JP2011249545A - 電磁波吸収体及び電磁波吸収体の製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】リフロー処理に耐えうる電磁波吸収体を提供する。
【解決手段】基材層1と電磁波吸収層2とを備える電磁波吸収体10であって、基材層1と電磁波吸収層2との間に、リフロー処理に耐える耐熱性を有する樹脂で構成されるバインダー層3が形成されている。バインダー層3は、架橋剤によって架橋されたポリエステル樹脂を用いることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波吸収体及びその製造方法、並びに電子機器に関し、特に、耐リフロー性を有する電磁波吸収体及びその製造方法、並びに当該電磁波吸収体を備える電子機器に関する。
コンピュータ、通信機器、又はビデオカメラ等の電子機器においては、電子機器内部のプリント配線基板やケーブルから高周波ノイズ等の不要な電磁波が発生し、これにより、当該電子機器や他の電子機器が誤作動を引き起こす等、不要な電磁波が電子機器に対して影響を与える場合がある。
そこで、従来、金属薄膜を電磁波シールド層として用いた電磁波シールド材を、プリント配線基板やケーブルに貼り付ける技術が提案されている。電磁波シールド材は、金属薄膜と接着樹脂層とからなり、金属薄膜によって不要な電磁波を遮蔽するものである。
近年、電磁波シールド材が貼り付けられたプリント配線基板に電子部品を接続する方法として、はんだリフローが採用されている。はんだリフローは、プリント配線基板の上にはんだペーストを予め印刷しておき、その上に電子部品を実装して、260℃程度の高温雰囲気のリフロー炉内に配置してはんだを溶かすこと(リフロー処理)によってはんだ付けを行う方法である。
一般的に接着樹脂は耐熱性が良くないので、接着樹脂層を有する電磁波シールド材は、高温のリフロー処理には適していない。そこで、耐熱性が高く難燃性の接着樹脂層を有する電磁波シールド材が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に開示された電磁波シールド材は、高耐熱性で難燃性の接着樹脂層を用いることにより、リフロー処理を行うプリント配線基板等にも適用することができる。
また、最近では、電磁波シールド材を貼り付ける部材として、フレキシブルプリント配線基板(FPC)やフラットケーブル等のフレキシブル性(可撓性)を有する部材が採用されている。しかし、金属薄膜を用いた電磁波シールド材はフレキシブル性に劣るので、FPCとともに屈曲が繰り返されるうちに金属薄膜が裂けたり剥離したりすることがある。従って、金属薄膜を用いた電磁波シールド材では、FPC等のフレキシブル性が要求される部材に適用することは難しい。
そこで、金属薄膜を用いた電磁波シールド材とは別の手段である電磁波吸収体によって、不要な電磁波による影響を防ぐ方法も提案されている。
以下、従来の電磁波吸収体について、図5を参照して説明する。図5は、従来の電磁波吸収体の断面図である。
図5に示すように、従来の電磁波吸収体1000は、基材層100と、基材層100の上に形成された磁性粉末含有樹脂層200とを備える。磁性粉末含有樹脂層200は、樹脂に磁性粉末が含有されたものである。
このように構成された電磁波吸収体1000は、接着剤によってFPC等に貼り付けられる。これにより、電子機器から発生する不要な電磁波を、磁性粉末含有樹脂層200によって吸収することができるので、不要な電磁波による影響を抑制することができる。しかも、磁性粉末含有樹脂層200は、磁性粉末と合成樹脂とからなりフレキシブル性を有するので、FPCとともに屈曲が繰り返されたとしても破断や剥離等の問題は生じない。
また、この種の電磁波吸収体として、磁性粉末含有樹脂層の少なくとも一方の面に表面保護層を形成してなるノイズ抑制シートも提案されている(特許文献2参照)。このノイズ抑制シートによれば、ノイズ抑制シートと他の部材との貼り付けとの組み合わせによる問題を解消することができる。
特開2007−294918号公報 特開2009−158694号公報
しかしながら、従来の電磁波吸収体をFPC等のプリント配線基板に貼り付けて、はんだリフローを適用してリフロー処理を行うと、磁性粉末含有樹脂層が膨れ上がって電磁波吸収体に外観異常が発生するという問題がある。
この問題に対しては、リフロー処理を行った後に電磁波吸収体をプリント基板に貼り付けるという方法を採ることも考えられるが、生産性等を考えると、電磁波吸収体は予めプリント配線基板に貼り付けておき、これに電子部品を実装してリフロー処理を行うことが好ましい。
従って、従来の電磁波吸収体が貼り付けられたプリント配線基板等に対しては、はんだリフローにおけるリフロー処理を行うことが困難であるという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、リフロー処理に耐えうる電磁波吸収体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る電磁波吸収体の一態様は、基材層と電磁波吸収層とを備える電磁波吸収体であって、前記基材層と前記電磁波吸収層との間に、リフロー処理に耐える耐熱性を有する樹脂で構成されるバインダー層が形成されているものである。
これにより、バインダー層によって電磁波吸収層が保護されるので、リフロー処理が施されたとしても、電磁波吸収体に膨れや剥れ等の外観異常は生じない。
さらに、本発明に係る電磁波吸収体の一態様において、前記電磁波吸収層の膜厚が、10μm以上100μm以下であることが好ましい。
これにより、電磁波吸収性能を好適なものとすることができる。
さらに、本発明に係る電磁波吸収体の一態様において、前記電磁波吸収層の表面抵抗値が、20Ω/□以上170Ω/□以下であることが好ましい。
これにより、電磁波吸収性能を好適なものとすることができる。
さらに、本発明に係る電磁波吸収体の一態様において、前記電磁波吸収層が、カーボンブラック及び磁性金属粒子を含むことが好ましい。
これにより、所望の電磁波吸収性能を容易に得ることができる。
さらに、本発明に係る電磁波吸収体の一態様において、前記バインダー層を構成する前記樹脂はポリエステル樹脂であることが好ましい。
これにより、基材層との接着性を向上させることができるとともに耐リフロー性を有するバインダー層を容易に構成することができる。
さらに、本発明に係る電磁波吸収体の一態様において、前記バインダー層は架橋剤によって架橋されていることが好ましい。さらに、本発明に係る電磁波吸収体の一態様において、前記架橋剤は、イソシアネート系架橋剤であることが好ましい。
これにより、バインダー層の分子構造を緻密にすることができるので、電磁波吸収体の耐熱性及び耐リフロー性を向上させることができる。また、接着強度に優れ、柔軟性及び耐衝撃性に優れた電磁波吸収体を得ることもできるので、FPC等のフレキシブル性を有するプリント配線基板等に対して好適である。
さらに、本発明に係る電磁波吸収体の一態様において、前記バインダー層の膜厚が、3μm以上50μm以下であることが好ましい。
