JP2011514217A - 家具部に可動状態で支持されている家具部ロック用の固定装置 - Google Patents

家具部に可動状態で支持されている家具部ロック用の固定装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、家具(1)に可動状態で支持されている抽出し等の可動家具部(2)を閉端位置にて制動する固定装置(5)に関する。この固定装置(5)は、係合要素(8)のための受領要素(7)を有した少なくとも1つのロック具(6)と、係合要素(8)を可動家具部(2)の閉端位置(E)の制動位置において受領要素(7)を解放可能に固定するための阻止機構(31)とを含んでおり、受領要素(7)と係合要素(8)の一方が家具(1)に取り付けられており、他方は、可動家具部(2)に取り付けられており、ロック具(6)は、過重負荷時安全機構(32)を有しており、過重負荷時安全機構(32)は、回動式に連結された少なくとも二部材を含んでおり、受領要素(7)が阻止機構(31)によって係合要素(8)を制動する位置(31)で固定されていても可動家具部(2)を無損傷で開かせることができる。
【選択図】図30a

Description

本発明は、家具に可動状態で支持されている家具部、特に抽出し(引出し)を閉端位置で制動(留止)するための固定装置に関する。
この固定装置は、係合要素のための受領要素を有した少なくとも1つのロック具と、その受領要素を、可動家具部の閉端位置にてその係合要素の制動位置において解放可能に固定するための阻止(阻害)機構とを含んでいる。これら受領要素と係合要素の一方の要素は、家具に取り付けられ、他方の要素は、可動家具部に取り付けられる。
従来の固定装置は、ユーザの操作が不適当であると、すなわち阻止機構を解除する前に可動家具部を開こうとすると(引き出そうとすると)、ロック具の部品が完全または部分的に破壊される危険性があるという弱点があった。
従って、本発明の一つの目的は、従来型ではない前記タイプの固定装置を提供し、ユーザによる不適切な操作があろうとも家具への損傷を回避することにある。
本発明によれば、ロック具に過重負荷時安全機構を持たせることでこの目的は達成される。この過重負荷時安全機構は、受領要素が係合要素の制動位置に阻止機構によって固定されていても、可動家具部に損傷を及ぼさずに開動作させる、互いに回動式に連結された少なくとも二部材を含んでいる。
この場合、過重負荷時の安全機構が、互いに回動式に連結されており、好適には、第1端位置と第2端位置との間で回動できる二つの部材を有していれば単純構造が可能である。
過重負荷時の安全機構の誤作動を回避するため、本発明の別の実施態様では、第1端位置にて、回動式に連結されている。それら二部材を解放可能に保持するか、またはその第1端位置に戻すため、過重負荷時安全機構は、それら二部材間に保持装置を有している。
この点に関して、本発明の一実施態様ではこの保持装置は、作用力保存手段を有する。この手段は、好適には引張バネである。
本発明の別の実施態様では、この保持装置は、二部材構造であり、部材は、それぞれ過重負荷時安全機構の回動連結されている部材の一方に設置されている。この保持装置は、磁力作動式であることが望ましい。
この点に関して、保持装置の一方の部材を磁石で形成し、他方の部材を引き付けられる金属で形成することができる。あるいは両部材を互いに引き合う磁石で形成することができる。
本発明の別の実施態様では、保持装置は、積極的(ポジティブ)にロックする構造を有しており、例えば掛留連結により形成される。
本発明の別の実施態様では、受領要素は、基部要素と、その基部要素に可動連結されたロック要素とを有しており、ロック機構は、基部要素に作用する。本発明の好適な別の実施態様によれば、回動式に連結されている過重負荷時安全機構の少なくとも二部材は、受領要素の基部要素とロック要素とで形成されている。
この点に関して、本発明のスペース節約型の一実施態様では、ロック要素と基部要素は、実質的に平行な表面上に設置され、それら両平面に直角に交わる回転軸周囲で相互回動するように搭載されている。
前部パネルと家具体(枠体)との間の前部スペースを調節するために本発明の別の実施態様では、係合要素に対する受領要素の相対位置は、回転を平行移動に変換する変位装置によって家具の奥行き方向にて直線状に可変である。このことは、少なくとも1つのロック具が基部に対して直線移動式に支持され、その上に受領要素が設置されているスライド部を含んでいれば達成される。この変位装置は、スライド部に対して直接的に作用すべく、受領要素の相対位置を変更するように設置および設計される。
