JP4148168B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼室からのガス漏れ原因を特定し得る内燃機関に関する。
近年、特にディーゼルエンジンにおいては燃焼室内の最高筒内圧Pmaxを高める(例えば14MPa程度から18MPa程度まで高める)ことで出力や熱効率の向上が図られている。ここで、このように最高筒内圧Pmaxが高められると、燃焼室から混合気や燃焼ガス等のガスが漏れる可能性が高くなり、そのガス漏れの発生によって、例えば圧縮端温度の低下による始動不良や出力低下等の不都合を招来する虞がある。
そこで、従来、内燃機関においては、ガス漏れの発生有無を判定するガス漏れ判定手段が設けられている。
例えば、下記の特許文献1には、吸入空気量から吸入空気量低下比率を算出して吸気弁での異物の噛み込みを判別し、これによりガス漏れ有無を検知する技術が開示されている。
また、下記の特許文献2には、各気筒毎に設けた冷却水の温度センサと圧力センサとで冷却水の温度及び圧力を測定し、この温度及び圧力が設定レベルを超えたときに燃焼ガスが冷却水に混入したと判定する(即ちガス漏れが発生していると判定する)技術が開示されている。
特開2000−80953号公報 特開平6−174580号公報 実開昭63−13380号公報 特許第2712332号公報
ここで、一般に考え得るガス漏れの原因としては、ピストン不良,吸気弁の閉弁不良やヘッドガスケット抜けがある。しかしながら、従来のガス漏れ判定手段は、予め定められた特定のガス漏れ原因によりガス漏れが発生したときにそれを検知し得るものであり、これが為、そのガス漏れ原因に応じた対応を採ることはできるが、他の原因によりガス漏れが発生したときにはその原因が不明であるが故に何らの対応も採ることができない。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、燃焼室からのガス漏れ原因を特定し得る内燃機関を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、燃焼室からのガス漏れ有無を判定するガス漏れ判定手段と、ガス漏れの原因を特定するガス漏れ原因特定手段と、燃焼室内における吸入空気の体積効率を測定又は推定する体積効率測定/推定手段とを備える。そして、そのガス漏れ原因特定手段に、検出したクランクケース内の状態値が所定値を超えていればピストンリングの不具合が原因でガス漏れが発生していると判断するピストンリング不良判別機能と、前記体積効率測定/推定手段により軽負荷運転時に測定又は推定された体積効率実測値と所定値とを比較して、その体積効率実測値が所定値に対して低下していれば吸気弁の閉弁不良が原因でガス漏れが発生していると判断し、その体積効率実測値が所定値に対して低下していなければヘッドガスケットの抜けが原因でガス漏れが発生していると判断する吸気弁閉弁不良/ヘッドガスケット抜け判別機能とを設けている。
ここで、請求項2記載の発明の如く、ピストンリング不良判別機能が判断時に用いるクランクケース内の状態値としては、そのクランクケース内の圧力値を使用することができる。また、請求項3記載の発明の如く、体積効率測定/推定手段による体積効率実測値の測定又は推定は、アイドル運転時に行うことができる。
このように、上記請求項1,2又は3に記載の発明によれば、クランクケース内の状態(圧力値)を見ることでピストンリング不良によるガス漏れか否かを判別でき、また、アイドリング運転時等の軽負荷運転時に体積効率の比較を行うことで、吸気弁の閉弁不良によるガス漏れかヘッドガスケットの抜けによるガス漏れかを判別することができる。
本発明に係る内燃機関は、燃焼室からのガス漏れの原因を特定することができ、これにより、その原因に応じた待避運転制御を行うことが可能になる。
以下に、本発明に係る内燃機関の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る内燃機関の実施例1を図1から図6に基づいて説明する。
