JP2011505320A - 延長された照射装置および非直線経路によるファイバの硬化 - Google Patents

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Abstract

(i)裸光ファイバをプレフォームから第1の経路に沿って少なくとも10m/秒の速度で延伸する工程と、(ii)前記裸光ファイバを流体ベアリング内の流体の領域と接触させ、前記裸光ファイバが前記流体クッションの領域にわたって延伸されるときに前記裸光ファイバを第2の経路に沿って方向変換する工程と、(iii)前記裸光ファイバをコートする工程と、(iv)前記コートされたファイバを少なくとも1つの照射区域において照射して、前記光ファイバを紫外線光に露光する間に前記コーティングを少なくとも部分的に硬化する工程とを含む、光ファイバを製造する方法。

Description

本発明は、光ファイバを形成する方法および装置に関し、より詳しくは、改良された特性を有する光ファイバを形成する方法および装置に関する。
光ファイバは通信の分野においてますます重要な役割を担っており、しばしば既存の銅線に取って代わっている。この伝送形式は、光線を光学透明ファイバを通して送ることによって行われる。伝送中の光線による干渉またはその分損を最小にして光ファイバの使用をより良い通信技術にしなければならないので、光ファイバは、信号の損失または信号のひずみをもたらすいかなる環境からも保護されなければならない。ファイバのコーティングはこのような技術の1つである。光ファイバをコートしてファイバの表面を磨耗または水から生じうる損傷から保護し、ファイバの強度を維持し、ファイバの曲げから生じる伝送損を防ぐ。
光ファイバは典型的に、ガラスコア、ガラスクラッド、および少なくとも2つのコーティング、すなわち、一次(または内側)コーティングおよび二次(または外側)コーティングを含有する。ファイバが形成された直後に適用される一次コーティングは、ファイバが曲げられ、ケーブル接続されるかまたはスプールされる時に衝撃を緩和してガラスファイバのコアを保護する緩衝器として役立つ。二次コーティングは一次コーティングの上に適用され、加工および使用する間にガラスファイバへの損傷を防ぐ強靭な保護外側層として機能する。両方のコーティングが典型的に、(例えば、紫外線光による照射によって)硬化され、固化してファイバの耐用年数にわたって構造的完全性を維持する必要がある。
光ファイバを製造するための通常の技術および製造プロセスは一般に、製造の諸段階によって直線経路に沿って光ファイバを下方に延伸する工程を有する。しかしながら、この技術は、光ファイバの製造の改善および修正に対する著しい妨げとなっている。例えば、光ファイバの直線生産に対応する装置は通常、上から下に配列され、それによって、システム全体に高さを増すことなくプロセスを追加または修正することを困難にする。場合によっては、直線生産システムへの追加は、(例えば、延伸塔が既存の建築の天井またはその近くにある場合)建築ハウジングに高さを増す付加的な構造物を必要とする。このような障害は、光ファイバの製造システムおよび設備を修正または更新するためにかなりのコストを要する。
例えば、ファイバが、ファイバコーティングを硬化する紫外線照射装置内にある時間が少なくなるので、ファイバの延伸速度を増加させることは難しい。しかしながら、直線生産システムにより多くの照射装置またはより大きな照射装置を加えることは難しい。システム全体に高さを増すことなく、(照射装置内をより速く移動するファイバに対処する)付加的な照射装置を加えるために利用可能なスペースは典型的にはほとんどない。既存のシステムに高さを増すことはシステムにかなりのコストが追加される場合があるので、システム全体の高さを増すことを必要とせずに付加的な照射装置のためにスペースが利用可能であるファイバ延伸システムが望ましい。
本発明の1つの態様は光ファイバを製造する方法を包含し、前記方法は、(i)裸光ファイバをプレフォームから第1の経路に沿って少なくとも10m/秒の速度で延伸する工程と、(ii)前記裸光ファイバを流体ベアリング内の流体の領域と接触させ、前記裸光ファイバが前記流体クッションの領域にわたって延伸されるときに前記裸光ファイバを第2の経路に沿って方向変換する工程と、(iii)前記裸光ファイバをコートする工程と、(iv)前記コートされたファイバを少なくとも1つの照射区域において照射して、光ファイバを紫外線光に露光する間に前記コーティングを少なくとも部分的に硬化する工程とを含む、光ファイバを製造する方法を含む。
本発明のさらに別の特徴および利点は以下の詳細な説明に示され、一つには、当業者にはその説明から容易に明らかであり、または特許請求の範囲に続く詳細な説明、ならびに添付された図面など、ここに説明されるように本発明を実施することによって認識される。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は本発明を示し、特許請求されるように本発明の性質と特徴を理解するための概要または枠組みを提供することを意図するものであることは理解されるはずである。添付した図面は、本発明のさらなる理解を提供するために与えられ、本願明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は、本発明の様々な実施態様を示し、説明とともに、本発明の原理および作用を明確にするのに役立つ。
光ファイバの製造システムを示す。 光ファイバの製造システムに使用するための流体ベアリングの分解図を示す。 光ファイバの製造システムのためのテーパー状領域を有する流体ベアリングの側面の平面図を示す。 流体ベアリングの領域の図3の一部の拡大図を示す。 流体ベアリングの一部の前方平面図を示す。
本発明のこの好ましい実施態様への参照をここで詳細に行うが、その例は、添付した図面に示される。
本発明は、流体ベアリングの使用によって非直線路に沿って光ファイバを製造するための新規なシステムおよび方法を提供する。本発明の実施形態は、図1〜5(図面全体にわたって同じ数は同じかまたは相当する要素を示す)の図面と併せて本明細書において詳細に説明される。
