JP4374783B2 - 光ファイバの線引き方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバの線引き方法に関するものであり、詳しくは、線引き炉内で光ファイバ母材を加熱軟化させながら線引きして光ファイバを得る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバは、銅線ケーブルに比べて小型、軽量、低伝送損失、高帯域伝送等の利点を有していることから、広く通信路線に取り入れられてきている。
【0003】
従来の光ファイバの製造工程においては、通常、図10に示すような線引き炉が用いられる。すなわち、光ファイバ母材(プリフォーム)1を線引き炉3の炉心管4内に挿入し、炉体5内において炉心管4の外周に配置されたヒータ6により光ファイバ母材1の先端を加熱軟化させて、キャプスタン(図示せず)等により所定の張力を加えながら線引きすることによって、所望の線径を有する光ファイバ2が得られる。
【0004】
光ファイバを製造するに際して、様々な製造方法及び製造装置が提案されている。例えば、特開平4−198036号公報には上部にアニール用ヒータを備える加熱炉、実開昭61−147233号公報にはコイル状のヒータを備える加熱炉がそれぞれ開示されている。また、特公平6−2603号公報には、線引き炉とコーティングユニットとの間に熱処理炉を備える光ファイバ製造装置及びそれを用いる製造方法が開示されており、熱処理炉の温度分布を光ファイバ母材側ほど高温とすることによって光ファイバ中の欠陥を減少できることが記載されている。さらに、特公平8−9490号公報には、光ファイバ母材の長さと線速との関係が所定の条件を満たすように線引きする方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、分散補償ファイバ等の、クラッドに対する中心コアの比屈折率差(Δ+)が1%を超える光ファイバの需要が高まってきている。光ファイバの比屈折率差を高める手段としては、コア部に酸化ゲルマニウム(GeO2)等のゲルマニウム化合物を添加する方法が挙げられ、このようにして得られる光ファイバのコア部にはケイ素原子(Si)とゲルマニウム原子とが酸素原子を介して結合した骨格が形成される。
【0006】
しかしながら、コア部にゲルマニウム化合物を高濃度で含有する光ファイバを上記従来の方法により製造すると、その線引き工程においてSi−O−Ge結合の熱解離により非架橋酸素ホールセンター等の欠陥が発現し、その結果、水素雰囲気下で光ファイバの1.38μmの波長を有する光の伝送損失が増加しないという特性(以下、「水素特性」という)が不十分となる。この非架橋酸素ホールセンターの発現は光ファイバ母材を大型化したり高線速化した場合に顕著に見られるものであり、中心コアの比屈折率差が大きい光ファイバを効率よく且つ確実に量産することは非常に困難であった。
【0007】
例えば、上記の特開平4−198036号公報、実開昭61−147233号公報、特公平8−9490号公報等に記載されている加熱炉を用いた場合であっても、線引きされた光ファイバ内におけるSi−O−Ge結合の熱解離を防止することはできず、得られる光ファイバは水素特性の点で実用に供し得るものではなかった。また、特公平6−2603号公報に記載されている方法によれば、光ファイバ内に残留する欠陥は減少するが、十分に高い水素特性を有する光ファイバを得るためには、熱処理炉内における光ファイバの滞在時間や熱処理炉の線引き方向の長さを非常に長くする必要があり、生産効率の点で未だ十分なものではなかった。
【0008】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、クラッドに対する中心コアの比屈折率差が大きい光ファイバを線引きする場合であっても、水素分子に対して反応活性を示す種の格子欠陥の残留量が十分に低減されており、水素雰囲気下での特性劣化が十分に抑制された光ファイバを効率よく且つ安価に得ることを可能とする光ファイバの線引き方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、線引き炉内で光ファイバ母材を加熱軟化させて線引きするに際し、炉心管の表面温度が特定の条件を満たす場合に上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の光ファイバの線引き方法は、光ファイバ母材を挿入するための炉心管と、前記炉心管を包囲する炉体と、前記炉体内において前記炉心管の外周に配置されたヒータとを備える線引き炉を用い、前記炉心管の入口から前記光ファイバ母材を挿入して、前記ヒータにより前記光ファイバ母材を加熱軟化させて、前記炉心管の出口に向かって所定の引張張力で線引きする方法であって、線引き方向に沿った前記炉心管の表面の温度分布が、前記炉心管の中央部よりも前記入口に近い部分で最高温度となり、前記最高温度となる部分から前記出口に向かって実質的に単調減少し、且つ前記最高温度が1700〜2300℃の範囲内であるという条件を満たすことを特徴とするものである。
【0011】
