JP2001264109A - エンコーダ装置とその信号処理方法 - Google Patents

エンコーダ装置とその信号処理方法

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JP2001264109A
JP2001264109A JP2000072288A JP2000072288A JP2001264109A JP 2001264109 A JP2001264109 A JP 2001264109A JP 2000072288 A JP2000072288 A JP 2000072288A JP 2000072288 A JP2000072288 A JP 2000072288A JP 2001264109 A JP2001264109 A JP 2001264109A
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signal
amplifier
adder
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JP2000072288A
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Yasushi Yoshida
吉田  康
Kazunari Matsuzaki
一成 松崎
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Yaskawa Electric Corp
Original Assignee
Yaskawa Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンコーダの外形サイズに依存せず、検出素
子の機械的な調整を軽減ないし不要とする。 【解決手段】 エンコーダ装置において、第1の位置検
出手段から出力されるA相信号を増幅する第1の増幅器
13と、第1の増幅器から出力されるA相増幅信号とB
相信号とを加算する加算器14と、加算器14の出力信
号とA相信号との位相差が90°となるように加算器1
4の出力信号とA相信号とを観測しながら第1の増幅器
のゲインを調整する位相測定手段と、加算器14の出力
段に設けられ、加算器14の出力信号とA相信号とを観
測しながら両方の信号の振幅が等しくなるようにゲイン
を調整される第2の増幅器15とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は可動物体、例えばモ
ータの回転位置や工作機械のテーブル等の直線移動位置
を検出するエンコーダ装置とその信号処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】モータにおけるロータ等の回転位置を検
出するエンコーダには、回転位置検出手段として、光電
素子を用いた光学式エンコーダ、磁気感光素子を用いた
磁気式エンコーダ、容量変化を生じる電極を利用した静
電式エンコーダ等が知られている。これらエンコーダで
は、複数の回転位置検出手段から、90゜位相のずれた
A相、B相の回転位置検出信号を得て、この信号を元に
回転位置、回転方向を求めている。しかし、回転位置検
出手段として使用する磁気感応素子や光電素子等の感度
のばらつきや素子の取り付け誤差の影響で、A相とB相
の回転位置検出信号の振幅に差が生じたり、位相差が9
0°からずれてしまう。すなわち、A相の回転位置検出
信号を第(1)式、B相の回転位置検出信号を第(2)
式で表した場合、Ka≠Kb、α≠90゜となる。 A=Ka・sinθ (1) B=Kb・sin(θ+α) (2) このように、A相とB相の回転位置検出信号の振幅が異
なったり、位相差が90°からずれたりすると、エンコ
ーダの回転位置検出精度が悪くなるといった問題が生じ
る。したがって、従来のエンコーダでは、回転検出手段
として使用する磁気感応素子や光電素子等の取り付け誤
差を抑えるために、製造時に顕微鏡等を用いて磁気感応
素子や光電素子の取り付け位置を高精度に機械的に調整
していた。または、図8に示す特開平2−251720
のような構成で、A相とB相の回転位置検出信号の振
