JP2011257143A - シンチレータパネル及び放射線イメージセンサ - Google Patents

シンチレータパネル及び放射線イメージセンサ Download PDF

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Abstract

【課題】 製造時における特性の変更が容易なシンチレータパネル及び放射線イメージセンサを提供する。
【解決手段】
本発明に係るシンチレータパネル1は、本発明に係るシンチレータパネル1は、放射線の入射面3aを有するシンチレータ3と、シンチレータ3に対して入射面3aの反対側に配置され、シンチレータ3で生じた光を伝播させるFOP2と、シンチレータ3に対して入射面3a側に色材を含む樹脂により形成され、シンチレータ3で生じた光の吸収及び反射の少なくとも一方を行う樹脂層5と、を備える。本発明に係るシンチレータパネル1によれば、樹脂層5を構成する色材を変えることで、樹脂層5における光の反射率や吸収率を変更することができるので、色材の変更によるシンチレータパネル1の特性の容易な変更が実現される。このことは、特性の異なるシンチレータパネルを新たに製造する際に生じるコストを大きく低減させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、放射線の検出に利用されるシンチレータパネル及び放射線イメージセンサに関する。
従来、放射線の検出に利用されるシンチレータパネルとして、特許文献1に開示されたものが知られている。特許文献1には、光を透過するファイバオプティックスプレートと、ファイバオプティックスプレートの上に形成されたシンチレータと、このシンチレータを覆う第1のポリパラキシリレン膜と、第1のポリパラキシリレン膜上に形成されたAl(アルミニウム)膜と、Al膜上に形成された第2のポリパラキシリレン膜と、を備えたシンチレータパネルが開示されている。
特開2005−338067号公報 特公平5―39558号公報 特開2004−239713号公報 特開2000−9847号公報 特許4156709号公報 国際公開第99/66346号 特開平9−297181号公報 特開昭55−163500号公報 特開昭56−12600号公報
しかしながら、上述したようなシンチレータパネルにおいては、その構成上、製造時に光出力や解像度等の特性を変更することが容易ではないという問題があった。このため、顧客の要望に応じた特性のシンチレータパネルを新たに設計する際には多大なコストが生じる。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、製造時における特性の変更が容易なシンチレータパネル及び放射線イメージセンサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るシンチレータパネルは、放射線の入射面を有するシンチレータと、シンチレータに対して入射面の反対側に配置され、シンチレータで生じた光を伝播させるファイバオプティックスプレートと、シンチレータに対して入射面側に色材を含む樹脂により形成され、シンチレータで生じた光の吸収及び反射の少なくとも一方を行う樹脂層と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るシンチレータパネルによれば、樹脂層を構成する色材を変えることで、樹脂層における光の反射率や吸収率を変更することができるので、製造時に色材を変更することでシンチレータパネルの特性の容易な変更が実現される。このことは、特性の異なるシンチレータパネルを新たに製造する際に生じるコストを大きく低減させる。
本発明に係るシンチレータパネルにおいては、シンチレータと樹脂層との間に形成された第1の有機膜を更に備えることが好ましい。
このような構成によれば、樹脂層に水分が浸入したとしても第1の有機膜が防湿性保護膜として機能することによってシンチレータに水分が浸入することを抑制できるので、水分の浸入によるシンチレータの性能劣化を避けることができる。このことは、シンチレータパネルの高寿命化に寄与する。
本発明に係るシンチレータパネルにおいては、樹脂層に対してシンチレータの反対側に形成された第2の有機膜を更に備えることが好ましい。
このような構成によれば、第2の有機膜により樹脂層の剥がれ防止を図ることができる。また、防湿性保護膜として機能することによって外部からシンチレータや樹脂層に水分が浸入することを抑制できるので、水分の浸入によるシンチレータや樹脂層の性能劣化が回避され、シンチレータパネルの高寿命化を図ることができる。
本発明に係るシンチレータパネルにおいては、シンチレータと樹脂層との間に形成された第1の有機膜と、樹脂層上に形成された第2の有機膜と、を更に備え、樹脂層は、樹脂層の外周縁の外側において第1の有機膜と第2の有機膜とが密着していることが好ましい。
このような構成によれば、第1及び第2の有機膜によって樹脂層を外気から遮断することが可能になるので、樹脂層に水分が浸入することを防止することができる。これにより、水分浸入による樹脂層の性能劣化が避けることができるので、シンチレータパネルの高寿命化を図ることができる。
本発明に係るシンチレータパネルにおいては、第1の有機膜の膜厚は、第2の有機膜の膜厚より薄いことが好ましい。
この場合、第1の有機膜の膜厚を薄くすることで、シンチレータで生じた光が第1の有機膜内で散乱し、これらの散乱光がシンチレータパネルから出力されることを抑制することができる。従って、このシンチレータパネルによれば、散乱光がシンチレータパネルから出力されることを抑制できるので、シンチレータパネルの性能向上を図ることができる。
