JP4172062B2 - 線状体に紫外線硬化樹脂を被覆する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、線状体に紫外線硬化樹脂を被覆する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバ心線、電線、鋼線、紐、綱等の線状体、これらをテープ状に配列した光ファイバテープ心線等のテープ状線状体、又は各種プラスチック、金属等のテープ(以下、これらを総称して線状体という)に紫外線硬化樹脂を被覆することは、所定の粘度に調製した紫外線硬化樹脂を塗布装置に充填し、線状体に該塗布装置を通過させることにより該線状体に紫外線硬化樹脂を塗布し、該紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して該紫外線硬化樹脂を硬化させる方法により行われている。
【0003】
紫外線硬化樹脂を硬化させる方法は、例えば特公平6−84015号公報に記載されている方法を挙げることができる。この方法を図8を参照して説明すると、硬化装置1内に紫外線を透過させる筒状体(以下、紫外線透過筒状体という)として石英管18を配置し、紫外線硬化樹脂が塗布された線状体21に該石英管18の中を通過させ、石英管外の紫外線バルブ4から紫外線を線状体に塗布された紫外線硬化樹脂に照射して該紫外線硬化樹脂を硬化させることが行われていた。このとき、石英管18内には、流量調節バルブ20で流量を制御された不活性ガスがパージされ、同時に吸引ポンプ9により石英管18内のガスは排気されていた。これにもかかわらず、紫外線硬化樹脂の一部が揮発して石英管18の内壁面に付着するので、作業が進むにつれて石英管18の曇りが増し、石英管の紫外線透過率が低下していた。その結果、線状体に到達する紫外線量が減少するので、紫外線硬化樹脂の硬化度が低下し、やがては品質的な問題が生じるまでになる。
【0004】
この問題を回避するため、石英管を透過する紫外線量を測定し、該紫外線量が紫外線硬化樹脂を十分に硬化させることができる基準値まで低下した時点で石英管を曇りのないものに交換することがなされていた。実際には、一本の線状体の紫外線硬化樹脂被覆が終わった時点で、石英管を透過する紫外線量を測定し、次の線状体の紫外線硬化樹脂被覆作業の途中で石英管を透過する紫外線量が不足することが予想される場合に、石英管を交換することが行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
作業効率の向上のため、一回の作業で扱う線状体をより長尺のものにすることが進められるにつれ、一回の作業あたりの石英管の曇り具合も増加するようになってきた。その結果、たとえ曇りのない石英管を使用して紫外線硬化樹脂被覆作業を開始しても、その作業の途中で石英管が曇ってしまい、紫外線硬化樹脂を十分硬化させることができなくなるという問題が生じるようになった。紫外線硬化樹脂被覆作業の途中で作業を中断して石英管を交換することは甚だ作業効率が悪いので、一回の作業では、中断なくその作業を終えられるだけの長さの線状体しか扱えないということになり、前記した作業効率の向上が頭打ちとなっていた。
硬化装置の数を増やしておき、石英管が曇れば次の硬化装置を稼働させる方法がこの対策として考えられるが、設備のスペースおよびコストが増大するので、この方法にはデメリットも大きい。
