JP2013167386A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】二段圧縮機11と、インタークーラ38と、ガスクーラ46と、ガスクーラ46に接続される中間熱交換器80と、ガスクーラ46から中間熱交換器80を経てショーケースユニット5A,5Bに至る高圧側冷媒流路を流れる冷媒を回収可能に設けられた冷媒量調整タンク100とを備え、中間熱交換器80は、ガスクーラ46からの冷媒と、高圧側冷媒流路から分流して膨張弁83により減圧させた冷媒との熱交換を行い、膨張弁83を経て中間熱交換器80で熱交換された冷媒が二段圧縮機11の二段目の高段側吸込口26に流入されるとともに、膨張弁83から中間熱交換器80に向かう冷媒の流路と冷媒量調整タンク100の下部とを接続する第1連通路95と、第1連通路95に設けられ、絞り機能を有する第1弁装置96とを備えている。
【選択図】図1
Description
また、ガスクーラから吐出された冷媒は、2つに分流され、一方の冷媒は、中間熱交換器に流入され、他方の冷媒は、膨張弁で減圧されたのち、中間熱交換器に流入される。中間熱交換器に流入された2つの冷媒は、互いの間で熱交換を行い、一方の冷媒が、蒸発器側に流れ、他方の冷媒が、中間圧領域の冷媒に合流するようになっている。蒸発器側に流れる冷媒は、十分に冷却されるため、冷凍装置の冷却効率の改善が図られていた。
図1は本発明の実施形態に係る冷凍装置の冷媒回路図、図2は制御装置の構成を説明するブロック図である。
図1において、本実施形態における冷凍装置Rは、冷凍機ユニット3と、冷却対象機器としての2つのショーケースユニット5A,5Bと、制御装置Cとを備え、冷凍機ユニット3と各ショーケースユニット5A,5Bとが、冷媒配管7及び9により連結されて所定の冷媒回路1が構成される。
この冷媒回路1によりなされる冷凍サイクルは、高圧側の冷媒圧力(高圧圧力)がその臨界圧力以上(超臨界)となる二酸化炭素を冷媒として用いる。この二酸化炭素冷媒は、地球環境に優しく、可燃性及び毒性等を考慮した自然冷媒である。
密閉容器12には、第1回転圧縮要素18の冷媒吸込部となる低段側吸込口22と、第1回転圧縮要素18の冷媒吐出部となる低段側吐出口24とが形成されている。さらに、密閉容器12には、第2回転圧縮要素20の冷媒吸込部となる高段側吸込口26と、第2回転圧縮要素20の冷媒吐出部となる高段側吐出口28とが形成されている。
各二段圧縮機11,11の低段側吸込口22,22には、それぞれ冷媒導入管30が接続され、それぞれの上流側で合流して冷媒配管9に接続される。
高段側吸込口26から第2回転圧縮要素20に吸い込まれた中圧(MP)の冷媒ガスは、当該第2回転圧縮要素20により2段目の圧縮が行われて高温高圧(HP:通常運転状態で12MPa程の超臨界圧力)の冷媒ガスとなる。
ここで、中間熱交換器80は、第1流路80A及び第2流路80Bを有し、詳細は後述のスプリットサイクルを構成している。第1流路80Aの一端(入口)は、高圧側配管43を介してガスクーラ46の出口に接続される。さらに、第1流路80Aの他端(出口)が、冷媒配管7を介してショーケースユニット5A,5Bに接続される。第2流路80Bは、後述するように、一端(入口)が、一端をガスクーラ46の出口に接続された第1スプリット配管88の他端に接続されると共に、他端(出口)が、二段圧縮機11の二段目の冷媒吸込部となる高段側吸込口26に接続される。
また、高段側吐出口28,28には、第2回転圧縮要素20,20から吐出された冷媒の圧力を検出する高圧圧力センサ(高圧圧力検出手段)48と、吐出冷媒温度を検出する吐出温度センサ(吐出温度検出手段)50とが設けられている。さらに、高段側吐出口28からガスクーラ46(オイルセパレータ44)に向かう方向を順方向とする逆止弁90が設けられている。
