JP2011258618A - 高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法 - Google Patents

高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】気密信頼性や、接合信頼性等を高くできると共に、設計変更や、段取り換えにも能率的に対処でき、しかも、めっき被膜形成が容易な高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法を提供する。
【解決手段】ヒートシンク板12の上面にセラミック枠体13を設けると共に、この上面に外部接続リード端子14を設ける高放熱型電子部品収納用パッケージ10の製造方法において、セラミック枠体13の両主面全面に、メタライズ膜16、16aを形成したその表面に第1のめっき被膜17、17aを設けた後、ヒートシンク板12とセラミック枠体13、及びセラミック枠体13と外部接続リード端子14を加熱接合する工程と、外部に露出する金属部分に第2のめっき被膜19を設けた後、外部接続リード端子14の隣接間に切り欠き溝20をセラミック枠体13の枠幅を横断して設ける工程を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ヒートシンク板、セラミック枠体、外部接続リード端子等で構成される高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法に関し、より詳細には、セラミック枠体の両面にメタライズ膜が形成され、下面のメタライズ膜がヒートシンク板との接合のために用いられると共に、上面のメタライズ膜が外部接続リード端子との接合のために用いられる高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法に関する。
図3に示すように、従来の高放熱型電子部品収納用パッケージ50の製造方法で作製される高放熱型電子部品収納用パッケージ50は、従来から、例えば、RF(Radio Frequency)基地局用等のシリコンや、ガリウム砒素電界効果トランジスタ等の高周波、高出力の半導体素子等の電子部品51を収納したりするためのものがある。このような高放熱型電子部品収納用パッケージ50を作製するためには、実装される電子部品51が高温、且つ大量の熱を発生するので、この熱を放熱するために、電子部品51が搭載される部分に高熱伝導率を有するヒートシンク板52を用いている。この高放熱型電子部品収納用パッケージ50に用いられるヒートシンク板52は、例えば、セラミックと熱膨張係数が近似し、ポーラス状からなるタングステンに熱伝導性に優れる銅を含浸させたりして作製される銅とタングステンの複合金属板や、銅とモリブデン系金属板の両面のそれぞれに同一厚さの銅板をクラッドして反りの発生を抑えながら熱伝導率を向上させた接合金属板等が用いられている。
また、従来の高放熱型電子部品収納用パッケージ50の製造方法では、ヒートシンク板52上に電子部品51を囲繞して中空状態で気密に収納するキャビティ部53を形成するために、ヒートシンク板52上にアルミナ(Al)や、窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックからなる窓枠形状のセラミック枠体54をろう付け接合して設けている。このセラミック枠体54には、ヒートシンク板52にろう付け接合するために下面側の全面にタングステンや、モリブデン等の高融点金属からなるメタライズ膜(図示せず)をセラミックグリーンシートにスクリーン印刷方式でベタ状のメタライズ印刷パターンを形成し、このメタライズ印刷パターンとセラミックグリーンシートを同時焼成することで形成している。更に、焼成して形成したメタライズ膜上には、Niめっき被膜を形成している。そして、セラミック枠体54は、メタライズ膜上に形成されたNiめっき被膜と、ヒートシンク板52との間にAgCuろう系等のろう材を介して加熱してヒートシンク板52にろう付け接合している。なお、上記の銅とタングステンの複合金属板や、銅とモリブデン系金属板の接合金属板等からなるヒートシンク板52は、高熱伝導率を確保できると共に、セラミック枠体54のアルミナや、窒化アルミニウム等のセラミックと熱膨張係数が近似しているので、接合部にクラック等の発生を防止して接合体を形成することができるようになっている。
