JP6502614B2 - 放射線検出装置、放射線検出システム - Google Patents

放射線検出装置、放射線検出システム Download PDF

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Description

本発明は、放射線検出装置、放射線検出システムに関するものである。
蛍光体の潮解による特性劣化を抑制するため、種々の蛍光体保護構造が提案されている。この蛍光体保護構造は蛍光体の機械的保護機能、防湿保護機能を備えるものである。例えば、特許文献1においては、柱状構造を有する輝尽性蛍光体層の先端部に保護層を形成した例が開示されている。また、特許文献2においては、柱状結晶間に充填材を含有し、保護構造で覆われている例が開示されている。
特許第3819347号明細書 特開2009-300213号公報
しかし特許文献1、2の方法においては、機械的な摩擦による蛍光体層(シンチレータ層)への影響についての開示はなく、蛍光体層の機械的な保護機能に関して、より信頼性の高い放射線検出技術が望まれている。
本発明の目的は、放射線検出性能を確保しつつ、蛍光体層の機械的な保護機能に関して、より信頼性の高い放射線検出技術を提供することにある。
本発明に係る放射線検出装置は、複数の光電変換素子を有するセンサーパネルと、前記センサーパネルの上に配置された複数の柱状結晶を有する蛍光体層と、
前記蛍光体層に対して相対的に移動し得るように前記蛍光体層の上に配置された反射層と、
前記反射層と前記蛍光体層との間に配置された固体材料からなる、前記反射層と前記蛍光体層とが相対的にずれ動いた際の摩擦による前記柱状結晶の先端部の破損を防止することができるように前記反射層と前記蛍光体層の摩擦を低減するための層と、を有し、
前記反射層は、前記蛍光体層に固定されておらず、
前記摩擦を低減するための層は、前記柱状結晶の先端部を被覆しており、反射層に固定されていないことを特徴とする。
本発明によれば、放射線検出性能を確保しつつ、蛍光体層の機械的な保護機能に関して、より信頼性の高い放射線検出技術を提供することができる。
実施形態に係る放射線検出装置の構成を示す平面簡略図。 実施形態に係る放射線検出装置の断面概略図。 実施形態に係る放射線検出装置の断面概略図。 実施形態に係る放射線検出装置の断面構成例を示す図。 実施形態に係る放射線検出装置の断面概略図。 実施形態に係る放射線検出装置の断面概略図。 実施形態に係る放射線検出システムの概略図。 走査型電子顕微鏡による観察結果を例示する図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
実施形態に係る放射線検出装置は、マトリクス状に配置された光電変換素子とスイッチング素子により構成された光電変換素子アレイと、放射線を可視光に変換するシンチレータとを有する装置である。尚、本明細書では、X線の他、α線、β線、γ線等の電磁波も、放射線に含まれるものとする。
<第1実施形態>
図1Aは、本実施形態の放射線検出装置の構成を示す平面簡略図である。また、図1Bは図1Aに示した放射線検出装置のA−A‘破線に沿った断面概略図である。
図1Aに示すように、センサーパネル118は筐体105内に配置されており、センサーパネル118の周囲には外部配線および実装部品104および信号処理部として機能する電気回路106が配置されている。
図1Bに示すようにセンサーパネル118には、X線等の放射線を、蛍光体層114で可視光に変換した光を検知するための複数の光電変換素子116が形成されている。各々の光電変換素子116にはTFT(Thin Film Transistor)素子、不図示の配線が接続されている。光電変換素子116は可視光から変換された電荷(電気的情報)を、信号入出力部120、外部配線121、アンプ、A/Dコンバータ等を通じて外部の信号処理部へ転送し、信号処理部による画像処理により画像情報が生成される。
センサーパネル118は、ガラス、耐熱性プラスチック等からなる絶縁性の基板111の上に複数の光電変換素子116が2次元に配置されたセンサーアレイおよび配線(不図示)が形成されている。
光電変換素子116は、蛍光体層114(シンチレータ層)によって放射線から変換された光を電荷に変換するものであり、例えば、アモルファスシリコンなどの材料を用いることが可能である。光電変換素子の構成は特に限定されず、MIS型センサー、PIN型センサー、TFT型センサー等適宜用いることができる。
光電変換素子116を保護する目的で、センサーパネル118上に保護層(センサー保護層117)が配置されている。センサー保護層117に用いる材料としては、放射線照射時に蛍光体層114(シンチレータ層)によって変換された光が通過することから、蛍光体層114が放出する光の波長に対して高い透過率を示すものが望ましい。例えば、無機材料として、SiNxやSiO2、TiO2 、LiF、Al2O3 、MgO等を用いることができる。また、有機材料として、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。