次に、本実施形態における冷凍装置Rのスプリットサイクルについて説明する。
スプリットサイクルは、高圧側冷媒流路から分流して膨張弁83により減圧させた冷媒に、後述の冷媒量調整タンク100からの冷媒を合流させた冷媒と、ガスクーラ46からの冷媒とを熱交換させるサイクルである。高圧側冷媒流路は、ガスクーラ46から中間熱交換器80を介してショーケースユニット5A,5Bの蒸発器63に至る冷媒流路である。
ガスクーラ46の出口と中間熱交換器80とを接続する高圧側配管43には、分流器82が設けられている。分流器82には、高圧側配管43から中間熱交換器80の第2流路80Bの一端に至る第1スプリット流路を構成する第1スプリット配管88が接続されている。第1スプリット流路には、ストレーナ87及び膨張弁83が順に設けられている。分流器82によって、ガスクーラ46の出口からの冷媒流は、中間熱交換器80の第1流路80Aに向かうものと、第1スプリット配管88を介して第2流路80Bに向かうものとに分流される。
また、冷媒回路1の超臨界圧力となる高圧側冷媒流路には、高圧冷媒を回収可能に設けられた冷媒量調整タンク100が接続されている。本実施形態では、冷媒量調整タンク100は、第1流路80Aの下流側で、高圧側冷媒流路を構成する冷媒配管7に接続されている。冷媒回路1の高圧側から冷媒量調整タンク100に回収された冷媒は、冷媒量調整タンク100の下部にたまる。冷媒の回収動作についての詳細は後述する。
このため、中間熱交換器80では、第1流路80Aを流れる冷媒と、第2流路80Bを流れる冷媒との間で熱交換が行われる際、第1流路80Aの冷媒が第2流路80Bの冷媒により十分に冷やされる。逆に、第2流路80Bの冷媒は、暖められて蒸発作用を受ける。
また、第2流路80Bの他端は、第2スプリット配管89を介して中間圧吸入管40に接続される。即ち、第2流路80Bは、インタークーラ38から高段側吸込口26(二段圧縮機11の二段目の冷媒吸込部)に戻る冷媒流路に合流する。このため、インタークーラ38における圧力損失を防止しつつ、円滑に中間熱交換器80から出た冷媒流を冷媒主回路の中間圧側に合流させることが可能となる。
低圧圧力センサ32は、冷媒回路1の低圧側、本実施形態では、各蒸発器63,63の下流側であって、二段圧縮機11,11の低段側吸込口22,22に接続される冷媒配管9に設けられ、当該冷媒導入管30に向かう冷媒の圧力を検出する。中間圧圧力センサ49は、冷媒回路1の中間圧領域の冷媒圧力を検出する。中間圧領域は、第1回転圧縮要素18から吐出されて、第2回転圧縮要素20に吸い込まれるまでの領域と、及び当該領域の冷媒の圧力と同等とみなせる圧力の冷媒流路を指す。本実施形態では、スプリットサイクルにおいて、中間熱交換器80の第2流路80Bを経た後の冷媒圧力を中間圧圧力センサ49により検出する。
また、上記制御装置Cには、当該スプリットサイクルを構成する膨張弁83が接続されている。膨張弁83は、制御装置Cによる制御の下、ステップモータによって開度を調整される。
以下、膨張弁83の開度制御について詳述する。膨張弁83の開度は、二段圧縮機11の運転開始時点では、所定の初期弁開度となるように制御される。その後、制御装置Cは、以下の第1の制御量、第2の制御量、第3の制御量に基づき膨張弁83の弁開度を増大させる操作量を決定する。
第1の制御量(DTcont)は、二段圧縮機11の吐出冷媒温度DTに基づいて得られる。制御装置Cは、吐出温度センサ50にて検出される温度DTが所定値DT0より高いか否かを判断し、当該吐出冷媒温度DTが所定値DT0より高い場合には、膨張弁83の開度を増大させる。当該所定値DT0は、二段圧縮機11の適正な運転を実現可能とする限界温度(一例として+100℃)より少し低い温度(一例として+95℃)とし、温度が上昇した場合、膨張弁83の開度を増大させることで、当該二段圧縮機11の温度上昇を抑制し、二段圧縮機11が限界温度に達しないような制御を行う。
