詳細な説明
定義
本明細書で用いられる「障害」とは、線維症を軽減する薬剤から利益を得る任意の障害、疾患、または状態である。例えば、細胞外マトリックス内における線維性物質の過剰生成を含む、線維性物質の過剰生成を特徴とする、疾患、障害、および状態が含まれる。また、マトリックス会合成分の異常で、非機能的で、かつ/または過剰な蓄積による正常な組織エレメントの置換を特徴とする疾患、障害、および状態も含まれる。
本明細書で用いられる「対象」とは、ヒト、家畜動物、農場動物、動物園動物、競技動物、およびペット動物(イヌ、ウマ、ネコ、ヒツジ、ブタ、ウシなど)を含む任意の哺乳動物を指す。本明細書で好ましい哺乳動物は、成人、小児、および老齢者を含めたヒトである。対象はまた、動物園鳥類、競技鳥類、およびペット鳥類を含む鳥類でもありうる。
本明細書で用いられる「予防する(preventing)」とは、予防されるものまたはイベントの生成または発生を全体的もしくは部分的に予防するか、またはこれらを改善するかもしくは制御するか、またはこれらを軽減するかもしくは停止させることを意味する。
本発明の化合物または組成物に関して本明細書で用いられる「治療有効量」または「有効量」とは、所望の生物学的結果、薬学的結果、または治療結果を誘導するのに十分な量を指す。その結果は、疾患もしくは障害もしくは状態の徴候、症状、もしくは原因の緩和、または生物学的系の他の任意の望ましい変化でありうる。本発明において、結果は、線維症を予防することを含む。
本明細書で用いられる「治療する(treating)」および「治療(treatment)」という用語は、治療的処置および予防(prophylactic)措置または予防(preventative)措置の両方を指す。治療を必要とするものは、すでに障害を有するもののほか、障害を有する傾向があるかもしくは障害を有すると診断されたもの、または障害が予防されるべきものを含む。したがって、線維症の形成前または線維症性組織の形成前に投与される本発明の化合物および組成物および製剤の抗線維症性適用は、本発明の範囲内である。
本明細書で用いられる「抗コネキシン剤」とは、コネキシン、コネキシンヘミチャネル(コネクソン(connexin))、またはギャップジャンクションの活性、発現、または形成に影響を及ぼすかまたはこれを調節する化合物である。抗コネキシン剤は、限定せずに述べると、アンチセンス化合物(例えば、アンチセンスポリヌクレオチド)、RNAi化合物およびsiRNA化合物、抗体およびそれらの結合フラグメント、ならびに「ペプチド模倣剤」含むペプチドおよびポリペプチドと、ペプチド類似体とを含む。抗コネキシンポリヌクレオチド、および抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤に加えて、他の抗コネキシン剤は、ギャップジャンクション閉鎖化合物(例えば、コネキシンリン酸化化合物)、線維症、および/または線維症性疾患、線維症性障害、もしくは線維症性状態を予防するそして/または軽減するのに有用なヘミチャネル閉鎖化合物(例えば、コネキシンリン酸化化合物)、ならびに線維症、または線維症性疾患、線維症性障害、もしくは線維症性状態を予防するそして/または治療するのに有用なコネキシンカルボキシ末端ポリペプチド(これは、例えば、コネキシン43などのコネキシンとZO−1タンパク質の相互作用を遮断するかまたは破壊しうる)を含む。好ましい抗コネキシン剤は、抗コネキシン43剤、抗コネキシン43ギャップジャンクション剤、および抗コネキシン43ヘミチャネル剤である。例示的な抗コネキシン剤は、本明細書においてさらに詳細に論じられる。
「ペプチド模倣剤」および「模倣剤」という用語は、それらが模倣するタンパク質領域と同じ構造的特徴および機能的特徴を実質的に有しうる天然に存在する化合物および合成化合物を含む。コネキシンの場合、これらは、例えば、コネキシン同士のドッキングおよび細胞間のチャネル形成に関与する、向かい合うコネキシンの細胞外ループを模倣してよい。
「ペプチド類似体」とは、鋳型のペプチドの特性に類似する特性を有する化合物を指し、それらは非ペプチド薬剤でありうる。ペプチドベースの化合物を含む「ペプチド模倣剤」(また、「模倣ペプチド」としても公知)はまた、ペプチド類似体などの非ペプチドベースの化合物も含む。治療的に有用なペプチドに対して構造的に類似するペプチド模倣剤を用いて、同等であるかまたは増強された治療効果または予防効果をもたらすことができる。一般に、ペプチド模倣剤は、パラダイムポリペプチド(すなわち、生物学的または薬理学的な機能または活性を有するポリペプチド)と構造的に同一であるかまたはこれに構造的に類似するが、また、場合によって、例えば、−CH2NH−、−CH2S−、−CH2−CH2−、−CH=CH−(シスおよびトランス)、−COCH2−、−CH(OH)CH2−、および−CH2SO−からなる群から選択される結合により置換される1または複数のペプチド結合も有しうる。模倣剤は、天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸類似体だけから構成されたものであっても、部分的に天然のペプチドアミノ酸と部分的に非天然のアミノ酸類似体からなるキメラ分子であってもよい。任意量の天然アミノ酸に対する保存的置換もまた実質的に模倣剤の活性を変化させない限りにおいて、模倣剤はまたこのような置換も含みうる。例えば、模倣剤組成物が、例えば、ヘミチャネル同士のドッキングによるギャップジャンクションを介する細胞間情報伝達の形成を予防すること、またはヘミチャネルの開口による細胞の細胞質の細胞外環境への曝露を予防することなどの、コネキシンタンパク質またはヘミチャネルの生物学的な作用または活性を下方調節することができる場合、それは、抗コネキシン剤として有用でありうる。
ギャップジャンクション改変剤のほか、コネキシンリン酸化化合物およびコネキシンカルボキシ末端ポリペプチドを含むペプチド模倣剤には、本明細書で記載されるかまたは言及されるペプチド模倣剤のほか、現在公知の場合であれ将来的に開発される場合であれ、当技術分野において公知でありうるペプチド模倣剤が含まれる。
本明細書においてその各形態において用いられるコネキシン活性の「調節剤」および「調節」という用語は、コネキシンまたはコネキシンヘミチャネルまたはコネキシンギャップジャンクションの発現または作用または活性に対する全体的または部分的な阻害を指し、抗コネキシン剤として機能しうる。
一般に、「タンパク質」という用語は、1つのアミノ酸(またはアミノ酸残基)のアルファ炭素に結合したカルボン酸基のカルボキシル炭素原子が、隣接するアミノ酸のアルファ炭素に結合したアミノ基のアミノ窒素原子に共有結合する場合に生じるペプチド結合により連結される、2つ以上の個々のアミノ酸(天然の場合であれ非天然の場合であれ)による任意のポリマーを指す。これらのペプチド結合、およびこれらを含む原子(すなわち、アルファ炭素原子、カルボキシルの炭素原子(およびこれらの置換基の酸素原子)、およびアミノの窒素原子(およびこれらの置換基の水素原子))は、タンパク質の「ポリペプチド骨格」を形成する。加えて、本明細書で用いられる「タンパク質」という用語は、「ポリペプチド」および「ペプチド」(本明細書では、場合によって、互換的に用いられうる)という用語を含む形で理解される。同様に、本明細書では、タンパク質のフラグメント、類似体、誘導体、および変異体も「タンパク質」と称し、別段に示されない限り、「タンパク質」であるとみなされるものとする。タンパク質の「フラグメント」という用語は、タンパク質のすべてのアミノ酸残基よりも少数のアミノ酸残基を含むポリペプチドを指す。タンパク質の「ドメイン」もまたフラグメントであり、多くの場合、活性または機能を付与することが必要とされる、タンパク質のアミノ酸残基を含む。
本明細書で用いられる「同時に」が、本発明の1または複数の薬剤を同時に(concurrently)投与することを意味するように用いられるのに対し、「組み合わせて」という用語は、同時にまたは物理的に混合してではないにせよ、それらの両方を治療的に作用させることに利用される時間枠内で「逐次的に」投与することを意味するように用いられる。したがって、「逐次的に」投与することにより、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤の両者が有効量で同時に存在する限りにおいて、1つの薬剤を、他の薬剤の投与後数分(例えば、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30分)以内、またはおおよそ数時間以内、おおよそ数日以内、おおよそ数週間以内、もしくはおおよそ数カ月以内に投与することが可能となりうる。成分の1回または複数回の投与間における時間の遅延(time delay)は、成分の正確な性質、それらの間における相互作用、およびそれら各々の半減期に応じて変化する。
本明細書で用いられる「線維症性」疾患、障害、または状態は、本明細書で言及されるそれらを含み、線維原性に関連する生物学または病理学が明らかである急性症状および慢性症状、臨床症状または無症状をさらに含む。線維症性疾患、線維症性障害、または線維症性状態は、細胞外マトリックス内における線維性物質の過剰生成、またはマトリックス会合成分の異常で、非機能的で、かつ/または過剰な蓄積による正常組織エレメントの置換を含む、線維状物質の過剰生成を全体的または部分的に特徴とする疾患、障害、または状態を含む。線維症性疾患、線維症性障害、または線維症性状態は、例えば、線維症を特徴とする、線維原性に関連する生物学または病理学を含む。
例示的な線維症性疾患、線維症性障害、および線維症性状態は、例えば、強皮症(限局性強皮症、汎発性モルフェア、または線状強皮症を含む)、腎線維症(糸球体硬化症、腎尿細管間質性線維症、進行性腎疾患、または糖尿病性腎症を含む)、心線維症(例えば、心筋線維症)、肺線維症(例えば、糸球体硬化症肺線維症、特発性肺線維症、珪肺症、石綿肺症、間質性肺疾患、間質性線維性肺疾患、および化学療法/放射線照射により誘導される肺線維症)、口腔線維症、心内膜心筋線維症、三角筋線維症、膵炎、炎症性腸疾患、クローン病、結節性筋膜炎、好酸球性筋膜炎、様々な程度で正常な筋肉組織が線維性組織により置換されることを特徴とする一般的な線維症症候群、後腹膜線維症、肝線維症、肝硬変、慢性腎不全;骨髄線維症(myelofibrosis(骨髄線維症(bone marrow fibrosis))、薬剤誘導性麦角中毒、リー−フラウメニ症候群における神経膠芽腫、散発性神経膠芽腫、骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性症候群、婦人科の癌、カポジ肉腫、ハンセン病、コラーゲン蓄積大腸炎、および急性線維症を含む。
線維症性疾患、線維症性障害、および線維症性状態はまた、拘縮を含みうる。術後拘縮を含む拘縮とは、緊張性痙攣もしくは線維症によるか、または正常な組織のコンプライアンス、運動、もしくは平衡(例えば、筋肉、腱、靭帯、筋膜、滑膜、関節包、他の結合組織、または脂肪)の喪失による、運動範囲の永久的または長期的な低下を指す。一般に、拘縮状態は、急性および慢性の炎症成分による線維性反応を伴いうる。その一部は、リリース手順を含む手術と関連しうる。デュピュイトラン拘縮、ペイロニー病、およびレダーホース病などの遺伝性拘縮もまた含まれる。
線維症は、慢性の場合も急性の場合もある。線維症性状態は、組織内における過剰量の細胞外マトリックスの蓄積を含み、機能不全および潜在的には臓器不全を引き起こす組織を形成する、過剰量の線維状組織を含む。慢性線維症は、主要臓器、最も一般的には、肺、肝臓、腎臓、および/または心臓の線維症を含む。急性線維症(通常、突発的で重度の発症を伴い、短期間にわたり持続する)は、傷害、虚血性疾患(例えば、心臓発作後における心臓の瘢痕化)、環境汚染物質、アルコール、および他の種類の毒素、急性呼吸窮迫症候群、放射線照射および化学療法による治療を含む種々の形態の外傷に対する一般的な反応として生じることが典型的である。外傷により損傷したすべての組織は、特に、損傷が反復される場合、線維症性となりうる。
傷害に対する反応は、傷害に後続する、協調して一時的に調節されたメディエーターのパターンと、組織内における細胞イベントの連鎖とを伴うことが報告されている。最初の傷害は、凝固カスケードおよび急性の局所性炎症反応を誘発し、間葉細胞の動員、増殖、およびマトリックスの合成がそれに続くことが報告されている。異常なサイトカイン経路を伴うことが多い制御されないマトリックス蓄積により、線維症性状態または線維症性障害が生じうる。肺、腎臓、肝臓、心臓、脳、および骨髄などの生体の臓器における進行性線維症は、疾患および死亡両方の主要な原因である。
抗コネキシン剤
本明細書に記載の本発明の抗コネキシン剤は、細胞内への、また細胞からの分子の輸送を調節するかまたはこれに影響を及ぼす(例えば、遮断するかまたは阻害するかまたは下方調節する)ことができる。したがって、本明細書に記載の一部の抗コネキシン剤は、細胞情報伝達(例えば、細胞間)を調節する。一部の抗コネキシン剤は、ギャップジャンクション調節剤である。一部の抗コネキシン剤は、細胞の細胞質と、ペリプラズム腔または細胞外腔との間における分子の移送を調節するかまたはこれに影響を及ぼす。このような抗コネキシン剤は一般に、コネキシンおよび/またはコネキシンヘミチャネル(コネクソン)もしくはギャップジャンクション自体を標的とする。コネキシンを含むヘミチャネルおよび結果として生じるギャップジャンクションは、開口ヘミチャネルの場合における、細胞質と細胞外腔または細胞外組織との間における低分子の放出または交換、また開口ギャップジャンクションの場合における、隣接する細胞の細胞質間における低分子の放出または交換に独立して関与する。したがって、本明細書で提供される抗コネキシン剤は、細胞間における結合および情報伝達を直接的または間接的に低下させる場合もあり、細胞と細胞外腔または細胞外組織との間における情報伝達(または分子の伝達)を低下させるかまたは遮断する場合もあり、細胞から細胞外腔もしくは細胞外組織への(または細胞外腔もしくは細胞外組織から細胞内への)または隣接する細胞間における分子輸送の調節は、本発明の抗コネキシン剤および本発明の実施形態の範囲内にある。コネキシンは、コネキシン43であることが好ましい。
本発明の実施形態では、ギャップジャンクションまたはコネキシンヘミチャネルを介する分子の通過(例えば、輸送)に対する望ましい阻害を誘発することが可能な任意の抗コネキシン剤を用いることができる。ギャップジャンクションまたはコネキシンヘミチャネルを介する分子の通過を調節する任意の抗コネキシン剤はまた、特定の実施形態においても提供される(例えば、ある細胞の細胞質から細胞外腔または隣接する細胞の細胞質への分子の通過を調節するか、遮断するか、または低下させる抗コネキシン剤)。このような抗コネキシン剤は、ギャップジャンクションの結合解除(ギャップジャンクションを介する分子輸送の遮断)を伴う場合であれ伴わない場合であれ、ギャップジャンクションまたはコネキシンヘミチャネルを介する分子の通過を調節しうる。このような化合物は、例えば、タンパク質およびポリペプチド、ポリヌクレオチド、および他の有機化合物を含み、これらは、例えば、部分的または全体的にギャップジャンクションまたはヘミチャネルの機能または発現を遮断する場合もあり、全体的または部分的にコネキシンの生成を下方調節する場合もある。一部のギャップジャンクション阻害剤は、Evans, W.H.およびBoitano, S.、Biochem. Soc. Trans.、第29巻、606〜612頁(2001年)において列挙されている。他の化合物は、全体的または部分的にギャップジャンクションおよび/またはヘミチャネルを閉鎖するコネキシンリン酸化化合物、ならびにコネキシンカルボキシ末端ポリペプチドを含む。コネキシンは、コネキシン43であることが好ましい。
一部の抗コネキシン剤は、コネキシン発現の下方調節(例えば、mRNAの転写または翻訳に対する下方調節による)をもたらすか、またはこれ以外の形で、コネキシンタンパク質、コネキシンヘミチャネル、もしくはギャップジャンクションの活性を低下させるかもしくは阻害する。下方調節の場合、これは、コネキシン発現が下方調節される部位において、ギャップジャンクションによる直接的な細胞間情報伝達、またはヘミチャネルによる細胞の細胞質の細胞外腔への曝露を低下させる効果を有する。抗コネキシン43剤が好ましい。
抗コネキシン剤の例は、コネキシンmRNAおよび/もしくはコネキシンタンパク質の発現もしくは機能を低下させるかもしくは阻害するか、またはコネキシン、コネキシンヘミチャネル、もしくはギャップジャンクションの活性、発現、もしくは形成を低下させる薬剤を含む。抗コネキシン剤は、アンチセンスポリヌクレオチドおよび他のポリヌクレオチド(siRNAまたはリボザイムの機能性を有するポリヌクレオチドなどの)などの抗コネキシポリヌクレオチドのほか、抗体およびその結合フラグメント、ならびにヘミチャネルまたはギャップジャンクションの活性または機能を調節するペプチド模倣剤およびペプチド類似体を含むペプチドおよびポリペプチドを含む。抗コネキシン43剤が好ましい。
抗コネキシンポリヌクレオチド
抗コネキシンポリヌクレオチドは、コネキシンアンチセンスポリヌクレオチドのほか、それらによるコネキシン発現の下方調節を可能とする機能性を有するポリヌクレオチドも含む。他の適切な抗コネキシンポリヌクレオチドは、RNAiポリヌクレオチドおよびsiRNAポリヌクレオチドを含む。抗コネキシン43ポリヌクレオチドが好ましい。
RNAi、siRNA、およびリボザイムポリヌクレオチドのほか、骨格が改変および混合されたポリヌクレオチドなどの、アンチセンスポリヌクレオチドおよび他の抗コネキシンポリヌクレオチドの合成は、当業者に公知である。例えば、Stein C.A.およびKrieg A.M.(編)、「Applied Antisense Oligonucleotide Technology」、1998年、(Wiley−Liss)を参照されたい。抗体および結合フラグメントのほか、ペプチド模倣剤およびペプチド類似体を含むペプチドおよびポリペプチドを合成する方法は、当業者に公知である。例えば、Lihu Yangら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、1;第95巻、第18号、10836〜10841頁(1998年9月1日); HarlowおよびLane(1988年)、「Antibodies: A Laboratory Manuel」、Cold Spring Harbor Publications、New York; HarlowおよびLane(1999年)、「Using Antibodies: A Laboratory Manuel」、Cold Spring Harbor Publications、New Yorkを参照されたい。
一態様によれば、コネキシン発現の下方調節は一般に、アンチセンスポリヌクレオチド(DNAポリヌクレオチドまたはRNAポリヌクレオチドなど)を用いるアンチセンス法に基づき、またより具体的に、アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)の使用に基づきうる。これらのポリヌクレオチド(例えば、ODN)は、(1または複数の)コネキシンタンパク質を標的としてこれらを下方調節する。ポリヌクレオチドは、一本鎖であることが典型的であるが、二本鎖の場合もある。
アンチセンスポリヌクレオチドは、コネキシンの転写および/または翻訳を阻害しうる。ポリヌクレオチドは、コネキシン遺伝子またはコネキシンmRNAからの転写および/または翻訳の特異的な阻害剤であり、他の遺伝子またはmRNAからの転写および/または翻訳を阻害しないことが好ましい。生成物は、(i)コード配列に対する5’側、および/または(ii)コード配列に対する、および/または(iii)コード配列に対する3’側にあるコネキシン遺伝子またはコネキシンmRNAに結合しうる。
アンチセンスポリヌクレオチドは一般に、コネキシンmRNA、好ましくはコネキシン43 mRNAに対してアンチセンスである。このようなポリヌクレオチドはコネキシンmRNAにハイブリダイズすることが可能であり、したがって、転写、mRNAのプロセッシング、核からのmRNAの輸送、翻訳、またはmRNAの分解を含む、コネキシンmRNA代謝の1つまたは複数の側面に干渉することにより、コネキシン発現を阻害しうる。アンチセンスポリヌクレオチドは、コネキシンmRNAにハイブリダイズして、mRNA翻訳の直接的な阻害および/またはmRNAの不安定化を引き起こしうる二重鎖を形成することが典型的である。このような二重鎖は、ヌクレアーゼによる分解に対して感受性でありうる。
アンチセンスポリヌクレオチドは、コネキシンmRNAの全部または一部にハイブリダイズしうる。アンチセンスポリヌクレオチドは、コネキシンmRNAのリボソーム結合領域またはコード領域にハイブリダイズすることが典型的である。ポリヌクレオチドは、コネキシンmRNAの全部または一部の領域に対して相補的でありうる。例えば、ポリヌクレオチドは、コネキシンmRNAの全部または一部の完全な相補体でありうる。しかし、絶対的な相補性は必要とされず、生理学的条件下において約20℃、30℃、または40℃を超える融解温度を有する二重鎖を形成するのに十分な相補性を有するポリヌクレオチドが、本発明における使用に特に適する。
したがって、ポリヌクレオチドは、mRNAに対して相補的な配列の相同体であることが典型的である。ポリヌクレオチドは、約50℃〜約60℃における0.03M塩化ナトリウムおよび0.03Mクエン酸ナトリウムなどの中程度〜高度に厳密な条件下においてコネキシンmRNAにハイブリダイズするポリヌクレオチドでありうる。
