JP2008308592A - 感圧式接着剤用ポリエステル及びこれを含む感圧式接着剤組成物 - Google Patents

感圧式接着剤用ポリエステル及びこれを含む感圧式接着剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2008308592A
JP2008308592A JP2007158132A JP2007158132A JP2008308592A JP 2008308592 A JP2008308592 A JP 2008308592A JP 2007158132 A JP2007158132 A JP 2007158132A JP 2007158132 A JP2007158132 A JP 2007158132A JP 2008308592 A JP2008308592 A JP 2008308592A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
sensitive adhesive
polyester
acid
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007158132A
Other languages
English (en)
Inventor
Itaru Shimizu
格 清水
Mitsuo Umezawa
三雄 梅沢
Yoshiyuki Sakai
禎之 酒井
Hiromasa Kobayashi
弘征 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP2007158132A priority Critical patent/JP2008308592A/ja
Publication of JP2008308592A publication Critical patent/JP2008308592A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、高屈折率でありながら、タック、基材との密着性、耐熱性、耐湿熱性及び透明性に優れた接着剤層を形成し得る感圧式接着剤組成物に好適に使用することができる感圧式接着剤用ポリエステルを提供することを目的とし、更に、該感圧式接着剤用ポリエステルを含む感圧式接着剤組成物と光学部材からなる積層体を提供することを目的とする。
【解決手段】多価カルボン酸成分(A)、ポリオール成分(B)、及び多価チオール成分(C)を反応させてなる感圧式接着剤用ポリエステル。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種被着体との接着性、耐熱性、耐湿熱性及び透明性に優れた感圧式接着剤組成物に使用することができるポリエステルに関し、更に詳しくは、特に光学部材の積層に好適な前記ポリエステルを含む感圧式接着剤組成物及びそれを用いてなる積層体に関する。
近年のエレクトロニクスの飛躍的な進歩により、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、リアプロジェクションディスプレイ(RPJ)、ELディスプレイ、発光ダイオードディスプレイなどの様々なフラットパネルディスプレイ(FPD)が、様々な分野で表示装置として使用されようになってきた。例えば、これらFPDは、パーソナルコンピューターのディスプレイや液晶テレビをはじめ屋内で使用されるばかりでなく、カーナビゲーション用ディスプレイ等のように車両に搭載して使用されたりする。
LCDを構成する液晶セル用部材には、偏光フィルムや位相差フィルムが積層されている。又、これらの表示装置には、外部光源からの反射を防ぐための反射防止フィルムや、表示装置の表面の傷付き防止のための保護フィルム(プロテクトフィルム)などが使用されている。更にFPDを表示装置として利用するだけではなく、それらの表面にタッチパネルの機能を設けて、入力装置としても利用されることがある。このタッチパネルにも、保護フィルム、反射防止フィルムやITO蒸着樹脂フィルムなどが使用されている。
前記表示装置に使用される種々のフィルムは、感圧式接着剤により被着体に貼着され、使用されている。表示装置に用いられるものであるから、感圧式接着剤は、まず透明性に優れることが要求されるので、アクリル系樹脂を主剤とする感圧式接着剤が一般に使用されている。
ところで、前記した種々のフィルムのうち偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系偏光子の両面をトリアセチルセルロース系やシクロオレフィン系の保護フィルムで挟んだ3層構造を呈する。各層を構成する材料の特性故に、そもそも熱や湿度によって、偏光フィルムは伸縮による顕著な寸法変化を生ずる。
又、近年では、光学部材の接着処理おいて、光を有効利用するという観点から、光学部材と被着体との間における屈折率差に基づく界面反射の抑制が求められ、光学部材の屈折率と被着体の屈折率との中間の屈折率を有する感圧式接着剤層の使用が有利であることが知られている。ちなみに界面での屈折率差が大きいと全反射を生じる入射角が小さくなり、光の有効利用度を低下させる。
しかしながら従来のアクリル系樹脂を用いた接着剤層の屈折率は、1.46前後であるのに対して、光学部材を形成する材料の屈折率は、例えばガラスで1.52前後、メタクリル系樹脂で1.51前後、ポリカーボネート系樹脂で1.54前後、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂で1.60前後であるため、両者の屈折率の差が大きく、又、例えばガラスからなる光学部材とメタクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂、あるいはPET樹脂からなる光学部材とを接着する際に、前記した中間の屈折率を得ることもできない。
従って、偏光フィルムを液晶セル用のガラス部材に貼着するためのアクリル系感圧式接着剤は、偏光フィルム自体の寸法変化を抑えることや、接着剤層の屈折率をより高めることが求められる。このために、接着剤層自体を硬くしたり、接着強さを大きくしたりすることによって、比較的小さい寸法の変化、あるいは比較的短期間の寸法の変化を抑制することはできる。又、芳香環含有の単量体を使用したり、芳香族化合物や硫黄原子を含む化合物、あるいは無機化合物を使用したりすることである程度の屈折率向上は可能である。
しかし、近年の液晶パネルの大画面化に伴い、偏光フィルムのサイズも大型化し、偏光フィルムの熱変形量が増大するようになった。従来の感圧式接着剤を使用した場合、接着剤層に残る貼着時の応力の緩和が充分ではないので、偏光フィルムのひずみに接着剤層が充分には追随できず、その結果、大型液晶パネルを高温に曝したり、高湿度に曝したりすると、偏光フィルムの変色や透明性の低下を引き起こしたり、偏光フィルムが大型液晶セルのガラス基板から剥がれたり、偏光フィルムに応力集中が生じ、大型液晶パネルに光漏れが生じたり、あるいは揮発性ガスを発生するという問題もある。
又、液晶パネルを長期にわたって使用する間にも偏光フィルムは寸法変化し、その応力が接着剤層に蓄積されることとなる。応力が接着剤層に蓄積され続けると、偏光フィルムと液晶セル用ガラス部材間の接着力の分布が不均一となる。そして、長期間の使用中に特に偏光フィルムの周縁部に応力が集中し、その結果液晶素子の周縁部が中央より明るかったり、あるいは暗くなったりするなどの液晶素子表面に色むら・白ヌケが発生する。
上記したように、液晶セル用のガラス部材に偏光フィルムを積層するために使用する感圧式接着剤には、良好な光学特性(透明性)、耐熱性及び耐湿熱性、良好な応力緩和性、屈折率の制御性が求められる。そして、位相差フィルムや各種ディスプレイのカバーフィルムを積層するための感圧式接着剤にも同様の性能が求められる。