前部パネルが傾斜姿勢となることを回避するため、本発明の別の実施態様では、固定装置は、同期機構によって作動式に連結された少なくとも2つのロック具を有する。この同期機構は、それぞれ異なるロック具および少なくとも1つの同期具と関係する少なくとも2つの連結要素を有しており、この連結要素は、同期具によって動作可能に連結されている。この同期具が、その上に同期要素を回転移動式に支持している静止状態の基部要素を有していれば単純で安定した構造が得られる。
本発明の一好適実施態様では、同期要素は、歯車で形成され、同期具は、2つのラックを有している。それらラックは、基部要素上で並進運動するように可動搭載されており、同期要素の両側で係合状態であり、1端部にて連結要素にそれぞれ連結されている。
同期要素を、例えばダブルアームレバーによって形成することも可能である。
本発明は、さらに、家具に可動に支持されており、作用力保存手段によって作動する移動家具部のためのロック可能な放出装置と固定装置にも関する。
このようなロック可能な放出装置は、取っ手のない可動家具部を、握り部が存在しなくても少なくとも前部パネル背後を掴むことができ、可動家具部を開くことができる程度にまで開かせる。この場合、放出装置のロック解除は、例えばボタンによって実行される。いわゆるタッチラッチ式の場合には、前部パネルに対して可動家具部の閉位置方向に圧力をかけることで開かせることができる。
この点に関して、本発明の一好適実施態様では、放出装置のロックは、受領要素の阻止機構によって実行される。
本発明の別の実施態様では、放出装置または放出要素は、ロック具上に設置される。
しかし、本発明の別の実施態様においては、放出装置または放出要素は、固定装置とは離れて可動家具部上に設置される。この点に関して、放出装置または放出要素が、可動家具部を形成する抽出しガイドシステム上(好適には家具枠体レール上)に設置されることが望ましい。
本発明は、さらに、「請求項1」から「請求項18」に記載の固定装置を備えた家具および「請求項19」から「請求項23」に記載のロック可能な放出装置を備えた家具にも関する。
本発明のさらなる利点および詳細は、添付図面を利用したいくつかの実施例を通して以下で詳述されている。
図1は、可動に支持されている可動家具部を有した家具を図示する。 図2aは、本発明の一実施例に従った、家具の奥行き方向に変位できるように搭載された受領要素を図示する。 図2bは、本発明の一実施例に従った、家具の奥行き方向に変位できるように搭載された受領要素を図示する。 図3は、可動家具部のガイドシステムの家具枠体レールを図示する。 図4は、放出装置の分解図を図示する。 図5は、係合要素の一実施例を図示する。 図6は、第1実施例による、2つの相互に連結されたロック具を含んだ固定装置を備えた可動家具部の下側の斜視図である。 図7aは、可動家具部の異なる位置にある図6の実施例の平面図である。 図7bは、可動家具部の異なる位置にある図6の実施例の平面図である。 図8は、第2実施例による、同期機構によって連結され、過重負荷時安全機構を有した2つのロック具を備えた固定装置を有した可動家具部の下側の斜視図である。 図9aは、異なる位置にある図8の実施例の可動家具部の下側を図示する。 図9bは、異なる位置にある図8の実施例の可動家具部の下側を図示する。 図10は、第1実施例に従った同期具の斜視図である。 図11aは、図10の実施例の平面図である。 図11bは、図10の実施例の平面図である。 図12は、別実施例による同期具の斜視図である。 図13は、図12の実施例の分解図である。 図14aは、異なる位置にある図12の実施例の平面図である。 図14bは、異なる位置にある図12の実施例の平面図である。 図15は、第2実施例に従った、同期機構によって連結され、過重負荷時安全機構を有した2つのロック具を含んだ固定装置を有した可動家具部の下側の斜視図である。 図16aは、別実施例による同期具の斜視図である。 図16bは、別実施例による同期具の斜視図である。 図17aは、別実施例に従った、同期機構によって連結されている2つのロック具を含む固定装置の上方斜視図である。 図17bは、別実施例に従った、同期機構によって連結されている2つのロック具を含む固定装置の下方斜視図である。 図18は、図17aと図17bで示す実施例のロック具の分解図である。 図19aは、別実施例による、二部材で成る受領要素と過重負荷時安全機構とを有したロック具の分解図である。 図19bは、別実施例による、二部材で成る受領要素と過重負荷時安全機構とを有したロック具の斜視図である。 図20aは、図19aと図19bで図示されているロック具を備えた本発明の別実施例の一部を図示する。 図20bは、図19aと図19bで図示されているロック具を備えた本発明の別の実施例の一部を図示する。 