JP2011510219A - スカッフィングの検出 - Google Patents

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Abstract

他のシリンダの平均温度または平均温度経過に対する、あるシリンダの温度または温度経過の差を認識することに基づく、大型多気筒2サイクルディーゼルエンジンにおけるスカッフィング前事象の検出のための方法。スカッフィング前事象の検出後に自動的な対策がとられうる。その対策は自動的に終了されうる。
【選択図】図4

Description

本発明は、大型2サイクルディーゼルエンジンにおけるスカッフィング(scuffing)を検出するための方法に関し、より具体的には、スカッフィングが生じる直前の状態(スカッフィング前状態:pre-scuffing condition)を検出するための方法に関する。
大型2サイクルディーゼルエンジンに動作障害が発生すると、出力低下や、シリンダおよびピストンへの損傷が生じ得る。出力損失はかなりの大きさになる可能性がある。また、例えば大型2サイクルディーゼルエンジンを外洋航行船の主機関として用いられている場合などにおいて、運転を停止しなければならないとしたら、危険な結果を招く可能性がある。
ピストンリングやライナ表面は、「粘度、負荷、速度」を摩擦係数に関係付けるストライベック曲線(図1)によって説明されるように、全部で3つの摩擦領域に直面する。これらの3つの領域は、境界潤滑領域(Boundary Lubrication)、混合潤滑領域(Mixed Lubrication)、および流体潤滑領域(Hydrodynamic Lubrication)である。流体潤滑は、油膜によって表面が完全に隔てられている状態である。負荷が油膜圧力により部分的にのみ支えられ、かつ表面の凹凸による接触により部分的に支えられる状態を、混合潤滑と呼ばれる。全ての負荷が表面の凹凸によって支えられ、分子薄油膜のみでしか隔てられていない場合、その状態は、境界潤滑として知られている。
大型2サイクルディーゼルエンジンにおいて、境界潤滑は、ピストンの速度がゼロに近づく上死点(Top Dead Center; TDC)の近傍で常にいくらか存在する。内径の研磨が生じる場合、境界潤滑の量は、スカッフィングが発生するレベルまで上昇しうる。
我々の研究によると、境界潤滑が臨界値に達する場合、摩擦係数の変化によって、ライナ表面温度の独特な温度変動パターンがもたらされることが示された。この状態は、スカッフィングの発生前の約10分から20分の時間に存在する。この時間中、警報システムを潤滑油システムに接続することによって、スカッフィングの発生に対抗するための適切な対応を手動的または自動的に取ることが可能である。
スカッフィング前状態が検出された場合、シリンダ潤滑油の供給量を、スカッフィング状態の発生防止に必要な通常の量に比べて増加させてもよい。別の可能性として、警報システムをエンジンの電子制御システムに接続することが挙げられ、これは、該当するシリンダに対する負荷を減少させることが可能である。この状態は、「高摩擦状態」と呼ばれる(図面参照)。適切な措置を取らなければ、この状態は、シリンダライナの摩耗が激しいスカッフィングに発展する。スカッフィング状態におけるシリンダライナの温度は高いレベルで安定する。
このような背景から、本発明の目的は、スカッフィング前状態を検出するための方法を提供することにある。
この目的は、大型多気筒ターボ過給型2サイクルディーゼルエンジンにおいてスカッフィング前状態を検出するための次のような方法を提供することによって達成される。この方法は、シリンダのシリンダ関連温度を継続的または断続的に測定することと、各シリンダのシリンダ関連温度経過を、他の全てのシリンダまたはいくつかのシリンダの平均シリンダ温度経過と比較することと、あるシリンダの温度または温度経過が、他の全てのシリンダまたはいくつかのシリンダの温度とは、または温度の経過とは実質的に異なると判断した場合に、スカッフィング前警報を発行することとを含む。
