JP2011241323A - インク組成物セット、これを用いたインクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出安定性及び画質に優れた光硬化型インク組成物セット及びその製造方法、並びにこれを用いたインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】光重合性化合物と光重合開始剤とを含有する2種以上の光硬化型インク組成物を含む光硬化型インク組成物セットであって、30〜90℃における、各前記光硬化型インク組成物間の、示差走査熱量測定法による比熱容量の差が0.5J/(g・℃)以内であり、30〜90℃に1時間放置した場合に、各前記光硬化型インク組成物の、放置前後での粘度変化率が5%以下であり、かつ、各前記光硬化型インク組成物の、放置前後での色相変化度が10未満である、光硬化型インク組成物セットである。
【選択図】なし

Description

本発明は、インク組成物セット、これを用いたインクジェット記録方法及び記録物に関する。
近年、優れた耐水性、耐溶剤性や耐擦過性等を有する画像を形成するために、光硬化型インク組成物が使用されている。この光硬化型インク組成物は光重合性化合物及び光重合開始剤を含む。そして、当該インク組成物を被記録媒体に塗布し、光の照射によりインク組成物中の光重合性化合物を重合させてインクを固化することにより、画像が形成(印刷)される。
高品質の画像を形成するためには、インク組成物セットの特性が良好であることが望まれる。そこで、高品質の画像を形成するための特性に優れたインク組成物セットを得るべく様々な試みがなされている。例えば、特許文献1には、比熱が0.1〜4.0J/(g・k)、熱膨張係数が0.1×10-3〜1.8×10-3/℃、熱伝導率が0.1×10-3〜50×10-3w/(cm・℃)の範囲に調整して行うインクジェット記録方法が開示されている。また、特許文献2には、各インクの定圧比熱が0.45cal/(g・℃)以上(20〜30℃雰囲気下)であり、且つインクの定圧比熱がセット内での最大最小差が0.05cal/(g・℃)以下であるインクジェットカラーフィルターインクセットが開示されている。
特開昭63−212585号公報 特開2008−233431号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示の技術では、吐出安定性及び画質に劣るため、これらに優れた光硬化型インク組成物セットが強く求められている。
そこで、本発明は、吐出安定性及び画質に優れた光硬化型インク組成物セット、これを用いたインクジェット記録方法及び記録物を提供することを目的の一つとする。
本願発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した。まず、特許文献1や特許文献2に開示の技術において、紫外線硬化型インク組成物における吐出安定性及び画質に劣る理由を検討した。その結果、吐出安定性に劣る理由は、ヘッドにおける吐出環境の変化に起因したインクの温度変化により、各インク間での液滴(ドット)吐出量のばらつきが大きくなってしまうためか、又は、加温によりインクが熱重合反応を生じ、インク増粘化が起こるためであることが分かった。また、画質に劣る理由は、インク種ごとの吐出量のばらつきが大きくなるためか、ヘッドにおける吐出環境の変化に起因したインクの温度変化により、インク間での液滴(ドット)吐出量のばらつきが大きくなり、所望のドット記録形成ができなくなるためか、又は、加温によりインク成分の変色(熱黄変)が見られるためであることが分かった。
そこで、本願発明者らは更に検討を重ねた結果、所定条件下で特定範囲の比熱容量の差、粘度変化率、及び色相変化度を有する光硬化型インク組成物セットを用いることにより、優れた吐出安定性及び画質が実現できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は下記のとおりである。
[1]
光重合性化合物と光重合開始剤とを含有する2種以上の光硬化型インク組成物を含む光硬化型インク組成物セットであって、30〜90℃における、各前記光硬化型インク組成物間の、示差走査熱量測定法による比熱容量の差が0.5J/(g・℃)以内であり、30〜90℃に1時間放置した場合に、各前記光硬化型インク組成物の、放置前後での粘度変化率が5%以下であり、かつ、各前記光硬化型インク組成物の、放置前後での色相変化度が10未満である、光硬化型インク組成物セット。
[2]
ブラックインク組成物、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、オレンジインク組成物、グリーンインク組成物、ホワイトインク組成物、及びクリアインク組成物からなる群より選択される2種以上の光硬化型インク組成物を含む、[1]に記載の光硬化型インク組成物セット。
[3]
前記放置前の前記光硬化型インク組成物の20℃における粘度が40mPa・s以下である、[1]又は[2]に記載のインク組成物セット。
[4]
[1]〜[3]のいずれかに記載のインク組成物セットにおける光硬化型インク組成物を、被記録媒体に向けてプリンタヘッドのノズルから吐出する吐出工程と、前記吐出工程後の、前記被記録媒体上に付着された前記光硬化型インク組成物に光を照射することにより、前記光硬化型インク組成物を硬化させる硬化工程と、を含む、インクジェット記録方法。
[5]
[4]に記載のインクジェット記録方法を実施することにより得られる、記録物。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本明細書における「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びそれに対応するメタクリルを意味する。
また、本明細書における「オリゴマー」とは、2個〜数十個程度のモノマーが反応することにより合成され、比較的少ない数の繰り返し単位を持ち、且つ一以上の光重合性基を有する分子を意味する。
[光硬化型インク組成物セット]
本発明の一実施形態は、光硬化型インク組成物セット(以下、単に「インク組成物セット」ともいう。)に係る。当該インク組成物セットは、光重合性化合物と光重合開始剤とを含有する2種以上の光硬化型インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)を含み、30〜90℃に放置した場合に下記3つの条件を全て満たす。第1の条件として、各前記インク組成物間の、示差走査熱量測定法(Differential scanning calorimetry、以下、単に「DSC法」ともいう。)による比熱容量(Cp)の差が0.5J/(g・℃)以内である。第2の条件として、1時間放置した場合に各前記インク組成物の粘度変化率が5%以下である。第3の条件として、1時間放置した場合に各前記インク組成物の色相変化度が10未満である。ここで、前記色相変化度は、紙面に印字したサンプルを反射濃度計で測定したL***から算出した色差ΔEで表される値である。