更に、従来の高放熱型電子部品収納用パッケージ50の製造方法では、セラミック枠体54の上面に、外部と電気的に導通状態とするためのセラミックと熱膨張係数が近似するKV(Fe−Ni−Co系合金、商品名「Kovar(コバール)」)や、42アロイ(Fe−Ni系合金)等の金属板からなる外部接続リード端子55をろう付け接合して設けている。この外部接続リード端子55をろう付け接合するためのセラミック枠体54の上面側には、上記のセラミック枠体54の下面側に設ける全面メタライズ膜と同時に形成されるパターン形状を備えたメタライズ膜56を有している。このメタライズ膜56は、外部接続リード端子55が接合される部分に外部接続リード端子55の接合部の大きさより若干大きいパターン形状からなるメタライズ印刷パターンを形成し、上記の下面側のメタライズ印刷パターンと併せてこのメタライズ印刷パターンとセラミックグリーンシートを同時焼成することで形成している。そして、このメタライズ膜56上にNiめっき被膜を形成したセラミック枠体54の上面側には、上記のヒートシンク板52の上面側にセラミック枠体54をろう付け接合すると同時に、パターン形状を備えたメタライズ膜56上に形成されたNiめっき被膜と、外部接続リード端子55との間にAgCuろう系等のろう材を介して加熱することでろう付け接合している。なお、従来の高放熱型電子部品収納用パッケージ50の製造方法では、電子部品51を実装させたり、外部との酸化や硫化を防止する等のために、表面に露出する全ての金属部分にNiめっき被膜、及びAuめっき被膜を形成している。
従来の高放熱型電子部品収納用パッケージ50の製造方法で作製される高放熱型電子部品収納用パッケージ50には、キャビティ部53のヒートシンク板52の上面のAuめっき被膜面に電子部品51がAuSiろう等で接合されるようになっている。この接合では、電子部品51の裏面に形成されているAu蒸着面と、キャビティ部53のヒートシンク板52の上面のAuめっき被膜面との間にAuSiろう等のろう材を挟み込んで加熱しながら電子部品51を加圧スクラブして擦り付けることで、強固な接着強度を確保しようとしているので、ヒートシンク板52には極めて高い平坦性が必要となっている。そして、キャビティ部53に収納された電子部品51は、外部接続リード端子55との間をボンディングワイヤ(図示せず)で直接接続して電気的導通を形成している。なお、この外部接続リード端子55には、外部と接続するための端子部と、ボンディングワイヤを接続するためのワイヤボンドパッド部が兼ね備えて設けられている。高放熱型電子部品収納用パッケージ50には、電子部品51がキャビティ部53内に実装された後、樹脂や、セラミックや、金属等からなる蓋体(図示せず)がセラミック枠体54の上面に外部接続リード端子55を含めて樹脂や、ガラス等の絶縁性接着材で接合されて、電子部品51がキャビティ部53内で気密に封止されるようになっている。
そして、図示しないが、電子部品51が収納された高放熱型電子部品収納用パッケージ50は、外部接続リード端子55の端子部下面が配線回路パターンの施されたボード基板等に半田で接合される。また、電子部品51が収納された高放熱型電子部品収納用パッケージ50は、ヒートシンク板52の長手方向両端部に設けられている取付部で放熱性の向上を兼ねる金属製からなる基台にねじ止めするようになっている。なお、電子部品51が収納された高放熱型電子部品収納用パッケージ50は、ヒートシンク板52下面のAuめっき被膜面と、基台との間をできるだけ密接させることで熱伝導性を向上させて放熱性を向上させることができるので、ヒートシンク板52の下面を基台に半田で接合すると共に、ヒートシンク板52の取付部で基台にねじ止めすることが好ましいとされている。
しかしながら、上記の高放熱型電子部品収納用パッケージ50の製造方法におけるセラミック枠体54は、下面側に形成するメタライズ膜がベタ状のメタライズ印刷パターンで、上面側に形成するメタライズ膜が外部接続リード端子55が接合される部分のパターン形状からなるメタライズ印刷パターンである。従って、上記のセラミック枠体54は、セラミックグリーンシートとメタライズ印刷パターンを同時焼成するときに上、下面での焼成収縮が異なり、セラミック枠体54に反りを発生させることとなっている。この反りが発生したセラミック枠体54は、ヒートシンク板52の上面側に接合部の気密性を高くして接合できなくなっていると共に、セラミック枠体54の上面側に外部接続リード端子55を接合強度を高くして接合できなくなっている。また、上記のセラミック枠体54は、上面側に形成するメタライズ膜が外部接続リード端子55が接合される部分のパターン形状からなるメタライズ印刷パターンをそれぞれの品種毎に形成することが必要となっており、作製までの時間と手間が掛かって高放熱型電子部品収納用パッケージ50のコストアップとなっている。
そこで、従来のセラミック枠体のメタライズ膜形成方法には、配線基板の導体パターン形成方法という発明の名称のもとに、絶縁シート一面に被膜された導体膜に対し、溝状に導体膜を除去し、電気的に異種の導体部、例えば、電源用と接地用、信号用と接地用、一の信号回路用と他の信号回路用のように異なる性質の電気を流すための導体部に分離するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この配線基板の導体パターン形成方法は、導体パターンの設計変更や、段取り換えにも能率的に対処することができ、さらに、積層基板においては、積層された絶縁シート内の応力分布に差が生じないような導体パターン形成方法を提供できるとしている。