特定のシリンダの温度または温度経過を、他のシリンダの温度と比較して、または他のシリンダの温度の経過と比較して使用することによって、当該シリンダの、他のシリンダに対する温度または温度経過を明確に把握することが可能になる。したがって、特定のシリンダの温度または温度経過に基づいてスカッフィング前事象を判断する際、スカッフィング前事象の発生とは関係のない、エンジン動作条件の変化に伴う一般的な温度経過は判断から除外され、方法の結果に影響を及ぼさない。例えばエンジン始動を考えると、エンジン温度は、通常、エンジン始動時の比較的低い温度から、通常動作温度に対応する高い温度に上昇する。この温度経過は実際には線形でないことが多いので、このようなエンジン温度変化の間、他のシリンダと比較せずにシリンダ単体の温度経過だけを使用してスカッフィング前事象を検出することは非常に難しくなる可能性がある。つまり、シリンダの温度変化が、スカッフィング事象により引き起こされたのか、または他の影響により生じたものなのかが明確ではないからである。そこで、他のシリンダの温度または温度経過との比較において、特定のシリンダの温度または温度経過を使用することによって、スカッフィング前事象をより正確に表す温度情報を得ることが可能になる。
前記他のシリンダのうちいくつかの温度または温度経過は、他の全てのシリンダまたはいくつかのシリンダの平均温度または平均温度の経過を判断することによって判断してもよい。
シリンダ関連温度は、該当するシリンダの掃気ボックスの空気温度、シリンダ冷却水温度、ピストン冷却油温度、または排ガス温度であってもよい。
好ましくは、シリンダの温度は、シリンダのシリンダ壁の上部領域において測定される。しかしながら、温度は、シリンダ周囲の別の位置でも測定されてもよい。
各シリンダのシリンダ壁温度の経過は、そのシリンダのシリンダ壁温度の経過が他のシリンダの平均シリンダ壁温度の経過に対して変動する場合に、他のシリンダの平均シリンダ壁温度の経過とは実質的に異なると判断してもよい。これによって、スカッフィング前事象検出の精度および信頼性は、さらに改善される。
各シリンダのシリンダ壁温度の経過は、温度変動のピーク間またはディップ間の時間間隔が所定の範囲内にある場合に、他のシリンダの平均シリンダ壁温度の経過とは実質的に異なると判断してもよい。これによって、スカッフィング前事象検出の精度がさらに改善される。
各シリンダのシリンダ壁温度の経過は、温度変動の温度ピークと温度ディップとの温度差が所定値を超える場合に、他のシリンダの平均シリンダ壁温度の経過とは実質的に異なると判断される。これによって、スカッフィング前事象検出の精度および信頼性がさらに改善される。
各シリンダのシリンダ壁温度の経過は、温度変動のピーク間またはディップ間の時間間隔が所定の範囲内にあり、前記温度変動の温度ピークと温度ディップとの温度差が所定値を超える場合に、他のシリンダの平均シリンダ壁温度の経過とは実質的に異なると判断してもよい。これによって、スカッフィング前事象検出の精度および信頼性がさらに改善される。
各シリンダのシリンダ壁温度の経過は、前記温度変動のピーク間またはディップ間の時間間隔が所定の範囲内にあるような温度変動が連続して発生する場合に、他のシリンダの平均シリンダ壁温度の経過とは実質的に異なると判断してもよい。これによって、スカッフィング前事象検出の精度および信頼性は、さらに改善される。
各シリンダのシリンダ壁温度の経過は、温度変動のピーク間またはディップ間の時間間隔が所定の範囲内にあり、前記温度変動の温度ピークと温度ディップとの温度差が所定値を超えるような温度変動が連続して発生する場合に、他のシリンダの平均シリンダ壁温度の経過とは実質的に異なると判断してもよい。これによって、スカッフィング前事象検出の精度および信頼性は、さらに改善される。
