JP2011505297A - 自転車におけるバッグ保持装置 - Google Patents

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Abstract

少なくとも1つのプレート形態の部材61と、そのプレート形態の部材61が、固定された状態において自転車124、127の車輪125側面に上から下向きに延びるように、プレート形態の部材61を自転車124、127に固定するための固定手段121と、バッグを保持するための保持手段5であってプレート形態の部材61の上端部領域またはその上部に配置される保持手段5とを有する。プレート形態の部材61は、それに形成されるおよび/またはそれに配置されるスペーサ128と組み合わされ、そのスペーサ128は、固定された状態において車輪125の方を向くプレート形態の部材61の内側に位置し、この構成によって、プレート形態の部材61の内側の反対側の面におけるプレート形態の部材61の外面が、プレート形態の部材61の鉛直方向の縦の拡がりの上半分において、その下半分におけるよりも短い自転車124、127のフレーム部分124からの距離を有する。バッグは、保持手段のただ1つの懸吊点に懸吊される、しかし、プレート形態の部材61が傾斜しているので、プレート形態の部材61に当てがわれるバッグの揺れ動きは回避されるかあるいは減衰される。

Description

本発明は、自転車におけるバッグ保持装置と自転車へのバッグ装着方法とに関する。
本明細書においては、バッグという用語を、原則として、物品を受け入れることができる任意の入れ物であって、材料突起部、フックまたはボタンのような対象物に懸吊することが可能であり、その結果、その中に入れられた物品が脱け出して落下することがないような任意の入れ物と理解する。本発明は、例えばプラスチックの袋のような買い物バッグの場合に特に有利である。
自転車については、後輪の上部に取り付けられる標準的な荷台に配置して固定し得る種々の構造が知られている。例えば、前輪または後輪の片側または両側に配置される自転車バッグを挙げることができる。この場合は、両方のバッグを結ぶサドル状の結合体が荷台の上に載っている。
このような構造は、場合によっては特定の自転車または荷台の寸法に特別に適合させるために製造に比較的コストが掛かり、一部は、自転車の使用者にとっては非常に高すぎる価格で販売されている。また、自転車に対する他の高価な付加装備品の場合と同様に、盗まれることに対する特別な措置を講じなければならないか、あるいは、手痛い損失を甘受しなければならない。例えば、自転車を止めた後、買い物する店に自転車のバッグを一緒に持っていくとすると、使用者は、バッグの容積および重さのためにその行動の自由度が制限されることになる。
さらに、棒材から組み立てられる標準的な荷台に比べて、形状が安定しないバッグを簡単に運ぶ種々の特殊な自転車用の荷台が知られている。しかし、この場合、バッグは荷台の上に置かれるので、バッグが落下しないような、例えば引っ張りベルトのような安全策が必要である。この場合はさらに、自転車および荷重の全体重心が高くなり、これは、走行の安定性を低下させる。
本発明の目的は、バッグを自転車に保持する装置および対応する方法であって、自転車および荷重の全体重心が自転車単独の重心に比べてできるだけ高くならないようにすることができる装置および方法を提供することにある。さらに、この装置に必要な部品は、可能な限り軽量で、簡単かつコスト的に有利に製造でき、しかも、自転車にできるだけ簡単に固定できるものでなければならない。
自転車の車輪の側面に、1つ以上の部品から構成し得る保護部材を配置することが提案される。「車輪の側面に」という表現は、その保護部材が車輪の回転面に対して鉛直の方向に存在することと理解し、さらに、回転面という用語は、車輪が回転する際に、回転する部分が車輪の中央面において掃引する円形の面と理解する。この場合、保護部材は、回転面の周縁を部分的に超えて延出することができる。例えば、自転車の後輪の上部に配置される荷台の高さまで上向きに延び出ることができる。
保護部材は、車輪と反対側の側面に置かれるバッグが回転する車輪に接触するのを防止する。従って、スポーク車輪の場合は、保護部材をスポーク保護具と呼称できる。さらに、保護部材は、車輪の側面に配置される他の部品、例えばギヤ変速機との接触を防止する。
保護部材については、例えば、自転車のフレーム部分に固定される棒材構造とすることが可能である。このような棒材構造は、自転車のフレームの一部としてほとんどの場合既に存在する支柱材または棒部材と共に、フレーム部品間の自由空間を、バッグが車輪と接触できないように分割して小さくすることができる。
しかし、保護部材はプレート形態の部材とすることが望ましい。ここでプレート形態の部材と言うのは、ほぼ平面に延伸する表面を有する対象物体であって、互いに直交する2つの方向における平面の縦の拡がりが、その対象物体の厚さよりもそれぞれ遥かに大きい対象物体を意味する。この場合、その表面は、1回または複数回中断すること、一部の面積を他の方向に延ばすこと(例えば折り返しまたは窪みを有すること)、補強すること(例えばウェブまたはリブによって)、あるいは、他の方式で面平行の平面プレートの理想的形状とは異なるものとすることが可能である。また、特にプレート形態の部材の厚さを変化させることが可能である。例えば、プレート形態の部材の組み立て状態においては、プレート形態の部材の上端における厚さを、少なくとも下半分の部分領域における厚さよりも小さくすることができる。これについては、さらに詳しく説明する。
特別な実施形態においては、このプレート形態の部材を、非使用時には自転車から簡単に取り外して持ち運びできるように、折り曲げることまたは巻き込むことができる。
ここで、自転車のフレームという用語は、自転車が動く際に両方の車輪と共回りしないが、両方の車輪と固く結合されているあらゆる部品を意味する。これには、通常すべて金属から製作され、自転車の固有の支持フレームを形成する特に管材、棒材、支柱材が含まれるが、それに固く取り付けられる付加部品、例えば、後輪の上部における荷物載置面を備えた荷台、および、荷台を固定するのに用いられる追加的な支持材、特に後輪のハブに対する支持材のような付加部品も自転車のフレームに属する。
しかし、上記の支持材、および後輪の領域に通常存在するフレーム部分は、車輪およびバッグが車輪の側面において機械的に接触するのを防止するには十分でない。このため、保護部材が追加的に設けられる。以下においては、プレート形態の部材の配置について、特に、プレート形態の部材をどのように自転車のフレームに固定できるか、およびそれをどの位置に装着するかについて繰り返し説明する。この場合、プレート形態の部材は、プレート形態の部材の特定の形態的特徴が議論の対象でない場合は、それぞれ他のタイプの保護部材によって代替することが可能である。
