ここで、本発明のある実施形態について詳細に説明するが、それらの例は、添付の構造および式で示される。本発明を、列挙される実施形態とともに記載するが、本発明はそれらの実施形態に限定されるものではない、と理解されるべきである。これに対して、本発明は、特許請求の範囲により定義されるような本発明の範囲内に含まれ得る全ての代替物、変形物および等価物を網羅するよう意図される。本発明の実行に用いられ得る本明細書中に記載される方法および物質と類似のまたは等価の多数の方法および物質を、当業者は認識する。本発明は、如何なる点でも、記載される方法および物質に限定されない。定義される用語、用語使用法、記載される技法などを含めて、援用される文献および類似の物質のうちの1つまたは複数が本出願と異なるかまたは相反する事象では、本出願が規制する。
定義
「アルキル」という用語は、炭素原子の直鎖状または分枝鎖ラジカルを包含する。いくつかのアルキル部分は、例えばメチル(「Me」)、エチル(「Et」)、プロピル(「Pr」)およびブチル(「Bu」)といったように短縮され、さらなる略語が、例えば1−プロピルまたはn−プロピル(「n−Pr」)、2−プロピルまたはイソプロピル(「i−Pr」)、1−ブチルまたはn−ブチル(「n−Bu」)、2−メチル−1−プロピルまたはイソブチル(「i−Bu」)、1−メチルプロピルまたはs−ブチル(「s−Bu」)、1,1−ジメチルエチルまたはt−ブチル(「t−Bu」)等といったように、化合物の特定の異性体を意味するために用いられる。略語は、時には、例えばメタノール(「MeOH」)またはエタノール(「EtOH」)といったように、元素略語および化学構造と一緒に用いられる。
本出願全体を通して用いられるさらなる略語は、ベンジル(「Bn」)およびフェニル(「Ph」)を包含する。
「複素環」または「複素環式」という用語は、酸素、窒素およびイオウからなる群から選択される1、2または3個の異種原子を含有する4〜6員環を意味する。
「ヘテロアリール」という用語は、酸素、窒素およびイオウからなる群から選択される1、2または3個の異種原子を含有する5〜6員芳香族環を意味する。
「治療する」または「治療」という用語は、療法的、予防的、緩和的または防止的手段を指す。本発明の目的のために、有益なまたは所望の臨床結果としては、検出可能である場合でも検出可能でない場合でも、症候の軽減、疾患の程度縮小、疾患状態の安定化(すなわち、悪化しないこと)、疾患進行の遅延または緩徐化、疾患状態の改善または緩和、ならびに寛解(部分的であれ、全体的であれ)が挙げられるが、これらに限定されない。「治療」は、治療を受けていない場合に予期される生存と比較して生存を延長させることも意味し得る。治療を必要とするものとしては、すでに症状または障害を有するもの、ならびに症状または障害を有する傾向があるもの、あるいは症状または障害が防止されるべきであるものが挙げられる。
「治療的有効量」または「有効量」という語句は、このような治療を必要とする哺乳類に投与される場合、(i)特定の疾患、症状または障害(本明細書中に記載)を治療または予防するのに、(ii)特定の疾患、症状または障害の1つまたは複数の症候を弱め、改善し、または排除するのに、あるいは(iii)特定の疾患、症状または障害の1つまたは複数の症候の開始を防止するかまたは遅延するのに十分である本発明の化合物の量を意味する。このような量に対応する化合物の量は、特定の化合物、疾患症状およびその重症度、治療を必要とする哺乳類の独自性(例えば、体重)のような因子によって変わるが、しかし、それにもかかわらず、当業者により普通に決定され得る。
「癌」および「癌性」という用語は、典型的には非調節細胞増殖を特徴とする哺乳類における生理学的状態を指すかまたは説明する。「腫瘍」は、1つまたは複数の癌性細胞を含む。癌の例としては、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫および白血病またはリンパ性悪性疾患が挙げられるが、これらに限定されない。このような癌のさらに特定の例としては、扁平上皮癌(例えば、上皮性扁平上皮癌)、肺癌、例えば小細胞肺癌、非小細胞肺癌(「NSCLC」)、肺の腺癌および肺の扁平上皮癌、腹膜の癌、肝細胞癌、胃(gastricまたはstomach)癌、例えば、消化器癌、膵臓癌、神経膠芽細胞腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝細胞癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜または子宮癌、唾液腺癌、腎臓(kidneyまたはrenal)癌、前立腺癌、外陰部癌、甲状腺癌、肝癌、肛門癌、陰茎癌、皮膚癌、例えば黒色腫、ならびに頭部および頚部癌が挙げられる。
「製薬上許容可能な」という語句は、物質または組成物が、ある処方物を構成する他の成分、および/またはそれで治療されている哺乳類と、化学的および/または毒物学的に適合性でなければならない、ということを示す。
「製薬上許容可能な塩」という語句は、本明細書中で用いる場合、本発明の化合物の製薬上許容可能な有機または無機塩を指す。
本発明の化合物は、必ずしも製薬上許容可能なでない、そして本発明の化合物を調製するかおよび/または精製するための、ならびに/あるいは本発明の化合物のエナンチオマーを分離するための中間体として有用であり得るこのような化合物の他の塩も包含する。
「哺乳類」という用語は、本明細書中に記載される疾患を有するかまたはそれを発症する危険がある温血動物を意味し、例としては、モルモット、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ハムスターおよび霊長類、(例えばヒト)が挙げられるが、これらに限定されない。
CHK1/2阻害薬化合物
本発明は、CHK1および/またはCHK2により調整される疾患、症状および/または障害の治療に有用なCHK1および/またはCHK2阻害薬である、ある種の4−置換1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを提供する。
3および/または5位に特定の置換基を有する4−置換1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンはCHK1および/またはCHK2の阻害薬である、ということが、意外にも判明している。さらに、これらの化合物のいくつかは、ある種の他のタンパク質キナーゼを上回って、CHK1に対して選択的であることが判明している。
したがって、本発明は、式I:
から選択される化合物、ならびにその立体異性体および製薬上許容可能な塩を提供する
(式中、Gは、1〜3個の別個のR
4基により任意に置換されるシクロヘキシルまたはフェニルであるか、あるいはmが0である場合、Gは付加的に存在しないかまたはC
1〜C
4アルキルであり、
R
1は、水素、ハロゲン、CN、C
1〜C
4アルキル(ハロゲンで任意に置換される)、−C(=O)OR
a、−OR
e、C
3〜C
6シクロアルキル、5または6員へテロアリール、フェニルまたは−O−フェニル(ここで、ヘテロアリール、フェニルまたは−O−フェニルは1または2つのR
b基で任意に置換され得る)から選択され、
R
2は、水素、CH
3または−NHC(=O)R
fから選択されるが、但し、R
1が水素である場合、R
2は−NHC(=O)R
fであり、
R
3は、HまたはC
1〜C
3アルキルから選択され、
R
4は、各々独立して、ハロゲン、CF
3、OCF
3およびCNから選択され、
R
5およびR
6は、独立して、水素またはCH
3から選択され、
R
7およびR
8は、独立して、水素またはC
1〜C
6アルキルから選択され、
R
aは、C
1〜C
4アルキルであり、
R
b基は、各々独立して、ハロゲン、CN、OCH
3またはC
1〜C
4アルキル(ハロゲン、OH、オキソ、5または6員へテロアリールまたはNR
gR
hで任意に置換される)から選択され、
R
eは、C
1〜C
4アルキル(OHあるいは5または6員複素環で任意に置換される)であり、
R
fは、C
1〜C
4アルキル(OHで任意に置換される)、5または6員複素環(オキソ、ハロゲン、CN、CF
3またはC
1〜C
3アルキルから選択される1または2つの基で任意に置換される)、あるいは5または6員へテロアリール(ハロゲン、CN、CF
3またはC
1〜C
3アルキルから選択される1または2つの基で任意に置換される)であり、
R
gおよびR
hは、独立して、水素またはC
1〜C
4アルキルであり、
m、nおよびpは、独立して、0または1であるか、
あるいは、式Iの化合物が式II:
(式中、R
cおよびR
dは、独立して、水素またはC
1〜C
4アルキルから選択され、そして
rは、1または2である)
の構造を有するよう、R
5は水素であり、R
6およびR
7は、それらが結合される原子と一緒になって1個の環窒素原子を有する任意置換5〜6員複素環式環を形成し、R
8は、水素またはC
1〜C
4アルキル(OHまたはO(C
1〜C
3アルキル)で任意に置換される)からなる群から選択される)。
ある実施形態では、Gはシクロヘキシルである。
ある実施形態では、Gは、1〜3個のR4基により任意に置換されるフェニルである。ある実施形態では、R4はハロゲンである。特定の実施形態では、Gは、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、3−フルオロ−4−クロロフェニルまたは3−クロロ−4−フルオロフェニルである。
式IのG基に言及すると、例としては、ハロゲン、CF3、OCF3およびCNから独立して選択される1つまたは複数のR4基で任意に置換されるフェニルが挙げられる。
ある実施形態では、mは0であり、Gはシクロヘキシル、フェニル(1〜3個の別個のR4基により任意に置換される)であるか、存在しないか、またはC1〜C4アルキルである。
ある実施形態では、mは0であり、Gは存在しない。
ある実施形態では、mは0であり、GはC1〜C4アルキルである。
ある実施形態では、mは0であり、Gはイソプロピルである。
ある実施形態では、R1は、ハロゲン、CN、C1〜C4アルキル(ハロゲンで任意に置換される)、−C(=O)ORa、−ORe、C3〜C6シクロアルキル、5または6員へテロアリール、フェニルまたは−O−フェニル(ここで、ヘテロアリール、フェニルまたは−O−フェニルは1または2つのRb基で任意に置換され得る)から選択される。
ある実施形態では、R1は、Br、CN、C1〜C4アルキル(ハロゲンで任意に置換される)、−C(=O)ORa、−ORe、C3〜C6シクロアルキル、5または6員へテロアリール、フェニルまたは−O−フェニル(ここで、ヘテロアリール、フェニルまたは−O−フェニルは1または2つのRb基で任意に置換され得る)から選択される。
ある実施形態では、R1は、ハロゲン、CN、C1〜C4アルキル(ハロゲンで任意に置換される)、−C(=O)ORa、−ORe、C3〜C6シクロアルキル、フェニルまたは−O−フェニル(ここで、フェニルまたは−O−フェニルは1または2つのRb基で任意に置換され得る)から選択される。
ある実施形態では、R1は、Br、CN、C1〜C4アルキル(ハロゲンで任意に置換される)、−C(=O)ORa、−ORe、C3〜C6シクロアルキル、フェニルまたは−O−フェニル(ここで、フェニルまたは−O−フェニルは1または2つのRb基で任意に置換され得る)から選択される。
ある実施形態では、R1は、CN、C1〜C4アルキル(ハロゲンで任意に置換される)、−C(O)ORa、−ORe、C3〜C6シクロアルキル、フェニルまたは−O−フェニル(ここで、フェニルまたは−O−フェニルは1または2つのRb基で任意に置換され得る)から選択される。
ある実施形態では、R1は、CN、C1〜C4アルキル(ハロゲンで任意に置換される)、−C(O)ORa、−ORe、フェニルまたは−O−フェニル(ここで、フェニルまたは−O−フェニルは1または2つのRb基で任意に置換され得る)から選択される。
ある実施形態では、R1はBrである。
ある実施形態では、R1はCNである。
ある実施形態では、R1はC1〜C4アルキルである。
ある実施形態では、R1は、ハロゲンで任意に置換されるC1〜C4アルキルである。ある実施形態では、R1はCF3である。
ある実施形態では、R1はC(=O)ORaである。ある実施形態では、RaはC1〜C4アルキルである。さらなる実施形態では、RaはCH3である。ある実施形態では、R1はC(=O)OCH3である。
ある実施形態では、R1は−OReである。ある実施形態では、Reは、C1〜C4アルキル(OHで任意に置換される)あるいは5または6員複素環である。
ある実施形態では、Reは5または6員複素環である。ある実施形態では、Reはモルホリニルである。
ある実施形態では、ReはC1〜C4アルキルである。ある実施形態では、Reはイソプロピルである。ある実施形態では、R1は−OCH(CH3)2である。
ある実施形態では、Reは、OHで置換されるC1〜C4アルキルである。ある実施形態では、Reは2−ヒドロキシブタンである。ある実施形態では、R1は−OCH2CH(OH)CH2CH3である。
ある実施形態では、Reは、5または6員複素環で任意に置換されるC1〜C4アルキルである。ある実施形態では、Reは、モルホリニルで任意に置換されるC1〜C4アルキルである。ある実施形態では、Reは、CH2CH2−モルホリン−4−イルまたはCH2CH2CH2−モルホリン−4−イルである。ある実施形態では、R1は、−OCH2CH2−モルホリン−4−イルまたは−OCH2CH2CH2−モルホリン−4−イルである。
ある実施形態では、R1はC3〜C6シクロアルキルである。
ある実施形態では、R1はシクロプロピルである。
ある実施形態では、R1は、1または2つのRb基で任意に置換される5または6員へテロアリールである。ある実施形態では、5または6員へテロアリールは、ピラゾリル、1−オキサ−3,4−ジアゾリル、チオフェニルまたはピリジニルである。
ある実施形態では、Rbは、各々独立して、ハロゲン、CN、OCH3またはC1〜C4アルキル(ハロゲン、OH、オキソ、5もしくは6員へテロアリールまたはNRgRhで任意に置換される)から選択される。
ある実施形態では、Rbは5または6員へテロアリールである。特定の実施形態では、Rbはピラゾリルである。
ある実施形態では、Rbは、各々独立して、ハロゲン、CN、OCH3またはC1〜C4アルキル(ハロゲン、OH、オキソ、ピラゾリルまたはNRgRhで任意に置換される)から選択される。
ある実施形態では、R1は、1または2つのRb基で任意に置換されるピラゾリルである。ある実施形態では、R1は、1つのRb基で置換されるピラゾリルである。ある実施形態では、Rbはメチルである。ある実施形態では、R1は1−メチル−1H−ピラゾール−イルである。
ある実施形態では、R1は、1または2つのRb基で任意に置換される1−オキサ−3,4−ジアゾリルである。ある実施形態では、R1は、1つのRb基で置換される1−オキサ−3,4−ジアゾリルである。ある実施形態では、RbはC1〜C4アルキルである。ある実施形態では、R1は2−イソプロピル−1−オキサ−3,4−ジアゾール−5−イルである。ある実施形態では、R1は2−メチル−1−オキサ−3,4−ジアゾール−5−イルである。
ある実施形態では、R1は、1または2つのRb基で任意に置換されるピリジニルである。ある実施形態では、R1はピリジニルである。ある実施形態では、R1はピリジン−3−イルである。
ある実施形態では、R1は、1または2つのRb基で任意に置換されるチオフェニルである。ある実施形態では、R1はチオフェン−2−イルである。
ある実施形態では、R1は、1または2つのRb基で任意に置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbは、各々独立して、ハロゲン、OCH3、−C(=O)NRgRhまたはC1〜C4アルキル(ハロゲン、OH、オキソ、5もしくは6員へテロアリールまたはNRgRhで任意に置換される)から選択される。
ある実施形態では、R1は、1または2つのRb基で任意に置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbは、各々独立して、ハロゲン、OCH3、−C(=O)NRgRhまたはC1〜C4アルキル(ハロゲン、OH、オキソ、ピラゾリルまたはNRgRhで任意に置換される)から選択される。
ある実施形態では、R1はフェニルである。
ある実施形態では、R1は、1または2つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbは、ハロゲン、CN、OCH3またはC1〜C4アルキル(ハロゲン、OH、オキソ、5もしくは6員へテロアリールまたはNRgRhで任意に置換される)から選択される。
ある実施形態では、R1は、1または2つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbは、ハロゲン、CN、OCH3またはC1〜C4アルキル(ハロゲン、OH、オキソ、ピラゾリルまたはNRgRhで任意に置換される)から選択される。
ある実施形態では、R1は、1つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbはハロゲンである。ある実施形態では、R1は、FまたはClで置換されるフェニルである。ある実施形態では、R1は、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、3−クロロフェニルまたは4−フルオロフェニルである。
ある実施形態では、R1は、1つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、RbはCNである。ある実施形態では、R1は、CNで置換されるフェニルである。ある実施形態では、R1は、3−シアノフェニルである。
ある実施形態では、R1は、1つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、RbはOCH3である。ある実施形態では、R1は、OCH3で置換されるフェニルである。ある実施形態では、R1は、3−メトキシフェニルまたは4−メトキシフェニルである。
ある実施形態では、R1は、1つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、RbはC1〜C4アルキルである。ある実施形態では、Rbはイソプロピルである。ある実施形態では、R1は、3−イソプロピルフェニルである。
ある実施形態では、R1は、1つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbは、ハロゲンで置換されるC1〜C4アルキルである。ある実施形態では、RbはCF3である。ある実施形態では、R1は、3−トリフルオロメチルフェニルである。
ある実施形態では、R1は、1つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbは、OHで置換されるC1〜C4アルキルである。ある実施形態では、Rbは−CH2OHである。ある実施形態では、R1は、3−ヒドロキシメチルフェニルまたは4−ヒドロキシメチルフェニルである。
ある実施形態では、R1は、1つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbは、5または6員へテロアリールで置換されるC1〜C4アルキルである。ある実施形態では、Rbは、ピラゾリルで置換されるC1〜C4アルキルである。ある実施形態では、Rbは(1H−ピラゾール−1−イル)メチルである。ある実施形態では、R1は、4−((1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニルである。
ある実施形態では、R1は、1つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbは、NRgRhで置換されるC1〜C4アルキルである。ある実施形態では、RgおよびRhはメチルである。ある実施形態では、Rbは−CH2N(CH3)2である。ある実施形態では、R1は、3−(CH2N(CH3)2)フェニルである。
ある実施形態では、R1は、1つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbは、オキソおよびNRgRhで置換されるC1〜C4アルキルである。ある実施形態では、Rbは−C(=O)NRgRhである。ある実施形態では、Rgはメチルであり、Rhは水素である。ある実施形態では、Rbは−C(=O)NHCH3(N−メチルホルムアミド)である。ある実施形態では、R1は、4−(C(=O)NHCH3)フェニルである。
ある実施形態では、R1は、1つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbは、オキソおよびNRgRhで置換されるC1〜C4アルキルである。ある実施形態では、Rbは−CH2C(=O)NRgRhである。ある実施形態では、RgおよびRhは水素である。ある実施形態では、Rbは−CH2C(=O)NH2である。ある実施形態では、R1は、3−フェニルアセトアミド(フェニル−CH2C(=O)NH2)である。
ある実施形態では、R1は、1つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbは、オキソおよびNRgRhで置換されるC1〜C4アルキルである。ある実施形態では、RgおよびRhは水素である。ある実施形態では、Rbは−C(=O)NH2である。ある実施形態では、R1は、3−(C(=O)NH2)フェニルまたは4−(C(=O)NH2)フェニルである。
ある実施形態では、R1は、2つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、RbはOCH3である。ある実施形態では、R1は、OCH3で二置換されるフェニルである。ある実施形態では、R1は、3,4−ジメトキシフェニルである。
ある実施形態では、R1は、2つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbはハロゲンである。ある実施形態では、R1は、Fで二置換されるフェニルである。ある実施形態では、R1は、3,5−ジフルオロフェニルである。
ある実施形態では、R1は、2つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbは、各々独立して、ハロゲンおよびOCH3から選択される。ある実施形態では、R1は、FおよびOCH3で置換されるフェニルである。ある実施形態では、R1は、3−フルオロ−5−メトキシフェニルである。
ある実施形態では、R1は、3−フェニル位で少なくとも1つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbは、各々独立して、ハロゲン、CN、OCH3またはC1〜C4アルキル(ハロゲン、OH、オキソもしくはNRgRhで任意に置換される)から選択される。ある実施形態では、R1は、3−フルオロフェニル、3−クロロフェニル、3−イソプロピルフェニル、3−メトキシフェニル、3−シアノフェニル、3−ヒドロキシメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、3−(CH2N(CH3)2)フェニル、3−(CH2C(=O)NH2)フェニルまたは3−(C(=O)NH2)フェニルである。
ある実施形態では、R1は、4−フェニル位で少なくとも1つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbは、各々独立して、ハロゲン、OCH3またはC1〜C4アルキル(OH、オキソ、5もしくは6員へテロアリールまたはNRgRhで任意に置換される)から選択される。ある実施形態では、Rbは、各々独立して、ハロゲン、OCH3またはC1〜C4アルキル(OH、オキソ、ピラゾールまたはNRgRhで任意に置換される)から選択される。ある実施形態では、R1は、4−フルオロフェニル、4−メトキシフェニル、4−ヒドロキシメチルフェニル、4−((1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニルまたは4−(C(=O)NHCH3)フェニルまたは4−(C(=O)NH2)フェニルである。
ある実施形態では、R1は、2−フェニル位で少なくとも1つのRb基により置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbはハロゲンである。ある実施形態では、R1は2−フルオロフェニルである。
ある実施形態では、R1は、2つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbは、各々独立して、ハロゲン、CN、OCH3またはC1〜C4アルキル(ハロゲン、OH、オキソ、5もしくは6員へテロアリールまたはNRgRhで任意に置換される)から選択される。ある実施形態では、Rbは、各々独立して、ハロゲン、CN、OCH3またはC1〜C4アルキル(ハロゲン、OH、オキソ、ピラゾリルまたはNRgRhで任意に置換される)から選択される。
ある実施形態では、R1は、3および4位で2つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbは、各々、OCH3である。ある実施形態では、R1は3,4−ジメトキシフェニルである。
ある実施形態では、R1は、3および5位で2つのRb基で置換されるフェニルである。ある実施形態では、Rbは、各々独立して、ハロゲンまたはOCH3から選択される。ある実施形態では、R1は3,5−ジフルオロフェニルまたは3−フルオロ−5−メトキシフェニルである。
ある実施形態では、R1は水素であるが、但し、R1が水素である場合には、R2は−NHC(=O)Rfである。
ある実施形態では、R2は水素である。
ある実施形態では、R2はCH3である。
ある実施形態では、R2は−NHC(=O)Rfである。ある実施形態では、Rfは、C1〜C4アルキル(OHで任意に置換される)、5または6員複素環(オキソ、ハロゲン、CN、CF3またはC1〜C3アルキルから選択される1または2つの基で任意に置換される)、あるいは5または6員へテロアリール(ハロゲン、CN、CF3またはC1〜C3アルキルから選択される1または2つの基で任意に置換される)である。
ある実施形態では、RfはC1〜C4アルキルである。ある実施形態では、Rfは、メチルまたはプロピルである。ある実施形態では、R2は、−NHC(=O)CH3または−NHC(=O)CH2CH2CH3である。
ある実施形態では、Rfは、OHで置換されるC1〜C4アルキルである。ある実施形態では、Rfは、ヒドロキシメチルである。ある実施形態では、R2は、−NHC(=O)CH2OHである。
ある実施形態では、Rfは、オキソ、ハロゲン、CN、CF3またはC1〜C3アルキルから選択される1または2つの基で任意に置換される5または6員複素環である。
ある実施形態では、Rfは5または6員へテロアリールである。ある実施形態では、Rfはピリジニルである。ある実施形態では、R2はニコチンアミド(−NHC(=O)−ピリジン−3−イル)である。
ある実施形態では、Rfは5または6員へテロアリールである。ある実施形態では、Rfはピリジニルである。ある実施形態では、R2はニコチンアミドおよび1H−ピラゾール−4−カルボキサミドから選択される。
ある実施形態では、Rfは、ハロゲン、CN、CF3またはC1〜C3アルキルから選択される1または2つの基で任意に置換される5または6員へテロアリールである。
ある実施形態では、Rfは、ハロゲン、CN、CF3またはC1〜C3アルキルから選択される1または2つの基で任意に置換される5または6員へテロアリールである。ある実施形態では、R2は、5−クロロニコチンアミドおよび5−メチルニコチンアミドから選択される。
ある実施形態では、R3は水素である。
ある実施形態では、mは、0または1である。ある実施形態では、mは0である。ある実施形態では、mは1である。
ある実施形態では、R4はハロゲンである。さらなる実施形態では、R4はClである。
ある実施形態では、nは、0または1である。ある実施形態では、nは0である。ある実施形態では、nは1である。
ある実施形態では、pは、0または1である。ある実施形態では、pは0である。ある実施形態では、pは1である。
いくつかの実施形態では、R5およびR6は、独立して、水素またはCH3から選択される。ある実施形態では、R5およびR6は水素である。ある実施形態では、R5およびR6はCH3である。
ある実施形態では、R7およびR8は、独立して、水素またはC1〜C6アルキルから選択される。
ある実施形態では、R7は水素である。
ある実施形態では、R8は水素である。
ある実施形態では、R7およびR8は水素である。
ある実施形態では、R7はC1〜C6アルキルである。さらなる実施形態では、R7はC3アルキルである。さらなる実施形態では、R7はイソプロピル基である。ある実施形態では、R8は水素またはメチルである。
ある実施形態では、R8はメチルである。
ある実施形態では、R7はイソプロピルであり、R8はメチルである。
ある実施形態では、式Iの化合物が、式II:
(式中、R
1、R
2、R
3、R
c、R
d、G、m、nおよびrは本明細書中で定義されるとおりである)
の構造を有するよう、R
5は水素であり、R
6およびR
7は、それらが結合される原子と一緒になって、1個の環窒素原子を有する任意置換5〜6員複素環式環を形成し、そしてR
8は、水素またはC
1〜C
4アルキル(OHまたはO(C
1〜C
3アルキル)で任意に置換される)からなる群から選択される。
ある実施形態では、rは1である(式IIaの構造を有する):
(式中、R
1、R
2、R
3、R
c、R
d、G、mおよびnは本明細書中で定義されるとおりである)。
式IIaのある実施形態では、nは0である。
式IIaのある実施形態では、Rcは水素である。
式IIaのある実施形態では、Rdは水素である。
式IIaのある実施形態では、RcおよびRdはともに水素である。
式IIaのある実施形態では、Rcはメチルである。
式IIaのある実施形態では、Rdはメチルである。
式IIaのある実施形態では、RcおよびRdはともにメチルである。
式IIaのある実施形態では、R8はHである。
式IIaのある実施形態では、R8はメチルである。
ある実施形態では、nは0であり、rは1である(式IIa1の構造を有する):
(式中、R
1、R
2、R
3、R
c、R
d、Gおよびmは本明細書中で定義されるとおりである)。
ある実施形態では、rは2である(式IIbの構造を有する):
(式中、R
1、R
2、R
3、R
c、R
d、G、mおよびnは本明細書中で定義されるとおりである)。
ある実施形態では、nは0であり、rは2である(式IIb1の構造を有する):
(式中、R
1、R
2、R
3、R
c、R
d、Gおよびmは本明細書中で定義されるとおりである)。