図1に本実施例1における内燃機関の縦断面図を示す。内燃機関は、大別すると、シリンダヘッド1と、このシリンダヘッド1の下部にヘッドガスケット2を介してボルト等で締結されるシリンダブロック3と、このシリンダブロック3の下部にボルト等で締結されるクランクケースカバー4とで構成される。
ここで、上記シリンダブロック3内には、ピストン5やコネクティングロッド6が収納され、また、そのシリンダブロック3の下部とクランクケースカバー4とから形成されるクランクケース内には、クランクシャフト7が収納される。
この内燃機関においては、シリンダヘッド1の下面に形成された凹部1aの壁面と、シリンダブロック3に形成されたシリンダボア3aの壁面と、ピストン5の頂面とにより囲まれた空間で燃焼室が構成される。
また、この燃焼室には、シリンダヘッド1に形成された少なくとも一つの吸気ポート1bと少なくとも一つの排気ポート1cとが開口しており(図1においては便宜上夫々一つのみを図示している)、これら吸気ポート1b及び排気ポート1cには、夫々にその開口を開閉し得る吸気弁8及び排気弁9が設けられている。
更に、その吸気ポート1bには、エアフローメータ10を介して外部から空気を導入する吸気流路11が連通して設けられており、この吸気流路11におけるエアフローメータ10の下流側には吸気圧測定用の圧力センサ(以下、「吸気圧センサ」という。)12が設けられている。この吸気圧センサ12の出力信号は、図1に示す電子制御ユニット(以下、「ECU」という。)13に入力される。
また、クランクケースカバー4には、クランクケース内の圧力測定用の圧力センサ(以下、「クランクケース内圧センサ」という。)14が設けられている。このクランクケース内圧センサ14の出力信号は、ECU13に入力される。尚、そのクランクケース内圧センサ14は、シリンダブロック3の下部に設けてもよい。
また、この内燃機関においては、機関回転数Neの検出手段やクランク角速度の検出手段としてクランク角センサ15が設けられている。
ここで、内燃機関は上記ECU13によって燃焼制御等が行われ、その各種制御処理機能は、図示しないCPU,入出力インターフェイス部,メモリ装置や制御プログラム等により実現される。
本実施例1のECU13には、更に、図1に示す如く、燃焼室からのガス漏れ有無を判定するガス漏れ判定手段13aと、そのガス漏れ原因を特定するガス漏れ原因特定手段13bとが設けられている。
先ず、本実施例1のガス漏れ判定手段13aについて説明する。
このガス漏れ判定手段13aは、燃焼室内における吸入空気の体積効率の変化からガス漏れ有無の判定を行うものとして例示する。より具体的には、ある吸気圧Pinと機関回転数Neにおける実際の体積効率と正常状態での体積効率とを比較して、実際の体積効率の低下が見られればガス漏れ有りとの判定を行う。
これが為、本実施例1のECU13には、燃焼室内における吸入空気の体積効率を測定又は推定する体積効率測定/推定手段13cが設けられ、この体積効率測定/推定手段13cにより測定又は推定された値をガス漏れ有無判定時の体積効率実測値として使用する。ここで、本実施例1の体積効率測定/推定手段13cはエアフローメータ10の出力信号に基づいて体積効率の測定又は推定を行うものとして例示するが、その体積効率の測定又は推定方法は、必ずしもかかる態様に限定するものではない。
また、本実施例1のECU13のメモリ装置には、その体積効率実測値との比較対象たる体積効率基準値が図2に示す体積効率特性マップとして記憶されている。この体積効率特性マップは、縦軸を吸気圧Pin、横軸を機関回転数Neとし、その吸気圧Pinと機関回転数Neに応じた体積効率基準値を表したものである。
尚、このガス漏れ判定手段13aにおけるガス漏れ判定の方法は、必ずしも本実施例1の態様に限定するものではなく、例えば従来より周知の方法等の何れの態様のものを用いてもよい。
続いて、本実施例1のガス漏れ原因特定手段13bについて説明する。
先ず、このガス漏れ原因特定手段13bには、クランクケース内の状態変化量を検出する機能と、この検出された状態変化量が所定値を超えているか否かを判定する機能と、その所定値を超えていればピストンリング5aの不具合が原因でガス漏れが発生していると判断するピストンリング不良判別機能とが設けられている。
