JP2004354457A - 光ファイバ - Google Patents
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Abstract
【課題】ミストによる紫外線照度の低下を起こさないで紫外線硬化樹脂を安定して硬化させることができる光ファイバを提供することにある。
【解決手段】光ファイバ素線4の外周に紫外線硬化樹脂5をコーティングし、この光ファイバ素線4を不活性ガスが流れる石英管内を通過させながらその石英管の周囲から紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂5を硬化させて被覆層6を形成する光ファイバ1において、光ファイバ素線4の外周に50〜100℃での加熱時の揮発減量速度が1%以下の紫外線硬化樹脂5をコーティングして被覆層6を形成したことを特徴とする光ファイバ。
【選択図】 図1
【解決手段】光ファイバ素線4の外周に紫外線硬化樹脂5をコーティングし、この光ファイバ素線4を不活性ガスが流れる石英管内を通過させながらその石英管の周囲から紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂5を硬化させて被覆層6を形成する光ファイバ1において、光ファイバ素線4の外周に50〜100℃での加熱時の揮発減量速度が1%以下の紫外線硬化樹脂5をコーティングして被覆層6を形成したことを特徴とする光ファイバ。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ素線の外周に紫外線硬化樹脂をコーティングして被覆層を形成した光ファイバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ素線のコーティング材として、紫外線硬化樹脂が広く用いられている。
【0003】
紫外線硬化樹脂は、基本的に無溶剤の樹脂であり、ラジカル重合反応で硬化するウレタンアクリレート系やカチオン重合反応で硬化するエポキシ系などの光重合性オリゴマー(広義の単量体(モノマ)を含む重合主剤)、反応性希釈剤、光重合開始剤を必須の構成成分として含み、これらに必要に応じて光重合助剤、添加剤、着色剤などを配合した樹脂である。
【0004】
従来の光ファイバは、光ファイバ素線の外周に紫外線硬化樹脂をコーティングし、その紫外線硬化樹脂に紫外線(UV)を照射して硬化させて被覆層を形成して製造される。
【0005】
この光ファイバの製造には、図6に示すような紫外線照射装置61が使用される。装置61は、光ファイバ素線62が上方から下方へ通過すると共に不活性ガスGが流される石英管63と、石英管63の周囲から紫外線を照射するための紫外線ランプ64とを備えている。装置61では、紫外線硬化樹脂がコーティングされた光ファイバ素線62は、石英管63内を所定の線引速度で上方から下方に通過する間に紫外線ランプ64から紫外線が照射され、紫外線硬化樹脂が硬化し、光ファイバ素線62の外周に被覆層が形成された光ファイバ65になる。
【0006】
また、被覆層が二層で構成される光ファイバを製造するには、装置61を上下に2つ設け、光ファイバ素線62の外周に紫外線硬化樹脂をコーティングし、その紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して一次被覆層を形成し、その一次被覆層の外周に紫外線硬化樹脂をコーティングし、その紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して二次被覆層を形成する。
【0007】
近年、コストダウンの要請から、光ファイバを短時間で製造するために線引速度が高速化(1000m/min以上)し、これに伴って線引長も長尺化(500km以上)している。
【0008】
被覆層の硬化状態が安定な光ファイバを得るためには、▲1▼装置61に測定窓66を形成し、線引作業開始前に照度計により紫外線の外部照度を測定して照度確認を行う方法や、▲2▼線引作業開始前に端面を加工した石英ガラスを装置61の石英管63内に挿入し、その石英ガラスを通して得た紫外線の照度を照度計で測定して確認を行う方法が広く行われている。
【0009】
また、光ファイバ素線の線引速度変化に対応してUV照度を制御することはよく知られている。UV照度の制御としては、光ファイバ素線の着色被覆時の速度が変化した場合に、速度変化に応じてUV照度を制御する装置がある(例えば、特許文献1および2参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平5−306149号公報
【特許文献2】
特開平9−202654号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、紫外線硬化樹脂は、本来無溶剤の樹脂であり、紫外線照射により、ラジカル重合反応やカチオン重合反応にて硬化するが、装置61内の高温と硬化時の重合反応熱とによりその温度が100℃近くまで上昇し、このため反応に寄与しない未反応物や紫外線硬化樹脂中に不可避的に混入した不純物が揮発ガスとなり、この揮発ガスが石英管内63を流れる不活性ガスGで冷却されてミストとなり石英管63の内面に付着して石英管63の内壁を汚すため、石英管63を透過する紫外線量が低下してしまう問題がある。