ある実施形態では、式Iの化合物は、式III:
(式中、R
2aはHまたはメチルであり、R
1、R
3、R
5、R
6、R
7、R
8、G、mおよびpは本明細書中で定義されるとおりである)
の構造を有する。
ある実施形態では、式Iの化合物は、式IV:
(式中、R
1aはハロゲンまたはC
1〜C
4アルキル(ハロゲン(例えばCF
3)で任意に置換される)であり、R
2、R
3、R
5、R
6、R
7、R
8、G、mおよびpは本明細書中で定義されるとおりである)
の構造を有する。
ある実施形態では、式Iの化合物が、式V:
(式中、G
1は存在しないかC
1〜C
4アルキルであり、R
1、R
2、R
3、R
5、R
6、R
7、R
8およびpは本明細書中で定義されるとおりである)の構造を有するよう、mは0であり、GはG
1である。
式Vのある実施形態では、G1は存在しない。
式Vのある実施形態では、G1はC1〜C4アルキルである。
式Vのある実施形態では、G1はイソプロピルである。
ある実施形態では、式Iの化合物が、式VI:
(式中、G
1は存在しないかまたはC
1〜C
4アルキルであり、R
1、R
2、R
3、R
c、R
dおよびrは本明細書中で定義されるとおりである)
の構造を有するよう、mおよびnは0であり、R
5は水素であり、R
6およびR
7は、それらが結合される原子と一緒になって、1個の環窒素原子を有する任意置換5〜6員複素環式環を形成し、R
8は、水素またはC
1〜C
4アルキル(OHまたはO(C
1〜C
3アルキル)で任意に置換される)からなる群から選択され、そしてGはG
1である。
式VIのある実施形態では、G1は存在しない。
式VIのある実施形態では、G1はC1〜C4アルキルである。
式VIのある実施形態では、G1はイソプロピルである。
式VIのある実施形態では、rは1である。
式VIのある実施形態では、rは2である。
式VIのある実施形態では、R8は、水素またはC1〜C4アルキル(OHまたはO(C1〜C3アルキル)で任意に置換される)からなる群から選択される。
式VIのある実施形態では、Rcは、水素またはC1〜C4アルキルである。
式VIのある実施形態では、Rdは、水素またはC1〜C4アルキルである。
ある実施形態では、式Iの化合物が、式VIa:
(式中、G
1は存在しないかまたはC
1〜C
4アルキルであり、R
1、R
2、R
3、R
cおよびR
dは本明細書中で定義されるとおりである)
の構造を有するよう、mおよびnは0であり、R
5は水素であり、R
6およびR
7は、それらが結合される原子と一緒になって、1個の環窒素原子を有する任意置換5員複素環式環を形成し、R
8は、水素またはC
1〜C
4アルキル(OHまたはO(C
1〜C
3アルキル)で任意に置換される)からなる群から選択され、そしてGはG
1である。
ある実施形態では、式Iの化合物が、式VIb:
(式中、G
1は存在しないかまたはC
1〜C
4アルキルであり、R
1、R
2、R
3、R
8、R
cおよびR
dは本明細書中で定義されるとおりである)
の構造を有するよう、mおよびnは0であり、R
5は水素であり、R
6およびR
7は、それらが結合される原子と一緒になって、1個の環窒素原子を有する任意置換6員複素環式環を形成し、R
8は、水素またはC
1〜C
4アルキル(OHまたはO(C
1〜C
3アルキル)で任意に置換される)からなる群から選択され、そしてGはG
1である。
本発明のある化合物は不斉またはキラル中心を含有し、したがって異なる立体形態で存在し得る、と理解される。本発明の化合物の全ての立体形態、(例えばジアステレオマー、エナンチオマーおよびアトロプ異性体、ならびにその混合物、例えばラセミ混合物が挙げられるが、これらに限定されない)が、本発明の一部を構成する、と意図される。
本明細書中に示される構造において、任意の特定のキラル原子の立体化学が明記されない場合には、全ての立体異性体が意図され、本発明の化合物として含まれる。立体化学が特定の立体配置を表す中黒楔または破線により明記される場合には、その立体異性体はそのように明記され、定義される。
さらに、本発明の化合物は、水、エタノール等のような製薬上許容可能な溶媒による非溶媒和ならびに溶媒和形態で存在し得ると理解され、本発明は溶媒和および非溶媒和形態をともに包含する、と意図される。
化合物の合成
本発明の化合物は、特に本明細書中に含入される記述にかんがみて、化学技術分野で周知のものと類似のプロセスを包含する合成経路により合成され得る。出発物質は、一般的に、Sigma−Aldrich (St. Louis, MO)、Alfa Aesar (Ward Hill, MA)またはTCI (Portland, OR)のような商業的供給元から入手可能であるか、あるいは当業者に周知の方法を用いて容易に調製される(例えば、Louis F. Fieser and Mary Fieser, Reagents for Organic Synthesis, v. 1−19, Wiley, N.Y. (1967−1999 ed.)またはBeilsteins Handbuch der organischen Chemie, 4, Aufl. Ed. Springer−Verlag, Berlin(補遺を含む)(Beilsteinオンラインデータベースを介しても利用可能)に一般的に記載された方法により調製される)。
例証のために、スキーム1〜6およびスキームA〜Hは、本発明の化合物の一般的調製方法、ならびに重要な中間体を示す。個々の反応段階のさらに詳細な説明に関しては、以下の実施例の節を参照されたい。本発明の化合物を合成するために他の合成経路が用いられることもある、と当業者は理解する。特定の出発物質および試薬がスキームに示され、以下で考察されるが、種々の誘導体および/または反応条件を提供するために他の出発物質および試薬が容易に代用され得る。さらに、下記の方法により調製される化合物の多くは、当業者に周知の慣用的化学を用いて、本開示にかんがみてさらに修飾され得る。
スキーム1は、式Iの化合物7の調製方法を示している。式中、R11は水素、ハロゲン、CN、アルキル(ハロゲンで任意に置換される)、アリール(1または2つのRb基で任意に置換される)、ヘテロアリール(1または2つのRb基で任意に置換される)、−ORrまたは−C(=O)ORjであり、Rrは、1または2つのRb基、ヘテロアリール、C3〜C8シクロアルキル、5〜7員複素環またはC1〜C6アルキル(OHあるいは5または6員複素環で任意に置換される)で任意に置換され、Rjは、H、NH2またはC1〜C6アルキルであり;R12は、W−Yまたは−NHC(=O)Ru(ともにスキーム3で明示される)であり、そしてR3およびRbは本明細書中で定義されるとおりである。PGが保護基であり、Xがハロゲンである化合物1の調製は、文献に記載されたように実行され得る(L’Heureux, Alexandre, et al., ”Synthesis of functionalized 7−azaindoles via directed ortho−matalations.” Tetrahedron Lett. 45 (2004) 2317−2319およびThibault, Carl, et al., ”Concise and efficient synthesis of 4−fluoro−1H−pyrrolo[2,3−b]pyridine.” Organic Letters 5, (2003), 5023−5025)。R11を導入するための化合物1の官能化は、標準条件下でのリチオ化(例えば、テトラヒドロフラン「THF」のような適切な溶媒中のs−BuLi)ならびに適切な求電子剤(スキーム2に詳述されるような、CBr4、(1R)−(−)−(10−カンファースルホニル)オキサジリジン、メチルクロロホルメート等)を用いたトラッピングにより実行されて、化合物2を生成し得る。標準条件下での保護基の除去(例えば、シリル基を除去するためのフッ化テトラ−N−ブチルアンモニウム(「TBAF」))は、化合物3を生じる。R12基の導入は、スキーム3に記載されるように化合物3に対して実行されて、4を生じ得る。標準SNAr反応条件下で、化合物4と適切に置換されたピペラジンとを反応させることにより、化合物5が得られる。さらなる5の誘導体化(elaboration)は、スキーム4に示されるように、必要な場合に実行され得る。次に、化合物5は脱保護されて、化合物6を生じる。カップリング試薬(例えば、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、「HBTU」)の存在下での適切な酸による6のアシル化と、その後のR1の誘導体化(スキーム5に詳述)、ならびに脱保護(必要な場合)により、式Iの化合物7が得られる(式中、R17およびR18は、独立して、水素;C1〜C6アルキル(ハロゲン、オキソ、OH、OCH3、CF3、NH2、NH(C1〜C6アルキル)、N(C1〜C6アルキル)2、C3〜C6シクロアルキル、4〜6員複素環、C4〜C6アリール、5〜6員へテロアリールで任意に置換され、そしてシクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリールはさらに、ハロゲン、C1〜C3アルキル、OH、O(C1〜C3アルキル)、CF3、CN、シクロプロピルメチルまたはオキソ(シクロアルキルまたは複素環に関してのみ)から選択される1〜3つの置換基で任意に置換される);−O−(C1〜C6アルキル)(ここで、アルキルは、ハロゲン、オキソ、OH、O(C1〜C3アルキル)、CF3、NH2、NH(C1〜C6アルキル)、N(C1〜C6アルキル)2、C3〜C6シクロアルキル、4〜6員複素環、C4〜C6アリール、5〜6員へテロアリールで任意に置換され、そしてシクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリールはさらに、ハロゲン、C1〜C3アルキル、OH、O(C1〜C3アルキル)、CF3、CN、シクロプロピルメチルまたはオキソ(シクロアルキルまたは複素環に関してのみ)から選択される1〜3つの置換基で任意に置換される);C3〜C6シクロアルキル、4〜6員複素環、C4〜C6アリール、5〜6員へテロアリール(ここで、シクロアルキル、複素環、アリールおよびヘテロアリールはさらに、ハロゲン、C1〜C3アルキル、OH、O(C1〜C3アルキル)、CF3、CN、NH2、NH(C1〜C6アルキル)、N(C1〜C6アルキル)2、シクロプロピル、シクロプロピルメチルまたはオキソ(シクロアルキルまたは複素環に関してのみ)から選択される1〜3つの置換基で任意に置換される);あるいは−CH(CH3)CH(OH)フェニルから選択され;そしてR5、R6、G、m、nおよびpは上記と同様である)。
本発明の別の実施形態では、式Iの化合物の調製方法であって、以下の:
(a)カップリング試薬の存在下で、式6:
(式中、R
1は、水素、ハロゲン、CN、C
1〜C
4アルキル(ハロゲンで任意に置換される)、−C(=O)OR
a、−OR
e、C
3〜C
6シクロアルキル、5もしくは6員へテロアリール、フェニルまたは−O−フェニル(ここで、ヘテロアリール、フェニルまたは−O−フェニルは1または2つのR
b基で任意に置換され得る)から選択され、
R
2は、水素、CH
3または−NHC(=O)R
fから選択されるが、但し、R
1が水素である場合、R
2は−NHC(=O)R
fであり、
R
3は、HまたはC
1〜C
3アルキルから選択され、
R
aは、C
1〜C
4アルキルであり、
R
b基は、各々独立して、ハロゲン、CN、OCH
3またはC
1〜C
4アルキル(ハロゲン、OH、オキソ、5もしくは6員へテロアリールまたはNR
gR
hで任意に置換される)から選択され、
R
eは、C
1〜C
4アルキル(OHで任意に置換される)あるいは5または6員複素環であり、
R
fは、C
1〜C
4アルキル(OHで任意に置換される)、5または6員複素環(オキソ、ハロゲン、CN、CF
3またはC
1〜C
3アルキルから選択される1または2つの基で任意に置換される)、あるいは5または6員へテロアリール(ハロゲン、CN、CF
3またはC
1〜C
3アルキルから選択される1または2つの基で任意に置換される)であり、
R
gおよびR
hは、独立して、水素またはC
1〜C
4アルキルである)
の化合物を、式A:
(式中、Gは、シクロヘキシルまたはフェニル(1〜3つの別個のR
4基により任意に置換される)であり、
mが0である場合、Gは付加的に、存在しないかまたはC
1〜C
4アルキルであり得るし;
R
4は、各々独立して、ハロゲン、CF
3、OCF
3およびCNから選択され;
R
5およびR
6は、独立して、水素またはCH
3から選択され;
R
7およびR
8は、独立して、水素またはC
1〜C
6アルキルから選択され;
m、nおよびpは、独立して、0または1である)
の化合物を用いてアシル化し、
(b)その後、R
1を任意に誘導体化し、そして
(c)その後、任意に脱保護して式Iの化合物を提供する
ステップを包含する方法が提供される。
スキーム2は、化合物2a、2b、2c、2dおよび2eの調製方法を示すが、この場合、R
sはC
1〜C
6アルキルであり、R
qはアルキル、アリールまたは5〜7員へテロアリールであり、R
rはC
1〜C
6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C
3〜C
8シクロアルキル、5〜7員複素環等であり、Qはハロゲンであり、XおよびPGはスキーム1に記載されたとおりである。スキーム1に記載されているように、化合物1のリチオ化、ならびに適切な求電子剤との反応は、化合物2a、2cまたは2eを生じる。さらに2aの誘導体化は、適切なカップリング反応(例えば、鈴木または根岸カップリング(これらに限定されない))を用いて実行して、化合物2bを生じ得る。化合物2cも、適切なアルキルハロゲン化物との置換反応、または適切なアルコールとの光延反応を用いて、化合物2dに転換され得る。
スキーム3は、R
12基を導入して化合物4a〜eを提供するための方法を示す。標準条件下でのスキーム1の化合物3のハロゲン化は化合物4aを生じ、この場合、Zはハロゲンであり、R
11およびXはスキーム1に定義されたとおりである。化合物4aは、ピロールN−Hを保護し、その後適切にカップリング反応を実施することにより、化合物4bに転化され得るが、この場合、R
tはW−Yであり、WはO、CH
2、NHまたはYとの直接結合であり、そしてYは、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6アルケニル(ここで、Yがアルケニルである場合、WはYとの直接結合である)、C
3〜C
6シクロアルキル、アリール、5または6員複素環あるいは5または6員へテロアリールであり、ここで、アリール、複素環またはへテロアリールはさらに、ハロゲン、OH、CF
3、CNまたはオキソ(複素環に関してのみ)から選択される1〜3つの置換基で任意に置換され得るし、アルキル、アルケニルおよびシクロアルキルは、ハロゲン、OH、CF
3、CN、オキソ、アリール、複素環またはへテロアリールから選択される1〜3つの置換基で任意に置換され得る。これらのカップリング反応としては、根岸、Heck、鈴木、または種々の遷移金属(例えば、種々のR
t基を導入するために用いられ得るCu、PdおよびNi)媒介性カップリング法が挙げられるが、これらに限定されない。具体的カップリング手法は、実施例の節で詳述される。次に、脱保護により、化合物4bが得られる。化合物3のニトロ化も実行されて化合物4cを生じ、これは次に、還元されてアミン4dとなり得る。アミン4dと適切な酸または酸塩化物とのカップリングにより、化合物4eが生じる(この場合、R
uはC
1〜C
6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C
3〜C
8炭素環、5〜7員複素環等であり、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、複素環またはへテロアリールは、ハロゲン、OH、C
1〜C
3アルキル、CF
3、CNまたはオキソ(アルキル、アルケニル、シクロアルキルまたは複素環に関してのみ)から選択される1〜3つの置換基で任意に置換され得る)。代替的には、化合物3は、Bioorganic & Medicinal Chemistry, 12(21), 5505−5513 (2004)に記載されたように3−ホルミル−ピロロ[2,3−b]ピリジンに転化され得る(この場合、ホルミル置換は、さらに、種々の置換反応、例えばWittig、Horner−EmmonsまたはEmmons−Wadsworth置換によりR
tを生じ得る)。さらに、ピロール窒素上で適切に保護された化合物4dは、還元的アミノ化、アルキル化または遷移金属媒介性カップリングにより、4b(この場合、R
tはNHYである)に転化され得る。反応条件の選択は、Yの性質に依っている。
スキーム4は、スキーム1の化合物5の誘導体化の方法を示す。化合物5a(この場合、Yはハロゲンであり、R
12、R
3およびPGはスキーム1で定義されたとおりである)は、スキーム2に記載された2aの2bへの転化に関するものと同様の手法を用いて、化合物5b(この場合、R
v=アリールまたはへテロアリール)に転化され得る。代替的には、化合物5e(この場合、R
wはCH
3である)は、実施例の節で詳述される手法を用いて、化合物5f(この場合、R
xはC
1〜C
6アルキルである)に誘導体化される。
スキーム5は、式1の化合物7の誘導体化の方法を示す。塩基性条件下での化合物7e(この場合、R
yはアルキルであり、R
12、R
3およびRはスキーム1で定義されたとおりである)の加水分解により、酸7gが得られる。酸7gのカップリングは、アミド7hを生じる。アミド7h(この場合、R
12は水素である)の脱水により、ニトリル7iが生じる。付加的には、化合物7a(この場合、Yはハロゲンである)は、スキーム2における2aの2bへの転化と同様の条件を用いて、化合物7b(この場合、R
zはアリールまたはへテロアリールである)に転化され得る。
スキーム6は、化合物17の調製方法を示す。適切に置換されたフェニル酢酸8(この場合、Gおよびmは本明細書中で定義されるとおりである)の、キラル補助基(例えばエバンスのオキサゾリジノン9)を用いる縮合は、ヒューニッヒの塩基のような第三級アミン塩基の存在下で、活性化剤として、酸塩化物、例えばピバロイル塩化物を用いて、実施され得る。還元剤(例えば、−78℃〜25℃での水素化ジイソブチルアルミニウム(「DIBAL−H」))を用いるラクタム11(この場合、Rc、Rdおよびrは、本明細書中で定義されるとおりである)の還元、ならびにメタノールを用いた、pTsOHのような酸の存在下でのクエンチングにより、中間体メトキシへテロ環12が生成される。10および12の縮合は、適切なルイス酸および穏やかな塩基(例えば、四塩化チタンおよびジイソプロピルエチルアミン)を用いて成し遂げられて、2−置換へテロ環13を形成する。この反応は、反応における許容可能なジアステレオ選択性を得るためには、低温(例えば、−100℃〜0℃)で実行される必要があり得る。0℃〜50℃で塩基(例えば、LiOH、H2O2)を用いたキラル補助基の加水分解は、カルボン酸14を生じる。完全に誘導体化された類縁体は、ペプチド結合形成条件(0℃〜50℃で、HBTUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(「DIEA」))を用いて、酸14をピペラジン中間体15(この場合、R11、R12およびR3は本明細書中で定義されるとおりである)とカップリングすることにより、合成され得る。無水酸(例えば、ジオキサン中のHCl)を用いた化合物16の脱保護は、遊離アミンを生じる。所望により、このアミンの還元的アミノ化(アルデヒドおよび還元剤(例えば、NaBH(OAc)3)を使用)、または標準条件下でのアルキル化は、第三級アミン17(この場合、R8は本明細書中で定義されるとおりである)の調製を可能にする。
スキーム1〜6で、および実施例で例示されるような本発明の化合物の合成に用いられるアミノ酸は、市販されているか、あるいは本明細書中に開示される方法に従って調製され得る。例えば、ある実施形態では、式Iの化合物を調製するために用いられるアミノ酸としては、式1Aを有するβ−フェニルグリシンアミノ酸、式2Aを有するγ−フェニルグリシンアミノ酸、式3Aを有するβ−フェニルアラニンアミノ酸、および式4Aを有するγ−フェニルアラニンアミノ酸が挙げられる。
(式中、R
17、R
18、G、R
5およびR
6は、上記と同様である)。
式1A〜4Aのアミノ酸の製造方法を、スキームA〜Hに示す。
スキームAは、式1A(この場合、tは0〜3であり、PGはアミン保護基であり、R17、R18およびR4は上記と同様である)の任意置換β−フェニルグリシンアミノ酸25および26の調製方法を例示する。スキームAによれば、酸20は、触媒量の酸(例えば、濃H2SO4)またはカップリング剤(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(「DCC」)/4−ジメチルアミノピリジン(「DMAP」))の存在下で、適切なアルコール(例えば、MeOH)による処理のような標準条件を用いて、あるいは代替的には、適切な温度(例えば、−20℃〜100℃)で、NEt3/DMAPのような塩基の存在下で、適切な求電子剤(例えば、MeI、EtBr、BnBr)での処理により、エステル21(この場合、R’はC1〜C6アルキルである)に転化される。エステルの適切な選択は、合成終了時に酸を再形成するために必要とされる条件により決定され、多数の適切な例および条件が、’Protective Groups in Organic Synthesis’ by Greene and Wuts, Wiley−Interscience, third edition, Chapter 5に列挙されている。化合物22を提供するためのヒドロキシメチル基の導入は、適切な温度(例えば、−20℃〜室温)で、NaOEtのような塩基の存在下で、適切なアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)での処理により実施され得る。脱離基(例えば、メシレート、トシレート、ハライド)を形成するための化合物22のアルコール基の活性化は、例えば、適切な温度(例えば、−20℃〜室温)で、NEt3、DIEAまたは1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エン(「DBU」)のような過剰量の塩基の存在下で、塩化メタンスルホニルでの処理により成し遂げられ得る。多くの場合、オレフィン23はこの手法から直接単離され得るが、他の場合には、加温(30℃〜100℃)または付加的塩基(例えば、ハライドの場合にはDBU)が、脱離を完了して化合物23を提供するために必要とされ得る。活性化オレフィン23は、適切な温度(例えば−20℃〜還流温度)で、適切な溶媒(例えばTHF)中で、所望の第一級アミン(例えばエチルアミン)で処理して、アミノエステル中間体を生成し得る。化合物23が電子豊富芳香族環または電子不足/嵩高い第一級アミンを有する場合、加熱(例えば、密閉管中で30〜240℃)またはマイクロ波化学が必要とされ得る。アミン基(例えば、t−ブトキシカルボニル(「Boc」)基)の保護は、標準条件下でジ−tert−ブチルジカルボネート(「Boc2O」)を用いて成し遂げられて、化合物24(この場合、Pgは保護基である)を提供する。代替的保護基が用いられ得るし、多数の適切な例が、’Protective Groups in Organic Synthesis’ by Greene and Wuts, Wiley−Interscience, third edition, Chapter 7に列挙されている。保護化アミノ酸25を生成するためのエステル24の鹸化は、エステルに適した条件を用いて成し遂げられ得る(例えば、メチルエステルに関しては水性LiOH、ベンジルエステルに関しては水素添加、t−ブチルエステルに関しては酸)。
代替的には、活性化オレフィン23は、適切な温度(例えば−20℃〜還流温度)で、適切な溶媒(例えばTHF)中で、第二級アミン(例えばジエチルアミン)で処理して、アミノエステル中間体(示されていない)を生成し得る。化合物23が電子豊富芳香族環または電子不足/嵩高い第二級アミンを有する場合、加熱(例えば、密閉管中で30〜240℃)またはマイクロ波化学が必要とされ得る。アミノ酸26を生成するためのエステルの鹸化は、エステルに適した条件を用いて成し遂げられ得る(例えば、メチルエステルに関しては水性LiOH、ベンジルエステルに関しては水素添加、t−ブチルエステルに関しては酸等)。
スキームBは、式2A(この場合、R4、R5およびR6は本明細書中で定義されたとおりであり、tは0〜4である)の任意置換γ−フェニルグリシンアミノ酸30の調製方法を示す。出発不飽和エステル23(スキームAに従って調製され得る)は、適切な温度(例えば、0℃〜室温)で、DBUのような塩基の存在下で、置換ニトロメタン誘導体(例えば、ニトロエタン)で処理されて、ホモログ化付加物27を生じる。化合物27のニトロ基は、適切な温度(例えば、室温〜還流温度)で、標準条件(例えば、水素添加、Zn/酸等)を用いて還元され得、その結果生じる中間体は環化されて、ラクタム中間体28を生じ得る。化合物29を提供するための、例えばBoc基によるアミンの保護は、標準条件下でBoc2Oを用いて成し遂げられ得る。代替的保護基が用いられ得るし、多数の適切な例が、’Protective Groups in Organic Synthesis’ by Greene and Wuts, Wiley−Interscience, third edition, Chapter 7に列挙されている。適切な温度(例えば、0℃〜100℃)で、LiOHまたはKOHのような水性塩基による化合物29の処理は、ラクタムの開環を実行して、適切に置換された保護アミノ酸化合物30を生じる。
スキームBの一代替物では、Bocは化合物29および30ではR17に取り替えられ得る。
スキームCは、γアミノ酸34および35(この場合、tは0〜3であり、PGはアミン保護基、例えばBocであり、R
*はキラル補助基(例えば、エバンスのオキサゾリジノン)であり、R
4、R
5およびR
6は本明細書中で定義されるとおりである)の単一エナンチオマーを形成するための代表的方法を示す。考え得る一方法では、ラセミアミノ酸は、キラル固定相を用いるキラルクロマトグラフィー分離に付される。代替的には、慣用的クロマトグラフィーまたは結晶化技法により分離され得るジアステレオマー混合物が調製され得る。例えば、塩基性アミン(例えば、ヒューニッヒ塩基)の存在下で−20℃〜50℃での、化合物30(例えば、COCl
2、塩基)の活性化ならびにキラル補助基(例えば、エバンスのオキサゾリジノン)の導入は、化合物32および33のジアステレオマー混合物を生じる。この混合物は、標準条件(例えば、カラムクロマトグラフィー、HPLC、SFC等)を用いて分離されて、個々のジアステレオマーを生じ得る。これらは、キラル補助基の開裂により(エバンス補助基の場合は、−15℃〜室温で、(例えば)LiOH/HOOHを用いることにより)、所望の酸に転化されて、化合物34および35を生じ得る。温度は、新規に分離されるキラル中心のラセミ化を防止するために低く保持される必要があり得る。
スキームDは、式3A(この場合、tは0〜3であり、PGはアミン保護基であり、R
17およびR
18は上記と同様であり、R
4は本明細書中で定義されるとおりである)の任意置換β−フェニルアラニンアミノ酸39、40および41の調製方法を示す。適切に置換されたアルデヒド36は、適切な塩基(例えば、ピペリジン)の存在下で、適切な温度(例えば、室温〜還流温度)で、式CN−CH
2CO
2R’’’(式中、R’’’は、C
1〜C
6アルキル(例えば、エチル2−シアノアセテート)である)のシアノアセテートで処理されて、不飽和エステル37を生じ得る。化合物38を提供するための化合物37のオレフィンおよび二トリル基の還元は、多数の方法で成し遂げられ得る。例えば、オレフィンは、1,4−還元を実行することが知られている任意の試剤、例えばNaBH
4で還元され得る。ニトリルは、ルイス酸、例えばBF
3・OEt
2またはトリフルオロ酢酸(「TFA」)の存在下で、LiAlH
4またはNaBH
4のような試剤を用いて還元され得る。例えば、’Reductions in Organic Chemistry’ by Hudlicky, ACS monograph, 2
nd edition, Chapter 18に列挙されているような、多数の代替的還元剤が用いられ得る。所望により、第一級アミン38は、標準条件(例えば、適切なアルデヒド、ルイス酸および還元剤を用いる還元的アミノ化)を用いて、この段階でモノアルキル化またはビスアルキル化されて、中間体(示されていない)が、化合物39および40生成の途中で、提供され得る。第一級および第二級アミンを調製するために、任意の数の保護基を用いて(例えば、’Protective Groups in Organic Synthesis’ by Greene and Wuts, Wiley−Interscience, third edition, Chapter 7)、例えば、0℃〜室温でBoc無水物を用いるBoc基として、保護が成し遂げられ得る。アミノ酸39、40または41を形成するためのエステル基の開裂は、水性塩基、例えばLiOHまたはKOH、あるいは前記の「Protecting Groups」テキストに列挙された代替的試薬のいずれかを用いて、成し遂げられ得る(例えば、ベンジルエステルの水素添加)。
スキームEは、式4A(この場合、tは0〜3であり、PGはアミン保護基であり、R
4は本明細書中で定義されるとおりである)の任意置換α−フェニルアラニンアミノ酸45の製造方法を示す。適切に置換された酸42は、例えばLiAlH
4を用いて、室温〜還流温度の範囲の温度で、ベンジルアルコール43に還元され得る。化合物43のアルコール基は、例えばPBr
3、MsCl/NEt
3等を用いて、脱離基(例えば、ハロゲン化物、メシレート等)として活性化され得る。強塩基、例えばリチウムジイソプロピルアミド(「LDA」)またはn−BuLiの存在下で、保護化グリシン誘導体、例えば2−(ジフェニルメチレンアミノ)酢酸エチルを用いるこの脱離基の置換は、アミノエステル中間体44(この場合、R’はC
1〜C
6アルキルである)を提供する。適切な保護基は、’Protective Groups in Organic Synthesis’ by Greene and Wuts, Wiley−Interscienceに列挙されている。アミン保護基は、この段階で、例えばBoc基を導入するよう変更され得る。適切な温度(例えば、0℃〜還流温度)でのエステル44のその後の脱保護(例えば、3N HCl、LiOH、ベンジルエステルに対する水素添加等を用いる)は、所望のN−保護化アミノ酸45を提供する。
