JP2011512823A - L−リシン製造のためのリコンビナント微生物および方法 - Google Patents

L−リシン製造のためのリコンビナント微生物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、B. subtilisの野生型または変異型dapA遺伝子を含むEscherichia細菌、特にE. coliを使用して高収率でL−リシンを製造する方法を提供する。本発明は、また、L−リシンの製造に使用するための関連するリコンビナントEscherichia細菌、特にE. coliを提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2008年3月3日に出願された米国仮出願第61/033,099号の優先権を主張し、その仮出願の開示全体は、参照により本明細書に明白に組み入れられる、
配列表
本明細書は、さらに、本明細書と共に提出された配列表を参照により組み入れる。米国特許法施行規則1.52条(e)(5)項により、0786680106seqlist.txtと識別される配列表のテキストファイルは、15,349バイトであり、2009年2月26日に作成された。
発明の分野
本発明は、バイオテクノロジーの分野に関する。特に、本発明は、トランスフォーメーションされたEscherichia細菌、特にE. coliを成長させることによりL−リシンを製造するための方法を提供し、その細菌は、野生型または変異型Bacillus subtilis dapA遺伝子を含む。
発明の背景
L−リシンは、動物では合成されない必須アミノ酸である。多数の野生型および突然変異型細菌株は、L−リシンを産生することが見い出された。試料添加剤、医薬、化学薬剤および食品成分として広く使用されることから、L−リシンは、主にコリネ型細菌またはEscherichia細菌を使用した大規模発酵により製造されてきた。
大部分の細菌では、L−リシンは、メチオニンおよびトレオニンの生合成経路により共有される2段階を含む、9段階の酵素経路でアスパラギン酸から自然に合成される(Anastassiadis, S., Recent patents on Biotechnology 2007, 1(1): 11-24; Chen, N. et al., J. Biol. Chem. 1993, 268(13):9448-66)。リシン生合成のレギュレーションメカニズムは複雑であり、異なる細菌種で大きく異なる(Chen, N. et al., J. Biol. Chem. 1993, 268(13): 9448-66)。例えば、リシン生合成の分岐部に入るように第1段階を触媒する酵素であるジヒドロジピコリン酸シンターゼ(「DDPS」)は、グラム陽性細菌(例えば、Bacillus licheniformis、Bacillus megaterium、Bacillus subtilis、Corynebacterium glutamicum、Bacillus cereus、およびBacillus lactofermentum)ではなく、グラム陰性細菌(例えば、E. coli、Bacillus sphaericusおよびMethanobacterium thermoautotrophicum)においてL−リシンによるフィードバック阻害を受ける(Dobson, R. et al., Acta Cryst. 2005, D61:1116-24)。さらに、Bacillus subtilis(「B. subtilis」)におけるリシン生合成経路のレギュレーションは、リシンおよびその前駆体の一つであるジアミノピメリン酸による二重コントロールを伴うことで独特である(Chen, N. et al., J. Biol. Chem. 1993, 268(13): 9448-66)。
L−リシンによるDDPSのフィードバック阻害に対する多様な感受性に一致して、異なる属由来の細菌株の間で、DDPSタンパク質の配列およびその対応する遺伝子dapAにおける限られた相同性が見られる。B. subtilisにおけるDDPSは、それぞれE. coliおよびCorynebacterium Glutamicum(「C. Glutamicum」)におけるDDPSと、それぞれ約43%および40%同一のアミノ酸配列を有する(Chen, N. et al., J. Biol. Chem. 1993, 268(13):9448-66)。同じ細菌属の中であっても、異なる細菌株は中程度の相同性だけを示す。例えば、Bacillus methanolicus(「B. methanolicus」)におけるdapA遺伝子は、以前から公知のB. subtilisにおけるdapA遺伝子とヌクレオチド配列またはアミノ酸配列が約65%同一である(米国特許第6,878,533号)。
Escherichia細菌によるL−リシン製造を改善する一方法は、L−リシンによるDDPSのフィードバック阻害を克服することである。DDPSをL−リシンに対して感受性低下させるために。Escherichia細菌の野生型dapA遺伝子に突然変異が加えられた(米国特許第6,040,160号)。対応するDDPSがL−リシンによるフィードバック阻害を受けない非Escherichia細菌の野生型dapA遺伝子をEscherichia細菌に導入するための試みもなされてきたが、一貫した満足のいく結果を生むことはできなかった。