これにより、基材層と電磁波吸収層との間の接着性を好適なものとすることができる。
さらに、本発明に係る電磁波吸収体の一態様において、前記架橋剤の添加量は、前記バインダー層中の前記樹脂30重量部に対して3〜16重量部であることが好ましい。
これにより、基材層と電磁波吸収層との間の接着性及びフレキシブル性を好適なものとすることができる。
さらに、本発明に係る電磁波吸収体の一態様において、前記バインダー層に難燃剤が添加されていることが好ましい。また、本発明に係る電磁波吸収体の一態様において、前記電磁波吸収層の前記バインダー層が形成されている側とは反対側の面に、所定の合成樹脂に難燃剤が添加された難燃層が形成されていることが好ましい。
これにより、電磁波吸収層の難燃性を向上させることができる。
さらに、本発明に係る電磁波吸収体の一態様において、前記電磁波吸収層の上に接着剤層が形成されていることが好ましい。
これにより、電磁波吸収体をFPC等の電磁波発生部材に容易に貼り付けることができる。
また、本発明に係る電子機器の一態様は、上記の電磁波吸収体の一態様が積層されたプリント配線基板を備えるものである。
これにより、電磁波吸収体によって電子機器内の不要な電磁波を吸収することができる。
また、本発明に係る電磁波吸収体の製造方法の一態様は、離型シート上に、金属が含有された第1の樹脂溶液を塗布する第1の樹脂溶液塗布工程と、前記第1の樹脂溶液に熱処理を施して電磁波吸収層を形成する電磁波吸収層形成工程と、前記電磁波吸収層の上に、リフロー処理に耐える耐熱性を有する樹脂を含む第2の樹脂溶液を塗布する第2の樹脂溶液塗布工程と、前記第2の樹脂溶液に熱処理を施してバインダー層を形成するバインダー層形成工程と、前記バインダー層の上に基材層を配置して、前記電磁波吸収層と前記基材層とをバインダー層によって貼り合わせる基材層貼り合わせ工程と、前記電磁波吸収層から前記離型シートを剥離する離型シート剥離工程と、を含むものである。
これにより、耐リフロー性及びフレキシブル性を有する電磁波吸収体を製造することができる。
本発明に係る電磁波吸収体によれば、基材層と電磁波吸収層との間に、リフロー処理に耐える耐熱性を有する樹脂で構成されるバインダー層が形成されているので、リフロー処理が施されたとしても電磁波吸収体における外観異常の問題は生じない。従って、耐リフロー性及びフレキブル性を有する電磁波吸収体を提供することができる。
また、本発明に係る電子機器によれば、耐リフロー性及びフレキシブル性を有する電磁波吸収体が積層されたプリント配線基板を有するので、当該プリント配線基板に対してはんだリフローを行うことができるとともに、当該電磁波吸収体によって電子機器内の不要な電磁波を吸収することができる。これにより、電子機器の誤作動の発生を抑制することができる。
本発明の第1の実施形態に係る電磁波吸収体の断面図 本発明の第1の実施形態に係る電磁波吸収体の製造方法におけるフローチャート 本発明の第2の実施形態に係る電磁波吸収体の断面図 本発明の第3の実施形態に係る電磁波吸収体の断面図 従来の電磁波吸収体の断面図
以下、本発明の実施形態に係る電磁波吸収体及びその製造方法、並びに、電子機器について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る電磁波吸収体について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る電磁波吸収体の断面図である。
(電磁波吸収体の全体構成)
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る電磁波吸収体10は、FPC等のプリント配線基板やケーブル等に積層されるフィルム状(シート状)の電磁波吸収体であって、基材層1と、電磁波吸収層2と、基材層1と電磁波吸収層2の間に形成されたバインダー層3とを備える。
本実施形態に係る電磁波吸収体10は、各層が、高分子化合物からなる所定の合成樹脂によって構成された電磁波吸収体であり、金属蒸着層や金属箔のような金属のみからなる層は有していない。つまり、本実施形態に係る電磁波吸収体10の各層に金属や無機化合物などの材料を用いる場合、各層は、フレキシブル性を有するように、合成樹脂と金属や無機化合物とが混合されて構成される。
以下、本実施形態に係る電磁波吸収体10の各層の構成について、詳細に説明する。
(基材層)
本実施形態における基材層1は、フレキシブル性及び絶縁性を有し、かつ耐熱性を有する合成樹脂からなる樹脂フィルムによって構成される。基材層1は、電磁波吸収体がFPC等のプリント配線基板やケーブルに積層されたときに、露出して外部に曝される層である。従って、電子機器の製造工程におけるリフロー処理等の各種熱処理工程に対して所定の耐熱性を有することが好ましい。
本実施形態において、基材層1は、少なくともリフロー処理の温度に耐える耐熱性を有する。この場合、リフロー処理時等の温度を考慮すると、基材層1の耐熱性は、例えば、260℃の温度で2分間放置された場合において、あるいは、200℃の温度環境にて60分間放置された場合において、基材層1が溶解せず、また、縮んだり伸びたりしないような耐熱性であることが好ましい。
このような基材層1としては、具体的には、ポリプロピレンフィルム、架橋ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリベンゾイミダゾールフィルム、アラミドフィルム、ポリイミドフィルム(PIフィルム)、ポリイミドアミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム(PPSフィルム)、又はポリエチレンナフタレートフィルム等が挙げられる。耐熱性の観点からは、基材層1としてはPIフィルム、ポリイミドアミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、PPSフィルムを用いることが好ましい。特に、PIフィルムは、極めて高耐熱性という特質を有するだけではなく、高強度であり電気絶縁性も優れているので、電磁波吸収体の基材層としては好適である。
また、基材層1の膜厚は、10μm以上、50μm以下とすることが好ましい。これは、基材層1の膜厚が10μm未満になると、基材層としての機械的強度が弱くなり、電磁波吸収体の製造工程中に基材層が裂けたりカールしたりするおそれがあるからである。一方、基材層1の膜厚が50μmを超えると、電磁波吸収体全体としてフレキシブル性が低下してしまうので、屈曲が繰り返されるようなFPCへの積層が難しくなる。さらに、基材層1の膜厚が50μmを超えた場合には、電磁波吸収体全体が嵩張ってしまい、保管性や運搬性も低下する。
すなわち、基材層1の膜厚を厚くすることにより、電磁波吸収体全体としての耐リフロー性及び耐熱性を向上させることができると考えられる。しかし、基材層1の膜厚を厚くしすぎると、電磁波吸収体全体としてのフレキシブル性がいきおい低下してしまうので、基材層1のみを厚くすることは好ましくない。
