JP2016172822A - インクジェットインキセット - Google Patents

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JP2016172822A JP2015053612A JP2015053612A JP2016172822A JP 2016172822 A JP2016172822 A JP 2016172822A JP 2015053612 A JP2015053612 A JP 2015053612A JP 2015053612 A JP2015053612 A JP 2015053612A JP 2016172822 A JP2016172822 A JP 2016172822A
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Abstract

【課題】本発明の目的は、非常に広域な色再現性を有し、多種の基材に印刷可能な活性エネルギー線硬化型インクジェットインキセットの提供である。【解決手段】少なくとも、シアンインキ、およびイエローインキを有する活性エネルギー線硬化型インクジェットインキセットであって、記録媒体上のCIELAB色空間で定義される色相角を∠H°とするとき、前記シアンインキの色相角∠H°が200°〜230°であり、前記イエローインキの色相角∠H°が90°〜120°であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキセット。【選択図】なし

Description

本発明は、非常に広域な色再現性を有する活性エネルギー線硬化型インクジェットイン
キセットの提供に関する。
インクジェット印刷方式とは、被印刷基材に対して、インクジェットヘッドからインキ
の微小液滴を飛翔、及び着弾させて、上記基材上に画像や文字を形成する印刷方式であり
、版を必要としないことを特徴とする。版を必要としない印刷方式として、電子写真方式
が広く認知されている。しかし、インクジェット印刷方式は、電子写真方式に比べて装置
のイニシャルコストや印刷時のランニングコスト、装置サイズ、高速印刷特性等の面で優
れている。
インクジェット印刷方式に使用されるインキとしては、溶剤系、水系、油系などの多岐
に渡るインキが従来から使用されている。しかし、近年、活性エネルギー線硬化型インク
ジェットインキの需要が増加している。これは、活性エネルギー線硬化型インクジェット
インキは、プラスチックやガラスなどの非吸収性の基材にも適用できること、溶剤の揮発
量を低減させ環境負荷を低減出来るという利点に起因する。特に工業用途のインクジェッ
ト印刷においては、上記に加え、印刷物の耐水性、インキの乾燥エネルギー、インキの乾
燥によるヘッドへのインキ成分の付着などの点から、溶剤系や水系から、活性エネルギー
線硬化型のインクジェットインキへの置き換えが期待されている。
また近年、インクジェットヘッドの性能向上に伴い、オフセット印刷等の既存印刷市場
へのインクジェット印刷方式の応用が期待されている。既存印刷市場では、生産性が非常
に重要である。しかし、サイン市場では、マルチパス印刷方式が使用されており、この印
刷方式では、既存印刷市場の所望の生産性を実現することが困難である。そのため、既存
印刷市場において、インクジェット印刷方式を用いるためには、高速印刷が可能なシング
ルパス印刷方式を用いることが望ましい。
更に、サイン市場で用いられている基材の多くは塩化ビニルシートである。しかし、既
存印刷市場では各種コート紙や各種フィルムなどの多様な基材が使用されている。基材の
種類によってインキの濡れ拡がり性や、基材への密着性が異なる。そのため、多様な基材
に対して同一のインキを提供できるようにするためには、どのような基材に対しても印刷
画質や基材密着性等の印刷品位を一定レベル以上で確保できるようにしなければならない
。生産性と多基材汎用性とを同時に達成するためには、高速印刷が可能で、かつ、多くの
基材で密着性が確保できる、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキが最適である
一方で、オフセット印刷に代表される既存印刷市場の印刷物は、多くの特色を用いて印
刷されるため、色再現性が非常に優れている特長がある。従って、既存印刷市場へのイン
クジェット印刷方式の応用を再現するには、優れた色再現性を持つことが重要である。
そこで、特許文献1では、シアン、マゼンタ、イエローのインキに加えて、1種または
2種の特色インキ(オレンジ、バイオレット)を併用したインクジェットインキセットが
開示されている。これにより、印刷画像の粒状性と光沢を低下させることなく色再現性を
高めている。しかしながら、水性インクジェットインキによって、普通紙や写真光沢紙と
等のインキ吸収性のある紙基材で実施されており、フィルム基材などの非吸収性記録媒体
への応用には至らなかった。また、グリーン領域の色再現性が十分ではなかった。
特許文献2では、シアン、マゼンタ、イエロー3色の顔料インキに加えて、それぞれ特
定の顔料を含有するオレンジ、グリーン及びバイオレットのうち少なくとも1色を備えた
インクジェットインキセットが開示されている。しかしながら、このインキセットは十分
な色再現性を得ることができない。また、水性インクジェットインキでインクジェット専
用紙などの紙基材で実施されており、フィルム基材などの非吸収性記録媒体への応用には
至らなかった。
特許第4253840号公報 特開2000−351928号公報
本発明の目的は、非常に広域な色再現性を有し、紙基材だけでなくプラスチック等のフ
ィルム基材といった多種の基材に印刷可能な活性エネルギー線硬化型インクジェットイン
キセットの提供である。
すなわち本発明は、少なくとも、シアンインキ、およびイエローインキを有する活性エ
ネルギー線硬化型インクジェットインキセットであって、
記録媒体上のCIELAB色空間で定義される色相角を∠H°とするとき、前記シアン
インキの色相角∠H°が200°〜230°であり、前記イエローインキの色相角∠H°
が90°〜120°であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットイン
キセットに関する。
また本発明は、更にマゼンタインキ、およびオレンジインキを含む上記活性エネルギー
線硬化型インクジェットインキセットであって、
記録媒体上のCIELAB色空間で定義される色相角を∠H°とするとき、前記マゼン
タインキの色相角∠H°が330°〜360°であり、前記オレンジインキの色相角∠H
°が0°〜60°であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ
セットに関する。
また本発明は、前記シアンインキは、着色剤として顔料を含み、シアンインキに含まれ
る全顔料100重量部に対して、イエロー及び/又はグリーン顔料を2重量部〜10重量
部含むことを特徴とする上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインキセットに関す
る。
また本発明は、前記イエローインキは、着色剤として顔料を含み、顔料としてC.I.
ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイ
エロー185のいずれか1種以上を含むことを特徴とする上記活性エネルギー線硬化型イ
ンクジェットインキセットに関する。
また本発明は、前記オレンジインキは、着色剤として顔料を含み、顔料としてC.I.
ピグメントオレンジ64を含むことを特徴とする上記活性エネルギー線硬化型インクジェ
ットインキセットに関する。
また本発明は、前記オレンジインキが、更にキナクリドン顔料を含むことを特徴とする
上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインキセットに関する。
また本発明は、更にブラックインキを含むことを特徴とする上記活性エネルギー線硬化
型インクジェットインキセットに関する。
また本発明は、更にホワイトインキを含むことを特徴とする上記活性エネルギー線硬化
型インクジェットインキセットに関する。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキセットを使用することで、多種
の基材に対し非常に広域な色再現性を有するインキセットを提供できた。
本発明のインキセットは、記録媒体上のCIELAB色空間で定義される色相角∠H°
が200°〜230°の範囲であるシアンインキと、色相角∠H°が90°〜120°で
あるイエローインキを備えることを特徴とするインキセットである。
色相角∠H°は、∠H°=tan-1(b*/a*)+180(a*<0のとき)、又は、
∠H°=tan-1(b*/a*)+360(a*>0かつb*<0のとき)
又は、∠H°=tan-1(b*/a*)(a*>0かつb*≧0の場合)により算出される。
*及びb*は、CIELAB色空間において定義される知覚色度指数を表す。
更に、前記シアンインキ、及びイエローインキに対し、色相角∠H°が330°〜36
0°の範囲であるマゼンタインキ、及び色相角∠H°が0°〜60°の範囲であるオレン
ジインキを組み合わせることで、より高い色再現性を有することができる。
以上のシアン、マゼンタ、イエロー、オレンジを含むインキセットを使用することで、
グリーンやバイオレットなどの特色を更に併用することなく、より高い色再現が可能であ
るため、装置の大型化や装置コストを抑制することが可能となる。
また、シアン、マゼンタ、イエロー、オレンジを含むインキセットに、ブラックインキ
を併用することで、文字の表現やコントラスト表現が優れ、より高精細な画像を得ること
ができる。
更に、シアン、マゼンタ、イエロー、オレンジを含むインキセットに、ホワイトインキ
を併用することで、透明基材に対しても高精細な画像を得ることができる。
前記記録媒体は、任意に選択可能であるが、フィルム基材としてはPET基材、PE基
材、PP基材が好ましく、紙基材としてはコート紙であることが好ましい。PET基材と
しては、例えばLintec社のPET50 K2411が挙げられる。
前記色相角は、インキ硬化膜が8μmとなるようにLintec社のPET50 K2
411上に塗布して硬化させ、X−Rite, Inc.製のX Rite 500se
riesを使用し、視野角2°、光源D65、CIE表色系にて、測定されたa値および
b値から算出された値である。
《インクジェットインキ》
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキは、着色剤としての顔料、重合
性モノマー、光重合開始剤等を含む。
<シアンインキの顔料>
シアンインキに含まれるシアン顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1,
2,3,15:3,15:4,15:34,16,22,60;C.I.バットブルー4
,60等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらのうち、特にC.
I.ピグメントブルー15:3及び/又は15:4を含むことが好ましい。
さらに、シアンインキは、前記シアン顔料に加えて、イエロー顔料及び/又はグリーン
顔料を含むことが好ましい。
シアンインキに含まれるイエロー顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントイエロ
ー1,2,3,12,14,16,17,73,74,75,83,93,95,97,
98,109,110,114,128,129,138,139,147,150,1
51,154,155,180,185等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用い
られる。これらのうち、C.I.ピグメントイエロー150、180、185が好ましい
シアンインキに含まれるグリーン顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントグリー
ン7、36、58等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらのうち
、C.I.ピグメントグリーン7が好ましい。
これらのシアンインキに含まれるイエロー顔料及び/又はグリーン顔料のうち、C.I
.ピグメントイエロー150、180、185がより好ましい。
シアンインキに含まれるイエロー及び/又はグリーン顔料の含有量は、シアンインキに
含まれる全顔料100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、1重
量部〜10重量部であることがより好ましい。
シアンインキに、イエロー顔料及び/又はグリーン顔料を含むことにより、グリーン領
域の色再現性が高くなる。
<イエローインキの顔料>
イエローインキに含まれるイエロー顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントイエ
ロー1,2,3,12,14,16,17,73,74,75,83,93,95,97
,98,109,110,114,128,129,138,139,147,150,
151,154,155,180,185等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用
いられる。これらのうち、グリーン領域やオレンジ領域の色再現性の点から、C.I.ピ
グメントイエロー150、180、185が好ましい。
イエローインキに含まれるイエロー顔料の含有量は、インキ全重量を基準として0.1
〜10重量%が好ましく、1〜10重量%であることがより好ましく、1〜7重量%であ
ることが更に好ましい。
<マゼンタインキの顔料>
マゼンタインキに含まれるマゼンタ顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントレッ
ド5,7,12,48(Ca),48(Mn),57(Ca),57:1,112,12
2,123,168,184,202,209;C.I.ピグメントバイオレット19等
が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらのうち、ブルー領域または
レッド領域の色再現性の点から、C.I.ピグメントレッド122,202,209及び
C.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いる
ことが好ましい。
マゼンタインキに含まれる顔料の含有量は、インキ全重量を基準として、0.1〜10
重量%であることが好ましく、2〜10重量%であることがより好ましい。
<オレンジインキの顔料>
オレンジインキに含まれるオレンジ顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレン
ジ5,13,43,62及び64並びにC.I.ピグメントレッド17,49:2,11
2,149,177,178,188,255及び264からなる群から選ばれる1種又
は2種以上が好適に用いられる。これらのうち、インキの保存安定性やインクジェット吐
出安定性の点から、C.I.ピグメントオレンジ64を含むことが好ましい。この場合、
前記シアン、イエロー、マゼンタインキと共に使用した際に、より広域な色再現性を実現
できる。
オレンジインキに含まれるオレンジ顔料の含有量は、インキ全重量を基準として、0.