本発明は、上記の事情に鑑み、一回の紫外線硬化樹脂被覆作業で、より長尺の線状体に、途中で作業を中断することなく、紫外線硬化樹脂を被覆することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、線状体に紫外線硬化樹脂を塗布し、該線状体に硬化装置内に配置された紫外線透過筒状体を通過させて該紫外線硬化樹脂を硬化させることからなる線状体に紫外線硬化樹脂を被覆する方法において、その内部に配置された紫外線透過筒状体内の酸素濃度を低下または向上することができる硬化装置を複数直列に配置し、そのうちの少なくとも一つの硬化装置の紫外線透過筒状体内を酸素濃度が2%以下である低酸素濃度雰囲気下とし、その他の硬化装置の少なくとも一つの硬化装置の紫外線透過筒状体内を酸素濃度が5%以上である高酸素濃度雰囲気下として、高酸素濃度雰囲気下とした紫外線透過筒状体に付着した曇りを除去しながら紫外線硬化樹脂を硬化することを特徴とする線状体に紫外線硬化樹脂を被覆する方法に関する。
【0008】
ここで、高酸素濃度とは、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射したときに、紫外線硬化樹脂の揮発成分が紫外線透過筒状体に付着する速度よりも該紫外線透過筒状体に付着した曇り成分が酸化分解される速度の方が速く、見かけ上該紫外線透過筒状体に付着した曇りが減衰していく範囲の酸素濃度である。好ましい高酸素濃度値は、5%以上であり、10%以上であるとさらに好ましい。
【0009】
また、低酸素濃度とは、硬化装置で紫外線硬化樹脂を硬化させるのに支障をきたさない範囲の酸素濃度である。複数配置した硬化装置のうちの少なくとも一つを高酸素濃度としているので、低酸素濃度とする硬化装置内は、通常の酸素濃度よりも低い酸素濃度が求められる。光ファイバの線引工程や光ファイバ心線のテープ化工程では、好ましい低酸素濃度値は2%以下であり、0.5%以下であればさらに好ましい。光ファイバ素線を着色する工程では、好ましい低酸素濃度は1%以下であり、0.5%以下であればさらに好ましい。
【0010】
また、本発明は、硬化装置内の紫外線透過筒状体内を高酸素濃度雰囲気下とする時間が該硬化装置内の紫外線透過筒状体に付着した曇りを除去するのに十分なあらかじめ定められた時間であり、かつ各硬化装置内の紫外線透過筒状体内を低酸素濃度雰囲気下から高酸素濃度雰囲気下へ切り替える時点および高酸素濃度雰囲気下から低酸素濃度雰囲気下へ切り替える時点があらかじめ定められた時点であることを特徴とする線状体に紫外線硬化樹脂を被覆する方法に関する。
【0011】
また、本発明は、硬化装置内の紫外線透過筒状体を透過する紫外線量をモニターし、紫外線量が減少してあらかじめ定められた値となった時点で該硬化装置内の紫外線透過筒状体内を低酸素濃度雰囲気下から高酸素濃度雰囲気下へ切り替え、その後、紫外線量が増加してあらかじめ定められた値になった時点で該硬化装置内の紫外線透過筒状体内を高酸素濃度雰囲気下から低酸素濃度雰囲気下に切り替えることを特徴とする線状体に紫外線硬化樹脂を被覆する方法に関する。
【0012】
また、本発明は、紫外線硬化樹脂が被覆された線状体の長さを測定し、あらかじめ定められた長さの線状体に紫外線硬化樹脂が被覆された時点で硬化装置内の紫外線透過筒状体内を低酸素濃度雰囲気下から高酸素濃度雰囲気下へ切り替え、その後、あらかじめ定められた長さの線状体に紫外線硬化樹脂が被覆された時点で該硬化装置内の紫外線透過筒状体内を高酸素濃度雰囲気下から低酸素濃度雰囲気下に切り替えることを特徴とする線状体に紫外線硬化樹脂を被覆する方法に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明者は、紫外線硬化装置内に配置した紫外線透過筒状体(例えば、前記した石英管が使用される)に付着した紫外線硬化樹脂由来の曇り成分に、酸素含有雰囲気下において紫外線を照射すると、該曇り成分が酸化分解されて飛散することを見い出した。正確に言うと、酸素含有雰囲気下では曇り成分が紫外線透過筒状体に付着することと、該紫外線透過筒状体に付着した曇り成分が飛散することは同時に起こっていて、酸素濃度が高くなるにつれて飛散する量が増え、付着する量が減少する。したがって、ある酸素濃度以上であれば、飛散する量が付着する量を上回り、見かけ上紫外線透過筒状体に付着した曇り成分が飛散していく。本発明では、この酸素濃度を高酸素濃度という。さらに酸素濃度が高くなると、それにつれて単位時間あたりに飛散する曇り成分の量が増えるので、紫外線透過筒状体に付着した曇り成分を飛散させつくすのに要する時間が短くなる。