尚、適正中間圧力値は、検出された高圧側圧力HPと、低圧側圧力LPとの相乗平均から算出してもよく、これ以外に、予め高圧側圧力HPと低圧側圧力LPとから適正な中間圧力値を実験的に取得し、これに基づいて構築されるデータテーブルから決定しても良い。
制御装置Cは、上述した如く得られた3つの制御量、即ち、第1の制御量(DTcont)と、第2の制御量(MPcont)と、第3の制御量(SPcont)とを合算して、膨張弁83の弁開度の操作量を決定し、これに基づき弁開度を増大させる。
即ち、制御装置Cは、ユニット出口温度センサ54により検出される中間熱交換器80の第1流路80Aを経た冷媒流の温度LTが所定値より低いか否かを判断する。当該所定値は一例として0℃とする。これにより、ユニット出口温度が0℃以下である場合には、膨張弁83の開度を縮小させる方向に操作することで、第1流路80Aを流れる冷媒が、過剰に冷却されてしまう不都合を解消できる。
また、制御装置Cは、吐出温度センサ50にて検出される温度DTと、ガスクーラ出口温度センサ52により検出されるガスクーラ46を経た冷媒の温度GCTとの差(DTGCT)が所定値TDTより低いか否かを判断し、低い場合には、膨張弁83の開度を縮小させる方向に制御する。
制御装置Cは、中間熱交換器80の第1流路80Aを経た冷媒流の温度LTが所定値(0℃)以下である場合、又は、二段圧縮機11からの吐出冷媒温度DTとガスクーラ46を経た冷媒の温度GCTとの差が所定値TDTより低い場合、膨張弁83の弁開度の操作量を決定し、上記弁開度増大制御にかかわらず、これに基づき弁開度を縮小させる。これにより、中間圧領域での液バックが進行することが防止される。
冷媒量調整タンク100から放出される冷媒は、確実に中間熱交換器80により暖められて、冷媒回路1の中間圧領域に戻される。即ち、暖められた冷媒は、インタークーラ38から二段圧縮機11の高段側吸込口26に至る冷媒流路に合流して、高段側吸込口26から第2回転圧縮要素20内に流入される。
また、第2流路80Bから流出される冷媒は、第2回転圧縮要素20に戻す構成であるので、二段圧縮機11の低段側吸込口22から第1回転圧縮要素18(低圧部)に吸い込まれる冷媒の量が減少し、低圧から中間圧まで圧縮するための第1回転圧縮要素18における圧縮仕事量が減少する。その結果、二段圧縮機11における圧縮動力が低下して成績係数が向上する。
冷媒量調整タンク100から放出される冷媒は、中間熱交換器80を介して二段圧縮機11の第2回転圧縮要素20に戻すようにしたので、二段圧縮機11の第2回転圧縮要素20から吐出される冷媒の温度が、低くなりすぎることが回避される。即ち、冷媒量調整タンク100の冷媒の放出に起因して、温度DT−GCTが所定値TDTより低くなることが回避される。
また、第1の制御量によって吐出冷媒の温度DTを所定値DT0以下に保つことができ、第2の制御量によって、冷媒回路1の中間圧力MPを適正化でき、これによって、低圧側圧力LP、中間圧力MP、高圧側圧力HPの圧力差を適正に保つことができる。また、第3の制御量によって中間熱交換器80の第1流路80Aを経た冷媒の温度LTを低くし、冷凍効果を保つことができる。これらにより、総じて冷凍装置Rの高効率化と安定化を達成することが可能となる。
これにより、高圧側圧力HPが飽和領域にある場合であっても中間熱交換器80における過熱度を確実に確保することができ、二段圧縮機11に液バックが生じる不都合を回避することができる。また、高圧側圧力HPが超臨界領域にある場合には、このような液バックが生じないため、効率を優先した設定とすることができる。
