JP2011508891A - 角度センサのための方法および装置 - Google Patents

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Abstract

センサが、磁石に対するセンサ素子の不整合の影響を最小化する。一実施形態において、センサは、磁石と、磁石に対して位置付けられた第1、第2、および第3のセンサ素子と、第1、第2、および第3のセンサ素子からの出力信号を処理して第1および第2の信号を生成し、第1および第2の信号の直角位相関係を最大化することにより、磁石に対する第1、第2、および第3のセンサ素子の位置的不整合の影響を最小化するための信号処理モジュールと、を備える。

Description

当技術分野で知られているように、角度位置を決定するための様々な回転センサが存在する。センサの1タイプにおいて、角度位置が決定可能な正弦および余弦信号を生成するために、ホール効果モジュールが使用される。そのようなセンサは、ホールセルから生成される正弦および余弦信号を処理するために、デジタル処理を使用する。アナログからデジタルへの信号変換および他の要因のために、そのようなデジタル処理は、角度位置決定の速度および正確さに制限を課す。
例えば、オーストリア・マイクロシステムズからの部品番号AS5043は、参照テーブルを用いて複素数学の反復計算を実施する、座標回転デジタルコンピュータ(CORDIC)を使用して、ホールアレイからの情報をデジタルで処理する、角度位置センサである。他のセンサは、位置情報を計算するために、様々な処理アルゴリズムを実施するための、類似のデジタル処理を使用する。
当技術分野で知られているように、角度位置を決定するために使用される正弦曲線間の直角位相関係は、誤差を最小にするために重要である。直角位相関係はまた、Aが振幅である三角恒等式Asinθ+Acosθ=Aを使用して、正弦波信号の振幅を見出すために必要とされる。必要な正弦および余弦信号を生成するための知られている方法の1つは、2つの機械的にオフセットされた磁気センサの上で双極の円盤磁石を回転させることである。しかし、磁石とセンサの間の意図的なまたは意図的でない機械的不整合が、入力正弦曲線に、正弦と余弦の理想的な直角位相ではなく、任意の位相関係を持たせる可能性がある。
本発明は、アナログ信号処理を使用して、磁気センサで生成された、位相がずれた波形から線形出力を生成する回転センサを提供する。一実施形態において、センサは、単一基板上にもたらされる。この配置を用いて、効率的でコスト効果の高いセンサが、提供される。本発明は、特定の回路および信号処理の実施を有するような例示的実施形態において、示され説明されるが、本発明が、本発明の範囲内にある様々なアナログ処理の技術、実施およびアルゴリズムに適用できることが、理解されよう。
本発明の一態様において、センサは、位置情報に対応する第1および第2の波形を生成するための位置情報をもたらすための磁気センサを含む信号生成モジュールを含む。第1の波形を反転して第1の反転された波形をもたらすため、および第2の波形を反転して第2の反転された波形をもたらすために、任意選択の信号反転モジュールが、信号生成モジュールと結合されうる。アナログ信号処理モジュールが、信号反転モジュールからの、第1の波形、第2の波形、第1の反転波形、および第2の反転波形のサブセットの代数操作をもたらして、線形の位置出力電圧信号を生成するために、任意選択の信号反転モジュールと結合されうる。
センサの実施形態は、様々な特徴を含むことができる。例えば、信号反転モジュールは、第1の領域において第1および第2の波形を出力することができ、第2の領域において第1および第2の反転された波形を出力することができ、第2の領域は、出力が、第1および第2の波形の反転がなく、非線形である位置範囲に対応する。領域表示ビットは、第1または第2の領域における位置範囲を表示することができる。第1の領域は、約180°に及ぶことができる。第1の領域は、−sin(θ)>cos(θ)に相当することができ、ここで、−sin(θ)はオフセット電圧周りの正弦波の反転に言及し、sin(θ)およびcos(θ)は正弦曲線に関する振幅およびオフセットを包含し、θは磁気センサにおける回転磁石の角度を表示する。第1の領域は、約315度から約135度までのθに対する範囲に対応することができる。第1の領域の出力は、
Figure 2011508891
によって定義可能であり、ここで、θは磁気センサの中で回転する磁石の角度を表示し、offsetは接地に対する第1および第2の波形の垂直オフセットであり、Aは第1および第2の波形の振幅であり、kは出力の利得および垂直オフセットに影響する実数である。信号処理モジュールは、アナログ乗算器を含むことができる。センサは、単一基板の上にもたらされうる。センサは、最大角度誤差を縮小させるために、波形周波数を増大させるための複数の磁極対を有する磁石を、含むことができる。
本発明の他の態様において、センサは、角度位置情報を生成するための磁気的位置感知素子と、角度位置情報に対応する第1の波形を生成するための第1の信号発生器と、角度位置情報に対応する第2の波形を生成するための第2の信号発生器とを含み、第1および第2の波形は、所定の量だけオフセットされる。センサは、第1の反転された波形をもたらすために第1の波形を反転するための第1の反転器と、第2の反転された波形をもたらすために第2の波形を反転するための第2の反転器とをさらに含むことができ、第1および第2の波形がオフセット電圧周りに反転され、アナログ信号処理モジュールが、第1の波形、第2の波形、第1の反転された波形、および第2の反転された波形からの線形出力信号を生成する。
センサは、様々な特徴のうちの1つまたは複数の特徴を含むことができる。第1および第2の波形は、第1の領域において信号処理モジュールにより使用可能であり、第1の反転された波形および第2の反転された波形が、線形出力信号を生成するために、第2の領域において使用される。第1の領域は、位置感知素子に対して、約180度の角度位置に対応することができる。領域表示器は、動作の第1および第2の領域を表示することができる。
本発明の他の態様において、センサは、位置センサの角度位置に対応する出力信号を生成するために、位置センサを含む信号発生器手段と、信号発生器手段と結合された信号反転手段と、信号反転手段と結合されたアナログ信号処理手段とを含む。一実施形態において、センサは、単一基板上にもたらされる。
本発明の他の態様において、方法は、位置感知素子からの情報に対応する線形出力信号を生成するために、磁気的位置感知素子を含む信号発生器モジュールをもたらすステップと、信号反転モジュールを信号発生器モジュールと結合するステップと、アナログ信号処理モジュールを信号反転モジュールと結合するステップとを含む。
方法は、単一基板上に信号発生器モジュール、信号反転モジュール、および信号処理モジュールをもたらすステップと、位置感知素子からの情報に対応する第1および第2の波形を生成するステップと、線形出力信号を生成するために第1および第2の波形を反転するステップとのうちの1つまたは複数のステップを含むことができる。
本発明の他の態様において、センサは、磁石と、磁石に装着される部材の回転を検出するために、磁石に対して位置付けられた第1、第2および第3のセンサ素子と、第1、第2および第3のセンサ素子からの出力信号を処理して、第1のセンサ素子から第1の信号を、第2および第3のセンサ素子から第2の信号を生成し、第1および第2の信号の直角位相関係を最大化することにより、磁石に対して第1、第2、および第3のセンサ素子の位置的不整合の影響を最小化するための、アナログ信号処理モジュールとを備える。
センサは、以下の特徴、すなわち、センサ素子がホール素子を含む、センサが第4のセンサ素子を含み第2の信号が差動である、第1のセンサ素子が第1の出力信号Tを生成するTOPである、第2のセンサ素子が第2の出力信号Rを生成するRIGHTである、および、第3のセンサ素子が出力信号Lを生成するLEFTである、のうちの1つまたは複数の特徴をさらに含むことができ、そこにおいて、第1の信号はVsin(θ)=Vhall(T)であり、第2の信号はVcos(θ)=Vhall(L)+Vhall(R)であり、部材は貫通軸である。
本発明の他の態様において、方法は、磁石に装着される部材の回転を検出するために、磁石に対して位置付けられた第1、第2、および第3のセンサ素子をもたらすステップと、第1、第2、および第3のセンサ素子からの出力信号を処理して、第1のセンサ素子から第1の信号を、第2および第3のセンサ素子から第2の信号を生成するステップであって、第1および第2の信号の直角位相関係を最大化することにより、磁石に対する第1、第2、および第3のセンサ素子の位置的不整合の影響を最小化するためのステップと、を含む。
本発明の上述の特徴、ならびに本発明自体は、以下の図面の説明から、より完全に理解されよう。