【0012】
特に、一次被覆層と二次被覆層を形成する場合には、一次被覆層となる紫外線硬化樹脂の硬化過程で発生するミストが二次被覆層となる紫外線硬化樹脂をコーティングするダイスにたまり、このミストが二次被覆層中に混入する可能性がある。
【0013】
このため、装置61には、ミストを捕らえるミストトラップを設けるなどの工夫が図られているが、線引き中ミストは常時発生するため本質的な解決にはなっていない。
【0014】
また、上述した▲1▼の方法で外部照度を測定したり、▲2▼の方法で石英管63内の紫外線の照度を測定したりしても、線引作業中に紫外線硬化樹脂から生じるミストによる石英管63の汚れで、実際に照射される紫外線量が低下するため、適正な照度で照射することができない問題がある。特に、線引長が長くなるほど、線引作業を開始してから終了するまでの時間が長くなり、線引作業開始前に紫外線の照度を確認してからの経過時間が長くなるので、石英管63の汚れの進行等による紫外線量の低下がわかりにくくなる。
【0015】
特許文献1および2に記載された装置においても、ミストによる石英管63の内壁の汚れやUVランプ64の劣化等による照度低下に対応できないという問題がある。
【0016】
そこで、本発明者らは、種々の紫外線硬化樹脂を検討した結果、紫外線硬化樹脂からのミストの発生は避けることができないものであること、このためには、紫外線硬化樹脂から発生するミストを事前に予測し、ミスト発生のより少ない紫外線硬化樹脂を用いることで、上述した問題を解決して本発明をなすに至ったものである。
【0017】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、ミストによる紫外線照度の低下を起こさないで紫外線硬化樹脂を安定して硬化させることができる光ファイバを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、光ファイバ素線の外周に紫外線硬化樹脂をコーティングし、この光ファイバ素線を不活性ガスが流れる石英管内を通過させながらその石英管の周囲から紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂を硬化させて被覆層を形成する光ファイバにおいて、光ファイバ素線の外周に50〜100℃での加熱時の揮発減量速度が1%/h以下の紫外線硬化樹脂をコーティングして被覆層を形成した光ファイバである。
【0019】
請求項2の発明は、上記被覆層は、上記光ファイバ素線の外周に形成される一次被覆層と、その一次被覆層の外周に形成される二次被覆層とからなり、これら一次および二次被覆層となる紫外線硬化樹脂の50〜100℃での加熱時の揮発減量速度がいずれも1%/h以下である請求項1記載の光ファイバである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0021】
図1は、本発明の好適実施の形態である光ファイバの横断面図である。
【0022】
図1に示すように、本発明に係る光ファイバ1は、使用する紫外線硬化樹脂5を除いて、他の構成は従来と基本的には同じであり、コア2とクラッド3とからなる石英ガラス製の光ファイバ素線4の外周に紫外線硬化樹脂5をコーティングし、その紫外線硬化樹脂5に紫外線(UV)を照射し、紫外線硬化樹脂5を硬化させてなる被覆層6を形成したものである。
【0023】
光ファイバ素線4は、コア2やクラッド3の材質、外径、断面形状などに特に限定されるものではなく、情報通信などの伝達に使用されるものであれば、いかなるものを使用してもよい。
【0024】
また、図1では被覆層6が一層で構成される光ファイバ1を説明したが、被覆層が二層で構成される図2に示すような光ファイバ21でもよい。
【0025】
図2に示すように、本発明に係る光ファイバ21は、コア2とクラッド3とからなる石英ガラス製の光ファイバ素線4の外周に、紫外線硬化樹脂5にて、一次被覆層22aと二次被覆層22bとからなる被覆層22を形成したものである。
紫外線硬化樹脂5に紫外線を照射する紫外線照射装置としては、図3に示す1灯の紫外線ランプ64を備えた1灯タイプの紫外線照射装置31aや、図4に示す2灯の紫外線ランプ64を備えた2灯タイプの紫外線照射装置31bのいずれでも使用でき、必要に応じて紫外線ランプの個数を適宜選択する。また、紫外線照射装置としては、有電極タイプや無電極タイプのいずれを用いてもよい。
【0026】
紫外線ランプ64としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧放電ランプ、メタルハライドランプなどの市販の紫外線ランプを用いることができるが、好ましくはメタルハライドランプを用いるとよい。
【0027】
紫外線硬化樹脂は、紫外線照射時に酸素が存在すると硬化が阻害されるので、これを防止するため、紫外線照射装置31a,31bでは線引作業中に石英管63内に不活性ガスGを流す。不活性ガスGは、特に限定するものではないが、例えば、窒素ガスや炭酸ガスを用いる。
【0028】
さて、本発明に用いる紫外線硬化樹脂5について説明する。
【0029】
