JP6015274B2 - 活性エネルギー線硬化性インク、材料セット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
これらの中でも、前記活性エネルギー線硬化型インクジェット方式は、活性エネルギー線硬化性インクを用い、無溶媒であるため環境に有害なVOC(Volatile Organic Compound;揮発性有機化合物)の発生が無く、速乾性であり、インクを吸収しない液体非吸収性の記録用メディアにも記録できるという利点がある。
また、重合性化合物としてN,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン等のアクリルアミド誘導体を含有する活性エネルギー線硬化性インクが提案されている(特許文献2参照)。
しかし、これらの提案の技術では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の極性系フィルムへの記録は問題ないが、ポリプロピレン(PP)等の非極性系フィルムに対する濡れ拡がりが十分でないという問題がある。これは、ポリプロピレン(PP)等の非極性系フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の極性系フィルムに比べて、インクに対する濡れ性が極端に低く、インク滴のレベリング性が劣るからである。
このように活性エネルギー線硬化性インクを用いた場合でも、ポリプロピレン(PP)等の非極性系フィルムにインクジェット記録する場合には、比較的多量のインク付着量が必要となり、ドットによる凹凸が少なく、均一な光沢感と発色性に優れた階調画像を得ることが困難であるという課題があった。
前記重合性化合物が、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド及びトリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする。
本発明の活性エネルギー線硬化性インクは、着色剤、重合性化合物、及び重合開始剤を少なくとも含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記重合性化合物は、活性エネルギー線(紫外線、電子線等)により重合反応を生起し、硬化する化合物であり、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド及びトリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含有する。
前記ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミド(商品名:HEAA、株式会社興人製)、などが挙げられる。
前記トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート(商品名:CD420、サートマー社製)、などが挙げられる。
前記ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドAと、前記トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートBとの質量比(A:B)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1:0.9〜0.9:0.1が好ましく、0.3:0.7〜0.7:0.3がより好ましい。前記質量比(A:B)のうちAの割合が0.1未満であると、ポリプロピレン(PP)等の非極性フィルムに対する濡れ拡がりが不足してしまうことがある。一方、前記質量比(A:B)のうちAの割合が0.9を超えると、インク粘度が高く希釈剤の選択が困難となることがある。前記質量比(A:B)が、前記より好ましい範囲内であると、ポリプロピレン(PP)等の非極性系フィルムに対する濡れ拡がりがより優れる点で有利である。
前記各種重合性化合物は、反応速度、インク物性、硬化膜物性等を調整する目的で1種又は複数を混合して用いることができる。前記各種重合性化合物は、単官能化合物であってもよく、多官能化合物であってもよい。
前記(メタ)アクリレート類としては、例えば、単官能(メタ)アクリレート、二官能の(メタ)アクリレート、三官能の(メタ)アクリレート、四官能の(メタ)アクリレート、五官能の(メタ)アクリレート、六官能の(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
これらの中でも、低粘度、低臭、高硬化性の観点から、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルが、光重合開始剤及びその他モノマーとの相溶性の点で特に好ましい。
前記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記芳香族ビニル類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3―オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤は、光の作用、又は増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、化学変化を生じ、ラジカル、酸及び塩基のうちの少なくともいずれか1種を生成する化合物である。
前記光重合開始剤は、照射される活性光線、例えば、400nm〜200nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどに感度を有するものを適宜選択して使用することができる。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ケトン類、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、などが挙げられる。
前記芳香族ケトン類としては、例えば、ベンゾフェノン骨格又はチオキサントン骨格を有する化合物、などが挙げられ、具体的には、α−チオベンゾフェノン化合物、ベンゾインエーテル化合物、α−置換ベンゾイン化合物、ベンゾイン誘導体、アロイルホスホン酸エステル、ジアルコキシベンゾフェノン、ベンゾインエーテル類、α−アミノベンゾフェノン類、p−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、チオ置換芳香族ケトン、アシルホスフィンスルフィド、アシルホスフィン、チオキサントン類、クマリン類、などが挙げられる。