図21aは、別実施例による過重負荷時安全機構を有した受領要素の斜視図である。 図21bは、別実施例による過重負荷時安全機構を有した受領要素の分解図である。 図22aは、別実施例による、異なる位置にある図21aの実施例の平面図である。 図22bは、別実施例による、異なる位置にある図21aの実施例の平面図である。 図23aは、別実施例による、過重負荷時安全機構を備えた受領要素を図示する。 図23bは、別実施例による、過重負荷時安全機構を備えた受領要素を図示する。 図24aは、異なる位置にある図23aの実施例の平面図である。 図24bは、異なる位置にある図23aの実施例の平面図である。 図25は、別の実施例による、過重負荷時安全機構を備えた受領要素を図示する。 図26aは、異なる位置にある図25の実施例の平面図である。 図26bは、異なる位置にある図25の実施例の平面図である。 図27は、図26aのC部分の拡大詳細図である。 図28は、図25の受領要素の別位置を図示する。 図29aは、通常開操作時におけるロック具の受領要素の異なる位置を図示する。 図29bは、通常開操作時におけるロック具の受領要素の異なる位置を図示する。 図29cは、通常開操作時におけるロック具の受領要素の異なる位置を図示する。 図29dは、通常開操作時におけるロック具の受領要素の異なる位置を図示する。 図30aは、ユーザによる適切な操作後におけるロック具の受領要素の異なる位置を図示する。 図30bは、ユーザによる適切な操作後におけるロック具の受領要素の異なる位置を図示する。 図30cは、ユーザによる適切な操作後におけるロック具の受領要素の異なる位置を図示する。 図30dは、ユーザによる適切な操作後におけるロック具の受領要素の異なる位置を図示する。 図30eは、ユーザによる適切な操作後におけるロック具の受領要素の異なる位置を図示する。 図30fは、ユーザによる適切な操作後におけるロック具の受領要素の異なる位置を図示する。 図30gは、ユーザによる適切な操作後におけるロック具の受領要素の異なる位置を図示する。
図1は、可動状態で支持されている可動家具部2を有した家具を図示する。この場合、抽出しである可動家具部2の開動作は、タッチラッチ機構によって提供される。すなわち、ユーザは、無把持部(取っ手)形態の前部パネル3に対して力を作用させることで可動家具部2を家具1の奥行き方向(閉方向SR)に所定の距離だけ閉端位置Eから押し込む。その結果、放出装置のロックは、解除され、可動家具部2は、放出装置によって家具の外側の開位置にまで延び出る。
図2aと図2bは、家具1で可動状態に支持されている可動家具部2の下側を図示している。この場合、可動家具部2は、家具1の枠体4に固定的に設置されている枠体レール13の抽出しレール23により可動に導かれる。前部パネル3の領域で、可動家具部2の下側25には、閉端位置Eにて可動家具部2を制動(係止)するための固定装置5が提供されている。固定装置5は、受領要素7を有するロック具6を含む。受領要素7は、少なくともその閉端位置Eで枠体レール13に静的に設置されている係合要素8と係合する。
図2aと図2bで示す実施例においては、可動家具部2の閉端位置Eの前部パネル3と家具枠体4との間のスペースに対応して前部ギャップFを変動させるため、すなわち、タッチラッチ機構のための解除距離を変動させるために、係合要素8の受領要素7がロック具6の基部11で直線移動式に支持されたスライド部10の上に設置される。ロック具6は、変位装置9を有しており、それによって係合要素8に対する受領要素7の相対位置は、家具1の奥行き方向で可変となる。
変位装置9は、回転運動を並進運動に変換するように設計されており、この目的で、回転式に支持されている作動要素12を有している。その回転軸fは、ロック具6の主平面と実質的に直交する。この実施例では、作動要素12は、直線移動可能に支持されているスライド部10に対して直接的に作用する。
前部パネル3と家具枠体4との間に前部ギャップFを有し、スライド部10とロック具6の基部11との間にスペースAを有した図2aで示す位置からの係合要素8に対する受領要素7の相対位置は、変位装置9の作動要素12を回転させることで変更できる。その結果、図2bで示すように大きくなった前部ギャップF’と、小さくなった空間A’とが得られる。係合要素8に対する受領要素7の相対位置の変動は、両方向で実行され、前部ギャップF、F’は、スペースA、A’と反比例する。すなわち前部ギャップF、F’は、大きくなり、スライド部10と基部11との間のスペースA、A’は、その分だけ減少する。この反対も起きる。固定装置5のこの有利な形態と、前部パネル3の領域における可動家具部2の下側25の構成によって、工具なしでユーザは、容易に前部ギャップF、F’を調節でき、閉端位置Eでの可動家具部2の位置を変更できる。
