JP2011246095A - カーテンエアバッグ装置及び車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】カーテンエアバッグ膨張時に該カーテンエアバッグの折畳体をより強く室内側へ押圧することが可能であると共に、このカーテンエアバッグの折畳体に対する室内側への押圧力や該折畳体の室内側への移動量の調整を容易に行うことが可能であり、カーテンエアバッグの折り畳み作業も容易に行うことが可能なカーテンエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】カーテンエアバッグ本体部1Aの折畳体のルーフサイド部10側の側面にディフューザ4が配置されている。ディフューザ4は、車体前後方向に延在する折り返し線に沿って折り返されて少なくとも2層に折り重なった状態となっている。車両が側突又は横転した場合、インフレータ3がガス噴出作動し、インフレータ3からのガスはまずディフューザ4に流入してディフューザ4を膨張させる。これにより、カーテンエアバッグ本体部1Aの折畳体の膨張力とディフューザ4の膨張圧力とが重畳してルーフサイドガーニッシュ11の下縁を車室内方へ押圧する。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車の側面衝突や横転時等にサイドドアの窓等に沿ってカーテンエアバッグを膨張展開させるカーテンエアバッグ装置と、このカーテンエアバッグ装置を備えた車両に係り、特にカーテンエアバッグがピラーガーニッシュの上部を乗り越えて車室内に展開するよう構成されたカーテンエアバッグ装置及び車両に関する。
自動車乗員頭部の拘束用のエアバッグとして、自動車の室内の天井部と側面部との交叉隅部付近に配置され、ガス導入口から導入されるガスによってサイドドアの窓等に沿って膨張するよう構成されたカーテンエアバッグがある。
カーテンエアバッグ装置を備えた自動車にあっては、自動車が側面衝突を受けたり、横転した場合などには該カーテンエアバッグが車両室内の側面(例えばドアやピラーなど)に沿って車体下方に向って膨張し、乗員の頭部を拘束すると共に、窓が開いているときには乗員が車外に投げ出されることを防止する。
このようなカーテンエアバッグ装置として、ルーフサイドレールとルーフライニングの側辺部との間のスペースにカーテンエアバッグの折畳体が配置されており、該ルーフライニングの側辺部の下縁がピラーガーニッシュの上端に係合しているものが公知である(特許文献1:特開2007−69721)。
特許文献1のカーテンエアバッグ装置において、インフレータが作動すると、カーテンエアバッグの前後方向の中央付近の上縁に設けられたガス導入部からガスがカーテンエアバッグ内に導入され、カーテンエアバッグが膨張展開する。このカーテンエアバッグは、ルーフライニングの側辺部を車室内側に押し開けて車室内に膨張展開する。
この車室内側に膨張展開しようとするカーテンエアバッグがピラーガーニッシュの上端と干渉しないようにするために、カーテンエアバッグの本体部の上縁部に小バッグ部を膨出状に取り付けることが特許文献1に記載されている。カーテンエアバッグ折畳体が膨張するときに、該小バッグ部(特許文献1では「上縁側バッグ部」と称されている。)が膨張してカーテンエアバッグ本体部を室内側に押圧する。これにより、膨張展開するカーテンエアバッグは、室内側に移動するようにしてピラーガーニッシュの上端を乗り越え、車室内に展開する。
特開2000−52907(特許文献2)には、インフレータからのガスをカーテンエアバッグの各膨張部に導くためのガス導入路が該カーテンエアバッグの上縁部に沿って前後方向に延設されており、カーテンエアバッグを折り畳むに際しては、該カーテンエアバッグのうちガス導入路よりも下端側の部分を前後方向に細長い折畳体とした後、この折畳体の室外側の面にガス導入路を折り重ねることが記載されている。
特許文献2にあっては、インフレータがガス噴出作動した場合、このインフレータからのガスが最初にガス導入路に流入して該ガス導入路が膨張することにより、該ガス導入路よりもエアバッグ下端側部分の折畳体が、この膨張したガス導入路によって室内側に押圧される。この結果、膨張展開するカーテンエアバッグは、室内側に移動するようにしてピラーガーニッシュの上端を乗り越え、車室内に展開する。
カーテンエアバッグ内に筒状のディフューザを配置し、インフレータからのガスを該ディフューザを経てカーテンエアバッグ本体内に導入することが、特許文献3:特開2010−52704に記載されている。なお、特許文献3では、ディフューザはインナと称されている。また、特許文献3では、このインナは、Bピラーの上方部よりも車両後方に配置されている。
特開2007−69721 特開2000−52907 特開2010−52704
上記特許文献1では、小バッグ部をカーテンエアバッグ本体部に縫着しており、カーテンエアバッグの製造に手間がかかる。また、小バッグ部を別個に製作するので、コスト高でもある。
上記特許文献2では、インフレータからのガスが最初に導入されるガス導入路を、それよりもエアバッグ下端側部分の折畳体の室外側に配置しておき、このガス導入路が最初に膨張することにより、カーテンエアバッグ折畳体が室内側に押圧されるように構成しているので、エアバッグ押圧用の小バッグ部を別途設けることが不要である。
しかしながら、このガス導入路内におけるガス流通量は、カーテンエアバッグの各膨張部への必要ガス供給量等に基づいて決定されるものであるので、例えば膨張したガス導入路によるカーテンエアバッグ折畳体の室内側への押圧力や室内側への移動量を調整するために、該ガス導入路内のガス流通量やピラー部付近における流路径等を調整しようとすると、カーテンエアバッグ全体の展開に影響(例えばカーテンエアバッグ全体が均等に膨張しにくくなるなど)を及ぼす可能性がある。そのため、特許文献2では、膨張したガス導入路によるカーテンエアバッグ折畳体の室内側への押圧力や室内側への移動量を調整するのが難しい可能性がある。
