JP2011241997A - 冷凍機の制御装置、冷凍機、冷凍機の制御方法、および冷凍機の制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】運転周波数可変の圧縮機1により冷媒が循環される冷凍サイクルを有する冷凍機を制御する、冷凍機の制御装置であって、圧縮機1の吐出圧力および吸込圧力を検出する圧力検出器PhおよびPlと、運転周波数を制御する調節計14と、必要冷媒流量を得るために必要な圧縮機1の必要周波数と圧縮機1の吐出圧力および吸込圧力との関係に関する情報が記憶される記憶手段とを備え、調節計14は、記憶手段に記憶された情報と、圧力検出器PhおよびPlにより検出された吐出圧力および吸込圧力とに基づき、必要周波数を求め、圧縮機1の運転周波数が必要周波数以上となるように制御する。
【選択図】図1
Description
一定速機の場合、運転周波数は商用周波数(50Hzまたは60Hz)により定まる一定回転数にて運転される。従って圧縮機によって吐出ガス量の調整を行う場合は後述のスライドバルブによるか、発停(100%−0%)によるしかない。スライドバルブとは圧縮機内蔵の容量調整弁であり、吐出ガスの一部を圧縮機構内部へ戻すことで、吐出量を連続的あるいは段階的に制御するものである。例えばスライドバルブ位置を変えることで(バイパス量を変えることで)、100%−60%−20%の容量制御を行うことができる。しかし、容量制御時は、吐出したガスを再度圧縮機内部へバイパスさせるため、部分負荷特性が悪くなってしまう。
また、上記特許文献2に記載の技術においては、チャタリング防止のために開閉弁を設けなければならず、機器構成の自由度を減じるだけでなく、可動部を有する部品の追加による信頼性低下、あるいは部品点数の増大によるコストアップ等が生じる、という問題点があった。
ここで「チャタリング」とは、冷凍サイクルを構成する機器の中の可動部がカタカタと揺動あるいは振動する現象をいう。また、異音の発生のみならず、可動部やそれと接触する部材が磨耗し製品寿命を低下させる要因となる現象をいう。
このため、チャタリングの発生を防止するために開閉弁等の余分な機器を追加設置することなく、チャタリングの発生を防止することができる。
(全体の構成)
図1は実施の形態1に係る冷凍機の全体構成図である。
図1において、運転周波数可変の圧縮機1は、インバータ13を介して回転数制御されるモータ10と、前記モータ10に接続された低段側圧縮機構11および高段側圧縮機構12とを有している。圧縮機1の低段側圧縮機構11および高段側圧縮機構12により圧縮されて高温・高圧となった冷媒ガスは、吐出配管に設けられた逆止弁15を経由して、冷媒から油を分離する油分離器2内を流動し凝縮器3へ至る。凝縮器3を流動する際に凝縮した冷媒液は中間冷却器4を通過して過冷却液となり、膨張弁5によって等エンタルピ的に膨張して気液二相流となり蒸発器6へ至る。蒸発器6を流動する際に蒸発して過熱ガスとなった冷媒は圧縮機1に吸い込まれ冷凍サイクルが完了する。このように冷凍機は、圧縮機1により冷媒が循環される冷凍サイクルを有している。
なお、図1では凝縮器3は水冷凝縮器を、また蒸発器6はファンコイル蒸発器を示しているが、構成はこれらに限定されるものではない。
なお、「圧力検出器Ph」および「圧力検出器Pl」は、本発明における「圧力検出手段」に相当する。
図1では、インバータ二次側電流とインバータ周波数をインバータ出力信号bにより検出する場合を示している。
なお、「調節計14」は、本発明における「制御手段」に相当する。
なお、「調節計14」、「記憶手段」、「圧力検出器Ph」および「圧力検出器Pl」により、本発明における「冷凍機の制御装置」を構成する。
図2においては、図1の冷凍機と同等機能を実現する別の構成を示している。
図2の例では、圧力検出器Phによって凝縮圧力(高圧圧力)を検知し、圧力検出器Plによって蒸発圧力(低圧圧力)を検知する構成としたものである。
なお、その他の構成は上記図1と同様であり同一部分には同一の符号を付する。
例えばコンデンシング・ユニットのように蒸発器6と主液の膨張弁5とを有さず、現地据付時に現地手配の蒸発器と冷媒配管によって接合されて冷凍サイクルが完結する冷凍機の場合には、圧力検出器Ph、Plの検出場所として図1に示す構成とするのが望ましい。なぜなら、蒸発器6から圧縮機吸込側までの配管長(圧損)を考慮しなくてよいからである。従って、現地手配である図1のB部との組合せによらず、本発明の制御動作をとることが可能である。
