JP2011511063A - プラチコジン−dを含有する皮膚美白剤 - Google Patents

プラチコジン−dを含有する皮膚美白剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、プラチコジン−Dを有効成分として含む皮膚美白用化粧料および薬学的組成物に関する。本発明のプラチコジン−Dは、皮膚に対する副作用なしで安全に使用できるうえ、メラニン生成を抑制して色素沈着阻害効果に優れる。よって、プラチコジン−Dを有効成分として含有する組成物は、シミやソバカスなどの改善および皮膚美白に非常に効率よく使用することができる。

Description

本発明は、皮膚美白用組成物に係り、より詳しくは、製品安定性に優れるうえ、皮膚に対する副作用なしで安全に使用することができ、メラニン生成を抑制して色素沈着阻害効果に優れたプラチコジン−D(platycodin-D)を含有する皮膚美白用化粧料および薬学的組成物に関する。
ヒトの皮膚色は、皮膚内部のメラニンの濃度と分布によって決定されるが、遺伝的な要因の外に、太陽紫外線や疲労、ストレスなどの環境的または生理的条件によっても影響される。人体皮膚のメラニン細胞で生成されるメラニン色素は、黒い色素とタンパク質との複合形態を有するフェノール系高分子物質であって、紫外線により発生する皮膚損傷を遮断する重要な役割を果たしている。メラニンの生合成にはメラニン細胞に存在するチロシナーゼ(tyrosinase)の作用が最も重要であると報告されている。チロシナーゼは、アミノ酸の一種であるチロシン(tyrosine)をメラニン重合体生成の中間産物、すなわちDOPA、ドーパキノン(dopaquinone)に転換することにより、皮膚黒化過程に核心的な役割を果たす。ところが、メラニンの生成経路は公知になっているが、チロシナーゼが作用する以前の段階であるメラニン合成を誘導するメカニズムについては未だ詳しく解明されていない。
このようなメラニン合成が皮膚内で起き過ぎると、皮膚トーンが黒くなるうえ、シミやソバカスなどが発生する。よって、皮膚内のメラニン色素の合成を阻害させることにより、皮膚トーンを明るくして皮膚の美白を実現することができるうえ、紫外線、ホルモンおよび遺伝的原因に起因して発生するシミやソバカスなどの皮膚過色素沈着症を改善させることができる。
したがって、従来では、例えばヒドロキノン(hydroquinone)やアスコルビン酸(ascorbic acid)、コウジ酸(kojic acid)、グルタチオン(glutathione)などのチロシナーゼに対して阻害活性を有する物質を用いて、皮膚美白効果または皮膚過色素沈着症を改善した。ところが、ヒドロキノンは、所定の美白効果を発揮するが、皮膚刺激性が激しくて配合量を極少量に制限しなければならないという問題点がある。アスコルビン酸は酸化し易いため、このアスコルビン酸を配合した化粧料は変色、変臭するなどの問題が発生する。コウジ酸は、溶液内で不安全なので、化粧料の製造工程が複雑になるという欠点がある。また、グルタチオンやシステインなどのチオール系化合物は、特有の不快な匂いを有するうえ、経皮吸収にも問題点があり、これらの配糖体および誘導体も極性が高いので、化粧料の配合成分として使用するには難しい。その他に、ビタミンCの場合は、水溶液状態で容易に酸化してしまい、持続的な効果を出さないという問題点がある。このため、最近では天然生薬抽出物を含有した皮膚美白用組成物が開発されている。ところが、この天然生薬抽出物を含有した皮膚美白用組成物は、大部分が色を帯びていて配合上における問題点があり、有効成分が同定されなかったため、製品製造の際に同一の効果を期待することができないという問題点がある。
一方、プラチコジン−Dは、桔梗の根に存在するトリテルペノイドサポニン(triterpenoid saponin)化合物の一つであって、抗炎効果、抗肥満効果、コレステロール低下効果、痛覚抑制効果があるものと報告されている。また、米国特許出願第2002/0197334号ではプラチコジン−Dが糖尿病に効果的であることを開示しており、国際公開WO2005/007181号ではプラチコジン−Dが、新血管生成を抑えるメカニズムによって癌を抑制する効果を示すことを開示している。このように天然物質であるプラスチコジン−Dの効能に対する多様な研究が行われている。
米国特許出願第2002/0197334号 国際公開WO2005/007181号
