JP5337717B2 - キナーゼ阻害剤として活性なイソキノリノピロロピリジノン - Google Patents

キナーゼ阻害剤として活性なイソキノリノピロロピリジノン Download PDF

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Description

本発明は、イソキノリノピロロピリジノン類、これらを含む医薬組成物ならびに特に癌および細胞増殖障害の治療における治療薬としてのこれらの使用に関する。
タンパク質キナーゼ(PK)の機能不全は、多数の疾患の特徴である。ヒトの癌に関与する癌遺伝子および原型癌遺伝子の大部分は、PKをコードしている。PKの活性亢進は、(良性前立腺肥大、家族性腺腫症、ポリポーシス、神経線維腫症、乾癬、アテローム性動脈硬化症に伴う血管平滑筋細胞増殖、肺線維症、関節炎、糸球体腎炎ならびに術後狭窄および再狭窄などの)多くの非悪性疾患にも関係している。PKは、炎症性状態ならびにウイルスおよび寄生虫の増殖にも関係している。PKは、神経変性障害の病因および発現にも主要な役割を果たし得る。PKの機能不全および調節障害(disregulation)は、Current Opinion in Chemical Biology 1999,3,459−465においてさらに論じられている。
癌細胞の増殖に関係しているとして当技術分野で知られているいくつかのタンパク質キナーゼの中に、進化的に保存されたセリン−トレオニンキナーゼであるCdc7があり、これは、細胞周期の調節をDNA複製起点の開始にとって必須であるゲノム重複に結びつけるのに重要な役割を担っている(Montagnoli A.ら,EMBO Journal,Vol.21,No.12,pp.3171−3181,2002;Montagnoli A.ら,Cancer Research Vol.64,October 1,pp.7110−7116,2004を参照されたい)。
Blacheらは、Heterocycles(2000),53(4),905−916において、ポリ縮合インドロンの位置選択的合成を記載しており、特に、7H−ピリド[4,3−a]カルバゾール−7−オン,8,9,10,11−テトラヒドロ−11−(フェニルメチル)という名称の化合物が開示されている。
いくつかの複素環化合物が、タンパク質キナーゼ阻害剤として当技術分野で知られている。これらの中に、例えば、WO2005/13986に開示されたピリジニルピロール、WO2005/14572に開示されたピリミジニルピロール、WO02/12242に開示されたピロロ−ピラゾール、WO00/69846に開示されたテトラヒドロインダゾール、WO01/98299に開示されたピロロピリジン、WO03/014090に開示されたアミノフタラジノンおよびWO03/028720に開示されたアミノインダゾールがある。
7H−ピリド[3’,4’:4,5]ピロロ[2,3−f]イソキノリン−7−オン、8,9,10,11−テトラヒドロなどのマイトジェン活性化タンパク質キナーゼにより活性化されたタンパク質キナーゼ2としての使用のためのベータ−カルボリンおよび類似体が、WO2005/009370に記載され特許請求されている。
さらに、肥満の治療用のピロロピリジノン誘導体が、Bayer Pharmaceuticals Corporationの特許WO03/027114に開示されている。特に、ピリジルピロロピリジノン、すなわち、5−シクロヘキシル−1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−メチル−2−ピリジン−3−イル−1,5,6,7−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オンが報告されている。
マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ活性化されたタンパク質キナーゼ2阻害活性のあるピロロピリジノン誘導体が、Pharmacia Corpの特許出願WO2004/058762Alに開示されている。
国際公開第2005/13986号 国際公開第2005/14572号 国際公開第02/12242号 国際公開第00/69846号 国際公開第01/98299号 国際公開第03/014090号 国際公開第03/028720号 国際公開第2005/009370号 国際公開第03/027114号 国際公開第2004/058762号
Current Opinion in Chemical Biology 1999,3,459−465 Montagnoli A.ら,EMBO Journal,Vol.21,No.12,pp.3171−3181,2002 Montagnoli A.ら,Cancer Research Vol.64,October 1,pp.7110−7116,2004 Blacheら,Heterocycles(2000),53(4),905−916
(発明の要旨)
本発明は、調節障害のあるタンパク質キナーゼ活性(より詳しくは、Cdk2およびCdc7活性)により引き起こされる、および/またはこれに関連する多くの疾患に対する薬剤として治療において有用である新規の化合物に関する。
本発明は、タンパク質キナーゼ阻害活性、より詳しくはCdk2およびCdc7阻害活性を有する化合物にも関する。
本発明の一態様は、式(I)によって表されるヘテロアリールピリジノン誘導体
Figure 0005337717
[式中、
は、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)ポリフッ素化アルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキル、ヘテロシクリル−(C−C)アルキル、アリール−(C−C)アルキル、ヘテロアリール−(C−C)アルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)アルコキシ−(C−C)アルキル、アリールオキシ−(C−C)アルキル、ヘテロアリールオキシ−(C−C)アルキル、(C−C)アミノアルキル、(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキル、(C−C)ジアルキルアミノ−(C−C)アルキル、カルバモイル−(C−C)アルキル、およびアルコキシカルボニルからなる群から選択され、
ここで、前記アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリールオキシ、またはヘテロアリールオキシ部分のそれぞれは、置換されておらずまたは1つ以上の置換基で置換されていてよく、それぞれの置換基は、アルキル、アリール、−OCF、−OC(O)アルキル、−OC(O)アリール、−CF、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、アルキルヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、および−N(アルキル)からなる群から独立に選択され,
、R、RおよびRは、水素原子、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、シクロアルキル−アルキル、ヘテロシクリル−(C−C)アルキル、アリール−(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)ポリフッ素化アルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)アルコキシ−(C−C)アルキル、アリールオキシ(C−C)アルキル、ヘテロアリールオキシ(C−C)アルキル、(C−C)アミノアルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、および(C−C)ジアルキルアミノ−(C−C)アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
またはR、R、RおよびRは、一緒になって、(C−C)シクロアルキル基を形成し、
Xは、NHもしくはCHであり、
但し、
Xが、NHであり、Rが、水素原子である場合、R、R、RおよびRの少なくとも1つは、水素原子ではなく
7H−ピリド[4,3−a]カルバゾール−7−オン、8,9,10,11−テトラヒドロ−11−(フェニルメチル)は除外される。]
またはこれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。
本発明の別の態様は、治療を必要とする哺乳動物に、式(I)の化合物の一定量を投与することによる、変化したタンパク質キナーゼ活性により引き起こされ、および/またはこれに関連し得る細胞増殖障害または状態を治療する方法に関する。
本発明の別の態様は、前記Cdk2またはCdc7に、Cdk2またはCdc7に対する活性の拮抗に有効な式(I)の化合物の一定量を投与することを含む、Cdk2またはCdc7に対する活性の拮抗方法に関する。
本発明の別の態様は、哺乳動物に、Cdk2またはCdc7に対する活性の拮抗に有効な式(I)の化合物の一定量を投与することを含む、Cdk2またはCdc7に対する拮抗剤活性が必要である前記哺乳動物における障害または状態を治療する方法に関する。
本発明の別の態様は、哺乳動物に、障害または状態の治療に有効な式(I)の化合物の一定量を投与することを含む、Cdk2またはCdc7に対する拮抗剤活性が必要である哺乳動物における障害または状態を治療する方法に関する。