【0014】
ここで、曇り成分を飛散させることができる酸素濃度は、紫外線硬化樹脂を硬化させるために照射される紫外線量が通常の範囲であれば、5%以上であることが好ましい。例えば、光源として3kWの紫外線バルブ(フュージョン社製)を使用して、かつ該紫外線バルブおよび紫外線透過筒状体の周囲を反射鏡で覆った状態では、酸素濃度が5%以上であることが好ましい。同条件で、酸素濃度が10%であれば10分間で曇り成分を飛散させつくすことができるので、実用上十分である。10%以下であっても、見かけ上曇り成分が飛散するだけの酸素濃度以上であれば、本発明の方法に適用可能である。
【0015】
ところが、紫外線透過筒状体内に酸素が存在すると、該酸素により紫外線硬化樹脂の硬化反応が阻害される。より詳細に言うと、紫外線硬化樹脂には重合開始剤が含まれており、紫外線が照射されると、該重合開始剤はラジカルとなって紫外線硬化樹脂の重合すなわち硬化が始まるのであるが、酸素が存在すると、酸素と接触する該紫外線硬化樹脂の表面近傍では、ラジカルと酸素が反応してしまったり、架橋反応の途中にある開裂した−C−C−結合手と酸素が反応してしまい硬化反応が阻害されるので、表面が十分には硬化しない。したがって、前記高酸素濃度雰囲気下(例えば10%)においては、良品を生産することは大変難しい。
【0016】
そこで、本発明者は、長尺の線状体に塗布された紫外線硬化樹脂を硬化させることにおいて、複数の硬化装置を配置し、各硬化装置内の紫外線透過筒状体内の酸素濃度を、該複数の硬化装置により紫外線硬化樹脂が硬化される範囲内の酸素濃度として、少なくとも一つの硬化装置内の紫外線透過筒状体内を該紫外線透過筒状体に付着した曇り成分が飛散して除去されるような高酸素濃度雰囲気下として、該曇り成分を飛散、除去した後、該高酸素濃度雰囲気下にした紫外線透過筒状体内を紫外線硬化樹脂の硬化に支障がないような低酸素濃度雰囲気下とすることを、少なくとも一つのその他の硬化装置内の紫外線透過筒状体内を低酸素濃度雰囲気下としつつ、各硬化装置について順に繰り返し行うことで、途中で作業を中断することなく紫外線硬化樹脂を硬化させることを可能とした。
【0017】
ここで、低酸素濃度雰囲気下として好ましい値は、紫外線の照射量が通常の範囲であれば、光ファイバの線引工程や光ファイバ心線のテープ化工程では2%以下であり、光ファイバ素線の着色工程では1%以下である。そして、酸素濃度が低いほど好ましく、酸素を全く含まなくしてもよい。
【0018】
次に、前記の硬化装置以外のいずれかの少なくとも一つの硬化装置内の紫外線透過筒状体内を高酸素濃度雰囲気下とする。ここで、高酸素濃度として好ましい値は、例えば、前記した紫外線照射条件であれば、10%あれば十分である。一方、紫外線硬化樹脂の表面の酸化を防ぐために酸素濃度は20%以下であることが好ましい。
【0019】
以下に光ファイバ素線を例にして説明するが、本発明の方法は、光ファイバ素線に着色剤を混ぜた紫外線硬化樹脂を被覆する着色心線製造過程や前記着色心線をテープ上にまとめて被覆するテープ心線の製造過程はもちろん、その他の線状体の被覆についても適用可能である。
【0020】