本発明による、自転車にバッグを保持するための装置は、プレート形態の部材(または他の保護部材)の他に、このプレート形態の部材を自転車に固定するための固定手段をも含む。この場合、この固定手段は、プレート形態の部材が、固定された状態において自転車の車輪の側面に上から下向きに延びるように形成される。“上から下向きに”というのは、プレート形態の部材が、その縦方向の拡がりにおいて車輪の回転面に垂直に延びるのではないことを意味する。プレート形態の部材が側面に延びる車輪については、基本的に自転車の後輪が対象になる。これは、保護部材の外側の側面に配置されるバッグが、自転車の操舵可能な車輪には装着されないという利点を有する。バッグを後輪に配置する場合の方が、荷重を含む自転車の走行安定性が大きい。
本発明による装置は、さらに、手提げバッグを保持するための保持手段を有する。この保持手段は、プレート形態の部材の上端部領域またはその上部に配置される。この場合、この保持手段は、自転車のフレームに直接または間接的に固定される。従って、保持手段が少なくとも1つのバッグを保持することが可能になり、その場合、バッグは、車輪の側面においてプレート形態の部材の外側に位置する。このため、プレート形態の部材(あるいはより一般的に表現すれば保護部材)は、既に述べたようにバッグおよび車輪間の機械的接触を防止する。保持手段の“間接的な”固定は、保持手段が保護部材に形成される場合を一緒に包含する。
保持手段は、基本的に、プレート形態の部材に対して、保持手段によって保持されるバッグがプレート形態の部材の外側に当てがわれるように配置するのが望ましい。この場合、保護部材の外面は、固定された状態において鉛直線との間に鋭角を挟み込む方向に上から下向きに延びることが好ましい。これによって、物品(“荷重”)が入れられたバッグの重力の一部は、保護部材を車輪の方向に押圧する。特に、固定された状態において車輪の方を向くプレート形態の部材の内側の反対側にある外面がほぼ平面であるプレート形態の部材を用いる場合には、2つの有用な効果が出現する。その1つは、保護部材の外面に対する力の成分によって、保護部材に対するバッグの動きが防止されるという点である。少なくともバッグの揺動が抑えられる。もう1つの効果は、バッグが、場合によって存在するフレーム部品(例えば荷台を支持する支柱材のような)に対して保護部材を押し付けるので、保護部材も自転車に対して動くことができなくなるという点、少なくとも、揺動またはその種の動きが制動されるという点である。前記の鋭角は、基本的に、少なくとも5°、例えば少なくとも10°であり、1つの具体例においては例えば約15°である。この鋭角の上限は基本的に30°である。例えば、この鋭角は高くても20°であり、1つの具体的な実施形態においては、前記のように約15°である。
このような角度範囲においては、一方では、自転車および荷重からなる全幅が不必要に拡大されることはなく、他方では、荷重による大きな力の成分が保護部材に加えられることになる。プレート形態の部材の外表面におけるパターン成形および/または窪みによって、プレート形態の部材および荷重の間が相対的に動く可能性をさらに制限できる。
保持手段については、基本的に形状安定な材料から形成されるフック、ボタンまたは他の突起物を対象とすることができる。しかし、例えば、保持手段がバッグを挟んで保持することも可能である。保持手段は、自転車のフレームの中に組み込むこと(例えば、後輪の上部の荷台がこのような突起部を有することができる)、プレート形態の部材を固定するための固定手段に固定するおよび/または形成することが可能であり、それによって自転車のフレームおよび/または固定手段に固定できる。さらに別の可能性として、保持手段を、2つの保護部材が互いに結合される材料結合部に形成するあるいは固定する方式がある。この2つの保護部材は車輪の互いに反対側の側面に配置され、その結合部は、例えば、車輪の上部に配置される荷台の載荷面上に延びている。いずれの場合も、保持手段を、バッグが(もしくは各バッグがそれぞれ)ただ1つの懸吊点に懸吊されるように構成することが望ましい。従って、自転車において通常複数個の点で自転車に固定されるサドル型バッグの場合とは異なって、バッグを本質的にきわめて簡単に自転車に懸吊することができる。しかし、このために、他方では、自転車の走行中に、バッグが振り子運動するあるいは前後へ揺動する可能性がある。
さらに別の好ましい可能性として、プレート形態の部材が、その上端部の領域に、保持手段そのものまたは保持手段の一部である突起部を有する方式がある。この場合は、プレート形態の部材およびその突起部は一体品として形成される。この突起部としては、フック形状の突起および/または上向きに突き出た突起とすることができる。また、プレート形態の部材に複数個の突起を設けることも可能である。
プレート形態の部材を固定するための固定手段については、一体品構造、あるいは、相互に結合されておらず固定された状態で初めてプレート形態の部材によって相互に連結される部品の組み合わせを用いることができる。例えば、固定手段の1つの部品は、プレート形態の部材を車輪の上部に配置される荷台(例えば自転車の後輪における荷台)に固定する機能を有することができる。例えば、プレート形態の部材は、その上端部の領域に、自転車のフレームを把持するために把持具を有することができるが、この場合は、この把持具が固定手段そのものまたは固定手段の一部であり、プレート形態の部材および把持具は一体品として形成される。場合によっては、さらに、上記の突起をプレート形態の部材に一体品として形成することも可能である。把持具としては、2つの互いに反対側に動く部材であって、組み込まれた状態において例えば自転車のフレームを完全にまたはほぼ完全に把持する部材を備えた器具を用いることができる。特に、下側の可動部材を動かすことによって、組み込みが可能になり、あるいはフレーム部分の把持を解除できる。
次に、固定手段の第2の部品は、プレート形態の部材を、深い位置の領域において車輪の側面のフレーム部分に固定するように、あるいは、少なくとも、この領域におけるフレームに対するプレート形態の部材の動きの自由度を制限するように機能する。プレート形態の部材を懸吊するために、特に、ロープ、テープ、材料帯または成形部品(特にプラスチック成形部品)を用いることができる。例えば、プラスチック部品を、プレート形態の部材の上部において、摩擦結合および/または確実結合方式でプレート形態の部材に結合することができる。このプラスチック成形部品は、その自由端をクリップとして形成でき、そのクリップが、弾性変形しながら荷台の縦方向の支柱材を挟持することができる。
