JP6593382B2 - エンジンの制御方法及びエンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの制御方法及びエンジンの制御装置に関し、特に、エンジンにおける吸排気バルブとバルブシートとの間でのデポジット噛み込みを検出するための技術に関する。
エンジンは、燃焼室内に燃料と空気とを送り込み、燃焼室内で生じる燃焼により駆動される。エンジンにおいては、吸気バルブとバルブシートとの間にデポジットが噛み込むことがある。例えば、特許文献1には、吸気通路に付着したデポジットが何らかの拍子に剥がれ、燃焼室方向に流れ、吸気バルブとバルブシートの間に噛み込むことがあるとの記載がなされている。
吸気バルブとバルブシートとの間にデポジットが噛み込んだ場合には、圧縮漏れを起こすことになる。圧縮漏れは、着火不良の原因となる。このため、吸気バルブとバルブシートとの間へのデポジットの噛み込みによる圧縮漏れを検出する方法の開発が要望されている。
特許文献2には、デポジットの噛み込みによる圧縮漏れを検出するための方法が開示されている。特許文献2には、着火始動時に初爆の後に燃焼が行われるサイクルにおいて、圧縮端でのクランク角度に基づいて圧縮漏れを検出する方法が開示されている。
特開2015−117661号公報 特開2015−166554号公報 特開2011−236826号公報
しかしながら、特許文献2に開示の技術は、エンジン始動時の2サイクル目とエンジン回転数が比較的低い状態で圧縮漏れを検出するものであるので、車両の走行中に高い確率で生じると考えられるデポジットの噛み込みを検出することが難しく、また、エンジンを停止させた場合に、再始動させることが非常に難しくなるおそれがある。
即ち、エンジンを停止させた後の再始動性を担保するためには、車両の走行中において、微小なデポジットでも検出することが必要であるが、特許文献2に開示の技術では困難である。
なお、上記では、吸気バルブとバルブシートとの間へのデポジットの噛み込みに起因する圧縮漏れについて説明したが、排気バルブとバルブシートとの間にデポジットが噛み込んだ場合にも上記同様の問題が生じることとなる。
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、車両の走行中において、吸排気バルブとバルブシートとの間へのデポジットの噛み込みを高精度に検出することができるエンジンの制御方法及びエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るエンジンの制御方法は、車両のエンジンの制御方法において、前記エンジンへの吸気圧に係る情報を取得する吸気圧情報取得ステップと、車両走行中にクランク角センサからのクランク角速度情報に基づき、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方と、バルブシートとの間へのデポジットの噛み込みの有無を推定するデポジット付着推定ステップと、前記デポジット付着推定ステップにおいてデポジットの噛み込み有りと推定されたときに、前記デポジットを除去するための動作を開始するデポジット除去ステップと、を備え、前記デポジット付着推定ステップは、前記クランク角センサからのクランク角速度情報に基づき、前記エンジンにおける圧縮行程中又は当該圧縮工程からその直後の膨張行程に跨った第1クランク角範囲の通過に要する第1通過時間を算出する第1通過時間算出サブステップと、前記クランク角センサからのクランク角速度情報に基づき、前記エンジンにおける前記圧縮行程直後の膨張行程でのクランク角範囲であって第1クランク角範囲と同角度の第2クランク角範囲の通過に要する第2通過時間を算出する第2通過時間算出サブステップと、前記第1通過時間の前記第2通過時間に対する比を算出するクランク角速度比算出サブステップと、前記吸気圧に係る情報に基づき、クランク角速度比に関する閾値であって1を超える所定の閾値を設定する閾値設定サブステップと、前記クランク角速度比算出サブステップで算出した前記第1通過時間の前記第2通過時間に対する比が、前記閾値設定サブステップで設定した前記閾値以下である場合に、圧縮漏れがあるとしてこれをデポジットの噛み込み有りと推定する一方、前記比が前記閾値を超える場合に、デポジットの噛み込み無しと推定する推定サブステップと、を有し、前記閾値設定サブステップでは、吸気圧と前記閾値との関係を予め定めたデータであって吸気圧が相対的に高くなるほど前記閾値の値が一次関数的に相対的に大きくなるように設定されたデータに基づき、現在の吸気圧から前記閾値を特定前記デポジット除去ステップにおける前記動作は、デポジットを除去可能な気筒内圧力が得られるように、前記エンジンの吸気通路に設けられた吸気シャッターバルブの開度を、デポジットの噛み込み有りと推定される以前よりも増加させて吸気圧力を高める動作である。
上記態様に係るエンジンの制御方法では、デポジット付着推定ステップにおいて、クランク角センサからのクランク角速度情報に基づいてデポジットの噛み込みの有無を推定するので、高い精度でのデポジットの噛み込み有無の推定が実行できる。即ち、気筒内に設けた圧力センサからの圧力情報に基づきデポジットの噛み込みの有無を推定する場合などに比べて、上記態様に係るエンジンの制御方法では、微小なデポジットが噛み込んだ場合にも高い精度での推定が可能である。
特に、第1通過時間と第2通過時間との比(クランク角速度比)に基づき、デポジットの噛み込みの有無を推定するので、エンジンの回転数が高い状態であっても高い精度でデポジットの噛み込み有無を推定することができる。
また、上記態様に係るエンジンの制御方法では、クランク角速度情報に加え、吸気圧に係る情報に基づいてデポジットの付着の有無(噛み込みの有無)を推定するので、高い精度でのデポジットの噛み込みの有無を推定することができる。即ち、車両が走行している場所の標高に応じた吸気圧の変動により、同一の吸気シャッターバルブ開度又は同一の吸気バルブリフト量であっても筒内圧が変動し、クランク角センサで検出されるクランク角速度は変化するが、上記態様では、吸気圧に係る情報も用いてデポジットの噛み込みの有無を推定するので、吸気圧の変化の影響を取り除くことができ、微小なデポジットの噛み込み有無についても高い精度で推定することができる。
ここで、微小量のデポジットの有無を推定することができれば、早期にデポジット除去を実行することにより、圧縮漏れによる着火不良を未然に防ぐことができる。このような微小なデポジットを車両の走行中に推定する際、吸気圧の変化によるノイズ成分を除去することができ、優れた推定が実行できる。
従って、上記態様に係るエンジンの制御方法は、車両の走行中において、吸排気バルブとバルブシートとの間へのデポジットの噛み込みの有無を高精度に推定することができる。
しかも、車両の走行中において、気筒内圧力の増大によりデポジットの除去を行うことができるので、これより、圧縮漏れによる着火不良を抑制することができ、また、エンジンの良好な再始動性を確保することができる。
本発明の別態様に係るエンジンの制御方法は、上記態様において、燃料噴射弁の開閉動作を実行する噴射弁開閉ステップをさらに備え、前記デポジット付着推定ステップでは、前記噴射弁開閉ステップにおいて、前記燃料噴射弁の閉状態が継続中であるときに取得した前記クランク角速度情報を用い、前記デポジットの噛み込みの有無を推定する。
