具える方法に関する。更に別の実施形態においては、本方法は、細胞の小分子修飾因子への曝露前の細胞の遺伝子型を、小分子修飾因子での処理後に取得される細胞の遺伝子型と比較するステップを具える。更なる別の実施形態においては、本方法は、細胞の小分子修飾因子への曝露前の細胞の表現型及び遺伝子型を、小分子修飾因子での曝露後の細胞の表現型及び遺伝子型と比較するステップを具える。
更に別の実施形態においては、本発明は、多能性又は多分化能性遺伝子の発現を誘発する小分子修飾因子に細胞を曝露するステップと;細胞を選択するステップと;を具え、分化能が前記細胞に回復する、細胞を再プログラミングするための方法に関する。更に別の実施形態においては、本発明は、調節タンパク質の発現、活性、又は発現及び活性を変える小分子修飾因子に細胞を曝露するステップと;多能性又は多分化能性遺伝子の発現を誘発するステップと;細胞を選択するステップと;を具え、分化能が前記細胞に回復する、細胞を再プログラミングするための方法に関する。
更に別の実施形態においては、本方法は、選択した細胞を細胞集団に培養又は拡張するステップを具える。更に別の実施形態においては、本方法は、多能性又は多分化能性遺伝子によってコード化されたタンパク質に結合する抗体、又は、限定しないが、SSEA3、SSEA4、Tra−1−60、及びTra−1−81を含む、多分化能性マーカー又は多能性マーカーに結合する抗体を用いて細胞を分離するステップを具える。更に別の実施形態においては、本発明は更に前記小分子修飾因子への曝露前の多能性又は多分化能性遺伝子のクロマチン構造を、前記小分子修飾因子への曝露後に取得されるクロマチン構造と比較するステップを具える。細胞は更に、限定しないが蛍光標識細胞分取(fluorescent cell activated sorter)、免疫組織化学、及びELISAを含む、細胞を分離するために有効な任意の方法を用いて分離してもよい。別の実施形態においては、本方法は元の細胞より僅かに分化した状態を有する細胞を選択するステップを具える。
別の実施形態においては、本発明は、初期転写パターンを有する細胞を、多能性又は多分化能性遺伝子の発現を誘発する小分子修飾因子に曝露するステップと;細胞の初期転写パターンを前記修飾因子への曝露後に取得される転写パターンと比較するステップと;細胞を選択するステップと;を具え、分化能が前記細胞に回復する、細胞を再プログラミングするための方法に関する。別の実施形態においては、細胞を選択するステップは、元の細胞よりも僅かに分化した状態を有する細胞を選択するステップを具える。
更に別の実施形態においては、細胞を選択するステップは、胚性幹細胞の分析された転写パターンに少なくとも5ないし10%、10ないし20%、20ないし30%、30ないし40%、40ないし50%、50ないし60%、60ないし70%、70ないし80%、80ないし90%、90ないし94%、95%、又は95ないし99%類似する転写パターンを有する細胞を同定するステップを具える。胚性幹細胞の完全な転写パターンは、可能であるが比較する必要はない。代わりに、胚性遺伝子のサブセットは、限定しないが1ないし5、5ないし10、10ないし25、25ないし50、50ないし100、100ないし200、200ないし500、500ないし1,000、1,000ないし2,000、2,000ないし2,500、2,500ないし5,000、5,000ないし10,000、及び10,000を超える遺伝子を含んで比較される。転写パターンはバイナリ様式で比較でき、すなわち、比較は遺伝子が転写されるか否かを決定するためになされる。別の実施形態においては、各遺伝子又は遺伝子のサブセットに対する転写の速度及び/又は範囲を比較してもよい。転写パターンは限定しないがRT−PCR、定量PCR、マイクロアレイ、サザンブロット法、及びハイブリダイゼーションを含む当該技術分野で既知の任意の方法を用いて決定できる。
更に別の実施形態においては、本発明は、第1の調節タンパク質の活性、発現、又は活性及び発現に干渉する小分子修飾因子に、細胞を曝露するステップと;第2の調節タンパク質の活性、発現、又は発現及び活性を抑制する第2の薬剤に、前記細胞を曝露するステップであって、前記第2の調節タンパク質は第1の調節タンパク質と別個の機能を有するステップと;多能性又は多分化能性遺伝子の発現を誘発するステップと;細胞を選択するステップと;を具え、分化能が前記細胞に回復する、細胞を再プログラミングするための方法に関する。別の実施形態においては、細胞又は細胞集団は前記第1及び第2の薬剤に同時に又は順番に曝露されうる。第2の薬剤は限定しないが、小分子、小分子抑制因子、小分子活性化因子、核酸配列、及びshRNA構造を含む。
本発明の実施形態は更に、本明細書中に記載の方法によって生成された再プログラミングされた細胞を用いて様々な病気を治療するための方法を具える。更に別の実施形態においては、本発明は更に、再プログラミングされた細胞、及び再分化された再プログラミングされた細胞の治療用途に関する。
本発明の実施形態は更に、本発明の方法によって生成される再プログラミングされた細胞に関する。再プログラミングされた細胞は、単一の分化系列又は2以上の分化系列に再分化できる。再プログラミングされた細胞は多分化能性又は多能性にできる。
更に別の実施形態においては、本発明は、多能性又は多分化能性遺伝子の発現を誘発する小分子修飾因子に細胞を曝露するステップと;細胞を選択するステップであって、分化能が前記細胞に回復するステップと;細胞集団を生成するために選択した前記細胞を培養するステップと;を具える方法によって生成される再プログラミングされた細胞の濃縮集団に関する。更に別の実施形態においては、再プログラミングされた細胞はSSEA3、SSEA4、Tra−1−60、及びTra−1−81からなる群から選択される細胞表面マーカーを発現する。更に別の実施形態においては、再プログラミングされた細胞は、濃縮細胞集団の少なくとも5ないし10%、10ないし20%、20ないし30%、30ないし40%、40ないし50%、50ないし60%、60ないし70%、70ないし80%、80ないし90%、90ないし95%、96ないし98%、又は少なくとも99%を占める。
本発明の実施形態は更に、本発明の方法及び組成物を調製するためのキットに関する。このキットは特に、細胞を再プログラミングし、ES様細胞及び幹細胞様細胞を生成するために用いられうる。
図1は、DNMT抑制因子(500μMのRG108)で処理される初代ヒト肺線維芽細胞におけるOct−4及びNanogの発現増加を報告する棒グラフである。MCはコントロール培地である。 図2は、いくつかの細胞型におけるVPAの存在下でのいくつかの多能性遺伝子の発現の増加を報告する棒グラフである。HDFaは成体ヒト皮膚線維芽細胞を示し、HDFfは胎児ヒト皮膚線維芽細胞を示し、HDFnは新生児ヒト皮膚線維芽細胞を示し、BJFはBJ線維芽細胞(包皮)を示す。 図3は、VPAで処理される成体及び胎児ヒト皮膚線維芽細胞におけるHDAC11及びHDAC9の発現の効果を報告する棒グラフである。 図4は、ニコチンアミドで4日間処理される成体ヒト皮膚線維芽細胞におけるOct−4の発現の増加を報告する棒グラフである。 図5は、フェニル酪酸ナトリウムで4日間処理される成体ヒト皮膚線維芽細胞におけるOct−4の発現の増加を報告する棒グラフである。 図6は、バルプロキサム(valproxam)で4日間処理される成体ヒト皮膚線維芽細胞におけるOct−4の発現の増加を報告する棒グラフである。 図7は、2−PCPA(ヒストン/リジン 1 デメチラーゼ抑制因子)で8日間処理されるBJ線維芽細胞におけるOct−4の発現の増加を報告する棒グラフである。 図8Aは、線維芽細胞増殖培地における成体ヒト皮膚線維芽細胞の写真である。 図8Bは、DMEM/F12培地における成体ヒト皮膚線維芽細胞の写真である。 図8Cは、マトリゲル上のmTeSR hES細胞培地においてVPA処理(500μM)された成体ヒト皮膚線維芽細胞の写真である。 図8Dは、マトリゲル上のmTeSR hES細胞培地においてVPA処理(500μM)された成体ヒト皮膚線維芽細胞の写真である。
[定義]
本開示における数値域は概算であり、従って、特に示されない限り範囲外の値を含んでもよい。数値域は、任意の低い数値と任意の高い数値との間に少なくとも2の単位の分離がある場合、1の単位の増分の総ての数値と、下方及び上方の数値とを含む。例として、例えば分子量、メルトインデックス、温度等といった組成上の、物理的な、あるいは他の特性が100ないし1,000である場合、100、101、102等といった総ての別個の数値、及び100ないし144、155ないし170、197ないし200等といった部分的な範囲が明確に列挙されることを意図している。1より小さな数値、又は1より大きな小数の値(例えば、1.1、1.5など)を含む範囲については、単位が必要に応じて0.0001、0.001、0.01、又は0.1となると見なされる。10未満の一桁の数字(例えば、1ないし5)を含む範囲については、単位は一般的に0.1であると見なされる。これらは特異的に意図された単なる例であり、列挙された最小値と最大値との間の数値の総ての可能な組合せは、本開示に明確に述べられていると見なすべきである。数値域は、特に混合物中の成分の相対量、ならびに本方法で列挙される様々な温度及び他のパラメータ範囲で、本開示内で提供される。