一方、例えばクーリング・ユニットのようにユニット内に圧縮機1、凝縮器3、膨張弁5、蒸発器6、その他付属機器を有し、それらが配管にて接続されてなる冷凍装置の場合には、図2の構成としてもよい。なぜなら、機器構成が変更されることはなく(配管長や弁類等が不変)、配管や弁類での圧損を加味すれば、図2の構成は図1の構成と等価であるとみなして良いからである。
図3は圧縮機の吐出風量(体積流量)を定性的に示す図である。
冷凍機の運転範囲は、冷媒サイクルの高圧圧力(凝縮圧力)と低圧圧力(蒸発圧力)とによって図3のように表現される。例えばコンデンシング・ユニットの場合には、ユニットとして蒸発器6を有しないため、高圧圧力と低圧圧力との代わりに圧縮機1の吸込圧力と吐出圧力とによって表現する。
前述したように、配管長による圧力降下や配管中に設置された弁類の圧力損失を考慮すれば、低圧圧力は吸込圧力に、高圧圧力は吐出圧力に等しいと考えてよいため、運転範囲は高圧圧力と低圧圧力で考えても、吐出圧力と吸込圧力で考えても等価である。
以下の説明では、吐出圧力、吸込圧力で統一する。
以下、このようなチャタリングの発生を防止する本実施の形態の動作について説明する。
上記のようなチャタリングの発生を防止するためには、運転範囲のどの領域においても、チャタリングを生じないための最小の冷媒流量(以下「必要冷媒流量」と称する。)以上の吐出量を確保すればよく、以下の(1)〜(4)にて実現できる。
(1)着目する機器(例えば逆止弁)がチャタリングを生じることのない、必要冷媒流量を求める(机上検討や実機確認)。
(2)各運転周波数において、必要冷媒流量を吐出可能な限界の運転ラインを求める(運転範囲上に直線や曲線にて表される等冷媒流量線)。
(3)上記(2)で求めた運転ラインを踏まえ、ユニット運転中に計測可能な物理量(圧力比や吸込圧力)によって運転範囲を区分し、前記区分された各領域と、各領域における必要周波数とを関連付ける。
(4)調節計14によりインバータ13を介して運転周波数を制御し、現在の運転領域における必要周波数以上の周波数でもって運転を継続する。
以下、着目する機器を逆止弁15として具体的に説明する。
机上検討もしくは実機確認により、着目する逆止弁15においてチャタリングが生じないための最小の冷媒循環量(体積流量)を求める(必要冷媒流量)。
ここで、机上検討によって必量冷媒流量を求めるには、例えば、逆止弁の種類、逆止弁の設置方向(鉛直、傾斜)、弁体の重量、逆止弁内における冷媒流動方向への弁体の投影面積等々を基に、弁体重量と弁体前後の差圧による力のつり合いを考えればよい。
バルブメーカーのカタログに最低開弁圧力が記載されていれば、それを用いて必要冷媒流量を求めればよい。また開弁となる最低流速(=最低冷媒流量)を計算する簡略式によってもよい。
インバータ制御を行う周波数範囲において、机上検討もしくは実機確認によって周波数毎に、必要冷媒流量を確保できる限界の運転条件(吐出圧力、吸込圧力)を求める。
限界の運転条件は、インバータ制御を行う周波数範囲すべて(1Hz毎)に対して求める必要はなく、数Hz刻み(例えば5〜10Hz毎)に求めればよい。
縦軸に吐出圧力、横軸に吸込圧力をとった冷凍機の運転範囲上に、上記で求めた限界の運転条件をプロットすると図4が得られる。ここに図4中の直線は、各運転周波数において冷媒循環量が必要冷媒流量と等しくなる運転状態(吐出圧力、吸込圧力)をプロットし直線近似したものである(当該周波数でのチャタリングを生じない限界の運転ラインであり、以下「等必要風量線」という。)。
つまり、図4の「等必要風量線」は、必要冷媒流量を得るために必要な圧縮機1の運転周波数(以下「必要周波数」と称する。)と、圧縮機1の吸込圧力および吐出圧力との関係を示している。
図5は圧力比による等必要風量線の近似の一例を示す図である。
さらに、図4中の等必要風量線を、吐出圧力(絶対圧:abs)/吸込圧力(絶対圧:abs)で定義される無次元数(圧力比PR)で図5に示すように近似する。
