JP2003506030A - アミノ酸産生の代謝工学 - Google Patents

アミノ酸産生の代謝工学

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JP2003506030A JP2001514080A JP2001514080A JP2003506030A JP 2003506030 A JP2003506030 A JP 2003506030A JP 2001514080 A JP2001514080 A JP 2001514080A JP 2001514080 A JP2001514080 A JP 2001514080A JP 2003506030 A JP2003506030 A JP 2003506030A
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ピー. ジョン ラヤパティ,
コレイ エム. クラフトン,
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アーカー−ダニエルズ−ミッドランド カンパニー
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    • C12P13/08Lysine; Diaminopimelic acid; Threonine; Valine

Abstract

(57)【要約】 本発明は、アミノ酸の発酵産生に関し、微生物、方法およびそれに有用なプロセスが提供される。本発明の微生物は、親株よりも高効率で、グルコースをL−イソロイシン、L−ロイシンおよびL−バリン以外のアミノ酸へ変換することができる。本発明は、突然変異により一つ以上の分枝鎖アミノ酸を合成するために栄養要求性またはブラディトロフになるように改変され、親株よりも所望するアミノ酸をより高いパーセント収率で産生できる能力について選択された微生物株を提供する。好適な微生物は、L−リシンを産生するCorynebacterium、BrevibacteriumまたはEscherichia coliである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) (発明分野) 本発明は、微生物遺伝学および組み換えDNA技術の分野に関する。より具体
的には、本発明は、アミノ酸の発酵産生に関する。本発明により、アミノ酸産生
に有用な微生物、アミノ酸産生を向上させる方法、およびアミノ酸産生プロセス
が提供される。
【0002】 (関連分野) 発酵によるアミノ酸産生は、糖密、酢酸およびエタノールなどの廉価な炭素源
からの安価な産生を可能とする。Corynebacteriaがアミノ酸の工
業生産に有用である(S.Kinoshitaら、Proceedings o
f the International Symposium on Enz
yme Chemistry 2:464−468(1957))という認識に
従って、発酵プロセスによるアミノ酸の商業生産が、変異株の分離を用いてより
実施可能になった。アミノ酸産生の微生物プロセスで用いられる微生物を4つの
クラスに分類し得る:野生型株、栄養要求性変異株、調節変異株および栄養要求
性調節変異株(K.Nakayamaら、NUTRITIONAL IMPRO
VEMENT OF FOOD AND FEED PROTEINS、M.F
riedman編、(1978)、pp.649−661)。発酵により産生さ
れたアミノ酸の立体特異性は、合成プロセスと比較して、微生物プロセスによる
アミノ酸産生を優位なプロセスとし;微生物プロセスにより産生されるアミノ酸
は、通常L−型である。
【0003】 L−リシンは、工業的発酵により産生されるアミノ酸の一例である。この必須
アミノ酸の商業的産生は、グラム陽性微生物であるCorynebacteri
um glutamicum、Brevibacterium flavumお
よびBrevibacterium lactofermentum(Klee
mann,Aら、Amino Acids,ULLMAN‘S ENCYCLO
PEDIA OF INDUSTRIAL CHEMISTRY,vol.A2
,pp.57−97、Weinham:VCH−Verlagsgesells
chaft(1985))を利用して主に行なわれ;累積的に、これら3つの微
生物は現在、一年間におよそ250,000トンのL−リシンを産生すると報告
されている。
【0004】 発酵プロセスによるL−リシン産生の経済的重要性があるなら、生産コストを
下げると同時に、産生される総量を増加させることが有用であろう。それを目標
として、L−リシン合成の生化学的経路が集中的にCorynebacteri
um(最近、Sahmら、Ann.N.Y.Acad.Sci.782:25−
39(1996)によってレビューされた)において研究されている。リシン経
路への入り口は、L−アスパラギン酸で始まる(図1参照)。L−アスパラギン
酸自身は、オキサロ酢酸のアミノ基転移により産生される。C.glutami
cumの特殊な性質は、リシン中間体ピペリジン2,6−ジカルボキシレートを
二つの異なるルートで、すなわち、スクシニル化中間体に関する反応によってか
、またはジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼの単一反応によって、ジアミノピ
メリン酸に変換するその能力である。全体的に見ると、経路への炭素流量は、2
点で調節される:第一に、L−スレオニンおよびL−リシン両方のレベルによる
アスパラギン酸キナーゼのフィードバック阻害によるもの、第二は、ジヒドロジ
ピコリン酸合成レベルの調節によるものである。従って、これら2つの酵素の活
性を調節解除および増加させることにより、Corynebacteriaにお
いてL−リシン産生を増加させ得る。
【0005】 L−リシン合成を導く生化学的経路に加えて、最近の証拠は、細胞から媒質へ
のリシン輸送に関する考察が、C.glutamicumのリシン過剰産生株の
開発において考慮されるべき別の条件であるということを示す。Kramerお
よびその同僚による研究は、易漏出性の膜の性質の結果として起こる細胞からの
受動的輸送だけで、リシン流出が説明されるものではないことを示す;これらの
データは、以下のような性質を持つ特定のキャリアを示唆する:(1)トランス
ポーターは、リシンに対するかなり高いKm値(20mM)を有する;(2)ト
ランスポーターは、OH-共輸送系(取り込み系は、H+対向輸送系である)およ
び(3)トランスポーターは正に荷電しており、膜電位が分泌を刺激する(S.
BroerおよびR.Kramer,Eur.J.Biochem.202:1
37−143(1991))。
【0006】 栄養要求性または抵抗性の性質について分離された様々な株を利用したいくつ
かの発酵プロセスが、L−リシン産生に関して当該分野において公知である:米
国特許第2,979,439号は、ホモセリン(またはメチオニンおよびスレオ
ニン)要求性の変異体を開示し;米国特許第3,700,557号は、スレオニ
ン、メチオニン、アルギニン、ヒスチジン、ロイシン、イソロイシン、フェニル
アラニン、シスチン、またはシステインについて栄養要求性を有する変異株を開
示し;米国特許第3,707,441号は、リシンアナログに対して抵抗性を持
つ変異体を開示し;米国特許第3,687,810号は、L−リシン産生能力お
よびバシトラシン、ペニシリンGまたはポリミキシンに対する抵抗性の両方を有
する変異株を開示し;米国特許第3,708,395号は、ホモセリン、スレオ
ニン、スレオニンおよびメチオニン、ロイシン、イソロイシンまたはそれらの組
み合わせについて栄養要求性を有し、かつリシン、スレオニン、イソロイシンま
たはそれらのアナログに対する抵抗性を有する変異体を開示し;米国特許第3,
825,472号は、リシンアナログに対する抵抗性を有する変異株を開示し;
米国特許第4,169,763号は、L−リシンを産生し、かつアスパラギン酸
アナログおよびサルファ剤の少なくとも一つに対して抵抗性であるCoryne
bacteriumの変異株を開示し;米国特許第5,846,790号は、ビ
オチン作用抑制剤非存在化でL−グルタミン酸およびL−リシンを産生し得る変
異株が開示し;そして米国特許第5,650,304号は、4−N−(D−アラ
ニル)−2,4−ジアミノ−2,4−ジデオキシ−L−アラビノース、2,4−
ジデオキシ−L−アラビノースまたはその誘導体に対して抵抗性を持つ、L−リ
シンの産生に関して、Corynebacterium属またはBreviba
cterium属に分類される株を開示する。
【0007】 CorynebacteriaのL−リシン発酵産生の分野における、より最
近の発展は、リシン産生を増大させるための分子生物学技術の使用と関連がある