ここで、ピストンリング5aに張力不足等の不具合が生じている場合、燃焼ガスはクランクケース内に流入する。そして、その燃焼ガスがクランクケース内に漏れ入ると、正常な状態に対してクランクケースの内圧が上昇する。これが為、そのクランクケース内圧の変化を見ることで、ガス漏れの原因がピストンリング5a不良によるものであるか否かを判断することができる。
そこで、本実施例1のガス漏れ原因特定手段13bには、ピストンリング不良を特定する為の上記各機能として、クランクケース内圧センサ14からクランクケース内圧実測値を測定する機能と、このクランクケース内圧実測値が所定値(ここではECU13のメモリ装置に記憶されているクランクケース内圧基準値)を超えているか否かを判定する機能と、その所定値を超えていればピストンリング5aの不具合が原因でガス漏れが発生していると判断する機能とが設けられている。
また、このガス漏れ原因特定手段13bには、ガス漏れの原因がピストンリング5a不良でない(クランクケース内圧実測値が所定値を超えていない)場合に、他のガス漏れ箇所の特定を行う機能が設けられている。
ピストンリング5a以外のガス漏れ発生の原因としては、吸気弁8の閉弁不良やヘッドガスケット2の抜けが考えられる。ここで、吸気弁8の閉弁不良は主としてカーボン等のデポジットの堆積により発生するので、機関の運転状態に影響されること無く、高負荷運転時であろうが低負荷運転時であろうが、吸気弁8が閉弁不良になっていればガス漏れは発生する。これに対して、一般にヘッドガスケット2はメタルガスケットであり、シリンダヘッド1とシリンダブロック3との間の締結力も高いので、ヘッドガスケット2部分からのガス漏れは、筒内圧の低いアイドリング運転時等の軽負荷運転時には殆ど発生しない。
そこで、軽負荷運転時における燃焼室内の体積効率の変化を見ることで、ガス漏れが吸気弁8の閉弁不良によるものであるのか、ヘッドガスケット2の抜けによるものであるのかを特定することができる。これが為、本実施例1のガス漏れ原因特定手段13bには、軽負荷運転時に体積効率が低下していれば、吸気弁8の閉弁不良によりガス漏れが発生していると判断し、軽負荷運転時に体積効率が低下していなければ、ヘッドガスケット2の抜けによりガス漏れが発生していると判断する吸気弁閉弁不良/ヘッドガスケット抜け判別機能が設けられている。
更に、本実施例1のECU13には、ガス漏れの発生している気筒を特定するガス漏れ気筒特定手段13dが設けられている。
ここで、各気筒の圧縮工程においては圧縮仕事が行われるので、ピストン5が圧縮上死点(圧縮TDC)に近づくにつれてクランク角速度が低下する。仮に、何れの気筒においてもガス漏れが無ければ各気筒とも同様の低下代でクランク角速度が低下するが、何れかの気筒でガス漏れが生じていれば、その気筒における圧縮工程のクランク角速度の低下代は小さくなる。
そこで、本実施例1のガス漏れ気筒特定手段13dには、クランク角センサ15の出力信号からクランク角速度の変化を検出する機能と、各気筒の圧縮工程におけるクランク角速度の低下代を比較する機能と、他の気筒に対してクランク角速度の低下代が小さい気筒をガス漏れ発生気筒と特定する機能とが設けられている。
また、本実施例1のガス漏れ気筒特定手段13dは、モータリング(減速)時にガス漏れ気筒特定処理を行う。これにより、燃焼時の他の要因(燃料噴射量,燃焼の気筒間バラツキやサイクル間バラツキ等)による影響を受けないので、容易且つ正確にガス漏れ発生気筒の特定を行うことが可能になる。
ここで、このガス漏れ気筒特定手段13dは、各気筒のクランク角速度の低下代を比較し、かかる比較結果によってガス漏れ発生気筒の特定を行うものとして例示しているが、必ずしもかかる態様に限定するものではない。例えば、予めメモリ装置に通常(正常状態)のモータリング(減速)時におけるクランク角速度変化マップ(例えば後述する図5の細線)を用意しておく。そして、このクランク角速度変化マップと検出したクランク角速度変化を比較して、検出した圧縮工程におけるクランク角速度の低下代がクランク角速度変化マップ上の低下代よりも小さい気筒をガス漏れ発生気筒と特定するようにしてもよい。