つまり、複数の必要周波数のそれぞれについて、必要冷媒流量が得られる圧縮機1の吸込圧力および吐出圧力との関係を圧力比PRで近似する。このように圧力比PRにより近似することで、運転中に検出している吐出圧力と吸込圧力とによって現在の運転領域を簡便に判断することが可能となる。
例えば図5に示すように、前記区分された各運転領域は、各運転周波数において必要冷媒流量を吐出可能な限界の運転ラインによって区分されるものであり、前記運転限界ラインを等圧力比線にて直線近似している。そして、近似した圧力比PRを示す等圧力比線が、対応する等必要風量線よりも右側(上記区分した範囲内)に位置するように、圧力比PRを決定する。
図7は圧力比の関数としての必要周波数(曲線近似)を示す図である。
上記図5での各周波数と、その周波数における運転限界、すなわち圧力比PRとの関係を図示すると図6、図7が得られる。
ここに、図6は圧力比PRと必要周波数とをステップ状に関連付けたものであり、厳密な制御を必要としない場合に用いるとよい。
一方、図7は必要周波数を圧力比の関数で曲線近似したもので、緻密な制御を必要とする場合に適用するとよい。
なお、記憶手段に記憶させる情報は、図6に示すように圧力比PRと必要周波数とをステップ状に関連付ける場合には、圧力比と必要周波数との関係を一対一に対応付けた対応表(テーブル)の情報としても良いし、図7に示すように必要周波数を圧力比の関数で曲線近似する場合には、当該関数(数式)の情報としても良い。さらに、必要周波数を圧力比の関数とする場合、図7に示すような曲線で近似しても良いし、またより簡易に直線で近似しても良い。
調節計14は、記憶手段に記憶された上記の情報と、圧力検出器Phおよび圧力検出器Plにより検出された吐出圧力および吸込圧力とに基づき必要周波数を求め、圧縮機1の運転周波数が必要周波数以上となるように制御する。このような制御の詳細を図8により説明する。
調節計14は、制御信号aによってインバータ13を制御して圧縮機1を起動して冷凍機の運転制御を開始する(S11)。これにより冷凍機を構成する冷凍サイクルに冷媒が循環されて冷凍機が稼働する。
調節計14は、冷凍機稼働中に圧縮機1の吐出圧力および吸込圧力を、それぞれ圧力検出器PhおよびPlにより検出する。また、インバータ13からの検出信号bから圧縮機1の運転周波数を取得する(S12)。
次に、調節計14は、圧力検出器Phおよび圧力検出器Plにより検出された吐出圧力および吸込圧力に基づき、圧力比PRを求める(S13)。
調節計14は、記憶手段に記憶された情報に基づき、当該圧力比PRに応じた必要周波数を求める(S14)。例えば、図6に示す関係により、圧力比と必要周波数との関係の対応表(テーブル)を記憶した場合には、ユニット稼働中に随時前記テーブルから必要周波数を読み取る。また例えば、図7に示す関係により、必要周波数を圧力比の関数(数式)とする場合、ユニット稼動中に随時前記数式を演算することにより必要周波数を求める。
現在の運転周波数が必要周波数よりも低くないと判断した場合には、上記ステップS12に戻り、上記ステップを繰り返す。
このような制御を行うことで、着目する逆止弁15のチャタリングの発生を防止できる。
このため、チャタリングの発生を防止するために開閉弁等の余分な機器を追加設置することなく、チャタリングの発生を防止することができる。
また、チャタリングが生じやすい低冷媒循環量となった場合でも、運転を継続することができるため、インバータ駆動機の特長である高い部分負荷特性を維持することが可能であり、ユニットを停止させないので、被冷却物の温度上昇も生じず、負荷追従性もよい。
よって、冷凍機の運転範囲の全領域において、チャタリングを引き起こすことなく連続運転が可能となり、不冷や負荷追従性の悪化を招くこともない。
また、既設冷凍機に対しても、前記冷凍機の制御プログラムを更新することで、機器構成を変更することなく、チャタリングを防止できる。
よって、逆止弁等の機器の構造変更や、配管取り回しの改善、あるいは特許文献2に示すような開閉弁を設ける必要はない。
このように圧力比PRにより近似することで、運転中に検出している吐出圧力と吸込圧力とによって現在の運転領域を簡便に判断することが可能となる。
また、上記のような必要周波数と圧縮比PRとの関係に基づき運転周波数を制御することで、運転中は運転範囲のどの領域においても、必要周波数以上の周波数に維持される。
このため、必要冷媒流量を確保してチャタリングを回避しつつ、冷凍機運転範囲の全範囲において連続運転が可能となる。