図3に示した光ファイバ素線製造装置において、光ファイバ母材11を線引炉12で溶融して所定の外径まで細径化して光ファイバ10とした後、冷却装置13で該光ファイバを冷却して、塗布装置14により該光ファイバに紫外線硬化樹脂を塗布して、さらに硬化装置1により該紫外線硬化樹脂を硬化させる。こうして紫外線硬化樹脂が被覆された光ファイバすなわち光ファイバ素線15を製造して、該光ファイバ素線15を巻取機16で巻き取る。
【0021】
紫外線透過筒状体内の酸素濃度の制御について、光ファイバに塗布された紫外線硬化樹脂を硬化する場合を例として、硬化装置の構成例を示す図2を参照して以下に説明する。
硬化装置1内には、紫外線透過筒状体2と紫外線バルブ4が配置されている。紫外線透過筒状体2はその中心軸を光ファイバ10が通過する位置に配置される。また、紫外線透過筒状体2と紫外線バルブ4の周囲に、それらを取り囲むように反射鏡3が配置されている。紫外線透過筒状体2と紫外線バルブ4は反射鏡3の焦点に位置するように配置されているので、紫外線バルブ4から照射された紫外線は、反射鏡3で反射されて、効率よく紫外線透過筒状体2に照射される。
【0022】
流量調節器8により、不活性ガスを、流量を調節して紫外線透過筒状体2内にパージする。紫外線透過筒状体2内は入口5または出口6を通じて空気と連通しているので、紫外線透過筒状体2内は不活性ガスがパージされることにより、空気と不活性ガスの混合気体雰囲気となる。不活性ガスの流量が増えると紫外線透過筒状体2内は、不活性ガス濃度が高くなり、酸素濃度が低くなる。不活性ガスは、費用の点からN2 が好ましい。
【0023】
不活性ガスの流量と酸素濃度の関係をあららじめ求めておき、所望の酸素濃度となる不活性ガスをパージすればよい。また、紫外線透過筒状体内に酸素濃度センサーを配置し、該センサーの信号をフィードバック制御装置に送り、該フィードバック制御装置により不活性ガスのパージ量を調節して、紫外線透過筒状体内が所望の酸素濃度になるようにすることもできる。
【0024】
また、硬化装置1の入口5または出口6にシャッター7を設け、その開度を調節することによっても紫外線透過筒状体2内の酸素濃度を制御することができる。シャッター7の開度を小さくすると紫外線透過筒状体内の酸素濃度は低くなる。
【0025】
シャッターの開度と酸素濃度の関係をあららじめ求めておき、所望の酸素濃度となるようにシャッターの開度を調節すればよい。また、紫外線透過筒状体内に酸素濃度センサーを配置し、該センサーの信号をフィードバック制御装置に送り、該フィードバック制御装置によりシャッターの開度を調節して、紫外線透過筒状体内が所望の酸素濃度になるようにすることもできる。
【0026】
また、排気系に吸引ポンプ9を設け、紫外線透過筒状体内の気体を能動的に排気することで紫外線透過筒状体内の酸素濃度を調整することができる。
【0027】
なお、紫外線透過筒状体内の酸素濃度は光ファイバの線速に依存することがある。例えば、不活性ガスを紫外線透過筒状体2内にパージする流量が少ないときには、その依存性は大きい。一方、上部シャッター穴径が5mmの場合、不活性ガスの流量が40slm程度では、紫外線透過筒状体内の酸素濃度の線速への依存性はあまりなく、それ以上の流量では、線速への依存性はほぼ無視できる。
【0028】
前記の各要因を総合的に調節することによって、紫外線透過筒状体内の酸素濃度を所望の値に制御するすることが可能である。
【0029】
また、あらかじめ酸素と不活性ガスを混合して、目的とする酸素濃度に調整した混合気体を紫外線透過筒状体内にパージしてもよい。ただし、このとき線速の影響を受けて、紫外線透過筒状体内の酸素濃度がパージする酸素濃度の値とは異なる場合があることに注意すべきである。
【0030】