上記1個または複数の固定手段は、例えばクリップまたはベルクロ接合テープとして保護部材(特にプレート形態の部材)に形成できる。これは、特に、保護部材を車輪上部の荷台の側部に固定するのに用いられる。
プレート形態の部材の深い位置の領域を車輪の側面において固定するために、細長い弾性部材を用いることが望ましい。この弾性部材は、例えばエキスパンダーの方式で両端にそれぞれ1つのフックを有しており、細長い部材を引っ張って、そのフックを自転車のフレームに掛けることができる。この場合、例えば、細長い弾性部材の少なくとも一部分は、プレート形態の部材の開口を貫通して延びているか、あるいは、プレート形態の部材の1つの領域に固く結合されている。
すでに実施例に基づいて説明したように、この装置は、固定された状態において車輪の互いに反対側の側面に配置される2つのプレート形態の部材(あるいはより一般的に表現すれば保護部材)を有することができる。これによって、プレート形態の部材のそれぞれの外側の互いに反対側の側面に、荷重を配置することが可能になる。この場合、基本的には、車輪の各側面に対して、それぞれ少なくとも1つのバッグを保持するための保持手段が設けられる。例えば、第1保持手段は、車輪の片側においてその車輪の上部に配置され、第2保持手段は、車輪のもう一方の側においてその車輪の上部に配置される。これによって、保持手段の具体的な実施形態に応じて、車輪の片側に配置されるバッグを、それと同じ側にある保持手段に懸吊するだけでなく、代替的にまたは付加的に車輪のもう一方の側の保持手段にも懸吊し得る可能性が提供される。従って、例えば、バッグを懸吊できる吊り輪、穴または取っ手を、車輪の互いに反対側の側面に掛けて固定できる。その結果、バッグまたは懸吊部の一部は、車輪の中心面を超えて、それ本来の荷重が配置されるもう一方の側に延び出ることになる。このため、バッグおよびその懸吊部の態様(例えば長い取っ手または吊り輪)に応じて、バッグをどの保持手段に懸吊するかを選択できる。これによって、荷重の最も深い位置が地面上のどの高さに位置するかを調節できる。特に、荷重が、地面に近すぎる位置にあって場合によっては引きずられるように地面と接触する状況を避けることができる。しかし、また、荷重が、プレート形態の部材の下端を下方に大きく超えて延び出ることも回避される。このような場合には、保護部材の存在にも拘らず、車輪との機械的な接触が生じる可能性がある。
また、保持手段を、車輪の互いに反対側の側面に配置される2つのプレート形態の部材を相互に結合する結合器具の一部とすることができる。これは、固定手段が結合器具の一部でない場合、またはこれと結合されない場合にも当てはまる。
1つの具体的な実施形態においては、プレート形態の部材が、固定手段の少なくとも一部分を介して保持手段に結合される。例えば、プレート形態の部材が、車輪の上部に配置される荷台に懸吊され、保持手段も、同様に荷台に配置されるか、あるいは、荷台の一体部品として形成される。しかし、保持手段に固定手段の少なくとも一部分を形成することも可能である。例えば、プレート形態の部材を懸吊する懸吊部の上端に、少なくとも1つのバッグを懸吊できるフックまたは突起部を形成できる。
特に、プレート形態の部材の外面の拡がり面と鉛直線との間の前記の鋭角を実現するために、1つの好ましい実施形態においては、プレート形態の部材を、その部材に成形されるおよび/またはそれに固定されるスペーサと組み合わせる。このスペーサは、固定された状態において、車輪の方を向くプレート形態の部材の内側に位置している。この方式によって、プレート形態の部材の内側の反対側の面におけるプレート形態の部材の外面が、プレート形態の部材の鉛直方向の縦の拡がりの上半分において、その下半分におけるよりも短い自転車のフレーム部分からの距離を有することを実現できる。このフレーム部分がほぼ鉛直平面内にあれば、このことによって前記の鋭角がもたらされる。特に、自転車が、車輪の側面に固定されるスプロケットを含むギヤ変速機を有する場合には、このスペーサによって、プレート形態の部材と、ギヤ変速機のスプロケットまたは他の部品との間の接触を防止できる。従って、このスペーサの寸法は、基本的に、ギヤ変速機の高さにおいて、そのスペーサが、プレート形態の部材を、車輪およびフレームに対して、プレート形態の部材のギヤ変速機への接触を防ぐ距離に保持するように定められる。
このスペーサは、プレート形態の部材に固く結合する必要はない。むしろ、スペーサを自転車のフレーム部分に別個に固定することも可能である。しかし、スペーサは、プレート形態の部材に成形するか、あるいはこれに固定することが望ましい。例えば、形状安定な材料製のプレート形態の部材を、プレート形態の部材のスペーサ以外の位置ではほぼ平面の拡がり面からスペーサが車輪の方向に突き出るような形態に形成する、または局所的に厚くする。しかし、単に、プレート形態の部材の厚さが上から下向きに増大するような方式も可能である。例えば、プレート形態の部材の外面が、内側および外側の両面において平面に沿って延びることができるが、表面の材料間の間隔は上から下向きに増大する方式も可能である。この場合、表面の材料間の中空空間は、両方の外面を互いに対して支持する支持部を有することができる。このような構造は、例えば、ウェブ長さが上から下向きに増大するウェブプレートとして実現できる。この場合、ウェブの長さは、ウェブプレートの厚さの方向に測られる。“ウェブ”は、プレートの対向する表面の材料を結合する。
上記の鋭角の大きさを調整可能にするため、スペーサを調節可能にすること、および/または、プレート形態の部材およびスペーサから構成される装置を調節可能にすることができる。例えば、スペーサの厚さ、すなわち、プレート形態の部材および自転車のフレームの間の寸法を調節可能にすることができる。従って、例えば、スペーサをプレート形態の部材の1つの領域に固く取り付けるが、スペーサおよびプレート形態の部材の間のもう1つ別の接触位置を調節すること、および、それによって厚さを変化させることが可能である。代替的にまたは付加的に、自転車に対するスペーサの垂直位置を調節可能にすることもできる。その結果、それに応じて、前記の鋭角が調節される。スペーサがフレームの高い位置にある場合は、さらに、プレート形態の部材がフレームの上部に固定されると、鋭角がより大きくなり、またその逆も成り立つ。
プレート形態の部材用のスペーサを別個の部品として形成することも可能である。
しかし、スペーサは、他のタイプの保護部材に設けることも可能である。例えば、棒材または他の細長い部材から構成される保護部材が、上から下向きに延伸する長い棒材と、その長い棒材の下側の1/3の位置に取り付けられる短い横棒とを有することができる。横棒が長い棒材の下端に配置されるとT字形の形状が形成される。この横棒はスペーサとして機能し、その自由端を、例えば固定手段の一部分を介して車輪の側面に配置されるフレーム部分に結合することができる。基本的に、スペーサは、固定された状態においてプレート形態の部材の鉛直方向の縦の拡がりの下半分に存在する。特に、スペーサは、鉛直方向の縦の拡がりの下側の1/3に位置することができる。また、このような棒材構造を2つ以上車輪の同じ側面に配置することも可能である。