幅、位相差を電気的に調整していた。このエンコーダに
おける調整方法を説明する。まず、差動配置した磁気感
応素子や光電素子等の回転位置検出手段からのa+信号
とa−信号およびb+信号とb−信号を差動増幅器16
a、16bにより差動増幅し、A相、B相の回転位置検
出信号を得る。このA相、B相の信号を、A/D変換器
61a、61bでデジタル信号に変換し、プロセッサ6
2に入力する。プロセッサ62は、A相、B相の信号の
最大値、最小値から、それぞれの振幅Ka、Kbを求め
る。この振幅Ka、Kbの大きさから得られた比Ka/Kb
をB相信号に乗じてることで、振幅の等しいA'、B'が
得られる。 A'=A=Ka・sinθ (3) B'=(Ka/Kb)・B=Ka・sin(θ+α) (4) 次に、A'とB'とのリサージュ波形である楕円の中心か
らの距離rを求めると、 r=(A'2+B'21/2=Ka{sin2θ+sin2(θ+α)}1/2 (5) この楕円の半径rが、楕円の長軸状の両端および短軸上
の両端で極大値又は極小値となることから、半径rの2
乗r2を求め、 r2=Ka2{sin2(θ+α)+sin2(θ+α)} (6) θで微分すると r2/dθ=Ka2{2sinθcosθ+2sin(θ+α)cos(θ+α)} =Ka2{sin2θ+2sin(2θ+α)} =2Ka2sinα(2θ+α)cosα (7) αの値は90゜ではないので、cosαも0ではない。よ
って、r2の微分が0となる点は、 sin(2θ+α)=0 (8) ゆえに、2θ+α=nπ/2のとき第(8)式は0とな
るから、θ=−α/2、θ=π/2−α/2、 θ
=π−α/2、θ=3π/2−α/2のとき楕円の半径
rは極大、極小となり、半径rの極大値は第(5)式よ
り、 θ=−α/2、π−α/2のとき、r=√2・Ka|sin(α/2)| (9) θ=π/2−α/2、3π/2−α/2のとき、 r=√2・Ka|cos(α/2)| (10) となる。すなわち、位相誤差αの値が90゜より小さい
ときは、cos(α/2)>sin(α/2)となり、楕円の
半径rの最大値r(max)、最小値r(min)は次の第(1
1)式、第(12)式のようになる。 r(max)=√2・Ka・cos(α/2) (11) r(min)=√2・Ka・sin(α/2) (12) また、位相誤差αの値が90゜より大きいときは、cos
(α/2)<sin(α/2)となり、楕円の半径rの最
大値r(max)、最小値r(min)は次の第(13)式、第
(14)式のようになる。 r(min)=√2・Ka・sin(α/2) (13) r(min)=√2・Ka・cos(α/2) (14) その結果、α<90゜のとき、すなわち長軸であるr(m
ax)が第1、第3象限にあるとき、第(11)、第(1
2)式より、 α=2・tan-1(r(min)/r(max)) (15) 一方、α>90゜のとき、すなわち長軸であるr(max)
が第2、第4象限にあるとき、第(13)、第(14)
式より、 α=2・tan-1(r(max)/r(min)) (16) として、位相が求められる。次に、上記第(4)式の
B'からcosα・A’を減じたものをsinαで割った値
B''を求めると、第(17)式に示されるように、補正
信号A'に対して振幅同一で位相差が90゜の信号B''
を求めることができる。 B''=(B'−cosα・A')/sinα =(Ka・sin(θ+α)−Ka・sinθcosα)/sinα =Ka・cosθ (17) 従来のエンコーダでは、上記のように機械的あるいは電
気的手段により、A相とB相の回転位置検出信号の振
幅、位相差の調整をおこなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来は、A
相とB相の回転位置検出信号の振幅、位相差を調整する
ために、エンコーダの製造時に、顕微鏡等を用いて磁気
感応素子や光電素子等の回転位置検出手段を高精度に取
り付け、機械的に精密調整する必要があった。そのた
め、エンコーダ製造時に、調整に要する労力が大きく、
調整コストがかかるという問題点があった。また、従来
の電気的調整では、A相とB相の位相差αを直接求めな
