JP2011158293A - 放射線像変換パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】光出力及び解像度を向上させることができる放射線像変換パネルを提供する。
【解決手段】放射線像変換パネル1は、FOP2と、FOP2の表面2a上に形成された耐熱性樹脂層3と、耐熱性樹脂層3においてFOP2と反対側の表面3aに蒸着形成され柱状結晶からなるシンチレータ4と、を備えている。この放射線像変換パネル1では、耐熱性樹脂層3の表面3aの表面エネルギは、20[mN/m]以上35[mN/m]未満とされている。これにより、シンチレータ4の根元部の結晶性が良好なものとし、シンチレータ4の根元部でのシンチレーション光の通過性悪化及び散乱を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線像変換パネルに関する。
従来の放射線像変換パネルの1種であるシンチレータパネルとしては、基板と、基板上に形成された樹脂層と、樹脂層上に蒸着形成され柱状結晶からなるシンチレータ(蛍光体)と、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2004−61115号公報 特開2008−209124号公報
ここで、上述したシンチレータパネルでは、蒸着形成されたシンチレータにおける基板側端部(つまり、根元部)で結晶性が悪化し、かかる根元部にてシンチレーション光の通過性悪化及び散乱が生じてしまうおそれがある。その結果、上述したシンチレータパネルでは、光出力及び解像度が低下する場合がある。
そこで、本発明は、光出力及び解像度を向上させることができる放射線像変換パネルを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、樹脂層において蛍光体が蒸着形成される主面の表面エネルギ(表面張力)と、蛍光体の根元部の結晶性との間には、相関関係が存在するということを見出した。そこで、かかる表面エネルギを適宜なものとすれば、蛍光体の根元部の結晶性を良好なものにすることができるということに想到し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る放射線像変換パネルは、基板と、基板の主面上に形成された樹脂層と、樹脂層において基板と反対側の主面に蒸着形成され柱状結晶からなる蛍光体と、を備え、樹脂層の少なくとも主面の表面エネルギは、20[mN/m]以上35[mN/m]未満であることを特徴とする。
この放射線像変換パネルでは、蛍光体の根元部での出力光(例えば輝尽性発光、シンチレーション光)の通過性悪化及び散乱を抑制し、放射線像変換パネルの光出力及び解像度を向上させることができる。これは、樹脂層において蛍光体が蒸着形成される主面の表面エネルギが20[mN/m]以上35[mN/m]未満であると、蛍光体の根元部の結晶性が良好なものとなるためである。
このとき、樹脂層は、シリコーン樹脂で形成されている場合がある。また、樹脂層は、段階的な硬化工程を経るステップキュア樹脂で形成されている場合がある。
また、樹脂層の少なくとも主面の表面エネルギは、蛍光体の結晶性に応じて設定されていることが好ましい。この場合、例えば樹脂層の主面の表面エネルギを適宜設定することで、蛍光体の結晶性を良好なものにし、放射線像変換パネルの光出力及び解像度を向上させることが可能となる。
また、本発明に係る放射線像変換パネルは、基板と、基板の主面上に形成された樹脂層と、樹脂層において基板と反対側の主面に蒸着形成され柱状結晶からなる蛍光体と、を備え、蛍光体は、その基板側の柱状結晶が柱形状となるように構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る放射線像変換パネルは、基板と、基板の主面上に形成された樹脂層と、樹脂層において基板と反対側の主面に蒸着形成され柱状結晶からなる蛍光体と、を備え、蛍光体において基板側の柱状結晶は、その反対側の柱状結晶と略等しい柱形状を呈していることを特徴とする。