センサーパネル118のセンサー保護層117上には蛍光体層114(シンチレータ層)が配置されている。蛍光体層114(シンチレータ層)は、放射線を光電変換素子116が感知可能な光に変換するものであり、例えば、図2に示すように柱状結晶208を複数有する構造である。柱状結晶208を有する蛍光体層114(シンチレータ層)は、蛍光体層114で発生した光が柱状結晶208内を伝搬するので光散乱が少なく、解像度を向上させることができる。柱状結晶208を形成する蛍光体層114(シンチレータ層)の材料としては、例えば、タリウム(Tl)が微量添加されたヨウ化セシウム(CsI:Tl)に代表される柱状結晶を用いることが可能である。
蛍光体層114(シンチレータ層)上には、後述する低摩擦層113を介して反射層112が形成されている。反射層112に用いる材料としては、例えば、銀(Ag)やアルミニウム(Al)等の高反射材料や、白色顔料粒子、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、硫酸バリウム(BaSO4)等からなる白色反射シート等の材料を用いることが可能である。
また、蛍光体層114(シンチレータ層)上には、低摩擦層113、反射層112を介して蛍光体保護層115が配置されている。蛍光体保護層115は、蛍光体層114を湿度劣化等から保護する目的で配置されている。特に、ヨウ化セシウム(CsI:Tl)等の柱状結晶の、蛍光体層114を用いる場合には湿度劣化による蛍光体層114の特性の低下を抑制するため、蛍光体保護層115を設置することが効果的である。蛍光体保護層115に用いる材料としては、例えば、アルミニウム(Al)箔等の金属箔を用いることが可能である。
また、金属箔と反射層112、センサーパネル118とを接着固定・封止する目的で有機樹脂を用いてもよい。有機樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの一般的な有機封止材料や、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系等のホットメルト樹脂などを用いることができる。水分透過率の低い樹脂を用いるこことも可能である。例えば、CVD蒸着で形成するポリパラキシリレンの有機膜や、ポリオレフィン系樹脂に代表されるホットメルト樹脂を用いることができる。
次に低摩擦層113について説明する。図2は、実施形態に係る放射線検出装置の断面概略図であり、低摩擦層113は、蛍光体層114(シンチレータ層)と反射層112との間に配置されている。特に、ヨウ化セシウム(CsI:Tl)等の柱状結晶の蛍光体層114を用いる場合には、蛍光体層114を構成する柱状結晶208の先端部は尖っており細いため、先端部の機械的強度は柱状結晶208の下端部の機械的強度に比べて低い。低摩擦層113が配置されていない場合(例えば、図3(a))、反射層112と蛍光体層114とが直接接触し、かつ、反射層112と蛍光体層114とが相対的に移動した場合、反射層112と蛍光体層114の摩擦により蛍光体層114の柱状結晶208(図2)の先端部に破損が生じ得る。
本実施形態の低摩擦層113は、蛍光体層114を構成する柱状結晶208(図2)を保護する保護部材として機能するものである。蛍光体層114、低摩擦層113、反射層112は互いに固定されていないため、各層間(部材間)で水平方向に位置変動が生じたとしても、各層は他の層からの力を受けない。低摩擦層113の配置により、反射層112と低摩擦層113との間で摩擦が低減するため、反射層112と蛍光体層114とが相対的にずれ動いた際にも摩擦による蛍光体層114の先端部の破損を防止することが可能になる。そのため、部材の位置変動により、蛍光体層114を構成する柱状結晶208の先端部に応力集中が発生せず、柱状結晶208の先端部の破損を防止することができる。これにより、信頼性のより一層高い放射線検出装置を得ることができる。
図2に示すように低摩擦層113は、蛍光体層114を形成する柱状結晶208の先端部および先端部の周辺の隙間を被覆するように形成されている。およびを被覆するように配置されている。図2に示す蛍光体層114の柱状結晶208の先端部と反射層112との距離t(間隔)は適宜設定可能であるが、距離t=200μmを超える場合、蛍光体層114と反射層112との距離(間隔)が大きくなり、放射線検出装置の解像度特性が低下し得る。このため、例えば、蛍光体層114と反射層112との距離tを0μm以上200μm以下の範囲で設定することができる。
