JP7105220B2 - 複合磁性体シート及び複合磁性体シートの製造方法 - Google Patents

複合磁性体シート及び複合磁性体シートの製造方法 Download PDF

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本発明は、扁平状の軟磁性粉末と、軟磁性粉末を結着するバインダとを備える複合磁性体シートに関する。
特許文献1には、このタイプの複合磁性体シートが開示されている。
特許文献1に開示された軟磁性フィルム(複合磁性体シート)は、扁平状の軟磁性粒子と、軟磁性粒子を結着する樹脂成分とを備えている。複合磁性体シートは、例えば、デジタイザの回路基板に内蔵して使用される。
特許文献1によれば、複合磁性体シートを作製する際、複合磁性体シートの内部に空隙(空孔)が生じる。複合磁性体シートに対する空孔の体積比(以下、「空孔率」という。)が高くなると、複合磁性体シートを内蔵した回路基板にリフロー処理を施す際、空孔が膨張し、これにより、複合磁性体シートが回路基板から剥離する等の問題が生じる。特許文献1によれば、空孔率を2.5%以下とすることで上述の問題を解決できる。
特許第6526471号公報
リフロー処理の際、空孔率が小さい場合でも、複合磁性体シートが膨張し、これにより良好な回路基板が得られない場合がある。
そこで、本発明は、リフロー処理の際の膨張を抑制可能な複合磁性体シートを提供することを目的とする。
本発明の研究者は、リフロー処理の際に複合磁性体シートが膨張する理由について研究した。この研究において、以下のようにして複合磁性体シートを作製した。まず、軟磁性粉末と、軟磁性粉末を結着するための樹脂(バインダ樹脂)と、樹脂からなる増粘剤とを含む磁性スラリーを作製した。磁性スラリーを、基体上に塗付して乾燥し、これによりシート状の中間体を得た。得られた中間体に熱処理を施して複合磁性体シートを得た。
本発明の研究者は、様々な種類のバインダ樹脂及び増粘剤を使用して複合磁性体シートを作製し、リフロー処理によって問題が生じた複合磁性体シートと、使用した樹脂との間の関係について研究した。その結果、以下に説明するように、使用した樹脂の熱重量特性(TG特性:thermo-gravimetric characteristics)と熱処理における温度とが、問題の発生に関係していることを突き止めた。
回路基板に半田付けを行う場合、近年では鉛フリーのリフロー処理が施される。鉛フリーのリフロー処理は、一般的に220℃以上の比較的高温のリフロー温度下で行われる。一般的に、樹脂を高温に加熱すると、樹脂に含まれる揮発性成分(気体に化学変化する成分)や高温下で樹脂から生成される化合物等の成分からガスが発生する(以下、樹脂の「分解」という。)。複合磁性体シートの増粘剤は、上述のリフロー温度において大きく分解して熱減量する。一方、複合磁性体シートを作製する際の熱処理は、通常200℃程度の温度下で行われる。複合磁性体シートの増粘剤は、この200℃程度の温度下において十分に分解せず、複合磁性体シートを回路基板に内蔵した後のリフロー処理において大きく分解すると考えられる。リフロー処理における増粘剤の分解によって複合磁性体シートの内部にガスが生じ、これにより、複合磁性体シートが膨張すると考えられる。
本発明の研究者は、以上の考察に基づき、複合磁性体シートを作製する際の熱処理をリフロー温度以上で行い、これにより、リフロー処理における増粘剤の分解に伴う複合磁性体シートの膨張を抑制することに着想した。
本発明は、以上の着想に基づいて具現化したものである。本発明によれば、複合磁性体シートを作製する際の熱処理は、一般的なリフロー温度以上で行う。また、磁性スラリーのバインダ樹脂として、リフロー温度において殆ど分解しないようなTG特性を有する第1樹脂を使用し、これにより、リフロー処理の際のバインダ樹脂の分解を抑制する。一方、磁性スラリーの増粘剤として、リフロー温度において大きく分解するようなTG特性を有する第2樹脂を使用する。増粘剤は、熱処理において予め充分に分解するため、リフロー処理の際の増粘剤の分解によるガスの発生を抑制できる。具体的には、本発明によれば、以下に記載した複合磁性体シートの製造方法、及び、複合磁性体シートが得られる。
本発明によれば、複合磁性体シートの第1の製造方法として、
複合磁性体シートの製造方法であって、
扁平状の軟磁性粉末と、固形成分の減量分が220℃で4.0%以下である第1樹脂と、固形成分の減量分が220℃で5.0%以上である第2樹脂とを少なくとも混合して磁性スラリーを作製するステップと、
前記磁性スラリーからシート状の中間体を作製するステップと、
前記中間体を220℃以上かつ400℃以下の熱処理温度で熱処理するステップと、
を備える