このような本発明でも、蛍光体の根元部の結晶性が良好なものとなることから、蛍光体の根元部での出力光の通過性悪化及び散乱を抑制することが可能となり、放射線像変換パネルの光出力及び解像度を向上させることができる。
また、基板は、放射線透過性の基板である場合、ファイバオプティクプレートである場合、イメージセンサである場合がある。
本発明によれば、放射線像変換パネルにおける光出力及び解像度を向上させることが可能となる。
本発明の一実施形態に係るシンチレータパネルを示す概略側断面図である。 柱状結晶性のシンチレータの根元部を示す拡大図である。 耐熱性樹脂層の表面エネルギとシンチレータの結晶性との相関を示す実験結果である。 耐熱樹脂層の硬化条件とシンチレータの結晶性との相関を示すシンチレータの拡大図である。 シンチレータパネルの光出力及び解像度の傾向を示す図表である。 シンチレータパネルの光出力及び解像度の傾向を示すグラフである。 本発明の変形例を示す概略側断面図である。 (a)は本発明の他の変形例を示す概略平面図であり、(b)は図8(a)のVIII(b)−VIII(b)線に沿っての断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
放射線像変換パネルであるシンチレータパネルについて、以下に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るシンチレータパネルを示す概略側断面図である。図1に示すように、本実施形態のシンチレータパネル(放射線像変換パネル)1は、入射したX線等の放射線Rをシンチレーション光に変換し検出するためのものであり、基板としてFOPを用いたFOSタイプ(Fiber Optic plate with x-ray Scintillator)とされている。シンチレータパネル1は、例えばマンモグラフィー装置、胸部検査装置、CT装置、及び歯科口内撮影装置等に用いられる。
このシンチレータパネル1は、FOP(基板)2と、FOP2の表面(主面)2a上に設けられた耐熱性樹脂層(樹脂層)3と、耐熱性樹脂層3においてFOP2と反対側の表面(主面)3aに蒸着形成されたシンチレータ(蛍光体)4と、FOP2、耐熱性樹脂層3及びシンチレータ4を被覆するように設けられた保護層5と、を備えている。
FOP2は、例えば数ミクロンの光ファイバが束ねられて構成された光学デバイスであり、矩形板形状を呈している。このFOP2には、撮像素子等の光電変換素子(不図示)が光学的にカップリングされており、これにより、シンチレーション光が高効率及び低歪みで光電変換素子に伝達される。
耐熱性樹脂層3は、シンチレーション光に対して透明な樹脂層(いわゆる、クリア樹脂層)であり、FOP2の表面2aに塗布され形成されている。また、耐熱性樹脂層3は、シンチレータ4の蒸着の際における加熱に少なくとも耐え得るような所定の耐熱性を有している。
なお、ここでの「透明」とは、FOP2に対し光学的にカップリングされた光電変換素子が感度を有する光を透過させる性質をもつことを意味している。よって、例えば可視光中の特定の波長帯に感度を有する光電変換素子を利用する場合は、その感度域外の可視光に対しては不透明であってもよく、可視光ではなく赤外線や紫外線等に感度を有する光電変換素子を利用する場合には、感度を有する光を透過すれば可視光に対しては不透明であってもよい。よって、耐熱性樹脂層3の色は、例えば透明色にされる場合だけでなく、光出力調整のために半透明グレー等にされる場合もある。
シンチレータ4は、入射した放射線Rをシンチレーション光に変換する蛍光体層であり、入射した放射線Rの線量に応じて発光する。このシンチレータ4は、林立した複数の柱状結晶(針状結晶、柱径数μm)であるTl(タリウム)ドープのCsI(ヨウ化セシウム)が、耐熱性樹脂層3の表面3aに真空蒸着されて形成されている。
保護層5は、FOP2、耐熱性樹脂層3及びシンチレータ4を湿気等から保護するためのものであり、これらを被覆するようにCVD(化学的蒸着)法によって形成されている。保護層5としては、ポリパラキシリレン等の有機膜や無機膜が用いられている。