「1以上の細胞(cell or cells)」は、特に限定されない限りにおいては、任意の体細胞、胚性幹(ES)細胞、成体幹細胞、器官特異幹細胞、核移植(NT)ユニット、及び幹様細胞を含む。1以上の細胞は任意の器官又は組織から取得してもよい。1以上の細胞はヒト、又は他の動物であってもよい。例えば、細胞はマウス、モルモット、ラット、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ等であってもよい。細胞は更に、非ヒト霊長類であってもよい。
「培養培地(culture medium)」又は「増殖培地(growth medium)」は、細胞の増殖を支持することができる好適な培地を意味する。
「分化(differentiation)」は、細胞が胚発生時に構造上及び機能上特異的になるプロセスを意味する。
「DNAメチルトランスフェラーゼ抑制因子(DNA methyltransferase inhibitor)」及び「DNAメチルトランスフェラーゼの抑制因子(inhibitor of DNA methyltransferase)」は、DNAメチルトランスフェラーゼと相互作用し、かつその活性を抑制できる化合物を意味する。「DNAメチルトランスフェラーゼ活性を抑制すること(inhibiting DNA methyltransferase activity)」は、CpGジヌクレオチド配列といった特定の基質をメチル化するDNAメチルトランスフェラーゼの能力を低減させることを意味する。いくつかの実施形態においては、このようなDNAメチルトランスフェラーゼ活性の低減は少なくとも約25%、少なくとも約50%、他の実施形態においては少なくとも約75%、更に他の実施形態においては少なくとも約90%である。更に別の実施形態においては、DNAメチルトランスフェラーゼ活性は少なくとも95%まで、別の実施形態においては少なくとも99%まで低減する。
「エピジェネティクス(epigenetics)」は、ヌクレオチド配列における変化のない、機能における遺伝性変化に関するDNAの状態を意味する。エピジェネティックな変化は、DNAのヌクレオチド配列においていかなる変化もなく、メチル化及び脱メチル化といった、DNAの修飾によって生じうる。
「ヒストン(histone)」は、核内に適合するようにDNAを十分に小型化するのに関与する、染色体に見られるタンパク質の分子クラスを意味する。
「ノックダウン(knock down)」は、遺伝子特異的な様式で遺伝子の発現を抑制することを意味する。1以上の遺伝子が「ノックダウン」された細胞はノックダウン生物又は単に「ノックダウン」と称される。
「多能性(pluripotent)」は、3の胚葉の細胞型、あるいは初期の組織型に分化できることを意味する。
「多能性遺伝子(pluripotent gene)」は、細胞が多能性となるのに寄与する遺伝子を意味する。
「多能性細胞培養液(pluripotent cell culture)」は、胎児又は成体起源の分化細胞から明確に区別される形態を呈する場合に、「実質的に未分化型(substantially undifferentiated)」であると言われる。多能性細胞は一般的に、核/細胞質の比率が高く、顕著な核小体を有し、完全には識別不可能な細胞間結合を有する小型のコロニー形成を有し、当該技術分野の当業者によって容易に認識される。未分化細胞のコロニーが分化される隣接細胞によって包囲されうることは理解されよう。それにも拘わらず、実質的な未分化コロニーは好適な条件下で培養される場合に維持され、未分化細胞は培養細胞の開裂時に増殖する、顕著な割合の細胞を構成する。本開示に記載の有用な細胞集団は、これらの判断基準を有する、任意の割合の実質的な未分化多能性細胞を含む。実質的な未分化細胞培養液は、(集団中の細胞全体の割合において)少なくとも約20%、40%、60%、又はちょうど80%の未分化多能性細胞を含みうる。
「調節タンパク質(regulatory protein)」は、生物学的プロセスを調節する任意のタンパク質を意味し、正及び負の方向の調節を含む。調節タンパク質は生物学的プロセスに直接的又は間接的な効果を有し、直接的に、あるいは複合体への関与を通して影響を及ぼす。
「再プログラミング(reprogramming)」は、核内のエピジェネティックなマークを除去し、次いでエピジェネティックなマークの異なるセットを確立することを意味する。多細胞生物の発達時に、様々な細胞及び組織が様々な遺伝子発現プログラムを取得する。これらの別個の遺伝子発現パターンは、DNAメチル化、ヒストン修飾、及び他のクロマチン結合タンパク質といったエピジェネティックな修飾によって実質的に調節されるように思われる。従って、多細胞生物内の各細胞型は、細胞が分化するか細胞周期を一度離脱したすると、従来「固定的(fixed)」及び不変であると考えられている、固有のエピジェネティックなサインを有する。しかしながら、一部の細胞は通常の発達又は特定の病状時に主要なエピジェネティックな「再プログラミング」を受ける。
「小分子修飾因子(small molecule modulator)」は、小分子抑制因子又は小分子活性化因子となる化合物を包含することが意図されている。小分子修飾因子はいくつかの生理学的状況においては小分子抑制因子として、別の生理学的状況においては小分子活性化因子として機能しうる。小分子修飾因子はある標的に対して小分子抑制因子として、別の標的に対して小分子活性化因子として機能しうる。同一の小分子修飾因子が小分子活性化因子及び小分子抑制因子の双方として機能しうる。
「全能性(totipotent)」は、完全な胚又は器官に発達することが可能なことを意味する。
本発明の実施形態は、遺伝子が多能性又は多分化能性となるのに寄与する、少なくとも1の遺伝子の発現を誘発するステップを具える方法に関する。いくつかの実施形態においては、本方法は遺伝子が多能性又は多分化能性となるのに寄与する、少なくとも1の遺伝子の発現を誘発し、少なくとも1の分化系列への定方向分化を可能にする再プログラミングされた細胞を生成する。
本発明の実施形態は更に、クロマチン構造を修飾するステップと、多能性又は多分化能性となるように細胞を再プログラミングするステップとを具える方法に関する。更に別の実施形態においては、クロマチン構造を修飾するステップは、転写の調節に関与する少なくとも1の調節タンパク質の活性を変えるために小分子修飾因子を用いるステップを具える。
更に別の実施形態においては、クロマチン構造を修飾するステップは、転写抑制に関与する少なくとも1のタンパク質の活性を抑制するのに小分子抑制因子を用いるステップを具える。
本発明の実施形態は更に、遺伝子が多能性又は多分化能性となるのに寄与する遺伝子のプロモーター領域又は上流DNA配列を修飾するステップを具える方法に関する。更に別の実施形態においては、プロモーター構造又は上流DNA配列を修飾するステップは、転写に関与する少なくとも1の調節タンパク質の活性、発現、又は活性及び発現を変えるために小分子修飾因子を用いるステップを具える。
別の実施形態においては、本発明は、転写に関与する少なくとも1の調節タンパク質の活性、発現、又は活性及び発現を変えるために小分子修飾因子を用いるステップと;遺伝子が多能性又は多分化能性となるのに寄与する、少なくとも1の遺伝子の発現を誘発するステップと;を具える方法に関する。更に別の実施形態においては、本方法は、少なくとも1のDNAメチルトランスフェラーゼの活性を抑制するステップと、再プログラミングされた細胞を生成するステップと;を具える。
更に別の実施形態においては、本方法は、少なくとも1のDNAメチルトランスフェラーゼの活性を抑制するために小分子抑制因子を用いるステップと;CpGジヌクレオチド中の少なくとも1のシトシンを脱メチル化するステップと;遺伝子が多能性又は多分化能性となるのに寄与する、少なくとも1の遺伝子の発現を誘発するステップと;を具える。
更に別の実施形態においては、本方法は、細胞を小分子抑制因子と接触させるステップと;転写抑制に関与する少なくとも1のタンパク質の活性を抑制するステップと;遺伝子が多能性又は多分化能性となるのに寄与する、少なくとも1の遺伝子の発現を誘発するステップと;を具える。更に別の実施形態においては、本方法は更に再プログラミングされた細胞を生成するステップを具える。再プログラミングされた細胞は多能性又は多分化能性にできる。