韓国のグループが、リシン過剰産生性C. glutamicum株由来の野生型dapA遺伝子をリシン産生性突然変異型E. coli株(TF1)に導入することが、リシン感受性DDPS活性およびリシン産生の並行する増加を導くことを報告した(Oh, J. et al., Biotech. Ltrs. 1991, 13(10):727-32;韓国特許出願公開第10−1992−0008382号)。しかし、二つの他のE. coli株(TF13およびTF23)における同じ野生型dapA遺伝子の発現は、高いリシン産生収率をもたらすことができなかった。この一貫性のない結果について、リシン生合成に関与するレギュレーションメカニズムはコリネ型細菌よりもE. coliの方が複雑であるという事実が引用された。
外来dapA遺伝子の発現は難しい。それは、対応する外来DDPSタンパク質がEscherichia細菌におけるプロテアーゼによる分解および不溶性封入体の形成を受けやすいと思われるからである(米国特許第6,040,160号)。加えて、C. GlutamicumまたはB. methanolicusについての最適培養温度は、E. coliから約10℃以上外れることから、C. glutamicum(Oh, J. et al., Biotech. Ltrs., 1991, 13(10): 727-32;韓国特許出願公開第10−1992−0008382号)またはB. methanolicus(米国特許第6,878,533号)のDDPSが、E. coliにおいてその好都合な活性を、すなわち高いリシン産生収率を導くリシン非感受性DDPS活性を示すとは予想されない。
B. subtilisにおいてリシン生合成に関与する遺伝子が発現されたE. coli細胞において、リシン合成の極めて複雑なレギュレーションが観察された(Shevchenko, T. N. et al., Tsitol Genet. 1984, 18(1):58-60)。具体的には、E. coli細胞における外来dapA遺伝子を含むこれらの外来遺伝子の発現は、リシン産生を高く満足なレベルに増加させることができなかった。リシンおよびジアミノピメリン酸によるフィードバック阻害を解除するために、リシン生合成に関与する天然遺伝子に突然変異を有するE. coliまたはB. subtilisを使用することによって、リシン生合成のかなりの増加が達成されることが示唆された。
今のところ、野生型または変異型B. subtilis dapA遺伝子を含むEscherichia細菌を使用してL−リシンを製造するための有効な方法は全くない。特に動物飼料用のL−リシンの需要は、世界人口の増大と共に絶えず増加していることから、Escherichia細菌株を使用したL−リシン製造を改善するための新規で有効な方法を開発する必要がある。
発明の概要
本発明によると、B. subtilisの野生型または変異型dap A遺伝子をEscherichia細菌に導入することにより、Escherichia細菌によるL−リシン製造が工業レベルまで改善する。さらに、トランスフォーメーションされたEscherichia細菌は、培地中に高い収率でL−リシンを製造するために使用することができる(例えば、少なくとも25、50、75、100、125または150g/L)。
本発明は、Escherichia細菌において自律的に複製可能で、B. subtilisの野生型または変異型dapA遺伝子を含むリコンビナントDNAを提供する。変異型B. subtilis dapA遺伝子は、野生型B. subtilis dapA遺伝子と非同一であるが、実質的に(例えば、90%、95%、または99%)同一の配列を有する。リコンビナントDNAは、Escherichia細菌にB. subtilis dapA遺伝子を導入してL−リシン産生を増加させるために使用することができる。
B. subtilis dapA遺伝子は、GenBankアクセッションナンバーL08471(配列番号1)およびChen, N. et al., J. Biol. Chem. 1993, 268(13): 9448-66に示されるようなB. subtilis dapA遺伝子と同一または実質的に(例えば、90%、95%、または99%)同一の核酸配列を有しうる。変異型B. subtilis dapA遺伝子は、配列番号1に一つまたは複数のヌクレオチド改変を含みうる。具体的な非限定的な一態様では、変異型B. subtilis dapA遺伝子は、配列番号1のヌクレオチド残基355にGからT、およびヌクレオチド残基360にTからCへの二つの突然変異を含む。
さらに、B. subtilis dapA遺伝子は、GenBankアクセッションナンバーL08471(配列番号2)およびChen, N. et al., J. Biol. Chem. 1993, 268(13): 9448-66に示されるようなB. subtilis dapA遺伝子の推定アミノ酸配列と同一または実質的に(例えば、90%、95%、または99%)同一のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードしうる。このタンパク質は、配列番号2に一つまたは複数のアミノ酸改変を含むアミノ酸配列を有しうる。具体的で非限定的な一態様では、変異型B. subtilis dapA遺伝子は、配列番号2のアミノ酸残基119にヒスチジンからチロシンへの突然変異を含むアミノ酸配列を有するタンパク質(「H119Y変異体」)をコードする。B. subtilis dapA遺伝子は、DDPS活性を有するタンパク質をコードしうる。