更に、本実施例1のECU13には、上記ガス漏れ原因特定手段13bにより特定された不具合箇所に応じて待避運転を行わせるフェイルセーフ手段13eが設けられている。
このフェイルセーフ手段13eは、ピストンリング5aの不具合又は吸気弁8の閉弁不良を原因とする場合のフェイルセーフ処理と、ヘッドガスケット2の抜けを原因とする場合のフェイルセーフ処理とに大別される。
先ず、ピストンリング5aの不具合又は吸気弁8の閉弁不良の場合のフェイルセーフ処理機能として、フェイルセーフ手段13eには燃料噴射量を制限する機能が設けられている。
ここで、かかる処理機能は、ガス漏れ発生気筒が特定できていなければ、各気筒における燃料噴射量を減量させる処理を行って、不具合の進行を抑制した待避運転を行わせる。しかしながら、かかる処理をガス漏れの無い正常な気筒についても行うと、出力低下等の性能の低下を招来してしまう。そこで、かかる処理機能は、ガス漏れ発生気筒が特定できた場合にはその気筒のみ燃料噴射量の減量又は燃料カットを行うことで、性能低下を最小限に抑えた待避運転を可能にしている。
また、ヘッドガスケット抜けの場合のフェイルセーフ処理機能として、フェイルセーフ手段13eには最大筒内圧Pmaxを制限する機能が設けられている。
かかる処理機能は、ヘッドガスケット抜けの生じない許容最大筒内圧を設定する機能と、この許容最大筒内圧を超えることなく運転させる機能とを有しており、通常の燃焼制御で許容最大筒内圧を超えなければ、その燃焼制御での運転を行わせる。
しかしながら、通常の燃焼制御では許容最大筒内圧を超えてしまう場合、かかる処理機能は、各気筒における最大筒内圧Pmaxを抑制する燃焼制御を行う。例えば、最大筒内圧Pmaxを抑制する為の燃焼制御としては、点火時期遅角制御,燃料噴射時期遅角制御,燃料噴射量の減量制御や吸気量の減量制御等が行われる。また、過給機を具備する内燃機関であれば、過給圧を低下させることによって最大筒内圧Pmaxを抑制する。
ここで、かかる処理をガス漏れの無い正常な気筒についても行うと、出力低下等の性能の低下を招来してしまう。そこで、かかる処理機能は、ガス漏れ発生気筒が特定できた場合にはその気筒のみの最大筒内圧Pmaxを抑制することで、性能低下を最小限に抑えた待避運転を可能にしている。
また、ヘッドガスケット抜けによりガス漏れが発生すると、燃焼ガスがシリンダヘッド1やシリンダブロック3の冷却水流路(図示略)に混入し、これにより局部的に冷却能力が悪化してオーバーヒートに至る虞がある。そこで、本実施例1のフェイルセーフ手段13eには、一時的に冷却水の流量を増量させる機能も設けられている。
次に、本実施例1における内燃機関のガス漏れ判定処理動作,ガス漏れ原因特定処理動作,ガス漏れ気筒特定処理動作及び待避運転処理動作について図3,図4及び図6のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ECU13のガス漏れ判定手段13aは、図3に示す如く、燃焼室からのガス漏れ有無を判定する(ステップST1)。
かかる判定の際、本実施例1のガス漏れ判定手段13aは、体積効率測定/推定手段13cに対してエアフローメータ10の出力信号に基づいた体積効率の測定又は推定を行わせると共に、その測定又は推定時における吸気圧Pin(吸気圧センサ12の出力信号から取得)と機関回転数Ne(クランク角センサ15の出力信号から取得)とに基づいて、前述した図2に示す体積効率特性マップから体積効率基準値を取得する。
そして、このガス漏れ判定手段13aは、その体積効率基準値と体積効率測定/推定手段13cが求めた体積効率実測値とを比較してガス漏れ有無の判定を行う。例えば、本実施例1にあっては、体積効率実測値が体積効率基準値の所定割合(例えば80%)以下になったときにガス漏れが発生したと判定する。