更に別の実施形態においては、本発明は、多能性又は多分化能性遺伝子の発現を誘発する小分子修飾因子に細胞を曝露するステップと;細胞を選択するステップと;を具え、分化能が前記細胞に回復する、細胞を再プログラミングするための方法に関する。更に別の実施形態においては、本発明は、少なくとも1の調節タンパク質の活性、発現、又は活性及び発現を変える小分子修飾因子に細胞を曝露するステップと;多能性又は多分化能性遺伝子の発現を誘発するステップと;細胞を選択するステップと;を具え、分化能が前記細胞に回復する、細胞を再プログラミングするための方法に関する。多能性又は多分化能性遺伝子は、発現の増加の任意の倍数によって誘発され、限定しないが、0.25ないし0.5、0.5ないし1、1.0ないし2.5、2.5ないし5、5ないし10、10ないし15、15ないし20、20ないし40、40ないし50、50ないし100、100ないし200、200ないし500、及び500より大きい数を含む。別の実施形態においては、本方法は、分化細胞を播種するステップと、前記分化細胞を小分子修飾因子に曝露するステップと、前記細胞を培養するステップと、再プログラミングされた細胞を同定するステップとを具える。
別の実施形態においては、調節タンパク質の活性、発現、又は発現及び活性を変えるステップが、調節タンパク質の活性の増加、調節タンパク質の発現の増加、調節タンパク質の活性の減少、又は調節タンパク質の発現の減少を引き起こす。調節タンパク質の活性又は発現は任意の量だけ増加又は減少し、限定しないが、1ないし5%、5ないし10%、10ないし20%、20ないし30%、30ないし40%、40ないし50%、50ないし60%、60ないし70%、70ないし80%、80ないし90%、90ないし95%、及び95ないし99%、99ないし200%、200ないし300%、300ないし400%、400ないし500%、及び500%より大きな量を含む。
更に別の実施形態においては、本方法は更に、多能性又は多分化能性遺伝子によってコード化されたタンパク質又はタンパク質のフラグメントを対象とする抗体、あるいは多能性又は多分化能性マーカーを対象とする抗体を用いて、細胞を選択するステップを具える。任意の抗体型を用いることができ、限定しないが、モノクローナル、ポリクローナル、抗体のフラグメント、ペプチド模倣薬、活性領域に対する抗体、及びタンパク質の保存領域に対する抗体を含む。更に別の実施形態においては、本方法は細胞を選択するステップと、前記細胞を多能性細胞培養液に拡張又は培養するステップとを具える。
更に別の実施形態においては、本方法は更に、多能性又は多分化能性遺伝子、あるいは多能性又は多分化能性表面マーカーによって推進されるレポーターを用いて細胞を選択するステップを具える。任意のレポーター型を用いることができ、限定しないが、蛍光タンパク質、緑色蛍光タンパク質、シアン蛍光タンパク質(CFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、細菌ルシフェラーゼ、クラゲエクオリン、高感度緑色蛍光タンパク質、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、dsRED、β−ガラクトシダーゼ、及びアルカリホスファターゼを含む。
更に別の実施形態においては、本方法は更に、選択可能なマーカーとして抵抗性を用いて細胞を選択するステップを具え、限定しないが抗菌剤、殺菌剤、ピューロマイシン、ハイグロマイシン、ジヒドロ葉酸還元酵素、チミジンキナーゼ、ネオマイシン抵抗性(neo)、G418抵抗性、ミコフェノール酸抵抗性(gpt)、ゼオシン抵抗性タンパク質、及びストレプトマイシンに対する抵抗性を含む。
更に別の実施形態においては、本方法は更に、小分子修飾因子への曝露前に存在する細胞の多能性又は多分化能性遺伝子のクロマチン構造を、小分子修飾因子での処理後に取得される多能性又は多分化能性遺伝子のクロマチン構造と比較するステップを具える。任意のクロマチン構造の態様が比較され、限定しないがユークロマチン、ヘテロクロマチン、ヒストンアセチル化、ヒストンメチル化、ヒストン又はヒストン成分の有無、ヒストンの位置、ヒストンの配列、及びクロマチンと関連する調節タンパク質の有無を含む。遺伝子の任意の領域のクロマチン構造が比較され、限定しないがエンハンサー配列、アクティベーター配列、プロモーター、TATAボックス、転写の開始部位の上流領域、転写の開始部位の下流領域、エキソン、及びイントロンを含む。
小分子抑制因子又は「小分子化合物(small molecular compound)」は、測定可能又は抑制的な活性を有する、本発明の方法、組成物、及びキットに有用な化合物のことである。いくつかの実施形態においては、小分子抑制因子は1000D以下、更に他の実施形態においては500D以下の相対分子量を有する。小分子抑制因子は、有機性又は無機性の性質となりうる。小さな有機及び無機化合物に加えて、ペプチド、抗体、環状ペプチド、及びペプチド模倣薬は開示された方法に有用であると見なされる。
小分子修飾因子は、小分子ライブラリに含まれる化合物のいずれか、あるいは小分子ライブラリに含まれる化合物から得られる修飾化合物かのいずれかとなりうる。いくつかの小分子ライブラリは限定しないが、BIOMOL INTERNATIONAL社(現在は、Enzo Life Sciences社)を含む商業的供給者から入手可能であり、限定しないがBioactive Lipid Library、Endocannabinoid Library、Fatty acid library、ICCB Known Bioactives Library、Ion Channel Ligand Library、Kinase Inhibitor Library、Kinase/Phosphatase Inhibitor Library、Neurotransmitter Library、Natural Products Library、Nuclear Receptor Library、Orphan Ligand Library、Protease Inhibitor Library、Phosphatase Inhibitor Library、及びRare Natural Products Libraryを含む。
小分子抑制因子は、転写抑制に関与する任意のタンパク質を抑制するのに用いることができ、限定しないがヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)、メチル結合ドメインタンパク質(MBD)、メチルアデノシルトランスフェラーゼ(MAT:methyl adenosyltransferase)、DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)、ヒストンメチルトランスフェラーゼ、及びメチルサイクルの酵素を含む。
好適にはこのような抑制は特異的である。すなわち、DNMT小分子抑制因子については、DNMT抑制因子は、別の無関係の生物学的効果を生成するように要求される抑制因子の濃度よりも低い濃度で、特定の基質をメチル化するためにDNAメチルトランスフェラーゼの能力を低減させるか、メチル化に要求される別の成分と相互作用させるためにDNAメチルトランスフェラーゼの能力を低減させる。好適には、DNAメチルトランスフェラーゼの抑制活性のために要求される抑制因子の濃度は、無関係な生物学的効果を生成するのに要求される濃度よりも少なくとも2倍低く、より好適には少なくとも5倍低く、更により好適には少なくとも10倍低く、最も好適には少なくとも20倍低い。
小分子修飾因子の任意の数、任意の組合せ及び任意の濃度は、転写調節に関与する1以上のタンパク質の活性、発現、又は活性及び発現を変えるのに用いることができ、限定しないが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11ないし15、16ないし20、21ないし25、25ないし50、50ないし100、100ないし250、及び250より大きな数を含む。小分子修飾因子は、特異的な1以上のタンパク質、特異的な1以上のタンパク質のクラス、特異的な1以上のタンパク質のファミリー、あるいは一般的な転写成分を対象にできる。
小分子修飾因子は、作用の不可逆性機構又は作用の可逆性機構を有してもよい。小分子修飾因子は任意の結合親和性を有することができ、限定しないがミリモル(mM)、マイクロモル(μM)、ナノモル(nM)、ピコモル(pM)、及びフェントモル(fM:fentamolar)を含む。小分子修飾因子はタンパク質の調節領域又は触媒領域に結合できる。
本発明の方法によって抑制されうるタンパク質の代表的なリストが表1で提供される。
Figure 2011516082
例えば、メチル結合ドメインタンパク質、例えばMeCP2はメチル化シトシンに結合し、ヒストンタンパク質を次いで脱アセチル化するヒストン脱アセチル化酵素を補充し、縮合されたクロマチン構造を生じ、転写を抑制する。本発明の方法は転写抑制に関与するタンパク質を抑制し、これによって多能性遺伝子の転写を誘発できる。
従って、上の抑制複合体の代表的な記載によって、小分子抑制因子はMeCP2の活性を抑制するように用いることができ、これによってHDACのクロマチン構造への補充を有意に低減する。このことによって、遺伝子が多能性又は多分化能性となるのに重要な遺伝子の発現増加が生じ、体細胞の分化能が増加する。同様に、小分子抑制因子はDNMTを抑制するように用いられ、同様に、遺伝子が多能性又は多分化能性となるのに寄与する遺伝子の発現増加を生じる。更には、DNAメチルトランスフェラーゼを対象とする小分子抑制因子、及びメチル結合タンパク質を対象とする小分子抑制因子は、抑制複合体に関与する少なくとも1のタンパク質の活性を低減するように、同時に、あるいは順番に用いることができ、多能性遺伝子の誘発、ひいては細胞のプログラミングを生じさせることができる。上の考察は例示の目的だけを意図し、本発明の範囲を限定するように解釈すべきではない。