製造方法が得られる。
また、本発明によれば、複合磁性体シートの第2の製造方法として、第1の製造方法であって、
前記磁性スラリーにおいて、前記軟磁性粉末に対する前記第1樹脂の比率は、2重量%以上かつ15重量%以下であり、前記第1樹脂に対する前記第2樹脂の比率は、20重量%以上かつ150重量%以下である
製造方法が得られる。
また、本発明によれば、複合磁性体シートの第3の製造方法として、第1又は第2の製造方法であって、
前記第1樹脂は、エポキシ樹脂であり、
前記第2樹脂は、ポリアクリル酸エステルである
製造方法が得られる。
また、本発明によれば、複合磁性体シートの第4の製造方法として、第1から第2までのいずれかの製造方法であって、
前記熱処理温度は、260℃以上である
製造方法が得られる。
また、本発明によれば、複合磁性体シートの第5の製造方法として、第1から第4までのいずれかの製造方法であって、
前記第2樹脂は、前記第1樹脂に対して非相溶性である
製造方法が得られる。
また、本発明によれば、複合磁性体シートの第6の製造方法として、第1から第5までのいずれかの製造方法であって、
前記熱処理するステップは、前記中間体を前記熱処理温度で熱プレスするステップを備える
製造方法が得られる。
また、本発明によれば、複合磁性体シートの第7の製造方法として、第1から第5までのいずれかの製造方法であって、
前記熱処理するステップは、前記中間体を200℃以下の温度で熱プレスするステップと、熱プレスした後の前記中間体を前記熱処理温度に加熱するステップとを備える
製造方法が得られる。
また、本発明によれば、第1の複合磁性体シートとして、
扁平状の軟磁性粉末と、軟磁性粉末を結着するバインダとを備える複合磁性体シートであって、
220℃以上の温度での保持時間が60秒であって、240~250℃の温度での保持時間が10秒以下であり、ピーク温度が260℃であるような温度条件で所定試験を行った場合に、重量の減量分が0.25%以下である
複合磁性体シートが得られる。
また、本発明によれば、第2の複合磁性体シートとして、第1の複合磁性体シートであって、
前記所定試験を行った場合に、厚さの増加が3%以下である
複合磁性体シートが得られる。
また、本発明によれば、第3の複合磁性体シートとして、第1又は第2の複合磁性体シートであって、
前記複合磁性体シート全体に対する前記軟磁性粉末の比率は、90重量%以上である
複合磁性体シートが得られる。
また、本発明によれば、第4の複合磁性体シートとして、第1から第3までのいずれかの複合磁性体シートであって、
前記複合磁性体シート全体に対する空孔の比率は、2.5体積%以上である
複合磁性体シートが得られる。
また、本発明によれば、第5の複合磁性体シートとして、第1から第3までのいずれかの複合磁性体シートであって、
前記複合磁性体シート全体に対する空孔の比率は、2.5体積%未満である
複合磁性体シートが得られる。
また、本発明によれば、第6の複合磁性体シートとして、第4又は第5の複合磁性体シートであって、
前記空孔に樹脂を少なくとも部分的に含侵させた
複合磁性体シートが得られる。
本発明の複合磁性体シートは、第1樹脂と第2樹脂とを含む磁性スラリーから作製する。一般的なリフロー温度において、第1樹脂は、僅かに分解する一方、第2樹脂は、第1樹脂に比べて大きく分解する。また、複合磁性体シートを作製する際の熱処理を一般的なリフロー温度以上で行う。この製造方法によれば、第1樹脂は、熱処理において、僅かに分解しつつ複合磁性体シートのバインダを形成する。形成されたバインダは、リフロー処理の際にも殆ど分解しない。一方、第2樹脂は、熱処理において、予め充分に分解するため、リフロー処理の際の第2樹脂の分解によるガスの発生を抑制できる。即ち、本発明によれば、リフロー処理の際の膨張を抑制可能な複合磁性体シートを提供できる。
本発明の実施の形態による複合磁性体シートを模式的に示す斜視図である。複合磁性体シートの断面の一部(破線で囲んだ部分)を部分的に拡大して模式的に描画している。 図1の断面の一部を示す画像である。 図1の複合磁性体シートの製造方法を示す図である。 図3の製造方法の変形例を示す図である。 図3及び図4の磁性スラリー作製ステップで作製する磁性スラリーの第1樹脂の固形成分及び第2樹脂の固形成分のTG特性を示す図である。図示したTG特性は、大気中において10℃/minの昇温速度で測定した測定値に基づいている。 図3及び図4の中間体ステップにおいて作製した中間体の断面を模式的に示す図である。図示した断面は、図1の断面と対応している。 本発明の実施例1~3及び比較例1~3の複合磁性体シートに対して所定試験を行った際の重量の減量分を示す図である。 実施例1~3及び比較例1~3に対して所定試験を行った際の厚さの増加を示す図である。 複合磁性体シートの強度の測定方法を示す図である。 図9の測定方法によって測定した実施例3及び比較例3の応力-歪み曲線を示す図である。