これら種々の要求に対して、従来、様々な感圧式接着剤が提案されてきた。例えば、アクリル系樹脂を主剤とする種々の感圧式接着剤が知られている(特許文献1〜5参照)。
しかし、アクリル系樹脂を感圧式接着剤として用いることにより、接着剤層の発泡や偏光板の液晶セルからの浮き剥がれは抑制できるが、偏光板の寸法変化による応力を吸収・緩和することができず、偏光板の周縁部に応力が集中するため、液晶表示装置の周縁部と中央部の明るさが異なり、液晶表示装置表面に色むら・白ヌケが発生する問題があった。このように、感圧式接着シートの用いられる分野も多岐にわたり、要求レベルが上がったり、新たな要求が追加されたり、従来のアクリル系感圧式接着剤では種々の要求に充分応えられなくなりつつある。
特開平01−066283号公報 特開平10−279907号公報 特開2002−121521号公報 特開2003−013029号公報 特開2002−014225号公報
本発明は、高屈折率でありながら、タック、基材との密着性、耐熱性、耐湿熱性及び透明性に優れた接着剤層を形成し得る感圧式接着剤組成物に好適に使用することができる感圧式接着剤用ポリエステルを提供することを目的とし、更に、該感圧式接着剤用ポリエステルを含む感圧式接着剤組成物と光学部材からなる積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に達した。即ち、本発明は、多価カルボン酸成分(A)、ポリオール成分(B)、及び多価チオール成分(C)を反応させてなる感圧式接着剤用ポリエステルに関する。
更に本発明は、多価チオール成分(C)が、ポリオール成分(B)と多価チオール成分(C)との合計に対して0.1〜40モル%である前記感圧式接着剤用ポリエステルに関する。
更に本発明は、多価カルボン酸成分(A)が、芳香族ジカルボン酸(a1)を10〜80モル%含むことを特徴とする上記感圧式接着剤用ポリエステルに関する。
更に本発明は、ポリオール成分(B)が、側鎖に炭化水素基を有するジオール(b1)を含むことを特徴とする上記感圧式接着剤用ポリエステルに関する。
更に本発明は、3価以上の多価カルボン酸(a2)、3価以上のポリオール(b2)、及び3価以上の多価チオール(c2)から選ばれる少なくとも1つの、3価以上の官能基を有する化合物を反応させてなる上記感圧式接着剤用ポリエステルに関する。
更に本発明は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が、2.0〜6.0である上記感圧式接着剤用ポリエステルに関する。
更に本発明は、重量平均分子量(Mw)が、30000〜300000である上記感圧式接着剤用ポリエステルに関する。
更に本発明は、上記感圧式接着剤用ポリエステルと、ポリエステル中の反応性官能基と反応しうる官能基を有する化合物(D)と、を含む感圧式接着剤組成物に関する。
更に本発明は、化合物(D)が、ポリイソシアネート化合物である上記感圧式接着剤組成物に関する。
更に本発明は、シランカップリング剤を含むことを特徴とする上記感圧式接着剤組成物に関する。
更に本発明は、上記感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層上に光学部材が積層されてなる積層体に関する。
更に本発明は、液晶セル用ガラス部材、上記感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層、及び光学部材が、順次積層されてなる液晶セル用部材に関する。
本発明の感圧式接着剤用ポリエステルは、高屈折率でありながら、タック、基材との密着性、耐熱性、耐湿熱性、屈折率制御性および透明性に優れた接着剤層を形成し得る感圧式接着剤組成物に好適に使用することができる。更に、本発明の感圧式接着剤組成物を用いることにより、特に耐熱性や耐湿熱性を必要とされる光学部材用途においては、従来よりも過酷な熱あるいは湿熱条件下でも発泡や剥がれ等が発生せず、偏光板の伸縮等により生じる応力集中を緩和して液晶素子に色むら・白ヌケを発生させないだけでなく、必要に応じて、その屈折率を調整可能な光学部材を提供できるようになった。
まず、本発明の感圧式接着剤用ポリエステルについて説明する。本発明の感圧式接着剤用ポリエステルは、多価カルボン酸成分(A)、ポリオール成分(B)、及び多価チオール成分(C)を反応させてなるポリエステルである。
本発明は、原料の一部に多価チオール成分(C)を使用して感圧式粘着剤用ポリエステルを重縮合することを特徴とする。多価チオール成分(C)を使用することで樹脂の高屈折率化を達成するだけでなく、樹脂の柔軟性などの機械的特性が良好となる。
本発明の感圧式接着剤用ポリエステルは、多価チオール成分(C)が、ポリオール成分(B)と多価チオール成分(C)の合計に対して0.1〜40モル%であるのが好ましく、0.2〜20モル%がより好ましく、0.5〜10モル%が特に好ましい。多価チオール成分(C)の割合が0.1モル%未満であると、樹脂の高屈折率を達成することができない場合があり、40モル%以上であると樹脂の耐熱性や機械的特性を損なう場合がある。
又、本発明の多価チオール成分(C)として、3価以上の多価チオール(c2)を使用するのが好ましい。3価以上の多価チオール(c2)を使用することによりポリエステルを分岐させることができ、それによって感圧式粘着剤組成物の凝集力を向上させることができる。3価以上の多価チオール(c2)を使用する場合、多価チオール成分(C)中に0.1〜5モル%使用するのが好ましく、光学部材への使用を考慮すると0.5〜3モル%がより好ましい。0.1モル%未満であると凝集力が低下する場合があり、更に耐熱性、耐湿熱性が劣り、光学部材の積層に使用した場合フィルムの剥離や白ヌケといった問題が発生する場合がある。又、5モル%を超えると合成時に高粘度となり生産性に問題を生じる場合がある。
本発明の多価チオール成分(C)のうち3価以上の多価チオール(c2)としては、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、1,3,5−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]イソシアヌレート等が例示される。
3価以上の多価チオール(c2)以外の多価チオール(c1)としては、1,3−プロパンジチオール、1,2−エタンジチオール、2,2’−オキシジエタンチオール、2,2’−チオジエタンチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,9−ノナンジチオール、ポリテトラメチレンジチオール、エチレングリコールビスチオグリコレート、ブタンジオール ビスチオグリコレート、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、チオジベンゼンチオール等の2価のチオール化合物が挙げられる。
又、本発明では、2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−1−プロパノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、8−メルカプト−2−ブタノール等のチオール基と水酸基を有する化合物や、チオリンゴ酸、メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、2−チオ酢酸−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、ラウリルチオプロピオン酸、ジチオジプロピオン酸、チオジプロピオン酸等のチオール基とカルボン酸基を有する化合物を併用することができる。