本発明は、また、培地にL−リシンを製造するための野生型または変異型B. subtilis dapA遺伝子を含むEscherichia細菌を提供する。そのEscherichia細菌は、培地に少なくとも50g/LのL−リシンを産生しうる。具体的で非限定的な一態様では、野生型B. subtilis dapA遺伝子を含むEscherichia細菌が、L-リシンを製造するために提供される。別の具体的で非限定的な態様では、H119Y変異型B. subtilis dapA遺伝子を含むEscherichia細菌が、L−リシンを製造するために提供される。
本発明は、さらに、培地にEscherichia細菌を成長させることによりL−リシンを製造し、その培地からL−リシンを収集するための方法を提供し、ここで、その細菌は、野生型または変異型B. subtilis dapA遺伝子を含む。L−リシンを蓄積させた後に、それを培地から採取または収集する。L−リシンが少なくとも25、50、75、100、125または150g/L、好ましくは少なくとも50g/Lに達したときに、L−リシンを培地から収集することができる。具体的で非限定的な一態様では、野生型B. subtilis dapA遺伝子を含むEscherichia細菌を培地中で成長させ、L−リシンをその培地から収集する。別の具体的な非限定的な態様では、H119Y変異型B. subtilis dapA遺伝子を含むEscherichia細菌を培地中で成長させ、L−リシンをその培地から収集する。
発明の詳細な説明
本発明は、好都合には、発酵によりL−リシンを製造するための方法、Escherichia属に属するトランスフォーメーションされた細菌およびリコンビナントDNAを提供する。B. subtilisの野生型または変異型dapA遺伝子を含むEscherichia細菌により、L−リシンを高収率で製造できることが今回発見された。
説明を明確にするために、そして限定するつもりはなく、本発明を以下の小区分:
(1)リコンビナントDNA、
(2)トランスフォーメーションされたEscherichia細菌、および
(3)L−リシンの製造方法
に分けて詳細に説明する。
(1)リコンビナントDNA
本発明のリコンビナントDNAは、B. subtilis株の野生型または変異型dapA遺伝子を保有し、Escherichia細菌株で自律的に複製する。それは、B. subtilis dapA遺伝子を含むDNAフラグメントをEscherichia細菌株において複製可能な発現ベクターに挿入することにより得ることができる。
B. subtilis株において、dapA遺伝子は発現され、対応するDDPSは、L−リシンによる実質的な(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、またはそれを超える)フィードバック阻害を受けない。B. subtilis株は、L−リシン産生株のこともあるし、そうでないこともある。好ましいB. subtilis株はW168であり、その株はリシン産生株ではない。この株は、Bacillus Genetic Stock Center(Ohio State University, U.S.A)から入手することができる。
野生型B. subtilis dapA遺伝子(「BsdapA遺伝子」)を含むDNAフラグメントは、野生型B. subtilis株の染色体DNAから得ることができる。その染色体DNAは、当技術分野で公知の標準的な技法を使用して、B. subtilis株から調製することができる。DNAフラグメントは、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)を使用して染色体DNAから野生型B. subtilis dapA遺伝子を増幅することによって得ることができる。適切なPCRプライマーは、B. subtilisまたは他の細菌株(例えば、E. coliおよびC. glutamicum)において以前に公表されたdapA遺伝子配列に基づき調製することができる(Chen, N. et al., J. Biol. Chem. 1993, 268(13): 9448-66)。例えば、一本鎖21塩基長のプライマー対であるDapA−F(配列番号3)およびDapA−R(配列番号4)を使用することができる。
配列番号3および4の核酸配列を下に示す:
Figure 2011512823
変異型B. subtilis dapA遺伝子を含むDNAフラグメントは、同様に、in vivoで突然変異させたB. subtilis株の染色体DNAから得ることができる。変異型B. subtilis dapA遺伝子は、また、部位特異的突然変異誘発およびPCR介在性突然変異誘発などの、当技術分野で公知の標準技法によりin vitroで野生型B. subtilis dapA遺伝子に改変を導入することにより得ることができる。
結果として生じたDNAフラグメントの配列は、適切なプライマー(例えば、DapA−FおよびDapA−R)を使用して、一般に公知の方法により決定することができる。
