JP2002249334A - 光ファイバの線引き方法及び線引き炉 - Google Patents

光ファイバの線引き方法及び線引き炉

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JP2002249334A JP2001045414A JP2001045414A JP2002249334A JP 2002249334 A JP2002249334 A JP 2002249334A JP 2001045414 A JP2001045414 A JP 2001045414A JP 2001045414 A JP2001045414 A JP 2001045414A JP 2002249334 A JP2002249334 A JP 2002249334A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッドに対する中心コアの比屈折率差が大
きい光ファイバを線引きする場合であっても、格子欠陥
の残留量が十分に低減されており、水素雰囲気下での特
性劣化が十分に抑制された光ファイバを効率よく且つ安
価に得ることを可能とする光ファイバの線引き方法を提
供すること。 【解決手段】 本発明の光ファイバの線引き方法は、炉
心管4、炉体5及びヒータ6を備える線引き炉3を用
い、炉心管4の入口から光ファイバ母材1を挿入して、
所定のガス雰囲気下、ヒータ6により光ファイバ母材1
を加熱軟化させて、炉心管4の出口に向かって所定の引
張張力で線引きする方法であって、光ファイバ母材1及
び線引き炉3として、それぞれ下記式(1): L/D≧8 (1) (Lは炉体5の線引き方向の長さを表し、Dは光ファイ
バ母材1の直径を表す)で表される条件を満たすものを
用いることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバの線引
き方法及び線引き炉に関するものであり、詳しくは、線
引き炉内で光ファイバ母材を加熱軟化させながら線引き
して光ファイバを得る方法、並びにそれに用いる線引き
炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバは、銅線ケーブルに比べて小
型、軽量、低伝送損失、高帯域伝送等の利点を有してい
ることから、次第に通信路線に取り入れられてきてい
る。
【0003】従来の光ファイバの製造工程においては、
通常、図4に示すような線引き炉が用いられる。すなわ
ち、光ファイバ母材(プリフォーム)1を線引き炉3の
炉心管4内に挿入し、炉体5内において炉心管4の外周
に配置されたヒータ6により光ファイバ母材1の先端を
加熱軟化させて、キャプスタン(図示せず)等により所
定の張力を加えながら線引きすることによって、所望の
線径を有する光ファイバ2が得られる。
【0004】光ファイバを製造するに際して、様々な製
造方法及び製造装置が提案されている。例えば、特開平
4−198036号公報には上部にアニール用ヒータを
備える加熱炉、実開昭61−147233号公報にはコ
イル状のヒータを備える加熱炉がそれぞれ開示されてい
る。また、特公平6−2603号公報には、線引き炉と
コーティングユニットとの間に熱処理炉を備える光ファ
イバ製造装置及びそれを用いる製造方法が開示されてお
り、熱処理炉の温度分布を光ファイバ母材側ほど高温と
することによって光ファイバ中の欠陥を減少できること
が記載されている。さらに、特公平8−9490号公報
には、光ファイバ母材の長さと線速との関係が所定の条
件を満たすように線引きする方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、分散
補償ファイバ等の、クラッドに対する中心コアの比屈折
率差(Δ+)が1%を超える光ファイバの需要が高まっ
てきている。光ファイバの比屈折率差を高める手段とし
ては、コア部に酸化ゲルマニウム(GeO2)等のゲル
マニウム化合物を添加する方法が挙げられ、このように
して得られる光ファイバのコア部にはケイ素原子(S
i)とゲルマニウム原子とが酸素原子を介して結合した
骨格が形成される。
【0006】しかしながら、コア部にゲルマニウム化合
物を高濃度で含有する光ファイバを上記従来の方法によ
り製造すると、その線引き工程においてSi−O−Ge
結合の熱解離により非架橋酸素ホールセンター等の欠陥
が発現し、その結果、水素雰囲気下で光ファイバの1.
