JP2011249449A - ウェハの加工方法およびそれに用いられる研磨装置、切断装置 - Google Patents

ウェハの加工方法およびそれに用いられる研磨装置、切断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】加工効率を向上させることができるウェハの加工方法およびそれに用いられる加工装置を提供する。
【解決手段】インゴット11を切断してウェハ31を形成するウェハ形成工程と、当該ウェハ31の表面を研磨して平坦化する平坦化工程とを含むウェハの加工方法であって、平坦化工程は、ウェハ保持部32にウェハ31を配置すると共に、ウェハ31を回転させながら行い、ウェハ31のうち研磨する部分に熱量を印加して改質層31aを形成し、ウェハ31のうち熱量を印加した部分に研磨具33を回転しながら当接させて研磨する改質層形成・研磨工程を含む工程とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウェハの加工方法およびそれに用いられる研磨装置、切断装置に関するものであり、特にウェハの表面を研磨して平坦化するものに適用されると好適である。
従来より、インゴットを切断してウェハを形成するウェハ形成工程と、当該ウェハの表面を研磨して平坦化する平坦化工程とを含むウェハの加工方法が知られている。そして、硬度が高い、例えば、SiCウェハ等の表面を研磨して平坦化する平坦化工程を行う際に、SiCウェハの表層部にSiCより硬度が低い改質層を形成し、当該改質層を研磨することにより、SiCウェハをそのまま研磨する場合と比較して、加工効率を向上させることが知られている。
例えば、特許文献1には、加熱炉等によりSiCウェハを加熱してSiCウェハの表層部にSiCより硬度が低い改質層としてのSiOを生成し、当該SiOを除去することによりSiCウェハの表面を平坦化する平坦化工程が開示されている。
また、特許文献2には、超音波浴中でSiCウェハを酸化してSiCウェハの表層部にSiCより硬度が低い改質層としてのSiOを生成し、ウェットエッチング等によりSiOを除去することによりSiCウェハの表面を平坦化する平坦化工程が開示されている。
さらに、特許文献3には、研磨剤にコロイダルシリカを含む酸化剤を混入し、研磨する際に、SiCウェハの表面を酸化させてSiCウェハの表層部にSiCより硬度が低い改質層としてのSiOを生成しつつ、SiCウェハの表面を平坦化する平坦化工程が開示されている。
特開2009−283629号公報 特開2009−141353号公報 特開2007−311586号公報
しかしながら、上記特許文献1および2の加工方法では、改質層はウェハの表面に沿って形成されることになる。すなわち、ウェハの表面に凹凸がある場合には、当該凹凸に沿った改質層が形成されることになる。このため、平坦化工程を行っている際に、ウェハの凸部分では改質層が完全に除去されてウェハ本来の構造を研磨している状態になり、加工効率を十分に向上させることができないという問題がある。さらに、硬度が高いウェハ本来の構造を研磨することにより、研磨後に研磨面直下に転位等の欠陥が発生してしまうことがあるという問題がある。
このような問題を解決するため、特許文献1および2に記載の加工方法において、ウェハに改質層を形成する改質層形成工程と、ウェハの表面を研磨する平坦化工程とを交互に繰り返すことにより、平坦化工程の際に確実に改質層を研磨するようにすることが考えられる。しかしながら、このような加工方法では、改質層形成工程と平坦化工程とを別の装置を用いて行っており、改質層形成工程と平坦化工程とを交互に繰り返すと製造工程が増加するため、ウェハの加工効率が低下するという問題がある。
また、特許文献3に記載の方法では、酸化剤によりウェハの表面に改質層を形成しているが、酸化剤による酸化は改質効率(酸化効率)が熱酸化より低く、改質層を形成する時間が長くなるため、ウェハの加工効率を十分に向上させることができないという問題がある。さらに、このような酸化剤を用いる方法では、研磨装置が酸化剤に曝されることになるため、長期的には研磨装置が劣化してしまうという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、加工効率を向上させることができるウェハの加工方法およびそれに用いられる研磨装置、切断装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、インゴット(11)を切断してウェハ(31)を形成するウェハ形成工程と、当該ウェハ(31)の表面を研磨して平坦化する平坦化工程とを含むウェハの加工方法であって、平坦化工程は、ウェハ保持部(32)にウェハ(31)を配置すると共に、ウェハ(31)を回転させながら行い、ウェハ(31)のうち研磨する部分に熱量を印加して改質層(31a)を形成し、ウェハ(31)のうち熱量を印加した部分に研磨具(33)を回転しながら当接させて研磨する改質層形成・研磨工程を含むことを特徴としている。
このようなウェハの加工方法では、ウェハ(31)を回転させながら、研磨する部分に熱量を印加して改質層(31a)を形成し、ウェハ(31)のうち熱量を印加した部分を研磨具(33)にて研磨している。すなわち、改質層(31a)を形成する工程と、研磨する工程とを、並列工程、または同一工程として行うことができる。このため、従来の改質層を形成する工程と研磨する工程とを別々の装置を用いて行うウェハの加工方法と比較して、ウェハの加工効率を向上させることができる。また、従来の酸化剤を使用するウェハの加工方法と比較して、ウェハ(31)に熱量を印加しているため、改質効率を向上させることができると共に、研磨装置が劣化することを抑制することができる。
例えば、請求項2に記載の発明のように、改質層(31a)を形成する前に、ウェハ(31)のうち研磨する部分の高さを検出し、改質層(31a)を形成するとき、検出された高さに比例した熱量を印加することができる。
このようなウェハの加工方法では、ウェハ(31)の高さに比例した熱量を印加するため、ウェハ(31)のうち熱量が印加された部分では、ウェハ保持部(32)の一面から等距離部分まで改質層(31a)を形成することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、研磨具(33)をウェハ(31)に当接させたとき、研磨具(33)がウェハ(31)に当接されることにより生じる抵抗値を検出し、改質層(31a)を形成するとき、検出された抵抗値と閾値とを比較して抵抗値が閾値より大きいとき、ウェハ(31)に印加する熱量を大きくすることができる。
このようなウェハの加工方法では、抵抗値が閾値より大きいとき、つまり、ウェハ(31)に印加された熱量によりウェハ(31)に改質層(31a)が形成されていないときには、ウェハ(31)に印加する熱量を大きくすることにより、改質層(31a)が形成されないことを抑制することができる。
さらに、請求項4に記載の発明のように、改質層(31a)を形成した後であって、研磨具(33)を当接させる前に、ウェハ(31)のうち熱量を印加した部分の温度を検出し、温度を検出した後に、熱量を印加して改質層(31a)を形成するとき、検出された温度と閾値とを比較し、温度が最大閾値より高いときにはウェハ(31)に印加する熱量を小さくし、温度が最小閾値より低いときにはウェハ(31)に印加する熱量を大きくすることができる。
このようなウェハの加工方法では、温度が最大閾値より高いとき、つまり、ウェハ(31)に印加された熱量によりウェハ(31)に所望深さより深い改質層(31a)が形成されているときには、ウェハ(31)に印加する熱量を小さくすることにより、ウェハ(31)に形成される改質層(31a)を所望深さに近づけることができる。また、温度が最小閾値より低いとき、つまり、ウェハ(31)に印加された熱量によりウェハ(31)に改質層(31a)が形成されていない場合、または所望深さまで改質層(31a)が形成されていないときには、ウェハ(31)に印加する熱量を大きくすることにより、ウェハ(31)に改質層(31a)を形成することができ、また、ウェハ(31)に形成される改質層(31a)を所望深さに近づけることができる。
そして、請求項5に記載の発明のように、平坦化工程では、熱量を印加して改質層(31a)を形成する場所と、研磨具(33)を回転しながら当接させて研磨する場所とを異ならせることができる。すなわち、改質層(31a)を形成する工程と、研磨する工程とを並列工程として行うことができる。
また、請求項6に記載の発明のように、研磨具(33)に、ウェハ(31)に熱量を印加して改質層(31a)を形成する改質手段(39)を備え、平坦化工程では、研磨具(33)にて、ウェハ(31)に改質層(31a)を形成しつつ、ウェハ(31)のうち熱量を印加した部分を研磨することができる。すなわち、改質層(31a)を形成する工程と、研磨する工程とを同一工程として行うこともできる。
また、請求項7に記載の発明のように、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の発明において、熱量を印加するときには、レーザを照射してウェハ(31)に熱量を印加することができる。このように、レーザを照射してウェハ(31)に熱量を印加する場合には、研磨具(33)が当接される部分と熱量を印加する部分とがずれることを抑制することができる。
さらに、請求項8に記載の発明のように、請求項7に記載の発明において、熱量を印加する前に、ウェハ(31)の表面に、ウェハ(31)の表面に存在する凸部を露出させた状態で反射材(50)を塗布することができる。
このようなウェハの加工方法では、ウェハ(31)のうち反射材(50)が配置されていない部分ではそのままの熱量が印加されることになり、ウェハ(31)のうち反射材(50)が配置されている部分では反射材(50)に熱量が吸収されてウェハ(31)に印加される熱量が小さくなる。このため、ウェハ(31)のうち反射材(50)が塗布されていない部分では改質層(31a)をウェハ(31)の表面から深く形成でき、ウェハ(31)のうち反射材(50)が塗布されている部分では改質層(31a)をウェハ(31)の表面から浅く形成することができる。したがって、ウェハ(31)の凹凸に応じて熱量を変化させなくても、ウェハ(31)のうち熱量を印加した部分では、ウェハ保持部(32)の一面から等距離部分まで改質層(31a)を形成することができる。