各シリンダのシリンダ壁温度の経過は、当該シリンダのシリンダ壁温度が、他のシリンダの平均シリンダ壁温度を、所定の閾値を超える値だけ超える場合に、他のシリンダの平均シリンダ壁温度の経過とは実質的に異なると判断してもよい。これによって、スカッフィング前事象検出の精度および信頼性は、さらに改善される。
他のシリンダの平均シリンダ関連温度の経過は、個々のシリンダ温度の算術平均の経過として判断してもよい。
本発明の別の目的は、大型多気筒2サイクルディーゼルエンジンにおいてスカッフィング前状態を検出するための方法を実行する次のような装置を提供することにある。この装置は、各シリンダのシリンダ温度の経過を、他のシリンダの平均シリンダ温度経過と比較しうるプロセッサに接続される温度センサをシリンダ毎に少なくとも1つ有し、前記プロセッサは、あるシリンダの温度または温度経過が、他のシリンダの平均温度とは、または平均温度の経過とは実質的に異なると判断した場合に、スカッフィング前警報を発行するように構成される。
本発明に従う方法および装置に関するさらなる目的、特徴、利点、および特性は、詳細な説明より明らかになるであろう。
以下の説明において、図面に示される例示的実施形態を参照して、本発明についてより詳細に説明する。
種々の潤滑領域を示すグラフである。 多気筒エンジンにおける単一のシリンダの上部の詳細断面図である。 本発明のある実施形態に従うエンジンのシリンダ、噴射システム、シリンダ潤滑システム、温度検知システム、および電子制御システムの概略図である。 図3に示すエンジンのシリンダのシリンダ壁の上部領域の温度経過を示すグラフである。 スカッフィング前事象を示す、あるシリンダ単体の温度経過と、図3に示すエンジンの他のシリンダの平均温度経過とを示すグラフである。 スカッフィング前事象を示すシリンダの、相対的なシリンダ壁温度の経過を示すグラフである。
好適な実施形態の詳細な説明
図1は、いわゆるストライベック曲線を示す。ストライベック曲線は、「粘度、負荷、速度」を摩擦係数に関係付ける。ピストンリングおよびライナ表面は、この曲線から説明されるように、全3つの摩擦領域に直面する。これらの3つの領域は、それぞれ境界潤滑領域、混合潤滑領域、流体潤滑領域と呼ばれる。流体潤滑は、油膜によって表面が完全に隔てられている状態である。負荷が油膜圧力により部分的にのみ支えられ、かつ表面の凹凸による接触により部分的に支えられる場合、その状態は、混合潤滑と呼ばれる。全ての負荷が表面の凹凸によって支えられ、分子薄油膜のみによって隔てられている場合、その状態は、境界潤滑として知られている。
大型2サイクルディーゼルエンジンにおいて、境界潤滑は、ピストンの速度がゼロに近づく上死点(Top Dead Center; TDC)の近傍で常にいくらか存在する。内径の研磨が生じる場合、境界潤滑の量は、スカッフィングが発生するレベルまで上昇しうる。
内径研磨の発生は、本明細書において、スカッフィング前事象であると示される。
図2は、クロスヘッド式大型多気筒2サイクルディーゼルエンジンにおけるシリンダ10のうちの1つを示す。ピストン12は、シリンダ10内を上下に運動する。シリンダの上部はシリンダカバー14で覆われる。シリンダカバー14には、排気弁16および燃料噴射装置18が設けられる。
温度センサ20および20'は、ピストン12の運動が反転する領域、いわゆる上死点(Top Dead Center; TDC)に設けられる。温度センサ20、20'は、シリンダライナ壁に位置し、信号ケーブル22を介してエンジンの電子制御システム(Electronic Control System; ECS)(図3)に接続される。温度センサ20、20'は、それぞれのシリンダの上部におけるシリンダ壁温度を測定し、温度センサの信号は、データケーブル22によって電子制御システムに転送される。図示する実施形態では、2つの正反対の温度センサ20、20'が存在する。しかし、シリンダ毎に1つだけ温度センサ20を設けてもよいし、リンダの外周に沿って2つ以上の温度センサを配してもよい。