図1を参照すると、本発明の実施の形態による複合磁性体シート10は、上下方向(Z方向)に薄いシート形状又は平板形状を有している。複合磁性体シート10は、例えば0.4mm程度の厚さTc(Z方向におけるサイズ)を有している。また、複合磁性体シート10は、Z方向と直交する水平面(XY平面)において矩形形状を有している。本発明の実施の形態の複合磁性体シート10は、上述の形状を有しており、回路基板(図示せず)に内蔵して使用するのに適している。但し、本発明による複合磁性体シートは、これに限られず、様々な用途に使用可能である。複合磁性体シート10の厚さTc、XY平面における形状及びサイズは、用途に応じていればよく、特に限定されない。
図1及び図2を参照すると、複合磁性体シート10は、扁平形状を有する軟磁性粉末20をバインダ(結着体)30によって結着させたものである。バインダ30には、部分的に空孔50が形成されている。即ち、複合磁性体シート10は、扁平状の軟磁性粉末20と、軟磁性粉末20を結着するバインダ30と、内部に形成された空孔50とを備えている。
図3を参照すると、本実施の形態の複合磁性体シート10は、軟磁性粉末作製ステップ(STEP1)、磁性スラリー作製ステップ(STEP2)、中間体作製ステップ(STEP3)、及び、熱処理ステップ(STEP4)を経て製造される。中間体作製ステップにおいて、塗布及び乾燥ステップ(STEP3-1)と成型ステップ(STEP3-2)とが行われる。熱処理ステップにおいて、高温熱プレスステップ(STEP4-1)が行われる。但し、本発明による複合磁性体シート10の製造方法は、本実施の形態に限られず、様々に変形可能である。以下、図3に示した複合磁性体シート10の製造方法について、上述したステップの順に説明する。
図3を図6と併せて参照すると、まず、軟磁性粉末作製ステップにおいて、扁平形状の軟磁性粉末20を作製する。軟磁性粉末20は、例えば、Fe系合金からなる粒子状の軟磁性金属粉末(材料粉末)を、ボールミルを使用して扁平化することで作製できる。材料粉末は、1種類の軟磁性金属からなる粒子のみを含んでいてもよいし、互いに異なる2種類以上の軟磁性金属からなる粒子を含んでいてもよい。
次に、磁性スラリー作製ステップにおいて、溶媒と、バインダ樹脂(加熱によって硬化して軟磁性粉末20を結着する樹脂)と、増粘剤とを準備する。溶媒は、60℃程度の低い温度下で容易に揮発する液体であればよい。溶媒としては、例えばグリコールが使用できる。図5を参照すると、バインダ樹脂及び増粘剤としては、互いに異なる熱重量特性(TG特性:thermo-gravimetric characteristics)を有する第1樹脂32及び第2樹脂42を夫々使用する。
図5に示されるように、第2樹脂42は、第1樹脂32に比べて、低い温度で分解して重量が減少する。詳しくは、第1樹脂32及び第2樹脂42の夫々は、加熱によって少なくとも部分的に分解してガスを生じる固形成分を含んでいる。特に、本実施の形態の第1樹脂32及び第2樹脂42の夫々は、意図せずに混入した僅かな不純物を除き、固形成分のみからなる。第1樹脂32の固形成分は、300℃以下の温度範囲において、温度が上昇しても分解が進まず、これにより、重量の減量分が低いレベルに維持される。第1樹脂32の固形成分の減量分は、220℃で4.0%以下である。一方、第2樹脂42の固形成分は、200℃以上の温度範囲において、温度が上昇するにつれて分解が急激に進み、これにより、重量の減量分が急激に大きくなる。第2樹脂42の固形成分の減量分は、220℃で5.0%以上である。
本実施の形態において、第1樹脂32は、エポキシ樹脂であり、第2樹脂42は、ポリアクリル酸エステルである。但し、本発明は、これに限定されない。第1樹脂32は、固形成分の減量分が220℃で4.0%以下であるというTG特性を有する有機樹脂である限り、どのような樹脂であってもよい。第2樹脂42は、固形成分の減量分が220℃で5.0%以上であるというTG特性を有する有機樹脂である限り、どのような樹脂であってもよい。
図3を図6と併せて参照すると、磁性スラリー作製ステップにおいて、上述した材料(軟磁性粉末20、溶媒、バインダ樹脂及び増粘剤)を混合して混合物を作製する。このとき、材料の量を、混合物が基体上に均一に塗布できる程度の流動性及び粘性を有するように調整する。