そして、請求項9に記載の発明のように、請求項7に記載の発明において、熱量を印加する前に、ウェハ(31)の表面に、ウェハ(31)の表面に存在する凸部を露出させ、かつウェハ(31)の表面側に向かって濃度が低くなる状態で反射材(50)を塗布し、熱量を印加するときには、反射材(50)内で全反射する角度でレーザを照射しつつ、反射材(50)から露出した凸部にレーザを照射することができる。このようなウェハの加工方法では、ウェハ(31)の凸部に選択的に熱量を印加することができる。
また、請求項10に記載の発明のように、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の発明において、熱量を印加するときには、マイクロ波を照射してウェハ(31)に熱量を印加することができる。
この場合、請求項11に記載の発明のように、請求項10に記載の発明において、熱量を印加する前に、ウェハ(31)の表面に、ウェハ(31)の表面に存在する凸部を露出させた状態で、マイクロ波を吸収する吸収材を塗布することができる。
このようなウェハの加工方法では、請求項8に記載の発明と同様に、ウェハ(31)のうち吸収材が配置されていない部分ではそのままの熱量が印加されることになり、ウェハ(31)のうち吸収材が配置されている部分では吸収材に熱量が吸収されてウェハ(31)に印加される熱量が小さくなる。このため、ウェハ(31)のうち吸収材が塗布されていない部分では改質層(31a)をウェハ(31)の表面から深く形成でき、ウェハ(31)のうち吸収材が塗布されている部分では改質層(31a)をウェハ(31)の表面から浅く形成することができる。したがって、ウェハ(31)の凹凸に応じて熱量を変化させなくても、ウェハ(31)のうち熱量を印加した部分では、ウェハ保持部(32)の一面から等距離部分まで改質層(31a)を形成することができる。
さらに、請求項12に記載の発明のように、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の発明において、熱量を印加するときには、アーク放電を照射してウェハ(31)に熱量を印加することもできる。
また、ウェハの加工効率をさらに向上させるために、請求項13および22に記載の発明のように、ウェハ形成工程は、インゴット保持部(12)にインゴット(11)を配置すると共に、インゴット(11)を回転させながら行い、インゴット(11)のうち切断する部分に熱量を印加して改質層(11a)を形成し、インゴット(11)のうち熱量を印加した部分に切断具(13)を回転しながら当接させてインゴットを切断することにより、ウェハ(31)を形成する改質層形成・切断工程を含む工程とすることができる。
このようなウェハの加工方法では、インゴット(11)のうち切断具(13)が当接される部分に熱量を印加して改質層(11a)を形成し、インゴット(11)のうち熱量を印加した部分に切断具(13)を当接させてインゴット(11)を切断している。このため、インゴット(11)をそのまま切断する場合と比較して、インゴット(11)より硬度が低い改質層(11a)を切断しているため、加工抵抗を低減することができ、インゴット(11)の切断時間を短縮することができる。また、ウェハ(31)の表面に凹凸が形成されることを抑制することができるので後工程の平坦化工程にかかる時間を少なくすることができる。したがって、ウェハの加工効率を向上させることができる。
そして、請求項14に記載の発明のように、請求項2に記載の発明と同様に、改質層(11a)を形成する前に、インゴット(11)のうち研磨する部分の高さを検出し、改質層(11a)を形成するとき、検出された高さに比例した熱量を印加することができる。
このようなウェハの加工方法では、インゴット(11)の高さに比例した熱量を印加するため、インゴット(11)のうち熱量が印加された部分では、インゴット(11)の長手方向に延びる中心軸から等距離部分まで改質層(11a)を形成することができる。
また、請求項15に記載の発明のように、請求項3に記載の発明と同様に、切断具(33)をインゴット(11)に当接させたとき、切断具(13)がインゴット(11)に当接されることにより生じる抵抗値を検出し、改質層(11a)を形成するとき、検出された抵抗値と閾値とを比較して抵抗値が閾値より大きいとき、インゴット(11)に印加する熱量を大きくすることができる。
このようなウェハの加工方法では、抵抗値が閾値より大きいとき、つまり、インゴット(11)に印加された熱量によりインゴット(11)に改質層(11a)が形成されていない場合には、インゴット(11)に印加する熱量を大きくすることにより、改質層(11a)が形成されないことを抑制することができる。
そして、請求項16に記載の発明のように、請求項4に記載の発明と同様に、改質層(11a)を形成した後であって、切断具(13)を当接させる前に、インゴット(11)のうち熱量を印加した部分の温度を検出し、温度を検出した後に、熱量を印加して改質層(11a)を形成するとき、検出された温度と閾値を比較し、温度が最大閾値より高いときにはインゴット(11)に印加する熱量を小さくし、温度が最小閾値より低いときにはインゴット(11)に印加する熱量を大きくすることができる。
このようなウェハの加工方法では、温度が最大閾値より高いとき、つまり、インゴット(11)に印加された熱量によりインゴット(11)に所望深さより深い改質層(11a)が形成されているときには、インゴット(11)に印加する熱量を小さくすることにより、インゴット(11)に形成される改質層(11a)を所望深さに近づけることができる。また、温度が最小閾値より低いとき、つまり、インゴット(11)に印加された熱量によりインゴット(11)に改質層(11a)が形成されていないとき、または所望深さまで改質層(11a)が形成されていないときには、インゴット(11)に印加する熱量を大きくすることにより、インゴット(11)に改質層(11a)を形成することができ、また、インゴット(11)に形成される改質層(11a)を所望深さに近づけることができる。
そして、請求項17に記載の発明のように、ウェハ形成工程では、熱量を印加して改質層(11a)を形成する場所と、切断具(13)を回転しながら当接させて切断する場所とを異ならせることができる。すなわち、改質層(11a)を形成する工程と、切断する工程とを並列工程として行うことができる。
また、請求項18に記載の発明のように、切断具(13)に、インゴット(11)に熱量を印加して改質層(11a)を形成する改質手段(17)を備え、ウェハ形成工程では、切断具(13)にて、インゴット(11)に改質層(11a)を形成しつつ、インゴット(11)のうち熱量を印加した部分を切断することができる。すなわち、改質層(11a)を形成する工程と、研磨する工程とを同一工程として行うことができる。
さらに、請求項19に記載の発明のように、請求項13ないし17のいずれか1つに記載の発明において、熱量を印加するときには、レーザを照射してインゴット(11)に熱量を印加することができる。また、請求項20に記載の発明のように、請求項13ないし17のいずれか1つに記載の発明において、熱量を印加するときには、マイクロ波を照射してインゴット(11)に熱量を印加することができる。そして、請求項21に記載の発明のように、請求項13ないし18のいずれか1つに記載の発明において、熱量を印加するときには、アーク放電を照射してインゴット(11)に熱量を印加することができる。
特に、請求項19に記載の発明のように、レーザを照射することにより、インゴット(11)に熱量を印加する場合には、切断具(13)が当接される部分と熱量を印加する部分とがずれることを抑制することができる。
請求項23に記載の発明は、請求項1ないし21に記載の発明に用いられる研磨装置であることを特徴としている。具体的には、ウェハ(31)が配置され、ウェハ(31)を保持した状態で回転するウェハ保持部(32)と、ウェハ保持部(32)上に配置され、ウェハ(31)と回転しながら当接することによりウェハ(31)を研磨する研磨具(33)と、ウェハ(31)のうち研磨具(33)と当接される部分に熱量を印加して改質層(31a)を形成する改質手段(39)と、を有することを特徴としている。
このような研磨装置では、研磨具(33)と、ウェハ(31)に改質層(31a)を形成する改質手段(39)とを備えている。このため、従来では改質層を形成する工程と研磨する工程とを別々の装置を用いて行っていたが、一つの研磨装置で改質層(31a)を形成する工程と研磨工程とを行うことができ、ウェハの加工効率を向上させることができる。
例えば、請求項24に記載の発明のように、ウェハ(31)のうち研磨具(33)と当接される部分の高さを検出する高さ検出手段(38)を備え、改質手段(39)に、高さ検出手段(38)で検出された高さに比例した熱量をウェハ(31)に印加させ、ウェハ保持部(32)を、研磨具(33)にて当接される部分が、高さ検出手段(38)にて高さが検出されて改質手段(39)で熱量が印加された後、研磨具(33)と当接する状態で回転させることができる。
また、請求項25に記載の発明のように、研磨具(33)がウェハ(31)に当接された際に、研磨具(33)とウェハ(31)との間に生じる抵抗値を検出する抵抗値検出手段(41)を備え、改質手段(39)に、抵抗値検出手段(41)にて検出された抵抗値が閾値より大きいときにウェハ(31)に印加する熱量を大きくさせることができる。
さらに、請求項26に記載の発明のように、ウェハ(31)のうち改質手段(39)にて熱量が印加された部分の温度を検出する温度検出手段(40)を備え、改質手段(39)に、温度検出手段(40)にて検出された温度が最大閾値より高いときにウェハ(31)に印加する熱量を小さくさせ、温度が最小閾値より低いときにウェハ(31)に印加する熱量を大きくさせることができる。