本発明の光ファイバの線引き方法においては、炉心管の表面の温度分布が上記の条件を満たすように制御することによって、クラッドに対する中心コアの比屈折率差が大きい光ファイバを線引きする場合であっても、水素分子に対する反応活性を示す種の格子欠陥の残留量を十分に低減することができる。したがって、水素雰囲気下での特性劣化が十分に抑制された光ファイバを効率よく且つ安価に得ることが可能となる。
【0012】
ここで、本発明においては、前記線引き炉として、前記炉心管の中央部よりも前記入口に近い側に配置された第一のヒータと、前記出口に最も近い側に配置された第二のヒータとを含む、発熱量を別個に制御することが可能な複数個のヒータを備えるものを用い、
前記第一のヒータの発熱量が最大であり、且つ前記第一のヒータから前記第二のヒータに向かって発熱量が実質的に単調減少するように制御することが好ましい。
【0013】
また、本発明においては、前記ヒータとして、前記入口に近い側から前記出口に近い側に向かって実質的に単調減少する発熱量分布を有するものを用いることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明においては、前記線引き炉として、前記炉心管と前記ヒータとの間の前記出口に近い側に遮熱部材が配置されたものを用いることが好ましい。
【0015】
さらにまた、本発明においては、前記引張張力が80MPa以上であることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとする。
【0017】
図1は本発明において好適に用いられる光ファイバの線引き炉を示す概略構成図である。図1において、線引き炉3は、光ファイバ母材1を挿入するための炉心管4、炉心管4を包囲する炉体5、並びに炉体5内において炉心管4の外周に配置た2個のヒータ6a、6bを備えている。ヒータ6a、6bはそれぞれ制御手段(図示せず)と電気的に接続されており、ヒータ6a、6bの発熱量をそれぞれ別個に制御することが可能となっている。また、炉心管4と炉体5との間の空隙には断熱材8が充填されている。
【0018】
上記の構成を有する線引き炉を用いた光ファイバの線引き工程においては、炉心管4に挿入された光ファイバ母材1をヒータ6a、6bによって加熱軟化させて、軟化した光ファイバ母材1の先端をキャプスタン(図示せず)等により所定の引張張力を加えながら線引きすることによって、所望の線径を有する光ファイバ2が得られる。このようにして得られる光ファイバ2は、その外周面に樹脂が被覆されて光ファイバ素線として巻き取られる。
【0019】
本発明の線引き方法においては、線引き方向における炉心管4の表面の温度分布が、炉心管の中央部aよりも入口に近い部分(例えばb)で最高温度となり、最高温度となる部分から出口に向かって実質的に単調減少し、且つその最高温度が1700〜2300℃の範囲内であるという条件を満たすことが必要である。
【0020】
なお、本発明でいう、最高温度となる部分から出口に向かって実質的に単調減少する温度分布とは、炉心管の出口における温度が当該最高温度よりも低く、且つ最高温度となる部分と出口との間の所定の部分における温度勾配が0又は負である温度分布をいう。例えば、図2に示すような、炉心管の入口と中央部との間の所定の部分において最高温度(Tmax)となり、最高温度となる部分から出口に向かう温度勾配が負となる温度分布;
図3に示すような、炉心管の入口と中央部との間の所定の部分において最高温度(Tmax)となり、最高温度となる部分から出口に向かう温度勾配が0又は負となる(階層的に単調減少する)温度分布、
はいずれも上記の条件を満たすものである。なお、図2〜3中、Tmaxは1700〜2300℃の範囲内の温度である。
【0021】
また、本発明にかかる炉心管の表面の最高温度は、前述の通り1700〜2300℃であり、好ましくは1850〜2150℃である。炉心管の表面の最高温度が1700℃未満であると、光ファイバ母材を効率よく且つ確実に加熱軟化させることができなくなり、他方、最高温度が2300℃を超えると、光ファイバ母材が過剰に軟化してしまい、いずれの場合も所望の線径を有する光ファイバを効率よく且つ確実に得ることができなくなる。
【0022】
図1に示す線引き炉を用いる際には、炉心管4の中央部aよりも入口に近い側に配置されたヒータ6aの発熱量を、出口に近い側に配置されたヒータ6bの発熱量よりも大きくすることによって、炉心管4の表面の温度分布が上記の条件を満たすように制御することができる。
【0023】
なお、図1には2個のヒータを備える線引き炉を示したが、炉心管の表面の温度分布が上記の条件を満たす限りにおいて、線引き炉が有するヒータの個数は特に制限されるものではない。例えば、線引き方向に沿って配置された3個以上のヒータを備える線引き炉を用いる場合には、炉心管の中央部よりも入口に近い側に配置されたヒータのうちの一つ(第一のヒータ)の発熱量を最大とし、第一のヒータから炉心管の出口側に最も近い側に配置された第二のヒータに向かって発熱量が実質的に単調減少するように制御することによって、炉心管の表面の温度分布が上記の条件を満たすように制御することができる。
【0024】