図1は、本発明による例示的アナログ角度センサのブロック図である。 図1Aは、本発明によるセンサの一部を形成することができるホール素子を示す図である。 モデル化された正弦および余弦信号、正弦および余弦信号の平均、および式1の関係に基づく出力信号を示すグラフである。 反転された領域の、モデル化された正弦、余弦、平均および出力信号を示すグラフである。 線形および非線形出力領域に対する領域表示信号を示すグラフである。 本発明によるアナログ角度センサの例示的な回路実施を示す図である。 図5の回路の信号生成部を示す回路図である。 図5の回路の信号反転部を示す回路図である。 図5の回路の信号処理部を示す回路図である。 図9は、本発明による例示的センサパッケージを示す図である。図9Aは、第1および第2のダイを有するセンサのブロック図である。 本発明の例示的実施形態による角度センサで生成された信号を示すグラフである。 図11は、リング磁石およびセンサ、ならびに正弦および余弦信号を示す図およびグラフである。 図11Aは、正弦および余弦信号を生成可能な、ドーナツ形の多極磁石を示す図である。 図11の配置により生成された信号を示すグラフである。 リング磁石およびセンサ、ならびに正弦および余弦信号を示す図およびグラフである。 リング磁石およびセンサ、ならびに正弦および余弦信号を示す、他の図およびグラフである。 正弦波信号の1周期にわたって生成されたランプを含む信号を示すグラフである。 第1の領域のデコーダビットを示すグラフである。 第2の領域のデコーダビットを示すグラフである。 例示的実施を示す回路図である。 図18の回路のシミュレーションを示すグラフである。 相補波形平均を示すグラフである。 波形平均の例示的実施の回路図である。 2つのオフセットされたホール素子および生成された信号を示す図およびグラフである。 第1の信号処理ステップを示すグラフである。 第2の信号処理ステップを示すグラフである。 第3の信号処理ステップを示すグラフである。 入力利得因子、入力角、および出力角を示すグラフである。 例示的実施を示す回路図である。 図27の回路の他の例示的実施を示す回路図である。 第1の信号処理ステップを示すグラフである。 第2の信号処理ステップを示すグラフである。 第3の信号処理ステップを示すグラフである。 第4の信号処理ステップを示すグラフである。 第5の信号処理ステップを示すグラフである。 第6の信号処理ステップを示すグラフである。 例示的実施の回路図である。 図35の回路に対するシミュレーションされた出力を示すグラフである。 AGCおよび/またはAOAタイミング回路を示す概略図である。 図37の回路における信号を示すグラフである。 本発明の例示的実施形態による位置センサを示す概略図である。 センサ素子出力信号を示すグラフである。 出力信号からの異なる信号を示すグラフである。 センサ素子と磁石の間の不整合を有するセンサ素子出力信号を示すグラフである。 出力信号からの異なる信号を示すグラフである。 センサ素子と磁石の間の不整合を有するセンサ素子出力信号を示すグラフである。 出力信号からの異なる信号を示すグラフである。 本発明の例示的実施形態による、異なる信号を使用するセンサをもたらすステップの、例示的シーケンスを示す流れ図である。 本発明の例示的実施形態による、直角位相関係を有する正弦曲線を生成するために、整合するように利得が与えられ、組み合わされる振幅を有する正弦曲線を示すグラフである。 様々な、整合する入力振幅に対する出力位相を示すグラフである。 例示的処理動作を示す回路である。 例示的処理動作を示す回路である。 本発明の例示的実施形態による、フィードバックを有する利得制御回路を示す概略図である。 本発明の例示的実施形態によるセンサのブロック図である。 リング磁石およびセンサ素子を有する貫通軸を示す図である。 センサ素子信号を示すグラフである。 処理されたセンサ素子信号を示すグラフである。 補間および線形化処理を示すブロック図である。 出力誤差を示すグラフである。 線形化後の出力誤差を示すグラフである。 センサ素子情報を処理するためのステップの例示的シーケンスを示す流れ図である。
図1は、波形の反転されたバージョンを生成する、任意選択の信号反転モジュール104にもたらされる磁気センサからの波形を生成するための信号生成モジュール102を有する、アナログ位置センサ100を示す。信号処理モジュール106は、波形のアナログ代数操作を実施する。信号操作モジュール106は、角度位置に比例する線形出力電圧を生成する。一実施形態において、センサは、単一シリコン基板上にもたらされる。
図1Aは、正弦波を生成するための第1の磁気センサ154と、余弦波を生成するための、第1のセンサから90度に配置された第2の磁気センサ156とを伴う永久磁石152を有する例示的ホール効果デバイス150として示される磁気センサを示す。回転磁石152の角度位置θは、線形センサ出力をもたらすために、正弦および余弦信号から求められうる。例示的一実施形態において、センサ回路は、360°の感知範囲を有し、単一電源で動作する。
一実施形態において、センサ出力は、下の式1
Figure 2011508891
で説明される関係から生成され、ここで、outputはセンサ出力であり、Aは生成された正弦および余弦信号の振幅であり、offsetは接地に対する正弦波信号の垂直なオフセットであり、kは任意の実数であり、kは最終のセンサ出力の利得および垂直オフセットに影響を与える。一般に、kの値は、出力の数学的値が所望の動作範囲内に入るように設定されるべきである。
図2は、モデル化された入力正弦波信号および式1の出力を示す。正弦波200および余弦波202が、正弦および余弦信号の平均信号204と共に示される。出力信号206(sin/(sin/2+cos/2)もまた、示される。sin/(sin/2+cos/2)が式1で記載されるような正弦曲線に関する振幅およびオフセットを包含することに留意されたい。図示の通り、式1は、下の式2および式3
Figure 2011508891
における関係が維持されるならば、約315°〜135°の第1の領域における高度な直線性を有する出力信号206を生じる。135°〜315°の第2の領域において、入力正弦曲線は、第1の領域に比較して、オフセット電圧周りに反転される。示されたモデルは、A=2ボルト、offset=2.5ボルト、およびk=2であると仮定する。
これらの観察を使用して、式1に対するモデルは、出力信号が両領域において同程度の直線性を有し、2つの領域にわたって周期的であるように修正されうる。特定の一実施形態において、この修正は、図3に示すように、それらの波形が135°〜315°の範囲(第2の領域)内に入る場合は、それらの波形を反転することにより実施される。図示の通り、正弦波形200’、余弦波形202’、および平均信号204’が、135°〜315°の範囲内で反転され、その範囲は−sin(θ)>cos(θ)に対応し、ここで、−sin(θ)はオフセット電圧周りの正弦波の反転に言及し、sin(θ)およびcos(θ)は式1で記載されるような正弦曲線に関連する振幅およびオフセットを包含する。例示的パラメータは、A=2ボルト、offset=2.5ボルト、およびk=2である。
図4に示すように、反転または135°〜315°の第2の領域は、領域表示器250を使用して識別可能であり、領域表示器250は、−sin(θ)>cos(θ)であるか否かを示すビットとして提供可能であり、ここで、−sin(θ)は、オフセット電圧周りの正弦波の反転に言及し、sin(θ)およびcos(θ)は正弦曲線に関連する振幅およびオフセットを包含する。上記の通り、式1の修正されたモデルが、180°の範囲にわたって周期的である出力を生じる。360°の感知範囲をもたらすために、第1および第2の領域は、下式
−sin(θ)>cos(θ)の場合、出力領域=0°〜180°(θが315°〜135°に及ぶ第1の領域)
それ以外の場合、出力領域=180°〜360°(θが135°〜315°に及ぶ第2の領域)
を使用して定義されうる。代替として、領域表示器250は、直線のランプを生成するために、180°〜360°すなわち第2の領域のセンサ出力を垂直にシフトアップするために、使用されうる。垂直シフトの大きさは、変数kによって決まる。
図5は、本発明によるアナログ位置センサ200に対する例示的な回路の実施を示す。センサ200は、図1の信号生成モジュール102、信号反転モジュール104、および信号処理モジュール106に対する例示的な実施を含み、それらは以下に詳細に説明される。
図6は、第1および第2のホール効果デバイス302、304を含む信号生成モジュール102の一回路の実施を示し、ホール効果デバイスのいずれもが、ホールプレート306ならびにオフセットトリム入力および利得トリム入力を有する増幅器308を含む。代替として、利得およびオフセットのトリム値は、自動利得制御および/または自動オフセット調節などにより、調節されうる。第1のホール効果デバイス302は、sin(θ)信号を出力し、第2のホール効果デバイス304は、cos(θ)信号を出力し、ここでθは回転磁石の位置を表す。
例示された実施形態は、線形ホール効果デバイスを使用して、正弦波信号の生成を提供するが、磁気抵抗器(MR)、磁気トランジスタ、巨大磁気抵抗(GMR)センサ、または異方性磁気抵抗(AMR)センサなど、様々な他の磁気センサが、使用されうる。さらに、正弦波波形が示されているが、他の適切な波形が、特定の用途の必要性を満たすために使用されうることが理解される。
第1の信号反転器310は、sin(θ)信号を反転して−sin(θ)信号(ここで、−sin(θ)はオフセット周りに反転される)をもたらし、第2の信号反転器312は、cos(θ)信号を反転して−cos(θ)信号(ここで、−cos(θ)はオフセット周りに反転される)をもたらす。反転器310、312を用いて、sin(θ)、−sin(θ)、cos(θ)、および−cos(θ)信号のそれぞれが、信号反転モジュール104(図7)に対して利用可能である。比較器314は、領域表示ビット(上記の通り、反転または非反転の正弦および余弦信号)を生成するために、cos(θ)および−sin(θ)を入力として受ける。比較器314は、領域表示ビットを生成するために、上記の−sin(θ)>cos(θ)の判定を実施する。