前記芳香族オニウム塩としては、周期律表の第V族、VI族、及びVII族の元素、例えば、N、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、Te、又はIの芳香族オニウム塩が挙げられ、具体的には、ヨードニウム塩類、スルホニウム塩類、ジアゾニウム塩類(置換基を有してもよいベンゼンジアゾニウム等)、ジアゾニウム塩樹脂類(ジアゾジフェニルアミンのホルムアルデヒド樹脂等)、N−アルコキシピリジニウム塩類、などが挙げられる。
前記有機過酸化物としては、例えば、分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する化合物が挙げられ、具体的には、3,3’4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、などが挙げられる。
前記ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、などが挙げられる。
前記ケトオキシムエステル化合物としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、などが挙げられる。
前記アジニウム塩化合物としては、例えば、N−O結合を有する化合物、などが挙げられる。
前記メタロセン化合物としては、例えば、チタノセン化合物、鉄−アレーン錯体、などが挙げられる。
前記チタノセン化合物としては、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチルビアロイル−アミノ)フェニル〕チタン、などが挙げられる。
前記光重合開始剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、活性エネルギー線硬化性インク全量に対して、1質量%〜20質量%が好ましく、2質量%〜15質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、活性エネルギー線の照射による硬化が満足できないことがあり、20質量%を超えると、未反応成分が残存して画像品質が得られないことがある。
前記着色剤としては、染料及び顔料のいずれでもよいが、インク記録物の耐久性の点から顔料の方が有利である。
前記染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、又は反応分散染料等の通常インクジェット記録に使用される各種染料を使用することができる。
前記無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、180、185、213、などが挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、209、C.I.ピグメントヴァイオレット19、などが挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、60、16、22、などが挙げられる。
前記その他の成分としては、更に必要に応じて、例えば、重合促進剤、熱ラジカル重合禁止剤、界面活性剤、などが挙げられる。なお、本発明の活性エネルギー硬化性インクは、実質的に溶剤を必要としないが、粘度調整などのために含んでいても構わない。
前記熱ラジカル重合禁止剤としては、例えば、Irgastab UV−10(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、などが挙げられる。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、レベリング性がよく、濡れ性を向上させる点から、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が好適であり、フッ素系界面活性剤が特に好ましい。これらは普通紙にも印字可能なインクとして共通化する場合には必須である。また、プラスチック表面シートに印字する際にも、界面活性剤で表面張力を低くしておくと、媒体面への濡れ性、レベリング性が向上し、乾燥性、画質均一性に良好な影響を与える。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルカルボン化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩、などが挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3、などが挙げられる。
該市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製)、メガファックF−470、F1405、F−474(いずれも、DIC株式会社製)、Zonyl TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、DuPont社製)、FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、PF−151N(オムノバ社製)、などが挙げられる。これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する均染性が著しく向上する点から、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW及びオムノバ社製のPF−151Nが特に好ましい。
(1)アニオン性フッ素系界面活性剤
(3)両性フッ素系界面活性剤
このような界面活性剤としては、市販品としてビックケミー株式会社、信越シリコーン株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、などから容易に入手できる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式で表されるポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物、などが挙げられる。
前記ポリエーテル変性シリコーン化合物としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(いずれも、信越化学工業株式会社製)、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(ビックケミー・ジャパン株式会社製)、などが挙げられる。