スキームFに示された手法を用いて、β−アミノ酸のどちらかのエナンチオマーが調製され得る。アミノ酸のβ位で所望の化学を生じるための適切な立体化学を伴う適切なキラル補助基(R
*)(例えばエバンスの補助基またはスルタム)を有する2−フェニルアセテート46(この場合、tは0〜3であり、R
4は本明細書中で定義されるとおりである)は、イミンまたはイミニウムイオン・シントン(例えば、ルイス酸(例えば、TiCl
4)および適切に置換されたアルコキシメタンアミンまたはN−(アルコキシメチル)アミド/カルバメートの存在により、−100℃〜50℃の温度で、in situで調製される)で処理されて、化合物47(この場合、R
17はアミン保護基であるかまたは上記のとおりである)を調製し得る。不斉付加は、最良レベルの立体化学の誘導を生じるためには、ルイス酸(例えば、TiCl
4)、アミン塩基(例えば、ヒューニッヒの塩基)およびより低い温度(例えば、−100℃〜0℃)の存在を必要とし得る。ジアステレオ選択性が必要とされるものより低い場合、例えば、クロマトグラフィーまたは結晶化により、この段階で別個のジアステレオマーが分離され得る。次に、キラル補助基の開裂は、選択された補助基を開裂することが知られている方法(例えば、エバンス補助基に関しては、−50℃〜50℃で、LiOH/H
2O
2)を用いて、β位に所望の立体化学を有する所望のN保護βアミノ酸48をもたらす。さらに、R
17が保護基でもある場合(例えば、2,4−ジメトキシベンジル)、それは、Boc基の存在下で除去され得(例えば、水素添加またはDDQ等)、Boc−アミノ酸71を生じ、これは、Boc基の除去時に、第一級アミン(示されていない)を提供し、これはさらに(ピリミジン−ピペラジン単位とのカップリングの前かまたは後に)、アルキル化、アシル化または還元的アミノ化により官能化され得る。代替的には、化合物48のBoc基は、R
18(上記)へと誘導体化し得る。
スキームGは、式VI(式中、R
kはメチルまたはエチルであり、R
19およびR
20は、独立して、水素、ハロゲン、C
1〜C
4アルキル(ハロゲン、OH、CF
3、CNまたはオキソから選択される1〜3つの置換基で任意に置換される)から選択され、PGはアミン保護基であり、そしてR
8、G
1およびrは上記と同様である)の化合物を調製するのに用いられる任意置換アミノ酸55の製造方法を示す。適切に置換されたラクタム50は、例えばLiBEt
3Hを用いて、アミナルに還元され得る。次に、アミナルは、水素化ナトリウムおよび(EtO)
2P(O)CH
2CO
2Etのような試薬で処理されて、不飽和エステル51を提供し得る。保護基PGの除去、ならびに塩基(例えば、Et
3N)による処理は、環化化合物52を提供する。アミンのその後の保護は、化合物53を生じる。G
1基の任意の導入は、適切な塩基(例えば、リチウムヘキサメチルジシラジド(「LHMDS」))およびアルキルハロゲン化物を用いて、化合物53に対して実行されて、化合物54を提供し得る。次に、エステル加水分解が、54に対して直接実行されて、対応する酸を直接生じるか、あるいは化合物54が任意に脱保護され、その後、R
8の導入およびエステル加水分解が実行されて、化合物55を生じ得る。
スキームHは、式V(式中、PG1は上記のPGと同一であり、R17、R18およびG1は上記で定義されたとおりである)の化合物の調製に用いられる任意置換アミノ酸59の製造方法を示す。R17は、市販のアミノ酸メチルエステルの還元的アミノ化、アルキル化または遷移金属触媒カップリングにより導入され得るか、あるいは対応するアミノ酸から調製されて、化合物57を生じ得る。R18は、同様にして導入され、その後、加水分解されて、任意置換アミノ酸59を生じ得る。
式Iの化合物の調製に際しては、中間体の遠隔官能基(例えば、第一級または第二級アミン等)の保護が必要とされ得る。このような保護の必要性は、遠隔官能基の性質、ならびに調製方法の条件によって変わる。適切なアミノ保護基(NH−Pg)としては、アセチル、トリフルオロアセチル、Boc、ベンジルオキシカルボニル(CBz)および9−フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。このような保護に対する必要性は、当業者により容易に決定される。保護基の一般的説明およびそれらの使用に関しては、T.W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, New York, 1991を参照されたい。
分離方法
反応生成物を互いに、および/または出発物質から分離することは有益であり得る。各ステップまたは一連のステップの所望の生成物は、当該技術分野で一般的な技法により、分離され、および/または所望程度の均質性に精製される(以降、分離されると称する)。典型的には、このような分離は、多相抽出、溶媒または溶媒混合物からの結晶化、蒸留、昇華またはクロマトグラフィーを包含する。クロマトグラフィーは、任意の数の方法、例えば逆相および順相、サイズ排除、イオン交換、高、中および低圧液体クロマトグラフィー法および装置、小規模分析用、擬似移動床(SMB)および分取薄層または厚層クロマトグラフィー、ならびに小規模薄層およびフラッシュクロマトグラフィーの技法を包含し得る。所望の分離を達成すると最も考えられる技法を、当業者は適用する。
ジアステレオマー混合物は、当業者に周知の方法により、例えばクロマトグラフィーおよび/または分別晶出により、それらの物理化学的差に基づいて、それらの個々のジアステレオマーに分離され得る。エナンチオマーは、適切な光学活性化合物(例えば、キラル補助基、例えばキラルアルコールまたはモッシャーの酸塩化物)と反応させて、エナンチオマー混合物をジアステレオマー混合物に転化し、ジアステレオマーを分離して、個々のジアステレオ異性体を対応する純粋なエナンチオマーに転化する(例えば、加水分解する)ことにより分離され得る。エナンチオマーは、キラルHPLCカラムの使用によっても分離され得る。
その立体異性体を実質的に有さない単一立体異性体、例えばエナンチオマーは、光学活性分割剤を用いたジアステレオマーの形成といった方法を用いて、ラセミ混合物の分割により得られ得る(Eliel, E. and Wilen, S. “Stereochemistry of Organic Compounds,” John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994;Lochmuller, C.H., (1975) J. Chromatogr., 113(3): 283−302)。本発明のキラル化合物のラセミ混合物は、以下のような任意の適切な方法により、分離され、単離され得る:(1)キラル化合物を用いたイオン、ジアステレオマー塩の形成、および分別晶出または他の方法による分離、(2)キラル誘導体化試薬を用いたジアステレオマー化合物の形成、ジアステレオマーの分離、および純粋な立体異性体への転化、ならびに(3)キラル条件下での実質的に純粋なまたは富化された立体異性体の直接的分離。「Drug Stereochemistry, Analytical Methods and Pharmacology”, Irving W. Wainer, Ed., Marcel Dekker, Inc., New York (1993)」を参照されたい。
方法(1)下では、ジアステレオマー塩は、エナンチオマー的に純粋なキラル塩基、例えばブルシン、キニン、エフェドリン、ストリキニン、α−メチル−β−フェニルエチルアミン(アンフェタミン)等を、酸性官能基、例えばカルボン酸およびスルホン酸を保有する不斉化合物と反応させることにより形成され得る。ジアステレオマー塩は、分別晶出またはイオンクロマトグラフィーにより分離されるよう誘導され得る。アミノ化合物の光学異性体の分離に関しては、キラルカルボン酸またはスルホン酸、例えばカンファースルホン酸、酒石酸、マンデル酸または乳酸の付加が、ジアステレオマー塩の形成をもたらし得る。
代替的には、方法(2)により、分割されるべき基質がキラル化合物の1つのエナンチオマーと反応して、ジアステレオマー対を形成する(E. and Wilen, S. “Stereochemistry of Organic Compounds”, John Wiley & Sons, Inc., 1994, p.322)。ジアステレオマー化合物は、不斉化合物をエナンチオマー的に純粋なキラル誘導体化試薬、例えばメンチル誘導体と反応させた後、ジアステレオマーを分離し、加水分解して、純粋または富化されたエナンチオマーを生じることにより、生成され得る。光学純度の確定方法は、ラセミ混合物のキラルエステル(例えばメンチルエステル(塩基の存在下での、(−)メンチルクロロホルメート)、またはモッシャーエステル、α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニルアセテート(Jacob III. J. Org. Chem., (1982) 47: 4165))を作製すること、そして2つのアトロプ異性エナンチオマーまたはジアステレオマーの存在に関して1H NMRスペクトルを分析することを包含する。アトロプ異性化合物の安定ジアステレオマーは、アトロプ異性ナフチル−イソキノリンの分離のための方法に従って、順および逆相クロマトグラフィーにより分離され、単離され得る(WO 96/15111)。
方法(3)により、2つのエナンチオマーのラセミ混合物は、キラル固定相を用いたクロマトグラフィーにより分離され得る(W.J. Lough, Ed., Chapman and Hall, New York, ”Chiral Liquid Chromatography” (1989);Okamoto, J. of Chromatogr., 513: 375−378 (1990))。富化されたまたは精製されたエナンチオマーは、旋光性および円二色性のような、不斉炭素原子を有する他のキラル分子を峻別するために用いられる方法により、峻別され得る。
投与および製剤処方物
本発明の化合物は、治療されるべき症状に適した任意の便利な経路により投与され得る。適切な経路としては、経口、非経口(例えば皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、皮内、くも膜下腔内および硬膜外)、経皮、直腸、鼻、局所的(例えば、頬および舌下)、膣、腹腔内、肺内および鼻内が挙げられる。
化合物は、任意の便利な投与形態、例えば、錠剤、散剤、カプセル剤、液剤、分散液、懸濁剤、シロップ、スプレー、坐薬、ゲル、乳剤、パッチ等の形態で投与され得る。このような組成物は、薬学的調製物中に慣用的な構成成分、例えば、希釈剤、担体、pH調整剤、甘味剤、増量剤およびさらなる活性剤を含有し得る。非経口投与が所望される場合、組成物は、滅菌性であり、注射または注入に適した溶液または懸濁液形態である。
典型的処方物は、本発明の化合物ならびに担体または賦形剤を混合することにより調製される。適切な担体および賦形剤は当業者によく知られており、例えば、Howard C. Ansel et al., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, (8th Ed. 2004);Alfonso R. Gennaro et al., Remington: The Science and Practice of Pharmacy, (20th Ed. 2000);およびRaymond C. Rowe, Handbook of Pharmaceutical Excipients, (5th Ed. 2005)に詳細に記載されている。処方物は、1つまたは複数の緩衝剤、安定剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、防腐剤、酸化防止剤、不透明化剤、滑り剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、風味剤、希釈剤、ならびに薬剤(すなわち、本発明の化合物、またはその製剤組成物)の洗練された体裁を提供するその他の既知の添加剤、あるいは薬学的製品(すなわち医薬品)の製造における助剤も含み得る。
本発明の一実施形態は、本発明の化合物あるいはその立体異性体または製薬上許容可能な塩を含む製剤組成物を包含する。さらなる実施形態では、本発明は、本発明の化合物あるいはその立体異性体または製薬上許容可能な塩を、製薬上許容可能な担体または賦形剤とともに含む製剤組成物を提供する。
本発明の化合物による治療方法
本発明は、本発明の1つまたは複数の化合物あるいはその立体異性体または製薬上許容可能な塩を投与することにより疾患または症状を治療または予防する方法を包含する。一実施形態では、ヒト患者は、CHK1活性を検出可能的に抑制する量での本発明の化合物あるいはその立体異性体または製薬上許容可能な塩、ならびに製薬上許容可能な担体、アジュバントまたはビヒクルで治療される。
本発明の別の実施形態では、CHK1および/またはCHK2により調整される疾患または障害の予防または治療方法であって、このような治療を必要とする哺乳類に、有効量の本発明の化合物を投与することを包含する方法が提供される。
本発明の別の実施形態では、哺乳類における過剰増殖性疾患の治療方法であって、治療的有効量の本発明の化合物、あるいはその立体異性体または製薬上許容可能な塩を哺乳類に投与することを包含する方法が提供される。
別の実施形態では、このような治療を必要とする哺乳類における、以下で確認される状態を含めた癌の治療または予防方法であって、治療的有効量の本発明の化合物あるいはその立体異性体または製薬上許容可能な塩を上記哺乳類に投与することを包含する方法が提供される。
多数の抗癌薬の活性を強化するCHK1阻害薬の能力のため、広範囲の腫瘍型が本発明の組成物および方法により治療され得る、と予期される。これらの症状としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:心臓性:肉腫(血管肉腫、繊維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、繊維腫、脂肪腫、および奇形腫;肺:気管支原性癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;消化管:食道(扁平上皮細胞癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(腺管腺癌、膵島細胞腺腫、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、類癌腫、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、類癌腫、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、繊維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿路生殖器:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮細胞癌、移行上皮細胞癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胚性癌腫、奇形癌腫、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、繊維腫、繊維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝臓癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝臓芽細胞腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、繊維肉腫、悪性繊維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫、脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨腫症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液繊維腫、類骨骨腫および巨細胞腫;神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、脳室上衣細胞腫、胚細胞腫(松果体腫)、多型性神経膠芽細胞腫、乏突起神経膠細胞腫、シュワン細胞腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経繊維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科学:子宮(子宮内膜癌)、子宮頚部(子宮頸癌、前腫瘍性子宮頚異形成)、卵巣(卵巣癌(漿液性嚢腺腫、粘液性嚢腺腫、分類不能癌)、顆粒膜−包膜細胞腫、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮細胞癌、上皮内癌、腺癌、繊維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮細胞癌、ブドウ状肉腫(胚性横紋筋肉腫)、ファロピウス管(癌腫));血液学的:血液(骨髄性白血病(急性および慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、脊髄形成異常性症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫);皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、奇胎 異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚繊維腫、ケロイド、乾癬;乳房:侵襲性乳癌(侵襲性腺管癌および侵襲性小葉癌)等;副腎:神経芽細胞腫。過剰増殖性疾患という用語は、上記の同定症状を包含する。「癌性細胞」という用語は、本明細書中で提示する場合、上記の同定症状のうちのいずれか1つに罹患した細胞を包含する。
本発明の別の態様は、癌の治療のための薬剤の製造における、本発明の化合物あるいはその立体異性体または製薬上許容可能な塩の使用を提供する。
別の実施形態では、CHK1および/またはCHK2により調整される疾患または障害の治療または予防方法であって、このような治療を必要とする哺乳類に、有効量の本発明の化合物、あるいはその立体異性体または製薬上許容可能な塩を投与することを包含する方法が提供される。
別の実施形態では、癌の予防または治療方法であって、このような治療を必要とする哺乳類に、有効量の本発明の化合物を、単独で、または抗癌特性を有する1つまたは複数の付加的化合物と一緒に投与することを包含する方法が提供される。
CHK1阻害薬は、このような作用物質(単数または複数)がCHK1依存性細胞周期チェックポイントを誘発する場合、広範囲の抗癌薬の活性を強めると予期される。
本発明は、哺乳類における過剰増殖性疾患の治療のための組成物であって、治療的有効量の本発明の化合物あるいはその立体異性体または製薬上許容可能な塩を、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、抗代謝物質、アンチセンスDNAまたはRNA、挿入抗生物質、増殖因子阻害剤、シグナル伝達阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素阻害剤、レチノイド受容体モジュレーター、プロテアソーム阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答修飾因子、抗ホルモン剤、血管新生阻害剤、抗アンドロゲン、標的化抗体、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤およびプレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤から選択される抗腫瘍薬と組合せて含む組成物に関する。
本発明は、哺乳類における過剰増殖性障害の治療のための方法であって、治療的有効量の本発明の化合物、あるいはその立体異性体または製薬上許容可能な塩を、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、抗代謝物質、アンチセンスDNAまたはRNA、挿入抗生物質、増殖因子阻害剤、シグナル伝達阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素阻害剤、レチノイド受容体モジュレーター、プロテアソーム阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答修飾因子、抗ホルモン剤、血管新生阻害剤、抗アンドロゲン、標的化抗体、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤およびプレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤から選択される抗腫瘍薬と組合せて、上記哺乳類に投与することを包含する方法にも関する。
別の実施形態は、療法に用いるための本発明の化合物を提供する。
別の実施形態は、過剰増殖性疾患の治療に用いるための本発明の化合物を提供する。さらなる実施形態では、過剰増殖性疾患は、上記の同定症状を含めた癌である。
本発明は、哺乳類における異常細胞増殖を抑制するための製剤組成物であって、当該化合物、立体異性体または塩の量、ならびに化学療法薬の量がともに異常細胞増殖を抑制するのに有効である量の化学療法薬と組合せて、そのような量の本発明の化合物、あるいはその立体異性体または製薬上許容可能な塩を含む組成物にも関する。多数の化学療法薬が当該技術分野で知られている。ある実施形態では、化学療法薬は、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、抗代謝物質、アンチセンスDNAまたはRNA、挿入抗生物質、増殖因子阻害剤、シグナル伝達阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素阻害剤、レチノイド受容体モジュレーター、プロテアソーム阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答修飾因子、抗ホルモン剤、血管新生阻害剤、抗アンドロゲン、標的化抗体、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤および/あるいはプレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤から選択される。
本発明は、哺乳類における異常細胞増殖を抑制するための、あるいは過剰増殖性障害を治療するための方法であって、ある量の本発明の化合物あるいはその立体異性体または製薬上許容可能な塩を、放射線療法と組合せて、哺乳類に投与することを包含する方法に関するが、この場合、放射線療法と組合せた化合物の量は、哺乳類における異常細胞増殖を抑制するのに、または過剰増殖性障害を治療するのに有効である。放射線療法を施すための技法は当該技術分野で知られており、これらの技法は、本明細書中に記載される併用療法で用いられ得る。この併用療法における本発明の化合物の投与は、本明細書中に記載されるように確定され得る。
本発明の化合物は、このような細胞の増殖を死滅させるかおよび/またはそれを抑制する目的のための、放射線を用いた治療に対して異常細胞をより感受性にさせ得る、と考えられる。したがって、本発明はさらに、放射線による治療に対して哺乳類における異常細胞を感受性にするための方法であって、放射線治療に対して異常細胞を感受性にするのに有効である量の本発明の化合物あるいはその立体異性体または製薬上許容可能な塩を哺乳類に投与することを包含する方法に関する。本方法に用いられるべき化合物、立体異性体または塩の量は、本明細書中に記載されるこのような化合物の有効量を確かめるための手段により、あるいは当業者に既知の方法により、確定され得る。
本発明の別の実施形態は、過剰増殖性疾患の治療のための薬剤の製造における、本発明の化合物あるいはその立体異性体または製薬上許容可能な塩の使用を提供する。さらなる実施形態では、過剰増殖性疾患は、上記の同定症状を含めた癌であり得る。
本発明の別の実施形態では、上記の同定症状を含めた癌の療法を受けている患者の治療においてCHK1および/またはCHK2阻害薬として用いるための薬剤の製造における、本発明の化合物の使用が提供される。
本発明の別の実施形態は、過剰増殖性疾患の治療における本発明の化合物の使用を提供する。さらなる実施形態では、過剰増殖性疾患は、上記の同定症状を含めた癌である。
別の実施形態は、癌療法を受けている患者の治療におけるCHK1および/またはCHK2阻害薬としての使用のための薬剤の製造における本発明の化合物の使用を提供する。
別の実施形態では、過剰増殖性疾患の治療において用いるための本発明の化合物を含む製剤組成物が提供される。
別の実施形態では、癌の治療において用いるための本発明の化合物を含む製剤組成物が提供される。
併用療法
本発明の化合物ならびにその立体異性体および製薬上許容可能な塩は、単独で、または他の治療薬と組合せて、治療のために用いられ得る。本発明の化合物は、異なる作用機序により働く化合物を含めた1つまたは複数の付加的薬剤と組合せて用いられ得る。薬学的組合せ処方物の第二化合物または用量投与レジメンは、それらが互いに悪影響を及ぼさないよう、好ましくは、本発明の化合物と相補的な活性を有する。このような分子は、適切には、意図された目的のために有効である量で、組合せて存在する。化合物は、単位製剤組成物中に一緒に、または別々に投与され得、そして、別々に投与される場合、これは、同時的に、または任意の順序で順次的に起こり得る。このような順次投与は、時間間隔が短いか、または時間間隔が隔たることもある。
本発明を例証するために、以下の実施例を包含する。しかしながら、これらの実施例は本発明を限定せず、本発明の実施方法を示唆するよう意図されるに過ぎない、と理解されるべきである。記載される化学反応は、本発明の多数の他の化合物を調製するために容易に適合され得るし、本発明の化合物を調製するための代替的方法は本発明の範囲内であるとみなされる、と当業者は認識する。例えば、本発明による非例示的化合物の合成は、当業者に明らかな修飾により、例えば妨害基を適切に保護することにより、記載されたもの以外の当該技術分野で既知の他の適切な試薬を利用することにより、および/または反応条件の慣例的な修正により、首尾よく実施され得る。代替的には、本明細書中に開示されるかまたは当該技術分野で知られた他の反応は、本発明の他の化合物を調製するための適用可能性を有すると認識される。
下記の実施例では、別記しない限り、温度は全て摂氏で記述される。試薬は、商業的供給元、例えばSigma−Aldrich、Alfa AesarまたはTCIから購入し、別記しない限り、さらに精製せずに用いた。
以下で記述する反応は、一般的に、陽圧の窒素またはアルゴン下で(別記しない限り)無水溶媒中で乾燥管を用いて実行し、反応フラスコには、典型的には、注射器による基質および試薬の導入のためのゴム製隔壁を取り付ける。ガラス器はオーブン乾燥するか、および/または加熱乾燥した。
シリカゲルカラムを有するBiotage系(製造業者:Dyax Corporation)で、またはシリカSepPakカートリッジ(Waters)で、または(別記しない限り)C18Hカラムを用いるBiotageSP4系で、カラムクロマトグラフィーを実行した。400MHzで操作するVarian社製計器で、1H NMRスペクトルを記録した。参照標準としてTMSを用いて、1H−NMRスペクトルをCDCl3、d6−DMSO、CH3ODまたはd6−アセトン溶液(ppmで記録)として得た。ピーク多重度を記録する場合、以下の略語を用いる:s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、m(多重項)、br(広幅化)、dd(二重項の二重項)、dt(三重項の二重項)。結合定数(示される場合)は、ヘルツ(Hz)で報告する。
実施例A
CHK1酵素検定
化合物を3倍連続希釈でジメチルスルホキシド(「DMSO」)中で希釈し、次に、反応物に添加して、最終濃度1%のDMSOを得る。バキュロウイルスから精製したカルボキシ末端に10個の付加的ヒスチジン残基を有するアミノ酸1〜273のヒトCHK1キナーゼドメインを用いて、酵素検定で、化合物を試験した。基質は、Invitrogenからの蛍光OmniaペプチドS/T11であった。アッセイは、25μLの反応容積中に、25mMのHEPES、pH7.4、10mMのMgCl2、1mMのDTT、0.01%のトリトンX100、0.5nMのCHK1酵素、2μMのS/T11ペプチド基質、60MのATP、試験化合物、1%DMSOを含有する。白色384ウエル・ポリプロピレンプレート(Nunc, Inc ., Naperville, ILから入手可能)中で、室温で検定を実行し、340nMの励起光、495nMの発光で、Envision読取装置(PerkinElmer, Inc., Waltham, MA)で、45分間、50秒毎にデータを収集した。各ウエルからの収集データを直線にフィットさせて、その結果生じた比率を用いて、対照のパーセントを算定した。各試験化合物に関するIC50値を、4パラメーター適合を用いて、対照のパーセント対化合物濃度プロットから確定した。
実施例1〜74の化合物を上記の検定で試験して、10.5μM未満のIC
50を有することを見出した。
実施例B
tert−ブチル5−メトキシ−2,2−ジメチルピロリジン−1−カルボキシレート
5,5−ジメチルピロリジン−2−オン(0.108g、0.953mmol、Ganem, B., et al., Tet Lett 26: 6413 (1985)に記載されるように調製)をTHF(3mL)中に溶解し、−20℃に冷却した。溶液をLHMDS(1.05mL、1.05mmol)で処理し、−20℃で30分間撹拌した。ジ−tert−ブチルジカルボネート(0.250g、1.14mmol)を添加し、反応混合物を周囲温度に温めた。反応物を周囲温度で2時間撹拌し、次に、飽和NH4Clでクエンチして、酢酸エチルで希釈し、分離した。有機層を飽和NH4Clで、飽和NaHCO3、飽和NaClで洗浄し、Na2SO4上で乾燥して、真空濃縮して、油を得た。粗生成物をSiO2上でのクロマトグラフィーに付して、4:1ヘキサン/酢酸エチルで溶離した。tert−ブチル2,2−ジメチル−5−オキソピロリジン−1−カルボキシレート(4:1のヘキサン/酢酸エチル中Rf 0.11)を固体として回収した(0.87g、43%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ ・2.48 (t, J = 7.8, 2H), 1.85 (t, 2H), 1.54 (s, 9H), 1.47 (s, 6H).