なお、基材層1のバインダー層3と接する面に対して、コロナ処理等の表面改質処理を施してもよい。コロナ処理は、処理基材に対してコロナ放電を照射させることにより処理基材の表面を改質させるものである。表面改質処理を施すことにより、基材層1のバインダー層3と接する面の接着性を向上させることができる。
(バインダー層)
図1に示すように、本実施形態におけるバインダー層3は、基材層1と電磁波吸収層2とに挟まれている。本実施形態におけるバインダー層3は、リフロー処理に耐える耐熱性を有する合成樹脂によって構成されている。このように、基材層1と電磁波吸収層2の間に、耐リフロー性を有する樹脂で構成されたバインダー層3を挿入することにより、リフロー処理が施されたとしても電磁波吸収層2が膨れ上がる等の不具合が生じなくなる。すなわち、バインダー層3は、基材層1と電磁波吸収層2とを結着させる結着剤として機能するとともに、電磁波吸収層2を保護して電磁波吸収層2の熱による変形等を防止する機能を有する。
具体的には、バインダー層3によって、後述するリフロー試験後において、電磁波吸収体10に膨れや剥れが発生せず、また、FPC等のプリント配線基板上に合成樹脂が流れ出す等の外観変化も生じないものをいう。なお、リフロー試験中にバインダー層3が軟化したり一部溶融したりした場合であっても、試験後(冷却後)において、電磁波吸収体に膨れや剥れがなく、また、合成樹脂の滲み出しがなければリフロー処理に耐える耐熱性を有するものである。
また、通常リフロー処理は、260℃前後の温度で数分行われるが、リフロー処理前において、プリント配線基板と電磁波吸収体とを接着するために、150〜200℃の温度で加圧プレスして150℃前後の温度で1時間程度の熱処理を施す工程がある。従って、バインダー層3の材料としては、200℃の温度環境で60分間放置されたときにおいても外観変化しないような耐熱性を有することが好ましい。
また、基材層1と電磁波吸収層2との間にバインダー層3を挿入しても電磁波吸収体10全体としてのフレキシブル性を維持させる必要があるので、バインダー層3としても一定のフレキシブル性を有するように材料及び膜厚等を調整することが好ましい。
このようなバインダー層3の材料としては、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、又はアクリル樹脂等の合成樹脂が挙げられる。
これらの合成樹脂のうちバインダー層3のより好ましい材料としては、高耐熱性を有する材料であって、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、又はエポキシ樹脂である。なお、耐熱性だけではなく基材層1との接着性を考慮すると、ポリエステル樹脂、特に、飽和ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。また、耐熱性及び熱収縮性の観点からは、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。但し、エポキシ樹脂は保管時の温度管理等が煩雑であるので、生産管理の観点からは、エポキシ樹脂よりもポリエステル樹脂の方がより好ましい。
また、本実施形態において、バインダー層3の合成樹脂には架橋剤を添加し、当該合成樹脂を架橋させてバインダー層3を構成することが好ましい。さらには、バインダー層3としては、熱可塑性樹脂を用いて、これに架橋剤を添加して得られる合成樹脂、すなわち、熱可塑性であり、かつ熱硬化性の合成樹脂とすることが好ましい。このように、合成樹脂を架橋させてバインダー層3を構成することにより、バインダー層3の分子構造を緻密なものとすることができるので、バインダー層3の耐熱性を向上させることができる。これにより、電磁波吸収層2の耐リフロー性を向上させることができる。しかも、合成樹脂を架橋させて構成したバインダー層3を用いることにより、耐熱性及び耐リフロー性を向上することができるだけではなく、接着強度に優れ、柔軟性及び耐衝撃性に優れた電磁波吸収体を得ることができる。
バインダー層3に用いられる架橋剤としては、バインダー層3を構成する樹脂がポリエステル樹脂である場合は、イソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。特に、多官能タイプのイソシアネート系架橋剤を用いることにより、バインダー層3の耐熱性及び接着性をより向上させることができる。イソシアネート系架橋剤としては、コロネートHL(日本ポリウレタン工業社(株)製)、アクアネートAQ200(日本ポリウレタン工業(株)製)、バーノックDN955(DIC(株)製)などが挙げられる。特に、多官能タイプの中でも、無黄変型のイソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。
但し、バインダー層3に架橋剤を用いる場合、ポリエステル樹脂については、不飽和ポリエステル樹脂ではなく、飽和ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。これは、不飽和ポリエステル樹脂を用いてイソシアネート系架橋剤にて架橋させると、熱処理による収縮が大きく、内部応力が残ってしまうおそれがあるからである。
このように、本実施形態では、電磁波吸収体10を構成する材料として、リフロー処理の温度を考慮すると一般的には使用が難しいと考えられるポリエステル樹脂を用いた場合であっても、リフロー処理に耐え得る電磁波吸収体10を得ることができる。
また、その他に、バインダー層3を構成する合成樹脂に用いられる架橋剤としては、アルミキレート架橋剤を用いることもできる。この場合、バインダー層3の材料としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、又はエポキシ樹脂を用いることができ、これらの樹脂にアルミキレート架橋剤を配合してバインダー層3を得ることができる。また、エポキシ系架橋剤も用いることができる。
架橋剤を用いてバインダー層3を構成する場合、当該架橋剤の添加量としては、バインダー層3の合成樹脂30重量部に対して3〜16重量部程度とすることが好ましい。これは、架橋剤の添加量が当該合成樹脂30重量部に対して3重量部を下まわると、得られるバインダー層3の耐熱性が低下するとともに、基材層1と電磁波吸収層2との間の接着性(結着性)が不十分となるおそれがあるからである。一方、架橋剤の添加量が当該合成樹脂30重量部に対して16重量部を超えると、得られる電磁波吸収体10が硬くなりすぎて、電磁波吸収体全体としてのフレキシブル性が低下するおそれがある。
さらに、架橋剤を用いてバインダー層3を構成する合成樹脂を架橋する場合は、触媒を用いることが好ましい。触媒としては、アミン系触媒、スズ系触媒、有機アンチモン系触媒、又は有機ビスマス系触媒等が挙げられる。また、これらの触媒は適宜配合して用いることもできる。架橋の際の触媒としては、特に、アミン系触媒を用いることが好ましく、具体的には、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ポリアミド樹脂、イミダゾール類、メタフェニレンジアミン、ポリチオエーテルなどが挙げられる。アミン系触媒を用いて架橋することにより、架橋密度が上がり、得られるバインダー層3の軟化点を上昇させることができ、バインダー層3の耐熱性をさらに向上させることができる。このようなバインダー層の軟化点としては260℃以上とすることが好ましい。