38μmの波長を有する光の伝送損失が増加しないとい
う特性(以下、「水素特性」という)が不十分となる。
この非架橋酸素ホールセンターの発現は光ファイバ母材
を大型化したり高線速化した場合に顕著に見られるもの
であり、中心コアの比屈折率差が大きい光ファイバを効
率よく且つ確実に量産することは非常に困難であった。
【0007】例えば、上記の特開平4−198036号
公報、実開昭61−147233号公報、特公平8−9
490号公報等に記載されている加熱炉を用いた場合で
あっても、線引きされた光ファイバ内におけるSi−O
−Ge結合の熱解離を防止することはできず、得られる
光ファイバは水素特性の点で実用に供し得るものではな
かった。また、特公平6−2603号公報に記載されて
いる方法によれば、光ファイバ内に残留する欠陥は減少
するが、十分に高い水素特性を有する光ファイバを得る
ためには、熱処理炉内における光ファイバの滞在時間や
熱処理炉の線引き方向の長さを非常に長くする必要があ
り、生産効率の点で未だ十分なものではなかった。
【0008】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みてなされたものであり、クラッドに対する中心コアの
比屈折率差が大きい光ファイバを線引きする場合であっ
ても、水素分子に対して反応活性を示す種の格子欠陥の
残留量が十分に低減されており、水素雰囲気下での特性
劣化が十分に抑制された光ファイバを効率よく且つ安価
に得ることを可能とする光ファイバの線引き方法を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、線引き炉内で光フ
ァイバ母材を加熱軟化させて光ファイバを線引きするに
際し、線引き炉及び光ファイバ母材としてそれぞれ特定
の条件を満たすものを用いた場合に上記課題が解決され
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち、本発明の光ファイバの線引き方
法は、光ファイバ母材を挿入するための炉心管と、前記
炉心管を包囲する炉体と、前記炉体内において前記炉心
管の外周に配置されたヒータとを備える線引き炉を用
い、前記炉心管の入口から前記光ファイバ母材を挿入し
て、所定のガス雰囲気下、前記ヒータにより前記光ファ
イバ母材を加熱軟化させて、前記炉心管の出口に向かっ
て所定の引張張力で線引きする方法であって、前記光フ
ァイバ母材及び前記線引き炉として、それぞれ下記式
(1): L/D≧8 (1) (式(1)中、Lは炉体の線引き方向の長さ[mm]を
表し、Dは光ファイバ母材の直径[mm]を表す)で表
される条件を満たすものを用いることを特徴とするもの
である。
【0011】また、本発明の線引き炉は、光ファイバ母
材を挿入するための炉心管と、前記炉心管を包囲する炉
体と、前記炉体内において前記炉心管の外周に配置され
たヒータとを備える線引き炉であって、前記炉心管の内
径と前記炉体の線引き方向の長さとが下記式(3): L/D’≧4 (3) (式(3)中、Lは炉体の線引き方向の長さ[mm]を
表し、D’は炉心管の内径[mm]を表す)で表される
条件を満たし、下記式(1): L/D≧8 (1) (式(1)中、Lは炉体の線引き方向の長さ[mm]を
表し、Dは光ファイバ母材の直径[mm]を表す)で表
される条件を満たす光ファイバ母材の線引きが可能であ
ることを特徴とするものである。
【0012】本発明の光ファイバの線引き方法において
は、光ファイバ母材及び線引き炉としてそれぞれ上記式
(1)で表される条件を満たすものを用いることによっ
て、光ファイバ母材のネックダウンの最高温度が十分に
低下するのでSi−O−Ge結合等の熱解離を十分に抑
制することができ、さらには、Si−O−Geの熱解離
が生じた場合であっても、ネックダウン下部(通常、1
600〜1900℃)におけるガラス冷却速度が十分に
低減されるので熱解離したSi−O−Ge結合等の再結
合を十分に促進することができる。したがって、本発明
の線引き方法によって、水素分子に対して反応活性を示
す種の欠陥の残留量を十分に低減することができ、水素
雰囲気下での特性劣化が十分に抑制された光ファイバを
効率よく且つ確実に得ることが可能となる。
【0013】本発明において、前記ガスがヘリウムであ
る場合、前記光ファイバ母材及び前記線引き炉としてそ
れぞれ下記式(2): L/D≧9 (2) [式(2)中、Lは炉体の線引き方向の長さ[mm]を
表し、Dは光ファイバ母材の直径[mm]を表す]で表