DIBAL−H(73.65mL、110.5mmol、トルエン中1.5M)を、−78℃に冷却した乾性Et
2O(200mL)中のtert−ブチル2,2−ジメチル−5−オキソピロリジン−1−カルボキシレート(23.10g、108.3mmol)の溶液に、一部ずつ添加した。反応物を−78℃で1時間撹拌し、次に、室温に温めて、一晩撹拌した。反応をNH
4OH(50mL)でクエンチして、20分間撹拌した。次に反応物をEtOAc(200mL)で希釈し、0.5Mロッシェル塩(100mL)を添加し、層を分離した。有機分画を0.5Mロッシェル塩(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥(MgSO
4)して、濃縮し、油とした。油を、MeOH(200mL)中のp−TsOH一水和物(2.06g、10.8mmol)の溶液中に取り入れ、室温で一晩撹拌した。次に、反応物を濃縮し、EtOAc(200mL)中に取り入れ、飽和Na
2CO
3(2×100mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO
4)して、濃縮し、tert−ブチル5−メトキシ−2,2−ジメチルピロリジン−1−カルボキシレート(24.07g、収率96.9%)を油として得た。
実施例C
(S)−2−(4−ブロモフェニル)−2−((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)酢酸
2−(4−ブロモフェニル)酢酸(7.85g、36.5mmol)および(R)−4−ベンジルオキサゾリジン−2−オン(3.23g、18.3mmol)をトルエン(30mL)およびトリエチルアミン(10.2mL、73.0mmol)中で合わせた。次に、溶液を80℃に加熱し、トルエン(7.5mL)中の塩化ピバロイル(4.49mL、36.5mmol)の溶液を徐々に添加した。反応物を110℃に加熱し、一晩撹拌した。次に反応物を冷却し、トルエン溶液を2N HCl、水、5%Na2CO3、ブラインで洗浄し、次に、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の除去後、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、(R)−4−ベンジル−3−(2−(4−ブロモフェニル)アセチル)オキサゾリジン−2−オン(5.65g、83%)を固体として得た。
トルエン(3.52mL、3.52mmol)中の1.0MのTiCl4を、−78℃で、ジクロロメタン(「DCM」;30mL)中の(R)−4−ベンジル−3−(2−(4−ブロモフェニル)アセチル)オキサゾリジン−2−オン(1.26g、3.35mmol)の溶液に添加した。次に、DIEA(0.64mL、3.69mmol)を、冷撹拌溶液に添加した。反応物を−78℃で15分間撹拌し、その後、DCM(10mL)中のtert−ブチル5−メトキシ−2,2−ジメチルピロリジン−1−カルボキシレート(1.00g、4.36mmol、実施例B参照)の溶液を添加した。次に、反応物を−10℃に温めて、2時間撹拌した。反応物を飽和NH4Cl溶液(20mL)でクエンチし、有機分画を単離して、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して、濃縮した。その結果生じた残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、(S)−tert−ブチル5−((R)−2−((R)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−1−(4−ブロモフェニル)−2−オキソエチル)−2,2−ジメチルピロリジン−1−カルボキシレート(1.63g、85%)を固体として得た。
30%H
2O
2(0.67mL、7.0mmol)を、THF/水(2:1、93mL)中のLiOH−H
2O(0.24g、5.60mmol)の溶液に添加し、溶液を室温で10分間撹拌した。次に、溶液を0℃に冷却し、THF(10mL)中の(S)−tert−ブチル5−((S)−2−((R)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−1−(4−ブロモフェニル)−2−オキソエチル)−2,2−ジメチルピロリジン−1−カルボキシレート(1.60g、2.80mmol)の溶液で処理した。反応物を0℃で2時間撹拌し、室温に温めて、一晩撹拌した。次に、反応物を0℃に冷却し、1MのNa
2SO
3(10mL)で処理し、10分間撹拌した。次に、反応物を室温に温めて、10分間撹拌した。反応物を次に濃縮し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。次に、水性層を1NのHClで酸性にして、pH約1〜約2とし、DCM(2×20mL)で抽出した。合わせたDCM分画を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮して、(S)−2−(4−ブロモフェニル)−2−((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)酢酸(1.01g、収率87%)を固体として得た。MS ESI(+)m/z412検出。
実施例D
(S)−2−((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)−2−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)酢酸
2−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)酢酸(1.00g、5.30mmol)を、0℃でTHF(14mL)中に溶解し、トリエチルアミン(0.81mL、5.8mmol)で処理した。次に、塩化ピバロイル(0.69mL、5.6mmol)を溶液に添加し、混合物を0℃で1時間撹拌した。別個のフラスコ中で、(R)−4−ベンジルオキサゾリジン−2−オン(0.987g、5.57mmol)をTHF(14mL)中に−78℃で溶解して、n−BuLi(2.54mL、5.83mmol)で処理した。上記の陰イオン溶液を20分間撹拌し、次に、−78℃で無水物中にカニューレを通して添加した。次に、反応物を−78℃で1時間撹拌して、その後、2時間、0℃に温めた。飽和NH4Cl溶液(20mL)を添加して混合物をクエンチし、真空濃縮した。次に、その結果生じた残渣を酢酸エチルおよび水間に分配した。水性層を酢酸エチルで1回抽出し、有機分画を合わせ、ブラインで洗浄して、分離し、MgSO4上で乾燥して、濾過し、真空濃縮した。その結果生じた残渣をカラムクロマトグラフィー(3:1 ヘキサン:酢酸エチル)により精製して、(R)−4−ベンジル−3−(2−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)アセチル)オキサゾリジン−2−オン(0.95g、51%)を油として得て、これを放置して固化した。
トルエン中のTiCl4(7.79mL、7.79mmol)を、DCM(60mL)中の(R)−4−ベンジル−3−(2−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)アセチル)オキサゾリジン−2−オン(2.58g、7.42mmol)の溶液に添加した。DIEA(1.42mL、8.16mmol)をこの撹拌冷溶液に添加し、その後、DCM(20mL)中のtert−ブチル5−メトキシ−2,2−ジメチルピロリジン−1−カルボキシレート(2.21g、9.65mmol)の溶液に添加した。反応物を−78℃で15分間撹拌し、次に、−10℃に温めて、3時間撹拌した。反応を飽和NH4Cl溶液(20mL)でクエンチして、有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒の除去後、その結果生じた残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、(S)−tert−ブチル5−((R)−2−((R)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−1−(4−ブロモフェニル)−2−オキソエチル)−2,2−ジメチルピロリジン−1−カルボキシレート(2.62g、65%)を固体として得た。
30%H
2O
2(0.159mL、1.65mmol)を、2:1のTHF:H
2O(40mL)中のLiOH−H
2O(0.055g、1.32mmol)の溶液に添加した。混合物を20分間撹拌し、次に、0℃に冷却した。THF(3mL)中の(S)−tert−ブチル5−((S)−2−((R)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−オキソエチル)−2,2−ジメチルピロリジン−1−カルボキシレート(0.360g、0.660mmol)を次に徐々に添加した。添加完了時に、反応物を室温に温め、一晩撹拌した。次に、反応混合物を0℃に再冷却し、1MのNa
2SO
3(4mL)を添加した。反応物を0℃で10分間撹拌し、次に室温に温めて、さらに10分間撹拌した。次に、反応物を真空濃縮してTHFを除去し、その結果生じた混合物をEtOAcで洗浄した。次に、有機分画を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮して、(S)−2−((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)−2−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)酢酸ナトリウム塩(0.24g、94%)を粉末として得た。MS ESI(+)m/z386検出。
実施例E
3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−クロロベンジル)プロパン酸
ニートのSOCl2(25.7g、216.7mmol)を、MeOH(100mL)の−60℃溶液に滴下した。添加完了時に、3−(4−クロロフェニル)プロパン酸(10.0g、54.1mmol)を、数度に分けて添加した。添加の完了時に、冷却浴を除去し、反応混合物を徐々に室温に温めて、一晩撹拌した。次に、反応物を濃縮乾燥し、その結果生じた残渣をDCM(100mL)中に溶解して、飽和NaHCO3で洗浄し、乾燥(MgSO4)して、濾過し、濃縮して、メチル3−(4−クロロフェニル)プロパノエートを油として得た(10.48g、97%)。
BuLi(5.2mL、ヘキサン中1.6M)を、THF(40mL)中のジイソプロピルアミン(0.91g、9.0mmol)の0℃溶液に添加した。次に、反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで、−78℃に冷却した。THF(8mL)中の3−(4−クロロフェニル)プロパノエート(1.5g、7.5mmol)の溶液を徐々に添加し、反応混合物を−78℃で40分間撹拌した。THF(5mL)中のtert−ブチル2−ブロモアセテート(4.4g、22.7mmol)の溶液を次に添加した。次いで、反応物を−78℃で30分間撹拌し、その後、室温に温めて、一晩撹拌した。次に、反応物を飽和NH4Clでクエンチし、濃縮して、THFを除去した。次いで、反応物をEtOAcで抽出し、合わせた抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮して、真空乾燥して、4−tert−ブチル1−メチル2−(4−クロロベンジル)スクシネート(1.91g、81%)を油として得た。
TFA(15mL)を、0℃でDCM(30mL)中の4−tert−ブチル1−メチル2−(4−クロロベンジル)スクシネート(1.91g、6.1mmol)の溶液に滴下した。次に、反応混合物を室温に温めて、5時間撹拌した。次いで、反応物を濃縮乾燥して、3−(4−クロロベンジル)−4−メトキシ−4−オキソブタン酸をシロップ(1.55g、95%)として得て、これをさらに精製せずに用いた。
アジ化ジフェニルホスホリル(2.1g、76mmol)を、t−BuOH(40mL)中の3−(4−クロロベンジル)−4−メトキシ−4−オキソブタン酸(1.6g、6.4mmol)およびトリエチルアミン(「TEA」;0.97g、9.58mmol)の溶液に添加した。次に、反応混合物を加熱還流して、6時間撹拌した。次に、反応物を室温に冷却し、濃縮して、油とした。カラムクロマトグラフィー(9:1〜5:1のヘキサン:EtOAc)により精製して、メチル3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−クロロベンジル)プロパノエート(0.64g、31%)を得た。
LiOH−H
2O(0.09g、2.1mmol)を、2:1のTHF:H
2O(20mL)中のメチル3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−クロロベンジル)プロパノエート(0.64g、1.9mmol)の溶液に添加した。次に反応物を室温で3時間撹拌し、次に、H
2O(50mL)で希釈して、エーテル(50mL)で洗浄した。次に、水性層を固体KHSO
4で酸性にして、固体NaClで飽和し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(Na
2SO
4)し、濾過し、濃縮して、真空乾燥して、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−クロロベンジル)プロパン酸(0.523g、85%)を固体として得た。MS ESI(−)m/z312検出。
実施例F
(S)−2−((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル)−2−(4−クロロフェニル)酢酸
2−(4−クロロフェニル)酢酸(20.00g、117.2mmol)および(R)−4−ベンジルオキサゾリジン−2−オン(10.39g、58.62mmol)を、トルエン(100mL)中で合わせた。トリエチルアミン(32.68mL、234.5mmol)を添加し、溶液を80℃に加熱した。トルエン(25mL)中の塩化ピバロイル(14.42mL、117.2mmol)の溶液を滴下した。添加後、混合物を16時間、加熱還流した。反応物を冷却し、2N HCl(2×)、水、5%Na2CO3(2×)、飽和NaClで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、真空濃縮して、固体とした。粗製固体をSiO2上でのクロマトグラフィーに付して、4:1のヘキサン/酢酸エチルで溶離した。(R)−4−ベンジル−3−(2−(4−クロロフェニル)アセチル)オキサゾリジン−2−オンを固体として回収した(30.7g、80%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.34−7.26 (m, 7 H), 7.16−7.11 (m, 2H), 4.71−4.64 (m, 1H), 4.35−4.16 (m, 4H), 3.26 (dd, J1 = 2.9, J2 = 13.2, 1H), 2.76 (dd, J1 = 9.3, J2 = 13.2, 1H).
tert−ブチル2−オキソピロリジン−1−カルボキシレート(12.33g、66.57mmol)をEt2O(60mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。懸濁液をDIBAL−H(45.27mL、67.90mmol;トルエン中1.5M)で滴下処理し、混合物を−78℃で2時間撹拌した。混合物を浴を用いて周囲温度に温めて、一晩撹拌した。反応を、MeOH(75mL)中のp−トルエンスルホン酸水和物(0.075g)の溶液の添加によりクエンチした。混合物を、周囲温度で16時間撹拌した。懸濁液を真空濃縮して、固体とした。これを、ロッシェル塩(0.5N)および酢酸エチルの混合物中に再懸濁した。層を分離して、水性層を塩化メチレン(2×)で洗浄した。合わせた有機層を飽和NaClで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、真空濃縮して、油を得た。塩化チタン(IV)の溶液(10.0mL、10.0mmol;トルエン中1M)を0℃に冷却し、ジクロロメタン(20mL)中に溶解された(R)−4−ベンジル−3−(2−(4−クロロフェニル)アセチル)オキサゾリジン−2−オン(3.00g、9.10mmol)の溶液で処理した。5分後、ジイソプロピルエチルアミン(1.74mL、10.0mmol)を添加した。その結果生じた溶液を0℃で1時間撹拌した後、−20℃に冷却した。ジクロロメタン(20mL)に溶解されたtert−ブチル2−メトキシピロリジン−1−カルボキシレート(2.55g、13.65mmol)の溶液を添加し、混合物を−20℃で75分間撹拌した。混合物を飽和NH4Cl(約100mL)でクエンチし、水で希釈して、固体を溶解した。分離後、水性層を塩化メチレン(3×)で洗浄した。合わせた有機物を水(2×)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥して、真空濃縮した。回収油をSiO2上でのクロマトグラフィーに付して、8:1のヘキサン/酢酸エチルで溶離した。(S)−tert−ブチル2−((S)−2−((R)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−1−(4−クロロフェニル)−2−オキソエチル)ピロリジン−1−カルボキシレートを粘着性発泡体として回収した(1.55g、40%)。MS(APCI+)[M+Na]521.1。
水酸化リチウム水和物(0.0471g、1.12mmol)を、THF/水(3:1、19mL)の溶液に添加し、溶解するまで撹拌した。混合物を0℃に冷却し、30%過酸化水素(0.231mL、2.24mmol)で処理して、10分間撹拌した。THF(2mL)中の(S)−tert−ブチル2−((S)−2−((R)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−1−(4−クロロフェニル)−2−オキソエチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(0.280g、0.561mmol)の溶液を添加した。反応物を、0℃で30分間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(「TLC」)は大した進行を示さなかったので、反応物を周囲温度に温めて、一晩撹拌した。1.5MのNa
2SO
3(1mL)を添加して反応をクエンチして、15分間撹拌した。反応混合物をEt
2Oで希釈して、分離した。水性部分をEt
2Oで2回洗浄し、次いで3NのHClでpHを1に調整した。水性部分を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を水(2×)、飽和NaClで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空濃縮して濃い油を得た。これは徐々に固化して、(S)−2−((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル)−2−(4−クロロフェニル)酢酸を発泡体として生じた(0.55g、72%)。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz) δ 7.30 (d, 2H), 7.21 (d, 2H), 4.53−4.40 (m, 1H), 4.37−4.27 (m, 1H), 3.34−3.22 (m, 1H), 2.98−2.90 (m, 1H), 2.02−1.90 (m, 1H), 1.83−1.74 (m, 1H), 1.64−1.53 (m, 2H), 1.50 (s, 9H).
実施例G
(S)−2−((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)−2−(4−クロロフェニル)酢酸
5,5−ジメチルピロリジン−2−オン(0.108g、0.953mmol、Ganem, B. and Obsy, JO; Tet Lett 26: 6413 (1985)に記載されたと同様に調製し得る)を、THF(3mL)中に溶解し、−20℃に冷却した。溶液をLHMDS(1.05mL、1.05mmol)で処理し、−20℃で30分間撹拌した。ジ−tert−ブチルジカルボネート(0.250g、1.14mmol)を添加し、反応混合物を周囲温度に温めた。反応物を周囲温度で2時間撹拌し、次に、飽和NH4Clでクエンチして、酢酸エチルで希釈し、分離した。有機層を飽和NH4Cl、飽和NaHCO3、飽和NaClで洗浄し、Na2SO4上で乾燥して、真空濃縮して、油とした。粗生成物をSiO2上でのクロマトグラフィーに付して、4:1のヘキサン/酢酸エチルで溶離した。tert−ブチル2,2−ジメチル−5−オキソピロリジン−1−カルボキシレート(4:1のヘキサン/酢酸エチル中、0.11のRf)を、固体として回収した(0.087g、43%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 2.48 (t, J = 7.8, 2H), 1.85 (t, 2H), 1.54 (s, 9H), 1.47 (s, 6H).
tert−ブチル2,2−ジメチル−5−オキソピロリジン−1−カルボキシレート(1.17g、5.49mmol)をEt2O(15mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。溶液をDIBAL−H(3.73mL、5.60mmol)で処理した。混合物を−78℃で2時間撹拌し、次いで、周囲温度に一晩温めた。反応物を、MeOH(12mL)中のp−トルエンスルホン酸水和物(0.012g)の溶液のアリコート(7mL)の添加によりクエンチした。混合物を、周囲温度で60時間撹拌した。懸濁液を真空濃縮し、ロッシェル塩(0.5N)および酢酸エチルの混合物中に再懸濁した。分離後、水性部分を酢酸エチル(2×)で洗浄した。次いで、合わせた有機物を飽和NaClで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、真空濃縮して、油を得た(92%)。トルエン中の塩化チタン(IV)(3.71mL、3.71mmol)の溶液を0℃に冷却し、ジクロロメタン(7mL)中に溶解された(R)−4−ベンジル−3−(2−(4−クロロフェニル)アセチル)オキサゾリジン−2−オン(1.11g、3.38mmol)の溶液で処理した。5分後、ジイソプロピルエチルアミン(0.647mL、3.71mmol)を添加した。その結果生じた溶液を0℃で1時間撹拌した後、−20℃に冷却した。ジクロロメタン(7mL)中のtert−ブチル5−ヒドロキシ−2,2−ジメチルピロリジン−1−カルボキシレート(1.09g、5.06mmol)の溶液を添加し、混合物を−20℃で75分間撹拌した。混合物を飽和NH4Cl(約4mL)でクエンチし、水で希釈して、固体を溶解した。分離後、水性部分を塩化メチレン(3×)で洗浄した。合わせた有機物を水(2×)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥して、真空濃縮した。粗生成物をSiO2上でのクロマトグラフィーに付して、9:1のヘキサン/酢酸エチルで溶離して、(S)−tert−ブチル5−((S)−2−((R)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−1−(4−クロロフェニル)−2−オキソエチル)−2,2−ジメチルピロリジン−1−カルボキシレートを得た(1.62g、61%)。MS(ESI+)[M+H]526.7/528.8。
(S)−tert−ブチル5−((S)−2−((R)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−1−(4−クロロフェニル)−2−オキソエチル)−2,2−ジメチルピロリジン−1−カルボキシレートを用いて、実施例Dに記載した手順に従って、(S)−2−((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)−2−(4−クロロフェニル)酢酸を調製した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.33−7.21 (m, 4H), 4.60−4.51 (m, 1H), 4.39−4.32 (m, 1H), 2.04−1.92 (m, 2H), 1.78−1.68 (m, 2H), 1.51 (s, 9H), 1.22 (s, 6H).
