JP6593382B2 - エンジンの制御方法及びエンジンの制御装置 - Google Patents
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Description
前記エンジンへの吸気圧を検出する吸気圧センサと、前記エンジンのクランク角速度を検出するクランク角センサと、車両走行中に、前記吸気圧センサからの前記吸気圧に係る情報、及び前記クランク角センサからの前記クランク角速度に係る情報を受けて、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方と、バルブシートとの間へのデポジットの噛み込みの有無を推定する推定処理を実行するとともに、デポジットの噛み込み有りと推定されたときに、前記デポジットを除去するためのデポジット除去処理を実行する制御部と、を備え、前記推定処理は、前記クランク角センサからのクランク角速度情報に基づき、前記エンジンにおける圧縮行程中又は当該圧縮工程からその直後の膨張行程に跨った第1クランク角範囲の通過に要する第1通過時間を算出する第1通過時間算出処理と、前記クランク角センサからのクランク角速度情報に基づき、前記エンジンにおける前記圧縮行程直後の膨張行程でのクランク角範囲であって第1クランク角範囲と同角度の第2クランク角範囲の通過に要する第2通過時間を算出する第2通過時間算出処理と、前記第1通過時間の前記第2通過時間に対する比を算出するクランク角速度比算出処理と、前記吸気圧に係る情報に基づき、クランク角速度比に関する閾値であって1を超える所定の閾値を設定する閾値設定処理と、前記クランク角速度比算出サブステップで算出した前記第1通過時間の前記第2通過時間に対する比が、前記閾値設定サブステップで設定した前記閾値以下である場合に、圧縮漏れがあるとしてこれをデポジットの噛み込み有りと推定する一方、前記比が前記閾値を超える場合に、デポジットの噛み込み無しと推定する推定サブ処理と、を含み、前記閾値設定処理は、吸気圧と前記閾値との関係を予め定めたデータであって吸気圧が相対的に高くなるほど前記閾値の値が一次関数的に相対的に大きくなるように設定されたデータに基づき、現在の吸気圧から前記閾値を特定する処理であり、前記デポジット除去処理は、デポジットを除去可能な気筒内圧力が得られるように、前記エンジンの排気通路と吸気通路とを繋ぐEGR通路に設けられたEGRバルブの開度を、デポジットの噛み込み有りと推定される以前よりも減少させて吸気圧力を高める制御である。
1.エンジン1の全体構成
本実施形態に係るエンジン1の全体構成について、図1を用い説明する。
本実施形態に係るエンジン1を制御するための制御システムについて、図2を用い説明する。
エンジン本体10における吸気バルブ21周りの構成について、図3を用い説明する。
クランクプレート19の構成とクランク角速度情報の検出について、図4及び図5を用い説明する。図4は、クランクプレート19の構成を示す模式斜視図である。図5は、クランク角センサSNS1から入力されるパルス信号をクランク角の変化軸上で示す図である。
これは、区間Int5においては、圧縮漏れがなく気筒11aの筒内圧が高くなるためにピストン14の上昇速度が遅くなることによるものである。
PCM2によるデポジット付着判定の具体的な方法について、図6を用い説明する。図6は、PCM2が実行するデポジット付着判定及びデポジット除去の各制御方法を示すフローチャートである。
本実施形態に係るPCM2によるデポジット付着判定の実行期間とその具体的方法について、図7及び図8を用い説明する。図7は、車両が低地を走行する場合における、デポジット付着判定方法を示すタイミングチャートである。図8は、車両が高地を走行する場合における、デポジット付着判定方法を示すタイミングチャートである。
先ず、図7に示すように、本一例では、車両が低地を走行している状態において、タイミングt1にて、吸気バルブ21とバルブシート12aとの間、及び排気バルブ22とバルブシート12aとの間、の少なくとも一方にデポジットが付着した状態にあると仮定する。