そして、請求項27に記載の発明のように、請求項23ないし26のいずれか1つに記載の発明において、改質手段(39)を研磨具(33)とは異なる位置に備えることができる。すなわち、研磨具(33)と改質手段(39)とを分離させた分離構造の研磨装置とすることができる。
また、請求項28に記載の発明のように、請求項23ないし25のいずれか1つに記載の発明において、改質手段(39)を研磨具(33)に備えることもできる。すなわち、研磨具(33)と改質手段(39)とを一体化させた一体化構造の研磨装置とすることもできる。
請求項29に記載の発明は、請求項13ないし22に記載の発明に用いられる切断装置であることを特徴としている。具体的には、インゴット(11)が配置され、インゴット(11)を保持した状態で回転するインゴット保持部(12)と、インゴット(11)と回転しながら当接することによりインゴット(11)を切断する切断具(13)と、インゴット(11)のうち切断具(13)と当接される部分に、熱量を印加して改質層(11a)を形成する改質手段(17)と、を有することを特徴としている。
このような切断装置では、切断具(13)と、インゴット(11)に改質層(11a)を形成する改質手段(17)が備えられている。このため、改質手段(17)にてインゴット(11)のうち切断具(13)が当接される部分に熱量を印加して改質層(11a)を形成しつつ、切断具(13)を改質層(11a)に当接させてインゴット(11)を切断することができる。
このため、インゴット(11)をそのまま切断する場合と比較して、インゴット(11)より硬度が低い改質層(11a)を切断することができるため、加工抵抗を低減でき、インゴット(11)の切断時間を短縮することができる。また、ウェハ(31)の表面に凹凸が形成されることを抑制することができるので後工程の平坦化工程にかかる時間を少なくすることができる。したがって、ウェハの加工効率を向上させることができる。
例えば、請求項30に記載の発明のように、インゴット(11)のうち切断具(13)と当接される部分の高さを検出する高さ検出手段(16)を備え、改質手段(17)に、高さ検出手段(16)で検出された高さに比例した熱量をインゴット(11)に印加させ、 インゴット保持部(12)を、切断具(13)にて当接される部分が、高さ検出手段(16)にて高さが検出され、改質手段(17)で熱量が印加された後、切断具(13)と当接する状態で回転させることができる。
また、請求項31に記載の発明のように、切断具(13)がインゴット(11)に当接された際に、切断具(13)とインゴット(11)との間に生じる抵抗値を検出する抵抗値検出手段(19)を備え、改質手段(17)に、抵抗値検出手段(19)にて検出された抵抗値が閾値より大きいときに、インゴット(11)に印加する熱量を大きくさせることができる。
そして、請求項32に記載の発明のように、インゴット(11)のうち改質手段(17)にて熱量が印加された部分の温度を検出する温度検出手段(18)を備え、改質手段(17)に、改質手段(17)に、温度検出手段(18)にて検出された温度が最大閾値より高いときにはインゴット(11)に印加する熱量を小さくさせ、温度が最小閾値より低いときにはインゴット(11)に印加する熱量を大きくさせることができる。
さらに、請求項33に記載の発明のように、請求項29ないし32のいずれか1つに記載の発明において、改質手段(17)を切断具(13)とは異なる位置に備えることができる。すなわち、切断具(13)と改質手段(17)とを分離させた分離構造の切断装置とすることができる。
また、請求項34に記載の発明のように、請求項29ないし31のいずれか1つに記載の発明において、改質手段(17)を切断具(13)に備えることもできる。すなわち、切断具(13)と改質手段(17)とを一体化させた一体構造の切断装置とすることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態における切断装置の模式図である。 本発明の第1実施形態における研磨装置の模式図である。 (a)は、インゴットを切断するときの切断装置の部分的な上面模式図であり、(b)は、インゴットを切断するときの切断装置の部分的な側面模式図である。 (a)は、ウェハを研磨するときの研磨装置の部分的な上面模式図であり、(b)は、ウェハを研磨するときの研磨装置の部分的な側面模式図である。 (a)は、本発明の第2実施形態における切断装置の模式図であり、(b)は(a)に示す切断装置の部分拡大図である。 (a)は、本発明の第2実施形態における研磨装置の模式図であり、(b)は(a)に示す研磨装置の部分拡大図である。 本発明の第3実施形態における研磨装置の部分拡大図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。まず、本実施形態における切断装置について以下に説明する。図1は、本実施形態における切断装置の模式図である。
図1に示されるように、切断装置1は、水平な一面を有するベッド10を備え、ベッド10の一面上にインゴット11を保持するインゴット保持部12および切断具13を備えている。
インゴット保持部12は、インゴット11を保持するものであり、図示しない回転機構を備えている。そして、このインゴット保持部12は、ベッド10の水平な一面に対する法線方向に伸縮可能とされると共にベッド10の水平な一面の平面方向と平行な方向に移動可能とされているサドル14を介してベッド10の一面上に備えられている。このため、サドル14を伸縮させると共に移動させることにより、サドル14と共にベッド10の水平な一面に対する法線方向およびベッド10の水平な一面の平面方向と平行な方向に移動可能とされている。また、インゴット保持部12は、図示しない回転機構を介してインゴット11を保持しており、インゴット11の長手方向に延びる中心軸を回転軸とすると、当該回転機構を回転させることにより、当該回転軸周りにインゴット11を回転させることができるようになっている。本実施形態では、インゴット11は、図1中、反時計回りに回転するようになっている。なお、インゴット保持部12に保持されるインゴット11は、例えば、Si単結晶インゴットやSiC単結晶インゴット等である。
切断具13は、回転しながらインゴット11に当接することにより、インゴット11を切断するものであり、インゴット11の側方に配置されている。この切断具13は、ベッド10の水平な一面に備えられ、ベッド10の水平な一面の平面方向と平行な方向に移動可能とされたコラム15に備えられている。このため、切断具13は、コラム15を移動させることにより、コラム15と共にベッド10の水平な一面の平面方向と平行な方向に移動可能とされている。また、切断具13は、インゴット11の長手方向と平行な方向に延びている図示しないスピンドルを介してコラム15に備えられており、スピンドルが回転することにより、スピンドルと共に回転させることができるようになっている。本実施形態では、切断具13は、図1中、時計回りに回転するようになっている。
また、切断装置1には、インゴット11のうち切断具13が当接される部分の高さを検出する高さ検出手段16と、高さ検出手段16にて検出された高さに基づいて、切断具13が当接される部分に熱量を印加する改質手段17と、インゴット11のうち熱量が印加された部分の温度を検出する温度検出手段18と、インゴット11のうち熱量が印加された部分に切断具13が当接したときに生じる抵抗(負荷)値を検出する抵抗値検出手段19と、これら高さ検出手段16、改質手段17、温度検出手段18、抵抗値検出手段19を制御する図示しない制御手段が備えられている。
高さ検出手段16は、ベッド10の一面上に備えられ、ベッド10の水平な一面の平面方向と平行な方向に移動可能とされており、本実施形態では、レーザ変位計等の距離を計測するものが用いられる。そして、インゴット11のうち切断具13が当接される部分の高さ、言い換えるとインゴット11のうち切断される部分の表面(凹凸)状態を、インゴット11の周方向(回転方向)に順に検出し、検出した高さを制御手段に送信する。インゴット11の外周面には凹凸が存在するため、例えば、検出した部分が周囲よりも突出した凸部である場合には検出される距離が短くなり、検出した部分が周囲よりも凹んだ凹部である場合には検出される距離が長くなる。以下では、高さ検出手段16にて検出された距離が短い場合、つまり、インゴット11のうち凸部を検出した場合には、検出された高さが高い場合とし、高さ検出手段16にて検出された距離が長い場合、つまり、インゴット11のうち凹部を検出した場合には、検出された高さが低い場合として説明する。
改質手段17は、ベッド10の水平な一面の平面方向と平行な方向に移動可能とされたコラム20に備えられており、インゴット11のうち切断具13と反対側の側方に配置されている。そして、インゴット11のうち高さが検出された部分、すなわち切断具13が当接される部分に熱量を印加し、インゴット11の外周面に改質層を形成する。具体的には、改質手段17は検出された高さに比例した熱量をインゴット11に印加する。つまり、高さ検出手段16にて検出された高さが高い場合には、検出された高さが短い場合より大きな熱量をインゴット11に印加する。そして、例えば、インゴット11が1回転したとき、インゴット11のうち熱量が印加される部分における回転軸と垂直な断面において、回転軸から等距離部分まで熱量が印加された状態、つまり回転軸から等距離部分まで改質層が形成された状態となるようにする。言い換えると、インゴット11の外周面の形状に関わらず、回転軸から等距離部分まで改質層が形成された状態となるように熱量をインゴット11に印加する。
なお、本明細書中の改質層とは、母材よりも硬度が低い層を意味するものであり、例えば、母材としてSiCを用いた場合には、SiOやSiCからSiが昇華した層のことである。また、本明細書中の回転軸から等距離部分までとは、回転軸からほぼ等しい距離まで改質層が形成された状態を含むものである。
また、このような改質手段17としては、例えば、レーザ光を生成するレーザ発振器と、レーザ発振器から発振されたレーザを所定方向に反射するミラーと、ミラーにて反射されたレーザを集光する集光レンズと、を備えたものを用いることができる。そして、インゴット11にレーザを照射することにより、インゴット11に熱量を印加して改質層を形成することができる。