家具枠体4に設置された、あるいは設置される枠体レール13が図3に図示されている。枠体レール13の前部延伸部には、係合要素8が設置され、後端部には、放出装置18が設置されている。枠体レール13は、係合要素8が家具の前部領域に存在するように家具1に取り付けられている。
図4は、放出装置18の分解図である。図示の例では、放出装置18は、2部分で成るハウジング21、21’を有する。その中で作用力保存手段19から作用を受け、その上に提供されたアバットメント22を有した放出要素20は、可動状態に支持されている。この実施例では、放出装置18のロックは、係合要素8によって実行される。係合要素8は、可動家具部2の閉端位置では、ロック具6の受領要素7によって制動される。放出装置18の解除後、すなわち係合要素8がロック具6から解放後、作用力保存手段19は除荷され、放出要素20を移動させる。その移動は、アバットメント22によって抽出しレール23に移されるか、直接的に可動家具部2に移される。
図5で示す係合要素8は、延伸部16の掛留ヘッド17によって枠体レール13に確実にロック接続される平板状の主要素13を有する。掛留ヘッド17とは反対側である係合要素8の端部で、平板状の主要素13にはピン15が設置される。ピン15の軸Lは、主要素13の主要面に対して直角に延びる。可動家具部2の閉端位置Eでは、係合要素8は、ロック具6の受領要素7とピン15により係合し、可動家具部2は、閉端位置Eで制動され、放出装置18は、ロックされる。
図6は、可動家具部2の下側を図示する。この例の場合、可動家具部2は、抽出しであり、固定装置5は、前部パネル3の領域で下側25に設置されている。固定装置5は、同期機構24によって連結された2つのロック具6を有している。これら2つのロック具6は、それぞれ受領要素7を有している。受領要素7は、それぞれ、2本の枠体レール13上に設置された係合要素8と係合する。この例の場合、可動家具部2は、枠体レール13の抽出しレール23により可動状態に支持されている。
図7aと図7bは、図6の実施例を可動家具部2の2つの異なる位置で図示する。この例の場合、図7aは、閉端位置Eでの可動家具部2を示し、ロック具6の2つの受領要素7は、枠体レール13上で係合要素8と係合する。同期機構24によるロック具6の連結は、連結要素26によって実行される。連結要素26は、図示の例では棒状であり、その1端は、受領要素7に回転式に接続されており、他端は、同期具27に回動式に接続されている。
図7aで示す閉端位置Eから、前部パネル3に対して作用力を働かせて可動家具2を家具枠体4内(閉方向SR)に押し入れると、阻止機構31は、解除され、受領要素7と係合要素8との間のロック作用は、除去され、受領要素7は、係合要素8を制動する図7aで示す第2位置sから、放出装置で係合要素8を解放する図7bの第2位置sに回動される。
同期機構24による可動家具部2の両側に設置された2つのロック具6の連結によって、ロック作用の排除と放出装置の始動とが実質同時的に実現する。この作用は、ユーザが可動家具部2の閉方向SRに必要な始動力を適用する前部パネル3の位置とは無関係である。
この目的を達成するために同期機構24は同期具27を有する。ロック具6の受領要素7は、逆方向関係で移動するように連結された連結要素26によって同期具27に連結されている。
図7aと図7bにおいて図示されている実施例では、阻止機構31の解除後に、右側で示される受領要素7は、可動家具部2の延伸移動によって右側に回動し、連結要素26によって同期具27のラック30を右方向に引っ張る。同期具27の第2ラック30は、図示の例では、歯車である同期要素29によって図の左側に移動される。図の左側で示される連結要素26は、反対に右から左に移動し、左側の受領要素7は左側に回動する。よって反対動作するように連結されている図示の実施例は動作方向を反転させ、引張力と押込力とを反転させる。
図8は、別実施例を示す。ここでは、ロック具6は、さらに過重負荷時安全機構32を有する。これは、受領要素7が阻止機構31によって係合要素8を制動する第2位置sにおいて固定されていても可動家具部2の安全な開放を保証する。
この目的を達成するため図9aで示すように、受領要素7は、2部分構造であり、基部要素43とロック要素44とは回動式に連結されており、阻止機構31は、基部要素43に対して作用する。この実施例の受領要素7の基部要素43とロック要素44は、過重負荷時安全機構32の2部分を形成する。それらは、回動式に連結されており、第1端位置と第2端位置との間で回動できる。保持装置33は、基部要素43とロック要素44との間で作動する。過重負荷時安全機構32の作動形態は、図30aから図30gを利用して以下でさらに詳細に説明する。