。以下の例は、本技術の典型的な例として提供されるものである:米国特許出願
番第4,560,654号および同第5,236,831号は、S−(2−アミ
ノエチル)−システインに対して感受性のあるホストCorynebacter
iumまたはBrevibacterium微生物に対して、S−(2−アミノ
エチル)−システインに対する抵抗性およびリシン産生能の両方を付与するDN
AフラグメントをベクターDNAに挿入した組み換えDNA分子を用いて形質転
換することにより得られるL−リシン産生変異株を開示し;米国特許出願第5,
766,925号は、coryneform細菌(L−リシンおよびL−スレオ
ニンにより脱感作されるフィードバック阻害を有する)由来のアスパルトキナー
ゼをコードする遺伝子を、漏出型ホモセリンデヒドロゲナーゼを有するCory
neform細菌、またはホモセリンデヒドロゲナーゼ遺伝子を欠失したCor
yneform細菌の染色体DNAに組み込むことにより産生される変異株を開
示する。
【0008】 L−リシンに加えて、他のアミノ酸、例えば、分枝鎖アミノ酸であるL−ロイ
シン、L−イソロイシンおよびL−バリン産生にCorynebacteriu
mおよび関連生物が有用である。分枝鎖アミノ酸生合成に至る生化学的経路もま
た良く研究されている。アスパラギン酸経路への炭素流量は、L−イソロイシン
産生に利用されうる、L−リシンまたはL−スレオニン産生に送り込まれうる(
図1B)。5つの反応により、L−スレオニンからL−イソロイシンが産生され
る。すなわち、これらの反応を触媒する酵素には、次のものが含まれる。(1)
スレオニンデヒドラターゼ、(2)アセトヒドロキシ酸シンターゼ、(3)イソ
メロレダクターゼ、(4)ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ、および(5)トラン
スアミナーゼB、である。スレオニンデヒドラターゼは、イソロイシン合成特有
である、この経路における唯一の酵素である。他の4つの酵素は、また他の分枝
鎖アミノ酸、バリンおよびロイシン産生においても利用される。スレオニンから
イソロイシンへの炭素流量は、スレオニンデヒドラターゼおよびアセトヒドロキ
シ酸シンターゼ(AHAS)により制御される。Corynebacteriu
mにおけるイソロイシン経路の酵素をコードする遺伝子(ilvA,ilvB,
ilvC,ilvDおよびilvE)クローニングを利用して(C.Corde
sら、Gene 112:113−116(1992);B.Moeckelら
、J.Bacteriology 174:8065−8072(1992)お
よび、C.Keihauerら、J.Bacteriology 175:55
95−5603(1993))、新規株を作製するために組み換えDNA技術を
適用し得る。
【0009】 分枝鎖アミノ酸生合成経路における酵素活性の向上によるアミノ酸、L−イソ
ロイシン、L−ロイシンおよびL−バリンの産生における発展について説明され
ている。さらに、ilvBNオペロンによりコードされるアセトヒドロキシ酸シ
ンターゼ(AHAS)活性の改善による分枝鎖アミノ酸産生における改善につい
て説明されている。(概要として、H.Sahmら、Ann.N.Y.Acad
.Sci.782:25−39(1996)を参照)。
【0010】 分枝鎖アミノ酸産生の例示的なプロセスには、次のものが含まれる。米国特許
第5,188,948号において、ポリケチドに対して抵抗性である微生物を利
用したL−バリン産生に対する発酵プロセスが開示されている。米国特許第5,
521,074号において、CorynebacteriumまたはBrevi
bacterium属の微生物を利用したL−バリン産生のためのプロセスが開
示されている。これらの微生物は、a)バリン産生能、b)唯一の炭素源として
酢酸を含む培地中における、L−バリンに対する抵抗性、およびc)唯一の炭素
源としてグルコースを含む培地中における、ピルビン酸アナログに対する感受性
を示す。米国特許第4,601,983号において、コリネフォルム細菌におい
て複製可能で、L−スレオニンおよびL−イソロイシン産生に使用されるホモセ
リンデヒドロゲナーゼ活性を持つ蛋白質産生をコードする遺伝子配列が開示され
ている。米国特許第4,442,208号において、組み換えDNA技術によっ
て得られた、α−アミノ−β−ヒドロキシ吉草酸抵抗性を持つBrevibac
teriumまたはCorynebacterium株を利用した、L−イソロ
イシン産生に対する発酵プロセスが開示されている。米国特許第4,656,1
35号において、L−イソロイシン産生のためのプロセスが開示されている。こ
のプロセスには、メチルリシン抵抗性またはα−ケトマロン酸抵抗性を持ち、液
体培地中でL−イソロイシン産生し得、その液体培養液から蓄積したL−イソロ
イシンを回収しうるBrevibacterium属またはCorynebac
terium属に属する微生物の培養が含まれる。米国特許第5,118,61
9号において、D−ラクテートを利用する変異体による、D,L−α−ヒドロキ
シブチレートからのL−イソロイシン発酵産生のための方法が開示されている。
米国特許第5,763,231号において、L−ロイシン産生のためのプロセス
が開示されている。このプロセスは、培養培地中でのCorynebacter
ium、Escherichia、BrevibacteriumまたはMic
robacterium属株をインキュベーションする工程および、得られた細
胞をサッカリドおよび酢酸またはその塩と反応させて、反応溶液中でL−ロイシ
ンを形成かつ蓄積させる工程を包含する。および、米国特許第3,970,51
9号において、ロイシンまたはそのアナログによるフィードバック阻害に対して
抵抗性を持ち、L−ロイシンを産生するための増殖栄養としてイソロイシン、ス
レオニンまたはメチオニンのうち少なくとも一つを必要とする株が開示されてい
る。
【0011】 バリン産生減少によるアミノ酸産生の改善については記述されていない。
【0012】 AHAS活性減少によるアミノ酸産生の改善については記述されていない。
【0013】 (本発明の要旨) 本発明の目的は、親株よりも非常に効率よく、グルコースを、L−イソロイシ
ン、L−ロイシンおよびL−バリン以外のアミノ酸へ変換し得る微生物を提供す
ることである。変換効率は次の式により定量され得る。 すなわち、[(g 産生されたアミノ酸/g 消費されたデキストロース)×1
00]=パーセント収率およびデキストロースからの収率として表される。
【0014】 ある実施形態において、本発明は、変異誘発により一つ以上の分枝鎖アミノ酸
合成に対して栄養要求性に改変され、所望するアミノ酸に対して、親株よりも高
いパーセント収率を生じるという能力について選択された微生物を提供する。
【0015】 より具体的な、ランダム化学変異誘発に親株を供することにより得られた微生
物を提供する本発明の実施形態において、分枝鎖アミノ酸合成に対して栄養要求
性である変異誘発された変異体を単離し、グルコースを、L−イソロイシン、L
−ロイシンおよびL−バリン以外のアミノ酸へ、親株よりも非常に効率よく変換
可能な変異株を選択する。別の具体的な本発明の実施形態は、ilvBNオペロ
ンの核酸配列における改変(すなわち、変異)を導入するために、rDNA法を
利用し、分枝鎖アミノ酸合成に対して栄養要求性またはブラディトローフである
変異誘発変異体を単離し、グルコースを、L−イソロイシン、L−ロイシンおよ
びL−バリン以外のアミノ酸へ、親株よりも非常に効率よく変換可能な改変体を
選択して得られる微生物を提供する。
【0016】 好適な実施形態において、本発明微生物はL−リシンを産生する。その他の好
適な本発明の実施形態は、Corynebacterium微生物、またはBr
evibacterium微生物を指向し、そして特に好適な微生物は、L−リ
シンを産生するCorynebacteriumまたはBrevibacter
ium微生物である。最も好適な実施形態において、微生物は、NRRL番号B
−30149(LC10としても知られている)またはNRRL番号B−301
50(BF100−1030としても知られている)という同定特徴を有し、こ
れらの株は、Agricultural Research Service
Culture Collection(NRRL)、1815 North
University Street,Peoria,Illinois 61
604 USAに1999年6月29日に寄託された。
【0017】 本発明の別の目的は、親株の変異誘発、一つ以上の分枝鎖アミノ酸合成に対す
る栄養要求性である細胞の選択、および所望するアミノ酸の親株よりも高いデキ
ストロースからのパーセント収率で産生する分枝鎖アミノ酸栄養要求性の選択に
よりアミノ酸産生を増加させる方法を提供する。