例えば、インゴット11としてSiC単結晶インゴットを用いた場合には、インゴット11の表面温度が800〜1650℃となるようにレーザを照射することによりインゴット11の表面を酸化させて改質層を形成することができ、インゴット11の表面温度が1650℃以上となるようにレーザを照射することによりインゴット11の表面を炭化させて改質層を形成することができる。インゴット11の表面を酸化させた場合には、SiCより硬度が低いSiOが形成され、インゴット11の表面を炭化させた場合には、SiCのSi成分を昇華させることでSiCより硬度を低くすることができる。また、レーザを照射することにより、インゴット11の表面をポーラス化や、多結晶化して改質層を形成することもできる。なお、ポーラス化とは、インゴット11の表面に多孔質のように空孔を形成することである。
また、集光レンズは、特に限定されるものではないが、例えば、NAを大きくして狭焦点化し、焦点深度を浅くすることにより、改質層の深さがばらつくことを抑制することができ、改質層を所望深さにすることができる。
温度検出手段18は、ベッド10の水平な一面に対する平面方向と平行な方向に移動可能とされたコラム21に備えられてインゴット11の上方に配置されており、例えば、放射温度計等が用いられる。そして、インゴット11のうち改質手段17により熱量が印加された部分の温度を検出し、検出した温度を制御手段に送信する。
抵抗値検出手段19は、切断具13とコラム15とを接続するスピンドリルに備えられ、例えば、トルク計等が用いられる。そして、インゴット11に切断具13が当接されたときに切断具13を介して回転機構に伝達される抵抗(負荷)値を検出し、検出した抵抗値を制御手段に送信する。
制御手段は、高さ検出手段16にて検出された高さ、温度検出手段18にて検出された温度、抵抗値検出手段19にて検出された抵抗値に基づき、改質手段17から印加する熱量を調整するものである。
具体的には、まず、高さ検出手段16にて検出された高さに基づき、高さに比例した熱量を改質手段17から印加させる。すなわち、検出された高さが高い場合には、検出された高さが低い場合より大きい熱量を印加させ、上記のように、回転軸から等距離部分に改質層が形成されるようにする。なお、この場合、検出した高さに加えて、切断具13が一度に切断する深さまで改質層が形成されるように、改質手段17から熱量を印加させることが好ましい。
そして、温度検出手段18にて検出された温度と閾値とを比較し、当該温度が最小閾値より低い場合には、高さ検出手段16にて検出された高さに比例する熱量より大きな熱量を次に熱量を印加するときに改質手段17から印加させる。また、当該温度が最大閾値より高い場合には、高さ検出手段16にて検出された高さに比例する熱量より小さな熱量を次に熱量を印加するときに改質手段17から印加させる。すなわち、改質手段17として、上記のようにレーザ発振器を含むものを用いる場合には、レーザからの出力に誤差が生じることがあるため、熱量を印加した後の温度を検出して当該温度を閾値と比較することにより、レーザの出力誤差を抑制する。そして、インゴット11に改質層が形成されないことを抑制すると共に、回転軸から等距離部分まで改質層が形成されるようにする。
なお、温度が最小閾値より低い場合とは、インゴット11に改質層が形成されていないか、または所望深さまで改質層が形成されていない状態のことである。また、温度が最大閾値より高い場合とは、インゴット11に所望深さより深い改質層が形成されている状態のことである。また、閾値は、温度を検出した部分の高さに基づくものであり、検出地点毎に設定されるものである。例えば、温度を検出した部分の高さが高い部分では、温度を検出した部分の高さが低い部分より閾値が高く設定されており、インゴット11の外表面から深くまで改質層が形成されるようにしている。
また、制御手段は、抵抗値検出手段19にて検出された抵抗値と閾値を比較し、当該抵抗値が閾値より大きい場合には、高さ検出手段16にて検出された高さに比例する熱量より大きな熱量を次に熱量を印加するときに改質手段17から印加させる。なお、抵抗値が閾値より大きい場合とは、切断具13が当接している部分に改質層が形成されていない状態のことである。以上のようにして、本実施形態の切断装置1が構成されており、本実施形態の切断装置1は、切断具13と改質手段17とが分離された分離構造の切断装置1とされている。
次に、本実施形態における研磨装置3について説明する。図2は、本実施形態における研磨装置3の模式図である。
図2に示されるように、研磨装置3は、水平な一面を有するベッド30を備え、ベッド30の一面上にウェハ31を保持するウェハ保持部32および研磨具33を備えている。
ウェハ保持部32は、ウェハ31を保持する円形状とされた一面を有している。そして、このウェハ保持部32は、ベッド30の水平な一面に対する法線方向に伸縮可能とされているサドル34およびウェハ保持部32を回転させる回転機構35を介してベッド30の一面上に備えられている。このため、サドル34を伸縮させることにより、サドル34と共にベッド30の水平な一面に対する法線方向に移動可能になっており、回転機構35を回転させることにより、回転機構35と共にウェハ31を保持した状態で回転可能になっている。本実施形態では、ウェハ31は、図2中、ウェハ31を上方から視たとき、反時計回りに回転するようになっている。
研磨具33は、円板状であって、例えば、砥石を用いて構成されており、回転しながらインゴット11に側面が当接することにより、ウェハ31の表面を研磨して平坦化するものである。そして、この研磨具33は、ベッド30の一面上に備えられ、ベッド30の水平な一面の平面方向と平行な方向に移動可能とされたコラム36に備えられている。より詳しくは、研磨具33は、スピンドル37を介してコラム36に備えられており、スピンドル37が回転することにより、スピンドル37と共に回転可能とされている。本実施形態では、研磨具33は、図2中、研磨具33をコラム36側から視たとき、時計回りに回転するようになっている。
また、研磨装置3は、切断装置1と同様に、ウェハ31のうち研磨具33が当接される部分の高さを検出する高さ検出手段38と、高さ検出手段にて検出された高さに基づいて、研磨具33が当接される部分に熱量を印加する改質手段39と、ウェハ31のうち熱量が印加された部分の温度を検出する温度検出手段40と、ウェハ31のうち熱量が印加された部分に研磨具33が当接したときに生じる抵抗(負荷)値を検出する抵抗値検出手段41と、これら高さ検出手段38、改質手段39、温度検出手段40、抵抗値検出手段41を制御する図示しない制御手段を備えている。
高さ検出手段38は、ベッド30の水平な一面の平面方向と平行な方向に移動可能とされたコラム42に備えられてウェハ31の上方に配置されており、本実施形態では、切断装置1と同様に、レーザ変位計等の距離を計測するものが用いられている。そして、ウェハ31のうち研磨具33が当接される部分の高さ、言い換えるとウェハ31のうち研磨される部分の表面(凹凸)状態を、周方向(回転方向)に順に検出し、検出した高さを制御手段に送信する。ウェハ31の外周面には凹凸が存在するため、例えば、検出した部分が周囲よりも突出した凸部である場合には検出される距離が短くなり、検出した部分が周囲よりも凹んだ凹部である場合には検出される距離が長くなる。以下では、高さ検出手段38にて検出された距離が短い場合、つまり、ウェハ31のうち凸部を検出した場合には検出された高さが高い場合とし、高さ検出手段38にて検出された距離が長い場合、つまり、ウェハ31のうち凹部を検出した場合には検出された高さが低い場合として説明する。
改質手段39は、ベッド30の水平な一面の平面方向と平行な方向に移動可能とされたコラム43に備えられており、ウェハ31のうち研磨具33と反対側の上方に配置されている。そして、ウェハ31のうち高さが検出された部分、すなわち研磨具33が当接される部分に熱量を印加し、ウェハ31の表層部に改質層を形成する。具体的には、改質手段39は、検出された高さに比例した熱量を印加する。すなわち、高さ検出手段38にて検出された高さが高い場合には、検出された高さが低い場合より大きな熱量をウェハ31に印加する。そして、ウェハ31のうち熱量が印加された部分では、ウェハ31の表面形状に関わらず、ウェハ保持部32の一面から等距離部分まで改質層が形成されるようにする。なお、本明細書中のウェハ保持部32の一面から等距離部分までとは、ウェハ保持部32の一面からほぼ等しい距離まで改質層が形成された状態を含むものである。
また、このような改質手段39は、切断装置1と同様に、例えば、レーザを用いたものとすることができる。そして、ウェハ31としてSiCウェハを用いた場合には、ウェハ31の表面温度が800〜1650℃となるようにレーザを照射することによりインゴット11の表面を酸化させて改質層を形成することができ、ウェハ31の表面温度が1650℃以上となるようにレーザを照射することによりウェハ31の表面を炭化させて改質層を形成することができる。
温度検出手段40は、ベッド30の水平な一面の平面方向と平行な方向に移動可能とされたコラム44に備えられてウェハ31の上方に配置されている。そして、切断装置1と同様に、例えば、放射温度計等を用いて構成されており、ウェハ31のうち改質手段39により熱量が印加された部分の温度を検出し、検出した温度を制御手段に送信する。
抵抗値検出手段41は、例えば、回転機構35に備えられるトルク計等を用いて構成されている。そして、ウェハ31に研磨具33が当接されたときにウェハ31およびウェハ保持部32を介して回転機構35に伝達される抵抗(負荷)値を検出し、検出した抵抗値を制御手段に送信する。