本発明に係るシンチレータパネルにおいては、第1の有機膜の膜厚は、単分子膜レベルの0.05μm〜5μmであり、第2の有機膜の膜厚は、7μm〜2000μmであることが好ましい。より好ましくは10μm〜30μmである。
本発明に係るシンチレータパネルにおいては、第1の有機膜の外周縁は、ファイバオプティックスプレートの側面に至っていることが好ましい。
この場合、第1の有機膜によってファイバオプティックスプレート上のシンチレータの側面が覆われるので、外部からシンチレータに水分が浸入することを好適に抑制でき、シンチレータパネルの更なる高寿命化を図ることができる。
本発明に係るシンチレータパネルにおいては、樹脂層の外周縁は、入射面の外縁と一致していることが好ましい。
この場合、樹脂層の外周縁はシンチレータの入射面から突出しないので、入射面から突出した樹脂層により第1の有機膜と第2の有機膜との密着可能な領域が狭められることを避けることができる。これにより、第1及び第2の有機膜の密着可能な領域を十分に確保することができるので、信頼性の高い樹脂層の保護が実現される。
本発明に係るシンチレータパネルにおいては、樹脂層の外周縁は、シンチレータのうち入射面と略直交する面に位置することが好ましい。
この場合、樹脂層はシンチレータの入射面と略直交する面まで回り込んで形成されるので、シンチレータ内で生じた光が当該略直交する面に向かったとしても樹脂層による反射や吸収を行うことが可能になる。また、樹脂層の外周縁はファイバオプティックスプレートまで至っていないので、ファイバオプティックスプレートの外周において第1の有機膜と第2の有機膜とが密着する領域を確保することができ、信頼性の高い樹脂層の保護が実現される。
上記目的を達成するために、本発明に係る放射線イメージセンサは、放射線の入射面を有するシンチレータと、シンチレータに対して入射面の反対側に配置され、シンチレータで生じた光を撮像する撮像素子と、シンチレータに対して入射面側に色材を含む樹脂により形成され、シンチレータで生じた光の吸収及び反射の少なくとも一方を行う樹脂層と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る放射線イメージセンサによれば、樹脂層を構成する色材を変えることで、樹脂層における光の反射率や吸収率を変更することができるので、製造時に色材を変更することで放射線イメージセンサの特性の容易な変更が実現される。このことは、特性の異なる放射線イメージセンサを新たに製造する際に生じるコストを大きく低減させる。
本発明に係る放射線イメージセンサにおいては、シンチレータと樹脂層との間に形成された第1の有機膜を更に備えることが好ましい。
このような構成によれば、樹脂層に水分が浸入したとしても第1の有機膜が防湿性保護膜として機能することによってシンチレータに水分が浸入することを抑制できるので、水分の浸入によるシンチレータの性能劣化を避けることができる。このことは、放射線イメージセンサの高寿命化に寄与する。
本発明に係る放射線イメージセンサにおいては、樹脂層に対してシンチレータの反対側に形成された第2の有機膜を更に備えることが好ましい。
このような構成によれば、第2の有機膜により樹脂層の剥がれ防止を図ることができる。また、防湿性保護膜として機能することによって外部からシンチレータや樹脂層に水分が浸入することを抑制できるので、水分の浸入によるシンチレータや樹脂層の性能劣化が回避され、放射線イメージセンサの高寿命化を図ることができる。
本発明に係る放射線イメージセンサにおいては、シンチレータと樹脂層との間に形成された第1の有機膜と、樹脂層に対してシンチレータの反対側に形成された第2の有機膜と、を更に備え、樹脂層の外周縁の外側において第1の有機膜と第2の有機膜とが密着していることが好ましい。
このような構成によれば、第1及び第2の有機膜によって樹脂層を外気から遮断することが可能になるので、樹脂層に水分が浸入することを防止することができる。これにより、水分浸入による樹脂層の性能劣化が避けることができるので、放射線イメージセンサの高寿命化を図ることができる。
本発明に係る放射線イメージセンサにおいては、第1の有機膜の膜厚は、第2の有機膜の膜厚より薄いことが好ましい。
この場合、第1の有機膜の膜厚を薄くすることで、シンチレータで生じた光が第1の有機膜内で散乱し、これらの散乱光が放射線イメージセンサで検出されることを抑制することができる。従って、この放射線イメージセンサによれば、第1の有機膜内で散乱した散乱光が検出されることを抑制できるので、放射線イメージセンサの性能向上を図ることができる。
本発明に係る放射線イメージセンサにおいては、第1の有機膜の膜厚は、単分子膜レベルの0.05μm〜5μmであり、第2の有機膜の膜厚は、7μm〜2000μmであることが好ましい。より好ましくは10μm〜30μmである。
本発明に係る放射線イメージセンサにおいては、第1の有機膜の外周縁は、撮像素子の外面に至っていることが好ましい。
この場合、第1の有機膜によって撮像素子上のシンチレータの側面が覆われるので、外部からシンチレータに水分が浸入することを好適に抑制でき、放射線イメージセンサの更なる高寿命化を図ることができる。
本発明に係る放射線イメージセンサにおいては、樹脂層の外周縁は、入射面の外縁と一致していることが好ましい。
この場合、樹脂層の外周縁はシンチレータの入射面から突出しないので、入射面から突出した樹脂層により第1の有機膜と第2の有機膜との密着可能な領域が狭められることを避けることができる。これにより、第1及び第2の有機膜の密着可能な領域を十分に確保することができるので、信頼性の高い樹脂層の保護が実現される。