【0018】 好適な実施形態において、本方法は、ランダム化学変異誘導または組み換えD
NA(rDNA)技術を用いて一つ以上の分枝鎖アミノ酸ロイシン、イソロイシ
ンまたはバリンに対して栄養要求性またはブラディトローフであるように改変さ
れたCorynebacteriumの培養から得られる、デキストロースから
のアミノ酸L−リシンの収率の向上を指向する。
【0019】 1つの特定の実施形態において、分枝鎖アミノ酸栄養要求性は、Coryne
bacteriumの化学変異誘発の結果である。代替の具体的な実施形態にお
いて、分枝鎖アミノ酸栄養要求性は、rDNA技術によるilvBNオペロンの
変異誘発の結果である。
【0020】 本発明の別の目的は、親株よりも非常に効率よく、グルコースを、L−イソロ
イシン、L−ロイシンおよびL−バリン以外のアミノ酸へ変換し得る微生物によ
るアミノ酸産生プロセスを提供することである。
【0021】 ある実施形態において、本発明は、培地中での、分枝鎖アミノ酸合成に対して
栄養要求性またはブラディトローフであるように親株を誘発し、そして、親株よ
りも非常に効率よく、グルコースを、L−イソロイシン、L−ロイシンおよびL
−バリン以外のアミノ酸へ変換し得る改変体を選択することより得られた微生物
を培養する工程を包含するアミノ酸産生プロセスを提供する。
【0022】 本プロセスの好適な実施形態において、親株をランダム化学変異誘発に供し、
分枝鎖アミノ酸合成に対して栄養要求性である変異を誘発された改変体を単離し
、そして親株よりも非常に効率よく、グルコースを、L−イソロイシン、L−ロ
イシンおよびL−バリン以外のアミノ酸へ変換し得る改変体を選択することによ
り、発酵に利用される微生物が得られる。本プロセスにおけるその他の好適な実
施形態において、rDNA法によりilvBNオペロンのヌクレオチド配列を変
化させ(つまり、変異の導入)、分枝鎖アミノ酸合成に対して栄養要求性または
ブラディトローフである変異を誘発された変異体を分離し、親株よりも非常に効
率よく、グルコースを、L−イソロイシン、L−ロイシンおよびL−バリン以外
のアミノ酸へ変換し得る改変体を選択することにより、発酵に利用される微生物
を得る。
【0023】 前記の一般的記述および次の詳細な記述は例示的であり、かつ例示のみであり
、特許請求の範囲のとおりの本発明のさらなる説明を提供することを意図される
ことが理解されるべきである。
【0024】 (好適な実施形態の詳細な説明) (1.定義) 明細書および特許請求の範囲の明確で矛盾のない理解を提供するために、これ
らの語が使われるべき範囲を含めて、次の定義を提供する。
【0025】 栄養要求性株:本明細書中で使用される場合、栄養要求性株なる語は、増殖す
るために、獲得遺伝的欠損のために合成不可能な、特定の代謝物質の外的な源を
必要とする微生物株を意味する。
【0026】 アミノ酸補充:本明細書中で使用される場合、「アミノ酸補充」なる語は、成
長に必要とされ、栄養要求性成長を助けるために最小培地に添加されるアミノ酸
を意味している。
【0027】 ブラディトローフ:本明細書中で使用される場合、ブラディトローフなる語は
、特異的な代謝物質の外的な源がない状態において遅い成長を示す微生物株を意
味している。ブラディトローフ微生物は、代謝物質を合成しうるが、獲得遺伝的
欠損のために、合成速度が親株での同じ代謝物質の合成速度よりも遅い。
【0028】 分枝アミノ酸:本明細書中で使用される場合、この語は、ロイシン、イソロイ
シンおよびバリンなど、R基が分枝した炭素構造を持つアミノ酸を意味している
【0029】 炭素流動:本明細書中で使用される場合、この語は、生体内の両方向性、異化
作用性および/または同化作用性の生化学的合成的経路の間の炭素の移動を意味
している。
【0030】 染色体組込み:本明細書中で使用される場合、この語は、外因性DNA断片の
、宿主生物染色体への挿入を意味している。より具体的には、この語は、外因性
DNA断片と宿主細胞染色体との適切な領域間の相同的組み換えを意味するもの
として使用される。
【0031】 高収率誘導体:本明細書中で使用される場合、この語は、その誘導体が由来す
る親株と比較した場合、高い収率で、デキストロースから特異的なアミノ酸を産
生する微生物株を意味している。
【0032】 変異:本明細書中で使用される場合、この語は、目的のヌクレオチド配列にお
ける、単一塩基対変化、挿入または欠失を意味している。
【0033】 オペロン:本明細書中で使用される場合、この語は、構造遺伝子および調節エ
レメントを含む、DNAにおける細菌遺伝子発現および調節の単位を意味してい
る。オペロンに含まれる調節エレメントの例には、プロモーターおよびオペレー
ターが含まれるがこれに限定されない。
【0034】 親株:本明細書中で使用される場合、この語は、本発明の微生物を得るために
ある形態の変異誘発に供される微生物株を意味している。
【0035】 デキストロースからの収率パーセント:本明細書中で使用される場合、この語
は、次の式で定義されるデキストロースからのアミノ酸収率を意味している。す
なわち、 [(g 産生されたアミノ酸/g 消費されたデキストロース)×100]=%
収率、である。
【0036】 表現型:本明細書中で使用される場合、この語は、微生物の遺伝的構成に依存
した、識別できる形質的特徴を意味している。
【0037】 相対的成長:本明細書中で使用される場合、この語は、規定された期間にわた
って、規定された培養液中で、親株の成長と子孫株の成長を直接的に比較するこ
とによって、成長の評価を提供する測定を意味している。
【0038】 変異誘発:本明細書中で使用される場合、この語は、DNAにおいて変異が発
生するプロセスを意味している。「ランダム」変異誘発を用いて、変異の正確な
部位を予想することはできず、微生物ゲノムのどこでも起こり、また、放射線照
射または化学処理などの因子により引き起こされる物理的損傷の結果として変異
が引き起こされる。rDNA変異誘発は、クローニングされた目的のDNAを指
向し、それはランダムまたは部位特異的なものでありうる。
【0039】 (2.分枝鎖アミノ酸合成に対する炭素流量の減少、および非分枝型アミノ酸
産生の増加に基づいた本発明の微生物) 本発明は、概して、炭素流動を非分枝鎖アミノ酸合成に向けるために、分枝鎖
アミノ酸合成に対して栄養要求性である微生物の作製を提供する。より具体的に
、ロイシン、イソロイシンまたはバリンなどの、一つ以上の分枝鎖アミノ酸(例
えば、イソロイシンおよびバリン)を必要とする特異的な栄養要求性表現型を選
択するか、またはイソロイシン、ロイシンおよびバリン合成への炭素流量を減少
させるilvBNオペロンにおける変異を設計することにより、この系の炭素流
動を、他の代謝経路(例えば、L−リシン合成)で利用できるようにし得る。
【0040】 1つの特定の実施形態において、本発明は、アミノ酸Xを産生する微生物Cを
提供する。ここで、この微生物Cは、次の方法によって得られる: (a)デキストロースから該アミノ酸を収率Yパーセントで産生する親微生物
Aを選択する工程; (b)以下: (i)ランダム化学変異誘発;および (ii)ilvBNオペロンのrDNA変異誘発; からなる群から選択される方法により、該親微生物Aを変異誘発して、微生物B
を産生させる工程; (c)工程(b)から少なくとも1つの変異誘発された微生物Bを選択する工
程であって、該微生物Bは、分枝鎖アミノ酸ロイシン、イソロイシンおよびバリ
ンの1つ以上について栄養要求性またはブラディトローフである、工程;ならび
に (d)工程(c)から、収率Zパーセントでデキストロースから該アミノ酸X
を産生する少なくとも1つの微生物Cを選択する工程であって、ここで該収率Z
パーセントは、該収率Yパーセントよりも大きい、工程、 を包含する方法。
【0041】 デキストロースからの収率パーセントは、好適には、式[(g 産生されたア
ミノ酸/L / g 消費されたデキストロース/L)×100]を用いて計算
される。
【0042】 親微生物は、アミノ酸Xを産生しうる、当該分野で既知の任意の微生物からも
選択されうる。特に好適な親微生物は、Corynebacteriumおよび
Brevibacteriumである。
【0043】 本発明の株は、当業者にとって既知で利用可能な任意の方法および技術によっ
ても、調製され得る。本発明細菌株の構築に適した方法の例には、次のものが含
まれるが、これに限らない:N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジ
ン(NTG)のような適した薬剤を用いた変異誘発;線状DNA断片の形質転換
および相同的組み換えを介した遺伝子組込み技術;およびバクテリオファージを
介した形質導入。これらの方法は、当該分野において周知であり、例えば、J.