信号生成モジュール102はまた、安定化電圧源316、例えば5V、およびバイアス基準電圧318、例えば2.5Vを含む。5Vの電源電圧が例示的実施形態の中で使用されているが、使用される特定の電圧は、式2および式3で説明される関係を満たすことが、依然として維持される限り、変更されうる。
図7は、135°〜315°の(第2の)領域の中で、磁気センサ302、304(図6)から生成された正弦波信号を反転するための、例示的信号反転モジュール104の回路実施を示す。例示的実施形態において、オリジナルの(sin(θ)およびcos(θ))信号ならびに反転された信号(−sin(θ)および−cos(θ))が、入力として、2入力アナログ乗算器350にもたらされる。図4の領域表示ビット250に相当しうる、比較器314の出力が、乗算器350の出力を制御する。すなわち、領域表示ビット250が、反転または非反転信号がアナログ乗算器250からの出力であるかどうかを判定する。乗算器250の出力は、信号処理モジュール106(図8)への入力のために、各増幅器352、354でバッファされうる。
図8は、利得因子kを実施するために第1および第2の抵抗器R1、R2を有する抵抗分割器を使用する、例示的信号処理回路106の実施を示す。例示的実施形態においてk=2であるので、
Figure 2011508891
を思い起こして、これが作動することに留意されたい。抵抗器R1とR2の間の点は、(sin(θ)+cos(θ))/2をもたらす。この信号は、バッファリングされ、アナログ乗算器400に入力される。sin(θ)の信号は、アナログ乗算器400への第2の入力(式1における分子)としてもたらされ、そのことが、アナログ乗算器400を使用する間接的除算をもたらす。回路が、式4による多領域線形性のための波形反転を含むことが理解されよう。
特定の一実施形態において、アナログ乗算器400は、単一電源で動作し、接地が数学的にゼロに等しいことを仮定する。他の回路の実施形態が、例えば、接地の変化に関係する影響を避けるために、「接地」として様々な電圧、例えば0.5Vで動作できることを理解されたい。両入力信号は、数学的に正であることが仮定されるので、この除算の演算は、2象限の除算(または乗算)だけを必要とすることに留意されたい。示された実施形態において、アナログ乗算器400からの出力は、0.5V〜4.5Vの範囲の出力のために、利得およびオフセットの補正をもたらすように処理される。
図5の回路は、当業者によく知られている処理および技術を使用する単一基板上で実施されうる。
本発明が、主に、単一基板上のアナログ位置センサを達成するために、特定の代数関係を実施するように示され、説明されているが、他の代数関係が実施されてよいことが理解されよう。
他の実施形態において、代数アルゴリズムが、以下に説明されるように実施されうる。式1
Figure 2011508891
を再び参照すると、ここで、outputはセンサ出力であり、Aは生成された正弦および余弦信号の振幅であり、offsetは接地に対する正弦波信号の垂直オフセットであり、kは任意の実数であり、kは最終のセンサ出力の利得および垂直オフセットに影響する。
反転を反映するために、式1は、式4
Figure 2011508891
または、下の式5
Figure 2011508891
で説明されるように数学的に表現されうる。次いで、
2offset−(Asin(θ)+offset)>Acos(θ)+offset 式6
または
Figure 2011508891
のときに、反転、すなわち「−」項、が適用される。
アルゴリズムの代替形式を得るために、式5が以下のように簡略化されうる:
分子および分母にκ/Aを掛けて、式8
Figure 2011508891
の結果を生成する。式9
Figure 2011508891
に示すように、分子にcos(θ)項の加算と減算を挿入する。式10
Figure 2011508891
で、分子にsin(θ)項の加算と減算を挿入する。式11
Figure 2011508891
におけるように、分子の「ksin(θ)−sin(θ)」項をsin(θ)でくくる。
分子と分母の両方に共通の
Figure 2011508891
に留意されたい。式11は、式12
Figure 2011508891
のように書き直すことができる。
定常項「1」がDCオフセットであることを考慮すると、オフセットは消去されうることに留意されたい。というのは、オフセットは、式13
Figure 2011508891
におけるように、出力の全体の線形性を変えないからである。
次に、kが、出力の最終の利得およびオフセットに影響するだけの定数であることを考慮する。この定数は、上で説明された例におけるように、k=2に固定されうる。これは、式14
Figure 2011508891
において表現されうる。
Figure 2011508891
および
Figure 2011508891
であるので、よく知られているように、式14は、式15
Figure 2011508891
のように書き直すことができる。式の右辺の分子および分母を√2で割ることで、式16
Figure 2011508891
の関係が得られる。分子の正弦関数項、sin(θ−45°)が、分母の正弦関数項、sin(θ+45°)と、位相が90°だけ異なることに留意されたい。これによって、下の式17
Figure 2011508891
に示すように、分子および分母が、それぞれsin(θ)およびcos(θ)で置き換えられうる。これが、反転点(すなわち、「−」項の適用)を、0>cos(θ)に変える。また、出力の位相は、今や、逆正接で45°だけ位相が外れるのではなく、逆正接で理想的に整合される。
正弦曲線が、今や、単一の利得を有すること、すなわち、sin(θ)がゼロオフセットを有し、一方でcos(θ)が有限のオフセットを有する(すなわち、cos(θ)が√2×offset/Aに等しいオフセットを有する)ことに留意されたい。変数Aおよびoffsetは、もはや正弦曲線の実際の利得およびオフセットを表さないので、この定数は、bとして示されうる数として認識されるべきである。再び書き直すことで、式18
Figure 2011508891
に説明される関係が得られる。出力の線形性は、定数項の値によって決まる。以前の例は、A=2およびoffset=2.5Vであることを示した。直接的な「推測」において、理想的な定数項であるbは、およそ1.7678に等しい。出力の線形性は、bの値を変えることにより、わずかに改善されうる。式18の関係は、上のオリジナルの仕様に適合させるなど、望み通りに拡縮されうることが理解されよう。sin(θ)およびcos(θ)が何らかの利得Aを有する場合、定数bは、また、式19
Figure 2011508891
に説明されるように、Aの関数とならねばならない。自動利得制御を使用すること、またはよく知られている、式20
Figure 2011508891
の三角法の関係を使用することにより、Aの値を知ることが可能である。
図9は、sin(θ)およびcos(θ)ピン、領域表示器、ならびに位置出力信号と共に、VccおよびGndの例示的ピン配列を有する、例示的センサパッケージ500を示す。様々なピン配列構成が可能であることが、理解されよう。一実施形態において、センサパッケージは、単一基板502上にセンサを含む。
例示的なセンサの実施に対して、電源電圧にレシオメトリックな角度センサ出力を提供し、それにより、その出力が、ADC(アナログからデジタルへの変換器)など、様々な回路のLSB(最下位ビット)とインターフェースできることが望ましい。除算段階の出力が、上述の出力のように、電源電圧とレシオメトリックであるために、以下の関係、すなわち、k=0.4×Supply、A=0.4×Supply、およびoffset=0.5×Supply、が適用されうる。これらの関係が維持される限り、センサ出力は、レシオメトリックに拡縮される。代替として、Supply=5Vであると仮定すると、Aおよびoffsetをレシオメトリックにするだけで、除算器の段階の出力は、電源電圧がどれだけ低下するかにかかわらず、(電源電圧が出力をカットしないと仮定すれば)正確に同じになる。レシオメトリは、除算段階の出力をSupply/5だけ縮小することにより達成されうる。レシオメトリは、他のメカニズムを使用して達成されうることを理解されたい。
本発明の例示的実施形態による、単一基板上のアナログセンサを実施することで、デジタル信号処理コアを有する従来のセンサと比較して、より少ない構成部品を有するより小型のパッケージが提供される。特定の一実施形態において、センサは、単一のダイの上にAMRおよび回路を含む。他の実施形態において、角度センサは、GMR、AMR、GaAs、および様々なシリコンのホールセンサなど、複数のダイを有することができる。図9Aに示す特定の一実施形態において、角度センサは、回路用のCMOS処理の第1のダイD1と、センサ用に異なるホールプレートドープをもたらす第2のダイD2とを有する複数のダイを含む。他の実施形態は、信号処理を有する1つのダイ、ならびに2つのGaAsダイおよび/または2つのMRダイを含む。GMRダイは感度の異なる平面で働き、それによりセンサは、適切に、例えば回転軸の中心の近くに、位置付けされる必要があることに留意されたい。さらに、従来のデバイスにおけるより、製造コストが削減され、安定状態の条件が、より速やかに到達される。
本発明の他の態様において、角度センサは、より高い出力分解能をもたらすために、正弦波周波数を増加させる。機械的に90°オフセットされた2つの磁気センサの上で、直径方向に双極の円盤磁石が回転すると、磁気センサの出力として、正弦/余弦信号ペアが生成することが知られている。磁石の1回転360°が、正弦および余弦信号の1周期に相当する。正弦曲線の周波数を、1回転360°を超えて増加させることにより、角度感知において、より高い出力分解能が達成される。