制御手段は、切断装置1の制御手段と同様のものであり、高さ検出手段38にて検出された高さ、温度検出手段40にて検出された温度、抵抗値検出手段41にて検出された抵抗値に基づき、改質手段39から印加する熱量を調整している。具体的には、まず、高さ検出手段38にて検出された高さに基づき、高さに比例した熱量を改質手段39から印加させる。すなわち、検出した高さが高い場合には、検出した高さが低い場合より大きい熱量を印加させ、上記のように、ウェハ保持部32の一面から等距離部分まで改質層が形成されるようにする。なお、この場合、検出した高さに加えて、研磨具33が一度に研磨する深さまで改質層が形成されるように、改質手段39から熱量を印加させることが好ましい。
そして、温度検出手段40にて検出された温度と閾値とを比較し、当該温度が最小閾値より低い場合には、高さ検出手段38にて検出された高さに比例する熱量より大きな熱量を次に熱量を印加するときに改質手段39から印加させる。また、当該温度が最大閾値より高い場合には、高さ検出手段38にて検出された高さに比例する熱量より小さな熱量を次に熱量を印加するときに改質手段39から印加させる。なお、温度が最小閾値より低い場合とは、ウェハ31に改質層が形成されていないか、または所望深さまで改質層が形成されていない状態のことである。また、温度が最大閾値より高い場合とは、ウェハ31に所望深さより深い改質層が形成されている状態のことである。また、閾値は、温度を検出した部分の高さに基づくものであり、検出地点毎に設定されるものである。例えば、温度を検出した部分の高さが高い部分では、温度を検出した部分の高さが低い部分より閾値が高く設定されており、ウェハ31の表面から深くまで改質層が形成されるようにしている。
また、制御手段は、抵抗値検出手段41にて検出された抵抗値と閾値を比較し、当該抵抗値が閾値より大きい場合には、高さ検出手段38にて検出された高さに比例する熱量より大きな熱量を次に熱量を印加するときに改質手段39から印加させる。なお、抵抗値が閾値より大きい場合とは、研磨具33が当接している部分に改質層が形成されていない状態のことである。以上のようにして、本実施形態の研磨装置3が構成されており、本実施形態の研磨装置3は、研磨具33と改質手段39とが分離された分離構造の切断装置1とされている。
次に、これら切断装置1および研磨装置3を用いて行うウェハの加工方法について説明する。
まず、例えば、インゴット11としてSiC単結晶インゴットを用意し、上記切断装置1を用いて当該インゴット11を長手方向に対して直行方向に切断してウェハ31を形成するウェハ形成工程を行う。図3(a)は、インゴット11を切断するときの切断装置1の部分的な上面模式図であり、図3(b)は、インゴット11を切断するときの切断装置1の部分的な側面模式図である。なお、図3(b)中では、インゴット11のうち点線の外側の部分が改質層11aである。
図1および図3に示されるように、まず、インゴット保持部12にインゴット11を配置する。そして、高さ検出手段16、コラム20、21を移動し、インゴット11のうち切断具13が当接される部分の周方向に高さ検出手段16、改質手段17、温度検出手段18をそれぞれ配置し、インゴット11を図1中反時計回りに回転させる。すなわち、インゴット11のうち切断具13が当接される部分が、高さ検出手段16にて高さが検出され、改質手段17にて熱量が印加され、温度検出手段18にて熱量が印加された部分の温度が検出された後、切断具13と当接されるように回転させる。
そして、制御手段は、高さ検出手段16に切断具13が当接される部分の高さを検出させ、改質手段17から高さ検出手段16にて検出された高さに比例した熱量を印加させる。詳しくは、上記のように、制御手段は、検出された高さが高い場合には、改質手段17からインゴット11に印加する熱量を大きくし、検出された高さが低い場合には、改質手段17からインゴット11に印加する熱量を小さくし、回転軸から等距離部分まで改質層11aが形成されるように熱量を印加させる。なお、この場合、検出した高さに加えて、切断具13が一度に切断する深さまで改質層11aが形成されるように、改質手段17から熱量を印加させることが好ましい。そして、本実施形態では、回転軸から等距離部分まで改質層11aが形成されつつ、切断具13が一度に切断する深さまで改質層11aが形成されるように熱量を印加させている。
また、制御手段は、温度検出手段18にインゴット11のうち改質手段17から熱量が印加された部分の温度を検出させ、検出された温度と閾値とを比較する。そして、検出された部分の温度が最小閾値より低い場合には、改質手段17から印加する熱量を大きくする。上記のように、温度検出手段18にて検出された温度が最小閾値より低い場合には、改質手段17から印加する熱量が小さすぎて、インゴット11に改質層11aが形成されていないか、または所望深さまで改質層11aが形成されていないためである。また、検出された温度が最大閾値より高い場合には、改質手段17から印加する熱量を小さくする。温度検出手段18にて検出された温度が最大閾値より高い場合には、インゴット11に所望深さより深く改質層11aが形成されているためである。
そして、切断具13を回転させた状態で、コラム15を移動させることにより、インゴット11のうち熱量が印加された部分、すなわち改質層11aに切断具13を当接させ、改質層11aを切断することによりインゴット11を切断していく。
なお、制御手段は、このとき、抵抗値検出手段19に切断具13がインゴット11に当接されることにより生じる抵抗(負荷)値を検出させ、検出された抵抗値と閾値とを比較する。温度検出手段18にて検出された温度が閾値の範囲内であっても、インゴット11に改質層11aが形成されていない可能性もあり得るためである。そして、検出された抵抗値が閾値より高い場合には、改質手段17から印加される熱量を大きくする。抵抗値検出手段19にて検出された抵抗(負荷)値が閾値より大きい場合には、インゴット11に改質層11aが形成されていないためである。
その後、さらに改質手段17によりインゴット11に改質層11aを形成しつつ、コラム15をインゴット11側に移動させて切断具13をインゴット11のうち熱量が印加された部分、つまり改質層11aに当接させてインゴット11を切断してウェハ31を形成する。
続いて、上記と同様に、高さ検出手段16、コラム20、21を移動させて、高さ検出手段16、改質手段17、温度検出手段18をインゴット11に対して所定位置に配置する。そして、再び、改質手段17にてインゴット11に改質層11aを形成しつつ、インゴット11のうち熱量が印加された部分、すなわち改質層11aに切断具13を当接させてインゴット11を切断し、インゴット11からウェハ31を順に複数枚形成する。
次に、上記研磨装置3を用いて、形成されたウェハ31の表面を研磨して平坦化する平坦化工程を行う。図4(a)は、ウェハ31を研磨するときの研磨装置3の部分的な上面模式図であり、図4(b)は、ウェハ31を研磨するときの研磨装置3の部分的な側面断面図である。なお、図4(a)中では、改質層31aが形成される部分を破線で示してある。
図2および図4に示されるように、まず、上記切断工程により形成されたウェハ31をウェハ保持部32に保持させる。その後、コラム42〜44を移動して、ウェハ31のうち研磨具33が当接される部分の周方向に高さ検出手段38、改質手段39および温度検出手段40を配置する。そして、図4に示されるように、ウェハ31を、上方から視たときに反時計回りとなるように回転させる。すなわち、ウェハ31のうち研磨具33が当接される部分が、高さ検出手段38にて高さが検出され、改質手段39にて熱量が印加され、温度検出手段40にて熱量が印加された部分の温度が検出された後、研磨具33と当接されるように回転させる。
そして、制御手段は、切断工程と同様に、高さ検出手段38に研磨具33が当接される部分の高さを検出させ、改質手段39から高さ検出手段38にて検出された高さに比例した熱量を印加させる。詳しくは、検出された高さが高い場合には、改質手段39からウェハ31に印加する熱量を大きくし、検出された高さが低い場合には、改質手段39からウェハ31に印加する熱量を小さくし、ウェハ保持部32の一面から等距離部分まで改質層31aが形成されるように熱量を印加させる。なお、この場合、検出した高さに加えて、研磨具33が一度に研磨する深さまで改質層31aが形成されるように、改質手段39から熱量を印加させることが好ましい。そして、本実施形態では、ウェハ保持部32の一面から等距離部分まで改質層31aが形成されつつ、研磨具33が一度に研磨する深さまで改質層31aが形成されるように熱量を印加させている。
また、制御手段は、温度検出手段40にウェハ31のうち改質手段39から熱量が印加された部分の温度を検出させ、検出された温度と閾値とを比較する。そして、検出された部分の温度が最小閾値より低い場合には、改質手段39から印加される熱量を大きくする。温度検出手段40にて検出された温度が最小閾値より低い場合には、ウェハ31に改質層31aが形成されていないか、または所望深さまで改質層31aが形成されていないためである。また、検出された部分の温度が最大閾値より高い場合には、改質手段39から印加される熱量を小さくする。温度検出手段40にて検出された温度が最大閾値より高い場合には、ウェハ31に所望深さより深く改質層31aが形成されているためである。
そして、研磨具33を回転させた状態で、サドル34を伸縮させることにより、ウェハ31のうち熱量が印加された部分、すなわち改質層31aに研磨具33を当接させ、改質層31aを除去することにより、ウェハ31の表面を研磨する。
なお、制御手段は、このとき抵抗値検出手段41に研磨具33がウェハ31に当接されることにより生じる抵抗(負荷)値を検出させ、検出された抵抗値と閾値とを比較する。温度検出手段40にて検出された温度が閾値の範囲内であっても、ウェハ31に改質層31aが形成されていない可能性もあり得るためである。そして、検出された抵抗値が閾値より高い場合には、改質手段39から印加される熱量を大きくする。抵抗値検出手段41にて検出された抵抗(負荷)値が閾値より大きい場合には、ウェハ31に改質層31aが形成されていないためである。