触媒を用いてバインダー層3を架橋する場合、当該触媒の添加量としては、架橋剤100重量部に対して4〜25重量部程度とすることが好ましい。これは、触媒の添加量が架橋剤100重量部に対して4重量部を下まわると、バインダー層3が硬化する速度が遅くなりすぎるおそれがあるからである。一方、触媒の添加量が架橋剤100重量部に対して25重量部を超えると、逆に反応が早くなりすぎて樹脂溶液のポットライフ(可使時間)が短くなりすぎるおそれがある。
また、バインダー層3の膜厚は、3μm以上50μm以下とすることが好ましい。これは、バインダー層3の膜厚が3μm未満であると、基材層1と電磁波吸収層2との接着性(結着性)が低下して、得られる電磁波吸収体10がリフロー処理に耐えられなくなるおそれがあるからである。一方、バインダー層3の膜厚を50μmよりも厚くしても、基材層1と電磁波吸収層2との接着性はあまり向上しないばかりか、バインダー層3の中に溶剤が残留し、これがリフロー処理時に気化してボイド(気孔)となって、かえってバインダー層3の接着性が低下するおそれがある。
なお、バインダー層3に用いられる合成樹脂としては、重量平均分子量が5万以下の架橋密度形成型の合成樹脂を用いることが好ましい。また、架橋剤を用いてバインダー層3を構成する場合は、架橋剤にて架橋させる前における重量平均分子量が5万以下の架橋密度形成型の合成樹脂を用いることが好ましい。なお、架橋密度形成型とは、上述の多官能型のイソシアネート系架橋剤と三次元架橋するタイプのものをいう。
(電磁波吸収層)
本実施形態における電磁波吸収層2は、電磁波、特に電波を吸収することができる機能を有し、合成樹脂と電磁波吸収材とで構成される。
電磁波吸収層2を構成する合成樹脂としては、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エチレン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、ニトリルブタジエン樹脂、又はエポキシ樹脂等が挙げられる。電磁波吸収性能の安定性を考慮すると、電磁波吸収層2の合成樹脂としては、ウレタン樹脂を用いることが好ましい。
また、電磁波吸収層2を構成する電磁波吸収材としては、カーボンブラック及び磁性金属が用いられる。
カーボンブラックとしては、粒子径が10nm〜300μmのものを用いることが好ましい。特に、電磁波吸収性能の観点からは、粒子径が1μm〜300μm程度である大径粒子と粒子径が1μm未満の小径微粒子とを配合してなるカーボンブラックを用いることが好ましい。また、粒子径が1μm〜300μm程度の鱗片状粒子(鱗片状粒子の長径)は、広い表面積を有することから電磁波吸収性能に優れ、かつ、その形状によって薄い電磁波吸収層2を形成することができる。なお、粒子径は、電子顕微鏡にて観察することにより確認することができる。
また、磁性金属の材料としては、鉄珪素合金、鉄アルミ珪素合金、鉄ニッケル合金、マグネタイト等の磁性金属粒子(磁性金属粉末)を用いることができる。なお、磁性金属の形状は、鱗片状、棒状、針状、球状、不定形等のいかなる形態であってもよいが、電磁波吸収性能の観点からは、鱗片状の磁性金属を用いることが好ましい。
磁性金属粒子の粒子径は、0.01μm〜300μmであることが好ましく、特に、0.2μm〜100μmであることが好ましい。なお、磁性金属粒子の粒子径とは、磁性金属粒子の形状が球状以外の場合、例えば鱗片状の場合は、最も長い対角線の長さ(長径)をいう。
電磁波吸収層2におけるカーボンブラックと磁性金属のそれぞれの含有量は、電磁波吸収層2を構成する合成樹脂100重量部に対して、カーボンブラックの含有量は50〜200重量部とし、また、磁性金属の含有量は50〜100重量部として、配合することが好ましい。カーボンブラックの含有量が、当該合成樹脂100重量部に対して50重量部未満であると十分な電磁波吸収性能を得ることができず、また、当該合成樹脂100重量部に対して200重量部を超えると電磁波シールドとしての性能(電磁波反射性能)が強くなり電磁波吸収性能を得ることができなくなるおそれがあるからである。また、カーボンブラックの含有量が、当該合成樹脂100重量部に対して200重量部を超えると、磁性金属の含有量との兼ね合いもあるが、電磁波吸収層2自体が脆くなるおそれがある。一方、磁性金属の含有量が、電磁波吸収層2の合成樹脂100重量部に対して50重量部未満であると、十分な電磁波吸収性能を得ることができないおそれがあり、また、当該合成樹脂100重量部に対して100重量部を超えたとしても電磁波吸収性能はそれほど向上せずコスト的に不利であるとともに、電磁波吸収層2のフレキシブル性が低下してしまうおそれがある。
また、本実施形態において、電磁波吸収層2には必要に応じて架橋剤を添加し、合成樹脂を架橋させて電磁波吸収層2を構成しても構わない。このような架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤を用いることが好ましく、特に、バインダー層3と同様に、多官能タイプのイソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。これにより、電磁波吸収層2の耐熱性及び接着性を向上させることができる。なお、イソシアネート系架橋剤としては、コロネートHL(日本ポリウレタン工業(株)製)、アクアネートAQ200(日本ポリウレタン工業(株)製)、バーノックDN955(DIC(株)製)などが挙げられる。特に、多官能タイプの中でも、無黄変型のイソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。
なお、架橋剤を用いて電磁波吸収層2を構成する場合、架橋剤の添加部数は、ウレタン樹脂100重量部に対して1〜20重量部程度添加することが好ましい。
また、本実施形態において、電磁波吸収層2は、表面抵抗値が10Ω/□以上、200Ω/□以下であることが好ましい。電磁波吸収層2の表面抵抗値が10Ω/□未満であると電磁波シールド性能が強くなり電磁波を吸収するのではなく電磁波を反射してしまい、反射した電磁波によって電子機器の誤作動が発生するおそれがある。また、電磁波吸収層2の表面抵抗値が200Ω/□を超えると、十分な電磁波吸収性能を得ることができず、電磁波吸収不足によって電子機器の誤作動が発生するおそれがある。なお、電磁波吸収層2のより好ましい表面抵抗値は、20Ω/□以上、170Ω/□以下である。
また、本実施形態において、電磁波吸収層2の膜厚は、5μm以上、100μm以下であることが好ましい。電磁波吸収層2の膜厚が5μm未満であると十分な電磁波吸収性能を得ることができないおそれがある。また、電磁波吸収層2の膜厚が100μmを超えても電磁波吸収性能はそれ以上あまり向上せず、コスト的に好ましくない。電磁波吸収層2のより好ましい膜厚は、10μm以上、50μm以下である。