また、複数個のヒータを備える加熱炉として、実開昭57−44145号公報には火炎研磨用ヒータを備えるもの、特開平4−198036号公報にはアニール用ヒータを備えるものがそれぞれ記載されているが、これらの加熱炉は、それぞれ光ファイバ母材の火炎研磨処理(処理温度:1650℃程度)又はアニール処理(処理温度:1100〜1300℃)を行う工程と、光ファイバの線引き工程とを一つの加熱炉内で連続的に行うことを目的とするものであり、上記公報には、炉心管の表面の温度分布が上記の条件を満たすように制御することによって、比屈折率差の大きい光ファイバにおける欠陥の残留量を十分に低減できることについては何ら開示も示唆もされていない。また、上記従来の加熱炉における線引き用ヒータは実質的に1個であり、本発明者らの検討によれば、このような加熱炉において炉心管の表面の温度分布が上記の条件を満たすように制御することは非常に困難であり、得られる光ファイバの水素特性は必ずしも十分なものではない。
【0025】
本発明においては、ヒータの個数が1個の場合であっても、図4〜8に示す構成を有する線引き炉を用いることによって、炉心管の表面の温度分布が上記の条件を満たすように制御しながら光ファイバの線引きを行うことができる。
【0026】
図4、5に示す線引き炉3は、それぞれ炉心管4とヒータ5の間の出口に近い側に遮熱部材7を備えており、遮熱部材7によってヒータ6から炉心管4の下部(出口に近い部分)に伝達される熱量を低減することが可能となっている。さらに、図5に示す線引き炉3においては、特定の形状を有する炉心管4を用い、周方向の対称性を維持したまま炉心管4とヒータ6との間の距離を炉心管4の中央部aよりも入口に近い側で短くすることによって、炉心管4の中央部aよりも入口に近い部分に伝達される熱量をより高めることが可能となっている。
【0027】
また、図6に示す線引き炉3においては、特定の形状を有するヒータ6を用い、炉心管4とヒータ6との間の距離を炉心管4の中央部aよりも入口に近い側で短することによって、炉心管4の中央部aよりも入口に近い部分に伝達される熱量をより高めることが可能となっている。
【0028】
さらに、図7、8に示す線引き炉3においては、それぞれ炉心管4の中央部aよりも入口側における電流密度が出口側における電流密度よりも高いヒータ6を用いることによって、炉心管4の中央部aよりも入口に近い部分に伝達される熱量をより高めることが可能となっている。
【0029】
上記の構成を有する線引き炉を用いて光ファイバの線引きを行うに際し、炉心管内の雰囲気は特に制限されないが、ヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下で線引きを行うことが好ましく、炉心管の入口から出口へと不活性ガスを流しながら線引きを行うことがより好ましい。
【0030】
また、光ファイバを線引きする際に光ファイバに加えられる引張張力は、光ファイバ母材の外径や、目的とする光ファイバの線径等に応じて適宜選定されるものであるが、好ましくは80MPa以上であり、より好ましくは90〜400MPaである。引張張力が前記下限値未満であると、得られる光ファイバの水素雰囲気下での伝送損失が増加する傾向にある。他方、引張張力が前記上限値を超えると、ネックダウン下部においてガラス溶融状態が不安定となり、安定に線引きすることが困難となる傾向にある。
【0031】
さらに、光ファイバの線引き速度(線速)は、光ファイバ母材の外径や、目的とする光ファイバの線径等に応じて適宜選定されるものであるが、好ましくは200〜800m/minである。
【0032】
本発明の光ファイバの線引き方法は、シングルモード光ファイバ、マルチモード光ファイバのいずれにも適用することができる。中でも、コア部にゲルマニウム化合物を含有する石英系光ファイバのように比屈折率差が大きい光ファイバを製造する際には、従来の方法では達成が非常に困難であった、十分に大きい比屈折率差と十分に高い水素特性とを達成することが可能となる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0034】
実施例1
コアに酸化ゲルマニウム、第一クラッドにフッ素が添加されており且つコア、第一クラッド及び第二クラッドにおける屈折率が図9に示す分布を有する光ファイバ母材(外径:36mm)を、以下の手順に従って線引きした。
【0035】
本実施例においては、図1に示す構成、すなわち、線引き方向の長さ360mm、内径45mmの炉心管と、相互の間隔が20mmとなるように配置されており線引き方向の長さが120mmである2個のヒータとを備える線引き炉を用いた。
【0036】
この線引き炉の炉心管に光ファイバ母材を挿入し、ヒータにより加熱軟化させながら線速300m/分で線引きして線径125μmの光ファイバを得た。なお、線引きの際には、炉心管の入口側のヒータ温度を1970℃、出口側のヒータの温度を1920℃として、炉心管の入口から110mmmの部分で最高温度(1970℃)となり、その部分から出口に向かって単調減少する温度分布となるように制御した。また、線引きする際の引張張力は120MPa又は160MPaの2条件で行った。
【0037】
実施例2