ここで、本実施形態の耐熱性樹脂層3は、シリコーン樹脂により形成されている。換言すると、耐熱性樹脂層3は、シリコーン樹脂を主成分とするシリコーン系樹脂層とされている。また、耐熱性樹脂層3は、樹脂を塗布後、常温を含む熱、あるいは光照射により硬化することで形成される。また、この樹脂は、段階的な硬化工程を経て完全硬化に至るステップキュア樹脂でもよい。
また、耐熱性樹脂層3の少なくとも表面3aの表面エネルギは、好ましいとして、20[mN/m]以上35[mN/m]未満とされており、より好ましいとして、24.8[mN/m]以上32.7[mN/m]未満とされている。なお、一般的なシリコーン樹脂の表面エネルギは20[mN/m]程度となっている。
本実施形態の表面エネルギは、試験液の接触角を室温で測定し、拡張Fowkes式を用いた固体表面張力の成分分解(3成分)を行なうことで計測している。具体的には、試験液の滴下箇所を替えて接触角を5回測定して平均化し、これに拡張Fowkes式を用いて分散成分、極性成分及び水素結合成分を算出する。そして、これら各成分の和を表面エネルギとして求めている。接触角測定としては、例えば静滴法が用いられ、計測対象の表面上に滴下した液滴を水平方向からCCDカメラで撮影し、その液滴画像の画像処理を行うことで測定されている。試験液としては複数種類の液体(ここでは、水、ホルムアミド、ジヨードメタン、エチレングリコールの4種類)が用いられている。
また、FOP2に代えて放射線透過性の基板を用い、この基板側から放射線像を入射しシンチレータ4の先端側から放射線像に対応する可視光像を出射するタイプのシンチレータパネルであれば、耐熱性樹脂層3は、例えばシンチレータパネル1の光出力を増加させる反射膜として機能させるべく、顔料を含むシリコーン樹脂で形成される場合もある。顔料としては、白色顔料や金属等を用いることができ、白色顔料を用いると、散乱反射率を高めて光出力を一層高めることができる。なお、この耐熱性樹脂層3は、本実施形態のようにシリコーン樹脂で形成されたものに限定されるものではなく、他の樹脂で形成された樹脂層としてもよい。
以上のように構成されたシンチレータパネル10では、シンチレータ4におけるFOP2の表面2a側(図示上側、光入力面側)から放射線R(放射線像)が入射される(すなわちシンチレータ4の先端側から放射線Rが入射する)。この放射線Rは、保護層5を透過してシンチレータ4に入射されて吸収され、放射線Rの光量に比例した所定波長のシンチレーション光に変換される。そして、変換されたシンチレーション光は、耐熱性樹脂層3を透過してFOP2に到達し、このFOP2は可視光像をFOP2の光出力面に伝達する。
ここで、このようなシンチレータパネル10は、例えば次に例示する方法によって製造することができる。すなわち、まず、FOP2を洗浄水で洗浄した後、FOP2の表面2aに耐熱性樹脂層3を塗布し、耐熱性樹脂層3を熱硬化させる。
また、ここでの耐熱性樹脂層3は、上述したようにステップキュア樹脂であり、Bステージが好適である。
[Aステージ]耐熱性樹脂層3の塗布直後(焼成なし)
[Bステージ]耐熱性樹脂層3の塗布後に焼成し、硬化反応の途中段階
[Cステージ]耐熱性樹脂層3の塗布後に完全効果させた段階
続いて、FOP2を例えば100℃で加熱した後、斜方蒸着によってCsIを耐熱性樹脂層3の表面3aに成膜してシンチレータ4を形成する。そしてその後、FOP2と耐熱性樹脂層3とシンチレータ4とを覆うように保護層5を形成する。これにより、シンチレータパネル1を得ることができる。
図2は、シンチレータの根元部を示す拡大図である。図2(a)が本実施形態のシンチレータパネルにおけるシンチレータの根元部の拡大図であり、図2(b)が従来のシンチレータパネルにおけるシンチレータの根元部の拡大図である。この従来のシンチレータパネル(以下、「従来品」ともいう)は、FOP2とシンチレータ4との間に耐熱性樹脂層3を形成せずにシンチレータ4をFOP2の表面2aに蒸着形成したものである(以下、同じ)。
