JP2011504418A - 特にストランド又はストリップの鋳造時に生じる溶融液状の金属の凝固過程を均等化するための方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
凝固過程の間、溶融液状の金属(10)の既に凝固してストランドを形成する外側の領域(11)が、少なくとも電磁場の作用を受けることを特徴とする、溶融液状の金属(10)が、特に電磁撹拌工程を受け、特に電磁撹拌の箇所の上流に存在する金属が、磁場の作用を受ける、特にストランド又はストリップの鋳造時に生じる溶融液状の金属(10)の凝固過程を均等化するための方法と、この方法を実施するための装置。
Description
本発明は、溶融液状の金属が、特に電磁撹拌工程を受け、特に電磁撹拌の箇所の上流に存在する金属が、磁場の作用を受ける、特にストランド又はストリップの鋳造時に生じる溶融液状の金属の凝固過程を均等化するための方法に関する。加えて、本発明は、この方法を実施するための装置に関する。
基本的に、例えば共に移動する低温の搬送ベルト上での凝固過程の間、ストリップの下面では、通常、上面と幅の狭い側の面よりも大きい放熱が支配する。その結果、ストリップの横断面にわたって不均一な温度プロフィルが形成され、この温度プロフィルが、ストリップを反らせるストリップ内の応力を、更なる冷却過程の間に生じさせる。従って、搬送ベルトに対するストリップの接触は、特に幅方向に一定でなく、幅にわたるストリップからの放熱が不均一になり、これが、更にまた、不均一な凝固構造を生じさせる。
従来技術からは、これに関して、液状のスチール溶湯の領域内で電磁撹拌を行なう種々の方法及び装置が公知であり、これについては、模範的に以下の文献を参照されたい。
特許文献1は、誘導撹拌方法に関する。この誘導撹拌方法では、溶解した金属が、標準的に溶解した金属内に乱流が生じる強度で電磁的に案内され、電磁撹拌の箇所の上流の溶解した金属が、前記箇所での乱流を最小にするために少なくとも十分な強度で静的な磁場の作用を受ける。
前記方法は、特に、連続鋳造の際の鋳型内での撹拌や、レードル又は他の容器内での電磁撹拌でのように、自由な表面が存在し、メニスカス内での表面への障害や変形を最小にすべきところでの誘導撹拌の適用の改善を目指している。
特許文献2は、シングルストリップタイプの連続鋳造装置に関する。この場合、溶融液領域の金属の反りを回避し、起伏のないストリップを得るために、溶融液領域の金属の上に、しかも溶融液領域の金属を湯出しする箇所と一致するストリップの出側に、電磁ブレーキを配設することが提案されている。鋳造容器からストリップへと溶融液状金属を湯出しする時点で、溶融液領域の金属表面に対する溶融液状金属の湯出し流によって、反りが生じる。この反りを回避するため、電磁ブレーキは、溶融液領域の金属の上に、しかも溶融液状金属の湯出し箇所と一致するストリップの出側に、配設される。この装置によって、ストリップが電磁ブレーキから離れる方向に見た反りが防止され、平坦な溶融液状金属が形成される。これにより、溶融液領域の金属に反りが生じずに、凝固殻が形成されるので、凝固殻の表面での平坦な表面形成が得られ、しかも起伏がない。
しかしながら、これら両文献に関しては、全体的に、これから公知の方法もしくは装置によって、前記問題が、同様に防止できないことを、認めることができる。
本発明の根底にある課題は、前記欠点を回避し、特にストランドの形成精度の最適化と、冶金長さの良好な制御と、鋳造速度の良好な適合とを達成するように、公知の方法もしくは装置を、これまでの利点を維持しつつ改善もしくは発展させることにある。
この課題は、方法に関しては、本発明によれば、凝固過程の間、溶融液状の金属の既に凝固してストランドを形成する外側の領域が、少なくとも電磁場の作用を受けることによって解決される。これにより、既に凝固してストランドを形成する外側の溶湯への電磁場の作用によって、簡単に、未だ液状の中心部に自然に生じる温度プロフィルが均一になる。液体の中心部のエネルギーの均等な分布によって、常に、最高の温度が、ストランド凝固殻の内側に生じる。その結果、凝固殻の厚みの成長が遅くなり、放熱量が増加する。高い放熱量に基づいて、ストリップは、迅速に凝固する。全体的に、液状の中心部の横断面にわたって均等な温度の領域を生じさせることによって、ストランド凝固殻は、撹拌の開始時に、再び若干加熱され、これにより、その厚みの成長が遅くなるので、長時間高温で薄いままの凝固殻は、後になって初めて機械的特性を得る。これにより、ストランド凝固殻は、長時間、冷却作用を行なう搬送ベルト上で平坦に位置し、均等に放熱し、これが、内部応力と、縁部の隆起を低減する。
本発明による方法の好ましい実施形では、溶融液状の金属の本質的に下面の既に凝固してストランドを形成する外側の領域が、電磁場の作用を受ける。この箇所では、通常、上面や幅の狭い側の面よりも高い放熱が支配する。
本発明による方法の別の方法に関して最後の特徴によれば、電磁撹拌工程の位置が、鋳造方向に適合させられる。
本発明の根底にある課題は、装置に関しては、本発明によれば、装置が、凝固過程の間に溶融液状の金属の既に凝固してストリップを形成する外側の領域に少なくとも電磁場の作用を加えるために形成されていることによって解決される。この場合に得られる利点に関しては、繰返しを避けるため、本発明による方法の前記利点を参照されたい。
本発明による装置の好ましい実施形では、装置が、溶融液状の金属の本質的に下面の既に凝固してストランドを形成する外側の領域に少なくとも電磁場の作用加えるために形成されている。