また、特許文献2では、このガス導入路は、カーテンエアバッグのインフレータ接続口から、このインフレータ接続口から最も離隔した膨張部まで、該カーテンエアバッグの上縁部に沿って前後方向に長く延在したものとなっているので、カーテンエアバッグの折り畳みに際し、ガス導入路のみを残してカーテンエアバッグを前後方向に細長く折り畳み、その後、残ったガス導入路の全体をこの折畳体の室外側の面に折り重ねるために、精緻な製造管理を要する。
本発明は、カーテンエアバッグが下端側から上下方向の途中部まで折り畳まれて中間折畳体とされた後、該中間折畳体の車体メンバ側の側面にカーテンエアバッグの上部が折り重ねられて最終折畳体とされているカーテンエアバッグ装置において、カーテンエアバッグ膨張時に該カーテンエアバッグの折畳体をより強く室内側へ押圧することが可能であると共に、このカーテンエアバッグの折畳体に対する室内側への押圧力や該折畳体の室内側への移動量の調整を容易に行うことが可能であり、カーテンエアバッグの折り畳み作業も容易に行うことが可能なカーテンエアバッグ装置を提供することを目的とする。
請求項1のカーテンエアバッグ装置は、車体メンバとルーフライニングの側辺部との間のスペースに設置されるカーテンエアバッグの折畳体と、該カーテンエアバッグを膨張させるためのインフレータとを備え、該カーテンエアバッグは、下端側から上下方向の途中部まで折り畳まれて中間折畳体とされた後、該中間折畳体の車体メンバ側の側面に該カーテンエアバッグの上部が折り重ねられて最終折畳体とされているカーテンエアバッグ装置において、該カーテンエアバッグの該上部内に、膨張可能なディフューザが設置されており、インフレータからのガスが該ディフューザを経てカーテンエアバッグ内に導入されるよう構成されており、該ディフューザは、車体前後方向に延在する折り返し線に沿って車体メンバ側及び車室内側の一方又は双方に折り返されて少なくとも2層に折り重なった状態となって該カーテンエアバッグの該上部内に配置されていることを特徴とするものである。
請求項2のカーテンエアバッグ装置は、請求項1において、前記カーテンエアバッグは、該カーテンエアバッグの上縁に沿って車体前後方向に延在するガス導入路と、該ガス導入路に連通した膨張部とを備えており、前記インフレータからのガスは、前記ディフューザを経て該ガス導入路に導入され、該ガス導入路を通って該膨出部に供給されるように構成されており、該ディフューザは、少なくとも一部が、少なくとも2層に折り重なった状態となって該ガス導入路内に配置されており、前記最終折畳体において、該ガス導入路が前記中間折畳体の車体メンバ側の側面に折り重ねられていることを特徴とするものである。
請求項3のカーテンエアバッグ装置は、請求項2において、前記カーテンエアバッグは、カーテンエアバッグ本体部の上縁から上方へ延出したガス導入部を備え、該ガス導入部の下端が前記ガス導入路に連通しており、該ガス導入部に前記インフレータが接続されており、前記ディフューザは、車体前後方向に延在する筒状部と、該筒状部から上方に延出したガス流入部とを有し、該ガス流入部の下端が該筒状部に連通しており、該筒状部が、少なくとも2層に折り重なった状態となって該ガス導入路内に配置され、該ガス流入部が該ガス導入部内に配置されており、該インフレータからのガスは、該ガス流入部に流入し、該ガス流入部及び筒状部を経て該ガス導入路に導入されることを特徴とするものである。
請求項4のカーテンエアバッグ装置は、請求項3において、前記ガス導入部は、前記カーテンエアバッグのうちピラーガーニッシュの上方に位置する部分に配置されており、前記最終折畳体において、前記ガス導入路の車体メンバ側にさらに該ガス導入部が折り重ねられていることを特徴とするものである。
請求項5の車両は、請求項1ないし4のいずれか1項のカーテンエアバッグ装置のカーテンエアバッグ折畳体が車体メンバとルーフライニングの側辺部との間のスペースに配置され、前記ディフューザは、ピラーガーニッシュの上端に対応する位置又はそれよりも上方に配置されているものである。
本発明のカーテンエアバッグ装置及び車両では、膨張展開するカーテンエアバッグが、カーテンエアバッグ本体部の膨張力だけでなくディフューザの膨張による付勢力の助勢を受けてルーフライニングを車室側へ押し開けて車室内に膨張展開する。
即ち、本発明のカーテンエアバッグ装置では、インフレータが作動すると、インフレータからのガスがディフューザを経てカーテンエアバッグ内に導入される。カーテンエアバッグが折り畳まれた状態において、このディフューザは、カーテンエアバッグの折畳体(中間折畳体)の車体メンバ側の側面に配置されているので、ディフューザが膨張すると、カーテンエアバッグの折畳体が室内側に押されて移動する。このようにして、カーテンエアバッグの膨張力と、ディフューザがカーテンエアバッグの折畳体を車室内方へ押圧する力とが重畳してルーフライニングの側辺部に作用し、ルーフライニングの側辺部が車室内方へ押し開かれ、カーテンエアバッグが車室内に膨張展開する。
本発明のカーテンエアバッグ装置にあっては、カーテンエアバッグの中間折畳体と車体側メンバとの間に、ディフューザが層状に折り重なった状態で配置されているので、例えば前述の特許文献2のように単にカーテンエアバッグの上部が該カーテンエアバッグの折畳体と車体側メンバとの間に配置されただけのものや、このカーテンエアバッグの上部内にディフューザが単層状にて(折り返された状態とされずに)配置されたものと比べて、膨張したディフューザによって強くカーテンエアバッグの中間折畳体が室内側に押されると共に、このカーテンエアバッグの中間折畳体の室内側への移動量も大きなものとなる。