従来の技術で説明したように、紫外線硬化樹脂は、光ファイバ素線にコーティングされ、紫外線照射装置で紫外線を照射して硬化させる際に、その紫外線硬化樹脂に不可避的に含まれる不純物が揮発してミストとなり、このミストが石英管63を汚すことで、紫外線量が低下し、安定した硬化が行えないことが原因であることが判明した。
【0030】
そこで、本発明者らは、紫外線硬化が起きる50〜100℃で、紫外線硬化樹脂中からどの程度のミストが発生するのかを検討した。
【0031】
すなわち、紫外線硬化樹脂を、100℃で、1時間ホールドした後の重量変化を測定した。この100℃で、1時間ホールドした後の重量変化を、ホールド前の重量にホールド後の重量を測定し、揮発減量率を下式
揮発減量率(%)=変化重量/ホールド前の重量
で求め、この1時間での揮発減量率を揮発減量速度(%/h)とした。
【0032】
この100℃での加熱時の揮発減量速度の測定は、被覆する紫外線硬化樹脂毎に行ったところ、揮発減量速度は、0.3〜2%/hと紫外線硬化樹脂により相違していることが判明した。
【0033】
また、揮発減量速度の測定で、紫外線硬化樹脂が硬化し始める50℃でも測定してみたが、100℃の揮発減量速度に対してやや揮発減量速度は下がるものの実質的に差異がないため、50〜100℃の範囲で、揮発減量速度の測定を行えば支障がない。
【0034】
次にこの知見に基づいて、線引き速度が1200m/minで、1000km線引きする条件で、これら揮発減量速度の異なる紫外線硬化樹脂でコーティングして被覆層6(あるいは22)を形成し、石英管63の汚れ具合をチェックしたところ、揮発減量速度は遅い(低い)ものが良好で、揮発減量速度が1.2%/hでは石英管63の汚れが無視できなく、揮発減量速度が1%/h以下のものであれば、より好ましくは0.5〜0.9%/h以下であれば、石英管63の汚れがなく、1000km線引後でも被覆層6(あるいは22)が良好に硬化していることが分かった。
【0035】
次に、より具体的な実験例を説明する。
【0036】
【実施例】
石英ガラス製の光ファイバ素線の外周に紫外線硬化樹脂をコーティングし、一次被覆に対して6kWの1灯タイプの紫外線照射装置(図3参照、ランプ長250mm)を、二次被覆に対して6kWの紫外線照射装置4灯を用いて、線引速度が1200m/minで1000km線引きする過程の紫外線照射装置の石英管を透過する紫外線の変化を測定した。測定は、100、200、300、500、1000kmの長さで行った。
【0037】
石英管を透過する紫外線照度の測定は、フュージョン社製の照度測定装置「ソテラル」を用い、石英製プローブを挿入して測定した。なお測定時は、ラインを止めて行い、測定は、最も汚れている二次被覆用の4灯目で行った。
【0038】
また、紫外線硬化樹脂の揮発減量速度は、TG/DTA(セイコー電子社製)を用い、100℃で、1時間ホールドした後の重量変化で予め求めた。
【0039】
この結果を、表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表1において、実施例1は、一次被覆材が0.8%/h(揮発減量速度)、二次被覆材が0.5%/h(揮発減量速度)の紫外線硬化樹脂を用いた例を、実施例2は、一次被覆材が0.6%/h、二次被覆材が0.9%/hの紫外線硬化樹脂を用いた例を、実施例3は、一次被覆材が0.8%/h、二次被覆材が0.9%/hの紫外線硬化樹脂を用いた例を示し、また比較例は、一次被覆材が0.8%/h、二次被覆材が1.2%/hの紫外線硬化樹脂を用いた例を示している。
【0042】
ここで、実施例1〜3および比較例で使用した紫外線硬化樹脂を表2を用いてより詳細に説明する。
【0043】
【表2】
【0044】
表2に示すように、まず、一次被覆材の構成樹脂として、2種類のウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂(試料A,B)を準備した。
【0045】
試料A:ポリオール構造がテトラメチレンオキサイド−プロピレンオキサイドを有するウレタンアクリレートオリゴマ(Mw(分子量)≒5000)(オリゴマa)100重量部に対して、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート(東亞合成製:アロニックス M−113)を20重量部、イソボニルアクリレート(サートマー製:SR−506)を30重量部、N−ビニルカプロラクタム(東亞合成製:アロニックス M−150)を20重量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシサイドを2.0重量部、光開始剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、アミン系安定剤などのその他添加物を2.2重量部含有するウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂。
【0046】
試料B:ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレートを30重量部、N−ビニルカプロラクタムを10重量部含有する以外は、試料Aと同じウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂。