される条件を満たすものを用いることが好ましい。
【0014】また、本発明は、前記光ファイバ母材とし
て、クラッドに対する中心コアの比屈折率差が1%以上
であるものを用いる場合に特に優れた効果を発揮するも
のである。
【0015】さらに、本発明においては、前記引張張力
が8MPa以上であることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、場合により図面を参照しつ
つ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付する
こととする。
【0017】図1は本発明の線引き炉の好適な一実施形
態を示す概略構成図である。図1において、線引き炉3
は、光ファイバ母材1を挿入するための炉心管4、炉心
管4を包囲する炉体5、並びに炉体5内において炉心管
4の外周に配置した1個のヒータ6を備えている。ヒー
タ6は制御手段(図示せず)と電気的に接続されてお
り、ヒータ6の発熱量を制御することが可能となってい
る。また、炉心管4と炉体5との間の空隙には断熱材8
が充填されている。
【0018】また、線引き炉3内は、窒素(N2)、ヘ
リウム(He)、アルゴン(Ar)等の不活性ガス雰囲
気に保たれており、これらの不活性ガスは線引き炉3の
入口から出口に向かって流される。
【0019】上記の構成を有する線引き炉3を用いた光
ファイバの線引き工程においては、炉心管4に挿入され
た光ファイバ母材1をヒータ6によって加熱軟化させ
て、引張張力を加えながら線引きすることによって、所
望の線径を有する光ファイバ2が得られる。このように
して得られる光ファイバ2は、通常、その外周面に樹脂
が被覆されて光ファイバ素線として巻き取られる。
【0020】本発明において用いられる光ファイバ母材
1及び線引き炉3は、それぞれ下記式(1): L/D≧8 (1) (式(1)中、Lは炉体の線引き方向の長さ[mm]を
表し、Dは光ファイバ母材の直径[mm]を表す)で表
される条件を満たすものである。上記式(1)中のL/
Dが8未満であると、ネックダウン7においてSi−O
−Ge結合等の熱解離が起こりやすく、さらには、熱解
離したS−O−Ge結合等をネックダウン7の下部(通
常1600〜1900℃)において再結合させることが
困難となり、得られる光ファイバの水素特性が不十分と
なる。また、L/Dの増加に伴い得られる光ファイバの
水素特性は向上する傾向にあるが、L/Dは20以下で
あることが好ましい。例えばLが過剰に大きくL/Dが
前記上限値を超える場合には、線引き炉の大型化のため
にコストが過剰に高くなる傾向にあり、また、Dが過剰
に小さくL/Dが前記上限値を超える場合には光ファイ
バ母材が小さくなって生産効率が低下する傾向にある。
【0021】ヘリウム雰囲気中で光ファイバの線引きを
行う場合には、光ファイバ母材1及び線引き炉3として
それぞれ下記式(2): L/D≧9 (2) [式(2)中、Lは炉体の線引き方向の長さ[mm]を
表し、Dは光ファイバ母材の直径[mm]を表す]で表
される条件を満たすものを用いることが好ましい。例え
ば窒素雰囲気中で光ファイバの線引きを行う場合に比べ
てガラス冷却速度が大きくなるため、L/Dが9未満の
場合り、光ファイバ内に欠陥が残留して水素特性が低下
する傾向にある。
【0022】線引き炉3が備える炉心管4には、上記式
(1)で表される条件を満たす光ファイバ母材1が挿入
される。ここで、炉心管4は、下記式(3): L/D’≧4 (3) (式(3)中、Lは炉体の線引き方向の長さを表し、
D’は炉心管の内径を表す)で表される条件を満たすこ
とが必要であり、L/D’≧7.5であることが好まし
い。L/D’が前記下限値未満であると母材径に対して
必要以上に太い炉体が必要となり、他方、水素雰囲気下
での特性劣化を抑制する上でL/D’の上限値は特に制
限されないが、L/D’が過剰に大きくなると必要以上
に長い炉体が必要となり、いずれの場合も設備費等の増
加につながり好ましくない。実用上、L/D’は10程
度であることが好ましい。
【0023】また、線引き炉3が備えるヒータ6は、光
ファイバ母材1を加熱軟化させることが可能な限り特に
制限されないが、ヒータ6は下記式(4): 0.2≦H/L≦0.8 (4) (式(4)中、Hはヒータ発熱長の線引き方向の長さ
[mm]を表し、Lは炉体の線引き方向の長さ[mm]
を表す)で表される条件を満たすものであることが好ま
しい。H/Lが前記下限値未満であると、線引き方向に
おける加熱領域(ヒートゾーン)が過剰に短くなり、安