スペーサが車輪の回転軸の上部に位置するようにプレート形態の部材を構成して自転車に固定する場合は、上から車輪の軸に向かって延伸する2本のV字形の支柱材を備えた自転車のフレームの通常の構成においては、スペーサはこの両方の支柱材に当てがわれるので、安定した装着が実現される。一般的には、走行方向において前方に位置する支柱材が、自転車の支持フレームの支柱材であり、もう一方の、軸から後ろ向きに上方に延びる支柱材が、後輪の上部の自転車荷台の支持支柱材である。
スペーサの高さ位置を車輪に対して適合させ得るようにするため、特に、次のいずれかまたは両方の特徴が提案される。
―プレート形態の部材の上端領域における固定部が、縦方向に調節可能および/または弾性体であり、それによって、そのプレート形態の部材に固定されるスペーサの位置を調節できる。弾性体の実施形態の場合は、その位置を、次のような方法によって、すなわち、別の固定手段が、プレート形態の部材をその中央領域またはより深い領域において自転車のフレーム部分に固定し、その弾性の固定部をそれに対応して強くまたは緩く引っ張ることによって調節できる。しかし、弾性の固定部はプレート形態の部材の重量の一部を常に担持し得る。その固定部は、特にプレート形態の部材をその上部領域において固定する。
―スペーサをプレート形態の部材に取り付けるが、プレート形態の部材に対するその位置は調節可能である。例えば、スペーサは、スペーサをプレート形態の部材に固定するために、高低の位置にあるプレート形態の部材の穴において選択的に使用可能ないくつかの突起部を有することができる。
保持手段の1つの特別な実施形態においては、保持手段が1つの弾性体のリングを有する。この弾性リングに、互いの反対側にそれぞれ少なくとも1つのクリップ状の突起部が配置される。この態様で互いに反対側に位置するクリップ状の突起部の間隔の寸法は、その間隔が、自転車の縦方向に対して横方向に互いに間隔を有する2つの縦方向に延びるフレーム部分(特に荷台の載荷面における外側の縦方向支材)の間隔よりも小さくなるように定められる。この場合、弾性リングは、互いに反対側に位置する突起部の間隔が拡大するように変形可能である。この方式で、弾性リングを、突起部の間隔が拡大するように変形させることができ、例えば荷台の載荷面上に載せることができる。荷台は、その引っ張りが弛むとフレーム部分を固く挟持する。
この保持器具の側方の端部には、バッグを懸吊し得る突起をそれぞれ少なくとも1つ設けることができる。
プレート形態の部材は、基本的に、鉛直方向において少なくとも30.5cmの長さを有する。30.5cmは、24インチ車輪の直径の半分に相当する。プレート形態の部材は、特に、固定された状態において、約45cmの長さおよび/またはその最も幅広の位置(すなわち自転車の走行方向において)で約45cmの幅を有する。この寸法は、プレート形態の部材の形状によって変化する。厚さ(車輪の回転面に対して横方向)は、例えばスペーサの位置で約5cmであり、例えば約4cm〜約6cmの範囲内にある。
本発明は、さらに、バッグを自転車に装着する方法を含む。この場合、プレート形態の部材または他の保護部材を、そのプレート形態の部材が自転車の車輪の側面において上から下向きに延びるように自転車に固定し、さらに、バッグを、そのバッグがプレート形態の部材の車輪と反対側の外面に当てがわれるように、自転車のフレームに懸吊する。
バッグを互いに反対側の側面に懸吊できるようにするため、2つのプレート形態の部材を車輪の互いに反対側の側面に配置できる。
このプレート形態の部材は、車輪の上部に配置される荷物台に懸吊することができる。
プレート形態の部材は、特に、車輪の側面に配置される自転車のフレーム部分に固定される。
プレート形態の部材は、例えば、少なくとも1つの細長い弾性部材を介してフレーム部分に結合される。
プレート形態の部材は、プレート形態の部材のほぼ平面の外面であってその表面法線が車輪と反対側の方向を向く外面が、上から下向きに車輪の回転面から次第に離れるような態様で、車輪の側面に配置できる。プレート形態の部材は、車輪の側面におけるスプロケットまたは歯車との接触、およびスポークとの接触を防止する。
この方法の利点に関しては、この装置に関する説明および以下の記述を参照されたい。
プレート形態の部材は、例えば木材、プラスチック、複合材(例えば繊維補強プラスチック)のような種々の材料から製造できる。基本的には、プレート形態の部材は、金属より密度が小さい(特に自転車製作用の市販鋼材またはアルミニウムの密度の半分よりも小さい密度の)材料から製造される。同様に、プレート形態の部材は耐水性の材料製とすることが望ましい。例えば、プレート形態の部材を紙材料または厚紙から構成して、表面を防水加工および/または塗装することができる。プレート形態の部材の材料に関して提示されるすべての記述は、基本的に、本発明による装置の他の部品に対しても当てはまるが、この装置の種々の部品に対して異なる材料を用いることも可能である。例えば、プレート形態の部材を非常に軽い密度のプラスチック製とし、一方、固定手段を、それが弾性固定部品でない限り、高強度のプラスチックおよび/または金属から製作する。
プラスチック部品またはコスト的に有利に製造し得る軽い密度の他の材料を使用することによって、装置の部品を販売店において低価格で提供することが可能になる。従って、思いがけず多くの品物を購入する顧客は、この装置の部品を安く手に入れて、その購入した品物を自転車で家に運ぶことができる。本発明による装置は、ただ1度だけ、あるいは繰り返して使用できる。例えば、自転車の使用者は、彼がその自転車の外観を再度変更したいと思うまでこの装置を組み込まれた状態に残しておき、その後で、その部品を取り外して処分する。例えば、この装置の少なくとも一部分は生物分解可能な材料製である。
保護部材としてプレート形態の部材を使用する場合は、外面を、気に入りのまたは美術的な視覚デザイン用として使用できる。代替的にまたは付加的に、外表面を宣伝用として使用できる。スペーサは、自転車の走行方向に延伸する材料領域として構成できる。この材料領域は、基本的に、プレート形態の部材のほとんど全幅(走行方向における)にわたって延びる。
本発明による装置によって、例えば買い物の品物で充満された1〜4個のバッグを1台の自転車で運ぶことが可能になる。この場合、自転車および荷重の全体重心は車輪の回転軸を大きく超えた位置に移ることはない。従って、走行の安定性が負の影響を受けることもない。特に、異なるバッグが、同じ車輪の互いに反対側の側面において、それぞれ保護部材を介して分離してフレームに当てがわれる場合は、荷重を両側に均等に配分できる。