延伸速度が大きくなると、光ファイバの製造コストを低減する。光ファイバをコートするとき、高い延伸速度において、ファイバのコアを保護することができる均一な強いコーティングを製造することが重要である。しかしながら、コートされたばかりのファイバが照射装置内で十分な停止時間を与えられないとき(例えば、ファイバが照射デバイスを通して非常に速く延伸されるとき)、ファイバのコーティングは十分に硬化しない場合があり、ファイバは、コーティングの離層、不均一なコーティング、より弱いコーティング、またはファイバの光学パラメーターの望ましくない変化などの欠点がある。これらの欠点に対処するために、硬化される十分な時間の間、光ファイバを照射区域内に維持することによって光ファイバは本発明によって照射される。本発明の1つの利点は、それがより速い延伸速度を可能にし、より長い照射区域を提供してファイバのコーティングを十分に硬化することである。
本発明は、延伸された光ファイバを照射するための改良された方法を包含し、不十分なコーティングの硬化に伴う欠点を低減する。本明細書において使用されるとき、コートされたファイバを露光する「照射」は、好ましくは紫外線光で照射するために移動され、コーティングを少なくとも部分的に硬化する。以下の説明からよりよく理解されるように、本発明の方法および装置は、ファイバを製造するための先行技術の方法と比べて十分に硬化されたコーティングを有する延伸された、ドープトガラス光ファイバの比較的高速度、高い引張応力の形成を可能にする場合がある。
前述の内容を達成するために、本発明の実施形態は、ファイバを加熱されたガラス源から延伸する工程と、裸光ファイバを流体ベアリングの流体クッションの領域と接触させる工程と、裸光ファイバが流体クッションの領域にわたって延伸されるときに裸光ファイバを少なくとも第2の経路に沿って方向変換する工程とを有する、光ファイバを製造するためのシステムおよび方法を包含する。
本発明のさらなる実施形態によって、光ファイバを、光ファイバプレフォームなどの加熱されたガラス供給源から10m/秒以上の延伸速度で、好ましくは20m/秒以上、さらにより好ましくは30m/秒以上の延伸速度で延伸する工程と、その後に、光ファイバが好ましくは100℃未満、さらにより好ましくは80℃未満に冷却される冷却工程とを含む、高速度で光ファイバを製造する方法が提供される。
本明細書において使用されるとき、用語「照射区域」は、コートされた光ファイバを例えば紫外線光によって照射してファイバコーティングを少なくとも部分的に硬化する、延伸炉から下流の領域を指す。好ましい実施形態において、照射区域のファイバの平均照射率(本明細書において平均出力とも称される)は、400W/cm未満、例えば300W/cm未満、好ましくは80W/cm超、例えば110W/cm〜280W/cmであってもよい。例えば、平均出力は、300W/インチ(約118W/cm)または500W/インチ(約195W/cm)、もしくは600W/インチ(約240W/cm)であってもよい。用語「紫外線光」は約150nm〜約420nmの波長を有する光を指す。
本明細書において使用されるとき語句「裸光ファイバ」は、保護コーティング層をその外面に適用する前の(例えば、裸光ファイバがポリマー系材料でコートされる前の)、プレフォームから直接に延伸された光ファイバを意味する。本発明は、裸光ファイバを、保護コーティングがそれに適用される前に製造の諸段階にわたって非直線経路に沿って移動させることを可能にすることによって融通性を提供し、従って付加的な(またはより長い)照射装置のためにより大きな縦方向の空間を提供する。さらに、後で本明細書に記載されるように、本発明の実施形態のシステムおよび方法は非直線経路を提供するだけでなく、製造中の光ファイバの冷却およびさらなる加工を補助する。
図1を参照して、光ファイバを製造するためのシステム100の例が示される。図1に示された実施形態において、プレフォーム110を炉112内に配置し、ファイバをそこから延伸して裸光ファイバ114を形成する。プリフォーム110は、光ファイバの製造に適したいかなるガラスまたは材料から作られてもよい。裸光ファイバ114がプレフォーム110から延伸されて炉112を出ると、裸光ファイバは、(複数の流体ベアリングとして図1に示された)少なくとも1つの固定流体ベアリング116と接触し、実質的に第1のまたは縦方向の経路(Y)に沿う移動から第2の経路(Z)にシフトする。第2の経路(Z)は、ほぼ水平方向にまたは第1の経路に直交して方向付けられてもよいが、ベアリング116は、保護コーティングがそれに適用される前にいずれかの非直線経路に沿って光ファイバを方向変換することができる。光ファイバ114を少なくとも1つの固定流体ベアリング116によって誘導して、任意の冷却機構118を通過させてもよく、または固定流体ベアリング116によって所望の温度に冷却することができる。任意のまたは付加的な冷却機構118(例示せず)は光ファイバを冷却するための当該技術分野において公知のいかなる機構でもありうることが指摘される。好ましくは、冷却機構118は、空気中での冷却よりも速い速度でのファイバの冷却を促進することができるガスが充填される。
必要ならば、任意の付加的な流体ベアリングを用いて、裸光ファイバ114を第1および第2のベアリング116の整列によって形成された実質的に水平方向の経路(Z)から実質的に縦方向の経路(Y)(またはいずれかの他の第3の経路)に戻すことができる。図1に示された実施形態において、光ファイバ114は3つの流体ベアリング116を通過し、次にコートされ、硬化される。しかしながら、より少ない、またはより多い流体ベアリング116を利用してもよい。
本発明の一次および二次コーティングの組成物を硬化する方法は、使用されているコーティング組成物および任意の重合開始剤の性質に応じて熱的、化学的または放射線によって行われてもよい。本出願のために放射線は、赤外線、可視光線、原子放射線、化学線および紫外線、ならびにイオン化線、例えばX線、電子ビーム、アルファ線、ベータ線、ガンマ線等の適用を意味する。本出願のために「硬化」、「硬化性」、および「硬化された」は、部分的に、実質的にまたは完全に硬化されたコーティング、および部分的に、実質的にまたは完全に硬化されうるコーティングのための組成物を包含する。一次および二次コーティング組成物は好ましくは、放射線、より好ましくは紫外放射線で硬化される(一次および二次コーティングの両方が、コーティングの両方を適用した直後に硬化されうることは理解される)。紫外(UV)放射線が使用される場合、好ましくは、コーティングは少なくとも約0.2J/cm、より好ましくは約0.5〜約1.0J/cmの線量レベルで硬化される。