DNMT小分子抑制因子は任意のDNAメチルトランスフェラーゼと相互作用し、かつ抑制でき、限定しないがDNMT1、DNMT2、DNMT3A、DNMT3B、及びDNMT3Lを含む。DNMT1は恐らくは、哺乳類細胞で最も豊富なDNAメチルトランスフェラーゼであり、哺乳類でメチルトランスフェラーゼの維持に関与すると考えられている。DNMT1は優性に、哺乳類ゲノム中のヘミメチル化CpGジヌクレオチドをメチル化する。酵素は、インビトロで非メチル化基質と比較すると、ヘミメチル化DNAで7ないし20倍活性が大きいが、他のDNMTよりも更に活性化の大きい新規のメチル化修飾である。酵素は約1620のアミノ酸長である。最初の1100のアミノ酸は酵素の調節ドメインを構成し、残余の残基は触媒ドメインを構成する。これらはGly−Lysの反復によって結合される。双方のドメインはDNMT1の触媒機能のために要求される。
DNMT2は原核生物及び真核生物の5−メチルシトシンメチルトランスフェラーゼと強い配列類似性を有する。DNMT2は更にアスパラギン酸トランスファーRNAにおける位置38をメチル化するのが示された。
DNMT3は同一速度でヘミメチル化CpGジヌクレオチドと、非メチル化CpGジヌクレオチドとをメチル化できるDNAメチルトランスフェラーゼのファミリーである。DNMT3酵素の構造は、触媒ドメインに付着した調節領域を有するDNMT1と似ている。DNMT3A及びDNMT3Bは発達中にDNAメチル化パターンの確立に関与する。DNMT3A及びDNMT3Bのタンパク質は胚形成の様々な段階で発現される。DNMT3Bは内部細胞塊、原外胚葉、及び胚性外胚葉細胞といった全能性胚細胞に発現するように思われるが、DNMT3AはE10.5の後に広範に発現するように思われる。
DNMT3LはDNAメチルトランスフェラーゼのモチーフを含み、母系性のゲノムインプリンティングを確立するのに関与する。DNMT3Lは更に転写抑制で役割を果たすと考えられる。
本発明の方法、組成物、及びキットで用いられるDNMT小分子抑制因子は、DNMT1、DNMT2、DNMT3A、DNMT3B、又はDNMT3Lと相互作用させてもよい。DNMT抑制因子は、1のDNMT型、総てのDNMT型、又は複数のDNMT型と相互作用してもよく、限定しないがDNMT1及びDNMT2と;DNMT1及びDNMT3Aと;DNMT1及びDNMT3Bと;DNMT1及びDNMT3Lと;DNMT2及びDNMT3Aと;DNMT2及びDNMT3Bと;DNMT2及びDNMT3Lと;DNMT3A及びDNMT3Bと;DNMT3A及びDNMT3Lと;DNMT3B及びDNMT3Lと;DNMT1、DNMT2、及びDNMT3Aと;DNMT1、DNMT2、及びDNMT3Bと;DNMT1、DNMT2、及びDNMT3Lと;DNMT2、DNMT3A、及びDNMT3Bと;DNMT2、DNMT3A、及びDNMT3Lと;DNMT2、DNMT3B、及びDNMT3Lと;DNMT1、DNMT2、DNMT3A、DNMT3Bと;を含む。本発明のDNMT抑制因子は、既知の型の1つにないか、未だ分類されないDNMTと相互作用させてもよい。
別の実施形態においては、DNMT抑制因子は、DNMTの調節ドメイン又は触媒ドメインに結合することによって作用させてもよい。別の実施形態においては、DNMT抑制因子はヌクレオシド類似体(DNA又はRNAに組み込まれる)であっても、非ヌクレオシド類似体であってもよい。別の実施形態においては、DNMT抑制因子はDNMTに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドであってもよく、限定しないがDNMT1、DNMT2、DNMT3A、DNMT3B、又はDNMT3Lを含む。更なる別の実施形態においては、DNMT抑制因子は更に、タンパク質間の相互作用をブロックすることによって作用させてもよい。
更に別の実施形態においては、DNMT活性及びシトシンのメチル化を抑制するために、細胞は以下の培地中で増殖させてもよい:
(a)DNMT1、2、3a及び/又は3bのsiRNA(Dharmacon社)で処理される培地;
(b)RG108(ルイジアナ州立大学の獣医学のAnalytical Systems Laboratory)で処理される培地;
(c)5−AzadCyd(Sigma社)で処理される培地
表2はDNMTを抑制できる小分子抑制因子の代表的なリストを提供する。本発明の方法、組成物、及びキットで用いられるDNMT抑制因子は、本明細書中で述べたDNMT抑制因子の誘導体及び類似体を含む。
Figure 2011516082
表3は、再プログラミングに関与する遺伝子の発現を誘発するか、増加させるか、又は変えるために用いられうる小分子修飾因子の代表的なリストである。小分子修飾因子は基礎転写機構の成分、転写活性化の成分、クロマチン再構成複合体の成分、転写抑制の成分、DNA修復の成分、ミスマッチ修復の成分、及び細胞のメチル化状態を維持するのに関与する成分を標的にできる。小分子修飾因子は限定しないが、ヒストン脱アセチル化酵素抑制因子(HDACi)、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ抑制因子(HATi)、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ活性化因子、リジンメチルトランスフェラーゼ抑制因子(LMTi)、ヒストンメチルトランスフェラーゼ抑制因子(HMTi)、トリコスタチンA抑制因子(TSAi)、ヒストン脱メチル化酵素抑制因子(HdeMi)、リジンデメチラーゼ抑制因子(LdeMi)、サーチュイン抑制因子(SIRTi)、及びサーチュイン活性化因子(SIRTa)を含む。
Figure 2011516082
ヒストンアセチルトランスフェラーゼ抑制因子として機能する任意の小分子修飾因子を用いることができ、限定しないがアナカルジン酸、ガルシノール、クルクミン、イソチアゾロン、ブチロラクトン、MC1626(2−メチル−3−カルベトキシキノリン)、ポリイソプレニル化されたベンゾフェノン、エピガロカテキン−3−ガラート(EGCG)、及びCPTH2(シクロペンチリデン−[4−(4’−クロロフェニル)チアゾール−2−イル]ヒドラゾン)を含む。
ヒストン脱メチル化酵素抑制因子として機能する任意の小分子修飾因子を用いることができ、限定しないがリジン特異性デメチラーゼ、LSD1(KIAA0601又はBHC110)、フラビン依存性アミンオキシダーゼ、及び十文字を含む。
サーチュイン活性化因子として機能する任意の小分子修飾因子を用いることができ、限定しないがリスベラトロール、ポリフェノール、サーチュイン活性化化合物、SIRT1ないしSIRT7の活性化因子、及びSRT−1720を含む。
一実施形態においては、DNAメチル化抑制因子ははシチジン類似体又は誘導体である。シチジン類似体又は誘導体の例は限定しないが、5−アザシチジン及び5−アザ−2’−デオキシシチジン(5−アザ−CdR又はデシタビン)を含む。
5−アザ−CdRはその関連する天然ヌクレオシドであるデオキシシチジンのアンタゴニストである。これらの2の化合物間の唯一の構造上の差異は、5−アザ−CdRのシトシン環の5位で、デオキシシチジンについてはこの位置で炭素であるのと比較して、窒素が存在することである。最も有効なことには、5−アザ−CdRはDNAに組み込まれ、代謝経路を通る化合物の修飾を要求できる。DNAメチルトランスフェラーゼは5−アザシトシンを天然基質として認識し、メチル化反応を開始する。しかしながら、類似体によって共有結合反応の中間体の分解を防ぎ、ひいては酵素は捕捉及び分解される。
ゼブラリンは、1−β−リボフラノシル−1,2−ジヒドロピリミジン−2−オン及び1−β−リボフラノシル−2(1H)−ピリミジノンとしても知られており、シチジンデアミナーゼが活性を抑制するのに帰属する(例えば、Kimら,J.Med.Chem.29:1374−1380,1986;McCormackら,Biochem Pharmacol.29:830−832,1980;参照)。
任意の数、任意の組合せ、及び任意の濃度のDNMT抑制因子を限定しないが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11ないし15、16ないし20、及び21ないし25を含む、1以上のタンパク質を抑制するのに用いることができる。
クロマチン再構成に関与する他の複合体におけるタンパク質は更に、本発明の方法によって抑制でき、限定しないがSWI/SNF複合体、NuRD複合体、Sin3複合体、及びINO80を含む。hSWI/SNF複合体は、クロマチン到達性の調節に重要な役割を果たすことが知られる多サブユニットのタンパク質複合体である。hSWI/SNF複合体の任意の成分は本発明の方法によって抑制でき、限定しないがSNF5/INI1、BRG1、BRM、BAF155、及びBAF170を含む。SWI/SNFは多様な遺伝子の活性化に対する要求に応じて、酵母中で最初に同定された。hSWI/SNF複合体はいくつかの発生学的に特異的な遺伝子発現プログラムの調節に必須であることが示されている。