次に、車両が高地を構想している状態における、PCM2が実行するデポジット付着判定方法について、図8を用い説明する。なお、図7と図8との差異点は、クランク角速度比のデータにあるので、以下では、当該部分に絞って説明をする。
上記では、車両が低地を走行する場合には、デポジットの噛み込み判定に際しての閾値としてRAth1を用い、車両が高地を走行する場合には、デポジットの噛み込み判定に際しての閾値としてRAth2を用いることとした。以下では、吸気圧PINとクランク角速度比閾値RAthとの関係について、図9を用い説明する。図9は、PCM2に予め格納されている、吸気圧PINとクランク角速度比閾値RAthとの関係を示す特性図である。
本実施形態に係るエンジン1の制御方法では、PCM2がデポジットの噛み込みの有無(付着の有無)を判定する際に、クランク角センサSNS1からのクランク角速度情報(クランク角速度比(T5/T7))に基づいてデポジットの噛み込みの有無を判定するので、高い精度でのデポジットの噛み込み有無の判定が実行できる。即ち、気筒内に設けた圧力センサからの圧力情報に基づきデポジットの噛み込みの有無を判定する場合などに比べて、本実施形態では、微小なデポジットが噛み込んだ場合にも高い精度での判定が可能である。
実施形態2に係るPCMに格納されている、吸気圧PINとクランク角速度比閾値RAthとの関係について、図10を用い説明する。図10は、実施形態2に係るエンジンにおける、吸気圧PINとクランク角速度比閾値RAthとの関係を示す特性図である。
上記実施形態1,2では、2つのターボ過給機61,62を備えるエンジン1を一例としたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、1つのターボ過給機を備える構成を採用することもできるし、ターボ過給機を備えない、所謂、自然吸気エンジンを採用することもできる。
2 PCM
10 エンジン本体
12a バルブシート
19 クランクプレート
21 吸気バルブ
21a バルブ傘部
22 排気バルブ
30 吸気通路
33 サージタンク
36 吸気シャッターバルブ
51a EGRバルブ
61 第1ターボ過給機
62 第2ターボ過給機
Claims (6)
- 車両のエンジンの制御方法において、
前記エンジンへの吸気圧に係る情報を取得する吸気圧情報取得ステップと、
車両走行中にクランク角センサからのクランク角速度情報に基づき、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方と、バルブシートとの間へのデポジットの噛み込みの有無を推定するデポジット付着推定ステップと、
前記デポジット付着推定ステップにおいてデポジットの噛み込み有りと推定されたときに、前記デポジットを除去するための動作を開始するデポジット除去ステップと、を備え、
前記デポジット付着推定ステップは、
前記クランク角センサからのクランク角速度情報に基づき、前記エンジンにおける圧縮行程中又は当該圧縮工程からその直後の膨張行程に跨った第1クランク角範囲の通過に要する第1通過時間を算出する第1通過時間算出サブステップと、
前記クランク角センサからのクランク角速度情報に基づき、前記エンジンにおける前記圧縮行程直後の膨張行程でのクランク角範囲であって第1クランク角範囲と同角度の第2クランク角範囲の通過に要する第2通過時間を算出する第2通過時間算出サブステップと、
前記第1通過時間の前記第2通過時間に対する比を算出するクランク角速度比算出サブステップと、
前記吸気圧に係る情報に基づき、クランク角速度比に関する閾値であって1を超える所定の閾値を設定する閾値設定サブステップと、
前記クランク角速度比算出サブステップで算出した前記第1通過時間の前記第2通過時間に対する比が、前記閾値設定サブステップで設定した前記閾値以下である場合に、圧縮漏れがあるとしてこれをデポジットの噛み込み有りと推定する一方、前記比が前記閾値を超える場合に、デポジットの噛み込み無しと推定する推定サブステップと、を有し、
前記閾値設定サブステップでは、
吸気圧と前記閾値との関係を予め定めたデータであって吸気圧が相対的に高くなるほど前記閾値の値が一次関数的に相対的に大きくなるように設定されたデータに基づき、現在の吸気圧から前記閾値を特定し、