本実施形態によれば、ヘッドにおける吐出環境の変化に起因したインクの温度変化に対し、各インク間でのドット吐出量のばらつきが殆ど無い。また、加温によるインクの低粘度化及び増粘化が殆ど生じないため、良好な吐出安定性、すなわち吐出質量の安定化が得られる。また、加温したときの温度差が小さく、且つインクが熱黄変するのを抑制できるため、画質が優れたものとなる。
また、本実施形態のインク組成物セットに含まれるインク組成物は特に限定されないが、ブラックインク組成物、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、オレンジインク組成物、グリーンインク組成物、ホワイトインク組成物、及びクリアインク組成物からなる群より選択される2種以上の光硬化型インク組成物を含むことが好ましい。これらの組み合わせの場合、モノクロ画像でなく、カラー画像を作成することができる。
フルカラーの画像を実現できるという観点で、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックといったプロセスカラーを用いることが好ましく、さらに色再現範囲の拡大という観点で、オレンジインク及びグリーンインクを含んでもよい。また、粒状性を緩和するために、同色相であるが顔料濃度の異なる複数インク、例えば、マゼンタインク及びライトマゼンタインクのような濃インク及び淡インクを含んでもよい。透明及び半透明な樹脂フィルムに対して印字する際、隠蔽性付与、及びカラーインクの発色性向上のために、ホワイトインクを用いてもよい。さらに、主に、記録物の上部に印字し、擦過性を付与したり、印字物の凹凸を平滑にするために凹部に印字したりするための、色材無添加のクリアインクを含んでもよい。
以下、インク組成物セットを構成する各インク組成物に含まれる各成分を詳細に説明する。
〔光重合性化合物〕
本実施形態におけるインク組成物に含まれる光重合性化合物は、後述する光重合開始剤の作用により光照射時に重合されて、印刷されたインクを硬化させることができる。光重合性化合物としては、従来公知の、単官能、2官能、及び3官能以上の多官能といった種々のモノマー及びオリゴマーが使用可能である。上記モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸やそれらの塩又はエステル、ウレタン、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン、並びにラクタム類が挙げられる。また、オリゴマーとしては、例えば、直鎖アクリルオリゴマー等の上記のモノマーから形成されるオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート、及びポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。密着性の観点において、ウレタン系のオリゴマーが好ましく、例えば、U−4HA、U−15HA(新中村化学工業(株)製)等が挙げられる。オリゴマーの含有量は、インク粘度の観点より、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である。
上記で列挙したものの中でも、硬化速度の観点から、(メタ)アクリル酸のエステル、即ち(メタ)アクリレートがより好ましい。
(メタ)アクリレートのうち、単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ラクトン変性可とう性(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリレートのうち、2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アミノアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、及びポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリレートのうち、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、及びカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、光重合性化合物は単官能(メタ)アクリレート又は2官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。この場合、インク組成物は低粘度となり、光重合開始剤などの添加剤の溶解性に優れ、且つ記録時の吐出安定性が得られやすい。さらにインク硬化層の強靭性、耐熱性、及び耐薬品性が増すという観点から、単官能(メタ)アクリレートと2官能(メタ)アクリレートとを併用することがより好ましい。
上記で列挙した光重合性化合物の中でも、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びフェノキシエチル(メタ)アクリレート、からなる群より選択される一種以上が好ましい。この場合、硬化性、粘度、及び皮膚刺激性に優れる。
また、光重合性化合物は、(メタ)アクリレートモノマーに加えて従来公知の(メタ)アクリレートオリゴマーをさらに含んでもよい。
さらに、光重合性化合物は、(メタ)アクリレートに加えて、ラクタム類を含むことが好ましい。ラクタム類として、特に限定されないが、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム(N−ビニル−ε−カプロラクタム)、ε−カプロラクタム、及びω−ラウロラクタムが挙げられる。これらの中でも、密着性を一層良好にする観点で、N−ビニルカプロラクタムが好ましい。さらに、優れた密着性に加えて優れた保存安定性及び色相変化の抑制を実現する観点で、N−ビニルカプロラクタムの含有量は、1〜5質量%が好ましい。
上記の光重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。光重合性化合物の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは20〜90質量%である。含有量が上記範囲内であると、インク組成物の粘度の好適化、分散安定性、保存安定性、及び硬化性等を満足できる。
〔光重合開始剤〕