このガス漏れ判定手段13aは、上記ステップST1にてガス漏れ無しと判定した場合にはこのステップST1の処理を繰り返し、ガス漏れ有りと判定した場合にはガス漏れ原因特定手段13bに処理を渡す。
このガス漏れ原因特定手段13bは、先ずクランクケース内圧センサ14の出力信号から得たクランクケース内圧実測値と、ECU13のメモリ装置に記憶されているクランクケース内圧基準値とを比較し、クランクケース内圧が上昇しているか否かを判定する(ステップST2)。
ここで、クランクケース内圧が上昇していれば、ガス漏れ原因特定手段13bは、ピストンリング5aの不具合がガス漏れの原因であると判断する(ステップST3)。
また、上記ステップST2にてクランクケース内圧の上昇が無ければ、次にガス漏れ原因特定手段13bは、軽負荷運転時において体積効率が低下しているか否かを判定する(ステップST4)。
かかる判定の際、本実施例1のガス漏れ原因特定手段13bは、軽負荷運転時(より好ましくはアイドル運転時)に体積効率測定/推定手段13cに対してエアフローメータ10の出力信号に基づいた体積効率の測定又は推定を行わせると共に、その測定又は推定時における吸気圧Pin(吸気圧センサ12の出力信号から取得)と機関回転数Ne(クランク角センサ15の出力信号から取得)とに基づいて図2に示す体積効率特性マップから体積効率基準値を取得する。そして、このガス漏れ原因特定手段13bは、その体積効率基準値(所定値)に対して体積効率測定/推定手段13cにより求められた体積効率実測値が低下しているか否かを判定する。
このステップST4にて体積効率の低下が見られれば、このガス漏れ原因特定手段13bは、吸気弁8の閉弁不良がガス漏れの原因であると判断する(ステップST5)。
また、上記ステップST4にて体積効率が低下していなければ、このガス漏れ原因特定手段13bは、ヘッドガスケット2の抜けがガス漏れの原因であると判断する(ステップST6)。
ここで、ヘッドガスケット2の抜けがガス漏れの原因である場合、ECU13のフェイルセーフ手段13eは、ウォーターポンプ(図示略)に対して冷却水流量の増量指令を送る(ステップST7)。これにより、ウォーターポンプが冷却水流量を増量させるので、シリンダヘッド1やシリンダブロック3の冷却水流路に燃焼ガスが混入したとしても冷却能力が向上してオーバーヒートを防ぐことができ、内燃機関の破損等の重大な不具合を回避することが可能になる。
以上の如くしてガス漏れ原因の特定が為されると、次に、ECU13のガス漏れ気筒特定手段13dによりガス漏れの発生している気筒の特定処理が行われる(ステップST8)。このガス漏れ気筒特定処理について、図4のフローチャートを用いて詳述する。
先ず、このガス漏れ気筒特定手段13dは、モータリング(減速)時において、ECU13に入力されたクランク角センサ15の出力信号からクランク角速度の変化を検出する(ステップST8A)。例えば、本実施例1の内燃機関が直列4気筒であった場合のそのクランク角速度の変化を図5に示す。
そして、このガス漏れ気筒特定手段13dは、各気筒(#1気筒〜#4気筒)における圧縮工程のクランク角速度の低下代F#1〜F#4を比較する(ステップST8B)。例えば、本実施例1にあっては、ある気筒(ここでは#4気筒)におけるクランク角速度の低下代F#4が他の気筒(#1気筒〜#3気筒)における低下代F#1〜F#3の所定割合(例えば95%)以下であるか否かを判定する。
ここで、所定割合以下でないとの判定結果(図5の細線)であれば、その気筒(#4気筒)からのガス漏れはないと判断され(ステップST8C)、所定割合以下との判定結果(図5の太線)であれば、その気筒(#4気筒)においてガス漏れが発生していると判断される(ステップST8D)。
このガス漏れ気筒特定手段13dは、上記ステップST8B〜ST8Dまでの処理を全ての気筒に対して行い、ガス漏れ気筒の特定を行う。尚、かかる判定においては上記の所定割合の設定値如何でガス漏れ発生気筒の特定ができない場合もあるが、その場合には特定不能として下記のステップST9に進ませてもよい。
続いて、ECU13のフェイルセーフ手段13eは、ガス漏れ発生箇所に応じたフェイルセーフ処理を行う(ステップST9)。