H.Miller,Experiments in Molecular Ge
netics,Cold Spring Harbor Laboratory
Press,Cold Spring Harbor,New York(1
972);J.H.Miller,A Short Course in Ba
cterial Genetics,Cold Spring Harbor
Laboratory Press,Cold Spring Harbor,
New York(1992);M.Singer およびP.Berg,Ge
nes &Genomes,University Science Book
s,Mill Valley,California(1991);J.Sam
brook,E.F.Fritsch およびT.Maniatis,Mole
cular Cloning:A Laboratory Manual,第二
版、Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s,Cold Spring Harbor,New York(1989);
P.B.Kaufmanら、Handbook of Molecular a
nd Cellular Methods in Biology and M
edicine,CRC Press,Boca Raton,Florida
(1995);Methods in Plant Molecular Bi
ology and Biotechnology,B.R. Glick お
よびJ.E.Thompson編、CRC Press,Boca Raton
,Florida(1993);およびP.F.Smith−Keary,Mo
lecular Genetics of Escherichia coli
,The Guilford Press,New York,NY(1989
)において説明されている。
【0044】 (A.ランダム変異誘発による分枝鎖アミノ酸栄養要求性株の構築) 本発明のある具体的で好適な実施形態により、L−イソロイシン、L−ロイシ
ンおよびL−バリン生合成に共通の酵素的ステップの改変が、デキストロースか
らのL−リシンのパーセント収率を向上させ得ることを提供する。
【0045】 最も好適な実施形態において、本発明は、親株に対するランダム変異誘発を行
い、その後特定の表現型を選択することより、分枝鎖アミノ酸合成に対して栄養
要求性である微生物の産生を提供する。変異誘発を行うために選択した親株は、
目的のアミノ酸を産生することが知られている任意の株でもあり得る。好適な生
物には、Corynebacterium株およびBrevibacteriu
m株が含まれ、最も好適な生物には、L−リシンを産生するCorynebac
terium株およびBrevibacterium株が含まれる。
【0046】 親株は、当該分野で既知の任意のランダム変異誘発を用いて、変異誘発され得
る。これには、放射線照射および化学的方法が含まれるがこれに限らない。特に
好適なものは、ランダム化学的変異誘発であり、最も好適なものは、J.H.M
iller(J.H.Miller,Experiments in Mole
cular Genetics,Cold Spring Harbor La
boratory(1972))によって記述されているアルキル化剤法である
【0047】 例として、次のように化学的変異誘発を行った。リシン産生Coryneba
cterium株の培養は、富化培地中で、30℃にて、吸光度が6.0に達す
るまで行った。細胞を、最小培地で洗浄し、100mg/mlのNTGを含む最
小培地で再懸濁した。細胞を、突然変異原に、30℃で30分間曝露した。細胞
を最小培地で洗浄し、富化培地に播種した。富化培地および最小培地上に、富化
培地で生じたコロニーのレプリカをとった。富化培地上で生育したが最小培地上
では生育しなかったコロニーを、栄養要求性株として分類した。栄養要求性変異
体に対して、最小培地および、10mMLイソロイシンおよび10mML−バリ
ンを含む最小培地上にレプリカをとった。イソロイシンおよびバリンによりレス
キューされたコロニーを、バリン栄養要求性株として分類した。株B4Bは、化
学的変異誘発により作製されたバリン栄養要求性株である。
【0048】 (B.rDNA方法論を介した変異誘発による分枝鎖アミノ酸栄養要求性株の
構築) 本発明のその別の具体的な好適な実施形態は、分枝鎖アミノ酸の生合成に重要
なタンパク質をコードするクローン化DNA配列のin vitroおよびin vivo 変異誘発をもたらすために、組み換えDNA技術を利用する。次い
で、分枝鎖アミノ酸合成に対して栄養要求性で、親株よりも高収率でデキストロ
ースから非分枝鎖アミノ酸を産生する変異株を作製することを目的として、親株
を改変するために変異されたDNAを使用し得る。
【0049】 ある具体的な好適な実施形態において、目的のクローン化DNAが、当該分野
で既知の任意の方法によっても組み換えDNA技術を介して変異され得る。当業
者によって既知であろうように、クローン化DNAにおける変異は、単一のヌク
レオチド変化(点変異)、多重ヌクレオチド変化、ヌクレオチド欠損または挿入
を含み得る。組み換えDNA技術の一般的方法は、当業者により既知であり、例
えば、核酸精製、制限酵素消化、ライゲーション、遺伝子クローニング、遺伝子
配列決定、遺伝子配列のポリメラーゼ連鎖増幅反応(PCR)などの基礎技術を
記載する多くの一般の実験マニュアルにおいて見出され得る。(例えば、Sam
brookら、Molecular Cloning: A Laborato
ry Manual,第2版、Cold Spring Harbor Lab
oratory ,Cold Spring Harbor,New York
(1989);Current Protocols in Molecula
r Biology.Ausbelら編、John Wiley&Sons,N
ew York,(1994);PCR Protocols(PCRプロトコ
ール)、 Innisら、編、Academic Press,Inc.,Ne
w York,407−415頁(1990)を参照すること。) さらに、クローン化DNAのin vitro変異誘発を具体的に示す参考文
献は、当業者により既知である。例えば、部位指向性変異誘発、オリゴヌクレオ
チド指向性変異誘発、リンカースキャニング変異誘発、in vitroにおけ
るランダム化学的変異誘発、カセット変異誘発、PCR変異誘発およびその他の
方法が、Directed Mutagenesis:A Practical
Approach,M.J.McPherson編、Oxford Univ
ersity Press,New York,(1991)において詳しく説
明されている。
【0050】 別の具体的な好適な実施形態において、目的のクローン化DNAは、ホスト細
胞において、in vivoで変異を起こし得る。このタイプの「in viv
o変異誘発」には、一つ以上のDNA修復経路に変異を持つE.coli株のD
NAの増殖によって、目的の任意のクローン化DNAにおけるランダム変異を作
り出すプロセスが含まれる。これらの「変異誘発遺伝子(mutator)」株
は、野生型の親株よりも高いランダム変異頻度を持つ。これらの株の一つにおけ
るDNAの生育により、DNA中でランダム変異が作り出される。これを行うた
めに設計された系は、当業者にとって既知であり、そして商業的に利用し得る。
例えば、Stratagene,Inc.により、そのDNA修復遺伝子(Mu
tH,MutLおよびMutS)が欠失され、その結果短時間で多くの異なる変
異が起こるE.coliのXL1 Red Strainを利用した系が提供さ
れる。10,000までの変異が30時間に起こり得、その結果当該分野で既知
の方法により変異DNAから完全な変異DNAライブラリーを用意し得る。
【0051】 変異のために選択されたクローン化DNAは、分枝鎖アミノ酸合成に重要であ
るとして当該分野で既知である任意の配列でもあり得る。その配列には、合成に
重要な一つ以上の酵素、または輸送および排出に重要な一つ以上のタンパク質産
物をコードする配列が含まれるがそれに限らない。最も好適なものは、Cory
nebacteriumまたはBrevibacteriumのilvBNオペ
ロンの、クローン化配列である。分枝鎖アミノ酸合成に関係するCoryneb
acterium遺伝子がクローニングされている。例えば、イソロイシン経路
に対して遺伝子配列が利用できる(ilvA,ilvB,ilvC,ilvDお
よびilvE)。(C.Cordesら、Gene112:113−116(1
992);B.Mockelら、J.Bacteriology 174:80