1〜10重量%であることが好ましく、2〜10重量%であることがより好ましい。
オレンジインキには、前記オレンジ顔料に加えて、更にマゼンタ顔料を含むことが好ま
しい。これにより、レッド領域の色再現性が高くなる。
オレンジインキに含まれるマゼンタ顔料としては、たとえば、キナクリドン顔料が好ま
しく、具体的にはC.I.ピグメントレッド122,202,209及びC.I.ピグメ
ントバイオレット19等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらの
うち、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレット19が好まし
い。これにより、色再現性が良好になり、さらに、活性エネルギー線の透過効率が良くな
り、オレンジ顔料単体のときに比べ、硬化性が高まる。
オレンジインキにマゼンタ顔料を含む場合、マゼンタ顔料の含有量は、オレンジインキ
に含まれる全顔料100重量部に対して、1〜50重量部であることが好ましく、10〜
50重量部であることがより好ましく、1〜50重量部であることが更に好ましい。
オレンジインキに含まれる顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ64を含むこと
が好ましく、C.I.ピグメントオレンジ64とC.I.ピグメントレッド122を含む
ことがより好ましく、C.I.ピグメントオレンジ64とC.I.ピグメントレッド12
2と、C.I.ピグメントバイオレット19を含むことがさらに好ましい。
<ブラックインキの顔料>
本発明のインキセットには、ブラックインキを含むことが出来る。ブラックインキを併
用することで、文字の表現やコントラスト表現が優れ、より高精細な画像を得ることがで
きる。
ブラックインキに含まれる顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラッ
ク、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック
類(C.I.ピグメントブラック7)、酸化鉄顔料等の無機顔料;アニリンブラック(C
.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料等が挙げられる。特に、カーボンブラックを
用いることが好ましい。
ブラックインキに含まれる顔料の含有量は、インキ全重量を基準として、0.1〜10
重量%であることが好ましく、2〜10重量%であることがより好ましい。
<ホワイトインキの顔料>
本発明のインキセットには、ホワイトインキを含むことが出来る。ホワイトインキを併
用することで、透明な記録媒体や、明度が低い記録媒体に対して良好な視認性を有し、特
にカラーインキセットと併用することで、白色媒体に記録する時と同様な鮮明で高精細な
フルカラー画像を提供することができる。
ホワイトインキに含まれる顔料としては、無機または有機の白色顔料を用いることがで
きる。無機の白色顔料としては、例えば、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、
炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類
、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレ
イ等があげられる。隠蔽性や着色力の点から酸化チタンが好ましい。
ホワイト顔料の平均粒径は、50〜500nmであることが好ましく、100〜300
nmであることがより好ましい。50nm以上では十分な隠蔽性が得られ、500nm以
下では、インキ保存性や吐出性を保つことが出来る。
なお、ホワイト顔料の平均粒径はD50であり、インキを酢酸エチルで200〜100
0倍に希釈し、動的光散乱式粒度分布測定装置(日機装社製「マイクロトラックUPA1
50」)にて測定した値である。
ホワイトインキに含まれる顔料の含有量は、ホワイトインキ全重量を基準として、3〜
50質量%であることが好ましく、5〜20質量%でありことがより好ましい。
本発明のシアンおよびイエローインキのセットによって、グリーン領域での色再現性に
優れるインキセットを提供することが出来る。更にマゼンタおよびオレンジインキを含む
インキセットによって、オレンジ以外の特色インキ(レッド、ブルー、グリーン、バイオ
レット等)を使用する場合と同等かそれ以上の色再現性を得ることができる。
また、紙基材のみならず様々な基材に対して高い色再現性が可能となる。
また、用途や画質に応じて、インキ中の顔料濃度が低いライトイエロー、ライトマゼン
タ、ライトシアンなどの淡色インキ等も併用することができる。このとき、淡色インキに
使用する原料は、前記顔料を使用することが出来る。
<重合性モノマー>
本発明のインクジェットインキは、重合性モノマー(単に「モノマー」ともいう。)を
含む。重合性モノマーとしては、何らかのエネルギー付与により重合反応を生起し、硬化
する化合物であれば特に制限はなく、モノマー、オリゴマー、ポリマーの種を問わず使用
することができるが、特に、所望により添加される重合開始剤から発生する開始種により
重合反応を生起する、ラジカル重合性モノマーとして知られる各種公知の重合性のモノマ
ーが好ましい。
重合性モノマーは、反応速度、硬化膜物性、インキの物性等を調整する目的で、1種又
は複数を混合して用いることができる。また、重合性モノマーは、単官能重合性モノマー
であっても、多官能重合性モノマーであってもよい。単官能重合性モノマーの割合が大き
いと硬化物は柔軟なものになりやすく、多官能重合性モノマーの割合が大きいと硬化性に
優れる傾向がある。したがって、単官能重合性モノマーと多官能重合性モノマーとの割合
は用途に応じて任意に決定されるものである。
ラジカル重合性モノマーとしては、(メタ)アクリレート化合物、ビニルエーテル化合
物、(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基を持つ化合物、アリル化合物、N−ビニ
ル化合物、不飽和カルボン酸類等が挙げられる。
中でも、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基を
持つ化合物、N−ビニル化合物のいずれかを含むことが好ましい。
ここで、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリレート」、
および「(メタ)アクリロイルオキシ」といった記載は、特に説明がない限り、それぞれ
、「アクリロイルおよび/またはメタクリロイル」、「アクリレートおよび/またはメタ
クリレート」、および「アクリロイルオキシおよび/またはメタクリロイルオキシ」を意
味する。
単官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)
2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル)(メタ
)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−メトキシ
エチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(
メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールPO変
性アクリレート、o−フェニルフェノールEO変性アクリレート、2−エチルヘキシルE
O変性アクリレート、β−カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパンフォルマル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボロニ
ル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メ
タ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート
、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフ
タルイミド等が挙げられる。