上記態様に係るエンジンの制御方法では、燃料噴射弁の閉状態が継続している期間中に取得したクランク角速度情報を用いてデポジットの噛み込みの有無を推定するので、燃焼によるトルク変動の影響を受けず、微小量のデポジットであっても高い精度で推定することができる。ここで、微小量のデポジットの噛み込みの有無を推定することができれば、早期にデポジット除去を実行することにより、圧縮漏れによる着火不良を未然に防ぐことができる。このような微小量のデポジットを車両の走行中に推定するためには、燃焼によるトルク変動の影響を抑えるか無くすことが重要となる。この点において、上記態様に係るエンジンの制御方法は、優れている
た、本発明の別態様に係るエンジンの制御方法は、上記態様において、アクセルオフに伴うフューエルカット中か否かを判定するフューエルカット判定ステップをさらに備え、前記デポジット付着推定ステップは、フューエルカット中であると判定されたときに実行される
本発明の一態様に係るエンジンの制御装置は、車両のエンジンの制御装置において、
前記エンジンへの吸気圧を検出する吸気圧センサと、前記エンジンのクランク角速度を検出するクランク角センサと、車両走行中に、前記吸気圧センサからの前記吸気圧に係る情報、及び前記クランク角センサからの前記クランク角速度に係る情報を受けて、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方と、バルブシートとの間へのデポジットの噛み込みの有無を推定する推定処理を実行するとともに、デポジットの噛み込み有りと推定されたときに、前記デポジットを除去するためのデポジット除去処理を実行する制御部と、を備え、前記推定処理は、前記クランク角センサからのクランク角速度情報に基づき、前記エンジンにおける圧縮行程中又は当該圧縮工程からその直後の膨張行程に跨った第1クランク角範囲の通過に要する第1通過時間を算出する第1通過時間算出処理と、前記クランク角センサからのクランク角速度情報に基づき、前記エンジンにおける前記圧縮行程直後の膨張行程でのクランク角範囲であって第1クランク角範囲と同角度の第2クランク角範囲の通過に要する第2通過時間を算出する第2通過時間算出処理と、前記第1通過時間の前記第2通過時間に対する比を算出するクランク角速度比算出処理と、前記吸気圧に係る情報に基づき、クランク角速度比に関する閾値であって1を超える所定の閾値を設定する閾値設定処理と、前記クランク角速度比算出サブステップで算出した前記第1通過時間の前記第2通過時間に対する比が、前記閾値設定サブステップで設定した前記閾値以下である場合に、圧縮漏れがあるとしてこれをデポジットの噛み込み有りと推定する一方、前記比が前記閾値を超える場合に、デポジットの噛み込み無しと推定する推定サブ処理と、を含み、前記閾値設定処理は、吸気圧と前記閾値との関係を予め定めたデータであって吸気圧が相対的に高くなるほど前記閾値の値が一次関数的に相対的に大きくなるように設定されたデータに基づき、現在の吸気圧から前記閾値を特定する処理であ前記デポジット除去処理は、デポジットを除去可能な気筒内圧力が得られるように、前記エンジンの排気通路と吸気通路とを繋ぐEGR通路に設けられたEGRバルブの開度を、デポジットの噛み込み有りと推定される以前よりも減少させて吸気圧力を高める制御である。
上記態様に係るエンジンの制御装置では、制御部は、クランク角センサからのクランク角速度情報に基づいてデポジットの噛み込みの有無を推定するので、高い精度でのデポジットの噛み込み有無の推定が実行できる。即ち、気筒内に設けた圧力センサからの圧力情報に基づきデポジットの噛み込みの有無を推定する場合などに比べて、上記態様に係るエンジンの制御装置では、微小なデポジットが噛み込んだ場合にも高い精度での推定が可能である。
特に、制御部は、第1通過時間と第2通過時間との比(クランク角速度比)に基づき、デポジットの噛み込みの有無を推定するので、エンジンの回転数が高い状態であっても高い精度を以ってデポジットの噛み込みの有無を推定することができる。
また、上記態様に係るエンジンの制御装置では、制御部は、クランク角速度情報、及び吸気圧に係る情報に基づいてデポジットの付着の有無(噛み込みの有無)を推定するので、高い精度でのデポジットの噛み込みの有無を推定することができる。即ち、吸気圧の変動により、筒内圧も変動し、クランク角センサで検出されるクランク角速度は変化するが、上記態様において、制御部は、吸気圧に係る情報も用いてデポジットの噛み込みの有無を推定するので、吸気圧の変化の影響を取り除くことができ、微小なデポジットの噛み込み有無についても高い精度で推定することができる。
ここで、微小量のデポジットの有無を推定することができれば、早期にデポジット除去を実行することにより、圧縮漏れによる着火不良を未然に防ぐことができる。このような微小なデポジットを車両の走行中に検出する際、吸気圧の変化によるノイズ成分を除去することができ、優れた推定が実行できる。
従って、上記態様に係るエンジンの制御装置は、車両の走行中において、吸排気バルブとバルブシートとの間へのデポジットの噛み込みの有無を高精度に推定することができる。
また、車両の走行中において、気筒内圧力の増大によりデポジットの除去を行うこととしているので、着火不良を抑制することができ、また、エンジンの良好な再始動性を確保することができる。
本発明の別態様に係るエンジンの制御装置は、上記態様において、開閉動作により前記エンジンの燃焼室への燃料噴射量を調節する燃料噴射弁を、さらに備え、前記制御部は、前記燃料噴射弁の閉状態が継続中であるときに取得した前記クランク角速度に係る情報を用い、前記デポジットの噛み込みの有無の推定を実行する。
上記態様に係るエンジンの制御装置では、制御部は、燃料噴射弁の閉状態が継続している期間中に取得したクランク角速度情報を用いてデポジットの噛み込みの有無を推定するので、燃焼によるトルク変動の影響を受けず、微小量のデポジットであっても高い精度で推定することができる
た、本発明の別態様に係るエンジンの制御装置は、上記態様において、前記制御部は、アクセルオフに伴うフューエルカット中か否かを判定するフューエルカット判定処理を実行するとともに、フューエルカット中であると判定されたときに前記推定処理を開始するものである
上記の各態様では、車両の走行中において、吸排気バルブとバルブシートとの間へのデポジットの噛み込みを高精度に検出することができる。
実施形態1に係るエンジン1の構成とPCM2とを示す模式図である。 制御システムの構成を示す模式図である。 エンジン本体10の一部構成を示す模式断面図である。 クランクプレート19の構成を示す模式斜視図である。 クランク角センサSNS1から入力されるパルス信号をクランク角の変化軸上で示す図である。 PCM2が実行するデポジット付着判定及びデポジット除去の各制御方法を示すフローチャートである。 車両が低地を走行する場合における、デポジット付着判定方法を示すタイミングチャートである。 車両が高地を走行する場合における、デポジット付着判定方法を示すタイミングチャートである。 吸気圧PINとクランク角速度比閾値RAthとの関係を示す特性図である。 実施形態2に係るエンジンにおける、吸気圧PINとクランク角速度比閾値RAthとの関係を示す特性図である。
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一態様であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
[実施形態1]
1.エンジン1の全体構成
本実施形態に係るエンジン1の全体構成について、図1を用い説明する。