65−8072(1992);およびC.Keilhauerら、J.Bact
eriology 175:5595−5603(1993))。
【0052】 L−スレオニンから、5つの反応でL−イソロイシンが産生される。これらの
反応を触媒する酵素は、(1)スレオニンジヒドラターゼ(ilvA)、(2)
アセトヒドロキシ酸シンターゼ(ilvB)、(3)イソメロレダクターゼ(i
lvC)、(4)ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(ilvD)、および(5)ト
ランスアミナーゼB(ilvE)、である。スレオニンデヒドラターゼは、イソ
ロイシン合成に特有な、この経路における唯一の酵素である。他の4つの酵素は
また、他の分枝鎖アミノ酸、バリンおよびロイシン産生においても利用される。
Corynebacterium株におけるイソロイシン生合成に関係する酵素
経路は図2で表される。
【0053】 アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)およびイソメロレダクターゼ(I
R)は、イソロイシン、バリン、ロイシンおよびパントテナートに対して、代謝
物の流れにおいて続いて起こる反応を触媒する。他の細菌でのように、Cory
nebacterium株のAHASは、二つの遺伝子ilvBおよびilvN
によりコードされている。遺伝子分断により、これらの遺伝子が、C.glut
amicumにおいて単一のAHAS活性をコードしていることが実証された(
Keilhauer,Cら、J.Bacteriology 175:5595
−5603(1973))。3.9,2.3および1.1kbの3個の転写産物
が、ノーザンブロット解析により、in vivoで同定された。それらは、そ
れぞれilvBNC、ilvNC、ilvCメッセンジャーと対応する。ilv
C転写産物(IRをコードする)は、C.glutamicumのilvオペロ
ンからの最も量の多い転写産物である。さらなる解析により、このオペロンで3
個のプロモーターが活性であること、ilvBNCおよびilvNCメッセンジ
ャーの定常レベルが著しく単一AHASの全体としての活性に寄与していること
が示されている。
【0054】 最も好適な本発明の実施形態において、クローン化ilvBNオペロンDNA
配列内で欠損を作り出すことを目的として、制限酵素消化により、変異を作製し
得る。次に、変異誘発されたilvBN配列を、相同的組み換えにより、野生型
配列と置き換え、分枝鎖アミノ酸に対する栄養要求性に関してスクリーニングし
得る。
【0055】 その他の本発明の実施形態は、一つ以上の分枝鎖アミノ酸イソロイシン、ロイ
シンおよびバリンに対する栄養要求性を示し、そしてデキストロースから、親株
のパーセント収率よりも高い、目的のアミノ酸のパーセント収率を産み出す微生
物Corynebacteriumに引き出される。特に好適な実施形態におい
て、産生されるアミノ酸は、L−リシンである。
【0056】 本発明の他の非常に好適な実施形態は、実質的にNRRL受託番号B−301
49またはNRRL受託番号B−30150の性質全てを持つ微生物に引き出さ
れる。
【0057】 (3.アミノ酸の産生を増加させる方法) 本発明のさらなる目的において、アミノ酸の産生を増加させる方法を提供する
。本発明は、アミノ酸Xの産生を増加させる方法を広く提供する。その方法が以
下: (a)デキストロースから上記アミノ酸をパーセント収率Yで産生する親微生
物Aを選択する工程; (b)以下: (i)ランダム化学的変異誘発;およひ (ii)ilvBNオペロンのrDNA変異誘発 からなる群から選択される方法により、上記親微生物Aを変異誘発して、微生物
Bを産生させる工程; (c)工程(b)から少なくとも1つの変異誘発された微生物Bを選択する工
程であって、該微生物Bは、1つ以上の分枝鎖アミノ酸ロイシン、イソロイシン
およびバリンについて栄養要求性である、工程;ならびに (d)工程(c)から、パーセント収率Zでデキストロースから上記アミノ酸
Xを産生する少なくとも1つの微生物Cを選択することであって、ここで上記パ
ーセント収率Zは、上記パーセント収率Yよりも大きい、工程、 を包含する。
【0058】 ある特に好適な実施形態において、デキストロースから決定されたパーセント
収率で目的のアミノ酸を産生する、該当分野で既知である任意の株が、親株とし
て選択され得る。デキストロースからのパーセント収率は、次の式を用いて簡便
に計算され得る[(gアミノ酸/L/(g消費されたデキストロース/L)]×
100。
【0059】 この生物を選択し、アミノ酸のデキストロースからの(パーセント収率を決定
した後、好適には、生物のゲノム全体に指向されたランダム変異誘発技術、また
は目的のクローン化DNAに対して指向されるrDNA技術、のいずれかにより
、変異誘発に供される。用いた変異誘発の特定の方法に関わらず、変異された生
物をスクリーニングし、分枝鎖アミノ酸合成に対する栄養要求性に基づいて選択
される。次いで、どの株がデキストロースから所望されるアミノ酸を親株よりも
高いパーセント収率で産生するかを決定するために、選択された栄養要求性株を
スクリーニングし得る。
【0060】 本発明の種々の実施形態は、生物Corynebacterium、Brev
ibacterium,およびE.coli.から目的のアミノ酸産生を増加さ
せる方法を含む。さらに、特定の実施形態に依存して、本発明は、グリシン;ア
ラニン;メチオニン;フェニルアラニン;トリプトファン;プロリン;セリン;
スレオニン;システイン;チロシン;アスパラギン;グルタミン;アスパラギン
酸;グルタミン酸;リシン;アルギニン;およびヒスチジンなどの非分枝鎖アミ
ノ酸の産生を増加する方法を提供する。
【0061】 好適な実施形態において、本発明は、分枝鎖アミノ酸合成に対する栄養要求性
株を作り、炭素の流れをロイシン、イソロイシンおよびバリンの合成から転用す
ることによって非分枝鎖アミノ酸産生を増加する方法を提供する。特に好適な実
施形態は、変異誘発された親株から、バリンおよびイソロイシン合成に対して栄
養要求性である株を選択することによってアミノ酸の産生を増加する方法に引き
出される。
【0062】 本発明は、アミノ酸の生産を増加するための方法について、種々の好適な実施
形態をさらに提供し、ここで親株は、ランダムな変異誘発技術(例えば、放射線
変異誘発または化学物質変異誘発)、またはrDNA技術によるilvBNオペ
ロンの変異誘発のいずれかにより、変異誘発され得る。1つの特定の好適な実施
形態において、親株は、ランダムな化学物質変異誘発により変異誘発され得る。
別の特定の好適な実施形態では、親株はクローン化されたilvBNオペロンの
ヌクレオチド配列に指向されたrDNA技術によって変異誘発される。
【0063】 (4.アミノ酸の産生のためののプロセス) 本発明のさらなる目的において、アミノ酸の産生のためのプロセスを提供する。
本発明は、一般的にアミノ酸Xの産生のためのプロセスを提供し、これは以下を
含む: アミノ酸Xを産生するためのプロセスであって、上記プロセスは、以下: (a)微生物Cを培地で培養する工程であって、ここで上記微生物Cは、以
下の方法: (i)デキストロースからパーセント収率Yの上記アミノ酸を産生する親
微生物Aを選択すること; (ii)以下: (1)ランダム化学的変異誘発;および (2)ilvBNオペロンのrDNA変異誘発、 からなる群から選択される方法により、上記親微生物Aを変異誘発して、微生物
Bを産生させること; (iii)工程(ii)から少なくとも1つの変異誘発された微生物Bを
選択する工程であって、上記微生物Bは、分枝鎖アミノ酸ロイシン、イソロイシ
ンおよびバリンの1つ以上について栄養要求性である、こと;ならびに (iv)工程(iii)から少なくとも1つの微生物Cを選択することで
あって、上記微生物Cは、上記アミノ酸Xをデキストロースからパーセント収率
Zで産生し、ここで上記パーセント収率Zは、パーセント収率Yより大きい、こ
と; により得られる、工程;ならびに (b)上記微生物Cから産生される上記アミノ酸Xを回収する工程、 を包含する。
【0064】 本発明の好適な実施形態は、培養される微生物を、Corynebactei
rum、BrevibacteriumおよびE.coliを含む群から選択す
るプロセスに引き出される。特に好適であるのは、Corynebacteir
um属の生物に引き出されるプロセスである。本発明プロセスのために選択され
る微生物は、目的のアミノ酸、特に非分枝鎖アミノ酸を産生するものである。さ
らに特に好適な微生物は、グリシン;アラニン;メチオニン;フェニルアラニン