上記単官能の(メタ)アクリレートの中でも、低粘度かつ高反応性の点から、2−フェ
ノキシエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、ノニルフェノールEO変性アク
リレート等が好ましい。
二官能以上の多官能(メタ)アクリレートとして、以下が挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートとして例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、エトキシ(またはプロポキシ)化1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アク
リレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキ
サンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチ
ルブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフ
ェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジ
オールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジ(メタ)ア
クリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェ
ノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールF
ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、トリシクロデカンジ
(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アク
リレート、EO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートジメチロールトリシ
クロデカンジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリ
メチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートとして例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
のアルキレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイル
オキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキシド変性トリ(メタ)アクリ
レート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ
)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、
プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリン
トリアクリレート等が挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートとして例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテト
ラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロール
メタンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートとして例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ
)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレ
ンオキシド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプトラクトン変性ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、1,9−ノナンジオールアクリレ
ート、1,10−デカンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレー
ト、トリプロピレングリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが低粘度かつ高反応性のため好
ましく、中でも1,9−ノナンジオールアクリレート、1,10−デカンジオールジアク
リレート、ジプロピレングリコールジアクリレートが低臭気のためより好ましい。
単官能のN−ビニル化合物としては、例えば、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル
ピロリドン、N-ビニルホルムアミド等が挙げられる。中でも、低粘度かつ高反応性の点
から、N−ビニルカプロラクタムが好ましい。
(メタ)アクリロイル基とビニルエーテル基を持つ化合物としては、例えば、アクリル
酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、メタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ
)エチル等が挙げられる。低粘度かつ高反応性の点から、アクリル酸2−(2−ビニロキ
シエトキシ)エチルが好ましい。
これらの重合性モノマーは、単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
本発明のインキは、上記の中でも、(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基を持つ
化合物を含むことが好ましく、(メタ)アクリレート化合物と(メタ)アクリレート基と
ビニルエーテル基を持つ化合物を含むことがより好ましく、二官能以上の多官能の(メタ
)アクリレート化合物と(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基を持つ化合物を含む
ことが更に好ましい。
(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基を持つ化合物として、具体的には、アクリ
ル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを含むことが好ましい。
二官能以上の多官能の(メタ)アクリレートとしては、EO/PO骨格を有することが
好ましい。
EO/PO骨格を有する多官能の(メタ)アクリレートとして、具体的には、ジプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、(ネオペンチルグリコール変性)トリメチロー
ルプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくと
も1種であることが好ましく、ジプロピレングリコールジアクリレートがより好ましい。
特に、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルと、ジプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレートとの組合せは、低粘度、低臭気、高反応性の点から好ましい。さら
に、本発明におけるインキセットにおいて、顔料の分散安定性、吐出安定性が良好であり
、発色性、画質に優れる。
アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルは、粘度が低く、かつ反応性が高い
重合性モノマーである。そのため、低粘度で高感度のインキを作製する材料として優れて
いる。アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルの含有量は、インキ全重量を基
準として、5〜70重量%であることが好ましく、5〜50重量%であることがより好ま
しく、10〜50重量%がさらに好ましい。上記含有量が上記範囲内であれば、インキの