光ファイバの製造において一般に使用されるコーティング材料は、紫外線(UV)光への露光によって硬化可能であるウレタンアクリレート系組成物である。この材料は液体状態のファイバの表面に適用され、引き続いて、硬化のために紫外線光に露光される。コーティング材料は1つまたは複数の層として適用されてもよく、2層コーティングシステムが好ましい実施形態である。一次コーティングは通常、ファイバの表面に直接に適用され、二次コーティングは、一次コーティングの上に適用される。図1の実施形態において、ファイバが最後の流体ベアリング116を出た後、それは一次コーター装置120A(すなわち、一次コーティング)に誘導され、そこで一次保護コーティング層121Aが裸光ファイバ114の外面に適用される。一次コーター装置120Aを出た後、湿潤保護層121Aを有する光ファイバ(もう裸ではない)は、典型的に少なくとも1つの紫外線光源を含有する少なくとも1つの照射装置122Aによって硬化される。繊維114は次に、二次コーター装置120Bを通過し、そこでそれは、照射装置122Aと同様な少なくとも1つの照射装置122B内で硬化される二次コーティング材料の層121Bでコートされる。
ファイバは、システム内の様々な他の加工段階を経ることができる(例示せず)。延伸機構128(本明細書において張力調整システムとも称される)を用いて、光ファイバが、図1に示されたシステム全体にわたって延伸され、最終的にファイバ貯蔵スプール(例示せず)上に巻き取られるときに、それに必要な引張応力を提供する。
非接触直径測定装置、さらなるファイバ冷却装置、およびスプール巻取り装置など、付加的な従来の工程段階を含めてもよい。このような付加的な工程段階は慣例的であり、明快にするために示されない。
光ファイバ114が流体ベアリング116(本明細書において後で説明される)の上に移動されるとき、各々の流体ベアリング116上の流体クッションの領域が裸光ファイバ114を冷却する。例えば、図1を参照して、延伸炉を出る光ファイバ114は、流体ベアリング116に入るときに約1000℃〜3000℃の温度を有することができる。流体ベアリングは、光ファイバを支持する移動流体ストリームを使用するので、光ファイバは、延伸炉のすぐ外側に存在するような、室温の非移動空気中でファイバが冷却するよりも速い速度で冷却される。光ファイバと流体ベアリング内の流体(好ましくは室温の空気である)との間の温度差が大きくなればなるほど、流体ベアリングが光ファイバ114を冷却する能力が大きくなる。別の実施形態において、流体ベアリング116を通って放出された流体を実際に冷却して、光ファイバをさらに速い速度で冷却することができる。流体クッションの領域に対応付けられた流体は光ファイバ114に十分な冷却を提供することができ、その結果、それをコーティング装置120に直接に移動させることができ、保護層を裸光ファイバ114の外面に適用して、コートされたファイバ121を製造することができる。1つの実施形態において、流体ベアリング116の流体クッションの領域は、裸光ファイバ114に対して非反応性である流体(例えば、空気、ヘリウム)を含有することができる。流体は、光ファイバがコートされる前にファイバを所望の温度に冷却することを可能にする。
冷却を提供することに加えて、複数流体ベアリング116を利用する図1の配列は、裸光ファイバ114を実質的に直線的な配列(Y)から実質的に非直線的な配列(Y+Z)にシフトするときにより良い安定性を提供することができる。理論によって限定されることを意図しないが、複数流体ベアリング116を互いに隣接して配列させることによって、光ファイバ114を流体クッションの1つの領域から次の領域に移動させるために必要とされる精度をより容易に制御することができる。もちろん、任意の順に配列された、任意の数の所望の経路を提供する、1つのベアリング集成体を含めて任意の数のベアリング集成体(本明細書において後で説明される)を用いて光ファイバを製造することができることは理解されるはずである。
これまで、非直線経路で光ファイバを製造するためのシステムおよび方法が説明された。本明細書に記載したように、このようなシステムおよび方法は1つまたは複数のベアリング集成体を導入することができる。図2および3は、本明細書に記載された光ファイバを製造するために使用できるベアリング集成体216の実施形態を示す。図2および3に示された実施形態において、ベアリング集成体216(時々「流体ベアリング」と称される)は、第1のプレート230、第2のプレート232、内側部材236および第1および第2のプレートの少なくとも一方の少なくとも1つの開口234を備える。第1のプレート230および第2のプレート232は金属から製造されてもよく、弧状外面238、239を備え、互いに対向する面上に位置決めされうる。第1のプレート230および第2のプレート232はファスナー(例えば、ボルト240)によって接続され、流体がベアリング集成体216を通過し得るようにプレート230、232を一緒に結合する。各々のプレート230、232の弧状外面238、239は一般に、各プレート230、232の各々の円周に沿って存在する。第1のプレート230および第2のプレート232は各々、各内側の面242、244および外側の面243、245を有し、プレート230、232の内面242、244が互いに整列される。凹部分247は、第1のプレート230または第2のプレート232のどちらかの内面242、244の周りに少なくとも部分的に延在し、流体の流れのためのプレナムを提供する。別の実施形態において、凹部分は、後で本明細書に記載されるように、ファイバ支持溝250への均一な流れを提供する様々な構造を含んでもよい。
例示された実施形態において、第1のプレート230および第2のプレート232の弧状外面238、239は好ましくは実質的に整列され、第1のプレート230および第2のプレート232の両方の外面238、239の間の領域を形成する。この領域は、ベアリング集成体を回転させずに光ファイバがこの領域に沿って移動するように光ファイバを受容するように構成される。このファイバ支持溝250は、(本明細書において後で説明される)図4に示された実施形態においてより明確に例示される。少なくとも1つの開口234は、第1のプレート230および第2のプレート232の少なくとも1つを通過する。図2に示されるように第1のプレート230および第2のプレート232の開口234は、流体(例えば、空気、ヘリウムまたは他の所望の気体または液体)がベアリング集成体216を通って供給されることを可能にし、その結果、流体は、第1のプレート230と第2のプレート232との間に形成されるファイバ支持溝250においてベアリング集成体216を出ることができる(図3および4を参照)。