また、冷凍機を停止させないので、被冷却物の温度上昇を招くことはなく、また冷却熱負荷の変動にも即座に対応することができる。
このように圧力比の近似は、必要冷媒流量を確保可能なように余裕をみて設定することができる。
よって、運転中は運転範囲のどの領域においても、必要周波数以上の周波数に維持される。
このため、チャタリング現象が生じるような低冷媒循環量の運転状態の場合には、チャタリングを引き起こさない最低の冷媒循環量を確保可能な運転周波数にまでインバータにより増速する制御を行うことができ、チャタリング防止を図るためだけに余分な機器を追加設置することなく、インバータ駆動機の特長である周波数可変機能を利用して、チャタリングの発生を防止することができる。
(周波数減速禁止)
本実施の形態2においては、冷凍機稼働中の運転周波数が、必要周波数に所定値δを加えた周波数以下のとき、圧縮機1の運転周波数の減速を行わないように制御する。
なお、本実施の形態における冷凍機の構成および記憶手段の情報の内容は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
図9bは実施の形態2に係る減速禁止周波数帯を説明する図である。
以下、実施の形態1との相違点を中心に、図9aの各ステップに基づき、図9bを参照しつつ説明する。
現在の運転周波数が上記周波数以下でないと判断した場合には、上記ステップS22に戻り、上記ステップを繰り返す。
現在の運転周波数が当該周波数より大きくないと判断した場合、上記ステップS26に戻り、運転周波数の減速禁止を継続する。
一方、現在の運転周波数が当該周波数より大きいと判断した場合、上記ステップS22に戻り、上記ステップを繰り返す。
但し、「ステップS26〜ステップS27」のループ処理の実行中に運転周波数に変化があった場合(増速を受付けた場合)には、増速後の運転周波数を用いてステップS27の判断を行う。
このため、上記実施の形態1の効果に加え、必要周波数に所定値δを加えた周波数を僅かに下回る運転周波数から、さらに運転周波数が減少することを防止することができる。
また、必要周波数に所定値δを加えた周波数未満の運転周波数の場合に、周波数減速禁止(増速は受付)とすることで、チャタリングを回避しつつも連続運転が可能となる。
また、冷凍機を停止させないので、被冷却物の温度上昇を招くことはなく、また冷却熱負荷の変動にも即座に対応することができる。
例えば、ステップS26にて周波数減速禁止処理を行った後、ステップS22に戻って運転周波数、吐出圧力、吸込圧力を検出し、圧力比を演算した後(ステップS23)、必要周波数を演算して(ステップS24)、改めてステップS25で現在の運転周波数と再計算した必要周波数とを比較しても良い。この場合には、ステップS27の判断は行わず、ステップS26にて周波数減速禁止処理を行った後、ステップS22〜ステップS24を経てステップS25にて「NO」と判断された場合に、周波数減速禁止制御を解除する動作をとる。常に新しい運転周波数、吐出圧力、吸込圧力等を反映した制御ができるため、運転状態の変化に即座に対応可能な制御動作を実現できる(図示せず)。
また、ステップS26にて周波数減速禁止処理を行った後に「ステップS26〜ステップS27」のループ処理を実行する一方で、吐出圧力や吸込圧力、もしくは運転周波数に変化があれば必要周波数を再度演算して、ステップS25やステップS27の比較に用いる必要周波数や運転周波数を更新しても良い(図示せず)。この場合には、吐出圧力や吸込圧力、もしくは運転周波数に変化がある場合だけ必要周波数を再計算するため、計算の負荷を軽減し、且つ状況に即した運転を実現することができる。
(周波数減速禁止と周波数増速との組合せ)
本実施の形態3では、前述の実施の形態1の周波数増速制御と、実施の形態2の周波数減速禁止制御とを組み合わせた制御について説明する。
なお、本実施の形態における冷凍機の構成および記憶手段の情報の内容は、上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
図10bは実施の形態3に係る減速禁止周波数帯と増速周波数帯を説明する図である。
以下、実施の形態1および2との相違点を中心に、図10aの各ステップに基づき、図10bを参照しつつ説明する。