上述のように作製した混合物は、軟磁性粉末20、溶媒、バインダ樹脂及び増粘剤のみを含んでいる。バインダ樹脂は、1種類の第1樹脂32からなり、増粘剤は、1種類の第2樹脂42からなる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、混合物は、上述した材料に加えて、更に他の材料を含んでいてもよい。例えば、混合物は、第1樹脂32及び第2樹脂42と異なるTG特性を有する第3樹脂を含んでいてもよい。第3樹脂は、第1樹脂32と共にバインダ樹脂として機能してもよい。即ち、バインダ樹脂は、第1樹脂32と第3樹脂とを含んでいてもよい。この場合、第3樹脂は、フェノール樹脂であってもよい。
図3を参照すると、磁性スラリー作製ステップにおいて、上述のように作製した混合物を容器に投入する。容器中の混合物を撹拌し、これにより、磁性スラリーを得る。本実施の形態の第2樹脂42(ポリアクリル酸エステルからなる増粘剤)は、第1樹脂32(エポキシ樹脂からなるバインダ樹脂)に対して非相溶性である。この非相溶性により、混合物を攪拌しても、第2樹脂42は、第1樹脂32と完全には均質に混合しない。詳しくは、第2樹脂42は、第1樹脂32に対して部分的に混じり合いつつ、部分的に偏析する。即ち、混合物の内部に第2樹脂42の偏析部が形成される。
図6を参照しつつ以上の説明を纏めると、本実施の形態において、複合磁性体シート10(図1参照)の製造方法は、扁平状の軟磁性粉末20と、固形成分の減量分が220℃で4.0%以下である第1樹脂32と、固形成分の減量分が220℃で5.0%以上である第2樹脂42とを少なくとも混合して磁性スラリーを作製する磁性スラリー作製ステップ(図3参照)を備えている。
図3を図6と併せて参照すると、中間体作製ステップの塗布及び乾燥ステップにおいて、磁性スラリーを基体上に塗布する。基体は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムである。基体上に塗布した磁性スラリーを60℃程度の温度に加熱して磁性スラリー中の溶媒(低温揮発成分)を揮発させ、これにより、予備成型体を作製する。予備成型体は、薄いシート形状を有している。予備成型体は、柔軟性を有する材料から形成されており、加圧成型可能である。
中間体作製ステップの成型ステップにおいて、予備成型体を必要な形状に打抜いてシートを作製する。シートを、必要な厚さの複合磁性体シート10(図1参照)が得られるような枚数だけ積層し、これにより、シート形状又は平板形状を有する中間体14を作製する。積層するシートの枚数(積層枚数)は、複合磁性体シート10の用途に応じて設定すればよい。例えば、1枚のシートによって必要な複合磁性体シート10が得られる場合、シートを積層する必要はない。換言すれば、積層枚数は、1枚であってもよい。一方、積層枚数は、例えば15枚程度であってもよい。積層したシートは、成型圧力により圧縮してもよい。この場合、成型圧力は、2MPa程度の高圧であってもよい。
図6を参照すると、中間体14において、磁性スラリーに含まれていた低温揮発成分は、殆ど完全に揮発しており残留していない。即ち、中間体14は、実質的に、軟磁性粉末20と、第1樹脂32の固形成分(以下、単に「第1樹脂32」という。)と、第2樹脂42の固形成分(以下、単に「第2樹脂42」という。)のみを成分として含んでいる。軟磁性粉末20は、成型圧力によって僅かに押しつぶされつつ、概ね水平面上に配向される。第1樹脂32は、軟磁性粉末20を互いに繋いでいる。第2樹脂42は、第1樹脂32に偏析しつつ混合されている。即ち、中間体14は、第2樹脂42の偏析部を含んでいる。中間体14は、僅かな空孔50を含んでいる。空孔50は、主として、磁性スラリーを作製する過程で磁性スラリーの内部に閉じ込められた空気を含んでいる。
以上の説明を纏めると、本実施の形態において、複合磁性体シート10(図1参照)の製造方法は、磁性スラリーからシート状の中間体14を作製する中間体作製ステップ(図3参照)を備えている。
図3を参照すると、熱処理ステップの高温熱プレスステップにおいて、まず、中間体14(図6参照)を離形シートによって保護する。次に、このように保護された中間体14に25kgf/cm程度以上の高い圧力を加えつつ、中間体14を加熱して220℃以上かつ400℃以下の熱処理温度に所定時間だけ保持する。
図1及び図6を参照すると、高温での熱処理により、第1樹脂32は、最終的に硬化してバインダ30になり、軟磁性粉末20を互いに結着する。但し、第1樹脂32は、最終的に硬化する前に流動相を形成する。第2樹脂42は、流動相の中で分解してガスを生じる。このとき、第2樹脂42のうち第1樹脂32と混じり合った部分が分解すると共に、第2樹脂42の偏析部が分解して空孔50が形成される。偏析部から形成された空孔50は、互いに繋がり、中間体14の深層から表層に亘って延びる排出経路を形成する。第2樹脂42の分解によって生じたガスは、中間体14に加えられた高圧により、空孔50に閉じ込められていた空気と共に、排出経路を通って中間体14の外部に排出される。