本発明に係る放射線イメージセンサにおいては、樹脂層の外周縁は、シンチレータのうち入射面と略直交する面に位置することが好ましい。
この場合、樹脂層はシンチレータの入射面と略直交する面まで回り込んで形成されるので、シンチレータ内で生じた光が当該略直交する面に向かったとしても樹脂層による反射や吸収を行うことが可能になる。また、樹脂層の外周縁より第1の有機膜及び第2の有機膜の外周縁を突出させることで、第1の有機膜と第2の有機膜とが密着する領域を確保することができ、信頼性の高い樹脂層の保護が実現される。
本発明によれば、シンチレータパネル及び放射線イメージセンサの製造時における特性の変更を容易に実現することができる。
本発明に係るシンチレータパネル及び放射線イメージセンサの第1の実施形態を示す断面図である。 シンチレータパネルの解像度及び光出力と樹脂層の色との関係を示すグラフである。 本発明に係るシンチレータパネルの第2の実施形態を示す断面図である。 シンチレータパネルの光出力のライフ特性と樹脂層の色との関係を示すグラフである。 シンチレータパネルの解像度のライフ特性と樹脂層の色との関係を示すグラフである。 本発明に係るシンチレータパネルの第3の実施形態を示す断面図である。 本発明に係るシンチレータパネルの第4の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る放射線イメージセンサの他の実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。尚、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図における寸法、形状、大小関係は実際のものと必ずしも同一ではない。
[第1実施形態]
図1に示されるように、本実施形態のシンチレータパネル1は、X線等の放射線をシンチレーション光に変換するものであり、シンチレーション光を撮像可能な撮像素子7と共に放射線イメージセンサ10を構成する。放射線イメージセンサ10を構成する撮像素子7としては、薄膜トランジスタにフォトダイオードアレイを組み合わせたものやCCDイメージセンサなどが採用される。
シンチレータパネル1は、ファイバオプティックスプレート(以下、FOPという)2、シンチレータ3、防湿性保護膜として機能する第1の有機膜4、樹脂層5、及び防湿性保護膜として機能する第2の有機膜6から構成されている。FOP2は、多数の光ファイバを束ねて一体化させ、プレート状に形成したものである。FOP2の一方の側の主面2a上には、シンチレータ3が形成されている。また、FOP2の他方の側の主面2bには、撮像素子7が設けられている。FOP2は、シンチレータ3側から主面2aに入射した光を主面2b側すなわち撮像素子7側に伝播する。
シンチレータ3は、Tl(タリウム)をドープしたCsI(ヨウ化セシウム)の針状結晶からなる蛍光体であり、入射した放射線をシンチレーション光に変換する。シンチレータ3は、FOP2の一方の側の主面2a上に形成されている。シンチレータ3のFOP2と反対の側には放射線の入射する入射面3aが形成されている。また、シンチレータ3は、略直方体状をなしており、その側面3cは入射面3aと直交している。
FOP2及びシンチレータ3は、ポリパラキシリレン製の第1の有機膜4によって覆われている。第1の有機膜4は、シンチレータ3に対する水分の浸入を防ぐためのものである。第1の有機膜4は、シンチレータ3の入射面3a及び側面3cとFOP2のうち他方の側の主面2b以外の部位とを覆っている。この第1の有機膜4の外周縁4aは、FOP2の側面2cに至っている。第1の有機膜4の外周縁4aは、FOP2の主面2bと同一の平面内に位置している。
第1の有機膜の膜厚は、0.05μm〜5μmであることが好ましい。第1の有機膜の膜厚が0.05μm未満になると、樹脂層5を形成する面の均一性を保つことが難しくなる。また、第1の有機膜の膜厚が5μmを超えると、シンチレーション光が第1の有機膜を通過する際に散乱等が生じやすくなり、シンチレータパネル1の性能低下を招く可能性が高くなる。
樹脂層5は、シンチレータ3で生じるシンチレーション光を吸収する光吸収層やシンチレーション光を反射する光反射層として機能するものである。樹脂層5は、第1の有機膜4上でシンチレータ3の入射面3aを覆うように形成されている。樹脂層5は、シンチレータ3の入射面3aを超えて側面3cに回り込むように形成されており、その外周縁5aはシンチレータ3の側面3cに位置している。また、樹脂層5は、色材を含む樹脂から形成されており、樹脂層5の色は色材の種類により決定される。この色材の種類を変えることで、樹脂層5の色すなわち樹脂層5の光の吸収率及び反射率を変更することができる。
樹脂層5上には、樹脂層5を保護するための第2の有機膜6が形成されている。第2の有機膜6は、第1の有機膜4と同じポリパラキシリレン膜であり、樹脂層5及び第1の有機膜4の外側を覆っている。この第2の有機膜6の外周縁6aは、FOP2の側面2cに至っている。第2の有機膜6の外周縁6aは、FOP2の主面2bと同一の平面内に位置している。
第2の有機膜6の膜厚は、第1の有機膜4の膜厚より厚く形成されている。第2の有機膜の膜厚は、7μm〜2000μmであることが好ましい。より好ましくは10μm〜30μmである。第2の有機膜6の膜厚が7μm未満になると、シンチレータパネル1の耐湿性の確保が難しくなる。第2の有機膜6の膜厚はX線透過率を低下させなければ特に膜厚は限定されないが、製造や使用の観点から2000μmが上限である。そして、耐湿性の向上、X線透過率、製造の点から10μm〜30μmがより好ましい。尚、第2の有機膜が主として防湿性保護膜として機能するので、第1の有機膜にピンホール等が存在していても全体として均一な膜が形成されていれば良く、第1の有機膜にピンホール等が存在していても第2の有機膜との相乗効果により有機膜が1層だけのものに比べて防湿性が向上する。