保護部材としてプレート形態の部材を使用する場合は、ペダルを踏む際に運転者を妨害しないようにするため、自転車のペダルに対して十分な距離を確保するという点を考慮しなければならない。これは、市販の自転車の構造の場合には、プレート形態の部材の幅が40cmを大きく超えることがなくかつ走行方向におけるプレート形態の部材の中心がほぼ車輪の回転軸の位置にあれば、容易に可能である。
低い重心だけでなく、荷重の重量の大部分が保持手段によって担持されるという実態も、荷重を載せているにも拘らず安定した走行挙動の実現に寄与している。この保持手段にバッグが懸吊されるが、保護部材の形態を適切に構成すれば、重力の一部分も荷重を保護部材に対して押し付ける。従って、走行方向に対して横方向の荷重の揺動が回避される。
好ましいことであるが、車輪の上部の荷台の載荷面がそのまま使用し得る形に残るように保持器具が自転車のフレームに配置されると、荷台を荷重用として追加的に使用できる。例えば、別の荷重を荷台に括り付けることができる。
以下、本発明の好ましい実施例およびさらなる特徴を、添付の図面を参照して説明する。図面の個々の図は概略図である。
本発明の、例えば標準的な自転車の荷台に組み付けることができる保持および固定器具の側面図である。 図1による器具を組み付けた状態で示す。 本発明の保持および固定器具の第2の実施形態を、引っ張りを弛めた状態において上から見た平面図である。 図3による器具の引っ張った状態における平面図である。 図3および4による器具を、組み立て状態において斜め上から見た斜視図である。 本発明のプレート形態の保護具の外面の外観図である。 図6に示す保護具の内側の外観図である。 本発明の保護具の別の実施形態の外面図である。 本発明の保護具のさらに別の実施形態の外面図である。 本発明の保護具のさらに別の実施形態の外面図である。 本発明の2つの保護具を備えた装置の3次元的外観図である。 本発明の自転車を後部から見た外観図であって、自転車の後輪、後輪の領域におけるフレーム部分および荷台が表現されており、かつ、本発明による装置の実施形態を見ることができる。 本発明の非プレート形態に構成される保護具の側面図である。 図13による保護具の断面図である。 例えば図12に示すプレート形態の保護具の代わりに使用できる保護具の他の実施形態の外面図である。 図15による保護具の第1の状態における内面図(組み付け状態において車輪の方を向く面の外観図)である。 図15および16による保護具の第2の状態における内面図である。 図15〜17による保護具の断面図である。 本発明の3つの部分からなるスペーサを含むプレート形態の部材のさらに別の実施形態の内側の概略平面図である。このプレート形態の部材の厚さ、すなわちプレート形態の部材および自転車のフレームの間の間隔は調節可能である。 図19のスペーサおよびプレート形態の部材の側面図である。 本発明のスペーサの別の実施形態の概略的な側面の外観図である。このスペーサは、それに関連するプレート形態の部材とは別個に自転車のフレーム部分に固定される。 図21のスペーサを示すが、この場合、関連するプレート形態の部材が自転車に組み付けられ、かつスペーサに固定されている。
図1に示す器具は、3つの部品から構成され、標準的な自転車の荷台の載荷面の上に組み付けることができる。図2は組み付けた状態を示す。荷台の第1棒材8aと、荷台の第2棒材8bとの断面が見られるが、これらの棒材8は図2の平面に垂直に延びている。
詳しくは図示されていないが、図1の右側に示す器具の部品5は、対向する部品9の方を向くその内側の領域5aが凹部の空所を有するように形成される。それによって、部品9の自由端6をその凹部の空所領域5aに差し込んで、図2に示すように、折り曲げられた端部6が凹部の空所領域5aの対向する端部に突き出るようにすることができる。
この器具は、第3の部品として弾性体のテープ7を有する。この弾性テープ7は、片方の端部を第1部品5の位置4aに、もう一方の反対側の端部を第2部品9の領域4bに固定できる。例えば、領域4a、4bにそれぞれ1つの穴を設け、領域4a、4bが互いに離れると弾性テープ7に張力が加わるように、弾性テープ7の端部を、その穴に、それぞれ図示されていない別の固定手段で固定する。図2は、弾性テープ7が僅かに引っ張られた状態を示す。しかし、領域4a、4bが、図2に示すよりも互いにさらに遠くに離されると、弾性テープ7の縦方向の張力は大きくなる。従って、この器具は図2に表現される状態に保持される。すなわち、それぞれ部品5、9の下面に形成されるクリップ3a、3bが、棒材8a、8bを外側から握持し、弾性テープ7の弾性復元力によって棒材8a、8bに対して押し付けられる。
結果として、この器具は、弾性テープ7のために、荷台から意図せずに外れることはないことが保証される。
部品5、9は、さらに、それぞれその外側の端部に、上向きに突き出る突起部1b、1aを有する。図2に示すように、この突起部1a、1bは、荷台の棒材8a、8bの側方の外側に位置している。バッグの取っ手または吊り輪を、この突起部1a、1bの1つに、この突起部が吊り輪または取っ手が形成する開口から飛び出るように懸吊することによって、バッグを、突起部1a、1bの同じ側に、あるいは、交差する形で器具の反対側にぶら下げることができる。図2は、バッグ10の吊り輪11が左側の突起部1aに懸吊された状態を概略的に示している。
さらに、この器具は、例えば2aまたは2bで示す位置に1つの開口を有しており、この開口に、図2には詳しく表示されていない保護具、例えばプレート形態の部材が懸吊される。その場合、この保護部材は、バッグ10と、図2の中央下方に概略的に示す自転車の車輪12との間に位置する。自転車のさらに別のフレーム部分は、図2においては、見易くするために省略されている。
図3〜5は弾性体のリング34を示す。このリング34は、図3に示す長円形においてはほとんど引っ張られていない状態にある。リング34を、長円がさらに細長くなるように図4の矢印の方向に圧縮すると、リング34は弾性復元力を呈する。図4に示す状態において、図の右側および左側に示す長円の端部は、図3の引っ張りが弛められた状態よりも長い間隔を有する。この長円の端部には、図1および2の器具の場合と同様に、フック33a、33bと、図4の平面から上向きに突出する突起部31a、31bとが設けられる。
従って、この器具を、図4に示すように力を加えて変形させ、続いて例えば標準的な自転車の荷台の載荷面に載せ、さらに続いてリング34の引っ張りを弛めると、クリップ33a、33bが、互いに平行に延伸する荷台の支材8a、8bに、あるいは他のフレーム部分に接触するに至る。図5の表現は走行方向に見た概略的な斜視図として理解できる。支材8a、8bの図示された部分は、実際には互いにほぼ平行に延伸している。