上述の通り、角度感知用途のための1対の正弦/余弦信号は、2つの磁気センサを、直径方向に双極の円盤磁石の回転中心周りに、90°の機械的オフセットで配置することにより、生成されうる。2つのホールプレートを、直径方向に双極の円盤磁石の中心周りに、90°の機械的オフセットで配置することにより、正弦/余弦信号ペアが生じる。
これら2つの正弦曲線が、式1における上述のアルゴリズムなど、角度感知アルゴリズムへの入力として使用されると、出力が、図10で示すように現れる。出力の最大角度誤差は、式21
Figure 2011508891
で以下のように計算される。ここで、θEXPECTED(θ)は所与の角度θにおいて予測される角度出力であり、VOUT(θ)は所与の角度θにおいて予測される磁気センサの出力電圧であり、VOFFSETは出力電圧のオフセットであり、VFULL_SCALEは出力電圧のフルスケール電圧範囲であり、θRANGEは出力電圧ランプの角度範囲である。正弦および余弦信号600、602が、出力電圧VOUT(θ)604と同時に示される。
式21において、誤差が、出力の角度範囲θRANGEの関数であることに注意されたい。最大角度誤差(VERROR_MAX)は、θRANGEが減少し、一方で他の変数が固定されたままであれば、縮小されうる。
磁石の1回転360°を超えて正弦曲線の周波数を増加させることにより、θRANGEを減少させることが可能である。例えば、リング磁石が、直径方向に双極の円盤磁石の代わりに使用されると、単一回転の中でより多くの正弦曲線が生成されうる。例えば、3つの磁極対の磁石が使用されると、図11に示すように、正弦曲線の周波数は3倍に増加し、それゆえ、θRANGEは、図12に示すように3分の1に減少する。θRANGEが、所与の倍数だけ減少すると、VERROR_MAXが、同じ倍数だけ減少する。図11Aは、多極「ドーナツ形」磁石を示す、代替実施形態を示す。磁化は、中心から半径方向外側に向かう。
図11の構成において、第1および第2のセンサ650、652は、奇数、すなわち3個の極を有するリング磁石654上で、90度オフセットしている。図12は、図11の構成に対する信号をグラフで示す。正弦、余弦および出力VOUT信号656、658、660、ならびにθRANGE662およびVOFFSET664が、示される。
誤差の減少が、下の式22および式23
Figure 2011508891
の計算において示される。リング磁石によって正弦曲線の周波数を増加させることが、任意の数の磁極対の組合せに適用されうることを理解されたい。所与のリング磁石が、同じsin(θ)およびcos(θ)信号を生成する、いくつかの異なる可能なセンサ配置を有することができることに留意されたい。例示的実施形態が、リング磁石を有するように示され説明されるが、他の適切なデバイスが、波形を生成するために使用されうることが理解されよう。
図13および図14は、2つの磁極対を有するリング磁石に対する例示的磁気センサ配置を示す。図13は、第1および第2の磁極対を有するリング磁石700を示す。第1のセンサ702が、北/南の交差点に配置され、第2のセンサ704が、約45度離れて、隣接する南極に配置される。図14は、北/南の極の交差点における第1のセンサ752と、約135度離れて、隣接しない南極における第2のセンサとを有するリング磁石750を示す。図から分かるように、結果としてもたらされる正弦および余弦信号は、両構成に対して同じである。
上述の通り、領域表示ビットが、正弦波入力の単一周期にわたって、2つの隣接する出力ランプを識別するために使用されうる。
多極の実施形態において、領域表示ビットが、1つのリング磁石の1回転360度にわたる、複数の出力ランプを識別するために使用されうる。カウンタへの入力として領域表示ビットを使用すると、磁石の動作の角度領域が求められうる。カウンタは、全領域を通して循環した後、リセットしてゼロに戻すことができる。この方法は、デバイスが既知の角度領域(例えば、「磁石」に対する磁化が4領域の場合、0°〜90°)でスタートし、磁石が1方向に回される限り、機能する。磁石が両方向に回転する場合、動作の領域を求めるための方向検出アルゴリズムと共に、アップ/ダウン・カウンタを使用することが可能である。しかし、デバイスは、既知の角度領域においてスタートしなければならない。
下の式24を使用して、各ランプが式25により与えられる角度領域にまたがる状態で、リング磁石により生成される出力ランプの数(すなわち、識別可能な領域の数)を計算することが可能である。
Figure 2011508891
例えば、式24を使用して、2つの磁極対を有するリング磁石が、磁石の完全な1回転にわたる4つの出力ランプに対応することが、計算されうる。ビット状態のそれぞれの変化が、(式25より)90°の領域における変化に合致する。動作の領域が、下の表1に説明されるように、識別されうる。
Figure 2011508891
図15に示すように、領域表示ビットが、正弦波信号の1周期にわたって生成される第1および第2のランプ802、804を識別する。領域表示ビットが、カウンタ内に入力として送られる場合、カウンタは、磁石の1回転360°にわたって、4つの90°動作領域を識別するために使用されうる。
例示的実施形態は、ホール効果センサの使用を論じているが、他の種類の磁界センサもまた、ホール素子の代わりに、またはホール素子と組み合わせて、使用されうることは、当業者には明らかであろう。例えば、デバイスは、異方性磁気抵抗(AMR)センサおよび/または巨大磁気抵抗(GMR)センサを使用してよい。GMRセンサの場合、GMR素子は、複数の材料の積み重ね、例えば、線形スピンバルブ、トンネル磁気抵抗(TMR)、または超巨大磁気抵抗(CMR)センサ、からなるセンサの範囲をカバーすることを意図される。他の実施形態において、センサは、柔らかい磁気素子および/または磁性ターゲットの回転を感知するためのバックバイアス磁石を含む。
本発明の他の態様において、単極磁石をホール素子上で回転させることにより生み出される正弦波信号の周波数を増加させるために必要な信号処理回路が、磁気センサからの出力電圧を処理し、式1において上述したアルゴリズムなど、角度感知アルゴリズムに適用されるときに、より良い分解能を得るために使用されうる、より高い周波数の信号を生成する。
上述の通り、正弦および余弦入力からの線形出力が、単一の双極磁石を2つの別々のホール素子上で回転させることにより生成されうる。線形化された信号を用いて、出力におけるy−ボルトの変化が、x度の回転に直接対応する。本発明の例示的実施形態によれば、入力正弦曲線の周波数を増加させることが、結果として、360°の1周期にわたる線形出力ランプの数を増加させることにより、出力分解能を高める。
以下の三角法二倍角恒等式
sin(2θ)=2sin(θ)cos(θ) 式26
cos(2θ)=cos(θ)−sin(θ) 式27
を使用して、入力正弦曲線の周波数を増加させることが、数学的に可能である。式26および式27で作成される倍増された周波数信号が、式1の角度感知メカニズムへの入力として送られると、出力は、1回転360°にわたる4つの線形ランプを有することになる。線形ランプのこの倍増が、結果として、角度感知の総合分解能を倍増させる。
出力は、0〜90°、90°〜180°、180°〜270°、および270°〜360°の間の4つのランプを識別するためにデコードされる。デコーディングは、例えば、下の表1
Figure 2011508891
に示すように、4ビットを使用して実施されうる。例示的一実施形態において、デコーダビット1が、以下に説明するように、生成されうる。
Figure 2011508891
sin(θ+22.5°)>offset の場合、 Bit 1=LOW
それ以外の場合、 Bit 1=HIGH
ここで、offsetは、数学的ゼロ(例えば、接地)に対する正弦波信号の垂直オフセットである。デコーダビット1の決定における複雑さが、前の角度感知関係の出力における−45°位相シフトの結果であることに留意されたい。−45°位相シフトを変えることは可能であり、それにより、式1で説明するものとは異なる形式のアルゴリズムを使用して、比較プロセスが簡略化される。
上の表1におけるデコーダビット2に対する信号を生成するために、以下の関係が利用されうる。
−sin(2θ)>cos(2θ) の場合、Bit 2=LOW
それ以外の場合、Bit 2=HIGH
図16は、デコーダビット1 1001に対する出力1000に関するタイミング図を示し、図17は、デコーダビット2 1002に対するタイミング図を示す。
図18は、上述の、角度感知メカニズムの例示的な概略的実施1010を示す。回路1010は、正弦入力1012および余弦入力1014を含む。領域回路1016が、デコーダビット1を生成する。代数回路1018が、式26および式27を実施し、sin(2θ)およびcos(2θ)を、図5に示す回路など、角度感知回路1020にもたらす。代数回路1018は、コンポーネント信号sin(θ)およびcos(θ)を生成し、それらは、2およびcos(θ)を掛けられ、そこからsin(θ)が引かれる。
図19は、図18の回路に対するシミュレーションされた出力1044を示す。シミュレーションされた入力正弦信号1040および余弦信号1042は、1kHzの周波数を有する。分解能を上げるために周波数を高くすることは、入力信号の任意の部分を用いて達成されうる。例えば、
Figure 2011508891
出力における線形ランプの数は、入力の周波数に比例し、式28および式29を使用する例に対して、3つの線形出力ランプが存在するであろう。デコード回路が、各線形ランプに対する動作領域を識別することができる。