一部の態様について述べると、適切なポリヌクレオチドは、約6〜40ヌクレオチドの長さであることが典型的である。ヌクレオチドは、好ましくは約12〜約35ヌクレオチドの長さでもあり、代替的には、約12〜約20ヌクレオチドの長さでもあり、より好ましくは、約18〜約32ヌクレオチドの長さでもありうる。代替的な態様によれば、ポリヌクレオチドは、少なくとも約40ヌクレオチド、例えば、少なくとも約60ヌクレオチドまたは少なくとも約80ヌクレオチドの長さでありえ、最長約100、約200、約300、約400、約500、約1000、約2000、または約3000ヌクレオチド以上の長さでありうる。
ポリヌクレオチドにより標的とされる1または複数のコネキシンタンパク質は、下方調節が行われる部位に依存する。これは、コネキシンサブユニットの組成に関して、全身の異なる部位において(1または複数の)ギャップジャンクションの構成が一様でないことを反映する。コネキシンは、一態様における、ヒトもしくは動物の天然に存在するコネキシンであるか、またはコネキシンの発現または活性を低下させる予定の組織内の天然に存在するコネキシンである。コネキシン遺伝子(コード配列を含む)は一般に、表8に示すコネキシン43コード配列との相同性など、本明細書で言及される1または複数の特異的なコネキシンのコード配列との相同性を有する。コネキシンは、αコネキシンまたはβコネキシンであることが典型的である。コネキシンはαコネキシンであり、治療される組織において発現することが好ましい。
しかし、組織内における分布に関して、一部のコネキシンタンパク質は、他のコネキシンタンパク質よりも遍在性である。最も広範に存在するコネキシンタンパク質の1つが、コネキシン43である。コネキシン43を標的とするポリヌクレオチドが、本発明における使用に特に適する。他の態様では、他のコネキシンが標的とされる。
抗コネキシンポリヌクレオチドは、コネキシンアンチセンスポリヌクレオチドのほか、それらによるコネキシン発現の下方調節を可能とする機能性を有するポリヌクレオチドも含む。他の適切な抗コネキシンポリヌクレオチドは、RNAiポリヌクレオチドおよびsiRNAポリヌクレオチドを含む。
好ましい一態様において、アンチセンスポリヌクレオチドは、1種のコネキシンタンパク質のmRNAだけを標的とする。このコネキシンタンパク質は、コネキシン43であることが最も好ましい。別の態様において、コネキシンタンパク質は、コネキシン26、30、31.1、32、36、37、40、または45である。他の態様において、コネキシンタンパク質は、コネキシン30.3、31、40.1、または46.6である。
別個のコネキシンタンパク質を標的とするポリヌクレオチドを組み合わせて用いることもまた意図される(例えば、1種、2種、3種、4種以上の異なるコネキシンを標的とすることができる)。例えば、コネキシン43を標的とするポリヌクレオチドと、コネキシンファミリーの1つまたは複数の他のメンバー(コネキシン26、30、30.3、31.1、32、36、37、40、40.1、45、および46.6など)とを標的とするポリヌクレオチドを、組み合わせて用いることができる。
代替的に、アンチセンスポリヌクレオチドは、複数種のコネキシンタンパク質に対するポリヌクレオチドを含みうる組成物の一部でもありうる。ポリヌクレオチドが対象とするコネキシンタンパク質の1つは、コネキシン43であることが好ましい。オリゴデオキシヌクレオチドが対象とする他のコネキシンタンパク質は、例えば、コネキシン26、30、30.3、31.1、32、36、37、40、40.1、45、および46.6を含みうる。各種のコネキシンを対象とするのに適する例示的なポリヌクレオチド(およびODN)を、表1に示す。
個々のアンチセンスポリヌクレオチドは、特定のコネキシンに特異的な場合もあり、1種、2種、3種以上の異なるコネキシンを標的とする場合もある。特異的なポリヌクレオチドが一般に、コネキシン間において保存されないコネキシン遺伝子またはコネキシンmRNA内の配列を標的とする一方、非特異的なポリヌクレオチドは、各種コネキシンの保存的配列を標的とする。
本発明で用いられるポリヌクレオチドは、非改変のホスホジエステルオリゴマーでありうるのが好都合である。このようなオリゴデオキシヌクレオチドは、長さが変わりうる。30マーのポリヌクレオチドが特に適することが分かっている。
本発明の多くの態様は、オリゴデオキシヌクレオチドに関して説明される。しかし、これらの態様では、他の適切なポリヌクレオチド(RNAポリヌクレオチドなど)も用いうることが理解される。
アンチセンスポリヌクレオチドは、化学修飾することができる。これにより、ヌクレアーゼに対するこれらの耐性を増強することができ、これらが細胞内に入る能力を増強することができる。例えば、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを用いることができる。他のデオキシヌクレオチド類似体は、メチルホスホネート、ホスホラミデート、ホスホロジチオエート、N3’P5’−ホスホラミデート、ならびにオリゴリボヌクレオチドホスホロチオエートおよびそれらの2’−O−アルキル類似体、ならびに2’−O−メチルリボヌクレオチドメチルホスホネートを含む。代替的に、混合骨格オリゴヌクレオチド(「MBO」)も用いることができる。MBOは、ホスホチオエートオリゴデオキシヌクレオチドのセグメントと、改変されたオリゴデオキシヌクレオチドまたはオリゴリボヌクレオチドの適切に配置されたセグメントとを含有する。MBOは、ホスホロチオエート結合のセグメントと、非イオン性で、ヌクレアーゼまたは2’−O−アルキルオリゴリボヌクレオチドに対して極めて耐性なメチルホスホネートなどの、他の改変オリゴヌクレオチドの他のセグメントとを有する。改変骨格オリゴヌクレオチドおよび混合骨格オリゴヌクレオチドを調製する方法は、当技術分野において公知である。
本発明で用いられるアンチセンスポリヌクレオチドの正確な配列は、標的のコネキシンタンパク質に依存する。一実施形態において、適切なコネキシンアンチセンスポリヌクレオチドは、表1に記載される以下の配列から選択されるオリゴデオキシヌクレオチドなどのポリヌクレオチドを含みうる。
本明細書に記載の、ポリヌクレオチドの組合せ組成物の調製に適するポリヌクレオチドは、例えば、上記の表1に記載したコネキシンCx43に対するポリヌクレオチドと、コネキシン26、30、31.1、32、および37に対するポリヌクレオチドとを含む。
本発明において用いられるアンチセンスポリヌクレオチドの正確な配列は、標的のコネキシンタンパク質に依存するが、コネキシン43の場合、以下の配列:
GTA ATT GCG GCA AGA AGA ATT GTT TCT GTC(配列番号1);
GTA ATT GCG GCA GGA GGA ATT GTT TCT GTC(配列番号2);および
GGC AAG AGA CAC CAA AGA CAC TAC CAG CAT(配列番号3)
を有するアンチセンスポリヌクレオチドが特に適することが分かっている。
例えば、コネキシン26、31.1、および32に適するアンチセンスポリヌクレオチドは、以下の配列:
5’ TCC TGA GCA ATA CCT AAC GAA CAA ATA(コネキシン26)(配列番号4);
5’ CGT CCG AGC CCA GAA AGA TGA GGT C(コネキシン31.1)(配列番号9);および
5’ TTT CTT TTC TAT GTG CTG TTG GTG A(コネキシン32)(配列番号12)
を有する。
本発明の方法により有用な他のコネキシンアンチセンスポリヌクレオチド配列は、
5’ CAT CTC CTT GGT GCT CAA CC 3’(コネキシン37)(配列番号5);
5’ CTG AAG TCG ACT TGG CTT GG 3’(コネキシン37)(配列番号6);
5’ CTC AGA TAG TGG CCA GAA TGC 3’(コネキシン30)(配列番号7);
5’ TTG TCC AGG TGA CTC CAA GG 3’(コネキシン30)(配列番号8);
5’ AGA GGC GCA CGT GAG ACA C 3’(コネキシン31.1)(配列番号10);および
5’ TGA AGA CAA TGA AGA TGT T 3’(コネキシン31.1)(配列番号11)
を含む。
コネキシンタンパク質を対象とする、ODNを含むポリヌクレオチドは、任意の簡便な従来の手法により、それらのヌクレオチド配列に関して選択することができる。例えば、コンピュータプログラムであるMacVectorおよびOligoTech(Oligosなど、Eugene、Oregon、USA製)を用いることができる。選択されると、DNA合成器を用いてODNを合成することができる。
ポリヌクレオチドの相同体
本明細書では、相同性および相同体(例えば、ポリヌクレオチドは、コネキシンmRNA中の配列に対する相補体の相同体でありうる)について論じる。このようなポリヌクレオチドは、例えば、(相同配列の)少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約40、少なくとも約100以上の連続ヌクレオチドの領域にわたって、対象の配列と少なくとも約70%の相同性、好ましくは少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%の相同性を有することが典型的である。
相同性は、当技術分野における任意の方法に基づいて計算することができる。例えば、UWGCGパッケージでは、相同性を計算するのに用いうるBESTFITプログラム(例えば、そのデフォルト設定で用いられる)が提供される(Devereuxら(1984年)、Nucleic Acids Research、第12巻、387〜395頁)。PILEUPアルゴリズムおよびBLASTアルゴリズムは、例えば、Altschul S. F.(1993年)、J Mol Evol、第36巻、290〜300頁; Altschul, S, Fら(1990年)、J Mol Biol、第215巻、403〜10頁において説明される通り、相同性を計算するか、または配列を整列するのに用いることができる(それらのデフォルト設定における場合が典型的である)。
BLAST解析を実施するためのソフトウェアは、米国国立バイオテクノロジー情報センター(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)により公に入手可能である。このアルゴリズムは、まず、データベース配列中における同じ長さのワードにより整列する場合、ある正の値の閾値スコアTにマッチするかまたはこれを満たすクエリー配列中における長さWの短いワードを同定することによる、高スコアリング配列対(HSP)の同定を伴う。Tを、近傍ワードスコア閾値(Altschulら、前出)と称する。これらの初期近傍ワードヒットは、それらを含有するHSPを見出す検索を開始するためのシード(seed)として作用する。ワードヒットは、累積のアライメントスコアが増大しうる限りにおいて、各配列に沿って両方向に延長される。各方向におけるワードヒットの延長は、累積アライメントスコアが、達成されたその最大値から量Xだけ低下する場合;累積スコアが、1つまたは複数の負のスコアの残基アライメントの累積により、ゼロ以下に低下する場合;またはいずれかの配列の端部に到達する場合に停止される。
BLASTアルゴリズムのパラメータW、T、およびXにより、アラインメントの感度および速度が決定される。BLASTプログラムでは、ワード長(W)、BLOSUM62スコアリングマトリックス(HenikoffおよびHenikoff(1992年)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第89巻、10915〜10919頁を参照されたい)によるアライメント(B=50)、期待値(E=10)、M=5、N=4、および両方の鎖の比較が、デフォルトとして用いられる。
BLASTアルゴリズムでは、2つの配列間における類似性に対する統計学的解析が実施される。例えば、KarlinおよびAltschul(1993年)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第90巻、5873〜5787頁を参照されたい。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の1つの尺度は、2つのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の間におけるマッチが偶然に生じる確率を示す、最小合計確率(P(N))である。例えば、第2の配列に対して第1の配列を比較した場合の最小合計確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、また最も好ましくは約0.001未満である場合、ある配列は別の配列に対して類似すると考えられる。
相同配列は、少なくとも約2、5、10、15、20以上(または約2、5、10、15、20以下)の変異(置換、欠失、または挿入でありうる)により対象配列と異なることが典型的である。これらの変異は、相同性の計算との関連で、上述の領域のいずれかにわたって測定することができる。
相同配列は、バックグラウンドを有意に上回るレベルで、元の配列に選択的にハイブリダイズすることが典型的である。選択的なハイブリダイゼーションは、中程度〜高度に厳密な条件(例えば、約50℃〜約60℃における0.03M塩化ナトリウムおよび0.03Mクエン酸ナトリウム)を用いて達成することが典型的である。しかし、このようなハイブリダイゼーションは、当技術分野において公知の任意の適切な条件下で実施することができる(Sambrookら(1989年)、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」を参照されたい)。例えば、高い厳密性が必要とされる場合、適切な条件は60℃における0.2×SSCを含む。より低い厳密性が必要とされる場合、適切な条件は60℃における2×SSCを含む。
ペプチドおよびポリペプチドによる抗コネキシン剤
ペプチド、ペプチド模倣剤、抗体、抗体フラグメントなどを含む結合タンパク質もまた、ギャップジャンクションおよびヘミチャネルに適する調節剤である。
結合タンパク質は、例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体フラグメント(例えば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、およびFvフラグメント;単鎖抗体;単鎖Fv;また例えば、特定の抗体または他の結合分子と接触する抗原決定基(すなわち、一般にエピトープと称する分子の部分)に結合可能な結合ドメイン、ヒンジ、CH2ドメインおよびCH3ドメイン、組換え抗体、ならびに抗体フラグメントを含む単鎖結合分子などの単鎖結合分子を含む)を含む。抗体、抗体フラグメントなどを含むこれらの結合タンパク質は、キメラの場合もあり、ヒト化される場合もあり、他の形でこれらが投与される対象においてより低い免疫原性に作製する場合もあり、また、合成する場合もあり、組換えにより作製する場合もあり、発現ライブラリー内において作製する場合もある。本明細書で言及され、かつ/または当技術分野においてより詳細に説明される結合分子など、当技術分野において公知であるかまたは将来的に発見される任意の結合分子が想定される。例えば、結合タンパク質は、抗体などだけではなく、リガンド、受容体、ペプチド模倣剤、または標的(例えば、コネキシン、ヘミチャネル、または関連する分子)に結合する他の結合フラグメントもしくは他の結合分子(例えば、ファージディスプレイにより作製される)も含む。
結合分子は一般に、結合特異性を含むがこれに限定されない所望の特異性、および所望の親和性を有する。親和性は、例えば、約104M−1以上、約106M−1以上、約107M−1以上、約108M−1のKaでありうる。約109M−1以上、約1010M−1以上、約1011M−1以上、および約1012M−1以上の親和性など、約108M−1をさらに超える親和性が適する。本発明による結合タンパク質の親和性は、従来の技法、例えば、Scatchardら、1949年、Ann. N.Y. Acad. Sci.、第51巻、660頁により説明される技法を用いて容易に決定することができる。
ヒドロパシープロットから得られるデータを用いることにより、コネキシンは、4つの膜貫通領域および2つの短い細胞外ループを含有すると仮定されている。コネキシンの第1および第2の細胞外領域の配置は、分離されたギャップジャンクション上における対応するエピトープの免疫学的局在決定に用いられる抗ペプチド抗体の作製報告によりさらに特徴づけられた(Goodenough D.A.、J Cell Biol、第107巻、1817〜1824頁(1988年); Meyer R.A.、J Cell Biol、第119巻、179〜189頁(1992年))。
隣接する2つの細胞が寄与するヘミチャネルの細胞外ドメインが互いに「結合(dock)」して、完全なギャップジャンクションチャネルが形成される。これらの細胞外ドメインの相互作用に干渉する試薬は、細胞間情報伝達を損なうことが可能である。ギャップジャンクションおよびヘミチャネルに対するペプチド阻害剤が報告されている。例えば、Berthoud, V.M.ら、Am J. Physiol. Lung Cell Mol. Physiol.、第279巻、L619〜L622頁(2000年); Evans, W.H.およびBoitano, S.、Biochem. Soc. Trans.、第29巻、606〜612頁;ならびにDe Vriese A.S.ら、Kidney Int.、第61巻、177〜185頁(2001年)を参照されたい。コネキシンの細胞外ループ内の配列に対応する短いペプチドが、細胞間情報伝達を阻害すると言われた(Boitano S.およびEvans W.、Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol、第279巻、L623〜L630頁(2000年))。Xenopusの卵母細胞対において発現されるコネキシン(Cx)32によりもたらされる細胞間チャネル形成に対する阻害剤としてのペプチドの使用もまた報告されている(Dahl Gら、Biophys J、第67巻、1816〜1822頁(1994年))。Berthoud, V.M.およびSeul, K.H.によりこれらの結果の一部がまとめられた(Am J., Physiol. Lung Cell Mol. Physiol.、第279巻、L619〜L622頁(2000年))。
抗コネキシン剤は、コネキシン(例えば、コネキシン45、43、26、30、31.1、および37)の膜貫通領域(例えば、第1〜第4)に対応するアミノ酸配列を含むペプチドを含む。抗コネキシン剤は、コネキシン45の膜貫通領域の一部に対応するアミノ酸配列を含むペプチドを含みうる。抗コネキシン剤は、配列番号13の約5〜20の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号13の約8〜15の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド、または配列番号13の約11〜13の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチドを含む。他の実施形態は、配列番号13の少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、または少なくとも約30の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチドである抗コネキシン剤を対象とする。本明細書で提供される一部の抗コネキシン剤では、配列番号13の位置46〜75および199〜228にあるアミノ酸に対応するコネキシン45の細胞外ドメインを用いて、特定のペプチド配列を開発することができる。本明細書に記載の一部のペプチドは、配列番号13の位置46〜75および199〜228にある領域に対応するアミノ酸配列を有する。ペプチドは、配列番号13のこれらの部分と同一のアミノ酸配列を有する必要はなく、ペプチドが結合活性または機能活性を保持するような保存的アミノ酸変化を作製することができる。代替的に、ペプチドは、細胞外ドメイン以外のコネキシンタンパク質の領域(例えば、位置46〜75および199〜228に対応しない配列番号13の部分)も標的としうる。
また、適切な抗コネキシン剤は、コネキシン43の膜貫通領域の一部に対応するアミノ酸配列を含むペプチドも含む。抗コネキシン剤は、配列番号14の約5〜20の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号14の約8〜15の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド、または配列番号14の約11〜13の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチドを含む。他の抗コネキシン剤は、配列番号14の少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、または少なくとも約30の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチドを含む。他の抗コネキシン剤は、配列番号14の位置37〜76および178〜208にあるアミノ酸に対応するコネキシン43の細胞外ドメインを含む。抗コネキシン剤は、配列番号14の位置37〜76および178〜208にある領域に対応するアミノ酸配列を有する、本明細書に記載のペプチドを含む。ペプチドは、配列番号14のこれらの部分と同一のアミノ酸配列を有する必要はなく、ペプチドが結合活性または機能活性を保持するような保存的アミノ酸変化を作製することができる。代替的に、ペプチドは、細胞外ドメイン以外のコネキシンタンパク質の領域(例えば、位置37〜76および178〜208に対応しない配列番号14の部分)も標的としうる。