また、従来のセラミック枠体のメタライズ膜形成方法には、セラミックス回路基板の回路形成方法という発明の名称のもとに、セラミックス基板の表面に導電性被膜を形成し、この導電性被膜にエネルギー線を照射して部分的に除去することによって、セラミックス基板の表面に導電性被膜で回路を形成するにあたって、除去する部分において導電性被膜の表面に第一のエネルギー線を照射して、導電性被膜よりもエネルギー吸収率が高いエネルギー高吸収部を導電性被膜の表面に形成する工程と、エネルギー高吸収部に第二のエネルギー線を照射して、エネルギー高吸収部の導電性被膜を除去する工程とを有するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このセラミックス回路基板の回路形成方法は、回路を形成しない部分のみにエネルギー高吸収部の形成を容易且つ生産効率を低下させることなく行うことができ、短絡不良発生がない回路を形成することができるセラミックス回路基板の回路形成方法を提供できるとしている。
特開2005−210007号公報 特開2004−296742号公報
しかしながら、前述したような従来の高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法は、次のような問題がある。
特開2005−210007号公報や、特開2004−296742号公報等で開示されるようなセラミック枠体の両主面のそれぞれの全面にメタライズ膜を設け、この上面のメタライズ膜にレーザー等で回路パターンを形成した後、これを用いて高放熱型電子部品収納用パッケージを形成する場合には、セラミック枠体に発生する反りが抑えられてヒートシンク板との気密信頼性や、外部接続リード端子との接合信頼性等を高くすることができると共に、セラミック枠体のメタライズ膜パターンの設計変更や、段取り換えにも能率的に対処することができる高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法を提供できる。しかしながら、この従来の高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法では、セラミック枠体のそれぞれのメタライズ膜が独立しており、めっき被膜を電解めっき手法で形成するときに、それぞれのメタライズ膜毎に電極端子を取り付けることが必要になるので、非常に困難な作業となっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、セラミック枠体とヒートシンク板との気密信頼性や、外部接続リード端子との接合信頼性等を高くすることができると共に、セラミック枠体のメタライズ膜パターンの設計変更や、段取り換えにも能率的に対処することができ、しかも、セラミック枠体へのめっき被膜形成が容易な高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法は、平板状のヒートシンク板の上面に窓枠形状からなるセラミック枠体をろう付け接合して設けると共に、セラミック枠体の上面にリードフレーム形状からなる複数本の外部接続リード端子をろう付け接合して設ける高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法において、セラミック枠体の両主面のそれぞれの全面に、高融点金属からなるメタライズ膜をセラミックグリーンシートと同時焼成して形成したメタライズ膜表面に第1のめっき被膜を設けた後、ヒートシンク板の上面とセラミック枠体の下面側、及びセラミック枠体の上面側と外部接続リード端子の下面をろう材を介して加熱接合する工程と、ヒートシンク板、第1のめっき被膜、外部接続リード端子、及びろう材の外部に露出する部分の表面に第2のめっき被膜を設けた後、外部接続リード端子の複数本のそれぞれの隣接間のセラミック枠体にメタライズ膜、第1のめっき被膜、及び第2のめっき被膜を除去する切り欠き溝をセラミック枠体の枠幅を横断して設ける工程を有する。
ここで、上記の高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法は、切り欠き溝をレーザーで幅0.1〜0.3mmに除去して設けるのがよい。
上記の高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法は、セラミック枠体の両主面のそれぞれの全面に、高融点金属からなるメタライズ膜をセラミックグリーンシートと同時焼成して形成したメタライズ膜表面に第1のめっき被膜を設けた後、ヒートシンク板の上面とセラミック枠体の下面側、及びセラミック枠体の上面側と外部接続リード端子の下面をろう材を介して加熱接合する工程と、ヒートシンク板、第1のめっき被膜、外部接続リード端子、及びろう材の外部に露出する部分の表面に第2のめっき被膜を設けた後、外部接続リード端子の複数本のそれぞれの隣接間のセラミック枠体にメタライズ膜、第1のめっき被膜、及び第2のめっき被膜を除去する切り欠き溝をセラミック枠体の枠幅を横断して設ける工程を有するので、セラミック枠体の両主面の全面のメタライズ膜にめっきラックのピン先を容易に接触させて第1のめっき被膜を形成でき、この後、この第1のめっき被膜を介してヒートシンク板や、外部接続リード端子を接合でき、セラミック枠体とヒートシンク板との気密信頼性や、外部接続リード端子との接合信頼性等を高くすることができる高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法を提供できる。