粘度が好適な範囲になる。また、その他の重合性モノマーとの重合反応性が向上し、印刷
速度が早い場合であっても吐出が安定し、十分な硬化性が得られる。
アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル以外の多官能(メタ)アクリレート
を含む場合、多官能(メタ)アクリレートの含有量は、インキの全重量を基準として20
〜95重量%が好ましく、30〜90重量%がより好ましく、40〜90重量%がさらに
好ましい。
<光重合開始剤>
本発明において、紫外線等の活性エネルギー線を用いてインキを硬化させる観点から、
インキに光重合開始剤を配合することが好ましい。本発明で用いることができる光重合開
始剤は、公知の光重合開始剤であってよい。例えば、分子開裂型や水素引き抜き型でラジ
カルを発生させる光重合開始剤を使用することが好ましい。本発明において、光重合開始
剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ラジカルを発生させる
光重合開始剤とカチオンを発生させる光重合開始剤とを併用してもよい。
光重合開始剤の具体例としては、以下のものが挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤として、例えば、ビス(2,4,6−ト
リメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベン
ゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェ
ニルエトキシフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
アルキルフェノン系光重合開始剤として、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフ
ェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2
−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベン
ジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシ
ッドメチルエステル、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォ
リノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノ
フェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−
(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタノン−1−オン等が挙げられる。
その他の光重合開始剤として、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)
−、2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチル
ベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、ベ
ンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4
’−メチル−ジフェニルスルフィド、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(
1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]等が挙げられる。
中でも、硬化性、保存安定性の点から、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤とそれ
以外の光重合開始剤を併用することが好ましく、具体的には、2,4,6−トリメチルベ
ンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾ
イル)−フェニルフォスフィンオキサイドから選択される少なくとも1種の光重合開始剤
と、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィ
ド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン
−1及び、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブ
タノン−1から選択される少なくとも1種を併用することが好ましい。
また、上記光重合開始剤に対する増感剤を使用してもよい。増感剤の一例として、重合
性モノマーと付加反応を起こさないアミン類、チオキサントン類等が挙げられる。
アミン類として、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p
−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン、エチル−4−
(ジメチルアミノ)ベンゾエート、および4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェ
ノンなどが挙げられる。
チオキサントン類として、例えば、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、
2−イソプロピルチオキサントンなどがあげられる。
中でも、エチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、4,4’−ビス(ジエチルア
ミノ)ベンゾフェノン、2−イソプロピルチオキサントンが好ましく用いられ、エチル−
4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2−イソプロピルチオキサントンがより好ましく
用いられる。
上記光重合開始剤や増感剤は、インキ中での溶解性に優れ、紫外線透過性を阻害しない
ものを選択して用いることが好ましい。
上記光重合開始剤と増感剤の含有量は、インキ全重量を基準として、2〜20重量%が
好ましく、5〜20重量%がより好ましく、10〜20重量%がより好ましい。上記光重
合開始剤と増感剤の含有量を2重量%以上とした場合、良好な硬化性を得ることができる
。20重量%以下にした場合、硬化速度を早くすることができ、低い温度での光重合開始
剤の析出を抑えることができ、良好なインクジェット吐出性を得ることができる。
<重合禁止剤>
インキの経時での粘度安定性、経時後の吐出安定性、インクジェット記録装置内での粘
度安定性を高めるため、重合禁止剤を使用することができる。重合禁止剤としては、ヒン
ダードフェノール系化合物、フェノチアジン系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リン
系化合物が特に好適に使用される。具体的には、4−メトキシフェノール、ハイドロキノ
ン、メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェノール、フェノチアジン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミ
ニウム塩などが挙げられる。硬化性を維持しつつ経時安定性を高める点から、インキ全重
量を基準として0.01〜2重量%の割合で配合することが好ましい。
<有機溶剤>
本発明のインクジェットインキには、低粘度化および基材への濡れ広がり性を向上させ
るために、有機溶剤を含有させてもよい。乾燥性および高画質画像を形成する点から、沸
点140〜300℃の有機溶剤が望ましい。
有機溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリ
コールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテルプロ
ピオネート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルプ
ロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジプロピレン
グリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテル
ブチレート、エチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、エチレングリコールモ
ノブチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテルブチレート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジプロピレン
グリコールモノメチルエーテルブチレート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテ
ルモノアセテート類の有機溶剤、
エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレング
リコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールアセ
テートプロピオネート、エチレングリコールアセテートブチレート、エチレングリコール
プロピオネートブチレート、エチレングリコールジプロピオネート、エチレングリコール
アセテートジブチレート、ジエチレングリコールアセテートプロピオネート、ジエチレン
グリコールアセテートブチレート、ジエチレングリコールプロピオネートブチレート、ジ
エチレングリコールジプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートジブチレート、
プロピレングリコールアセテートプロピオネート、プロピレングリコールアセテートブチ
レート、プロピレングリコールプロピオネートブチレート、プロピレングリコールジプロ
ピオネート、プロピレングリコールアセテートジブチレート、ジプロピレングリコールア
セテートプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートブチレート、ジプロピレン
グリコールプロピオネートブチレート、ジプロピレングリコールジプロピオネート、ジプ
ロピレングリコールアセテートジブチレート等のアルキレングリコールジアセテート類の
有機溶剤
エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエー
テル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチル
エーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブ
チルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコール
モノアルキルエーテル類の有機溶剤、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリ
コール(1,2−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコ
ール等のアルカンジオール類の有機溶剤、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエ
チレングリコール−ジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−ジ−iso−プロ
ピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエ
チルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエ
チルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、テトラエチレングリコー
ルジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリ
コールエチルメチルエーテル等のアルキレングリコールジアルキルエーテル類の有機溶剤
3−メチル−2−オキサゾリジノン、及び3−エチル−2−オキサゾリジノン等のオキサ
ゾリジノン構造を有する有機溶剤、
2−ピロリドン(γ−ブチロラクタム)、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−
2−ピロリドン、γ−バレロラクタム、γ−ヘキサラクタム、γ−ヘプタラクタム、γ−
オクタラクタム、γ−ノナラクタム、γ−デカラクタム、γ−ウンデカラクタム、δ−バ
レロラクタム、δ−ヘキサラクタム、δ−ヘプタラクタム、δ−オクタラクタム、δ−ノ
ナラクタム、δ−デカラクタム、δ−ウンデカラクタム、ε−カプロラクタム等のラクタ
ム構造を有する有機溶剤、
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン
、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、
δ−バレロラクトン、δ−ヘキサラクトン、δ−ヘプタラクトン、δ−オクタラクトン、
δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−ウンデカラクトン、ε−カプロラクトン等の
ラクトン構造を有する有機溶剤、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート等の
含酸素系有機溶剤、
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、及び乳酸ブチル等の乳酸エステル類の有機溶
剤、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジブチル−β−ブトキ
シプロピオンアミド等のアルコキシアルキルアミドを含む有機溶剤等が挙げられる。
なかでも、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルキレングリコ
ールモノアルキルエーテル、アルキレングリコールジアルキルエーテルからなる群から選
択される少なくとも1種を含むことが好ましい。特に、重合性モノマーとしてアクリル酸
2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを使用する場合、前記アルキレングリコール系の
有機溶剤を併用することによって、硬化性、発色性に優れる良質な画像を得ることが出来
る。
更にこの中でも、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレン
グリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルが、乾燥性
、硬化性の点からより好ましい。
有機溶剤は1種単独で用いても複数組み合わせても使用することができる。有機溶剤は
、実質的に含まないことが好ましいが、有機溶剤を含む場合は、インキ全重量を基準とし
て、0.1〜20重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましく、0.2〜5重
量%がさらに好ましい。
<表面調整剤>
本明細書で記載する表面調整剤とは、添加によりインキの表面張力を低下させる物質を
意味する。本発明の一実施形態において、表面調整剤とは、表面調整剤を1.0重量%添
加した時に、表面調整剤を含まないインキに対して、その静的表面張力を3mN/m以上
低下させる能力を有する物質を示す。
表面調整剤として、例えば、シリコーン系表面調整剤、フッ素系表面調整剤、アクリル
系表面調整剤、アセチレングリコール系表面調整剤等が挙げられる。
表面張力低下の能力、重合性モノマーとの相溶性との観点から、シリコーン系表面調製
剤を使用することが好ましい。
具体的なシリコーン系表面調整剤として、ジメチルシロキサン骨格の変性体が挙げられ
、中でも、ポリエーテル変性シロキサン系表面調整剤が好ましい。ポリエーテルとは例え
ば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドをいう。一般的な製品として、ビッ