抗コネキシンペプチドは、ペプチドが機能的に活性な抗コネキシン剤であるような保存的アミノ酸置換を伴う、コネキシンの細胞外ドメインの一部に対応する配列を含みうる。例示的な保存的アミノ酸置換は、例えば、別の非極性アミノ酸による非極性アミノ酸の置換、別の芳香族アミノ酸による芳香族アミノ酸の置換、別の脂肪族アミノ酸による脂肪族アミノ酸の置換、別の極性アミノ酸による極性アミノ酸の置換、別の酸性アミノ酸による酸性アミノ酸の置換、別の塩基性アミノ酸による塩基性アミノ酸の置換、および別のイオン性アミノ酸によるイオン性アミノ酸の置換を含む。
コネキシン43を標的とする例示的なペプチドを、以下の表2に示す。M1、M2、M3、およびM4は、それぞれ、コネキシン43タンパク質の第1〜第4の膜貫通領域を指す。E1およびE2は、それぞれ、第1および第2の細胞外ループを指す。
表3は、ヘミチャネル機能またはギャップジャンクション機能を阻害するのに用いられる、さらなる例示的なコネキシンペプチドについて記載する。他の実施形態では、ペプチドまたはこれらのフラグメントに対して保存的なアミノ酸変化が作製される。
表4は、本明細書に記載の使用に供するペプチド阻害剤を開発するのに用いられるコネキシンファミリーメンバーの細胞外ループについて記載する。表4に記載されるペプチドおよびこれらのフラグメントは、一部の非限定的な実施形態においてペプチド阻害剤として用いられる。他の非限定的な実施形態では、この表4中のペプチドの約8〜約15、または約11〜約13の連続アミノ酸を含むペプチドが、ペプチド阻害剤である。ペプチドまたはこれらのフラグメントには、保存的なアミノ酸変化を作製することができる。
表5は、ペプチドによる抗コネキシン剤を開発するのに用いうるコネキシンファミリーメンバーの細胞外ドメインについて記載する。表5に記載されるペプチドおよびこれらのフラグメントもまた、ペプチドによる抗コネキシン剤として用いることができる。このようなペプチドは、この表5中のペプチド配列の約8〜約15、または約11〜約13の連続アミノ酸を含みうる。ペプチドまたはこれらのフラグメントには、保存的なアミノ酸変化を作製することができる。
表6は、コネキシン40の細胞外ループ(E1およびE2)に関して示されるコネキシン40に対するペプチド阻害剤について記載する。太字のアミノ酸は、コネキシン40の膜貫通領域を対象とする。
表7は、コネキシン45の細胞外ループ(E1およびE2)に関して示されるコネキシン45に対するペプチド阻害剤について記載する。太字のアミノ酸は、コネキシン45の膜貫通領域を対象とする。
一部の実施形態では、一部のペプチド阻害剤が、既存のギャップジャンクションを破壊することなく、ヘミチャネルを遮断することが好ましい。特定の理論または機構のいかなるものにも拘束されることを望まないが、一部のペプチド模倣剤(例えば、VCYDKSFPISHVR(配列番号23))はまた、ギャップジャンクションの結合解除を引き起こすことなくヘミチャネルを遮断する(Leybeartら、Cell Commun. Adhes.、第10巻、251〜257頁(2003年)を参照されたい)か、または低用量でヘミチャネルを遮断するとも考えられている。例えば、ギャップジャンクションの結合解除を伴わずにヘミチャネルを遮断するには、ペプチドSRPTEKTIFII(配列番号19)もまた用いることができる。ペプチドSRGGEKNVFIV(配列番号107)は、対照配列として用いることができる(DeVrieseら、Kidney Internat.、第61巻、177〜185頁(2002年))。コネキシン45に対するペプチド阻害剤の例は、YVCSRLPCHP (配列番号108)、QVHPFYVCSRL (配列番号109)、FEVGFLIGQYFLY (配列番号110)、GQYFLYGFQVHP (配列番号111)、GFQVHPFYVCSR (配列番号112)、AVGGESIYYDEQ (配列番号113)、YDEQSKFVCNTE (配列番号114)、NTEQPGCENVCY (配列番号115)、CYDAFAPLSHVR (配列番号116)、FAPLSHVRFWVF (配列番号117)およびLIGQY (配列番号118)、QVHPF (配列番号119)、YVCSR (配列番号120)、SRLPC (配列番号121)、LPCHP (配列番号122)およびGESIY (配列番号123)、YDEQSK (配列番号124)、SKFVCN (配列番号125)、TEQPGCEN (配列番号126)、VCYDAFAP (配列番号127)、LSHVRFWVFQ (配列番号128)である。ペプチドは、SRL、PCH、LCP、CHP、IYY、SKF、QPC、VCY、APL、HVRを含む3アミノ酸長だけの場合もあり、例えば、LIQYFLYGFQVHPF (配列番号129)、VHPFYCSRLPCHP (配列番号130)、VGGESIYYDEQSKFVCNTEQPG (配列番号131)、TEQPGCENVCYDAFAPLSHVRF (配列番号132)、AFAPLSHVRFWVFQ (配列番号133)など、より長い場合もある。
ギャップジャンクション調節剤
本明細書に記載の一部の抗コネキシン剤は、細胞内へ、また細胞からの分子の輸送を調節するかまたはこれに影響を及ぼす(例えば、遮断するかまたは阻害する)ことが可能である。したがって、本明細書に記載の一部のギャップジャンクション調節剤は、細胞情報伝達(例えば、細胞間)を調節する。一部のギャップジャンクション調節剤は、細胞の細胞質とペリプラズム腔または細胞外腔との間における分子の伝達を調節するかまたはこれに影響を及ぼす。このような薬剤は一般に、細胞の細胞質と細胞外腔または細胞外組織との間における小分子の交換に独立して関与しうるヘミチャネル(コネクソンとも呼ばれる)を標的とする。したがって、本明細書で提供される化合物は、細胞間(ギャップジャンクションを介する)または細胞と細胞外腔もしくは細胞外組織との間(ヘミチャネルを介する)における結合を直接的または間接的に低下させることが可能であり、細胞から細胞外腔内への分子の輸送の調節は、本発明の一部の化合物および実施形態の範囲内にある。
本発明の実施形態では、ギャップジャンクションまたはヘミチャネルを介する分子の通過(例えば、輸送)に対する所望の阻害を誘発することが可能な任意の分子を用いることができる。ギャップジャンクションまたはヘミチャネルを介する分子の通過を調節する化合物はまた、特定の実施形態(例えば、細胞の細胞質から細胞外腔内への分子の通過を調節する実施形態)においても提供される。このような化合物は、ギャップジャンクションの結合解除を伴う場合であれ、伴わない場合であれ、ギャップジャンクションまたはヘミチャネルを介する分子の通過を調節しうる。このような化合物は、例えば、全体的または部分的にギャップジャンクションまたはヘミチャネルの機能または活性を遮断しうる、例えば、結合タンパク質、ポリペプチド、および他の有機化合物を含む。
本明細書で用いられる「ギャップジャンクション調節剤」とは、ヘミチャネルまたはギャップジャンクションの活性、機能、または形成を全体的または部分的に防止するか、低下させるか、または調節するこれらの薬剤または化合物を広く含みうる。一部の実施形態において、ギャップジャンクション調節剤は、ヘミチャネルまたはギャップジャンクションの機能を、全体的または部分的に防止するかまたは低下させる。一部の実施形態において、ギャップジャンクション調節剤は、ヘミチャネルまたはギャップジャンクションの全体的または部分的な閉鎖を誘導する。他の実施形態において、ギャップジャンクション調節剤は、ヘミチャネルまたはギャップジャンクションを、全体的または部分的に遮断する。一部の実施形態において、ギャップジャンクション調節剤は、ヘミチャネルまたはギャップジャンクションの開口を、全体的または部分的に低下させるかまたは防止する。一部の実施形態において、ギャップジャンクション調節剤によるギャップジャンクションまたはヘミチャネルの前記遮断または閉鎖は、細胞外腔またはペリプラズム腔への開口チャネルを介する低分子の流動を防止するかまたは低下させることにより、また細胞外腔またはペリプラズム腔からの開口チャネルを介する低分子の流動を防止するかまたは低下させることにより、細胞外ヘミチャネル情報伝達を低下させることも可能であり、これを阻害することも可能である。ヘミチャネルおよび/またはギャップジャンクションの開口を遮断するペプチド模倣剤およびギャップジャンクションリン酸化化合物が現在好ましい。
一部の実施形態において、ギャップジャンクション調節剤は、ヘミチャネルまたはギャップジャンクションの活性または機能を防止するか、低下させるか、または変化させる。本明細書で用いられるギャップジャンクションの活性または機能の調節は、ギャップジャンクションの閉鎖、ヘミチャネルの閉鎖、ならびに/またはギャップジャンクションおよび/もしくはヘミチャネルを介する分子もしくはイオンの通過を含みうる。
例示的なギャップジャンクション調節剤は、限定なしに述べると、ポリペプチド(例えば、ペプチド模倣剤、抗体、これらの結合フラグメント、および合成構築物)、および他のギャップジャンクション遮断剤、およびギャップジャンクションタンパク質リン酸化剤を含みうる。ギャップジャンクションを閉鎖するのに用いられる例示的な化合物(例えば、コネキシン43のチロシン残基をリン酸化する)は、Jensenらへの米国特許第7,153,822号、米国特許第7,250,397号、および分類された(assorted)特許公報において報告されている。例示的なペプチドおよびペプチド模倣剤は、Greenら、WO2006134494において報告されている。また、Gourdieら、WO2006069181;およびTudorら、WO2003032964も参照されたい。
本明細書で用いられる「ギャップジャンクションリン酸化剤」は、ギャップジャンクションまたはヘミチャネルの閉鎖を誘導するために、コネキシンのアミノ酸残基上においてリン酸化を誘導することが可能な薬剤または化合物を含みうる。ギャップジャンクション調節のための例示的なリン酸化部位は、コネキシンタンパク質上における1つもしくは複数のチロシン残基、セリン残基、またはトレオニン残基を含む。一部の実施形態において、リン酸化の調節は、1または複数のコネキシンタンパク質上における1つまたは複数の残基上において生じうる。例示的なギャップジャンクションリン酸化剤は当技術分野において周知であり、例えば、c−Srcチロシンキナーゼまたは他のGタンパク質共役受容体アゴニストを含みうる。Giepmans B(2001年)、J. Biol. Chem.、第276巻、第11号、8544〜8549頁を参照されたい。一実施形態において、1つまたは複数のこれらの残基上におけるリン酸化の調節は、特に、ヘミチャネルの閉鎖によって、ヘミチャネルの機能に影響を及ぼす。別の実施形態において、1つまたは複数のこれらの残基上におけるリン酸化の調節は、特に、ギャップジャンクションの閉鎖によって、ギャップジャンクションの機能に影響を及ぼす。コネキシン43ギャップジャンクションおよびコネキシン43ヘミチャネルの閉鎖を標的とするギャップジャンクションリン酸化剤が好ましい。
結合タンパク質(例えば、抗体、抗体フラグメントなど)、ペプチド、ペプチド模倣剤、およびペプチド模倣剤を含むポリペプチド化合物が、適切なギャップジャンクション調節剤である。
結合タンパク質は、例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体フラグメント(例えば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、およびFvフラグメント;単鎖抗体;単鎖Fv;また例えば、特定の抗体または他の結合分子と接触する抗原決定基(すなわち、一般にエピトープと称する分子の部分)に結合可能な結合ドメイン、ヒンジ、CH2ドメインおよびCH3ドメイン、組換え抗体、ならびに抗体フラグメントを含む単鎖結合分子などの単鎖結合分子を含む)を含む。抗体、抗体フラグメントなどを含むこれらの結合タンパク質は、キメラの場合もあり、ヒト化される場合もあり、他の形でこれらが投与される対象においてより低い免疫原性であるよう作製する場合もあり、また、合成する場合もあり、組換えにより作製する場合もあり、発現ライブラリー内において作製する場合もある。本明細書で言及され、かつ/または当技術分野においてより詳細に説明される結合タンパク質などの、当技術分野において公知であるかまたは将来的に発見される任意の結合タンパク質が想定される。例えば、結合タンパク質は、抗体などだけではなく、リガンド、受容体、ペプチド模倣剤、または標的(例えば、コネキシン、コネキシン、ギャップジャンクション、または関連する分子)に結合する他の結合フラグメントもしくは分子(例えば、ファージディスプレイにより作製される)も含む。
結合タンパク質は一般に、結合特異性を含むがこれに限定されない所望の特異性、および所望の親和性を有する。親和性は、例えば、約104M−1以上、約106M−1以上、約107M−1以上、約108M−1以上のKaでありうる。約109M−1以上、約1010M−1以上、約1011M−1以上、および約1012M−1以上の親和性など、約108M−1をさらに超える親和性が適する。本発明による結合タンパク質の親和性は、従来の技法、例えば、Scatchardら(1949年)、Ann. N.Y. Acad. Sci.、第51巻、660頁により説明される技法を用いて容易に決定することができる。
本発明は、ギャップジャンクションおよびヘミチャネルを調節するペプチド(1および複数のペプチド模倣剤を含む)の使用を含む。ヒドロパシープロットから得られるデータを用いることにより、コネキシンは、4つの膜貫通領域および2つの短い細胞外ループを含有すると仮定されている。コネキシンの第1および第2の細胞外領域の配置は、分離されたギャップジャンクション上における対応するエピトープの免疫学的局在決定に用いられる抗ペプチド抗体の作製報告によりさらに特徴づけられた(Goodenough D.A.(1988年)、J Cell Biol、第107巻、1817〜1824頁; Meyer R.A.(1992年)、J Cell Biol、第119巻、179〜189頁)。
ペプチドまたはこれらの変異体は、例えば、固相ペプチド合成法によっても、酵素触媒ペプチド合成によっても、組換えDNA法を援用しても、in vitroで合成することができる。固相ペプチド合成法は確立されて広く用いられている方法であり、以下:Stewartら(1969年)、「Solid Phase Peptide Synthesis」、W. H. Freeman Co.、San Francisco; Merrifield(1963年)、J. Am. Chem. Soc.、第85巻、2149頁; Meienhofer、「Hormonal Proteins and Peptides」、C.H. Li編、第2巻(Academic Press、1973年)、48〜267頁; ならびにBavaayおよびMerrifield、「The Peptides」、E. GrossおよびF. Meienhofer編、第2巻(Academic Press、1980年)、3〜285頁などの参考文献中において説明されている。これらのペプチドは、免疫親和性カラムまたはイオン交換カラム上における分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカまたはDEAEなどの陰イオン交換樹脂上におけるクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS−PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;例えば、Sephadex G−75を用いるゲル濾過;リガンド親和性クロマトグラフィー;または非極性溶媒もしくは非極性/極性溶媒の混合物からの結晶化もしくは沈殿によりさらに精製することができる。結晶化または沈殿による精製が好ましい。
隣接する2つの細胞が寄与するヘミチャネルの細胞外ドメインが互いに「結合」して、完全なギャップジャンクションチャネルが形成される。これらの細胞外ドメインの相互作用に干渉する試薬は、細胞間情報伝達を損なうかまたは細胞外環境に対するヘミチャネルの開口を損なうことが可能である。
ギャップジャンクション調節剤は、コネキシン(例えば、コネキシン45、43、26、30、31.1、および37)の膜貫通領域(例えば、第1〜第4)に対応するアミノ酸配列を含むペプチドを含む。コネキシン43の膜貫通領域の一部に対応するアミノ酸配列を含むペプチドを含むギャップジャンクション調節剤が、本発明における使用に好ましい。
ギャップジャンクション調節剤は、コネキシン45の膜貫通領域の一部に対応するアミノ酸配列を含むペプチドを含みうる。ギャップジャンクション調節剤は、配列番号13の約5〜20の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号13の約8〜15の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド、または配列番号13の約11〜13の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチドを含む。他の実施形態は、配列番号13の少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、または少なくとも約30の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチドであるギャップジャンクション調節化合物を対象とする。本明細書で提供される一部のギャップジャンクション調節剤では、配列番号13の位置46〜75および199〜228にあるアミノ酸に対応するコネキシン45の細胞外ドメインを用いて、特定のペプチド配列を開発することができる。本明細書に記載の一部のペプチドは、配列番号13の位置46〜75および199〜228にある領域に対応するアミノ酸配列を有する。ペプチドは、配列番号13のこれらの部分と同一のアミノ酸配列を有する必要はなく、ペプチドが結合活性または機能活性を保持するような保存的アミノ酸変化を作製することができる。代替的に、ペプチドは、細胞外ドメイン以外のコネキシンタンパク質の領域(例えば、位置46〜75および199〜228に対応しない配列番号13の部分)も標的としうる。
また、適切なギャップジャンクション調節剤は、コネキシン43の膜貫通領域の一部に対応するアミノ酸配列を含むペプチドも含みうる。ギャップジャンクション調節剤は、配列番号14の約5〜20の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号14の約8〜15の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド、または配列番号14の約11〜13の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチドを含む。他のギャップジャンクション調節剤は、配列番号14の少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、または少なくとも約30の連続アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチドを含む。他のギャップジャンクション調節剤は、配列番号14の位置37〜76および178〜208にあるアミノ酸に対応するコネキシン43の細胞外ドメインを含む。ギャップジャンクション調節剤は、配列番号14の位置37〜76および178〜208にある領域に対応するアミノ酸配列を有する、本明細書に記載のペプチドを含む。ペプチドは、配列番号14のこれらの部分と同一のアミノ酸配列を有する必要はなく、ペプチドが結合活性または機能活性を保持するような保存的アミノ酸変化を作製することができる。代替的に、ペプチドは、細胞外ドメイン以外のコネキシンタンパク質の領域(例えば、位置37〜76および178〜208に対応しない配列番号14の部分)も標的としうる。
さらに他の抗コネキシン剤は、コネキシンカルボキシ末端ポリペプチドを含む。Gourdieら、WO2006/069181を参照されたい。
ギャップジャンクション改変剤:他の抗コネキシン剤
ギャップジャンクション調節剤は、ギャップジャンクションおよび/またはヘミチャネルを閉鎖もしくは遮断するか、またはギャップジャンクションを介する細胞間情報伝達を別の形で防止するかもしくは低下させるか、またはヘミチャネルを介する細胞外環境への細胞の情報伝達を別の形で防止するかもしくは低下させる薬剤を含む。これらは、ヘミチャネルまたはギャップジャンクションの活性、機能、または形成を、全体的または部分的に防止するか、低下させるか、または阻害する薬剤または化合物を含む。
一部の実施形態において、ギャップジャンクション調節剤は、ヘミチャネルまたはギャップジャンクションの全体的または部分的な閉鎖を誘導する。他の実施形態において、ギャップジャンクション改変剤は、ヘミチャネルまたはギャップジャンクションを、全体的または部分的に遮断する。一部の実施形態において、ギャップジャンクション改変剤は、ヘミチャネルまたはギャップジャンクションの開口を、全体的または部分的に低下させるかまたは防止する。