なお、本実施形態に係る電磁波吸収層2の電磁波吸収性能としては、FPC等に電磁波吸収体10を積層した際、300〜800MHz帯において、未積層品に対して、発生する電磁波が少なくとも1〜2dB程度低下するような効果であればよい。また、電磁波吸収性能としては、電磁波が2dB以上低下するようなものであってもよい。
なお、本実施形態において、電磁波吸収体10の電磁波吸収性能は、IEC−62333に準じ電波吸収性能測定S21方式、キーコム型近傍界用電波吸収測定装置を用いて測定することができる。
(電磁波吸収体の作用効果)
以上、本発明の第1の実施形態に係る電磁波吸収体10は、基材層1と電磁波吸収層2との間に、リフロー処理に耐える耐熱性を有する樹脂で構成されたバインダー層3を備えている。これにより、電磁波吸収体10に対してリフロー処理が施されたとしても、電磁波吸収体10に膨れや剥れ等の外観異常は見られない。従って、リフロー処理に耐えることのできる柔軟性を有する電磁波吸収体10を提供することができる。
このように、本実施形態に係る電磁波吸収体10は耐リフロー性を有するものであるので、電磁波吸収層2としては、リフロー処理における260℃以上の軟化点が必要であると考えられる。しかしながら、本実施形態では上記バインダー層3を備えており、当該バインダー層3が電磁波吸収層2を保護しているので、電磁波吸収層2の合成樹脂材料として一般的に用いられている170〜180℃程度の耐熱性を有するものを用いたとしても、電磁波吸収体の外観異常は発生しない。
なお、リフロー処理中にバインダー層3や電磁波吸収層2が軟化したり一部溶融したりした場合においても、リフロー処理後(冷却後)において、これらの合成樹脂が膨れたり剥れたり、また滲み出したりしなければよい。従って、バインダー層3や電磁波吸収層2に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂であっても構わない。より好ましくは、熱可塑性であり、かつ熱硬化性の合成樹脂を用いることが好ましい。特に、バインダー層3と電磁波吸収層2の両方の樹脂が、ともに熱可塑性であり、かつ熱硬化性の合成樹脂を用いることにより、互いに接着強度に優れ、柔軟性、耐衝撃性及び耐熱性に優れた電磁波吸収体を得ることができる。
また、本実施形態に係る電磁波吸収体10におけるバインダー層3はフレキシブル性を有するので、バインダー層3が挿入されても電磁波吸収体10全体のフレキシブル性を従来と同様に維持することができる。従って、本実施形態に係る電磁波吸収体10において、電磁波吸収層2に接着剤を塗布して基材層1が露出面となるように当該電磁波吸収体10をフレキシブル性のあるFPCやケーブルに貼り付けることにより、柔軟で、かつ発生電磁波を抑制することのできるプリント配線基板又はフラット配線ケーブルを得ることができる。しかも、本実施形態に係る電磁波吸収体10は、上述のように耐リフロー性を有するので、当該プリント配線基板に対してはんだリフローを適用しても、電磁波吸収体10に膨れや剥れが生じたりプリント配線基板上に合成樹脂が流れ出したり等の不具合は生じない。すなわち、本実施形態に係る電磁波吸収体10は、フレキシブル性を維持させながら耐リフロー性を発揮するように構成された電磁波吸収体である。
そして、本実施形態に係る電磁波吸収体10が積層されたプリント配線基板等を電子機器内に設けることによって、当該電磁波吸収体10によって電子機器内の不要な電磁波を吸収することができるので、電子機器の誤作動の発生を抑制することができる。
(電磁波吸収体の製造方法)
次に、本発明の第1の実施形態に係る電磁波吸収体10の製造方法について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る電磁波吸収体の製造方法のフローチャートである。
図2に示すように、まず、離型シート上に、電磁波吸収層2を形成するための樹脂溶液である第1の樹脂溶液(電磁波吸収層用樹脂溶液)を塗布する(第1の樹脂溶液塗布工程:S11)。ここで、離型シートとは、合成樹脂が他の部材と接着しないように表面処理が施されたシートのことであり、より具体的には離型紙や離型フィルムである。
第1の樹脂溶液としては、上述した電磁波吸収層2の合成樹脂を、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、トルエン、キシレンなどの有機溶媒や水などによって、溶解、分散、乳化させたものを用いる。また、溶媒を用いないで、ホットメルト型樹脂を加熱溶解した樹脂溶液を用いることもできる。
第1の樹脂溶液には、必要に応じて、上述の架橋剤を添加する。また、架橋剤の他に、触媒や顔料、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。但し、電磁波吸収層2の電磁波吸収性能を阻害したり軟化点を大きく低下させたりしない程度に調整することが好ましい。
また、第1の樹脂溶液の離型シート上への塗布方法は、ナイフコータ、パイプコータ、又は押し出しコータ等を用いることができる。なお、塗布の際のスリット間隔は、目的とする電磁波吸収層2の厚みを勘案し設定すればよい。
次に、離型シート上に塗布した第1の樹脂溶液に対して熱処理を施して電磁波吸収層2を成膜する(電磁波吸収層形成工程:S12)。
このとき、第1の樹脂溶液に溶媒を用いた場合は、オーブン等を用いて、50〜130℃の温度で30秒〜5分程度乾燥することにより、電磁波吸収層2を成膜する。また、架橋剤を用いた場合は、合成樹脂を架橋させるために、130℃〜200℃の温度で10秒〜5分程度の加熱処理を施す。
一方、第1の樹脂溶液に溶媒を用いなかった場合は、そのまま冷却して電磁波吸収層2を成膜する。また、架橋剤を用いた場合は、合成樹脂を架橋させるために、上記の加熱処理や加湿処理を施す。
次に、離型シート上に成膜した電磁波吸収層2上に、バインダー層3を形成するための樹脂溶液である第2の樹脂溶液(バインダー層用樹脂溶液)を塗布する(第2の樹脂溶液塗布工程:S13)。
第2の樹脂溶液としては、上述したバインダー層3の合成樹脂に対して、第1の樹脂溶液と同様の方法を施すことにより得ることができる。また、第1の樹脂溶液と同様に、必要に応じて、架橋剤、触媒、又は顔料等の添加剤を用いてもよい。
次に、電磁波吸収層2上に塗布した第2の樹脂溶液に対して熱処理を施してバインダー層3を成膜する(バインダー層形成工程:S14)。
第2の樹脂溶液の熱処理等については、第1の樹脂溶液の熱処理等と同様の方法によって行うことができる。
次に、成膜したバインダー層3の上に基材層1を重ね合わせることにより、バインダー層3を介して基材層1と電磁波吸収層2とを貼り合わせる(基材層貼り合わせ工程:S15)。
貼り合わせの条件としては、バインダー層3を構成する合成樹脂の特性に合わせればよく、例えば、室温(10℃ないし25℃)〜200℃の温度で0.01MPa〜10MPa程度の圧力で貼り合わせることができる。これにより、離型シート上に、基材層1、バインダー層3及び電磁波吸収層2がこの順で積層された積層構造体を得ることができる。