図1に示すように、エンジン1は、エンジン本体10を備える。本実施形態において、エンジン本体10として多気筒(例えば、4気筒)のディーゼルエンジンを採用している。エンジン本体10は、複数の気筒11aを有するシリンダブロック11と、当該シリンダブロック11上に配設されたシリンダヘッド12と、シリンダブロック11下に配設されたオイルパン13と、を有している。なお、図1では、エンジン本体10における複数の気筒11aの内、1つの気筒11aのみを図示している。
エンジン本体11の各気筒11aには、ピストン14が上下方向に往復動可能なように設けられている。そして、各ピストン14の冠面には、下方に向けて凹入したキャビティが形成されている。
各ピストン14は、下部において、コンロッド14bを介してクランクシャフト15に連結されている。クランクシャフト15は、各ピストン14の上下方向への往復動により、図1の紙面に垂直な方向に延伸する中心軸回りに回転する。
クランクシャフト15には、当該クランクシャフト15と一体に回転するクランクプレート19が取り付けられている。そして、エンジン本体10には、クランクプレート19の回転角を検出するためのクランク角センサ(エンジン回転数センサ)SNS1が設けられている。これらについては、後述する。
シリンダヘッド12には、各気筒11aの燃焼室14aに開口する吸気ポート16及び排気ポート17が形成されている。また、シリンダヘッド12には、吸気ポート16の開閉を行う吸気バルブ21と、排気ポート17の開閉を行う排気バルブ22と、が設けられている。
また、シリンダヘッド12には、燃焼室14aに対して燃料を噴射するインジェクタ18が各気筒11aごとに設けられている。本実施形態では、エンジン本体10としてディーゼルエンジンを採用しているので、インジェクタ18からは、燃焼室14aに対して軽油を主成分とする燃料が噴射される。
インジェクタ18は、その先端に備わる噴口(燃料の噴射口)がピストン14の冠面のキャビティに臨むように配置されており、圧縮上死点(圧縮行程の終了点)の前後にわたる所定の期間中のタイミングに、燃焼室14aに対して燃料を噴射する。
図1に示すように、エンジン本体10の吸気ポート16には、吸気通路30が接続されている。また、エンジン本体10の排気ポート17には、排気通路40が接続されている。吸気通路30及び排気通路40は、それぞれエンジン本体10の側壁部分に接合されている。
エンジン本体10の燃焼室14aに対しては、外部から取り込まれた吸入空気が吸気通路30及び吸気ポート16を通して導入される。また、燃焼室14aからは、当該燃焼室14aで生成された燃焼ガス(排気ガス)が排気ポート17及び排気通路40を通して排出される。
吸気通路30中及び排気通路40中には、第1ターボ過給機61及び第2ターボ過給機62が介設されている。
第1ターボ過給機61は、吸気通路30中に配設されたコンプレッサ61aと、当該コンプレッサ61aと同軸で連結され、排気通路40中に配設されたタービン61bと、を有している。同様に、第2ターボ過給機62は、吸気通路30中に配設されたコンプレッサ62aと、当該コンプレッサ62aと同軸で連結され、排気通路40中に配設されたタービン62bと、を有している。
第1ターボ過給機61は、そのコンプレッサ61a及びタービン61bが、第2ターボ過給機62のコンプレッサ62a及びタービン62bよりも大きなサイズとなっている。即ち、吸気上流側に配置されている第1ターボ過給機61は、吸気下流側に配置されている第2ターボ過給機62よりも大型の過給機が採用されている。
第1ターボ過給機61及び第2ターボ過給機62は、排気エネルギーにより駆動され、吸入空気を圧縮する。即ち、エンジン1の運転中において、排気通路40を高温・高速の排気ガスが通過した場合には、その排気ガスのエネルギーにより各ターボ過給機61,62のタービン61b,62bが回転し、これにより同軸で連結されたコンプレッサ61a,62aが回転する。吸気通路30を通り導入される空気は、タービン61a,62aの回転に伴って圧縮されて高圧化される。そして、高圧化された空気がエンジン本体10の燃焼室14aへと送り込まれる。
吸気通路30は、吸気バイパス通路63を有している。吸気バイパス通路63は、第2ターボ過給機62のコンプレッサ62aをバイパスするための経路である。吸気バイパス通路63には、開閉可能な吸気バイパスバルブ63aが設けられている。
吸気通路30の上流端部には、エアクリーナー31が設けられている。エアクリーナー31は、吸気通路30に取り込む空気を濾過するものである。
吸気通路30には、第2ターボ過給機62よりも吸気下流側に、インタークーラー35及び吸気シャッターバルブ36が順に設けられている。インタークーラー35は、第1ターボ過給機61及び第2ターボ過給機62により圧縮された空気を冷却するためのものである。吸気シャッターバルブ36は、エンジン本体10の運転中には基本的に全開若しくはそれに近い開度に維持され、エンジン本体10の停止時等の必要時にのみ閉弁される。
吸気通路30は、吸気下流端部にサージタンク33を有する。なお、詳細な図示をしていないが、吸気通路30において、サージタンク33よりも吸気下流側は、気筒11aごとに分岐した独立通路となっており、各独立通路の下流端が各気筒11aの吸気ポート16にそれぞれ接続されている。
排気通路40は、第1排気バイパス通路65と、第2排気バイパス通路66と、を有する。第1排気バイパス通路65は、第2ターボ過給機62のタービン62bをバイパスするための通路である。第2排気バイパス通路66は、第1ターボ過給機61のタービン61bをバイパスするための通路である。
第1排気バイパス通路65には、開閉可能なレギュレートバルブ65aが設けられている。第2排気バイパス通路66には、同じく開閉可能なウェストゲートバルブ66aが設けられている。
排気通路40には、第1ターボ過給機61のタービン61bよりも排気下流側に排気浄化装置41が設けられている。排気浄化装置41よりも排気下流側には、図示を省略している排気サイレンサが設けられている。
排気浄化装置41は、DOC(Diesel Oxidation Catalyst)41aと、DPF(Diesel Particulate Filter)41bとの組み合わせにより構成されている。DOC41aとDPF41bとは、排気の流れ方向に直列に配置されており、DOC41aがDPF41bに対して排気上流側に配置されている。DOC41aは、通過する排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)を酸化するものであり、DPF41bは、通過する排気ガス中に含まれる煤等の粒子状物質を捕集するものである。
詳細な図示をしていないが、排気通路40において、第1排気バイパス通路65の排気上流側の分岐点よりも上流側は、排気マニホールドとなっている。排気マニホールドは、各気筒11aの排気ポート17に接続される独立通路部と、各独立通路部が集合する集合部とを含み構成されている。
吸気通路30におけるサージタンク30の吸気上流側の箇所と、排気通路40における第2ターボ過給機62のタービン62bの排気上流側の箇所と、の間には、EGR通路51が設けられている。EGR通路51には、当該EGR通路51内を流通するEGRガスを冷却するためのEGRクーラ52と、EGR通路51内のEGRガスの流通量(排気ガスの還流量)を調整するためのEGRバルブ51aが設けられている。
また、EGR通路51に対しては、EGRバイパス通路53が並列に設けられている。EGRバイパス通路53は、EGRクーラ52をバイパスするための通路であって、EGRバイパスバルブ53aが設けられている。
