JP2011251708A - 電子線殺菌装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】充填後容器Bの口を封栓するキャップCを電子線照射により殺菌する電子線殺菌装置1において、所定の電子線照射範囲Rに電子線を照射する電子線照射装置と、キャップCをスターホイール外周部に円周等分に設けたポケット2pに嵌めこんで、水平軸21中心に回転させることによって搬送するキャップ搬送スターホイール2と、キャップ搬送スターホイール2により搬送されるキャップCをキャップ搬送スターホイール2の側面側12および外周側11でガイドするキャップガイド11,12とから成り、キャップ搬送スターホイール2の下部を電子線照射範囲Rとして、キャップCを電子線殺菌するように構成した。
【選択図】図1
Description
キャップの殺菌には、従来過酸化水素や紫外線照射が多く用いられてきたが、近年、紫外線照射よりも殺菌力に勝る電子線照射による殺菌技術が注目され、開発されている。(特許文献1、特許文献2)
しかしながら、前記特許文献1の技術では、キャップの殺菌は内面のみの殺菌であるため、外面に付着していた菌がキャップを封栓する際に雰囲気下で浮遊して、キャップ封栓前の充填された容器内に侵入するという恐れがある。また、前記一対のベルトにも電子線が照射されるため、ベルトが早期に劣化してしまうという恐れもある。
しかしながら、前記特許文献2の技術では、キャップが下流側に傾斜した搬送ガイド上を転がるか、キャップ送り込み装置によって加速度を与えられて転がることによって、キャップが搬送されるとしているので、キャップが滑って自転せずに電子線の照射を受けること、或いは、キャップが電子線の照射を受ける時間が一定でないことにより、キャップの内面の箇所によっては殺菌が不十分になるという恐れ、或いは、過度の電子線照射を受けてキャップに悪影響を与えるという恐れがある。
(1)第1の手段の電子線殺菌装置は、充填後容器の口を封栓するキャップを電子線照射により殺菌する電子線殺菌装置において、所定の電子線照射範囲に電子線を照射する電子線照射装置と、前記キャップをスターホイール外周部に円周等分に設けたポケットに嵌めこんで、水平軸中心に回転させることによって搬送するキャップ搬送スターホイールと、該キャップ搬送スターホイールにより搬送される前記キャップを前記キャップ搬送スターホイールの側面側および外周側でガイドするキャップガイドとから成り、前記キャップ搬送スターホイールの下部を前記電子線照射範囲として、前記キャップを電子線殺菌するように構成したことを特徴とする。
(発明の第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる電子線殺菌装置の正面図で、摸式的に示した図である。
図2は、図1のA−A断面図で、要部拡大図としてある。
図3は、図1のB部拡大図で、要部のみ示してある。
図4は、図1のR部拡大図で、要部のみ示してある。
図5は、図4のD視図で、要部拡大図としてある。
図6は、反射板の各種形態を説明する図である。
なお、前記キャップ搬送スターホイール2と前記排出スターホイール8は同期して回転するようになっており、前記排出スターホイール8の外周側および側面側にキャップガイドが設けられているが、図示を省略してある。
また、前記キャップ搬送スターホイール2には4箇所の開口部2wが設けられており、該開口部2wの開口の大きさは大きい方が望ましい。
なお、図1において、前記一対の冷却水配管23および一対の冷却水配管24は、前記連結体22の近傍に位置しており、重なった表示となっている。
なお、前記反射板5は、図示L寸法(キャップCの背面と反射板の距離)が15mm以上となるように配置されるのが反射電子線の線量の観点から望ましい。
ここでは、前記反射板5は、前記キャップ搬送スターホイール2と平行に、かつ、鉛直方向に設けた構造としているが、図6(a)に示すように鉛直方向から角度αだけ傾けた反射板5aとしてもよく、図6(b)に示すように鉛直方向にβだけ傾けた反射板5b1と鉛直方向にγだけ傾けた反射板5b2を折れ線状に接続した構成としてもよく、或いは、図6(c)に示すように凹面形状の反射板5cとしてもよく、適宜選択してキャップCの背面への電子線照射を効果的に行うようにすることができる。