前記アセチレングリコール系の界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、などが挙げられる。前記アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品として、例えば、エアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485、TG、などが挙げられる。
前記界面活性剤は、これらに限定されるものではなく、単独で用いても、複数のものを混合して用いてもよい。単独では記録液中で容易に溶解しない場合も、混合することで可溶化され、安定に存在することができる。
これらの界面活性剤の中で、シリコーン系界面活性剤が好ましく、ポリエーテル変性シリコーン化合物を含有するノニオン系のシリコーン系界面活性剤がより好ましく、記録用メディアに対する優れた濡れ性、浸透性を有する。
前記粘度は、例えば、東機産業株式会社製の回転粘度計TV−22Lを用い、温度25℃で測定することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性処理液は、重合性化合物、及び重合開始剤を少なくとも含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記活性エネルギー線硬化性処理液は、着色剤を含まない以外は、基本的に、本発明の前記活性エネルギー線硬化性インクと同様である。
前記重合性化合物は、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド及びトリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含有する。
前記ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド及び前記トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートの含有量、前記ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドAと、前記トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートBとの質量比(A:B)は、前記活性エネルギー線硬化性インクと同様である。
また、前記重合性化合物として、前記ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド及び前記トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートと共に、光重合開始剤から発生する開始種により重合反応を生起するラジカル重合性の重合性化合物として知られる各種重合性化合物を含むことが好ましく、これらの各種重合性化合物は、前記活性エネルギー線硬化性インクと同様である。
前記重合開始剤としては、前記活性エネルギー線硬化性インクと同様のものを用いることができる。
前記その他の成分としては、重合促進剤、熱ラジカル重合禁止剤、界面活性剤、などが挙げられ、前記活性エネルギー線硬化性インクと同様のものを用いることができる。
前記粘度は、例えば、東機産業株式会社製の回転粘度計TV−22Lを用い、温度25℃で測定することができる。
本発明のインクジェット記録方法は、第1の形態では、インクを画像信号に従って液滴として吐出し、記録用メディア上に付着させて画像を形成するインクジェット記録方法であって、
前記記録用メディアが、実質的に液体非吸収性であり、
前記インクが、本発明の前記活性エネルギー線硬化性インクであり、
前記インクを前記記録用メディア上に付着後、活性エネルギー線の照射により画像を硬化させることを特徴とする。
前記記録用メディアが、実質的に液体非吸収性であり、
前記処理液が、本発明の前記活性エネルギー線硬化性処理液であり、
前記インクが、本発明の前記活性エネルギー線硬化性インクであり、
前記インクを記録用メディア上に付着後、活性エネルギー線の照射により画像を硬化させることを特徴とする。
前記第2の形態においては、前記記録用メディア上に、活性エネルギー線硬化性処理液とインクを付与した後に紫外線を照射するが、インクを記録用メディアに付着させる前に、活性エネルギー線硬化性処理液で処理された記録用メディアに紫外線を照射することも可能である。
前記液体吐出方式としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記インクの吐出方法と同様である。
活性エネルギー線としての紫外線の照射量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10mJ/cm2以上、20,000mJ/cm2以下が好ましく、50mJ/cm2以上、15,000mJ/cm2以下がより好ましい。前記数値範囲内における紫外線照射量であれば、十分硬化反応を行うことができる。
前記紫外線照射の光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等のランプ、などが挙げられる。例えば、Fusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いて行うことができる。
なお、紫外線発光ダイオード(紫外線LED)や紫外線発光半導体レーザ等の紫外線発光半導体素子により、紫外線照射を行うことができる。
前記記録用メディアは、実質的にインク及び処理液の吸収性がない液体非吸収性の記録用メディアに対する画像記録において好ましく用いられる。
前記記録用メディアとしては、Japan TAPPI No.51に記載の「紙及び板紙の液体吸収性試験方法」における接触時間100msから400msまでの間でのインク転移量の増加量が5mL/m2以下であることが好ましい。
前記インク転移量の増加量は、例えば、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工株式会社製)を用い、接触時間100msと接触時間400msにおけるインクの転移量を求め、両者のインク転移量の増加量から求めることができる。
前記PETフィルムは、通常、10質量%程度の無機微粒子を混練しており、プラスチックフィルムは、プラスチック材料のみで形成されたものでないのは勿論である。
また、前記プラスチックシートは、プラスチックフィルムラミネート紙、プラスチック材料で塗工処理又は含浸処理されて紙質表面がプラスチック材料で覆われた樹脂加工紙などのプラスチック表面を有するフィルムシートであってよい。