本発明のカーテンエアバッグ装置にあっては、層状に折り重なったディフューザがカーテンエアバッグの上部内に配置されることにより、このカーテンエアバッグの上部が他の部分に比べて硬くなる(剛性が高くなる)。そのため、カーテンエアバッグを折り畳む際に、このディフューザが存在する部分と他の部分との硬さの違いを感取することにより、カーテンエアバッグをどこから中間折畳体の車体メンバ側に折り重ねればよいか容易に判断することができる。これにより、カーテンエアバッグを折り畳む際に容易にディフューザを中間折畳体の車体メンバ側に配置することが可能となり、カーテンエアバッグの折り畳み作業が容易化される。
本発明のカーテンエアバッグ装置にあっては、インフレータからのガスは、ディフューザを経てカーテンエアバッグ内に導入される。本発明のカーテンエアバッグ装置にあっては、このディフューザがカーテンエアバッグの折畳体(中間折畳体)と車体メンバとの間で膨張することにより、該カーテンエアバッグの折畳体が室内側へ押圧されるので、このディフューザのガス流通量や太さ、長さ等を調整することにより、膨張したディフューザによるカーテンエアバッグの折畳体に対する室内側への押圧力や該折畳体の室内側への移動量を調整することができる。従って、このカーテンエアバッグの折畳体に対する室内側への押圧力や該折畳体の室内側への移動量を調整するために、カーテンエアバッグ内のガス導入路のガス流通量やピラー部付近における流路径等を調整する必要がない。これにより、容易に、且つカーテンエアバッグ全体の展開に影響を及ぼすことなく、膨張したディフューザによるカーテンエアバッグの折畳体に対する室内側への押圧力や該折畳体の室内側への移動量を調整することができる。
請求項2の態様にあっては、カーテンエアバッグの上縁に沿って設けられたガス導入路内にディフューザが配置されている。これにより、ガス導入路が他の部分に比べて硬く(剛性が高く)なっているため、カーテンエアバッグを折り畳む際に、このガス導入路と他の部分との硬さの違いを感取することにより、容易にガス導入路を中間折畳体の車体メンバ側に折り返すことが可能である。
請求項3の態様にあっては、カーテンエアバッグに、カーテンエアバッグ本体部の上縁から上方に延出したガス導入部が設けられており、このガス導入部にインフレータが接続されている。また、ディフューザは、車体前後方向に延在する筒状部と、この筒状部から上方に延出したガス流入部とを有しており、この筒状部が、少なくとも2層に折り重なった状態となってガス導入路内に配置され、ガス流入部がガス導入部内に配置されている。インフレータからのガスは、このディフューザのガス流入部に流入し、このガス流入部及び筒状部を経てガス導入路に導入される。このようにカーテンエアバッグ本体部の上縁から上方に延出したガス導入部及びガス流入部をカーテンエアバッグ及びディフューザにそれぞれ設けてインフレータを接続するように構成することにより、インフレータの配置の自由度が高いものとなる。また、ガス導入路に直接的にインフレータが接続されている場合に比べて、ガス導入路をカーテンエアバッグの中間折畳体の車体メンバ側に折り重ねる作業を容易に行うことができる。
請求項4の通り、ガス導入部を、カーテンエアバッグのうちピラーガーニッシュの上方に位置する部分に配置し、カーテンエアバッグを折り畳む際に、このガス導入部をさらにガス導入路の車体メンバ側に折り重ねるようにしてもよい。このように構成した場合、ガス導入路内の筒状部の膨張力に、このガス導入部内のガス流入部の膨張力が重畳するため、カーテンエアバッグ本体部の折畳体がより強力に室内側に押されるようになる。これにより、カーテンエアバッグ本体部がより確実にピラーガーニッシュの上端部を乗り越えて車室内に展開するようになる。
請求項5の通り、かかる本発明のカーテンエアバッグ装置を備えた車両にあっては、ディフューザは、ピラーガーニッシュの上端に対応する位置又はそれよりも上方に配置されており、カーテンエアバッグの膨張時には、このディフューザが車体メンバとカーテンエアバッグの折畳体(中間折畳体)との間で膨張して該折畳体を室内側へ押圧するため、カーテンエアバッグは、展開時にピラーガーニッシュに干渉しにくい。
実施の形態に係るカーテンエアバッグの説明図である。 ディフューザの斜視図である。 折り返したディフューザの斜視図である。 実施の形態に係るカーテンエアバッグの断面図である。 実施の形態に係るカーテンエアバッグの折畳体の断面図である。 実施の形態に係るカーテンエアバッグ装置を備えた車両の断面図である。 実施の形態に係るカーテンエアバッグ装置を備えた車両の断面図である。 折り返したディフューザの斜視図である。 折り返したディフューザの斜視図である。 カーテンエアバッグ装置の作動を説明する断面図である。 別の実施の形態に係るカーテンエアバッグを示す側面図である。 カーテンエアバッグの別の折り畳み方法を示す断面図である。 カーテンエアバッグの別の折り畳み方法を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の形態について説明する。第1図(a),(b)は本発明の一例に係るカーテンエアバッグ装置を示すものであり、(a)図は折り畳まれたカーテンエアバッグの側面図、(b)図は膨張展開したカーテンエアバッグの側面図である。第2図(a),(b)はディフューザの斜視図であり、(a)図は折り返す前の状態を示し、(b)図は膨張時を示している。第3図は折り返した状態のディフーザの斜視図である。第4図(a),(b),(c)は第1図(b)のIIIa−IIIa線、IIIb−IIIb線、IIIc−IIIc線に沿う断面図、第5図はカーテンエアバッグ折畳体の断面図、第6図(a),(b)はこのカーテンエアバッグ装置を備えた車両の右側Bピラー上部付近の車体幅方向に沿う縦断面図であり、(a)図はカーテンエアバッグの膨張前の状態を示し、(b)図はカーテンエアバッグの膨張後の状態を示している。第7図は、このカーテンエアバッグ装置を備えた車両の左側Bピラー上部付近の車体幅方向に沿う縦断面図である。なお、第6図(a),(b)及び第7図おいては、それぞれ、車体及びカーテンエアバッグの折畳体は概略的に図示されている。以下、前後方向、左右方向及び上下方向は、このカーテンエアバッグ装置が設置された車体の前後方向、左右方向及び上下方向と合致する。