Sin3複合体の任意の成分は本発明の方法によって抑制でき、限定しないがHDAC1、HDAC2、RbAp46、RbAp48、Sin3A、SAP30、及びSAP18を含む。
NuRD複合体の任意の成分は本発明の方法によって抑制でき、限定しないがMi2、p70、及びp32を含む。
INO80複合体の任意の成分は本発明の方法によって抑制でき、限定しないがTip49A、Tip49B、SNF2ファミリーのヘリカーゼIno80、アクチン関連タンパク質ARP4、ARP5、及びArp8、YEATSドメインファミリーメンバーTaf14、HMGドメインタンパク質、Nhp10、ならびにIes1ないし6と命名された6の更なるタンパク質を含む。
任意の数の小分子修飾因子は遺伝子が多能性又は多分化能性となるのに寄与する遺伝子の発現を誘発するのに用いることができ、限定しないが1ないし5、6ないし10、11ないし15、16ないし20、21ないし25、26ないし30、31ないし35、36ないし40、41ないし45、46ないし50、及び51以上の小分子修飾因子を含む。
本発明は、卵、胚、胚性幹細胞、又は体細胞核移植(SCNT)の不存在下で取得される再プログラミングされた細胞を提供する。本発明の方法によって生成された再プログラミングされた細胞は多能性又は多分化能性にできる。本発明の方法によって生成された再プログラミングされた細胞は胚性幹細胞様の特性を含む多様な異なる特性を有することができる。例えば、再プログラミングされた細胞は、未分化状態において少なくとも10、15、20、又は30以上の継代で増殖可能である。他の形態においては、再プログラミングされた細胞は、分化せずに1年超の間増殖できる。再プログラミングされた細胞は更に、増殖及び/又は分化中に正常核型を維持できる。一部の再プログラミングされた細胞は更に、未分化状態においてインビトロで不確定な増殖を可能にする細胞にできる。一部の再プログラミングされた細胞は更に、長期培養を通して正常核型を維持できる。一部の再プログラミングされた細胞は長期培養後でさえも総ての3の胚葉(内胚葉、中胚葉、及び外胚葉)の派生物に分化する能力を維持できる。一部の再プログラミングされた細胞は生物において任意の細胞型を形成できる。一部の再プログラミングされた細胞は、未分化増殖を維持しない培地上の増殖といった特定の条件下で、胚様体を形成できる。一部の再プログラミングされた細胞は例えば、胚盤胞との融合を通してキメラを形成できる。
再プログラミングされた細胞は多様なマーカーによって規定できる。例えば、一部の再プログラミングされた細胞はアルカリホスファターゼを発現する。一部の再プログラミングされた細胞はSSEA−1、SSEA−3、SSEA−4、TRA−1−60、及び/又はTRA−1−81を発現する。一部の再プログラミングされた細胞はOct4、Sox2、及びNanogを発現する。一部の再プログラミングされた細胞はmRNAレベルでこれらを発現するが、他の再プログラミングされた細胞は更に、例えば細胞表面上、又は細胞内部にタンパク質レベルでこれらを発現することは理解されよう。
再プログラミングされた細胞は本明細書中で考察される、任意の再プログラミングされた細胞の1以上の特性又はカテゴリーの組合せを有していてもよい。例えば、再プログラミングされた細胞はアルカリホスファターゼを発現し、SSEA−1を発現せず、少なくとも20の継代について増殖し、任意の細胞型に分化可能にしてもよい。別の再プログラミングされた細胞は例えば、細胞表面上にSSEA−1を発現し、内胚葉、中胚葉、及び外胚葉組織を形成可能にし、分化せずに1年超の間、培養してもよい。
再プログラミングされた細胞はアルカリホスファターゼ(AP)陽性、SSEA−1陽性、及びSSEA−4陰性にできる。再プログラミングされた細胞は更に、Nanog陽性、Sox2陽性、及びOct−4陽性にできる。再プログラミングされた細胞は更にTcl1陽性及びTbx3陽性にできる。再プログラミングされた細胞は更に、Cripto陽性、Stellar陽性、及びDaz1陽性であってもよい。再プログラミングされた細胞は、モノクローナル抗体の結合特異性を有する抗体TRA−1−60(ATCC寄託番号HB−4783)及びTRA−1−81(ATCC寄託番号HB−4784)と結合する細胞表面抗原を発現できる。更に本明細書中に開示のように、再プログラミングされた細胞は1年超の間、少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20の継代について支持細胞層なしで維持できる。
再プログラミングされた細胞は、異なる分化系列の広範で多様な細胞型に分化する能力を有することができ、線維芽細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、骨格筋、内皮、間質、平滑筋、心筋、神経系細胞、造血細胞(hemiopoetic cell)、膵島、又は実質的に任意の身体の細胞を含む。再プログラミングされた細胞は総ての細胞の分化系列に分化する能力を有してもよい。再プログラミングされた細胞は任意の数の分化系列に分化する能力を有してもよく、1、2、3、4、5、6ないし10、11ないし20、21ないし30、及び30を超える分化系列を含む。
遺伝子が多能性又は多分化能性となるのに寄与する、遺伝子及びその遺伝子の関連するファミリーメンバーは本発明の方法によって誘発でき、限定しないが、グリシンN−メチルトランスフェラーゼ(Gnmt)、オクタマー転写因子4(Oct4)、Nanog、GABRB3、LEFTB、NR6A1、PODXL、PTEN、SRY(性決定領域Y)−ボックス2(Sox2としても知られる)、Myc、REX−1(Zfp−42としても知られる)、インテグリンα−6、Rox−1、LEF−R、TDGF1(CRIPTO)、SALL4(sal−like4)、白血球細胞由来型ケモタキシン1(LECTl)、BUB1、FOXD3、NR5A2、TERT、LIFR、SFRP2、TFCP2L1、LIN28、XIST、ならびにKlf4及びKlf5といったKriippel様因子(Klf)を含む。遺伝子が多能性又は多分化能性となるのに寄与する任意の数の遺伝子は、本発明の方法によって誘発でき、限定しないが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11ないし20、21ないし30、31ないし40、41ないし50、及び50を超える遺伝子を含む。
更に、Ramalho−Santosら(Science298,597(2002))、Ivanovaら(Science298,601(2002))、及びFortunelら(Science302,393b(2003))(総てが全体的に引用によって組み込まれる)は、それぞれ3の細胞型を比較して、共通に発現する「厳格な(sternness)」遺伝子のリストを同定し、幹細胞の機能特性を与えるのに重要であることを提唱した。上述の研究で同定された任意の遺伝子は、本発明の方法によって誘発できる。表3は幹細胞の機能特性を与えるのに関与すると考えられる遺伝子のリストを提供する。表4(表4−1ないし4−8)に列挙された遺伝子に加えて、既知の遺伝子に対してほとんど又は全く相同性のない、93の発現遺伝子配列断片(EST)のクラスターが更に、Ramalho−Santosら及びIvanovaらによって同定され、本発明の方法の内部に含まれる。
Figure 2011516082
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本発明の実施形態は更に、本明細書中の他の場所に開示された新規の方法によって生成される再プログラミングされた細胞を用いて、多様な病気を治療するための方法を具える。当該技術分野の当業者は、本明細書中の開示によって、限定しないが心臓病、糖尿病、皮膚病及び皮膚移植、脊髄損傷、パーキンソン病、多発性硬化症、アルツハイマー病等を含む、広範な多血症の疾患を治療する場合の再生医療の価値及び可能性を認識するであろう。本発明は、新しい非損傷細胞がいくつかの治療の軽減の形態を提供する場合に、病気を治療するためにヒトを含む動物に再プログラミングされた細胞を投与するための方法を包含する。
当該技術分野の当業者は、再プログラミングされた細胞が再分化細胞,例えばニューロンとして動物に投与でき、動物において罹患又は損傷したニューロンを置換するのに有用であることを容易に理解できよう。更に、再プログラミングされた細胞は動物に投与でき、周囲環境からのシグナル及び合図を受信するとすぐに、隣接する細胞環境によって指示される所望の細胞型に再分化できる。代替的に、細胞はインビトロで再分化してもよく、分化細胞はその必要に応じて哺乳類に投与してもよい。