クケミー社より代表品としてBYK(登録商標)−378、348、349、などのポリ
エーテル変性シロキサン、BYK―UV3500、UV3510などのポリエーテル変性
ポリジメチルシロキサン、エボニックデグサ社より、TEGO(登録商標) GLIDE
450、440、435、432、410、406、130、110、100などのポ
リエーテル変性シロキサンコポリマー等のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を好
ましく使用できる。これらの中でも、良好な画質形成の観点から、BYK−378、34
8、UV3510、TEGO GLIDE 450、440、432、410等のポリエ
ーテル変性シリコーン系表面調整剤が、好ましい。
シリコーン系表面調整剤の含有量は、インキ全重量を基準として、0.1〜5.0重量
%が好ましい。含有量を0.1重量%以上にすることにより、インキの基材への濡れ性を
容易に向上できる。一方、含有量を5.0重量%以下にすることより、インキの保存安定
性を確保することが容易となる。
<顔料分散剤>
本発明の一実施形態としてカラーインキを構成する場合、顔料の分散性およびインキの
保存安定性を向上させるために、顔料分散剤を含むことが好ましい。顔料分散剤としては
、従来既知のものを使用することできる。中でも、塩基性分散剤、さらには、ウレタン骨
格をもつ樹脂型分散剤(分散樹脂ともいう。)が好ましい。ウレタン骨格をもつ樹脂型分
散剤を使用した場合、高周波数特性に優れ、かつ保存安定性良好な顔料分散体が容易に得
られるため好ましい。このような顔料分散剤の具体例として、ルーブリゾール社製のソル
スパース32000、76400、76500、J100、J180およびDisper
byk−161、162、163、164、165、166、167、168等が挙げら
れる。
分散剤の添加量は、所望の安定性を確保する上で任意に選択される。例えば、顔料10
0重量部に対して顔料分散剤を25〜150重量部とした場合が好ましい。この範囲内で
顔料分散樹脂を使用した場合、インキの分散安定性が良好となり、長期経時後もインキ作
製の初期と同等の品質を示す傾向があるため、好ましい。さらに顔料100重量部に対し
て顔料分散樹脂を40〜100重量部とした場合、インキの分散性と吐出性の双方の観点
でより好ましい。
インキは、25℃での粘度が5〜17mPa・sであることが好ましい。5mPa・s
以上では、吐出が良好である。17mPa・s以下だと、吐出精度が低下することがなく
、画質の低下が少ない。さらに高速印刷に対応するための高周波数適性を持たせるために
は8〜14mPa・sが好ましい。
<インクジェット記録方法>
本発明は、少なくとも2個以上インクジェットヘッドで吐出された後、それらを同時に
硬化させる1パスインクジェット印刷用に好適に用いることができる。1パスインクジェ
ット印刷とは、1つのインクジェットヘッドが1回印刷を行う印刷である。
一般的にはヘッドとヘッド間でUV照射しインキを固定するタイプ(ピンキュアタイプ
)と、インキを固定せずに同時に硬化させるタイプ(ピンキュアレスタイプ)が存在する
。本発明は、ピンキュアタイプだけでなく、ピンキュアレスタイプのプリンタでも高画質
な印刷物を得ることができる。
1パスインクジェット印刷において、印刷速度は少なくとも35m/分が好ましく、少
なくとも50m/分がより好ましい。本発明の1パスインクジェット印刷の解像度は、1
80dpi以上が好ましく、300dpi以上がより好ましく、600dpi以上がさら
に好ましい。
<インクジェットインキの硬化方法>
インキを硬化させる活性エネルギー線として、電子線、紫外線、赤外線などの被照射体
の電子軌道に影響を与え、ラジカル、カチオン、アニオンなどの重合反応を誘発させるエ
ネルギー線であれば、これに限定しない。本発明では、紫外線が好ましく用いられる。
紫外線の光源としては、例えば高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ラン
プ、超高圧水銀ランプ、紫外線レーザー、LED、および太陽光を使用することができる
。利便性や価格などの面から、発光極大波長が300nm〜400nmの、高圧水銀ラン
プ、メタルハライドランプ、LED等を使用することが好ましい。
以下に、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制
限するものではない。なお、実施例における「部」の記載は、「重量部」を表す。
1.インキの作製
インキ作製に先立ち、顔料分散体を作製した。顔料15部、顔料分散剤8.4部、ジプ
ロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)76.6部をハイスピードミキサーで
均一になるまで撹拌した後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散するこ
とによって、顔料分散体を作製した。
表1〜2に記載した配合となるように、先に調整した顔料分散体に、重合性モノマー、
光重合開始剤、重合禁止剤、表面調整剤、及び有機溶剤を順次撹拌しながらゆっくり加え
、光重合開始剤が溶解するまで穏やかに混合させた。なお、表1〜2に記載したDPGD
Aの配合量は、顔料分散体におけるDPGDAの量も併せた数値である。
次いで、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過を行い、粗大粒子を除去することで
、評価用のインクジェットインキを得た。
なお、上記混合液を得るための原料の添加及び混合は順不同であってよい。
各実験例において使用した材料の詳細は以下のとおりである。
・シアン顔料:
P.B.15:3(C.I.ピグメントブルー15:3)、
P.B.15:4(C.I.ピグメントブルー15:4)
・イエロー顔料:
P.Y.150(C.I.ピグメントイエロー150)、
P.Y.180(C.I.ピグメントイエロー180)、
P.Y.185(C.I.ピグメントイエロー185)、
P.Y.139(C.I.ピグメントイエロー139)
・グリーン顔料:
P.G.7(C.I.ピグメントグリーン7)
・マゼンタ顔料:
P.R.122(C.I.ピグメントレッド122)、
P.V.19(C.I.ピグメントバイオレット19)、
P.R.266(C.I.ピグメントレッド266)
・オレンジ顔料:
P.O.64(C.I.ピグメントオレンジ64)、
P.O.13(C.I.ピグメントオレンジ13)
・顔料分散剤SP32000: ルーブリゾール社製、塩基性顔料分散樹脂「ソルスパー
ス32000」
・DPGDA: ジプロピレングリコールジアクリレート
・VEEA−AI: アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(日本触媒社製
、「VEEA−AI」)
(削除)・Irgacure 819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フ
ェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製「IRGACURE 819」)
・BMS: 4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド(日本化薬社製、「
KAYACURE BMS」)
・SB−PI704: エチル−4−(ジメチルアミノ)−ベンゾエート
・BHT: BHTスワノックス(精工化学社製)
・BYK−UV3510 :BYK−UV3510(BYK Chemie社製シリコー
ン系表面張力調整剤)
・DEDG: ジエチレングリコールジエチルエーテル (日本乳化剤社製「DEDG」
2.インキセットの評価
作製した評価インキを使用し、以下のようにして各種特性を評価した。
<カラーインキの色相角>
調製したインキを用い、京セラヘッド(解像度600dpi×600dpi)を搭載し
たインクジェット吐出装置(トライテック社製 OnePassJET)により、インキ
液滴量14plの印字条件で、リンテック社製基材PET K2411上へ、100%ベ
タ画像を描画した。各色のインキ膜厚は約8μmであった。
コンベア速度は50m/min、光源としては、ハリソン東芝ライティング社製160