低摩擦層113に用いられる固体材料としては、例えば、フッ素樹脂を主成分として含有する有機樹脂を用いることができる。フッ素系樹脂の一例として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PEFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP) 、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE) 等があげられる。本実施形態における低摩擦層113に用いる固体材料は上記のものに限定されず、蛍光体層114を構成する柱状結晶208(図2)を保護する保護部材として、低摩擦層113の機能が満足できる樹脂であれば、上記に上げた樹脂に限らず使用可能である。
低摩擦層113は、静止摩擦係数が0.3未満の材料を選定することが好ましい。静止摩擦係数の測定は、「JIS K7125 プラスチック-フィルムおよびシート摩擦係数試験方法」に沿って行い、得られたものである。静止摩擦係数が上記の値以上になると、反射層112と低摩擦層113との間の摩擦力が大きくなり、摩擦力による局所的な破壊や、反射層112を構成するシートのよれ等が発生する可能性がある。上記で例示した樹脂であれば、静止摩擦係数が0.3未満の範囲を満足する。
図3は、第1実施形態に係る放射線検出装置の断面構成例を示す図である。図3(b)では、低摩擦層113は、蛍光体層114を構成する柱状結晶208の先端部の表面のみに形成されている。図3(c)、(d)では、低摩擦層113は、蛍光体層114を構成する柱状結晶208の先端部および先端部の周辺の隙間を被覆するように形成されている。
図3(c)では、反射層112に対する低摩擦層113の表面には、柱状結晶208の上方に凸となるような曲率半径を有る面が構成されている。柱状結晶208の上方の表面の曲率半径Rは、1.0μmより大きい(R>1.0μm)ことが好ましい。柱状結晶208の先端部の表面に低摩擦層113を形成した場合、柱状結晶表面を被覆するように形成される。この時、曲率半径Rが1.0μm以下となった場合、形状の効果により低摩擦層113と反射層112との間の静止摩擦係数が増大し得る。
図3(d)では、反射層112に対する低摩擦層113の表面は平坦となり、先端部および先端部の周辺の隙間に低摩擦層113が充填されるように構成されている。上述に例示した樹脂を用いて、図3(b)、(c)、(d)に示す形態に低摩擦層113を形成すれば、静止摩擦係数は上述の範囲(<0.3)を満足する。
<第2実施形態>
本実施形態は、柱状結晶208の先端部を柱状結晶と同じ材料で被覆し、その後、低摩擦層を配置する構成を説明する。図4は、第2実施形態に係る放射線検出装置の断面概略図である。図4に示す平坦層401を柱状結晶208と同じ材料で形成し、柱状結晶208の上に配置する。また、平坦層401の上(平坦層401と反射層112との間)には、低摩擦層113が配置されている。平坦層401が設置されることにより、低摩擦層113の形状をより平坦にでき、第1実施形態の図3(c)で説明した曲率半径Rを図3(d)に示すように、より大きくすることができる。
平坦層401は柱状結晶208の形成終了時に、形成条件を変更することで形成することが可能となる。平坦層401の設置により、本発明の効果をより高めることが可能となる。
<第3実施形態>
本実施形態は、低摩擦層113と反射層112との間に潤滑層501を設置する構成を説明する。図5は第3実施形態に係る放射線検出装置の断面概略図であり、図5に示す潤滑層501は、第1、第2実施形態で説明した低摩擦層113の機能を更に強化し、反射層112と蛍光体層114との間の摩擦を更に低減する機能を有する。
低摩擦層113と反射層112との間に、液体材料の塗布により形成された潤滑層501が配置される。潤滑層501は、有機物、無機物、また液体・固体を問わずに利用可能である。潤滑層501は、蛍光体層114で発光した光を反射層112に伝達するため、光透過率の高い材料を用いることが好ましく、透明であることがより好ましい。潤滑層501に用いられる材料としては、蛍光体層114、低摩擦層113、反射層112に対して、溶解する等の影響を及ぼさない材料で、高光透過率の材料であればよい。
例えば、液体材料であればインデックスマッチングオイル等の透明オイル、低揮発性の有機溶剤、油脂等を用いることができる。また固体材料に関して、薄層化等の手段により透過率低下が抑制可能であれば、二硫化モリブデン(MoS2)、グラファイト、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、フラーレン、窒化ホウ素(BN)、メラミンシアヌレート(MCA)、フッ化カルシウム、等の固体潤滑材を用いることができる。
(実施例1)
次に、放射線検出装置の実施例を説明する。図1に記載の第1実施形態の放射線検出装置を、以下のように作製した。まずセンサーパネル118を準備する。センサーパネル118はアモルファスシリコン(a−Si)を用いて光電変換素子116、TFTを形成し、その後、厚さ5μmのポリイミドを用いてセンサー保護層117を形成する。