図2(b)に示すように、従来品では、蒸着形成されたシンチレータ4においてFOP2側の端部4x(つまり、蒸着開始側の根元部4x)で結晶性が特に悪化し、例えば、結晶形状(柱形状)が崩れて塊状となると共に、結晶形状にバラツキが多く生じている。そのため、従来品では、根元部4xでシンチレーション光の通過性悪化及び散乱が生じてしまうことが懸念される。なお、根元部4xは、FOP2の表面2aから30μm程度までの結晶部分を意図している(以下の根元部4xについて同様である)。
この点、図2(a)に示すように、本実施形態では、シンチレータ4の根元部4xの結晶性が改善されて良好なものとなっている。具体的には、根元部4xの柱状結晶では、その柱形状が維持されて綺麗に真っ直ぐ延びている共に、柱状結晶のバラツキが少なくなっている。換言すると、シンチレータ4において根元部4x(FOP2側)の柱状結晶は、先端側(FOP2と反対側)の柱状結晶と略等しい柱形状を呈している。これにより、発光(出力)の抜け方が大きく改善されて光出力が向上されると共に、シンチレーション光の散乱が抑えられ、解像度が向上されることとなる。
これは、耐熱性樹脂層3にシンチレータ4を蒸着形成すると、シンチレータ4が好適に蒸着されるためである。なぜならば、耐熱性樹脂層3では、その表面3aの表面エネルギが低くなる(撥水性が付加される)ことから、CsIの蒸気流(気体)が付着する際、CsI微粒子が収縮しやすくなり、蒸着初期から柱状結晶が形成され易くなることによると考えられる。
ちなみに、上述したように、本実施形態では、シンチレータパネル1を製造する際、FOP2を加熱していることから、シンチレータ4の根元部4xの柱状結晶が太くなっている。
図3は、耐熱性樹脂層の表面エネルギとシンチレータの結晶性との相関を示す実験結果である。図中において、「○」は根元部4xの結晶性が良好であることを意味し、「×」は根元部4xの結晶性が悪化していることを意味する。また、試料A〜Cは、耐熱性樹脂層3がシリコーン樹脂で形成されたシンチレータパネルであり、耐熱性樹脂層3の硬化条件が、試料AでAステージとされ、試料B,CでCステージとされている。また、試料Cは、耐熱性樹脂層3に白色顔料が含まれている。試料Dは、耐熱性樹脂層3がポリパラキシレンで形成されたシンチレータパネルである。
図3に示すように、表面3aの表面エネルギが32.7[mN/m]の試料Aと、表面3aの表面エネルギが24.8[mN/m]の試料Bと、表面3aの表面エネルギが30.8[mN/m]の試料Cとでは、根元部4xの結晶性が良好となっている。一方、表面3aの表面エネルギが41.8[mN/m]の試料Dでは、根元部4xの結晶性が悪化してしまうことがわかる。
よって、本実施形態では、上述したように、耐熱性樹脂層3の表面3aの表面エネルギが、20[mN/m]以上35[mN/m]未満とされており、より好ましいとして、24.8[mN/m]以上32.7[mN/m]未満とされている。従って、本実施形態によれば、根元部4xの結晶性を良好にし、かかる根元部4xでのシンチレーション光の通過性悪化及び散乱を抑制することができ、シンチレータパネルの光出力及び解像度を向上させることが可能となる。
図4は、耐熱樹脂層の硬化条件とシンチレータの結晶性との相関を示すシンチレータの拡大図である。図中の耐熱性樹脂層3はシリコーン樹脂で形成されており、その硬化条件は、図4(a)ではAステージ、図4(b)ではBステージ、図4(c)ではCステージとされている。
図4に示すように、硬化条件がA〜Cステージでの根元部4xそれぞれにおいて、結晶性が改善していることがわかる。特に、B,Cステージの根元部4xの柱状結晶(図4(b),(c))は、Aステージの根元部4xの柱結晶(図4(a))よりも、柱形状が維持され長い一本のままの状態となり易い。また、Bステージの根元部4xは、Cステージの根元部4xよりも結晶性がより改善している。