上述したガス及び空気の排出により、排出経路は更に広がり、中間体14の表面の様々な箇所において外部に開口した開孔が形成される。加えて、ガス及び空気の排出により、中間体14の金属充填率、即ち、中間体14における軟磁性粉末20の体積比率が向上する。中間体14の金属充填率は、例えば、5%以上向上する。
図3を参照しつつ以上の説明を纏めると、本実施の形態において、複合磁性体シート10(図1参照)の製造方法は、中間体14(図6参照)を220℃以上かつ400℃以下の熱処理温度で熱処理する熱処理ステップを備えている。特に、本実施の形態の熱処理ステップは、中間体14を220℃以上かつ400℃以下の熱処理温度で熱プレスする高温熱プレスステップを備えている。
図1及び図6を参照すると、本実施の形態の複合磁性体シート10は、上述した熱処理ステップ(図3参照)を施した中間体14である。前述したように、本実施の形態の複合磁性体シート10は、回路基板(図示せず)に内蔵して使用される。通常、回路基板には、様々な電子部品(図示せず)が搭載される。これらの電子部品を回路基板に固定及び接続するために、半田付けを行う必要がある。回路基板に半田付けを行う場合、近年では鉛フリーのリフロー処理が施される。
一般的に鉛フリーのリフロー処理は、220℃以上の比較的高温のリフロー温度下で行われる。従来の複合磁性体シートの増粘剤は、このリフロー温度において大きく熱減量する。一方、従来の複合磁性体シートを作製する際の熱処理は、通常200℃程度の温度下で行われる。複合磁性体シートの増粘剤は、この200℃程度の温度下において十分に分解せず、複合磁性体シートを回路基板に内蔵した後のリフロー処理において大きく分解する。リフロー処理における増粘剤の分解によって複合磁性体シートの内部にガスが生じ、これにより、複合磁性体シートが膨張するおそれがある。
一方、本実施の形態の複合磁性体シート10は、第1樹脂32と第2樹脂42とを含む磁性スラリーから作製する。一般的なリフロー温度において、第1樹脂32は、僅かに分解する一方、第2樹脂42は、第1樹脂32に比べて大きく分解する。また、複合磁性体シート10を作製する際の熱処理を一般的なリフロー温度以上で行う。本実施の形態の製造方法によれば、第1樹脂32は、熱処理において、僅かに分解しつつ複合磁性体シート10のバインダ30を形成する。形成されたバインダ30は、リフロー処理の際にも殆ど分解しない。一方、第2樹脂42は、熱処理において、予め充分に分解するため、リフロー処理の際の第2樹脂42の分解によるガスの発生を抑制できる。即ち、本実施の形態によれば、リフロー処理の際の膨張を抑制可能な複合磁性体シート10を提供できる。
以上の説明から理解されるように、本実施の形態の熱処理における熱処理温度は、複合磁性体シート10を内蔵した回路基板(図示せず)に施されるリフロー処理のリフロー温度以上であればよい。一般的なリフロー温度が220℃程度であることを考慮すると、熱処理温度は、220℃以上であればよい。また、第2樹脂42を、熱処理(図3参照)によって、より確実に分解するという観点から、熱処理温度は、更に高くてもよい。例えば、熱処理温度は、260℃以上であってもよいし、300℃以上であってもよい。但し、熱処理温度が高すぎる場合、第1樹脂32が大きく分解し、これにより、バインダ30が十分に形成されないおそれがある。第1樹脂32の過度な分解を防止するという観点から、熱処理温度は、400℃以下とする必要がある。
また、磁性スラリーにおいて、軟磁性粉末20に対する第1樹脂32の量が2重量%よりも低い場合、複合磁性体シート10のバインダ30が不足し、これにより、必要な強度を有する複合磁性体シート10が得られないおそれがある。一方、軟磁性粉末20に対する第1樹脂32の量が15重量%よりも高い場合、複合磁性体シート10における軟磁性粉末20の充填率が低下し、これにより、必要な磁気特性を有する複合磁性体シート10が得られないおそれがある。従って、磁性スラリーにおいて、軟磁性粉末20に対する第1樹脂32の比率は、2重量%以上かつ15重量%以下であることが好ましい。
磁性スラリーにおいて、第1樹脂32に対する第2樹脂42の量が20重量%よりも低い場合、必要な粘性を有する磁性スラリーが得られず、これにより、均質な中間体14が得られないおそれがある。一方、第1樹脂32に対する第2樹脂42の量が150重量%よりも高い場合、複合磁性体シート10においてバインダ30が軟磁性粉末20を確実に結着できず、これにより、必要な強度を有する複合磁性体シート10が得られないおそれがある。従って、磁性スラリーにおいて、第1樹脂32に対する第2樹脂42の比率は、20重量%以上かつ150重量%以下であることが好ましい。