図9aと図9bで示す位置にて、可動家具部2の開放は、閉方向SR(図9a)に前部パネル3に対して始動力を適用することで実行できる。これで阻止機構31は、解除され、過重負荷時安全機構32の起動は不要である。他の点では、図9aと図9bの実施例は、図7aと図7bの実施例に対応する。この理由で細部の説明を省略する。
同期具27の第1好適実施例は、図10の斜視図にて図示する。同期具27は、基部要素28を含み、同期要素29は、そこで回動式に支持されている。図示の実施例では、同期要素29は、歯車で形成されており、2つのラック30が、その中に係合する同期要素29の両側にて基部要素28のガイド軌道で平行移動するように支持されている。
図11aと図11bは、図10の同期具27の2つの異なる位置の平面図である。図11aの位置で開始し、ロック具6の受領要素7の回動によって2つのラック30は、両方向に押圧または引張される(図11b)。ここでラック30の反対方向移動は、回動する同期要素29に連結されて同期関係となる。
同期具27を可動家具部2に固定するために基部要素28は、図示の実施例では、スロット形態である開口部34を有する。同期具27は、ラック30の外側端部に提供された受領開口部35によって連結要素26に接続されている。
同期具27の別実施例が図12から図14bで図示されている。図12の斜視図で図示されている同期具は、図10の実施例のものとは異なる。すなわち基部要素28は、2部分構造である。図12の実施例の分解図を図示する図13で見られるように、基部要素28は、主要素41と仲介要素42とを有しており、同期要素29と2つのラック30は、その仲介要素42上に設置されている。
この実施例では、主要素41は、固定手段36を受領するための2つの貫通開口部39を有している。これで主要素41は、可動家具部2に固定される。主要素41上に設置されている受領要素40は、主要素41に仲介要素42を固定する。この目的でスロット34が仲介要素42上に提供される。図示の実施例では、仲介要素42の主要素41への固定は、ガイドピン38と固定要素37によって実行される。
この構造は、ラック30あるいは連結要素26が基部要素28の可動家具部2の下側、例えば抽出しの底部へのネジ留めによる応力を回避させる。基部28の2部分構造のおかげで、最初の段階では、主要素41は、可動家具部2の下側25に搭載できる。この場合、仲介要素42を制動するために締付ネジである固定要素37がまず解除され、その締め付けは、同期具27が可動家具部2へ搭載された後になる。これで同期具27の実質的に無応力搭載が可能になる。
図14aと図14bは、図12の同期具27の2つの異なる取付け位置を図示する。図14bで示すように、主要素41と仲介要素42は、調和関係にあり、図14aで示すように仲介要素42は、主要素41に対して右側に移動される。
図15の実施例は、同期具27の形態において図9aの実施例とは異なる。特に図16aと図16bで図示するように、この実施例では、同期要素29は、ダブルアームレバーにより形成されている。このレバーは、連結要素26へ接続するためにその両端部に受領開口部35を有している。
一方、同期要素29は、基部要素28の上に回転式に搭載されている。前述の実施例と同様に、受領要素7の動きは、連結要素26によって同期具27へと伝達されるが、この実施例では、連結要素26は、同期要素29に直接的に接続されている。2つのラックと車歯を利用する実施例の場合と同様に、この実施例でも2つの連結要素26がダブルアームレバーである同期要素29によって逆関係で動作するように連結されている。
同期具27と2つの連結要素26とを有した同期機構24によって2つの係留具6は、同期的に連結されている固定装置5が、図17aでは、上方から、図17bでは下から見たように図示されている。この場合、同期具27の同期要素29は、ダブルアームレバーである。
図17aと図17bの実施例のロック具6は、図18で分解図により図示されている。ロック具6は、基部11によって可動家具部2に固定されている。その中でスライド部10は、直線状に可動である。基部11に対するスライド部10の位置変動は、作動要素12を有した変位装置9によって実行される。作動要素12は、回転軸fの周囲を回転するように基部11に取り付けられている。その下側には、スライド部10方向に、スライド部10に搭載されたガイド手段47に作動式に接続された渦巻き状スライドガイド軌道(図示せず)が存在する。すなわち、作動要素12の回転は、スライド部12の直線的変位を引き起こす。