第2の有機膜6と第1の有機膜4とは、樹脂層5を挟み込んでおり、樹脂層5の外周縁5aの外側において互いに密着している。換言すると、第2の有機膜6と第1の有機膜4とは、樹脂層5を外気と遮断して密封状態にしている。なお、FOP2のうち他方の側の主面2bのみは、第1の有機膜4や第2の有機膜6に覆われず外部に露出している。
以上の構成を備える第1の実施形態に係るシンチレータパネル1では、パネル上方からX線等の放射線が照射されると、シンチレータ3内で放射線がシンチレーション光に変換され、発生したシンチレーション光がFOP2の主面2aに入射する。主面2aに入射した光はFOP2内を伝播して他方の側の主面2bから出射される。そして、他方の側の主面2bから出射された光が撮像素子7によって撮像されることにより放射線イメージセンサ10における放射線検出が行われる。
また、シンチレータパネル1の樹脂層5は、シンチレータ3で発生したシンチレーション光のうち樹脂層5側(FOP2と反対側)に進行する光の吸収や反射を行う。この樹脂層5がシンチレーション光を吸収することで、シンチレーション光におけるクロストーク成分が減少し、放射線イメージセンサで得られる放射線イメージの解像度を向上させることができる。また、樹脂層5がシンチレーション光をFOP2側に反射することで、FOP2から外部へ出射される光出力を増大させることができる。
次に、第1の実施形態に係るシンチレータパネル1の製造方法について図1を参照して説明する。
まずFOP2を100度まで加熱する。そして、蒸着法によりFOP2の主面2a上にTlをドープしたCsIの針状結晶を成長させ、シンチレータ3を形成する。
次に、シンチレータ3が形成されたFOP2をCVD[Chemical Vapor Deposition]装置の蒸着室に入れる。この蒸気室内では、ポリパラキシリレンの原料を昇華させて得た蒸気中にFOP2を露出させるCVD法により第1の有機膜4を成膜する。第1の有機膜4は、シンチレータ3とFOP2の側面2c及び主面2aとを覆うように形成される。
続いて、第1の有機膜4が形成されたFOP2上に特定色の色材を含む樹脂からなる塗料を塗装することで樹脂層5が形成される。このような塗料としては、有機溶剤等にバインダーとなる樹脂を溶かし込み、着色成分となる色材として顔料を混ぜた一般的なものが利用できる。また、塗料の種類についても、エナメル塗料、ラッカー塗料、ウレタン塗料などの様々な種類のものが利用できる。塗料の塗装方法としては、塗料を霧状に吹き付けるスプレー塗装や刷毛塗り、ディップコート、スピンコートなどが用いられる。このとき、樹脂層5の形成に用いられる塗料の色(色材の色)を変えることで樹脂層5における光の吸収率及び反射率を変更することができる。
その後、樹脂層5が形成されたFOP2を再びCVD装置の蒸着室に入れ、第1の有機膜4と同様にCVD法により第2の有機膜6を成膜する。第2の有機膜6は、樹脂層5及び第1の有機膜4を覆うように形成される。この工程により、樹脂層5は第1の有機膜4と第2の有機膜6とによって挟み込まれ密封状態になる。以上の工程を行うことで第1の実施形態に係るシンチレータパネル1が製造される。
続いて、第1の実施形態に係るシンチレータパネル1の光出力及び解像度と樹脂層5の色との関係について説明する。本発明者らは、樹脂層5の色が異なる複数のシンチレータパネル1に対してX線照射を行い、光出力及び解像度を測定した。測定時におけるX線照射条件は次の通りである。
(A)X線管電圧:30kv
(B)X線管電流:1.5mA
(C)アルミニウムフィルターの厚さ:0.3mm
以上の条件によるシンチレータパネル1の光出力及び解像度の測定結果を図2に示す。図2の横軸は解像度であり、縦軸は光出力である。シンチレータパネル1の解像度及び光出力について、シンチレータの放射線入射側にAl(アルミニウム)の反射膜を形成して輝度特性を高くしたシンチレータパネル(以下「タイプA」、具体的には国際公報WO99/66350の図1に記載されたように、FOP、シンチレータ、第1の保護膜、アルミニウム反射膜、第2の保護膜の順で構成されている)を基準として相対的に評価を行った。図2において、Xwhは白色塗料、Xbrは黒色塗料、Xgraは灰色塗料、Xgreは緑色塗料、Xreは赤色塗料、Xblは青色塗料、Xyeは黄色塗料によりそれぞれ樹脂層5が形成されたシンチレータパネル1の特性を示している。Xwh、Xbr、Xgra、Xgre、Xre、Xbl、Xyeでは、第1の有機膜4の膜厚と第2の有機膜6の膜厚とを同じ値としている。
また、XwhTは、第1の有機膜4の膜厚のみがXwhと異なるシンチレータパネルの特性を示している。XwhTにおける第1の有機膜4の膜厚は、Xwhにおける第1の有機膜4及び第2の有機膜6の膜厚の5分の1である。
また、図2において、Y,Y1,Y2は第1の実施形態に係るシンチレータパネル1とは構成の異なる比較例である。Yは、FOP2、シンチレータ3、及び第1の有機膜4のみから構成されたシンチレータパネルの特性を示している。Y1は、上述したタイプAの特性を示している。また、Y2は、タイプAと異なり反射膜を形成せずに解像度特性を高くしたシンチレータパネル(以下「タイプB」、具体的には、FOP、シンチレータ、金属吸収膜、保護膜の順で構成されている)の特性を示している。