さらに、図2の実施形態に示されるように、ベアリング集成体216は、第1のプレート230と第2のプレート232との間に位置決めされた内側部材236を備えることができる。この内側部材236(例えば、シム237)は、流体を第1のプレート230および第2のプレート232の外面238、239の間の領域に誘導するのを助けるように構成され、その結果、流体は、予め決められた流れ方向を有するファイバ支持溝250を出る。内側部材236は、第1のプレート230と第2のプレート232との間にあり、それらの間に間隙を設ける。内側部材236は、流体が、予め決められた流れ方向を有するファイバ支持溝250を出るようにそれを誘導する。必要ならば、内側部材236は、複数のフィンガー(例示せず)を含むことができ、非半径流を抑えることによって流体の流れをさらに制御することができる。さらに、内側部材236は、第1のプレート230と第2のプレート232との間の実質的な接触を提供する封止部分として役立つ。また、内側部材は、光ファイバの出入りを容易にするノッチを備えてもよい(本明細書において後で説明される図5を参照)。
図3に示されるように、第1のプレート230および第2のプレート232の外面238、239の間に形成されたファイバ支持溝250はテーパーをつけられてもよく、そこで流体は第1のプレート230と第2のプレート232との間で出る。しかしながら、別の実施形態においてファイバ支持溝250は、例えば、平行なまたは逆テーパー形状を有することができる。さらに、テーパー状ファイバ支持溝250内の開口260は、光ファイバ214が縦に位置決めされる位置に応じて可変的である。好ましくは、使用された特定の延伸張力および延伸速度および開口260を通る流体流量に対して光ファイバが、125マイクロメートルの典型的な外径を有するファイバについて幅500マイクロメートル未満、より好ましくは400マイクロメートル未満、さらにより好ましくは300マイクロメートル、最も好ましくは200マイクロメートル未満であるファイバ支持溝250の部分に維持されるように、開口260およびファイバ支持溝250が構成される。従って、ファイバは好ましくは、ファイバの直径の1〜2倍、より好ましくはファイバの直径の1〜1.75倍、最も好ましくはファイバの直径の1〜1.5倍である溝250の領域内に保持される。好ましくは、ファイバは、外側ファイバと各壁との間の距離がファイバ直径の0.05〜0.5倍であるように前記溝の領域内に配置される。
図4は、光ファイバ214が流体ベアリング集成体216にわたって移動されるときにそれと接触して、光ファイバと流体ベアリング集成体216の機械部品との実質的な接触を防ぐ流体254の領域を有するファイバ支持溝250をより明確に示す図3の一部分の拡大図である。図4に示されるように、流体254(例えば空気)がベアリング集成体216内からおよび光ファイバ214の周りからファイバ支持溝250を出て、光ファイバ214の下に流体254の領域を提供し、ファイバの下に正圧をもたらし、従ってファイバの下部に作用し、支持する。流体ベアリング集成体216の第1のプレート230と第2のプレート232との間に形成されたファイバ支持溝250内にファイバ214が位置決めされるように圧力を最適化することができる。特に、ファイバ支持溝250において(すなわち、ファイバ214の下で)ベアリング集成体216を出る流体254は、このファイバ支持溝250内の特定の位置に光ファイバ214を維持または支持することができる一定の流体流量を有することができる。高い十分な流体圧力がファイバ支持溝250に提供され、光ファイバ214を支持し、光ファイバ214が流体ベアリング集成体216を通って移動するときに光ファイバをファイバ支持溝250内の所望の位置に維持する。
図3および4に例示された実施形態において、表示を容易にするために、テーパーをつけられた角度は、図示においてはファイバ支持溝250に対するテーパー開口の好ましい角度からは強調されている。実際、支持溝250の対向した表面の少なくとも1つおよび好ましくは両方が、好ましくは0度を超え10度未満の角度、より好ましくは0.3〜7度、最も好ましくは0.4〜3度に各々傾けられ、その結果、ファイバ支持溝250の上部または外側部分の幅260は、ファイバ支持溝250の下部または内側部分237の幅260よりも広い。例えば、このような実施形態において、この領域を形成する第1のプレート230および第2のプレート232は、それぞれ、−0.6°および+0.6°の角度に傾けられてもよい。あるいは、ファイバ支持溝250は、いかなる深さ、幅またはテーパーをつけられた角度を含んでもよい。テーパー状ファイバ支持溝250を利用して流体をファイバ支持溝250によって形成されたスロットに注入し、その結果、流体がファイバ支持溝250のより狭い内側部分に入り、ファイバ支持溝250のより広い外側領域を出ることによって、溝250を通って放出された流体のクッションにより、ファイバを溝250の深さ内に自己配置させる。例えば、所与の流体の流れについて、ファイバの延伸張力が増加される場合、ファイバ214と溝の壁との間の間隙が非常に小さくて、領域237の圧力が、新しいより高い引張応力を正確に相殺するほど高くなるまで、ファイバは、溝250内で下方に移動する。ファイバの延伸張力が減少される場合、ファイバ214と溝の壁との間の間隙が非常に大きくて、領域237の圧力が、新しいより低い引張応力を正確に相殺するほど小さくなるまで、ファイバは、溝250内で上方に移動する。従って溝250にテーパーをつけることによって、溝250はより広い範囲の延伸張力で作用することができる。そうでなければ、示されたような溝250がテーパーをつけられず延伸張力が減少される場合、ファイバはファイバ支持溝250から上方に移動する。
好ましくは、ファイバは、ファイバ直径の約1〜2倍、より好ましくはファイバ直径の約1〜1.75倍、最も好ましくはファイバ直径の約1〜1.5倍である溝250の領域に配置される。溝250のこのような比較的狭い領域にファイバを配置することによって、ファイバは、ベルヌーイ効果のために運転中に中心に置かれる。例えばファイバが溝250のどちらかの対向した表面に近づくとき、空気の速度は一方の表面の最も近くで増加し、他方の表面の最も近くで減少する。ベルヌーイ効果によって、流体速度の増加は、圧力の減少と同時に生じる。結果として、1つの表面の近くの流体の流れの減少によって生じた圧力の増加は、ファイバを溝250の中心に押し戻す。従って、好ましい実施形態において、ファイバは、ファイバが延伸されている間、ファイバの周りにファイバ支持溝250から流れている流体ストリームのためにベルヌーイ効果によってファイバ支持溝250内に少なくとも実質的に中心に置かれる。特に、このようなセンタリングは、ファイバにその側面から衝突する流体のいかなる流れを利用することを必要とせずに行われ、例えば、溝250の側壁から出る流体の流れの噴射は使用されない。スロットを通って移動する流体ストリームの速度は好ましくは、ファイバがスロット250のテーパー状領域内に完全に配置されるようにファイバを維持するように調節される。これまで記載された実施形態において、ファイバは、ファイバの直径の約1〜2倍である溝250の領域に配置されるので、ファイバは、ファイバ214の下に存在する圧力差によって支持される(もっと正確に言えば、このように選択する場合、ファイバを支持するために同様に用いてもよい空力抵抗とは対照的である)。流体の圧力差によって溝250内のファイバを支持または浮上させることによって、空力抵抗を用いてファイバを浮上させる場合よりももっと低い流体の流れを用いることができる。