一部の実施形態において、ギャップジャンクション改変剤によるギャップジャンクションまたはヘミチャネルの前記遮断または閉鎖は、細胞外腔またはペリプラズム腔への開口チャネルを介する低分子の流動を防止するかまたは低下させることにより、、また細胞外腔またはペリプラズム腔からの開口チャネルを介する低分子の流動を防止するかまたは低下させることにより、細胞外ヘミチャネル情報伝達を低下させることも可能であり、これを阻害することも可能である。
ヘミチャネルまたはギャップジャンクションを閉鎖するのに用いられるギャップジャンクション改変剤(例えば、コネキシン43のチロシン残基をリン酸化する)は、Jensenらへの米国特許第7,153,822号、米国特許第7,250,397号、および分類された特許公報において報告されている。例えば、ZO−1タンパク質の結合を阻害すると言われるコネキシンカルボキシ末端ポリペプチドに関しては、Gourdieら、WO2006069181もまた参照されたい。Gourdieら、WO2006069181は、このようなペプチドを含む製剤の使用について説明している。
本明細書で用いられる「ギャップジャンクションリン酸化剤」は、ギャップジャンクションまたはヘミチャネルの閉鎖を誘導するために、コネキシンのアミノ酸残基上においてリン酸化を誘導することが可能な薬剤または化合物を含みうる。例示的なリン酸化部位は、コネキシンタンパク質上における1つもしくは複数のチロシン残基、セリン残基、またはトレオニン残基を含む。一部の実施形態において、リン酸化の調節は、1または複数のコネキシンタンパク質上における1つまたは複数の残基上において生じうる。例示的なギャップジャンクションリン酸化剤は当技術分野において周知であり、例えば、c−Srcチロシンキナーゼまたは他のGタンパク質共役受容体アゴニストを含みうる。Giepmans B, J. Biol. Chem.、第276巻、第11号、8544〜8549頁、2001年3月16日を参照されたい。一実施形態において、1つまたは複数のこれらの残基上におけるリン酸化の調節は、特に、ヘミチャネルの閉鎖によって、ヘミチャネルの機能に影響を及ぼす。別の実施形態において、1つまたは複数のこれらの残基上におけるリン酸化の調節は、特に、ギャップジャンクションの閉鎖によって、ギャップジャンクションの機能に影響を及ぼす。コネキシン43ギャップジャンクションおよびコネキシン43ヘミチャネルの閉鎖を標的とするギャップジャンクションリン酸化剤が好ましい。
さらに他の抗コネキシン剤は、コネキシンカルボキシ末端ポリペプチドを含む。Gourdieら、WO2006/069181を参照されたい。
ある別の態様において、ギャップジャンクション改変剤は、例えば、脂肪族アルコール;オクタノール;ヘプタノール;麻酔剤(例えば、ハロタン)、エトレン、フルオタン、プロポフォール、およびチオペンタール;アナンダミド;アリールアミノベンゾアート(FFA:親油性であるフルフェナム酸および類似の誘導体);カルベンオキソロン;カルコン(2’,5’−ジヒドロキシカルコン);CHF(クロロヒドロキシフラノン);CMCF(3−クロロ−4−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−2(5H)−フラノン);デキサメタゾン;ドキソルビシン(および他のアントラキノン誘導体);エイコサノイドであるトロンボキサンA(2)(TXA(2))模倣剤;NO(一酸化窒素);脂肪酸(例えば、アラキドン酸、オレイン酸、およびリポキシゲナーゼ代謝物);フェナム酸(フルフェナム酸(FFA)、ニフルミン酸(NFA)、およびメクロフェナム酸(MFA));ゲニステイン;グリチルレチン酸(GA):18a−グリチルレチン酸および18−β−グリチルレチン酸、ならびにこれらの誘導体;リンダン;リゾホスファチジン酸;メフロキン;メナジオン;2−メチル−1,4−ナフトキノン、ビタミンK(3);ナフェノピン;オカダ酸;オレアミド;オレイン酸;PH、細胞内酸性化によるゲーティング、例えば、酸性化剤;多価不飽和脂肪酸;脂肪酸GJIC阻害剤(例えば、オレイン酸およびアラキドン酸);キニジン;キニーネ;全 トランス−レチノイン酸;およびタモキシフェンを含みうる。
剤形および製剤ならびに投与
治療有効量の各組合せパートナー(例えば、抗コネキシンポリヌクレオチド、および抗コネキシンペプチド、または抗コネキシンペプチド模倣剤)は、同時投与、個別投与、または逐次投与が可能であり、しかも任意の順序で可能である。薬剤は、個別投与される場合もあり、固定の組合せとして投与される場合もある。固定の組合せとして投与されない場合、好ましい方法は、物理的にまたは創傷の治療の過程において、1または複数の薬剤が単独で投与される場合、すなわち、それらが組み合わせて投与されない場合に用いられる量または用量よりも少ない量または用量でそれらの一方または両方が供給される、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤の逐次的投与を含む。投与される薬剤のこのような低量は、単独で投与される場合の該薬剤の1つの量または複数の量の約20分の1〜約10分の1であることが典型的であり、単独で投与される場合の量の約8分の1、単独で投与される場合の量の約6分の1、単独で投与される場合の量の約5分の1、単独で投与される場合の量の約4分の1、単独で投与される場合の量の約3分の1、および単独で投与される場合の量の約2分の1であってよい。薬剤は、互いから少なくとも約30分以内に逐次投与されることが好ましい。薬剤はまた、互いから約1時間以内に投与することもでき、互いから約1日〜約1週間以内に投与することもでき、適切であるとみなされる他の形で投与することもできる。抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤、例えば、ヘミチャネルの開口を遮断するかまたは低下させうる抗コネキシン剤は、例えば、コネキシンタンパク質発現の下方調節により、コネキシン発現またはヘミチャネルの形成もしくはギャップジャンクションの形成を遮断するかまたは低下させる抗コネキシン剤の投与よりも前に投与されることが好ましい。1または複数の抗コネキシン剤は、(1または複数の)抗コネキシン43剤であることが好ましい。
本発明の薬剤は、本明細書で言及される疾患または状態のいずれかを有する対象など、治療を必要とする対象に投与することができる。こうして、対象の状態を改善することができる。したがって、抗コネキシン剤は、治療による対象の身体の処置に用いることができる。これらは、本明細書で言及される状態のいずれかを治療する薬剤の製造において用いることができる。したがって、本発明により、細胞間情報伝達を一過性の様式および部位特異的な様式で下方調節しうる製剤が提供される。
抗コネキシン剤は、実質的に単離形態で存在しうる。生成物は、生成物の意図される目的に干渉しない担体または希釈剤と混合することができ、これをなおも実質的に単離状態にあるとみなしうることが理解される。本発明の生成物はまた、実質的に精製形態の場合もあり、この場合、生成物は一般に、ポリヌクレオチド(または他の抗コネキシン剤)の、または調製物の乾燥質量の、約80%、85%、または90%、例えば、少なくとも約95%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%を含む。
意図される投与の経路に応じて、本発明の医薬品、医薬組成物、組合せ調製物、および薬剤は、例えば、溶液、懸濁液、点滴、軟膏剤(salves)、クリーム、ゲル、泡沫、軟膏(ointment)、エマルジョン、ローション、ペイント、持続放出製剤、または粉末の形態をとる可能性があり、(1または複数の)有効成分の約0.1%〜95%を含有することが典型的であり、(1または複数の)有効成分の約0.2%〜70%を含有することが好ましい。他の適切な製剤は、プロニックゲルベースの製剤、カルボキシメチルセルロース(CMC)ベースの製剤、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(hyroxypropylmethylcellulose)(HPMC)ベースの製剤を含む。プルロニックゲルを含む適切な製剤は、例えば、約10〜約15パーセント、適切には約12パーセントのプルロニックゲルを有する。他の有用な製剤は、徐放調製物または遅延放出調製物を含む。
ゲルまたはゼリーは、ゼラチン、トラガカント、またはセルロース誘導体を含むがこれらに限定されない適切なゲル化剤を用いて作製することができ、保湿剤、皮膚軟化剤、および防腐剤としてグリセロールを含みうる。軟膏は、脂肪基剤、蝋基剤、または合成基剤中に組み込まれた有効成分からなる半固体調製物である。適切なクリームの例は、油中水エマルジョンおよび水中油エマルジョンを含むがこれらに限定されない。油中水クリームは、セチルアルコールまたはセトステアリルアルコールなどの脂肪族アルコールによる乳化剤および乳化蝋と類似するがこれらに限定されない特性を有する適切な乳化剤を用いて調合することができる。水中油クリームは、セトマクロゴール乳化蝋などの乳化剤を用いて調合することができる。適切な特性は、エマルジョンの粘稠度を変化させる能力、および広範なpHにわたる物理および化学の両面における安定性を含む。水溶性または混和性のクリーム基剤は、防腐剤系を含有する場合があり、また、許容される生理学的なpHを維持するように緩衝化することもできる。
泡沫調製物は、不活性の噴霧剤を用いる適切なアプリケーターにより、加圧エアゾールキャニスターから送達するように調合することができる。泡沫基剤の製剤に適する賦形剤は、プロピレングリコール、乳化蝋、セチルアルコール、およびステアリン酸グリセリルを含むがこれらに限定されない。潜在的な防腐剤は、メチルパラベンおよびプロピルパラベンを含む。
本発明の薬剤を薬学的に許容される担体または希釈剤と組合せて、医薬組成物を作製することが好ましい。適切な担体および希釈剤は、等張性の食塩液、例えば、リン酸塩緩衝化食塩液を含む。適切な希釈剤および賦形剤はまた、例えば、水、食塩液、デキストロース、グリセロールなど、およびこれらの組合せ物も含む。加えて、所望の場合、保湿剤または乳化剤、安定化剤またはph緩衝剤などの物質もまた存在しうる。
「薬学的に許容される担体」という用語は、組成物を投与される個体に有害な抗体の生成をそれ自体では誘導せず、不適切な毒性なしに投与しうる任意の薬学的な担体を指す。適切な担体は、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、およびアミノ酸コポリマーなどの大型でゆっくりと代謝される高分子でありうる。
例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩などのような鉱酸塩、および酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩などの有機酸塩など、薬学的に許容される塩もまた存在しうる。
適切な担体物質は、局所投与用のクリーム、ローション、ゲル、エマルジョン、ローション、またはペイントのための基剤として一般に用いられる任意の担体またはビークルを含む。例は、乳化剤、炭化水素による基剤を含む不活性担体、乳化基剤、非毒性溶媒、または水溶性の基剤を含む。特に適切な例は、プルロニック、HPMC、CMC、および他のセルロース基剤の成分、ラノリン、硬質パラフィン、液体パラフィン、軟質黄色パラフィン、または軟質白色パラフィン、白色蜜蝋、黄色蜜蝋、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、ジメチコーン、乳化蝋、ミリスチン酸イソプロピル、微晶質蝋、オレイルアルコール、およびステアリルアルコールを含む。
薬学的に許容される担体またはビークルは、ゲルであることが好ましく、非イオン性ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーゲル、例えば、プルロニックゲル、好ましくはPluronic F−127(BASF Corp.)であることが適切である。このゲルは、低温では液体であるが、生理学的温度では急速に固まり、これにより、薬剤の放出が適応部位またはその部位にすぐの近接部位に限定されるので特に好ましい。
カゼイン、ゼラチン、アルブミン、膠、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、またはポリビニルアルコールなどの補助剤もまた、本発明の製剤中に組み入れることができる。
他の適切な製剤は、プロニックゲル基剤の製剤、カルボキシメチルセルロース(CMC)基剤の製剤、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)基剤の製剤を含む。組成物は、局所投与、点滴投与、非経口投与、筋肉内投与、皮下投与、または経皮投与を含む、任意の所望の送達形態に応じて調合することができる。他の有用な製剤は、徐放調製物または遅延放出調製物を含む。
抗コネキシン剤が、ポリヌクレオチドなどの核酸である場合、哺乳動物細胞による核酸の取込みは、複数種の公知のトランスフェクション法、例えば、トランスフェクション剤の使用を含むトランスフェクション法により増強される。このような技法は、ポリヌクレオチドを含む一部の抗コネキシン剤と共に用いることができる。投与される製剤は、このようなトランスフェクション剤を含有しうる。これらの薬剤の例は、陽イオン剤(例えば、リン酸カルシウムおよびDEAEデキストラン)およびリポフェクション剤(例えば、lipofectam(商標)およびtransfectam(商標))、ならびに界面活性剤を含む。
抗コネキシン剤がポリヌクレオチドを含む場合、製剤がポリヌクレオチドの細胞透過を補助する界面活性剤をさらに含むか、または製剤が任意の適切な充填剤を含有すると好都合である。DMSOなど、任意の適切な無毒性界面活性剤を組み入れることができる。代替的に、尿素などの経皮透過剤も組み入れることができる。
所与の対象または状態に対して有効な用量は、日常的な実験または当技術分野において公知であるかもしくは将来的に開発される他の方法により決定することができる。例えば、ある範囲の用量値を調合するために、細胞培養アッセイおよび動物試験を用いることができる。このような化合物の用量は、集団の少なくとも50%に対して治療的に有効な用量内にあり、このレベルにおいてほとんどまたはまったく毒性を示さないことが好ましい。
本発明の方法および組成物において用いられる各抗コネキシン剤の有効用量は、用いられる1または複数の特定の抗コネキシン剤、組合せのパートナー、投与方式、投与頻度、治療される状態、治療される状態の重症度、投与経路、治療される患者部分集団の必要、またはその患者の異なる必要がその患者に特異的な年齢、性別、体重、関連する治療状態に起因しうる個々の患者の必要を含むいくつかの因子に応じて異なりうる。
患者に抗コネキシン剤が投与される場合の用量は、患者の年齢、体重、および全般的な状態、治療される状態、ならびに投与される特定の抗コネキシン剤などの、各種の因子に依存する。
抗コネキシン剤の適切な治療有効用量は、約0.01〜約0.4mg/kg体重など、約0.001〜約1mg/kg体重でありうる。しかし、適切な用量は、約0.01〜約0.050mg/kg体重など、約0.001〜約0.1mg/kg体重でありうる。
約1〜100、100〜200、100〜300または200〜300、100〜400または200〜400または300〜400、および100〜500または200〜500または300〜500または400〜500マイクログラムの治療有効用量の抗コネキシン剤が適切である。約1〜1000マイクログラムの用量もまた適切である。最大2ミリグラムの用量もまた用いることができる。1または複数の抗コネキシン剤が包帯材の形態で提供される場合、用量は適切な形で調整され、所望の総用量投与を維持するよう上方に調整されることが典型的である。
代替的に、抗コネキシンオリゴヌクレオチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤の場合、組成物中における各ギャップジャンクション調節剤の用量は、それが適用される領域のサイズ、長さ、深さ、面積、または容積に対する組成物の濃度を基準として決定することができる。例えば、一部の局所適用において、医薬組成物の用量は、医薬組成物の質量(例えば、グラム)または適用領域の長さ、深さ、面積、もしくは容積当たりの医薬組成物の濃度(例えば、μg/ul)に基づいて計算することができる。有用な用量は、創傷サイズの平方センチメートル当たり約1〜約10マイクログラムの範囲にある。一部の用量は、創傷サイズの平方センチメートル当たり約1〜2、約1〜5、約2〜4、約5〜7、および約8〜10マイクログラムである。他の有用な用量は、創傷サイズの平方センチメートル当たり約10マイクログラムを超え、創傷サイズの平方センチメートル当たり少なくとも約15マイクログラム、創傷サイズの平方センチメートル当たり少なくとも約20マイクログラム、創傷サイズの平方センチメートル当たり少なくとも約25マイクログラム、創傷サイズの平方センチメートル当たり約30マイクログラム、創傷サイズの平方センチメートル当たり少なくとも約35マイクログラム、創傷サイズの平方センチメートル当たり少なくとも約40マイクログラム、創傷サイズの平方センチメートル当たり少なくとも約50マイクログラム、および創傷サイズの平方センチメートル当たり少なくとも約100〜少なくとも約150マイクログラムを含む。他の用量は、平方センチメートル当たり約150〜200マイクログラム、平方センチメートル当たり約200〜250マイクログラム、平方センチメートル当たり約250〜300マイクログラム、平方センチメートル当たり約300〜350マイクログラム、平方センチメートル当たり約350〜400マイクログラム、および平方センチメートル当たり約400〜500マイクログラムを含む。
一部の実施形態において、抗コネキシン剤組成物は、治療部位および/または治療部位に隣接して、約0.01マイクロモル(μM)または0.05μM〜約200μM、 または最大300μM、または最大1000μM、または最大2000μM、または最大3200μM以上の最終濃度、およびこれらの用量数値内にある任意の用量および用量範囲で適用することができる。アンチセンスポリヌクレオチド組成物は約0.05μM〜約100μMの最終濃度で適用されることが好ましく、抗コネキシン剤組成物は約1.0μM〜約50μMの最終濃度で適用されることがより好ましく、抗コネキシン剤組成物は約5〜10μM〜約30〜50μMの最終濃度で適用されることがより好ましい。加えて、組合わされた抗コネキシン剤組成物は約8μM〜約20μMの最終濃度で適用され、また代替的に、抗コネキシン剤組成物は約10μM〜約20μMの最終濃度、または約10〜約15μMの最終濃度で適用される。他の一部の実施形態において、抗コネキシン剤は、約10μMの最終濃度で適用される。さらに別の実施形態において、抗コネキシン剤組成物は、約1〜15μMの最終濃度で適用される。他の実施形態において、抗コネキシン剤は、約20μM、30μM、40μM、50μM、60μM、70μM、80μM、90μM、100μM、10〜200μM、200〜300μM、300〜400μM、400〜500μM、500〜600μM、600〜700μM、700〜800μM、800〜900μM、900〜1000、または1000〜1500μM、または1500μM〜2000μM、または2000μM〜3000μM以上で適用される。
抗コネキシン剤の投与量は、例えば、約0.1〜1、1〜2、2〜3、3〜4、または4〜5マイクログラム(μg)、約5〜約10μg、約10〜約15μg、約15〜約20μg、約20〜約30μg、約30〜約40μg、約40〜約50μg、約50〜約75μg、約75〜約100μg、約100μg〜約250μg、および250μg〜約500μgを含む。上記で言及した通り、0.5〜約1.0ミリグラム以上の投与量もまた提供される。投与容量は治療される部位のサイズに依存し、例えば、約25〜100μL〜約100〜200μL、約200〜500μL〜約500〜1000μLの範囲でありうる。より大きな治療部位には、ミリリットル用量もまた適切である。
さらに他の用量は、本明細書に記載の各薬剤に対して、1日当たり約1ナノグラム(ng)/kg体重〜約1mg/kg体重のレベルである。一部の実施形態において、各対象化合物の用量は一般に、kg体重当たり約1ng〜約1マイクログラム、kg体重当たり約1ng〜約0.1マイクログラム、kg体重当たり約1ng〜約10ng、kg体重当たり約10ng〜約0.1マイクログラム、kg体重当たり約0.1マイクログラム〜約1マイクログラム、kg体重当たり約20ng〜約100ng、kg体重当たり約0.001mg〜約0.01mg、kg体重当たり約0.01mg〜約0.1mg、またはkg体重当たり約0.1mg〜約1mgの範囲である。一部の実施形態において、各対象化合物の用量は一般に、kg体重当たり約0.001mg〜約0.01mg、kg体重当たり約0.01mg〜約0.1mg、kg体重当たり約0.1mg〜約1mgの範囲である。複数種の抗コネキシン剤を用いる場合、各抗コネキシン剤の用量は、他方の用量と同じ範囲である必要はない。例えば、1種の抗コネキシン剤の用量はkg体重当たり約0.01mg〜約10mgの可能性があり、別の抗コネキシン剤の用量はkg体重当たり約0.1mg〜約1mgの可能性がある。
本明細書で言及されるすべての用量および用量範囲は、例えば、抗コネキシンオリゴヌクレオチドに適用可能である。これらの用量範囲はまた、例えば、抗コネキシンペプチド、抗コネキシン模倣ペプチド、および抗コネキシンペプチド模倣剤にも適用可能である。