本発明の別の態様は、治療を必要とする哺乳動物に、状態または障害の治療に有効な式(I)の化合物の一定量を投与することを含む、前記哺乳動物における膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、(小細胞肺癌を含む)肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頸癌、甲状腺癌、前立腺癌、および(扁平上皮細胞癌を含む)皮膚癌、(白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、毛様細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫を含む)リンパ系の造血器腫瘍、(急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および前骨髄球性白血病を含む)骨髄細胞系の造血器腫瘍、(線維肉腫および横紋筋肉腫を含む)間葉起源の腫瘍;(星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫および神経鞘腫を含む)中枢および末梢神経系の腫瘍;(メラノーマ、セミノーマ、テラトカルシノーマ、骨肉腫、色素性乾皮症、角質黄色腫、甲状腺濾胞腺癌およびカポジ肉腫を含む)他の腫瘍からなる群から選択される障害または状態を治療する方法に関する。
本発明の別の態様は、治療を必要とする哺乳動物に、状態または障害の治療に有効な式(I)の化合物の一定量を投与することを含む、前記哺乳動物における、(例えば、良性前立腺肥大、家族性腺腫症、ポリポーシス、神経線維腫症、乾癬、アテローム性動脈硬化症に伴う血管平滑筋細胞増殖、肺線維症、関節炎、糸球体腎炎ならびに術後狭窄および再狭窄などの)細胞増殖障害からなる群から選択される障害または状態を治療する方法に関する。
本発明の別の態様は、治療を必要とする哺乳動物に、Cdk2またはCdc7に対する活性の拮抗に有効な式(I)の化合物の一定量を投与することを含む、前記哺乳動物における膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、(小細胞肺癌を含む)肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頸癌、甲状腺癌、前立腺癌、および(扁平上皮細胞癌を含む)皮膚癌、(白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、毛様細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫を含む)リンパ系の造血器腫瘍、(急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および前骨髄球性白血病を含む)骨髄細胞系の造血器腫瘍、(線維肉腫および横紋筋肉腫を含む)間葉起源の腫瘍;(星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫および神経鞘腫を含む)中枢および末梢神経系の腫瘍;(メラノーマ、セミノーマ、テラトカルシノーマ、骨肉腫、色素性乾皮症、角質黄色腫、甲状腺濾胞腺癌およびカポジ肉腫を含む)他の腫瘍からなる群から選択される障害または状態を治療する方法に関する。
本発明の別の態様は、治療を必要とする哺乳動物に、Cdk2またはCdc7に対する活性の拮抗に有効な式(I)の化合物の一定量を投与することを含む、前記哺乳動物における、良性前立腺肥大、家族性腺腫症、ポリポーシス、神経線維腫症、乾癬、アテローム性動脈硬化症に伴う血管平滑筋細胞増殖、肺線維症、関節炎、糸球体腎炎、術後狭窄および再狭窄からなる群から選択される障害または状態を治療する方法に関する。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるこの塩の一定量、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
好ましくは、上記に挙げられたものからの治療され得る特定のタイプの癌には、癌腫、扁平上皮細胞癌、骨髄またはリンパ系の造血器腫瘍、間葉起源の腫瘍、中枢および末梢神経系の腫瘍、メラノーマ、セミノーマ、テラトカルシノーマ、骨肉腫、色素性乾皮症、角質黄色腫、甲状腺濾胞腺癌、およびカポジ肉腫が含まれる。
本発明のより完全な認識、およびこれに付随する利点の多くは、これが、以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるに従って、容易に理解される。
本発明の一態様は、式(I)によって表されるヘテロアリールピリジノン誘導体
Figure 0005337717
[式中、
は、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)ポリフッ素化アルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキル、ヘテロシクリル−(C−C)アルキル、アリール−(C−C)アルキル、ヘテロアリール−(C−C)アルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)アルコキシ−(C−C)アルキル、アリールオキシ−(C−C)アルキル、ヘテロアリールオキシ−(C−C)アルキル、(C−C)アミノアルキル、(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキル、(C−C)ジアルキルアミノ−(C−C)アルキル、カルバモイル−(C−C)アルキル、およびアルコキシカルボニルからなる群から選択され、
ここで、前記アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリールオキシ、またはヘテロアリールオキシ部分は、置換されておらずまたは1つ以上の置換基で置換されていてよく、それぞれの置換基は、アルキル、アリール、−OCF、−OC(O)アルキル、−OC(O)アリール、−CF、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、アルキルヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、および−N(アルキル)からなる群から独立に選択され、
、R、RおよびRは、水素原子、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、シクロアルキル−アルキル、ヘテロシクリル−(C−C)アルキル、アリール−(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)ポリフッ素化アルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)アルコキシ−(C−C)アルキル、アリールオキシ(C−C)アルキル、ヘテロアリールオキシ(C−C)アルキル、(C−C)アミノアルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、および(C−C)ジアルキルアミノ−(C−C)アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
またはR、R、RおよびRは、一緒になって、(C−C)シクロアルキル基を形成し、
Xは、NHもしくはCHであり、
但し、
Xが、NHであり、Rが、水素原子である場合、R、R、RおよびRの少なくとも1つは、水素原子ではない。]
またはこれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。
本発明の式(I)の化合物は、不斉炭素原子を有することがあり、したがって、個別の光学異性体として、ラセミ混合物としてまたは(前記2つの光学異性体の1つの大部分を含む)任意の他の混合物として存在することがあり、これらは、全て、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
同様に、式(I)の化合物の全ての可能な異性体およびこれらの混合物の、ならびに代謝産物および薬学的に許容される生体前駆体(別にプロドラッグと呼ばれる)の両方の抗癌剤としての使用も、本発明の範囲内である。プロドラッグは、インビボで式(I)による活性親薬物を放出する任意の共有結合化合物である。
化合物が、互変異性体(例えば、ケト−エノール互変異性体)で存在することがある場合、それぞれの互変異性体は、釣り合って存在し、または大部分が一方の形態で存在するかに関わらず、本発明内に含まれると考えられる。
特に指定のある場合を除き、次の定義が、本明細書および特許請求の範囲を通して適用される。これらの定義は、用語が単独で使用され、または他の用語と一緒に使用されるかに関わらず適用される。したがって、「アルキル」の定義は、「アルキル」および(「アルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」などの)「アルキル」部分に適用される。
上記に、および本明細書を通して使用される場合、次の用語は、特に示されない限り、次の意味を有すると理解される。
「哺乳動物」は、ヒトおよび他の動物を意味する。
「治療する(treating)」は、疾患、障害または状態、またはこれらの1つ以上の症候の進行を、逆転、緩和、阻害する、または予防することを指し、これらを含み、「治療(treatment)」および「治療的に(therapeutically)」は、上記に定義された「治療する」行為を指す。
用語「有効量」は、特定の疾患を治療しまたは(特定のタンパク質キナーゼなどの)特定の酵素に拮抗し得る本発明の化合物の量を意味する。本発明により投与される化合物の特定の用量は、例えば、投与される化合物、投与の経路、対象の生物の状態、および治療される病的状態の重篤性を含めた事例を取り巻く特定の環境によって決定される。