B. subtilis dapA遺伝子は、GenBankアクセッションナンバーL08471(配列番号1)およびChen, N. et al., J. Biol. Chem. 1993, 268(13): 9448-66に示されたようなB. subtilis dapA遺伝子と同一または実質的に(例えば、90%、95%、または99%)同一の核酸配列を有しうる。野生型B. subtilis dapA遺伝子は、配列番号1と同一の核酸配列を有しうる。変異型B. subtilis dapA遺伝子は、配列番号1に一つまたは複数のヌクレオチド改変を含みうる。例えば、変異型B. subtilis dapA遺伝子は、配列番号1のヌクレオチド残基355にGからT、およびヌクレオチド残基360にTからCへの二つの突然変異を含みうる。配列の同一率は、BLASTまたはFASTAなどの標準的なソフトウェアにより決定することができる。
さらに、B. subtilis dapA遺伝子は、GenBankアクセッションナンバーL08471(配列番号2)およびChen, N. et al., J. Biol. Chem. 1993, 268(13): 9448-66に示されたようなB. subtilis dapA遺伝子の推定アミノ酸配列と同一または実質的に(例えば、90%、95%、または99%)同一のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードしうる。野生型B. subtilis dapA遺伝子は、配列番号2と同一のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードしうる。B. subtilis dapA遺伝子は、また、配列番号2に一つまたは複数のアミノ酸改変を含むアミノ酸配列を有するタンパク質をコードしうる。例えば、変異型B. subtilis dapA遺伝子は、配列番号2のアミノ酸残基119にヒスチジンからチロシンへの突然変異を含むアミノ酸配列を有するタンパク質(「H119Y変異体」)をコードしうる。
アミノ酸改変には、アミノ酸置換、付加および欠失が含まれる。改変は、部位特異的突然変異誘発およびPCR介在性突然変異誘発などの、当技術分野で公知の標準技法により導入することができる。アミノ酸置換は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基と交換された置換を含みうる。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーが当技術分野において定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、β−分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸が含まれる。
アミノ酸置換には、また、L−リシンに対して対応するDDPSを感受性低下させることが公知の、Escherichia細菌の野生型dapA遺伝子におけるアミノ酸置換と関連する置換が含まれうる。
dapA遺伝子を含むリコンビナントDNAを産生させるために、続いて、B. subtilisの野生型または変異型dapA遺伝子を含むDNAフラグメントを適切な発現ベクターとライゲーションすることができる。適切なDNA発現ベクターは、Escherichia細菌株において自律的に複製し、選択遺伝子マーカーを含む。選択遺伝子マーカーは、トランスフォーメーションされていないホストからトランスフォーメーションされたホストを識別できる抗生物質耐性(例えば、アンピシリン、テトラサイクリン、カナマイシンおよびネオマイシン)、色変化または任意の他の性質を検出することができる。適切なベクターの例には、pTrc99A、pUC19、pUC18、pBR322、pHSG299、pHSG399、pHSG398、RSF1010、pMW119、pMW118、pMW219、pMW218およびpSTV28などのE. coli発現ベクターが含まれる。dapA遺伝子がE. coliの強力なプロモーターのコントロール下にあるように、DNAフラグメントをDNA発現ベクターに挿入することが好ましい。適切なプロモーターの例には、trc、tac、lacおよびT7、好ましくはtrcが含まれる。
B. subtilis dapA遺伝子は、DDPS活性を有するタンパク質をコードしうる。B. subtilis dapA遺伝子を含むリコンビナントDNAの存在は、リコンビナントDNAでトランスフォーメーションされた細菌株におけるDDPS活性のレベル上昇またはリコンビナントDNAでトランスフォーメーションされたDDPS欠損細菌株(例えば、E. coli JE7627株)における栄養要求性の回復により確認することができる。
(2)トランスフォーメーションされたEscherichia細菌
Escherichia細菌は、当技術分野で公知の標準技法を使用して、B. subtilisの野生型または変異型dapA遺伝子を含むリコンビナントDNAでトランスフォーメーションすることができる。親(トランスフォーメーションされていない)Escherichia細菌は、野生型または突然変異型天然dapA遺伝子を保有して、対応する野生型または突然変異型天然DDPSを発現しうる。天然DDPSの酵素活性は、L−リシンによるフィードバック阻害を受けることがある。親Escherichia細菌は、L−リシン産生株でありうる。リシン生合成に関与する別の天然酵素の活性が高まることがある。例えば、L−リシンによるフィードバック阻害を解除する突然変異を有する天然アスパルトキナーゼIIIをコードするDNAを含むE. coli株(米国特許第6,040,160号)を使用することができる。Escherichia細菌株はE. coliであることが好ましい。Escherichia細菌は、L−リシンの工業製造に通常使用されるE. coli株であることがさらに好ましい。