再プログラミングされた細胞は、インビボ環境における長期間の生存を保証すべく移植用に調製できる。例えば、細胞は、細胞の増殖及び維持に好適な、前駆細胞培地といった培養培地で生殖でき、コンフルエンスに増殖するのを可能にする。細胞は、例えば1mg/mlのグルコースを追加した、0.05%のトリプシンを含むリン酸緩衝食塩水(PBS);トリプシンを不活性化するために5%の血清を加えた0.1mg/mlのMgCl、0.1mg/mlのCaCl(完全PBS);といった緩衝液を用いて、培養基質から解放される。細胞は遠心分離を用いてPBSで洗浄でき、次いでトリプシンのない、かつ、注入用に選択された密度で完全PBSに再懸濁される。
腹膜投与に好適な医薬組成物の製剤は、滅菌水又は無菌等張食塩水といった薬学的に許容可能な担体と組み合わされる有効成分を含む。このような製剤はボーラス投与又は継続投与に好適な形態で、調製、パッケージング、又は販売されうる。注入可能な製剤は、保存剤を含むアンプル又は複数用量の容器といった単位剤形で調製、パッケージング、又は販売されうる。腹膜投与用の製剤は限定しないが、懸濁剤、溶剤、油性又は水性賦形剤における乳剤、ペースト剤、及び移植可能な徐放性又は生分解性の製剤を含む。このような製剤は更に、限定しないが懸濁剤、安定剤、又は分散剤を含む1以上の更なる成分を含んでもよい。
本発明は更に、CNS、PNS、皮膚、肝臓、腎臓、心臓、及び膵臓などを含む、身体中の病気又は外傷を治療するために、他の治療手順と組合せて再プログラミングされた細胞を移植するステップを包含する。従って、本発明の再プログラミングされた細胞は、副腎からのクロム親和性細胞、胎児脳組織細胞、及び胎盤細胞といった、他の細胞と同時移植してもよく、遺伝子修飾細胞と非遺伝子修飾細胞との双方が患者に有益な効果を及ぼす。従って、本明細書中に開示される方法は、本明細書中に提供される教示を具える場合、当該技術分野の当業者によって理解されるように、他の治療手順と組み合わせることができる。
本発明の再プログラミングされた細胞は、各々は引用によって本明細書中に組み込まれる米国特許第5,082,670号及び第5,618,531号に記載のような当該技術分野で既知の技術を用いて、患者に、あるいは身体の好適な部位に「ありのままに(naked)」移植できる。
再プログラミングされた細胞は、単一細胞からなる混合物/溶液、あるいは細胞凝集体の懸濁剤を含む溶液として移植できる。このような凝集体は直径約10ないし500マイクロメートル、より好適には直径約40ないし50マイクロメートルとなりうる。再プログラミングされた細胞の凝集体は球体につき約5ないし100、より好適には約5ないし20の細胞を具えることができる。移植細胞の密度はマイクロリットルにつき約10,000ないし1,000,000の細胞、より好適には、マイクロリットルにつき約25,000ないし500,000の範囲にできる。
本発明の再プログラミングされた細胞の移植は、将来に開発されるものと同様に当該技術分野に公知の技術を用いてなされうる。本発明は、再プログラミングされた細胞を動物、好適にはヒトに移植(transplanting、grafting)するか、注入するか、そうでない場合は導入するための方法を具える。
再プログラミングされた細胞は既知のカプセル化技術によって生物学的な活性分子を送達するためにカプセル化及び使用でき、マイクロカプセル化(例えば、総てが引用によって本明細書中に組み込まれる、引用によって本明細書中に組み込まれる、米国特許第4,352,883号、第4,353,888号、及び第5,084,350号を参照)、又はマクロカプセル化(例えば、米国特許第5,284,761号、第5,158,881号、第4,976,859号、及び第4,968,733号;国際公開第92/19195号;国際公開第95/05452号参照)を含む。マクロカプセル化については、デバイス中の細胞数を変えることができ、好適には各デバイスは10ないし10の細胞、最も好適には約10ないし10の細胞を含む。いくつかのマクロカプセル化デバイスは患者中に移植してもよい。細胞のマクロカプセル化及び移植のための方法は当該技術分野で公知であり、例えば米国特許第6,498,018号に記載される。
本発明の再プログラミングされた細胞は更に、治療目的のために、又は患者の組織における統合及び分化を追跡する方法のために、外来性のタンパク質又は分子を発現するのに用いることができる。従って、本発明は、例えば、Sambrookら(1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York)及びAusubelら(1997,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New York)に記載のような、再プログラミングされた細胞における外来性DNAの同時発現を伴う、外来性DNAの再プログラミングされた細胞への導入のための発現ベクター及び方法を含有する。
本発明の実施形態は更に、細胞を小分子ライブラリと接触させるステップと;ゲノムの変化を測定するステップと;ゲノムの調節因子を同定するステップと;を具える、エピゲノムの調節因子を同定するための方法に関する。本方法は更に、小分子修飾因子を同定するステップを具える。更に別の実施形態においては、ゲノムの変化を測定するステップは、限定しないがアセチル化、脱アセチル化、メチル化、脱メチル化、リン酸化、ユビキチン化、SUMO化、ADPリボシル化、及び脱イミノ化を含む。
本発明の実施形態は更に、本発明の方法によって生成された細胞を含む組成物に関する。別の実施形態においては、本発明は小分子抑制因子を用いて、転写抑制に関与する少なくとも1のタンパク質の活性を抑制することにより再プログラミングされた細胞を含む組成物に関する。更に別の実施形態においては、本発明は、遺伝子が多能性又は多分化能性となるのに寄与する遺伝子の発現を誘発することによって再プログラミングされた細胞を含む組成物に関する。
本発明の実施形態は更に、細胞を少なくとも1の小分子修飾因子と接触させることによって生成された再プログラミングされた細胞に関する。更に別の実施形態においては、本発明は、限定しないがRG108、5−アザ−2−デオキシシチジン、及びエピガロカテキン−3−ガラートを含む、少なくとも1のDNMTを抑制する小分子抑制因子と細胞を接触させることによって生成された再プログラミングされた細胞に関する。
本発明の実施形態は更に、本発明の方法及び組成物を調整するためのキットに関する。再プログラミングされた細胞を生成し、かつ、ES様細胞及び幹細胞様細胞を産生し、遺伝子が多能性又は多分化能性となるのに寄与する遺伝子の発現を誘発し、転写抑制に関与する少なくとも1のタンパク質の活性を抑制するために用いることができる。キットは少なくとも1の小分子抑制因子を含んでもよい。キットは複数の小分子抑制因子を含んでもよい。小分子抑制因子は単一の容器又は複数の容器で提供できる。
キットは再プログラミングされたかどうかを決定するのに必要な試薬を含むことができ、限定しないが、遺伝子が多能性又は多分化能性となるのに寄与する遺伝子の誘発を試験するための試薬と、DNMTの抑制を試験するための試薬と、CpGジヌクレオチドの脱メチル化を試験するための試薬と、クロマチン構造の再構成を試験するための試薬とを含む。
キットは、再プログラミングされた細胞を、限定しないが、神経細胞、骨芽細胞、筋細胞、上皮細胞、及び肝細胞を含む特定の分化系列又は複数の分化系列に分化するのに用いられうる試薬を具えてもよい。
キットは更に教材を含んでもよく、それはキット中に提供される成分の用途について記載する。本明細書中で用いられる場合、「教材(instructional material)」は、刊行物、記録、図表、又は、特に分化細胞の再プログラミングを生じさせるキットにおける本発明の方法の有効性を伝えるために用いられうるその他の表現媒体を含む。選択的又は代替的に、教材は本発明の細胞を再分化形質転換及び/又は分化形質転換する1以上の方法について記載してもよい。本発明のキットの教材は例えば、小分子抑制因子を含む容器に添付してもよい。代替的に、教材は、教材及び小分子抑制因子、あるいはその成分がレシピエントによって協同的に用いられるべきという意図を伴って、容器と別個に出荷されてもよい。
本発明は以下の実施例によって記載される。これらの実施例は例示のみの目的で提供され、本発明は決してこれらの実施例を限定するように解釈すべきではなく、むしろ本明細書中に提供される教示の結果として明らかになる任意及び総ての変形物を包含すると解釈すべきである。限定しないが、米国特許、認容された米国特許出願、又は刊行された米国特許出願を含む総ての文献は、全体の引用によって本明細書内に組み込まれる。
[実施例]
以下の実施例は例示のみであり、請求項によって規定されるように本発明の範囲を限定することを意図しない。
ヒト体細胞における多能性遺伝子を誘発又は発現増加させる小分子修飾因子の能力が試験された。この実施例においては、小分子修飾因子は少なくとも1のDNMTの活性を抑制する小分子抑制因子RG108であった。しかしながら、当該技術分野の当業者によって、多能性又は多分化能性遺伝子の発現を誘発する任意の小分子修飾因子が用いられうることが理解されよう。
[方法]
[細胞培養液]