「アルキル」は、直鎖または分枝であってよい脂肪族炭化水素基を意味する。(C−C)アルキルは、1−6個の炭素原子の長さであるアルキル基を意味する。分枝は、メチル、エチルまたはプロピルなどの1つ以上のアルキル基が、直鎖アルキル鎖に結合していることを意味する。アルキル基の限定されない例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどが含まれる。「アルキル基」は、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(アルキル)、カルボキシおよび−C(O)O−アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され得る1つ以上の置換基で置換されていてよい。適切なアルキル基の限定されない例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、およびt−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどが含まれる。
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む、直鎖または分枝であってよい脂肪族炭化水素基を意味する。(C−C)アルケニルは、2−6個の炭素原子の長さであるアルケニル基を意味する。用語「置換されたアルケニル」は、アルケニル基が、同一でありまたは異なってよい1つ以上の置換基で置換されていてよく、それぞれの置換基は、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、およびアルコキシからなる群から独立に選択されることを意味する。適切なアルケニル基の限定されない例には、エテニル、プロペニル、およびn−ブテニルが含まれる。
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む、直鎖または分枝であってよい脂肪族炭化水素基を意味する。(C−C)アルキニルは、2−6個の炭素原子の長さであるアルキニル基を意味する。分枝は、メチル、エチルまたはプロピルなどの1つ以上の低級アルキル基が、直鎖アルキニル鎖に結合していることを意味する。適切なアルキニル基の限定されない例には、エチニル、プロピニル、および2−ブチニルが含まれる。用語「置換されたアルキニル」は、アルキニル基が、(アルキル、アリールおよびシクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される)1つ以上の置換基で置換されていてよいことを意味する。
「アミノ」は、−NH基を意味するが、用語アリールアミノは、任意の基−NH−アリール(ここで、アリールは下記に定義されているとおりである。)を含む。
「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を意味する。
「ポリフッ素化アルキル」は、(例えば、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、1,1−ジフルオロエチル、3,3−ジフルオロプロピルなどの)2個以上のフッ素原子で置換されている上記に定義された任意のアルキル基を意味する。
用語「アリール」で、本発明は、縮合しておりまたは単結合で互いに結合しているかのいずれかの1から2環部分(ここで、環の少なくとも1つは芳香族である。)を有する任意の炭素環式または複素環式炭化水素を意図する。存在する場合、任意の芳香族複素環式炭化水素は、ヘテロアリール基とも呼ばれ、N、OまたはSの中から選択される1から3個のヘテロ原子を有する5から6員環を含む。
アリール基は、置換されてなくまたは[アルキル、アリール、−OCF、−OC(O)アルキル、−OC(O)アリール、−CF、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、アルキルヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、および−N(アルキル)からなる群からそれぞれ独立に選択される]1つ以上の置換基によって環上で置換されていてよい。適切なアリール基の限定されない例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。「アリール」基は、(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなどの)1個以上の炭素原子および1個以上の酸素原子の組合せを介して、この芳香族環上の2つの隣接した炭素を連結することによっても置換され得る。本発明によるアリール基の例は、例えば、フェニル、ビフェニル、α−またはβ−ナフチル、ジヒドロナフチル、チエニル、ベンゾチエニル、フリル、ベンゾフラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、プリニル、キノリル、イソキノリル、ジヒドロキノリニル、キノキサリニル、ベンゾジオキソリニル、インダニル、インデニル、トリアゾリルなどである。
「シクロアルキル」は、非芳香族の単環または多環系を意味する。(C−C)シクロアルキルは、3−6個の炭素原子の長さであるシクロアルキル基を意味する。シクロアルキルは、[アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、アラルケニル、ヘテロアラルキル、アルキルヘテロアリール、ヘテロアラルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アリール、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、および−N(アルキル)からなる群からそれぞれ独立に選択される]1つ以上の置換基で環上の利用可能な水素を置換することによって環上で場合によって置換され得る。適切な単環式シクロアルキルの限定されない例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれる。
「ヘテロシクリル」は、N、OまたはSの中から選択される1から3個のヘテロ原子を含む任意の5または6員複素環を意味する。前記複素環またはヘテロシクリル基が、(ヘテロアリールとも呼ばれる)芳香族複素環である場合、これは、アリール基に与えられた上記の定義によって包含される。
このようなものとして、上記の芳香族複素環に加えて、ヘテロシクリルという用語は、(例えば、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンなどの)飽和または部分不飽和複素環を包含する。
この点において、例として、アリールアルキルとして識別された任意の基は、アリールでさらに置換されたアルキル基(ここで、アリールおよびアルキルの両方とも上記に定義されたとおりである。)として意図されなければならない。明らかに、RおよびRまたはRおよびRが、一緒になって、(C−C)シクロアルキル基を形成する場合、この化合物は、スピロ誘導体と呼ばれる。
アリールまたはヘテロアリール基が場合によって置換されている場合、これらの置換基は、本明細書に定義されたアルキル、ハロアルキル、ポリフルオロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲンから選択される。
式(I)の化合物の薬学的に許容される塩には、(例えば、硝酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、イセチオン酸およびサリチル酸などの)無機または有機酸との酸付加塩が含まれる。
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物も、本明細書で意図されている。本明細書で使用される用語「プロドラッグ」は、対象に投与されると、代謝または化学プロセスによる化学変換をうけて式(I)の化合物またはこの塩および/もしくは溶媒和物を生ずる薬物前駆体である化合物を意味する。プロドラッグの考察は、T.Higuchi and V. Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)Volume 14 of the A.C.S.Symposium SeriesおよびBioreversible Carriers in Drug Design,(1987)Edward B.Roche編,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press(これらの両方とも、これらの参照により本明細書に組み込む。)に提供されている。
「溶媒和物」は、本発明の化合物の1つ以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合は、水素結合を含めて、様々な程度のイオンおよび共有結合を含む。場合によっては、溶媒和物は、例えば、1つ以上の溶媒分子が、結晶固体の結晶格子に組み込まれている場合、単離が可能である。「溶媒和物」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を包含する。適切な溶媒和物の限定されない例には、エタノレート、メタノレートなどが含まれる。「水和物」は、溶媒分子がHOである溶媒和物である。
任意の変数(例えば、アリール、アルキルなど)が、任意の成分においてまたは式(I)において2回以上出現する場合、出現ごとのこの定義は、全ての他の出現におけるこの定義から独立している。同様に、置換基および/または変数の組合せは、このような組合せが、安定な化合物をもたらす場合においてのみ許容される。
特に指定のある場合を除き、次の定義が、本明細書および特許請求の範囲を通して適用される。これらの定義は、用語が単独で使用され、または他の用語と一緒に使用されるかに関わらず適用される。したがって、「アルキル」の定義は、「アルキル」および(「アルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」などの)「アルキル」部分に適用される。
本発明の化合物の好ましいクラスは、式(I)の誘導体(ここで、X、R、R、およびRは、上記に定義されたとおりであり、RおよびRの両方とも水素原子である。)によって表される。
本発明の化合物の別の好ましいクラスは、式(I)の誘導体(ここで、X、RおよびRは、上記に定義されたとおりであり、RおよびRの両方とも水素原子である。)によって表される。