次に、センサー保護層117上に蛍光体層114(シンチレータ層)を形成する。蛍光体はヨウ化セシウム(CsI)に賦活剤としてタリウム(Tl)を添加したもの(CsI:Tl)を用いることが可能である。形成方法は真空蒸着法を用いる。真空蒸着装置内に前記センサーパネルを設置し、CsI:Tl形成することが可能である。この方法により複数の柱状結晶208がセンサーパネル118の表面に対して略垂直に成長した蛍光体層114(シンチレータ層)を形成することができる。
次に、柱状結晶208上に低摩擦層113を形成する。低摩擦層113としては、例えば、フッ素樹脂を主成分とする有機樹脂層を形成する。低摩擦層113は、スプレーコート法を用いて蛍光体層114上に塗布し、テフロンシート(「テフロン」は登録商標)をその上に設置し、表面を平坦化する。その状態で熱処理を行うことにより、低摩擦層113を形成する。
図7は、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察結果を例示する図である。上記の製造方法と同様の方法で作製した蛍光体を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察を行うと、複数の柱状結晶が林立する構造が確認できる。またその先端部分には前述のフッ素樹脂層が形成されていることが確認できる。柱状結晶先端部分に形成された樹脂の曲率半径は、1.5μmである。
また、別途基板に塗布したフッ素樹脂の静止摩擦係数を測定すると、0.12であることが確認できた。静止摩擦係数の測定は、「JIS K7125 プラスチック-フィルムおよびシート摩擦係数試験方法」に沿って行った。
次に、反射層112を形成する。反射層としては厚さ50μmの高反射率の白色絶縁シートを用いる。この白色絶縁シートを、低摩擦層113が形成された蛍光体層114上に配置する。上記の製造方法により、蛍光体層114と反射層112との間に低摩擦層113が形成される。
次に、反射層112、低摩擦層113、蛍光体層114を覆うように蛍光体保護層115を配置する。端部からの水分侵入を防止するため、蛍光体保護層115の端部とセンサーパネル118との間をホットメルト樹脂で接続し、その後、ホットメルト樹脂を介して、蛍光体保護層115の端部とセンサーパネル118との間で圧着処理を行う。
次に、センサーパネル118の信号入出力部120と外部配線121とを接続し、駆動回路/読出回路等の信号処理回路が配置されたボードとの接続を行う。その後、外部匡体等で上記の部材を覆い、放射線検出装置の作製を完了する。
上記の放射線検出装置に対して、熱衝撃試験を行った。試験条件は、−30℃1h保持→60℃まで昇温(1℃/min)→60℃1h保持→−30℃まで降温(1℃/min)のサイクルを10回繰り返した。この試験を経た後に画質変化の有無を確認すると、試験前後での変化が無いことが確認された。また、放射線検出装置のMTF(Modulation Transfer Function)特性を試験前後で測定したところ、試験前:0.329(2lp/mm)、試験後:0.328(2lp/mm)となり、こちらも試験前後での大きな変化が無いことが確認された。
また、落下試験でも試験前後でも画質変化、MTF特性に大きな変化がないことが確認された。
(実施例2)
本実施例では、実施例1の構成に加え、柱状結晶208の先端部が、柱状結晶と同じ材料から構成される平坦層401で被覆されており、平坦層401上に低摩擦層113が配置される放射線検出装置を作製する例を説明する。
実施例1と同様の方法でセンサーパネル118上に蛍光体層114を形成する。蛍光体層114の先端部に蛍光体層と同じヨウ化セシウム(CsI)から成る平坦層401を形成する。平坦層401は、蒸着法により柱状結晶を形成した後、同じく蒸着法により、柱状結晶を形成した際の蒸着条件(圧力・温度)を変化させることで形成できる。
その後、実施例1と同様の方法で低摩擦層113を形成する。この時形成される低摩擦層113の表面は図4に示すように平坦になるため、曲率半径Rは無限大となる。また、この時の低摩擦層113の静止摩擦係数は0.08であった。
その後、実施例1と同様の方法により反射層112、蛍光体保護層115を配置し、センサーパネル118の信号入出力部120と外部配線121とを接続し、放射線検出装置の作製を完了する。実施例2の方法で作製した放射線検出装置に対して、実施例1に記載のヒートサイクル試験、落下試験等を行い、試験前後での画質・特性の変化が無いことが確認された。
(実施例3)
本実施例では、実施例1の構成において、低摩擦層113として固体の低摩擦層に代わり、液体の低摩擦層を適用した場合の放射線検出装置を作製する例を説明する。