この実施の形態では、カーテンエアバッグ1が前後方向に細長く折り畳まれた状態で結束具2で結束されて保形され、自動車の車体のルーフサイド部10に沿って配置されている。このカーテンエアバッグ1は、自動車が側面衝突を受けたり横転したときなどにインフレータ3からのガスにより膨らみ出し、ドアや各ピラーなどの車室内の側面に沿って車体下方に向って膨張展開する。このカーテンエアバッグ1の前端部及び上縁にはカーテンエアバッグ1の車体への取付部として耳部1aが所定間隔をおいて設けられており、この耳部1aがルーフサイド部10に留め付けられている。なお、最前端側の耳部1aはAピラーに留め付けられる。
カーテンエアバッグ1の本体部1Aの上辺の長手方向の中央部に、上方かつ斜め後方に延出する短い筒状のガス導入部1bが設けられ、このガス導入部1bの先端がガス導入口1cとなっている。インフレータ3の先端は、このガス導入口1cにおいて後述のディフューザ4のガス流入部4bに差し込まれ、バンド3aにより結束されている。このインフレータ3は、取付部材(図示略)によりルーフサイド部10に固定されている。
第6図(a)の通り、ルーフサイド部10の車両室内側にはルーフサイドガーニッシュ11が設けられており、カーテンエアバッグ1の折畳体及びインフレータ3が該ルーフサイドガーニッシュ11によって覆われている。
第4図(a)〜(c)の通り、このカーテンエアバッグ1は、該車室側面と車室内とにそれぞれ臨む2面を構成するほぼ同一形状の2枚のシート5,5を重ね合わせ、これらシート5,5同士を線状結合部6及び環状結合部7によって結合することにより、膨張部8及び非膨張部9を形成したものである。
カーテンエアバッグ1内にディフューザ4が配置されている。このディフューザ4は、第2図(a),(b)の通り、カーテンエアバッグ1内の上部において、カーテンエアバッグ1の長手方向(車両前後方向)に延在する筒状部4aと、該筒状部4aから上方かつ斜め後方に延出する短い筒状のガス流入部4bとを有した略T字形状のものである。このガス流入部4bがカーテンエアバッグ1のガス導入部1b内に配置されている。なお、ディフューザ4は1枚の基布を折り返し、筒状部4aの上縁及びガス流入部4bの両側縁を縫着することにより形成されるが、この実施の形態では、この縫着は、カーテンエアバッグ1の線状結合部6によって行われている。ただし、線状結合部6とは別に、予めディフューザ4を略T字形状の筒状に縫製しておいてもよい。筒状部4aにガス流出用の小孔が設けられてもよい。インフレータ3からのガスは、このディフューザ4のガス流入部4bの先端から流入し、筒状部4aの両端側や、該筒状部4aの延在方向の途中部等に設けられたガス流出用の孔から流出してカーテンエアバッグ本体部1Aの各膨張部8内に分配供給される。これにより、カーテンエアバッグ本体部1Aの各膨張部8が略均等に膨張するようになる。また、このようにカーテンエアバッグ本体部1A内にディフューザ4が配置され、インフレータ3からのガスがこのディフューザ4を経てカーテンエアバッグ本体部1A内に導入されることにより、インフレータ3から噴出した直後の高温、高圧のガスが直接的に各シート5やシート5,5同士の接合部等に噴き付けられることが防止されるため、カーテンエアバッグ1の耐久性が向上する。
本発明では、ディフューザ4は、筒状部4aが第3図のようにカーテンエアバッグ長手方向(車両前後方向)の折り返し線に沿って折り返された状態にてカーテンエアバッグ1内に配置されている。この実施の形態では、筒状部4aは、その上下方向の途中部から下端側が室内側に折り返されて2層に折り重なった状態とされている。なお、筒状部4aの折り畳み方法はこれに限定されない。
各線状結合部6及び各環状結合部7は、シート5,5同士を気密に結合し、かつカーテンエアバッグ1の内圧が設計上限圧力にまで上昇してもシート5,5同士が離反しないような強固な結合手段、この実施の形態では、強度の高い縫糸による縫合となっている。ただし、接着力の高い接着剤による接着、或いは溶着とされてもよく、この場合は、ディフューザ4は予め略T字形状の筒状に縫製されるのが好ましい。
線状結合部6は、カーテンエアバッグ1を略周回するように延在していると共に、一部の線状結合部6は膨張部8内を複数の小室状部に区分するように延在している。環状結合部7は、線状結合部6の端部に設けられている。
この実施の形態では、非膨張部9を挟んでカーテンエアバッグ本体部1Aの前部側に前側膨張部8Aが設けられ、後部側に後側膨張部8Bが設けられている。また、カーテンエアバッグ本体部1Aの上縁に沿って、これらの膨張部8A,8Bにそれぞれインフレータ3からのガスを導くためのガス導入路8Cが設けられている。このガス導入路8Cは、カーテンエアバッグ本体部1Aの上縁の前端付近から後端付近にかけて延設されている。このガス導入路8Cの前後方向の途中部に前記ガス導入部1bの基端(下端)側が連通している。ディフューザ4は、筒状部4aが、その筒軸心線方向を車両前後方向として且つ2層に折り重ねられた状態にてこのガス導入路8C内に配置され、ガス流入部4bがこのガス導入路8C内から前記ガス導入部1b内に配置されている。
このカーテンエアバッグ1は、車体の前後方向に延在するように細長く折り畳まれる。第5図の通り、この実施の形態では、カーテンエアバッグ1を折り畳むに当たり、まず該カーテンエアバッグ1の本体部1A(即ちガス導入部1b以外の部分)のうち下部をロール折り部分1rとし、本体部1Aの上下方向の中間部を蛇腹折り部分1zとし、このロール折り部分1rの上に重ねて中間折畳体としている。次いで、カーテンエアバッグ本体部1Aの上部をこの中間折畳体(蛇腹折り部分1z及びロール折り部分1r両部分)の車体メンバ側の側面に垂れ下がるように重ねてサイド垂下部1sとしている。その後、カーテンエアバッグ本体部1Aの最上部を再び蛇腹折り部分1zとして中間折畳体の上面に配置し、最終折畳体としている。