前記デポジット除去ステップにおける前記動作は、デポジットを除去可能な気筒内圧力が得られるように、前記エンジンの吸気通路に設けられた吸気シャッターバルブの開度を、デポジットの噛み込み有りと推定される以前よりも増加させて吸気圧力を高める動作である、
エンジンの制御方法。 - 請求項1に記載のエンジンの制御方法であって、
燃料噴射弁の開閉動作を実行する噴射弁開閉ステップをさらに備え、
前記デポジット付着推定ステップでは、前記噴射弁開閉ステップにおいて、前記燃料噴射弁の閉状態が継続中であるときに取得した前記クランク角速度情報を用い、前記デポジットの噛み込みの有無を推定する、
エンジンの制御方法。 - 請求項1に記載のエンジンの制御方法であって、
アクセルオフに伴うフューエルカット中か否かを判定するフューエルカット判定ステップをさらに備え、
前記デポジット付着推定ステップは、フューエルカット中であると判定されたときに実行される、
エンジンの制御方法。 - 車両のエンジンの制御装置において、
前記エンジンへの吸気圧を検出する吸気圧センサと、
前記エンジンのクランク角速度を検出するクランク角センサと、
車両走行中に、前記吸気圧センサからの前記吸気圧に係る情報、及び前記クランク角センサからの前記クランク角速度に係る情報を受けて、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方と、バルブシートとの間へのデポジットの噛み込みの有無を推定する推定処理を実行するとともに、デポジットの噛み込み有りと推定されたときに、前記デポジットを除去するためのデポジット除去処理を実行する制御部と、を備え、
前記推定処理は、
前記クランク角センサからのクランク角速度情報に基づき、前記エンジンにおける圧縮行程中又は当該圧縮工程からその直後の膨張行程に跨った第1クランク角範囲の通過に要する第1通過時間を算出する第1通過時間算出処理と、
前記クランク角センサからのクランク角速度情報に基づき、前記エンジンにおける前記圧縮行程直後の膨張行程でのクランク角範囲であって第1クランク角範囲と同角度の第2クランク角範囲の通過に要する第2通過時間を算出する第2通過時間算出処理と、
前記第1通過時間の前記第2通過時間に対する比を算出するクランク角速度比算出処理と、
前記吸気圧に係る情報に基づき、クランク角速度比に関する閾値であって1を超える所定の閾値を設定する閾値設定処理と、
前記クランク角速度比算出サブステップで算出した前記第1通過時間の前記第2通過時間に対する比が、前記閾値設定サブステップで設定した前記閾値以下である場合に、圧縮漏れがあるとしてこれをデポジットの噛み込み有りと推定する一方、前記比が前記閾値を超える場合に、デポジットの噛み込み無しと推定する推定サブ処理と、を含み、
前記閾値設定処理は、吸気圧と前記閾値との関係を予め定めたデータであって吸気圧が相対的に高くなるほど前記閾値の値が一次関数的に相対的に大きくなるように設定されたデータに基づき、現在の吸気圧から前記閾値を特定する処理であり、
前記デポジット除去処理は、デポジットを除去可能な気筒内圧力が得られるように、前記エンジンの排気通路と吸気通路とを繋ぐEGR通路に設けられたEGRバルブの開度を、デポジットの噛み込み有りと推定される以前よりも減少させて吸気圧力を高める制御である、
エンジンの制御装置。 - 請求項4に記載のエンジンの制御装置であって、
開閉動作により前記エンジンの燃焼室への燃料噴射量を調節する燃料噴射弁を、さらに備え、
前記制御部は、前記燃料噴射弁の閉状態が継続中であるときに取得した前記クランク角速度に係る情報を用い、前記デポジットの噛み込みの有無の推定を実行する、
エンジンの制御装置。 - 請求項4に記載のエンジンの制御装置において、
前記制御部は、アクセルオフに伴うフューエルカット中か否かを判定するフューエルカット判定処理を実行するとともに、フューエルカット中であると判定されたときに前記推定処理を開始するものである、
エンジンの制御装置。
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