その後、コラム36、42〜44をウェハ31の中心側にわずかに移動し、図4(a)中の破線部よりも内側を上記と同様に、改質層31aを形成しつつ研磨する。そして、コラム36、42〜44をウェハ31の中心側にわずかに移動する工程と、改質層31aを形成しつつ研磨する工程とを繰り返すことにより、ウェハ31の全体を研磨する。すなわち、本実施形態では、ウェハ31の外周側から、コラム36、42〜44をウェハ31の中心側にわずかずつ移動させて改質層31aを形成しつつ研磨を行うことにより、ウェハ31全体の研磨を行うようにしている。
以上説明したように、切断装置1には改質手段17が備えられている。そして、改質手段17にてインゴット11のうち切断具13が当接される部分に熱量を印加して改質層11aを形成しつつ、切断具13を改質層11aに当接させてインゴット11を切断している。
このため、インゴット11をそのまま切断する場合と比較して、インゴット11より硬度が低い改質層11aを切断しているため、加工抵抗を低減することができ、インゴット11の切断時間を短縮することができる。また、ウェハ31の表面に凹凸が形成されることを抑制することができるので後工程の平坦化工程にかかる時間を少なくすることができる。したがって、ウェハの加工効率を向上させることができる。
また、研磨装置3にも改質手段39が備えられている。そして、改質手段39にてウェハ31のうち研磨具33が当接される部分に熱量を印加して改質層31aを形成しつつ、研磨具33を改質層31aに当接させてウェハ31を研磨している。
このため、従来の改質層を形成する工程と平坦化する工程とを別々の装置を用いて行うウェハの加工方法と比較して、一つの研磨装置3で改質層を形成する工程と平坦化する工程とを行うことができるため、ウェハの加工効率を向上させることができる。
さらに、ウェハ31に熱量を印加することにより改質層31aを形成しているため、従来の酸化剤を使用するウェハの加工方法と比較して、研磨装置3が劣化することも抑制することができる。
また、本実施形態では、切断装置1に高さ検出手段16が備えられており、切断具13で一度に切断される深さまで改質層11aが形成されるように改質手段17から熱量を印加している。このため、切断具13が当接される部分に改質層11aが形成されていないことを抑制することができ、ウェハの加工効率をさらに向上させることができる。
そして、研磨装置3にも高さ検出手段38が備えられており、研磨具33で一度に研磨される深さまで改質層31aが形成されるように改質手段39から熱量を印加している。このため、研磨具33が当接される部分に改質層31aが形成されていないことを抑制することができ、ウェハの加工効率をさらに向上させることができる。
さらに、本実施形態では、切断装置1には、温度検出手段18、抵抗値検出手段19が備えられており、インゴット11に確実に改質層11aが形成されるように改質手段17から印加される熱量を調整している。このため、切断具13が当接される部分に改質層11aが形成されていないことを抑制することができ、ウェハの加工効率をさらに向上させることができる。また、温度検出手段18にて熱量が印加された部分の温度を検出することにより、検出した温度が最大閾値より高いとき、つまり、インゴット11に印加された熱量によりインゴット11に所望深さより深い改質層11aが形成されている場合には、インゴット11に印加する熱量を小さくすることにより、インゴット11に形成される改質層11aを所望深さに近づけることができる。また、検出した温度が最小閾値より低いとき、つまり、インゴット11に印加された熱量によりインゴット11に改質層11aが形成されていない場合、または所望深さまで改質層11aが形成されていない場合には、インゴット11に印加する熱量を大きくすることにより、インゴット11に改質層11aを形成することができ、また、インゴット11に形成される改質層11aを所望深さに近づけることができる。
同様に、研磨装置3にも、温度検出手段40、抵抗値検出手段41が備えられており、ウェハ31に確実に改質層31aが形成されるように改質手段39から印加される熱量を調整している。このため、研磨具33が当接される部分に改質層31aが形成されていないことを抑制することができ、ウェハの加工効率をさらに向上させることができる。さらに、温度検出手段40にて熱量が印加された部分の温度を検出することにより、検出した温度が最大閾値より高いとき、つまり、ウェハ31に印加された熱量によりウェハ31に所望深さより深い改質層31aが形成されている場合には、ウェハ31に印加する熱量を小さくすることにより、ウェハ31に形成される改質層31aを所望深さに近づけることができる。また、検出した温度が最小閾値より低いとき、つまり、ウェハ31に印加された熱量によりウェハ31に改質層31aが形成されていない場合、または所望深さまで改質層31aが形成されていない場合には、ウェハ31に印加する熱量を大きくすることにより、ウェハ31に改質層31aを形成することができ、また、ウェハ31に形成される改質層31aを所望深さに近づけることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して、切断具13に改質手段17を備えると共に、研磨具33に改質手段39を備えたものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。まず、切断装置1について説明する。図5(a)は、本実施形態における切断装置1の模式図であり、図5(b)は(a)に示す切断装置1の部分拡大図である。なお、図5(b)は、インゴット11を切断する際の切断装置1の部分拡大図である。
図5に示されるように、切断装置1は、切断具13が、導電性の結合材13aと、結合材13aの外周面に配置された複数の砥石13bとを有する構成とされている。そして、図示しない電源装置を備え、結合材13aおよびインゴット11に所定電圧を印加して結合材13aとインゴット11との間でアーク放電を発生させ、当該アーク放電によりインゴット11に熱量を印加しつつ、砥石13bによりインゴット11を切断できるようになっている。すなわち、本実施形態の切断具13は、インゴット11を切断する機能に加えて、インゴット11に改質層11aを形成する改質手段17としての機能も有するものである。つまり、本実施形態の切断装置1は、切断具13と改質手段17とが一体化された一体構造の切断装置1とされている。
また、図5(a)に示されるように、本実施形態の切断装置1は、インゴット11に改質層11aを形成した直後に砥石13bにてインゴット11を切断するため、上記第1実施形態と比較して、熱量が印加された部分の温度を検出する温度検出手段18を備えていない構成とされている。
次に、研磨装置3について説明する。図6(a)は、本実施形態における研磨装置3の模式図であり、図6(b)は(a)に示す研磨装置3の部分拡大図である。なお、図6(b)はウェハ31を研磨する際の研磨装置3の部分拡大図であり、コラム36側から研磨具33を視たときの部分拡大図である。
図6に示されるように、研磨装置3は、研磨具33が、導電性の結合材33aと、結合材33aの外周面に配置された複数の砥石33bとを有する構成とされている。そして、図示しない電源装置を備え、結合材33aおよびウェハ31に所定電圧を印加して結合材33aとウェハ31との間でアーク放電を発生させ、当該アーク放電によりウェハ31に熱量を印加しつつ、砥石33bによりウェハ31を研磨できるようになっている。すなわち、本実施形態の研磨具33は、ウェハ31を切断する機能に加えて、ウェハ31に改質層31aを形成する改質手段39としての機能も有するものである。つまり、本実施形態の研磨装置3は、研磨具33と改質手段39とが一体化された一体構造の研磨装置3とされている。
また、図6(a)に示されるように、本実施形態の研磨装置3は、ウェハ31に改質層31aを形成した直後にウェハ31を研磨するため、上記第1実施形態と比較して、熱量が印加された部分の温度を検出する温度検出手段40を備えていない構成とされている。
次に、このような切断装置1および研磨装置3を用いたウェハの加工方法について説明する。
上記切断装置1を用いた場合には、第1実施形態と同様に、制御手段は、高さ検出手段16に切断具13が当接される部分の高さを検出させ、改質手段17から高さ検出手段18にて検出された高さに比例した熱量をインゴット11に印加させる。具体的には、制御手段は、高さ検出手段18から検出された高さに基づいてインゴット11に印加する熱量、すなわち放電量を調整し、調整した熱量を改質手段17から印加させる。
そして、上記研磨装置3を用いた場合には、第1実施形態と同様に、制御手段は、高さ検出手段38に研磨具33が当接される部分の高さを検出させ、改質手段39から高さ検出手段38にて検出された高さに比例した熱量を印加させる。具体的には、制御手段は、高さ検出手段38から検出された高さに基づいて改質手段39からウェハ31に印加する熱量、すなわち放電量を調整し、調整した熱量を改質手段39から印加させる。
以上説明したように、本実施形態の切断装置1では、切断具13に改質手段17が備えられており、本実施形態の研磨装置3では、研磨具33に改質手段39が備えられている。このため、改質手段17、39をベッド10、30に備えるためのコラム21、43を備える必要がなく、部品点数を削減することができつつ、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態の研磨装置3は、第1実施形態に対して、ウェハ31の表面に塗布される反射材を制御する反射材塗布手段を備えたものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。図7は、本実施形態における研磨装置3の部分拡大図である。
図7に示されるように、本実施形態の研磨装置3には、ウェハ31は、ウェハ31の表面に存在する凸部が露出するように反射材50が塗布された状態でウェハ保持部32に配置されている。そして、研磨装置3は、当該反射材50の塗布状況を制御する図示しない反射材塗布手段を備えている。なお、ウェハ31の表面に塗布される反射材50は、反射率が高いものを用いることが好ましく、例えば、反射率が1.33である水や反射率が1.428であるベンジン等が用いられる。