定的に線引きすることが困難となる傾向にある。他方、
H/Lが前記上限値を超えると、ネックダウン下部にお
ける線引き方向の温度変化が大きくなってSi−O−G
e結合の熱解離により生じた欠陥が再結合しにくくな
り、得られる光ファイバの水素特性が低下する傾向にあ
る。
【0024】本発明の製造方法において、線引き炉3内
の温度は、光ファイバ母材1を加熱軟化させて線引きす
ることが可能である限り特に制限されないが、炉中心に
おいて好ましくは1700〜2300℃である。線引き
炉内の温度が前記下限値未満であると光ファイバ母材を
軟化させることが困難となり、他方、当該温度が前記上
限値を超えると光ファイバ母材が過剰に軟化してしま
い、いずれの場合も所望の線径を有する光ファイバを効
率よく且つ確実に得ることが困難となる傾向にある。
【0025】また、光ファイバを線引きする際に光ファ
イバに加えられる引張張力は、中心コア部のゲルマニウ
ム添加量等の母材構造、光ファイバ母材の直径、目的と
する光ファイバの線径や線引き速度(線速)等に応じて
適宜選択されるものであるが、好ましくは80MPaで
あり、より好ましくは90〜400MPaである。引張
張力が前記下限値未満であると、得られる光ファイバの
水素特性が低下する傾向にあり、他方、前記上限値を超
えるとネックダウン下部においてガラス溶融状態が不安
定となり、安定に線引きすることが困難となる傾向にあ
る。
【0026】さらに、光ファイバの線引き速度(線速)
は、光ファイバ母材1の直径や、目的とする光ファイバ
の線径に応じて適宜選択されるが、好ましくは200〜
800m/minである。
【0027】本発明の光ファイバの線引き方法は、シン
グルモード光ファイバ、マルチモード光ファイバのいず
れにも適用することができる。中でも、コア部にゲルマ
ニウム化合物を含有する光ファイバのように、クラッド
に対する中心コアの比屈折率差が1%を越える石英系光
ファイバを製造する際には、従来の方法では達成が非常
に困難であった。十分に高い生産性と十分に高い水素特
性とを両立することが可能となる点で、本発明の光ファ
イバの製造方法は非常に有用である。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何
ら限定されるものではない。
【0029】なお、以下の実施例及び比較例で用いた光
ファイバ母材は、いずれもコアに酸化ゲルマニウム、第
一クラッドにフッ素が添加されており且つコア、第一ク
ラッド及び第二クラッドにおける屈折率が図2に示す分
布を有するものである。
【0030】実施例1 図1に示す構成を有しており、炉心管の内径(D’)が
45mm、炉体の線引き方向の長さ(L)が350m
m、ヒータの線引き方向の長さ(H)が150mmであ
る線引き炉の炉心管に、直径35mmの光ファイバ母材
を挿入し、窒素雰囲気下、ヒータの温度を1950℃に
設定して光ファイバ母材を加熱軟化させながら、線速3
00m/min、引張張力200gで線引きして線径1
25μmの光ファイバを得た。
【0031】実施例2〜11及び比較例1〜7 実施例2〜11及び比較例1〜7においては、それぞれ
表1に示す直径を有する光ファイバ母材を用いたこと、
図1に示す構成を有しており且つ炉心管の内径
(D’)、炉体の線引き方向の長さ(L)、ヒータ発熱
長の線引き方向の長さ(H)が表1に示す寸法である線
引き炉を用いたこと、並びに線引きの際の炉内雰囲気を
表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様にし
て、線径125μmの光ファイバを得た。
【0032】(水素特性評価試験)実施例1〜3及び比
較例1において得られた光ファイバを、1容量%の水素
と99容量%の窒素との混合ガス雰囲気中、20℃で4
日間放置した前後における、波長1.38μmの伝送損
失の変化量(Δ1.38[dB/km])を測定した。得
られた結果を表1に示す。
【0033】また、H/Lが異なる線引き炉を用いた実
施例3、4、5、6の結果に基づく、水素処理前後にお
る波長1.38μmの伝送損失の変化量とH/Lとの相
関を図3に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示す結果からも明らかなように、実
施例1〜11において得られた光ファイバはいずれも水
素雰囲気下での伝送損失の増大が十分に抑制されてお
り、本発明にかかる実施例1〜11の方法により十分に
高い水素特性を有する光ファイバが得られることが確認
された。また、図3に示す通り、H/Dの異なる線引き