この場合も、突起部31a、31bにはバッグを懸吊できる。さらに、この場合も、突起部31a、31bの近傍に領域38a、38bが設けられ、それに保護具を懸吊できる。この保護具は、組み付け状態において、図5の中央に示す車輪12の両側の側面に位置する。図11は、図1および2に示す器具に懸吊された2つの保護具61a、61bを示す。保護具61の間に、自転車の後輪と、その位置に配置される自転車のフレーム部分とが存在する。保護具61は、図6に正確に表現されるように構成することができる。図11においては、部品が、すでに説明した図と同じ符号で表示されている。
図6は、保護具61の外側の表面、すなわち組み付け状態において車輪と反対側の面を示す。図6においては、さらに自転車のフレーム構造の2本の支柱材69a、69bが表現されている。この2本の支柱材69a、69bは、下から上向きにV字形に延伸しており、両者共、下方の後輪のハブ70の領域で固定されている。破線の部分は保護具61の背後に位置している。例えば、図6は、自転車の右側の側面の外観を示しているので、支柱材69bは例えば自転車の支持フレームの1つの支柱材であり、支柱材69aは例えば図6には詳しく図示されていない荷台の支持材である。
保護具61は基本的にプレート形態のものであり、内側および外側の平行な表面は、ほぼ互いに平行にかつ平面に延びている。さらに、このプレートは角が丸められた三角形である。しかし、このプレートは、保護具61の下半分において、V字形のパターン成形部分65を有する。この場合、このパターン成形部分の先端67は、図7に表現される内側に位置している、すなわち組み付け状態において支柱材69a、69bに当接する。これに対して、内側の残りの部分は、自転車のフレーム構造に全く当接しないか、あるいはせいぜいのところ点状に当接するだけである。
パターン成形部分65は、保護具61の全幅にわたって、自転車の走行方向にほぼ平行に延びている。
保護具61を、上方の、その上部の丸められた角部の領域で懸吊できるようにするため、その領域に貫通開口64を設ける。さらに、65a、65bの位置に、プレート形態の材料を貫通する貫通開口または固定領域を形成し、この貫通開口または固定領域に、自由端にフック62a、62bを有するそれぞれ1つの弾性テープ63a、63bを固定する。
代替的に、ただ1本の通り抜け弾性テープを用いることも可能である。この通り抜け弾性テープは、貫通開口65a、65bにおいてプレート材料を貫通し、図6に破線で示すようにプレートの内側の面に導かれる。固定具を有するテープの輪68によって、弾性部材63aまたはすべての弾性部材の自由に使える長さを、長くしあるいは短くすることができる。この方式で、保護具61を、フック62a、62bを用いて自転車の異なるフレーム構造に固定できる。特に、弾性部材63a、63bは、図6に表現されるものよりも短くできるので、それを支柱材69a、69bに掛けることができる。
また、プレート形態の保護具用の、長さおよび固定点に関して適応可能な他の固定手段も使用できる。例えば、繊維テープまたはフレーム構造にクリップするための形状安定なプラスチック部品である。
図8は、プレート形態の保護具81の別の形状を示す。この保護具81も同様に、その下方の1/3の位置に符号85で示すスペーサを有する。しかし、この場合は、パターン成形部分として構成されるのではなく、付加的な構造部品が想定されている。この付加構造部品はプレートの表面に固く結合される。例えば、工業用接着剤で固く接着されるか、あるいは、両方の材料がプラスチック製である場合は、熱可塑化法によって溶接される。
保護具のプレート形態の部材の図8に示す円形以外に、他の形状、例えば図9に示すような、同様にスペーサ95が装着された保護具91の半円形も取り上げることができる。
上部に角部を有する図6および7による本発明の保護具の三角形も、図10に示すように、下部の1/4の位置に装着されたスペーサ105を有することができる。図10に示す保護具101の場合も、また図8および図9による保護具81、91の場合も同様に、例えば、図6および7に示すものに類似する付加的な固定手段、すなわちこの保護具を自転車のフレームに固定するための付加的な固定手段を設けることができる。固定用としては、例えばベルクロ接合体、フックまたはクリップのような、速やかに取り外しできる固定具および/または留め具が望ましい。
図12は後輪125を示しており、その後輪125の軸122に、車輪125の両側において、荷台127を車輪125の上部に支持するフレーム部分124a、124bが固定されている。
荷台127の上部に、保持手段5、9(例えばすでに他の図に基づいて説明したような)が配置され、荷台127に固定される。保持手段5、9には、車輪125の両側にそれぞれテープ121a、121bが固定され、そのテープ121a、121bは、プレート形態の保護具61a、61bの重量を少なくとも部分的に支持する。さらに詳しくは図示されていないが、保護具61a、61bは、さらに別の固定手段によって、例えばフレーム部分124a、124bに固定することができる。
保護具61a、61bには、それぞれ1つのスペーサ128a、128bが形成される。このスペーサ128a、128bは、車輪125の方を向く内側に配置され、それぞれフレーム部分124a、124bのどちらかに当接する。車輪125の右側には、ギヤ変速機123の一部の位置および張り出し部が概略的に表現されている。しかし、このギヤ変速機123は、さらに深く軸122の高さに設置することも可能である。スペーサ128bは保護具およびギヤ変速機123の間の接触を防ぐものであることが認められる。
非プレート形態の保護具131(図13および14参照)は棒構造である。鉛直方向に延伸する第1の棒材132が、ほぼその中心において、水平方向に延伸する第2の棒材133と交差する。水平方向に延びる別の棒材134が、第1の棒材132の下端に配置される。この下側の棒材134は、スペーサ136として構成され(図14に示す)、そのため、棒材132、133に比べて右側に張り出している。右側は組み付け状態において車輪の方を向く側であり、従って、棒材134は自転車のフレーム部分に当接する。