前記記録用メディアとしては、実質的に液体非吸収性のポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の非極性系フィルムに対する画像記録に、ドットによる凹凸が少なく、均一な光沢感と発色性に優れた階調画像を得るためのインクジェット記録方法に用いる記録用メディアとして、より好適に用いることが可能である。
前記液体吸収性の記録用メディアとしては、例えば、電子写真用普通紙、シリカ、アルミナ、PVA、PVP等を含むインク吸収層を備えたインクジェット用紙、などが挙げられる。
前記比較的インク浸透スピードが遅いタイプの記録用メディアとしては、例えば、一般のオフセット印刷に用いられるアート紙、コート紙、キャスト紙、などが挙げられる。なお、地肌光沢の異なるマット調からグロス調まで画像部と非画像部の光沢感に違和感なく画像を形成することが可能である。
本発明で用いられるインクカートリッジは、本発明の前記活性エネルギー線硬化性インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、プラスチック製容器、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
インクカートリッジは、図1に示すように、インク注入口242からインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチック製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
前記インクカートリッジは、本発明の活性エネルギー線硬化性インクを収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述する本発明で用いられるインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。
図3に示すインクジェット記録装置は、装置本体101と、該装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、インクカートリッジ装填部104とを有する。この給紙トレイ102を使用してポリプロピレン(PP)シート等のプラスチックシートの給紙が可能である。
インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には、図4及び図5に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動可能に保持し、主走査モータ(不図示)によって図5の矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等をインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示しないインクジェット用インク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部104に装填されたインクカートリッジ200から本発明の活性エネルギー線硬化性インクが供給されて補充される。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押え部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられ、また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
そして、サブタンク135内のインクジェット用インクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ200から所要量の活性エネルギー線硬化性インクがサブタンク135に補給される。
この図6のインクジェット記録装置は、活性エネルギー線硬化性処理液を汲み上げローラ及び膜厚制御ローラを介して塗布ローラに均一に塗布し、カウンタローラとの間に挟まれた記録用メディアに転写して活性エネルギー線硬化性処理液の付与を行うことができる。
図6に示すインクジェット記録装置において、記録用メディア6は給紙ローラ7によって送り出され、付与ローラ4とカウンタローラ5によって活性エネルギー線硬化性処理液1が記録用メディア6に均一に薄く付与される。処理液1は汲み上げローラ3によって汲み上げられ、膜厚制御ローラ2によって付与ローラ4に均一に付与される。活性エネルギー線硬化性処理液1を付与された記録用メディア6はインクジェット記録ヘッド20のある記録走査部まで送られる。処理液付与動作の終了部(図6のA部)から記録走査開始部(図6のB部)までの用紙経路の長さは記録用メディアの送り方向の長さより長く設定されているので記録用メディアが記録走査開始部に到達した時点では活性エネルギー線硬化性処理液の付与を完全に終了することができる。この場合、活性エネルギー線硬化性処理液の付与は、インクジェット記録ヘッド20が印字のための走査を開始し、記録用メディア6が間欠的に搬送される前に実施できるため、記録用メディア6の搬送速度が一定の状態で連続的に付与でき、ムラのない均一な付与が可能となる。なお、図6のインクジェット記録装置では処理の必要な記録用メディア6は下段のカセットから、処理の必要がないか、又は処理されては困る記録用メディア17は上段のカセットから供給するようになっているため、記録用メディア搬送経路を長く設けるのに好都合である。
なお、図6のインクジェット記録装置は、給紙トレイ8、用紙送りローラ10、記録用メディア送りローラ11〜16、給紙ローラ18、インクカートリッジ21、キャリッジ軸22、キャリッジ23を有している。
<活性エネルギー線硬化性インクの作製>
下記組成を混合した後、平均孔径0.45μmのセルロースアセテートフィルターにて濾過し、活性エネルギー線硬化性インクを作製した。
〔インク組成〕
・ヒドロキシエチルアクリルアミド(商品名:HEAA、株式会社興人製)・・・7.0質量%
・3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート(商品名:CD420、サートマー社製)・・・7.0質量%
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製)・・・6.0質量%
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(商品名:VEEA、日本触媒株式会社製)・・・60.0質量%
・光重合開始剤(イルガキュア379、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)・・・10.0質量%
・カーボンブラック分散液(カーボンブラック(三菱化学株式会社製、#10)と分散剤(日本ルーブリゾール社製、S32000)とを質量比3:1で分散させたもの)・・・10.0質量%