また、シリンダ潤滑ポート26も、シリンダの外周に沿って設けられる。典型的には、シリンダ毎に3つのシリンダ潤滑ポート26が設けられるが、このポート数は別の数でもありうる。シリンダ潤滑ポート26には、シリンダ毎に関連付けられるシリンダ油ポンプ24によってシリンダ油が供給される。シリンダ油ポンプ24は、シリンダ油の供給量をエンジンの動作条件に合わせて調整する。シリンダ油は比較的高価であるため、通常動作中、供給量は、適量以下であるように設定される。供給量は、燃料品質の影響を受け、硫黄含有量の多い低品質燃料の使用時に多くなり、また、エンジンの負荷や動作速度、特定のシリンダの負荷に依存する。
図3は、5つのシリンダを備える本発明のある実施形態に従うエンジンを示す。本実施形態におけるシリンダの数は、単に例示的であり、任意の他の数のシリンダを備える多気筒大型2サイクルディーゼルエンジンに本発明を使用してもよい。
シリンダ10の各温度センサ20、20'は、信号ケーブル22を介してエンジンの電子制御システムECSに接続される。シリンダ10のためのシリンダ潤滑ポンプ24も、電子制御システムに接続される。同じことが、信号ケーブル28を介して電子制御システムECSに接続される燃料噴射システムにも当てはまる。
シリンダ10の温度センサ20、20'により供給されるシリンダ壁温度値は、電子制御システムにより測定および評価される。
電子制御システムは、シリンダ壁温度信号を測定および分析するように構成される少なくとも1つのプロセッサを含む。シリンダ壁温度の測定は、例えば、1秒に1回のように断続的であってもよく、またはより連続的であってもよい。
プロセッサは、シリンダ10の各々のシリンダ関連温度を分析し、シリンダ10の各々のシリンダ壁温度に関する温度の経過を分析する。シリンダのいずれかが、スカッフィング前事象に典型的である温度経過を示す場合に、プロセッサは、スカッフィング前警報を発行する
図4は、個々のシリンダのシリンダ壁温度の経過を示すグラフである。シリンダ番号4がスカッフィング前事象に直面している。他のシリンダは、通常の状態および温度経過を有する。
プロセッサは、シリンダの温度または温度経過が、他の全てのシリンダまたはいくつかのシリンダの温度または温度経過から顕著に外れているかどうかを判断するように構成される。
他のシリンダの温度経過に対するシリンダの温度経過は、以下において相対温度と呼ばれる。
ある実施形態では、プロセッサは、シリンダの温度または温度経過が他のシリンダの平均温度の経過から顕著にずれているかどうかを判断するように構成される。
ある実施形態において、他のシリンダの平均シリンダ壁温度の経過は、個々のシリンダ温度の算術平均の経過として判断される。
図5は、シリンダ番号4の温度経過(線32)が、他のシリンダの平均温度の経過(線43)とともに示されるグラフを示す。図5において、全てのシリンダの温度が上昇していることが分かる。これは、コールドスタートの後に生じる典型的な状況である。
図6は、他のシリンダの平均温度の経過に対するシリンダ番号4の温度経過を示す。すなわち、図6は、シリンダ番号4の相対温度経過を示す。スカッフィング前事象は、シリンダ壁の相対温度の変動により始まる。変動の大きさは、約25℃から約65℃の間の範囲である。
相対シリンダ壁温度変動のピーク間の時間間隔(または、ディップ間の時間間隔)は、典型的には、約6分から約18分の間の範囲である。図4においてこれらの事象が発生する期間は「高摩擦状態」と言われる。この状態において、摩擦は増加している、実際のスカッフィング中に発生する摩擦レベルまでは増加していない。