このような研磨装置3を用いてウェハ31を研磨する場合には、まず、図示しない反射材塗布手段により、ウェハ31の表面に、ウェハ31の凸部が露出するように反射材50を塗布させる。その後、改質手段39から熱量を印加させる。この場合、ウェハ31に熱量を印加すると、ウェハ31のうち反射材50が配置されていない部分(ウェハ31の凸部分)ではそのままの熱量が印加されることになり、ウェハ31のうち反射材50が配置されている部分(ウェハ31の凹部分)では反射材50に熱量が吸収されてウェハ31に印加される熱量が小さくなる。このため、ウェハ31のうち反射材50が塗布されていない部分では改質層31aがウェハ31の表面から深く形成され、ウェハ31のうち反射材50が塗布されている部分では改質層31aがウェハ31の表面から浅く形成されることになる。したがって、ウェハ31の高さに比例した熱量を印加しなくても、ウェハ31の凹凸に応じて改質層31aの深さを制御することができる。
このような研磨装置3では、ウェハ31の高さに応じて印加する熱量を変更しなくても、ウェハ31の表面の凹凸に応じて改質層31aが形成される深さを制御することができつつ、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、このような研磨装置3では、ウェハ31の高さに比例した熱量を印加しなくてもウェハ保持部32の一面から等距離部分まで改質層31aを形成することができるため、高さ検出手段38を備えない構成とすることもできる。
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、改質手段17、39として、レーザを用いた方法について説明したが、例えば、アーク放電やマイクロ波を照射することにより、インゴット11またはウェハ31に熱量を印加することもできる。例えば、改質手段17、39として、アーク放電を照射する場合には、インゴット11またはウェハ31に所定電圧を印加する電源装置と接続された電極を用意すればよいし、マイクロ波を照射する場合には、マイクロトロン、導電管、および少なくともマイクロ波を発生する部分を囲む遮蔽板とを備えたものを用意すればよい。
なお、アーク放電を照射する場合には、電極としてインゴット11またはウェハ31に近接される側の端部が先細り形状となっているものを用いることが好ましい。電極として当該端部の先端が先細り形状となっていないものと比較して、アーク放電が発生する部分を制御しやすく、所定箇所に熱量を印加しやすいためである。また、マイクロ波を照射する場合には、導電管としてインゴット11またはウェハ31に近接される側の端部が先細り形状となっているものを用いることが好ましい。導電管として当該端部の先端が先細り形状となっていないものと比較して、マイクロ波が照射される部分を制御しやすく、所定箇所に熱量を印加しやすいためである。
また、上記第3実施形態において、改質手段39として、マイクロ波を照射することも可能である。この場合は、ウェハ31の表面に、ウェハ31の表面に存在する凸部が露出するように、マイクロ波を吸収する吸収材を塗布すればよい。
さらに、上記第1実施形態では、切断装置1に高さ検出手段16、温度検出手段18、抵抗値検出手段19が備えられた例について説明したが、切断装置1に高さ検出手段16、温度検出手段18、抵抗値検出手段19が備えられていない構成とすることもできる。同様に、研磨装置3に高さ検出手段38、温度検出手段40、抵抗値検出手段41が備えられた例について説明したが、研磨装置3に高さ検出手段38、温度検出手段40、抵抗値検出手段41が備えられていない構成とすることもできる。
また、上記第1〜第3実施形態では、切断具13として砥石を用いた例について説明したが、例えば、切断具13として複数のワイヤを用いることもできる。この場合は、高さ検出手段16、改質手段17、温度検出手段18をそれぞれワイヤの本数だけ備え、上記ウェハの加工方法と同様の工程を行うことにより、一度に複数枚のウェハ31を形成することができる。
さらに、上記第1実施形態において、集光レンズのNAを小さくして広焦点化し、焦点深度を深くするようにしてもよい。この場合は、レーザをインゴット11に照射する際に、焦点をインゴット11のうち所定の凸部分に設定しておけば、レーザを照射する毎に焦点を変更しなくても、インゴット11のうち凸部分には表面から深い部分まで熱量が印加されることになり、インゴット11のうち凹部分には表面から浅い部分まで熱量が印加されることになる。すなわち、NAを小さくすることにより、レーザを照射する毎に焦点を変更しなくても、回転軸から等距離部分まで改質層11aを形成することができる。なお、ウェハ31にレーザにより熱量を印加する場合も同様であり、ウェハ31の高さに比例した熱量を印加しなくても、ウェハ保持部32の一面から等距離部分まで改質層31aを形成することができる。
そして、上記第3実施形態では、反射材50に熱量を吸収させることにより、ウェハ31の高さに応じた熱量を印加する方法について説明したが、例えば、改質手段39としてレーザにより熱量を印加する場合には、次のようにすることもできる。すなわち、レーザはある角度で照射すると全反射する性質を有しており、この現象は入射側の雰囲気の屈折率より出射側の雰囲気の屈折率が小さいと生じるものである。通常、大気より屈折率の低い液体はないので、単純に液体を塗布するのみでは全反射を引き起こすことは困難である。このため、反射材50の濃度を制御し、反射材50の表層部は濃度が高く、下層部は濃度が低い状態を意識的に作り出すことにより、反射材50内でレーザを全反射させ、ウェハ31の凹部分に改質層31aが形成されることを抑制できる。すなわち、反射材塗布手段により液体中の濃度分布を制御して、ウェハ31の表面側に向かって濃度が低くなる状態で反射材50を塗布し、レーザを照射する際には、反射材50内で全反射する角度でレーザを照射しつつ、反射材50から露出した凸部にレーザを照射することにより、反射材50から露出している部分のみに改質手段39により改質層31aを形成するようにすることができる。
また、上記第1〜第3実施形態では、切断装置1に改質手段17が備えられ、研磨装置3に改質手段39が備えられたものを用いたウェハの加工方法について説明したが、例えば、いずれか一方の装置のみを用いたウェハの加工方法としても従来のウェハの加工方法と比較してウェハの加工効率を向上させることができる。すなわち、改質手段17が備えられた切断装置1を用いてインゴット11を切断すると共に、従来のウェハの研磨方法を行うウェハの加工方法としても、インゴット11を切断する際の切断時間を短縮することができ、ウェハ31の表面に凹凸が形成されることを抑制することができるため後工程の平坦化工程の時間を短縮でき、ウェハの加工効率を向上させることができる。同様に、インゴット11をそのまま切断してウェハ31を形成し、改質手段39が備えられた研磨装置3を用いて当該ウェハ31の研磨を行うウェハの加工方法としても、研磨時間を短縮することができ、ウェハの加工効率を向上させることができる。
さらに、上記第2実施形態を上記第3実施形態に組み合わせて、研磨具33に改質手段39を備えることもできる。
1 切断装置
3 研磨装置
11 インゴット
12 インゴット保持部
13 切断具
31 ウェハ
32 ウェハ保持部
33 研磨具
16、38 高さ検出手段
17、39 改質手段
18、40 温度検出手段
19、41 抵抗値検出手段

Claims (34)

  1. インゴット(11)を切断してウェハ(31)を形成するウェハ形成工程と、当該ウェハ(31)の表面を研磨して平坦化する平坦化工程とを含むウェハの加工方法であって、
    前記平坦化工程は、ウェハ保持部(32)にウェハ(31)を配置すると共に、前記ウェハ(31)を回転させながら行い、前記ウェハ(31)のうち研磨する部分に熱量を印加して改質層(31a)を形成し、ウェハ(31)のうち熱量を印加した部分に研磨具(33)を回転しながら当接させて研磨する改質層形成・研磨工程を含むことを特徴とするウェハの加工方法。
  2. 前記改質層(31a)を形成する前に、前記ウェハ(31)のうち研磨する部分の高さを検出し、
    前記改質層(31a)を形成するとき、検出された高さに比例した熱量を印加することを特徴とする請求項1に記載のウェハの加工方法。
  3. 前記研磨具(33)を前記ウェハ(31)に当接させたとき、前記研磨具(33)が前記ウェハ(31)に当接されることにより生じる抵抗値を検出し、
    前記改質層(31a)を形成するとき、検出された抵抗値と閾値とを比較して前記抵抗値が前記閾値より大きいとき、前記ウェハ(31)に印加する熱量を大きくすることを特徴とする請求項1または2に記載のウェハの加工方法。
  4. 前記改質層(31a)を形成した後であって、前記研磨具(33)を当接させる前に、前記ウェハ(31)のうち熱量を印加した部分の温度を検出し、
    前記温度を検出した後に、前記熱量を印加して改質層(31a)を形成するとき、検出された温度と閾値とを比較し、前記温度が最大閾値より高いときには前記ウェハ(31)に印加する熱量を小さくし、前記温度が最小閾値より低いときには前記ウェハ(31)に印加する熱量を大きくすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のウェハの加工方法。
  5. 前記平坦化工程では、前記熱量を印加して改質層(31a)を形成する場所と、前記研磨具(33)を回転しながら当接させて研磨する場所とが異なることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のウェハの加工方法。
  6. 前記研磨具(33)に、前記ウェハ(31)に熱量を印加して前記改質層(31a)を形成する改質手段(39)を備え、
    前記平坦化工程では、前記研磨具(33)にて、前記ウェハ(31)に前記改質層(31a)を形成しつつ、前記ウェハ(31)のうち前記熱量を印加した部分を研磨することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のウェハの加工方法。