また、この高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法は、ヒートシンク板、セラミック枠体、及び外部接続リード端子の接合体には、ヒートシンク板の金属体部と、メタライズ膜又は外部接続リード端子の何処かの金属体部とにめっきラックのピン先を容易に接触させて第2のめっき被膜を形成でき、この後、外部接続リード端子の複数本のそれぞれの隣接間に切り欠き溝をセラミック枠体の枠幅を横断して設けることでそれぞれの外部接続リード端子が電気的に独立状態とすることができる高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法を提供できる。更に、この高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法は、両面とも全面のメタライズ膜の状態のセラミック枠体に、ヒートシンク板と外部接続リード端子を接合させた接合体に切り欠き溝を入れることで高放熱型電子部品収納用パッケージとすることができ、セラミック枠体のメタライズ膜パターンの設計変更や、段取り換えにも能率的に対処することができる高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法を提供できる。
特に、上記の高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法に従属する高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法は、切り欠き溝をレーザーで幅0.1〜0.3mmに除去して設けるので、外部接続リード端子の複数本のそれぞれの隣接間の絶縁が充分に確保でき、電気的な短絡を防止した高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法を提供できる。
本発明の一実施の形態に係る高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法で作製される高放熱型電子部品収納用パッケージの斜視図である。 (A)〜(C)はそれぞれ同高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法の説明図である。 従来の高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法で作製される高放熱型電子部品収納用パッケージの斜視図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施するための最良の形態について説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法で作製される高放熱型電子部品収納用パッケージ10には、例えば、RF(Radio Frequency)基地局用等のシリコンや、ガリウム砒素電界効果トランジスタ等の高周波、高出力の半導体素子等の電子部品11が実装されるようになっている。この高放熱型電子部品収納用パッケージ10は、電子部品11が直接載置される略長方形平板状のヒートシンク板12と、この上面にろう付け接合して、電子部品11を囲繞して収納させるための窓枠形状からなるセラミック枠体13と、この上面にろう付け接合して、電子部品11とボンディングワイヤを介して電気的に導通状態とすると共に、外部と電気的に導通状態とするための複数本の外部接続リード端子14を有している。そして、この高放熱型電子部品収納用パッケージ10には、電子部品11から高温、且つ大量の熱が発生するので、電子部品11の機能を維持させるために優れた放熱特性を持たせることが必要となっている。
従って、上記のヒートシンク板12には、電子部品11から発生する高温、且つ大量の熱を放熱するための高放熱特性を有すると共に、セラミック枠体13の熱膨張係数に近似させたものを必要とすることから、例えば、セラミックと熱膨張係数が比較的近似するポーラス状からなるタングステンに熱伝導性に優れる銅を含浸させたりして作製される銅とタングステンの複合金属板や、銅とモリブデン系金属板の両面のそれぞれに同一厚さの銅板をクラッドして反りの発生を抑えながら熱伝導率を向上させた接合金属板等を用いている。また、上記のセラミック枠体13には、絶縁性と熱伝導率に優れる、例えば、アルミナ(Al)や、窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックを用いている。更には、上記の外部接続リード端子14には、セラミックと熱膨張係数が近似する、例えば、KV(Fe−Ni−Co系合金、商品名「Kovar(コバール)」)や、42アロイ(Fe−Ni系合金)等の金属板から所望のリードフレーム形状からなる複数本のリード端子にしたものを用いている。