図15〜18は、保護具の別の1つの実施形態151を示す。この保護具は、その内側に同様にスペーサ158を有する。この保護具の上端には、バッグを懸吊することができる上向きに突き出た突起部157が設けられる。さらに、その上端部の領域には、フレーム部分、特に荷台の縦方向の支材に固定するための固定具が設けられる。この固定具はクリップ状に構成され、上側部材153および下側部材154を有する。組み付け状態において、この部材153、154が、フレーム部分165を、下側部材が下から、上側部材が上から把持する(図17参照)。下側部材154は上側部材153に対して可動である。すなわち、グリップを閉じかつ開くことができる。下側部材154を作動させるために、外側から動かすことができるグリップまたは他の作動部材152を設けることができる。作動部材152は、懸吊されるバッグと干渉し合うことがなくかつ意図せずに操作されることがないように、保護具151のプレート形態の領域に組み込むことができる。作動部材は、例えばシフト可能なつまみとして構成できる。
スペーサ158は特別な方式で構成される。この構成形態は、図15〜18に表現される特殊な保護具において想定し得るだけでなく、他の実施形態にも適用可能である。
スペーサ158は、スペーサの他の実施形態の場合と同様に、スペーサ機能を確実に実現する内側に突き出た領域161を有する。しかし、この突出領域に、保護具151の表面にほぼ垂直に延伸する回転軸の回りに回動し得る2つの回動可能な部材162a、162bが設けられる。この場合、部材162は、それぞれ、車輪の方向に最も突き出ている突出領域161のその位置に当てがって装着される。保護具151を組み付ける際、回動部材162は、最初、その自由端が上を向く位置にある(図16)。次に、部材162を、それがそれぞれ自転車の棒形状のフレーム部分69a、69bを把持するように回転させる(図17)。このフレーム部分69は、例えば、図6の説明においてすでに説明したフレーム部分である。組み付け位置における回動位置はそれぞれの自転車に応じて変えることができる。この方式で、保護具を自転車の構造に適合させることができる。
さらに、部材162を保護具の材料に当てがって装着する位置を変えることも可能である。これは、図15において、部材162aの付け根のところに水平方向の2つの矢印で表示されている。しかし、両方の部材の位置を調節可能にすることも可能である。
上記の実施形態とは違って、保護部材が、ただ1つの回動可能部材を有すること、あるいは2個より多いそのタイプの部材を含むことも可能である。また、少なくとも1つの回動可能な部材を、スペーサの最も突き出た位置に当てがって装着するのではなく、保護具の他の位置に取り付けることも可能である。
回動可能な部材は、特に、本発明による保護具の自転車への装着を確実にする。
図19は、符号198a、198b、198cで示す3つの部分からなるスペーサ198を有するプレート形態の部材191を示す。図20から分かるように、この3つの部分198は、それぞれ折り曲げられた拡がり面を有しており、その折り曲げられた部分は、上部領域においてはプレート形態の部材191に固く結合され、深部の下部領域においては、異なる高さ位置194を選択してプレート形態の部材に固定できる。図20は、部分198bを可能な最高位置194でプレート形態の部材191に固定した状態を破線で示し、また、部分198bを下から2番目に低い可能な位置194でプレート形態の部材191に固定した状態を実線で示している。これに対応して、破線で示した状態における先端(この位置で部分198bが折り曲げられている)からプレート形態の部材191までの距離は、もう一方で表現される状態の場合よりも大きい。
例えば、種々の高さの位置194は、プレート形態の部材191におけるスリットによって実現できる。このスリットに部分198の突起部195を差し込むのである。他の形態、例えば、部分198をプレート形態の部材191の突起部に当接させて支持する方式も可能である。この場合、この当接支持結合は、意図せざる離脱がないように、基本的に、摩擦結合および/または確実結合方式で確実に行う。
図21は、自転車の荷台180から下向きにハブ181まで延びる2本の棒材179a、179bを示している。棒材179には、それぞれ連結領域173a、173bにおいてスペーサ178が取り付けられ、その結果、スペーサ178は、現在のその垂直位置に固定される。もちろん、その垂直位置は、例えば、連結領域173の水平方向の間隔を変えることによって調節できる。水平方向の間隔を短くすると、スペーサ178はより深い垂直位置に固定され、その逆も成り立つ。
スペーサ178は、外側を向くほぼ平面のその表面において、連結領域173の間に固定領域172(例えばベルクロ接合体の片側)を有する。外側から自転車を見た外観を示す図22には、プレート形態の部材171の背後に位置するカバーされた部分が破線で示されている。プレート形態の部材171には第2の固定領域174(例えばベルクロ接合体のもう一方の側)が配置される。この場合、この第2の固定領域174の垂直位置は、基本的に少なくとも1度、例えば、ベルクロ接合体のその部分を所要の高さにおいてプレート形態の部材171の内側に貼付することによって調整できる
プレート形態の部材171の組み付け状態においては、固定領域172、174は相互に協働作用し、それによって、プレート形態の部材が、固定領域172に、従ってスペーサ178に固定される。
スペーサ178は、例えば三角形断面(水平方向の互いに反対側の端部における三角形が図21および22に表示されている)または他の断面形状(例えば半円形)を有する。スペーサ178は、パターン成形の厚さに対応して、その内側が棒材179に当接する。

Claims (20)

  1. バッグを自転車(124、127)に懸吊する装置であって、
    ―少なくとも1つのプレート形態の部材(61)と、
    ―前記プレート形態の部材(61)が、固定された状態において前記自転車(124、127)の車輪(125)の側面に上から下向きに延びるように、前記プレート形態の部材(61)を前記自転車(124、127)に固定するための固定手段(121)と、
    ―バッグをただ1つの懸吊点において懸吊するための保持手段(5)であり、前記プレート形態の部材(61)の上端部の領域またはその上部に配置される保持手段(5)と、
    を備えた装置であり、さらに、
    前記プレート形態の部材(61)が、それに形成されるおよび/またはそれに配置されるスペーサ(128)と組み合わされ、該スペーサ(128)は、固定された状態において、前記車輪(125)の方を向く前記プレート形態の部材(61)の内側に位置し、この構成によって、前記プレート形態の部材(61)の内側の反対側の面における前記プレート形態の部材(61)の外面が、前記プレート形態の部材(61)の鉛直方向の縦の拡がりの上半分において、その下半分におけるよりも短い前記自転車(124、127)のフレーム部分(124)からの距離を有し、かつ、前記プレート形態の部材(61)の外面は、固定された状態において鉛直線との間に少なくとも5°の鋭角を挟み込む方向に上から下向きに延びる、装置。
  2. 前記バッグ(10)が、前記保持手段(5)のただ1つの懸吊点に懸吊される、請求項1に記載の装置。