図1に示すように、エンジン1には、当該エンジン1から各種センサ情報を取得し、各バルブ等を制御するPCM(Powertrain Control Module)2が付設されている。PCM2は、CPU、メモリ、カウンタタイマ類、及びI/F等を有するマイクロプロセッサにより構成されている。
2.制御システム
本実施形態に係るエンジン1を制御するための制御システムについて、図2を用い説明する。
図2に示すように、エンジン1の制御部であるPCM2には、クランク角センサ(エンジン回転数センサ)SNS1からのクランク角速度情報、吸気圧センサSNS2からの吸気圧情報、車速センサSNS3からの車速情報、ブレーキ圧センサSNS4からのブレーキ圧情報、ギヤポジションセンサSNS5からのギヤポジション情報、水温センサSNS6からの水温情報、油圧センサSNS7からの油圧情報、吸気シャッターバルブポジションセンサSNS8からのシャッターバルブポジション情報、EGRバルブポジションセンサSNS9からのEGRバルブポジション情報を取得する。
なお、図2では、図示を省略しているが、PCM2は、アクセル開度に関する情報についても取得するようになっている。
PCM2は、取得した上記各センサ情報に基づいて、燃料噴射弁37の弁開度、吸気シャッターバルブ36の弁開度、トルクコンバータを含む変速機3、及びEGRバルブ51aを含むエンジン1の各種制御を実行する。
3.エンジン本体10における吸気バルブ21周りの構成
エンジン本体10における吸気バルブ21周りの構成について、図3を用い説明する。
図3に示すように、エンジン本体10の燃焼室14aに対しては、吸気ポート16と排気ポート17とが連通されている。吸気ポート16と燃焼室14aとの間には、その間の開閉を行う吸気バルブ21が設けられている。また、排気ポート17と燃焼室14aとの間には、その間の開閉を行う排気バルブ22が設けられている。
図3の拡大部分に示すように、吸気バルブ21は、弁体であるバルブ傘部21aと、軸体であるバルブ軸部21bとが一体形成されている。そして、吸気バルブ21が閉じた状態では、バルブ傘部21aの外周部がシリンダヘッド12のバルブシート12aに気密に当接することとなる。
ところで、吸気通路30の内壁面に付着したデポジットが、何らかの拍子に剥がれ、燃焼室14a方向に流れることがある。流れてきたデポジットは、その一部が吸気バルブ21のバルブ傘部21aとバルブシート12aとの間に噛み込むことが生じ得る。また、同様に、排気バルブ22とバルブシートとの間にデポジットが噛み込むことも生じ得る。
上記のように、吸気バルブ21や排気バルブ22とバルブシート12aとの間にデポジットが噛み込んだ場合には、圧縮漏れが生じ、着火不良の原因となる。そして、圧縮漏れが生じた状態でエンジンを停止した場合には、再始動が困難となる場合も生じ得る。
4.クランクプレート19の構成とクランク角速度情報の検出
クランクプレート19の構成とクランク角速度情報の検出について、図4及び図5を用い説明する。図4は、クランクプレート19の構成を示す模式斜視図である。図5は、クランク角センサSNS1から入力されるパルス信号をクランク角の変化軸上で示す図である。
先ず、図4に示すように、クランクプレート19は、円環状のプレートであって、クランクシャフト15と一体に軸芯Ax15回りに回転する。クランクプレート19の外周部分には、径方向外向きに複数の歯部19aが突出形成されている。ただし、周方向の一部には、歯部19aが形成されていない歯欠け部19bが設けられている(矢印Aで指し示す部分)。
なお、本実施形態に係るクランクプレート19においては、歯部19aが6°間隔で設けられている。即ち、クランク角センサSNS1が5つの歯部19aを検出することにより、クランクシャフト15が30°CAを検出することになる。
次に、図5に示すように、クランク角センサSNS1から入力されるパルス信号は、30°CAごとに、区間(クランク角範囲)Int1〜Int7,・・に区切られる。そして、各期間Int1〜Int7,・・の通過に要する時間T1〜T7,・・がPCM2で演算される。
なお、図5に示すように、本実施形態では、区間Int5中に圧縮上死点(TDC;Top Dead Center)が含まれている。また、図5では図示していないが、圧縮下死点(BDC;Bottom Dead Center)は、圧縮上死点TDCに対して180°CAずれた位置に設定されている。
ここで、PCM2において、燃料噴射量の算出は、区間Int1の終了タイミング(区間Int2の開始タイミング)で行われるようになっている。
また、吸気バルブ21や排気バルブ22とバルブシート12aとの間へのデポジットの噛み込みがなく、圧縮漏れがない状態では、圧縮上死点TDCを含む区間Int5の通過に要する時間T5は、その後の区間、例えば、区間Int7の通過に要する時間T7よりも長くなる。即ち、[数1]の関係を満たす。
[数1]T5>T7
これは、区間Int5においては、圧縮漏れがなく気筒11aの筒内圧が高くなるためにピストン14の上昇速度が遅くなることによるものである。
一方、吸気バルブ21や排気バルブ22とバルブシート12aとの間へのデポジットの噛み込みが発生し、圧縮漏れが生じている状態では、時間T5と時間T7との比が“1”に近付くこととなる。
本実施形態において、PCM2は、クランク角センサSNS1からのクランク角速度情報に基づき、時間T5と時間T7との比率が、予め設定された閾値(通常時よりも“1”に近い値)に近付いた場合に、吸気バルブ21や排気バルブ22とバルブシート12aとの間へのデポジットの噛み込みが発生していると判定する。
5.PCM2によるデポジット付着判定とデポジット除去制御
PCM2によるデポジット付着判定の具体的な方法について、図6を用い説明する。図6は、PCM2が実行するデポジット付着判定及びデポジット除去の各制御方法を示すフローチャートである。
図6に示すように、PCM2は、先ず、上記のように各センサSNS1〜SNS9からのセンサ情報を含む複数のセンサ情報を逐次取得する(ステップS1)。次に、PCM2は、車両の走行中において、アクセルオフに伴うフューエルカット(燃料噴射を停止)中か否かを判断する(ステップS2)。
なお、平坦路においては、車両の走行中にフューエルカットが実行されると、車両は減速することになる。ただし、下り坂などでは、必ずしも減速しない場合もあるが、ステップS2では、車両が必ずしも減速していない場合も含めてフューエルカットが実行されているか否かを判断する。
次に、PCM2は、ステップS2の判断において、フューエルカット中であると判断した場合には(ステップS2;Yes)、気筒11aにおける筒内圧縮状態を検出する(ステップS3)。この検出は、上記のように、クランク角速度情報に基づき、区間Int5の通過に要する時間T5と区間Int7の通過に要する時間T7との比を用い実行される。さらに具体的には、値(T5/T7)を算出することで筒内圧縮状態を検出する。
PCM2は、上記ステップS3で求めた値(T5/T7)を、予め設定された閾値と比較する(ステップS4)。なお、本実施形態において、ステップS4で用いる閾値については、吸気圧センサSNS2からの吸気圧情報に基づき変更可能になっている。これについては、後述する。
そして、PCM2は、ステップS4での比較により吸気バルブ21及び排気バルブ22とバルブシート12aとの間へのデポジットの噛み込みがあると判定した場合には(ステップS5;Yes)、“デポジットの付着あり“とのカウント(m←m+1)を行う(ステップS6)。