なお、その後、必要に応じて、電磁波吸収層2又はバインダー層3における合成樹脂の架橋を促進させるために、50℃〜90℃程度の温度で12時間〜100時間程度のエージングを行ってもよい。
最後に、基材層1、バインダー層3及び電磁波吸収層2の積層構造体から離型シートを剥離する(離型シート剥離工程:S16)。
以上により、基材層1と電磁波吸収層2との間にバインダー層3が形成された電磁波吸収体10を得ることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る電磁波吸収体20について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係る電磁波吸収体の断面図である。
図3に示すように、本発明の第2の実施形態に係る電磁波吸収体20は、図1に示す本発明の第1の実施形態に係る電磁波吸収体10に対して、さらに、接着剤層4を有するものである。なお、接着剤層4以外の構成要素は、本発明の第1の実施形態に係る電磁波吸収体と同じである。従って、図3において、図1に示す構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。
図3に示すように、本発明の第2の実施形態に係る電磁波吸収体20は、第1の実施形態と同様にFPC等のプリント配線基板やケーブル等に積層されるフィルム状の電磁波吸収体であって、基材層1と、電磁波吸収層2と、基材層1と電磁波吸収層2の間に形成されたバインダー層3と、バインダー層3上に形成された接着剤層4とを備える。本実施形態に係る電磁波吸収体20も、各層が、高分子化合物からなる所定の合成樹脂によって構成され、フレキシブル性を有する電磁波吸収体であり、FPC等に積層して用いられる。
本実施形態における接着剤層4は、FPC等の電磁波発生部材に接着させるためのものである。接着剤層4によって、電磁波吸収体20をFPC等の電磁波発生部材に容易に貼り付けることができる。
接着剤層4としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、紫外線硬化樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などを用いることができる。本実施形態では、特に、耐熱性がより優れているエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
また、本実施形態に係る電磁波吸収体20を製造するには、図2に示す各工程を施した後に、さらに、電磁波吸収層2の上に接着剤層4を塗布形成する。すなわち、離型シートを剥離した後、露出させた電磁波吸収層2の上に、上記所定の材料からなる接着剤層4を塗布して積層する。なお、接着剤層4の塗布方法については、ナイフコータ、パイプコータ、押し出しコータ等を用いることができる。なお、塗布の際のスリット間隔は、目的とする接着剤層4の厚みを勘案し設定すればよい。
なお、接着剤層4としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂は加熱されると樹脂が硬化してしまい、FPC等と接着することができなくなるおそれがある。従って、エポキシ樹脂は、10℃以下の低温で保存することが好ましく、また、FPC等と貼り合せるまで熱をかけないようにすることが好ましい。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る電磁波吸収体30、31について、図4(a)及び図4(b)を用いて説明する。図4(a)及び図4(b)は、本発明の第3の実施形態に係る電磁波吸収体の断面図である。
図4(a)に示すように、本発明の第3の実施形態に係る電磁波吸収体30は、図1に示す本発明の第1の実施形態に係る電磁波吸収体10のバインダー層3に難燃剤を添加させたものである。なお、図4(a)において、図1に示す構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。
図4(a)に示すように、本発明の第3の実施形態に係る電磁波吸収体30は、第1の実施形態と同様にFPC等のプリント配線基板やケーブル等に積層されるフィルム状の電磁波吸収体であって、基材層1と、電磁波吸収層2と、基材層1と電磁波吸収層2の間に形成されたバインダー層35とを備える。
本実施形態におけるバインダー層35は、上述のとおり、図1に示すバインダー層3に難燃剤が添加されたものである。難燃剤としては、リン系難燃剤又はハロゲン系難燃剤を用いることができる。環境の観点からは、リン系難燃剤を用いることが好ましい。
また、難燃剤の添加量は、バインダー層35の合成樹脂30重量部に対して40〜120重量部とすることが好ましい。難燃剤の添加量が当該合成樹脂30重量部に対して40重量部未満になると、十分な難燃性能を得ることができないおそれがある。また、難燃剤の添加量が当該合成樹脂30重量部に対して120重量部を超えると、得られるバインダー層35が脆くなるおそれがある。
このように、バインダー層35に難燃剤を添加することにより、バインダー層35上の電磁波吸収層2の難燃性を向上させることができる。従って、第1の実施形態に係る電磁波吸収体10に対して、難燃性に優れた電磁波吸収体30を得ることができる。
また、図4(a)に示す電磁波吸収体30ではバインダー層35に難燃剤を添加したが、バインダー層35に難燃剤を添加せずに、図4(b)に示すように、電磁波吸収層2上に難燃層5を形成してもよい。
図4(b)に示すように、本発明の他の第3の実施形態に係る電磁波吸収体31は、図1に示す本発明の第1の実施形態に係る電磁波吸収体10に対して、さらに、難燃層5が形成されたものである。なお、図4(b)において、図1に示す構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。
図4(b)に示すように、本発明の他の第3の実施形態に係る電磁波吸収体31は、基材層1、バインダー層3、及び電磁波吸収層2が順次形成され、さらに、電磁波吸収層2のバインダー層3が形成された面とは反対側の面に、合成樹脂に難燃剤が添加された難燃層5が形成されたものである。
難燃層5を構成する合成樹脂としては、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、又はアクリル樹脂等を用いることができる。また、難燃剤としては上述の難燃剤を用いることができる。また、難燃剤の添加量もバインダー層35と同様とすることができる。
難燃層5は、成膜した電磁波吸収層2の上に、難燃層5を形成するための樹脂溶液である第3の樹脂溶液(難燃層用樹脂溶液)を塗布し、熱処理を施すことによって成膜することができる。
このように、電磁波吸収層2上に難燃層5を形成することによっても、電磁波吸収層2の難燃性を向上させることができる。従って、難燃性に優れた電磁波吸収体31を得ることができる。
なお、図4(a)と図4(b)とを組み合わせて、難燃剤を添加したバインダー層35と難燃層5とによって電磁波吸収層2を挟み込む構造としても構わない。これにより、さらに、電磁波吸収層2の難燃性を向上させることができる。