【0047】
次に、二次被覆材の構成樹脂として、3種類のウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂(試料C,D,E)を準備した。
【0048】
試料C:ポリオール構造がポリテトラメチレングリコールを有するウレタンアクリレートオリゴマ(Mw≒2000)(オリゴマb)70重量部に対して、ウレタンプレポリマを30重量部、イソボニルアクリレートを20重量部、1,6−ヘキサンジアクリレート(日本化薬製:カラヤッドHDDA)を10重量部、N−ビニルカプロラクタムを30重量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシサイドを1.5重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを0.5重量部、光開始剤、酸化防止剤、レベリング剤、アミン系安定剤などのその他添加物を1.7重量部含有するウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂。
【0049】
試料D:1,6−ヘキサンジアクリレートと、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシサイドとを含有せず、ジシクロペンタニルジアクリレートを10重量部、N−ビニルカプロラクタムを10重量部、N−ビニルピロリドンを20重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを2.0重量部を含有する以外は、試料Cと同じウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂。
【0050】
試料E:N−ビニルカプロラクタムと、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシサイドとを含有せず、N−ビニルピロリドンを30重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを2.0重量部を含有する以外は、試料Cと同じウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂。
【0051】
これら試料A〜Eを用いて、実施例1〜3および比較例の紫外線硬化樹脂の組み合わせを、
実施例1;一次被覆材:試料A/二次被覆材:試料C
実施例2;一次被覆材:試料B/二次被覆材:試料D
実施例3;一次被覆材:試料A/二次被覆材:試料D
比較例 ;一次被覆材:試料A/二次被覆材:試料E
とした。
【0052】
これにより、揮発減量速度は、主に組成物中に使用するモノマの種類、量に大きく影響され、揮発性の高い成分をなるべく少なくすることが揮発減量速度を遅くすることにつながることがわかる。
【0053】
図5は、実施例1〜3および比較例の線引長(km)と石英管UV透過率(%)変化を示したものであり、100、200、300、500、1000kmで測定した透過率を示し、実施例1は黒丸、実施例2は黒四角、実施例3は黒三角、比較例は×でそれぞれ示した。
【0054】
図5に示すように、実施例1〜3の各光ファイバは、光ファイバの線引長が1000kmとなっても透過率がいずれも90%以上であり、初期の透過率(100%)に対して汚れていないことがわかる。
【0055】
この実施例1〜3で、実施例1の透過率の低下が最も少なく、実施例3の透過率はやや低下している。このことは、二次被覆材の揮発減量速度が低い方がよく、二次被覆材の揮発減量速度が等しい場合には一次被覆材の揮発減量速度が低い方がよいことがわかる。
【0056】
これに対して、比較例の光ファイバは、線引長が500kmを超えた長さからUV透過率が大きく低下し始め、光ファイバの線引長が1000kmの長さではUV透過率が約80%と低くなった。
【0057】
この比較例と実施例3との揮発減量速度を比較すると、一次被覆材の揮発減量速度は同じで、二次被覆材の揮発減量速度が実施例3では0.9%/h、比較例では1.2%/hと違うだけであり、よって、揮発減量速度を1%/h以下とすることで、紫外線透過率の低下を来さないことがわかる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば、次のような優れた効果を発揮する。
【0059】
(1)ミストによる紫外線照度の低下を起こさないで紫外線硬化樹脂を安定して硬化させることができる。
【0060】
(2)石英管の汚れを抑え、石英管の紫外線透過率を安定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施の形態を示す横断面図である。
【図2】本発明の第二の実施の形態を示す横断面図である。
【図3】紫外線照射装置の一例を示す概略図である。
【図4】紫外線照射装置の一例を示す概略図である。
【図5】光ファイバの線引長と石英管のUV透過率との関係を示す図である。
【図6】紫外線照射装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ
2 コア
3 クラッド
4 光ファイバ素線
5 紫外線硬化樹脂
6 被覆層