ければならず、そのためにディジタル演算処理を必要と
し装置の構成が煩雑であった。具体的には、回転位置検
出手段として用いる磁気感応素子や光電素子からのアナ
ログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換部が必
要であり、さらにディジタル信号の演算のためにCPU
やDSPといったプロセッサも必要であり、装置の構成
が煩雑となるとともにコストも高くなるといった問題点
があった。特に、エンコーダの外形サイズが小型になれ
ばなるほど検出素子の調整に要する労力とコストが大き
くなっていた。本発明はこれらの問題点に鑑みてなされ
たものであり、エンコーダの外形サイズに依存せず、検
出素子の機械的な調整を軽減ないし不要とするエンコー
ダ装置を提供し、さらにA、B相の振幅、位相調整に必
要とされたA/D変換器やマイクロプロセッサを不要と
し、エンコーダ装置のコストを低減することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
請求項1記載の発明は、 可動物体の近傍に配置した第
1の位置検出手段と前記第1の位置検出手段と互いに電
気角で90°位相の異なるように配置した第2の位置検
出手段とを持つエンコーダ装置において、前記第1の位
置検出手段から出力されるA相信号を増幅する第1の増
幅器と、前記第1の増幅器から出力されるA相増幅信号
と前記第2の位置検出手段から出力されるB相信号とを
加算する加算器とを備えたものである。また、請求項2
記載の発明は前記加算器の出力段または第1の増幅器と
並列に設けられ前記加算器の出力信号と前記A相信号と
の振幅が等しくなるようにゲインを調整される第2の増
幅器とを備え、前記第2の増幅器の出力信号を真のB相
信号として用いるものである。また、請求項3記載の発
明は前記エンコーダ装置において、前記第1の位置検出
手段から出力されるA相信号を増幅する第1の増幅器
と、前記第1の増幅器から出力されるA相増幅信号と前
記第2の位置検出手段から出力されるB相信号とを加算
する加算器と、前記加算器の出力信号と前記A相信号と
の位相差が90°となるように前記加算器の出力信号と
前記A相信号とを観測しながら前記第1の増幅器のゲイ
ンを調整する位相測定手段と、前記加算器の出力段に設
けられ、前記加算器の出力信号と前記A相信号とを観測
しながら両方の信号の振幅が等しくなるようにゲインを
調整される第2の増幅器と、前記第2の増幅器出力信号
を真のB相信号として用いたものである。また、請求項
4記載の発明は前記第1の増幅器が正負両極性の倍率で
調整できる可変倍率信号増幅器としたものである。ま
た、請求項5記載のの発明は前記第1の増幅器が増幅率
調整可能な非反転増幅器と差動増幅器とから構成したも
のである。また、請求項6の発明は前記第1の増幅器が
増幅率調整可能な反転増幅器と加算器とから構成される
ものである。また、請求項7記載の発明は可動物体の近
傍に配置した第1の位置検出手段と前記第1の位置検出
手段と互いに電気角で90°位相の異なる位置に配置し
た第2の位置検出手段とを持つエンコーダ装置の信号処
理方法において、前記第1の位置検出手段から出力され
るA相信号を第1の増幅器により増幅したA相増幅信号
を作成し、前記A相増幅信号と前記第2の位置検出手段
から出力されるB相信号とを加算器へ入力し、前記加算
器から出力信号と前記A相信号との位相差が90°とな
るように前記加算器の出力信号と前記A相信号とを位相
測定手段により観測しながら前記第1の増幅器のゲイン
を調整し、前記加算器の出力段に設けられた第2の増幅
器で前記加算器の出力信号と前記A相信号とを観測しな
がら、両方の信号の振幅が等しくなるように前記第2の
増幅器のゲインを調整し、前記第2の増幅器出力信号を
真のB相信号として用いるエンコーダ装置の信号処理方
法である。また、請求項8記載の発明は前記位相測定手
段がゲインフェーズメータまたはオシロスコープとした
ものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のエンコーダは、位置検出
手段として、ホール素子、MR素子、GMR素子、MI