本実施形態におけるインク組成物に含まれる光重合開始剤は、光の照射による光重合によって、被記録媒体の表面に存在するインクを硬化させて画像を形成するために用いられる。ここで、光の照射領域としては、例えばγ線、β線、電子線、紫外線(UV)、可視光線、及び赤外線が挙げられる。中でも、安全性や光源ランプのコストの観点から、紫外線(UV)が好ましい。
光重合開始剤として、例えば、ラジカル系光重合開始剤及びカチオン系光重合開始剤などが挙げられる。
以下、カチオン系光重合開始剤及びラジカル系光重合開始剤を詳細に説明する。
(カチオン系光重合開始剤)
カチオン系光重合開始剤としては、特に限定されないが、下記一般式(1)で表される構造を有するオニウム塩を挙げることができる。
[R12 a13 b14 c15 dW]m+[MX(n+m)m- ・・・(1)
式中、WはS原子、Se原子、Te原子、P原子、As原子、Sb原子、Bi原子、O原子、ハロゲン原子(例えばI原子、Br原子、Cl原子)、又は、−N+≡N(ジアゾ)である。R12、R13、R14、及びR15は同一または異なる有機基である。a、b、c、及びdはそれぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はWの価数に等しい。他方、Mは、ハロゲン化物錯体[MX(n+m)]の中心原子を構成する金属原子またはメタロイド原子であり、特に限定されないが、例えば、B原子、P原子、As原子、Sb原子、Fe原子、Sn原子、Bi原子、Al原子、Ca原子、In原子、Ti原子、Zn原子、Sc原子、V原子、Cr原子、Mn原子、又はCo原子である。Xはハロゲン原子であれば特に限定されないが、例えば、F原子、Cl原子、又はBr原子であり、mはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、nはMの原子価である。
ここで、上記オニウム塩は、光を受けることによりルイス酸を放出する化合物である。
一般式(1)における、カチオンであるオニウムイオン(R12 a13 b14 c15 dW)の具体例として、特に限定されないが、ジフェニルヨードニウム、4−メトキシジフェニルヨードニウム、ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム、トリフェニルスルホニウム、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウム、ビス[4−(ジフェニルスルフォニオ)−フェニル]スルフィド、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)−フェニル]スルフィド、及びη5−2,4−(シクロペンタジェニル)[1,2,3,4,5,6−η)−(メチルエチル)−ベンゼン]−鉄(1+)が挙げられる。
一般式(1)における陰イオン(MX(n+m))の具体例として、特に限定されないが、テトラフルオロボレート(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6 -)、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6 -)、及びヘキサクロロアンチモネート(SbCl6 -)が挙げられる。
上記のオニウム塩として、一般式(1)において、[MX(n+m)]の代わりに下記一般式(2)で表される陰イオン、過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CF3SO3 -)、フルオロスルフォン酸イオン(FSO3 -)、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸イオン、及びトリニトロトルエンスルフォン酸イオン等の他の陰イオンを有するオニウム塩が挙げられる。
[MXn(OH)]- ・・・(2)
ここで、式中、M、X及びnは、それぞれ一般式(1)に示したものと同義である。
カチオン系光重合開始剤の市販品として、例えば、IRGACURE 250(ヨードニウム,(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフルオロフォスフェート(1−)とプロピレンカーボネートの3:1の混合物)(チバ・ジャパン社(Ciba Japan K.K.)製)、CPI−100P(主成分としてモノスルホニウム塩及び少量のビススルホニウム塩を含有し、溶剤プロピレンカーボネートを含んで固形分50%)、CPI−210S(非アンチモンタイプの特殊リン系アニオンを有するトリアリールスルホニウム塩系)(以上、サンアプロ社(San-Apro Ltd.)製)、UVI−6950、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990(以上、ユニオンカーバイド社(Union Carbide Corporation)製)、アデカオプトマーSP−150、SP−151、SP−170、SP−171(以上、旭電化工業社(ADEKA CORPORATION)製)、IRGACURE 261(以上、チバガイギー社(Nihon Ciba-Geigy K.K)製)、CI−2481、CI−2624、CI−2639、CI−2064(以上、日本曹達社(Nippon Soda Co., Ltd.)製)、CD−1010、CD−1011、CD−1012(以上、サートマー社(Sartomer Company Inc.)製)、DTS−102、DTS−103、NAT−103、NDS−103、TPS−102、TPS−103、MDS−103、MPI−103、BBI−101、BBI−102、BBI−103(以上、みどり化学社(Midori Kagaku Co.,Ltd.)製)、Degacure K126(デグサ社(Degussa AG)製)が挙げられる。
(ラジカル系光重合開始剤)
ラジカル系光重合開始剤として、特に限定されないが、例えば、芳香族ケトン類、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。
ラジカル系光重合開始剤の具体例として、特に限定されないが、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、及びビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドが挙げられる。