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ素線の外周に紫外線硬化樹脂をコーティングして被覆層を形成した光ファイバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ素線のコーティング材として、紫外線硬化樹脂が広く用いられている。
【0003】
紫外線硬化樹脂は、基本的に無溶剤の樹脂であり、ラジカル重合反応で硬化するウレタンアクリレート系やカチオン重合反応で硬化するエポキシ系などの光重合性オリゴマー(広義の単量体(モノマ)を含む重合主剤)、反応性希釈剤、光重合開始剤を必須の構成成分として含み、これらに必要に応じて光重合助剤、添加剤、着色剤などを配合した樹脂である。
【0004】
従来の光ファイバは、光ファイバ素線の外周に紫外線硬化樹脂をコーティングし、その紫外線硬化樹脂に紫外線(UV)を照射して硬化させて被覆層を形成して製造される。
【0005】
この光ファイバの製造には、図6に示すような紫外線照射装置61が使用される。装置61は、光ファイバ素線62が上方から下方へ通過すると共に不活性ガスGが流される石英管63と、石英管63の周囲から紫外線を照射するための紫外線ランプ64とを備えている。装置61では、紫外線硬化樹脂がコーティングされた光ファイバ素線62は、石英管63内を所定の線引速度で上方から下方に通過する間に紫外線ランプ64から紫外線が照射され、紫外線硬化樹脂が硬化し、光ファイバ素線62の外周に被覆層が形成された光ファイバ65になる。
【0006】
また、被覆層が二層で構成される光ファイバを製造するには、装置61を上下に2つ設け、光ファイバ素線62の外周に紫外線硬化樹脂をコーティングし、その紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して一次被覆層を形成し、その一次被覆層の外周に紫外線硬化樹脂をコーティングし、その紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して二次被覆層を形成する。
【0007】
近年、コストダウンの要請から、光ファイバを短時間で製造するために線引速度が高速化(1000m/min以上)し、これに伴って線引長も長尺化(500km以上)している。
【0008】
被覆層の硬化状態が安定な光ファイバを得るためには、▲1▼装置61に測定窓66を形成し、線引作業開始前に照度計により紫外線の外部照度を測定して照度確認を行う方法や、▲2▼線引作業開始前に端面を加工した石英ガラスを装置61の石英管63内に挿入し、その石英ガラスを通して得た紫外線の照度を照度計で測定して確認を行う方法が広く行われている。
【0009】
また、光ファイバ素線の線引速度変化に対応してUV照度を制御することはよく知られている。UV照度の制御としては、光ファイバ素線の着色被覆時の速度が変化した場合に、速度変化に応じてUV照度を制御する装置がある(例えば、特許文献1および2参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平5−306149号公報
【特許文献2】
特開平9−202654号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、紫外線硬化樹脂は、本来無溶剤の樹脂であり、紫外線照射により、ラジカル重合反応やカチオン重合反応にて硬化するが、装置61内の高温と硬化時の重合反応熱とによりその温度が100℃近くまで上昇し、このため反応に寄与しない未反応物や紫外線硬化樹脂中に不可避的に混入した不純物が揮発ガスとなり、この揮発ガスが石英管内63を流れる不活性ガスGで冷却されてミストとなり石英管63の内面に付着して石英管63の内壁を汚すため、石英管63を透過する紫外線量が低下してしまう問題がある。
【0012】
特に、一次被覆層と二次被覆層を形成する場合には、一次被覆層となる紫外線硬化樹脂の硬化過程で発生するミストが二次被覆層となる紫外線硬化樹脂をコーティングするダイスにたまり、このミストが二次被覆層中に混入する可能性がある。
【0013】
このため、装置61には、ミストを捕らえるミストトラップを設けるなどの工夫が図られているが、線引き中ミストは常時発生するため本質的な解決にはなっていない。
【0014】
また、上述した▲1▼の方法で外部照度を測定したり、▲2▼の方法で石英管63内の紫外線の照度を測定したりしても、線引作業中に紫外線硬化樹脂から生じるミストによる石英管63の汚れで、実際に照射される紫外線量が低下するため、適正な照度で照射することができない問題がある。特に、線引長が長くなるほど、線引作業を開始してから終了するまでの時間が長くなり、線引作業開始前に紫外線の照度を確認してからの経過時間が長くなるので、石英管63の汚れの進行等による紫外線量の低下がわかりにくくなる。
【0015】
特許文献1および2に記載された装置においても、ミストによる石英管63の内壁の汚れやUVランプ64の劣化等による照度低下に対応できないという問題がある。
【0016】
そこで、本発明者らは、種々の紫外線硬化樹脂を検討した結果、紫外線硬化樹脂からのミストの発生は避けることができないものであること、このためには、紫外線硬化樹脂から発生するミストを事前に予測し、ミスト発生のより少ない紫外線硬化樹脂を用いることで、上述した問題を解決して本発明をなすに至ったものである。