さらに、前記キャップガイド12および前記キャップガイド13は、前記電子線照射範囲Rでは直線部12sおよび直線部13sとなって、キャップCの搬送軌跡と非相似形になっており、前記キャップCの搬送中の自転を通して、前記キャップCの内面および背面の全てが前記電子線照射範囲Rで均一に電子線照射を受けることができるように構成されている。
ここで、図4では、便宜上キャップガイド14の図示を省略しているが、キャップガイド14も前記キャップガイド12およびキャップガイド13と同様に直線部を有した非相似形となっている。
また、前記キャップガイド11は、前記電子線照射範囲Rにおいて、図5(a)に示すように、前記キャップ搬送スターホイール2によるキャップCの搬送軌跡に対して蛇行しない形状としているが、図5(b)に示すように、前記キャップ搬送スターホイール2によるキャップCの搬送軌跡に対して蛇行した形状11aとすることもできる。
上流から矢印7の方向へシュート6上を搬送されてくるキャップCは、殺菌室40内でキャップ搬送スターホイール2に取り込まれて、キャップガイド11、キャップガイド12、キャップガイド13およびキャップガイド14にガイドされて矢印2aの方向に搬送されて、電子線照射範囲Rに達すると、該キャップCが搬送により矢印Caの方向に自転しながら電子線照射装置4からの電子線照射を受けて殺菌される。
この際、電子線は、矢印4aのようにキャップCの内側に照射して殺菌するが、キャップ搬送スターホイール2には開口部2wが設けられているので、矢印4bのように該開口部2wを通過して、反射板5での反射によりキャップCの背面に照射して殺菌し、また、矢印4cのように反射板5に達して該反射板5での反射によりキャップCの背面を殺菌する。
次に、本発明の第2の実施の形態の電子線殺菌装置を図7に基づいて説明する。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係わる電子線殺菌装置の図3に相当する図で、要部拡大図としてある。
図7において、第1の実施の形態と同じ構造のものは図示を省略し、また、同じ記号を記してあり、重複する説明は省略する。
図において、電子線殺菌装置1aは、キャップ搬送スターホイール3の円板30のポケット3pが、キャップCと接する凹面3p1と該凹面3p1から凹んだ前記キャップCに接しない凹部3p2の交互組み合わせ構成となっている。
ポケット部3pで凹面3p1と接触するキャップCは、該キャップCの搬送方向後端の凹面3p11によって搬送力Fを与えられて搬送されるが、前記凹面3p11との接触によってキャップCの自転Caの逆方向に接触摩擦力が小さいながらも作用する。しかしながら、ポケット部3pが該キャップCと接する凹面3p1と該キャップCに接しない凹部3p2の交互組み合わせ構成にしてあるため、前記第1の実施の形態の図3の連続した凹面構成の場合と比較して、前記キャップCの自転Caの逆方向に作用する接触摩擦力は、図7の場合の方が小さく、キャップCが安定して自転することになり、該キャップCの全面が安定して殺菌されるという効果がある。
次に、本発明の第3の実施の形態を図8に基づいて説明する。
図8は、本発明の第3の実施の形態に係わる電子線殺菌装置で、図1のA−A断面図に相当し、図2に相当する図である。
図8において、第1の実施の形態と同じ構造のものは同じ記号を記してあり、重複する説明は省略する。
図において、電子線殺菌装置1bは、図示しない駆動装置により垂直の中心線52cの周りを水平回転する回転円板52に、PETボトル等の容器Bの首部Bnを把持する把持装置51が円周等分に設けられており、電子線照射範囲Rにおいて殺菌対象の前記容器Bが殺菌対象のキャップCのほぼ下方に位置するようになっていて、電子線照射装置4からの電子線照射を受けて、容器BとキャップCは同時に電子線殺菌されるように構成されている。