本発明の感圧式接着剤用ポリエステルは、多価カルボン酸成分(A)として公知の化合物を使用することができるが、芳香族ジカルボン酸(a1)を使用することが好ましい。芳香族ジカルボン酸(a1)を使用することで耐熱性、耐湿熱性がより向上し、光学部材の積層に使用した場合フィルムの剥離や白ヌケといった問題がより発生し難くなる。本発明では、多価カルボン酸成分(A)として、芳香族ジカルボン酸(a1)を多価カルボン酸成分(A)中で10〜80モル%使用するのが好ましく、20〜70モル%使用するのが更に好ましい。芳香族ジカルボン酸(a1)の使用量が10モル%未満であると耐熱性、耐湿熱性が劣り、光学部材の積層に使用した場合フィルムの剥離や白ヌケといった問題が発生する場合がある。又、80モル%を超えて使用すると接着性が低下し充分な接着力を得ることができない場合がある。
本発明の多価カルボン酸成分(A)のうち芳香族ジカルボン酸(a1)としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロルフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類;
無水フタル酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物等の芳香族ジカルボン酸無水物類が挙げられる。
又、上記のような芳香族ジカルボン酸系成分や芳香族ジカルボン酸無水物類を低級アルコール、例えば炭素数1〜4のアルキルアルコールのエステル化物を用いることもできる。芳香族ジカルボン酸系成分や芳香族ジカルボン酸無水物類の低級アルコールのエステル化物を用いる場合には、ポリオール成分(B)と脱水縮合ではなく、脱アルコールによるエステル交換反応によって、エステル結合を生成する。
更に、芳香族トリカルボン酸無水物や芳香族テトラカルボン酸無水物をモノアルコールでハーフエステル化した化合物を芳香族ジカルボン酸として使用することができる。
芳香族トリカルボン酸無水物としては、例えば、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,4,5−ナフタレントリカルボン酸無水物、2,3,6−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,2,8−ナフタレントリカルボン酸無水物、3,4,4’−ベンゾフェノントリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルエーテルトリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、2,3,2’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルメタントリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルスルホントリカルボン酸無水物等が挙げられる。
芳香族テトラカルボン酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−1−ナフタレンコハク酸無水物等が挙げられる。
モノアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、n−アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、イソオクタノール、ノナノール、デカノール、イソウンデカノール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の直鎖または分岐脂肪族アルコール類;
ベンジルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、フェネチルアルコール等の芳香脂肪族モノアルコール類;
シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサンメタノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、トリシクロデカンメタノール等の脂環族モノアルコール類が挙げられる。
これら芳香族ジカルボン酸(a1)は、単独でまたは2種以上で用いることができる。これらの中でも、耐熱性、耐湿熱性の点から、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。
本発明の多価カルボン酸成分(A)のうち芳香族ジカルボン酸(a1)以外の多価カルボン酸成分(A)としては、例えば、シトラコン酸、リンゴ酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸ジグリコール酸、シクロヘキサン−3,5−ジエン−1,2−カルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂肪族、脂環族ジカルボン酸類;
無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、ブチルコハク酸無水物、ヘキシルコハク酸無水物、オクチルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、ブチルマレイン酸無水物、ペンチルマレイン酸無水物、ヘキシルマレイン酸無水物、オクチルマレイン酸無水物、デシルマレイン酸無水物、ドデシルマレイン酸無水物、ブチルグルタミン酸無水物、ヘキシルグルタミン酸無水物、ヘプチルグルタミン酸無水物、オクチルグルタミン酸無水物、デシルグルタミン酸無水物、ドデシルグルタミン酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルペンタヒドロ無水フタル酸、メチルトリヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸等の脂肪族、脂環族ジカルボン酸無水物が挙げられる。
本発明は、上述したトリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸やそれらの無水物等の、3価以上の多価カルボン酸(a2)を併用することが好ましい。3価以上の多価カルボン酸(a2)を使用することによりポリエステルを分岐させることができ、それによって感圧式粘着剤組成物の凝集力を向上させることができる。3価以上の多価カルボン酸(a2)を使用する場合、多価カルボン酸成分(A)中に0.1〜5モル%使用するのが好ましく、光学部材への使用を考慮すると0.5〜3モル%がより好ましい。0.1モル%未満であると凝集力が低下する場合があり、更に耐熱性、耐湿熱性が劣り、光学部材の積層に使用した場合フィルムの剥離や白ヌケといった問題が発生する場合がある。又、5モル%を超えると合成時に高粘度となり生産性に問題を生じる場合がある。
本発明の感圧式接着剤用ポリエステルは、ポリオール成分(B)として公知のポリオールを使用することができるが、側鎖に炭化水素基を有するジオール(b1)を使用することが好ましい。側鎖に炭化水素基を有するジオール(b1)を使用することで、基材に対する濡れ性が良くなり、耐熱性、耐湿熱性が向上し、光学部材の積層に使用した場合フィルムの剥離や白ヌケといった問題がより発生しない傾向にある。本発明では、ポリオール成分(B)として、側鎖に炭化水素基を有するジオール(b1)を10〜80モル%使用するのが好ましく、15〜60モル%使用するのが更に好ましく、20〜40モル%使用するのが特に好ましい。側鎖に炭化水素基を有するジオール(b1)の使用量が10モル%未満であると耐熱性、耐湿熱性が劣り、光学部材の積層に使用した場合フィルムの剥離や白ヌケといった問題が発生する場合がある。又、80モル%を超えて使用するとタックが下がる傾向にあり、重合時間も長くなり生産性に問題を生じる場合がある。