実施例1、2と同様の方法でセンサーパネル118上に蛍光体層114を形成する。蛍光体層114上に液体状態の低摩擦層113として、フッ素系撥水性液体(例えば、ノベック7600(住友スリーエム社製 ))を用いる。液体材料の低摩擦層を蛍光体層114に含浸後、実施例1と同様の方法で、蛍光体層114を形成し、柱状結晶208の先端部に反射層112が触れないよう液体材料の低摩擦層の量を調整して反射層112を配置する。この様にして液体の低摩擦層113を形成した場合、その静止摩擦係数は0.2となる。静止摩擦係数の測定は実施例1で説明した方法により測定している。その後、実施例1と同様の方法により反射層112、蛍光体保護層115を配置し、センサーパネル118の信号入出力部120と外部配線121とを接続し、放射線検出装置の作製を完了する。実施例3の方法で作製した放射線検出装置に対して、実施例1に記載のヒートサイクル試験、落下試験等を行い、試験前後での画質・特性の変化が無いことが確認された。
(実施例4)
本実施例は、放射線検出装置の放射線検出システムへの応用例を示したものである。図6に示すように、放射線発生部6050は被検物に放射線を照射する。放射線発生部6050で発生した放射線6060は患者あるいは被験者6061の胸部6062(被検物)を透過し、図1〜図5に示したような放射線検出装置(イメージセンサ)に入射する。この入射した放射線には被験者6061の体内部の情報が含まれている。放射線の入射に対応して蛍光体(シンチレーター)は発光し、これをセンサーパネルの光電変換素子が光電変換して、可視光から変換された電荷(電気的情報)を得る。取得した電気的情報は信号入出力部120、外部配線121、アンプ、A/Dコンバータ等を通じて、信号処理部として機能するイメージプロセッサ6070により画像処理され、画像情報が生成される。
イメージプロセッサ6070で生成された画像情報は電話、LAN、インターネットなどのネットワーク6090等の伝送処理部により遠隔地へ転送可能である。例えば、別の場所のドクタールームなどの表示部であるディスプレイ6081に画像情報を表示したり、光ディスク等の記録部に画像情報を保存することができる。また、遠隔地の医師が画像情報に基づいて診断することも可能である。また、記録部となるフィルムプロセッサ6100により画像情報をフィルム6110に記録することもできる。
本発明の放射線検出装置は、医療用の放射線検出装置や、非破壊検査装置等の放射線を利用した医療用以外の分析・検査用途の装置への応用が可能である。

Claims (8)

  1. 複数の光電変換素子を有するセンサーパネルと、前記センサーパネルの上に配置された複数の柱状結晶を有する蛍光体層と、
    前記蛍光体層に対して相対的に移動し得るように前記蛍光体層の上に配置された反射層と、
    前記反射層と前記蛍光体層との間に配置された固体材料からなる、前記反射層と前記蛍光体層とが相対的にずれ動いた際の摩擦による前記柱状結晶の先端部の破損を防止することができるように前記反射層と前記蛍光体層の摩擦を低減するための層と、
    を有し、
    前記反射層は、前記蛍光体層に固定されておらず、
    前記摩擦を低減するための層は、前記柱状結晶の先端部を被覆しており、反射層に固定されていない
    ことを特徴とする放射線検出装置。
  2. 前記摩擦を低減するための層は、JIS K7125に沿って測定された静止摩擦係数0.3より小さいことを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
  3. 前記摩擦を低減するための層は、前記固体材料としてフッ素系樹脂を含有した樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線検出装置。
  4. 前記摩擦を低減するための層には、前記柱状結晶の上方に凸となるような曲率半径を有する面が形成されており、
    前記曲率半径は、1.0μmより大きい
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  5. 前記蛍光体層の複数の柱状結晶の先端部は、前記柱状結晶と同じ材料により構成された平坦層で被覆されており、
    前記平坦層の上に前記摩擦を低減するための層が配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  6. 前記平坦層の上に配置された前記摩擦を低減するための層は平坦な形状を有することを特徴とする請求項5に記載の放射線検出装置。
  7. 前記曲率半径を有する面と前記反射層とが接触するように前記摩擦を低減するための層が配置されることを特徴とする請求項4に記載の放射線検出装置。
  8. 被検物に放射線を照射する放射線発生部と、
    前記被検物を透過した放射線を検出する請求項1乃至のいずれか1項に記載の放射線検出装置と、
    前記放射線検出装置によって検出された信号を画像処理する信号処理手段と、
    を有することを特徴とする放射線検出システム。
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