受領要素7は、回転軸dの周囲を回転するようにスライド部10に搭載されている。図示の実施例では、受領要素7は、2部分構造であり、回動式に支持されている基部43と、基部43に回動式に接続されたロック要素44とを有している。同時に基部43とロック要素44は、過重負荷時安全機構32の2つの回動式に接続された部分を形成し、引張バネである保持装置33により接続されている。
図示の実施例では、係合要素8を制動する位置sで受領要素7を制動する阻止機構31は、スライドガイド軌道45を含み、直線移動可能なスライド部10と、そこで回転式に支持され、バネ46により作用を受ける受領要素7との間で作動する。
ロック具6の別実施例は、図19aの分解図と、図19bの斜視図で図示されている。図19aと図19bの実施例は、図18の実施例とは異なる形状の部材を使用している点でのみ異なる。係留具6の作動モードは、前述実施例のものに対応する。その理由により、ここでは詳述しない。
図20aと図20bは、それぞれ可動家具部2に設置されている図19bで図示されているロック具6を図示する。ここでロック具6は、制動要素8と係合しており、同期機構24の一部である連結要素26によって、可動家具部2の反対側に設置された第2ロック具6に連結されている。
この場合、変位装置9の作動要素12の回転によって、図20aで示される位置から、前部ギャップF、またはスライド部10と基部11との間のスペースAは変化し、さらに大きな前部ギャップF’またはさらに小さなスペースA’(図20b)となる。すなわち、家具1の奥行き方向における家具枠体4内の可動家具部2の位置は、変位装置9の作動要素12を回転させることでユーザによって容易に調節できる。
図21aから図22bまでの図面で示す実施例おいても2つの回動式に連結された過重負荷時安全機構32の部分は、受領要素7の基部43とロック要素44で形成されている。図18と図19の実施例とは異なり、この実施例では、保持装置33は、2部分構造であり、第1部分50は、ロック装置44上に設置されており、第2部分51は、基部要素43上に設置されている。この場合、保持装置33の第1部分50は、掛留ヘッドの形態であり、保持装置33の第2部分51は、掛留受領手段の形態であり、保持装置33は、積極的(ポジティブ)ロック関係で作用する。
図21aは、保持装置33の開位置における実施例の斜視図であり、図21bは、図21aの保持装置33の分解図である。図22aは、平面図として図21aの実施例の構成原理を図示する。保持装置33は、閉じられている。言い換えると可動家具部2は、その閉端位置Eに配置されており、ロック要素44は、制動要素8のピン15を制動している。可動家具部2を内側閉方向SRに押すことで阻止機構31を解除することなく、可動家具部2を開方向ORに引っ張ると、保持装置33は、ピン15がロック要素44に対して発揮する作用力によって開く。すなわち、部材50と51との間の積極的なロック接続は、解除され、可動家具部2は、受領要素7に損傷を及ぼさずに開位置にまで移動できる。
図23aから図24bで示す阻止機構32を備えた受領要素7の実施例は、図21aから図22bで示す実施例と類似した形態で作動する。図23aから図24bの実施例は、保持装置33の二部材50、51の特徴において図21aから図22bのものとは異なる。この実施例では、保持装置33の二部材50、51は、相互に引き付ける2つの磁石で形成されている。
非常に類似した実施例が図25から図28に図示されている。繰り返すが、この実施例は、保持装置33の二部材50、51の性質において異なる。保持装置33の第1部材50は、磁石であり、保持装置33の第二部材51は、受領要素7の基部要素43上に存在する2つのバネ52によって支持されて構成されているループ形態の対極性金属である。
この形態は、次の利点を有する。すなわち、特に図26aと図27で図示するように、二部材50、51間で分離力が作用するときに二部材50、51間の分離力が増加する。すなわち、まず保持装置33の部材50、51間の分離力は、部材50が実際に分離する前に、保持装置33の部材51の傾斜位置に関与する。よって、放出装置の作用力は、増大し、閉動作時の可動家具部2の反作用は、保持装置33によって少なくとも部分的に吸収される。
図29aから図29dは、通常開動作時における図20aで示す実施例によるロック具6の受領要素7の異なる位置を説明する。この通常開動作とは、可動家具部2を閉端位置Eの背後位置にまでユーザが内側に押すことで係留作用を解除させることである。
可動家具部2は、閉端位置に存在し、ロック具6によってそこに保持されている。そこでは、受領要素7のロック要素44が係合要素8のピン15を制動し、受領要素7の基部要素43が阻止機構31によって固定されている。ユーザは、可動家具部2が図29bで示す軌道位置に到達するまで可動家具部2の閉方向SRに前部パネル3に対して作用力を発揮する。