PCM2は、ステップS6の後に、カウント値mが予め設定された所定の回数M以上であるか否かを判定する(ステップS7)。なお、所定の回数Mは、誤判定を防止(高い精度で判定)するために設定したものであって、エンジン1の構成などを考慮の上、実験的あるいは経験的に設定された値である。
PCM2は、ステップS7において、“m≧M”であると判定した場合には(ステップS7;Yes)、デポジット除去実行フラグをセットし(ステップS8)、デポジット除去制御を実行する(ステップS8〜ステップS13)。
PCM2は、デポジット除去制御の1つとして、ロックアップ解除回転数をRL0からRL1に変更する(ステップS9)。通常のロックアップ解除回転数RL0よりも低い回転数RL1までロックアップ状態を維持し、これにより車輪の回転を利用してエンジン本体10の運転(クランクシャフト15の回転)を維持することで、噛み込んだデポジットを押し潰す(除去する)機会を増大させることができる。
なお、RLOは、例えば1200rpm程度であり、それに対して、RL1は、例えば、900rpm程度である。
また、PCM2は、デポジット除去制御の他の方法として、フューエルカット復帰回転数をRF0からRF1に変更する(ステップS10)。このように、通常のフューエルカット復帰回転数RF0よりも高いRF1とすることにより、フューエルカットの実行可能な時間を短くすることができ、これによって燃焼室14aにおける燃焼圧を利用してデポジットを押し潰す(除去する)機会を増大させることができる。
なお、RF0は、例えば900rpm程度であり、RF1は、例えば、1200rpm程度である。
また、PCM2は、デポジット除去制御の他の方法として、アイドルストップを禁止する(ステップS11)。これにより、アイドルストップを禁止することにより、圧縮漏れに起因するエンジン1の再始動失敗を抑制できるとともに、燃焼室14aにおける燃焼圧を利用してデポジットの除去を行うことができる。
また、PCM2は、デポジット除去制御の他の方法として、吸気シャッターバルブ36の開度を、通常の開度OV0よりも大きいOV1に変更する(ステップS12)。このように、吸気シャッターバルブ36の開度を通常よりも大きいOV1に変更することで、気筒11aにおける筒内圧を高めることができ、デポジットを押し潰す(除去する)ことができる可能性を高めることができる。
また、PCM2は、デポジット除去制御の他の方法として、EGRバルブ51aの弁開度を、通常の開度OE0よりも小さいOE1に変更する(ステップS13)。このように、EGRバルブ51aの弁開度を通常よりも小さいOE1に変更することで、吸気圧を高め吸気流速を利用して付着したデポジットを剥すことができる。また、EGRバルブ51aの弁開度をOE1とすることにより、気筒11aにおける筒内圧を高めることもでき、吸気バルブ21の閉弁中においてもデポジットを押し潰す(除去する)ことが可能となる。
なお、図1を用い説明したように、本実施形態に係るエンジン1では、EGRバイパス通路53も設けられているため、当該EGRバイパス通路53に設けられたEGRバイパスバルブ53aについても、その開度を小さくすることが望ましい。これにより、より一層効果的にデポジットを押し潰すことができる。
図6のフローチャートにおいては、ステップS9〜ステップS13を順序付けて図示しているが、実際には、PCM2がステップS7で“Yes”と判定すれば、ステップS9〜ステップS13の各デポジット除去制御を同時並行的に実施する。
次に、PCM2は、ステップS7で“No”と判定した場合には、リターンする。
また、PCM2は、ステップS5で“No”と判定した場合、即ち、吸気バルブ21及び排気バルブ22とバルブシート12aとの間へのデポジットの噛み込みがないと判定した場合には、“デポジットの付着なし“とのカウント(n←n+1)を行う(ステップS14)。
PCM2は、ステップS14の後に、カウント値nが予め設定された所定の回数N以上であるか否かを判定する(ステップS15)。なお、所定の回数Nについても、誤判定を防止(高い精度で判定)するために設定したものであって、エンジン1の構成などを考慮の上、実験的あるいは経験的に設定された値である。
PCM2は、ステップS15において、“n≧N”であると判定した場合には(ステップS15;Yes)、デポジット除去実行フラグをリセットし(ステップS16)、デポジット除去制御を停止し、各種変更条件を元の条件へと復帰させる(ステップS17〜ステップS21)。
具体的には、ロックアップ解除回転数をRL1からRL0へと戻し(ステップS17)、フューエルカット復帰回転数をRF1からRF0へと戻し(ステップS18)、アイドルストップ禁止を解除し(ステップS19)、吸気シャッターバルブ開度をOV1からOV0へと戻し(ステップS20)、EGRバルブ開度をOE1からOE0へと戻す(ステップS21)。
なお、デポジット除去制御の実行により、EGRバイパスバルブ53aの弁開度を小さくしていた場合には、当該EGRバイパスバルブ53aの弁開度も元の開度へと復帰させる。
PCM2は、ステップS15で“No”と判定した場合には、リターンする。
また、PCM2は、ステップS2で“No”と判定した場合、即ち、エンジン1がフューエルカット中ではないと判定した場合には、デポジット除去制御が実行中であるか否かを判定する(ステップS22)。デポジット除去制御の実行中であると判定した場合には(ステップS22;Yes)、車両の車速vが予め設定された閾値以上であるか否かを判定する(ステップS23)。
PCM2は、ステップS23において、“v≧V”であると判定した場合には、ステップS16からステップS21を実行する。即ち、ステップS23で“Yes”と判定した場合には、既にデポジットの除去がなされたものとみなし、デポジット除去実行フラグをリセットし(ステップS16)、デポジット除去制御を停止し、各種変更条件を元の条件へと復帰させる(ステップS17〜ステップS21)。
これは、エンジン1がフューエルカット中ではなく、且つ、車速vが予め設定された所定の速度V以上である場合には、燃焼走行によりデポジットは除去されたものとみなせるためである。なお、所定の速度Vは、実験的又は経験的に設定された値であり、例えば、40km/h程度とすることができる。ただし、エンジン1の種類などにより、適宜の変更が可能である。
PCM2は、ステップS22及びステップS23で“No”と判定した場合には、リターンする。
6.デポジット付着判定の実行期間とその具体的方法
本実施形態に係るPCM2によるデポジット付着判定の実行期間とその具体的方法について、図7及び図8を用い説明する。図7は、車両が低地を走行する場合における、デポジット付着判定方法を示すタイミングチャートである。図8は、車両が高地を走行する場合における、デポジット付着判定方法を示すタイミングチャートである。
(1)低地走行時
先ず、図7に示すように、本一例では、車両が低地を走行している状態において、タイミングtにて、吸気バルブ21とバルブシート12aとの間、及び排気バルブ22とバルブシート12aとの間、の少なくとも一方にデポジットが付着した状態にあると仮定する。
次に、タイミングtにおいて、ドライバがアクセルオフし、アクセル開度が略ゼロまで低下し、それとともに燃料噴射量がタイミングtに向かって漸減してゆく。燃料噴射は、タイミングtにおいてカットされる。即ち、タイミングtにおいて、燃料噴射量がゼロとなる。
図7に示すように、クランク角速度比(T5/T7)は、アクセルオフしてもタイミングtまでの間は不安定な状態である。このため、PCM2に入力されるクランク角速度情報についても、ノイズ成分が含まれた状態となっている。