図2に示されるように、樹脂層5の色を変更することにより、様々な種類の光出力及び解像度を有するシンチレータパネル1を得られた。また、白色塗料を用いたシンチレータパネル1は他のシンチレータパネルと比べて光出力が高く解像度が低い特性を示し、黒色塗料を用いたシンチレータパネル1は他のシンチレータパネルと比べて光出力が低く解像度が高い特性を示した。
次に、第1の実施形態に係るシンチレータパネル1の作用効果について説明する。
第1の実施形態に係るシンチレータパネル1によれば、樹脂層5を構成する色材を変えることで、樹脂層5における光の反射率や吸収率を変更することができるので、製造に用いる色材を変更することでシンチレータパネル1の特性の容易な変更が実現される。このことは特性の異なるシンチレータパネルを新たに製造する際に生じるコストを大きく低減させる。
また、このシンチレータパネル1によれば、第2の有機膜6によって樹脂層5の剥がれ防止を図ることができる。また、外部からシンチレータ3や樹脂層5に水分が浸入することを抑制できる。さらに、第1の有機膜4によって樹脂層5に水分が浸入したとしてもシンチレータ3に水分が浸入することを抑制できる。従って、このシンチレータパネル1によれば、水分の浸入によるシンチレータ3や樹脂層5の性能劣化を避けることができるので、シンチレータパネル1の高寿命化を図ることができる。
さらに、このシンチレータパネル1によれば、第1の有機膜4及び第2の有機膜6の二重の保護膜を備えることにより、シンチレータパネル1の耐湿性の向上すなわち高寿命化を図ることができる。しかも、二重の保護膜4,6を備えることにより、第1の有機膜4のみを備える場合と比べて、防湿性を確保しつつ第1の有機膜4の薄型化が可能になる。これにより、第1の有機膜4の膜厚を薄くすることで、シンチレータ3で生じたシンチレーション光が第1の有機膜4内で散乱し、これらの散乱光がシンチレータパネル1から出力されることを抑制することができる。従って、このシンチレータパネル1によれば、防湿性を確保しつつ散乱光が出力されることを抑制できるので、シンチレータパネル1の性能向上を図ることができる。
また、このシンチレータパネル1によれば、第1の有機膜4の外周縁は、FOP2の側面2cに至っているため、シンチレータ3の側面3cも第1の有機膜4によって覆われ、外部からシンチレータ3に水分が浸入することを好適に抑制できる。しかも、第1の有機膜4と第2の有機膜6とが樹脂層5の外周縁5aの外側において互いに密着することで、樹脂層5を外気から遮断して密封状態にしているので、樹脂層5に水分が浸入することを確実に防止することができる。さらに、樹脂層5はシンチレータ3の入射面3aと略直交する側面3cまで回り込んで形成されるので、シンチレータ3内で生じた光が側面3cに向かったとしても樹脂層5による反射や吸収を行うことが可能になる。また、樹脂層5の外周縁5aはシンチレータ3の側面3cに位置しており、FOP2の側面2cには至らないので、FOP2の側面2cにおいて第1の有機膜4と第2の有機膜6とが密着する領域を確保することができ、信頼性の高い樹脂層5の保護が実現される。このことは、シンチレータパネル1の高寿命化に寄与する。
[第2実施形態]
図3に示されるように、第2の実施形態に係るシンチレータパネル11は、樹脂層12の形状が第1の実施形態に係るシンチレータパネル1と相違する。すなわち、樹脂層12は、シンチレータ3を覆うだけではなく、第1の有機膜4に沿ってFOP2の側面2cまで覆うように形成されている。また、樹脂層12が第1の有機膜4及び第2の有機膜6によって密封されておらず、その外周縁12aは外部に露出している。
このように構成されたシンチレータパネル11では、樹脂層12に対する水分の浸入が生じるおそれがあることを除いて、第1の実施形態に係るシンチレータパネル1と同様の効果を得ることができる。このようなシンチレータパネル11においては、樹脂層12に対する水分の浸入を防ぐため、塗料に含まれる樹脂を吸湿性の低いフッ素樹脂やシリコン樹脂などに変更するなどの対策を行うことが好ましい。
ここで、以上説明した第1の実施形態及び第2の実施形態に係るシンチレータパネルのライフ特性(高温・高湿度環境に対する耐性)と樹脂層の色との関係について説明する。本発明者らは、試験対象となるシンチレータパネルを温度50度、湿度90%の環境下に置き、時間経過に伴う光出力及び解像度の変化を測定した。測定結果を図4及び図5に示す。図4は、シンチレータパネルの光出力のライフ特性と樹脂層の色との関係を示すグラフである。図5は、シンチレータパネルの解像度のライフ特性と樹脂層の色との関係を示すグラフである。なお、図4及び図5では、光出力及び解像度を試験開始前の初期値を100とした相対値で表す。
図4及び図5において、Xwh1は白色塗料により樹脂層5を形成した第1の実施形態に係るシンチレータパネル1の特性を示し、Xwh2は白色塗料により樹脂層12を形成した第2の実施形態に係るシンチレータパネル11の特性を示している。また、Xbr1は黒色塗料により樹脂層5を形成した第1の実施形態に係るシンチレータパネル1の特性を示し、Xbr2は黒色塗料により樹脂層12を形成した第2の実施形態に係るシンチレータパネル11の特性を示している。Xbr3は、黒色塗料により樹脂層5を形成した第1の実施形態に係るシンチレータパネル1について更にポリパラキシリレンの保護膜を二重に形成したシンチレータパネルの特性を示している。同様に、Xbr4は、黒色塗料により樹脂層12を形成した第2の実施形態に係るシンチレータパネル11について更にポリパラキシリレンの保護膜を二重に形成したシンチレータパネルの特性を示している。また、Y1は上述のタイプA、Y2は上述のタイプBである。それぞれ樹脂層の代わりにAl膜を用いたシンチレータパネルの特性を示している。