トランスフォーメーション後に、Escherichia細菌は、B. subtilisの野生型または変異型dapA遺伝子を内部に有する。トランスフォーメーションされた細菌におけるB. subtilis dapA遺伝子の存在は、当技術分野で公知の標準技法により決定することができる。B. subtilisのdapA遺伝子は、プラスミド上に保有することができる。その遺伝子は、また、トランスフォーメーションされたEscherichia細菌の染色体に組み込むことができる。トランスフォーメーションされたEscherichia細菌は、高収率(例えば、少なくとも25、50、75、100、125または150g/L)でL−リシンを産生する。
一態様では、単独のプラスミドpVIC40を追放した後に、野生型dapA遺伝子を含むリコンビナントDNA(例えばpTrc99A−BsdapA)でE. coli株B−3996(Research Institute for Genetics and Industrial Microorganism Breedingから登録番号RIA1867で入手できる)をトランスフォーメーションして(米国特許第6,040,160号)、トランスフォーメーションされた細菌株B−399/pTrc99A−BsdapAを作製する。対照株B−399/pTrc99Aは、BsdapAを有さない対応するリコンビナントDNA(例えばpTrc99A)を用いたトランスフォーメーションにより同様に調製する。培地は、無菌溶液(16g/L (NHSO、1g/L KHPO、1g/L MgSO・7HO、0.01g/L FeSO・7HO、0.01g/L MnSO・5HO、2g/L酵母エキス(Difco)、0.5g/L L−メチオニン、0.1g/L L−トレオニン、および0.05 g/L L−イソロイシン(pH7.0)を含有する)を無菌20%グルコースと4:1の比で混合することにより調製する。L−リシン産生を改善するためにグルコースを補給してもよい。続いて、無菌の局方CaCOをその混合物に加え、溶解させて終濃度30g/Lにする。適切な抗生物質(例えば、15μg/mlテトラサイクリンおよび5μg/mlカナマイシン)もまた加えることができる。両株を114〜116rpmで振盪しながら37℃で48時間培養する。L−リシンを採取し、培養液から分析する。細菌株B−399/pTrc99A−BsdapAは、L−リシンを少なくとも10g/L産生すると予想され、それは、対照株B−399/pTrc99Aよりも有意に大きいであろう。
別の態様では、Global Bio-Chem Technology Group Company LimitedからのE. coli細菌株DC037を使用して、それぞれ150、180および20g/LのL−リシンを産生した、B. subtilisの野生型dapA遺伝子を含むリコンビナントE. coli(DC051)、B. subtilisのH119Y変異型dapA遺伝子を含むリコンビナントE. coli(DC231)、およびリコンビナントE. coli対照(DC073)を調製した。これらのリコンビナントE. coli株の調製および試験は、実施例3および4に説明する。
細菌株DC051およびDC231は、ブダペスト条約に基づきChina General Microbiological Culture Collection Center(CGMCC)に2009年2月26日に寄託され、それぞれCGMCCナンバー2923およびCGMCCナンバー2924のアクセッションナンバーを与えられた。
トランスフォーメーションされたEscherichia細菌におけるDDPS活性は、L−リシンにより実質的な(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、またはそれを超える)フィードバック阻害を受けることができない。トランスフォーメーションされたEscherichia細菌のDDPS活性は、10mM L−リシンの存在下でわずか50%に減少しうる。
細菌におけるDDPS活性は、Yugari, Y. and Gilvarg C., J. Biol. Chem., 1965, 240(12): 4710-16に記載された方法または任意の他の適切な方法に準じて測定することができる。例えば、細菌抽出物を50mMイミダゾールHCl(pH7.4)、20mM L−アスパラギン酸セミアルデヒドおよび20mMピルビン酸ナトリウムを含有する反応溶液に加え、37℃で10分間インキュベーションする。ピルビン酸ナトリウムを有さない反応溶液を空試料として使用することができる。反応により発生したジヒドロジピコリン酸の量によりDDPSを測定し、その量は、分光光度計により波長270nmで検出する。様々な量のL−リシンを反応混合物に加えてDDPS活性のリシン感受性を評価する。
(3)L−リシンの製造方法
L−リシンは、野生型または変異型B. subtilis dapA遺伝子を含むEscherichia細菌を培地中で成長させることにより製造することができる。Escherichia細菌の最適な成長に適した培地が望ましい(Anastassiadis, S., Recent Patents On Biotechnology 2007, 1(1): 11-24)。トランスフォーメーションされたEscherichia細菌の選択性および安定性を保つために、抗生物質(例えばアンピシリン)が培地中に望ましい。