可動家具部2の解除位置への移動によって、スライドガイド軌道45により形成されている阻止機構31が解除され、基部要素43が回動されて係合要素8のピン15がロック要素44(図29c)により解放され、図29cで図示するように可動家具部2は、放出装置によって開位置に移動される。
図30aから図30gは、ユーザによる誤操作が発生したときの、図20aの実施例で示すロック具6の受領要素7の異なる位置を示す。この点に関して、誤操作とはユーザが、係合要素8に関して前もってロック作用を解除せずに可動家具部2を押し込み、可動家具部2を家具枠体4から引き出すことを意味する。
この点に関して、図30aは、可動家具部2がその閉端位置Eに存在する始動位置を図示する。図30bで図示するように、可動家具部2が開方向ORに直接引っ張られるなら、受領要素7のロック要素44は、係合要素8のピン15と接触することで回転軸e周囲を回転または回動する。特に、この実施例では、引張バネである保持装置33の作用力に抗して回転または回動する。
図30cにおいて、係合要素8のピン15は、ロック要素44の受領領域48を離れている。ロック要素44は、保持装置33によって戻り回動している。すなわち、引張バネは、応力が解除されている(図30d)。従って、この位置で可動家具部2は、開位置に存在し、基部要素43の阻止機構31は、解除されていない。
図30eで示すように、可動家具部2が閉方向SRで家具枠体4の内部に移動するなら、ロック要素44は、ピン15上に移動し、可動家具部2のさらなる内側移動時に受領要素7は、図30fのように回動し、阻止機構31は、解除され、基部要素43は、応力が解除されたバネ46によってピン15の解除位置にまで回動され、可動家具部2は、放出装置18によって開位置(図30g)にまで移動される。作用力保存手段19は、移動家具部2の内側移動によって少なくとも部分的に荷重状態となる。
ユーザによる誤操作後に、図30gの開位置は、通常開操作後の図29dの開位置に対応する。言い換えると、ユーザによる誤操作の場合には、第1段階で過重負荷時安全機構32が作動し、可動家具部2は、ロック具6がロック解除されていなくとも、第2段階で可動家具部2が閉方向SRで家具枠体4内に移動する前に、ロック具6の部材、特に受領要素7に損傷を与えずに開くことができる。受領要素7が係合要素8のピン15に圧力を及ぼすとき、ロック具6に作用する阻止機構31は、第3段階で解除され、第4段階では、可動家具部2は、バネ式受領要素7によって再び開位置に導かれる。言い換えると、ユーザによる誤操作後に、再び閉端位置Eとなるために可動家具部2は、2度閉じられねばならない。
可動家具部と可動家具部のためのロック可能な放出装置を制動するための固定装置の実施例は、限定的に解釈されるべきではなく、それらは、本発明の可動家具部の固定装置またはロック可能な放出装置を具現する多数の可能な実施形態の単なる個別例に過ぎない。

Claims (25)

  1. 家具に可動状態で支持されている抽出し等の可動家具部を閉端位置にて制動する固定装置であって、
    係合要素のための受領要素を有した少なくとも1つのロック具と、
    前記係合要素を前記可動家具部の閉端位置の制動位置において前記受領要素を解放可能に固定するための阻止機構と、を含んでおり、
    前記受領要素と前記係合要素の一方が前記家具に取り付けられており、他方は、前記可動家具部に取り付けられており、
    前記ロック具(6)は、過重負荷時安全機構(32)を有しており、
    該過重負荷時安全機構(32)は、回動式に連結された少なくとも二部材を含んでおり、
    前記受領要素(7)が前記阻止機構(31)によって、前記係合要素(8)を制動する位置(31)で固定されていたとしても、前記可動家具部を無損傷で開かせることができることを特徴とする固定装置。
  2. 過重負荷時安全機構(32)は、回動式に支持されていることを特徴とする請求項1記載の固定装置。
  3. 二部材は、回動式に連結されており、第1の位置と第2の位置との間で回動可能であることを特徴とする請求項1または2記載の固定装置。
  4. 過重負荷時安全機構(32)は、保持装置(33)を有しており、該保持装置(33)は、回動式に連結されている二部材を第1の端位置にて解放可能に保持し、または第1の端位置に戻すように作動することを特徴とする請求項3記載の固定装置。
  5. 保持装置(33)は、引張バネ等である作用力保存手段を有していることを特徴とする請求項4記載の固定装置。