<活性エネルギー線硬化性インクの作製>
下記組成を混合し、これを平均孔径0.45μmのセルロースアセテートフィルターにて濾過し、活性エネルギー線硬化性インクを作製した。
〔インク組成〕
・ヒドロキシエチルアクリルアミド(商品名:HEAA、株式会社興人製)・・・4.0質量%
・3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート(商品名:CD420、サートマー社製)・・・4.0質量%
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製)・・・6.0質量%
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(商品名:VEEA、日本触媒株式会社製)・・・66.0質量%
・光重合開始剤(イルガキュア379、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)・・・10.0質量%
・カーボンブラック分散液(カーボンブラック(三菱化学株式会社製、#10)と分散剤(日本ルーブリゾール社製、S32000)とを質量比3:1で分散させたもの)・・・10.0質量%
<活性エネルギー線硬化性インクの作製>
下記組成を混合した後、平均孔径0.45μmのセルロースアセテートフィルターにて濾過し、活性エネルギー線硬化性インクを作製した。
〔インク組成〕
・ヒドロキシエチルアクリルアミド(商品名:HEAA、株式会社興人製)・・・11.2質量%
・3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート(商品名:CD420、サートマー社製)・・・2.8質量%
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製)・・・6.0質量%
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(商品名:VEEA、日本触媒株式会社製)・・・60.0質量%
・光重合開始剤(イルガキュア379、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)・・・10.0質量%
・カーボンブラック分散液(カーボンブラック(三菱化学株式会社製、#10)と分散剤(日本ルーブリゾール社製、S32000)とを質量比3:1で分散させたもの)・・・10.0質量%
下記組成を混合した後、平均孔径0.45μmのセルロースアセテートフィルターにて濾過し、活性エネルギー線硬化性インクを作製した。
〔インク組成〕
・ヒドロキシエチルアクリルアミド(商品名:HEAA、株式会社興人製)・・・2.8質量%
・3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート(商品名:CD420、サートマー社製)・・・11.2質量%
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製)・・・6.0質量%
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(商品名:VEEA、日本触媒株式会社製)・・・60.0質量%
・光重合開始剤(イルガキュア379、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)・・・10.0質量%
・カーボンブラック分散液(カーボンブラック(三菱化学株式会社製、#10)と分散剤(日本ルーブリゾール社製、S32000)とを質量比3:1で分散させたもの)・・・10.
<活性エネルギー線硬化性インクの作製>
下記組成を混合した後、平均孔径0.45μmのセルロースアセテートフィルターにて濾過し、活性エネルギー線硬化性インクを作製した。
〔インク組成〕
・ヒドロキシエチルアクリルアミド(商品名:HEAA、株式会社興人製)・・・7.0質量%
・3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート(商品名:CD420、サートマー社製)・・・7.0質量%
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製)・・・6.0質量%
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(商品名:VEEA、日本触媒株式会社製)・・・59.0質量%
・光重合開始剤(イルガキュア379、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)・・・10.0質量%
・カーボンブラック分散液(カーボンブラック(三菱化学株式会社製、#10)と分散剤(日本ルーブリゾール社製、S32000)とを質量比3:1で分散させたもの)・・・10.0質量%
・フッ素系界面活性剤(BYK−UV3510、ビックケミー社製)・・・1.0質量%
<活性エネルギー線硬化性インクの作製>
下記組成を混合した後、平均孔径0.45μmのセルロースアセテートフィルターにて濾過し、活性エネルギー線硬化性インクを作製した。
〔インク組成〕
・ヒドロキシエチルアクリルアミド(商品名:HEAA、株式会社興人製)・・・14.0質量%
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製)・・・6.0質量%
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(商品名:VEEA、日本触媒株式会社製)・・・60.0質量%
・光重合開始剤(イルガキュア379、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)・・・10.0質量%
・カーボンブラック分散液(カーボンブラック(三菱化学株式会社製、#10)と分散剤(日本ルーブリゾール社製、S32000)とを質量比3:1で分散させたもの)・・・10.0質量%
<活性エネルギー線硬化性インクの作製>
下記組成を混合し、これを平均孔径0.45μmのセルロースアセテートフィルターにて濾過し、活性エネルギー線硬化性インクを作製した。
〔組成〕
・3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート(商品名:CD420、サートマー社製)・・・14.0質量%
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製)・・・6.0質量%