具体的に、このフェイルセーフ手段13eは、図6に示す如く、ガス漏れがピストンリング5aの不具合又は吸気弁8の閉弁不良により発生しており(ステップST9A)、ガス漏れ発生気筒が特定されているのであれば(ステップST9B)、そのガス漏れ発生気筒の燃料噴射弁(図示略)に対して燃料噴射量の減量指令又は燃料カット指令を送る(ステップST9C)。これにより、ガス漏れ発生気筒における燃料が減量又はカットされた待避運転が行われる。
このように、ここではステップST8にてガス漏れ発生気筒が特定されているので、その気筒のみを制御することで性能低下を最小限に抑えた待避運転が可能であるが、仮にステップST8にてガス漏れ発生気筒の特定ができなかった場合には、フェイルセーフ手段13eは、各気筒に対して燃料噴射量の減量制御を行う(ステップST9D)。
また、このフェイルセーフ手段13eは、ガス漏れがヘッドガスケット抜けにより発生しているのであれば(ステップST9A)、ヘッドガスケット抜けが生じない許容最大筒内圧を設定する(ステップST9E)。
ここで、通常の燃焼制御で許容最大筒内圧を超えないのであれば、フェイルセーフ手段13eによる制御は行われないが(ステップST9F)、通常の燃焼制御で許容最大筒内圧を超えてしまう場合、フェイルセーフ手段13eは、ガス漏れ発生気筒が特定されているのであれば(ステップST9G)、少なくともその許容最大筒内圧を超えることなく運転するように、そのガス漏れ発生気筒の点火時期や燃料噴射時期を遅角制御する等して最大筒内圧を抑える(ステップST9H)。
このように、ここではステップST8にてガス漏れ発生気筒が特定されているので、その気筒のみを制御することで性能低下を最小限に抑えた待避運転が可能であるが、仮にステップST8にてガス漏れ発生気筒の特定ができなかった場合には、フェイルセーフ手段13eは、各気筒の点火時期や燃料噴射時期を遅角制御する等して最大筒内圧Pmaxを抑える(ステップST9I)。
以上示した如く、本実施例1によればガス漏れの原因を特定することができ、これにより、その原因に応じたガス漏れを抑制し得る待避運転が可能となる。また、ガス漏れの発生している気筒を特定することができるので、その気筒のみに対してフェイルセーフ処理を行うことができる。これが為、ガス漏れの無い気筒に対しては通常の燃焼制御を行うことができるので、出力低下等の性能低下という弊害を招来することのない待避運転が可能となる。
ここで、ガス漏れ発生気筒の特定処理をモータリング(減速)時に行うことで、燃料噴射量,燃焼の気筒間バラツキやサイクル間バラツキ等の燃焼時における他の要因による影響を受けなくなり、容易且つ正確にガス漏れ発生気筒を特定することができる。
更に、エアフローメータ10,吸気圧センサ12やクランク角センサ15等の各種センサは一般的な内燃機関において既に具備されているものであり、吸気弁8の閉弁不良によるガス漏れとヘッドガスケット2の抜けによるガス漏れについては新たなセンサ等の部品を追加せずとも特定することができる。また、同様に、ガス漏れ発生気筒の特定処理についても新たなセンサ等の部品を追加せずともよい。このことから、本実施例1に係る内燃機関は、部品点数や製造原価を増加させない簡易且つ安価な構成で上記の如き効果を奏することが可能となる。
また、ピストンリング5aの不具合によるガス漏れについてはクランクケース内圧センサ14を設ける必要があるが、このクランクケース内圧センサ14としては一般に利用されている圧力センサを流用することができるので、製造原価の増加を最小限に抑えることが可能となる。
次に、本発明に係る内燃機関の実施例2について説明する。
本実施例2の内燃機関は、前述した実施例1の内燃機関における吸気圧センサ12とクランクケース内圧センサ14の双方の役割を一つの圧力センサに担わせた点が実施例1とは異なる。
かかる相違点を実現する為に、本実施例2の内燃機関は、図7に示す如く、吸気流路11におけるエアフローメータ10の下流側に当該吸気流路11内と連通する第1連通管16aを備えると共に、クランクケース内と連通する第2連通管16bを備え、更に、連通管切換え弁17を介して第1及び第2の連通管16a,16bに接続された圧力センサ18を備えている。