本発明の他の態様において、角度感知出力は非線形波形を有し、その波形は第2の信号で補完可能であり、2つの信号の平均は、向上された線形性を有する。
式1が以下にコピーされる、
Figure 2011508891
ここで、outputはセンサ出力であり、Aは生成された正弦および余弦信号の振幅であり、offsetは接地に対する正弦波信号の垂直オフセットであり、kは任意の実数である。波形が一領域内で反転され、360度にわたって同じ程度の線形性が得られる(式4参照)場合、−sin(θ)>cos(θ)であれば、負号が適用される。式1に代数操作を実施することで、式1が、その線形特性を妨げることなく、下の式30
Figure 2011508891
で説明される、より簡素な数学的形式で表現されうることが、明らかになる。ここで、outputはセンサ出力であり、Aは生成された正弦および余弦信号の振幅であり、offsetは接地に対する余弦の垂直オフセットである。cos(θ)<0であれば、負号が適用される。式1および式30の出力は、真に線形ではないが、入力正弦曲線の1周期が磁石の1回転360度に合致することを仮定すれば、理論的最高条件の最大誤差である±0.33度を有することに留意されたい。
非線形波形を生成する式30におけるオフセット値に対して、ある値が選択されうる。それゆえ、第1の波形に対する相補的非線形性を有する、第2の波形を生成することが可能である。一実施形態において、このことは、下の式31に示すような、式30がわずかに修正されたバージョンを使用することにより実施される。第1および第2の波形の平均は、式30単独の最高条件の誤差より高度な線形性を有することができる。
上の式30および下の式31
Figure 2011508891
を考察する。ここで、kは倍率である。Aおよびoffsetが、両式に対して同じ値を有することに留意されたい。k=0.309およびoffset=1.02Aの値を選択することで、図20に示す波形が作成される。式30の出力1100および式31の出力1102は、それらそれぞれの非線形性が互いに補完しあい、それにより2つの波形の平均がより高い線形性を有することを示す。結果として得られる出力は、上で選択されたoffsetおよびkの値に対して、最高条件の最大誤差0.029度を有する。
波形1100、1102を平均することで、最高条件の最大誤差0.029°の出力が、結果としてもたらされる。この誤差は、本発明の相補型波形平均を持たないものより1桁小さい。
最終の出力は、下の式32
Figure 2011508891
で説明される。ここで、Aは正弦および余弦の振幅であり、offsetは余弦のオフセットであり、kは倍率である。cos(θ)<0のときに、反転が適用される(すなわち、負号)。下の図21は、回路における、式32の例示的な実施を示す。
本明細書で説明されるものと同じ平均化技術が、式33
Figure 2011508891
に示すように、異なるオフセットを有する式30で生成される、2つの波形において実施されうることに留意されたい。例えば、offset1=1.36およびoffset2=4.76の場合、式33の出力は、約±0.15°の誤差を有するであろう。
本発明の他の態様において、回路は、2つの磁気センサと、その2つのセンサの出力から誘導される第3の正弦波信号を生成するために必要な信号処理回路とを、一体化する。3つの信号を使用することで、正弦波信号のうちの2つの間の位相差が、トリミングされる。2つの正弦波信号の間の位相差をトリミングすることは、角度感知、歯車の歯の感知、および他の用途において、好都合でありうる。この特徴は、
− 最終的なセンサ装着の間の、製造上の配置許容誤差(すなわち、角度センサに対する円盤磁石の不整合)、
− 単一基板上に存在しない2つのホールセンサまたはMRセンサの相対的配置に影響を与える製造上の配置許容誤差、
の結果としてのセンサの不整合をトリミングするときに、特に好都合である。このことは、シリコンの信号処理ダイが、2つ以上のGaAsホールプレートまたはMR(磁気抵抗器センサ)とインターフェースする場合に好都合であろう。
角度感知用途に必要な1対の正弦/余弦信号を生成するための従来の方法は、回転磁石の中心周りに、2つのホールプレートを90°の機械的オフセットで配置することである。この方法の不利点は、ホールプレートの90°の機械的オフセットにおける何らかの不整合が、結果的に、正弦と余弦の信号の間の位相誤差をもたらすことである。機械的不整合の主な原因は、エンドユーザが、磁石をデバイスパッケージの上に、正確に位置合わせできないことに由来する。例えば、磁石配置の0.127mm(5ミル)の不整合が、約±8.33°までの位相誤差を、結果としてもたらしうる。そのような位相誤差が、結果的に、逆正接アルゴリズムに対して、約±8°の角度誤差になる。位相誤差は、角度感知アルゴリズムにおける誤差の、主要な原因の1つである。
本発明の例示的実施形態によれば、以下に詳細に説明されるように、ホール/MRが生成した正弦/余弦信号対の間の位相差がトリミングされる。このトリミングは、cos(θ)が、90度オフセットのセンサを使用して作成されるときは、実施することが難しい可能性がある。
式34、式35および式36における関係は、本発明の例示的実施形態によるトリミングをもたらすために利用されうる。
Figure 2011508891
ここで、A、BおよびCはそれらそれぞれの正弦曲線の利得であり、α、β、γはそれらの位相である。cos(θ)を作成するための例示的技術が、以下に説明される。
図22に示すように、最初に、第1および第2のホール信号SおよびSが、それぞれのホール素子1200、1202により生成される。S=Asin(θ)とし、ここで、Aは何らかの任意の利得である。Asin(θ)は、基準信号であり、それゆえ、Asin(θ)は、それ自体に関する位相誤差を有さないことが仮定されていることに留意されたい。S=Asin(θ+β)、ここで90°<β<180°、とする。例えば、A=1およびβ=125°であれば、S=sin(θ)およびS=sin(θ+125°)である。第2のホールを、Sに対する機械的位相オフセットで配置することにより、Sを生成する。
生成された2つの信号は、下の式37、式38、および式39を使用して余弦と関連づけられうる。
Figure 2011508891
ここで、Gは利得因子であり、Cは結果として得られる余弦信号の振幅である。
第2の信号Sが、Gによって得られうる。β=125°の場合、G=1.74を計算(式38)で求めることができる。結果として、図23に示すように、S=1.74sin(θ+125°)となる。
次に、S=S+Sとする。式37が示すように、S=Ccos(θ)であり、ここで、Cは式39を使用して計算されうる。例において、Asin(θ)とGasin(θ+β)が加算されてCcos(θ)が得られる図24に示すように、C=1.43であり、それゆえS=1.43cos(θ)である。
次いで、第3の信号Sは、その振幅が第1の信号Sの振幅に適合するように、減衰される。これにより、図25に示すように、S=sin(θ)およびS=cos(θ)となる。
上のように、位相シフトされた余弦信号を作成した後、余弦の位相がトリミングされうる。余弦は、2つの機械的にオフセットされたホール素子の上で、磁石を回転させることにより生成された信号を、加算することにより、作成された。S(Asin(θ)に等しい)は、基準信号であるので、Sに関する位相誤差を持たないと仮定する。Sの位相は、Sの位相βとSの利得因子Gの両方により求められる。S=Csin(θ+γ)であり、ここで、γは下の式40で与えられる。
Figure 2011508891
理想的には、γは、90°に等しい。というのは、Csin(θ+90°)=Ccos(θ)であるからである。
が磁石の不整合による位相誤差を有する可能性があり、その位相誤差が、Sの位相に直接影響することが知られている。しかし、下の実施例に示すように、Sの利得を調節することにより、Sの位相における誤差をトリミングで削除することが可能である。
以下の信号が生成されることが予測されていると仮定する:
=sin(θ)
=Gsin(θ+125°)=1.74sin(θ+125°)
=Csin(θ+90°)=1.43sin(θ+90°)=1.43cos(θ)
しかし、磁石の不整合により、以下が結果としてもたらされる、
=sin(θ)
=1.74sin(θ+115°)
=2.14sin(θ+80.54°)。
の位相は、Sの利得を変えることにより「固定」されうる。G=1.74を有する代わりに、G=2.37とする。これが、S=2.37sin(θ+115°)およびS=2.14sin(θ+90°)にさせる。
図26は、Sに対するSの機械的オフセットであるβの、いくつかの選択に対して、利得因子Gが、出力位相γにどのように影響するかを示す。出力曲線が90°付近で急峻であるほど、利得因子Gを変えることによりγを正確に調節することが、容易になる。言い換えれば、90°付近でより急峻な曲線に対して、利得誤差は、最終の出力角に対して、より小さい影響を有する。このことは、下の表Iで計算され、その表は、90°位相シフトされた信号を作成する能力に対する、入力位相βの影響を要約する。
Figure 2011508891
実際的な用途において、βの最良の選択は、おそらく、115°である。余弦の位相の最悪条件の精度は、β<±10°と仮定すると、±0.44°であろう。次の段階は、Cの利得を、Aに適合するように調節することである。余弦を作成するこの数学的プロセスが、図27の例示的回路の中で実施される。余弦信号が、Asin(θ)およびAGsin(θ+β)の2つの入力ホール信号から生成される。βの位相不整合を調節するために、利得段階が調節されるべきである。この例は、A=0.5V、G=2.366およびβ=115°を仮定している。