  6. 保持装置(33)は、二部材構造であり、該保持装置(33)の部材(50、51)は、それぞれ、過重負荷時安全機構(32)の回動式に連結されている部材の一方に取り付けられていることを特徴とする請求項4記載の固定装置。
  7. 保持装置(33)は、磁力式であることを特徴とする請求項6記載の固定装置。
  8. 保持装置(33)の一方の部材(50)は、磁石であり、他方の部材(51)は、金属対極体であることを特徴とする請求項6または7記載の固定装置。
  9. 保持装置(33)の両部材(50、51)は、互いに引き付けあう磁石であることを特徴とする請求項6または7記載の固定装置。
  10. 保持装置(33)は、積極性ロック関係を有して作用することを特徴とする請求項6記載の固定装置。
  11. 保持装置(33)は、ロック接続であることを特徴とする請求項10記載の固定装置。
  12. 受領要素(7)は、基部要素(43)と、該基部要素(43)に可動に接続されたロック要素(44)とを有しており、阻止機構(31)は、前記基部要素(43)に対して作用することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の固定装置。
  13. 過重負荷時安全機構(32)の回動式に連結されている少なくとも二部材は、受領要素(7)の基部要素(43)とロック要素(44)とであることを特徴とする請求項12記載の固定装置。
  14. ロック要素(44)と基部要素(43)は、実質的に平行である平面にそれぞれ設置されており、それら平面に実質的に直交する回転軸の周囲で互いに回動するように搭載されていることを特徴とする請求項12または13記載の固定装置。
  15. 係合要素(8)に対する受領要素(7)の相対位置は、回転運動を並進運動に変換する変位装置(9)によって家具(1)の奥行き方向で直線的に可変であることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の固定装置。
  16. 少なくとも1つのロック具(6)は、基部(11)に対して直線的可動に支持されており、その上に受領要素(7)が設置されているスライド部(10)を含んでおり、変位装置(9)は、前記スライド部(10)に対して直接的に作用すべく前記受領要素(7)の相対位置を変動させるように設置および設計されていることを特徴とする請求項15記載の固定装置。
  17. 本固定装置(5)は、同期機構(24)で作動式に連結された少なくとも2つのロック具(6)を有しており、前記同期機構(24)は、異なるロック具(6)とそれぞれ関係する少なくとも2つの連結要素(26)を有しており、少なくとも1つの同期具(27)と前記連結要素(26)とは、該同期具(27)によって連動するように連結されていることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の固定装置。
  18. 同期具(27)は、固定的に設置された基部要素(28)を有しており、その上に同期要素(29)が回転移動式に支持されていることを特徴とする請求項17記載の固定装置。
  19. 同期要素(29)は、歯車であり、同期具(27)は、2つのラック(30)であり、該ラック(30)は、基部要素(28)上で並進運動するように可動状態で搭載されており、前記同期要素(29)と両側で係合しており、1端部で連結要素(26)とそれぞれ接続することを特徴とする請求項17または18記載の固定装置。
  20. 家具に可動式に支持されている可動家具部のためのロック式放出装置であって、作用力保存手段によって作動する放出要素と、請求項1から19のいずれかに記載の固定装置とを含んでおり、前記放出装置(18)のロックは、受領要素(7)のための阻止機構(31)によって作動することを特徴とする放出装置。
  21. 本放出装置(18)または放出要素(20)は、ロック具(6)に設置されていることを特徴とする請求項20記載の放出装置。
  22. 本放出装置(18)または放出要素(20)は、可動家具部(2)または家具(1)に固定装置(5)とは、別に設置されていることを特徴とする請求項20記載の放出装置。
  23. 本放出装置(18)または放出要素(20)は、可動家具部(2)である抽出しのためのガイドシステムに、好適には家具枠体レール(13)上で設置されていることを特徴とする請求項22記載の放出装置。
  24. 請求項1から19のいずれかに記載の固定装置を含んだ家具。
  25. 請求項20から24のいずれかに記載のロック式放出装置を含んだ家具。
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