  3. 固定された状態において前記車輪(125)の互いに反対側の側面に配置される2つのプレート形態の部材(61a、61b)を有する、請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記保持手段(5)が結合器具の一部であり、かつ、前記2つのプレート形態の部材(61)が前記結合器具を介して相互に結合される、請求項3に記載の装置。
  5. 前記プレート形態の部材(61)が、前記固定手段(121)の少なくとも一部分を介して前記保持手段(5)に結合される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記スペーサ(128)が、固定された状態において前記プレート形態の部材(61)の鉛直方向の縦の拡がりの下半分に存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
  7. 前記プレート形態の部材(61)が、固定された状態において前記車輪(125)の方を向く前記プレート形態の部材(61)の内側の反対側にあるほぼ平面の外面を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
  8. 前記プレート形態の部材(151)が、その上端部の領域に、前記保持手段そのものまたは前記保持手段の一部である突起部(157)を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
  9. 前記プレート形態の部材(151)が、その上端部の領域に、自転車のフレーム部分(165)を把持するために把持具(153、154)を有し、この把持具(153、154)は固定手段そのものまたは固定手段の一部である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
  10. 前記固定手段が細長い弾性部材(63)を有し、その弾性部材(63)によって、前記プレート形態の部材(61)が、固定された状態において前記自転車のフレーム(69)に引っ張られて固定される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
  11. 前記保持手段が、その保持手段を自転車のフレームに固定するように形成される固定器具を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
  12. 前記保持手段が1つの弾性体のリング(34)を有し、この弾性リング(34)に、互いの反対側にそれぞれ少なくとも1つのクリップ状の突起部(33)が配置され、この場合、互いに反対側に位置する前記クリップ状の突起部(33a、33b)の間隔の寸法は、前記弾性リング(34)の引っ張りが弛められた状態において、その間隔が、前記自転車の縦方向に対して横方向に互いに間隔を有する2つの縦方向に延びるフレーム部分の間隔よりも小さくなるように定められ、さらに、前記弾性リング(34)は、互いに反対側に位置する前記突起部(33)の間隔が拡大するように変形可能である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
  13. 前記プレート形態の部材(61)が、鉛直方向において、24インチ車輪の直径の少なくとも半分の長さ、すなわち少なくとも30.5cmの長さを有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置。
  14. 前記プレート形態の部材(151)が、組み付け状態において車輪の方を向く側の面に、少なくとも1つの回動可能な部材(162a、162b)を有し、この部材(162a、162b)は、前記プレート形態の部材(151)の表面にほぼ垂直に延伸する回転軸の回りに回動可能である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の装置。
  15. バッグを自転車(124、127)に懸吊する方法であって、
    ―プレート形態の部材(61)を、そのプレート形態の部材(61)が前記自転車(124、127)の車輪(125)の側面において上から下向きに延びるように、前記自転車(124、127)に固定し、
    ―前記プレート形態の部材(61)を、それに形成されるおよび/またはそれに配置されるスペーサ(128)と組み合わせ、該スペーサ(128)は、固定された状態において前記車輪(125)の方を向く前記プレート形態の部材(61)の内側に位置し、この構成によって、前記プレート形態の部材(61)の内側の反対側の面における前記プレート形態の部材(61)の外面が、前記プレート形態の部材(61)の鉛直方向の縦の拡がりの上半分において、その下半分におけるよりも短い自転車(124、127)のフレーム部分(124)からの距離を有し、かつ、前記プレート形態の部材(61)の外面は、固定された状態において鉛直線との間に少なくとも5°の鋭角を挟み込む方向に上から下向きに延びており、
    ―前記バッグ(10)を、そのバッグ(10)が前記プレート形態の部材(61)の前記車輪(125)と反対側の外面に当てがわれるように、ただ1つの懸吊点において前記自転車(124、127)のフレームに懸吊する、方法。
  16. バッグ(10)を互いに反対側の側面に懸吊できるようにするため、2つのプレート形態の部材(61)を前記車輪(125)の互いに反対側の側面に配置する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記プレート形態の部材(61)を、前記車輪の上部に配置される荷物台(127)に懸吊する、請求項15または16に記載の方法。
  18. 前記プレート形態の部材(61)を、前記車輪(125)の側面に位置する前記自転車(124、127)のフレーム部分(124)に固定する、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記プレート形態の部材(61)を、少なくとも1つの細長い弾性部材(63)を介してフレーム部分(69)に結合する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記プレート形態の部材(61)を、そのプレート形態の部材(61)のほぼ平面の外面であってその表面法線が前記車輪(125)と反対側の方向を向く外面が、上から下向きに前記車輪(125)の回転面から次第に離れるような態様で、前記車輪(125)の側面に配置する、請求項15〜19のいずれか1項に記載の方法。
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