余弦の位相をトリミングするために使用される同じ技術が、正弦の位相のトリミングに適用されうる。より詳細には、式39を再整理することで、式41の結果が作成される。
=S−S または、
Asin(θ)=Ccos(θ)−GAsin(θ+β) 式41
Asin(θ)を位相シフトするために、もう1つの利得段階をSの出力に加え、次いで式41を適用することが可能である。以下の
=XS
YAsin(θ+α)=Ccos(θ)−XGAsin(θ+β) 式42
を考察する。ここで、XおよびYは利得因子であり、αはシフトされた角度である。これらの変数は、余弦に対して、上で見出された同じ原理を使用して、計算されうる。図28は、いかにして、Asin(θ)の位相調整が、図27の余弦作成回路に加えられうるかを示す。
本発明の他の態様において、正弦波であってよい単一の波形が、対応する余弦信号を生成するために使用される。当業界で知られているように、角度感知回路の開発における1つの障害は、以前の状態の記憶に依存することなく、正弦波入力を線形化することである。上述のように、線形出力が、2つの正弦波入力からもたらされうる。例えば、正弦および余弦信号が、2つの空間的に位相シフトされたホール素子の上で単極磁石を回転させることにより、生成される。本発明の例示的実施形態において、三角恒等式が、その対応する余弦信号を作成するために、単一の正弦波入力に適用される。一実施形態において、入力正弦曲線に対応する三角波が、生成される。この三角波の生成は、以前の状態の記憶を、全く必要としない。
三角恒等式sin(θ)+cos(θ)=1を利用する。その式は、式42のように書かれうる、
sin(θ)+Acos(θ)=A 式42
ここで、Aは利得因子であり、θは角度位置であり、cos(θ)の絶対値に対する1つの解である。式42を再整理することで、式43における結果が生じる。
Figure 2011508891
式43は、整流されたcos(θ)をもたらす。真のcos(θ)信号は、直接計算されえない。というのは、この恒等式における自乗項は、すべての値を正にするからである。真のcos(θ)を計算することは、適切な点において、整流された信号を反転する表示ビットを必要とする。
上に示すように、線形出力は、整流された正弦波信号を使用して計算されうる。正弦波入力は、その対応する余弦信号を作成することにより、線形化されうる。最初に、正弦波入力Asin(θ)が、図29に示すように、もたらされる。正弦曲線が、図30に示すようにAsin(θ)の形を有するように、操作される。次いで、|Acos(θ)|が、図31に示すように、計算されうる。次の段階は、式44および式45における規定に準拠するために、Asin(θ)および|Acos(θ)|に、定数Gで利得を与える。
図33に示す、反転された「ケイン(cane)」波形が、GAsin(θ)をG|Acos(θ)|に加えることにより生成される。ケイン波形は、加算演算のために、GAsin(θ)およびG|Acos(θ)|より√2倍だけ大きくなる。図34に示すように、「ケイン」波形は、整流されたG|Acos(q)|で除算可能であり、その出力は、従って、出力利得およびオフセットにおいてトリミングされうる。出力波形は、もとの正弦曲線のピークと谷に合致する。
例示的実施形態における最適な結果に対して、式44および式45における関係は、真であるべきである、
GA=0.596(offset) 式44
offset≠0 式45
ここで、Gは上述の利得因子であり、offsetは数学的ゼロ(例えば、接地)に対する正弦波信号の垂直オフセットである。誤差源が存在しない理想的な場合、最小の非線形性は0.328°である。正弦曲線を線形化するためのこの手順は、図35に示す例示的な回路など、回路において実施されうる。回路の出力は、入力正弦曲線1300および三角形出力1302に対して、図36のシミュレーションされた結果において示される。この例に対して、入力正弦曲線は、1kHzの周波数を有する。
このアルゴリズムを360度の角度感知用途において利用するために、出力の負の傾斜部分を識別する方法が必要である。しかし、この方法は、180度センサに対しては、不要であろう。この識別は、負の傾斜部分を反転し、0〜180°領域を180°〜360°領域から区別する、表示ビットの形であってよい。この表示ビットは、磁場の極性、すなわち北または南を識別するために使用される、追加の磁場センサの形を取ってよい。この表示ビットがないと、アルゴリズムは、0〜180°の範囲だけで可能である。出力は、式1のメカニズムと異なり、出力の位相は、−45°位相シフトではなく−90°位相シフトを有することに留意されたい。式1の実施形態に対する位相シフトは、0°が、出力が最小の点であるとみなしていた。
本発明の他の態様において、入力正弦曲線の利得およびオフセットが、最終の出力誤差を縮小させるために、制御される。自動利得制御(AGC)および自動オフセット調節(AOA)が、上述の角度感知の実施形態に適用されうる。例えば、一実施形態は、オフセット調節DAC(デジタルからアナログへ)、および、このDACから入力電流を受けて増幅器の利得を制御するゲインセル・トランスコンダクタを使用する。参照により本明細書に組み入れられる米国特許第7,026,808号、米国特許第6,919,720号および米国特許第6,815,944号は、例示的AGC回路を示し、参照により本明細書に組み入れられる、2006年4月17日に出願した、米国特許出願第11/405,265号は、例示的AOAの実施形態を開示する。
他の実施形態において、利得制御を有する回路は、入力がAsin(θ)およびAcos(θ)であるという事実に依拠し、ここでAおよびAは信号の利得値である。信号が、整合する利得を有する(すなわち、A=A=A)ことを仮定すれば、回路の中に三角恒等式
Figure 2011508891
を実施して、実際の利得Aを求めるために解くことができる。いくつかの因子A(ここで、Aは上式を使用して計算される)による正弦曲線の拡縮が、エアギャップのズレによる変動にかかわらず、最終的に一定の利得を、結果としてもたらす。利得制御のこの方法が、ゼロオフセットおよび整合利得を有する信号に対して有効であり、この方法は、他のAGC方法と共に使用されてよい。
利得およびオフセットが、例えば、ライン試験の最後において、および/または顧客最終試験においてトリミングされてよいことが、理解されよう。また、利得またはオフセットは、デバイス電源立ち上げ時に調節されてよく、または実行モードの間に動的に変化してよい。
利得およびオフセットの動的調節が動作中に所望される場合、デバイスは、調節モードを可能または不可能にする較正ピンを有することができる。このピンはまた、AGCおよびAOA補正が出力に適用される更新の速さを制御することができよう。更新の頻度は、タイミングメカニズムにより制御可能であり、またはアルゴリズムの最終の出力ランプの立下がり遷移に合わせることができる。
図37および図38は、実行モードの間にタイミングメカニズムを介してAGCおよびAOAの速さを制御する、例示的技術を示す。較正ピンCALにつながる外部キャパシタCが、中央ノードを充電する。キャパシタCの電圧がVREFに達すると、比較器COが作動してキャパシタを放電する。比較器COの出力が、瞬間的に高のパルスを発する。AOAおよびAGC補正は、比較器が高のパルスを発する毎に、更新されうる。異なる大きさのキャパシタを選択することで、比較器のパルスの速さを制御することができる。CALピンを低(LOW)に繋ぐと、動的更新モードが遮断される。
本発明の他の態様において、角度センサは、周波数に独立な正弦曲線からの、第1および第2の直角位相信号を使用する。この配置により、センサの精度が高められうる。
直角位相信号をもたらすために、ホール素子などのセンサ素子4つを差動的に使用して、近似的な直角位相関係をもたらすことができる。また、2つの正弦曲線の振幅を、利得を与えて整合させ、次いで、2つの信号を加算および減算して、近似的な直角位相関係をもたらすことができる。これらの技術がまた、結合されうる。
以下に詳細に説明される本発明の例示的実施形態が、周波数に独立な正弦曲線から、第1および第2の直角位相信号を得る方法を開示する。他の例示的実施形態が、自動利得制御(AGC)技術の一例を用いる、これらの信号の利用を含む。
知られている角度感知アルゴリズムが、2つの入力正弦波信号を使用する、線形出力ランプを生成する。これらのアルゴリズムは、2つの入力正弦曲線の間の90°位相関係に依拠し、位相の理想からのわずかな変化も許容しない。高められた直角位相を有する第1および第2の正弦波信号を生成することは、角度感知アルゴリズムにおける誤差を最小化するのを助成し、自動利得制御(AGC)に有用である。
図39は、不整合に対して近似的な直角位相関係を有する正弦曲線を生み出すための、例示的センサの実施形態2000を示す。回転磁石2004に対して配列された4つのホール素子2002a〜2002dから生成される差動信号は、以下に説明するように利用される。
例示的実施形態において、4つのホール素子2002は、円盤磁石2004に面する正方形構成に方向づけられる。4つのホール素子2002の間の中心点CPが、円盤磁石2004の中心Cに整列されるものと仮定する。図示の実施形態において、第1のホール素子2002がTOPの位置にあり、第2のホール素子2002bがRIGHTに、第3のホール素子2002cがBOTTOMに、そして第4のホール素子2002dがLEFTにある。