;トリプトファン;プロリン;セリン;スレオニン;システイン;チロシン;ア
スパラギン;グルタミン;アスパラギン酸;グルタミン酸;リシン;アルギニン
;およびヒスチジンを産生する微生物である。選り抜きのアミノ酸の産生レベル
は、デキストロースからのパーセント収率を計算する以下の式によって簡便に決
定し得る[(g アミノ酸/L/(g 消費されたデキストロース/L)]×1
00。
【0065】 本発明のプロセスにおいて使用される微生物は、選択される親株の変異誘発に
よって好適に得られる。本発明の好適な実施形態は、ゲノム全体に指向されるラ
ンダム変異誘発、または目的のクローン化されたDNAのrDNA変異誘発に、
選択された親株が供されるプロセスを含む。 本発明の特に好適な実施形態において、親株は放射線処理、または化学物質処理
による変異誘発を含むがそれに限定されない、ランダム変異誘発に供される。よ
り特に好適な実施形態は、親株のランダム化学変異誘発に引き出される。 本発明の別の特に好適な実施形態は、親株のrDNA変異誘発を提供する。より
特に好適な実施形態は、in vitroまたはin vivoにおけるilv
BNオペロンのrDNA変異誘発に引き出される。変異誘発されたilvBNオ
ペロンまたはそのフラグメントの変異された形態は、当業者に周知である相同的
組み換え技術を介して野生型のilvBNオペロン配列と置き換えられ得る(実
施例6を参照のこと)。 しかし、選択された親株またはクローン化されたDNA配列は、変異誘発され、
その結果として生ずる子孫は分枝鎖アミノ酸合成(すなわち、ロイシン、イソロ
イシンまたはバリン)の栄養要求性に関してスクリーニングされ、そして選択さ
れる。そのような変異体の選択は当業者に周知である。特に好適な実施形態は、
バリンおよびイソロイシンの生合成に対する栄養要求性株に引き出される。 最終的には、本発明のプロセスの微生物の選択は、選り抜きのアミノ酸の産生に
依存する。デキストロースからのパーセント収率を決めるために、式[(g ア
ミノ酸/L / g 消費されたデキストロース/L)]×100の式を利用し
、所望する微生物が、選り抜きのアミノ酸のデキストロースからのパーセント収
率が親株よりも高い点に基づいて選択される。
【0066】 本発明の他の実施形態は、本発明の微生物を培養する特定の方法により変更す
るプロセスに引き出される。従って、アミノ酸産生に引き出される本発明プロセ
スにおいて行われ得る、種々の発酵技術が周知である。 適切な炭素源の例示的な例には、グルコース、フルクトース、スクロース、デン
プン加水分解産物、セルロース加水分解産物および糖蜜のような炭水化物;酢酸
、プロピオン酸、ギ酸、リンゴ酸、クエン酸およびフマル酸のような有機酸;お
よびグリセロールのようなアルコールが含まれるが、その限りではない。 適切な窒素源の例示的な例としては、アンモニアガスおよび液体アンモニアを含
むアンモニア;塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウムおよ
び酢酸アンモニウムのような無機酸または有機酸のアンモニウム塩;ならびに、
肉抽出物、ペプトン、コーンスティープリカー、カゼイン加水分解産物、ダイズ
固形加水分解産物および酵母抽出物を含む他の窒素含有物が挙げられるがその限
りではない。
【0067】 一般的に、アミノ酸は商業的に本発明からバッチ型または流加型などの発酵プ
ロセスにおいて産生され得る。バッチ型発酵において、発酵の開始時に全ての栄
養素を添加する。流加型発酵または広い意味での流加型発酵においては、一つま
たは多数の栄養素を、発酵開始すぐ、または培養がある一定の状態に達した後、
または、添加される栄養素が培養液から使い果たされたとき、培養液に連続的に
補給される。広義の流加型発酵のバッチの改変には、繰り返し流加型、またはフ
ィルアンドドロー(fill−and−draw)発酵があり、発酵槽の内容物
の一部をある時点(例えば、発酵物が満たされたとき、栄養物の補給が続けられ
ている間)で除去する。この方法において、発酵をより長時間に延長し得る。
【0068】 発酵の別の型、連続的発酵、またはケモスタット培養は、完全培地の連続補給
を使用するが、その一方で、発酵物におけるブロスの体積をほぼ同じに保つよう
な方法で培養液を連続的または半連続的に回収する。連続的発酵は、原則的には
、無限に維持され得る。
【0069】 バッチ発酵において、培地中の必須栄養素のうちの一つが消費されつくすまで
、または発酵状態が不適当になるまで(例えば、pHが、微生物増殖を抑制する
値にまで低下する)生物は増殖する。流加型発酵において、通常、適切な増殖条
件を維持するために、例えばpHコントロールを用いて測定を行い、そして一つ
以上の必須栄養素が、消費されつくされることを防ぐために、これらの栄養素を
培養液中に供給する。微生物は、栄養素補給の割合により規定された増殖速度で
増殖し続けるだろう。一般的に、単一栄養素は、殆どの場合炭素源であるが、増
殖を制限するものとなるであろう。同じ原理は、連続発酵にも適用され、通常、
培地中の単一栄養素は限られており、全ての他の栄養素は過剰である。限られた
栄養素は、培養液体中に非常に低い濃度、しばしば、測定不能である程低濃度で
存在するであろう。異なる型の栄養素制限が使用され得る。炭素源制限はもっと
も頻繁に使用される。他の例としては、窒素源による制限、酸素による制限、ビ
タミンまたはアミノ酸のような特定の栄養素による制限(微生物がそのような化
合物について栄養素要求性の場合)、硫黄による制限および亜リン酸による制限
がある。
【0070】 アミノ酸は当業者に周知の方法によって回収され得る。例示的な手順は、Va
n Walsem,H.J.& Thompson,M.C.,J.Biote
chnol.59:127−132(1997)および米国特許第3,565,
951号で提供される。両文献とも本明細書中で参考として援用される。
【0071】 本明細書中に引用される全ての特許および刊行物は明確に参考として援用され
る。
【0072】 (実施例) (実施例1) (化学的変異誘発およびバリン栄養要求性株の選択) リシン産生Corynebacterium株BF100を、Miller,
J.H.1972 (Miller,J.H.1972 Experiment
s in Molecular Genetcs.Cold Spring H
arbor Laboratory)で記載されているように、アルキル化剤に
より、変異誘発を行った。最小培地(MM)上にコロニーのレプリカを取った。
MM上で増殖しなかったが完全培地(CM)で増殖したコロニーを栄養要求性株
として同定した。L−バリンおよびL−イソロイシンを補給した場合MM上で成
長可能なそれらの栄養要求性株を、リシン収率解析を行うために選択した。
【0073】 MMは、1リットル中の、20gのD−グルコース、10gの硫酸アンモニウ
ム、2.5gの尿素、1gのKH2PO4、0.4gのMgSO4,7H2O・1g
のNaCl、0.01gのMnSO4・H2O、0.01gのFeSO4・7H2
、10mgのパントテン酸、50mgのビオチン、200mgのチアミン、およ
び50mgのナイアシンアミドから構成され、pH7.2であった。L−アミノ
酸をMMの補助剤として用いた場合、50mg/Lのそれぞれのアミノ酸を使用
した。MMIVは、イソロイシンおよびバリンを添加したMMであった。
【0074】 親株の成長パターンおよび、3種類のアミノ酸を補給した最小寒天培地上で化
学的変異誘発によって産み出された高収率誘導体は、表1で示す。補助剤は、5
0mg/L L−アミノ酸であった。成長は、30Cにて3日後の相対的コロニ
ーサイズとして示す。
【0075】 (実施例2) (rDNA技術を用いた分枝鎖栄養要求性株の産生) (1.欠損ilvB遺伝子の調製) Corynebacterium lactofermentum(ATCC
21799)のilvBNオペロンをPCRで増幅し、pAL203を作製する
ためにpCR−Scriptにクローニングした。ilvB遺伝子には、2つの
EcoNI制限酵素部位により挟まれた390bpの領域が含まれる。EcoN
Iは、プラスミドpCR−Scriptを切断しない。EcoNIを用いてプラ
スミドpAL203を切断し、pAL203deltaを回収するようにセルフ
ライゲーションさせることにより、ilvB欠損対立遺伝子を設計した。
【0076】 (2.改変ilvBN対立遺伝子のCorynebacterium染色体へ
の相同的組み換え) 二重交差による対立遺伝子交換のためのベクターを、Maloyら、1996
(MaloyS.R.,Stewart V.J.,およびTaylor R.