例示された実施形態において、流体ストリームは好ましくは、ファイバ支持溝250のより狭い内側部分を経由してファイバ支持溝250に入りファイバ支持溝250のより広い外側領域を経由して出る単一流体ストリームによって提供される。このようにして、ファイバがスロットの最も狭い部分と最も広い部分との間に浮くように、ファイバをファイバ支持溝250によって形成されたスロット内に完全に位置決めすることができる。テーパー状ファイバ支持溝250を使用して、この方法で流体の流れを領域250に注入することによって、ファイバ支持溝250によって形成された前記スロットの領域にファイバを保持することが可能であり、そこでスロットは、ファイバ支持溝250を通して誘導されるファイバの直径よりも10〜150マイクロメートル、より好ましくは15〜100マイクロメートル、最も好ましくは約24〜70マイクロメートル大きい幅を有する。ファイバの延伸プロセスの間、ファイバはまた、外側のファイバと各壁との間の距離がファイバの直径の0.05〜0.5倍であるように溝の領域内に保持されるのが好ましい。
いくつかの好ましい実施形態において、ファイバ支持溝250は、ファイバが流体の流れの供給源から外の方に移動するときにファイバにかかる圧力を低減するための手段を備える。圧力を解除するためのこのような手段は、上に記載されたようなテーパー状溝設計の形態で達成されうる。圧力を低減するための追加的な手段は、米国仮特許出願第60/861,587号明細書(その全開示内容をその全体において参照によって本願明細書に組み入れる)に開示されている。
本明細書に記載された流体ベアリングは、光ファイバが流体クッションの領域に沿って移動することを可能にし、光ファイバとベアリング集成体との間の実際の機械的接触を防ぐかまたは実質的に防ぎ、例えば、ファイバは、プレート230または232のどちらとも接触せずにファイバ支持溝250内で移動する。さらに、領域のサイズおよび構成のために、流体ベアリングは、流体の流れの能動制御を必要とせずに広範囲の延伸張力にわたって機械的接触なしに領域内にファイバを維持することができる。
図3および4を参照して、流体の流れは、光ファイバ214がファイバ支持溝250の下部に向かって移動してシム237またはファイバ支持溝250の側面と接触しないようにするために重要である。これは、ファイバの品質がベアリング集成体との機械的接触によって損なわれないために光ファイバがまだ裸であるときに特に重要である。さらに、光ファイバ214がファイバ支持溝250の下部に対してより近く位置決めされればされるほど、所望の位置に光ファイバ214を維持するためにファイバ支持溝250内により高い圧力が必要とされると考えられる。明白であるように、溝の側面のテーパーは、溝の側面とファイバとの間の間隙をより小さくし、この必要なより高い圧力を生じさせる。
ファイバ支持溝250内のファイバの位置に影響を与える他の要因には延伸張力がある。例えば、200gの引張応力で引っ張られたファイバは、同じ流体の流れが与えられたとすると100gの引張応力で引っ張られたファイバよりもファイバ支持溝250内でより低く浮遊する。それ故に、流体ベアリングの領域を出る流体は、使用された特定のファイバ延伸速度および延伸張力について光ファイバを所望の位置に維持するために十分であることは重要である。
例えば、プレート230および232の間の最内側部分において約127マイクロメートルおよび最外側部分において約380マイクロメートルの幅を有するファイバ支持溝250を利用する実施形態において、流体流量は約0.5L/秒〜5L超/秒でありうる。このような構成および流体の流れは、800km/時以上の光ファイバの周りの局部流体速度をもたらすことがある。従って、いくつかの実施態様においてファイバ支持溝250において使用されたファイバの周りの最大流体速度は100km/時より速く、200km/時より速く、400km/時より速く、場合によるとさらに600km/時より速い。いくつかの実施態様において、ファイバ支持溝250において使用されたファイバの周りの最大流体速度は900km/時より速かった。例えば、本出願人らは、ファイバ支持溝250内のファイバの周りの1000km/時の流体の流れを良好に使用した。しかしながら、本明細書に開示された方法は確かにこれらの流体速度に限定されず、実際、流体速度は、延伸条件(例えば延伸速度、延伸張力等)および流体ベアリングの設計に応じて、ファイバがファイバ支持溝250内の所望の位置に配置されるように選択されうるのが好ましい。別の実施形態において、流体流量は約3L/秒〜約4L/秒でありうる。もちろん、光ファイバを所与の延伸張力において所望の位置に維持するために十分ないかなる流体流量を利用することもできる。このような高い流体の流れ速度の使用は、光ファイバの冷却を非常に容易にすることができる。ファイバの温度と流体ベアリングを通って放出される流体の温度との間の差が大きくなればなるほど、そして流体の流速が高くなればなるほど、達成されうる冷却量は大きくなる。いくつかの実施態様において、流体ベアリングに入るファイバの温度は、流体ベアリングを通って放出されかつ流体ベアリング内のファイバを支持する流体の温度よりも100℃超、500℃超、1000℃超、さらに1500℃超高くてもよい。10メートル超/秒、好ましくは20メートル超/秒の光ファイバの延伸速度によって上に記載された実施形態のこのような温度差を使用するとき、流体ベアリングに入るときに1100℃の温度を有するファイバは、ファイバを流体ベアリングに通過させてファイバを180度だけ方向を回転させることによって室温(すなわち、約20℃)の流体(好ましくは空気)を用いて最大1000℃、すなわち、約100℃まで冷却されてもよい。この非常に著しい量の冷却は、本明細書に開示されているような流体ベアリングを用いてファイバを50℃超、200℃超、500℃超、700℃超、さらに900℃超冷却する能力を示す。ファイバのこのような冷却量が3メートル未満、より好ましくは2メートル未満、最も好ましくは1メートル未満のファイバの距離(すなわちファイバが流体ベアリングの流体クッションに露光される円周方向の距離)について達成されうることは、おそらく、さらにより重要である。しかしながら、所望の結果および製造エリアの配置に応じてファイバ/流体クッションの接触のより大きなまたはより小さな距離を使用することができる。本明細書に開示された流体ベアリングの著しい冷却能力は、光ファイバ延伸プロセス全体からヘリウム冷却装置を除去する可能性をもたらす。