素子等の磁気感応素子を利用して回転位置を検出する磁
気式エンコーダや、フォトトランジスタ、フォトダイオ
ード等の光電素子を利用した光学式エンコーダ、または
電気容量の変化を検出する電極を利用した静電容量式エ
ンコーダに適用することが可能である。またモータ等の
回転位置を検出するロータリエンコーダだけでなく、ス
ライダー等の直線移動位置を検出するリニアエンコーダ
に適用することができる。以下、本発明の実施形態を図
を用いて説明する。図1は、本発明のエンコーダのアナ
ログ信号調整部の実施形態を示すブロック図である。1
6a、16bは差動増幅器で、差動配置した磁気感応素
子や光電素子等の回転位置検出手段からのa+信号とa
−信号およびb+信号とb−信号を差動増幅しA相信
号、B相信号の回転位置検出信号を得る。13は増幅率
調整可能な第1の増幅器、14は加算器、15は増幅調
整可能な第2の増幅器である。ここで、本発明のエンコ
ーダを用いて、第(19)式で表されるA相信号と第
(20)式で表されるB相信号の振幅、位相差の調整を
おこなう手順を説明する。 A=Ka・sinθ (19) B=Kb・sin(θ+α) (20) まず、第1の増幅器13によりA相信号をゲインG1倍
に増幅し、第(21)式のようなA相増幅信号である
A'相信号を得る。次に、加減算器14により、A'相信
号とB相信号を加えると第(22)式のようなB'信号
が得られる。 A'=G1・Ka・sinθ (21) B'=B+A'=Kb・sin(θ+α)+G1・Ka・sinθ =Kb・sinθcosα+Kb・cosθsinα+G1・Ka・sinθ =(Kb・cosα+G1・Ka)sinθ+Kb・sinαcosθ (22) 第(22)式より、Kb・cosα+G1・Ka=0が成り
立つとき、B'=Kb・sinαcosθとなり、A相信号と信
号B'の位相差は90゜になる。つまり、 G1=−(Kb/Ka)cosα (23) となるように第1の増幅器13のゲインG1を調整すれ
ば、90゜位相のずれたB'信号をつくることができ
る。第(23)式より、A相、B相の位相差αが、90
゜より大きいとき第1の増幅器13のゲインG1は正の
値、90゜より小さいときG1は負の値をとる必要があ
る。また、位相差αが90゜のときは、位相調整は不要
でG1=0、つまりB相信号にA相信号を加える必要は
ない。このように、A相、B相の位相差αの値に従っ
て、第1の増幅器13はゲインG1の極性を切り替えら
れるように構成する必要がある。つぎに、増幅調整可能
な第2の増幅器15により、位相差調整後の信号B'の
振幅を調整を行うことにより、A相信号と信号B'の振
幅をそろえることができる。第2の増幅器15で振幅を
調整しても、調整済みの位相差には影響しないため、位
相差調整と振幅調整を独立におこなうことができ、非常
に簡単に調整することができる。また、調整箇所が第1
の増幅器13と第2の増幅器15の2箇所と少ないこと
も本エンコーダの特長である。
【0006】以下、本発明の第1の実施例を以下に示
す。第1の実施例では、図3の特願平10−54148
2号の磁気式エンコーダに適用した例を示す。図におい
て、31は回転体、32は回転体に固定された永久磁石
で、32の平面部に回転体31の軸に垂直方向と平行に
一方向に磁化させた。34、35、36、37は固定体
33に互いに周方向に90゜間隔で取り付けられた4個
の磁気検出素子で、永久磁石32の外周面に対して空壁
を介して対向し、かつ互いに機械角で90゜ずらしてa
+相検出素子34とb+相検出素子35を設け、さらに
a+相検出素子34に対して機械角で180゜位相をず
らしてa−相検出素子36を、b+相検出素子に対し
て、b−相検出素子37を設けた。本発明のエンコーダ
の第1の回転位置検出手段として、単数の素子を利用し
てもかまわないが、好ましくはa+相検出素子34とa
−相検出素子36のように差動配置した複数の素子を利
用すると耐ノイズ性等で有利である。同様に、第2の回
転位置検出手段として、単数の素子を利用しても、複数
の素子を利用してもかまわない。上記の磁気式エンコー
ダの信号処理部として、図1のブロック図の回路を使用
した。A相、B相の位相差αの値に従って、第1の増幅