また、本実施形態において、図3に示すような接着剤層4を適用しても構わない。すなわち、図4(a)において、電磁波吸収層2のバインダー層35とは反対側の面に接着剤層4を形成しても構わない。また、図4(b)において、難燃層5の電磁波吸収層2とは反対側の面に接着剤層4を形成しても構わない。
以下、本発明に係る電磁波吸収体の実施例について説明する。
(試験方法)
各実施例における各種試験方法は、以下のようにして行った。
(リフロー試験)
作製した電磁波吸収体を、150℃の温度で2分間の加熱処理を行った後、260℃の温度で5秒間の加熱処理を行った。その後、電磁波吸収体に、膨れ、剥れ等の外観異常がないかどうか、目視にて外観の観察を行った。
(耐熱性試験)
作製した電磁波吸収体を、ギアオーブンによって200℃の温度で60分間の加熱処理を行った後、目視にて外観変化及び下記の方法で電磁波吸収性能を測定した。
(碁盤目試験)
作製した電磁波吸収体の電磁波吸収層面に、カッターナイフを用いて1mm×1mm四方の碁盤目の切り傷を入れる(碁盤目の数は100個)。次に、碁盤目の切り傷を入れた所に粘着テープを強く圧着させて、粘着テープの端を約45°の角度で急速に引き剥がし、100個中残った碁盤目の数を数えた。
(評価項目)
また、各実施例における各評価項目の物性値は、以下のようにして測定した。
(表面抵抗値)
作製した電磁波吸収体(接着剤層を有する場合は、接着剤層を付与する前)における電磁波吸収層面の表面抵抗値は、表面抵抗測定機ロレスターEP(三菱化学製)を用いて測定した。
(電磁波吸収性)
作製した電磁波吸収体における電磁波吸収性能は、IEC−62333に準じ電波吸収性能測定S21方式で、キーコム型近傍界用電波吸収測定装置を用いて測定した。また、電磁波を1dB低下させる場合は、−1dBとして表記する。測定波長領域は、300〜1000MHzとした。
なお、電磁波吸収性能として、各実施例に係る電磁波吸収体は周波数が高くなるに従って右下下がり(電磁波吸収性能向上)の性能を示すので、1000MHzにて−6dB以下の性能を示す場合は、300MHz〜800MHzの全波長領域において−1dB以下の安定して優れた電磁波吸収性能を示す。また、1000MHzにて−3dB〜−6dBの性能を示す場合も、300MHz〜800MHzの全波長領域において−1dB以下であり、通常は電磁波障害を発生させないが、条件によっては電磁波障害が発生する場合がある。また、1000MHzにて−3dB以上の性能を示す場合は、300MHz〜800MHzの全波長領域において−1dB以上となる可能性が高く、電磁波障害を発生させる可能性が高い。従って、1000MHZでの電磁波吸収性能の値が、−6dB以下の場合は「○」とし、−3〜−6dBの場合は「△」とし、−3dB以上の場合は「×」とした。
(層の膜厚)
各層の膜厚は、ダイヤルゲージ(株式会社ミツトヨ製「DIGMATIC MICROMETER APB−2C」)を用いて測定した。なお、各層の膜厚は、以下のようにして算出した。
電磁波吸収層の膜厚=離型紙付電磁波吸収層の膜厚−離型紙の厚さ
バインダー層の膜厚=電磁波吸収体(基材層+バインダー層+電磁波吸収層)の厚さ
−基材層の膜厚−電磁波吸収層の膜厚
(難燃性)
電磁波吸収体の難燃性は、UL−94のVTM−0に準拠して試験をして、合否判定を行った。
(実施例1)
まず、離型紙(リンテック(株)製)上に、下記の電磁波吸収層用樹脂溶液をバーコータにて塗布し、120℃の温度で1分間乾燥し、膜厚が30μmの電磁波吸収層を形成した。なお、本実施例の電磁波吸収層は、熱可塑性ポリウレタン樹脂を3官能型のイソシアネートにて架橋させたものであり、熱硬化性及び熱可塑性を有する。
(電磁波吸収層用樹脂溶液)
ウレタン樹脂 10重量部
カーボンブラック粒子 10重量部
磁性金属粒子(鱗片状:鉄アルミ珪素合金) 10重量部
イソシアネート系架橋剤 1重量部
(コロネートHL:日本ポリウレタン工業(株)製)
ジメチルホルムアミド 80重量部
次に、電磁波吸収層の上に、下記のバインダー層用樹脂溶液をバーコータにて塗布し、120℃の温度で30秒間乾燥し、膜厚が20μmのバインダー層を形成した。なお、本実施例のバインダー層は、熱可塑性ポリエステル樹脂を3官能型のイソシアネートにて架橋させたものであり、熱硬化性及び熱可塑性を有する。
(バインダー層用樹脂溶液)
ポリエステル樹脂(飽和ポリエステル樹脂、分子量5万以下) 63重量部
イソシアネート系架橋剤 12重量部
(コロネートHL:日本ポリウレタン工業(株)製)
アミン系触媒 2重量部
(レザミンHI−299:大日精化工業(株)製)
酢酸エチル 37重量部
トルエン 7重量部
次に、基材層としてPIフィルム(Kapton 100EN、東レ・デュポン(株)製、膜厚30μm)を用意して、PIフィルムをバインダー層に重ね合わせて、ニップロールを用いて、120℃の温度で0.4MPaの圧力にて、基材層と電磁波吸収層とをバインダー層を介して貼り合わせた。次に、70℃の温度で72時間のエージングを行った後、離型紙を剥離することにより電磁波吸収体を得た。
(実施例2)
実施例1では電磁波吸収層の膜厚は30μmとしたが、実施例2では電磁波吸収層の膜厚は15μmとした。なお、電磁波吸収層の膜厚以外は、実施例1と同様にして電磁波吸収体を得た。
(実施例3)
実施例1では、バインダー層用樹脂溶液の合成樹脂はウレタン樹脂としたが、実施例3では、バインダー層用樹脂溶液の合成樹脂をアクリル樹脂とした。すなわち、実施例3は、実施例1において、バインダー層用樹脂溶液を以下のように変更したものである。なお、バインダー層用樹脂溶液以外は、実施例1と同様にして電磁波吸収体を得た。
(バインダー層用樹脂溶液)
アクリル樹脂 30重量部
アルミキレート架橋剤 2重量部
(TA101K:DIC(株)製)
酢酸エチル 35重量部
トルエン 35重量部
(実施例4)
実施例4では、実施例1で得られた電磁波吸収体における電磁波吸収層の上に、難燃層を形成した。具体的には、実施例1の電磁波吸収体における電磁波吸収層の上に、下記の難燃層用樹脂溶液をパイプコータにて塗布し、120℃の温度で30秒間乾燥し、膜厚が50μmの難燃層を成膜した。なお、難燃層以外は、実施例1と同じである。
(難燃層用樹脂溶液)
ウレタン樹脂 13重量部
難燃剤(リン系難燃剤:窒素、リン縮合物) 26重量部
顔料(ブラック) 2重量部
ジメチルホルムアミド 20重量部
メチルエチルケトン 40重量部
(実施例5)
実施例1では電磁波吸収層の触媒はアミン系触媒としたが、実施例5では電磁波吸収層の触媒をオクチル酸スズ(クリスボン アクセル T81、DIC(株)製)とした。つまり、実施例1において、実施例5は、電磁波吸収層の触媒をアミン系触媒からオクチルスズに変更したものである。なお、電磁波吸収層の触媒以外は、実施例1と同様にして電磁波吸収体を得た。
(実施例6)