シリンダ壁の相対温度の変動の大きさの範囲は、エンジンによって異なる。エンジンのサイズおよび設計に依存する。経験的に判断されてもよい。これは、相対温度変動のピーク間の時間間隔の範囲にも当てはまる。
プロセッサは、シリンダの相対温度の温度変動がスカッフィング事象の特徴と一致すると判断された場合に、スカッフィング前警報を発行するように構成される。したがって、プロセッサは、変動のピーク間の時間間隔が所定の範囲内にあるか否かを判断し、温度変動が所定の大きさを超えるか否かを判断する。
温度変動が所定の大きさを超えていると判断した場合、プロセッサは、スカッフィング前警報を発行する。実施形態によっては、プロセッサは、スカッフィング前事象対策も自動的に開始する。これらのスカッフィング前事象対策は、シリンダ潤滑油の供給量を通常動作の供給量を超えるレベルに増加させることを含みうる。この増加は、電子エンジン制御システムECSから、スカッフィング前警報が発行されたシリンダのシリンダ潤滑ポンプ24へ信号を送ることによりもたらされる。また、スカッフィング前事象対策は、警報が発行されたシリンダに対する負荷を減少させることも含みうる。この対策は、信号ケーブル28を介して燃料噴射の量および/またはタイミングを変更することによって、電子制御システムECSによりもたらされる。また、スカッフィング前事象対策は、エンジン速度を低下させることも含みうる。
プロセッサは、ある実施形態において、スカッフィング前事象の検出に、より厳密な制御を適用するように構成される。追加の制限は、警報の発行前に、シリンダ壁の相対温度の変動が連続して発生しなければならないものとすることができる。連続変動の最小数は、2つまたは3つの変動(3つのピークのうちの少なくとも2つ)に設定されてもよい。
ある実施形態では、プロセッサは、シリンダ10のうちの1つについてスカッフィング前シリンダ警報が発行された後に対策が取られると、通常動作に戻る時を自動的に判断するようにも構成される。本実施例において、プロセッサは、対策の始動から経過した時間間隔を判断し、時間間隔が所定の閾値を超えた後に、スカッフィング前警報が発行されたシリンダ10の通常動作に自動的に戻す。通常動作へ戻すことは、徐々に、または段階的に実行される。
シリンダ壁温度を入力温度として本発明について示したが、掃気ボックスの空気温度、シリンダ冷却油温度、ジャケット冷却水温度、および排ガス温度等の他のシリンダ関連温度をシリンダ壁温度の代わりに利用してもよいことを理解されたい。
本発明は、多数の利点を有する。異なる実施形態または実装によって、以下の利点のうちの1つ以上がもたらされうる。これが、包括的なリストではなく、本明細書に記載されない他の利点も存在し得ることに留意されたい。本発明の一利点として、スカッフィング前事象を検出するための確実な方法を提供することが挙げられる。本発明の別の利点として、スカッフィング前事象の検出時に、対策の自動的始動を提供することが挙げられる。本発明のさらなる利点として、スカッフィング前事象に対する対策の自動的終了を提供することが挙げられる。
請求項において使用する用語の「備える」は、他の要素またはステップを除外しない。請求項において使用する単数形の用語は、複数形を除外しない。
上の記述においては、特別に重要であると考えられる本発明の特徴に留意するよう試みたが、本明細書において参照および/または図示されたいかなる特許可能な特徴または特徴の組み合わせに関しても、それに関して特に強調されたか否かに関わらず、本出願人は保護を主張することを理解されたい。さらに、当業者が、本開示を考慮して、本発明の機器に関する修正および/または改善を加えてもよいが、依然として以下の請求項に記載されるような本発明の範囲および精神内にあることを理解されたい。

Claims (13)

  1. 大型多気筒ターボ過給型2サイクルディーゼルエンジンにおいてスカッフィング前状態を検出するための方法であって