流体ベアリング116の半径は重要ではない。いくつかの実施態様において、流体ベアリングは、約8〜16cmのファイバの回転半径をもたらすように構成される。より大きなまたはより小さな半径の流体ベアリングを使用することができ、もしくは例えば、より大きい冷却が望ましいかどうか(その場合、より大きい半径の流体ベアリングが好ましい場合がある)またはファイバ延伸プロセスの制約に応じて、付加的な流体ベアリングを使用することができる。
ガラスプレフォーム110は好ましくは、ドープトシリカガラスから形成される。プレフォーム110は、延伸されたファイバのコアまたはクラッド(存在する場合)のどちらかがドープされるように、もしくは延伸されたファイバのコアおよびクラッドの両方がドープされるように形成されてもよい。シリカガラスは、例えば、ゲルマニウム、フッ素、リンまたは塩素の1つまたは複数、またはそれらの組合せでドープされてもよい。他の適したドーパントも同様に用いてもよい。ゲルマニウムドープトファイバは、ほとんどの製造条件下で熱老化を示すことが本発明者らによって見出された。プレフォーム110を形成する方法および装置は公知であり、当業者によって容易に理解される。このような方法にはIVD、VAD、MCVD、OVD、PCVD等がある。
本発明の適した一次および任意の二次コーティング組成物の例が説明され、以下のように製造される。一次コーティング組成物は、アクリレートまたはメタクリレートなど、「m」個のヒドロキシル官能基を有するポリオールを含む反応から形成されるオリゴマー(前記ポリオールの「n」個のヒドロキシル基は、オリゴマーを形成するときに末端を形成し、「m」は「n」より大きい)を含む。好ましくは、一次コーティング組成物はまた、少なくとも1つのモノマー、および少なくとも1つの光開始剤を含有する。さらに、本発明の一次コーティング組成物は、場合により、任意の数の添加剤、例えば、定着剤、酸化防止剤、触媒、滑剤、コモノマー、低分子量非架橋性樹脂、および安定剤を含有することができる。いくつかの添加剤(例えば、連鎖移動剤)が作用して重合プロセスを制御することができ、それによって一次コーティング組成物から形成された重合生成物の物理的性質(例えば、弾性率、ガラス転移温度)に影響を与えることができる。他の添加剤は、一次コーティング組成物の重合生成物の完全性に影響を与えることができる(例えば、解重合または酸化分解に対して保護する)。
二次コーティング組成物は典型的に、重合された時にその分子が架橋されるウレタンアクリレート液を含有する。二次コーティング材料に使用するための他の適した材料、ならびにこれらの材料の選択に関連した問題は本技術分野に公知であり、Chapinに対する米国特許第4,962,992号明細書および米国特許第5,104,433号明細書(その内容を参照によって本願明細書に組み入れる)に記載されている。
好ましくは、光開始剤が一次および二次コーティング組成物において使用される。光開始剤は、ガラスファイバにそれを適用した後に組成物の重合(すなわち、硬化)を引き起こすために適しているのがよい。ほとんどのアクリレート系コーティング調合物については、ケトン光開始剤および/またはホスフィンオキシド添加剤などの光開始剤が好ましい。本発明の組成物において使用されるとき、光開始剤は、急速な紫外線硬化をもたらすために十分な量(例えば、0.5〜10重量%)で存在する。
光開始剤は、コーティング組成物の早期ゲル化を引き起こさずに適度な硬化速度を提供する。望ましい硬化速度は、コーティング組成物のコーティング材料の実質的な硬化(すなわち、85%超、好ましくは90%超、より好ましくは95%)を引き起こすために十分な任意の速度である。線量対弾性率の曲線において測定されたとき、約25〜約100μmのコーティング厚の硬化速度は、好ましくは約1.0J/cm未満、より好ましくは約0.5J/cm未満である。
一次および二次コーティング組成物の適した光開始剤には、例として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(例えば、Ciba Specialty Chemical(Hawthorne,N.Y.)から入手可能なIrgacure 184)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド(例えば、Ciba Specialty Chemicalから入手可能な商用ブレンドIrgacure 1800、1850、および1700)、2,2−ジメトキシル−2−フェニルアセトフェノン(例えば、Ciba Specialty Chemicalから入手可能なIrgacure 651)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニル−ホスフィンオキシド(Irgacure 819)、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシド(BASF(Munich,Germany)から入手可能なLucerin TPO)、エトキシ(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(BASFから入手可能なLucerin TPO−L)、およびそれらの組合せなどがある。
照射装置122A、122Bは好ましくは、ファイバ114の出口孔として配置されてその役割を果たす開口323を有しかつファイバを囲むハウジング322を備える。円筒スリーブ状壁326(例えば、反射材料から形成されてもよい)は、照射装置122A、122Bを通って延在し、その中の通路330を画定する。通路330を囲む各々の照射装置の壁326は、照射区域内に所望の放射線を提供する1つまたは複数の紫外線源332(例示せず)を備える。いくつかの照射装置を各々のコーティング工程の後に利用して所望の長さの照射区域を提供してもよい。照射装置は光ファイバ114を受容し、誘導するようになっている。しかしながら、他のハウジング構成および構成要素もまた使用してもよいことは理解されよう。