側鎖に炭化水素基を有するジオール(b1)における炭化水素基とは、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基が好ましく、炭素数3〜9の直鎖または分岐のアルキル基が更に好ましい。側鎖に炭化水素基を有するジオール(b1)としては、例えば、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,3,5−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−1, 6−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、2−ペンチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ヘキシル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ヘキシル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,4−ブタンジオール、2−ブチル−2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−ヘキシル−3−メチル−1,4−ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,4−ブタンジオール、2−ブチル−4−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−プロピル−4−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−5−メチル−1,6−ヘキサンジオール、2−ヘキシル−5−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2,5−ジブチル−1,6−ヘキサンジオール、等が挙げられる。
側鎖に炭化水素基を有するジオール(b1)以外のポリオール成分(B)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコールもしくは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコール、チオジグリコール、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ブタン等が挙げられる。
本発明のポリオール成分(B)として3価以上のポリオール(b2)を使用するのが好ましい。3価以上の多価ポリオール(b2)を使用することによりポリエステルを分岐させることができ、それによって感圧式粘着剤組成物の凝集力を向上させることができる。3価以上のポリオール(b2)を使用する場合、ポリオール成分(B)中に0.1〜5モル%使用するのが好ましく、光学部材への使用を考慮すると0.5〜3モル%がより好ましい。0.1モル%未満であると凝集力が低下する場合があり、更に耐熱性、耐湿熱性が劣り、光学部材の積層に使用した場合フィルムの剥離や白ヌケといった問題が発生する場合がある。又、5モル%を超えると合成時に高粘度となり生産性に問題を生じる場合がある。
3価以上のポリオール(b2)としては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール等が挙げられる。
本発明の感圧式接着剤用ポリエステルは、上記多価カルボン酸成分(A)とポリオール成分(B)及び多価チオール成分(C)を触媒存在下、公知の方法により重縮合反応させることにより得られる。多価カルボン酸成分(A)に対する、ポリオール成分(B)と多価チオール成分(C)との合計の反応比は、多価カルボン酸成分(A)中のカルボキシル基1モル(酸無水物基1個のカルボキシル基は2モルとする)に対して、ポリオール成分(B)及び多価チオール成分(C)中の水酸基とチオール基との合計で1〜2モル、好ましくは1.1〜1.8モル、より好ましくは1.2〜1.6モルである。
重縮合反応は、公知の条件に従って行うことができ、反応には触媒を用いるのが好ましい。例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン系、三酸化アンチモン等のアンチモン系、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム系などの触媒や酢酸亜鉛、酢酸マンガン、ジブチル錫オキサイド、パーフルオロアルカンスルホン酸またはその金属塩、ハロイミニウム塩類、シュウ酸チタンカリウムなどのチタン系触媒などをあげることができ、これらの1種あるいは2種以上が用いられる。
又、酸無水物基と、水酸基またはチオール基との反応は、公知の条件に従って行うことができ、反応には触媒を用いるのが好ましい。触媒としては3級アミン系化合物が好ましく、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等が挙げられる。
本発明の感圧式接着剤用ポリエステルは、ガラス転移温度が−80〜0℃であることが好ましい。ガラス転移温度が−80℃未満の場合、該ポリエステルを用いて得られる感圧式接着剤層の凝集力が低下し、浮き剥がれが生じる場合がある。一方、ガラス転移温度が0℃を超えると、感圧式接着剤層が充分なタックを発現しない場合がある。尚、ガラス転移温度は、DSC(示差熱熱重量測定装置)を用いて測定できる。
本発明の感圧式接着剤用ポリエステルの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、2.0〜6.0が好ましく、3.0〜5.0がより好ましい。Mw/Mnが2.0未満であると耐熱性、耐湿熱性が劣り、光学部材の積層に使用した場合フィルムの剥離や白ヌケといった問題が発生する場合がある。又、6.0を超えると高粘度化してハンドリングに問題を生じる場合がある。
本発明の感圧式接着剤用ポリエステルの重量平均分子量(Mw)は、30000〜300000の範囲にあることが接着性の点で好ましく、50000〜200000の範囲にあることがより好ましい。Mwが30000未満であると凝集力を発現できずに、耐熱性や耐湿熱性が低下する場合がある。一方、Mwが300000を超えると、樹脂の流動性が不良となって、樹脂積層体を作製することが困難となる場合がある。
本発明の感圧式接着剤組成物は、前記感圧式接着剤用ポリエステルと、架橋剤として前記ポリエステル中の反応性官能基と反応しうる官能基を有する化合物(D)とを含有することを特徴とする。前記ポリエステル中の反応性官能基としては、水酸基、カルボキシル基等が挙げられる。従って、本発明に用いられる化合物(D)の有する官能基としては、イソシアネート基、エポキシ基、アルコキシシリル基、メチロール基、アジリジン基等が挙げられる。化合物(D)としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、多官能シラン化合物、N−メチロール基含有化合物、多官能アジリジン化合物などが挙げられるが、これらの中でも、架橋剤として作用するために、ポリエステル中の水酸基と反応し得る官能基を分子内に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。特にポリイソシアネート化合物や多官能シラン化合物は、架橋反応後の樹脂組成物の接着性や被覆層への密着性に優れていることから好ましく用いられる。