ラジカル系光重合開始剤の市販品として、例えば、IRGACURE 651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、IRGACURE 184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、DAROCUR 1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)、IRGACURE 2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)、IRGACURE 127(2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン}、IRGACURE 907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、IRGACURE 369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)、IRGACURE 379(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)、DAROCUR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 784(ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)、IRGACURE OXE 01(1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、IRGACURE OXE 02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))、IRGACURE 754(オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物)(以上、チバ・ジャパン社(Ciba Japan K.K.)製)、KAYACURE DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co., Ltd.)製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製)、及びユベクリルP36(UCB社製)が挙げられる。
光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。光重合開始剤の含有量は、インク組成物の総量に対して、4〜15質量%が好ましい。含有量が上記範囲内であると、光硬化速度が十分大きく、且つ光重合開始剤の溶け残りや開始剤に由来する着色が殆どない。
〔色材〕
本実施形態におけるインク組成物は、色材を含んでなる。光重合性化合物の主成分に溶解又は分散できる色材が使用でき、そのような色材は顔料及び染料のうち少なくとも一方である。なお、インク組成物が無色透明のクリアインク組成物である場合には、色材は含まれない。
(顔料)
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インク組成物の耐候性を向上させることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
まず、カラーインクに用いられる顔料としては以下のものを使用できるが、これらに限定されることはない。
無機顔料として、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、及び酸化チタンが挙げられる。
有機顔料として、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、及び昼光蛍光顔料が挙げられる。
具体例を挙げると、イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、42、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、180、185、213等が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、22、38、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、63:1、101、112、122、123、144、146、168、184、185、188、202、209、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、60、16、22等が挙げられる。
ブラックインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
オレンジインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ−16、36、38、64等が挙げられる。
グリーンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントグリーン−7、36等が挙げられる。
ホワイトインクに用いられる顔料としては、例えば白色無機顔料及び白色有機顔料が挙げられる。
白色無機顔料としては、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、及びクレイ等が挙げられる。中でも酸化チタンは、隠蔽性、着色性、及び分散粒径の観点から好ましい。
白色有機顔料としては、特開平11−129613号公報に示される有機化合物塩や特開平11−140365号公報、及び特開2001−234093号公報に示されるアルキレンビスメラミン誘導体が挙げられる。白色有機顔料の市販品としては、ShigenoxOWP、ShigenoxOWPL、ShigenoxFWP、ShigenoxFWG、ShigenoxUL、及びShigenoxU(以上、ハッコールケミカル社製、何れも商品名)などが挙げられる。
白色顔料の具体例として、C.I.ピグメントホワイト6、18、21が挙げられる。
インク組成物が色材として顔料を含む場合、顔料の凝集を一層防止するため、インク組成物を製造する前に予め顔料分散液を作製しておくことが好ましい。この顔料分散液に用いる分散媒は、光重合性化合物(モノマー成分やオリゴマー成分)であってもよく、別途添加される分散剤であってもよい。後者の場合、分散剤としては、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートやポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン等、従来公知の成分を使用することができる。
(染料)
本実施形態において、色材として染料を用いることにより、インクの低粘度化が一層容易になり、且つ顔料の付着や分散性の低下による吐出不良を防止できる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35等が挙げられる。