この実施の形態では、カーテンエアバッグ本体部1Aの下端からガス導入路8Cの下縁付近までを中間折畳体とした後、該ガス導入路8Cの下縁付近よりも上端側(以下、このカーテンエアバッグ本体部1Aのガス導入路8Cの下縁付近よりも上端側を該カーテンエアバッグ本体部1Aの上部という。)を、この中間折畳体の車体メンバ側の側面の上縁からこの側面に沿わせて垂下させ、次いで、この側面の下縁付近でカーテンエアバッグ本体部1Aの上部を上方に折り返して再度この側面に沿わせることにより、サイド垂下部1sを形成している。その後、カーテンエアバッグ本体部1Aのサイド垂下部1sよりも上端側(以下、このカーテンエアバッグ本体部1Aのサイド垂下部1sよりも上端側を該カーテンエアバッグ本体部1Aの最上部という。)を中間折畳体の上面側に折り重ねて蛇腹折り部分1zを形成し、ガス導入部1bをこの蛇腹折り部分1zから上方へ延出させることにより、最終折畳体としている。
このように、本体部1Aの折畳体の側面にサイド垂下部1sが2層に折り重なった状態で重ね合わされている。このサイド垂下部1s内にディフューザ4の筒状部4aが配置されている。即ち、この実施の形態では、筒状部4aは、中間折畳体の車体メンバ側に、計4層に折り重なった状態で配置されている。カーテンエアバッグ1の膨張時には、インフレータ3からディフューザ4にガスが導入されて該ディフューザ4が膨張したときに、この膨張したディフューザ4(筒状部4a)に押されて本体部1Aのロール折り部分1rが車室内側へ移動するようになる。
なお、この実施の形態では、カーテンエアバッグが折り畳まれた状態において、ディフューザ4の筒状部4aは、サイド垂下部1s内及び中間折畳体の上側の蛇腹折り部分1z内に配置されているが、筒状部4aの配置はこれに限定されるものではない。例えば、筒状部4aは、中間折畳体の蛇腹折り部分1z内やロール折り部分1r内にまで配置されていてもよい。あるいは、カーテンエアバッグ本体部1Aの折畳体の車体メンバ側に2層に折り重なったサイド垂下部1sのうちの1層の内側にのみ筒状部4aが配置されていてもよい。
この実施の形態では、カーテンエアバッグ本体部1Aの上部(ガス導入路8C)を該カーテンエアバッグ本体部1Aの中間折畳体の車体メンバ側に折り重ねてサイド垂下部1sを形成しているが、このカーテンエアバッグ本体部1Aの上縁から上方に延出したガス導入部1b及びガス流入部4bをさらにこのサイド垂下部1sの車体メンバ側に折り重ねるようにしてもよい。
このようにして折り畳んだカーテンエアバッグ1の折畳体を結束具2で結束し、保形する。この結束具2は、カーテンエアバッグ1が膨張するときには断裂するか又は結束を解く強度を有している。結束具2は、折畳体の長手方向に間隔をおいて複数個所に配置されている。
この実施の形態のようにカーテンエアバッグ本体部1Aをロール折りする場合、カーテンエアバッグ1の折畳体が車室の右側の側面に沿って配置される場合と、左側の側面に沿って配置される場合とでロールの向きを逆にすることが好ましい。特に、本発明では、カーテンエアバッグ本体部1Aをロール折りする場合、該カーテンエアバッグ本体部1Aのうち、展開完了時に車室側面に臨む面(車外側の面)をロールの中心側として、該カーテンエアバッグ本体部1Aをその下端側から上端側に向って(蛇腹折り部分1zとの境界部まで)ロール折りすることが好ましい。具体的には、以下の通りである。
この実施の形態では、カーテンエアバッグ1の折畳体は、第6図(a)の通り、車両の右側のルーフサイド部10に沿って配置されている。この場合、カーテンエアバッグ本体部1Aの下部は、第5図の通り、車両前方側から見て時計回りにロール折りされていることが好ましい。このように折り畳んだ場合、カーテンエアバッグ1が膨張し、カーテンエアバッグ本体部1Aのロール折り部分1rが車室内において展開するときには、このロール折り部分が車室の右側面に接近するように転がりながら下方へ展開するため、カーテンエアバッグ本体部1Aは、その直近の車室側面から過度に離反することなく、該車室側面に沿って下方に展開するようになる。なお、これとは逆に、カーテンエアバッグ1の折畳体が車両の左側のルーフサイド部10に沿って配置されるものである場合には、第7図の通り、カーテンエアバッグ本体部1Aの下部は、車両前方側から見て反時計回りにロール折りされていることが好ましい。なお、第7図の構成は、第6図(a)と左右が逆になっていること以外は、第6図(a)と同様である。
このカーテンエアバッグ装置を搭載した車両の車体は、第6図、第7図の通り、Aピラー(図示略)、センタピラーとしてのBピラー12、Cピラー(図示略)及びルーフサイド部10等を有している。Bピラー12にはBピラーガーニッシュ13が装着されている。この実施の形態では、ディフューザ4は、このBピラーガーニッシュ13の上端に対応する位置又はそれよりも上方に(即ち、Bピラーガーニッシュ13の上端面に重なるか、又は室内側から見て該上端面の上方に位置するように)配置されている。車体天井に沿ってルーフライニングの一部を構成するルーフサイドガーニッシュ11が設けられている。Bピラーガーニッシュ13の上端に対しルーフサイドガーニッシュ11の下縁が係合している。Bピラーガーニッシュ13の上端部の裏側には、Bピラーガーニッシュ13とBピラー12との間のスペースを塞ぐための蓋状カバー13aが設けられている。
このように構成されたカーテンエアバッグ装置の作動について次に説明する。
車両が側突又は横転した場合、インフレータ3がガス噴出作動し、ガスがカーテンエアバッグ1に供給され、カーテンエアバッグ1が膨張を開始する。この場合、インフレータ3からのガスはまずディフューザ4に流入してディフューザ4を膨張させる。これにより、カーテンエアバッグ本体部1Aの折畳体それ自身の膨張力とディフューザ4の膨張圧力とが重畳してルーフサイドガーニッシュ11の下縁を車室内方へ押圧する。そして、ルーフサイドガーニッシュ11の下縁は第6図(b)の矢印Bの如く車室内方へ開き出し、カーテンエアバッグ1がBピラーガーニッシュ13やサイドドアガラスに沿って矢印Aの如く下方に膨張展開する。なお、第6図(b)は、展開途中のカーテンエアバッグ1を概略的に示したものであり、カーテンエアバッグ本体部1Aの折り目(第6図(a)に示したような、蛇腹折りを示すジグザグ状の線や、ロール折りを示す渦巻状の線)は、図示が省略されている。