ポリイソシアネート化合物としては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
又、上記ポリイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体や、イソシアヌレート環を有する3量体等も使用することができる。更には、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(PAPI)、ナフチレンジイソシアネート、及びこれらのポリイソシアネート変性物等を使用し得る。なおポリイソシアネート変性物としては、カルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、水と反応したビュレット基、イソシアヌレート基のうちのいずれかの基、またはこれらの基の2種以上を有する変性物を使用できる。又、ポリオールとジイソシアネートの反応物もポリイソシアネートとして使用することができる。
これらポリイソシアネート化合物の内、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:イソホロンジイソシアネート)、キシリレンジイソシネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(別名:水添MDI)等の無黄変型または難黄変型のポリイシソアネート化合物を用いると耐候性、耐熱性あるいは耐湿熱性の点から、特に好ましい。
化合物(D)としてポリイソシアネート化合物を使用する場合、反応促進のため、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。例えば三級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられ、単独でもあるいは複数を使用することもできる。
多官能シラン化合物としては、シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどのメタクリロキシ基とアルキル基とアルコキシ基を2つ有するシラン化合物;
γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどのアクリロキシ基とアルキル基とアルコキシ基を2つ有するシラン化合物;
γ−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシメチルトリメトキシシランなどの(メタ)アクリロキシアルキル基とアルコキシ基を3つ有するシラン化合物;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランなどのビニル基を有するアルコキシシラン;
5−ヘキセニルトリメトキシシラン、9−デセニルトリメトキシシラン、スチリルトリメトキシシランなどのアルキル基を有するアルコキシシラン;
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシランなどのアミノアルキル基とアルコキシ基とを有するシラン;
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン;
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ヘキサメチルシラザン、ジフェニルジメトキシシラン、1, 3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、ビニルトリス( 2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
本発明の感圧式接着剤組成物は、感圧式接着剤用ポリエステル100重量部に対して、化合物(D)を0.001〜20重量部含有することが好ましく、0.01〜20重量部含有することがより好ましい。化合物(D)の使用量が、20重量部を越えると感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層の架橋構造が密になり、感圧式接着剤層のタックが低下傾向となり、被着体に対する接着性が低下すると共に、柔軟性が低下するので繰り返し使用時での安定性や耐久性に劣り、好ましくない。また0.001重量部未満では、充分な架橋構造が得られないため、凝集力が低下し、耐熱性、耐湿熱性が低下する傾向にあるため、好ましくない。ポリエステル中の反応性官能基と化合物(D)中の官能基との反応により、樹脂組成物が三次元架橋し、各種基材や被着体との密着性を確保するだけでなく、従来よりも過酷な条件下における耐熱性及び耐湿熱性をも向上することができるため、光学部材用として好ましく使用することができる。
本発明の感圧式接着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で有れば、各種樹脂、カップリング剤、軟化剤、染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、タッキファイヤ、可塑剤、充填剤及び老化防止剤等を配合しても良い。
本発明の感圧式接着剤組成物を使用して、感圧式接着層とシート状基材とからなる積層製品(以下、「接着シート」という。)を得ることができる。例えば、種々のシート状基材に本発明の感圧式接着剤組成物を塗工、乾燥・硬化することによって感圧式接着シートを得ることができる。感圧式接着シートを構成する感圧式接着層は、「感圧式」であるから室温程度でタックを有する。感圧式接着剤組成物を塗工するに際し、適当な液状媒体、例えば、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、その他の炭化水素系溶媒等の有機溶媒や、水をさらに添加して、粘度を調整することもできるし、感圧式接着剤組成物を加熱して粘度を低下させることもできる。ただし、水やアルコール等は多量に添加するとポリエステルと化合物(D)との反応阻害を引き起こす可能性があるため、注意が必要である。
シート状基材としては、セロハン、各種プラスチックシート、ゴム、発泡体、布帛、ゴムびき布、樹脂含浸布、ガラス板、金属板、木材等の平坦な形状のものが挙げられる。又、各種基材は単独でも用いることもできるし、複数のものを積層してなる多層状態にあるものも用いることができる。更に表面を剥離処理したものを用いることもできる。
各種プラスチックシートとしては、各種プラスチックフィルムともいわれ、ポリビニルアルコールフィルムやトリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂のフィルム、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂のフィルム、ポリカーボネート系樹脂のフィルム、ポリノルボルネン系樹脂のフィルム、ポリアリレート系樹脂のフィルム、アクリル系樹脂のフィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂のフィルム、ポリスチレン樹脂のフィルム、ビニル系樹脂のフィルム、ポリアミド系樹脂のフィルム、ポリイミド系樹脂のフィルム、エポキシ系樹脂のフィルム等が挙げられる。
常法にしたがって適当な方法で上記シート状基材に感圧式接着剤組成物を塗工した後、感圧式接着剤組成物が有機溶媒や水等の液状媒体を含有する場合には、液状媒体を除去したり、感圧式接着剤組成物が揮発すべき液状媒体を含有しない場合は、溶融状態にある接着剤層を冷却して固化したりして、シート状基材の上に接着剤層を形成することができる。感圧式接着剤層の厚さは、0.1μm〜200μmであることが好ましく、1μm〜100μmであることがより好ましい。0.1μm未満では充分な接着力が得られないことがあり、200μmを超えても接着力等の特性はそれ以上向上しない場合が多い。