図3及び図4を参照すると、本発明による複合磁性体シート10(図1参照)の製造方法は、上述した製造方法に限定されず、図4に示した変形例のように変形可能である。変形例による複合磁性体シート10の製造方法は、上述した製造方法と同じ軟磁性粉末作製ステップ(STEP1)、磁性スラリー作製ステップ(STEP2)及び中間体作製ステップ(STEP3)を備えている一方、熱処理ステップ(STEP4)と異なる熱処理ステップ(STEP4A)を備えている。
図4を参照すると、変形例の熱処理ステップ(STEP4A)は、中間体14(図6参照)を200℃以下の比較的低い温度で熱プレスする低温熱プレスステップ(STEP4A-1)と、熱プレスした後の中間体14を220℃以上かつ400℃以下の熱処理温度に加熱する加熱ステップ(STEP4A-2)とを備えている。この変形例によれば、低温熱プレスステップにおいて、ある程度のガスが発生して開孔が形成され、加熱ステップによってガス及び空気が排出される。高温熱プレスステップ(図3参照)における220℃以上の温度に耐えられる離形シートの種類は限られている。一方、変形例の低温熱プレスステップによれば、離形シートを様々な種類から選択できる。
図3及び図4を参照すると、本発明による複合磁性体シート10(図1参照)の製造方法は、既に説明した実施の形態及び変形例に限定されず、以下に説明するように、更に様々に変形可能である。
高温熱プレスステップ及び低温熱プレスステップにおいて、中間体14(図6参照)の加熱と中間体14の加圧とは、同時に行うこともできるし、互いに異なるタイミングで行うこともできる。但し、ガスによる中間体14の膨張を防止するという観点から、中間体14を加熱し始めた段階で加圧することが好ましい。
高温熱プレスステップ及び低温熱プレスステップにおいて、中間体14(図6参照)の上面及び下面を加圧板によって上下に挟んで加圧してもよい。この場合、加圧板は、多孔質の板であってもよい。多孔質の板を加圧板として使用することで、中間体14の側面だけでなく上面及び下面に開いた開孔が形成でき、これにより、ガス及び空気を、より効率的に排出できる。
熱処理ステップは、様々な環境下で行うことができる。例えば、熱処理ステップは、空気中で行ってもよいし、真空雰囲気中で行ってもよい。熱処理ステップを空気中で行うと、複合磁性体シート10(図1参照)全体に対する空孔50(図1参照)の比率(空孔率)は、2.5体積%以上になる。熱処理ステップを真空雰囲気中で行うと、空孔率は、極めてゼロに近くなる。空孔率は、例えば、2.5体積%未満になる。
図1を参照すると、本実施の形態による複合磁性体シート10は、上述の製造方法に起因して下記のような構造及び特性を有している。
複合磁性体シート10の断面は、互いに密着した軟磁性粉末20及びバインダ30からなり細孔のない密な部分(密集部)と空孔50とからなる二相構造を有している。空孔50は、開孔と、閉孔とを含んでいる。開孔は、互いに繋がった空間であり、複合磁性体シート10の外部に開口している。閉孔は、複合磁性体シート10の内部に閉じた小さな空間である。本実施の形態の空孔50の殆どは、開孔である。
バインダ30は、加熱しても殆ど分解しない。加えて、空孔50内の空気は、加熱によって膨張しても、複合磁性体シート10の開口から外部に排出される。従って、複合磁性体シート10は、リフロー温度程度の熱を加えても、殆ど変化しない。更に、複合磁性体シート10の使用時に空孔50内の空気が熱膨張しても、空気は開口から外部に排出される。即ち、本実施の形態によれば、リフロー処理や使用時の温度変化による複合磁性体シート10の膨張を抑制でき、これにより、回路基板(特に、プリント配線基板)への内蔵に適した複合磁性体シート10が得られる。
複合磁性体シート10が回路基板への内蔵に適しているか否かは、例えば、複合磁性体シート10に対してリフロー試験(所定試験)を行うことで判定できる。この所定試験は、例えば、220℃以上の温度での保持時間が60秒であって、240~250℃の温度での保持時間が10秒以下であり、ピーク温度が260℃であるような温度条件で行えばよい。回路基板への内蔵に適した複合磁性体シート10を得るという観点から、複合磁性体シート10に対して所定試験を行った場合に、重量の減量分が0.25%以下であることが好ましい。また、一般的な厚さ規格から外れないようにしつつ複合磁性体シート10をプリント配線基板に内蔵するという観点から、上述した所定試験を行った場合に、厚さの変化が±3%以内であることが好ましく、特に、厚さの増加が3%以下であることが好ましい。