本発明の目的は、プラチコジン−Dを含有する皮膚美白用化粧料組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、プラチコジン−Dを含有する皮膚美白用薬学的組成物を提供することにある。
本発明の別の目的は、前記組成物を、ヒトを含んだ哺乳動物の皮膚に塗布することにより、皮膚を美白する方法を提供することにある。
本発明によれば、プラチコジン−Dは、既存の美白剤の主成分であるビタミンCに比べて高い細胞内のチロシナーゼ活性に対する阻害効果およびメラニン生成抑制効能を有する。また、人体に対する安定性の試験結果、プラチコジン−Dは、いずれの毒性または刺激も発生しないため、人体への使用の際に安全な物質であると判明された。よって、本発明のプラチコジン−Dは皮膚美白のための化粧料や医薬などに有用に使用できる
一つの様態において、本発明は、プラチコジン−Dを含有する皮膚美白用化粧料組成物に関する。
本発明のプラチコジン−Dは、下記化学式1の構造を有する、植物由来のトリテルペノイドサポニン系(triterpenoid saponin)の一種である。
Figure 2011511063
本発明のプラチコジン−Dは、天然供給源(例えば、桔梗など)から分離したもの、あるいは天然供給源からのトリテルペノイドサポニンを化学的改質によって製造したもの、あるいは化学的に合成して製造したもの、あるいは商業的に製造した商品(例えば、Pharmavan社のプラチコジン−D)である。一つの具体的な例として、本発明のプラチコジン−Dは桔梗の根から水、アルコールまたはアセトンなどの溶媒を用いて0℃〜50℃で抽出および分離することができる。このような抽出および分離方法は、当業者には公知である。
本発明のプラチコジン−Dの美白効果を調べるために、既存の美白化粧品の原料として使われているビタミンCと比較して、美白物質のスクリーニングに一般に用いられる細胞内のチロシナーゼ活性およびメラニン生成抑制効能を測定した結果、同一の濃度で本発明のプラチコジン−DがビタミンCより約10%以上優れたチロシナーゼ活性抑制およびメラニン生成抑制効能を示した。したがって、本発明のプラチコジン−Dは優れた美白効果を有する。
本発明の前記化学式1のプラチコジン−Dが、当業界で通常行われる置換基の付加または置換反応によって得られる誘導体のうち、メラニン生成抑制および/またはチロシナーゼ活性抑制による皮膚美白効果を示す誘導体を含むということは、当業界の技術水準を考慮すれば、当業者には明白なことである。
本発明の皮膚美白用化粧料組成物において、プラチコジン−Dの含量は、全体組成物に対して0.001〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%である。プラチコジン−Dの含量が0.001重量%未満の場合には美白効果が非常に微弱であり、プラチコジン−Dの含量が15重量%超過の場合には含量の増加による効果の増加が微々であり、剤形上の安定性が確保されないという問題点がある。
本発明の皮膚美白用化粧料組成物は、有効成分としてのプラチコジン−D以外に、化粧料組成物に通常用いられる成分を含むことができる。例えば、抗酸化剤、安定化剤、溶解化剤、ビタミン、顔料および香料などの通常の補助剤および/または担体がある。また、前記化粧料組成物は、皮膚美白効果を増進させるために皮膚吸収促進物質をさらに含むことができる。
本発明の化粧料組成物は、当業界で通常製造されるいずれの剤形としても製造でき、例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、石鹸、界面活性剤含有クレンジング、オイル、粉末ファウンデーション、乳濁液ファウンデーション、ワックスファウンデーションおよびスプレーなどに剤形化できるが、これに限定されない。好ましくは柔軟化粧水、栄養化粧水、栄養クリーム、マッサージクリーム、エッセンス、アイクリーム、クレンジンクリーム、クレンジンフォーム、クレンジンウォーター、パック、スプレーまたはパウダーの剤形として製造できる。
本発明の剤形がペースト、クリームまたはゲルの場合には、担体成分として動物性油、植物性油、ワックス、パラフィン、澱粉、トラカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、タルクまたは酸化亜鉛などが利用できる。