次に、本実施形態における冷凍装置Rの冷媒回路1の冷媒量調整制御について説明する。前述したように、冷媒量調整タンク100は、第2連通路101を介して冷媒配管7に接続されている。当該冷媒量調整タンク100は、所定の容積を有するものであり、当該タンク100上部に第2連通路101が接続されている。この第2連通路101には、絞り機能を有する第2弁装置としての電動式の回収膨張弁102が介設されている。尚、第2弁装置は、これに限定されるものではなく、例えばキャピラリーチューブと電磁弁(開閉手段)により構成しても良い。
以下、冷媒回路1の冷媒回収動作について説明する。制御装置Cは、ユニット出口側圧力センサ58の検出圧力が所定の回収閾値を超えたか否か、又は、当該ユニット出口側圧力センサ58の検出圧力が先の回収閾値よりも低い所定の回収保護値を超え、且つ、上記ガスクーラ用送風機47の回転数が最大値となっているか否かを判断する。
本実施形態では、冷媒回路1の中間圧(MP)は、一例として8MPa程を適正値としているため、当該値を回収保護値として設定し、回収閾値は、例えば、9MPa程度に設定する。また、ガスクーラ用送風機47の回転数の最大値は、一例として800rpmとする。また、ガスクーラ用送風機47の回転数が最大値となってから所定時間経過することを条件としても良い。
これにより、制御装置Cは、ユニット出口側圧力センサ58の検出圧力が回収閾値である9MPaを超えた場合、若しくは、検出圧力が回収閾値以下であっても回収保護値である8MPaを超え、且つ、上記ガスクーラ用送風機47の回転数が最大値の800rpmとなっている場合には、冷媒回路1内に、過剰のガス冷媒が循環することによって、高圧側圧力が異常上昇したものと判断し、冷媒回収動作を実行する。
このとき、電磁弁104が開放されていることにより、第3連通路103を介して、冷媒量調整タンク100内の圧力を当該タンク外に逃がすことができる。そのため、外気温度が高くなった場合など、冷媒回路1内の冷媒が、液化しないガスサイクル運転している場合であっても、冷媒量調整タンク100内の圧力が低下するので、当該タンク内に流入した冷媒は液化して当該タンク100内に溜まる。即ち、冷媒量調整タンク100内の圧力は超臨界圧力以下に降下することによって、冷媒がガス領域から飽和領域となり、液面を確保することができる。
特に、冷媒量調整タンク100の上部と冷媒回路1の中間圧領域とを第3連通路103を介して連通させることにより、冷媒回路1の低圧側領域と連通させる場合と異なり、低圧側圧力が上昇されることによる冷却効率の低下を回避することが可能となる。
一方、制御装置Cは、ユニット出口側圧力センサ58により検出された高圧側の圧力が回収保護値、本実施形態では、8MPa以下となったか否かを判断し、回収保護値を下回った場合、冷媒回収動作を終了して冷媒保持動作に移行する。この冷媒保持動作では、制御装置Cは、電磁弁97を閉じた状態を維持し、電磁弁104を閉じ、回収膨張弁102の開度を、先ほどの冷媒回収動作における開度に維持する。
また、制御装置Cは、当該冷媒保持動作における回収膨張弁102の開度を、冷媒回収動作における開度よりも小さくすることにより、冷媒保持動作において、冷媒量調整タンク100内に冷媒回路1内の冷媒が過剰に回収されることにより、冷媒回路1内の冷媒不足が生じてしまう不都合を効果的に解消することが可能となる。
そして、制御装置Cは、ユニット出口側圧力センサ58の検出圧力が上記回収保護値(この場合8MPa程)より低い所定の放出閾値(本実施形態では、7MPa程)を下回った場合、又は、当該ユニット出口側圧力センサ58の検出圧力が先の回収保護値以下となり、且つ、上記ガスクーラ用送風機47の回転数が最大値よりも低い所定の規定値以下となっているか否かを判断する。なお、当該所定の規定値とは、本実施形態では、一例として最大値の3/8程度、即ち、最高値800rpmとした場合、300rpm程度とする。また、ガスクーラ用送風機47の回転数が所定の規定値以下となってから所定時間経過することを条件としても良い。