例えば、培地は、無菌溶液(16g/L (NHSO、1g/L KHPO、1g/L MgSO・7HO、0.01g/L FeSO・7HO、0.01g/L MnSO・5HO、2g/L酵母エキス(Difco)、0.5g/L L−メチオニン、0.1g/L L−トレオニン、および0.05g/L L−イソロイシン(pH7.0)を含有)を無菌20%グルコースと4:1の比で混合することにより調製する。L−リシン産生を改善するためにグルコースを補給することができる。続いて、無菌の局方CaCOをその混合物に加え、溶解させて終濃度30g/Lにする。適切な抗生物質(例えば、15μg/mlテトラサイクリンおよび5μg/mlカナマイシン)もまた加えることができる。
Escherichia細菌に最適な培養条件が望ましい(Anastassiadis, S., Recent Patents On Biotechnology 2007, 1(1): 11-24)。培養は、好ましくは、25℃〜45℃の温度および5〜8のpHの好気的条件で好ましくは実施される。L−リシンの濃度は、約2〜10日間の培養後に最大に達する。細菌の成長は、分光光度計により測定された培養液の細胞密度に基づきモニターすることができる。
本発明に従って培養された、トランスフォーメーションされたEscherichia細菌の培地中にL−リシンを蓄積させる。L−リシンは、遠心分離による細胞分離および培地の濾過の前または後に、L−リシンHClを製造するための様々な方法(例えばイオン交換クロマトグラフィー法)により採取することができるか、またはペレット化工程によりL−リシン硫酸塩を製造するためにL−リシンのブロスを採取することができる(Anastassiadis, S., Recent Patents On Biotechnology 2007, 1(1): 11-24;中国特許第200410050017.4号)。L−リシンは、大規模発酵工程でL−リシンが少なくとも5〜10g/L、または少なくとも25、50、75、100、125または150g/Lに、好ましくは少なくとも50g/Lに達したときに培地から採取または収集することができる。L−リシンの量は、当技術分野で公知の様々な分析法(例えばHPLC)により決定することができる。
実施例
本発明を以下に全般的に説明するが、単に本発明のある局面および態様を例示するために含められ、本発明を限定する意図がない以下の実施例を参照することにより、さらに容易に理解されよう。
実施例1. プラスミドpTrc99A−BsdapAの構築
プラスミドpTrc99A−BsdapAは、野生型B. subtilis dapA遺伝子を含むように構築した。染色体DNAは、一般に公知の方法を使用して野生型B. subtilis株W168(Bacillus Genetic Stock Center, Ohio State University, U.S.A.)から調製した。それぞれ配列番号3および4に示される核酸配列を有するプライマー対DapA−F(配列番号3)およびDapA−R(配列番号4)を使用して、染色体DNA中の野生型dapA遺伝子を増幅することによって0.88kbのDNAフラグメントを得た。DNAフラグメントを回収し、制限酵素EcoRIおよびHindIIIで消化し、同制限酵素で予め消化されたpTrc99AプラスミドとライゲーションしてpTrc99A−BsdapAプラスミドを作製した。プラスミドpTrc99A−BsdapAは配列番号1の核酸配列を含んだ。その核酸配列は、配列番号2のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする。
実施例2. プラスミドpTrc99A−BsdapAH119Yの構築
プラスミドpTrc99A−BsdapAH119Yは、H119Y変異型B. subtilis dapA遺伝子を含むように構築した。突然変異は、PCRテンプレートとしてpTrc99A−BsdapAプラスミドを使用して、プライマー対bsdapa119muts(配列番号5)およびbsdapa119mutas(配列番号6)を用いて増幅することにより導入した。配列番号5および6の核酸配列を以下に示す:
Figure 2011512823
プライマー上の突然変異部位を太字の斜体字で示す。
DpnIにより消化された一定分量のPCR産物でE. coli DH5αコンピテント細胞をトランスフォーメーションした。プラスミドをトランスフォーマントから抽出し、制限酵素DraIで消化して所望の突然変異型プラスミドpTrc99A−BsdapAH119Yを確認した。そのプラスミドは、配列番号1のヌクレオチド残基355にGからT、およびヌクレオチド残基360にTからCへの二つの突然変異を含む核酸配列を含んだ。核酸配列は、配列番号2のアミノ酸残基119にヒスチジンからチロシンへの突然変異を含むアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする。
実施例3. 野生型B. subtilis dapA遺伝子を含むリコンビナントE. coli
野生型B. subtilis dapA遺伝子を含むリコンビナントE. coli(DC051)をE. coli細菌株DC037から調製したが、その細菌株はGlobal Bio-Chem Technology Group Company Limitedから受け取ったものである。DC037は、それぞれE. coliの突然変異型dapA遺伝子およびテトラサイクリンまたはカナマイシン耐性遺伝子を有する二つの異なるプラスミドを保有した。これらの二つのプラスミドをノックアウトさせ、それぞれ以下に示すようなBsdapA遺伝子およびテトラサイクリンまたはカナマイシン耐性遺伝子を有するプラスミドpDCtetBSdapAおよびpDCkanBSdapAasと交換した。