本発明の感圧式接着剤組成物をシート状基材に塗工する方法としては、特に制限は無く、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等種々の塗工方法が挙げられる。乾燥方法には特に制限はなく、熱風乾燥、赤外線や減圧法を利用したものが挙げられる。乾燥条件としては接着剤組成物の硬化形態、膜厚や選択した溶剤にもよるが、通常60〜180℃程度の熱風加熱でよい。
本発明の積層体は、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム等の種々の光学特性を持つ、いわゆるシート(前述の通りフィルムともいう)状の光学部材に、上記本発明の感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層が積層された状態のものである。感圧式接着剤層の他の面には、剥離処理されたシート状基材を積層することができる。
本発明の積層体は、
(ア)剥離処理されたシート状基材の剥離処理面に感圧式接着剤組成物を塗工、乾燥し、シート状の光学部材を感圧式接着剤層の表面に積層したり、
(イ)シート状の光学部材に感圧式接着剤組成物を塗工、乾燥し、感圧式接着剤層の表面に剥離処理されたシート状基材の剥離処理面を積層したりすることによって得ることができる。
このようにして得た積層体から感圧式接着剤層の表面を覆っていた剥離処理されたシート状基材を剥がし、例えば、感圧式接着剤層を液晶セル用ガラス部材に貼着することによって、「シート状の光学部材/感圧式接着剤層/液晶セル用ガラス部材」という構成の液晶セル部材を得ることができる。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」及び「%」は、特にことわらない限り「重量部」及び「重量%」を表す。
尚、実施例1〜4、比較例1〜3で得られた各樹脂の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)、を以下の方法に従って求めた。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
Mwの測定は、東ソー株式会社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「HPC−8020」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、重量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
<分散度(Mw/Mn)>
上記分子量の測定結果より、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)により求めた。
[ポリエステルの合成]
(実施例1)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール77.1g(0.856モル)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール95.5g(0.597モル)、1,4−ブタンジオール53.0g(0.59モル)、1,6−ヘキサンジオール70.1g(0.59モル)、イソフタル酸214.0g(1.29モル)、セバシン酸230.9g(1.14モル)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート9.54g(0.027モル)及びテトラ−n−ブチルチタネート0.10g、シュウ酸チタンカリウム3.75gを仕込み、150〜260℃ で150分間加熱してエステル化反応を行い、ついで反応系の圧力を徐々に減じて30分後に5mmHg以下とし、更に減圧を続けながら90分間反応を行い、ポリエステルを得た。得られたポリエステル(A−1)の数平均分子量は31000、分散度は2.7であって、結晶化しないものであった。
(実施例2)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール70.9g(0.788モル)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール87.9g(0.549モル)、エチレングリコールビスチオグリコレート113.93g(0.542モル)、1,6−ヘキサンジオール64.5g(0.547モル)、イソフタル酸197.0g(1.19モル)、セバシン酸212.53g(1.052モル)、トリメチロールプロパン 3.30g(0.025モル)及びテトラ−n−ブチルチタネート0.10g、シュウ酸チタンカリウム3.75gを仕込み、150〜260℃ で150分間加熱してエステル化反応を行い、ついで反応系の圧力を徐々に減じて30分後に5mmHg以下とし、さらに減圧を続けながら90分間反応を行い、ポリエステルを得た。得られたポリエステル(A−2)の数平均分子量は89000、分散度は4.8であって結晶化しないものであった。
(実施例3)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール127.16g(1.413モル)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール96.95g(0.606モル)、ブタンジオールビスチオグリコレート22.69g(0.095モル)、1,6−ヘキサンジオール71.18g(0.603モル)、イソフタル酸307.53g(1.853モル)、セバシン酸124.09g(0.614モル)、無水トリメリット酸0.41g(0.13モル)及びテトラ−n−ブチルチタネート 0.10g、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン 3.75gを仕込み、150〜260℃ で150分間加熱してエステル化反応を行い、ついで反応系の圧力を徐々に減じて30分後に5mmHg以下とし、さらに減圧を続けながら90分間反応を行い、ポリエステルを得た。得られたポリエステル(A−3)の数平均分子量は59000、分散度は2.8であって結晶化しないものであった。
(実施例4)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール26.68g(0.296モル)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール28.86g(0.180モル)、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン 145.02g(0.324モル)、1,4−ブタンジオール104.5g(1.161モル)、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート9.85g(0.025モル)、イソフタル酸85.75g(0.517モル)、セバシン酸349.34g(1.729モル)、及びテトラ−n−ブチルチタネート0.10g、シュウ酸チタンカリウム 3.75gを仕込み、150〜260℃ で150分間加熱してエステル化反応を行い、ついで反応系の圧力を徐々に減じて30分後に5mmHg以下とし、さらに減圧を続けながら90分間反応を行い、ポリエステルを得た。得られたポリエステル(A−4)の数平均分子量は259000、分散度は5.8であって結晶化しないものであった。
実施例1〜4の各原料の仕込み量を、各成分に対するモル%に換算したものを表1に示す。
Figure 2008308592