実施例H
(S)−3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸
メチル2−(4−クロロフェニル)アセテート(36.7g、199mmol)およびパラホルムアルデヒド(6.27g、209mmol)を、DMSO(400mL)中に溶解/懸濁し、NaOMe(537mg、9.94mmol)で処理した。混合物を室温で2時間撹拌し、完了(粗製物のTLC分析による)した。反応物を氷冷水中に注ぎ入れ(700mL;乳濁液)、1MのHCl溶液を添加して中和した。水性層を酢酸エチル(3×)で抽出し、有機物を合わせた。有機層を水(2×)、ブライン(1×)で洗浄し、分離し、MgSO4上で乾燥して、濾過し、真空濃縮して、粗生成物を油として得た。残渣を、シリカゲルを有する大型フリット化フィルター上に載せて、出発物質/オレフィンが収集されるまで、9:1のヘキサン:酢酸エチルで溶離した。次に、純粋な所望の生成物が完全に溶離されるまで、プラグを1:1のヘキサン:酢酸エチルで溶離した。濃縮された純粋な分画は、メチル2−(4−クロロフェニル)−3−ヒドロキシプロパノエートを油として生じた(39.4g、92%)。
メチル2−(4−クロロフェニル)−3−ヒドロキシプロパノエート(39.4g、184mmol)をDCM(500mL)中に溶解し、TEA(64.0mL、459mmol)で処理した。溶液を0℃に冷却し、MsCl(15.6mL、202mmol)で徐々に処理し、次いで、30分間撹拌し、完了(TLC分析による)した。溶液を1N HCl溶液で分配して、水性層をDCMで1回抽出した。合わせた有機層を1N HCl溶液でもう一度洗浄し、分離して、希NaHCO3溶液で洗浄し、分離した。有機層をMgSO4上で乾燥して、濾過し、真空濃縮して、油を得た。残渣を、シリカゲルのプラグを有する大型フリット化フィルター上に載せて、9:1のヘキサン:酢酸エチルで溶離して、純粋(TLC分析による)な所望の生成物を得た。濃縮された純粋な分画は、メチル2−(4−クロロフェニル)アクリレートを油として生じた(30.8g、85%)。このメチル2−(4−クロロフェニル)アクリレート(500mg、2.54mmol)を、THF(1.35mL)中の溶液として、0℃で、THF(5.0mL)中のi−PrNH2(217μL、2.54mmol)の撹拌溶液に添加した。反応物を室温で一晩撹拌して、完了(LCMS分析による)した。Boc2O(584μL、2.54mmol)を、ピペットで撹拌アミンに添加した。反応物を一晩撹拌して、を完了(混合物のLCMSおよびTLC分析による)した。溶液を真空濃縮して、メチル3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパノエートを油として得た(854mg、94%)。LC/MS(APCI+)m/z256.1[M−Boc]+。
メチル3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパノエート(133g、374mmol)をTHF(1.0L)中に溶解し、室温でカリウムトリメチルシラノレート(「KOTMS」、56.0g、392mmol)で処理した。混合物を一晩撹拌して、粗製物のLCMS分析を完了した。混合物を真空濃縮して湿潤発泡体を得て、これを真空下で一晩乾燥して、3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸カリウムを固体として得た(148.7g、105%)。LC/MS(APCI+)m/z242.1[M−Boc−K]+。
3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸カリウム(77.2g、203mmol)をTHF(515mL)中に溶解し、室温で塩化ピバロイル(26.3mL、213mmol)で処理した。混合物を3時間撹拌して、混合無水物を形成した。別個のフラスコ中で、(S)−4−ベンジルオキサゾリジン−2−オン(46.1g、260mmol)をTHF(600mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。溶液をn−BuLi(ヘキサン中の2.50M溶液102mL、254mmol)で処理し、1時間撹拌した。調製された無水物溶液をカニューレで撹拌Li−オキサゾリジノンに添加し、混合物を一晩室温に温めた。飽和塩化アンモニウム溶液を添加して混合物をクエンチし、次に、より多くの水および酢酸エチル間に分配した。水性層を数回抽出し、有機物を合わせた。有機層を水で、次いでブラインで洗浄して、分離し、MgSO4上で乾燥して、濾過し、真空濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、4:1 ヘキサン:酢酸エチルで溶離)により精製/分離(ジアステレオマー)して、完全に分離されたジアステレオマーを粘性油として得た:tert−ブチル(R)−3−((S)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−2−(4−クロロフェニル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(12.16g、1/2の酸ラセミ化合物に基づいて24%)およびtert−ブチル(S)−3−((S)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−2−(4−クロロフェニル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(39.14g、1/2の酸ラセミ化合物に基づいて77%)。LC/MS(APCI+)m/z401.2[M−Boc]+。
LiOH−H
2O(168mg、4.00mmol)を、それが溶解するまで、室温でTHF(30mL)および水(15mL)の撹拌溶液に添加した。混合物を過酸化水素(水中の35重量%溶液658μL、8.00mmol)で処理して、室温で10分間撹拌した。反応物を氷浴中で0℃に冷却し、THF(15mL)中の溶液として、添加漏斗を介して、tert−ブチル(S)−3−((S)−4−ベンジル−2−オキソオキサゾリジン−3−イル)−2−(4−クロロフェニル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(1.00g、2.00mmol)を10分間掛けて滴下した。混合物を、室温で一晩撹拌して、完了(粗製物のLCMS分析による)した。反応物を0℃に冷却し、次に、10分間に亘って、添加漏斗を介して、1MのNa
2SO
3(9.00mL)溶液で処理した。添加完了後、混合物を、10分間、室温に温めた。混合物を濃縮してTHFを除去し、次いで、水で希釈した。水性層を酢酸エチルで2回洗浄した(廃棄)。水性層を酢酸エチルで分配し、次いで、約2〜約3のpHが得られるまで、撹拌しながら1MのHClを滴下した。水性層を酢酸エチルで2回抽出し、有機物を合わせた。有機物をブラインで洗浄し、分離して、MgSO
4上で乾燥し、濾過し、真空濃縮した。油生成物を、1時間、高真空下で乾燥して、(S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸を粘性油/発泡体として得た(685mg、100%)。LC/MS(APCI+)m/z242.1[M−Boc]+。
実施例1
(R)−2−アミノ−1−(4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−クロロフェニル)プロパン−1−オン
メタ−クロロ過安息香酸(「m−CPBA」、25.4g、147mmol)を、10℃で、1:2ジメトキシエタン(「DME」):ヘプタン(80:160mL)中の1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(15.0g、127mmol)に一部ずつ添加した。次に、反応物を室温で1時間撹拌した。沈殿物を濾過し、1:2のDME:ヘプタンで洗浄した。次いで沈殿物を乾燥して、7−ヒドロキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−7−イウム3−クロロベンゾエート(33.0g、収率89.4%)を得た。
POCl3(10mL)を、7−ヒドロキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−7−イウム3−クロロベンゾエート(1.0g、3.4mmol)に添加した。その結果生じた混合物を、18時間、90℃に加熱した。次に、混合物を室温に冷却し、濃縮した。その結果生じた残渣をアセトニトリル(「ACN」、3mL)および水(3mL)で希釈した。50%NaOHでpHを9に調整した。その結果生じた固体を濾過し、水で洗浄した。次いで、固体をDCMで洗浄して、4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.30g、収率57%)を得た。
NaH(0.177g、4.42mmol)を、0℃でジメチルホルムアミド(「DMF」、5mL)中の4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.450g、2.95mmol)に添加した。次に、反応物を室温に温めて、1時間撹拌した。次に、反応物を0℃に冷却した。クロロトリイソプロピルシラン(0.945mL、4.42mmol)を混合物に添加した。反応混合物を70℃に温め、2時間撹拌した。次に、反応物を水(50mL)中に注ぎ入れ、DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機分画を乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮した。その結果生じた残渣をカラムクロマトグラフィー(10:1のヘキサン:DCM)により精製して、4−クロロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た(0.55g、収率60.4%)。
4−クロロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.55g、1.78mmol)をTHF(15mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。次にs−BuLi(2.80mL、3.92mmol)を滴下した。次いで溶液を、−78℃で30分間、撹拌した。その後、CBr4(1.48g、4.45mmol)をTHF(2mL)溶液として添加した。反応物をさらに30分間撹拌して、0℃に温めた。反応を飽和NH4Clを用いてクエンチし、そして室温に温めた。次に、反応物をDCM(3×50mL)で抽出して、乾燥し、濾過して、粗残渣を得た。粗残渣をヘキサンを用いたクロマトグラフィーにより精製して、5−ブロモ−4−クロロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た(0.502g、収率72.7%)。
5−ブロモ−4−クロロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.375g、0.96mmol)およびピペラジン(0.666g、7.73mmol)をN−メチルピロリドン(「NMP」、3mL)中に入れて、マイクロ波中で3時間、130℃に加熱した。次に、反応物をDCM(15mL)で希釈した。トリエチルアミン(0.20mL、1.45mmol)およびBoc2O(3.17g、14.5mmol)を次に添加した。反応物を、室温で1時間撹拌した。次に、飽和NaHCO3で反応をクエンチし、DCMで抽出した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得て、これを2:1のTHF:MeOH(総量18mL)中に溶解した。次に、LiOH(4.83mL、14.5mmol)を添加し、反応物を1時間撹拌した。次いで、反応物を水(20mL)で希釈し、メチルtert−ブチルエーテル(「MTBE」)で抽出した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得た。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(500:7のDCM:MeOH)により精製して、tert−ブチル4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを得た(0.2g、収率54%)。
tert−ブチル4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.40g、1.05mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.3mL)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣を最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に添加した。その結果生じた固体を濾過により収集し、エーテルで洗浄して、乾燥し、5−ブロモ−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.28g、収率94.9%)を二塩酸塩として得た。
5−ブロモ−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン二塩酸塩(0.20g、0.56mmol)および(R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパン酸(0.677g、2.25mmol)を、室温でDCM(5mL)中に入れた。1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(「HOBT」)−H2O(0.121g、0.79mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(「EDCI」、0.14g、0.73mmol)およびトリエチルアミン(0.39mL、2.82mmol)を次に添加し、反応物を室温で18時間撹拌した。次に、飽和Na2CO3で反応をクエンチして、DCMで抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得た。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(500:7のDCM:MeOH)により精製して、(R)−tert−ブチル1−(4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−クロロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イルカルバメートを得た(0.20g、収率62.9%)。
(R)−tert−ブチル1−(4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−クロロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イルカルバメート(0.022g、0.039mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.3mL)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、次いで濃縮した。その結果生じた残渣を最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に添加した。その結果生じた固体(R)−2−アミノ−1−(4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−クロロフェニル)プロパン−1−オン(0.016g、収率88%)を収集し、二塩酸塩として乾燥した。MS ESI(+)m/z463検出。
実施例2
(R)−メチル4−(4−(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレート
4−クロロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.50g、1.612mmol、実施例1参照)を、THF(15mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。次にs−BuLi(2.54mL、3.56mmol)を滴下し、溶液を、−78℃で30分間、撹拌した。その後、メチルクロロホルメート(0.38g、4.98mmol)をTHF(2mL)溶液として添加し、反応物をさらに30分間撹拌した。次に、反応物を飽和NH4Clでクエンチして、室温に温めた。次いで、反応物をDCM(3×50mL)で抽出して、乾燥し、濾過して、粗残渣を得た。粗残渣を5:1のヘキサン:DCMを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル4−クロロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレートを得た(0.55g、収率91%)。
メチル4−クロロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレート(0.45g、1.23mmol)およびピペラジン(0.845g、9.81mmol)をNMP(5mL)中に入れて、マイクロ波中で30分間、100℃に加熱した。次に、反応物をDCM(5mL)で希釈した。トリエチルアミン(0.259mL、1.84mmol)およびBoc2O(4.01g、18.4mmol)を添加し、反応物を、室温で1時間撹拌した。粗反応物を飽和NaHCO3で洗浄し、DCMで抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(2:1〜1:1のヘキサン:酢酸エチル(「EtOAc」)により精製して、1−tert−ブチル5−メチル4−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1,5−ジカルボキシレートを得た(0.40g、収率70.8%)。
1−tert−ブチル5−メチル4−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1,5−ジカルボキシレート(0.34g、0.74mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.5mL)を添加した。反応物を室温で4時間撹拌し、濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣を最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に添加した。その結果生じた固体メチル4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレート(0.19g、収率98.9%)を、二塩酸塩として収集し、乾燥した。
メチル4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレート(0.23g、0.69mmol)および(R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパン酸(0.227g、0.759mmol)を、室温でDCM(5mL)中に入れた。HOBT−H2O(0.147g、0.966mmol)、EDCI(0.172g、0.897mmol)およびトリエチルアミン(0.48mL、3.45mmol)を次に添加し、反応物を室温で18時間撹拌した。次に、飽和Na2CO3で反応をクエンチして、DCMで抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(500:7のDCM:MeOH)により精製して、(R)−メチル4−(4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5カルボキシレートを得た(0.11g、収率29.4%)。
(R)−メチル4−(4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレート(0.025g、0.046mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.3mL)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、次いで濃縮した。その結果生じた残渣を最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に添加した。その結果生じた固体(R)−メチル4−(4−(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレート(0.015g、収率74%)を収集し、二塩酸塩として乾燥した。MS ESI(+)m/z442検出。
実施例3
(R)−4−(4−(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニトリル
(R)−メチル4−(4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレート(0.210g、0.3874mmol、実施例2参照)を、2:1のTHF:MeOH(6mL)中に入れた。3MのLiOH(水溶液、1.29mL、3.87mmol)を次に添加し、反応物を、2時間、65℃に加熱した。次に反応物を水で希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(20:1のDCM:MeOH)により精製して、(R)−4−(4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸を得た(0.050g、収率24.4%)。
(R)−4−(4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(0.050g、0.0947mmol)を室温でDMF(3mL)中に入れた。次に、NH4Cl(0.020g、0.378mmol)、DIEA(d 0.742;0.082mL、0.473mL)およびHBTU(0.071g、0.189mmol)を混合物に添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、水でクエンチして、EtOAcで抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残渣を精製(20:1のDCM:MeOH)して、(R)−tert−ブチル1−(4−(5−カルバモイル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−クロロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イルカルバメートを得た(0.030g、収率60.1%)。
(R)−tert−ブチル1−(4−(5−カルバモイル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−クロロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イルカルバメート(0.035g、0.066mmol)をPOCl
3(2mL)中に入れて、70℃で2時間加熱した。次に反応物を濃縮し、DCMで希釈し、飽和NaHCO
3で洗浄した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得た。残渣を精製(SP4、12+M、水/CAN 95/5−>60/40、20CV)して、(R)−4−(4−(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニトリル(0.002g、収率7.4%)を得た。MS ESI(+)m/z409検出。
実施例4
(S)−1−(4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−1−オン
5−ブロモ−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン二塩酸塩(0.100g、0.282mmol、実施例1参照)、(S)−3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸(0.145g、0.424mmol、実施例H参照)、HOBT−H2O(0.0606g、0.395mmol)、EDCI(0.0704g、0.367mmol)およびトリエチルアミン(0.0394mL、0.282mmol)を、室温で5時間、DCM(5mL)中で撹拌した。次いで、飽和NaHCO3で反応物をクエンチし、DCMで抽出した。有機物を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。精製(500:6のDCM:MeOH)により、(S)−tert−ブチル3−(4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−(4−クロロフェニル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメートを得た(0.103g、収率60.2%)。
(S)−tert−ブチル3−(4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−(4−クロロフェニル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(0.040g、0.066mmol)を、DCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.3mL)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。次いで反応物を濃縮、乾燥し、最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄して、乾燥し、(S)−1−(4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−1−オン(0.03g、収率90%)を二塩酸塩として得た。MS ESI(+)m/z505検出。
実施例5
(R)−2−アミノ−1−(4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−シクロヘキシルエタノン
5−ブロモ−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.075g、0.26mmol、実施例1参照)および(R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−シクロヘキシル酢酸(0.205g、0.80mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次いで、HOBT−H2O(0.057g、0.37mmol)、EDCI(0.066g、0.39mmol)およびトリエチルアミン(0.18g、1.33mmol)を添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。次に、飽和Na2CO3で反応物をクエンチし、DCMへと抽出した。次いで、生成物を乾燥し、濾過し、濃縮した。生成物を精製(500:5のDCM:MeOH)して、(R)−tert−ブチル2−(4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1−シクロヘキシル−2−オキソエチルカルバメートを得た(0.025g、収率18.0%)。
(R)−tert−ブチル2−(4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1−シクロヘキシル−2−オキソエチルカルバメート(0.010g、0.019mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.3mL)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。次いで反応物を濃縮、乾燥し、最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄して、乾燥し、(R)−2−アミノ−1−(4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−シクロヘキシルエタノン(0.005g、収率62%)を二塩酸塩として得た。MS ESI(+)m/z421検出。
実施例6
(R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン
5−ブロモ−4−クロロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(4.1g、10.57mmol、実施例1参照)を、室温でTHF(80mL)中に入れた。次いで、TBAF(1.1当量)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次に、反応物を水に注ぎ入れて、DCMで抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗製固体を得た。次に固体を10:1のヘキサン:DCM中に懸濁し、濾過して、固体生成物5−ブロモ−4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た(2.20g、収率89.9%)。
5−ブロモ−4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.50g、2.160mmol)を、0℃でDMF(5mL)中に入れた。次いで、NaH(0.10g、2.59mmol)を添加し、反応物を20分間撹拌した。次に、塩化ベンゼンスルホニル(0.304mL、2.38mmol)を添加し、反応物を0℃で30分間撹拌した。水(50mL)を次に添加した。沈殿物を濾過し、水で洗浄して、エーテルで洗浄し、乾燥して、5−ブロモ−4−クロロ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た(0.8g、収率99.6%)。
5−ブロモ−4−クロロ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.660g、1.78mmol)、3−フルオロフェニルボロン酸(0.298g、2.13mmol)、Pd(PPh3)4(0.103g、0.0888mmol)および10%K2CO3(水溶液、3.70mL、2.66mmol)を、2:1のトルエン:EtOH(6mL)のアルゴン脱気溶液に添加した。次いで、反応物を、18時間、80℃に加熱した。次に反応物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、カラムクロマトグラフィー(1:1のヘキサン:DCM)により精製して、4−クロロ−5−(3−フルオロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た(0.508g、収率73.9%)。
4−クロロ−5−(3−フルオロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.100g、0.259mmol)およびピペラジン(0.356g、4.14mmol)をNMP(1mL)中に入れて、マイクロ波中で1時間、150℃に加熱した。次に、反応物をDCM(20mL)で希釈し、Boc2O(1.92g、8.79mmol)を添加した。反応物を次に1時間撹拌し、水中に注ぎ入れて、DCMで抽出した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残渣を、精製(5:1〜4:1のヘキサン:EtOAc)して、tert−ブチル4−(5−(3−フルオロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを得た(0.080g、収率57.7%)。
tert−ブチル4−(5−(3−フルオロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.220g、0.410mmol)を、1:1のTHF:MeOH(6mL)中に入れた。3MのLiOH(0.683mL、2.05mmol)を次に添加し、反応物を50℃で1時間撹拌した。次いで反応物を冷却し、水に添加して、DCMで抽出した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物tert−ブチル4−(5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを得て(0.150g、収率92.29%)、これを、さらに精製せずに用いた。
tert−ブチル4−(5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.162g、0.409mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次いで、TFA(0.3mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次に反応物を濃縮、乾燥し、最小量のDCM中に溶解して、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄して、乾燥し、5−(3−フルオロフェニル)−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.116g、収率95.8%)を二塩酸塩として得た。
5−(3−フルオロフェニル)−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.062g、0.168mmol)および(R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパン酸(0.604g、0.201mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。HOBT−H2O(0.0360g、0.235mmol)、EDCI(0.0418g、0.218mmol)およびDIEA(d 0.742;0.146mL、0.840mmol)を次に添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。次に、飽和Na2CO3で反応をクエンチして、DCMで抽出した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗製油を得た。油をカラムクロマトグラフィー(500:5のDCM:MeOH)により精製して、(R)−tert−ブチル3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イルカルバメートを得た(0.045g、収率46.3%)。
(R)−tert−ブチル3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イルカルバメート(0.045g、0.078mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.3mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで反応物を濃縮、乾燥して、最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥して、(R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン(0.018g、収率48%)を二塩酸塩として得た。MS ESI(+)m/z478検出。
実施例7
(S)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−1−オン
5−(3−フルオロフェニル)−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.050g、0.135mmol、実施例6参照)および(S)−3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸(0.0555g、0.162mmol、実施例H参照)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。HOBT−H2O(0.0290g、0.190mmol)、EDCI(0.0337g、0.176mmol)およびDIEA(d 0.742;0.118mL、0.677mmol)を次に添加し、反応物を室温で2時間撹拌した。次に、飽和Na2CO3で反応をクエンチして、DCMで抽出した。生成物を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を精製(500:5のDCM:MeOH)して、(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメートを得た(0.038g、収率45.2%)。
(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(0.040g、0.064mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.3mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで反応物を濃縮、乾燥して、最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥して、(S)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−1−オン(0.020g、収率60%)を二塩酸塩として得た。MS ESI(+)m/z521検出。
実施例8
(R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン
5−ブロモ−4−クロロ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.750g、2.01mmol、実施例6参照)、3−メトキシフェニルボロン酸(0.321g、2.11mmol)、Pd(PPh3)4(0.116g、0.100mmol)およびK2CO3(4.20mL、3.02mmol)を、2:1のトルエン:EtOH(8mL)のAr脱気溶液に添加した。次いで、反応物を、一晩、80℃に加熱した。次に反応物を水中に注ぎ入れ、DCMで抽出した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を精製(1:1〜1:2のヘキサン:DCM)して、4−クロロ−5−(3−メトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た(0.610g、収率75.8%)。
4−クロロ−5−(3−メトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.400g、1.00mmol)、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(0.280g、1.50mmol)、Pd(OAc)2(0.0255g、0.100mmol)、キサントフォス(Xantphos)(0.0870g、0.150mmol)およびCs2CO3(0.490g、1.50mmol)を、脱気トルエン(4mL)中に入れた。混合物を、24時間、100℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、セライトを通して濾過し、濃縮した。生成物を精製(500:5〜500:7のDCM:MeOH)して、tert−ブチル4−(5−(3−メトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを得た(0.160g、収率29.0%)。
tert−ブチル4−(5−(3−メトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.150g、0.273mmol)を、1:1のTHF:MeOH(6mL)中に溶解した。3MのLiOH(0.911mL、2.73mmol)を次に添加し、反応物を50℃で1時間加熱した。次いで反応物を室温に冷却し、水に添加して、DCMで抽出した。次いで、有機物質を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物tert−ブチル4−(5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを得て(0.111g、収率99.4%)、これを、さらに精製せずに用いた。
tert−ブチル4−(5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.111g、0.272mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次いで、TFA(0.3mL)を添加し、反応物を室温で2時間撹拌した。次に反応物を濃縮、乾燥し、最小量のDCM中に溶解して、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄して、乾燥して、5−(3−メトキシフェニル)−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.083g、収率99%)を二塩酸塩として得た。
5−(3−メトキシフェニル)−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.045g、0.118mmol)および(R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパン酸(0.0425g、0.142mmol)を、DCM(3mL)中に入れた。HOBT−H2O(0.0253g、0.165mmol)、EDCI(0.0294g、0.153mmol)およびDIEA(d 0.742;0.103mL、0.591mmol)を次に添加し、反応物を2時間撹拌した。次に、飽和Na2CO3で反応をクエンチして、DCMで抽出した。生成物を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を精製(500:5のDCM:MeOH)して、(R)−tert−ブチル3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イルカルバメートを得た(0.038g、収率54.6%)。
(R)−tert−ブチル3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イルカルバメート(0.021g、0.036mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.3mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで反応物を濃縮、乾燥して、最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥して、(R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン(0.015g、収率86%)を二塩酸塩として得た。MS ESI(+)m/z491検出。
実施例9
(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)−1−(4−(5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン
5−(3−メトキシフェニル)−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.045g、0.118mmol、実施例8参照)および(S)−3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸(0.0424g、0.124mmol、実施例H参照)を、DCM(3mL)中に入れた。HOBT−H2O(0.0253g、0.165mmol)、EDCI(0.0294g、0.153mmol)およびDIEA(d 0.742;0.103mL、0.590mmol)を次に添加し、反応物を室温で2時間撹拌した。次に、飽和Na2CO3で反応をクエンチして、DCMで抽出した。生成物を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を精製(500:5のDCM:MeOH)して、(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメートを得た(0.040g、収率53.6%)。
(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(0.041g、0.065mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.3mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで反応物を濃縮、乾燥して、最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥して、(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)−1−(4−(5−(3−メトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン(0.028g、収率81%)を二塩酸塩として得た。MS ESI(+)m/z533検出。
実施例10
(R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン
(R)−tert−ブチル1−(4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−クロロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イルカルバメート(0.180g、0.320mmol、実施例1参照)、フェニルボロン酸(0.0468g、0.384mmol)、Pd(PPh3)4(0.0185g、0.0160mmol)および10%K2CO3(水溶液、0.66mL、0.47mmol)を、2:1のトルエン:EtOH(3mL)のAr脱気溶液に添加した。次いで、反応物を、一晩、80℃に加熱した。次に反応物を室温に冷却し、水で希釈し、DCMで抽出した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、精製(500:10〜500:15)して、(R)−tert−ブチル3−(4−クロロフェニル)−1−オキソ−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−2−イルカルバメートを得た(0.018g、収率10.0%)。
(R)−tert−ブチル3−(4−クロロフェニル)−1−オキソ−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−2−イルカルバメート(0.020g、0.036mmol)を、DCM(3mL)中に入れた。次いで、TFA(0.3mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次に反応物を濃縮、乾燥し、最小量のDCM中に溶解して、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄して、乾燥して、(R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン(0.015g、収率79%)を二塩酸塩として得た。MS ESI(+)m/z460検出。
実施例11
(S)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−1−オン
(S)−tert−ブチル3−(4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−(4−クロロフェニル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(0.100g、0.165mmol、実施例4参照)、3,4−ジメトキシフェニルボロン酸(0.0361g、0.198mmol)、Pd(PPh3)4(0.009g、0.0083mmol)および10%K2CO3(水溶液、0.344mL、0.248mmol)を、2:1のトルエン:EtOH(3mL)のAr脱気溶液に添加した。次いで、反応物を、24時間、80℃に加熱した。次に反応物を室温に冷却し、水で希釈し、DCMで抽出した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、精製(500:10〜500:15)して、(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(5−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメートを得た(0.020g、収率18.2%)。
(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(5−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(0.013g、0.020mmol)を、DCM(3mL)中に入れた。次いで、TFA(0.3mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次に反応物を濃縮、乾燥し、最小量のDCM中に溶解して、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄して、乾燥して、(S)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−1−オン(0.009g、収率72%)を二塩酸塩として得た。MS ESI(+)m/z563検出。
実施例12
(R)−4−アミノ−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン)−1−イル)−4−メチルペンタン−1−オン
メチル2−(4−クロロフェニル)アセテート(15.3g、82.7mmol)をDMSO(160mL)中に溶解し、この溶液を、パラホルムアルデヒド(2.61g、86.9mmol)およびNaOMe(8.27mL、4.14mmol)に一度に添加した。混合物を、周囲温度で20時間撹拌した。次に、混合物を氷冷水(550mL)中に注ぎ入れ、1N HClで中和して、pHを約8〜約8.5とした。混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機分画をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥して、濃縮した。粗生成物メチル2−(4−クロロフェニル)−3−ヒドロキシプロパノエートを油(16.2g、91%)として回収し、さらに精製せずに用いた。
メチル2−(4−クロロフェニル)−3−ヒドロキシプロパノエート(16.2g、75.5mmol)を、DCM(200mL)中に溶解した。次いで、トリエチルアミン(26.3mL、188.7mmol)を添加し、溶液を0℃に冷却した。次に、溶液を塩化メタンスルホニル(5.84mL、75.5mmol)で処理し、混合物を0℃で30分間撹拌した。冷却溶液をpH1の酸性にして、塩化メチレンで抽出した。合わせた有機層を1N HCl、水、6%NaHCO3で洗浄し、Na2SO4上で乾燥して、濃縮した。粗製油をSiO2上でフィルタークロマトグラフィー処理(石膏、Aldrich 28,852−7、350gを用いて)し、20:1のヘキサン:EtOAcで溶離して、メチル2−(4−クロロフェニル)アクリレートを得た(10.9g、73%)。
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(33.7mL、225.2mmol)を、窒素下で、0℃で、CH3CN(500mL)中のメチル2−(4−クロロフェニル)アクリレート(36.9g、187.7mmol)および2−ニトロプロパン(20.2mL、225.2mmol)の溶液に添加した。混合物を室温に温めて、一晩撹拌した。溶液を真空濃縮し、カラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)に付して、メチル2−(4−クロロフェニル)−4−メチル−4−ニトロペンタノエート(52.9g、収率98.7%)を油として得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.31−7.29 (m, 2H), 7.21−7.19 (m, 2H), 3.66 (s, 3H), 3.60−3.57 (m, 1H), 2.87−2.81 (dd, 1H), 2.39−2.34 (dd, 1H), 1.56 (s, 3H), 1.55 (s, 3H).