紫外線硬化樹脂の硬化過程における紫外線透過筒状体を透過して光ファイバに照射される紫外線量の変化の例を図4に示す。硬化開始後時間が経過するにつれて紫外線透過筒状体に曇り成分が付着し、紫外線透過筒状体を透過する紫外線量が低下していく。紫外線の照射条件は前記した条件であり、硬化装置内の紫外線透過筒状体内の酸素濃度は100ppmである。紫外線透過筒状体には、石英管を使用した。図4において、縦軸の紫外線透過量は、曇りのない石英管を使用して硬化を開始したときの紫外線透過筒状体を透過する紫外線量を1として表している。
なお、紫外線透過筒状体に曇り成分が付着する速度は、樹脂にもよる。一般に着色用の紫外線硬化樹脂は、図4に示した例よりも曇り成分が紫外線透過筒状体に付着する速度が遅く、紫外線透過筒状体は曇りにくい。
【0031】
硬化装置を複数(n台、ただしnは2以上の自然数)使用した場合、それらの硬化装置全部から光ファイバが照射される紫外線量の総和は図4のグラフのn倍で表される。硬化装置を1台使用した場合を図4に黒丸で、硬化装置を2台使用した場合を同図に下向き白抜き三角で、3台使用した場合を図4に白抜き四角で表す。前記条件で、紫外線硬化樹脂を硬化させるのに必要な紫外線量は1.3であった。したがって、図4より硬化装置を2台使用した場合は240分以内に、硬化装置を3台使用した場合は470分以内に、紫外線透過筒状体に付着した曇り成分を除去して紫外線透過筒状体を透過する紫外線量を回復させる必要があることがわかる。
【0032】
線引ライン上に硬化装置を2台設置した場合について以下に説明する。
まず、2台の硬化装置についてそれぞれの装置内の酸素濃度を、低酸素濃度雰囲気下として、線引き作業を開始する。
紫外線硬化樹脂が十分に硬化する酸素濃度は、紫外線の照射量、紫外線透過筒状体の材質、線速によって変わるので予備的に確認して決定しておく。
【0033】
ここで、紫外線硬化樹脂が十分に硬化したことの確認方法は種々考えられるが、特に表面硬化度に関しては紫外線硬化樹脂が硬化することは樹脂分子間の架橋度が増すことであるという観点から、炭素原子間の二重結合数の減少率により確認することが有効な方法の一つである。具体的には、硬化後の紫外線硬化樹脂について、赤外線スペクトル分析し、紫外線硬化樹脂の硬化前後でピーク強度が変化しないベンゼン環に起因するピークと炭素間二重結合によるピークとの強度をそれぞれ求め、前者で後者を除して強度比を求める。この強度比が帰納的に求めた閾値を上回った場合は紫外線硬化樹脂の硬化が不十分であるとすることができる。
【0034】
さて、硬化装置が2台ある場合、紫外線硬化樹脂を塗布された光ファイバ10は、まず1台目の硬化装置1aを通過し、次に2台目の硬化装置1bを通過する。このとき、光ファイバに塗布された紫外線硬化樹脂は、該光ファイバが2台目の硬化装置1bを通過したときには十分に硬化している。
【0035】
線引開始後、硬化装置1内の紫外線透過筒状体2の内壁面には、曇り成分が除々に付着していき、該紫外線透過筒状体を透過する紫外線量は低下していく。光ファイバが2台目の硬化装置1bを通過したにもかかわらず該光ファイバに塗布された紫外線硬化樹脂が十分に硬化しなくなる前に、いずれかの硬化装置1内の紫外線透過筒状体2内の酸素濃度を該紫外線透過筒状体2に付着した曇り成分を除去することができる値以上まで上昇させる。すなわち、一方の硬化装置1内の紫外線透過筒状体2内を高酸素濃度雰囲気下にする。
このとき、高酸素濃度雰囲気下とした硬化装置1における紫外線硬化樹脂の硬化能力は低下するがゼロになるわけではなく、2台の硬化装置1が紫外線硬化樹脂を硬化していることに変わりはない。前記のように、ある酸素濃度で紫外線硬化樹脂が十分に硬化するかどうかは紫外線の照射量等の諸条件によって変わるので、高酸素濃度雰囲気下とする紫外線透過筒状体2内の酸素濃度は、光ファイバに塗布された紫外線硬化樹脂が2台目の硬化装置1bを通過した後に十分に硬化する範囲の値にすることが必要である。この範囲は、線引しようとする条件下で予備的に確認しておけばよい。なお、その範囲内ではできるだけ高酸素濃度とすることが、紫外線透過筒状体2の曇り成分の除去に要する時間を短縮するという観点から好ましい。