本発明の化合物の別の好ましいクラスは、式(I)の誘導体(ここで、R、R、RおよびRは、水素原子である。)によって表される。
本発明の化合物の別の好ましいクラスは、式(I)の誘導体(ここで、R、R、RおよびRは、水素原子である。)によって表される。
本発明の化合物のより好ましいクラスは、式(I)の誘導体(ここで、Xは、NHであり、R、R、RおよびRは、水素原子である。)によって表される。
式(I)の化合物は、本明細書で以下に詳細が記載されている次のスキームから得ることができる。
Figure 0005337717
(任意に薬学的に許容される塩の形態における)本発明の式(I)の任意の特定の化合物の参照については、実験の節および特許請求の範囲を参照されたい。
式(I)の化合物および薬学的に許容されるこれらの塩は、
a)式(II)の誘導体をイソキノリン−5−イルアミン(III)と反応させて式(IV)の化合物を得ること
Figure 0005337717
[式中、X、R、R、RおよびRは、上記に定義されたとおりである。]
b)炭素−炭素結合形成により式(IV)の化合物を環化して、式(I)の所望の化合物(ここで、Rは、水素原子である。)を獲得し、場合によって式(I)の別の化合物および/または薬学的に許容されるこの塩にこれを変換すること
を含むスキーム1による方法によって得ることができる。
この反応は、文献に記載された周知の手順によって、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などの適切な溶媒中において、二酢酸パラジウムおよび二酢酸銅の存在下で、約80から約150℃の範囲の温度において、約1時間から数時間の範囲の時間、化合物(IV)を加熱することによって反応を実施することによって得ることができる。
Figure 0005337717
別法として、式(I)の化合物は、
a)5−ブロモイソキノリン(V)およびベンズヒドリデン−ヒドラジン(VI)を反応させてN−ベンズヒドリデン−N’−イソキノリン−5−イル−ヒドラジン(VII)を得ること。
Figure 0005337717
b)化合物(VII)を式(II)の化合物と反応させて式(I)の化合物(ここで、Rは水素原子である。)を得ることを含むスキーム2による経路によって合成することができる。式(II)のエノール化可能な非対称な化合物が、この反応に使用される場合、位置異性体の様々な量の形成が観察され得る。
スキーム1および2における式(II)、(III)、(V)、(VI)の化合物、およびプロセスの任意の他の反応物は、知られており、または、これら自体市販されていない場合、既知の方法によって容易に調製され得る。
Figure 0005337717
スキーム3Aにおいて、ピペリジン−ジオン誘導体(II)は、既知の化合物であり、または、別法として、既知の方法によって、例えば、XがNHである場合、下記の合成経路(ここで、Alkは、適切な低級アルキル基、例えば、エチルを表し、Aは、クロロまたはOAlkを表す。)に従って調製され得る。
Figure 0005337717
これについて、適切なβ−アミノ−カルボキシエステル(VIII)誘導体(式中、R、R、RおよびRは、上記に記載された意味を有する。)を、ジアルキルマロネート、または、別法として、3−クロロ−3−オキソプロパン酸アルキルエステル、例えば、それぞれ、ジメチルマロネートまたはエチル3−クロロ−3−オキソプロパノエートと反応させる。Aがクロロである場合、反応は、塩基性条件下で、例えば、トリエチルアミンの存在下で、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中において、約室温から約還流温度の範囲の温度で実施される。AがOAlkである場合、反応は、塩基性条件を用いてまたはこれを用いずに、より好都合には溶媒の不存在下で、ジアルキルマロネートの還流温度において実施される。
市販されていない場合、上記に記載されたβ−アミノ−カルボキシエステル誘導体(VIII)は、文献に記載された周知の手順によって得ることができる。
こうして得られた中間誘導体(IX)は、次いで、最初に、塩基性条件下で、例えば、ナトリウムメチレートおよび適切な溶媒(好ましくはトルエン)の存在下で、還流温度において、約2時間から約24時間の範囲の時間、これを反応させることによって式(II)の化合物に変換される。続いて、前のステップの生成物を、単離することなく、還流条件下で、約6時間から約24時間の間で変わる時間、アセトニトリル/水/酢酸の混合物とこのまま反応させる。
別法として、ピペリジン−ジオン誘導体(II)は、例えば、下記の合成経路によって調製することができる。
Figure 0005337717
上記手順において、メルドラム酸(Meldrum’s acid)を、式(X)の適切なアミノ酸誘導体と反応させて、式(XI)の化合物を得る[式中、Qは、(特に、tert−ブトキシカルボニル)、または他の基(例えば、p−メトキシフェニル)などの適切な窒素保護基であり、式中、R、R、RおよびRは、上記に定義されたとおりである。]。次いで、式(XI)の化合物を、これを適切な溶媒(例えば、酢酸エチル)に溶解し、約1時間から約24時間の範囲の時間、還流させることによって環化させる。
アミノ酸誘導体(X)は、既知の化合物であり、または、別法として、文献に記載された周知の手順に従って、既知の方法で調製することができる。
別法として、ピペリジン−ジオン誘導体(II)を、下記の合成経路に従って修飾することができる(式中、Qは、上記に定義されたとおりであり、Xは、ハロゲン化物、トリフレート、メシレート、トシレートなどであり、Rは、上記に定義されたとおりである。)。
Figure 0005337717
この点において、適切なピペリジン−ジオン誘導体(II)(式中、R、RおよびRは、上記に記載された意味を有するが、好ましくは水素原子である。)を、塩基[例えば、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LiHMDS)]と反応させる。反応は、(テトラヒドロフランなどの)適切な溶媒中において、−78℃から室温の間に含まれる温度で実施される。
次いで、反応混合物を、適切なRX(式中、Xは、ハロゲン化物、トリフレート、メシレート、トシレートなどの基である。)で処理し、こうして式(II)の別の化合物を得る。こうして得られた化合物は、例えば、Qがtert−ブトキシカルボニル基である場合、酸性条件を用いて、例えば、トリフルオロ酢酸および適切な溶媒(好ましくは、ジクロロメタン)の存在下で、これを処理することによって式(II)の別の化合物に変換することができる。反応は、室温において約1時間から約6時間の範囲の時間、実施することができる。
Figure 0005337717
スキーム3Bにおいて、式(I)の化合物(ここで、Rは、水素と異なる。)は、異なる一般手順によって、例えば、定義されたRを有する式(I)の化合物が得られるように、ピロール窒素原子を式R−Xの求電子試薬(式中、Xは、ハロゲン化物、トリフレート、メシレート、トシレートなどである。)と反応させるピロール窒素原子の誘導体化によって得ることができる。
上記に論じられたように、式(I)の化合物(式中、Rは、定義されたとおりである。)は、式(I)のイソキノリノピロロピリジノン(式中、Rは、水素原子である。)を、(N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの)適切な溶媒中において、(水素化ナトリウムなどの)適切な塩基の存在下で、(好都合なハロゲン化物またはトリフレートなどの)適切な求電子試薬と反応させることによって調製することができる。反応は、約−30℃から約室温の範囲の温度(好ましくは0℃)において、約1時間から24時間の範囲の期間、実施することができる。
別法として、異なる塩基(例えば、炭酸カリウムまたは炭酸セシウム)を、場合によってクラウンエーテル(例えば、18−クラウン−6)の存在下で、(DMFなどの)適切な溶媒中において使用することができる。反応は、約室温から約100℃の範囲の温度において、場合によってマイクロ波空胴中で実施することができる。
同様に、式(I)の化合物の薬学的に許容される塩への変換は、既知の方法に従って、例えば、式(I)の任意の遊離塩基を任意の適切な薬学的に許容される酸と接触させることによって容易に実施される。
上記の全てより、前述の方法(これらの任意の変形を含む)によって式(I)の化合物を調製する場合、望ましくない副反応を起こし得る、出発原料またはこれらの中間体内の、場合による官能基は、通常の技術によって適切に保護される必要があることは当業者には明らかであろう。同様に、これらの後者の遊離の脱保護された化合物への変換は、既知の手順によって実施され得る。
類推によって、塩化され得る式(I)の任意の化合物は、(例えば、先に記載された酸の中から選択される)任意の薬学的に許容される酸の存在下で操作することによって対応する酸付加塩に容易に変換され得る。
容易に理解されるように、上記に記載された方法により調製された式(I)の化合物が、異性体の混合物として得られる場合、通常の技術による、式(I)の単一の異性体へのこれらの分離も本発明の範囲内である。
ラセミ体分割のための通常の技術には、例えば、ジアステレオ異性体塩誘導体の分割結晶化(partitioned crystallization)または分取キラルHPLCが含まれる。
薬理学
式(I)の化合物は、タンパク質キナーゼ阻害剤として活性であり、したがって、例えば、腫瘍細胞の調節されていない増殖を制限するために有用である。治療において、これらは、(先に記載されたものなどの)様々な腫瘍の治療において、ならびに(乾癬、アテローム硬化に伴う血管平滑筋細胞増殖および術後狭窄および再狭窄などの)他の細胞増殖障害の治療において、ならびにアルツハイマー病の治療において使用され得る。推定上のCdc7阻害剤の阻害活性および選択された化合物の有効性は、Dowex樹脂捕集技術の使用に基づくアッセイ法を通して決定される。