本発明の剤形がパウダーまたはスプレーの場合には、担体成分としてラクトース、タルク、シリカ、アルミニウムヒドロキシド、カルシウムシリケートまたはポリアミドパウダーが利用でき、特にスプレーの場合にはさらにクロロフルオロヒドロカボン、プロパン/ブタン、またはジメチルエーテルなどの推進剤を含むことができる。
本発明の剤形が溶液または乳濁液の場合には、担体成分として溶媒、溶解化剤または乳濁化剤が使用され、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコールまたはソルビタンの脂肪酸エステルがある。
本発明の剤形が懸濁液の場合には、担体成分として、例えば水、エタノールまたはプロピレングリコールなどの液状の希釈剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル、およびポリオキシエチレンソルビタンエステルなどの懸濁剤、微小結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天またはトラカントなどが利用できる。
本発明の剤形が界面活性剤含有クレンジングの場合には、担体成分として、脂肪族硫酸アルコール、脂肪族硫酸アルコールエーテル、スルホコハク酸モノエステル、イセチオン酸、イミダゾリニウム誘導体、タウリン酸メチル、サルコシン酸、脂肪酸硫酸アミドエーテル、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性油、ラノリン誘導体またはエトキシル化グリセロール脂肪酸エステルなどが利用できる。
別の様態として、本発明は、前記プラチコジン−Dを含有する皮膚美白用薬学的組成物に関する。
本発明の薬学的組成物において、プラチコジン−Dは全体組成物に対して0.001〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%で含むことができる。
前記薬学的組成物は、治療目的に応じて薬学分野で通常の製剤として剤形化でき、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、乳濁剤、硬膏剤、軟膏剤、スプレー剤、油剤、ゲル剤、酒精剤、チンキ剤、浴剤、リニメント剤、ローション剤、パッチ剤、パッド剤、クリーム剤などに剤形化できる。好ましくは、患部に直接塗布する、局所投与を目的とする皮膚外用剤であって、軟膏剤、ローション剤、スプレー剤、ジェルなどの形態である。また、これらの皮膚外用剤は、治療部位に直接適用できる支持基剤(support base)またはマトリックスなどに含まれ得る。支持基剤の例にはガーゼまたは包帯が含まれる。前記剤形化に使用される薬学的組成物はコロイド状または乾燥粉末状などであり得る。
軟膏剤として剤形化する場合、皮膚の表面温度、皮膚のpH、経皮水分消失(transdermal water loss)値、表皮の総脂質値などを考慮しなければならず、例えばワセリン、流動パラフィン、パラフィン、プラスティベース、シリコン、豚脂、植物油、ワックス、精製ラノリン(purified lanolin)などの油脂性基剤、水溶性基剤、乳剤性基剤、懸濁性基剤などと配合して剤形化する。このような軟膏剤は、酸化防止剤(例えば、トコフェロール、BHA、BHT、NDGAなど)、防腐剤(例えば、フェノール性物質、クロロブタノール、ベンジルアルコール、パラベン類、安息香酸など)、保湿剤(例えば、グリセリン、プロピレングリコン、ソルビトール)、溶解補助剤(例えば、エタノール、プロピレングリコール)、軟化補助剤(例えば、流動パラフィン、グリセリン、プロピレングリコール、界面活性剤など)などの添加剤と共に配合できる。
ローション剤として剤形化する場合、溶液型、懸濁型または乳剤型などのローション剤に製造できる。特に皮膚に塗布するローションの場合、例えば200cps〜500cpsの粘性を持つように製造することができ、塗布の際に柔らかい感じを与えるために湿潤剤、例えばグリセリン、プロピレングリコールなど を配合して製造することが好ましい。
スプレー剤として剤形化する場合、水分散した濃縮物または湿潤粉末が分散するように推進剤などが添加剤と共に配合できる。
パッチ剤として剤形化する場合、皮膚による化合物の吸収を増加させるために、吸収促進剤を使用することができる。
本発明の薬学的組成物は、薬学的組成物の製造に通常用いられる適切な担体、 賦形剤および希釈剤をさらに含むことができる。