(比較例1)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器、滴下ロートを具備した4つ口セパラブルフラスコに2−エチルヘキシルアクリレート49g、フェノキシエチルアクリレート50g、アクリル酸1g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2gをトルエン100gと共に入れて室温で窒素還流を1時間行った後、その窒素気流下、温度を60℃に昇温して4時間反応させ、ついで80℃に昇温して2時間熟成させてアクリル系共重合体の溶液を得た。得られたアクリル樹脂(A−5)の重量平均分子量は599000、分散度は5.8であった。
(比較例2)
2−エチルヘキシルアクリレートの使用量を39部とし、フェノキシエチルアクリレートの使用量を60部としたほかは比較例1と同様の方法でアクリル樹脂の溶液を得た。得られたアクリル樹脂(A−6)の重量平均分子量は959000、分散度は6.4であった。
(比較例3)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート60.0g、2−エチルヘキシルアクリレート37.0g、4−ヒドロキシブチルアクリレート1.0g、アセトン150.0g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.06gを仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応溶液を60℃に昇温させ、5時間反応させた。次いで、反応終了後、トルエンを190gとアクリル酸0.84gおよび2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.50gを添加して、70℃に昇温し、6時間反応させた。反応後、トルエン55部を添加して室温まで冷却しアクリル系ポリマーの溶液を得た。得られたアクリル樹脂(A−7)の重量平均分子量は1580000、分散度は4.9であった。
[感圧式接着剤組成物の作製]
(実施例5)
実施例1で得られたポリエステル(A−1)に対して、トルエンを加え固形分が40%となるように調整した。更に化合物(D)として、TDI/TMP(トルレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体)2.5重量部を加えてよく撹拌して、シランカップリング剤として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを0.5部加えてよく撹拌して、本発明の感圧式接着剤組成物を得た。本発明の感圧式接着剤組成物を得た。これを剥離処理されたポリエステルフィルム(以下、「剥離フィルム」という。)上に乾燥後の厚みが25μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させ、感圧式接着剤層を形成した。乾燥後、感圧式接着剤層に、ポリビニルアルコール(PVA)系偏光子の両面をトリアセチルセルロース系保護フィルム(以下、「TACフィルム」という)で挟んだ多層構造の偏光フィルムの片面を貼り合せ、「剥離フィルム/感圧式接着剤層/TACフィルム/PVA/TACフィルム」なる構成の積層体を得た。次いで、得られた積層体を温度23℃相対湿度50%の条件で1週間熟成(暗反応)させて、接着剤層の反応を進行させ、接着加工した偏光板(積層体)を得た。
(実施例6〜8、比較例4〜6)
実施例1で得られた樹脂溶液の代わりに、実施例2〜4、比較例1〜3で得られた樹脂溶液(A−2〜A−7)をそれぞれ用いたこと以外は実施例5と同様にして感圧式粘着剤組成物を作製し、更に接着加工した偏光板を作製した。
実施例および比較例で得られた接着加工した偏光板(積層体)について、塗膜の屈折率、耐熱性、耐湿熱性、光学特性および再剥離性を以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
<塗膜の屈折率の評価方法>
実施例および比較例で得られた感圧式接着剤組成物を剥離フィルム上に塗工し、120℃のオーブンにて乾燥して、厚さ25μmの感圧式接着剤層を設けた後、ポリエステルフィルム貼り合わせて積層させ、感圧式接着シートを作製した。その後、アッベ屈折率計「DR−M2」[ATAGO社製]にて、25℃雰囲気下、ナトリウムD線を照射して、接着シート上の接着剤層の屈折率を測定した。1.51以上のものを「○」、1.51未満のものを「×」とした。
<耐熱性、耐湿熱性の評価方法>
接着加工した偏光板(積層体)を150mm×80mmの大きさに裁断し、剥離フィルムを剥がし、厚さ1.1mmのフロートガラス板の両面に、それぞれの偏光板の吸収軸が直交するようにラミネーターを用いて貼着した。続いて、この偏光板が貼り付けられたガラス板を50℃−5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させて、偏光板をガラス板に強固に密着させ、偏光板とガラス板との積層物を得た。
耐熱性の評価として、上記積層物を120℃で1000時間放置した後の浮きハガレ、および積層物に光を透過させたときの光漏れ(白抜け)を目視で観察した。又、耐湿熱性の評価として、上記積層物を80℃、相対湿度90%で1000時間放置した後の浮きハガレ、および積層物に光を透過させたときの光漏れ(白ヌケ)を目視で観察した。耐熱性、耐湿熱性について、下記の3段階の評価基準に基づいて評価をおこなった。
○:「浮きハガレ・白ヌケが全く認められず、実用上全く問題なし。」
△:「若干浮きハガレ・白ヌケが認められるが、実用上問題がない」
×:「全面的に浮きハガレ・白ヌケがあり、実用不可である」
をそれぞれ意味する。
Figure 2008308592
以上のように、実施例1〜4の感圧式接着剤用ポリエステルを用いた、実施例5〜8の感圧式接着剤組成物は、耐熱性、耐湿熱性、光学特性、屈折率の制御性に優れていることが分かる。これに対して、比較例1〜3の樹脂を用いた比較例4〜6の感圧式接着剤組成物では、感圧式接着剤のポットライフが短く、塗工できないことが分かる。また、比較例4では、塗工することはできたものの、接着剤加工をすることができなかった。
本発明の感圧式接着剤組成物は、ポリエステル特有の凝集力を維持しつつ、主鎖骨格に芳香環や硫黄原子または脂環を導入したポリマーを形成することができるため、粘着剤の乾燥及び/又は硬化後の屈折率が1.51〜1.60の範囲で制御できるだけでなくアクリル系樹脂では得られなかった接着物性を発現させることができる。その例として、本発明の様な光学積層体での耐熱性、耐湿熱性、光学特性、再剥離性等が挙げられる。特に、光学積層体の用途では、光学特性である、光漏れのないことが重要視され、近年のディスプレイの大型化に伴い、屈折率の制御等、その要求性能はますます厳しくなってきている。そこで、本発明の感圧式接着剤組成物は、上述のようにこれまでは困難であった特性を発揮できるため、さらに有用になると考えられる。
又、本発明の感圧式接着剤組成物は、光学部材用途として好適であるほか、一般ラベル・シールのほか、塗料、弾性壁材、塗膜防水材、床材、タッキファイヤ、接着剤、積層構造体用接着剤、シーリング剤、成形材料、表面改質用コーティング剤、バインダー(磁気記録媒体、インキバインダー、鋳物バインダー、焼成レンガバインダー、グラフト材、マイクロカプセル、グラスファイバーサイジング用等)、ウレタンフォーム(硬質、半硬質、軟質)、ウレタンRIM、UV・EB硬化樹脂、ハイソリッド塗料、熱硬化型エラストマー、マイクロセルラー、繊維加工剤、可塑剤、吸音材料、制振材料、界面活性剤、ゲルコート剤、人工大理石用樹脂、人工大理石用耐衝撃性付与剤、インキ用樹脂、フィルム(ラミネート接着剤、保護フィルム等)、合わせガラス用樹脂、反応性希釈剤、各種成形材料、弾性繊維、人工皮革、合成皮革等の原料として、また、各種樹脂添加剤およびその原料等としても非常に有用に使用できる。