上記アッセイは、キナーゼによる放射能標識ホスフェート部分の受容体基質への移動からなる。得られた33P標識生成物は、未反応のトレーサーから分離され、シンチレーションカクテル中に移され、放射された光線は、シンチレーション計数器において測定される。
Cdc7活性の阻害アッセイ
推定上のCdc7阻害剤の阻害活性および選択された化合物の有効性は、Dowex樹脂捕集技術の使用に基づくアッセイ法を通して決定される。
上記アッセイは、キナーゼによる放射能標識ホスフェート部分の受容体基質への移動からなる。得られた33P標識生成物は、未反応のトレーサーから分離され、シンチレーションカクテル中に移され、放射された光線は、シンチレーション計数器において測定される。
Cdc7/Dbf4活性の阻害アッセイは、次のプロトコルに従って実施される。
MCM2基質は、γ33−ATPでトレースされたATPの存在下でCdc7/Dbf4複合体によってトランスリン酸化される。上記反応は、ギ酸の存在下でのDowex樹脂の添加によって停止される。Dowex樹脂粒子は、未反応のγ33−ATPを捕集し、これをウェルの底に引き込むが、33Pリン酸化MCM2基質は溶液中に留まる。上澄み液は、回収され、Optiplateプレート中に移され、基質のリン酸化の程度は、β計数によって評価される。
Cdc7/Dbf4活性の阻害アッセイは、96ウェルプレート中において次のプロトコルに従って実施された。
プレートの各ウェルに、以下を添加した。
−10μlの試験化合物(用量応答曲線を生成するためのnMからuMの範囲の10の増加濃度)。試験化合物用の溶媒は、3%のDMSOを含んだ。(最終濃度1%)
−10μlの基質MCM2(6mM最終濃度)、非放射性ATP(2mM最終濃度)および放射性ATPの混合物(非放射性ATPと1/5000モル比)。
−反応を開始した10μlの酵素(Cdc7/Dbf4、2nM最終濃度)。反応の緩衝液は、15mM MgCl、2mM DTT、3uM NaVO、2mM グリセロホスフェートおよび0.2mg/ml BSAを含む50mM HEPES pH7.9であった。
−室温における60分間のインキュベーション後、150mMギ酸の存在下で各ウェルに150μlのDowex樹脂を添加することによって反応を停止した。さらなる60分のインキュベーション後、50μLの懸濁液を抜き取り、150μlのMicroScint 40(Packard)を収容している96ウェルOPTIPLATE中に移し、5−10分振とうした後、プレートをPackard TOP−Count放射能読み取り装置において1分間読み取った。
IC50決定:阻害剤を、0.0005から10μMの範囲の異なる濃度において試験した。実験データを、4つのパラメーターのロジスティック方程式:
y=底面+(上部−底面)/(1+10^((logIC50−x)*slope))
(式中、xは、阻害剤濃度の対数であり、yは、応答であり、yは、底面において出発し、S字形で上部に至る。)を用いてコンピュータープログラムAssay Explorerによって解析した。
さらに、選択された化合物は、Cdk2に対する、細胞周期に厳密に関連したser/threoキナーゼのパネル(Cdk2/サイクリンE、Cdkl/サイクリンB1、Cdk4/サイクリンD1、Cdk5/p25)に対する、IGF1−R、オーロラ−2、AKT1に対する特異性について特徴付けられた。
Cdk2/サイクリンA活性の阻害アッセイ
キナーゼ反応:100μlの最終容量の緩衝剤(トリスHCl 10mM pH7.5、MgCl 10mM、7.5mM DTT)中の1.5μM ヒストンH1基質、25μM ATP(0.2μCi P33γ−ATP)、30ngのバキュロウイルス同時発現Cdk2/サイクリンA、10μM阻害剤を、96U底ウェルプレートの各ウェルに添加した。37℃における10分のインキュベーション後、反応を、20μl EDTA 120mMによって停止した。
捕集:100μlを各ウェルからMultiScreenプレートに移して基質をホスホセルロースフィルターに結合させた。次いで、プレートを150μl/ウェル
PBS(Ca++/Mg++なし)で3回洗浄し、MultiScreen濾過装置によって濾過した。
検出:フィルターを37℃において乾燥させ、次いで100μl/ウェルのシンチラント(scintillant)を添加し、33P標識ヒストンH1をTop−Count装置において放射能計数によって検出した。
結果:データを解析し、酵素の総活性(=100%)を参照した阻害%として表した。
50%以上の阻害を示す全ての化合物を、効力(IC50)、およびKi計算を通して阻害剤の速度論的プロファイルを調べ決定するためにさらに解析した。
IC50決定:使用されるプロトコルは、上記に記載されたものと同じであり、阻害剤は、0.0045から10μMの範囲の異なる濃度において試験された。実験データは、4つのパラメーターのロジスティック方程式:
y=底面+(上部−底面)/(1+10^((logIC50−x)*slope))
(式中、xは、阻害剤濃度の対数であり、yは、応答であり、yは、底面において出発し、S字形で上部に至る。)を用いてコンピュータープログラムGraphPad Prizmによって解析した。
Ki計算:ATPおよびヒストンH1基質のどちらの濃度も変化させた。ATP(比例的に希釈したP33γ−ATPを含む)について4、8、12、24、48μMおよびヒストンについて0.4、0.8、1.2、2.4、4.8μMが、2つの異なる、適切に選択した阻害剤濃度の不存在下および存在下で使用された。
実験データを、ランダム二反応物系方程式:
Figure 0005337717
(式中、A=ATPでありB=ヒストンH1である。)を使用して、Ki決定用のコンピュータープログラム「SigmaPlot」によって解析した。
本発明の化合物は、単一薬剤として、または、別法として、細胞増殖抑制剤または細胞毒性薬、抗生物質型薬剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、ホルモン剤、免疫剤、インターフェロン型薬剤、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えば、COX−2阻害剤)、マトリクスメタロプロテアーゼ阻害剤、テロメラーゼ阻害薬、チロシンキナーゼ阻害剤、抗増殖因子受容体薬剤、抗HER剤、抗EGFR剤、抗血管新生剤(例えば、血管形成阻害薬)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ras−raf信号変換経路阻害剤、細胞周期阻害剤、その他のcdk阻害剤、チューブリン結合剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤などと組み合わせた放射線療法または化学療法レジメンなどの既知の抗癌治療と組み合わせてのいずれかで投与することができる。
固定用量として製剤化される場合、このような併用製品は、下記に記載された用量範囲内の本発明の化合物および承認された用量範囲内のその他の薬学的活性剤を使用する。
式(I)の化合物は、併用製剤が不適切な場合、既知の抗癌剤と逐次的に使用することができる。
哺乳動物、例えば、ヒトへの投与に適した本発明の式(I)の化合物は、通常の経路によって投与することができ、用量レベルは、患者の年齢、体重、状態および投与経路によって決まる。
例えば、式(I)の化合物の経口投与用に採用される適切な用量は、1回分あたり約10から約500mg、1日あたり1から5回の範囲にわたり得る。本発明の化合物は、様々な剤形で、例えば、経口的に、錠剤、カプセル、糖衣錠またはフィルムコート錠、液体溶液または懸濁液の形態で;坐剤の形態で直腸的に;非経口的に、例えば、筋肉内に、または静脈内および/またはくも膜下および/または髄腔内注射または注入によって投与することができる。
本発明には、式(I)の化合物または薬学的に許容されるこの塩を、(担体または希釈剤であってよい)薬学的に許容される賦形剤と共に含む医薬組成物も含まれる。
本発明の化合物を含む医薬組成物は、一般的に、以下の通常の方法に従って調製され、適切な薬剤形態で投与される。
例えば、固体経口剤は、活性化合物と一緒に、希釈剤、例えば、乳糖、デキストロース、サッカロース、ショ糖、セルロース、コーンスターチまたはジャガイモデンプン;潤滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレングリコール;結合剤、例えば、デンプン、アラビアゴム(arabic gum)、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルピロリドン;崩壊剤、例えば、デンプン、アルギン酸、アルギネートまたはデンプングリコール酸ナトリウム;発泡性混合物(effervescing mixture);染料;甘味料;レシチン、ポリソルベート、ラウリルサルフェートなどの湿潤剤;および、一般的に、製剤に使用される無毒性および薬理学的に不活性な物質を含むことができる。これらの製剤は、既知の方法で、例えば、混合、造粒、錠剤化、糖衣、またはフィルムコーティングプロセスを用いて作製することができる。
経口投与用の分散液は、例えば、シロップ、乳濁液および懸濁液であってよい。
一例として、シロップは、担体として、ショ糖、またはグリセリンおよび/もしくはマンニトールおよびソルビトールを含むショ糖を含むことができる。
懸濁液および乳濁液は、担体の例として、天然ガム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルアルコールを含むことができる。
筋肉内注射用の懸濁液または溶液は、活性化合物と一緒に、薬学的に許容される担体、例えば、滅菌水、オリーブ油、オレイン酸エチル、グリコール(例えば、プロピレングリコール)および、必要に応じて、適切な量の塩酸リドカインを含むことができる。
静脈注射または注入用の溶液は、担体として、滅菌水を含むことができ、または好ましくは、これらは、無菌の、水性、等張の、食塩水の形態であってよく、またはこれらは、担体としてプロピレングリコールを含むことができる。