器13のゲインG1の極性を切り替えられるように、第
1の増幅器13は図2のようなアナログ回路で構成し
た。20は反転増幅器、21は加算器であり、22、2
4、25、26は固定抵抗器、23は可変抵抗器、2
7、28は演算増幅器である。A相信号は加算器21の
第1の入力信号になるとともに、反転増幅器20の入力
信号となる。反転増幅器20の可変抵抗23の値を調整
することにより反転増幅器20のゲインg1を調整する
ことができる。加算器21によりA相信号と反転増幅器
20の出力を加えることにより、加算器21の出力信号
は、−(g1+1)・Ka・sinθとなる。したがって、
第1の増幅器13のゲインG1は、G1=−(g1+
1)になる。ここで、反転増幅器20のゲインg1を−
1以上0以下に調整した場合はG1は−1以上0以下と
なり、ゲインg1を−1以下に調整した場合はG1は0
以上になる。つまり、第1の増幅器のゲインG1は正負
の値を取ることができ、信号B'の位相を進めることも
遅らせるようにも調整することもできる。なお、ゲイン
G1の負側は、0から−1倍の値しかとれないが、A相
信号とB相信号の振幅が同じ場合、45゜までは信号
B'の位相を調整できることになる。通常、磁気式エン
コーダでも光学式エンコーダでも静電容量式エンコーダ
でも機械的取り付けによる位相誤差は、45゜以内であ
るため実用上問題はない。上記構成のエンコーダにおい
て、磁気検出素子34、35、36、37の取り付け位
置調整をせずに、A相信号とB相信号の振幅、位相を測
定すると、図4のリサージュ波形のように、振幅差が9
%以上、位相誤差が22゜あった。そこで、機械的な調
整をせずに、本発明のエンコーダの信号処理部により電
気的な調整をおこなった。まず、A相信号を第1の増幅
器13によりゲインG1倍し、B相信号を加算器14に
より加えた。加算器14の出力信号B'とA相信号の位
相差が90゜となるように、信号B'とA相信号のリサ
ージュ信号をオシロスコープでモニタしながらゲインG
1を調整、具体的には可変抵抗23の抵抗値を調整し
た。別の方法として、ゲインフェーズメータなどの位相
差を定量的にモニタできる測定器を使って調整してもよ
い。さらに、位相調整後の信号B'の後段に取り付けた
第2の増幅器により振幅調整をおこなった。その際、振
幅調整のために第2の増幅器の増幅率を調整しても、信
号B'とA相信号の位相関係は変化しなかった。本発明
のエンコーダを用いることにより、機械的調整を全くお
こなわずに、電気的調整のみにより、図5のリサージュ
波形のように振幅誤差0.5%以下、位相誤差2゜以下
に調整できた。一方、磁気検出素子34、35、36、
37の取り付けの機械的調整により、位相誤差を2°以
下に抑えたところ、調整に15分を要した。本発明のエ
ンコーダを用いることにより、この機械的調整作業を全
く行わずに、同等の性能を得ることができるため、調整
に要する製造コストを大幅に削減できる。なお、第1の
増幅器13としては、反転増幅器20の代わりに非反転
増幅器、加算器21の代わりに差動増幅器を用いて構成
することも可能である。また、位相調整後の振幅調整
は、加算器の出力信号もしくはA相信号のどちらか一方
の振幅を他方の振幅と同じになるよう調整すればよい。
したがって、この振幅調整のための第2の増幅器は加算
器の出力段または第1の増幅器と並列に設けることがで
きる。
【0007】次に、本発明の第2の実施例を以下に示
す。第2の実施例は、図6に示す光学式のエンコーダに
適用した。図6において、41は回転体、42は回転体
41に回転軸を同一になるように固定された中空円盤状
のガラスディスクで、42の平面部に回転スリット43
を回転体41の同心円上に形成した。この回転スリット
43を挟むように、発光素子44と受光素子アレイ45
を対向し固定させた。また、受光素子45と回転スリッ
ト43の間には、固定スリット46を固定させた。固定
スリット46は図7のように、a+スリット51、b+
スリット52、a−スリット53、b−スリット54を
設けてた。回転体41が回転して、回転スリット43の
スリットパターンがa+スリット51と一致したとき、
a−スリット53も一致するが、b+スリット52、b