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(商品名:VEEA、日本触媒株式会社製)・・・60.0質量%
・光重合開始剤(イルガキュア379、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)・・・10.0質量%
・カーボンブラック分散液(カーボンブラック(三菱化学株式会社製、#10)と分散剤(日本ルーブリゾール社製、S32000)とを質量比3:1で分散させたもの)・・・10.0質量%
作製した各活性エネルギー線硬化性インクを用い、インク画像解像度600dpi×600dpi、2値の1パス画像出力を、下記の記録用メディア毎にインク滴体積Mj=5pl〜15plにて画像記録を行った。前記「1パス画像出力」とは、キャリッジ(又は記録用メディア)一度の走査によって記録する画像出力のことである。主走査の複数回間引きや副走査のインターレースを用いないため、比較的記録速度は高いが画質特性を維持することが困難な画像出力方式である。また、前記「2値」とは、インク滴のオン(インク滴あり)、オフ(インク滴なし)のオンデマンド吐出による画像を意味する。
画像記録後、紫外線照射して、硬化を行った。紫外線照射はUV硬化装置(SubZER0085、A−vulb、INTEGRATION社製)を用いて、インク付着後、照射量200mJ/cm2にて行った。
(1)二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(パイレンP2161、東洋紡績株式会社製)
Japan TAPPI No.51に記載の「紙及び板紙の液体吸収性試験方法」における接触時間100msから400msまでの間でのインク転移量の増加量が0mL/m2であった。
前記インク転移量の増加は、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工株式会社製)を用い、接触時間100msと接触時間400msにおけるインクの転移量を求め、両者のインク転移量の増加量から求めた。測定は、23℃、50%RHの環境条件で行った。
(2)ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(エステルE5100、東洋紡績株式会社製)
Japan TAPPI No.51に記載の「紙及び板紙の液体吸収性試験方法」における接触時間100msから400msまでの間でのインク転移量の増加量が0mL/m2であった。
ベタ画像部(黒)の発色で許容できれば○、同一記録用メディア中の比較にて発色が低く許容できなければ△、絶対的な発色が足りないものを×とした。
ベタ画像部(黒)の均一性を目視にて判定し、均一で問題なければ○、ビーディング等のむらがあれば×とした。
画像中間調のドット凹凸によるぎらつき感を目視により、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:平滑で凹凸が目立たない
○:凹凸はあるが許容できる
△:凹凸があり許容できない
×:凹凸によるぎらつき感が目立つ
ベタ画像部と非画像部の厚みを安田精機製作所製のショッパー型厚さ測定器により計測し、ベタ画像部と非画像部の段差について、下記の基準で評価した。
〔評価基準〕
○:段差が3μm未満
△:段差が3μm以上10μm以下
×:段差が10μmを超える
表1の結果から、ヒドロキシエチルアクリルアミドとトリメチルシクロヘキシルアクリレート併用した活性エネルギー線硬化性インクは、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いた場合であっても、均一な光沢感と発色性に優れた階調画像を形成できることがわかった。
<活性エネルギー線硬化性処理液1の作製>
下記組成を混合し、これを平均孔径0.45μmのセルロースアセテートフィルターにて濾過し、活性エネルギー線硬化性処理液1を作製した。
〔処理液組成〕
・ヒドロキシエチルアクリルアミド(商品名:HEAA、株式会社興人製)・・・7.0質量%
・3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート(商品名:CD420、サートマー社製)・・・7.0質量%
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製)・・・6.0質量%
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(商品名:VEEA、日本触媒株式会社製)・・・70.0質量%
・光重合開始剤(イルガキュア379、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)・・・10.0質量%
下記組成を混合し、これを平均孔径0.45μmのセルロースアセテートフィルターにて濾過し、活性エネルギー線硬化性処理液2を作製した。
〔処理液組成〕
・ヒドロキシエチルアクリルアミド(商品名:HEAA、株式会社興人製)・・・14.0質量%
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製)・・・6.0質量%
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(商品名:VEEA、日本触媒株式会社製)・・・70.0質量%
・光重合開始剤(イルガキュア379、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)・・・10.0質量%
下記組成を混合し、これを平均孔径0.45μmのセルロースアセテートフィルターにて濾過し、活性エネルギー線硬化性処理液3を作製した。
〔処理液組成〕
・3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート(商品名:CD420、サートマー社製)・・・14.0質量%
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:PETIA、ダイセル・サイテック社製)・・・6.0質量%
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(商品名:VEEA、日本触媒株式会社製)・・・70.0質量%
・光重合開始剤(イルガキュア379、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)・・・10.0質量%