【0036】
高酸素濃度雰囲気下とした紫外線透過筒状体2に付着した曇り成分を除去した後は、該紫外線透過筒状体2内の酸素濃度を低酸素濃度まで低下させる。そして、他方の硬化装置1についても前記したのと同様にして、該硬化装置内に設置した紫外線透過筒状体2に付着した曇り成分を飛散させて除去する。
【0037】
次に、線引ライン上に硬化装置を3台設置した場合について以下に説明する。
紫外線硬化樹脂を塗布された光ファイバは、まず1台目の硬化装置1aを通過し、次に2台目の硬化装置1bを通過し、最後に3台目の硬化装置1cを通過する。線引開始後しばらくの間、該光ファイバに塗布された紫外線硬化樹脂は、光ファイバが3台目の硬化装置1cを通過したときには十分に硬化している。
線引開始後、各硬化装置1内の紫外線透過筒状体2には、曇り成分が除々に付着していき、該紫外線透過筒状体を透過する紫外線量は低下していく。光ファイバが3台目の硬化装置1cを通過したにもかかわらず該光ファイバに塗布された紫外線硬化樹脂が十分に硬化しなくなる前に、いずれかの硬化装置1内の紫外線透過筒状体2内の酸素濃度を低酸素濃度雰囲気下にしたまま、他の2台の硬化装置1のうちの少なくとも1台の硬化装置1内の紫外線透過筒状体2内の酸素濃度を、紫外線透過筒状体2に付着した曇り成分を除去することができる値以上まで上昇させる。すなわち、該紫外線透過筒状体2内を高酸素濃度雰囲気下にする。
低酸素濃度および高酸素濃度の設定については2台の硬化装置1を用いる場合と同様である。
【0038】
高酸素濃度雰囲気下とした紫外線透過筒状体2に付着した曇り成分を除去した後は、該紫外線透過筒状体2内の酸素濃度を低酸素濃度まで低下させる。そして、その他の硬化装置1についても、順に、前記したのと同様にして、該装置1内に設置した紫外線透過筒状体2に付着した曇り成分を飛散させて除去する。
【0039】
線引開始後、硬化装置1内の紫外線透過筒状体2内の酸素濃度を低酸素濃度から高酸素濃度に切り替える時点は、紫外線量測定器17を用いて、紫外線透過筒状体2を透過する紫外線量をモニターして、その測定値が紫外線硬化樹脂の硬化に必要な紫外線量により決定された所定の紫外線量を下回った時点にすることができる。また、高酸素濃度から低酸素濃度への切り替えは、前記紫外線量測定器17を用いて、当該紫外線透過筒状体を透過する紫外線量が所定の紫外線量まで回復した時点にすることができる。
また、上記の条件を満たすような時点を測定によりあらかじめ求めておき、同条件であれば、決まった時点で酸素濃度の切り替えを行うようにしてもよい。
【0040】
また、紫外線硬化樹脂を被覆した量すなわち被覆した線状体の長さと紫外線透過筒状体の曇り具合の関係を求め、紫外線透過筒状体内の酸素濃度を切り替える時点を、それまでに被覆した線状体の長さにより決定することもできる。つまり、紫外線硬化樹脂が被覆された線状体の長さを測定し、あらかじめ定められた長さの線状体に紫外線硬化樹脂が被覆された時点で硬化装置内の紫外線透過筒状体内を低酸素濃度雰囲気下から高酸素濃度雰囲気下へ切り替え、その後、あらかじめ定められた長さの線状体に紫外線硬化樹脂が被覆された時点で該硬化装置内の紫外線透過筒状体内を高酸素濃度雰囲気下から点酸素濃度雰囲気下に切り替えるようにしてもよい。
【0041】
【実施例】
以下に実施例を示し、さらに詳細に本発明を説明する。