坐剤は、活性化合物と一緒に、薬学的に許容される担体、例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤またはレシチンを含むことができる。
本発明をより十分に例証する目的で、これに何ら制限を課すことなく、以下の実施例をここに示す。
一般的方法
フラッシュクロマトグラフィーを、シリカゲル(Merck grade 9395、60A)上で実施した。HPLCを、Waters X Terra RP 18(4.6×50mm、3.5μm)カラム上で、996 Waters PDA検出装置を備えたWaters 2790 HPLCシステム、およびエレクトロスプレー(ESI)イオン源を備えたMicromass mod.ZQ単一四重極質量分析計を使用して実施した。移動相Aは、酢酸アンモニウムの5mM緩衝液(酢酸/アセトニトリル 95:5でpH5.5)であり、移動相Bは、HO/アセトニトリル(5:95)であった。8分間で10から90%Bの勾配は、90%Bを2分保持する。220nmおよび254nmにおけるUV検出。流速1ml/分。注入容積10μl。完全走査、100から800amuの質量範囲。キャピラリー電圧は2.5KVであり、源温度は120℃であり、コーンは10Vであった。保持時間(HPLC r.t.)は、220nmまたは254nmにおいて分で表される。質量はm/z比として示される。
必要な場合、化合物を、996 Waters PDA検出装置を備えたWaters分取HPLC600、およびMicromass mod.ZMD単一四重極質量分析計、エレクトロンスプレーイオン化、陽性モードを使用し、Waters Symmetry C18(19×50mm、5um)カラム上の分取HPLCによって精製した。移動相Aは、水0.01%TFAであり、移動相Bは、アセトニトリルであった。8分で10から90%Bの勾配は、90%Bを2分保持する。流速20ml/分。
1H−NMR分光法を、5mm二重共鳴プローブ[1H(15N−31P)ID_PFG Varian]を備えた、400.45MHzにおいて操作するMercury VX 400で実施した。
不斉炭素原子を有しラセミ混合物として得られる式(I)の化合物は、キラルカラム上のHPLC分離によって分割した。特に、例えば、分取カラムCHIRALPACK(登録商標)ADを使用することができる。
2,4−ジオキソ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Boc−β−アラニン(25g、132mmol)、メルドラム酸(20.9g、145mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、24.2g、198mmol)を、0℃において窒素雰囲気下で700mLの無水ジクロロメタン(DCM)に溶解した。この溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI、30.4g、158mmol)を添加した。得られた溶液を室温に到達させ一晩撹拌した。この反応混合物を5%KHSO水溶液で洗浄(0.5L×4)した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、濾過し真空下で蒸発して、粗製[3−(2,2−ジメチル−4,6−ジオキソ−[1,3]ジオキサン−5−イル)−3−オキソ−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルが得られ、これを600mLの酢酸エチルに溶解し、4時間環流した。溶媒を真空下で150mLに減少させ、得られた溶液を4℃において一晩結晶化させた。固体を濾過し、冷酢酸エチルで洗浄して、18.4g(65%収率)の表題化合物を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 1.44(s,9H)2.44(m,2H)3.71(m,2H)4.95(s,1H)11.2(bs,1H)。
こうして得られた化合物は、これをジクロロメタンに溶解し、室温において3時間トリフルオロ酢酸で処理することによって定量的な収率でピペリジン−2,4−ジオンに変換することができる。
ピペリジン−2,4−ジオン
ジクロロメタン(90mL)およびトリエチルアミン(TEA、13.8mL、99mmol)中のβ−アラニンエチルエステル塩酸塩(13.8g、90mmol)の溶液を、室温において1時間撹拌した。さらにTEA(13.8mL、99mmol)を添加し、溶液を撹拌下で0℃に冷却し、エチルマロニルクロリド(12.6mL、99mmol)を滴下した。0℃において1時間後、この反応混合物を室温において1時間撹拌した。KCO(90mL)の15%水溶液を添加し、層を分離した。有機層を10%HCl(90mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し減圧下で濃縮した。この粗製材料をフラッシュシリカゲル(450g、溶離液:酢酸エチル/n−ヘキサン 2:1)上でクロマトグラフィー精製して、黄色の油としてN−(2−エトキシカルボニル−エチル)−マロンアミド酸エチルエステル(15g、64.9mmol、72%収率)を得た。ナトリウム金属(610mg、26.6mmol)を、室温において撹拌および不活性雰囲気下で無水MeOH(25mL)に溶解した。完全な溶解後、この混合物を、10分より長く撹拌し、次いで、無水トルエン(150mL)中のN−(2−エトキシカルボニル−エチル)−マロンアミド酸エチルエステル(6.15g、26.6mmol)を滴下した。添加後、この反応混合物を、90℃において6時間撹拌し、室温に冷却し、水(30mL)を添加し、層を分離した。有機相を水(2×10mL)で洗浄し、合わせた水相を37%HClで酸性化し、DCM/MeOH(5:1)の混合物で完全に抽出した。NaSO上の乾燥および濃縮後、桃色固体としての3−メトキシカルボニルピペリジン−2,4−ジオンが得られた(4g、88%収率)。3−メトキシカルボニルピペリジン−2,4−ジオン(4g、23.4mmol)を、1%の水を含むアセトニトリル(250mL)に溶解し、4時間環流した。この反応混合物を濃縮して黄色固体として表題化合物(2.4g、90%収率)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 2.43−2.49(m,2H)3.24(s,2H)3.28−3.45(m,2H)8.07(s,1H)。
DL−6−ベンジルピペリジン−2,4−ジオン
ベータ−ホモフェニルアラニン(9.1g、50.9mmol)、ジ−tert−ブチルジカルボネート(12.2g、56mmol)、ジオキサン(180mL)、水(18mL)およびTEA(8.5mL)の混合物を、室温において一晩撹拌した。濃縮およびトルエンでの複数回のストリッピングの後、3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−4−フェニルブタン酸が、油として得られ、次ステップに直接使用した。これを無水ジクロロメタン(370mL)に溶解し、メルドラム酸(8.1g、56.1mmol)およびDMAP(9.7g、79mmol)をこれに添加し、この混合物を−5℃に冷却し、ジシクロヘキシルカルボジイミド(12.6g、61mmol)を添加した。添加後、この反応混合物を一晩冷蔵庫中に保った。沈殿を濾別し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液を酢酸エチルで希釈し、10%水性KHSO、水、食塩水で順に洗浄し、次いで、濃縮して、粗製tert−ブチル1−ベンジル−3−(2,2−ジメチル−4,6−ジオキサ−1,3−ジオキサン−5−イル)−3−オキソプロピルカルバメートが得られ、これを酢酸エチル(250mL)に溶解し、2時間環流した。濃縮およびジイソプロピルエーテルでの処理後、結晶化した化合物を濾過し、同じ溶媒で洗浄して、白色粉末として75%全収率でtert−ブチル2−ベンジル−4,6−ジオキソピペリジン−1−カルボキシレートを得た。表題化合物が、室温における酸性処理(ジオキサン中の4M HCl)後に定量的収率で得られた。
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 2.32(dd,J=15.73,8.17Hz,1H)2.42(dd,J=16.34,4.76Hz,1H)2.66−2.74(m,1H)2.87−3.02(m,2H)3.25−3.40(m,1H)3.84−3.93(m,1H)7.20−7.36(m,5H)8.14(s,1H)。
[M+H]=204
実施例3と同様に操作することによって、実施例4における次の化合物も得られた。
5,5−ジメチルピペリジン−2,4−ジオン
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 1.0(s,6H)3.15(s,2H)3.25(s,2H)8.0(s,1H)。
[M+H]=142
4−(イソキノリン−5−イルアミノ)−5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン
イソキノリン−5−イルアミン(4g、27.9mmol)およびピペリジン−2,4−ジオン(4.1g、36.2mmol)を、無水エタノール(200mL)中でDean−Stark装置を用いて3−4時間、加熱還流した。溶媒を真空下で濃縮し、(表題化合物に一致する)得られた固体泡沫を真空下で乾燥し、さらに精製することなく次ステップにおいて使用した(4.45g、収率67%)。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ ppm 2.76(t,J=7.95,2H)3.48(t,J=8.01,2H)4.58(s,1H)7.73(m,2H)7.89(d,J=7.89,1H)8.03(m,1H)8.48(d,J=8.04,1H)9.28(s,1H)。