本発明の薬学的組成物の剤形としては、通常の方法によって、例えば散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアロゾルなどの経口型剤形、例えば軟膏、クリームなどの外用剤、坐剤および滅菌注射溶液などを始めとして、薬学的製剤に適したいずれの形態にも剤形化して使用することができる。
本発明に係る薬学的組成物は、ラット、マウス、家畜、ヒトなどの哺乳動物に非経口、経口などの様々な経路で投与できる。投与の全ての方式は予想できるが、例えば、経口、直腸、または静脈、筋肉、皮下、子宮内経膜または脳血管内注射によって投与できる。この際、非経口経路としては経皮投与が好ましく、それらの中でも局所塗布が最も好ましい。前記局所投与は全身効果をもたらす経皮伝達を含む。局所投与する場合、賦形剤(例えば、ラクトース、澱粉、セルロース、乳糖、ポリエチレングリコールなど)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、滑石など)、保存剤(例えば、塩化ベンジルアルコニウムなど)などを含むことができる。
本発明の薬学的組成物は、薬学的に有効な量で投与する。本発明において、「薬学的に有効な量」とは、医学的治療または予防に適用可能な合理的な恵み/危険の比率で疾患を治療または予防するのに十分な量を意味する。有効用量の水準は、疾患の種類およびその重症度;薬物の活性;患者の年齢、体重、健康および性別;患者の薬物に対する敏感度;使用された特定抽出物の投与時間、投与経路および排出比率;治療期間;および使用された特定抽出物と配合または同時使用される薬物を含んだ要素およびその他の医薬分野における公知の要素によって決定できる。一般に、外用剤の場合、1日当たり1.0〜3.0mLで1日1〜5回1か月以上塗布し続けることがよい。また、経口型剤形の場合、患者の年齢、性別および体重によって異なるが、0.1〜100mg/kgの量を1日1回〜数回投与することができる。
別の様態として、本発明は、前記化粧料組成物または薬学的組成物を、ヒトを含んだ哺乳動物の皮膚に塗布して皮膚を美白する方法に関する。
本発明において、「美白」とは、老化、紫外線、汚染した環境などの多様な原因によってメラニン色素が沈着して発生する皮膚の黒化を防止または改善することをいう。
具体的実施において、本発明のプラチコジン−Dは、皮膚美白を目的として化粧品などの原料として従来から使用されているビタミンCと比較しても、約10%以上チロシナーゼ活性抑制およびメラニン生成抑制効能に優れた。したがって、本発明の化粧料組成物および薬学的組成物に有効成分として含まれるプラチコジン−Dは、皮膚美白効果が非常に優れるため、前記組成物を皮膚に塗布して皮膚を効果的に美白することができる。
本発明の具体的実施において、プラチジン−Dに対する皮膚累積刺激試験結果、プラチコジ−Dは天然物質であって人体に無害な物質であることが判明された。よって、本発明のプラチコジン−Dは、毒性および副作用が殆どないので、長期使用の際にも安心して使用することができ、特に前述したような化粧料組成物および薬学的組成物などに安全に適用することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。これらの実施例は本発明をより具体的に説明するためのもので、限定するものではない。
実施例1:プラチコジ−Dによるメラニン生成抑制効果の測定
ラットの色素細胞(B16メラノーマ細胞)を用いてプラチコジン−D(Sigma)によるメラニン生成抑制効果を測定し、その測定された効果を、メラニン生成を抑制するものと知られているビタミンCによるメラニン生成抑制効果と比較した。
本実験は、マウスメラノーマ(B16 F10)細胞を6ウェルプレートにウェル当たり1×10個で接種し、10%のFBS(fetal bovine serum)が含有されたDMEM培地中で、5%COおよび37℃で細胞がウェルの底部に約80%付着するまで培養した。培養の後、培地を除去し、プラチコジン−DおよびビタミンCが適正の濃度で希釈されたDMEM培地で取り替え、5%CO、37℃で3日間培養した。プラチコジン−Dの濃度範囲は細胞毒性のない0.1μM、0.5μM、1μMに決定した。ビタミンCの濃度範囲は、プラチコジン−Dと同様に、0.1μM、0.5μM、1μMとした。