【0017】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、ミストによる紫外線照度の低下を起こさないで紫外線硬化樹脂を安定して硬化させることができる光ファイバを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、光ファイバ素線の外周に紫外線硬化樹脂をコーティングし、この光ファイバ素線を不活性ガスが流れる石英管内を通過させながらその石英管の周囲から紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂を硬化させて被覆層を形成する光ファイバにおいて、光ファイバ素線の外周に50〜100℃での加熱時の揮発減量速度が1%/h以下の紫外線硬化樹脂をコーティングして被覆層を形成した光ファイバである。
【0019】
請求項2の発明は、上記被覆層は、上記光ファイバ素線の外周に形成される一次被覆層と、その一次被覆層の外周に形成される二次被覆層とからなり、これら一次および二次被覆層となる紫外線硬化樹脂の50〜100℃での加熱時の揮発減量速度がいずれも1%/h以下である請求項1記載の光ファイバである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0021】
図1は、本発明の好適実施の形態である光ファイバの横断面図である。
【0022】
図1に示すように、本発明に係る光ファイバ1は、使用する紫外線硬化樹脂5を除いて、他の構成は従来と基本的には同じであり、コア2とクラッド3とからなる石英ガラス製の光ファイバ素線4の外周に紫外線硬化樹脂5をコーティングし、その紫外線硬化樹脂5に紫外線(UV)を照射し、紫外線硬化樹脂5を硬化させてなる被覆層6を形成したものである。
【0023】
光ファイバ素線4は、コア2やクラッド3の材質、外径、断面形状などに特に限定されるものではなく、情報通信などの伝達に使用されるものであれば、いかなるものを使用してもよい。
【0024】
また、図1では被覆層6が一層で構成される光ファイバ1を説明したが、被覆層が二層で構成される図2に示すような光ファイバ21でもよい。
【0025】
図2に示すように、本発明に係る光ファイバ21は、コア2とクラッド3とからなる石英ガラス製の光ファイバ素線4の外周に、紫外線硬化樹脂5にて、一次被覆層22aと二次被覆層22bとからなる被覆層22を形成したものである。
紫外線硬化樹脂5に紫外線を照射する紫外線照射装置としては、図3に示す1灯の紫外線ランプ64を備えた1灯タイプの紫外線照射装置31aや、図4に示す2灯の紫外線ランプ64を備えた2灯タイプの紫外線照射装置31bのいずれでも使用でき、必要に応じて紫外線ランプの個数を適宜選択する。また、紫外線照射装置としては、有電極タイプや無電極タイプのいずれを用いてもよい。
【0026】
紫外線ランプ64としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧放電ランプ、メタルハライドランプなどの市販の紫外線ランプを用いることができるが、好ましくはメタルハライドランプを用いるとよい。
【0027】
紫外線硬化樹脂は、紫外線照射時に酸素が存在すると硬化が阻害されるので、これを防止するため、紫外線照射装置31a,31bでは線引作業中に石英管63内に不活性ガスGを流す。不活性ガスGは、特に限定するものではないが、例えば、窒素ガスや炭酸ガスを用いる。
【0028】
さて、本発明に用いる紫外線硬化樹脂5について説明する。
【0029】
従来の技術で説明したように、紫外線硬化樹脂は、光ファイバ素線にコーティングされ、紫外線照射装置で紫外線を照射して硬化させる際に、その紫外線硬化樹脂に不可避的に含まれる不純物が揮発してミストとなり、このミストが石英管63を汚すことで、紫外線量が低下し、安定した硬化が行えないことが原因であることが判明した。
【0030】
そこで、本発明者らは、紫外線硬化が起きる50〜100℃で、紫外線硬化樹脂中からどの程度のミストが発生するのかを検討した。
【0031】
すなわち、紫外線硬化樹脂を、100℃で、1時間ホールドした後の重量変化を測定した。この100℃で、1時間ホールドした後の重量変化を、ホールド前の重量にホールド後の重量を測定し、揮発減量率を下式
揮発減量率(%)=変化重量/ホールド前の重量
で求め、この1時間での揮発減量率を揮発減量速度(%/h)とした。
【0032】
この100℃での加熱時の揮発減量速度の測定は、被覆する紫外線硬化樹脂毎に行ったところ、揮発減量速度は、0.3〜2%/hと紫外線硬化樹脂により相違していることが判明した。
【0033】
また、揮発減量速度の測定で、紫外線硬化樹脂が硬化し始める50℃でも測定してみたが、100℃の揮発減量速度に対してやや揮発減量速度は下がるものの実質的に差異がないため、50〜100℃の範囲で、揮発減量速度の測定を行えば支障がない。
【0034】