その連通管切換え弁17は、ECU13の切換え制御によって、第1又は第2の連通管16a,16bの何れか一方の圧(吸気圧又はクランクケース内圧)を圧力センサ18に導くものである。
本実施例2の内燃機関は、かかる構成により、一つの圧力センサ18を必要に応じて吸気圧センサ又はクランクケース内圧センサとして使用することができる。
これが為、吸気圧を測定する際には、ECU13により連通管切換え弁17が第1連通管16aを開弁させるが如く切り替えられ、クランクケース内圧を測定する際には、ECU13により連通管切換え弁17が第2連通管16bを開弁させるが如く切り替えられる。
ここで、かかる構成を備えた本実施例2の内燃機関における各種処理動作については、吸気圧又はクランクケース内圧を測定する際に連通管切換え弁17の切換え動作が行われること以外、基本的に前述した実施例1の図3,図4及び図6のフローチャートに示すものと同じであり、また、その効果についても同様であるので、ここでの説明は省略する。
以上のように、本発明に係る内燃機関は、ガス漏れ原因の特定に有用であり、特に、その原因に応じた待避運転を実現するのに適している。
本発明に係る内燃機関の実施例1の構成を示す図である。 体積効率特性マップの一例を示す図である。 本発明に係る内燃機関におけるガス漏れ判定処理動作,ガス漏れ原因特定処理動作,ガス漏れ気筒特定処理動作及び待避運転処理動作について説明するフローチャートである。 図3に示すガス漏れ気筒特定処理動作について詳述するフローチャートである。 モータリング(減速)時におけるクランク角速度の変化の一例を示す図である。 図3に示す待避運転処理動作について詳述するフローチャートである。 本発明に係る内燃機関の実施例2の構成を示す図である。
符号の説明
1 シリンダヘッド
2 ヘッドガスケット
3 シリンダブロック
4 クランクケースカバー
5 ピストン
5a ピストンリング
7 クランクシャフト
8 吸気弁
10 エアフローメータ
11 吸気流路
12 吸気圧センサ
13 電子制御ユニット(ECU)
13a ガス漏れ判定手段
13b ガス漏れ原因特定手段
13c 体積効率測定/推定手段
13d ガス漏れ気筒特定手段
13e フェイルセーフ手段
14 クランクケース内圧センサ
15 クランク角センサ
16a 第1連通管
16b 第2連通管
17 連通管切換え弁
18 圧力センサ

Claims (3)

  1. 燃焼室からのガス漏れ有無を判定するガス漏れ判定手段と、前記ガス漏れの原因を特定するガス漏れ原因特定手段と、前記燃焼室内における吸入空気の体積効率を測定又は推定する体積効率測定/推定手段とを備え、
    前記ガス漏れ原因特定手段に、
    検出したクランクケース内の状態値が所定値を超えていればピストンリングの不具合が原因でガス漏れが発生していると判断するピストンリング不良判別機能と、
    前記体積効率測定/推定手段により軽負荷運転時に測定又は推定された体積効率実測値と所定値とを比較して、該体積効率実測値が所定値に対して低下していれば吸気弁の閉弁不良が原因でガス漏れが発生していると判断し、該体積効率実測値が所定値に対して低下していなければヘッドガスケットの抜けが原因でガス漏れが発生していると判断する吸気弁閉弁不良/ヘッドガスケット抜け判別機能と、
    を設けたことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記ピストンリング不良判別機能が判断時に用いる前記クランクケース内の状態値は、該クランクケース内の圧力値であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
  3. 前記体積効率測定/推定手段が体積効率実測値を測定又は推定する際の軽負荷運転時とは、アイドル運転時のことである請求項1又は2に記載の内燃機関。
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