前記培養の後、培地を除去し、収集された細胞をPBS(phosphate buffered saline)で洗浄し、それをトリプシンで処理して細胞を回収した。回収された細胞はヘマトサイトメーターを用いて細胞数を測定し、5,000〜10,000rpmで10分間遠心分離した後、上澄液を除去してペレットを得た。この細胞ペレットを60℃で乾燥させた後、10%DMSOの含有された1M水酸化ナトリウム液100μLを入れて60℃の恒温槽で細胞内のメラニンを得た。この液を用いてマイクロプレートリーダー(microplate reader)によって490nmで吸光度を測定し、細胞一定数当たりのメラニン量を求めた。その結果を表1に示した。
Figure 2011511063
表1に示すように、同一の処理濃度ではプラチコジン−DがビタミンCより優れたメラニン生成抑制率を示した。
実施例2:プラチコジン−Dによる細胞内チロシナーゼ活性抑制効果の測定
ラットの色素細胞(B16メラノーマ細胞)を用いてプラチコジン−Dによるメラニン生成抑制効果を測定し、この測定された効果を、メラニン生成を抑制するものと知られているビタミンCによる細胞内チロシナーゼ活性抑制効果と比較した。
本実験は、マウスメラノーマ(murine melanoma)(B16 F1)細胞を6ウェルプレートにウェル当たり1×10個で接種し、10%のFBS(fetal bovine serum)が含有されたDMEM培地中で、5%COおよび37℃で細胞がウェルの底部に約80%以上付着するまで培養した。培養の後、培地を除去し、プラチコジン−DおよびビタミンCが適正の濃度で希釈されたDMEM培地で取り替え、5%CO、37℃で3日間培養した。プラチコジン−DおよびビタミンCの濃度範囲は、実施例1と同様に、0.1μM、0.5μM、1μMであった。前記培養の後、培地を除去し、収集された細胞をPBS(phosphate buffered saline)で洗浄し、それをトリプシンで処理して細胞を回収した。回収された細胞はヘマトサイトメーターを用いて細胞数を測定した後、5,000〜10,000rpmで10分間遠心分離し、上澄液を除去してペレットを得た。この細胞ペレットを、lysis bufferを用いて粉砕した後、12,000rpmで10分間遠心分離して上澄液を収集した。この液を用いてマイクロプレートリーダーによって490nmで吸光度を測定し、細胞一定数当たりのチロシナーゼ活性を求めた。その結果を表2に示した。
Figure 2011511063
表2に示すように、同一の処理濃度ではプラチコジン−DがビタミンCより優れた細胞内チロシナーゼ活性抑制率を示した。
実施例3:動物水準における美白効果評価
ヒトと同様に紫外線によって色素沈着が起こるものと知られている褐色モルモット(Tortoiseshell guinea pig; Brown guinea pigs)を用いて、プラチコジン−Dによる美白効果を測定した。
前記褐色モルモットに紫外線(UV)による色素沈着を誘発させるために、褐色モルモットの腹上の毛を除去した皮膚に、3×3cmの正方形の開口が設けられた遮光用アルミニウム箔を接着させた後、SEランプ(波長290〜320nm、東芝)で紫外線を照射した(総照射エネルギー量=1350mJ/m)。紫外線照射の後、アルミニウム箔を剥がし、次の方法で試料(プラスチコジン−DおよびビタミンC)を塗布した。紫外線照射2、3日の後に色素沈着が現れ、約2週後には最高に到達した。その時から各試料を塗布した。
塗布は1日1回または2回の回収で50日間続けた。試料は特定の溶媒(プロピレングリコール:エタノール:水=5:3:2の混合溶媒)を用いて溶解および希釈し、綿棒で塗布し、他の部位には必ず溶媒を塗布する対照部位を設けた。効果判定と共に、累積刺激性も観察した。
色差計(ミノルタCR2002クロマメーター)を用いて皮膚の黒白程度を測定して効果を判定し、その判定結果を表3に示した。色を表示するにはL表色計を使用し、本発明ではL値を指標とした。L値は標準白板で較正し、L値は1つの部位に5回以上繰り返し測定し、色素沈着を均等にした。塗布開始時点と塗布完了時点における皮膚色の差異(L)を求め、その値から効果を判定した。L値を試料塗布部位と対照群部位に対して求めた後、それらを比較すれば、美白物質の効果を確認することができる。その結果を表3に示した。
[実験式1]
=塗布○○日後のL値−塗布開始日のL
Figure 2011511063