燃料噴射がカットされることにより、タイミングt以降においては、クランク角速度比(T5/T7)が安定するようになる。そして、本実施形態では、燃料噴射量がゼロとなったタイミングtの後、直ぐにタイミングtからデポジット付着判定を実行する。
なお、図7では、図示の都合上、タイミングtとタイミングtとの間にタイムラグがあるように図示しているが、実際には略同時としてもよい。
タイミングtからタイミングtの間にPCM2が実行するデポジット付着判定は、上述のように、クランク角速度比(T5/T7)が、予め設定された閾値RAth1以下であるか否かにより行われる。即ち、クランク角速度比(T5/T7)が、予め設定された閾値RAth1以下である場合には、デポジットが付着していると判定し、閾値RAth1よりも大きい場合には、デポジットが付着していないと判定する。
なお、上述のように、閾値RAth1は、“1”よりも少し大きい値とすることができる。詳細な値については、エンジンの特性等を考慮して規定することが可能である。
そして、タイミングtからのデポジット付着判定でデポジットが付着していると判定された場合には、図6に示すフローチャートのステップS8〜ステップS13のようなデポジット除去制御が実行される。
なお、図6のフローチャートで示したように、1回の燃料カット期間中にデポジット除去が完了しなかった場合には、次回の燃料カットの際までデポジット除去実行フラグを立てた状態で維持する。
本例においては、タイミングtにおいて、クランク角速度比(T5/T7)が閾値RAth1よりも大きくなり、デポジット除去が完了したものと仮定する。この場合には、タイミングtで燃料カットが解除され、ドライバのアクセルオンに備える。
(2)高地走行時
次に、車両が高地を構想している状態における、PCM2が実行するデポジット付着判定方法について、図8を用い説明する。なお、図7と図8との差異点は、クランク角速度比のデータにあるので、以下では、当該部分に絞って説明をする。
図8に示すように、車両が高地を走行している状態においては、クランク角速度比(T5/T7)は、低地を走行している場合に比べて“1”に近い値を示す。これは、車両が高地を走行中であって、吸気圧が低い場合には、低地を走行中の場合と比べて筒内圧が低くなり、ピストン上昇時の抵抗が小さくなるので、区間Int5(圧縮上死点を含む期間)を通過する時間T5が短くなり、クランク角速度比(T5/T7)が低くなるためである。
図8に示すように、PCM2は、車両が高地を走行している場合においても、タイミングt〜タイミングtの間で、デポジットの噛み込みの有無を判定する。この場合において、デポジットの噛み込みの有無を判定する際の閾値RAth2は、車両が低地を走行している場合の閾値RAth1よりも低く設定される。
上記同様に、PCM2は、クランク角速度比(T5/T7)が、予め設定された閾値RAth2以下である場合には、デポジットが付着していると判定し、閾値RAth2よりも大きい場合には、デポジットが付着していないと判定する。
7.吸気圧PINとクランク角速度比閾値RAthとの関係
上記では、車両が低地を走行する場合には、デポジットの噛み込み判定に際しての閾値としてRAth1を用い、車両が高地を走行する場合には、デポジットの噛み込み判定に際しての閾値としてRAth2を用いることとした。以下では、吸気圧PINとクランク角速度比閾値RAthとの関係について、図9を用い説明する。図9は、PCM2に予め格納されている、吸気圧PINとクランク角速度比閾値RAthとの関係を示す特性図である。
図9に示すように、本実施形態においては、吸気圧PINがPである場合には、閾値RAthは、RAth1に設定され、吸気圧PINがPである場合には、閾値RAthは、RAth2に設定されるようになっている。即ち、本実施形態では、吸気圧PINとクランク角速度比閾値RAthとが、一次関数的に比例するよう対応付けられている。
なお、図9の図において、下限は“1”であるが、地球上において車両が走行する範囲において、必要な範囲で吸気圧PINとクランク角速度比閾値RAthとの関係を規定しておけばよい。
また、PCM2は、吸気圧センサSNS2からの吸気圧情報に基づき、車両が高地を走行中であるのか、低地を走行中であるのかを判断することができる。即ち、PCM2は、吸気圧が相対的に高い場合には、車両が低地を走行中であり、吸気圧が相対的に低い場合には、車両が高地を走行中であると判断し、クランク角速度比の閾値RAthを切り替えるようにしてもよい。
8.効果
本実施形態に係るエンジン1の制御方法では、PCM2がデポジットの噛み込みの有無(付着の有無)を判定する際に、クランク角センサSNS1からのクランク角速度情報(クランク角速度比(T5/T7))に基づいてデポジットの噛み込みの有無を判定するので、高い精度でのデポジットの噛み込み有無の判定が実行できる。即ち、気筒内に設けた圧力センサからの圧力情報に基づきデポジットの噛み込みの有無を判定する場合などに比べて、本実施形態では、微小なデポジットが噛み込んだ場合にも高い精度での判定が可能である。
また、本実施形態では、吸気圧センサSNS2から入力される吸気圧に係る情報(吸気圧PIN)に基づいてデポジットの噛み込みの有無を判定する際の閾値RAthを設定するので、高い精度でのデポジットの噛み込みの有無を判定することができる。即ち、吸気圧PINの変動により、気筒11a内における筒内圧も変動し、クランク角センサSNS1で検出されるクランク角速度は変化するが、本実施形態では、吸気圧PINに係る情報も用いてデポジットの噛み込みの有無を判定するので、吸気圧PINの変化の影響を取り除くことができ、微小なデポジットの噛み込み有無についても高い精度で判定することができる。
このように、微小量のデポジットの有無を検出することができる本実施形態では、早期にデポジット除去を実行することにより、圧縮漏れによる着火不良を未然に防ぐことができる。このような微小なデポジットを車両の走行中に検出する際、吸気圧の変化によるノイズ成分を除去することができ、優れた判定が実行できる。
従って、本実施形態では、車両の走行中において、吸気バルブ21及び排気バルブ22とバルブシート12aとの間へのデポジットの噛み込みの有無を高精度に判定することができる。
また、本実施形態では、クランクプレート19とクランク角センサSNS1とにおいて、区間Int5を通過するのに要する時間T5と、区間Int7を通過するのに要する時間T7との比(クランク角速度比)に基づき、デポジットの噛み込みの有無を判定するので、エンジン本体10の回転数が高い状態であっても高い精度でデポジットの噛み込み有無を判定することができる。
また、本実施形態では、区間Int5に圧縮上死点TDCを含むこととしているので、時間T5と時間T7との比(クランク角速度比(T5/T7))による圧縮漏れの検出を高い精度を以って行うことができる。即ち、デポジットの噛み込みが実質的になく、圧縮漏れがない状態では、圧縮上死点TDCを含む区間Int5の通過時間(時間T5)は、その後におけるピストンが下降する区間Int7の通過時間(時間T7)よりも長くなる。
これに対して、デポジットの噛み込みが所定量以上となり、圧縮漏れが発生している状態では、圧縮漏れがない状態に比べて時間T5が短くなり、圧縮漏れがない状態に比べてクランク角速度比(T5/T7)が“1”に近付くこととなる。本実施形態では、このような特徴に着目してデポジットの噛み込みの有無を判定するので、高い精度での判定を行うことができる。