上記の色材は、1種単独で用いてもよく、2種以上の併用でもよい。色材の含有量は、インク組成物の総量に対して、0.1〜25質量%程度の範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜15質量%程度の範囲である。含有量が上記範囲内である場合、所望の発色性を維持しつつ、ノズル目詰まりや、顔料沈降等の不具合を抑制することができる。
〔界面活性剤〕
本実施形態におけるインク組成物は、界面活性剤をさらに含んでもよい。界面活性剤として、特に限定されないが、例えばシリコーン系界面活性剤として、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーンを用いることができ、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることが特に好ましい。具体例としては、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(以上、ビックケミー・ジャパン社(BYK Japan KK)製)が挙げられる。
界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
〔重合禁止剤〕
本実施形態におけるインク組成物は、その保存安定性を向上させるために、重合禁止剤を含んでもよい。重合禁止剤としては、特に限定されないが、例えば熱ラジカル重合禁止剤が挙げられる。
熱ラジカル重合禁止剤としては、特に限定されないが、例えばヒンダードフェノール化合物及びヒンダードアミン系化合物が挙げられる。ヒンダードフェノール化合物の具体例として、Irgastab UV−22(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。ヒンダードアミン系化合物の具体例としてIrgastab UV−10(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
重合禁止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
〔その他の成分〕
本実施形態におけるインク組成物は、上記に挙げた成分以外の成分を含んでもよい。このような成分としては、特に限定されないが、例えば従来公知の、溶剤、重合促進剤、スリップ剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤が挙げられる。
〔光硬化型インク組成物(セット)の物性〕
本実施形態におけるインク組成物セットにおいて、そこに含まれる各インク組成物は、下記の相関を有するものである。
30〜90℃において、インク組成物セットを構成する各インク組成物間の、DSC法による比熱容量(Cp)の差は、0.5J/(g・℃)以内である。Cpの差が0.5J/(g・℃)以内であると、プリンタ印字環境の温度変動が大きい場合や、連続印字等でのインク供給量が速い場合などに対して、ヒーターで加熱されるインクの温度がセット内でばらつき巾が抑えられるという有利な効果が得られる。Cpの差は、0.3以下が好ましい。なお、本明細書における比熱容量(Cp)の差の測定方法は、後述の実施例で示した方法を採用する。
30〜90℃に1時間放置した場合に、インク組成物セットを構成する各インク組成物の粘度変化率は、5%以下である。粘度変化率が5%以下であると、インクヘッドの吐出条件等を何ら変更せず、所望のインク質量を正確に吐出することができることや、インクが高熱に曝された場合に起こる重合反応によって生成されたゲル状異物がノズルを詰まらせたり、またはノズルから吐出する際の液滴のキレを悪くしたり(尾引き現象)することを抑制することができる。また、粘度変化率は3%以下が好ましい。なお、本明細書における粘度変化率の測定方法は、後述の実施例で示した方法を採用する。
30〜90℃に1時間放置した場合に、インク組成物セットを構成する各インク組成物の色相変化度は、10未満である。色相変化度が10未満であると、印刷物に対しての色相変化が抑制される。また、色相変化度は3以下が好ましい。なお、本明細書における色相変化度の測定方法は、後述の実施例で示した方法を採用する。
ここで、本実施形態に所望の効果を顕著に奏する観点から、上記の各インク組成物の全てが、上記の粘度変化率及び色相変化度の数値範囲内にあることが好ましい。
上記放置の前の光硬化型インク組成物の20℃における粘度は、40mPa・s以下であることが好ましく、さらに好ましい範囲は、36mPa・s以下である。40mPa・sを超える場合、インクジェットヘッドから吐出され被着体に付着するドットが細長く尾を引く形状になったり、飛散して複数個に分かれた形状になったりして、ドット形状に不具合を与え、画質に悪影響を与える場合がある。一方、インクの粘度の下限は特に限定されないが、実用上の観点から、20℃において、好ましくは4mPa・s以上であり、より好ましくは10mPa・s以上である。
このように、本実施形態によれば、吐出安定性及び画質に優れた光硬化型インク組成物セットが得られる。
[被記録媒体]
被記録媒体として、例えば、非吸収性又は吸収性の被記録媒体が挙げられる。本実施形態におけるインク組成物は、インク組成物の浸透が困難な非吸収性被記録媒体から、インク組成物の浸透が容易な吸収性被記録媒体まで、様々な吸収性能を持つ被記録媒体に幅広く適用できる。
非吸収性被記録媒体として、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック類、鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属類、又はそれら各種金属を蒸着により製造した金属プレート、ステンレスや真鋳等の合金が挙げられる。
吸収性被記録媒体として、特に限定されないが、例えば、電子写真複写用紙などの普通紙、シリカ、アルミナ、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)等を含むインク吸収層を備えた用紙等が挙げられる。また、インクの浸透速度が比較的小さなタイプの吸収性被記録媒体として一般のオフセット印刷に用いられるアート紙、コート紙、キャスト紙等が挙げられる。
[光硬化型インク組成物セットの設計方法]
本発明の一実施形態は、光硬化型インク組成物セットの設計方法に係る。当該設計方法の概略としては、比熱容量を算出する所定の式を利用しながらインク組成物の1次設計を行い、比熱容量を実測し、実測値が目標とする比熱容量と所定値以上異なる場合に、その目標とする比熱容量に近づけるために2次設計を行うというものである。以下、本実施形態を説明する一助とするため、3成分系のインク組成物を例として説明する。4成分系など他成分系の場合には、下記の説明に基づいて当業者であれば適宜調整できることはいうまでもない。