抗コネキシン剤は、投与後少なくとも約0.5〜1時間、少なくとも約1〜2時間、少なくとも約2〜4時間、少なくとも約4〜6時間、少なくとも約6〜8時間、少なくとも約8〜10時間、少なくとも約12時間、または少なくとも約24時間にわたってコネキシンタンパク質の発現を下方調節するか、またはギャップジャンクションの形成もしくはコネクソン(connexin)の開口を調節するのに十分な量で投与されると好都合である。
対象発明の組成物および方法における各抗コネキシン剤の用量はまた、それが適用される領域のサイズ、長さ、深さ、面積、または容積に対する組成物の濃度を基準として決定することもできる。例えば、一部の局所適用および他の適用、例えば、点滴において、医薬組成物の用量は、医薬組成物の質量(例えば、マイクログラム)または適用領域の長さ、深さ、面積、もしくは容積当たりの医薬組成物の濃度(例えば、μg/ul)に基づいて計算することができる。
本明細書で言及される通り、組合せで投与される抗コネキシンポリヌクレオチド、抗コネキシンペプチドもしくは抗コネキシンペプチド模倣剤、またはこれらの一方もしくは両方との組合せで投与される他の抗コネキシン剤の用量は、単独で施される場合に投与される用量よりも下方に調整することができる。
複数種の薬剤を組み合わせて用いることにより、異なる薬剤の効果の発生および持続が補完的となりうるため、任意の個々の薬剤に対して必要とされる用量を低減することができる。好ましい実施形態において、2つ以上の抗コネキシン剤を組み合わせて用いると、相加効果、相乗効果、または超相加効果が得られる。
場合によって、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはこれらの一方との組合せで投与されるかまたはこれらの両方との組合せで投与される他の抗コネキシン剤を組み合わせると、相加効果が得られる。他の場合において、組合せは、相加を超える効果を有しうる。本明細書では、このような効果を「超相加(supra−additive)」効果と称し、これは、相乗的であるかまたは強化された相互作用に起因する可能性がある。
「創傷治癒の超相加的促進」という用語は、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはこれらの一方との組合せで投与されるかまたはこれらの両方との組合せで投与される他の抗コネキシン剤の組合せを投与することによりもたらされる平均創傷治癒が、いずれかの薬剤を単独で個別に投与することによりもたらされる創傷治癒の和よりも統計学的に有意に高度であることを指す。1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはこれらの一方との組合せで投与されるかまたはこれらの両方との組合せで投与される他の抗コネキシン剤の組合せ投与によりもたらされるものが、個々の化合物について予測される加算値よりも「統計学的に有意に高度」であるかどうかは、本明細書に記載され、かつ/または当業者により公知である各種の統計学的方法により判定することができる。「相乗的」という用語は、抗コネキシンポリヌクレオチド、および抗コネキシンペプチドもしくは抗コネキシンペプチド模倣剤の両方、またはこれらの一方との組合せでもしくはこれらの両方との組合せで投与される他の抗コネキシン剤が、創傷治癒を促進する能力を個別に有する、超相加的阻害の種類を指す。「強化された」という用語は、抗コネキシンポリヌクレオチド、抗コネキシンペプチドもしくは抗コネキシンペプチド模倣剤、またはこれらの一方との組合せでもしくはこれらの両方との組合せで投与される他の抗コネキシン剤の一つが、創傷治癒を促進する増大した能力を個別にもつ、超相加的効果の種類を指す。
一般に、それらの治療群それぞれにおいて個々の治療によりもたらされる平均創傷治癒増加の合計と比較した場合、組合せ治療が、治療群において統計学的に有意に超相加的な平均創傷治癒の増大をもたらすかどうかを判定することにより強化を評価することができる。平均創傷治癒の増大は、対照群の平均創傷治癒と、治療群の平均創傷治癒との間の差として計算することができる。創傷治癒の増加率である「作用率(fraction affected)」(Fa)は、治療群における平均創傷治癒の増加を、対照群における平均創傷治癒で除することにより計算することができる。統計学的に有意な強化に対する検定は、各治療群に対するFaの計算を必要とする。組合せ治療に対して予測される相加Faは、組合せのいずれかのエレメントを投与される群に由来する平均Faの合計であると理解することができる。例えば、1試料による両側T検定を用いて、実験により得られる結果が偶然だけに起因する可能性はどの程度であるかを、p値による測定の形で評価することができる。0.05未満のp値は統計学的に有意である、すなわち、偶然だけに起因する可能性は低いと考えられる。したがって、組合せの結果として強化された超相加効果がもたらされるとみなすために、組合せ治療群に対するFaは、単一エレメントによる治療群に対して予測される相加Faよりも統計学的に有意に高度でなければならない。
組合せ治療から相乗効果がもたらされるかどうかは、中央値効果/組合せ指標によるアイソボログラム法(Chou, T.およびTalalay, P.(1984年)、Ad. Enzyme Reg.、第22巻、27〜55頁)により評価することができる。この方法では、抗コネキシン剤単独に対する、創傷治癒に有用な1または複数の薬剤単独に対する、および固定したモル比での2者の組合せに対する中央値効果プロットに由来するパラメータに基づき、異なる用量効果レベルに対する組合せ指数(CI)値を計算する。CI値が&1t;1は相乗効果を示し、CI−1は相加効果を示し、CP1はアンタゴニスト効果を示す。この解析は、CalcuSyn,Windows(登録商標) Software for Dose Effect Analysis(Biosoft(D,Cambridge UK)などのコンピュータソフトウェアツールを用いて実施することができる。
組合せ療法について、超相加効果が存在するかどうかを解析するための、当技術分野において公知であるかまたは将来的に開発される任意の方法は、組み合わせて用いるのに適する抗コネキシン剤のスクリーニングにおける使用が意図される。
別の好ましい実施形態では、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドと、1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤とを組み合わせて用いることにより、前記薬剤が単独で投与される場合の有効用量と比較して、任意のこのような薬剤の有効用量が低下する。一部の実施形態において、組み合わせて用いられる場合の薬剤の有効用量は、単独で用いられる場合の薬剤用量の約1/15〜約1/2、約1/10〜約1/3、約1/8〜約1/6、約1/5、約1/4、約1/3、または約1/2である。
別の好ましい実施形態では、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはこれらの一方と組み合わせるかまたはこれらの両方と組み合わせる他の抗コネキシン剤とを組み合わせて用いることにより、前記薬剤が単独で投与される場合の頻度と比較して、前記薬剤が投与される頻度が低下する。したがって、これらの組合せにより、所望の治療目標を達成するのにかつて必要とされた場合よりも低量および/または低頻度の投与で、各薬剤を用いることができる。
用量は、単一の適用で投与することもでき、分割した適用で投与することもできる。用量は、一度に投与することもでき、適用を反復することもできる。創傷治癒が促進されるまで適用を毎週反復するか、または創傷治癒が遅れるかもしくは停滞する場合には反復適用を行いうることが典型的である。用量は、3〜7日間以上の間隔で適用することができる。慢性創傷の場合、例えば、毎週、もしくは隔週、もしくは毎月、または他の頻度、例えば、創傷治癒が遅れるかもしくは停滞する場合および時点において、反復適用を行うことができる。ある種の眼科使用など一部の適応の場合、最高1時間ごとのより高頻度の投与を用いることができる。
1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤を、同じ経路または異なる経路を介して投与することができる。本発明の各種の薬剤は、治療経過における異なる時点において個別に投与することもでき、組合せ形態を分割して投与することもでき、単一の組合せ形態で同時に投与することもできる。
本発明の一態様では、抗コネキシンポリヌクレオチドを1種の組成物で投与し、抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤を第2の組成物で投与する。一実施形態では、1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤を含む第1の組成物を、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドを含む第2の組成物の前に投与する。一実施形態では、1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤を含む第1の組成物を、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドを含む第2の組成物の後に投与する。一実施形態では、1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤を含む第1の組成物を、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドを含む第2の組成物の前および後に投与する。一実施形態では、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドを含む第2の組成物を、1または複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤を含む第1の組成物の前および後に投与する。一実施形態では、1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤を含む第1の組成物を、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドを含む第2の組成物とほぼ同時に投与する。
1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはこれらの一方との組合せで投与されるかまたはこれらの両方との組合せで投与される他の抗コネキシン剤は、固体支持体(包帯材および他のマトリックスなど)および医薬製剤(ゲル、混合物、懸濁液、および軟膏など)を用いる局所投与を含むがこれらに限定されない局所投与(末梢投与または部位への直接投与)により送達されることが好ましい。一実施形態において、固体支持体は、生体適合膜または治療部位内への挿入を含む。別の実施形態において、固体支持体は、包帯材またはマトリックスを含む。本発明の一実施形態において、固体支持体組成物は、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはこれらの一方との組合せで投与されるかまたはこれらの両方との組合せで投与される他の抗コネキシン剤が、アルギン酸塩、コラーゲン、または合成の生体吸収性ポリマーのマトリックスなどの徐放固体マトリックス中に分散される、徐放の固体支持体組成物でありうる。固体支持体組成物は、無菌であるかまたは低バイオバーデンであることが好ましい。一実施形態では、2つ以上の抗コネキシン剤を含む洗浄液を用いることができる。
1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはこれらの一方との組合せで投与されるかまたはこれらの両方との組合せで投与される他の抗コネキシン剤を含む製剤を、ある時間、場合によって、約1〜2時間、約2〜4時間、約4〜6時間、約6〜8時間、または約24時間以上にわたり送達することは、より重度の傷害または状態において特に有利でありうる。場合によって、細胞喪失は、手術部位をはるかに超えて、周囲の細胞にまで拡大しうる。このような喪失は、元の手術から24時間以内に生じる可能性があり、ギャップジャンクションによる細胞間情報伝達またはヘミチャネルの開口によって媒介される。したがって、例えば、コネキシン発現の下方調節、またはコネクソン(connexin)の開口もしくは活性の遮断もしくは阻害のための(1または複数の)抗コネキシン剤の投与により、細胞間情報伝達が調節されるか、またはコネクソン(connexin)調節の場合には細胞外腔内への喪失が調節され、さらなる細胞の喪失もしくは傷害または傷害の帰結が最小化される。
下方調節が誘導される部位および所望される治療効果の両方に送達時間が依存する一方で、約0.5〜1時間、約1〜2時間、約2〜4時間、約4〜6時間、約6〜8時間または約24時間以上にわたる連続送達または徐放送達がもたらされる。本発明によれば、これは、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはこれらの一方と組み合わせるかまたはこれらの両方と組み合わせる他の抗コネキシン剤を、薬学的に許容される担体またはビークルと一体の製剤、特に、連続投与または徐放投与のための製剤の形態で組み入れることにより達成される。
言及の通り、本発明の1または複数の薬剤は、例えば、創傷前、創傷の間、創傷直後、または例えば、創傷後約180日以内、約120日以内、約90日以内、約60日以内、または約30日以内に投与し得るが、好ましくは創傷後約10日以内、約9日以内、約8日以内、約7日以内、約6日以内、約5日以内、約4日以内、約3日以内、または約2日以内に投与し得、最も好ましくは創傷後約24時間以内、約12時間以内、約10時間以内、約9時間以内、約8時間以内、約7時間以内、約6時間以内、約5時間以内、約4時間以内、約3時間以内、約2時間以内、または創傷後約60分以内、約45分以内、約30分以内、約15分以内、約10分以内、約5分以内、約4分以内、約3分以内、約2分以内、約1分以内に投与することができる。
医師により、任意の特定の患者および状態に対して最適な投与経路および用量が決定されるので、本明細書に記載の投与経路および用量は、指針だけのものとして意図される。
本明細書で言及または説明される創傷および/または状態を有する対象を治療する方法のいずれかでは、本明細書に記載の用量、剤形、製剤、および/または組成物のいずれかが投与されうる。
他の有用な用量は、創傷サイズまたは治療される面積の平方センチメートル当たり約1〜約10マイクログラムの範囲にある。一部の用量は、創傷サイズまたは治療される面積の平方センチメートル当たり約1〜2マイクログラム、約1〜5マイクログラム、約2〜4マイクログラム、約5〜7マイクログラム、および約8〜10マイクログラムである。他の有用な用量は、創傷サイズまたは治療される面積の平方センチメートル当たり約10マイクログラムを超え、創傷サイズまたは治療される面積の平方センチメートル当たり約15マイクログラム、創傷サイズまたは治療される面積の平方センチメートル当たり約20マイクログラム、創傷サイズまたは治療される面積の平方センチメートル当たり約25マイクログラム、創傷サイズまたは治療される面積の平方センチメートル当たり30マイクログラム、創傷サイズまたは治療される面積の平方センチメートル当たり約35マイクログラム、創傷サイズまたは治療される面積の平方センチメートル当たり約40マイクログラム、創傷サイズまたは治療される面積の平方センチメートル当たり約50マイクログラム、および創傷サイズまたは治療される面積の平方センチメートル当たり約100マイクログラムを含む。他の有用な用量は、創傷サイズもしくは治療される面積の平方センチメートル当たり約150マイクログラム、創傷サイズもしくは治療される面積の平方センチメートル当たり約200マイクログラム、創傷サイズもしくは治療される面積の平方センチメートル当たり約250マイクログラム、または創傷サイズもしくは治療される面積の平方センチメートル当たり約500マイクログラムである。本明細書で言及される通り、反復適用が意図される。反復適用は、毎週約1回適用されることが典型的である。
例えば、一部の実施形態において、抗コネキシン剤組成物は、治療部位において、かつ/または治療部位に隣接して、約0.01マイクロモル(μM)または0.05μM〜約200μMの最終濃度で適用することができる。アンチセンスポリヌクレオチド組成物は約0.05μM〜約100μMの最終濃度で適用されることが好ましく、抗コネキシン剤組成物は約1.0μM〜約50μMの最終濃度で適用されることがより好ましく、抗コネキシン剤組成物は約5〜10μM〜約30〜50μMの最終濃度で適用されることがより好ましい。加えて、組合された抗コネキシン剤組成物は約8μM〜約20μMの最終濃度で適用され、また代替的に、抗コネキシン剤組成物は約10μM〜約20μMの最終濃度、または約10〜約15μMの最終濃度で適用される。他の一部の実施形態において、抗コネキシン剤は、約10μMの最終濃度で適用される。さらに別の実施形態において、抗コネキシン剤組成物は、約1〜15μMの最終濃度で適用される。抗コネキシン剤の投与量は、例えば、約0.1〜1、1〜2、2〜3、3〜4、または4〜5マイクログラム(μg)、約5〜約10μg、約10〜約15μg、約15〜約20μg、約20〜約30μg、約30〜約40μg、約40〜約50μg、約50〜約75μg、約75〜約100μg、約100μg〜約250μg、および250μg〜約500μgを含む。上記で言及した通り、0.5〜約1.0ミリグラム以上の投与量もまた提供される。投与容量は治療される部位のサイズに依存し、例えば、約25〜100μLから約100〜200μLまで、約200〜500μLから約500〜1000μLまでの範囲でありうる。より大きな治療部位には、ミリリットル用量もまた適切である。
抗コネキシン剤は、投与後少なくとも約0.5〜1時間、少なくとも約1〜2時間、少なくとも約2〜4時間、少なくとも約4〜6時間、少なくとも約6〜8時間、少なくとも約8〜10時間、少なくとも約12時間、または少なくとも約24時間にわたってコネキシンタンパク質の発現を下方調節するか、またはギャップジャンクションの形成もしくはコネクソン(connexin)の開口を調節するのに十分な量で投与されると好都合である。
対象発明の組成物および方法における各抗コネキシン剤の用量はまた、それが適用される領域のサイズ、長さ、深さ、面積、または容積に対する組成物の濃度を基準として決定することもできる。例えば、一部の局所適用および他の適用、例えば、点滴において、医薬組成物の用量は、医薬組成物の質量(例えば、マイクログラム)または適用領域の長さ、深さ、面積、もしくは容積当たりの医薬組成物の濃度(例えば、μg/ul)に基づいて計算することができる。
本明細書で言及される通り、組合せで投与される抗コネキシンポリヌクレオチド、抗コネキシンペプチドもしくは抗コネキシンペプチド模倣剤の用量、またはこれらの一方との組合せで投与されるかもしくはこれらの両方との組合せで投与される他の抗コネキシン剤の用量は、単独で施される場合に投与される用量よりも下方に調整することができる。
複数種の薬剤を組み合わせて用いることにより、異なる薬剤の効果の発生および持続が補完的となりうるため、任意の個々の薬剤に対して必要とされる用量を低減することができる。好ましい実施形態において、2つ以上の抗コネキシン剤を組み合わせて用いると、相加効果、相乗効果、または超相加効果が得られる。
場合によって、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤あるいはこれらの一方との組合せで投与されるかまたはこれらの両方との組合せで投与される他の抗コネキシン剤を組み合わせると、相加効果が得られる。他の場合において、組合せは、相加効果を超える効果を有しうる。本明細書では、このような効果を「超相加」効果と称し、これは、相乗的であるかまたは強化された相互作用に起因する可能性がある。
「超相加的」という用語は、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤、あるいはこれらの一方との組合せで投与されるかまたはこれらの両方との組合せで投与される他の抗コネキシン剤の組合せを投与することによりもたらされる平均線維症軽減が、いずれかの薬剤を単独で個別に投与することによりもたらされる線維症軽減の和よりも統計学的に有意に高度であることを指す。1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤、あるいはこれらの一方との組合せで投与されるかまたはこれらの両方との組合せで投与される他の抗コネキシン剤の組合せ投与によりもたらされるものが、個々の化合物について予測される加算値よりも「統計学的に有意に高度」であるかどうかは、本明細書に記載され、かつ/または当業者により公知である各種の統計学的方法により判定することができる。「相乗的」という用語は、抗コネキシンポリヌクレオチド、および抗コネキシンペプチドもしくは抗コネキシンペプチド模倣剤の両方、またはこれらの一方との組合せで投与されるかもしくはこれらの両方との組合せで投与される他の抗コネキシン剤が、線維症、または線維症性疾患、線維症性障害、もしくは線維症性状態を予防するかまたは治療する能力を個別に有する、超相加的阻害の種類を指す。「強化された」という用語は、抗コネキシンポリヌクレオチド、抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤、あるいはこれらの一方との組合せで投与されるかもしくはこれらの両方との組合せで投与される他の抗コネキシン剤の1つが、線維症、または線維症性疾患、線維症性障害、もしくは線維症性状態を予防するそして/または治療する増大した能力を個別に有する、超相加的効果の種類を指す。