−スリット54は、1/4スリット分だけずれるように
形成した。つまりa+スリット51あるいはa−スリッ
ト53と、b+スリット52あるいはb−スリット54
とは、90°の位相差が生じるように形成させた。受光
素子アレイ45として、各51〜54の各分割スリット
に対応して、4つに分割されたホトダイオードアレイを
使用した。回転スリット43のスリットは1周(機械角
360゜)に3000本程度あり、電気角360゜は機
械角0.1゜程度、長さに換算して30μm程度しかな
い。そのため、この回転スリット43に対して、正確な
アライメント調整をおこなって固定スリットを取り付け
るのは非常に難しく通常顕微鏡を用いて超精密な位置合
わせをおこなっている。実際に、顕微鏡を用いた精密な
機械的な調整を5分間おこなっても位相誤差が5゜生じ
た。本発明のエンコーダを用いた場合、機械的には粗調
整しかおこなわず位相誤差が10°生じていたが、電気
的調整をおこなうことにより、位相誤差を1゜以下まで
調整することができた。この電気的調整には2分間をよ
うした。したがって、本発明のエンコーダを用いること
により、短い調整時間で、同等の以上の性能を得ること
ができるため、調整に要する製造コストを低減できる。
【0008】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば可動
物体の近傍に配置した第1の位置検出手段と前記第1の
位置検出手段と互いに電気角で90°位相の異なる位置
に配置した第2の位置検出手段とを持つエンコーダ装置
において、前記第1の位置検出手段から出力されるA相
信号を増幅する第1の増幅器と、前記第1の増幅器から
出力されるA相増幅信号と前記第2の位置検出手段から
出力されるB相信号とを加算する加算器と、前記加算器
の出力信号と前記A相信号との位相差が90°となるよ
うに前記加算器の出力信号と前記A相信号とを観測しな
がら前記第1の増幅器のゲインを調整する位相測定手段
と、前記加算器の出力段に設けられ、前記加算器の出力
信号と前記A相信号とを観測しながら両方の信号の振幅
が等しくなるようにゲインを調整される第2の増幅器
と、前記第2の増幅器出力信号を真のB相信号として用
いたので、簡単な回路構成で、エンコーダの振幅、位相
調整ができる。そのために、従来おこなっていた回転位
置検出手段の機械的な取り付け調整を軽減もしく不要に
するため、機械的な調整に要していた労力が軽減もしく
は不要となる。また、従来、振幅、位相調整を電気的に
おこなうために必要であったA/D変換部や、プロセッ
サが不要になり、装置の構成が簡単になり、装置のコス
トを低減できる。さらに、本発明のエンコーダは、位相
差調整と振幅を独立に調整できるため、非常に簡単に調
整がおこなえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例の第1の信号増幅器の回路図で
ある。
【図3】本発明を具体的に適用した磁気式エンコーダの
構成図である。
【図4】本発明の適用前の磁気式エンコーダの2信号の
リサージュ波形である。
【図5】本発明の適用後の磁気式エンコーダの2信号の
リサージュ波形である。
【図6】本発明を具体的に適用した光学式エンコーダの
構成図である。
【図7】本発明を具体的に適用した光学式式エンコーダ
の固定スリットの概略図である。
【図8】従来のエンコーダのブロック図である。
【符号の説明】
16a、16b 差動増幅器 22、24、25、26 固定抵抗器 23 可変抵抗器 27、28 演算増幅器 13 第1の増幅器 14 加算器 15 第2の増幅器 20 反転増幅器 21 加算器 34、35、36、37 磁気検出器 31、41 回転体 32 永久磁石 33 固定体 42 ガラスディスク 43 回転スリット 44 発光素子 45 受光素子アレイ 46 固定スリット 51、52、53、54 分割スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F077 AA20 AA46 AA48 CC02 HH00 JJ08 JJ09 JJ23 MM16 QQ05 TT21 TT42 UU19 UU20 2F103 BA31 CA02 DA01 DA13 EA02 EA12 EA24 EB01 EB12 EB33 ED02 FA12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動物体の近傍に配置した第1の位置検