また、図7及び図8に示すように、本実施形態では、燃料噴射弁37が閉状態(燃料噴射量が略ゼロである状態)である期間(タイミングt〜タイミングt)中に取得したクランク角速度比(T5/T7)を用いデポジットの噛み込みの有無を判定するので、燃焼によるトルク変動の影響を受けず、微小量のデポジットであっても高い精度で検出することができる。
ここで、微小量のデポジットの噛み込みの有無を判定することができれば、早期にデポジット除去を実行することにより、圧縮漏れによる着火不良を未然に防ぐことができる。このような微小量のデポジットを車両の走行中に検出するためには、燃焼によるトルク変動の影響を抑えるか無くすことが重要となる。この点において、本実施形態は、優れている。
また、本実施形態では、車両の走行中において、筒内圧の増大によりデポジットの除去を行うことができる。具体的に、PCM2は、図6のフローチャートにおけるステップS9〜ステップS13の各制御を実行する。これより、本実施形態では、圧縮漏れによる着火不良を抑制することができ、また、エンジン1の良好な再始動性を確保することができる。
[実施形態2]
実施形態2に係るPCMに格納されている、吸気圧PINとクランク角速度比閾値RAthとの関係について、図10を用い説明する。図10は、実施形態2に係るエンジンにおける、吸気圧PINとクランク角速度比閾値RAthとの関係を示す特性図である。
図10に示すように、本実施形態に係るエンジンでは、吸気圧PINが所定の値Pth以下の場合には、クランク角速度閾値RAthがRAth2に設定される。車両が高地を走行している場合において、吸気圧PINがPの場合も、閾値RAthは、RAth2に設定される。
一方、吸気圧PINが所定の値Pthよりも大きい場合には、クランク角速度閾値RAthがRAth1に設定される。車両が低地を走行している場合において、吸気圧PINがPの場合も、閾値RAthは、RAth1に設定される。
以上のように、本実施形態では、クランク角速度比閾値RAthを、吸気圧PINの変化に伴い2つの閾値RAth1,RAth2の相互で切り替えることとしている。これにより、本実施形態では、簡略な制御を実行することができる。
なお、本実施形態のエンジンにおいては、PCMに予め格納されている図10の特性図を除き、上記実施形態1に係るエンジン1と、構成及び制御に関して差異はない。よって、本実施形態でも、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
[変形例]
上記実施形態1,2では、2つのターボ過給機61,62を備えるエンジン1を一例としたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、1つのターボ過給機を備える構成を採用することもできるし、ターボ過給機を備えない、所謂、自然吸気エンジンを採用することもできる。
また、上記実施形態1,2では、EGR通路51やEGRバイパス通路53を備えるエンジン1を一例としたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。即ち、EGR通路やEGRバイパス通路は、必須の構成ではない。
また、上記実施形態1,2では、エンジン本体10としてディーゼルエンジンを一例としたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。即ち、ガソリンエンジンを採用することもできる。
また、上記実施形態1,2では、PCM2によるデポジット付着判定において、クランク角速度情報に基づく区間Int1〜Int7,・・の内、区間Int5を通過する時間T5と区間Int7を通過する時間T7とを用いてクランク角速度比(T5/T7)を算出することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、区間Int3や区間Int4などを通過する時間T3,T4と、区間Int6や区間Int7などを通過する時間T6,T7と、の比を採用することとしてもよい。
また、上記実施形態1では、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS2で「減速フューエルカット中」か否かを判定することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。アクセルオフに伴うフューエルカット中であれば、「減速中」か否かは必須の要件ではない。例えば、下り坂を走行中などにもデポジット付着判定を実行することとする場合には、ステップ2として、「アクセルオフに伴うフューエルカット中」か否かを判定要件とすることができる。
また、上記実施形態1では、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS13で「EGRバルブ開度」を小さくする(又はゼロとする)こととしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。即ち、実施形態1等のようにEGRバイパス通路53を備える場合には、EGRバルブ51aに加え、EGRバイパスバルブ53aについても開度を小さくする(又はゼロとする)ことが望ましい。これにより、排気ガスの略全量がターボ過給機61,62のタービン61b,62bが設けられた箇所を経由して排出されることとなり、より高圧の空気が吸気ポート16に供給されることとなる。よって、デポジット除去を行う上でより望ましい。
また、上記実施形態1等では、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS9〜ステップS13のデポジット除去制御を実行することとしたが、本発明は、これら全てを実行することは必須ではなく、あるいは、他のデポジット除去を促進できる制御を付加して実行することも可能である。
また、上記実施形態1では、図9に示すような特性図がPCM2に予め格納されていることとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。吸気圧PINとクランク角速度比閾値RAthとの関係については、例えば、2次関数的な関係や、経験的に求められた非関数的な関係とすることもできる。
また、上記実施形態2では、図10に示すような特性図がPCMに予め格納されていることとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。吸気圧PINの増減に伴い、3段階あるいはそれ以上にクランク角速度比閾値RAthが変化することとしてもよい。
また、上記実施形態1等では、区間Int7の通過に要する時間T7を分母とし、区間Int5の通過に要する時間T5を分子として、クランク角速度比(T5/T7)を規定したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、ピストン14が上昇中の区間の通過に要する時間を分母とし、ピストン14が下降中の区間の通過に要する時間を分子として、クランク角速度比を規定することとしてもよい。この場合においては、クランク角速度比は“1”未満であって、デポジットの噛み込みにより、クランク角速度比の値が“1”に近付くように増加することとなる。
また、上記実施形態1等では、図6のフローチャートにおいて、ステップS23の判定が“Yes”の場合に、デポジットが除去されたとみなせることとしたが、本発明は、当該判定においても吸気圧の大小を条件として加えることもできる。即ち、車両が高地を走行中には、車速がVであっても、空気が薄い(気圧が低い)ことに起因して筒内圧の増大は低地に比べて小さなものとなり、デポジットの除去効果は小さなものとなる。