図4に示されるように、光出力のライフ特性については、第1の実施形態に係るシンチレータパネル1と第2の実施形態に係るシンチレータパネル11との間で著しい差はなかった。また、第1の実施形態及び第2の実施形態に係るシンチレータパネル共に白色塗料を用いた場合(Xwh1、Xwh2)よりも黒色塗料を用いた場合(Xbr1、Xbr2)の方が経過時間に伴う変化が大きく現れた。また、タイプA、タイプBのシンチレータパネルの特性Y1,Y2を除き、各シンチレータパネルの光出力は経過時間と共にやや増加傾向にあった。
図5に示されるように、解像度のライフ特性については、白色塗料を用いた場合、第1の実施形態に係るシンチレータパネル1(Xwh1)よりも第2の実施形態に係るシンチレータパネル11(Xwh2)の方が低く、Xwh2は経過時間に伴って大きく解像度が低下した。一方、黒色塗料を用いた場合においては第1の実施形態に係るシンチレータパネル1及び第2の実施形態に係るシンチレータパネル11の間で著しい差はなかった。また、第1の実施形態に係るシンチレータパネル1においては、白色塗料を用いた場合(Xwh1)よりも黒色塗料を用いた場合(Xbr1)の方がより早く解像度の低下が生じた。第2の実施形態に係るシンチレータパネル11においては、第1の実施形態と異なり、黒色塗料を用いた場合(Xbr2)よりも白色塗料を用いた場合(Xwh2)の方がより早く解像度の低下が生じた。
また、第1の実施形態に係るシンチレータパネル1においては、保護膜を追加しない場合(Xbr1)よりも保護膜を追加した場合(Xbr3)の方が解像度の低下が少なくライフ特性が向上した。一方、第1の実施形態に係るシンチレータパネル1においては、保護膜を追加した場合(Xbr2)よりも保護膜を追加しない場合(Xbr4)の方が解像度の低下が少なかった。また、タイプA、タイプBのシンチレータパネルの特性Y1,Y2と比較すると、本発明に係るシンチレータパネルはいずれも高い解像度のライフ特性が得られた。
以上説明した第1の実施形態及び第2の実施形態に係るシンチレータパネルでは、金属膜(金属反射膜や金属吸収膜)ではなく塗料(色材を含む樹脂)から形成される樹脂層を光吸収層や光反射層として採用している。このため、シンチレータ3を構成するCsIとAlとの反応によりシンチレータパネルの性能劣化を招く事態を避けることができ、これによってシンチレータパネル1の高寿命化を図ることができる。
[第3実施形態]
図6に示されるように、第3の実施形態に係るシンチレータパネル21は、第1の有機膜4を備えず樹脂層22がシンチレータ3に対して直接形成されている点が第1の実施形態に係るシンチレータパネル1と相違する。すなわち、樹脂層22は、シンチレータ3の入射面3a及び側面3cに特定色の塗料を直接塗装することで形成され、シンチレータ3及びFOP2を覆う保護膜は第2の有機膜6のみとなる。
このように構成された第3の実施形態に係るシンチレータパネル21によっても、第1の実施形態に係るシンチレータパネル1と同様の作用効果が奏される。また、第1の有機膜4を形成する工程が不要となるため、製造時間の短縮及び製造コストの低下を図ることができる。
[第4実施形態]
図7に示されるように、第4の実施形態に係るシンチレータパネル31は、第1の有機膜4を備えず樹脂層32がシンチレータ3上に直接形成されている点が第2の実施形態に係るシンチレータパネル11と相違する。すなわち、樹脂層32は、シンチレータ3上に特定色の塗料を直接塗装することにより形成され、シンチレータ3を覆う保護膜は第2の有機膜6のみとなる。また、第2の実施形態に係るシンチレータパネル11と同様に、樹脂層32の外周縁32aが外部に露出している。
このように構成された第4の実施形態に係るシンチレータパネル31によっても、第2の実施形態に係るシンチレータパネル11と同様の作用効果が奏される。また、第3の実施形態に係るシンチレータパネル21と同様に、第1の有機膜4の形成工程が不要となるため、製造時間の短縮及び製造コストの低下を図ることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
図8は、他の実施形態に係る放射線イメージセンサ20を示す断面図である。図8に示す放射線イメージセンサ20は、第1の実施形態に係る放射線イメージセンサ10と比べて、FOP2を備えない点が主に相違する。すなわち、放射線イメージセンサ20では、FOP2の主面2aに代えて撮像素子7の受光面(外面)7a上にシンチレータ3が蒸着形成されている。なお、撮像素子7の受光面7aとシンチレータ3との間には、窒化シリコンや酸化シリコンからなるパッシベーション膜が形成されていても良い。
シンチレータ3は、防湿性保護膜として機能する第1の有機膜4によって覆われている。この第1の有機膜4は、第1の実施形態と形状のみ異なっている。第1の有機膜4は、シンチレータ3の入射面3a及び側面3cを覆っている。第1の有機膜4の外周側は、撮像素子7の受光面7aに沿ってシンチレータ3の側方に屈曲している。第1の有機膜4の外周縁4aは、撮像素子7の受光面7aに位置している。なお、撮像素子7のうち第1の有機膜4に覆われていない外周部分には、外部と電気接続するためのボンディングパッドが形成されている。
第1の有機膜4上には、樹脂層5が形成されている。樹脂層5も第1の実施形態と比べて形状のみ異なっている。樹脂層5の外周側は、撮像素子7の受光面7aに沿ってシンチレータ3の側方に屈曲している。樹脂層5の外周縁5aは、第1の有機膜4の外周縁4aと一致している。