センサ2000は、以下に詳細に説明される信号処理の少なくとも一部分を実施するための信号処理モジュール2008を、さらに含む。
TOPの信号からBOTTOMの信号を、また、LEFTの信号からRIGHTの信号を減算すると、直角位相関係を有する2つの信号Sig1およびSig2(図40、図41、図42)が得られる。信号Sig1およびSig2の間のこの関係は、円盤磁石の中心と4つのホールの中心点の間の不整合にかかわらず、近似的な直角位相を維持する。
図40Aは、ホール素子が中心に置かれ、すなわち、不整合でない場合の4つのホール素子2002a(TOP)、2002b(RIGHT)、2002c(BOTTOM)、2002D(LEFT)それぞれからの信号、T、B、L、Rを示す。図40Bは、第1の信号Sig1、ここでsig1=(T−B)/2、および第2の信号Sig2、ここでSig2=(L−R)/2、を含む、結果として得られた差動信号を示す。
0.8082の比に対して、第1の入力正弦曲線は、1.39Vppの振幅を有し、第2の入力正弦曲線は、1.66Vppの振幅を有する。第1の入力信号は、2.489Vのオフセットを有し、第2の入力信号は、84.32度の位相で、2.501Vのオフセットを有する。
図41Aは、1mm上および1mm左の不整合に対する、4つのホール素子信号T、B、L、Rを示す。整合は、磁石2004(図40)の中心と4つの素子2002の中心から求められることを理解されたい。図41Bは、ホール素子信号T、B、L、Rから誘導された第1および第2の信号Sig1、Sig2を示す。
図42Aは、1mm上および2mm左の不整合に対する、4つのホール素子信号T、B、L、Rを示す。図42Bは、結果としてもたらされた信号Sig1、Sig2を示す。
上の図示および説明のように、4つのセンサ素子からの出力信号は、磁石に対するセンサ素子の機械的不整合による精度の低下を縮小するために、実質的な直角位相関係を有する差動信号を生成するために、使用されうる。
図43は、本発明の例示的実施形態による差動センサに対するステップの、例示的シーケンスを示す流れ図である。ステップ2100で、間の不整合が求められる。ステップ2102で、図39に示す、4つのホール素子2002a(TOP)、2002b(RIGHT)、2002c(BOTTOM)、2002D(LEFT)など、ホール素子からの信号が、受けられる。ステップ2104で、第1の信号Sig1、ここでsig1=(T−B)/2、および第2の信号Sig2、ここでSig2=(L−R)/2、を含む差動信号が、生成される。
本発明のセンサが、広範なパッケージタイプで提供されうることを理解されたい。図9は、本発明のセンサが提供されうる例示的パッケージタイプを示す。
本発明の他の態様において、例示的実施形態が、第1および第2の正弦曲線の振幅に利得を与えて整合させ、次いで2つの信号を加算および減算することにより、直角位相関係を有する正弦曲線を生成する。
任意の位相差
IN1=Asin(θ)+a 式46
IN2=Bsin(θ+φ)+b 式47
を有する第1および第2の入力正弦曲線を考察する。入力位相差φの大半の値に対して、A=Bであれば、90°の位相差を有する第1および第2の出力正弦曲線が、生成されうる。これは、式48および式49
SIG1=IN1−IN2 式48
SIG2=IN1+IN2 式49
のように、入力正弦曲線を加算および減算することにより達成される。各項を2で除算することで、信号SIG1およびSIG2が、IN1およびIN2以下の振幅を有することが、確実にされる。
SIG1=(IN1−IN2)/2 式50
SIG2=(IN1+IN2)/2 式51
結果としてもたらされる正弦曲線は、
SIG1=Csin(θ−γ)+c 式52
SIG2=Dsin(θ+δ)+d 式53
の形を有し、ここで、A=Bならば、大半のφの値に対して、δ−γ≒±90°である。
上の関係の一例が、信号IN1、IN2、SIG1、SIG2に対して、図44に示される。例示的な図において、IN1=3sin(θ)およびIN2=3sin(θ+150°)である。結果としてもたらされる正弦曲線SIG1およびSIG2は、不整合な振幅と90°の位相差を有する。
図45は、整合する入力振幅(式46および式47参照)における様々な変化に対する出力位相を示す。x軸は、入力位相差φを表す。図から分かる通り、直角位相関係は、この技術を使用する大半の入力位相差に対して、比較的厳しい許容誤差を維持する。
図46Aおよび図46Bは、式50および式51に示す数学的演算に対する、例示的な回路の実施を示す。例示的実施形態において、図46Aは、抵抗分割器を示し、図46Bは、ホイートストンブリッジを示す。広範な代替の実施が、当業者には、容易に明らかとなるであろうことを、理解されたい。例えば、オペアンプ回路が、所望の結果をもたらすために、容易に構成されうる。
図44から明らかなように、出力の直角位相正弦波信号は、整合する振幅を、必ずしも持つ必要はない。信号は、角度感知アルゴリズムに入力される前に、振幅を整合させるためにトリミングされうる。
本発明の他の態様において、上述の方法は、直角位相関係を有する正弦曲線を作成するために、別々に、または互いに連動して使用されうる。直角位相信号は、整合する利得を有するためにトリミングされ、角度感知処理に対する入力として使用されうる。これらの処理された信号は、自動利得制御(AGC)回路に有用である。自動利得制御のための1つの技術が、三角法の関係
Figure 2011508891
を利用することであり、ここで、Aは振幅であり、θは磁気の回転角度であることに留意されたい。
一実施形態において、上の三角法の関係は、1つの入力信号を「Asinθ」として、また、1つの入力信号を「Acosθ」として指定し、上の式54を使用してAを直接計算するために使用される。自乗、加算、および平方根のブロックが、
Figure 2011508891
を計算するために使用されうる。Aの値は、基準電圧と比較可能であり、AsinθおよびAcosθの振幅が、フィードバック回路を使用して、拡縮されうる。
他の実施形態において、上の三角法の関係が、自乗および加算のブロックを使用してAの値を見出して、Asinθ+Acosθ(式55より)を計算するために、使用される。Aの値が、基準電圧と比較可能であり、AsinθおよびAcosθの振幅が、フィードバック回路を使用して、拡縮されうる。この第2の方法は、回路実施において、平方根のブロックの必要性をなくす(図47参照)。
図47は、本発明による、利得制御回路3002を有する例示的回路3000を示す。例示された実施形態において、AGC処理が、VREF信号を用いて、Aの値を計算する。信号Asinθが自乗され3004、信号Acosθが自乗され3006、これらの信号が合計されて3008、信号Aを利得制御回路3002にもたらす。基準電圧Vref、信号Asinθ、および信号Acosθが、利得制御回路3002にもたらされ、その回路が、フィードバックのために、AksinθおよびAkcosθをそれぞれAsinθおよびAcosθに出力する。利得制御回路3002は、AがVrefに等しくなるまで、kの値を増加または減少させる。
本発明の例示的実施形態は、知られているセンサ実施を上回る利点を提供する。例えば、対面形の磁石構成と4つのホール素子の実施を使用する、任意の不整合に対して、90°の出力位相関係が、ほぼ保たれる。さらに、90°の出力位相関係が、加算/減算技術を用いて、入力位相φの大半の値に対して有効である。2つの入力信号が、整合する振幅を有する限り、近似的に直角位相の関係が保たれ続ける。さらに、出力位相は、加算/減算技術を用いる、整合する入力振幅の関数であるにすぎず、それゆえ、入力位相、または不整合な入力オフセットとは無関係である。
本発明の他の態様において、磁気センサが、磁性貫通軸の回転を検出するために使用されうる。一実施形態において、3つのセンサが、90度の位相差の正弦/余弦信号を提供するために使用される。これらの信号が、貫通軸のリング磁石の回転角を求めるために処理される。
図48は、図49に示すリング磁石4007を用いて回転する貫通軸4005の角度位置を検出するために、複数の磁気センサ4002a〜4002cを有する例示的センサ4000を示す。磁気センサ4002の配置は、図39に関連して示し、説明した方法と類似の方法で提供されうる。センサからの出力は、上および下で説明されるように、増幅器4004で増幅され、フィルタ4006でフィルタをかけられ、Vsin(θ)およびVcos(θ)として出力されうる。リング磁石4007の磁極対の数が、機械的な1回転360度における、磁気の正弦波信号の周波数を決定することを理解されたい。
3−磁気センサは、例えば、軸上の円盤磁石の回転角度を求めるために、逆正接などの補間を使用して操作されうる、貫通軸に対する正弦/余弦信号を提供することができる。この配置は、従来のデバイスと比較して、対面形の角度感知用途における不整合振動誤差に対して、改善された許容差を達成する。
図49に示す例示的一実施形態において、上部センサTが、Vsin(θ)=Vhall(T)として出力信号をもたらし、左および右のセンサL、Rが、Vcos(θ)=Vhall(L)+Vhall(R)をもたらすために使用される。代替の一実施形態において、第1および第2の対の4つのセンサが、第1および第2の差動信号をもたらすために使用されうる。例えば、4つのホール素子が、上述のように、一方の対の差動信号と、他方の対の付加的信号とを取ることにより、直角位相信号を生成することができる。例示的シミュレーションにおいて、3つのホール素子の使用が、図49に示す用途に対する4つの素子を上回る、優れた性能をもたらすことに留意されたい。4感知素子構成が提供される場合は、センサ素子のうちの1つは、電力消費を削減するために、任意選択で電源オフにされてよい。