インク組成物セットを構成するインク組成物のうちの或るインク組成物が、A成分(比熱容量:a、含有量:α)、B成分(比熱容量:b、含有量:β)、及びC成分(比熱容量:c、含有量:γ)の3成分からなるとする。なお、これらの成分は、具体的にいえば、光重合性化合物(モノマー)、光重合開始剤、及び顔料分散液などである。
〔1次設計〕
インク組成物の1次設計は、インク組成物の組成を仮決定することを目的とする。
まず、A成分、B成分、及びC成分に固有な比熱容量を実測する。
次に、インク組成物セットを構成する各インク組成物の目標とする熱エネルギー(Q)又は比熱容量(Cp)が互いにある程度近似するように、構成成分の選択及び構成成分の含有量の調整のうち、少なくともいずれかを行う。ここまでの操作により、インク組成物の組成が仮決定される。
なお、インク組成物の目標とする熱エネルギー(Q)及び比熱容量(Cp)は、下記数式を用いて、A成分、B成分、及びC成分が固有に有する比熱容量及び含有量から算出される。この目標となる比熱容量がインク組成を調整する際の基準値となる。
インク組成物100gを1℃上げるために必要な熱エネルギー(Q、単位J)は、下記数式(I)により算出される。
[数1]
Q=a×α+b×β+c×γ ・・・(I)
式中、比熱容量の単位を「J/(g・℃)」とし、含有量の単位を「質量%」とする。
算出されるインク組成物の目標とする比熱容量(Cp)は、上記数式(I)で求めたQを用いて、下記数式(II)により算出される。
[数2]
Cp=Q/100=a×α/100+b×β/100+c×γ/100 ・・・(II)
なお、一般には、顔料分散液における顔料の種類や濃度による比熱容量のばらつきは大きい。したがって、顔料分散液が互いに異なる各色のインク組成物は、たとえモノマー組成を同じにしても、比熱容量は一定にならない。
次に、インク組成物セットを構成する各インク組成物の比熱容量を実測する。実測値を観察した際、インク組成物セットを構成する各インク組成物間の比熱容量の差が所定値以下である場合には、仮決定であったインク組成物の組成が採用される。
〔2次設計〕
一方、インク組成物セットを構成する各インク組成物間の比熱容量の差が所定値より大きい場合、すなわちインク組成物の1次設計を行った結果として目標とする比熱容量からの乖離が大きい場合には、1次設計に続いて2次設計を行う。2次設計においては、構成成分の種類や含有量を変更することにより比熱容量の微調整をしてから再度実測する。このようにして、インク組成物の比熱容量の実測値を目標とする比熱容量に近づける操作を行い、インク組成物間の比熱容量の差が所定の差以内となったときのインク組成物の組成が採用される。
目標とする比熱容量に近づけるための2次設計のパターン1〜3を以下で説明する。
(2次設計のパターン1)
一のパターンとして、モノマー含有量を増減することが挙げられる。インク組成物1の実測の比熱容量をH1とし、インク組成物1の目標の比熱容量をH2とする。ここで、H2がH1よりも大きいとする。また、インク組成物1は、その組成中にモノマーM1及びモノマーM2を含有しているとする。モノマーM1の比熱容量をH3とし、モノマーM2の比熱容量をH4とする。ここで、H3がH4よりも大きいとする。
このような条件の下で、比熱容量を微調整するための方法(2次設計のパターン1)は、インク組成物1におけるモノマーの総量を一定にするという条件の下、モノマーM2の含有比を小さくし、小さくした分だけモノマーM1の含有比を大きくするというものである。このような含有比の増減量は、下記数式(III)に示すように、インク組成物における実測の比熱容量と目標とする比熱容量との差を考慮して決める。
[数3]
(H3×a1/100)−(H4×a1/100)=(H2−H1)/100 ・・・(III)
式中、a1はモノマーM1の増減率(%)であり(上記の例では増加率)、a2はモノマーM2の増減率(%)である(上記の例では減少率)。
(2次設計のパターン2)
他のパターンとして、顔料分散液の種類(成分)を変更することが挙げられる。
インク組成物2の実測比熱容量をH5とし、インク組成物2の目標比熱容量をH6とする。ここで、H5がH6よりも大きいとする。インク組成物2は、その組成として顔料分散液G1を含有しているとする。顔料分散液G1(分散媒:モノマーM3)の比熱容量をH7とし、顔料分散液G2(分散媒:モノマーM4)の比熱容量をH8とする。ここで、H7がH8よりも大きいとし、顔料分散液G1及びG2は、互いに同色系の顔料を含むものとする。
このような条件の下で、比熱容量を微調整するための方法(2次設計のパターン2)は、インク組成物2の顔料分散液をG1からG2に変更するというものである。具体的には、下記数式(IV)で表される関係にあることを計算により確認した上で、2次設計を行う。
[数4]
(H5−H6−H9)/100≦(H7×a2/100)−(H8×a2/100)≦(H5−H6+H9)/100 ・・・(IV)
式中、a2は、インク組成物2における顔料分散液の含有質量比(%)を表し、H9は、インク組成物2の目標比熱容量H6に対して許容できる比熱容量の差を表す。ただし、H5とH6との差がH9の値よりも大きいものとする。
一方、候補となる代替顔料分散液の中に、上記数式(IV)を満たす顔料分散液が無い場合には、上記の2次設計のパターン1又は下記の2次設計のパターン3により、2次設計を行う。
(2次設計のパターン3)
さらに他のパターンとして、モノマーの種類を変更することが挙げられる。インク組成物3がモノマーM5を含有する場合、上記の2次設計のパターン2において行ったのと同様に、他の代替モノマーM6に置き換える。
[光硬化型インク組成物セットの製造方法]
本発明の一実施形態は、光硬化型インク組成物セットの製造方法に係る。当該製造方法は、上記実施形態の光硬化型インク組成物セットの設計方法により実施することができる。当該設計方法は既に説明したため、ここでの説明は省略する。
[インクジェット記録方法]
本発明の一実施形態は、インクジェット記録方法に係る。当該インクジェット記録方法は、上記実施形態のインク組成物セットを、被記録媒体に向けてプリンタヘッドのノズルから吐出する吐出工程と、前記吐出工程後の、前記被記録媒体上に付着された前記インク組成物セットに光を照射することにより、前記インク組成物セットを硬化させる硬化工程とを含む。以下、各工程を説明する。
〔吐出工程〕