熱処理ステップ(図3及び図4参照)を真空雰囲気中で行う場合、複合磁性体シート10全体に対する密集部の比率は、97.5体積%以上であり、極めて高い。また、熱処理ステップを空気中で行う場合でも、複合磁性体シート10全体に対する密集部の比率は、80~97.5体積%程度と高い。この構造により、複合磁性体シート10は、高い強度を有している。
複合磁性体シート10全体に対する軟磁性粉末20の比率は、90重量%以上である。複合磁性体シート10は、このような高い金属充填率を有しており、回路基板(図示せず)に内蔵して使用するために必要な磁気特性を有している。但し、本発明は、これに限られず、軟磁性粉末20、バインダ30及び空孔50の複合磁性体シート10における重量比率は、複合磁性体シート10の用途に応じていればよい。
本実施の形態の軟磁性粉末20は、軟磁性金属からなる複数の粒子を含んでいる。全ての粒子は、同一の軟磁性金属から作製されており、同様の形状及び特性を有している。例えば、各粒子は、軟磁性を有する同一のFe系合金から形成されている。また、各粒子は、概ねXY平面に沿って延びる扁平形状を有している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、各粒子の材料は、Fe系合金に限定されない。また、軟磁性粉末20は、互いに異なる2種類以上の軟磁性金属から作製された粒子を含んでいてもよい。
本実施の形態のバインダ30は、有機系樹脂からなり無機物を実質的に含まない第1樹脂32(図6参照)を熱硬化することで形成されている。即ち、バインダ30は、有機物を主成分としており、酸化ケイ素等の無機酸化物を実質的に含んでいない。
複合磁性体シート10の開孔(空孔50)は、複合磁性体シート10を一旦作製した後、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂によって塞がれていてもよい。即ち、空孔50に樹脂を少なくとも部分的に含侵させてもよい。このように空孔50を塞ぐことによって、空気中の水分の空孔50内部への侵入を抑制でき、これにより、複合磁性体シート10の使用時の温度変化による膨張を抑制できる。
以下、本発明による複合磁性体シートの実施例及び比較例を参照しつつ、本発明について更に詳しく説明する。実施例及び比較例の複合磁性体シートは、以下のように作製して特性を測定した。
(軟磁性粉末の作製)
軟磁性粉末の材料としてFe系合金粉末を用いた。ボールミルを用いて、粉末を扁平化した。
(磁性スラリーの作製)
溶媒、バインダ樹脂(第1樹脂)及び増粘剤(第2樹脂)を準備した。溶媒として、グリコールを使用した。バインダ樹脂として、エポキシ樹脂を使用した。増粘剤として、ポリアクリル酸エステルを使用した。軟磁性粉末、溶媒、バインダ樹脂及び増粘剤を表1の磁性スラリーが得られるような比率で混合して実施例1~3の混合物を作製した。混合物を容器に投入した。容器内の混合物を混合して、表1に示す実施例1~3の磁性スラリーを作製した。磁性スラリーにおいて、増粘剤は、バインダ樹脂に対して部分的に偏析していた。
Figure 0007105220000001
(中間体の作製)
ダイスロット法によりPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に実施例1~3の磁性スラリーを夫々塗布した。その後、60℃で1時間乾燥して溶媒を除去し、これにより、実施例1~3の予備成型体を作製した。実施例1~3の予備成型体を、抜型を用いてカットし、これにより、横26~27mm、縦14~15mmの矩形の複数枚のシートを得た。所定枚数のシートを積層して実施例1~3の中間体を作製した。このとき、実施例1~3の夫々について、中間体を複数枚作製した。得られた中間体には、表2に示す比率の成分が含まれていた。
Figure 0007105220000002
(実施例1~3の複合磁性体シートの作製)
実施例1~3の中間体の夫々を、離形シートによって保護して金型に入れた。金型中の中間体に50kgf/cm程度の高い圧力を加えつつ、中間体を加熱して300℃の熱処理温度に1時間保持し、実施例1~3の複合磁性体シートを夫々複数枚作製した。各複合磁性体シートの厚さは、2~4mm程度だった。
(比較例1~3の複合磁性体シートの作製)
実施例1~3の中間体の夫々を、離形シートによって保護して金型に入れた。金型中の中間体に50kgf/cm程度の高い圧力を加えつつ、中間体を加熱して200℃の熱処理温度に1時間保持し、比較例1~3の複合磁性体シートを夫々複数枚作製した。各複合磁性体シートの厚さは、2~4mm程度だった。
(リフロー試験)
実施例1~3及び比較例1~3の複合磁性体シートの夫々に260℃の温度でのリフロー処理を1回だけ施して、リフロー処理による重量の変化と厚さの変化とを測定した。詳しくは、複合磁性体シートを加熱して、複合磁性体シートの温度が260℃になるまで昇温し続けた。この昇温過程において、複合磁性体シートを、220℃以上の温度に60秒保持した後、240~250℃の温度に10秒以下の時間だけ保持した。測定結果を、表3、図7及び図8に示す。