首部Bnが把持装置51によって把持されている容器Bは、円板52の水平回転により搬送されて電子線照射範囲R部に到達すると、電子線照射装置4からの電子線照射を受けて電子線殺菌され、容器BとキャップCが同じ電子線照射装置4からの電子線照射を受けて同時に殺菌することができる。
飲料の無菌充填ラインにおいては、充填前に容器BとキャップCは何れも殺菌する必要があり、前記説明のように、同じ電子線照射装置4からの電子線照射を受けて容器BとキャップCが同時に殺菌できることは、装置コストを節約することができるとともに、容器BとキャップCの殺菌を合理的に行うことができる。
2、3 キャップ搬送スターホイール
2p、3p ポケット
2w 開口部
3p1 (ポケットの)凹面
3p2 (ポケットの凹面から凹んだ)凹部
4 電子線照射装置
5、5a、5b1、5b2、5c 反射板
11、12、13、14 キャップガイド
11a (外周側のキャップガイド)の蛇行形状(非相似形)
12s、13s (側面側のキャップガイド)の直線部(非相似形)
20、30 円板
21 水平軸
21a、21b、25c 冷却水通路
22 連結体
23、24 冷却水配管
25 冷却水配管
51 把持装置
52 円板
B 容器
C キャップ
R 電子線照射範囲
Claims (9)
- 充填後容器の口を封栓するキャップを電子線照射により殺菌する電子線殺菌装置において、所定の電子線照射範囲に電子線を照射する電子線照射装置と、前記キャップをスターホイール外周部に円周等分に設けたポケットに嵌めこんで、水平軸中心に回転させることによって搬送するキャップ搬送スターホイールと、該キャップ搬送スターホイールにより搬送される前記キャップを前記キャップ搬送スターホイールの側面側および外周側でガイドするキャップガイドとから成り、前記キャップ搬送スターホイールの下部を前記電子線照射範囲として、前記キャップを電子線殺菌するように構成したことを特徴とする電子線殺菌装置。
- 請求項1に記載する電子線殺菌装置において、前記ポケットの形状を、前記キャップに接する凹面と該凹面から凹んだ前記キャップに接しない凹部の交互組み合わせ構成としたことを特徴とする電子線殺菌装置。
- 請求項1又は2に記載する電子線殺菌装置において、前記電子線照射範囲で充填前容器も同時に前記電子線照射装置からの電子線照射を受けて殺菌できるように構成したことを特徴とする電子線殺菌装置。
- 請求項1から3のうちいずれか一項に記載する電子線殺菌装置において、前記キャップ搬送スターホイールに開口部を設けて、前記電子線照射装置から照射される電子線が、前記キャップ搬送スターホイールの背面側に通過できるように構成したことを特徴とする電子線殺菌装置。
- 請求項4に記載する電子線殺菌装置において、前記キャップ搬送スターホイールの背面側に反射板を設けて、前記背面側に通過した電子線が、該反射板によって反射されて前記キャップの背面に照射できるように構成したことを特徴とする電子線殺菌装置。
- 請求項1から5のうちいずれか一項に記載する電子線殺菌装置において、前記電子線照射範囲で、前記側面側のキャップガイドを前記キャップの搬送軌跡と非相似形になるようにして、前記キャップの内面および背面の全てが電子線照射を受けることができるように構成したことを特徴とする電子線殺菌装置。
- 請求項1から6のうちいずれか一項に記載する電子線殺菌装置において、前記電子線照射範囲で、前記外周側のキャップガイドを前記キャップの搬送軌跡に対して蛇行形状として、前記キャップの円筒外周面の全てが電子線照射を受けることができるように構成したことを特徴とする電子線殺菌装置。
- 請求項1から7のうちいずれか一項に記載する電子線殺菌装置において、前記キャップガイドを、内管に冷却水が循環する管状の構成としたことを特徴とする電子線殺菌装置。
- 請求項1から8のうちいずれか一項に記載する電子線殺菌装置において、前記キャップ搬送スターホイールの電子線照射を受ける箇所に、冷却水が循環する冷却水配管が付設された構成としたことを特徴とする電子線殺菌装置。
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