図3に示した光ファイバ素線製造装置において、光ファイバ母材11を線引炉12で溶融して所定の外径まで細径化して光ファイバ10として該光ファイバ10を冷却装置13で冷却した後、塗布装置14により該光ファイバ10に紫外線硬化樹脂を塗布し、硬化装置1a、1bおよび1cにより該紫外線硬化樹脂を硬化させて光ファイバ10に紫外線硬化樹脂が被覆された光ファイバ素線15として、該光ファイバ素線15を巻取機16で巻き取った。このときの巻き取り速度(線速)は800m/分とした。紫外線透過筒状体には、石英管を用いた。
【0042】
硬化装置は、3台直列に並べた。各硬化装置はいずれも図5に示す構成であるものを使用した。塗布装置14に近い順にNo.1、No.2、No.3と番号を付けた。線引開始前は各硬化装置1ごとに、不活性ガスには窒素を用いて、流量調整器8aにて40リットル/分の流量に調節して送出する。こうして窒素が石英管内18にパージされる。線引開始後は、線引ライン上に3台設置した各硬化装置1のガス流路における混合箇所19において、酸素濃度が図1のパターンとなるように空気を流量調節器8bにより導入した。一つの硬化装置1についてみると、40分のサイクルのうち10分間を石英管18内の酸素濃度10%とし、残りの30分間を酸素濃度100ppmとした。最初の10分間、3台の硬化装置1内の石英管18内がいずれも低酸素濃度雰囲気下であるとき、該3台の硬化装置1により紫外線硬化樹脂が完全に硬化されることを確認した。
【0043】
個々の硬化装置1内の石英管18を透過する紫外線量の変化を図6に示す。10%の酸素濃度雰囲気に10分間おくことで、石英管18の曇りが除去され、該石英管18を透過する紫外線量がほぼ初期値まで回復した。
3台の硬化装置1のそれぞれの内部の石英管18を透過する紫外線量の和を図7に示す。線引開始後500分経過後、紫外線硬化樹脂に照射される紫外線量はわずかに9%程度しか減少していなかった。これから、約4000分間、長さにして3200kmの光ファイバを、途中で石英管18を交換せずに線引することが可能であると求められた。
【0044】
次に、同じ装置および諸条件で、各硬化装置1内の酸素濃度と紫外線硬化樹脂の硬化度との関係を調べた。表1に示す4つの酸素濃度条件で光ファイバ10を線引し、No.3硬化装置1cを通過したときの紫外線硬化樹脂の硬化度を調べた。具体的には、硬化後の紫外線硬化樹脂について、赤外線スペクトル分析し、紫外線硬化樹脂の硬化前後でピーク強度が変化しないベンゼン環に起因するピークと炭素間二重結合によるピークとの強度比(前者で後者を割った値)を求めた。この強度比を光ファイバの硬化度として、各条件での硬化度を表1中に示す。強度比(光ファイバの硬化度)が0.15〜0.3の範囲の値であるものが良品である。
3台の硬化装置1を使用する場合、前記した紫外線の照射条件においては、2台の硬化装置1内の石英管18内の酸素濃度を同時に10%とすることは、許容範囲内であることが確認された。
また、No.1硬化装置1a内の酸素濃度を高くする場合は、No.2硬化装置1bまたはNo.3硬化装置1c内の酸素濃度を高くする場合よりも硬化度に影響すること分かった。
【0045】
【表1】
【0046】
(従来例)
各硬化装置1内の酸素濃度を100ppmに保つこと以外は、装置および諸条件を前記の実施例と同じにして光ファイバ素線を線引した。線引開始後約470分経過時に紫外線硬化樹脂の硬化が十分でなくなった。その時までに線引された光ファイバの長さは約380kmであった。
【0047】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、一回の紫外線硬化樹脂被覆作業で、より長尺の線状体に、途中で作業を中断することなく紫外線硬化樹脂を被覆することが可能となる。
しかも、本発明の方法によれば、作業終了時の紫外線量を確保するための硬化装置または紫外線光源の数を最小限とすることができるため、設備のスペースおよびコストを最小限とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各硬化装置の酸素濃度のパターンを示す図である。