ステップS37では、上記実施の形態2(図9a)のステップS26と同様に、圧縮機1の運転周波数の減速を行わないようにする(上記実施の形態2で述べたように、周波数の増速は受付ける)。そして、ステップS35に戻り、上記ステップを繰り返す。このように、周波数減速禁止処理を行い、必要周波数未満での運転を回避する。
但し、「ステップS35〜ステップS36〜ステップS37」の周波数減速禁止処理を実施中に、運転周波数に変更があった場合(増速を受付けた場合)には、増速後の運転周波数を用いてステップS35やステップS36の判断を行う。
ここで、運転周波数の増速時は、増速後の運転周波数が、必要周波数以上かつ必要周波数+δ以下の範囲に入る程度の増速幅(増速率)とするのが望ましい。さすれば、頻繁な周波数の増減速を防止でき、かつ消費電力や冷却能力の増分を低く抑えつつ、チャタリングを防止できる。
このため、上記実施の形態1または2の効果に加え、頻繁な周波数の増減速を防止でき、かつ消費電力や冷却能力の増分を低く抑えつつ、チャタリングを防止できる。
また、冷凍機を停止させないので、被冷却物の温度上昇を招くことはなく、また冷却熱負荷の変動にも即座に対応することができる。
例えば、ステップS37にて周波数減速禁止処理を行った後、ステップS32に戻って運転周波数、吐出圧力、吸込圧力を検出し、圧力比を演算した後(ステップS33)、必要周波数を演算して(ステップS34)、改めてステップS35やステップS36で現在の運転周波数と再計算した必要周波数とを比較しても良い。この場合には、常に新しい運転周波数、吐出圧力、吸込圧力等を反映した制御ができるため、運転状態の変化に即座に対応可能な制御動作を実現できる(図示せず)。
また、ステップS37にて周波数減速禁止処理を行った後にステップS35に戻る処理の一方で、吐出圧力や吸込圧力、もしくは運転周波数に変化があれば必要周波数を再度演算して、ステップS35やステップS36の比較に用いる必要周波数や運転周波数を更新しても良い(図示せず)。この場合には、吐出圧力や吸込圧力、あるいは運転周波数に変化がある場合だけ必要周波数を再計算するため、計算の負荷を軽減し、且つ状況に即した運転を実現することができる。
(吸込圧力に基づくチャタリング防止制御)
以上で述べた実施の形態1〜3では、圧力比から必要周波数を求めたが、本実施の形態4では、吸込圧力のみによって必要周波数を求める形態について説明する。
なお、本実施の形態4における冷凍機の構成では、吐出圧力を検出する圧力検出器Phを備えない構成としても良い。その他の構成は上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
なお、「圧力検出器Pl」は、本発明における「圧力検出手段」に相当する。
図11に示すように、前述した図4中の等必要風量線を考慮し、等吸込圧力線が等必要風量線の右側に位置するように余裕をみて運転範囲を区分する。
すなわち、圧縮機1が運転可能な吸込圧力および吐出圧力の範囲を、複数の必要周波数のそれぞれについて、必要冷媒流量が得られる吸込圧力および吐出圧力の範囲に区分し、吐出圧力にかかわらず区分した範囲に含まれる吸込圧力の値を等吸込圧力線として設定する。
例えば図11に示すように、前記区分された各運転領域は、各運転周波数において必要冷媒流量を確保しうる限界の運転ラインを、吸込圧力(蒸発温度)のみにより表現したものである。
なお、ここでは、吸込圧力によって運転範囲を区分しているが、吸込圧力と等価である低圧圧力(蒸発圧力)によって区分してもよい。
図13は吸込圧力に応じた必要周波数(曲線近似)を示す図である。
上記図11での各周波数と、その周波数における運転限界、すなわち吸込圧力との関係を図示すると図12、図13が得られる。
ここに、図12は吸込圧力と必要周波数とをステップ状に関連付けたものであり、厳密な制御を必要としない場合に用いるとよい。
一方、図13は必要周波数を吸込圧力の関数として曲線近似したもので、緻密な制御を必要とする場合に用いるとよい。
なお、記憶手段に記憶させる情報は、図12に示すように吸込圧力と必要周波数とをステップ状に関連付ける場合には、吸込圧力と必要周波数との関係を一対一に対応付けた対応表(テーブル)の情報としても良いし、図13に示すように必要周波数を吸込圧力の関数で曲線近似する場合には、当該関数(数式)の情報としても良い。さらに、必要周波数を吸込圧力の関数とする場合、図13に示すような曲線で近似しても良いし、またより簡易に直線で近似しても良い。