Claims (12)

  1. 多価カルボン酸成分(A)、ポリオール成分(B)、及び多価チオール成分(C)を反応させてなる感圧式接着剤用ポリエステル。
  2. 多価チオール成分(C)が、ポリオール成分(B)と多価チオール成分(C)との合計に対して0.1〜40モル%である請求項1記載の感圧式接着剤用ポリエステル。
  3. 多価カルボン酸成分(A)が、芳香族ジカルボン酸(a1)を10〜80モル%含むことを特徴とする請求項1又は2記載の感圧式接着剤用ポリエステル。
  4. ポリオール成分(B)が、側鎖に炭化水素基を有するジオール(b1)を含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の感圧式接着剤用ポリエステル。
  5. 3価以上の多価カルボン酸(a2)、3価以上のポリオール(b2)、及び3価以上の多価チオール(c2)から選ばれる少なくとも1つの、3価以上の官能基を有する化合物を反応させてなる請求項1〜4いずれか記載の感圧式接着剤用ポリエステル。
  6. 重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が、2.0〜6.0である請求項1〜5いずれか記載の感圧式接着剤用ポリエステル。
  7. 重量平均分子量(Mw)が、30000〜300000である請求項1〜6いずれか記載の感圧式接着剤用ポリエステル。
  8. 記請求項1〜7記載の感圧式接着剤用ポリエステルと、ポリエステル中の反応性官能基と反応しうる官能基を有する化合物(D)と、を含む感圧式接着剤組成物。
  9. 化合物(D)が、ポリイソシアネート化合物である請求項8記載の感圧式接着剤組成物。
  10. 更にシランカップリング剤を含むことを特徴とする請求項9記載の感圧式接着剤組成物。
  11. 請求項8〜10いずれか記載の感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層上に光学部材が積層されてなる積層体。
  12. 液晶セル用ガラス部材、請求項8〜10いずれか記載の感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層、及び光学部材が、順次積層されてなる液晶セル用部材。
JP2007158132A 2007-06-15 2007-06-15 感圧式接着剤用ポリエステル及びこれを含む感圧式接着剤組成物 Pending JP2008308592A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007158132A JP2008308592A (ja) 2007-06-15 2007-06-15 感圧式接着剤用ポリエステル及びこれを含む感圧式接着剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007158132A JP2008308592A (ja) 2007-06-15 2007-06-15 感圧式接着剤用ポリエステル及びこれを含む感圧式接着剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008308592A true JP2008308592A (ja) 2008-12-25

Family

ID=40236483

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007158132A Pending JP2008308592A (ja) 2007-06-15 2007-06-15 感圧式接着剤用ポリエステル及びこれを含む感圧式接着剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008308592A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011249545A (ja) * 2010-05-26 2011-12-08 Komatsu Seiren Co Ltd 電磁波吸収体及び電磁波吸収体の製造方法、並びに電子機器
JP2016044291A (ja) * 2014-08-26 2016-04-04 三星エスディアイ株式会社Samsung SDI Co.,Ltd. 粘着剤組成物、粘着剤層、粘着型光学フィルム、粘着型偏光板、および画像表示装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011249545A (ja) * 2010-05-26 2011-12-08 Komatsu Seiren Co Ltd 電磁波吸収体及び電磁波吸収体の製造方法、並びに電子機器
JP2016044291A (ja) * 2014-08-26 2016-04-04 三星エスディアイ株式会社Samsung SDI Co.,Ltd. 粘着剤組成物、粘着剤層、粘着型光学フィルム、粘着型偏光板、および画像表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6609405B2 (ja) 粘着剤組成物、粘着剤層、粘着型光学フィルム、粘着型偏光板、および画像表示装置
JP2008297475A (ja) ポリエステル及び感圧式接着剤組成物
JP4801419B2 (ja) 偏光板
JP2009221440A (ja) ポリエステル樹脂及びそれを用いてなる感圧式接着剤組成物
JP2009025575A (ja) 積層体
JP2009091522A (ja) 粘着剤組成物及び該粘着剤組成物を使用してなる積層体
JP2006299252A (ja) 感圧式接着剤組成物及びその利用
WO2006120887A1 (ja) 感光性樹脂組成物、その硬化物及びそれを含有するフィルム
JP2009024093A (ja) 感圧式接着剤組成物及び該感圧式接着剤組成物を積層してなる積層体
JP2010180290A (ja) 粘着剤組成物、及びそれを用いてなる粘着積層体
JP2008297363A (ja) ポリエステル樹脂及び感圧式接着剤組成物
JP5353000B2 (ja) ポリエステル樹脂の製造方法及び感圧式接着剤組成物
JP2006113574A (ja) 光学積層体及びその製造方法
JP2009013275A (ja) 感圧式接着剤用ポリエステル及び感圧式接着剤組成物
JP2022507844A (ja) ポリエステルポリオール及びそれから作製されるポリウレタンポリマー
JP2010001375A (ja) 感圧式接着剤用ポリエステル樹脂及びそれを用いてなる感圧式接着剤組成物
JP7480804B2 (ja) ポリエステル系粘着剤、光学部材用粘着シート及びポリエステル系粘着剤組成物
JP2008308592A (ja) 感圧式接着剤用ポリエステル及びこれを含む感圧式接着剤組成物
JP2008297405A (ja) ポリエステル樹脂及び感圧式接着剤組成物
JP2008308533A (ja) 帯電防止性感圧式接着剤組成物及びその積層体
JP2009007429A (ja) 感圧式接着剤組成物及び該感圧式接着剤組成物を用いてなる積層体
JP6705276B2 (ja) ウレタン(メタ)アクリレート樹脂及び積層フィルム
JP7203624B2 (ja) 光学透明粘着シート、積層シート及び貼り合わせ構造物
JP7354788B2 (ja) ポリエステル系粘着剤組成物、粘着剤、粘着シート、および粘着剤層付き光学部材
JP2008308621A (ja) 感圧式接着剤組成物及びその利用