BsdapA遺伝子およびテトラサイクリン耐性遺伝子を有するプラスミドpDCtetBSdapAを構築した。BsdapAは、それぞれ下記の配列番号7および8に示す核酸配列を有するプライマー対ptrcBSdapAl−FおよびptrcBSdapAl−Rを使用することによってpTrc99A−BsdapAから得た。1.6kbのDNAフラグメントを回収し、制限酵素Tth111IおよびSpeIで消化し、同制限酵素で予め消化されたプラスミドpDCtetdapAとライゲーションして、プラスミドpDCtetBSdapAを調製した。
BsdapA遺伝子およびカナマイシン耐性遺伝子を有するプラスミドpDCkanBSdapAを構築した。BsdapAは、それぞれ下記の配列番号9および10に示す核酸配列を有するプライマー対ptrcBSdapA2−FおよびptrcBSdapA2−Rを使用することによって、pTrc99A−BsdapAから得られた。1.6kbのDNAフラグメントを回収し、制限酵素NotIおよびPshAIで消化し、同制限酵素で予め消化したプラスミドpDCkandapAとライゲーションしてプラスミドpDCkanBSdapAを調製した。
DC045は、DC037から調製した。DC037を800μg/ml EBで24時間処理し、続いて5μg/mlテトラサイクリンおよび50μg/mlカナマイシンによりそれぞれスクリーニングして、pDCkandapAが除去されてpDCtetdapAが残されたDC039を調製した。
それぞれ下記の配列番号11および12に示す核酸配列を有するプライマー対LDCupおよびflDNを用いてE. coli W3110を増幅することにより2.8kbのフラグメントを得た。このフラグメントをpMD18simple TベクターにサブクローニングしてpMDl8swtLDCを得た。
それぞれ下記の配列番号13および14に示す核酸配列を有するプライマー対FRT5およびHPA1FRT3を用いてpIJ773を増幅することによって1.5kbのアプラマイシン耐性遺伝子を得た。ベクターとしてpMD18swtLDCをHpaIにより消化し、1.5kbのアプラマイシン耐性遺伝子フラグメントとライゲーションしてpMD18swtLDC−apraを得た。PvuIIでpMD18swtLDC−apraを消化することによって4.5kbのフラグメントを単離し、DC039(pIJ790)をトランスフォーメーションするためのリコンビナントフラグメントとして使用して、野生型LDCがDC039のゲノムにおける切断型LDCと交換されたDC043を得た。プラスミドpCP20の助けを借りてDC043のゲノムからアプラマイシン耐性遺伝子の除去後に、野生型LDCおよびプラスミドpDCtetdapAを有するDC045を得た。
次に、DC045中のプラスミドpDCtetdapAを駆逐するためにpDCamBSdapAを構築した。
プラスミドpIJ773を抽出し、制限酵素EcoRIおよびClaIで消化した。1.3kbのフラグメントを単離した。制限酵素PvuIIでpDCtetBSdapAを消化することにより3.4kbのフラグメントを得て、続いて、同じ制限酵素で予め消化したプラスミドpMD18simpleとライゲーションし、pMD18s(BStet)を構築した。pMD18s(BStet)を制限酵素EcoRIおよびClaIで消化して、ベクターとして使用するための4.5kbのフラグメントを得た。pIJ773から得られた1.3kbのフラグメントを4.5kbのベクターフラグメントとライゲーションした。コンピテントDH5α細胞をライゲーション混合物でトランスフォーメーションし、アンピシリン/アプラマイシン含有プレート上で成長させた。トランスフォーメーションされた細菌からプラスミドDNAを抽出し、制限酵素PvuIIで消化し、3.5kbのフラグメントを長腕リコンビナントフラグメントとして得た。
pDCtetBSdapAでトランスフォーメーションされたBW25113(pIJ790)を、長腕リコンビナントフラグメントでさらにトランスフォーメーションした。トランスフォーメーションされた細菌からリコンビナントプラスミドpDCamBSdapAを抽出し、それをDC045のトランスフォーメーションに使用した。トランスフォーメーションされたDC045は、二つのプラスミドpDCtetdapAおよびpDCamBSdapAを有した。二つの複製起点の反発が原因で、pDCtetdapAが除去され、pDCamBSdapAが残ったDC049−1が得られた。DC049−1をpDCtetBSdapAおよびpDCkanBSdapAでトランスフォーメーションした後にDC051が得られた。
細菌株DC051は、ブダペスト条約に基づき2009年2月26日にChina General Microbiological Culture Collection Center(CGMCC)に寄託され、CGMCCナンバー2923のアクセッションナンバーを与えられた。
発現ベクターpTrc99Aを有するDC073を対照と同様に調製した。DC051とは異なり、DC073はpBsdapAを含まない。
配列番号7〜14の核酸配列を以下に示す:
Figure 2011512823