Znダスト(128g、1.96mol)を、エタノール(490mL)中に溶解されたメチル2−(4−クロロフェニル)−4−メチル−4−ニトロペンタノエート(28g、98.0mmol)の溶液で処理した。濃HCl(26.9mL、323mmol)を徐々に添加した後、反応物を、2時間、70℃に加熱した。反応混合物をSiO2およびセライトのプラグを通して濾過した。フィルターパッドを酢酸エチルで洗浄し、濾液を真空濃縮した。残渣を最小量のエタノール中に溶解し、次いで水で処理した。3−(4−クロロフェニル)−5,5−ジメチルピロリジン−2−オンを溶液から沈殿させて、濾過により収集した。固体を水で洗浄し、風乾した(11.2g、収率51%)。1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 7.35−7.32 (m, 2H), 7.26−7.24 (m, 2H), 3.94−3.90 (m, 1H), 2.50−2.44 (m, 1H), 1.99−1.93 (m, 1H), 1.36 (s, 3H), 1.34 (s, 3H).
リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(36mL、36mmol)を、窒素下で、−78℃で、THF(200mL)中の3−(4−クロロフェニル)−5,5−ジメチルピロリジン−2−オン(6.7g、30mmol)の撹拌溶液に添加した。溶液を、−78℃で30分間撹拌した。次に、THF(30mL)中のジ−tert−ブチルジカルボネート(7.6mL、33mmol)の溶液を一度に添加した。溶液を室温に温めて、室温で一晩撹拌した。反応物を0.5M HCl溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、分離して、MgSO4上で乾燥し、濾過し、真空濃縮して、ほぼ純粋な生成物(過剰量のBoc2O)を油として得た。カラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)により、純粋なtert−ブチル4−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピロリジン−1−カルボキシレートを得た。LCMS (APCI+) [M−Boc+H]+ 224.1; Rt: 3.68 分. 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.32−7.30 (m, 2H), 7.22−7.20 (m, 2H), 3.80−3.74 (m, 1H), 2.33−2.28 (m, 1H), 2.05−1.97 (m, 1H), 1.58 (s, 3H), 1.55 (s, 9H), 1.53 (s, 3H).
水酸化リチウム水和物(6.44mL、232mmol)を、室温で、THF/MeOH/H2O(30mL/30mL/30mL)中のtert−ブチル4−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−5−オキソピロリジン−1−カルボキシレート(7.5g、23.2mmol)の撹拌溶液に添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、真空濃縮した。混合物を水(200mL)中に取り、EtOAc(100mL)で洗浄し、濃HClで酸性にして、EtOAc(2×200mL)中に抽出した。混合物をNa2SO4上で乾燥し、真空濃縮した。残留HClをトルエンから蒸発させて、4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−クロロフェニル)−4−メチルペンタン酸(5.0g、収率63.2%)を固体として得た。LCMS(APCI+)[M−Boc+H]+242.0;Rt:2.8分。
5−(3−フルオロフェニル)−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.040g、0.108mmol、実施例6参照)、(R)−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−クロロフェニル)−4−メチルペンタン酸(0.0407g、0.119mmol、キラルクロマトグラフィーを用いて分離)、HOBT−H2O(0.0232g、0.152mmol)およびEDCI(0.0270g、0.141mmol)を、DCM(3mL)中に入れた。DIEA(d 0.742;0.0943mL、0.542mmol)を次に添加し、反応物を室温で一晩撹拌した。次に、反応物をNa2CO3中に注ぎ入れて、DCMで抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮した。生成物を精製(500:5〜500:10のDCM:MeOH)して、(R)−tert−ブチル4−(4−クロロフェニル)−5−(4−(5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−メチル−5−オキソペンタン−2−イルカルバメートを得た(0.022g、収率32.7%)。
(R)−tert−ブチル4−(4−クロロフェニル)−5−(4−(5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−メチル−5−オキソペンタン−2−イルカルバメート(0.026g、0.042mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.3mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで反応物を濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣を最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に添加した。その結果生じた固体生成物を濾過により収集し、エーテルで洗浄し、乾燥して、(R)−4−アミノ−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−4−メチルペンタン−1−オン(0.019g、収率76%)を二塩酸塩として得た。MS ESI(+)m/z521検出。
実施例13
(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン
(S)−tert−ブチル3−(4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−(4−クロロフェニル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(0.150g、0.248mmol、実施例4参照)、フェニルボロン酸(0.0363g、0.298mmol)、Pd(PPh3)4(0.0143g、0.0124mmol)および10%K2CO3(水溶液、0.517mL、0.372mmol)を、Ar脱気2:1 トルエン:EtOHに入れて、一晩、80℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、水で希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、精製(500:7のDCM:MeOH)して、(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−オキソ−3−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロピル(イソプロピル)カルバメートを得た(0.003g、収率2.0%)。
(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−オキソ−3−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロピル(イソプロピル)カルバメート(0.003g、0.0050mmol)を、室温でDCM(2mL)中に入れた。次いで、TFA(0.4mL)を添加し、反応物を1時間撹拌した。次に反応物を濃縮、乾燥した。粗残渣を最小量のDCM中に溶解して、エーテル(10mL)中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。次に、固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥して、(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン(0.001g、収率40%)を二塩酸塩として得た。MS ESI(+)m/z503検出。
実施例14
(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)−1−(4−(5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン
(S)−tert−ブチル3−(4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−(4−クロロフェニル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(0.05g、0.083mmol、実施例4参照)を、ジオキサン(1mL)およびH2O(0.3mL)中のNa2CO3(水溶液、0.087g、0.82mmol)中に入れた。次いで、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(0.034g、0.16mmol)およびPS−Pd(PPh3)4(0.075g、0.1g/mmol)を添加した。反応物を、マイクロ波中で1時間、150℃に加熱した。次に反応物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残渣の精製(500:10〜500:20のDCM:MeOH)により、(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメートを得た(0.005g、収率9.9%)。
(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(0.005g、0.008mmol)を、室温でDCM(2mL)中に入れた。次いで、TFA(0.4mL)を添加し、反応物を1時間撹拌した。反応物を濃縮した。粗残渣を最小量のDCM中に溶解して、エーテル(10mL)中の1M HClの撹拌溶液に溶解した。次に、固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥して、(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)−1−(4−(5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン(0.002g、収率48%)を三塩酸塩として得た。MS ESI(+)m/z507検出。
実施例15
(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)−1−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン
5−ブロモ−4−クロロ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(3.70g、9.96mmol、実施例6参照)およびフェニルボロン酸(1.27g、10.5mmol)を、2:1のトルエン:EtOH(30mL)中に入れた。次に、内容物をAr下で脱気して、24時間、80℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、DCMで希釈し、水中に注ぎ入れた。有機分画を濾過し、乾燥して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(1:1〜1:2のヘキサン:DCM)により精製して、4−クロロ−5−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た(3.20g、収率87.1%)。
4−クロロ−5−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1.70g、4.61mmol)を、1:1のTHF:水(30mL)に入れた。3M LiOH(水溶液、15.4mL、46.1mmol)を次に添加し、反応物を、18時間、65℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、DCM(50mL)で希釈して、水中に注ぎ入れた。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物4−クロロ−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1.01g、収率95.8%)を得て、これをさらに精製せずに用いた。
4−クロロ−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.912g、3.99mmol)を、室温でCHCl3(5mL)中に入れた。N−ブロモスクシンイミド(0.710g、3.99mmol)を次に添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。反応物をDCMで希釈して、飽和NaHCO3で洗浄した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物3−ブロモ−4−クロロ−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1.1g、収率89.7%)を得た。
3−ブロモ−4−クロロ−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1.30g、4.23mmol)を、0℃でDMF(10mL)中に入れた。次いで、NaH(0.203g、5.07mmol)を添加し、反応物を20分間撹拌した。次に、塩化ベンゼンスルホニル(0.595mL、4.65mmol)を添加し、反応物を0℃で30分間撹拌した。次いで、反応物を水中に注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、精製(2:1のDCM:ヘキサン)し、3−ブロモ−4−クロロ−5−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た(1.80g、収率95.1%)。
メチル塩化亜鉛(3.35mL、6.70mmol)を、THF(10mL)中の3−ブロモ−4−クロロ−5−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1.00g、2.23mmol)およびPd(PPh3)4(0.129g、0.111mmol)に添加した。次いで、反応物を、2時間、80℃に加熱して、室温に冷却し、飽和NH4Clでクエンチした。その結果生じた固体を濾過し、廃棄した。濾液をDCM(500mL)で希釈し、水で洗浄した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗製固体を得て、これをカラムクロマトグラフィー(2:1のDCM:ヘキサン)により精製して、4−クロロ−3−メチル−5−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た(0.75g、収率87.7%)。
4−クロロ−3−メチル−5−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.300g、0.784mmol)およびピペラジン(0.675g、7.84mmol)をNMP(1mL)中に入れて、マイクロ波中で1時間、200℃に加熱した。次に、反応物を水中に注ぎ入れ、MTBEで抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物3−メチル−5−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.339g、収率100%)を得て、これをさらに精製せずに用いた。
3−メチル−5−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.600g、1.39mmol)を、DCM(10mL)中に入れた。Boc2O(0.333g、1.53mmol)を次に添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。NaHCO3で反応をクエンチし、DCM中に抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物tert−ブチル4−(3−メチル−5−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.738g、収率100%)を得て、これをさらに精製せずに用いた。
tert−ブチル4−(3−メチル−5−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.9g、1.69mmol)を、1:1のTHF:MeOH(10mL)中に入れた。3MのLiOH(水溶液、5.63mL、16.9mmol)を添加し、反応物を50℃で1時間撹拌した。次いで反応物を冷却し、水に添加して、DCMで抽出した。有機物を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得て、これを精製(500:3〜500:8のDCM:MeOH)して、tert−ブチル4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを得た(0.390g、収率58.8%)。
tert−ブチル4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.390g、0.994mmol)を、室温でDCM(10mL)中に入れた。TFA(1mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次に反応物を濃縮、乾燥し、最小量のDCM中に溶解して、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄して、乾燥し、3−メチル−5−フェニル−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.350g、収率96.4%)を得て、これをさらに精製せずに用いた。
3−メチル−5−フェニル−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.050g、0.137mmol)および(S)−3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸(0.0491g、0.144mmol、実施例H)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。HOBT−H2O(0.0293g、0.192mmol)、EDCI(0.0341g、0.178mmol)およびDIEA(d 0.742;0.0954mL、0.548mmol)を次に添加し、反応物を室温で18時間撹拌した。次に、飽和Na2CO3中に反応物を注ぎ入れて、DCMで抽出した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、精製(500:5のDCM:MeOH)し、(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメートを得た(0.047g、収率55.7%)。
(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(0.047g、0.076mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.3mL)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣を、最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に添加した。その結果生じた固体を濾過により収集し、エーテルで洗浄し、乾燥して、(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)−1−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン(0.041g、収率91%)を二塩酸塩として得た。MS ESI(+)m/z517検出。
実施例16
(R)−4−アミノ−2−(4−クロロフェニル)−4−メチル−1−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン)−1−イル)ペンタン−1−オン
3−メチル−5−フェニル−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.040g、0.110mmol、実施例15参照)、(R)−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−クロロフェニル)−4−メチルペンタン酸(0.0412g、0.120mmol、実施例12)、HOBT−H2O(0.0235g、0.153mmol)およびEDCI(0.0273g、0.142mmol)を、室温でDCM(5mL)中に入れた。DIEA(d 0.742;0.0954mL、0.548mmol)を次に添加し、反応物を室温で18時間撹拌した。次に、反応物を飽和Na2CO3中に注ぎ入れて、DCMで抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、精製(500:5のDCM:MeOH)して、(R)−tert−ブチル4−(4−クロロフェニル)−2−メチル−5−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−5−オキソペンタン−2−イルカルバメートを得た(0.040g、収率59.3%)。
(R)−tert−ブチル4−(4−クロロフェニル)−2−メチル−5−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−5−オキソペンタン−2−イルカルバメート(0.040g、0.065mmol)を、DCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.3mL)を添加した。反応物を1時間撹拌し、次いで、濃縮、乾燥した。その結果生じた油を最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に添加した。その結果生じた固体を濾過により収集し、エーテルで洗浄し、乾燥して、(R)−4−アミノ−2−(4−クロロフェニル)−4−メチル−1−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)ペンタン−1−オン(0.034g、収率89%)を二塩酸塩として得た。MS ESI(+)m/z517検出。
実施例17
4−アミノ−2−(4−クロロベンジル)−1−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン)−1−イル)ブタン−1−オン
LHMDS(28.3mL、28.3mmol)をTHF(90mL)中に希釈し、−78℃に冷却した。tert−ブチル2−オキソピロリジン−1−カルボキシレート(5.00g、27.0mmol)をTHF(35mL)中に溶解し、−78℃で5分間に亘って、LHMDSに添加した。反応物を45分間撹拌し、次に、1−(ブロモメチル)−4−クロロベンゼン(5.82g、28.3mmol、1.05当量)のTHF(35mL)溶液を添加した。反応物を−78℃で1時間撹拌し、次いで、3時間掛けて室温に温めた。3MのLiOH溶液(90mL)の添加により混合物をクエンチして、室温で48時間撹拌した。次に、反応物を水で希釈し、酢酸エチルで洗浄した。水性層を3M HClで酸性にして、酢酸エチルで数回抽出した。合わせた有機分画を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(60:40のヘキサン:酢酸エチル)により精製して、4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−クロロベンジル)ブタン酸を得た(0.84g、9.4%)。
3−メチル−5−フェニル−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.050g、0.137mmol、実施例15参照)、4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−クロロベンジル)ブタン酸(0.0494g、0.151mmol)、HOBT−H2O(0.0293g、0.192mmol)およびEDCI(0.0341g、0.178mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。DIEA(d=0.742;0.119mL、0.684mmol)を次に添加し、反応物を室温で15時間撹拌した。次に、反応物を飽和Na2CO3中に注ぎ入れて、DCMで抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、精製(500:5のDCM:MeOH)して、tert−ブチル3−(4−クロロベンジル)−4−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソブチルカルバメートを得た(0.010g、収率12.1%)。
tert−ブチル3−(4−クロロベンジル)−4−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−4−オキソブチルカルバメート(0.045g、0.075mmol)を、DCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.3mL)を添加した。反応物を1時間撹拌し、次いで、濃縮、乾燥した。その結果生じた油を最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に添加した。その結果生じた固体を濾過により収集し、エーテルで洗浄し、乾燥して、4−アミノ−2−(4−クロロベンジル)−1−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)ブタン−1−オン(0.032g、収率74%)を二塩酸塩として得た。MS ESI(+)m/z503検出。
実施例18
(S)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(5−イソプロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−1−オン
メチル4−クロロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレート(5.0g、13.62mmol)を、NMP(40mL)中に入れた。ピペラジン(9.39g、109mmol)を次に添加し、反応物を、45分間、100℃に加熱した。次に、反応物を室温に冷却し、DCM(100mL)で希釈した。次いでBoc2O(44.60g、204.38mmol)を添加した後、トリエチルアミン(2.85mL、20.4mmol)を添加した。次に、反応物を1時間撹拌した。次いで、反応物を水中に注ぎ入れ、DCMで抽出し、クロマトグラフィー(100:1のDCM:MeOH)により精製して、メチル4−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレート(8.1g、164%)を得たが、これには、有意量のビスBoc−ピペラジンが夾雑していた。
ヒドラジン(1.8g、55mmol)を、MeOH(200mL)中のメチル4−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキシレート(2.0g、5.5mmol)に添加して、反応物を、24時間、加熱還流した。冷却後、tert−ブチル4−(5−ヒドラジンカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートが固体として沈殿した(1.3g、65%)。
エチル2−エトキシキノリン−1(2H)−カルボキシレート(226mg、0.916mmol)を、THF/ACN(5mL)中の酢酸(50.0mg、0.832mmol)に添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。tert−ブチル4−(5−ヒドラジンカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(300mg、0.832mmol)を添加し、反応物を、1時間、70℃に加熱した。次いで、溶液を濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣をDCMから結晶化して、tert−ブチル4−(5−(2−アセチルヒドラジンカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを固体として得た(241mg、収率71.9%)。
POCl3(1mL)中のtert−ブチル4−(5−(2−アセチルヒドラジンカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(70mg、0.16mmol)を、1時間、90℃に加熱した。次いで、反応物を濃縮、乾燥して、2−メチル−5−(4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1,3,4−オキサジアゾール(58mg、収率125%)を油として得て、これをさらに精製せずに用いた。
(S)−3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸(180mg、0.52mmol、実施例H参照)、N1−((エチルイミノ)メチレン)−N3,N3−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン塩酸塩(134mg、0.70mmol)、HOBt.H2O(108mg、0.70mmol)およびトリエチルアミン(106mg、1mmol)を、DCM(10mL)中の2−メチル−5−(4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1,3,4−オキサジアゾール(100mg、0.36mmol)に添加した。反応物を、室温で18時間撹拌した。DCMで希釈後、混合物を1N HCl、10%K2CO3およびブラインで洗浄した。有機相をMgSO4上で乾燥し、クロマトグラフィー(SP4、12+M、水/ACN 90/10−>10/90、20CV)により精製して、(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(5−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(60mg)を固体として得た。
TFA(3mL)中の(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(5−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(50mg、0.082mmol)を30分間撹拌し、次いで、濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣を、最小量のDCM(0.2mL)中に溶解し、エーテル中の2N HClに添加した。その結果生じた固体を濾過し、窒素下で乾燥して、(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)−1−(4−(5−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン(21mg、収率50%)塩酸塩を、固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 12.10 (s, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.35 (s, 2H), 7.52−7.48 (m, 2H), 7.46−4.42 (m, 1H), 7.40−7.36 (m, 2H), 6.64 (s, 1H), 4.58 (m, 1H), 3.70−3.20 (m, 10H), 3.01 (s, 1H), 2.78 (s, 1H), 2.54 (s, 3H), 1.24 (dq, 6H); m/z (ESI pos) 508.4 (100%) [M].