図14においては、上記実施の形態3(図10a)のステップS32〜S34を、ステップS41およびS42に変更したものである。なお、図14において、上記実施の形態3と同一のステップには同一のステップ番号を付して説明を省略する。
なお、ここでは、実施の形態3(図10a)との変更部分を説明するが、本発明はこれに限るものではなく、実施の形態1(図8)のステップS12〜S14、または実施の形態2(図9a)のステップS22〜S24を、ステップS41およびS42に変更することも可能である。
以降の動作は、実施の形態3(図10a)と同様である。
このため、上記実施の形態1〜3の効果に加え、吸込圧力を検出する圧力検出器Plの検出信号と、運転周波数検出器の検出信号の2つの検出値から必要周波数を求めることができ、圧力比の演算を実行しないので、その分簡便にアルゴリズムを構築することが可能となり、制御実行時にも計算負荷が軽減される効果を奏する。
Claims (16)
- 運転周波数可変の圧縮機により冷媒が循環される冷凍サイクルを有する冷凍機を制御する、冷凍機の制御装置であって、
前記圧縮機の吸込圧力および吐出圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧縮機の運転周波数を制御する制御手段と、
前記冷凍サイクルを構成する機器のうち任意の機器がチャタリングを生じないための最小の冷媒流量(以下「必要冷媒流量」と称する。)を得るために必要な前記圧縮機の運転周波数(以下「必要周波数」と称する。)と、前記圧縮機の吸込圧力および吐出圧力との関係に関する情報が記憶される記憶手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記記憶手段に記憶された情報と、前記圧力検出手段により検出された前記吸込圧力および吐出圧力とに基づき、前記必要周波数を求め、前記圧縮機の運転周波数が前記必要周波数以上となるように制御する
ことを特徴とする冷凍機の制御装置。 - 前記記憶手段に記憶される、前記必要周波数と前記圧縮機の吸込圧力および吐出圧力との関係に関する情報は、
複数の必要周波数のそれぞれについて、前記必要冷媒流量が得られる前記圧縮機の吸込圧力および吐出圧力との関係を圧力比で近似したものである
ことを特徴とする請求項1記載の冷凍機の制御装置。 - 前記記憶手段に記憶される、前記必要周波数と前記圧縮機の吸込圧力および吐出圧力との関係に関する情報は、
前記圧縮機が運転可能な吸込圧力および吐出圧力の範囲を、複数の必要周波数のそれぞれについて、前記必要冷媒流量が得られる吸込圧力および吐出圧力の範囲に区分し、該範囲に含まれる吸込圧力と吐出圧力との割合である圧力比と、対応する前記必要周波数との関係の情報である
ことを特徴とする請求項1または2記載の冷凍機の制御装置。 - 運転周波数可変の圧縮機により冷媒が循環される冷凍サイクルを有する冷凍機を制御する、冷凍機の制御装置であって、
前記圧縮機の吸込圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧縮機の運転周波数を制御する制御手段と、
前記冷凍サイクルを構成する機器のうち任意の機器がチャタリングを生じないための最小の冷媒流量(以下「必要冷媒流量」と称する。)を得るために必要な前記圧縮機の運転周波数(以下「必要周波数」と称する。)と、前記圧縮機の吸込圧力との関係に関する情報が記憶される記憶手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記記憶手段に記憶された情報と、前記圧力検出手段により検出された前記吸込圧力とに基づき、前記必要周波数を求め、前記圧縮機の運転周波数が前記必要周波数以上となるように制御する
ことを特徴とする冷凍機の制御装置。 - 前記記憶手段に記憶される、前記必要周波数と、前記圧縮機の吸込圧力との関係に関する情報は、
前記圧縮機が運転可能な吸込圧力および吐出圧力の範囲を、複数の必要周波数のそれぞれについて、前記必要冷媒流量が得られる吸込圧力および吐出圧力の範囲に区分し、前記吐出圧力にかかわらず前記区分した範囲に含まれる吸込圧力の値と、対応する前記必要周波数との関係の情報である