    シリンダシリンダ関連温度を継続的または断続的に測定することと、
    各シリンダ単体のシリンダ温度経過を、他の全てのシリンダまたはいくつかのシリンダの平均シリンダ温度経過と比較することと、
    特定のシリンダの温度または温度経過が、他の全てのシリンダまたはいくつかのシリンダの平均温度とは、または平均温度の経過とは実質的に異なると判断した場合に、スカッフィング前警報を発行することと
    含む、方法。
  2. 前記他のシリンダのうちのいくつかの温度または温度経過は、前記他のシリンダの全て又は幾つかのシリンダの平均温度または平均温度の経過を判断することによって、判断される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記シリンダ関連温度は、対応する前記シリンダのシリンダ壁の上部領域において測定される、請求項2に記載の方法。
  4. 各シリンダのシリンダ壁温度の経過は、該シリンダのシリンダ壁温度の経過が他のシリンダの平均シリンダ壁温度の経過に対して変動する場合に、他のシリンダの平均シリンダ壁温度の経過とは実質的に異なると判断される、請求項3に記載の方法。
  5. 各シリンダのシリンダ壁温度の経過は、温度変動のピーク間またはディップ間の時間間隔が所定の範囲内にある場合に、他のシリンダの平均シリンダ壁温度の経過とは実質的に異なると判断される、請求項3に記載の方法。
  6. 各シリンダのシリンダ壁温度の経過は、温度変動における温度ピークと温度ディップとの温度差が所定値を超える場合に、他のシリンダの平均シリンダ壁温度の経過とは実質的に異なると判断される、請求項3に記載の方法。
  7. 各シリンダのシリンダ壁温度の経過は、温度変動のピーク間またはディップ間の時間間隔が所定の範囲内にあり、前記温度変動における温度ピークと温度ディップとの温度差が所定値を超える場合に、他のシリンダの平均シリンダ壁温度の経過とは実質的に異なると判断される、請求項3に記載の方法。
  8. 各シリンダのシリンダ壁温度の経過は、温度変動のピーク間またはディップ間の時間間隔が所定の範囲内にあるような温度変動が連続して発生する場合に、他のシリンダの平均シリンダ壁温度の経過とは実質的に異なると判断される、請求項3に記載の方法。
  9. 各シリンダのシリンダ壁温度の経過は、温度変動のピーク間またはディップ間の時間間隔が所定の範囲内にあり、前記温度変動の温度ピークと温度ディップとの温度差が所定値を超えるような温度変動が連続して発生する場合に、他のシリンダの平均シリンダ壁温度の経過とは実質的に異なると判断される、請求項3に記載の方法。
  10. 各シリンダのシリンダ壁温度の経過は、該シリンダのシリンダ壁温度が、他のシリンダの平均シリンダ壁温度を、所定の閾値を超える値だけ超える場合に、他のシリンダの平均シリンダ壁温度の経過とは実質的に異なると判断される、請求項3に記載の方法。
  11. 他のシリンダの平均シリンダ関連温度の経過は、個々のシリンダ温度の算術平均の経過として判断される、請求項の1から10のいずれかに記載の方法。
  12. 大型多気筒ターボ過給型2サイクルディーゼルエンジンにおいてスカッフィング前状態を検出するための装置であって、前記装置は各シリンダのシリンダ温度の経過を、他のシリンダの平均シリンダ温度の経過と比較しうるプロセッサに接続される温度センサをシリンダ毎に少なくとも1つ有し、前記プロセッサは、特定のシリンダの温度または温度経過が、他のシリンダの平均温度とは、または平均温度の経過とは実質的に異なると判断した場合に、スカッフィング前警報を発行するように構成される、装置。
  13. 前記温度センサは、掃気ボックスの空気温度、シリンダ冷却油温度、ジャケット冷却水温度、または排ガス温度を測定する、請求項12に記載の装置。
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