これにより、制御装置Cは、ユニット出口側圧力センサ58の検出圧力が放出閾値である7MPaを下回った場合、若しくは、検出圧力が回収保護値である8MPa以下となり、且つ、上記ガスクーラ用送風機47の回転数が所定の規定値(ここでは300rpm)以下となっている場合には、冷媒回路1内の冷媒が不足してきたものと判断し、冷媒放出動作を実行する。
その後、制御装置Cは、ユニット出口側圧力センサ58により検出された高圧側の圧力が回収保護値、本実施形態では、8MPa以上となったか否かを判断し、回収保護値を超えた場合、冷媒放出動作を終了して上述した如き冷媒保持動作に移行する。以後、冷媒回路1の高圧側圧力に基づき、当該冷媒回収動作−冷媒保持動作―冷媒放出動作―冷媒保持動作を繰り返して実行することにより、高圧側圧力に基づいて冷媒回収・放出を制御でき、的確に高圧保護及び過負荷運転の防止することができる。これにより、冷凍装置の冷却能力を確保することができ、COPの適正化を図ることが可能となる。
また、この場合において、二段圧縮機11(圧縮手段)は、密閉容器12内に第1回転圧縮要素18及び第2回転圧縮要素20と、電動要素とを組み込んだ二段圧縮式ロータリコンプレッサを採用しているが、このほかにも、2台の単段のロータリコンプレッサ、又は、その他の形式のコンプレッサで中間圧部から冷媒を取り出し、導入できる形式のものであってもよいものとする。
次に、上述した如きガスクーラ46を空冷するガスクーラ用送風機47の制御について説明する。制御装置Cは、図2に示すように、高圧圧力センサ(高圧圧力検出手段)48,48と、低圧圧力センサ32と、外気温度センサ56が接続されている。ここで、低圧圧力センサ32にて検出される圧力と、蒸発器63,63における蒸発温度TEとは、一定の関係を有するため、制御装置Cは、当該低圧圧力センサ32に検出された圧力により、蒸発器63,63における冷媒の蒸発温度TEを換算して取得する。また、制御装置Cには、ガスクーラ46を空冷するガスクーラ用送風機47が接続されている。
制御装置Cは、高圧圧力センサ48により検出される高圧側圧力HPが所定の目標値(目標高圧:THP)となるように、ガスクーラ用送風機47の回転数を制御する。ここで、目標高圧THPは、外気温度TA及び蒸発器63,63における冷媒の蒸発温度TEから決定する。
本実施形態では、一例として、外気温度センサ56により検出される外気温度TAが下限温度(例えば0℃)以下である場合、目標高圧THPは、所定の下限値THPLで一定とする。また、外気温度TAが30℃より高い所定温度(上限温度)以上で目標高圧THPは、所定の上限値THPHで一定とする。そして、外気温度TAが下限温度より高く上限温度より低い場合には、以下の如く目標高圧THPを求める。
尚、本実施形態では、制御装置Cは目標高圧THPを外気温度TAと、蒸発温度TEとから演算式を用いて算出しているが、これに限定されるものではなく、予め外気温度TA及び蒸発温度TEとから取得されたデータテーブルに基づき、目標高圧THPを取得しても良い。
二段圧縮機11には、潤滑油としてのオイルが、用いられている。オイルは、例えば鉱物油(ミネラルオイル)、アルキルベンゼン油、エーテル油、エステル油、PAG(ポリアルキルグリコール)等、既存のものが使用される。
上述した如く、二段圧縮機11の高段側吐出口28とガスクーラ46とを接続する高圧側配管42には、オイルセパレータ44が介設されている。このオイルセパレータ44には、捕捉したオイルを二段圧縮機11に戻すオイル戻し回路73が接続されている。このオイル戻し回路73中には、捕捉したオイルを冷却するオイルクーラ74が設けられている。
尚、本実施形態のように冷媒として二酸化炭素を使用した場合には、上述した如き制御を行うことで、オイルを円滑に二段圧縮機11に戻すことができると共に、冷凍能力を効果的に改善でき、性能の向上を図ることができる。