ことを特徴とする請求項4記載の冷凍機の制御装置。 - 前記制御手段は、
前記圧力検出手段により検出された前記吸込圧力および吐出圧力に基づき、前記圧力比を求め、
前記記憶手段に記憶された情報に基づき、当該圧力比に応じた前記必要周波数を求める
ことを特徴とする請求項2または3記載の冷凍機の制御装置。 - 前記制御手段は、
前記記憶手段に記憶された情報に基づき、前記圧力検出手段により検出された吸込圧力に応じた前記必要周波数を求める
ことを特徴とする請求項4または5記載の冷凍機の制御装置。 - 前記制御手段は、
現在の運転周波数が前記必要周波数より低いとき、前記圧縮機の運転周波数を増速させる
ことを特徴とする請求項6または7記載の冷凍機の制御装置。 - 前記制御手段は、
現在の運転周波数が、前記必要周波数に所定値を加えた周波数以下のとき、前記圧縮機の運転周波数の減速を行わない
ことを特徴とする請求項6または7記載の冷凍機の制御装置。 - 前記制御手段は、
現在の運転周波数が、前記必要周波数に所定値を加えた周波数以下のとき、前記圧縮機の運転周波数の減速を行わないようにし、
現在の運転周波数が前記必要周波数より低いとき、前記圧縮機の運転周波数を増速させる
ことを特徴とする請求項6または7記載の冷凍機の制御装置。 - 前記必要冷媒量を得る任意の機器は、その内部に前記冷媒が流動する機器である
ことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の冷凍機の制御装置。 - 前記必要冷媒量を得る任意の機器は、逆止弁である
ことを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の冷凍機の制御装置。 - 請求項1〜12の何れか1項に記載の冷凍機の制御装置を備えた
ことを特徴とする冷凍機。 - 運転周波数可変の圧縮機により冷媒が循環される冷凍サイクルを有する冷凍機を制御する、冷凍機の制御方法であって、
前記冷凍サイクルを構成する機器のうち任意の機器がチャタリングを生じないための最小の冷媒流量(以下「必要冷媒流量」と称する。)を得るために必要な前記圧縮機の運転周波数(以下「必要周波数」と称する。)と、前記圧縮機の吸込圧力および吐出圧力との関係に関する情報を取得するステップと、
前記圧縮機の吸込圧力および吐出圧力を検出するステップと、
取得された前記情報と、検出された前記吸込圧力および吐出圧力とに基づき、前記必要周波数を求めるステップと、
該必要周波数以上となるように前記圧縮機の運転周波数を制御するステップと
を有することを特徴とする冷凍機の制御方法。 - 運転周波数可変の圧縮機により冷媒が循環される冷凍サイクルを有する冷凍機を制御する、冷凍機の制御方法であって、
前記冷凍サイクルを構成する機器のうち任意の機器がチャタリングを生じないための最小の冷媒流量(以下「必要冷媒流量」と称する。)を得るために必要な前記圧縮機の運転周波数(以下「必要周波数」と称する。)と、前記圧縮機の吸込圧力との関係に関する情報を取得するステップと、
前記圧縮機の吸込圧力を検出するステップと、
取得された前記情報と、検出された前記吸込圧力とに基づき、前記必要周波数を求めるステップと、
該必要周波数以上となるように前記圧縮機の運転周波数を制御するステップと
を有することを特徴とする冷凍機の制御方法。 - 請求項14または15記載の冷凍機の制御方法をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする冷凍機の制御プログラム。
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JPS59186493U (ja) * | 1983-05-30 | 1984-12-11 | 株式会社東芝 | 冷凍装置 |
JP2001165073A (ja) * | 1999-12-06 | 2001-06-19 | Daikin Ind Ltd | スクロール圧縮機および空気調和機 |
JP2008002740A (ja) * | 2006-06-21 | 2008-01-10 | Daikin Ind Ltd | 空調機 |
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