よって、本実施形態では、上述したように、耐熱性樹脂層3の硬化条件が、好ましいとしてA〜Cステージの何れかとされ、一層好ましいとしてBステージ又はCステージとされ、より一層好ましいとしてBステージとされており、これにより、根元部4xでのシンチレーション光の通過性悪化及び散乱を抑制し、シンチレータパネル1の光出力及び解像度を向上させることが可能となる。
図5,6は、シンチレータパネルの光出力及び解像度の傾向を示す図表,グラフである。図中において、横軸は解像度の相対値を示し、CFTチャートを用いて10[Lp/mm]を測定している。また、縦軸は光出力の相対値を示している。放射線Rの照射条件は、管電圧30kV,管電流1.5mAとしている。
図5,6に示す結果により、光出力及び解像度を向上させるという上記作用効果を確認することができる。また、図5に示すように、本実施形態では、従来品と比べて、光出力及び解像度の双方において10%以上の向上が見られる。また、図6に示すように、グラフ上では本実施形態のデータが従来品のデータの右上に位置するような結果となり、このことから、光出力及び解像度の両方がともに向上することがわかる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明に係るシンチレータパネルは、実施形態に係る上記シンチレータパネル1に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、上記実施形態では、基板としてFOP2を備えているが、これに代えて、図7に示すように、放射線透過性の基板(金属基板、カーボン基板又は樹脂基板等)52を備えていてもよい。基板が放射線透過性の基板52の場合、放射線像は、基板52を透過しシンチレータ4に入射して放射線像に対応する可視光像に変換され、そして、この可視光像は、シンチレータ4の先端側から出力され、光学的にカップリングされたイメージセンサで検出される。
この場合、シンチレータパネル1の光出力を増加させるべく、光反射膜を基板52と耐熱性樹脂層3との間に介在させ、この光反射膜の表面に耐熱性樹脂層3を設けてもよい。かかる光反射膜が金属膜であると、湿気などの影響による腐食を防止する効果もある。
さらには、図8に示すように、基板がイメージセンサ76であり、このイメージセンサ76上に耐熱性樹脂層3が形成されていてもよい(基板がイメージセンサ76の場合は、放射線像変換パネルを放射線検出器とも呼称する)。この場合、イメージセンサ76は、次のように構成することができる。すなわち、絶縁性(例えばガラス製)の基板62上に、光電変換を行う受光素子72が2次元上に配列されて受光部が形成されている。受光素子72は、アモルファスシリコン製のフォトダイオード(PD)や薄膜トランジスタ(TIF)から構成されている。受光素子72の各々は、信号読出し用の信号線73によって電気的に接続されている。外部回路(不図示)へ信号を取り出すための複数のボンディングパッド74は、基板62の外周辺に沿って露出して配置されており、信号線73を介して受光素子72に電気的に接続されている。受光素子72及び信号線73上には、絶縁性のパッシベーション膜75が形成されている。なお、保護層5の外周部は、被覆樹脂82によってコーティングされている。
なお、本発明では、上記のようにシンチレータ4の根元部(蒸着開始側)4xの結晶形状が良好になることから、シンチレータ4の根元部4x側からシンチレーション光を出力するもの(基板としてFOP2又はイメージセンサ76を備えたシンチレータパネル(放射線検出器))に本発明を適用した場合、その効果が顕著となる。
さらに、硬化条件は、上述したA〜Cステージに限定されるものではなく、シンチレータ4の根元部4xの結晶性を良好なものにできれば、様々な硬化条件を採用してもよい。また、上記において「略等しい柱形状」とは、互いに同じ柱形状、同じような(同様な)柱形状、近似する柱形状等を含む広義のものを意味している。