アンピシリンを有する培地中で37℃で3日間DC051およびDC073を成長させ、培地中にそれぞれ150および20g/LのL−リシンを製造した。
実施例4. H119Y変異型B. subtilis dapA遺伝子を含むリコンビナントE. coli
B. subtilisのH119Y変異型dapA遺伝子を含むリコンビナントE. coli(DC231)は、プラスミドpTrc99A−BsdapAと置き換えるためにプラスミドpTrc99A−BsdapAH119Yを使用したこと以外は実施例3に記載した方法を使用して調製した。DC049−1をpDCkanBSdapAH119YおよびpDCtetBSdapAH119Yでトランスフォーメーションした後に、DC231が得られた。
細菌株DC231は、ブダペスト条約に基づき2009年2月26日にChina General Microbiological Culture Collection Center(CGMCC)に寄託され、CGMCCナンバー2924のアクセッションナンバーを与えられた。
実施例3に記載した方法を使用して、DC231を培地中で成長させた。L−リシンは、培地中に180g/L産生した。
参照により組み入れ
本明細書に挙げた全ての刊行物および特許は、各個別の刊行物または特許が具体的かつ個別に参照により組み入れられると示されるかの如く、本明細書においてそれらの全体が参照により組み入れられる。抵触する場合は、本明細書における任意の定義を含む本出願がコントロールする。
主題発明の具体的な態様を論じたが、上記明細書は例証であり、限定的ではない。本発明の多数の変形は、本明細書および下記特許請求の範囲を再検討すると当業者に明らかになろう。本発明の全範囲は、特許請求の範囲をそれらの等価物の全範囲と共に、そして明細書を該変形と共に参照することにより決定されるはずである。
Figure 2011512823

Figure 2011512823

Figure 2011512823

Figure 2011512823

Figure 2011512823

Figure 2011512823

Figure 2011512823

Figure 2011512823

Figure 2011512823

Claims (20)

  1. B. subtilis dapA遺伝子を含む、Escherichia coli細菌において自律的に複製可能な、リコンビナントDNA。
  2. dapA遺伝子が、配列番号1と少なくとも90%同一の核酸配列を有する、請求項1記載のリコンビナントDNA。
  3. 核酸配列が配列番号1と同一である、請求項2記載のリコンビナントDNA。
  4. 核酸配列が、配列番号1のヌクレオチド残基355にGからTへの、およびヌクレオチド残基360にTからCへの二つの突然変異を含む、請求項2記載のリコンビナントDNA。
  5. dapA遺伝子が、配列番号2と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核酸配列を有する、請求項1記載のリコンビナントDNA。
  6. アミノ酸配列が配列番号2と同一である、請求項5記載のリコンビナントDNA。
  7. アミノ酸配列が、配列番号2のアミノ酸残基119にヒスチジンからチロシンへの突然変異を含む、請求項5記載のリコンビナントDNA。
  8. L−リシンを産生する、B. subtilis dapA遺伝子を含む、Escherichia coli細菌。
  9. dapA遺伝子が、配列番号1と少なくとも90%同一の核酸配列を有する、請求項8記載の細菌。
  10. dapA遺伝子が、配列番号2と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核酸配列を有する、請求項8記載の細菌。
  11. アミノ酸配列が、配列番号2と同一である、請求項10記載の細菌。
  12. China General Microbiological Culture Collection Centerに寄託されたCGMCCナンバー2923のアクセッションナンバーを有する、請求項8記載の細菌。
  13. アミノ酸配列が、配列番号2のアミノ酸残基199にヒスチジンからチロシンへの突然変異を含む、請求項10記載の細菌。
  14. China General Microbiological Culture Collection Centerに寄託されたCGMCCナンバー2924のアクセッションナンバーを有する、請求項8記載の細菌。
  15. 培地中に少なくとも50g/LのL−リシンを産生する、請求項8記載の細菌。
  16. B. subtilis dapA遺伝子を含むEscherichia coli細菌を培地中で成長させること、および該培地からL−リシンを収集することを含む、L−リシンを製造する方法。
  17. dapA遺伝子が、配列番号1と少なくとも90%同一の核酸配列を有する、請求項16記載の方法。
  18. dapA遺伝子が、配列番号2と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核酸配列を有する、請求項16記載の方法。
  19. アミノ酸配列が、配列番号2と同一である、請求項18記載の方法。
  20. アミノ酸配列が、配列番号2のアミノ酸残基119にヒスチジンからチロシンへの突然変異を含む、請求項18記載の方法。
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