樹脂層5上には、防湿性保護膜として機能する第2の有機膜6が形成されている。第2の有機膜6も第1の実施形態と比べて形状のみ異なっている。第2の有機膜6の外周側は、撮像素子7の受光面7aに沿ってシンチレータ3の側方に屈曲している。第2の有機膜6の外周縁6aは、第1の有機膜4の外周縁4a及び樹脂層5の外周縁5aと一致している。
第1の有機膜4の外周縁4a、樹脂層5の外周縁5a、及び第2の有機膜6の外周縁6aは、被覆樹脂8によって覆われている。被覆樹脂8には、例えばアクリル系の接着剤が用いられる。
以上の構成を備える放射線イメージセンサ20では、パネル上方からX線等の放射線が照射されると、シンチレータ3内で放射線がシンチレーション光に変換され、発生したシンチレーション光が撮像素子7の受光面7aに入射する。また、シンチレーション光のうちシンチレータ3の入射面3a側に進んだ光は、第1の有機膜4を通り抜けて樹脂層5に到達する。樹脂層5では、シンチレーション光の吸収又は反射が行われる。樹脂層5で反射したシンチレーション光は、第1の有機膜4及びシンチレータ3を通り抜けて撮像素子7の受光面7aに入射する。放射線イメージセンサ20は、撮像素子7の撮像したシンチレーション光に基づいて放射線の検出を行う。
以上説明した放射線イメージセンサ20によれば、第1の実施形態に係る放射線イメージセンサ10とほぼ同様の作用効果が奏される。すなわち、この放射線イメージセンサ20によれば、樹脂層5を構成する色材を変えることで、樹脂層5における光の反射率や吸収率を変更することができるので、製造に用いる色材を変更することで放射線イメージセンサ20の特性の容易な変更が実現される。このことは特性の異なる放射線イメージセンサ20を新たに製造する際に生じるコストを大きく低減させる。
また、この放射線イメージセンサ20によれば、第2の有機膜6によって樹脂層5の剥がれ防止を図ることができる。また、外部からシンチレータ3や樹脂層5に水分が浸入することを抑制できる。さらに、第1の有機膜4によって樹脂層5に水分が浸入したとしてもシンチレータ3に水分が浸入することを抑制できる。従って、この放射線イメージセンサ20によれば、水分の浸入によるシンチレータ3や樹脂層5の性能劣化を避けることができるので、放射線イメージセンサ20の高寿命化を図ることができる。
さらに、この放射線イメージセンサ20によれば、第1の有機膜4及び第2の有機膜6の二重の保護膜を備えることにより、放射線イメージセンサ20の耐湿性の向上すなわち高寿命化を図ることができる。しかも、二重の保護膜4,6を備えることにより、第1の有機膜4のみを備える場合と比べて、防湿性を確保しつつ第1の有機膜4の薄型化が可能になる。これにより、第1の有機膜4の膜厚を薄くすることで、シンチレータ3で生じたシンチレーション光が第1の有機膜4内で散乱し、これらの散乱光が放射線イメージセンサ20で検出されることを抑制することができる。従って、この放射線イメージセンサ20によれば、防湿性を確保しつつ、第1の有機膜4内で散乱した散乱光が検出されることを抑制できるので、放射線イメージセンサ20の性能向上を図ることができる。
また、この放射線イメージセンサ20によれば、第1の有機膜4の外周縁は、撮像素子7の受光面7aに至っているため、シンチレータ3の側面3cが第1の有機膜4によって確実に覆われ、外部からシンチレータ3に水分が浸入することを好適に抑制できる。しかも、第1の有機膜4と第2の有機膜6とが樹脂層5の外周縁5aの外側において互いに密着することで、樹脂層5を外気から遮断して密封状態にしているので、樹脂層5に水分が浸入することを確実に防止することができる。さらに、樹脂層5はシンチレータ3の入射面3aと略直交する側面3cまで回り込んで形成されるので、シンチレータ3内で生じた光が側面3cに向かったとしても樹脂層5による反射や吸収を行うことが可能になる。また、この放射線イメージセンサ20によれば、FOP2を備えないため、第1の実施形態に係る放射線イメージセンサ10と比べて部品点数の削減及び装置の小型化を図ることができる。
なお、この放射線イメージセンサ20において、樹脂層5の外周縁5aはシンチレータ3の側面3cに位置していても良い。すなわち、樹脂層5の外周縁5aは、第1の有機膜4の外周縁4a及び第2の有機膜6の外周縁6aに至らず、第1の有機膜4を挟んでシンチレータ3の側面3c上に形成されていても良い(図1参照)。この場合、第1の有機膜4及び第2の有機膜6は、樹脂層5の外側において互いに密着する領域を確保することができるので、樹脂層5が2つの保護膜4,6で確実に密封され、信頼性の高い樹脂層5の保護が実現される。
また、上述した放射線イメージセンサ20や各実施形態に係るシンチレータパネルにおいて、樹脂層5の外周縁5aがシンチレータ3の入射面3aの外縁3bと一致している態様であってもよい。この場合、樹脂層5はシンチレータ3の入射面3aのみを覆い、樹脂層5の外周縁5aはシンチレータ3の入射面3aから突出しないので、入射面3aから突出した樹脂層5により第1の有機膜4と第2の有機膜6との密着可能な領域が狭められることを避けることができる。これにより、第1の有機膜4及び第2の有機膜6の密着可能な領域を十分に確保することができるので、信頼性の高い樹脂層5の保護が実現される。
また、シンチレータ3としては、TlをドープしたCsIの他、Na(ナトリウム)をドープしたCsI、TlをドープしたNaI(ヨウ化ナトリウム)、Eu(ユウロピウム)をドープしたLiI(ヨウ化リチウム)、TlをドープしたKI(ヨウ化カリウム)等を利用することができる。