    出手段と前記第1の位置検出手段と互いに電気角で90
    °位相の異なるように配置した第2の位置検出手段とを
    持つエンコーダ装置において、 前記第1の位置検出手段から出力されるA相信号を増幅
    する第1の増幅器と、 前記第1の増幅器から出力されるA相増幅信号と前記第
    2の位置検出手段から出力されるB相信号とを加算する
    加算器とを備えたことを特徴とするエンコーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記加算器の出力段または第1の増幅器
    と並列に設けられ前記加算器の出力信号と前記A相信号
    との振幅が等しくなるようにゲインを調整される第2の
    増幅器とを備え、前記第2の増幅器の出力信号を真のB
    相信号として用いる請求項1記載のエンコーダ装置。
  3. 【請求項3】 前記エンコーダ装置において、前記第1
    の位置検出手段から出力されるA相信号を増幅する第1
    の増幅器と、 前記第1の増幅器から出力されるA相増幅信号と前記第
    2の位置検出手段から出力されるB相信号とを加算する
    加算器と、 前記加算器の出力信号と前記A相信号との位相差が90
    °となるように前記加算器の出力信号と前記A相信号と
    を観測しながら前記第1の増幅器のゲインを調整する位
    相測定手段と、 前記加算器の出力段に設けられ、前記加算器の出力信号
    と前記A相信号とを観測しながら両方の信号の振幅が等
    しくなるようにゲインを調整される第2の増幅器と、 前記第2の増幅器出力信号を真のB相信号として用いる
    ことを特徴とするエンコーダ装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の増幅器が正負両極性の倍率で
    調整できる可変倍率信号増幅器である請求項1から3の
    いずれかに記載のエンコーダ装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の増幅器が増幅率調整可能な非
    反転増幅器と差動増幅器とから構成される請求項1から
    4のいずれかに記載のエンコーダ装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の増幅器が増幅率調整可能な反
    転増幅器と加算器とから構成される請求項1から4のい
    ずれかに記載のエンコーダ装置。
  7. 【請求項7】 可動物体の近傍に配置した第1の位置検
    出手段と前記第1の位置検出手段と互いに電気角で90
    °位相の異なるように配置した第2の位置検出手段とを
    持つエンコーダ装置の信号処理方法において、 前記第1の位置検出手段から出力されるA相信号を第1
    の増幅器により増幅したA相増幅信号を作成し、 前記A相増幅信号と前記第2の位置検出手段から出力さ
    れるB相信号とを加算器へ入力し、 前記加算器から出力信号と前記A相信号との位相差が9
    0°となるように前記加算器の出力信号と前記A相信号
    とを位相測定手段により観測しながら前記第1の増幅器
    のゲインを調整し、 前記加算器の出力段に設けられた第2の増幅器で前記加
    算器の出力信号と前記A相信号とを観測しながら、両方
    の信号の振幅が等しくなるように前記第2の増幅器のゲ
    インを調整し、前記第2の増幅器出力信号を真のB相信
    号として用いることを特徴とするエンコーダ装置の信号
    処理方法。
  8. 【請求項8】 前記位相測定手段がゲインフェーズメー
    タまたはオシロスコープである請求項7記載のエンコー
    ダ装置の信号処理方法。
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