次いで、図2(A)〜(C)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る上記の高放熱型電子部品収納用パッケージ10の製造方法を説明する。
上記の高放熱型電子部品収納用パッケージ10の製造方法では、ヒートシンク板12上に電子部品11を囲繞して中空状態で気密に収納するキャビティ部15を形成するために、ヒートシンク板12上に窓枠形状のセラミック枠体13をろう付け接合することで設けるようになっている。また、高放熱型電子部品収納用パッケージ10の製造方法では、ヒートシンク板12上にセラミック枠体13をろう付け接合するのと同時に、セラミック枠体13上に外部接続リード端子14をろう付け接合することで設けるようになっている。
図2(A)に示すように、上記の高放熱型電子部品収納用パッケージ10の製造方法では、このろう付け接合をするために、セラミック枠体13の両主面のうちのヒートシンク板12にろう付け接合する部分である下面側の全面に、タングステンや、モリブデン等の高融点金属からなるメタライズ膜16を設けている。また、このセラミック枠体13には、両主面のうちの外部接続リード端子14をろう付け接合する部分である上面側の全面にも、タングステンや、モリブデン等の高融点金属からなるメタライズ膜16aを設けている。このメタライズ膜16、16aは、セラミックグリーンシートにメタライズペーストを用いてスクリーン印刷方式でベタ状のメタライズ印刷パターンを形成し、このメタライズ印刷パターンとセラミックグリーンシートを同時焼成することで形成している。
次いで、図2(B)に示すように、高放熱型電子部品収納用パッケージ10の製造方法では、焼成して形成したセラミック枠体13の両主面のそれぞれのメタライズ膜16、16a上に、Niや、NiCo等のNiめっき被膜からなる第1のめっき被膜17、17aを形成している。そして、高放熱型電子部品収納用パッケージ10の製造方法では、セラミック枠体13が、この下面側のメタライズ膜16上に形成された第1のめっき被膜17と、ヒートシンク板12の上面側との間に、例えば、BAg−8等のAgCuろう系のろう材18を介して加熱してヒートシンク板12にろう付け接合される工程を有している。このろう付け接合される工程と同時に、高放熱型電子部品収納用パッケージ10の製造方法では、セラミック枠体13に、この上面側のメタライズ膜16a上に形成された第1のめっき被膜17aと、外部接続リード端子14の下面側のセラミック枠体13との当接部との間に、上記と同じ、例えば、BAg−8等のAgCuろう系のろう材18aを介して加熱してセラミック枠体13に外部接続リード端子14をろう付け接合される工程を有している。なお、上記の高放熱型電子部品収納用パッケージ10の製造方法では、ヒートシンク板12が高熱伝導率を確保できると共に、セラミック枠体13のセラミックと熱膨張係数が近似していると共に、セラミック枠体13のセラミックと外部接続リード端子14の金属板の熱膨張係数が近似しているので、それぞれの接合部にクラック等の発生を防止して接合体を形成することができるようになっている。
次いで、図2(C)に示すように、高放熱型電子部品収納用パッケージ10の製造方法では、ヒートシンク板12、メタライズ膜16a上の第1のめっき被膜17a、外部接続リード端子14、及びろう材18の外部に露出する部分の表面にNiや、NiCo等のNiめっき被膜と、更にこの上に設けるAuめっき被膜とからなる第2のめっき被膜19を設けている。そして、高放熱型電子部品収納用パッケージ10の製造方法では、外部接続リード端子14の複数本のそれぞれの隣接間のセラミック枠体13に、このセラミック枠体13上に設けるメタライズ膜16a、第1のめっき被膜17a、及び第2のめっき被膜19を除去する切り欠き溝20をセラミック枠体13の枠幅を横断して設ける工程を有している。この切り欠き溝20は、複数本の外部接続リード端子14をそれぞれ電気的に独立状態にすることができる。また、第2のめっき被膜19は、電子部品51を実装させたり、それぞれの金属部分の外部からの酸化や硫化を防止することができる。
上記の高放熱型電子部品収納用パッケージ10の製造方法では、セラミック枠体13の両主面のそれぞれの全面に高融点金属からなるメタライズ膜16、16aを設けるので、これを作製する過程のセラミックグリーンシートと、高融点金属を同時焼成しても上、下面での焼成収縮が同じで、反りを発生させることなくセラミック枠体13を形成することができる。この反りのないセラミック枠体13は、ヒートシンク板12の上面側に接合部の気密信頼性を高くして接合できると共に、セラミック枠体13の上面側に外部接続リード端子14を接合強度を高くして接合信頼性を高くすることができる。また、上記の高放熱型電子部品収納用パッケージ10の製造方法では、セラミック枠体13の上面側に形成するメタライズ膜16aが外部接続リード端子14が接合される部分にパターン形状を品種毎に形成する必要がなく設計変更や、段取り換えにも能率的に対処することができ、しかも、セラミック枠体へのめっき被膜形成が容易で、作製までの時間と手間が掛からなくて高放熱型電子部品収納用パッケージ10のコストアップを防止することができる。