表3より、プラチコジン−Dは、ビタミンCより優れた美白効果を示し、試験物質塗布試験途中で累積刺激が観察されなかったため、安全性にも優れることが分かる。
実施例4:プラチコジン−Dの人体皮膚に対する安全性確認実験
4−1.プラチコジン−Dを含有する皮膚外用剤の製造
前述したように美白効果に優れるものと判明されたプラチコジン−Dが人体皮膚に対しても安全なのかを確認するために、プラチコジン−DおよびビタミンCを含有した皮膚外用剤を製造し、これによる皮膚安全性検証実験を行った。
プラチコジン−DとビタミンCを含有した皮膚外用剤は表4の成分含量で製造した。表4において、対照群はチロシナーゼ阻害剤を含有していない皮膚外用剤であり、それぞれ試験群1と試験群2はプラチコジン−DとビタミンCを含有した皮膚外用剤である。
皮膚外用剤の製造のために、精製水、グリセリンおよびブチレングリコールを混合して70℃で溶解し(水相パート)、前記3つの成分とトリメタノールアミン以外の残りの成分を70℃で溶解した(油相パート)。前記油相パートを水相パートに添加し、ホモミキサー(日本の特殊機化社)で攪拌して1次乳化し、ここにトリメタノールアミンを最終的に添加した。混合液に生成された気泡を除去した後、室温に冷却させて皮膚外用剤を製造した。
Figure 2011511063
4−2.皮膚累積刺激試験
実施例4−1で製造した各皮膚外用剤を用いて、健康な30名の成人を対象として上腕部位に隔日で合計9回の24時間累積貼布を行うことにより、プラチコジン−Dが皮膚に刺激を与えるか否かを測定した。
貼布方法は、フィンチャンバー(Finn chamber)(Epitest Ltd、ピンランド)を用いた。チャンバーに前記各皮膚外用剤を15μlずつ滴下した後、貼布を行った。毎回皮膚に現れた反応の度合いを実験式2をによって点数化し、その結果を表5に示した。
[実験式2]
平均反応度={[反応指数×反応度/総被検者数×最高点数(4点)]×100}/検査回数(9回)
この際、反応度において、±は1点、+は2点、++は4点の点数を与え、平均反応度が3未満のときに安全な組成物と判定した。
Figure 2011511063
表5において、試験群1の場合、±、+、++に該当するヒトの数がそれぞれ1名、0名、0名であり、その他の残りは反応が現れなかった。実験式2によって計算すると、{[(1×2)/(20×4)]×100}/9=0.13であって、平均反応度が0.37になって3以下になり、安全な組成物と判断された。
したがって、表5に示すように、プラチコジン−D(試験群1)を含有する皮膚外用剤は、対照群、またはビタミンCを含有する皮膚外用剤のようにはっきりとした累積刺激様相を示さず、人体皮膚に安全な物質と判定された。
本発明のプラチコジン−Dは、既存の美白剤の主成分であるビタミンCに比べて高い細胞内のチロシナーゼ活性に対する阻害効果とメラニン生成抑制効能を有する。また、人体に対する安定性の試験結果、プラチコジン−Dは、いずれの毒性または刺激も発生しないため、人体への使用の際に安全な物質であると判明された。よって、本発明のプラチコジン−Dは皮膚美白のための化粧料や医薬などに有用に使用できる。

Claims (6)

  1. プラチコジン−Dを有効成分として含む、皮膚美白用化粧料組成物。
  2. 前記組成物は、溶液、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、石鹸、界面活性剤含有クレンジング、オイル、粉末ファウンデーション、乳濁液ファウンデーション、ワックスファウンデーション、およびスプレーよりなる群から選ばれる剤形を有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. プラチコジン−Dを有効成分として含む、皮膚美白用薬学的組成物。
  4. プラチコジン−Dが全体組成物の総重量に対して0.001〜10重量%で含まれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 請求項1または2の組成物を、ヒトを含んだ哺乳動物の皮膚に塗布する段階を含む皮膚美白方法。
  6. プラチコジン−Dが全体組成物の総重量に対して0.001〜10重量%で含まれる、請求項5に記載の組成物。
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