通路330は好ましくは、延伸されたファイバがそれを通って容易に落下できるように、その長さに沿って全ての位置において15mm超、好ましくは約15mm〜30mmの直径寸法Dを有する。照射区域の用語「長さL」は、全照射区域の長さ、すなわち、L=Lp+L=Σlとして定義され、そこでLは一次照射区域の長さであり、Lsは二次照射区域の長さであり、lは、各々の単一照射装置デバイス122によって提供された照射区域の長さであり、iは、利用された照射デバイスの数である。例えば、lは、10〜50cmの長さ、例えば25cmであってもよい。システムが各々長さ25cmの合計4つの照射デバイス(照射区域に2および二次照射区域に2)を利用する場合、L=100cmである。同様に、システムが各々長さ25cmの合計6つの照射デバイスを利用する場合、L=150cmである。ファイバ上に入射する紫外線出力が変化しないと仮定すると、延伸速度が速くなればなるほど、ファイバは各々の照射デバイスを通ってますます速く移動し、従ってより速く移動するファイバに同じ硬化を提供するためにより多いか、またはより長い照射デバイスのどちらかが必要とされる。全照射区域の長さLは好ましくは約1m〜10m、より好ましくは約1.5m〜8m、例えば約3m〜7mである。好ましい長さLはファイバ114の延伸速度に依存し、延伸速度の範囲の例は約10m/秒〜約100m/、例えば約20m/秒〜50m/秒など、約10m/秒〜75m/秒である。光ファイバ形成装置300から下流に流体ベアリング116(図1に示される)が存在することによって、照射区域がより長い長さL(L=Lp+Ls)を有することができ、例えば、少なくとも1.5メートル、より好ましくは少なくとも2.5または3メートルの長さLを有する照射区域があり、少なくとも4メートルの長さLを有する照射区域、さらに、少なくとも5メートルの長さLを有する照射区域を含める。少なくとも1つの実施形態において、照射区域内のファイバの全滞留時間は1秒未満、好ましくは0.5秒未満、好ましくは0.03〜0.2秒である。
好ましくは、光ファイバを形成するためのシステム全体は、約10〜30メートルの屋根の高さを有する建築または工場など、外部要素から保護されたエリアに収容される。好ましくは炉112とコーティング装置120Aとの間の縦方向の距離hは、6m未満、より好ましくは5m未満、さらにより好ましくは4m未満である(例えば、3m以下、2.5m以下、2m以下、1.5m以下、1m以下、0.75m以下、または0.5m以下)。少なくとも1つの実施形態において、(全)照射区域の全長Lは、システム全体の縦方向の高さの少なくとも10%、例えばシステム全体の縦方向の高さの少なくとも20%延在することができる。さらに、照射区域の長さLは、システム全体が収容される建築または工場の屋根と床との間の縦方向の距離の少なくとも25%、例えばシステム全体が収容される建築または工場の屋根と床との間の縦方向の距離の少なくとも30%延在することができる。
張力調整部128は、延伸されたファイバ114の引張応力を制御するためのいかなる適したデバイスであってもよい。好ましくは、張力調整デバイスは、1つまたは複数のファイバ引張応力および/または直径センサ(例示せず)からの入力を連続的に受容するマイクロプロセッサを備え、必要とされるときにファイバ114の引張応力を適用するように機能する。好ましい実施形態において、命令された引張応力は、メモリに記憶されたセットの直径に等しいファイバの直径を制御することに基づいている。
また、ファイバ114が通路330を通過するとき、ファイバ114は、選択された引張応力Fで照射装置の内部に維持される。好ましくは、引張応力Fは約25〜200グラムである。より好ましくは、引張応力Fは約60〜180グラムである。最も好ましくは、引張応力Fは約90〜150グラムである。一次および二次照射区域の全長Lは、一次および二次コーティングが十分に硬化される(すなわち、コーティング組成物の85%超、好ましくは90%超、より好ましくは95%が硬化される)ように選択される。ファイバは、選択された照射滞在時間tの間、照射装置内に留まり、上に記載されたようにそれは好ましくは0.5秒未満である。好ましくは、一次照射区域内の滞在時間は0.2秒未満であり、また、一次照射区域内の滞在時間は0.2秒未満である。より好ましくは、一次照射区域内の滞在時間は0.1秒未満であり、また、一次照射区域内の滞在時間は0.1秒未満である。
光ファイバ炉から下流に(図1に示されるような)流体ベアリング116が存在することによって、照射区域は例えば少なくとも1.5メートルのより長い長さLを有することができる。いくつかの実施形態によって、運転において、本発明の実施形態による方法は、(i)光ファイバを光ファイバプレフォームなどの加熱されたガラス供給源から10m/秒以上、好ましくは20m/秒以上の延伸速度で、例えば30m/秒以上、好ましくは40m/s超で延伸する工程と、その後に、(ii)ファイバを一次コーティング組成物でコートし、光ファイバを一次照射区域に滞留時間の間(少なくとも1つの実施形態において0.005秒超および0.25秒未満であってもよく、他の実施形態において少なくとも0.01秒(例えば0.02秒〜0.4秒)であってもよい)維持することによって一次コーティングを照射する工程と、(iii)ファイバを二次コーティング組成物でコートし、光ファイバを二次照射区域に滞留時間の間(少なくとも1つの実施形態において0.005秒超および0.25秒未満であってもよく、他の実施形態において少なくとも0.01秒(例えば0.02秒〜0.4秒)であってもよい)維持することによって少なくとも二次コーティングを照射することによる工程とを含むことができ、そこで(a)一次照射区域の長さLpは少なくとも0.5メートル、例えば少なくとも1メートルまたは少なくとも1.5メートル、好ましくは少なくとも2メートル、より好ましくは少なくとも2.5メートル、より好ましくは少なくとも3メートル、例えば4または5メートルであり、(b)二次照射区域の長さLsは少なくとも0.5メートル、例えば少なくとも1メートル、または少なくとも1.5メートル、好ましくは少なくとも2メートル、より好ましくは少なくとも3メートル、例えば4または5メートルであり、(c)全長L=Lp+Lsが少なくとも1メートルであり、より好ましくは少なくとも2メートル、さらにより好ましくは少なくとも2.4メートルまたは2.5メートル(例えば、2.7m、2.8m)、好ましくは少なくとも3メートル(例えば、3.3m、3.5m、3.75m)、好ましくは少なくとも4メートルなど、例えば4.5、6、7または8メートルである。例えば、全長L=Lp+Lsは2.2m<L<3.7m、または2.4m<L<4.5mであってもよい。