[M+H]=240
6−ベンジルピペリジン−2,4−ジオンから出発して、実施例5と同様に操作することによって、実施例6における次の化合物も得られた。
DL−6−ベンジル−4−(イソキノリン−5−イルアミノ)−5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 2.50−2.53(m,2H)2.78(dd,J=13.05,8.90Hz,1H)3.00(dd,J=13.29,4.88Hz,1H)3.73−3.82(m,1H)4.42(s,1H)6.60(s,1H)7.24−7.39(m,5H)7.62−7.65(m,1H)7.70(t,J=7.71,1H)7.79−7.82(m,1H)7.99(d,J=8.05Hz,1H)8.51−8.55(m,2H)9.36(d,J=0.85Hz,1H)。
[M+H]=330
シクロヘキサン−1,3−ジオンから出発して、実施例5と同様に操作することによって、実施例7における次の化合物も得られた。
3−(イソキノリン−5−イルアミノ)−シクロヘクス−2−エノン
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 1.92−2.01(m,2H)2.18(t,J=6.46Hz,2H)2.69(t,J=6.16Hz,2H)4.71(s,1H)7.68(d,J=6.83Hz,1H)7.74(t,J=7.65Hz,1H)7.79(d,J=5.85Hz,1H)8.08(d,J=8.05Hz,1H)8.56(d,J=5.97Hz,1H)9.05(s,1H)9.40(s,1H)。
[M+H]=239
DL−9−ベンジル−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン
DL−6−ベンジル−4−(イソキノリン−5−イルアミノ)−5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン(100mg、0.3mmol)を、DMF(2mL)に溶解し、二酢酸パラジウム(10mg、0.044mmol)および二酢酸銅(55mg、0.3mmol)を添加した。この混合物を、120℃において120分間加熱した。溶媒を真空下で除去し、残渣を水および30%水性アンモニアで処理した。得られた懸濁液を濾別し、この固体を水およびジエチルエーテルで洗浄した。溶離液としてジクロロメタン/メタノール 95/05を用いるフラッシュクロマトグラフィーによる精製によって、固体生成物が得られ、これをメタノールに溶解し、メタノール中の1.25M HClで処理してpH1にした。溶媒を真空下で除去し、残渣をジエチルエーテルで処理した。得られた固体を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥して塩酸塩として14mg(13%)の表題化合物を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 2.88(dd,J=13.23,8.72Hz,1H)3.00(dd,J=16.70,8.53Hz,1H)3.06−3.13(m,1H)3.07(d,J=5.37Hz,1H)4.05−4.15(m,1H)7.23−7.40(m,5H)7.48(s,1H)8.13(d,J=8.78Hz,1H)8.49(d,J=8.66Hz,1H)8.69(d,J=6.46Hz,1H)8.73(d,J=6.47Hz,1H)9.78(s,1H)13.50(s,1H)。
[M+H]=328
3−(イソキノリン−5−イルアミノ)−シクロヘクス−2−エノンから出発して、実施例8と同様に操作して、実施例9における次の化合物も得られた。
8,9,10,11−テトラヒドロ−ピリド[4,3−a]カルバゾール−7−オン
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 2.20−2.29(m,2H)2.59(t,J=6.95Hz,2H)3.20(t,J=6.22Hz,2H)8.16(d,J=8.78Hz,1H)8.54(d,J=8.66Hz,1H)8.75(s,2H)9.78(s,1H)13.62(s,1H)。
[M+H]=237
N−ベンズヒドリデン−N’−イソキノリン−5−イル−ヒドラジン
無水トルエン(1mL)中の5−ブロモイソキノリン(200mg、0.96mmol)、ベンズヒドリデン−ヒドラジン(189mg、0.96mmol)、二酢酸パラジウム(2.2mg、0.0096mmol)および2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP、6mg、0.0096mmol)の懸濁液に、ナトリウムtert−ブトキシド(130mg、1.34mmol)を添加し、この混合物を85℃において4時間加熱した。室温に冷却した混合物を、セライト上で濾過し、このパッドをジエチルエーテルで洗浄した。溶媒を真空下で蒸発し、残渣を、溶離液としてヘキサン/酢酸エチル 7/3を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、268mgの表題化合物(86%収率)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 7.35(d,J=6.10Hz,1H)7.38−7.45(m,3H)7.48−7.52(m,2H)7.57−7.74(m,7H)7.88(dd,J=7.44,1.10Hz,1H)8.39(d,J=5.97Hz,1H)8.76(s,1H)9.24(s,1H)。
[M+H]=324
10,10−ジメチル−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン
酢酸(2mL)および水(8滴)に溶解した、N−ベンズヒドリデン−N’−イソキノリン−5−イル−ヒドラジン(154mg、0.48mmol)および5,5−ジメチルピペリジン−2,4−ジオン(98mg、0.69mmol)の混合物を、40分間、150℃において電子レンジにかけた。この混合物を濃NaOHで処理してpH9にして、酢酸エチルで3回抽出した。溶離液としてジクロロメタン/メタノール/酢酸/水 30/2/0.5/0.2→30/4/1/0.5を用いる、濃縮した残渣のフラッシュクロマトグラフィーによる精製によって固体生成物が得られ、これをメタノールに溶解し、メタノール中の1.25M HClで処理してpH1にした。溶媒を真空下で除去し、残渣をジエチルエーテルで処理した。得られた固体を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥して、塩酸塩として72mgの表題化合物(28%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 1.49(s,6H)3.30−3.39(m,2H)7.52(s,1H)8.11(d,J=8.66Hz,1H)8.51(d,J=8.66Hz,1H)8.76(d,J=6.58Hz,1H)8.99(d,J=5.78Hz,1H)9.76(s,1H)13.25(s,1H)。
[M+H]=266
5,5−ジメチル−シクロヘキサン−1,3−ジオンから出発して、実施例11と同様に操作することによって、実施例12における次の化合物も得られた。
9,9−ジメチル−8,9,10,11−テトラヒドロ−ピリド[4,3−a]カルバゾール−7−オン
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 1.17(s,6H)2.51(s,2H)3.12(s,2H)8.19(d,J=8.68Hz,1H)8.54(d,J=8.68Hz,1H)8.78(d,J=6.70Hz,1H)8.88(d,J=6.70Hz,1H)9.82(s,1H)13.87(s,1H)。
[M+H]=265
11−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−[a]フルオレン−7−オン
4.45g(18,6mmol)の4−(イソキノリン−5−イルアミノ)−5,6−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オンをDMF(10mL)に溶解し、二酢酸パラジウム(445mg、1.98mmol)および二酢酸銅(3.39g、18.7mmol)を添加した。この混合物を120℃において90分間加熱し、次いで、さらに二酢酸パラジウム(220mg)および二酢酸銅(1.7g)を添加し、加熱をさらに30分続けた。溶媒を真空下で除去し、残渣を水および30%水性アンモニアで処理した。得られた懸濁液を濾別し、この固体を水およびジエチルエーテルで洗浄した。溶離液としてジクロロメタン/メタノール/酢酸/水 80/20/7/3を用いるフラッシュクロマトグラフィーによる精製によって固体生成物が得られ、これをメタノールに溶解し、メタノール中の1.25M HClで処理してpH1にした。溶媒を真空下で除去し、残渣をジエチルエーテルで処理した。得られた固体を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥して760mg(15%)の8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン塩酸塩が得られた。
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 3.19(t,J=6.85Hz,2H)3.54−3.59(m,2H)7.43(s,1H)8.10(d,J=8.68Hz,1H)8.47(d,J=8.83Hz,1H)8.71(d,J=6.55Hz,1H)8.79(d,J=6.55Hz,1H)9.76(s,1H)13.69(s,1H)。