本実施形態における吐出工程は、上記実施形態により得られたインク組成物セットにおけるインク組成物(以下、単に「インク」ともいう。)をプリンタヘッドから吐出することにより、被記録媒体上にインクを着弾させる工程である。プリンタヘッドは、被記録媒体にインクを吐出し、これを着弾させる。例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック用のインクが必要な場合には、色毎にインクが用意される。プリンタヘッドは、被記録媒体の搬送方向に沿って各色のインクを吐出するためのヘッドが複数並んで配置されたヘッドセットであってもよい。また、プリンタヘッドは、被記録媒体の搬送方向に直交する方向に各色のインクを吐出するための複数のノズルを備えていてもよい。
このように、インクを被記録媒体上に吐出し着弾させることにより画像を形成するインクジェット記録方法として、従来公知の方法を使用できる。これらの中でも特に、圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法、即ち電歪素子の機械的変形によりインクドットを形成するプリンタヘッドを用いた記録方法を用いることにより、優れた品質の画像を形成することができる。
〔硬化工程〕
本実施形態における硬化工程は、上記吐出工程後に、光照射することでインクを硬化させる工程である。
照射される光として、γ線、β線、電子線、紫外線(UV)、可視光線、及び赤外線が挙げられる。中でも、安全性や光源ランプのコストの観点から、紫外線(UV)が好ましい。紫外線照射ランプは、被記録媒体に着弾したインク(紫外線硬化型インク)に紫外線を照射して、インクを硬化させる。光照射の光源として、LED又はランプ(メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等)を備えている。照射光源は特に制限されないが、450nm以下の波長の光を照射できるものが好ましい。本硬化の光照射量、即ち光照射エネルギーに制限はなく、インク組成によっても異なるが、例えば、100mJ/cm2以上であり、好ましくは100〜20000mJ/cm2である。本実施形態において、波長域が上記範囲内であると、硬化性が一層優れたものとなる。
ブリーディング防止等のために、印字途中に、完全硬化にまでは至らない比較的弱いエネルギーの光照射、即ちピニング照射を行ってもよい。この場合の照射エネルギーは、3〜50mJ/cm2程度が好ましい。
本実施形態によれば、特定の光硬化型インク組成物セットを用いることにより、優れた吐出安定性を実現することができる。
[被記録媒体]
被記録媒体として、例えば、吸収性又は非吸収性の被記録媒体が挙げられる。本実施形態のインクジェット記録方法は、水溶性インク組成物の浸透が困難な非吸収性被記録媒体から、水溶性インク組成物の浸透が容易な吸収性被記録媒体まで、様々な吸収性能を持つ被記録媒体に幅広く適用できる。ただし、非吸収性の被記録媒体を使用した場合は、紫外線を照射し硬化させた後に乾燥工程を設けること等が必要となる場合がある。
吸収性被記録媒体及び非吸収性被記録媒体については、上記実施形態における説明と同様であるため、ここでの説明を省略する。
[記録物]
本発明の一実施形態は、記録物に係る。当該記録物は、上記実施形態のインクジェット記録方法を実施することにより得られる。本実施形態によれば、特定の光硬化型インク組成物セットを用いることにより、優れた画質を有する記録物が得られる。
以下、本発明の実施形態を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[使用成分]
後述の実施例及び比較例において使用した成分は、以下の通りである。
〔光重合性化合物〕
・フェノキシエチルアクリレート(単官能モノマー)
・1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(2官能モノマー)
・ジプロピレングリコールジアクリレート(2官能モノマー)
・トリプロピレングリコールジアクリレート(2官能モノマー)
・アミノアルコール(2官能モノマー)
・N−ビニルカプロラクタム(BASF社製、商品名「N−ビニルカプロラクタム」)
・ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学工業社(SHIN-NAKAMURA CHEMICAL CO, LTD.)製、商品名「U−15HA」)
〔光重合開始剤〕
・IRGACURE 819(チバジャパン社製)
・DAROCUR TPO(チバジャパン社製)
・KAYACURE DETX−S(日本化薬社製)
〔界面活性剤〕
・BYK UV3500(ビックケミージャパン社製)
〔重合禁止剤〕
・IRGASTAB UV22(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
〔顔料〕
・C.I.ピグメントブラック7
・C.I.ピグメントイエロー180
・C.I.ピグメントレッド122
・C.I.ピグメントブルー15:3
・C.I.ピグメントオレンジ64
・C.I.ピグメントグリーン36
・C.I.ピグメントホワイト6
[実施例1〜2、比較例1]
〔インク組成物の製造〕
まず、下記表1に記載の顔料に、分散媒としてジプロピレングリコールジアクリレートを配合して、分散媒モノマーの顔料分散液(顔料含有率は20質量%)を調製した。
続いて、下記表1に記載の成分を、表1に記載の組成(単位:質量%)となるように添加し、ブラックインク組成物(K)、イエローインク組成物(Y)、マゼンタインク組成物(M)、シアンインク組成物(C)、オレンジインク組成物(Or)、グリーンインク組成物(Gr)、ホワイトインク組成物(W)、及びクリアインク組成物(CL)という各色の紫外線硬化型インク組成物を得た。
[表1−1]
[表1−2]
[表1−3]
[測定・評価項目]
〔評価1:比熱容量〕
インク40gをガラス管に封入し、30℃、60℃、又は90℃の温度に1時間放置した。放置後、示差走査熱量計(EXSTAR DSC6220、エスアイアイ・ナノテクノロジー社(SII NanoTechnology Inc.)製)を用いて、標準試料(サファイア)10mg、並びに昇温速度10℃/分の条件で、インクの比熱容量を繰り返し測定し、3回の平均値を算出後、最大の比熱容量を有するインク組成物と最小の比熱容量を有するインク組成物との間で、それらの比熱容量の差(ΔCp)を求めた。結果を下記表2に示す。
〔評価2:インク吐出質量ばらつき〕
インクを任意の温度に調整できる温度調整ユニットを付与したインクジェットヘッドを用いて、インク吐出質量測定試験を行った。インク組成物セット毎に評価した。インク8色の温度の初発は全色20℃とし、8色同時に加熱を開始した。その際のヒーター制御条件は同じとした。インクを室温(20℃)から100℃まで同時に昇温させる過程において、シアンインクの温度が30℃、60℃、又は90℃に達した時点で、全色のインクの吐出質量を同時のタイミングで測定し、インク組成物セット内での吐出質量のばらつき巾を算出した。