一般に、それらの治療群それぞれにおいて個々の治療によりもたらされる平均線維症軽減の合計と比較した場合、組合せ治療が、治療群において統計学的に有意に超相加的な平均線維症軽減をもたらすかどうかを判定することにより強化を評価することができる。平均線維症軽減は、対照群の平均線維症軽減と、治療群の平均線維症軽減との間の差として計算することができる。線維症軽減率である「作用率」(Fa)は、治療群における平均線維症軽減を、対照群における平均線維症で除することにより計算することができる。統計学的に有意な強化に対する検定は、各治療群に対するFaの計算を必要とする。組合せ治療に対して予測される相加Faは、組合せのいずれかのエレメントを投与される群に由来する平均Faの合計であると理解することができる。例えば、1試料による両側T検定を用いて、実験により得られる結果が偶然だけに起因する可能性はどの程度であるかを、p値による測定の形で評価することができる。0.05未満のp値は統計学的に有意である、すなわち、偶然だけに起因する可能性は低いと考えられる。したがって、組合せが強化された超相加効果をもたらさすとみなすためには、組合せ治療群に対するFaは、単一エレメントによる治療群に対して予測される相加Faよりも統計学的に有意に高度でなければならない。
組合せ治療から相乗効果がもたらされるかどうかは、中央値効果/組合せ指標によるアイソボログラム法(Chou, T.およびTalalay, P.(1984年)、Ad. Enzyme Reg.、第22巻、27〜55頁)により評価することができる。この方法では、抗コネキシン剤単独に対する、線維症を予防するかまたは治療するのに有用な1または複数の薬剤に対する、および固定したモル比における2者の組合せに対する中央値効果プロットに由来するパラメータに基づき、異なる用量効果レベルに対する組合せ指数(CI)値を計算する。CI値が&1t;1は相乗効果を示し、CI−1は相加効果を示し、CP1はアンタゴニスト効果を示す。この解析は、CalcuSyn,Windows(登録商標) Software for Dose Effect Analysis(Biosoft(D,Cambridge UK)などのコンピュータソフトウェアツールを用いて実施することができる。
組合せ療法について、超相加効果が存在するかどうかを解析するための、当技術分野において公知であるかまたは将来的に開発される任意の方法は、組み合わせて用いるのに適する抗コネキシン剤のスクリーニングにおける使用を意図する。
別の好ましい実施形態では、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドと、1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤とを組み合わせて用いることにより、前記薬剤が単独で投与される場合の有効用量と比較して、任意のこのような薬剤の有効用量が低下する。一部の実施形態において、組み合わせて用いられる場合の薬剤の有効用量は、単独で用いられる場合の薬剤の用量の約1/15〜約1/2、約1/10〜約1/3、約1/8〜約1/6、約1/5、約1/4、約1/3、または約1/2である。
別の好ましい実施形態において、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤、あるいはこれらの一方と組合せるかまたはこれらの両方と組み合わせる他の抗コネキシン剤とを組み合わせて用いることにより、前記薬剤が単独で投与される場合の頻度と比較して、前記薬剤が投与される頻度が低下する。したがって、これらの組合せにより、所望の治療目標を達成するのにかつて必要とされた場合よりも低量および/または低頻度で、各薬剤を用いることができる。
用量は、単一の適用で投与することもでき、分割した適用で投与することもできる。用量は、一度に投与することもでき、適用を反復することもできる。
抗コネキシンペプチド、あるいは1もしくは複数の抗コネキシンポリヌクレオチドおよび1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤は、同じ経路を介して投与することもでき、異なる経路を介して投与することもできる。本発明の各種の薬剤は、治療経過の間での異なる時点において個別に投与することもできるか、あるいは組合せ形態を分割して同時に投与することもでき、単一の組合せ形態で同時に投与することもできる。
本発明の一態様では、抗コネキシンポリヌクレオチドを1種の組成物で投与し、抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤を第2の組成物で投与する。一実施形態では、1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤を含む第1の組成物を、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドを含む第2の組成物の前に投与する。一実施形態では、1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤を含む第1の組成物を、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドを含む第2の組成物の後に投与する。一実施形態では、1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤を含む第1の組成物を、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドを含む第2の組成物の前および後に投与する。一実施形態では、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドを含む第2の組成物を、1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤を含む第1の組成物の前および後に投与する。一実施形態では、1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤を含む第1の組成物を、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドを含む第2の組成物とほぼ同時に投与する。
包帯材およびマトリックス
一態様において、1もしくは複数の抗コネキシンポリヌクレオチドおよび/または1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤は、包帯材またはマトリックスの形態で提供される。一部の実施形態では、本発明の1または複数の薬剤が直接的な適用のための液体組成物、半固体組成物、もしくは固体組成物の形態で提供されるか、あるいは組成物が包帯材ガーゼもしくはマトリックスなどの固体接触層の表面へと適用されるか、またはこの中へと組み込まれる。包帯材組成物は、例えば、流体またはゲルの形態で提供することができる。1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤は、局所適用のための従来の医薬賦形剤と組合せて提供することができる。適切な担体は、プルロニックゲル、ポロキサマーゲル、セルロース誘導体(ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびこれらの混合物を含む)を含有するヒドロゲル;ならびにポリアクリル酸を含有するヒドロゲル(Carbopols)を含む。適切な担体はまた、局所医薬調製物に用いられるクリーム/軟膏、例えば、セトマクロゴール乳化軟膏に基づくクリームも含む。上記の担体は、アルギン酸塩(増粘剤または刺激剤として)、ベンジルアルコールなどの防腐剤、リン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウムなどのpH調整のための緩衝液、塩化ナトリウムなどの浸透圧を調整するための薬剤、およびEDTAなどの安定化剤を含みうる。
既に言及した生物学的マトリックスに加え、適切な包帯材またはマトリックスは、例えば、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤(またはこれらの一方もしくは両方と組み合わせて投与される他の抗コネキシン剤)を伴う以下のものを含みうる。
1)吸収材:適切な吸収材は、例えば、セルロース、木綿、またはレーヨンなどの高度に吸収性の繊維層と組み合わせた、例えば、半接着質または非接着層をもたらしうる、例えば、吸収性包帯材を含みうる。代替的に、吸収材は、主要な(primary)包帯材または補助的な(secondary)包帯材として用いることができる。
2)アルギン酸塩:適切なアルギン酸塩は、例えば、天然の多糖繊維または海藻に由来するキセロゲルからなる不織パッド、非接着パッド、およびリボンである包帯材を含む。適切なアルギン酸塩包帯材は、例えば、滲出物との接触の場合イオン交換過程を介して湿潤ゲルを形成しうる。一部の実施形態において、アルギン酸塩包帯材は、やわらかく快適であり、不規則的な形状をした領域上での填塞、陥入、または適合が容易であるように設計される。一部の実施形態において、アルギン酸塩包帯材は、第2の包帯材と共に用いることができる。
3)抗菌包帯材:適切な抗菌包帯材は、例えば、例えば銀およびポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)などの生体活性薬剤の送達を促進して、これが必要であるかまたは望ましい場所で、感染に対する効力を維持しうる包帯材を含みうる。一部の実施形態において、適切な抗菌包帯材は、例えば、スポンジ、浸透化織りガーゼ、フィルム包帯材、吸収性製品、アイランド包帯材、ナイロン繊維、非接着バリア、または材料の組合せとして入手可能でありうる。
4)生体物質および生合成物質:適した生体物質包帯材または生合成物質包帯材は、例えば、天然供給源(例えば、ブタまたはウシ)に由来するゲル、溶液、または半透性シートを含みうる。一部の実施形態において、ゲルまたは溶液は、治療部位に適用され、バリア保護のための包帯材により被覆される。別の実施形態では、膜として作用する可能性があり、単回の適用後においてその場に残存する生体物質基剤(例えば、ブタの腸粘膜または膀胱組織)もしくは生合成物質基剤のシートをin situで配置するか、または1もしくは複数、好ましくは2つの抗コネキシン剤を組み入れるように、生体物質包帯材もしくは生合成物質包帯材をあらかじめ調製することができる。
5)コラーゲン:適切なコラーゲン包帯材は、例えば、ウシ、ブタ、もしくは鳥類の供給源、または他の天然の供給源もしくはドナーに由来する、例えば、ゲル、パッド、粒子、ペースト、粉末、シート、または溶液を含みうる。一部の実施形態において、コラーゲン包帯材は、治療部位における滲出物と相互作用してゲルを形成しうる。一部の実施形態において、コラーゲン包帯材は、補助的な包帯材と組み合わせて用いることができる。
6)複合材料:適切な複合材料包帯材は、例えば、物理的に異なる成分を単一の生成物へと混合して、例えば、細菌バリア、吸収、および接着など複数の機能を提供する包帯材を含みうる。一部の実施形態において、複合材料包帯材は、例えば、複数の層からなり、半接着パッドまたは非接着パッドを組み込む。一部の実施形態において、複合材料はまた、例えば、接着性の輪郭を有する不織布製テープまたは透明フィルムも含む。他の一部の実施形態において、複合材料包帯材は、例えば、主要な包帯材としても補助的な包帯材としても機能することが可能であり、さらに別の実施形態において、包帯材は、局所医薬組成物と組み合わせて用いることができる。
7)接触層:適切な接触層包帯材は、例えば、ある領域上に配置されて、例えば、治療部位に適用された他の薬剤または包帯材との直接的な接触から組織を保護する、薄型の非接着シートを含みうる。一部の実施形態において、接触層は、治療部位領域の形状に調和するように配置することができ、また多孔性であるため、透過する滲出物を、上部の補助的な包帯材に吸収させることができる。さらに別の実施形態において、接触層包帯材は、局所医薬組成物と組み合わせて用いることができる。
8)弾性包帯:適切な弾性包帯は、例えば、伸縮して身体の外形に調和する包帯材を含みうる。一部の実施形態において、繊維成分は、例えば、木綿、ポリエステル、レーヨン、またはナイロンを含みうる。他の一部の実施形態において、弾性包帯は、例えば、第2層としてのまたは補助的包帯材としての吸収をもたらし、被覆をその場に保持するか、圧力を加えるか、または治療部位にクッションを与えることができる。さらに別の実施形態において、接触層包帯材は、局所医薬組成物と組み合わせて用いることができる。
9)発泡体:適切な発泡体包帯材は、例えば、流体の保持が可能な小さな開放セルを有する、発泡ポリマー溶液(ポリウレタンを含む)のシートおよび他の形状を含みうる。例示的な発泡体は、例えば、他の材料と組み合わせて浸透化または層状化することができる。一部の実施形態では、発泡体の厚さおよび組成に基づいて吸収能を調製することができる。他の一部の実施形態において、治療部位と接触する領域は、取り外しを容易とするために非接着性でありうる。さらに別の実施形態において、発泡体は、接着性の輪郭および/または抗感染性バリアとして働きうる透明のフィルムコーティングと組み合わせて用いることができる。
10)ガーゼおよび不織包帯材:適切なガーゼ包帯材および織地包帯材は、例えば、吸収性の程度が多様な乾燥織地スポンジまたは吸収性の程度が多様な乾燥不織スポンジおよび吸収性の程度が多様な乾燥織地ラップまたは吸収性の程度が多様な乾燥不織ラップを含みうる。例示的な繊維組成物は、例えば、木綿、ポリエステル、レーヨンを含みうる。一部の実施形態において、ガーゼおよび不織包帯材は、バルクにおいて滅菌の場合であれ非滅菌の場合であれ、また、接着性の輪郭を伴う場合であれ伴わない場合であれ入手可能でありうる。例示的なガーゼ包帯材および不織包帯材は、各種の治療部位を消毒、パッキング、被覆に用いることができる。
11)親水コロイド:適切な親水コロイド包帯材は、例えば、ゼラチン、ペクチン、またはカルボキシメチルセルロースからなるウェハー、粉末、またはペーストを含みうる。一部の実施形態において、ウェハーは自己接着性であり、接着性の輪郭を伴う場合であれ伴わない場合であれ入手可能であり、また多種多様な形状およびサイズで入手可能である。例示的なハイドロコロイドは、外形合わせを必要とする領域において有用である。一部の実施形態において、粉末およびペーストの親水コロイドは、第2の包帯材と組み合わせて用いることができる。
12)ヒドロゲル(アモルファス):適切なアモルファスヒドロゲル包帯材は、例えば、水分を与え、湿潤性の治癒環境を維持し、治療部位に水分を補給するように設計された、水、ポリマー、および不定形の他の成分による製剤を含みうる。一部の実施形態において、ヒドロゲルは、補助的な包帯材カバーと組み合わせて用いることができる。
13)ヒドロゲル:浸透化包帯材:適切な浸透化ヒドロゲル包帯材は、例えば、アモルファスヒドロゲルに浸したガーゼおよび不織スポンジ、ロープ、ならびにストリップを含みうる。アモルファスヒドロゲルは、例えば、乾燥治療部位に水分を与え、湿潤性の治癒環境を維持するように設計された、水、ポリマー、および不定形の他の成分による製剤を含みうる。
14)ヒドロゲルシート:適切なヒドロゲルシートは、例えば、水中において不溶性であり、膨潤により水溶液と相互作用する、架橋された親水性ポリマーの三次元ネットワークを含みうる。例示的なヒドロゲルは、高度に適合性でありそして透過性であり、それらの組成に応じて、広範な量のドレナージを吸収できる。一部の実施形態において、ヒドロゲルは、治療部位に対して非接着性であるか、または取り外しが容易であるように処置される。
15)浸透化包帯材:適切な浸透化包帯材は、例えば、溶液、エマルジョン、油、ゲル、または例えば、食塩液、油、亜鉛塩、ワセリン、ゼロフォーム(xeroform)、およびスカーレットレッド(scarlet red)のほか、本明細書に記載の化合物を含む、他の一部の薬学的に活性な化合物もしくは担体薬剤に浸したガーゼおよび不織スポンジ、ロープ、ならびにストリップを含みうる。
16)シリコンゲルシート:適切なシリコンゲルシート包帯材は、例えば、メッシュまたは布により補強されるかまたはこれに結合した架橋ポリマーからなる軟質カバーを含みうる。
17)溶液:適切な液体包帯材は、例えば、細胞外マトリックス中に見出される多タンパク質物質および他のエレメントの混合物を含みうる。一部の実施形態では、デブリドマンおよび洗浄の後において例示的な溶液を治療部位に適用し、次いで、吸収性包帯材または非接着性パッドにより被覆することができる。
18)透明フィルム:適切な透明フィルム包帯材は、片面が接着剤によりコーティングされる、多様な厚さのポリマー膜を含みうる。一部の実施形態において、透明フィルムは液体、水、および細菌に対しては不透過性であるが、水蒸気および大気中の気体に対しては透過性である。一部の実施形態では、透明性により、治療部位が視覚化される。
19)充填剤:適切な充填剤包帯材は、例えば、ビーズ、クリーム、発泡体、ゲル、軟膏、パッド、ペースト、クッション(pillow)、粉末、ストランド、または他の調合物を含みうる。一部の実施形態において、充填剤は非接着性であり、経時放出型抗菌剤を含みうる。例示的な充填剤は、湿潤環境の維持、滲出物の管理、また、例えば、部分層創傷および全層創傷、感染創傷、排液性創傷、およびパッキングを要する深部創傷の治療に有用でありうる。
創傷の組合せ治療
一般的な態様
本発明は、治療有効量の1もしくは複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいは1もしくは複数の抗コネキシンポリヌクレオチドおよび/または抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤と組み合わせた他の抗コネキシン剤を含む医薬組成物およびそれらの使用法を対象とする。組成物は、急性創傷、および慢性創傷などの予測される速度では治癒しない創傷、ならびに従来の創傷治療または創傷治癒促進療法に対して治癒が遅いかあるいは不応な場合もある他の創傷を含む創傷の治癒を増強または促進するのに有用である。
他の組織損傷(特に、創傷)の場合も同様に、本発明の方法および組成物は、創傷治癒過程の促進、腫脹および炎症の軽減、ならびに瘢痕形成の最小化において有効である。製剤は、それが外部外傷(火傷を含む)、内部外傷、または手術による介入のほか、慢性創傷のいずれの結果であれ、創傷の治療において明白な利益をもたらす。
組成物
したがって、一態様において、本発明は、少なくとも1種の抗コネキシンポリヌクレオチド、および少なくとも1種の抗コネキシンペプチドもしくは抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはこれらの一方と組合せるかもしくはこれらの両方と組み合わせてまたは単独で投与される他の抗コネキシン剤を含む、治療的処置において用いられる組成物を提供する。好ましい実施形態において、組成物は、薬学的に許容される担体またはビークルをさらに含む。
好ましい一形態において、組成物は、1種のコネキシンタンパク質のmRNAだけに対する1または複数のアンチセンスポリヌクレオチドを含有する。別の好ましい形態において、組成物は、1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはギャップジャンクションリン酸化剤もしくはヘミチャネルリン酸化剤またはコネキシンカルボキシ末端ポリペプチドを含む。このコネキシンタンパク質は、コネキシン43であることが最も好ましい。
別の好ましい形態において、組成物は、抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤、およびコネキシンタンパク質のmRNAに対するアンチセンスポリヌクレオチドを含む。このコネキシンタンパク質は、コネキシン43であることが最も好ましい。
組合せ治療
一般的な態様
本発明は、線維症、または線維症性疾患、線維症性障害、もしくは線維症性状態を予防するそして/または治療する医薬組成物およびそれらの使用法であって、組成物が、治療有効量の1もしくは複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤、あるいは1もしくは複数の抗コネキシンポリヌクレオチドおよび/または1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤と組み合わせた他の抗コネキシン剤を含む医薬組成物およびそれらの使用法を対象とする。
組成物
したがって、一態様において、本発明は、少なくとも1種の抗コネキシンポリヌクレオチド、および少なくとも1種の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはこれらの一方との組合せで投与されるかもしくはこれらの両方と組み合わせてまたは単独で投与されるギャップジャンクション改変剤を含む、線維症、または線維症性疾患、線維症性障害、もしくは線維症性状態の予防および/または治療において用いられる組成物を提供する。好ましい実施形態において、組成物は、薬学的に許容される担体またはビークルをさらに含む。
好ましい一形態において、組成物は、1種のコネキシンタンパク質のmRNAだけに対する1または複数のアンチセンスポリヌクレオチドを含有する。別の好ましい形態において、組成物は、1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤(例えば、ギャップジャンクションリン酸化剤もしくはヘミチャネルリン酸化剤またはコネキシンカルボキシ末端ポリペプチド)を含む。このコネキシンタンパク質は、コネキシン43であることが最も好ましい。