入口側のヒータの温度を1990℃、出口側のヒータの温度を1890℃として、炉心管の入口から110mmの部分で最高温度(1990℃)となり、その部分から出口に向かって単調減少する温度分布となるように制御したこと以外は実施例1と同様にして、線径125μmの光ファイバを得た。
【0038】
実施例3
入口側のヒータの温度を2010℃、出口側のヒータの温度を1860℃として、炉心管の入口から110mmの部分で最高温度(2010℃)となり、その部分から出口に向かって単調減少する温度分布となるように制御したこと以外は実施例1と同様にして、線径125μmの光ファイバを得た。
【0039】
比較例1
2個のヒータの温度を共に1950℃としたこと以外は実施例1と同様にして、線径125μmの光ファイバを得た。
【0040】
(水素特性評価試験)
実施例1〜3及び比較例1において得られた光ファイバを、1容量%の水素と99容量%の窒素との混合ガス雰囲気中、20℃で4日間放置したときの、波長1.38μmの光の損失量を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0004374783
【0042】
表1に示す結果からも明らかなように、実施例1〜3において得られた光ファイバはいずれも水素雰囲気下での伝送損失の増大が十分に抑制されており、本発明にかかる実施例1〜3の方法により十分に高い水素特性を有する光ファイバが得られることが確認された。また、実施例1〜3のいずれにおいても、引張張力を160MPaとして線引きした場合に、得られた光ファイバがより高い水素特性を示した。
【0043】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の光ファイバの線引き方法によれば、中心コアの比屈折率差が大きい光ファイバを線引きする場合であっても、水素分子に対して反応活性を示す種の格子欠陥の残留量が十分に低減されており、水素雰囲気下での特性劣化が十分に抑制された光ファイバを効率よく且つ安価に得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いられる線引き炉の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明にかかる炉心管の表面の温度分布の一例を示すグラフである。
【図3】本発明にかかる炉心管の表面の温度分布の他の例を示すグラフである。
【図4】本発明において用いられる線引き炉の他の例を示す概略構成図である。
【図5】本発明において用いられる線引き炉の他の例を示す概略構成図である。
【図6】本発明において用いられる線引き炉の他の例を示す概略構成図である。
【図7】本発明において用いられる線引き炉の他の例を示す概略構成図である。
【図8】本発明において用いられる線引き炉の他の例を示す概略構成図である。
【図9】実施例で用いた光ファイバ母材の屈折率分布を示す説明図である。
【図10】従来の線引き炉の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ母材、2…光ファイバ、3…線引き炉、4…炉心管、5…炉体、6、6a、6b…ヒータ、7…遮熱部材、8…断熱材。

Claims (5)

  1. 光ファイバ母材を挿入するための炉心管と、前記炉心管を包囲する炉体と、前記炉体内において前記炉心管の外周に配置されたヒータとを備える線引き炉を用い、前記炉心管の入口から前記光ファイバ母材を挿入して、前記ヒータにより前記光ファイバ母材を加熱軟化させて、前記炉心管の出口に向かって所定の引張張力で線引きする方法であって、
    線引き方向に沿った前記炉心管の表面の温度分布が、前記炉心管の中央部よりも前記入口に近い部分で最高温度となり、前記最高温度となる部分から前記出口に向かって実質的に単調減少し、且つ前記最高温度が1700〜2300℃の範囲内であるという条件を満たすことを特徴とする光ファイバの線引き方法。
  2. 前記線引き炉として、前記炉心管の中央部よりも前記入口に近い側に配置された第一のヒータと、前記出口に最も近い側に配置された第二のヒータとを含む、発熱量を別個に制御することが可能な複数個のヒータを備えるものを用い、
    前記第一のヒータの発熱量が最大であり、且つ前記第一のヒータから前記第二のヒータに向かって発熱量が実質的に単調減少するように制御することを特徴とする、請求項1に記載の光ファイバの線引き方法。
  3. 前記ヒータとして、前記入口に近い側から前記出口に近い側に向かって実質的に単調減少する発熱量分布を有するものを用いることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光ファイバの線引き方法。
  4. 前記線引き炉として、前記炉心管と前記ヒータとの間の前記出口に近い側に遮熱部材が配置されたものを用いることを特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の光ファイバの線引き方法。
  5. 前記引張張力が80MPa以上であることを特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の光ファイバの線引き方法。
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