次にこの知見に基づいて、線引き速度が1200m/minで、1000km線引きする条件で、これら揮発減量速度の異なる紫外線硬化樹脂でコーティングして被覆層6(あるいは22)を形成し、石英管63の汚れ具合をチェックしたところ、揮発減量速度は遅い(低い)ものが良好で、揮発減量速度が1.2%/hでは石英管63の汚れが無視できなく、揮発減量速度が1%/h以下のものであれば、より好ましくは0.5〜0.9%/h以下であれば、石英管63の汚れがなく、1000km線引後でも被覆層6(あるいは22)が良好に硬化していることが分かった。
【0035】
次に、より具体的な実験例を説明する。
【0036】
【実施例】
石英ガラス製の光ファイバ素線の外周に紫外線硬化樹脂をコーティングし、一次被覆に対して6kWの1灯タイプの紫外線照射装置(図3参照、ランプ長250mm)を、二次被覆に対して6kWの紫外線照射装置4灯を用いて、線引速度が1200m/minで1000km線引きする過程の紫外線照射装置の石英管を透過する紫外線の変化を測定した。測定は、100、200、300、500、1000kmの長さで行った。
【0037】
石英管を透過する紫外線照度の測定は、フュージョン社製の照度測定装置「ソテラル」を用い、石英製プローブを挿入して測定した。なお測定時は、ラインを止めて行い、測定は、最も汚れている二次被覆用の4灯目で行った。
【0038】
また、紫外線硬化樹脂の揮発減量速度は、TG/DTA(セイコー電子社製)を用い、100℃で、1時間ホールドした後の重量変化で予め求めた。
【0039】
この結果を、表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表1において、実施例1は、一次被覆材が0.8%/h(揮発減量速度)、二次被覆材が0.5%/h(揮発減量速度)の紫外線硬化樹脂を用いた例を、実施例2は、一次被覆材が0.6%/h、二次被覆材が0.9%/hの紫外線硬化樹脂を用いた例を、実施例3は、一次被覆材が0.8%/h、二次被覆材が0.9%/hの紫外線硬化樹脂を用いた例を示し、また比較例は、一次被覆材が0.8%/h、二次被覆材が1.2%/hの紫外線硬化樹脂を用いた例を示している。
【0042】
ここで、実施例1〜3および比較例で使用した紫外線硬化樹脂を表2を用いてより詳細に説明する。
【0043】
【表2】
【0044】
表2に示すように、まず、一次被覆材の構成樹脂として、2種類のウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂(試料A,B)を準備した。
【0045】
試料A:ポリオール構造がテトラメチレンオキサイド−プロピレンオキサイドを有するウレタンアクリレートオリゴマ(Mw(分子量)≒5000)(オリゴマa)100重量部に対して、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート(東亞合成製:アロニックス M−113)を20重量部、イソボニルアクリレート(サートマー製:SR−506)を30重量部、N−ビニルカプロラクタム(東亞合成製:アロニックス M−150)を20重量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシサイドを2.0重量部、光開始剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、アミン系安定剤などのその他添加物を2.2重量部含有するウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂。
【0046】
試料B:ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレートを30重量部、N−ビニルカプロラクタムを10重量部含有する以外は、試料Aと同じウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂。
【0047】
次に、二次被覆材の構成樹脂として、3種類のウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂(試料C,D,E)を準備した。
【0048】
試料C:ポリオール構造がポリテトラメチレングリコールを有するウレタンアクリレートオリゴマ(Mw≒2000)(オリゴマb)70重量部に対して、ウレタンプレポリマを30重量部、イソボニルアクリレートを20重量部、1,6−ヘキサンジアクリレート(日本化薬製:カラヤッドHDDA)を10重量部、N−ビニルカプロラクタムを30重量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシサイドを1.5重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを0.5重量部、光開始剤、酸化防止剤、レベリング剤、アミン系安定剤などのその他添加物を1.7重量部含有するウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂。
【0049】
試料D:1,6−ヘキサンジアクリレートと、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシサイドとを含有せず、ジシクロペンタニルジアクリレートを10重量部、N−ビニルカプロラクタムを10重量部、N−ビニルピロリドンを20重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを2.0重量部を含有する以外は、試料Cと同じウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂。