実施例19
(S)−2−(4−クロロフェニル)−2((S)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン
4−クロロ−5−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.30g、0.81mmol)およびピペラジン(0.701g、8.13mmol)を、NMP(0.3mL)中に入れて、マイクロ波中で1時間、150℃に加熱した。次いで、反応物を水に注ぎ入れ、MTBEで抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得て、これをDCM(10mL)中に入れた。次いでBoc2O(0.195g、0.895mmol)を添加した後、反応物を1時間撹拌した。飽和Na2CO3(30mL)の水溶液を添加し、反応物をDCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物tert−ブチル4−(5−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.40g、収率95.4%)を得て、これを、さらに精製せずに次のステップに用いた。
tert−ブチル4−(5−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(1.10g,2.12mmol)を、1:1のTHF:MeOH(20mL)中に入れた。LiOH(3.54mL、10.6mmol)を次に添加し、反応物を、1時間、50℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、水中に注ぎ入れて、DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、次に、カラムクロマトグラフィー(500:5のDCM:MeOH)により精製して、tert−ブチル4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを得た(0.40g、収率49.8%)。
tert−ブチル4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.40g、1.06mmol)を、DCM(10mL)中に入れた。次に、TFA(2mL)を添加し、反応物を1時間撹拌した。反応物を濃縮、乾燥し、最小量のDCM中に再溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に添加した。その結果生じた固体を濾過により収集し、エーテルで洗浄して、乾燥して、5−フェニル−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン二塩酸塩(0.350g、収率94.3%)を得た。
DIEA(0.0833mL、0.478mmol)を、DCM(1mL)中の5−フェニル−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン二塩酸塩(0.042g、0.120mmol)、(S)−2−((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)−2−(4−クロロフェニル)酢酸(0.0440g、0.120mmol、実施例G参照)およびO−(ベンゾトリアゾ−ル−1−イル)−N,N,N,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(「TBTU」;0.0461g、0.143mmol)に添加し、室温で1時間撹拌した。混合物をカラム上に直接載せて、クロマトグラフィー(1:1のヘキサン:酢酸エチル)により精製して、(S)−tert−ブチル5−((S)−1−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−2−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エチル)−2,2−ジメチルピロリジン−1−カルボキシレートを固体として得た。生成物をDCM(1mL)中に溶解し、TFA(0.2mL)を添加した。混合物を、室温で1時間撹拌した。溶媒を除去した。残渣をDCM(0.5mL)中に溶解し、エーテル(1mL)中の2M HClを添加した。その結果生じた固体を濾過により収集して、(S)−2−(4−クロロフェニル)−2−((S)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン二塩酸塩(0.042g、59%)を得た。MS ESI(+)m/z528検出。
実施例20
(S)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−((S)−ピロリジン−2−イル)エタノン
DIEA(0.103mL、0.592mmol)を、DCM(1mL)中の5−フェニル−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン二塩酸塩(0.052g、0.15mmol、実施例19参照)、(S)−2−((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル)−2−(4−クロロフェニル)酢酸(0.0503g、0.148mmol、実施例F参照)およびTBTU(0.0570g、0.178mmol)に添加し、室温で1時間撹拌した。混合物をカラム上に直接載せて、クロマトグラフィー(1:1のヘキサン:酢酸エチル)により精製して、(S)−tert−ブチル2−((S)−1−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−2−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エチル)ピロリジン−1−カルボキシレートを固体として得た。次に、固体をDCM(1mL)中に溶解し、TFA(0.2mL)を添加した。混合物を、室温で1時間撹拌した。溶媒を除去した。残渣をDCM(0.5mL)中に溶解し、エーテル(1mL)中の2M HClを添加した。その結果生じた固体を濾過により収集して、(S)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−((S)−ピロリジン−2−イル)エタノン二塩酸塩(0.062g、63%)を得た。MS ESI(+)m/z500検出。
実施例21
3−アミノ−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン)−1−イル)プロパン−1−オン
5−フェニル−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン二塩酸塩(0.10g、0.285mmol、実施例19参照)、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸(0.0646g、0.342mmol)、HOBT−H2O(0.0610g、0.339mmol)およびEDCI(0.0709g、0.370mmol)を、室温でDCM(5mL)中に入れた。DIEA(d 0.742;0.248mL、1.42mmol)を次に添加し、反応物を室温で18時間撹拌した。次に、反応物を飽和Na2CO3中に注ぎ入れて、DCMで抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、精製(500:10のDCM:MeOH)して、tert−ブチル3−オキソ−3−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロピルカルバメートを得た(0.055g、収率43.0%)。
tert−ブチル3−オキソ−3−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロピルカルバメート(0.054g、0.12mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。TFA(0.3mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣を最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に添加した。その結果生じた固体を濾過により収集し、エーテルで洗浄し、乾燥して、3−アミノ−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン(0.050g、収率99%)を得た。MS ESI(+)m/z350検出。
実施例22
(S)−2−(4−クロロフェニル)−2−((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン
MeOH(0.5mL)中の(S)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−((S)−ピロリジン−2−イル)エタノン二塩酸塩(0.060mL、0.105mmol、実施例20参照)を、約0℃〜約5℃の温度に冷却した。ホルムアルデヒド(0.0234mL、0.314mmol)およびNaCNBH
3(0.0132g、0.210mmol)を添加した。混合物を、約14℃〜約16℃の温度で45分間、撹拌した。メチルアミン(2mL、THF中2.0M)を添加し、反応物を30分間撹拌した。飽和NaHCO
3(5mL)を添加し、水性相をDCM(20mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒の除去後、その結果生じた残渣をDCM(0.5mL)中に溶解し、エーテル(1mL)中の2M HClを添加した。その結果生じた固体を濾過により収集して、(S)−2−(4−クロロフェニル)−2−((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン二塩酸塩(0.060g、98%)を得た。MS ESI(+)m/z514検出。
実施例23
(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピル(メチル)アミノ)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン
ホルムアルデヒド(0.0712mL、0.957mmol)およびNaCNBH
3(0.0120g、0.191mmol)を、MeOH(0.5mL)中の(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン(0.055g、0.096mmol、実施例13参照)に添加した。混合物を、室温で20分間撹拌した。飽和NaHCO
3(5mL)を添加し、水性層をDCM(20mL)で抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒の除去後、残渣をクロマトグラフィー(20:1:0.1のDCM:酢酸エチル:水酸化アンモニウム)により精製して、(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピル(メチル)アミノ)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン(0.013g、23%)を固体として得た。MS ESI(+)m/z516検出。
実施例24
3−(イソプロピルアミノ)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン
3−アミノ−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン(0.040g、0.095mmol、実施例21参照)およびアセトン(0.0696mL、0.947mmol)を、1:1のジクロロエチレン(「DCE」):DMF(2mL)中に入れた。次に、DIEA(d 0.742;0.0495mL、0.284mmol)を添加し、その後、NaBH(OAc)
3(0.0401g、0.189mmol)を添加した。次いで、反応物を30分間撹拌した。次に、反応物をNa
2CO
3水溶液中に注ぎ入れ、DCMで抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得た。残渣をクロマトグラフィー(9:1のDCM:MeOH)により精製して、純粋な生成物を得た。次に固体を最小量のMeOH中に溶解し、次いで、エーテル中の1M HClを添加した。沈殿を収集し、エーテルで洗浄し、乾燥して、3−(イソプロピルアミノ)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン(0.005g、収率11.4%)を二塩酸塩として得た。MS ESI(+)m/z392検出。
実施例25
(S)−N−(4−(4−(2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ブチルアミド
4−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1.80g、13.2mmol、上記のスキーム1で言及したように、Thibault等の記載どおりに調製)を、0℃で発煙HNO3に徐々に添加して、10分間撹拌した。次に氷を添加し、その後、水を添加した。次いで、反応物を濾過し、固体生成物を水で洗浄し、乾燥して、4−フルオロ−3−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た(1.80g、収率75.2%)。
4−フルオロ−3−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.300g、1.66mmol)および1−ベンジルピペラジン(0.350g、1.99mmol)をNMP(3mL)中に入れて、マイクロ波中で30分間、80℃に加熱した。次に、反応物を水中に注ぎ入れ、MTBEで抽出した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残渣を最小量のDCM中でスラリー化し、次いで、ヘキサンで粉砕して、4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−3−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た(0.425g、収率76.1%)。
4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−3−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.30g、0.889mmol)を、濃HCl(5mL)の撹拌溶液に添加した。SnCl2(0.843g、4.45mmol)を次に添加し、反応物を1時間撹拌した。次いで、反応物を0℃に冷却し、飽和Na2CO3を用いてpHを8に上げた。次に反応物を水中に注ぎ入れ、DCM中に抽出した。有機分画を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得て、これをさらに精製せずに直ぐに用いた。粗製4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−アミン(0.125g、0.407mmol)を、DCM(2mL)およびピリジン(1mL)中に入れた。無水酪酸(0.0670mL、0.407mmol)を次に添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物を水に注ぎ入れ、EtOAc中に抽出した。有機分画を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得て、これをカラムクロマトグラフィー(500:5のDCM:MeOH)により精製して、N−(4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ブチルアミドを得た(0.070g、収率45.6%)。
N−(4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ブチルアミド(0.070g、0.19mmol)を、MeOH(1mL)中に溶解した。Pd/C(0.0197g、0.0185mmol)を次に添加し、その後、3滴の濃HClを添加した。次に、反応物を、18時間、H2バルーン下に置いた。次いで、反応物を濾過し、MeOHで洗浄し、濃縮して、粗生成物N−(4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ブチルアミドを得た(0.050g、収率93.8%)。
N−(4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ブチルアミド(0.050g、0.174mmol)、(S)−3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸(0.0625g、0.183mmol、実施例H参照)、HOBT−H2O(0.0373g、0.244mmol)およびEDCI(0.0434g、0.226mmol)を、室温でDCM(5mL)中に入れた。DIEA(d 0.742;0.152mL、0.870mmol)を次に添加し、反応物を室温で5時間撹拌した。次いで、反応物を飽和Na2CO3中に注ぎ入れ、DCMへと抽出した。有機分画を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得て、これを、カラムクロマトグラフィー(500:10〜500:20のDCM:MeOH)により精製して、(S)−tert−ブチル3−(4−(3−ブチルアミド−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−(4−クロロフェニル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメートを得た(0.050g、収率47.0%)。
(S)−tert−ブチル3−(4−(3−ブチルアミド−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−(4−クロロフェニル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(0.045g、0.074mmol)を、DCM(5mL)中に入れた。次に、TFA(0.5mL)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、次いで濃縮、乾燥した。次に、粗残渣を最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。その結果生じた固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄して、乾燥し、(S)−N−(4−(4−(2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ブチルアミド(0.035g、収率81%)を二塩酸塩として得た。MS ESI(+)m/z512検出。
実施例26
(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)−1−(4−(5−(ピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン
ピリジン−3−イルボロン酸(20mg、0.17mmol)、PS−テトラキス(41mg、0.0041mmol)および炭酸ナトリウム(18mg、0.17mmol、2N水溶液)を、脱気(Ar)ジオキサン(1mL)中の(S)−tert−ブチル3−(4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−(4−クロロフェニル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(50mg、0.083mmol、実施例4参照)に添加した。反応物を、マイクロ波照射下で1時間、160℃に加熱した。冷却後、反応物をDCMで希釈し、濾過し、MgSO4上で乾燥して、濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣を、逆相カラムクロマトグラフィー(水:ACN 4:1〜1:9)により精製して、(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−オキソ−3−(4−(5−(ピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロピル(イソプロピル)カルバメート(32mg、収率64%)を固体として得た。
TFA(3mL)中の(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−オキソ−3−(4−(5−(ピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロピル(イソプロピル)カルバメート(25mg、0.041mmol)を30分間撹拌し、次いで、濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣を最小量のDCM(0.2mL)中に溶解して、エーテル中の2N HClに添加した。その結果生じた固体生成物を濾過し、窒素下で乾燥して、(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)−1−(4−(5−(ピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン(16mg、収率77%)三塩酸塩を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 12.40 (br s, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.77 (d, 1H), 8.45 (m, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.89−7.84 (m, 1H), 7.52−7.45 (m, 3H), 7.41−7.32 (m, 3H), 6.74 (s, 1H), 4.66−4.61 (m, 1H), 3.90−3.15 (m, 10H), 3.00−2.96 (m, 1H), 2.82−2.75 (m, 1H), 1.23 (dq, 6H); m/z (APCI pos) 503.3 (100%) [M].
上記の手順に従って、適切なボロン酸またはエステルを用いて、以下の化合物を調製した。
実施例42
(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)−1−(4−(5−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン
エチル2−エトキシキノリン−1(2H)−カルボキシレート(226mg、0.916mmol)を、THF/ACN(5mL)中の酢酸(50.0mg、0.832mmol)に添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。tert−ブチル4−(5−ヒドラジンカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(300mg、0.832mmol、実施例18)を添加し、反応物を、1時間、70℃に加熱した。次いで、溶液を濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣をDCMから結晶化して、tert−ブチル4−(5−(2−アセチルヒドラジンカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを固体として得た(241mg、収率71.9%)。
POCl3(1mL)中のtert−ブチル4−(5−(2−アセチルヒドラジンカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(70mg、0.16mmol)を、1時間、90℃に加熱した。反応物を濃縮、乾燥して、2−メチル−5−(4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1,3,4−オキサジアゾール(58mg、収率125%)を油として得て、これを次のステップに用いた。
(S)−3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸(180mg、0.52mmol、実施例H参照)、N1−((エチルイミノ)メチレン)−N3,N3−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン塩酸塩(134mg、0.70mmol)、HOBt−H2O(108mg、0.70mmol)およびトリエチルアミン(106mg、1mmol)を、DCM(10mL)中の2−メチル−5−(4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1,3,4−オキサジアゾール(100mg、0.36mmol)に添加した。反応物を、室温で18時間撹拌した。DCMで希釈後、混合物を1N HCl、10%K2CO3およびブラインで洗浄した。有機相をMgSO4上で乾燥し、クロマトグラフィー(SP4、12+M、水/ACN 90/10−>10/90、20CV)により精製して、(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(5−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(60mg)を固体として得た。
TFA(3mL)中の(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(5−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(50mg、0.082mmol)を30分間撹拌し、次いで、濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣を、最小量のDCM(0.2mL)中に溶解し、エーテル中の2N HClに添加した。その結果生じた固体を濾過し、窒素下で乾燥して、(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)−1−(4−(5−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン(21mg、収率50%)塩酸塩を、固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 12.10 (s, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.35 (s, 2H), 7.52−7.48 (m, 2H), 7.46−4.42 (m, 1H), 7.40−7.36 (m, 2H), 6.64 (s, 1H), 4.58 (m, 1H), 3.70−3.20 (m, 10H), 3.01 (s, 1H), 2.78 (s, 1H), 2.54 (s, 3H), 1.24 (dq, 6H);MS ESI(+)m/z508検出。
実施例43
(S)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−1−オン
4−フルオロフェニルボロン酸(44.0mg、0.315mmol)、PS−パラジウム・テトラキス(119mg、0.0131mmol)および2N炭酸ナトリウム(262μL、0.525mmol)を、ジオキサン(1mL、Arで脱気)中のtert−ブチル4−(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(100mg、0.262mmol、実施例1参照)に添加した。反応物を、マイクロ波照射下で1時間、150℃に加熱した。次いで、反応物を冷却し、濾過した。濾液をDCMで希釈し、MgSO4で乾燥した。濃縮後、残渣をクロマトグラフィー(SP4、25+M、水/ACN 90/10−>10/90、20CV)により精製して、tert−ブチル4−(5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(69mg、収率66.4%)を固体として得た。
tert−ブチル4−(5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(60mg、0.15mmol)を、TFA(2mL)中で1時間、撹拌した。次に、溶液を濃縮して油とし、次のステップに用いた。
(S)−3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸(87mg、0.25mmol、実施例H参照)、N1−((エチルイミノ)メチレン)−N3,N3−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン塩酸塩(65mg、0.34mmol)、HOBt−H2O(52mg、0.34mmol)およびトリエチルアミン(51mg、0.51mmol)を、DCM(10mL)中の5−(4−フルオロフェニル)−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(50mg、0.17mmol)に添加した。反応物を、18時間撹拌した。次いで、反応物をDCM(50mL)で希釈し、1N HCl、10%K2CO3およびブラインで洗浄した。MgSO4での乾燥、および濃縮後、その結果生じた残渣をクロマトグラフィー(SP4、12+M、水/ACN 80/20−>0/100、20CV)により精製して、(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(42mg、収率40%)を固体として得た。
TFA(3mL)中の(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(30mg、0.048mmol)を30分間撹拌し、次いで、濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣を、最小量のDCM(0.2mL)中に溶解し、エーテル中の2N HClに添加した。その結果生じた固体を濾過し、窒素下で乾燥して、(S)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−1−オン(23mg、収率91%)二塩酸塩を得た。MS ESI(+)m/z520検出。
実施例44
(S)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−1−オン
sec‐ブチルリチウム(8.06mL、11.3mmol、シクロヘキサン中1.4M)を、−78℃でTHF(100mL)中の4−フルオロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1.5g、5.13mmol、L’Heureux, et al., Org. Lett., 5(26) p.5023 (2003)に記載されたように調製)に滴下した。反応物を30分間撹拌した。THF(10mL)中の(1R)−(−)−(10−カンファースルホニル)オキサジリジン(2.94g、12.8mmol)を迅速に添加し、反応物を−78℃で30分間撹拌した。飽和塩化アンモニウムの溶液(50mL)を添加し、反応混合物を室温にした。1時間後、水性相をAcOEtで抽出し、MgSO4上で乾燥し、濃縮して固体として、これをエーテル中で粉砕した。固体(樟脳副産物の大半)を濾し取り、濾液を濃縮し、クロマトグラフィー(25M、トルエン/AcOEt 95/5)により精製して、ペーストを得た。ペーストをヘキサンで粉砕し、濾液を濃縮、乾燥して、4−フルオロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−オール(820mg、収率51.8%)を油として得て、これを放置して固化させた。
2−ブロモプロパン(120mg、0.973mmol)および炭酸カリウム(448mg,3.24mmol)を、DMF(3mL)中の4−フルオロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−オール(200mg、0.648mmol)に添加した。反応物を、密封管中で18時間、80℃に加熱し、次いで、冷却した。反応混合物を、濃縮、乾燥した。混合物を次にDCM中に懸濁し、濾過した。濾液を濃縮し、クロマトグラフィー(SP4、12+M、水/ACN 80/20−>10/90、20CV)により精製して、4−フルオロ−5−イソプロポキシ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(65mg、42%)を固体として得た。
ピペラジン(222mg、2.6mmol)を、NMP(1mL)中の4−フルオロ−5−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(50mg、0.26mmol)に添加し、反応物を、マイクロ波照射下で1時間、200℃に加熱した。反応物を、高真空下で濃縮、乾燥し、次いで、クロマトグラフィー(SP4、12+M、水/ACN 100/0−>40/60、20CV)により精製して、5−イソプロポキシ−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(33mg、収率49%)を油として得た。
(S)−3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸(59mg、0.17mmol、実施例H参照)、N1−((エチルイミノ)メチレン)−N3,N3−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン塩酸塩(44mg、0.23mmol)、HOBt−H2O(35mg、0.23mmol)およびトリエチルアミン(12mg、0.12mmol)を、DCM(10mL)中の5−イソプロポキシ−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(30mg、0.12mmol)に添加した。反応物を、室温で18時間撹拌した。次いで、反応物をDCM(50mL)で希釈し、1N HCl、10%K2CO3およびブラインで洗浄した。MgSO4上で乾燥後、残渣を濃縮、乾燥し、クロマトグラフィー(SP4、12+M、水/ACN 90/10−>0/100、20CV)により精製して、(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(5−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(42mg、収率62%)を固体として得た。
TFA(3mL)中の(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(5−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(30mg、0.051mmol)を30分間撹拌し、次いで、濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣を、最小量のDCM(0.2mL)中に溶解し、エーテル中の2N HClに添加した。その結果生じた固体を濾過し、窒素下で乾燥して、(S)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−1−オン(15mg、収率60%)塩酸塩を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 12.30 (s, 1H), 9.23 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.51−7.47 (m, 2H), 7.44−7.39 (m, 3H), 6.69 (s, 1H), 4.76 (m, 1H), 4.43 (m, 1H), 3.85−3.50 (m, 7H), 3.47−3.40 (m, 1H), 3.35−3.27 (m, 1H), 3.23−3.15 (m, 1H), 3.05−2.98 (m, 1H), 1.28−1.20 (m, 12H); m/z (ESI pos) 484.4 (100%) [M].