上記の高放熱型電子部品収納用パッケージ10の製造方法における切り欠き溝20は、レーザーで幅0.1〜0.3mmに除去して設けるのがよい。レーザー加工機は、特に限定するものではないが、連続的にレーザー光を発して、セラミック枠体13上のメタライズ膜16a、第1のめっき被膜17a、及び第2のめっき被膜19を完全に除去できるものがよい。なお、除去幅が0.1mmを下まわる場合には、隣接間の電気的絶縁が充分に取れなくなり、除去幅が0.3mmを超える場合には、加工に要する時間が長くなり、高放熱型電子部品収納用パッケージ10のコストアップとなっている。
上記の製造方法で作製された高放熱型電子部品収納用パッケージ10には、キャビティ部15のヒートシンク板12の上面に電子部品11を搭載し、電子部品11と外部接続リード端子14間をボンディングワイヤで接続して電気的導通を形成した後、キャビティ部15を蓋体で接合して電子部品11をキャビティ部15内に中空状態の気密に封止している。そして、電子部品11が搭載された高放熱型電子部品収納用パッケージ10は、例えば、RF基地局用等デバイス用として、外部と電気的に導通状態とするために外部接続リード端子14をボード基板等に形成された配線パターンに半田で接合するようになっている。また、電子部品11が実装された高放熱型電子部品収納用パッケージ10は、ヒートシンク板12の下面を金属製からなる基台に半田で接合すると共に、場合によって、ねじ等で金属製の基台にねじ止めしている。
本発明の高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法は、この方法で作製された高放熱型電子部品収納用パッケージにシリコンや、ガリウム砒素電界効果トランジスタ等の高周波、高出力の半導体素子等の電子部品を実装させて、例えば、RF(Radio Frequency)基地局用等の電子装置に用いることができる高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法に利用することができる。
10:高放熱型電子部品収納用パッケージ、11:電子部品、12:ヒートシンク板、13:セラミック枠体、14:外部接続リード端子、15:キャビティ部、16、16a:メタライズ膜、17、17a:第1のめっき被膜、18:ろう材、19:第2のめっき被膜、20:切り欠き溝

Claims (2)

  1. 平板状のヒートシンク板の上面に窓枠形状からなるセラミック枠体をろう付け接合して設けると共に、前記セラミック枠体の上面にリードフレーム形状からなる複数本の外部接続リード端子をろう付け接合して設ける高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法において、
    前記セラミック枠体の両主面のそれぞれの全面に、高融点金属からなるメタライズ膜をセラミックグリーンシートと同時焼成して形成した前記メタライズ膜表面に第1のめっき被膜を設けた後、前記ヒートシンク板の上面と前記セラミック枠体の下面側、及び該セラミック枠体の上面側と前記外部接続リード端子の下面をろう材を介して加熱接合する工程と、
    前記ヒートシンク板、前記第1のめっき被膜、前記外部接続リード端子、及び前記ろう材の外部に露出する部分の表面に第2のめっき被膜を設けた後、前記外部接続リード端子の前記複数本のそれぞれの隣接間の前記セラミック枠体に前記メタライズ膜、前記第1のめっき被膜、及び前記第2のめっき被膜を除去する切り欠き溝を前記セラミック枠体の枠幅を横断して設ける工程を有することを特徴とする高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法。
  2. 請求項1記載の高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法において、前記切り欠き溝をレーザーで幅0.1〜0.3mmに除去して設けることを特徴とする高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法。
JP2010129554A 2010-06-07 2010-06-07 高放熱型電子部品収納用パッケージの製造方法 Pending JP2011258618A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015204426A (ja) * 2014-04-16 2015-11-16 Ngkエレクトロデバイス株式会社 電子部品収納用パッケージ

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