無水DMF(20ml)中の8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン(213mg、0.9mmol)、トリフルオロ−メタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロ−エチルエステル(317mg、1.35mmol)、炭酸カリウム(253mg、1.8mmol)および18−クラウン−6エーテル(481mg、1.8mmol)の混合物を、65℃において3時間、加熱下で撹拌した。さらにトリフルオロ−メタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロ−エチルエステル(200mg、0.86mmol)、炭酸カリウム(253mg、1.8mmol)および18−クラウン−6(240mg、0.9mmol)を添加し、加熱を3時間続けた。冷却後、溶媒を真空下で蒸発し、粗生成物を溶離液としてDCM/MeOH 95:5を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、固体生成物が得られた。次いで、固体生成物をメタノールに溶解し、メタノール中の1.25M HClで処理してpH1にした。溶媒を真空下で除去し、残渣をジエチルエーテルで処理した。得られた固体を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥して、塩酸塩として127mgの表題化合物が得られた(39%収率)。
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 3.26(t,J=6.83Hz,2H)3.57−3.64(m,2H)5.91(q,J=8.86Hz,2H)7.68(s,1H)8.24(d,J=8.78Hz,1H)8.66(d,J=8.66Hz,1H)8.72(d,J=6.83Hz,1H)8.89(d,J=6.95Hz,1H)9.81(s,1H)。
[M+H]=320
8,9,10,11−テトラヒドロ−ピリド[4,3−a]カルバゾール−7−オンから出発して、実施例13と同様に操作することによって、実施例14における次の化合物も得られた。
11−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−8,9,10,11−テトラヒドロ−ピリド[4,3−a]カルバゾール−7−オン
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 2.18−2.28(m,2H)2.60(t,J=6.45Hz,2H)3.21(t,J=6.04Hz,2H)5.88(q,J=8.66Hz,2H)8.20(d,J=8.66Hz,1H)8.64(d,J=8.66Hz,1H)8.69(d,J=6.71Hz,1H)8.75(d,J=6.95Hz,1H)9.69(s,1H)。
[M+H]=319
上記に記載された方法に基づいて、次の化合物も合成された。
10−(3,3,3−トリフルオロ−プロピル)−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン;
10−(2−フルオロ−エチル)−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン;
10−シクロブチル−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン;
10−エチル−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン;
9−シクロプロピル−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン;および
9−シクロプロピル−11−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン。
本発明の原理の上記説明を考慮して、多くの変更および変形が考案され得ることを理解されたい。全てのこのような変更および変形は、これが次の特許請求の範囲において定義されているように、本発明の精神および範囲に含まれるものと考えられることが意図されている。

Claims (7)

  1. 式(I)によって表される化合物
    Figure 0005337717
    [式中、
    は、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)ポリフッ素化アルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキル、ヘテロシクリル−(C−C)アルキル、アリール−(C−C)アルキル、ヘテロアリール−(C−C)アルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)アルコキシ−(C−C)アルキル、アリールオキシ−(C−C)アルキル、ヘテロアリールオキシ−(C−C)アルキル、(C−C)アミノアルキル、(C−C)アルキルアミノ−(C−C)アルキル、(C−C)ジアルキルアミノ−(C−C)アルキル、カルバモイル−(C−C)アルキル、およびアルコキシカルボニルからなる群から選択され、
    ここで、前記アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリールオキシ、またはヘテロアリールオキシ部分のそれぞれは、置換されていないかまたは1つ以上の置換基で置換されていてよく、それぞれの置換基は、アルキル、アリール、−OCF、−OC(O)アルキル、−OC(O)アリール、−CF、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、アルキルヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、および−N(アルキル)からなる群から独立に選択され,
    、R、RおよびRは、水素原子、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、シクロアルキル−アルキル、ヘテロシクリル−(C−C)アルキル、アリール−(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)ポリフッ素化アルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)アルコキシ−(C−C)アルキル、アリールオキシ(C−C)アルキル、ヘテロアリールオキシ(C−C)アルキル、(C−C)アミノアルキル、(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル、および(C−C)ジアルキルアミノ−(C−C)アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
    またはR、R、RおよびRは、一緒になって、(C−C)シクロアルキル基を形成し、
    Xは、NHもしくはCHであり、
    但し、
    Xが、NHであり、ならびにRが、水素原子である場合、R、R、RおよびRの少なくとも1つは、水素原子ではなく、ならびに
    7H−ピリド[4,3−a]カルバゾール−7−オン、8,9,10,11−テトラヒドロ−11−(フェニルメチル)は除外される。]
    または該化合物の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  2. およびRが、水素原子である、請求項1に記載の化合物。
  3. およびRが、水素原子である、請求項1に記載の化合物。
  4. 、R、RおよびRが、水素原子である、請求項1に記載の化合物。
  5. 、R、RおよびRが、水素原子である、請求項1に記載の化合物。
  6. Xが、NHであり、ならびにR、R、RおよびRが、水素原子である、請求項1に記載の化合物。
  7. DL−9−ベンジル−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン;
    8,9,10,11−テトラヒドロ−ピリド[4,3−a]カルバゾール−7−オン;
    10,10−ジメチル−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン;
    9,9−ジメチル−8,9,10,11−テトラヒドロ−ピリド[4,3−a]カルバゾール−7−オン;
    11−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン;
    11−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−8,9,10,11−テトラヒドロ−ピリド[4,3−a]カルバゾール−7−オン;
    10−(3,3,3−トリフルオロ−プロピル)−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン;
    10−(2−フルオロ−エチル)−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン;
    10−シクロブチル−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン;
    10−エチル−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン;
    9−シクロプロピル−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン;および
    9−シクロプロピル−11−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−8,9,10,11−テトラヒドロ−3,8,11−トリアザ−ベンゾ[a]フルオレン−7−オン
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
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