  7. 前記熱量を印加するときには、レーザを照射して前記ウェハ(31)に熱量を印加することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のウェハの加工方法。
  8. 前記熱量を印加する前に、前記ウェハ(31)の表面に、前記ウェハ(31)の表面に存在する凸部を露出させた状態で反射材(50)を塗布することを特徴とする請求項7に記載のウェハの加工方法。
  9. 前記熱量を印加する前に、前記ウェハ(31)の表面に、前記ウェハ(31)の表面に存在する凸部を露出させ、かつ前記ウェハ(31)の表面側に向かって濃度が低くなる状態で反射材(50)を塗布し、前記熱量を印加するときには、前記反射材(50)内で全反射する角度で前記レーザを照射しつつ、前記反射材(50)から露出した凸部に前記レーザを照射することを特徴とする請求項7に記載のウェハの加工方法。
  10. 前記熱量を印加するときには、マイクロ波を照射して前記ウェハ(31)に熱量を印加することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のウェハの加工方法。
  11. 前記熱量を印加する前に、前記ウェハ(31)の表面に、前記ウェハ(31)の表面に存在する凸部を露出させた状態で、前記マイクロ波を吸収する吸収材を塗布することを特徴とする請求項10に記載のウェハの加工方法。
  12. 前記熱量を印加するときには、アーク放電を照射して前記ウェハ(31)に熱量を印加することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のウェハの加工方法。
  13. 前記ウェハ形成工程は、インゴット保持部(12)にインゴット(11)を配置すると共に、前記インゴット(11)を回転させながら行い、前記インゴット(11)のうち切断する部分に熱量を印加して改質層(11a)を形成し、前記インゴット(11)のうち熱量を印加した部分に切断具(13)を回転しながら当接させて前記インゴットを切断することにより、前記ウェハ(31)を形成する改質層形成・切断工程を含むことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載のウェハの加工方法。
  14. 前記改質層(11a)を形成する前に、前記インゴット(11)のうち研磨する部分の高さを検出し、
    前記改質層(11a)を形成するとき、検出された高さに比例した熱量を印加することを特徴とする請求項13に記載のウェハの加工方法。
  15. 前記切断具(13)を前記インゴット(11)に当接させたとき、前記切断具(13)が前記インゴット(11)に当接されることにより生じる抵抗値を検出し、
    前記改質層(11a)を形成するとき、検出された抵抗値と閾値とを比較して前記抵抗値が前記閾値より大きいとき、前記インゴット(11)に印加する熱量を大きくすることを特徴とする請求項13または14に記載のウェハの加工方法。
  16. 前記改質層(11a)を形成した後であって、前記切断具(13)を当接させる前に、前記インゴット(11)のうち熱量を印加した部分の温度を検出し、
    前記温度を検出した後に、前記熱量を印加して改質層(11a)を形成するとき、検出された温度と閾値を比較し、前記温度が最大閾値より高いときには前記インゴット(11)に印加する熱量を小さくし、前記温度が最小閾値より低いときには前記インゴット(11)に印加する熱量を大きくすることを特徴とする請求項13ないし15のいずれか1つに記載のウェハの加工方法。
  17. 前記ウェハ形成工程では、前記熱量を印加して改質層(11a)を形成する場所と、前記切断具(13)を回転しながら当接させて切断する場所とが異なることを特徴とする請求項13ないし16のいずれか1つに記載のウェハの加工方法。
  18. 前記切断具(13)に、前記インゴット(11)に熱量を印加して前記改質層(11a)を形成する改質手段(17)を備え、
    前記ウェハ形成工程では、前記切断具(13)にて、前記インゴット(11)に前記改質層(11a)を形成しつつ、前記インゴット(11)のうち前記熱量を印加した部分を切断することを特徴とする請求項13ないし15のいずれか1つに記載のウェハの加工方法。
  19. 前記熱量を印加するときには、レーザを照射して前記インゴット(11)に熱量を印加することを特徴とする請求項13ないし17のいずれか1つに記載のウェハの加工方法。
  20. 前記熱量を印加するときには、マイクロ波を照射して前記インゴット(11)に熱量を印加することを特徴とする請求項13ないし17のいずれか1つに記載のウェハの加工方法。
  21. 前記熱量を印加するときには、アーク放電を照射して前記インゴット(11)に熱量を印加することを特徴とする請求項13ないし18のいずれか1つに記載のウェハの加工方法。
  22. インゴット(11)を切断してウェハ(31)を形成するウェハ形成工程と、当該ウェハ(31)の表面を研磨して平坦化する平坦化工程とを含むウェハの加工方法であって、
    前記ウェハ形成工程は、インゴット保持部(12)にインゴット(11)を配置すると共に、前記インゴット(11)を回転させながら行い、前記インゴット(11)のうち切断する部分に熱量を印加して改質層(11a)を形成し、前記インゴット(11)のうち熱量を印加した部分に切断具(13)を回転しながら当接させて前記インゴット(11)を切断することにより、前記ウェハ(31)を形成する改質層形成・切断工程を含むことを特徴とするウェハの加工方法。
  23. ウェハ(31)が配置され、前記ウェハ(31)を保持した状態で回転するウェハ保持部(32)と、
    前記ウェハ保持部(32)上に配置され、前記ウェハ(31)と回転しながら当接することにより前記ウェハ(31)を研磨する研磨具(33)と、
    前記ウェハ(31)のうち前記研磨具(33)と当接される部分に熱量を印加して改質層(31a)を形成する改質手段(39)と、を有することを特徴とする研磨装置。
  24. 前記ウェハ(31)のうち前記研磨具(33)と当接される部分の高さを検出する高さ検出手段(38)を備え、
    前記改質手段(39)は、前記高さ検出手段(38)で検出された高さに比例した熱量を前記ウェハ(31)に印加し、
    前記ウェハ保持部(32)は、前記研磨具(33)にて当接される部分が、前記高さ検出手段(38)にて高さが検出され、前記改質手段(39)で熱量が印加された後、前記研磨具(33)と当接する状態で回転することを特徴とする請求項23に記載の研磨装置。
  25. 前記研磨具(33)が前記ウェハ(31)に当接された際に、前記研磨具(33)と前記ウェハ(31)との間に生じる抵抗値を検出する抵抗値検出手段(41)を備え、
    前記改質手段(39)は、前記抵抗値検出手段(41)にて検出された抵抗値が閾値より大きいとき、前記ウェハ(31)に印加する熱量を大きくすることを特徴とする請求項23または24に記載の研磨装置。
  26. 前記ウェハ(31)のうち前記改質手段(39)にて熱量が印加された部分の温度を検出する温度検出手段(40)を備え、
    前記改質手段(39)は、前記温度検出手段(40)にて検出された温度が最大閾値より高いときには前記ウェハ(31)に印加する熱量を小さくし、前記温度が最小閾値より低いときには前記ウェハ(31)に印加する熱量を大きくすることを特徴とする請求項23ないし25に記載のウェハの研磨装置。
  27. 前記改質手段(39)は、前記研磨具(33)とは異なる位置に備えられていることを特徴とする請求項23ないし26に記載の研磨装置。
  28. 前記改質手段(39)は、前記研磨具(33)に備えられていることを特徴とする請求項23ないし25のいずれか1つに記載の研磨装置。
  29. インゴット(11)が配置され、前記インゴット(11)を保持した状態で回転するインゴット保持部(12)と、
    前記インゴット(11)と回転しながら当接することにより前記インゴット(11)を切断する切断具(13)と、
    前記インゴット(11)のうち前記切断具(13)と当接される部分に、熱量を印加して改質層(11a)を形成する改質手段(17)と、を有することを特徴とする切断装置。
  30. 前記インゴット(11)のうち前記切断具(13)と当接される部分の高さを検出する高さ検出手段(16)を備え、
    前記改質手段(17)は、前記高さ検出手段(16)で検出された高さに比例した熱量を前記インゴット(11)に印加し、
    前記インゴット保持部(12)は、前記切断具(13)にて当接される部分が、前記高さ検出手段(16)にて高さが検出され、前記改質手段(17)で熱量が印加された後、前記切断具(13)と当接する状態で回転することを特徴とする請求項29に記載の切断装置。
  31. 前記切断具(13)が前記インゴット(11)に当接された際に、前記切断具(13)と前記インゴット(11)との間に生じる抵抗値を検出する抵抗値検出手段(19)を備え、
    前記改質手段(17)は、前記抵抗値検出手段(19)にて検出された抵抗値が閾値より大きいとき、前記インゴット(11)に印加する熱量を小さくすることを特徴とする請求項29または30に記載の切断装置。
  32. 前記インゴット(11)のうち前記改質手段(17)にて熱量が印加された部分の温度を検出する温度検出手段(18)を備え、
    前記改質手段(17)は、前記温度検出手段(18)にて検出された温度が最大閾値より高いときには前記インゴット(11)に印加する熱量を小さくし、前記温度が最小閾値より低いときには前記インゴット(11)に印加する熱量を大きくすることを特徴とする請求項29ないし31のいずれか1つに記載の切断装置。
  33. 前記改質手段(17)は、前記切断具(13)とは異なる位置に備えられていることを特徴とする請求項29ないし32のいずれか1つに記載の切断装置。
  34. 前記改質手段(17)は、前記切断具(13)に備えられていることを特徴とする請求項29ないし31のいずれか1つに記載の切断装置。
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