高速度(20m超/秒)での延伸は大きな体積の光ファイバの製造を可能にし、次に、それを本発明の態様によってコートおよび照射して高品質のコートされたファイバを製造する。
本発明の様々な実施形態を示す実施例1〜14は表2に示される。これらの実施例は85%〜95%のコーティングの硬化、118W/cmの出力のファイバ上の入射紫外線に相当し、メートル単位の相当する指示長さLp、Lsを有する一次および二次照射区域および全長L=Lp+L、ならびにメートル/秒の光ファイバの指示延伸速度による光ファイバの処理を示す。これらの実施例において一次コーティング照射区域の照射時間は二次コーティング照射区域の照射時間と同じだが、コーティングの照射時間は特定のコーティング組成物に依存し、同じである必要はないことが指摘される。
Figure 2011505320
本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本発明に様々な修正および変更が実施できることは当業者には明らかであろう。従って、本発明は、添付された特許請求の範囲およびそれらの同等物の範囲内にあるならば、本発明の修正例および変更例に及ぶものとする。

Claims (15)

  1. 光ファイバを製造する方法であって、
    裸光ファイバをプレフォームから第1の経路に沿って少なくとも10m/秒の延伸速度で延伸する工程と、
    前記裸光ファイバを流体ベアリング内の流体クッションの領域と接触させ、前記裸光ファイバが前記流体クッションの領域にわたって延伸されるときに前記裸光ファイバを第2の経路に沿って方向変換する工程と、
    前記裸光ファイバをコートする工程と、
    前記コートされたファイバを少なくとも1つの照射区域において照射して、光ファイバを紫外線光に露光する間に前記コーティングを少なくとも部分的に硬化する工程と
    を含むことを特徴とする、方法。
  2. 裸光ファイバをプレフォームから第1の経路に沿って少なくとも20m/秒の速度で延伸する工程
    を含み、前記照射区域が全長Lを有し、Lが少なくとも1.5メートルであることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記全長Lが少なくとも3メートルであることを特徴とする、請求項2または14に記載の方法。
  4. 前記全長Lが少なくとも5メートルであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  5. 前記光ファイバが、少なくとも300W/インチ(約118W/cm)の平均出力を有する紫外線源によって照射されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  6. 前記光ファイバが、少なくとも500W/インチ(約195W/cm)の平均出力を有する紫外線源によって照射されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  7. 前記照射区域内のファイバの全滞留時間が0.5秒未満であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  8. 前記延伸速度が30〜100m/秒であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. 前記延伸速度が30〜70m/秒であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. ファイバを加熱されたガラス源から延伸する工程と、前記ファイバを処理区域内で処理する工程とが第1の経路に沿って行われる方法であって、さらに、
    前記裸光ファイバを流体ベアリング内の流体の領域と接触させる工程であって、前記流体ベアリングが、少なくとも2つの側壁によって画定された溝を含み、前記ファイバが、前記溝内の前記ファイバより下に存在する圧力差の結果として前記ファイバを前記溝内で実質的に浮上させるために十分である前記溝の領域内に保持され、前記ファイバより上に存在する圧力に比べて前記流体によって生じた、より高い圧力によって生じた前記圧力差が、前記溝内の前記ファイバより下に供給される工程と、
    前記裸光ファイバが前記流体クッションの領域にわたって延伸されるときに前記ファイバを第2の経路に沿って方向変換する工程と
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  11. ファイバを加熱されたガラス源から20m/秒以上の延伸速度で延伸する工程と、
    前記ファイバを少なくとも1つの光学コーティングでコートする工程と、
    光ファイバを照射区域内に0.01〜0.5秒の全滞留時間の間維持することによって光ファイバを照射する工程と
    を含むことを特徴とする、光ファイバを製造する方法。
  12. 前記ファイバが30m/秒以上の延伸速度でおよび約25〜200グラムの延伸張力で延伸されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 裸光ファイバを流体ベアリング内の流体の領域と接触させる工程であって、前記流体ベアリングが、少なくとも2つの側壁によって画定された溝を含み、前記ファイバが、前記溝内の前記ファイバより下に存在する圧力差の結果として前記ファイバを前記溝内で実質的に浮上させるために十分である前記溝の領域内に保持され、前記ファイバより上に存在する圧力に比べて、前記流体によって生じた、より高い圧力によって生じた前記圧力差が、前記溝内の前記ファイバより下に供給される工程と、
    前記裸光ファイバが前記流体クッションの領域にわたって延伸されるときにファイバを第2の経路に沿って方向変換する工程と
    をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  14. ファイバを加熱されたガラス源から10m/秒以上の延伸速度で延伸する工程と、
    前記ファイバを重合性コーティングでコートする工程と、
    光ファイバを紫外線照射区域に維持することによって前記コーティングを硬化する工程と
    を含み、前記照射区域の全長Lが少なくとも約2メートルであることを特徴とする、光ファイバを製造する方法。
  15. ファイバが30m/秒以上の延伸速度で延伸されることを特徴とする、請求項10または14に記載の方法。
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