本発明による装置の最後の特徴によれば、電磁撹拌工程の位置が、鋳造方向に適合可能に形成されている。
本発明の別の利点及び詳細は、従属請求項と、図に図示した本発明の実施形を詳細に説明した以下の説明とに記載されている。この場合、前記特徴の組合せ以外に、単独の特徴も、他の組合せの特徴も、発明にとって重要である。
本発明による方法は、特にストランド又はストリップの鋳造時に生じる、図では一般的に10で示した溶融液状の金属の凝固過程を均等化するために使用される。この場合、溶融液状の金属10は、ここでは電磁撹拌工程を受け、電磁撹拌の箇所の上流に存在する金属が、磁場の作用を受ける。この場合、本発明による方法では、凝固工程の間、溶融液状の金属10の既に凝固してストランドを形成する外側の領域11が、少なくとも電磁場の作用を受ける。
本発明によるこの形成によって、前記利点が得られる。これについては、特に、液状の中心部の横断面にわたって均等な温度の領域を生じさせることによって、ストランド凝固殻12は、撹拌の開始時に、再び過熱され、これにより、その厚みの成長が遅れるので、長時間高温で薄いままの凝固殻12は、後になって初めて機械的特性を得る、とのことが挙げられる。これにより、ストランド凝固殻は、長時間、冷却作用を行なう搬送ベルト上で平坦に位置し、均等に搬送ベルトに放熱し、これが、内部応力と、縁部の隆起を低減する。これについては、図1及び2に、従来技術と比較した、本発明による方法を適用した溶融液状の金属10とストランド凝固殻内の温度変化が、概略的に図示されている。この場合、金属10の凝固領域11と共にストランド凝固殻12の厚みd2が、凝固が遅い場合の金属10の凝固領域13と共にこの場合のストランド凝固殻12の厚みd1よりも、本質的に厚い、とのことが認められる(図1及び2参照)。更に、溶融液状の金属10とストランド凝固殻12内の温度変化が図示されており、温度θ(撹拌あり)が、撹拌工程を行なった時の温度を示し、温度θ(撹拌なし)が、撹拌工程を行なわない時の温度を示す。撹拌工程を行なわない時の温度が、撹拌工程を行なった時の温度よりも明らかに上昇し、最終的に高いレベルにある、とのことが認められる。
この場合、本発明による方法の好ましい実施形では、溶融液状の金属10の本質的に下面の既に凝固してストランドを形成する外側の領域11が、電磁場の作用を受ける。更に、電磁撹拌工程の位置は、鋳造方向に適合させることができる。
加えて、図3には、Aで示した鋳造方向に見た溶融液状の金属10の凝固区間が図示されている。この場合、凝固区間ENが、標準的な凝固区間であり、凝固区間EVが、撹拌時の短い凝固区間である。この場合に得られる凝固区間の短縮は、撹拌区間の長さに依存する。
加えて、本発明は、図自体に図示してない、方法を実施するための、特に溶融液状の金属10に電磁撹拌工程を実施するための装置に関する。この装置は、凝固過程の間に溶融液状の金属10の既に凝固してストランドを形成する外側の領域11に、特に溶融液状の金属10の下面に、少なくとも電磁場の作用を加えるために形成されている。更に、電磁撹拌工程の位置は、鋳造方向に適合可能に形成することができる。
10 溶融液状の金属
11 凝固領域(10の)
12 ストランド凝固殻
13 凝固が遅い場合の凝固領域
A 鋳造方向
EN 標準的な凝固区間
EV 短い凝固区間
11 凝固領域(10の)
12 ストランド凝固殻
13 凝固が遅い場合の凝固領域
A 鋳造方向
EN 標準的な凝固区間
EV 短い凝固区間
Claims (6)
- 溶融液状の金属(10)が、特に電磁撹拌工程を受け、特に電磁撹拌の箇所の上流に存在する金属が、磁場の作用を受ける、特にストランド又はストリップの鋳造時に生じる溶融液状の金属(10)の凝固過程を均等化するための方法において、
凝固過程の間、溶融液状の金属(10)の既に凝固してストランドを形成する外側の領域(11)が、少なくとも電磁場の作用を受けることを特徴とする方法。 - 溶融液状の金属(10)の本質的に下面の既に凝固してストランドを形成する外側の領域が、電磁場の作用を受けることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 電磁撹拌工程の位置が、鋳造方向に適合させられることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 特に溶融液状の金属(10)の電磁撹拌工程を実施するための手段と、特に電磁撹拌の箇所の上流に存在する金属に磁場の作用を加えるための手段とを有する、特にストランド又はストリップの鋳造時に生じる溶融液状の金属(10)の凝固過程を均等化するための装置において、
装置が、凝固過程の間に溶融液状の金属(10)の既に凝固してストリップを形成する外側の領域(11)に少なくとも電磁場の作用を加えるために形成されていることを特徴とする装置。 - 装置が、溶融液状の金属(10)の本質的に下面の既に凝固してストランドを形成する外側の領域に少なくとも電磁場の作用加えるために形成されていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
- 電磁撹拌工程の位置が、鋳造方向に適合可能に形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の装置。
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