なお、上記実施形態の耐熱性樹脂層3は、例えば以下に例示するように、シンチレータ4の根元部4xの柱状結晶が柱形状となるように構成されている場合もある。これは、根元部4xの柱状結晶の結晶性が、耐熱性樹脂層3の弾性、熱膨張率、収縮性、表面状態及び格子定数の少なくとも1つと相関関係を有すると考えられるためである。
すなわち、耐熱性樹脂層3の弾性が所定弾性域とされ、及び/又は、熱膨張率が所定弾性域とされることで、根元部4xの柱状結晶が柱形状となるように構成されている場合もある。また、耐熱性樹脂層3の収縮性が所定収縮性を有することで、根元部4xの柱状結晶が柱形状となるように構成されている場合もある。また、耐熱性樹脂層3の表面状態が適宜設定されることで、根元部4xの柱状結晶が柱形状となるように構成されている場合もある。さらにまた、耐熱性樹脂層3の格子定数が適宜マッチングされることで、根元部4xの柱状結晶が柱形状となるように構成されている場合もある。
また、表面エネルギは、樹脂の種類や硬化方法で調整する他に、紫外線や電子線を照射することにより調整してもよい。また、上記実施形態では、シンチレータ4としてCsI(Tl)が用いているが、これに限定されず、CsI(Na)、NaI(Tl)、LiI(Eu)、KI(Tl)等を用いてもよい。また、上記説明では、放射線像変換パネルとして、蛍光体にシンチレータを用いたシンチレータパネルで説明したが、CsBr(Eu)等の柱状結晶からなる輝尽性蛍光体を用いた放射線像変換パネルにも適用できる。
1…シンチレータパネル(放射線像変換パネル)、2…ファイバオプティクプレート(基板)、2a…ファイバオプティクプレートの表面(主面)、3…耐熱性樹脂層(樹脂層)、3a…耐熱性樹脂層の表面(主面)、4…シンチレータ(蛍光体)、52…基板、76…イメージセンサ(基板)。

Claims (9)

  1. 基板と、前記基板の主面上に形成された樹脂層と、前記樹脂層において前記基板と反対側の主面に蒸着形成され柱状結晶からなる蛍光体と、を備え、
    前記樹脂層の少なくとも前記主面の表面エネルギは、20[mN/m]以上35[mN/m]未満であることを特徴とする放射線像変換パネル。
  2. 前記樹脂層は、シリコーン樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1記載の放射線像変換パネル。
  3. 前記樹脂層は、段階的な硬化工程を経るステップキュア樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の放射線像変換パネル。
  4. 前記樹脂層の少なくとも前記主面の前記表面エネルギは、前記蛍光体の結晶性に応じて設定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載の放射線像変換パネル。
  5. 基板と、前記基板の主面上に形成された樹脂層と、前記樹脂層において前記基板と反対側の主面に蒸着形成され柱状結晶からなる蛍光体と、を備え、
    前記蛍光体は、その前記基板側の柱状結晶が柱形状となるように構成されていることを特徴とする放射線像変換パネル。
  6. 基板と、前記基板の主面上に形成された樹脂層と、前記樹脂層において前記基板と反対側の主面に蒸着形成され柱状結晶からなる蛍光体と、を備え、
    前記蛍光体において前記基板側の柱状結晶は、その反対側の柱状結晶と略等しい柱形状を呈していることを特徴とする放射線像変換パネル。
  7. 前記基板は、放射線透過性の基板であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項記載の放射線像変換パネル。
  8. 前記基板はファイバオプティクプレートであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項記載の放射線像変換パネル。
  9. 前記基板は、イメージセンサであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項記載の放射線像変換パネル。
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