更に、第1の有機膜4及び第2の有機膜6としては、ポリパラキシリレンの他、ポリモノクロロパラキシリレン、ポリジクロロパラキシリレン、ポリテトラクロロパラキシリレン、ポリフルオロパラキシリレン、ポリジメチルパラキシリレン、ポリジエチルパラキシリレン、ポリモノクロロパラキシリレン等のキシリレン系の膜を利用することができる。
1,11,21,31…シンチレータパネル、2…FOP、3…シンチレータ、3a…入射面、3b…外縁、3c…側面、4…第1の有機膜、4a…外周縁、5,12,22,32…樹脂層、5a,12a,22a,32a…外周縁、6…第2の有機膜、6a…外周縁、7…撮像素子、7a…受光面(外面)、8…被覆樹脂、10,20…放射線イメージセンサ。

Claims (20)

  1. 放射線の入射面を有するシンチレータと、
    前記シンチレータに対して前記入射面の反対側に配置され、前記シンチレータで生じた光を伝播させるファイバオプティックスプレートと、
    前記シンチレータに対して前記入射面側に色材を含む樹脂により形成され、前記シンチレータで生じた光の吸収及び反射の少なくとも一方を行う樹脂層と、
    を備えることを特徴とするシンチレータパネル。
  2. 前記シンチレータと前記樹脂層との間に形成された第1の有機膜を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のシンチレータパネル。
  3. 前記樹脂層に対して前記シンチレータの反対側に形成された第2の有機膜を更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシンチレータパネル。
  4. 前記シンチレータと前記樹脂層との間に形成された第1の有機膜と、
    前記樹脂層に対して前記シンチレータの反対側に形成された第2の有機膜と、を更に備え、
    前記樹脂層の外周縁の外側において前記第1の有機膜と前記第2の有機膜とが密着していることを特徴とする請求項1に記載のシンチレータパネル。
  5. 前記第1の有機膜の膜厚は、前記第2の有機膜の膜厚より薄いことを特徴とする請求項4に記載のシンチレータパネル。
  6. 前記第1の有機膜の膜厚は、0.05μm〜5μmであり、
    前記第2の有機膜の膜厚は、7μm〜2000μmであることを特徴とする請求項5に記載のシンチレータパネル。
  7. 前記第2の有機膜の膜厚は、10μm〜30μmであることを特徴とする請求項6に記載のシンチレータパネル。
  8. 前記第1の有機膜の外周縁は、前記ファイバオプティックスプレートの側面に至っていることを特徴とする請求項4〜7の何れか一項に記載のシンチレータパネル。
  9. 前記樹脂層の外周縁は、前記入射面の外縁と一致していることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のシンチレータパネル。
  10. 前記樹脂層の外周縁は、前記シンチレータのうち前記入射面と略直交する面に位置することを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のシンチレータパネル。
  11. 放射線の入射面を有するシンチレータと、
    前記シンチレータに対して前記入射面の反対側に配置され、前記シンチレータで生じた光を撮像する撮像素子と、
    前記シンチレータに対して前記入射面側に色材を含む樹脂により形成され、前記シンチレータで生じた光の吸収及び反射の少なくとも一方を行う樹脂層と、
    を備えることを特徴とする放射線イメージセンサ。
  12. 前記シンチレータと前記樹脂層との間に形成された第1の有機膜を更に備えることを特徴とする請求項11に記載の放射線イメージセンサ。
  13. 前記樹脂層に対して前記シンチレータの反対側に形成された第2の有機膜を更に備えることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の放射線イメージセンサ。
  14. 前記シンチレータと前記樹脂層との間に形成された第1の有機膜と、
    前記樹脂層に対して前記シンチレータの反対側に形成された第2の有機膜と、を更に備え、
    前記樹脂層の外周縁の外側において前記第1の有機膜と前記第2の有機膜とが密着していることを特徴とする請求項11に記載の放射線イメージセンサ。
  15. 前記第1の有機膜の膜厚は、前記第2の有機膜の膜厚より薄いことを特徴とする請求項14に記載の放射線イメージセンサ。
  16. 前記第1の有機膜の膜厚は、0.05μm〜5μmであり、
    前記第2の有機膜の膜厚は、7μm〜2000μmであることを特徴とする請求項15に記載の放射線イメージセンサ。
  17. 前記第2の有機膜の膜厚は、10μm〜30μmであることを特徴とする請求項16に記載の放射線イメージセンサ。
  18. 前記第1の有機膜の外周縁は、前記撮像素子の外面に至っていることを特徴とする請求項14〜17の何れか一項に記載の放射線イメージセンサ。
  19. 前記樹脂層の外周縁は、前記入射面の外縁と一致していることを特徴とする請求項11〜18の何れか一項に記載の放射線イメージセンサ。
  20. 前記樹脂層の外周縁は、前記シンチレータのうち前記入射面と略直交する面に位置することを特徴とする請求項11〜18の何れか一項に記載の放射線イメージセンサ。






















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