別の好ましい形態において、組成物は、抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤、およびコネキシンタンパク質のmRNAに対するアンチセンスポリヌクレオチドを含む。このコネキシンは、コネキシン43であることが最も好ましい。
組成物は、複数種のコネキシンタンパク質を対象とする、ポリヌクレオチドもしくは抗コネキシンペプチド、またはこれらの一方もしくは両方を伴う他の抗コネキシン剤を含みうる。ポリヌクレオチドもしくは抗コネキシンペプチドまたは他の抗コネキシン剤が対象とするコネキシンタンパク質の1つが、コネキシン43であることが好ましい。ポリヌクレオチドもしくは抗コネキシンペプチドまたは他の抗コネキシン剤が対象とする他のコネキシンは、例えば、コネキシン26、30、30.3、31.1、32、36、37、40、40.1、44.6、45、および46を含みうる。各種のコネキシンを対象とするのに適する例示的なポリヌクレオチド(およびODN)を、表1に記載する。本明細書では、適切な抗コネキシンペプチドもまた提供される。適切なギャップジャンクションリン酸化剤またはヘミチャネルリン酸化剤およびコネキシンカルボキシ末端ポリペプチドは、当技術分野において公知である。
キット、薬剤、および製品
場合によって、抗コネキシンペプチド、あるいは1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはギャップジャンクションリン酸化剤もしくはヘミチャネルリン酸化剤またはコネキシンカルボキシ末端ポリペプチドなどのギャップジャンクション改変剤はまた、線維症、または線維症性疾患、線維症性障害、もしくは線維症性状態を予防するそして/または治療するための薬剤の製造においても用いることができる。
一態様において、本発明は、記載される1もしくは複数の組成物または製剤を含む、線維症、または線維症性疾患、線維症性障害、もしくは線維症性状態を予防するそして/または治療するためのキットを提供する。例えば、本発明は、治療有効量の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤を、単独で含むかまたは1もしくは複数のギャップジャンクション改変剤との組合せで含む組成物を含むキットを含む。例えば、キットは、有効量の抗コネキシンペプチド、あるいは1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはギャップジャンクションリン酸化剤もしくはヘミチャネルリン酸化剤またはコネキシンカルボキシ末端ポリペプチドなどのギャップジャンクション改変剤を含む組成物を含みうる。
線維症、または線維症性疾患、線維症性障害、もしくは線維症性状態を予防するそして/または治療するための製品であって、本明細書に記載の本発明の組成物または製剤を含有する容器と、対象の治療のために用いられる指示書とを含む製品もまた提供される。例えば、別の態様において、本発明は、治療有効量の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤を、単独で含むかまたは1もしくは複数のギャップジャンクション改変剤との組合せで含有する容器を含む製品を含む。別の態様において、本発明は、治療有効量の抗コネキシンペプチド、あるいは1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはギャップジャンクションリン酸化剤もしくはヘミチャネルリン酸化剤またはコネキシンカルボキシ末端ポリペプチドなどのギャップジャンクション改変剤および/または他の抗コネキシン剤を含有する容器と、対象の治療のための使用を含む使用のための指示書とを含む製品を含む。
治療
本発明の組成物および製剤は、線維症、または線維症性疾患、線維症性障害、もしくは線維症性状態を予防するそして/または治療するための組成物と共に用いることもでき、これと組み合わせて用いることができる。
一態様において、本発明は、対象における線維症、または線維症性疾患、線維症性障害、もしくは線維症性状態を予防するそして/または治療する方法であって、治療有効量の1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤を単独で投与するかまたは1もしくは複数のギャップジャンクション改変剤と組み合わせて投与するか、あるいは場合によって、1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはギャップジャンクションリン酸化剤もしくはヘミチャネルリン酸化剤またはコネキシンカルボキシ末端ポリペプチドなどのギャップジャンクション改変剤を投与する工程を含む方法を対象とする。一部の実施形態において、投与は、線維症を軽減するのに有効である。一部の実施形態において、投与は、拘縮を予防するかまたは軽減するのに有効である。
一態様において、本発明は、対象における線維症、または線維症性疾患、線維症性障害、もしくは線維症性状態を予防するそして/または治療する方法であって、治療有効量の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤の投与を含む方法を対象とする。一実施形態において、抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤は、線維症を軽減するのに有効である。一実施形態において、抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤は、拘縮を予防するかまたは軽減するのに有効である。
一実施形態において、抗コネキシン剤は、コネキシンタンパク質の発現を下方調節するのに有効なコネキシンアンチセンスポリヌクレオチドである。一実施形態において、コネキシンアンチセンスポリヌクレオチドは、コネキシン26のアンチセンスポリヌクレオチド、ペプチド、またはペプチド模倣剤、コネキシン43のアンチセンスポリヌクレオチド、ペプチド、もしくはペプチド模倣剤、またはこれらの混合物である。
一態様において、本発明は、抗コネキシンペプチド(例えば、ペプチド模倣剤などのヘミチャネル遮断剤)、あるいは1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤の持続投与、あるいは場合によって、1もしくは複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および/または1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはギャップジャンクションリン酸化剤もしくはヘミチャネルリン酸化剤またはコネキシンカルボキシ末端ポリペプチドなどのギャップジャンクション改変剤の持続投与を対象とする。一実施形態において、抗コネキシン剤は、少なくとも約0.5時間、約1〜24時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約11時間、少なくとも約12時間、または少なくとも約24時間にわたり投与される。一実施形態において、コネキシンの発現は、持続的な期間にわたり下方調節される。別の実施形態において、コネキシンヘミチャネルは、好ましい期間にわたり、全体的または部分的に遮断されるかまたは閉鎖される。持続的な期間にわたり、全体的または部分的に、コネキシン43の発現が下方調節され、コネキシンヘミチャネルの開口が遮断されるかまたは阻害されることが好ましい。少なくとも約1、2、4、6、8、10、12、または24時間にわたりコネキシン43の発現が下方調節されるか、またはヘミチャネルが遮断されるかもしくは阻害されると好都合である。
上記方法の一実施形態によれば、対象は、強皮症、腎線維症(糖尿病性腎症を含む)、心線維症(例えば、心筋線維症)、肺線維症(例えば、糸球体硬化症肺線維症、特発性肺線維症、珪肺症、石綿肺症、間質性肺疾患および線維性肺疾患、ならびに化学療法/放射線照射により誘導される肺線維症)、口腔線維症、心内膜心筋線維症、三角筋線維症、膵炎、炎症性腸疾患、クローン病、結節性筋膜炎、好酸球性筋膜炎、様々な程度で正常な筋肉組織が線維性組織により置換されることを特徴とする一般的な線維症症候群、後腹膜線維症、肝線維症、肝硬変、慢性腎不全;骨髄線維症(myelofibrosis(骨髄線維症(bone marrow fibrosis))、薬剤誘導性麦角中毒、リー−フラウメニ症候群における神経膠芽腫、散発性神経膠芽腫、骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性症候群、婦人科の癌、カポジ肉腫、ハンセン病、コラーゲン蓄積大腸炎、および急性線維症からなる群から選択される障害を有する。この実施形態によれば、強皮症は限局性強皮症、汎発性モルフェア、または線状強皮症でありうる。この実施形態によればまた、腎線維症は、糸球体硬化症、腎尿細管間質性線維症、または進行性腎疾患でありうる。さらにこの実施形態によれば、肺線維症は、びまん性間質性肺線維症でありうる。
上記方法の別の実施形態によれば、線維症は急性線維症である。急性線維症は、偶発性傷害、感染症、放射線照射による治療または化学療法による治療を含む各形態の外傷に対する反応であり得る。
上記方法の別の実施形態によれば、線維症は慢性線維症である。本発明はまた、例えば、嚢拘縮、デュピュイトラン拘縮、フォルクマン拘縮、レダーホース拘縮、ペイロニー拘縮、またはこれらの再発を含む各種の疾患、障害、および状態を全体的または部分的に治療するそして/または予防する方法であって、抗コネキシンポリヌクレオチドを含む有効量の組成物を投与する工程を含む方法も含む。一実施形態において、組成物は、瘢痕組織および異常組織ならびに/またはさらなる拘縮の再発を防止するリリース手順(例えば、緊急処置、オープンリリース、関節鏡リリース、または瘢痕減量)の前に、同時に、および/またはその後に、障害部位に投与される。
固定した組合せとして投与されない場合、好ましい方法は、1もしくは複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいは場合によって、1もしくは複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および/または1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはギャップジャンクションリン酸化剤もしくはヘミチャネルリン酸化剤またはコネキシンカルボキシ末端ポリペプチドなどのギャップジャンクション改変剤の逐次投与を含む。薬剤は、互いから少なくとも約30分以内に逐次投与されることが好ましい。薬剤はまた、互いから約1時間以内に投与することもでき、互いから約1日〜約1週間以内に投与することもでき、適切であるとみなされる他の形で投与することもできる。抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤、例えば、ヘミチャネルの開口を遮断するかまたは低下させうる抗コネキシン剤は、例えば、コネキシンタンパク質発現の下方調節により、コネキシン発現またはヘミチャネルの形成もしくはギャップジャンクションの形成を遮断するかまたは低下させる抗コネキシン剤の投与よりも前に投与されることが好ましい。1または複数の抗コネキシン剤は、(1または複数の)抗コネキシン43剤であることが好ましい。
線維症、または線維症性疾患、線維症性障害、もしくは線維症性状態を予防するそして/または治療するための別の実施形態では、1もしくは複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいは場合によって、1もしくは複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および/または1もしくは複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはギャップジャンクションリン酸化剤もしくはヘミチャネルリン酸化剤またはコネキシンカルボキシ末端ポリペプチドなどのギャップジャンクション改変剤の一方または両方が、1または複数の薬剤が単独で投与される場合(すなわち、それらが組み合わせて投与されない場合)に用いられる量または用量よりも少ない量または用量で供給される。投与される薬剤のこのような低量は、単独で投与される場合の該薬剤の1つの量または複数の量の約20分の1〜約10分の1であることが典型的であり、単独で投与される場合の量の約8分の1、単独で投与される場合の量の約6分の1、単独で投与される場合の量の約5分の1、単独で投与される場合の量の約4分の1、単独で投与される場合の量の約3分の1、および単独で投与される場合の量の約2分の1でありうる。治療されうる対象は、哺乳動物、好ましくはヒトを含む。
一実施形態において、線維症、または線維症性疾患、線維症性障害、もしくは線維症性状態を予防するそして/または治療する方法は、抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、またはギャップジャンクション改変剤、あるいは場合によって、1もしくは複数の抗コネキシンポリヌクレオチド、および1もしくは複数の抗コネキシンペプチドまたは抗コネキシンペプチド模倣剤、または場合によって1または複数の抗コネキシンポリヌクレオチドおよび/もしくは1または複数の抗コネキシンペプチド、抗コネキシンペプチド模倣剤、あるいはギャップジャンクションリン酸化剤もしくはヘミチャネルリン酸化剤またはコネキシンカルボキシ末端ポリペプチドなどのギャップジャンクション改変剤の持続投与を含む。一実施形態において、1または複数の組成物は、持続放出製剤において投与される。別の実施形態において、1または複数の組成物は、持続的な期間にわたり投与される。組成物は少なくとも約1〜2時間、約2〜4時間、約4〜6時間、約4〜8時間、約12時間、約18時間、または約24時間にわたり、コネキシン43レベルを低下させるか、またはコネキシン43ヘミチャネルの開口を遮断するかもしくは抑制するのに有効であると好都合である。治療されうる対象は、哺乳動物、好ましくはヒトを含む。
以下の実施例は、例示のみを目的として記載されるものであり、本発明の範囲に対する限定を構成するものではないと理解される。
(実施例1)
以下の例示的な配列:SRPTEKTIFIIを用いて調製された抗コネキシン43ペプチド製剤を逐次投与し、続いて以下の例示的な配列:GTAATTGCGGCAGGAGGAATTGTTTCTCTC(コネキシン43)(配列番号2)およびGACAGAAACAATTCCTCCTGCCGCATTTAC(センス対照)(配列番号7)を用いて調製された抗コネキシン43ポリヌクレオチド製剤を投与する方法を、線維症の治療における効力について評価する。
この方法で、線維症の阻害に関して抗コネキシン剤を評価する。ラットに、糸球体腎炎を誘発するための抗胸腺細胞血清(ATS)(S. Okudaら、J. Clin. Invest.、86巻、(1990年、453〜462頁)を参照されたい)または対照として役立てるためのリン酸塩緩衝化食塩水(PBS)のいずれかを注入する。6日後、腎臓を取り出し、糸球体を単離して72時間培養下に置く。培養条件は、2ml容量の無血清RPMI1640(インスリン添加)(Gibco;Gaithersburg、Md.)中2000糸球体/ウェルからなる。試験抗コネキシンペプチドおよび試験抗コネキシンポリヌクレオチドを逐次的に加える。培養物から上清を回収し、線維症の活性のマーカーとしてI型コラーゲン、トランスフォーミング増殖因子y−1(TGFy−1)、エキストラドメインA含有フィブロネクチン(フィブロネクチンEDA+)、およびプラスミノゲンアクチベーターインヒビターI(PAI−I)の濃度を決定するためにアッセイするまで−70℃で保存する。加えて、個々の糸球体を免疫蛍光染色によって検査し、対応するマトリックスタンパク質に関してスコアを付ける。線維症の過程が抗コネキシン剤によって阻害される程度を決定するために、PBS処置した、陰性線維症の対照糸球体;ATS処置し、薬剤処置していない、陽性線維症の対照糸球体;およびATS処置し、薬剤処置した、線維症の糸球体間で値を比較する。
(実施例2)
この実施例では、抗コネキシン剤の逐次投与を試験するための方法を、線維症の阻害に関して評価する。ラットに、糸球体腎炎を誘発するための抗胸腺細胞血清(ATS)または対照としてのリン酸塩緩衝化食塩水(PBS)のいずれかを注入する。1時間後、抗コネキシン剤を用いて処置を開始する。試験抗コネキシンペプチドおよび抗コネキシンポリヌクレオチドを、皮下に1日2回、5日間、逐次投与する。5日目にラットを代謝ケージに入れ、24時間尿を採取してタンパク質含量を測定する。6日目に、腎臓を取り出し、組織学的評価のために、組織試料をホルマリン中に置くかまたは凍結する。残りの組織から糸球体を単離し、72時間培養下に置く。培養条件は、1ml容量の無血清RPMI1640(インスリン添加)中2000糸球体/ウェルからなる。培養物から上清を回収し、線維症の活性のマーカーとしてI型コラーゲン、トランスフォーミング増殖因子y−1(TGFy−1)、エキストラドメインA含有フィブロネクチン(フィブロネクチンEDA+)、およびプラスミノゲンアクチベーターインヒビター1(PAI1)の濃度を決定するためにアッセイするまで−70℃で保存する。マトリックスタンパク質の存在は、フィブロネクチンEDA+、I型コラーゲン、PAI1、およびテネイシン(tenasin)などのTGFy−1により誘導されるマトリックスタンパク質に対する抗体を用いて凍結腎臓切片の免疫蛍光染色によって測定する。培養して単離した糸球体から、培養上清中に分泌されたTGFy−1、PAI1、およびフィブロネクチンの直接測定を、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)によって決定することができる。各群における試料からの糸球体を使用してmRNAを抽出し、TGFy−1、GADPH、I型コラーゲン、III型コラーゲン、フィブロネクチン、およびPAI1のメッセージレベルをノーザン解析によって決定することができる。肉眼的な組織学的変化の指標として、PAS(過ヨウ素酸シッフ)染色パラフィン切片を、これらのマトリックス病理スコアに基づいて等級付けする。線維症の過程が抗コネキシン剤によって阻害される程度を決定するために、PBS処置した、陰性線維症の対照動物;ATS処置し、薬剤処置していない動物、ATS処置し、薬剤処置した動物間で値を比較する。
(実施例3)
この実施例は、抗コネキシン剤の逐次投与評価および線維症予防のための方法を示す。ラットに、糸球体腎炎を誘発するための抗胸腺細胞血清(ATS)(S. Okudaら、J. Clin. Invest.、86巻、(1990年、453〜462頁)を参照されたい)または対照として役立てるためのリン酸塩緩衝化食塩水(PBS)のいずれかを注入する。6日後、腎臓を取り出し、糸球体を単離して72時間培養下に置く。培養条件は、2ml容量の無血清RPMI1640(インスリン添加)(Gibco;Gaithersburg、Md.)中2000糸球体/ウェルからなる。試験抗コネキシンポリペプチドおよびポリヌクレオチドを培養物に加える。培養物から上清を回収し、線維症の活性のマーカーとしてI型コラーゲン、トランスフォーミング増殖因子β−1(TGFβ−1)、エキストラドメインA含有フィブロネクチン(フィブロネクチンEDA+)、およびプラスミノゲンアクチベーターインヒビターI(PAI−I)の濃度を決定するためにアッセイするまで−70℃で保存する。加えて、個々の糸球体を免疫蛍光染色によって検査し、相当するマトリックスタンパク質に関してスコアを付ける。線維症の過程が抗コネキシンポリペプチド/抗コネキシンポリヌクレオチドの逐次投与によって阻害される程度を決定するために、PBS処置した、陰性線維症の対照糸球体;ATS処置し、薬剤処置していない、陽性線維症の対照糸球体;およびATS処置し、薬剤処置した、線維症の糸球体間で値を比較する。
(実施例4)
この実施例は、抗コネキシン剤の逐次投与およびこれらの抗線維症の活性を評価するための方法を示す。ラットに、糸球体腎炎を誘発するための抗胸腺細胞血清(ATS)または対照としてのリン酸塩緩衝化食塩水(PBS)のいずれかを注入する。1時間後、適当な時点で逐次的な抗コネキシンポリペプチド/抗コネキシンポリヌクレオチド投与を用いて処置を開始する。抗コネキシンポリペプチド/抗コネキシンポリヌクレオチドを、皮下に1日2回、5日間、逐次投与する。5日目にラットを代謝ケージに入れ、24時間尿を採取してタンパク質含量を測定する。6日目に、腎臓を取り出し、組織学的評価のために、組織試料をホルマリン中に置くかまたは凍結する。残りの組織から糸球体を単離し、72時間培養下に置く。培養条件は、1ml容量の無血清RPMI1640(インスリン添加)中2000糸球体/ウェルからなる。培養物から上清を回収し、線維症の活性のマーカーとしてI型コラーゲン、トランスフォーミング増殖因子β−1(TGFβ−1)、エキストラドメインA含有フィブロネクチン(フィブロネクチンEDA+)、およびプラスミノゲンアクチベーターインヒビター1(PAI1)の濃度を決定するためにアッセイするまで−70℃で保存する。マトリックスタンパク質の存在は、フィブロネクチンEDA+、I型コラーゲン、PAI1、およびテネイシン(tenasin)などのTGFβ−1により誘導されるマトリックスタンパク質に対する抗体を用いて凍結腎臓切片の免疫蛍光染色によって測定する。培養して単離した糸球体から、培養上清中に分泌されたTGFβ−1、PAI1、およびフィブロネクチンの直接測定を、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)によって決定することができる。各群における試料からの糸球体を使用してmRNAを抽出し、TGFβ−1、GADPH、I型コラーゲン、III型コラーゲン、フィブロネクチン、およびPAI1のメッセージレベルをノーザン解析によって決定することができる。肉眼的な組織学的変化の指標として、PAS(過ヨウ素酸シッフ)染色パラフィン切片を、これらのマトリックス病理スコアに基づいて等級付けする。線維症の過程が抗コネキシンポリペプチド/抗コネキシンポリヌクレオチドの逐次投与によって阻害される程度を決定するために、PBS処置した、陰性線維症の対照動物;ATS処置し、薬剤処置していない動物、ATS処置し、薬剤処置した動物間で値を比較する。