次に、二段圧縮機11の始動性改善制御について説明する。図2に示すように、冷凍装置Rのインタークーラ38の出口側の冷媒回路1の中間圧領域、本実施形態では、当該インタークーラ38の出口側に接続される第3連通路103又は第1連通路95と、冷媒回路1の低圧側、本実施形態では、蒸発器63,63の冷媒出口側とを連通するバイパス回路84が設けられている。このバイパス回路84には、電磁弁(弁装置)85が介設されている。そして、制御装置Cは、図2に示すように二段圧縮機11,11及び電磁弁85が接続されている。制御装置Cには、二段圧縮機11の運転周波数を検出(取得)可能とする。
高段側吸込口26から第2回転圧縮要素20の中圧部に吸い込まれた中圧の冷媒ガスは、第2回転圧縮要素20により2段目の圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなり、高段側吐出口28から高圧側配管42に吐出される。高段側吐出口28からガスクーラ46、排熱回収熱交換器70、中間熱交換器80、冷媒配管7及びショーケースユニット5A,5Bの冷却機器側膨張弁62,62までの領域が、冷媒回路1の高圧側とされる。
上記二段圧縮機11の運転が停止した後、二段圧縮機11を再始動する際には、制御装置Cは、二段圧縮機11の起動から所定の運転周波数に上昇するまでの間、電磁弁85を開放してバイパス回路84の流路を開放する。当該所定の運転周波数とは、二段圧縮機11が実効的なトルク制御が可能となる運転周波数であり、本実施形態では、一例として35Hzとする。
これにより、二段圧縮機11が、停止状態から起動され、当該所定の運転周波数に上昇するまでの間、電磁弁85が開放されることにより、低段側吐出口24から中間圧吐出配管36に吐出され、インタークーラ38を経た後の中間圧領域の冷媒は、バイパス回路84を介して、冷媒回路1の低圧側領域に流入する。これにより、冷媒回路1の中間圧領域と低圧側領域との圧力が均圧される。
そのため、二段圧縮機11の始動時におけるトルク不足が生じている間に、中間圧領域の圧力と高圧領域の圧力とが接近してしまうことによる始動不良を未然に回避することができ、安定した、且つ、高効率な運転を実現することができる。尚、制御装置Cは、検出される二段圧縮機11の運転周波数が所定の運転周波数に上昇した後は、電磁弁85を閉鎖し、バイパス回路84の流路を閉塞することで、上述したような通常の冷凍サイクルを行う。
また、本実施形態における各二段圧縮機11,11の高圧側配管42には、逆止弁90が設けられている。逆止弁90は、二段圧縮機11からガスクーラ46に向かう方向を順方向とする。
逆止弁90は、リードバルブにより構成されているため、騒音発生を解消することができる。
逆止弁90の設置により、二段圧縮機11,11が停止した場合であっても、ガスクーラ46側の高圧冷媒が二段圧縮機11側と連通しない。そのため、二段圧縮機11の運転が停止して、密閉容器12内にて高圧側と中間圧とが均圧しても、逆止弁90から蒸発器63,63の近傍に設けられた冷却機器側膨張弁62,62までの冷媒回路1の高圧側の圧力を維持することができる。
しかし、本実施形態では、二段圧縮機11を停止した後、逆止弁90によって冷媒回路1の高圧側の圧力が維持されることで、かかる二段圧縮機11の始動性の改善を図ることができる。また、冷媒回路1内全体が均圧とならないため、冷凍サイクル装置の効率化を図ることができる。
より具体的には、中間熱交換器80は、高圧側冷媒流路を構成する第1流路80Aと、一端が、膨張弁83から中間熱交換器80に至る冷媒流路と第1連通路95との合流部に接続されると共に、他端が膨張弁83を経て流入された冷媒の吐出口を構成第2流路とを備えている。
本願の実施形態のように、冷媒として用いられる二酸化炭素は、臨界点が低く、外気との温度差を取りにくい冷媒である。本願は、特に、このような冷媒に対して、中間熱交換器80での熱交換の制限を回避するための手立てとして有効となる。