図50は、図49に示す構成など、例示的リング磁石構成に対する感知素子T、B、L、Rのそれぞれに対する、未処理のホール素子信号を示す。未処理信号は、上部センサ素子Tと下部センサ素子Bの間、および左素子Lと右素子Rの間の間隔1.8mmに対して示される。差動素子の間のホール間隔が、得られる直角位相とは無関係であることが理解されよう。すなわち、直角位相の正弦/余弦関係は、リング磁石の磁極の間隔に無関係であり、磁気素子の機械的配列によって決まる。
図51は、Vsin(θ)およびVcos(θ)を示し、ここで、Vsin(θ)=Vhall(T)およびVcos(θ)=Vhall(L)+Vhall(R)である。信号は、利得またはオフセットの補正なしに示される。
例示的一実施形態において、正弦波補間処理が、図52に示すように実施される。特定の一実施形態において、逆正接関数4050が、補間のために使用される。逆正接処理が正弦波信号に実施された後、正弦波信号の90度位相関係の中、または正弦波信号の利得/オフセットの中に、何らかの誤差が依然として存在することが、理解されよう。入力正弦波誤差は、逆正接処理における出力誤差を生じる可能性がある。出力誤差は、逆正接モジュールの後端で、線形化処理4052を使用して縮小されうる。図53は、線形化のない出力誤差のレベルを示し、図54は、線形化後の出力誤差のレベルを示す。
図55は、本発明の例示的実施形態によるセンサを提供するための、ステップの例示的なシーケンスを示す。ステップ5000で、第1(例えば、上)、第2(例えば、左)、および第3(例えば、右)のセンサからの情報が、受けられる。情報は、装着された磁石を有する軸の回転に対応する。ステップ5002で、第1の正弦波出力信号、例えば、Vsin(θ)が、第1のセンサ(Vhall(T))から生成される。ステップ5004で、第2の正弦波信号、例えば、Vcos(θ)が、第2および第3のセンサ信号、例えば、Vhall(L)、Vhall(R)から生成される。
ステップ5006で、補間処理が、第1および第2の出力信号に実施される。一実施形態において、逆正接が、補間に使用される。ステップ5008で、線形化処理が、出力誤差を縮小するために、出力信号に実施される。ステップ5010で、センサ出力信号が、生成される。
例示される実施形態は、線形ホール効果デバイスを使用して正弦波信号の生成を提供するが、磁気抵抗器(MR)、磁気トランジスタ、巨大磁気抵抗(GMR)センサ、または異方性磁気抵抗(AMR)センサなど、様々な他の磁気センサが、使用されうる。さらに、正弦波波形が示される一方で、他の適切な波形が、特定の用途の必要性を満たすために、使用されうることが理解される。
上記の実施形態に基づく本発明の他の特徴および利点が、当業者には理解されよう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲で示されるものを除けば、特別に示され説明されたものによって、限定されるものではない。本明細書に言及されるすべての出版物および参考資料は、参照によりその全体が、本明細書に明確に組み込まれる。

Claims (29)

  1. 磁石と、
    前記磁石に対して位置付けられた第1、第2、第3、および第4のセンサ素子と、
    前記第1、第2、第3、および第4のセンサ素子からの出力信号を処理して、第1および第2の差動信号を生成し、前記第1および第2の差動信号の直角位相関係を最大化することにより、前記磁石に対する前記第1、第2、第3、および第4のセンサ素子の位置的不整合の影響を最小化するための、アナログ信号処理モジュールと、
    を備える、センサ。
  2. 前記センサ素子は、ホール素子を含む、請求項1に記載のセンサ。
  3. 前記センサは正確に4つのホール素子を含む、請求項1に記載のセンサ。
  4. 前記第1のホール素子は第1の出力信号Tを生成するTOPであり、前記第2のホール素子は第2の出力信号Rを生成するRIGHTであり、前記第3のホール素子は出力信号Bを生成するBOTTOMであり、前記第4のホール素子は出力信号LEFTを生成し、第1の差動信号はsig1=(T−B)/2であり、第2の差動信号はsig2=(L−R)2である、請求項2に記載のセンサ。
  5. 前記磁石は円盤磁石である、請求項1に記載のセンサ。
  6. 前記磁石は2つの磁極を有する、請求項1に記載のセンサ。
  7. 磁石に対して第1、第2、第3、および第4のセンサ素子を位置付けるステップと、
    前記第1、第2、第3、および第4のセンサ素子からの出力信号を処理して、第1および第2の差動信号を生成し、前記第1および第2の差動信号の直角位相関係を最大化することにより、前記磁石に対する前記第1、第2、第3、および第4のセンサ素子の位置的不整合の影響を最小化するための、アナログ信号処理モジュールを提供するステップと、を含む、方法。
  8. 前記センサ素子はホール素子を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記センサは正確に4つのホール素子を含む、請求項7に記載の方法。
  10. 前記第1のホール素子が第1の出力信号Tを生成するTOPであり、前記第2のホール素子は第2の出力信号Rを生成するRIGHTであり、前記第3のホール素子が出力信号Bを生成するBOTTOMであり、前記第4のホール素子が出力信号LEFTを生成し、第1の差動信号がsig1=(T−B)/2であり、第2の差動信号がsig2=(L−R)2である、請求項8に記載の方法。
  11. 前記磁石は円盤磁石である、請求項7に記載の方法。
  12. 前記磁石は2つの磁極を有する、請求項7に記載の方法。
  13. 磁石と、
    前記磁石に装着された部材の回転を検出するために、前記磁石に対して位置付けられた第1、第2、および第3のセンサ素子と、
    前記第1、第2、および第3のセンサ素子からの出力信号を処理して、前記第1のセンサ素子から第1の信号を、前記第2および第3のセンサ素子から第2の信号を生成し、前記第1および第2の信号の直角位相関係を最大化することにより、前記磁石に対する前記第1、第2、および第3のセンサ素子の不整合による位置的誤差を最小化するための、アナログ信号処理モジュールと、を備える、センサ。
  14. 前記センサ素子はホール素子を含む、請求項13に記載のセンサ。
  15. 前記センサは第4のセンサ素子を含み、前記第2の信号が差動である、請求項13に記載のセンサ。
  16. 前記第1のセンサ素子が第1の出力信号Tを生成するTOPであり、前記第2のセンサ素子は第2の出力信号Rを生成するRIGHTであり、前記第3のセンサ素子は出力信号Lを生成するLEFTであり、前記第1の信号がVsin(θ)=Vhall(T)であり、前記第2の信号がVcos(θ)=Vhall(L)+Vhall(R)である、請求項13に記載のセンサ。
  17. 前記部材は貫通軸である、請求項13に記載のセンサ。
  18. 磁石に装着された部材の回転を検出するために、前記磁石に対して位置付けられた第1、第2、および第3のセンサ素子を提供するステップと、
    前記第1、第2、および第3のセンサ素子からの出力信号を処理して、前記第1のセンサ素子から第1の信号を、前記第2および第3のセンサ素子から第2の信号を生成するステップであって、前記第1および第2の信号の直角位相関係を最大化することにより、前記磁石に対する前記第1、第2、および第3のセンサ素子の位置的不整合の影響を最小化するための、ステップと、を含む、方法。
  19. 前記センサ素子はホール素子を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記センサが第4のセンサ素子を含み、前記第2の信号が差動である、請求項18に記載の方法。
  21. 前記第1のセンサ素子は第1の出力信号Tを生成するTOPであり、前記第2のセンサ素子は第2の出力信号Rを生成するRIGHTであり、前記第3のセンサ素子は出力信号Lを生成するLEFTであり、前記第1の信号はVsin(θ)=Vhall(T)であり、前記第2の信号はVcos(θ)=Vhall(L)+Vhall(R)である、請求項18に記載の方法。
  22. 前記部材は貫通軸である、請求項18に記載の方法。
  23. 軸に添付された磁石と、
    前記軸の回転を検出するように位置付けられた第1、第2、および第3の磁気センサ素子と、
    前記第1、第2、および第3のセンサ素子からの信号から、90度の正弦/余弦信号を生成し、前記正弦/余弦信号の直角位相関係を最大化することによる、アナログ逆正接処理モジュールと、を備える、磁気センサ。
  24. 前記正弦信号は前記第1のセンサ素子から生成され、前記余弦信号は前記第2および第3のセンサ素子から生成される、請求項23に記載のセンサ。
  25. 前記正弦および余弦信号における出力誤差を縮小するための線形化モジュールをさらに含む、請求項23に記載のセンサ。
  26. 前記磁石はリング磁石を含む、請求項23に記載のセンサ。
  27. 磁石と、
    第1、第2、および第3の磁気センサ素子と、
    前記第1、第2、および第3の磁気センサ素子から、前記磁石の角度位置情報を提供する正弦および余弦出力信号を、直角位相で生成するためのアナログ処理モジュールと、を備える、センサ。
  28. 前記余弦出力信号は差動である、請求項27に記載のセンサ。
  29. 前記余弦信号は、前記第2および第3の磁気センサ素子から生成される、請求項27に記載のセンサ。
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