このカーテンエアバッグ装置にあっては、カーテンエアバッグ1の本体部1Aの折畳体とルーフサイド部10との間に、ディフューザ4の筒状部4aが層状に折り重なった状態で配置されているので、例えば前述の特許文献2のように単にカーテンエアバッグの上部が該カーテンエアバッグの折畳体とルーフサイド部10との間に配置されただけのものや、このカーテンエアバッグの上部内にディフューザが単層状にて(折り返された状態とされずに)配置されたものと比べて、膨張した筒状部4aによって強くカーテンエアバッグ本体部1Aの折畳体が室内側に押されると共に、このカーテンエアバッグ本体部1Aの折畳体の室内側への移動量も大きなものとなる。即ち、この実施の形態では、筒状部4aは2層に折り重なっているので、単層状に配置された場合の膨張厚みの約2倍分だけ本体部1Aの折畳体が室内側へ押圧移動されることになる。また、この実施の形態では、カーテンエアバッグ本体部1Aの中間折畳体の車体メンバ側にサイド垂下部1sが2層に重なっており、双方の層に跨って筒状部4aが配置されているので、筒状部4aは、計4層に折り重なった状態でこのカーテンエアバッグ本体部1Aの中間折畳体の車体メンバ側に配置されている。そのため、膨張した筒状部4aによって、より強力にカーテンエアバッグ本体部1Aの折畳体が室内側に押されると共に、このカーテンエアバッグ本体部1Aの折畳体の室内側への移動量も、より大きなものとなる。さらに、ルーフサイドガーニッシュ11の下縁も、より大きく押し開けられるようになる。カーテンエアバッグ1は、その後、膨張部8の全体が膨張し、ドアの窓部の全体を覆う位置まで下方へ膨張展開する。
このカーテンエアバッグ装置にあっては、筒状部4aを2層に折り重ねてカーテンエアバッグ本体部1A内に配置することにより、カーテンエアバッグ本体部1Aのうち、内部にこの筒状部4aが存在する部分、即ちカーテンエアバッグ1の折り畳み時に前記サイド垂下部1sとされる部分(この実施の形態では、ガス導入路8C)が、他の部分に比べて硬くなる(剛性が高くなる)。そのため、カーテンエアバッグ本体部1Aを折り畳む際に、この筒状部4aが存在する部分と他の部分との硬さの違いを感取することにより、カーテンエアバッグ本体部1Aのどの部分から折り方を変えてサイド垂下部1sを形成すべきか容易に判断することができる。これにより、カーテンエアバッグ本体部1Aを折り畳む際に容易にサイド垂下部1sを形成することが可能となり、カーテンエアバッグ1の折り畳み作業が容易化される。
このカーテンエアバッグ装置にあっては、インフレータ3からのガスは、ディフューザ4のガス流入部4bから筒状部4aに流入して前後に分流され、カーテンエアバッグ本体部1Aのガス導入路8Cを通って各膨張部8A,8Bに供給される。このカーテンエアバッグ装置にあっては、この筒状部4aがカーテンエアバッグ本体部1Aの折畳体と車体メンバとの間で膨張することにより、該折畳体が室内側へ押圧されるので、この筒状部4aのガス流通量や太さ、長さ等を調整することにより、膨張した筒状部4aによるカーテンエアバッグ本体部1Aの折畳体に対する室内側への押圧力や該折畳体の室内側への移動量を調整することができる。従って、このカーテンエアバッグ本体部1Aの折畳体に対する室内側への押圧力や該折畳体の室内側への移動量を調整するために、カーテンエアバッグ本体部1Aのガス導入路8Cのガス流通量やピラー部付近における流路径等を調整する必要がない。これにより、容易に、且つカーテンエアバッグ全体の展開に影響を及ぼすことなく、膨張した筒状部4aによるカーテンエアバッグ本体部1Aの折畳体に対する室内側への押圧力や該折畳体の室内側への移動量を調整することができる。
この実施の形態では、筒状部4aは、カーテンエアバッグ本体部1Aの上縁に沿って前後方向に延在したものとなっているので、カーテンエアバッグ1の折畳体を車両に取り付ける際の取付誤差にも対応可能となる。即ち、カーテンエアバッグ1の折畳体を車両に取り付ける際に、該折畳体の取付位置が車両前後方向に多少ずれても、この筒状部4aをBピラー12の上方においてカーテンエアバッグ本体部1Aの折畳体と車体メンバとの間に配置することができる。これにより、カーテンエアバッグ1の折畳体の取付位置に多少の誤差があっても、該カーテンエアバッグ1の膨張時に、膨張した筒状部4aによって確実にカーテンエアバッグ本体部1Aの折畳体を室内側に押圧することができる。この結果、カーテンエアバッグ1の折畳体を車両に取り付ける際の要求取付精度を緩和することも可能である。
上記の実施の形態では、筒状部4aは、上下方向の途中部から下端側が1回だけ車室側に折り返されているが、第8図のように2回以上折り返されてもよい。この場合、筒状部4aは、第8図のようにジグザグ状に折り返されてもよく、ロール状(図示略)に折り返されてもよい。また、図示は省略するが、筒状部4aの下端側は、車外側に折り返されてもよい。あるいは、第9図のように、筒状部4aの下端側において、該筒状部4aの車室側の面と車外側の面とを離反させ、これらをそれぞれ該車室側及び車外側に折り返すようにしてもよい。第9図では、筒状部4aの車室側の面を1回だけ該車室側に折り返し、車外側の面を1回だけ該車外側に折り返しているが、それぞれ2回以上折り返してもよい。これ以外の折り方により筒状部4aを折り重ねてもよい。