W/cmメタルハライドランプ(365nm)を使用し、大気中で、インキを硬化させる
ことでインクジェット印刷物を得た。いずれのインキも硬化性は良好であった。
得られたインクジェット印刷物の色相角は、以下の条件で測定した。結果を表1〜2に
示す。
X−Rite,Inc.製のX−Rite 500seriesを使用し、視野角2°
、光源D65、CIE表色系にて、任意の5箇所のa値およびb値を測定し、平均値を求
めた。得られたa値およびb値を用い、∠H°を算出した。
∠H°=tan-1(b*/a*)+180(a*<0のとき)、又は、∠H°=tan-1
*/a*)+360(a*>0かつb*<0のとき)
又は、∠H°=tan-1(b*/a*)(a*>0かつb*≧0の場合)により算出される。
<インキセット色再現性評価>
得られたインキを用いて、以下に示すようにグリーン、レッド、オレンジ、ブルーを印
刷し、Pantone(登録商標)色見本と比較することで色再現性評価を行った。
Pantone(登録商標)色見本との差が小さいものが、色再現性が良好であると評
価した。特に、グリーン、レッド、オレンジ、ブルーすべてにおいて色見本との差が小さ
いものが、色再現性が良いと評価できる。
《グリーン評価》
得られたインキセットのうち、シアンインキとイエローインキを用いて、2次色ステッ
プチャート印刷を行い、それぞれの色相角を測定した。2次色ステップチャート印刷は、
シアンとイエローの二色のインキについて印字率を0〜100%の間で5%ずつ変更させ
ながら2色を重ねた画像である。例えば、シアン5%とイエロー5%の重ね、シアン10
%とイエロー10%の重ねと各色5%ずつ印字率を上昇させ、最後はシアン100%、イ
エロー100%となるよう印刷した。
各色相角について、Pantone(登録商標) HEXACHROME Green
とのΔEを計算し、最も近いものについて以下の評価を付けた。結果を表3〜5に示す。
ΔEの計算法は、
ΔE={(L−L*2+(a−a*2+(b−b*2)}1/2
ここで、L,a,bはPantone(登録商標) HEXACHROME Green
値であり、L*、a*、b*は、作製したシアンインキとイエローインキの値である。
[評価]
◎: ΔE<5
〇: 5≦ΔE<7
△: 7≦ΔE<10
×: ΔE≧10
《レッド評価》
作製したオレンジインキとマゼンタインキを用いて、Green評価と同様に印刷物を
作成して色相角を測定し、Pantone(登録商標) WARM REDとのΔEを計
算した。評価方法はグリーン評価と同様である。結果を表3〜5に示す。
《オレンジ評価》
作製したオレンジインキとイエローインキを用いて、Green評価と同様に印刷物を
作成して色相角を測定し、Pantone(登録商標) Orange021とのΔEを
計算し、グリーン評価と同様に評価した。結果を表3〜5に示す。
《ブルー評価》
作製したシアンインキとマゼンタインキを用いて、Green評価と同様に印刷物を作
成して色相角を測定し、Pantone(登録商標)Reflex BlueとのΔEを
計算し、グリーン評価と同様に評価した。結果を表3〜5に示す。
表1
Figure 2016172822
表2
Figure 2016172822
表3
Figure 2016172822
表4
Figure 2016172822
表5
Figure 2016172822
実施例5及び17と比較例1との比較から、シアンの色相角∠H°は230°以下であ
ることが色再現性に重要であることがわかった。
実施例2及び14と比較例2との比較から、シアンの色相角∠H°は200°以上であ
ることが色再現性に重要であることが分かった。
従って、シアンの色相角∠H°は200°〜230°であることが色再現性に重要であ
ることが分かった。
実施例1、5及び9と比較例3の比較から、イエローの色相角∠H°は90°以上であ
ることが色再現性に重要であることが分かった。
実施例4、8及び12と比較例4の比較から、イエローの色相角∠H°は120°以下
であることが色再現性に重要であることが分かった。
従って、イエローの色相角∠H°は90°〜120°であることが色再現性に重要であ
ることが分かった。
実施例1、3と参考例1の比較から、マゼンタの色相角∠H°は360°以下であるこ
とが色再現性に重要だと分かった。
実施例2、4と参考例2の比較から、マゼンタの色相角∠H°は330°以上であるこ
とが色再現性に重要であることが分かった。
従って、マゼンタの色相角∠H°は330°〜360°であることが色再現性に重要で
あることが分かった。
実施例5、6と参考例3から、オレンジの色相角∠H°は60°以下であることが色再
現性に重要であることが分かった。
実施例5、6と参考例4から、オレンジインキを併用することが色再現性に重要である
ことが分かった。
実施例1〜8と参考例1〜5から、シアンの色相角∠H°が200°〜230°であり
、イエローの色相角∠H°が90°〜120°である場合、グリーン領域の色再現性は良
好であることが分かった。レッド、オレンジ、ブルー領域での色再現性には、さらに、マ
ゼンタインキの色相角∠H°が330°〜360°であり、オレンジインキの色相角∠H
°が0°〜60°であることが重要であることが分かった。

Claims (8)

  1. 少なくとも、シアンインキ、およびイエローインキを有する活性エネルギー線硬化型イ
    ンクジェットインキセットであって、
    記録媒体上のCIELAB色空間で定義される色相角を∠H°とするとき、前記シアン
    インキの色相角∠H°が200°〜230°であり、前記イエローインキの色相角∠H°
    が90°〜120°であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットイン
    キセット。
  2. 更にマゼンタインキ、およびオレンジインキを含む請求項1記載の活性エネルギー線硬
    化型インクジェットインキセットであって、
    記録媒体上のCIELAB色空間で定義される色相角を∠H°とするとき、前記マゼン
    タインキの色相角∠H°が330°〜360°であり、前記オレンジインキの色相角∠H
    °が0°〜60°であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ
    セット。
  3. 前記シアンインキは、着色剤として顔料を含み、シアンインキに含まれる全顔料100
    重量部に対して、イエロー及び/又はグリーン顔料を2重量部〜10重量部含むことを特
    徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキセット。
  4. 前記イエローインキは、着色剤として顔料を含み、顔料としてC.I.ピグメントイエ
    ロー150、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185の
    いずれか1種以上を含むことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の活性エネルギー
    線硬化型インクジェットインキセット。
  5. 前記オレンジインキは、着色剤として顔料を含み、顔料としてC.I.ピグメントオレ
    ンジ64を含むことを特徴とする請求項2に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェッ
    トインキセット。
  6. 前記オレンジインキが、更にキナクリドン顔料を含むことを特徴とする請求項5記載の
    活性エネルギー線硬化型インクジェットインキセット。
  7. 更にブラックインキを含むことを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の活性エネル
    ギー線硬化型インクジェットインキセット。
  8. 更にホワイトインキを含むことを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の活性エネル
    ギー線硬化型インクジェットインキセット。
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