K.1996 Genetic Analysis of Pathogeni
c Bacteria:A Laboratory Manual,Cold
Spring Harbor Press)により記述されているように構築し
た。ATCC37766は、E.coli.中で複製するが、Coryneba
cterium中では複製しないプラスミド、pK184の元となるものであっ
た。sacB遺伝子をpJC3に挿入するために、SspI部位にサブクローニ
ングした。pJC3は、Corynebacterium中で複製し得ない。ど
のカナマイシン耐性コロニーも、相同的組み換えによりクローニングされた遺伝
子内の部位に相同的組み換えを行うことにより染色体へ導入されたベクターを有
する。導入されたベクターにおけるsacB遺伝子の致死発現により、スクロー
ス存在下での成長が阻害される。スクロース存在下での成長には、クローニング
された挿入断片の相同的領域に沿って生じる第二の交差が必要とされる。第一お
よび第二の交差が、改変(欠損、部位突然変異)に隣接する場合、ilvBNの
改変対立遺伝子は、宿主株の染色体上に存在する対立遺伝子と交換される。
【0077】 pAL203Δ由来のilvBNオペロンの改変対立遺伝子を、導入ベクター
pJC3にサブクローニングし、CorynebacteriumのBF100
株に対して電気穿孔法を行い、スクロースを欠いているがカナマイシンを含むリ
ッチ培地(DMK)プレートに播種した。コロニーを採取し、スクロースおよび
カナマイシンを含まないリッチブロス中で48時間成長させた。培養液を、カナ
マイシンを欠くがスクロースを含むリッチプレート上に、ストリークした。シン
グルコロニーをスクロースプレートから採取し、DMK,SM1,MMおよびM
MIVプレート上に、レプリカを取った。スクロース上で成長し得るもので、M
M上では成長し得ないがMMIV上で成長可能であるカナマイシン耐性を持たな
いコロニーを選択し、フラスコでの実験へと進めた。LC10は、BF100由
来栄養要求性株である。
【0078】 親株の成長パターンおよび、3種類のアミノ酸を補給した一連の最小寒天プレ
ート上での組み換えDNA法を用いて産生した高収率誘導体を、表2に示す。補
助剤は、50mg/LのL−アミノ酸である。成長は、30Cにて3日後の相対
的コロニーサイズとして示す。
【0079】 (実施例3) (ランダム化学的変異誘発により作製されたバリン栄養要求性株からの、L−
リシン収率の震盪フラスコ培養による分析) SM1プレートからシングルコロニーを拾い、SM1ブロスに移すことにより
B4B種菌を調製した。SM1は、水1L中に、50gスクロース、3gK2
PO4、3g尿素、0.5gMgSO4,7H20、20gポリペプトン、5gビ
ーフ抽出物、0.9mgD−ビオチン、3mgチアミン、125mgナイアシン
アミド、0.5gL−メチオニン、0.25gL−スレオニン、0.5gララニ
ンを混合して調製し、pH7.3に調整した。プレートには20g/Lの寒天が
含まれていた。SM1ブロス中で成長培養を16時間行った後、等容量の30%
グリセロールを添加し、培養液を−80Cにて凍結した。
【0080】 20mlのSFMが入ったバッフル付き250mlシード震盪フラスコに、0
.1mlの解凍種菌を播種した。播種培地(SFM)は、水1L中の、60g
D−グルコース、3g K2HPO4、3g 尿素、0.5g MgSO4・7H 2 O、20g ポリペプトン、5g ビーフ抽出物、3mg D−ビオチン、1
25mg ナイアシンアミド、0.5g L―メチオニン、0.25g L−ス
レオニン、および0.5g L−アラニンで構成され、pH7.3に調整した。
培養物は、30Cにて、16時間成長させ、240rpmで2インチの変位で通
気した。種培養のうち2mlを、21mlの発酵培地(FM4)の播種に使用し
た。FM4培地は、16mlの主要培地と5mlのデキストロースストックを混
合して調製した。デキストロースストックは、180g D−グルコースに50
0mlの水を添加して調製した。主要培地には、1L中に、0.083gのMn
SO4、0.4mg D−ビオチン、コーンスティープリカー(cornste
ep liquor)、ラフィネートおよび50gのCaCO3が含まれていた
。FM4の最終容量が4%の乾燥固体になるようにコーンスティープを添加した
。FM4の最終容量が5%硫酸アンモニウムになるようにラフィネートを添加し
た。30Cにて、48時間、250mlのバッフル付き震盪フラスコで、培養物
を成長させ、240rpmで2インチの変位で通気を行った。
【0081】 表3にて、震盪フラスコ中での、バリンおよびイソロイシン要求性に対する選
択により向上させたCorynebacterium株によるL−リシン産生で
のデータを示す。
【0082】 (実施例4) (rDNA法により作製されたバリン栄養要求性株からの、L−リシン収率の
震盪フラスコ測定) 表4にて、震盪フラスコ中での、ilvBNオペロンの染色体コピーから39
0塩基対のDNA配列のを欠失させることにより改善したCorynebact
erium株によるL−リシン産生におけるデータを示す(実施例2参照)。培
養物を成長させ、実施例3に記載のように分析した。
【0083】 (実施例5) (バリン栄養要求性によるリシン収率の微小発酵測定) 2Lのバッフル付き震盪フラスコ中で、500mL SM1で、18時間、種
菌を成長させた。3.1LのFM4培地を、4L 微小発酵槽で使用した。温度
およびpHを、32Cおよび7.2にそれぞれ維持した。20時間の時点で、フ
ラスコの撹拌を700rpmから950rpmに増加させた。4.5LPMで空
気を供給した。デキストロースを、3g/Lになるように維持した。発酵時間は
、48時間であった。
【0084】 表5にて、L−イソロイシンおよびL−バリンを合成し得ないCoryneb
acterium株を用いた4リットル発酵装置中での、L−リシン産生におけ
るデータを示す。
【0085】 (実施例6) (クローン化ILVBNのIn Vivo変異誘発により産生されたブラディ
トローフによるL−リシン産生) (1.機能的AHAS酵素を産生する、欠損型ilvBNオペロンの調製) pVAL1を得るために、pAL203のilVBNオペロンを、シャトルベ
クターpM2にサブクローニングした。pM2は、E.coliおよびCory
nebacteriumの両方で複製し得る。pValIを、Stratage
ne Co.の変異誘発株XL1REDに形質転換した。XL1REDキット説
明書に従って、変異誘発プラスミドを調製し、バリン栄養要求性であるCory
nebacteriumに対して電気穿孔法を行った。バリン栄養要求性株は、
イソロイシンおよびバリン補給、または機能的ilnBNオペロンを用いた遺伝
学的補足なしではMMプレート上で成長不可能である。
【0086】 SM1プレートからカナマイシン耐性形質転換株を選択し、MMプレート上に
レプリカをとった。MMプレート上で成長したそれらのコロニーは、ilnBN
欠損の機能的補完性を示した。親プラスミド(pVAL1)を持つバリン栄養要
求性コロニーよりも小さいコロニーを、バリン栄養要求性活性アッセイを行うた
めに選択した。pRV1B5は、E.coliおよびCorynebacter
iumで複製し得るpVAL1に由来するプラスミドである。バリン栄養要求性
株において、そのプラスミドが産生したAHAS活性は、pVAL1により産生
されたAHAS特異的活性の1%未満であった。この構築物のilvBNオペロ
ンは、漏出AHAS活性を有する。
【0087】 (2.Corynebacterium染色体DNAへの相同的組み換え) ilvBNオペロンのRV1B5漏出対立遺伝子を、導入ベクターpJC3に
サブクローニングし、実施例2で行われたような相同的組み換えにより、バリン
栄養要求性株において漏出対立遺伝子を欠損対立遺伝子に交換するために使用し
た。BF100−1030は、RV1B5対立遺伝子を用いて構築されたバリン
ブラディトローフ株である。表6にて、BF100−1030が震盪フラスコ中
で、親株よりも少量しかバリンを産生しないことを表すデータを示す。表7にて
、BF100−1030ブラディトローフ株が表5の栄養要求性株に対して改善
した成長を有することを示す。表7にて、また、ブラディトローフにより、微小
発酵において親株よりも少量のバリンしか産生しないことを示す。
【0088】 (表) 次の表で示すデータは、実施例セクションで考察している。用語「成長」は、
660nmで測定された光学密度をいい;用語「力価」は、1リットルあたりの
アミノ酸のグラム数をいい;用語「収率」は、以下の式:[(g リシン/L/
(g デキストロース消費/L]×100によって定義されること;B4B=化
学的変異誘発により構築されたバリン栄養要求性株;LC10=染色体ilvB
遺伝子を、pAL203ΔのilnB欠損対立遺伝子と置換することにより構築
されたバリン栄養要求性株;BF100−1030=染色体ilnB遺伝子を、
RV1B5漏出対立遺伝子と置換することにより構築されたバリンブラディトロ
ーフであることに注意すること。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】
【表4】
【0093】
【表5】
【0094】
【表6】
【0095】
【表7】
【0096】
【表8】
【0097】
【表9】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1Aは、Corynebacteriumにおける、L−リシン産生を導く
生化学的経路の略図である。
【図1B】 図1Bは、Corynebacteriumにおける、L−イソロイシン産生
に至る生化学的経路概略図である。
【図2A】 図2Aは、CorynebacteriumのilvBNオペロンのヌクレオ
チド配列(配列番号1)を示す。
【図2B】 図2Bは、CorynebacteriumのilvBNオペロンのヌクレオ
チド配列(配列番号1)を示す。
【図2C】 図2Cは、Corynebacteriumの、ilvBNオペロンのアミノ
酸配列(配列番号2)を示す。
【図3A】 図3Aは、プラスミドpAL203ΔにおけるilvBN欠失変異体について
のヌクレオチド配列(配列番号3)を示す。
【図3B】 図3Bは、プラスミドpAL203ΔにおけるilvBN欠失変異体について
のヌクレオチド配列(配列番号3)を示す。
【図3C】 図3Cは、プラスミドpAL203ΔにおけるilvBN欠失変異体について
のアミノ酸配列(配列番号4)を示す。
【図4A】 図4Aは、pRV1B5対立遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号5)を示す
【図4B】 図4Bは、pRV1B5対立遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号5)を示す