初代ヒト肺線維芽細胞はCell Applications社(カリフォルニア州サンディエゴ)から購入され、10%のウシ胎仔血清(FBS、Hyclone社)ならびに0.5%のペニシリン及びストレプトマイシンを含む、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM、Hyclone社)において、95%の水分及び5%のCO中で37℃で維持された。細胞は500μMのRG108の存在下で5日間増殖され、未処理を維持された。
[定量RT−PCR]
Oct−4及びNanogの発現は各培養条件(500μMのRG108又は未処理)でリアルタイムRT−PCRによって定量された。簡潔に言うと、全RNAは製造者のプロトコルに従ったデオキシリボヌクレアーゼIの消化を伴うTrizol Reagent(Life Technologies社、メリーランド州ゲーサーズバーグ)及びRNeasy Miniキット(Qiagen社、カリフォルニア州バレンシア)を用いて培養液から調製された。各サンプルからの全RNA(1μg)はオリゴ(dT)刺激された逆転写に供された(Invitrogen社、カリフォルニア州カールズバッド)。リアルタイムPCR反応は、7300リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems社、カリフォルニア州フォスターシティー)でPCRマスターミックスを用いて行われる。各サンプルにおいて、1μlの希釈されたcDNA(1:10)はPCR反応におけるテンプレートとして添加される。Oct−4及びNanogの発現レベルはグリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPD)で規格化された。
[結果]
図1に示すように、500μMのRG108での5日間の初代ヒト肺線維芽細胞の処理がNanog遺伝子発現の有意な発現増加(p<0.03)を引き起こした。更に、Oct4遺伝子発現の増加の傾向(p<0.07)が更に観察された。多能性遺伝子Oct−4及びNanogの発現増加は更に、DNMT抑制因子のエピガロカテキン−3−ガラートの存在下で細胞を培養することによって観察された(p<0.08、データは図示せず)。
これらの結果は、小分子抑制因子はエピゲノム、例えばDNAメチル化を調節するのに用いることができることを示唆する。小分子抑制因子は、転写抑制に関与するタンパク質の活性を抑制するのに用いることができる。更に、小分子抑制因子は多能性遺伝子の発現を誘発し、体細胞における分化能を回復させうる。
多様な小分子修飾因子がいくつかの細胞型において多能性遺伝子を誘発又は発現増加するのに用いられた。本実施例においては、Oct−4は主要な試験遺伝子であるが、当該技術分野の当業者は、小分子修飾因子が再プログラミングに関与する任意の遺伝子の発現を誘発又は発現増加させるように用いられうることを理解するであろう。
[方法]
[細胞培養液]
成体及び新生児の初代ヒト肺線維芽細胞はCell Applications社(カリフォルニア州サンディエゴ)から購入された。ヒト肺線維芽細胞、HSM細胞、及びBJ線維芽細胞はアメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC、バージニア州マナッサス)から購入された。
細胞は10%のウシ胎仔血清(FBS、Hyclone社)ならびに0.5%のペニシリン及びストレプトマイシンを含む、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM、Hyclone社)において、及び線維芽細胞増殖培地(Cell Applications社、カリフォルニア州サンディエゴ)において、95%の水分及び5%のCO中で37℃で維持された。細胞は小分子修飾因子の存在下又は不存在下で増殖された。小分子修飾因子の存在下における培養時間は各小分子修飾因子で変えた(表5参照)。
[定量RT−PCR]
対象の、例えばOct−4及びNanogの遺伝子の発現は各培養条件でリアルタイムRT−PCRによって定量された。簡潔に言うと、全RNAは製造者のプロトコルに従ったデオキシリボヌクレアーゼIの消化を伴うTrizol Reagent(Life Technologies社、メリーランド州ゲーサーズバーグ)及びRNeasy Miniキット(Qiagen社、カリフォルニア州バレンシア)を用いて培養液から調製された。各サンプルからの全RNA(1μg)はオリゴ(dT)刺激された逆転写に供された(Invitrogen社、カリフォルニア州カールズバッド)。リアルタイムPCR反応は、7300リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems社、カリフォルニア州フォスターシティー)でPCRマスターミックスを用いて行われる。各サンプルにおいて、1μlの希釈されたcDNA(1:10)はPCR反応におけるテンプレートとして添加される。対象の遺伝子の発現レベルはグリセルアルデヒド3−リン酸脱水素酵素(GAPD)で規格化された。
[結果]
表5は試験され、Oct−4の発現を誘発又は発現増加させることが示された小分子修飾因子を列挙する。小分子抑制因子VPA及びRG108は更に、Nanogを誘発することが示された(図1及び表5参照)。表5に示されるデータは、多数の小分子修飾因子が多様な濃度で用いられて、Oct−4といった多能性遺伝子の発現を誘発又は発現増加させうることを示す。表5に示されるように、小分子修飾因子は多様な濃度及び多様なインキュベーション時間で、成体ヒト皮膚線維芽細胞、新生児ヒト皮膚線維芽細胞、ヒト肺線維芽細胞、及びBJ線維芽細胞(ヒト包皮)においてOct−4発現を誘発できる。
Figure 2011516082
バルプロ酸(VPA)(5mM)は成体ヒト皮膚線維芽細胞、新生児ヒト皮膚線維芽細胞、胎児ヒト皮膚線維芽細胞、及びBJ線維芽細胞において、Oct−4、Nanog、及びSox−2の発現を誘発した(図2参照)。細胞は4ないし6日間、VPAで処理された。発現の増加は、各遺伝子で、及び各細胞型において変化したが、データは明確に小分子抑制因子(VPA)の存在下で多能性遺伝子の発現増加を示す。ハウスキーピング遺伝子GAPDHはmRNAの量を規格化するのに用いられた。
図3に示されるように、VPAは更に成体及び胎児ヒト皮膚線維芽細胞におけるHDAC11の発現を増加させた。HDAC9については、VPA処理された細胞と未処理細胞との間の統計的有意差はなかった。測定可能な効果の欠如は科学機器で課せられる実験的限界によるものである。
表6はVPAの存在下における、多能性遺伝子Oct−4、Nanog、Sox−2、及びHDAC11の統計分析を示す。4の細胞型:成体ヒト皮膚線維芽細胞;胎児ヒト皮膚線維芽細胞;新生児ヒト皮膚線維芽細胞;及び、BJ線維芽細胞;の情報が示される。各細胞型においては、Oct−4、Nanog、及びSox−2の発現の変化は統計的に有意であった。複数の遺伝子の発現は、再プログラミングに関与し、ヒストン脱アセチル化酵素を抑制するように機能する小分子の存在下で増加した。
Figure 2011516082
図4に示されるように、Oct−4の発現はヒト成体皮膚線維芽細胞がニコチンアミドで4日間処理される場合に増加した。試験された総ての3の濃度:0.028mM;0.28mM;及び、1.4mM;によって、コントロール培地(MC)と比較した場合に、Oct−4の発現の増加を引き起こした。これらのデータは、小分子抑制因子、この場合はニコチンアミドが、Oct−4の発現を増加させ、分化細胞を再プログラミングするのに、及び分化能を細胞に回復させるのに関与する遺伝子であることを示す。
図5で示されるように、Oct−4の発現は、ヒト成体皮膚線維芽細胞がフェニル酪酸ナトリウムで処理された場合に増加した。細胞はフェニル酪酸ナトリウム(2.5mM)の存在下で4日間処理された。コントロール培地(MC)と比較される場合、処理された細胞はOct−4の発現の増加を示した。これらのデータは、ヒストン脱アセチル化酵素を抑制するように機能する小分子抑制因子が、多能性又は多分化能性遺伝子の発現を増加させ、細胞を再プログラミングするように用いられうることを示す。
図6で示されるように、多能性遺伝子Oct−4の発現は、ヒト成体皮膚線維芽細胞がバルプロキサムで4日間処理された場合に増加した。2の濃度:0.05mM;及び0.5mM;のバルプロキサムで、Oct−4の発現は、コントロール培地(MC)と比較した場合に増加した。2.5mMのバルプロキサムで、Oct−4の発現はベースラインレベル(コントロール培地と同様のレベル)に戻ったように見えた。このことは生存細胞の数の減少を反映しうるか、あるいは機器で課せられる実験的限界を示しうる。
図7で示されるように、Oct−4の発現は、BJ線維芽細胞が2−PCPAで8日間処理された場合に増加した。化合物1はヒストン/リジン 1 デメチラーゼ抑制因子である。総ての3の濃度:0.1mM;0.5mM;及び1.0mM;の2−PCPAは、コントロール培地(MC)と比較される場合に、Oct−4の発現の増加を引き起こす。