【図2】硬化装置の構成を示す図である。(A)は光ファイバの進行方向に平行な面における断面図であり、(B)は、図a中の一点鎖線A−Aでの断面図である。
【図3】光ファイバ素線製造装置の構成を示す図である。
【図4】紫外線硬化樹脂の硬化過程において、紫外線透過筒状体を透過する紫外線量の変化を示す図である。
【図5】硬化装置の構成を示す図である。
【図6】個々の硬化装置内の紫外線透過筒状体を透過する紫外線量の変化を示す図である。
【図7】硬化装置1、2および3のそれぞれの内部の紫外線透過筒状体を透過する紫外線量の和の変化を示す図である。
【図8】従来の硬化装置を示す図である。
【符号の説明】
1:硬化装置
1a:No.1硬化装置
1b:No.2硬化装置
1c:No.3硬化装置
2:紫外線透過筒状体
3:反射鏡
4:紫外線バルブ
5:入口
6:出口
7:シャッター
8:流量調節器
9:吸引ポンプ
10:光ファイバ
11:光ファイバ母材
12:線引炉
13:冷却装置
14:塗布装置
15:光ファイバ素線
16:巻取器
17:紫外線量測定器
18:石英管
19:混合箇所
20:流量調節バルブ
21:線状体
Claims (4)
- 線状体に紫外線硬化樹脂を塗布し、該線状体に硬化装置内に配置された紫外線透過筒状体を通過させて該紫外線硬化樹脂を硬化させることからなる線状体に紫外線硬化樹脂を被覆する方法において、その内部に配置された紫外線透過筒状体内の酸素濃度を低下または向上することができる硬化装置を複数直列に配置し、そのうちの少なくとも一つの硬化装置の紫外線透過筒状体内を酸素濃度が2%以下である低酸素濃度雰囲気下とし、その他の硬化装置の少なくとも一つの硬化装置の紫外線透過筒状体内を酸素濃度が5%以上である高酸素濃度雰囲気下として、高酸素濃度雰囲気下とした紫外線透過筒状体に付着した曇りを除去しながら紫外線硬化樹脂を硬化することを特徴とする線状体に紫外線硬化樹脂を被覆する方法。
- 硬化装置内の紫外線透過筒状体内を高酸素濃度雰囲気下とする時間が該紫外線透過筒状体に付着した曇りを除去するのに十分なあらかじめ定められた時間であり、かつ各硬化装置内の紫外線透過筒状体内を低酸素濃度雰囲気下から高酸素濃度雰囲気下へ切り替える時点および高酸素濃度雰囲気下から低酸素濃度雰囲気下へ切り替える時点があらかじめ定められた時点であることを特徴とする請求項1に記載の線状体に紫外線硬化樹脂を被覆する方法。
- 硬化装置内の紫外線透過筒状体を透過する紫外線量をモニターし、紫外線量が減少してあらかじめ定められた値となった時点で該硬化装置内の紫外線透過筒状体内を低酸素濃度雰囲気下から高酸素濃度雰囲気下へ切り替え、その後、紫外線量が増加してあらかじめ定められた値になった時点で該硬化装置内の紫外線透過筒状体内を高酸素濃度雰囲気下から低酸素濃度雰囲気下に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の線状体に紫外線硬化樹脂を被覆する方法。
- 紫外線硬化樹脂が被覆された線状体の長さを測定し、あらかじめ定められた長さの線状体に紫外線硬化樹脂が被覆された時点で硬化装置内の紫外線透過筒状体内を低酸素濃度雰囲気下から高酸素濃度雰囲気下へ切り替え、その後、あらかじめ定められた長さの線状体に紫外線硬化樹脂が被覆された時点で該硬化装置内の紫外線透過筒状体内を高酸素濃度雰囲気下から低酸素濃度雰囲気下に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の線状体に紫外線硬化樹脂を被覆する方法。
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