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態ではカーテンエアバッグ本体部1Aの下部をロール折りとし、中間部から上部側(以下、上部側と略す。)を蛇腹折りとしたが、これ以外の折り方としてもよい。ただし、カーテンエアバッグ本体部1Aの下部をロール折りとし、上部側を蛇腹折りとした場合、カーテンエアバッグ本体部1Aの膨張時における展開速度はロール折りよりも蛇腹折りの方が早いので、カーテンエアバッグ本体部1Aの折畳体がディフューザ4により室内側へ押圧移動されることと相俟って、カーテンエアバッグ本体部1Aを速やかに車室内に展開させることが可能となる。また、仮にカーテンエアバッグ1の折畳体の設置位置からBピラーガーニッシュ13の上端までの距離が大きい場合でも、カーテンエアバッグ本体部1Aの上部側の蛇腹折り部分の長さを調整することにより、カーテンエアバッグ本体部1Aの下部のロール折り部分を、速やかにBピラーガーニッシュ13の上端を乗り越えさせて車室内に展開させることが可能となる。
これについて、第10図を参照して詳しく説明する。第10図(a),(b)は、それぞれ、第6図(a),(b)と同様部分の断面図であり、第10図(a)は、カーテンエアバッグ1の膨張前の状態を示しており、第10図(b)は、カーテンエアバッグ1が膨張し、本体部1Aの上部の蛇腹折り部分が展開した状態を示している。なお、第10図(a),(b)においては、車体及びカーテンエアバッグ折畳体は概略的に図示されている。
カーテンエアバッグ本体部1Aの下部をロール折りとし、上部を蛇腹折りとする場合、該本体部1Aのうち、その上端から、カーテンエアバッグ1が膨張完了した状態においてBピラーガーニッシュ13の上端と同じ高さかそれよりも若干低い高さに位置する部分までを、蛇腹折りすることが好ましい。即ち、カーテンエアバッグ1の折畳体からBピラーガーニッシュ13の上端までの距離の長さに応じて、本体部1Aの上部の蛇腹折り部分1zの長さを調整することが好ましい。
例えば、第10図(a)では、Bピラーガーニッシュ13の高さが第6図(a)よりも低くなっており、ルーフサイドガーニッシュ11の側縁部は、第6図(a)よりも下方まで延在してBピラーガーニッシュ13の上端に係合している。即ち、第10図(a)においては、カーテンエアバッグ1の折畳体からBピラーガーニッシュ13の上端までの距離が第6図(a)よりも長くなっている。この場合、第6図(a)におけるBピラーガーニッシュ13の上端と第10図(a)におけるBピラーガーニッシュ13の上端との高さの差と同等かそれよりも若干大きな長さ分だけ、本体部1Aのうち蛇腹折りされる部分の上下方向の長さを第6図(a)よりも長くする。
カーテンエアバッグ1が膨張し、この本体部1Aの上部の蛇腹折り部分1z(第10図(a))が展開する場合、この蛇腹折り部分1zは、下端側に向って一方向に伸び出すように展開する。本発明では、膨張したディフューザ4によって本体部1Aが車室内側に押されてから、該本体部1Aの蛇腹折り部分1zが展開を開始するので、この蛇腹折り部分1zは、第10図(a)の矢印Aの通り、Bピラーガーニッシュ13の上端よりも車室内側に向って展開するようになる。この蛇腹折り部分1zの展開後の上下方向の長さは、カーテンエアバッグ1の折畳体からBピラーガーニッシュ13の上端までの距離と同等かそれよりも長くなっているので、この蛇腹折り部分1zの展開は、第10図(b)の通り、その下端(該蛇腹折り部分1zとロール折り部分1rの境界部)がBピラーガーニッシュ13の上端と同じ高さかそれよりも低い位置に達し、ロール折り部分1rが十分にBピラーガーニッシュ13の上端を乗り越えて車室内に押し出されるまで持続する。これにより、該蛇腹折り部分1zに引き続いてロール折り部分1rが展開するときに、このロール折り部分1rがBピラーガーニッシュ13と全く擦れ合わずに展開することができるか、又はこのロール折り部分1rがBピラーガーニッシュ13と擦れ合いながら展開する時間を短くすることができるので、カーテンエアバッグ1の全体の展開に要する時間を短縮し、カーテンエアバッグ1の展開を早期化することが可能である。
なお、仮に本体部1Aの蛇腹折り部分1zの展開後の上下方向の長さがカーテンエアバッグ1の折畳体からBピラーガーニッシュ13の上端までの距離よりも短い場合には、ロール折り部分1rが十分にBピラーガーニッシュ13の上端を乗り越えて車室内に押し出される前に、蛇腹折り部分1zの展開が終了し、このロール折り部分1rの展開が開始される。そのため、このロール折り部分1rは、Bピラーガーニッシュ13と擦れ合いながら車室内に展開することとなり、このロール折り部分1rとBピラーガーニッシュ13との間の摩擦抵抗により、このロール折り部分1rの展開が遅くなるおそれがある。その結果、カーテンエアバッグ1の全体の展開に要する時間が長くなり、カーテンエアバッグ1の展開が遅れるおそれがある。
上記実施の形態では、ディフューザ4はBピラーの上方に配置されているが、ディフューザ4の配置はこれに限定されない。また、上記実施の形態では、カーテンエアバッグ本体部1Aにディフューザ4が1個だけ配置されているが、ディフューザ4の個数もこれに限定されない。例えば、第11図(a)のカーテンエアバッグ1’のように、Cピラーの上方部にディフューザ4が配置されてもよい。第11図(b)のカーテンエアバッグ1’’のように、Aピラー上方部にディフューザ4が配置されてもよい。なお、第11図(b)では、ガス導入部1bは、カーテンエアバッグ本体部1Aの上辺部から上方かつ斜め前方に延出しているが、これとは逆に、該本体部1Aの上辺部から上方かつ斜め後方に延出していてもよい。ガス導入部1bがBピラー上方部やCピラー上方部など、他のピラーの上方部に配置されている場合にも、ガス導入部1bは、本体部1Aの上辺部から上方かつ斜め前方に延出していてもよい。第11図(c)のカーテンエアバッグ1’’’のように、ガス導入部1b及びディフューザ4は、Bピラーの上方部とCピラーの上方部など複数のピラーの上方部に設けられてもよい。図示は省略するが、Aピラー上方部と他のピラーの上方部とにガス導入部1b及びディフューザ4が設けられてもよい。3個以上のピラーの上方部にガス導入部1b及びディフューザ4が設けられてもよい。ガス導入部1b及びディフューザ4は、車体の構成に応じ、上記以外のピラーの上方に配置されてもよい。