小分子修飾因子は、複数の標的を標的とし、限定しないがヒストン脱アセチル化酵素及びSIRTを含み、多能性又は多分化能性遺伝子の発現を増加するのに用いられ、分化細胞を再プログラミングするのに用いられうる。これらの再プログラミング方法は卵、胚、又は胚性幹細胞と独立である。更にこれらの方法は、有害な効果を有しうる、ウイルスベクターに依存しない。これらの方法は更に、c−myc及びKlf4といった癌遺伝子と独立である。
更に、本発明の方法は、体細胞核移植(SCNT)の不存在下において、分化細胞を再プログラミングするのに用いられうる。SCNTは非常に非効率的であり、再プログラミングの分野で有意な限定を引き起こしていた。本方法はSCNTの必要性を減少させる。
本方法は、強いレポーター成分を有する人工ベクターとは対照的に、外因性Oct−4遺伝子の発現の増加を示した。人工ベクターは外因性遺伝子と同一のクロマチン構造を有しないか、あるいはゲノムの環強を生成する他の遺伝子及びプロモーター成分を有しない。人工ベクターは天然ゲノムの環境を再現するのに必要な天然成分の多くを有さない。本明細書中で示した結果は、ヒト細胞を処理し、外因性遺伝子の効果を測定することによって取得される効果を示す。
最後に、本明細書中で示したデータは、小分子修飾因子が、ヒストン脱アセチル化酵素といったタンパク質複合体の機能を変えるのに用いられうるのを示す。クロマチン構造を変えるステップは、分化細胞を再プログラミングするステップ及び分化能を回復させるステップにおけるステップである。
VPAへの曝露によって誘発される形態学的な変化が試験された。胚細胞は明確な形態学的特徴を有する。従って、VPAで処理された細胞を試験して、多能性遺伝子の発現の増加が、胚細胞と一致する形態学的な変化と対応するかどうかを決定した。
[方法]
ヒト成体皮膚線維芽細胞は、24ウェルのプレートにおいて、線維芽細胞増殖培地で5日間、500μMのVPAで処理された。細胞は日数3で500μMのVPAで再処理された。5日目の最後に、細胞は6ウェルのプレートに移され、更に16日間mTeSR hES細胞培養培地(カナダ国ブリティッシュコロンビア州バンクーバーのStemCell Technologies社から入手可能)で、毎日500μMのVPAで処理され、mTeSR培地は毎日交換された。日数約21で、コロニーが懸濁剤中に観察された場合、細胞はマトリゲルに移され、播種後に撮影された。
[結果]
図8Aないし8Dは未処理細胞及び500μMのVPAで処理された細胞の写真である。図8Aは、線維芽細胞増殖培地における未処理細胞の写真である。図8Bは、DMEM/F12培地における未処理細胞の写真である。図8C及び図8Dは、マトリゲル上のmTeSR hES細胞培地においてVPA処理された細胞の写真である。VPAで処理された細胞は胚様体様のコロニー(図8C)及び胚様体様の本体(図8D)と類似する。しかしながら、陽性の多能性タンパク質の染色は検出されなかった(データは図示せず)。これは、実験誤差又は実験型の限界の結果であろう。
小分子修飾因子で処理される細胞はOct−4及びNanogといった遺伝子の発現を誘発し、それらは、細胞の多能性を維持するのに関与し、分化細胞を再プログラムに関与する2の遺伝子である。更に、これらの遺伝子の発現を増加させるステップは細胞において形態学的な変化を引き起こし、形態学的な変化は胚様体様細胞と一致した。これらの結果は明確に、ヒストン脱アセチル化酵素の抑制因子といった小分子修飾因子が、分化細胞を胚様体様細胞に変換するのに用いられうることを示唆する。その結果は、細胞がVPAといった小分子抑制因子に細胞を曝露することによって再プログラミングされうるという観念を支持する。
特定の実施形態が本明細書中で例示及び記載されてきたが、同一目的を得るために算出される任意の配置が、示された特定の実施形態と置換されうることは当該技術分野の当業者によって理解されよう。本出願は記載したような本発明の原理により動作する任意の構成及び変形物をカバーするように意図している。従って、本発明は特許請求の範囲及びその等価物によってのみ限定すべきことが意図される。本出願に引用された特許、引用文献及び刊行物の開示は、本明細書中に引用によって組み込まれる。

Claims (20)

  1. 細胞を再プログラミングする方法であって、多能性遺伝子の発現を誘発する小分子修飾因子に細胞を曝露するステップと;細胞を選択するステップと;を具え、分化能が前記細胞に回復することを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記細胞を選択するステップが、前記小分子修飾因子への曝露前後で前記細胞の表現型を比較するステップと;回復した分化能と一致する表現型で細胞を同定するステップと;を具えることを特徴とする方法。
  3. 請求項1に記載の方法が、選択した前記細胞を細胞集団に拡張させるステップを更に具えることを特徴とする方法。
  4. 請求項1に記載の方法において、前記小分子修飾因子が、ヒストン脱アセチル化酵素抑制因子と;メチル結合ドメインタンパク質抑制因子と;メチルアデノシルトランスフェラーゼ抑制因子と;DNAメチルトランスフェラーゼ抑制因子と;ヒストンメチルトランスフェラーゼ抑制因子と;リジンメチルトランスフェラーゼ抑制因子と;ヒストン脱メチル化酵素抑制因子と;メチルサイクルの酵素抑制因子と;からなる群から選択されることを特徴とする方法。
  5. 請求項4に記載の方法において、前記小分子修飾因子がDNAメチルトランスフェラーゼ抑制因子であることを特徴とする方法。
  6. 請求項5に記載の方法において、前記DNAメチルトランスフェラーゼ抑制因子がRG108であることを特徴とする方法。
  7. 請求項1に記載の方法において、前記細胞を選択するステップが、多能性遺伝子又は多能性マーカーから発現されるタンパク質を対象とする抗体を用いて細胞を分離するステップを具えることを特徴とする方法。
  8. 請求項1に記載の方法において、前記細胞を選択するステップが、多能性遺伝子によって駆動されるレポーター、又は選択可能なマーカーに対する抵抗性を用いて細胞を分離するステップを具えることを特徴とする方法。
  9. 請求項1に記載の方法において、前記多能性遺伝子がOct−4、Sox−2、及びNanogからなる群から選択されることを特徴とする方法。
  10. 請求項1に記載の方法が、前記小分子修飾因子への曝露前の前記細胞の多能性遺伝子のクロマチン構造を、前記小分子修飾因子への曝露後に取得されるクロマチン構造と比較するステップを更に具えることを特徴とする方法。
  11. 細胞を再プログラミングする方法において、初期転写パターンを有する細胞を小分子修飾因子に曝露するステップであって、前記修飾因子が多能性遺伝子の発現を誘発するステップと;前記細胞の初期転写パターンを、前記修飾因子への曝露後に取得される転写パターンと比較するステップと;細胞を選択するステップと;を具え、分化能が前記細胞に回復することを特徴とする方法。
  12. 請求項11に記載の方法において、前記修飾因子への曝露後の前記転写パターンが胚性幹細胞の転写パターンに少なくとも50%類似することを特徴とする方法。
  13. 請求項11に記載の方法において、前記転写パターンを比較する前に、前記小分子修飾因子への曝露前後の細胞の表現型が比較されることを特徴とする方法。
  14. 請求項11に記載の方法が、選択した前記細胞を細胞集団に拡張させるステップを更に具えることを特徴とする方法。
  15. 請求項11に記載の方法において、前記細胞を選択するステップが、多能性遺伝子又は多能性マーカーから発現されるタンパク質を対象とする抗体を用いて細胞を分離するステップを具えることを特徴とする方法。
  16. 請求項11に記載の方法において、前記多能性遺伝子がOct−4、Sox−2、及びNanogからなる群から選択されることを特徴とする方法。
  17. 再プログラミングされた細胞の濃縮集団であって、多能性遺伝子の発現を誘発する小分子修飾因子に細胞を曝露するステップと;細胞を選択するステップであって、分化能が前記細胞に回復するステップと;細胞集団を生成するために選択された前記細胞を培養するステップと;を具える方法によって生成されることを特徴とする、再プログラミングされた細胞の濃縮集団。
  18. 請求項17に記載の再プログラミングされた細胞の濃縮集団において、前記再プログラミングされた細胞が、SSEA3、SSEA4、Tra−1−60、及びTra−1−81からなる群から選択される細胞表面マーカーを発現することを特徴とする、再プログラミングされた細胞の濃縮集団。
  19. 請求項17に記載の再プログラミングされた細胞の濃縮集団において、前記多能性遺伝子が、Oct−4、Nanog、及びSox−2からなる群から選択されることを特徴とする、再プログラミングされた細胞の濃縮集団。
  20. 請求項17に記載の再プログラミングされた細胞の濃縮集団において、前記再プログラミングされた細胞が集団の少なくとも60%を占めることを特徴とする、再プログラミングされた細胞の濃縮集団。
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