【0050】
試料E:N−ビニルカプロラクタムと、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシサイドとを含有せず、N−ビニルピロリドンを30重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを2.0重量部を含有する以外は、試料Cと同じウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂。
【0051】
これら試料A〜Eを用いて、実施例1〜3および比較例の紫外線硬化樹脂の組み合わせを、
実施例1;一次被覆材:試料A/二次被覆材:試料C
実施例2;一次被覆材:試料B/二次被覆材:試料D
実施例3;一次被覆材:試料A/二次被覆材:試料D
比較例 ;一次被覆材:試料A/二次被覆材:試料E
とした。
【0052】
これにより、揮発減量速度は、主に組成物中に使用するモノマの種類、量に大きく影響され、揮発性の高い成分をなるべく少なくすることが揮発減量速度を遅くすることにつながることがわかる。
【0053】
図5は、実施例1〜3および比較例の線引長(km)と石英管UV透過率(%)変化を示したものであり、100、200、300、500、1000kmで測定した透過率を示し、実施例1は黒丸、実施例2は黒四角、実施例3は黒三角、比較例は×でそれぞれ示した。
【0054】
図5に示すように、実施例1〜3の各光ファイバは、光ファイバの線引長が1000kmとなっても透過率がいずれも90%以上であり、初期の透過率(100%)に対して汚れていないことがわかる。
【0055】
この実施例1〜3で、実施例1の透過率の低下が最も少なく、実施例3の透過率はやや低下している。このことは、二次被覆材の揮発減量速度が低い方がよく、二次被覆材の揮発減量速度が等しい場合には一次被覆材の揮発減量速度が低い方がよいことがわかる。
【0056】
これに対して、比較例の光ファイバは、線引長が500kmを超えた長さからUV透過率が大きく低下し始め、光ファイバの線引長が1000kmの長さではUV透過率が約80%と低くなった。
【0057】
この比較例と実施例3との揮発減量速度を比較すると、一次被覆材の揮発減量速度は同じで、二次被覆材の揮発減量速度が実施例3では0.9%/h、比較例では1.2%/hと違うだけであり、よって、揮発減量速度を1%/h以下とすることで、紫外線透過率の低下を来さないことがわかる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば、次のような優れた効果を発揮する。
【0059】
(1)ミストによる紫外線照度の低下を起こさないで紫外線硬化樹脂を安定して硬化させることができる。
【0060】
(2)石英管の汚れを抑え、石英管の紫外線透過率を安定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施の形態を示す横断面図である。
【図2】本発明の第二の実施の形態を示す横断面図である。
【図3】紫外線照射装置の一例を示す概略図である。
【図4】紫外線照射装置の一例を示す概略図である。
【図5】光ファイバの線引長と石英管のUV透過率との関係を示す図である。
【図6】紫外線照射装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ
2 コア
3 クラッド
4 光ファイバ素線
5 紫外線硬化樹脂
6 被覆層
Claims (2)
- 光ファイバ素線の外周に紫外線硬化樹脂をコーティングし、この光ファイバ素線を不活性ガスが流れる石英管内を通過させながらその石英管の周囲から紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂を硬化させて被覆層を形成する光ファイバにおいて、光ファイバ素線の外周に50〜100℃での加熱時の揮発減量速度が1%/h以下の紫外線硬化樹脂をコーティングして被覆層を形成したことを特徴とする光ファイバ。
- 上記被覆層は、上記光ファイバ素線の外周に形成される一次被覆層と、その一次被覆層の外周に形成される二次被覆層とからなり、これら一次および二次被覆層となる紫外線硬化樹脂の50〜100℃での加熱時の揮発減量速度がいずれも1%/h以下である請求項1記載の光ファイバ。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-05-27 JP JP2003148975A patent/JP2004354457A/ja active Pending
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JPWO2017082200A1 (ja) * | 2015-11-09 | 2018-08-30 | 住友電気工業株式会社 | 光ファイバ心線 |
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