なお、温度の測定は、インク組成物セット内の任意のインク、例えば、シアンインクの温度を、プリンタヘッド内のインク流路において測定することにより行った。また、インク吐出質量の測定は、まず、連続して所定数のインク滴を吐出し、吐出したインクの総質量を測定することから始めた。次いで、そのインクの総質量をインク滴の上記所定数で除することにより、1インク滴当たりの吐出質量を算出した。吐出したインクの総質量の測定は、インクの吐出質量とインクタンクの質量変化とを同等のものとみなして、インクタンクの質量変化を測定することにより行った。
このようにして、インク組成物セット内での1インク滴当たりの吐出質量のばらつき巾を算出した。このばらつき巾は、1インク滴当たりの吐出質量が最小であったインクを基準として、そのインクと1インク滴当たりの吐出質量が最大であったインクとの、1インク滴当たりの吐出質量の差を百分率で表したものである。
評価基準は下記のとおりである。吐出質量の差(ばらつき巾)が5%未満であることは、吐出安定性に優れ、色ムラや粒状性の少ない優れた画質を形成できることを意味する。結果を下記表3に示す。
A:吐出質量バラツキ巾は、3%未満
B:吐出質量バラツキ巾は、3%以上5%未満
C:吐出質量バラツキ巾は、5%以上(画質に不具合を与えるレベル)
〔評価3:インク保存安定性〕
インク40gをガラス管に封入し、30℃、60℃、又は90℃の温度に1時間放置した。放置後のインクの20℃における粘度を測定し、下記式を用いて、粘度変化率(Δη、単位:%)を算出した。
[数5]
Δη=|(1−η1/η0)|×100
(式中、η0:放置前の粘度、η1:放置後の粘度を表す。いずれも20℃での粘度測定値である。)
評価基準は下記のとおりである。
A:Δη≦3%
B:3%<Δη≦5%
C:Δη>5%(吐出性及び画質に不具合を与えるレベル)
結果を下記表4に示す。
〔評価4:熱によるインク色相変化度(ΔE)〕
インク40gをガラス管に封入し、30℃、60℃、又は90℃の温度に、1時間又は6時間放置して加温した。インクジェット記録装置を用いて、放置後のインクをプリンタヘッドから吐出して、印字解像度720×720dpi(吐出質量18ng)でPETフィルム(東レ社製)にベタ印字を行った。次いで、水銀ランプ(照射量300mJ/cm2)を用いて紫外線硬化させることにより、印字サンプルを作成した。測色装置(スペクトロリーノ、グレタグ(GretagMacbeth)社製)を用いて、それぞれの印字サンプルにおける印字部の色相を測定し、下記の計算式から色相変化度(ΔE)を求めた。
[数6]
ΔE={(L1-L0)2+(a1-a0)2+(b1-b0)2]0.5
(式中、L0,a0,及びb0は放置前のインクで印字したサンプルの色相を表し、L1,a1,及びb1は放置後のインクで印字したサンプルの色相を表す。)
評価基準は下記のとおりである。
A:ΔE≦3
B:3<ΔE≦10
C:ΔE>10(画質に不具合を与えるレベル)
結果を下記表5に示す。
〔評価5:画質評価〕
インク組成物セットの全インクが目標温度で十分安定した時に、下記の4色又は8色を用いて、人物画像・風景画像を印刷・硬化し、印字サンプルを作成した。印字開始後の1ページ目と100ページ目の印字サンプルを目視確認し、下記の基準で判定した。
4色:ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー
8色:ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、オレンジ、グリーン、ホワイト、クリア
A:ドットの抜け・曲がり・粒状感も見られず、印字物の色相も黄色みを帯びることなく、印字物の品質は問題なし。
B:ドットの抜け・曲がりは無いが、印字物の色相は黄色みを帯びることがないものの、粒状感の悪化が見られ、印字物の品質はやや悪い。
C:ドットの曲がりや、粒状感の悪化が見られ、かつ印字物全体が黄色っぽく、印字物の品質は悪い。
結果を下記表6に示す。
〔評価6:密着性〕
各インクを用いて、膜厚約12μmになるようPETフィルムに塗布し、Hgランプを照射し塗膜を十分硬化させて印字サンプルを作成した。
セロハンテープ(CT24、ニチバン社製)を指の腹で印字物に密着させた後、すばやくテープをはがしたときの結果を下記の基準で密着性を評価した。
A:印字物がテープで剥離しなかった。
B:印字物がテープで一部剥離した。
C:印字物がテープで半分以上が剥離した。
結果を下記表7に示す。
[表2]
[表3]
[表4−1]
[表4−2]
[表4−3]
[表5−1]
[表5−2]
[表5−3]
[表6]
[表7]

Claims (5)

  1. 光重合性化合物と光重合開始剤とを含有する2種以上の光硬化型インク組成物を含む光硬化型インク組成物セットであって、
    30〜90℃における、
    各前記光硬化型インク組成物間の、示差走査熱量測定法による比熱容量の差が0.5J/(g・℃)以内であり、
    30〜90℃に1時間放置した場合に、
    各前記光硬化型インク組成物の、放置前後での粘度変化率が5%以下であり、かつ、
    各前記光硬化型インク組成物の、放置前後での色相変化度が10未満である、光硬化型インク組成物セット。
  2. ブラックインク組成物、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、オレンジインク組成物、グリーンインク組成物、ホワイトインク組成物、及びクリアインク組成物からなる群より選択される2種以上の光硬化型インク組成物を含む、請求項1に記載の光硬化型インク組成物セット。
  3. 前記放置前の前記光硬化型インク組成物の20℃における粘度が40mPa・s以下である、請求項1又は2に記載のインク組成物セット。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク組成物セットにおける光硬化型インク組成物を、被記録媒体に向けてプリンタヘッドのノズルから吐出する吐出工程と、
    前記吐出工程後の、前記被記録媒体上に付着された前記光硬化型インク組成物に光を照射することにより、前記光硬化型インク組成物を硬化させる硬化工程と、
    を含む、インクジェット記録方法。
  5. 請求項4に記載のインクジェット記録方法を実施することにより得られる、記録物。
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