炉を用いた実施例3、4、5、6の光ファイバにおいて
は、水素特性に大きな違いは見られず、いずれも十分に
高い水素特性を示した。
【0036】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の光ファイバ
の線引き方法によれば、水素分子に対して反応活性を示
す種の格子欠陥の残留量が十分に低減されており、水素
雰囲気下での特性劣化が十分に抑制された光ファイバを
効率よく且つ安価に得ることが可能となる。従って、中
心コアの比屈折率差が大きい光ファイバを線引きする上
で、本発明は特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバの線引き炉の好適な一実施
形態を示す概略構成図である。
【図2】実施例で用いた光ファイバ母材の屈折率分布を
示す説明図である。
【図3】実施例で得られた、波長1.38μmの光の損
失量とH/Lとの相関を示すグラフである。
【図4】従来の光ファイバの線引き炉の一例を示す概略
構成図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ母材、2…光ファイバ、3…線引き炉、
4…炉心管、5…炉体、6…ヒータ、7…ネックダウ
ン、8…断熱材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土屋 一郎 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 大西 正志 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 4G021 HA02 HA04 HA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ母材を挿入するための炉心管
    と、前記炉心管を包囲する炉体と、前記炉体内において
    前記炉心管の外周に配置されたヒータとを備える線引き
    炉を用い、前記炉心管の入口から前記光ファイバ母材を
    挿入して、所定のガス雰囲気下、前記ヒータにより前記
    光ファイバ母材を加熱軟化させて、前記炉心管の出口に
    向かって所定の引張張力で線引きする方法であって、 前記光ファイバ母材及び前記線引き炉として、それぞれ
    下記式(1): L/D≧8 (1) (式(1)中、Lは炉体の線引き方向の長さ[mm]を
    表し、Dは光ファイバ母材の直径[mm]を表す)で表
    される条件を満たすものを用いることを特徴とする光フ
    ァイバの線引き方法。
  2. 【請求項2】 前記ガスがヘリウムであり、前記光ファ
    イバ母材及び前記線引き炉としてそれぞれ下記式
    (2): L/D≧9 (2) [式(2)中、Lは炉体の線引き方向の長さ[mm]を
    表し、Dは光ファイバ母材の直径[mm]を表す]で表
    される条件を満たすものを用いることを特徴とする、請
    求項1に記載の光ファイバの線引き方法。
  3. 【請求項3】 前記光ファイバ母材として、クラッドに
    対する中心コアの比屈折率差が1%以上であるものを用
    いることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光ファ
    イバの線引き方法。
  4. 【請求項4】 前記引張張力が80MPa以上であるこ
    とを特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか一項に
    記載の光ファイバの線引き方法。
  5. 【請求項5】 光ファイバ母材を挿入するための炉心管
    と、前記炉心管を包囲する炉体と、前記炉体内において
    前記炉心管の外周に配置されたヒータとを備える線引き
    炉であって、 前記炉心管の内径と前記炉体の線引き方向の長さとが下
    記式(3): L/D’≧4 (3) (式(3)中、Lは炉体の線引き方向の長さ[mm]を
    表し、D’は炉心管の内径[mm]を表す)で表される
    条件を満たし、下記式(1): L/D≧8 (1) (式(1)中、Lは炉体の線引き方向の長さ[mm]を
    表し、Dは光ファイバ母材の直径[mm]を表す)で表
    される条件を満たす光ファイバ母材の線引きが可能であ
    ることを特徴とする線引き炉。
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