従って、図6のフローチャートにおけるステップS23の判定に係る閾値である速度Vについても、吸気圧PINに伴い可変させることとしてもよい。
また、上記実施形態1等では、燃料噴射量がゼロである期間中にデポジットの噛み込みの有無を判定することとしたが、本発明は、これに限定されるものではない。デポジットの噛み込みの有無の判定については、燃料噴射量がゼロであるときに取得されたクランク角速度情報を用いてなされれば、上記同様の効果を得ることができる。即ち、デポジットの噛み込みの有無を判定するタイミングについては、必ずしも燃料噴射量がゼロである期間中に行う必要はない。
1 エンジン
2 PCM
10 エンジン本体
12a バルブシート
19 クランクプレート
21 吸気バルブ
21a バルブ傘部
22 排気バルブ
30 吸気通路
33 サージタンク
36 吸気シャッターバルブ
51a EGRバルブ
61 第1ターボ過給機
62 第2ターボ過給機

Claims (6)

  1. 車両のエンジンの制御方法において、
    前記エンジンへの吸気圧に係る情報を取得する吸気圧情報取得ステップと、
    車両走行中にクランク角センサからのクランク角速度情報に基づき、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方と、バルブシートとの間へのデポジットの噛み込みの有無を推定するデポジット付着推定ステップと、
    前記デポジット付着推定ステップにおいてデポジットの噛み込み有りと推定されたときに、前記デポジットを除去するための動作を開始するデポジット除去ステップと、を備え、
    前記デポジット付着推定ステップは、
    前記クランク角センサからのクランク角速度情報に基づき、前記エンジンにおける圧縮行程中又は当該圧縮工程からその直後の膨張行程に跨った第1クランク角範囲の通過に要する第1通過時間を算出する第1通過時間算出サブステップと、
    前記クランク角センサからのクランク角速度情報に基づき、前記エンジンにおける前記圧縮行程直後の膨張行程でのクランク角範囲であって第1クランク角範囲と同角度の第2クランク角範囲の通過に要する第2通過時間を算出する第2通過時間算出サブステップと、
    前記第1通過時間の前記第2通過時間に対する比を算出するクランク角速度比算出サブステップと、
    前記吸気圧に係る情報に基づき、クランク角速度比に関する閾値であって1を超える所定の閾値を設定する閾値設定サブステップと、
    前記クランク角速度比算出サブステップで算出した前記第1通過時間の前記第2通過時間に対する比が、前記閾値設定サブステップで設定した前記閾値以下である場合に、圧縮漏れがあるとしてこれをデポジットの噛み込み有りと推定する一方、前記比が前記閾値を超える場合に、デポジットの噛み込み無しと推定する推定サブステップと、を有し、
    前記閾値設定サブステップでは、
    吸気圧と前記閾値との関係を予め定めたデータであって吸気圧が相対的に高くなるほど前記閾値の値が一次関数的に相対的に大きくなるように設定されたデータに基づき、現在の吸気圧から前記閾値を特定
    前記デポジット除去ステップにおける前記動作は、デポジットを除去可能な気筒内圧力が得られるように、前記エンジンの吸気通路に設けられた吸気シャッターバルブの開度を、デポジットの噛み込み有りと推定される以前よりも増加させて吸気圧力を高める動作である、
    エンジンの制御方法。
  2. 請求項1に記載のエンジンの制御方法であって、
    燃料噴射弁の開閉動作を実行する噴射弁開閉ステップをさらに備え、
    前記デポジット付着推定ステップでは、前記噴射弁開閉ステップにおいて、前記燃料噴射弁の閉状態が継続中であるときに取得した前記クランク角速度情報を用い、前記デポジットの噛み込みの有無を推定する、
    エンジンの制御方法
  3. 請求項1に記載のエンジンの制御方法であって、
    アクセルオフに伴うフューエルカット中か否かを判定するフューエルカット判定ステップをさらに備え、
    前記デポジット付着推定ステップは、フューエルカット中であると判定されたときに実行される、
    ンジンの制御方法。
  4. 車両のエンジンの制御装置において、
    前記エンジンへの吸気圧を検出する吸気圧センサと、
    前記エンジンのクランク角速度を検出するクランク角センサと、
    車両走行中に、前記吸気圧センサからの前記吸気圧に係る情報、及び前記クランク角センサからの前記クランク角速度に係る情報を受けて、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方と、バルブシートとの間へのデポジットの噛み込みの有無を推定する推定処理を実行するとともに、デポジットの噛み込み有りと推定されたときに、前記デポジットを除去するためのデポジット除去処理を実行する制御部と、を備え、
    前記推定処理は、
    前記クランク角センサからのクランク角速度情報に基づき、前記エンジンにおける圧縮行程中又は当該圧縮工程からその直後の膨張行程に跨った第1クランク角範囲の通過に要する第1通過時間を算出する第1通過時間算出処理と、
    前記クランク角センサからのクランク角速度情報に基づき、前記エンジンにおける前記圧縮行程直後の膨張行程でのクランク角範囲であって第1クランク角範囲と同角度の第2クランク角範囲の通過に要する第2通過時間を算出する第2通過時間算出処理と、
    前記第1通過時間の前記第2通過時間に対する比を算出するクランク角速度比算出処理と、
    前記吸気圧に係る情報に基づき、クランク角速度比に関する閾値であって1を超える所定の閾値を設定する閾値設定処理と、
    前記クランク角速度比算出サブステップで算出した前記第1通過時間の前記第2通過時間に対する比が、前記閾値設定サブステップで設定した前記閾値以下である場合に、圧縮漏れがあるとしてこれをデポジットの噛み込み有りと推定する一方、前記比が前記閾値を超える場合に、デポジットの噛み込み無しと推定する推定サブ処理と、を含み、
    前記閾値設定処理は、吸気圧と前記閾値との関係を予め定めたデータであって吸気圧が相対的に高くなるほど前記閾値の値が一次関数的に相対的に大きくなるように設定されたデータに基づき、現在の吸気圧から前記閾値を特定する処理であ
    前記デポジット除去処理は、デポジットを除去可能な気筒内圧力が得られるように、前記エンジンの排気通路と吸気通路とを繋ぐEGR通路に設けられたEGRバルブの開度を、デポジットの噛み込み有りと推定される以前よりも減少させて吸気圧力を高める制御である、
    エンジンの制御装置。
  5. 請求項に記載のエンジンの制御装置であって、
    開閉動作により前記エンジンの燃焼室への燃料噴射量を調節する燃料噴射弁を、さらに備え、
    前記制御部は、前記燃料噴射弁の閉状態が継続中であるときに取得した前記クランク角速度に係る情報を用い、前記デポジットの噛み込みの有無の推定を実行する、
    エンジンの制御装置
  6. 請求項に記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御部は、アクセルオフに伴うフューエルカット中か否かを判定するフューエルカット判定処理を実行するとともに、フューエルカット中であると判定されたときに前記推定処理を開始するものである、
    ンジンの制御装置。
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