本発明では、第12図のように、本体部1Aの折畳体の車体メンバ側の側面だけでなく下面にもディフューザ4を配置してもよい。なお、第12図はカーテンエアバッグ1の第5図と同様部分における断面図である。第12図では、本体部1Aの下部から中間部を細長い折畳体とした後、この折畳体の車体メンバ側の側面の上縁からカーテンエアバッグ本体部1Aの上部をこの側面に沿わせて垂下させ、次いで、カーテンエアバッグ本体部1Aの上部をこの側面から折畳体の下側に回り込ませて該折畳体の下面に沿わせ、次いで、折畳体の下面の室内側の端縁付近でカーテンエアバッグ本体部1Aの上部を車体メンバ側に折り返して再度折畳体の下面及び車体メンバ側の側面に沿わせ、そのまま上方に延出させている。このように本体部1Aの下部から中間部の折畳体の車体メンバ側の側面から下面にかけてカーテンエアバッグ本体部1Aの上部が折り重ねられることにより、カーテンエアバッグ1の膨張時には、インフレータ3からディフューザ4にガスが導入されて該ディフューザ4が膨張したときに、この膨張したディフューザ4がより強く本体部1Aの折畳体を車室内側へ押すようになる。なお、第12図では、カーテンエアバッグ本体部1Aの上部は、本体部1Aの折畳体の車体メンバ側の側面及び下面に連続して2層に折り重ねられているが、4層や6層など、2層よりも多い偶数層に折り重ねられてもよい。
あるいは、第13図のように、本体部1Aの折畳体の下面にはディフューザ4を配置しないようにカーテンエアバッグ1を折り畳んでもよい。即ち、第14図では、本体部1Aの下部から中間部を細長い折畳体とした後、この折畳体の車体メンバ側の側面の上縁からカーテンエアバッグ本体部1Aの上部をこの側面に沿わせて垂下させ、次いで、折畳体の該側面の下縁付近でカーテンエアバッグ本体部1Aの上部を上方に折り返して再度折畳体側面に沿わせ、そのまま上方に延出させている。このように折り畳むことにより、カーテンエアバッグ1の折り畳み作業が容易化される。
上記実施の形態では、インフレータをガス導入部に直結しているが、インフレータとガス導入部とをダクトを介して接続してもよい。
1,1’,1’’,1’’’ カーテンエアバッグ
1A カーテンエアバッグ本体部
1b ガス導入部
2 結束バンド
3 インフレータ
4 ディフューザ
4a 筒状部
4b ガス流入部
10 ルーフサイド部
11 ルーフサイドガーニッシュ
12 Bピラー
13 Bピラーガーニッシュ

Claims (5)

  1. 車体メンバとルーフライニングの側辺部との間のスペースに設置されるカーテンエアバッグの折畳体と、該カーテンエアバッグを膨張させるためのインフレータとを備え、
    該カーテンエアバッグは、下端側から上下方向の途中部まで折り畳まれて中間折畳体とされた後、該中間折畳体の車体メンバ側の側面に該カーテンエアバッグの上部が折り重ねられて最終折畳体とされているカーテンエアバッグ装置において、
    該カーテンエアバッグの該上部内に、膨張可能なディフューザが設置されており、インフレータからのガスが該ディフューザを経てカーテンエアバッグ内に導入されるよう構成されており、
    該ディフューザは、車体前後方向に延在する折り返し線に沿って車体メンバ側及び車室内側の一方又は双方に折り返されて少なくとも2層に折り重なった状態となって該カーテンエアバッグの該上部内に配置されていることを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  2. 請求項1において、前記カーテンエアバッグは、該カーテンエアバッグの上縁に沿って車体前後方向に延在するガス導入路と、該ガス導入路に連通した膨張部とを備えており、
    前記インフレータからのガスは、前記ディフューザを経て該ガス導入路に導入され、該ガス導入路を通って該膨出部に供給されるように構成されており、
    該ディフューザは、少なくとも一部が、少なくとも2層に折り重なった状態となって該ガス導入路内に配置されており、
    前記最終折畳体において、該ガス導入路が前記中間折畳体の車体メンバ側の側面に折り重ねられていることを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  3. 請求項2において、前記カーテンエアバッグは、カーテンエアバッグ本体部の上縁から上方へ延出したガス導入部を備え、該ガス導入部の下端が前記ガス導入路に連通しており、該ガス導入部に前記インフレータが接続されており、
    前記ディフューザは、車体前後方向に延在する筒状部と、該筒状部から上方に延出したガス流入部とを有し、該ガス流入部の下端が該筒状部に連通しており、
    該筒状部が、少なくとも2層に折り重なった状態となって該ガス導入路内に配置され、該ガス流入部が該ガス導入部内に配置されており、
    該インフレータからのガスは、該ガス流入部に流入し、該ガス流入部及び筒状部を経て該ガス導入路に導入されることを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  4. 請求項3において、前記ガス導入部は、前記カーテンエアバッグのうちピラーガーニッシュの上方に位置する部分に配置されており、
    前記最終折畳体において、前記ガス導入路の車体メンバ側にさらに該ガス導入部が折り重ねられていることを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項のカーテンエアバッグ装置のカーテンエアバッグ折畳体が車体メンバとルーフライニングの側辺部との間のスペースに配置され、前記ディフューザは、ピラーガーニッシュの上端に対応する位置又はそれよりも上方に配置されている車両。
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