実施例1では、電磁波吸収層用樹脂溶液にイソシアネート系架橋剤を添加して電磁波吸収層を成膜したが、実施例6では、電磁波吸収層用樹脂溶液にイソシアネート系架橋剤を添加せずに電磁波吸収層を成膜した。すなわち、実施例6における電磁波吸収層は熱可塑性樹脂であるが、実施例1〜5における電磁波吸収層は、架橋剤が添加されて形成されているので熱可塑性樹脂でありかつ熱硬化性樹脂である。このとき、実施例6における電磁波吸収層の合成樹脂の耐熱性は170〜180℃程度であった。なお、電磁波吸収層用樹脂溶液の架橋剤の有無以外は、実施例1と同様にして電磁波吸収体を得た。
(比較例1)
比較例1は、実施例1においてバインダー層を形成しないで電磁波吸収体を作製したものである。具体的には、実施例1で用いた電磁波吸収層用樹脂溶液を、実施例1で用いたPIフィルム上に塗布し、膜厚が30μmの電磁波吸収層を形成した。
(比較例2)
比較例2は、実施例1において、電磁波吸収層から磁性金属粒子を除いて電磁波吸収体を作成したものである。なお、磁性金属粒子の有無以外は、実施例1と同じである。
以上のようにして得られた各実施例及び比較例における電磁波吸収体の性能について、以下の表1に示す。
Figure 2011249545
表1に示すように、バインダー層がない比較例1に係る電磁波吸収体では、リフロー試験及び耐熱試験において電磁波吸収体に膨れが発生して外観異常が見られた。これに対して、実施例1〜6に係る電磁波吸収体では、いずれもリフロー試験及び耐熱試験において外観異常は見られなかった。
また、比較例1に係る電磁波吸収体では、碁盤目試験において、電磁波吸収層の残った碁盤目の数を正確に数えることはできなかったものの、100個の碁盤目のうちその大半が剥がれてしまった。これに対し、実施例1〜6に係る電磁波吸収体では、碁盤目試験において、電磁波吸収層の剥がれは全く発生せず、接着性に優れた電磁波吸収体を得ることが確認できた。
また、実施例2に係る電磁波吸収体のように電磁波吸収層の膜厚を薄くすると、電磁波吸収性能は低下するものの、リフロー試験及び耐熱試験における外観異常は見られなかった。なお、比較例2のように、バインダー層を形成することにより耐リフロー性を向上させることができたとしても、電磁波吸収層に磁性金属粒子を含有させなければ所望の電磁波吸収性能を得ることができず、そもそも電磁波吸収体として機能させることができない。
また、実施例3に係る電磁波吸収体のようにバインダー層の合成樹脂をアクリル樹脂で構成しても、他の実施例と同様に耐リフロー性及び接着性に優れた電磁波吸収体とすることができる。
また、実施例4に係る電磁波吸収体のように難燃層を形成することにより、優れた難燃性を有する電磁波吸収体とすることができる。
また、実施例5に係る電磁波吸収体のように、電磁波吸収層の触媒をオクチル酸スズとしても、他の実施例と同様に耐リフロー性及び接着性に優れた電磁波吸収体とすることができる。
また、実施例6に係る電磁波吸収体のように、架橋剤を添加しなくても他の実施例と同様に耐リフロー性及び接着性に優れた電磁波吸収体とすることができる。但し、実施例1〜5のように架橋剤を添加することにより、リフロー処理温度以上の温度での耐熱性を有する電磁波吸収体を得ることができる。
以上、本発明に係る電磁波吸収体及びその製造方法について、実施形態及び実施例に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施形態及び実施例に限定されるものではない。例えば、各実施形態及び実施例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施形態及び実施例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
本発明に係る電磁波吸収体は、フレキシブル性を有するプリント配線基板又はケーブル等の配線部材等、あるいは、これら配線部材等を有する電子機器等に有用である。
1 基材層
2 電磁波吸収層
3、35 バインダー層
4 接着剤層
5 難燃層
10、20、30、31 電磁波吸収体

Claims (14)

  1. 基材層と電磁波吸収層とを備える電磁波吸収体であって、
    前記基材層と前記電磁波吸収層との間に、リフロー処理に耐える耐熱性を有する樹脂で構成されるバインダー層が形成されている
    電磁波吸収体。
  2. 前記電磁波吸収層の膜厚が、5μm以上100μm以下である
    請求項1に記載の電磁波吸収体。
  3. 前記電磁波吸収層の表面抵抗値が、20Ω/□以上170Ω/□以下である
    請求項1又は請求項2に記載の電磁波吸収体。
  4. 前記電磁波吸収層が、カーボンブラック及び磁性金属粒子を含む
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。
  5. 前記バインダー層を構成する前記樹脂は、ポリエステル樹脂である
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。
  6. 前記バインダー層は、架橋剤によって架橋されている
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。
  7. 前記架橋剤は、イソシアネート系架橋剤である
    請求項6に記載の電磁波吸収体。
  8. 前記バインダー層の膜厚が、3μm以上50μm以下である
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。
  9. 前記架橋剤の添加量は、前記バインダー層中の前記樹脂30重量部に対して3〜16重量部である
    請求項6又は請求項7記載の電磁波吸収体。
  10. 前記バインダー層に難燃剤が添加されている
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。
  11. 前記電磁波吸収層の前記バインダー層が形成されている側とは反対側の面に、所定の合成樹脂に難燃剤が添加された難燃層が形成されている
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。
  12. 前記電磁波吸収層の上に接着剤層が形成されている
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の電磁波吸収体が積層されたプリント配線基板を備える
    電子機器。
  14. 離型シート上に、金属が含有された第1の樹脂溶液を塗布する第1の樹脂溶液塗布工程と、
    前記第1の樹脂溶液に熱処理を施して電磁波吸収層を形成する電磁波吸収層形成工程と、
    前記電磁波吸収層の上に、リフロー処理に耐える耐熱性を有する樹脂を含む第2の樹脂溶液を塗布する第2の樹脂溶液塗布工程と、
    前記第2の樹脂溶液に熱処理を施してバインダー層を形成するバインダー層形成工程と、
    前記バインダー層の上に基材層を配置して、前記電磁波吸収層と前記基材層とをバインダー層によって貼り合わせる基材層貼り合わせ工程と、
    前記電磁波吸収層から前記離型シートを剥離する離型シート剥離工程と、を含む
    電磁波吸収体の製造方法。
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