(実施例5)
C57BL6/KsJ db/dbマウスに、4mm生検パンチによって創傷を作製する。入手したマウスは、創傷プロトコールの開始前、3〜7カ月齢である。創傷作製前にすべてのマウスに麻酔をかける。下層構造から皮膚を引き離し、分離させた皮膚をパンチで打ち抜くことによって、各動物の上背部に2つの創傷を導入する。典型的には、1.3〜2.2mmの範囲で平均1.7mmの深さまで創傷を作製する。創傷作製中、注意深く筋肉の巻き込みを避ける。創傷作製後ただちに、創傷を生理食塩水(非処置対照群として役立てるため)で、または適当な試験抗コネキシンポリペプチド/抗コネキシンポリヌクレオチドで、逐次または併用投与によって処置する。
毎日、創傷をデジタル撮影し、写真のコンピュータ積分によって創傷面積を決定する。すべての創傷処置およびその後のデータ解析は、ブラインド方式で行う。創傷作製時(0日目)の創傷面積はすべての創傷について相対値1に設定し、その後の創傷面積を、「n」日目の創傷面積を0日目の創傷面積で割ることによって相対損傷面積に変換する。
抗線維症の効力を、抗コネキシンポリペプチドに続いて抗コネキシンポリヌクレオチド(0日目)の適用後、または併用投与後に決定し、マウスモデルにおける完全な創傷閉鎖までの時間をモニタリングした後に評価を行う。線維症のエンドポイントは、創傷作製後1日目から開始して所定の期間(例えば、時間、日、週、月または年)継続して評価する。
(実施例6)
線維症に対する抗コネキシンポリペプチド/抗コネキシンポリヌクレオチド逐次投与の効力を、マウスモデルにおいて評価する。適当数の成体マウスを、統計的に意味のある試料サイズの群(例えば、8匹ずつ6つの群):4匹は処置および4匹は対照、に分ける。AvertineのIP注入を使用してマウスに麻酔をかけ、背中の毛を剃り、皮膚に2箇所、特定の解剖学的位置で皮筋まで含めて1cmの切開を行う。創傷を縫合しないまま、動物を個々のケージに戻す。動物群を、創傷作製後1日(d)、3日、5日、7日、14日および70日後に屠殺し、創傷を採取する。各採取した創傷の半分をホルマリン食塩水(formal saline)中で固定し、残り半分をOCT培地に包埋し液体窒素で凍結する。顕微鏡および肉眼の結果を比較できるように、各時点での創傷の写真記録を続ける。
組織学的評価:ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)染色ならびにMasson’s Trichrome染色を使用して創傷の細胞充実性およびコラーゲン含量をそれぞれ決定する。
線維症のスコアリング:創傷作製後70日目に、0が正常な皮膚を表し、10が極端な場合の線維症を表す10cmの線からなるVisual Analogue Scale(VAS)を使用して、組織学スライドをスコア付けする。0が正常な皮膚を表し、5が極端な線維症の皮膚を表す等級付け尺度もまた使用される。3の等級付けは対照線維症のスコアに使用される。
免疫組織化学:1、3、5および7日目の創傷の試料を、1)抗マウスフィブロネクチンまたは2)TRITC標識ファロイジンを含むいくつかの抗体を使用して染色する。ファロイジンは、キノコのamanita phalloidesから抽出され、繊維状アクチン(F−アクチン)に結合するため、細胞外F−アクチンおよび細胞内F−アクチンの位置を特定およびこれらを区別するのに有用である。
画像解析:PCベース画像キャプチャーシステム(「PC Image」)を使用して画像解析を行い、試験創傷および対照創傷間の試験薬剤の抗線維症の効力の差異を定量するために以下のパラメータを測定する:1)創傷幅(創傷縁間の直線および実際の周囲長の両方);2)皮筋の収縮;3)中間創傷幅;4)再上皮化;5)底部、中部、および上部3点の線維症の幅;および6)新生上皮の厚さ。
すべての創傷を創傷幅および皮筋の収縮について測定し、適切な時点で他の測定値をとる。周知の、当技術分野において広く利用できる適当な統計ソフトウェアを使用して測定値の統計分析を行う。例示的な統計的検定は、対照動物および試験動物の結果を比較するためのMann−Whitney U検定およびKolgomorov−Smirnov検定を含みうる。
組織学:線維症の組織学的評価およびエンドポイントは、例えば、創傷部における新血管形成およびコラーゲン形成の証拠;炎症、コラーゲン新形成のレベル;線維症に直接隣接するおよびその周囲の毛包の局所的蓄積;線維症の質の改善、を含みうる。
(実施例7)
この実施例は、エチレンビニルアセテートフィルムおよびポリカプロラクトンペーストを使用する逐次適用/投与のための抗コネキシンポリペプチドおよび/または抗コネキシンポリヌクレオチドのカプセル化を含む、創傷治癒包帯材/フィルムの調製を記載する。
適当量の例示的な抗コネキシンポリヌクレオチドおよび/または抗コネキシンポリペプチド、ならびに45mgのエチレンビニルアセテート(EVA、分子量約50k、Polysciences)を、1mlのジクロロメタン中に溶解/懸濁する。200μlの溶液を1cm径のテフロン(登録商標)ディスク上にピペットで取り、一晩乾燥(溶媒蒸発)させて弾性薄膜を形成させ、約100μmの厚さの約10mgのフィルムを得る。
これらのフィルムからの薬剤放出速度は、フィルムの5mg切片を、10mlのリン酸塩緩衝化食塩水(PBS)pH7.4が入った20ml蓋付きガラス管中に置くことによって測定する。管に蓋をし、37℃でオービタルシェーカー中に置く。所定の時間で管を取り出し、放出された薬剤量を吸光度分光法によって分析する。抗コネキシンポリヌクレオチドまたは抗コネキシンポリペプチドのこのおよび/または別の例示的な剤形は、制御された形で薬剤を放出する薬剤の生体適合性の、生物分解性の注射製剤を表す。
PCLペースト:例示的な抗コネキシンポリヌクレオチドまたは抗コネキシンポリペプチドを、60℃でポリカプロラクトン(PCL、Birmingham polymers、分子量54K)中にスパーテルで粉砕して10%w/wの濃度で混合する。次いでこの混合物を、1mlプラスチック製シリンジ中にピペットで移し、冷却させる。この製剤は、56℃で18ゲージ針によって注入可能であった。
PCLペーストからの薬剤放出を測定するために、溶けたペーストの10mgアリコートを15mlガラス管の底面に注入し、冷却しそして凝固させる。15mlのPBSを各管に加え、管に蓋をして、37℃のオーブン中で回転させて混転する。所定の時間で管を取り出し、放出された薬剤量を吸光度分光法によって分析する。抗コネキシンポリヌクレオチドまたは抗コネキシンポリペプチドの放出プロファイルを得る。逐次投与に適する抗コネキシンポリヌクレオチドまたは抗コネキシンポリペプチドのこのおよび/または別の例示的な剤形は、制御された形で薬剤を放出する薬剤の生体適合性の、生物分解性の注射製剤を表す。
本明細書の実施例に記載されている抗コネキシンポリヌクレオチドおよび抗コネキシンポリペプチドは、逐次投与用に単独で任意の順序で調合することができ、または任意の順序で患部への逐次放出を可能にする様々な徐放性特性を有する併用製剤として共調合することができる。特定の実施形態において、抗コネキシンポリペプチドの投与に続いて抗コネキシンポリヌクレオチドの逐次投与が好ましい。
(実施例8)
この実施例は、抗コネキシンポリヌクレオチドまたは抗コネキシンポリペプチドを導入した膜を記載する。
医薬グレードのヒアルロン酸ナトリウムはLifecore Scientificから入手する。すべての溶媒はHPLCグレードであり、Fisherから入手する。プラスチック製ペトリ皿はFisher Scientificから入手する。エチル−3−(ジメチルアミノ)カルボジイミド(EDAC)および抗コネキシンポリヌクレオチド/抗コネキシンポリペプチドは、本開示全体の他の部分に記載されている通り調製する。
フィルムの調製。抗コネキシンポリヌクレオチドまたは抗コネキシンポリペプチドを導入したフィルムを、水中0.6%w/v抗コネキシンポリヌクレオチドまたは抗コネキシンポリペプチド、0.4%w/vヒアルロン酸ナトリウムおよび0.15%w/vグリセロールの例示的な溶液を調製することによって作製する。対照フィルム(抗コネキシンポリヌクレオチドまたは抗コネキシンポリペプチドを含まない)を、水中0.4%w/vヒアルロン酸ナトリウムおよび0.15%w/vグリセロールの溶液または混合物を調製することによって作製する。抗コネキシンポリヌクレオチド/抗コネキシンポリペプチドを導入したフィルムおよび対照フィルムを、4gの各溶液を別個の2.5cm径プラスチック製ペトリ皿中にピペットで移し、60℃で24時間乾燥させることによって、これらの溶液から成形する。架橋剤EDACは、4mM(最終濃度)含む。次いで各乾燥したフィルムを、外科用メスを使用してペトリ皿から慎重に取り出す。
滅菌。フィルムを5cm×5cm薬包紙(weighing paper)(Fisher scientific)の間にパッキングし、プラスチック製袋中にヒートシールする。次いでフィルムを、コバルト60線源からのガンマ線照射を使用し、シールした管を氷上で冷却しながら2.5Mradの放射線に曝露させて一定時間滅菌する。
(実施例9)
この実施例は、抗コネキシンポリヌクレオチドおよび/または抗コネキシンポリペプチドを含む外用包帯材を記載する。脂肪酸(例えば、魚油)中への薬物の導入によって包帯材用の膜が得られた。純粋な魚油を200°Fで加熱して、24℃で15000〜20000cpsの粘度を得、予備処理したかまたは予備糊稠化した魚油を形成させる。次いで3.1gの予備処理をしたかまたは予備糊稠化した魚油を、適切な量の例示的な抗コネキシンポリヌクレオチドと混合する。次いで混合物を穏やかに加熱して抗コネキシンポリヌクレオチド/抗コネキシンポリペプチドを魚油に溶解させる。この結果、重量による抗コネキシンポリヌクレオチド/抗コネキシンポリペプチドを含む魚油製剤をもたらした。加熱後、混合物をキャスティングナイフでテフロン(登録商標)マット上に成型して薄膜を形成させる。次いで薄膜を、15分間UVランプ下に置く。UV光への曝露後、薄膜をオーブンにおいて加熱して熱硬化させた後、薄膜をオーブンから取り出して1時間冷却させる。薄膜を冷却後、テフロン(登録商標)マットから剥ぎ取って独立型フィルム(stand−alone film)を形成する。得られたフィルムは、約0.005”の厚さを有していた。薬剤抽出および溶解は、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)によってフィルム上で行う。抽出結果は、フィルム試料長当たりの薬剤導入量を示すことができる。一般に、抗コネキシンポリヌクレオチド/抗コネキシンポリペプチドの溶解は、時間の関数としてほぼ直線的様式で薬剤を放出するべきである。
(実施例10)
この実施例は、線維症の治療または予防において使用するための、薬剤導入魚油の独立型フィルム上への重層を記載する。純粋な魚油を加熱して、24℃で100000cpsを超える粘度を得、予備硬化魚油フィルムを形成させる。3.33gの予備硬化魚油を適切な量の抗コネキシンポリヌクレオチド/抗コネキシンポリペプチドと混合して、混合物を形成させる。これにより魚油製剤をもたらした。抗コネキシンポリヌクレオチド/抗コネキシンポリペプチドを予備硬化魚油に可溶化した後、混合物を、1”×1.5片の独立型フィルム上に塗る。次いで薬剤コーティングしたフィルムを加熱する。薬剤抽出および溶解は、HPLCによってフィルム上で行う。抽出結果は、フィルム試料長当たりの薬剤導入量を示すことができる。一般に、抗コネキシンポリヌクレオチド/抗コネキシンポリペプチドの溶解は、時間の関数としてほぼ直線的様式で薬剤を放出するべきである。
(実施例11)
この実施例は、独立した被覆フィルムを、治療的抗コネキシン剤を含む溶液で膨張させることによる薬剤コーティングを記載する。適当量の抗コネキシンポリヌクレオチドおよび/または抗コネキシンポリペプチドを、適当量のEtOHと混合する。これにより重量%製剤をもたらした。例示的な1”×1.5”の独立型フィルムを、抗コネキシンポリヌクレオチド/抗コネキシンポリペプチド製剤に浸して膨張させる。次いで独立型フィルムを風乾させる。得られたフィルムは、厚さ約0.005”である。薬剤抽出および溶解は、HPLCによってフィルム上で行う。抽出結果は、フィルム試料長当たりの薬剤導入量を示すことができる。一般に、抗コネキシンポリヌクレオチド/抗コネキシンポリペプチドの溶解は、時間の関数としてほぼ直線的様式で薬剤を放出するべきである。
(実施例12)
抗コネキシン剤は、好都合には、本発明の方法による投与に適する形態に調合される。
適当な製剤は、以下の調合剤の混合物を含む。1つまたは複数の個々の抗コネキシン剤および調合剤の量は、予定される特定の用途に依存するはずである。
(実施例13)
本発明の方法による使用のための製剤を、下記の割合で化合物を混合することによって調製する。好ましい一実施形態において、抗コネキシン剤は、抗コネキシンポリヌクレオチドである。別の実施形態において、抗コネキシンポリヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチド、例えば、配列番号1のアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
製剤A
以下の材料で構成されている(%w/w)−リン酸塩緩衝化食塩水中抗のコネキシン剤(0.47%);メチルパラベン(0.17%);プロピルパラベン(0.03%);プロピレングリコール(1.5%);HPMC(1.5%);および10mMリン酸緩衝液(96.33%)。製剤は、pH約6.74および浸透圧モル濃度244の透明なゲルである。
製剤B
以下の材料で構成されている(%w/w)−リン酸塩緩衝化食塩水中の抗コネキシン剤(0.47%);メチルパラベン(0.17%);プロピルパラベン(0.03%);プロピレングリコール(1.5%);HPMC(1.5%);0.5%BAC(0.1%);および10mMリン酸緩衝液(96.23%)。製剤は、pH約6.65および浸透圧モル濃度230の透明なゲルである。
製剤C
以下の材料で構成されている(%w/w)−リン酸塩緩衝化食塩水中の抗コネキシン剤(0.47%);メチルパラベン(0.17%);プロピルパラベン(0.03%);プロピレングリコール(1.5%);HPMC(1.5%);ポリクオタニウム10(0.5%);ポロキサマー188(0.1%);および10mMリン酸緩衝液(95.73%)。製剤は、pH約6.59および浸透圧モル濃度233のやや濁ったゲルである。
製剤D
以下の材料で構成されている(%w/w)−リン酸塩緩衝化食塩水中の抗コネキシン剤(0.47%);メチルパラベン(0.17%);プロピルパラベン(0.03%);プロピレングリコール(1.5%);HPMC(1.5%);SLES(0.5%);および10mMリン酸緩衝液(95.83%)。製剤は、pH約6.8および浸透圧モル濃度246の透明なゲルである。
製剤E
以下の材料で構成されている(%w/w)−リン酸塩緩衝化食塩水中の抗コネキシン剤(0.47%);メチルパラベン(0.17%);プロピルパラベン(0.03%);プロピレングリコール(1.5%);HPMC(1.5%);ポロキサマー188(0.1%);25Kポリエチレンイミン(0.075%);および10mMリン酸緩衝液(96.155%)。製剤は、pH約7.8および浸透圧モル濃度249の濁ったゲルである。
製剤F
以下の材料で構成されている(%w/w)−リン酸塩緩衝化食塩水中の抗コネキシン剤(0.47%);メチルパラベン(0.17%);プロピルパラベン(0.03%);プロピレングリコール(1.5%);HPMC(1.5%);ヒアルロン酸ナトリウム(0.1%);および10mMリン酸緩衝液(96.23%)。製剤は、pH約6.88および浸透圧モル濃度289の透明なゲルである。
製剤G
以下の材料で構成されている(%w/w)−リン酸塩緩衝化食塩水中の抗コネキシン剤(0.47%);メチルパラベン(0.17%);プロピルパラベン(0.03%);プロピレングリコール(1.5%);ヒアルロン酸ナトリウム(1.0%);および10mMリン酸緩衝液(96.83%)。製剤は、pH約6.81および浸透圧モル濃度248の透明なゲルである。
本明細書において参照されたかまたは言及されたすべての特許、出版物、科学論文、ウェブサイトならびに他の文書および資料は、本発明が属する技術分野の当業者の技術水準を示すものであり、これらの参照文書および資料はそれぞれ、個別にその全体が参照により組み込まれたか、またはその全体が本明細書に記載された場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。出願人は、任意の上記の特許、出版物、科学論文、ウェブサイト、電子的に利用可能な情報、および別の参照資料または文書の、任意のおよびすべての資料および情報を本明細書に物理的に組み込む権利を保有する。
本明細書において参照されたかまたは言及されたすべての特許、出版物、科学論文、ウェブサイトならびに他の文書および資料は、本発明が属する技術分野の当業者の技術水準を示すものであり、これらの参照文書および資料はそれぞれ、個別にその全体が参照により組み込まれたか、またはその全体が本明細書に記載された場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。出願人は、任意の上記の特許、出版物、科学論文、ウェブサイト、電子的に利用可能な情報、および別の参照資料または文書の、任意のおよびすべての資料および情報を本明細書に物理的に組み込む権利を保有する。
本明細書に記載されている具体的な方法および組成物は、好ましい実施形態を代表するものであり、それらは例示的であって本発明の範囲を限定するものではない。別の目的、態様、および実施形態が、本明細書を考慮すれば当業者には思いつくはずであり、本特許請求の範囲によって定義されている通り本発明の精神に包含される。本発明の範囲および精神から逸脱することなく、様々な置換および変更を本明細書に開示されている本発明に対して行ってもよいことが、当業者には容易に明らかとなるはずである。例示的に本明細書に適当に記載されている本発明は、本明細書において不可欠であると特に開示されていない任意の1つまたは複数の要素、あるいは1つまたは複数の限定の不在下で実施されてもよい。したがって、例えば、本発明の実施形態または実施例において、本明細書におけるそれぞれの場合において、「含む」、「から本質的になる」、および「からなる」のいずれかの用語は、本明細書中の他の2つの用語のいずれかと置き換えてもよい。また、「含む(comprising)」、「含んでいる(including)」、「含有している」などの用語は、包括的であって限定ではないと読み取るべきである。例示的に本明細書に記載されている方法およびプロセスは、異なる順序の工程で適当に実施されてもよく、必ずしも本明細書または本特許請求の範囲に示された工程の順序に制限されない。本明細書および添付の特許請求の範囲においても使用されているように、単数形「a」「an」および「the」は、文脈上別途明確に指示のない限り複数形への言及を含む。いかなる場合においても、本特許は、本明細書に特に開示されている具体的な実施例または実施形態または方法に限定されると解釈されるものではない。いかなる場合においても、本特許は、そのような陳述が、出願人による答弁書において明確に認められた限定または制限がなければ、特許商標庁のいかなる審査官またはいかなる別の当局者もしくは関係者によってなされたいかなる陳述によっても限定されると解釈されるものではない。
採用されている用語および表現は、説明であって限定するものではない用語として使用され、このような用語および表現の使用において、示されているおよび説明されている特徴のいかなる均等物またはその一部も除外する意図はないが、請求されている本発明の範囲内で様々な変更形態が可能であることが認識される。したがって、本発明を、好ましい実施形態および任意選択の特徴によって具体的に開示してきたが、本明細書に開示されている概念の変更形態および変形形態が当業者によって用いられてもよいこと、およびこのような変更形態および変形形態が、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内であるとみなされることが理解されるはずである。
本発明が、本明細書において広く一般的に記載された。一般的開示に含まれるそれぞれのより狭い種(species)および亜属集団(subgeneric grouping)もまた、本発明の一部を形成する。これは、削除された材料が本明細書で具体的に挙げられているか否かに関係なく、その属の任意対象を除くという条件または否定的な限定を伴う本発明の一般的記載を含む。
別の実施形態は以下の特許請求の範囲内である。加えて、本発明の特徴または態様がマーカッシュ(Markush)グループに関して記載される場合、当業者は、本発明がマーカッシュグループの任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループに関してもそれによって記載されることを認識するはずである。