適切なアルキルハロゲン化物に関して同一手順に従って、以下の化合物を調製した:
実施例48
(S)−2−(4−ブロモフェニル)−2−((S)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン
DCM(1mL)中の5−フェニル−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン二塩酸塩(0.0159g、0.0454mmol、実施例19参照)、(S)−2−(4−ブロモフェニル)−2−((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)酢酸(0.017g、0.0412mmol、実施例C参照)およびTBTU(0.0159g、0.0495mmol)を、DIEA(0.0287mL、0.165mmol)に添加し、室温で1時間撹拌した。混合物をカラム上に直接載せて、クロマトグラフィー(1:1のヘキサン:酢酸エチル)により精製して、(S)−tert−ブチル5−((S)−1−(4−ブロモフェニル)−2−オキソ−2−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エチル)−2,2−ジメチルピロリジン−1−カルボキシレートを固体として得た。固体をDCM(1mL)中に溶解し、TFA(0.2mL)を添加した。混合物を、室温で1時間撹拌した。溶媒を除去した。残渣をDCM(0.5mL)中に溶解し、エーテル(1mL)中の2M HClを添加した。その結果生じた固体を濾過により収集して、(S)−2−(4−ブロモフェニル)−2−((S)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン二塩酸塩(0.025g、95%)を得た。MS APCI(+)m/z574検出。
実施例49
(S)−2−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−((S)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン
DCM(1mL)中の5−フェニル−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン二塩酸塩(0.0200g、0.0570mmol、実施例19参照)、(S)−2−((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)−2−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)酢酸(0.020g、0.0518mmol、実施例D参照)およびTBTU(0.0200g、0.0622mmol)を、DIEA(0.0361mL、0.207mmol)に添加し、室温で1時間撹拌した。混合物をカラム上に直接載せて、クロマトグラフィー(1:1のヘキサン:酢酸エチル)により精製して、(S)−tert−ブチル5−((S)−1−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−オキソ−2−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エチル)−2,2−ジメチルピロリジン−1−カルボキシレートを固体として得た。固体をDCM(1mL)中に溶解し、TFA(0.2mL)を添加した。混合物を、室温で1時間撹拌した。溶媒を除去した。その結果生じた残渣をDCM(0.5mL)中に溶解し、エーテル(1mL)中の2M HClを添加した。その結果生じた固体を濾過により収集して、(S)−2−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−((S)−5,5−ジメチルピロリジン−2−イル)−1−(4−(5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エタノン二塩酸塩(0.009g、28%)を得た。MS APCI(+)m/z546検出。
実施例50
(S)−N−(4−(4−(2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド
粗製4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−アミン(0.200g、0.651mmol、実施例25参照)、ニコチン酸(0.0961g、0.781mmol)およびトリエチルアミン(0.453mL、3.25mmol)を、室温でDMF(3mL)中に入れた。次いで、トリエチルアミン(0.453mL、3.25mmol)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次に、反応物をMeOH(5mL)で希釈し、3M LiOH(0.5mL)を添加し、10分間撹拌した。次いで、反応物を飽和Na2CO3中に注ぎ入れて、DCM中に抽出した.有機分画を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得て、これをカラムクロマトグラフィー(500:20〜500:30のDCM:MeOH)により精製して、N−(4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミドを得た(0.160g、収率59.6%)。
N−(4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.080g、0.19mmol)を、MeOH(2mL)中に入れた。Pd/C(0.0206g、0.0194mmol)を次に添加し、その後、4滴の濃HClを添加した。次に、反応物を、一晩、H2バルーン下に置き、攪拌した。反応物を濾過し、MeOHで洗浄し、濃縮して、粗生成物N−(4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.050g、収率79.9%)を得て、これをさらに精製せずに用いた。
N−(4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.030g、0.0931mmol)および(S)−3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸(0.0334g、0.0977mmol、実施例H参照)を、室温でDCM(2mL)中に入れた。HOBT−H2O(0.020g、0.13mmol)、EDCI(0.023g、0.12mmol)およびDIEA(d 0.742;0.0810mL、0.465mmol)を次に添加した。反応物を室温で3時間撹拌した。次いで、反応物を飽和Na2CO3中に注ぎ入れ、DCM中に抽出した。有機分画を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得て、これを、カラムクロマトグラフィー(500:10〜500:30のDCM:MeOH)により精製して、(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(3−(ニコチンアミド)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメートを得た(0.010g、収率16.6%)。
(S)−tert−ブチル2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(3−(ニコチンアミド)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(0.010g、0.015mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.3mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物を濃縮、乾燥し、最小量のDCM中に溶解した。次いで、DCM溶液を、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。その結果生じた固体を収集し、エーテルで洗浄して、乾燥して、(S)−N−(4−(4−(2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.007g、収率73%)を二塩酸塩として得た。MS APCI(+)m/z547検出。
実施例51
(S)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−1−オン
s−BuLi(53.7mL、75.2mmol、シクロヘキサン中1.4M)を、−78℃でTHF(250mL)中の4−フルオロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(10.0g、34.2mmol、L’Heureux, et al., Org. Lett., 5(26) p.5023 (2003)に記載されたように調製)の溶液に添加し、反応物を−78℃で30分間撹拌した。THF(40mL)中のCBr4(28.3g、85.5mmol)の溶液を次に添加し、反応物をこの温度で1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(80mL)を次に添加し、反応物をヘキサン(200mL)で抽出し、ブラインで洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮した。次いで、粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により精製して、5−ブロモ−4−フルオロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(7.8g、収率61.4%)を得た。
5−ブロモ−4−フルオロ−1−(トリイソプロピルシリル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(12.60g、33.9mmol)を、0℃でTHF(200mL)中に入れた。TBAF(33.9 mL、1M THF溶液)を次に添加し、次いで、反応物を0℃で1時間撹拌した。NaHCO3(水溶液)で反応物をクエンチして、DCM中に抽出した。有機分画を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得て、これをカラムクロマトグラフィー(500:5のDCM:MeOH)により精製して、5−ブロモ−4−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た(6.8g、収率93.2%)。
5−ブロモ−4−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(5.3g、24.7mmol)を、0℃でDMF(53mL)中に入れた。次に、NaH(1.18g、29.6mL)を添加し、20分間撹拌した。塩化ベンゼンスルホニル(3.47mL、27.1mmol)を次に添加し、反応物を0℃で30分間撹拌した。次いで、水を添加し、その結果生じた固体を濾過し、乾燥した。次に、1:1のヘキサン:EtOAc中で粗製固体を粉砕して、5−ブロモ−4−フルオロ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(5.2g、収率59.4%)を得た。
5−ブロモ−4−フルオロ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.200mL、0.563mmol、スキーム1に記載したように調製)および2−フルオロフェニルボロン酸(0.0867g、0.619mmol)を脱気2:1 トルエン:EtOH(3mL)中に入れた。Pd(PPh3)4(0.0325g、0.0282mmol)を次に添加し、その後、K2CO3(水溶液、1.17mL、0.845mmol)を添加した。次いで、反応物を、18時間、80℃に加熱した。次に反応物を室温に冷却し、水中に注ぎ入れ、DCM中に抽出した。有機分画を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得て、これを、カラムクロマトグラフィー(1:1のヘキサン:DCM〜4:1のヘキサン:DCM)により精製して、4−フルオロ−5−(2−フルオロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た(0.203g、収率97.3%)。
4−フルオロ−5−(2−フルオロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.200g、0.540mmol)およびtert−ブチル ピペラジン−1−カルボキシレート(0.121g、0.648mmol)を、NMP(2mL)中に入れた。次に、反応物をマイクロ波中に置いて、1時間、160℃に加熱した。次いで、反応物を冷却し、水中に注ぎ入れて、エーテルで抽出した。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗製油を得て、これを、カラムクロマトグラフィー(3:1のヘキサン:EtOAc)により精製して、tert−ブチル4−(5−(2−フルオロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを得た(0.102g、収率35.2%)。
tert−ブチル4−(5−(2−フルオロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.100g、0.186mmol)を、1:1 THF:MeOH(6mL)中に入れた。LiOH(0.621mL、1.86mmol)を次に添加し、反応物を50℃で1時間撹拌した。次いで、反応物を水中に注ぎ入れ、DCM中に抽出した。有機分画を併合し、乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物tert−ブチル4−(5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.066g、収率89.3%)を得て、これをさらに精製せずに用いた。
tert−ブチル4−(5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(0.045g、0.11mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。TFA(0.3mL)を次に添加し、反応物を室温で1時間撹拌し、濃縮、乾燥した。次に、その結果生じた残渣を最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に添加した。その結果生じた固体を濾過し、エーテルで洗浄して、乾燥して、5−(2−フルオロフェニル)−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.034g、収率81%)を得た。
5−(2−フルオロフェニル)−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.034g、0.0921mmol)、(S)−3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸(0.0330g、0.0967mmol、実施例H参照)、HOBT−H
2O(0.0197g、0.129mmol)およびEDCI(0.0229g、0.120mmol)を、室温でDCM(5mL)中に入れた。DIEA(d 0.742;0.0802mL、0.460mmol)を次に添加し、反応物を室温で5時間撹拌した。次に、反応物を飽和Na
2CO
3中に注ぎ入れて、DCM中に抽出した。有機分画を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(500:10のDCM:MeOH)により精製して、tert−ブチル(2S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(4−(5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメートを得た(0.040g、収率70.0%)。MS APCI(+)m/z520検出。
実施例52
(S)−N−(4−(4−(2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセトアミド
4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−アミン(0.35g、1.14mmol、実施例25を参照)を、DCM(2mL)およびピリジン(1mL)中に入れた。無水酢酸(0.129mL、1.37mmol)を次に添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物をMeOH(5mL)で希釈して、3M LiOH(0.5mL)を添加した。反応物を10分間撹拌し、次いで、飽和Na2CO3中に注ぎ入れ、DCM中に抽出した。有機分画を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得て、これをカラムクロマトグラフィー(500:8〜500:20のDCM:MeOH)により精製して、N−(4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセトアミドを得た(0.35g、収率88.0%)。
N−(4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセトアミド(0.150g、0.429mmol)を、MeOH(3mL)中に入れた。Pd/C(0.0914g、0.0429mmol)を次に添加し、その後、3滴の濃HClを添加した。次に、反応物を、3時間、H2バルーン下に置いた。次いで、反応物を濾過したが、しかし生成物は不溶性であった。固体を、1:1のMeOH:THF(5×)でスラリー化して、濾過した。次に濾液を濃縮して、粗生成物N−(4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセトアミド(0.110g、収率77.1%)を得て、これをさらに精製せずに用いた。
N−(4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセトアミド(0.050g、0.151mmol)、(S)−3−(tert−ブトキシカルボニル(イソプロピル)アミノ)−2−(4−クロロフェニル)プロパン酸(0.0540g、0.158mmol、実施例H参照)、HOBT−H2O(0.0323g、0.211mmol)およびEDCI(0.0375g、0.196mmol)を、DCM(5mL)中に入れた。DIEA(d 0.742;0.131mL、0.752mmol)を次に添加し、反応物を5時間撹拌した。次いで、反応物を飽和Na2CO3中に注ぎ入れ、DCM中に抽出した。有機分画を併合し、乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得て、これを、カラムクロマトグラフィー(500:13〜500:18のDCM:MeOH)により精製して、(S)−tert−ブチル3−(4−(3−アセトアミド−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−(4−クロロフェニル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメートを得た(0.043g、収率48%)。
(S)−tert−ブチル3−(4−(3−アセトアミド−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−(4−クロロフェニル)−3−オキソプロピル(イソプロピル)カルバメート(0.043g、0.074mmol)を、室温でDCM(5mL)中に入れた。次に、TFA(0.5mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物を濃縮、乾燥した。次に、粗残渣を最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。その結果生じた固体を濾過し、エーテルで洗浄して、乾燥して、(S)−N−(4−(4−(2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセトアミド(0.035g、収率85%)を二塩酸塩として得た。MS APCI(+)m/z484検出。
実施例53
(R)−N−(4−(4−(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセトアミド
粗製N−(4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセトアミド(0.050g、0.15mmol、実施例52参照)、(R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパン酸(0.0496g、0.166mmol)、HOBT−H2O(0.0323g、0.211mmol)およびEDCI(0.0375g、0.196mmol)を、DCM(5mL)中に入れた。DIEA(d 0.742;0.131mL、0.752mmol)を次に添加し、反応物を5時間撹拌した。次いで、反応物を飽和Na2CO3中に注ぎ入れ、DCM中に抽出した。有機分画を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得て、これを、カラムクロマトグラフィー(500:13〜500:18のDCM:MeOH)により精製して、(R)−tert−ブチル1−(4−(3−アセトアミド−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−クロロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イルカルバメートを得た(0.047g、収率57.7%)。
(R)−tert−ブチル1−(4−(3−アセトアミド−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(4−クロロフェニル)−1−オキソプロパン−2−イルカルバメート(0.047g、0.087mmol)を、室温でDCM(5mL)中に入れた。次に、TFA(0.5mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物を濃縮、乾燥した。次に、粗残渣を最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。その結果生じた固体を濾過し、エーテルで洗浄して、乾燥して、(R)−N−(4−(4−(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセトアミド(0.04g、収率90%)を二塩酸塩として得た。MS APCI(+)m/z441検出。
実施例54
(R)−N−(4−(4−(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−ヒドロキシアセトアミド
4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−アミン(0.30g、0.976mmol、実施例25参照)、2−(ベンジルオキシ)酢酸(0.195g,1.17mmol)およびビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホン酸クロリド(「BOP−Cl」;0.298g、1.17mmol)を、室温でDMF(3mL)中に入れた。次いで、トリエチルアミン(0.680mL、4.88mmol)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物をMeOH(5mL)で希釈して、3M LiOH(0.5mL)を添加し、10分間撹拌した。次いで、反応物を飽和Na2CO3中に注ぎ入れ、DCM中に抽出した。有機分画を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得て、これをカラムクロマトグラフィー(500:10〜500:20のDCM:MeOH)により精製して、2−(ベンジルオキシ)−N−(4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセトアミドを得た(0.22g、収率49.4%)。
2−(ベンジルオキシ)−N−(4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセトアミド(0.100g、0.219mmol)を、MeOH(2mL)中に入れた。Pd/C(0.0467g、0.0220mmol)を次に添加し、その後、3滴の濃HClを添加した。次に、反応物を、3時間、H2充填バルーン下に置いた。さらなるPd/C(0.0467g、0.0219mmol)を次に添加し、反応物を、さらに3時間、H2充填バルーン下に置いて、反応を完了させた。DIEAを添加して、溶解性を達成した。次いで、反応物を濾過し、MeOHで洗浄し、濃縮して、粗生成物2−ヒドロキシ−N−(4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセトアミド(0.060g、収率99.2%)を得た。
2−ヒドロキシ−N−(4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセトアミド(0.060g、0.22mmol)、(R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパン酸(0.0719g、0.240mmol)、HOBT−H2O(0.0467g、0.305mmol)およびEDCI(0.0543g、0.283mmol)を、室温でDCM(5mL)中に入れた。DIEA(d 0.742;0.190mL、1.09mmol)を次に添加し、反応物を5時間撹拌した。次いで、反応物を飽和Na2CO3中に注ぎ入れ、DCM中に抽出した。反応物を乾燥し、濾過し、濃縮して、精製(500:10〜500:30のDCM:MeOH)して、(R)−tert−ブチル3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(3−(2−ヒドロキシアセトアミド)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イルカルバメートを得た(0.040g、収率32.9%)。
(R)−tert−ブチル3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(3−(2−ヒドロキシアセトアミド)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イルカルバメート(0.040g、0.072mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.5mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物を濃縮、乾燥し、その結果生じた残渣を最小量のDCM中に溶解した。溶液を、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。その結果生じた固体を濾過し、エーテルで洗浄して、乾燥して、(R)−N−(4−(4−(2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−ヒドロキシアセトアミド(0.030g、収率79%)を二塩酸塩として得た。MS APCI(+)m/z457検出。
実施例55
(R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン
3−メチル−5−フェニル−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.050g、0.14mmol、実施例15参照)、(R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−クロロフェニル)プロパン酸(0.0451g、0.151mmol)、HOBT−H2O(0.0293g、0.192mmol)およびEDCI(0.0341g、0.178mmol)を、室温でDCM(5mL)中に入れた。DIEA(d 0.742;0.119mL、0.684mmol)を次に添加し、反応物を5時間撹拌した。次に、反応物を飽和Na2CO3中に注ぎ入れて、DCM中に抽出した。反応物を乾燥し、濾過し、濃縮して、精製(500:5のDCM:MeOH)して、(R)−tert−ブチル3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イルカルバメートを得た(0.030g、収率38.1%)。
(R)−tert−ブチル3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソプロパン−2−イルカルバメート(0.029g、0.051mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.5mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物を濃縮、乾燥し、その結果生じた残渣を最小量のDCM中に溶解した。溶液を、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。その結果生じた固体を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥して、(R)−2−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−1−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン(0.020g、収率72%)を二塩酸塩として得た。MS APCI(+)m/z475検出。
実施例56
3−アミノ−2−(4−クロロベンジル)−1−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン
3−メチル−5−フェニル−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.125g、0.428mmol、実施例15参照)、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−クロロベンジル)プロパン酸(0.148g、0.470mmol、実施例E参照)、HOBT−H2O(0.0917g、0.599mmol)、EDCI(0.107g、0.556mmol)およびDIEA(d 0.742;0.372mL、2.14mmol)を、DCM(5mL)中に入れた。反応物を室温で3時間撹拌し、次に、飽和Na2CO3でクエンチした。次いで、混合物をDCMで抽出した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗製油を得て、これを、カラムクロマトグラフィー(500:6)により精製して、tert−ブチル2−(4−クロロベンジル)−3−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピルカルバメートを得た(0.115g、収率45.7%)。
tert−ブチル2−(4−クロロベンジル)−3−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピルカルバメート(0.115g、0.196mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.5mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物を濃縮、乾燥し、その結果生じた残渣を最小量のDCM中に溶解した。溶液を、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。その結果生じた固体を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥して、3−アミノ−2−(4−クロロベンジル)−1−(4−(3−メチル−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン(0.092g、収率83%)を二塩酸塩として得た。MS APCI(+)m/z489検出。
実施例57
N−(4−(4−(2−アミノアセチル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド
粗製N−(4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.025g、0.058mmol、実施例50参照)、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)酢酸(0.0111g、0.0637mmol)、HOBT−H2O(0.0124g、0.0811mmol)およびEDCI(0.0144g、0.075mmol)を、DCM(3mL)中に入れた。DIEA(d 0.742;0.0504mL、0.290mmol)を次に添加した。反応物を2時間撹拌し、飽和Na2CO3でクエンチした。次に、混合物をDCMで抽出した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗製油を得て、これを、カラムクロマトグラフィー(500:20〜500:30)により精製して、tert−ブチル2−(4−(3−ニコチンアミド)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチルカルバメートを得た(0.013g、収率46.8%)。
tert−ブチル2−(4−(3−ニコチンアミド)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチルカルバメート(0.013g、0.027mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.5mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物を濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣を最小量のDCM中に溶解し、次いで、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。その結果生じた固体を濾過し、エーテルで洗浄して、乾燥して、N−(4−(4−(2−アミノアセチル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.012g、収率91%)を三塩酸塩として得た。MS APCI(+)m/z380検出。
実施例58
(R)−N−(4−(4−(2−アミノ−3−メチルブタノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド
N−(4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.025g、0.058mmol、実施例50参照)、(R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタン酸(0.0138g、0.0637mmol)、HOBT−H2O(0.0124g、0.0811mmol)およびEDCI(0.0144g、0.0752mmol)を、DCM(3mL)中に入れた。DIEA(d 0.742;0.0504mL、0.290mmol)を次に添加し、反応物を2時間撹拌した。反応物を、飽和Na2CO3でクエンチした。次に、混合物をDCMで抽出した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗製油を得て、これを、カラムクロマトグラフィー(500:20〜500:28)により精製して、(R)−tert−ブチル3−メチル−1−(4−(3−(ニコチンアミド)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソブタン−2−イルカルバメートを得た(0.009g、収率29.7%)。
(R)−tert−ブチル3−メチル−1−(4−(3−(ニコチンアミド)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−1−オキソブタン−2−イルカルバメート(0.014g、0.027mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.5mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物を濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣を最小量のDCM中に溶解し、次いで、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。その結果生じた固体を濾過し、エーテルで洗浄して、乾燥して、(R)−N−(4−(4−(2−アミノ−3−メチルブタノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.009g、収率63%)を三塩酸塩として得た。MS APCI(+)m/z422検出。
実施例59
N−(4−(4−(3−アミノプロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド
N−(4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.025g、0.058mmol、実施例50参照)、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸(0.0121g、0.0637mmol)、HOBT−H2O(0.0124g、0.0811mmol)およびEDCI(0.0144g、0.0753mmol)を、DCM(3mL)中に入れた。DIEA(d 0.742;0.0504mL、0.290mmol)を次に添加した。反応物を2時間撹拌し、飽和Na2CO3でクエンチした。次に、混合物をDCMで抽出した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗製油を得て、これを、カラムクロマトグラフィー(500:20〜500:40)により精製して、tert−ブチル3−(4−(3−(ニコチンアミド)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピルカルバメートを得た(0.014g、収率48.9%)。
tert−ブチル3−(4−(3−(ニコチンアミド)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピルカルバメート(0.009g、0.02mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.5mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物を濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣を最小量のDCM中に溶解し、次いで、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に滴下した。その結果生じた固体を濾過し、エーテルで洗浄して、乾燥して、N−(4−(4−(3−アミノプロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.005g、収率55%)を三塩酸塩として得た。MS APCI(+)m/z394検出。
実施例60
(S)−2−(4−クロロフェニル)−3−(イソプロピルアミノ)−1−(4−(5−(5−イソプロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン
イソ酪酸を用いて、実施例42に記載した手順に従って、(S)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−(5−(5−イソプロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−1−オンを固体として単離した:
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 12.05 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.26 (s,1H), 7.52−7.48 (m, 2H), 7.44−4.42 (m, 1H), 7.39−7.36 (m, 2H), 6.60 (s, 1H), 4.51 (m, 1H), 3.65−3.20 (m, 10H), 3.02 (s, 1H), 2.76−2.66 (m, 2H), 1.30 (d, 6H), 1.23 (dq, 6H); m/z (APCI pos) 536.3 (100%) [M].
実施例61
N−(4−(4−(2−アミノアセチル)ピペラジン−1−イル)−5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド
5−ブロモ−4−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.100g、0.465mmol、実施例51参照)を、0℃で発煙HNO3(5mL)に徐々に添加して、10分間撹拌した。次に氷を添加し、その後、水を添加した。その結果生じた固体を次に濾過し、水で洗浄し、乾燥して、5−ブロモ−4−フルオロ−3−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た(0.105g、収率86.8%)。
5−ブロモ−4−フルオロ−3−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(2.0g、7.7mmol)を、室温で6M HCl(30mL)中に入れた。SnCl2(7.29g、38.5mmol)を次に添加し、反応物を室温で30分間撹拌した。次いで、反応物を0℃に冷却し、Na2CO3の飽和水溶液を添加して、pHを8に上げた。次に、反応物をDCMで抽出した(最小量のMeOHで溶解性を手助けした)。合わせた有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物5−ブロモ−4−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−アミン(0.50g、収率28.2%)を得て、これを精製せずに用いた。
5−ブロモ−4−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−アミン(0.044g、0.19mmol)、ニコチン酸(0.0283g、0.230mmol)およびBOP−Cl(0.0584g,0.230mmol)を、室温でDMF(3mL)中に入れた。トリエチルアミン(0.133mL、0.956mmol)を次に添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物を3MのLiOH(水溶液、0.5mL)で希釈して、10分間撹拌した。次に、反応物を飽和Na2CO3中に注ぎ入れ、DCM中に抽出して、有機分画を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得た。粗残渣を、1:2 MeOH/DCMで粉砕して、N−(5−ブロモ−4−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.035g、収率54.6%)を固体として得た。
N−(5−ブロモ−4−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.100g、0.298mmol)およびピペラジン(0.257g、2.98mmol)を、NMP(1.5mL)中に入れて、マイクロ波中で1時間、100℃に加熱した。次に、反応物を、ロータリーエバポレーションで1時間、70℃に加熱して、余分量のピペラジンを除去した。反応物を次に水で希釈して、DCMで抽出した(最小量のMeOHで溶解性を手助けした)。有機分画を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮した。その結果生じたN−(5−ブロモ−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミドの粗製NMP溶液を、さらに精製せずに用いた。
上記のN−(5−ブロモ−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.200g、0.498mmol)のNMP溶液、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)酢酸(0.114g、0.648mmol)、HOBT−H2O(0.107g、0.698mmol)およびEDCI(0.124g、0.648mmol)を、DCM(3mL)中に入れた。DIEA(d 0.742;0.434mL、2.49mmol)を次に添加し、反応物を室温で4時間撹拌した。次いで、反応物を飽和Na2CO3でクエンチし、DCM中に抽出した。有機分画を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得た。これを、カラムクロマトグラフィー(500:15〜500:25のDCM:MeOH)により精製して、tert−ブチル2−(4−(5−ブロモ−3−(ニコチンアミド)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチルカルバメートを得た(0.112g、収率40.2%)。
tert−ブチル2−(4−(5−ブロモ−3−(ニコチンアミド)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチルカルバメート(0.020g、0.036mmol)を、DCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.5mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物を濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣を最小量のDCM中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に添加した。その結果生じた固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄して、乾燥して、N−(4−(4−(2−アミノアセチル)ピペラジン−1−イル)−5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.015g、収率74%)を三塩酸塩として得た。MS APCI(+)m/z459検出。
実施例62
N−(4−(4−(3−アミノプロパノイル)ピペラジン−1−イル)−5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド
粗製N−(5−ブロモ−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.200g、0.498mmol、実施例61参照)、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸(0.189g、0.997mmol)、HOBT−H2O(0.107g、0.698mmol)およびEDCI(0.124g、0.648mmol)を、室温でDCM(5mL)中に入れた。DIEA(d 0.742;0.434mL、2.49mmol)を次に添加し、反応物を5時間撹拌した。次いで、反応物を飽和Na2CO3中に注ぎ入れ、DCM中に抽出した。有機分画を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得た。これを、カラムクロマトグラフィー(500:15〜500:25)により精製して、tert−ブチル3−(4−(5−ブロモ−3−(ニコチンアミド)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピルカルバメートを得た(0.060g、収率21.0%)。
tert−ブチル3−(4−(5−ブロモ−3−(ニコチンアミド)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピルカルバメート(0.020g、0.035mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.5mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物を濃縮、乾燥し、最小量のDCM中に溶解して、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に添加した。その結果生じた固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄して、乾燥して、N−(4−(4−(3−アミノプロパノイル)ピペラジン−1−イル)−5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.015g、収率74%)を三塩酸塩として得た。MS APCI(+)m/z473検出。
実施例63
N−(5−ブロモ−4−(4−(3−(イソプロピルアミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド
N−(4−(4−(3−アミノプロパノイル)ピペラジン−1−イル)−5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.060g、0.103mmol、実施例62参照)およびアセトン(0.0599g,1.03mmol)を、1:1のDCE:DMF(5mL)中に入れた。次いで、DIEA(d 0.742;0.0898mL、0.516mmol)を添加し、その後、NaBH(OAc)
3(0.0437g、0.206mmol)を添加した。次に、反応物を30分間撹拌し、Na
2CO
3中に注ぎ入れ、DCM中に抽出した(3×30mL)。有機分画を併合し、乾燥し、濾過し、濃縮した。その結果生じた残渣を逆相HPLCにより精製して、純生成物を得た。次に、生成物を最小量のDCM中に溶解し、エーテル(10mL)中の1M HClの撹拌溶液に添加した。その結果生じた固体を収集して、N−(5−ブロモ−4−(4−(3−(イソプロピルアミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.030g、収率46.6%)を三塩酸塩として得た。MS APCI(+)m/z515検出。
実施例64
N−(4−(4−(2−アミノアセチル)ピペラジン−1−イル)−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド
tert−ブチル2−(4−(5−ブロモ−3−(ニコチンアミド)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチルカルバメート(0.090g、0.16mmol)およびフェニルボロン酸(0.039g、0.32mmol)を、ジオキサン(1.5mL)中に入れて、30分間脱気した。20%Na2CO3(0.5mL)溶液を次に添加し、その後、PS−Pd(PPh3)4(0.081g、0.0081mmol)を添加した。次いで、反応物を、マイクロ波中で1時間、150℃で加熱した。次に反応物をDCMで希釈し、濾過して、触媒を除去した。次いで、反応物を分取HPLCにより精製して、tert−ブチル2−(4−(3−(ニコチンアミド)−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチルカルバメート(0.013g、収率15%)とN−(5−フェニル−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.020g、収率31%)の混合物を得た。
tert−ブチル2−(4−(3−(ニコチンアミド)−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−2−オキソエチルカルバメート(0.013g、0.023mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次いで、TFA(0.5mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物を濃縮、乾燥した。その結果生じた残渣を最小量のDCM中に溶解して、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に添加した。その結果生じた固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥して、N−(4−(4−(2−アミノアセチル)ピペラジン−1−イル)−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.004g、収率38%)を三塩酸塩として得た。MS APCI(+)m/z456検出。
実施例65
N−(4−(4−(3−アミノプロパノイル)ピペラジン−1−イル)−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド
N−(5−フェニル−4−(ピペラジン−1−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.050g、0.125mmol、実施例64参照)、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸(0.0475g、0.251mmol)、HOBT−H2O(0.0269g、0.176mmol)およびEDCI(0.0313g、0.163mmol)を、室温でDCM(5mL)中に入れた。DIEA(d 0.742;0.109mL、0.627mmol)を次に添加し、反応物を5時間撹拌した。次いで、反応物をNa2CO3中に注ぎ入れ、DCM中に抽出した。有機分画を乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得て、これを、カラムクロマトグラフィー(500:20のDCM:MeOH)により精製して、tert−ブチル3−(4−(3−(ニコチンアミド)−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピルカルバメートを得た(0.065g、収率90.9%)。
tert−ブチル3−(4−(3−(ニコチンアミド)−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピルカルバメート(0.020g、0.035mmol)を、室温でDCM(3mL)中に入れた。次に、TFA(0.5mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物を濃縮、乾燥し、最小量のDCM中に溶解して、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に添加した。その結果生じた固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥して、生成物N−(4−(4−(3−アミノプロパノイル)ピペラジン−1−イル)−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.008g、収率39%)を三塩酸塩として得た。MS APCI(+)m/z470検出。
実施例66
N−(4−(4−(3−(イソプロピルアミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド
N−(4−(4−(3−アミノプロパノイル)ピペラジン−1−イル)−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.015g、0.026mmol、実施例65参照)およびアセトン(0.0150g,0.259mmol)を、1:1のDCE:DMF(2mL)中に入れた。次いで、DIEA(d 0.742;0.0226mL、0.130mmol)を添加し、その後、NaBH(OAc)3(0.0110g、0.0518mmol)を添加した。次に、反応物を30分間撹拌し、Na2CO3中に注ぎ入れ、DCM中に抽出した。有機分画を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣を逆相HPLCにより精製して、生成物を得た。次に、生成物を最小量のDCMおよびMeOH中に溶解し、エーテル中の1M HClの撹拌溶液に添加した。その結果生じた固体を収集して、N−(4−(4−(3−(イソプロピルアミノ)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)−5−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ニコチンアミド(0.001g、収率6.2%)を三塩酸塩として得た。MS APCI(+)m/z512検出。
表3に示した実施例67〜74も、上記の方法に従って製造され得る。
列挙した実施形態と結びつけて本発明を説明してきたが、それらはその実施形態に本発明を限定するものではないことを意図する、と理解される。これに対して、本発明は、全ての代替物、修正および等価物を網羅するよう意図され、これらは、特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内に含まれ得る。したがって、前記の説明は、本発明の原理の例証に過ぎないとみなされる。
「〜を含む」、「〜からなる」、「〜を包含する」、「〜を含めて」および「〜を包含する(三人称単数)」という語は、本明細書中で、ならびに以下の特許請求の範囲で用いられる場合、記述される特徴、整数、構成成分またはステップの存在を特定するよう意図されるが、しかしそれらは、1つまたは複数のその他の特徴、整数、構成成分、ステップまたはその群の存在または付加を排除しない。