【図4C】 図4Cは、pRV1B5対立遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号5)を示す
【図4D】 図4Dは、pRV1B5対立遺伝子のアミノ酸配列(配列番号6)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C12N 1/20 C12R 1:19 C12R 1:13) C12N 15/00 ZNAA (C12N 1/20 X C12R 1:15) (C12N 1/20 C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:13) (C12N 1/21 C12R 1:15) (C12P 13/04 C12R 1:13) (C12P 13/04 C12R 1:15) (C12P 13/04 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 クラフトン, コレイ エム. アメリカ合衆国 イリノイ 62526, デ ィカター, ダブリュー. パーシング ロード 1371 Fターム(参考) 4B024 AA03 BA72 BA73 BA74 BA75 CA01 DA05 DA06 GA14 GA19 GA25 4B064 AE04 AE08 AE10 AE14 AE16 AE17 AE18 AE19 AE20 AE24 AE25 AE26 AE29 AE30 AE34 AE35 CA02 CA19 CC24 CD09 DA01 DA10 DA16 DA20 4B065 AA22X AA22Y AA24X AA24Y AA26X AA26Y AB01 AC14 AC20 BA03 BA18 BB15 CA17 CA41 CA44

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノ酸Xを産生する微生物Cであって、ここで該微生物Cは
    、以下の工程: (a)デキストロースから該アミノ酸を収率Yパーセントで産生する親微生物
    Aを選択する工程; (b)以下: (i)ランダム化学変異誘発;および (ii)ilvBNオペロンのrDNA変異誘発; からなる群から選択される方法により、該親微生物Aを変異誘発して、微生物B
    を産生させる工程; (c)工程(b)から少なくとも1つの変異誘発された微生物Bを選択する工
    程であって、該微生物Bは、分枝鎖アミノ酸ロイシン、イソロイシンおよびバリ
    ンの1つ以上について栄養要求性またはブラディトローフである、工程;ならび
    に (d)工程(c)から、収率Zパーセントでデキストロースから該アミノ酸X
    を産生する少なくとも1つの微生物Cを選択する工程であって、ここで該収率Z
    パーセントは、該収率Yパーセントよりも大きい、工程、 を包含する方法により得られる、微生物C。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の微生物Cであって、ここでアミノ酸Xは、
    以下: (a)グリシン; (b)アラニン; (c)メチオニン; (d)フェニルアラニン; (e)トリプトファン; (f)プロリン; (g)セリン; (h)トレオニン; (i)システイン; (j)チロシン; (k)アスパラギン; (l)グルタミン; (m)アスパラギン酸; (n)グルタミン酸; (o)リジン; (p)アルギニン;および (q)ヒスチジン、 からなる群から選択される、微生物C。
  3. 【請求項3】 微生物Aが、以下: (a)Corynebacterium; (b)Brevibacterium;および (c)E.coli、 からなる群から選択される、請求項2に記載の微生物C。
  4. 【請求項4】 微生物Bが、バリンおよびイソロイシンについて栄養要求性
    またはブラディトローフである、請求項3に記載の微生物C。
  5. 【請求項5】 工程(ii)の変異誘発が、ランダム化学変異誘発である、
    請求項3に記載の微生物C。
  6. 【請求項6】 工程(ii)の変異誘発が、ilvBNオペロンの部位特異
    的変異誘発である、請求項3に記載の微生物C。
  7. 【請求項7】 微生物Corynebacteriumの株であって、該株
    は、以下の特徴: (a)分枝鎖アミノ酸イソロイシン、ロイシンおよびバリンの1つ以上につい
    ての栄養要求性またはブラディトローフ性; (b)培地で培養される場合、以下: (i)グリシン; (ii)アラニン; (iii)メチオニン; (iv)フェニルアラニン; (v)トリプトファン; (vi)プロリン; (vii)セリン; (viii)トレオニン; (ix)システイン; (x)チロシン; (xi)アスパラギン; (xii)グルタミン; (xiii)アスパラギン酸; (xiv)グルタミン酸; (xv)リジン; (xvi)アルギニン;および (xvii)ヒスチジン、 からなる群からら選択されるアミノ酸を産生すること;ならびに (c)少なくとも30%である、デキストロースからの工程(b)のアミノ酸
    のパーセント収率を生じること、 を有する、株。
  8. 【請求項8】 前記ilvBNオペロンにおける変異によりさらに特徴付け
    られる、請求項7に記載の微生物。
  9. 【請求項9】 前記ilvBNオペロン変異が、欠失、挿入または点変異で
    ある、請求項8に記載の微生物。
  10. 【請求項10】 前記ilvBNオペロン変異が、配列番号3または配列番
    号5の配列により特徴付けられる、請求項9に記載の微生物。
  11. 【請求項11】 NRRL寄託番号B−30149の同定特徴を有する微生
    物Corynebacteriumの株。
  12. 【請求項12】 NRRL寄託番号B−30150の同定特徴を有する微生
    物Corynebacteriumの株。
  13. 【請求項13】 アミノ酸Xの産生を増加する方法であって、該方法は、以
    下: (a)デキストロースから該アミノ酸を収率Yパーセントで産生する親微生物
    Aを選択する工程; (b)以下: (i)ランダム化学変異誘発;および (ii)ilvBNオペロンのrDNA変異誘発; からなる群から選択される方法により、該親微生物Aを変異誘発させて、微生物
    Bを産生させる工程; (c)工程(b)から少なくとも1つの変異誘発された微生物Bを選択する工
    程であって、該微生物Bは、分枝鎖アミノ酸ロイシン、イソロイシンおよびバリ
    ンの1つ以上について栄養要求性またはブラディトローフである、工程;ならび
    に (d)工程(c)から、収率Zパーセントでデキストロースから該アミノ酸X
    を産生する少なくとも1つの微生物Cを選択する工程であって、ここで該収率Z
    パーセントは、該収率Yパーセントよりも大きい、工程、 を包含する方法。
  14. 【請求項14】 前記アミノ酸Xが、以下: (a)グリシン; (b)アラニン; (c)メチオニン; (d)フェニルアラニン; (e)トリプトファン; (f)プロリン; (g)セリン; (h)トレオニン; (i)システイン; (j)チロシン; (k)アスパラギン; (l)グルタミン; (m)アスパラギン酸; (n)グルタミン酸; (o)リジン; (p)アルギニン;および (q)ヒスチジン、 からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記微生物Aが、以下: (a)Corynebacterium; (b)Brevibacterium;および (c)E.coli、 からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記微生物Bが、バリンおよびイソロイシンについて栄養
    要求性またはブラディトローフである、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 工程(b)の変異誘発が、ランダム化学変異誘発である、
    請求項15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 工程(b)の変異誘発が、ilvBNオペロンの部位特異
    的変異である、請求項15に記載の方法。
  19. 【請求項19】 アミノ酸Xを産生するためのプロセスであって、該プロセ
    スは、以下: (a)微生物Cを培地で培養する工程であって、ここで該微生物Cは、以下: (i)デキストロースから収率Yパーセントの該アミノ酸を産生する親微生
    物Aを選択する工程; (ii)以下: (1)ランダム化学変異誘発;および (2)ilvBNオペロンのrDNA変異誘発、 からなる群から選択される方法により、該親微生物Aを変異誘発して、微生物B
    を産生させる工程; (iii)工程(ii)から少なくとも1つの変異誘発された微生物Bを選
    択する工程であって、該微生物Bは、分枝鎖アミノ酸ロイシン、イソロイシンお
    よびバリンの1つ以上について栄養要求性である、工程;ならびに (iv)工程(iii)から栄養要求性である少なくとも1つの微生物Cを
    選択する工程であって、該微生物Cは、該アミノ酸Xをデキストロースから収率
    Yパーセントで産生する、工程、 を包含する方法により得られる、工程; (b)該微生物Cから産生される該アミノ酸Xを回収する工程、 を包含する、プロセス。
  20. 【請求項20】 前記アミノ酸Xが、以下: (a)グリシン; (b)アラニン; (c)メチオニン; (d)フェニルアラニン; (e)トリプトファン; (f)プロリン; (g)セリン; (h)トレオニン; (i)システイン; (j)チロシン; (k)アスパラギン; (l)グルタミン; (m)アスパラギン酸; (n)グルタミン酸; (o)リジン; (p)アルギニン;および (q)ヒスチジン、 からなる群から選択される、請求項19に記載のプロセス。
  21. 【請求項21】 前記微生物Aが、以下: (a)Corynebacterium; (b)Brevibacterium;および (c)E.coli、 からなる群から選択される、請求項20に記載のプロセス。
  22. 【請求項22】 前記微生物Bが、バリンおよびイソロイシンについて栄養
    要求性またはブラディトローフである、請求項21に記載のプロセス。
  23. 【請求項23】 前記工程(ii)の変異誘発が、ランダム化学変異誘発で
    ある、請求項21に記載のプロセス。
  24. 【請求項24】 前記工程(ii)の変異誘発が、ilvBnオペロンの部
    位特異的変異誘発である、請求項21に記載のプロセス。
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