余剰となった冷媒によって高圧側の圧力が上がった場合、回収膨張弁102を開放することで、冷媒回路1内の冷媒を冷媒量調整タンク100に回収でき、冷媒回路1内の循環冷媒量を適切に維持することが可能となる。
その際、特に制御装置Cは、第1弁装置96を閉じた状態で回収膨張弁102及び電磁弁104を開放し、第3連通路103を介して冷媒量調整タンク100内の圧力を冷媒量調整タンク100外に逃がす。これにより、冷媒量調整タンク100内の圧力が低下して当該タンク内の冷媒が液化して溜まるため、迅速に、且つ、効率的に、冷媒回路1内の冷媒を冷媒量調整タンク100に回収することができる。
なお、冷媒として、二酸化炭素を用いた場合を例に挙げたが、その他の冷媒を用いるものでも、本願の効果を得ることができる。
また、補助冷媒回路を構成する第1スプリット流路は、高圧側配管43から分岐させて、中間熱交換器80の第2流路80Bに至るように構成するものとしたが、第1流路80Aを経た後の高圧側冷媒流路の所定部から分岐させて第2流路80Bに至るように構成してもよい。
R 冷凍装置
5A,5B ショーケースユニット(冷却対象機器)
11 二段圧縮機
24 低段側吐出部(二段圧縮機の一段目の冷媒吐出部)
26 高段側吸込口(二段圧縮機の二段目の冷媒吸込部)
28 高段側吐出部(二段圧縮機の二段目の冷媒吐出部)
38 インタークーラ
46 ガスクーラ
63 蒸発器
80 中間熱交換器
80A 第1流路
80B 第2流路
83 膨張弁
95 第1連通路
96 第1弁装置
100 冷媒量調整タンク
101 第2連通路
102 回収膨張弁(第2弁装置)
103 第3連通路
104 電磁弁(第3弁装置)
Claims (4)
- 二段圧縮機と、
前記二段圧縮機の一段目の冷媒吐出部に入口が接続され、前記二段圧縮機の二段目の冷媒吸込部に出口が接続されたインタークーラと、
前記二段圧縮機の二段目の冷媒吐出部に入口が接続されるガスクーラと、
前記ガスクーラに接続される中間熱交換器と、
前記ガスクーラから前記中間熱交換器を経て冷却対象機器の蒸発器に至る高圧側冷媒流路を流れる冷媒を回収可能に設けられた冷媒量調整タンクとを備え、
前記中間熱交換器は、前記ガスクーラからの冷媒と、前記高圧側冷媒流路から分流して膨張弁により減圧させた冷媒との熱交換を行い、
前記膨張弁を経て前記中間熱交換器で熱交換された冷媒が前記二段圧縮機の二段目に流入されるとともに、
前記膨張弁から前記中間熱交換器に向かう冷媒流路と前記冷媒量調整タンクの下部とを接続する第1連通路と、
前記第1連通路に設けられ、絞り機能を有する第1弁装置とを備えている
ことを特徴とする冷凍装置。 - 前記中間熱交換器は、前記高圧側冷媒流路を構成する第1流路と、一端が、前記膨張弁から前記中間熱交換器に至る冷媒流路と前記第1連通路との合流部に接続されると共に、他端が前記二段圧縮機の二段目の冷媒吸込部に接続される第2流路とを備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置。 - 前記冷媒量調整タンクと前記高圧側冷媒流路とを接続する第2連通路に設けられる絞り機能を有する第2弁装置と、
前記冷媒量調整タンクの上部と前記インタークーラの出口から前記二段圧縮機の二段目の冷媒吸込部に至る冷媒流路とを連通する第3連通路に設けられる第3弁装置と、
前記第1弁装置、前記第2弁装置、及び前記第3弁装置を制御して、前記冷媒量調整タンクの冷媒の回収と放出を調整する制御装置とを備えている
ことを特徴とする請求項2に記載の冷凍装置。 - 前記冷媒は、二酸化炭素であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の冷凍装置。
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