Figure 0007105220000003
表1、表3、図7及び図8を参照すると、300℃で熱処理した実施例1~3の複合磁性体シートによれば、磁性スラリーにおける軟磁性粉末に対するポリアクリル酸エステルの比率によらず、重量の減量分が0.12%以下であり、厚さの増加率が0.4%以下である。実施例1~3の複合磁性体シートは、ポリアクリル酸エステルの残存成分を実質的に含んでおらず、これにより、リフロー処理の際に殆ど変化しないと考えられる。
一方、200℃で熱処理した比較例1~3の複合磁性体シートによれば、磁性スラリーにおける軟磁性粉末に対するポリアクリル酸エステルの比率が高くなるにつれて、重量の減量分及び厚さの増加率が急激に高くなる。200℃で熱処理した比較例1~3の複合磁性体シートは、ポリアクリル酸エステルの残存成分を多量に含んでいると考えられる。リフロー処理の際に、この残存成分が分解してガスが生じ、これにより、複合磁性体シートが膨張すると考えられる。
(強度試験)
実施例3及び比較例3の複合磁性体シート10Xに対して、以下のように強度試験を行った。図9を参照すると、複合磁性体シート10Xを、支持台80Xの2つの支点部82Xによって支持した。複合磁性体シート10Xの中間点を、2cm/minの送り速度で押しつつ応力と歪とを測定した。測定結果を、図10に示す。
図10を参照すると、300℃で熱処理した実施例3の複合磁性体シートの強度は、200℃で熱処理した比較例3の複合磁性体シートに比べて大きく向上している。
(特性測定)
実施例3及び比較例3の複合磁性体シートの密度及び透磁率(1MHzの周波数における複合比透磁率の実数成分μ′)を測定した。実施例3の複合磁性体シートの密度及び透磁率は、夫々、4.50g/cc及び270だった。比較例3の複合磁性体シートの密度及び透磁率は、夫々、4.25g/cc及び230だった。この測定結果によれば、300℃の熱処理によって、複合磁性体シートの密度及び透磁率が向上している。
10,10X 複合磁性体シート
14 中間体
20 軟磁性粉末
30 バインダ(結着体)
32 第1樹脂
42 第2樹脂
50 空孔
80X 支持台
82X 支点部

Claims (7)

  1. 複合磁性体シートの製造方法であって、
    扁平状の軟磁性粉末と、固形成分の減量分が220℃で4.0%以下である第1樹脂と、固形成分の減量分が220℃で5.0%以上である第2樹脂とを少なくとも混合して磁性スラリーを作製するステップと、
    前記磁性スラリーからシート状の中間体を作製するステップと、
    前記中間体を220℃以上かつ400℃以下の熱処理温度で熱処理するステップと、
    を備える
    製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法であって、
    前記磁性スラリーにおいて、前記軟磁性粉末に対する前記第1樹脂の比率は、2重量%以上かつ15重量%以下であり、前記第1樹脂に対する前記第2樹脂の比率は、20重量%以上かつ150重量%以下である
    製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の製造方法であって、
    前記第1樹脂は、エポキシ樹脂であり、
    前記第2樹脂は、ポリアクリル酸エステルである
    製造方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の製造方法であって、
    前記熱処理温度は、260℃以上である
    製造方法。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の製造方法であって、
    前記第2樹脂は、前記第1樹脂に対して非相溶性である
    製造方法。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の製造方法であって、
    前記熱処理するステップは、前記中間体を前記熱処理温度で熱プレスするステップを備える
    製造方法。
  7. 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の製造方法であって、
    前記熱処理するステップは、前記中間体を200℃以下の温度で熱プレスするステップと、熱プレスした後の前記中間体を前記熱処理温度に加熱するステップとを備える
    製造方法。
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