表2に示す組み合わせで、図6に示すインクジェット記録装置を用いて、作製した活性エネルギー線硬化性処理液1〜3を塗布ローラにより2.0g/m2の付着量で、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(パイレンP2161、東洋紡績株式会社製)に塗布した。
次に、表2に示す組み合わせで、実施例1〜5及び比較例1〜2の活性エネルギー線硬化性インクを用い、実施例1〜5及び比較例1〜2と同様にして、インクジェット記録を行い、紫外線照射し、硬化を行った。紫外線照射はUV硬化装置(SubZER0085、A−vulb、INTEGRATION社製)を用いて、インク付着後、照射量200mJ/cm2にて行った。
作成した画像について、上記と同様の(1)〜(4)項目で画像特性評価を行った。結果を表2に示した。
<1> 着色剤、重合性化合物、及び重合開始剤を少なくとも含有してなり、
前記重合性化合物が、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド及びトリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性インクである。
<2> ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド及びトリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートの含有量が、10質量%〜30質量%である前記<1>に記載の活性エネルギー線硬化性インクである。
<3> ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドAと、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートBとの質量比(A:B)が0.1:0.9〜0.9:0.1である前記<1>から<2>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インクである。
<4> 重合性化合物が、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを更に含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インクである。
<5> フッ素系界面活性剤を含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インクである。
<6> 重合性化合物及び重合開始剤を少なくとも含有してなり、
前記重合性化合物が、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド及びトリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性処理液である。
<7> インクを画像信号に従って液滴として吐出し、記録用メディア上に付着させて画像を形成するインクジェット記録方法であって、
前記記録用メディアが、実質的に液体非吸収性であり、
前記インクが、前記<1>から<5>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インクであり、
前記インクを前記記録用メディア上に付着後、活性エネルギー線の照射により画像を硬化させることを特徴とするインクジェット記録方法である。
<8> 記録用メディア上に処理液を付与し、インクを画像信号に従って液滴として吐出し、前記インクを記録用メディア上に付着させて画像を形成するインクジェット記録方法であって、
前記記録用メディアが、実質的に液体非吸収性であり、
前記処理液が、前記<6>に記載の活性エネルギー線硬化性処理液であり、
前記インクが、前記<1>から<5>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インクであり、
前記インクを前記記録用メディア上に付着後、活性エネルギー線の照射により画像を硬化させることを特徴とするインクジェット記録方法である。
<9> 記録用メディアが、Japan TAPPI No.51に記載の「紙及び板紙の液体吸収性試験方法」における接触時間100msから400msまでの間でのインク転移量の増加量が5mL/m2以下である前記<7>から<8>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<10> 記録用メディアが、ポリプロピレンを含むプラスチックフィルムである前記<7>から<9>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
2 膜厚制御ローラ
3 汲み上げローラ
4 塗布ローラ
5 カウンタローラ
6 用紙
7 給紙ローラ
8 給紙トレイ
11、12、14,13、15、16 用紙送りローラ
17 用紙
18 給紙ローラ
20 記録ヘッド
21 インクカートリッジ
22 キャリッジ軸
23 キャリッジ
31 用紙ガイド
33 用紙送りローラ
34 用紙戻しガイド
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インクカートリッジ
Claims (13)
- 着色剤、重合性化合物、及び重合開始剤を少なくとも含有してなり、
前記重合性化合物が、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド及びトリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性インク。 - ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド及びトリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートの含有量が、10質量%〜30質量%である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性インク。
- ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドAと、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートBとの質量比(A:B)が0.1:0.9〜0.9:0.1である請求項1から2のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インク。
- 重合性化合物が、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを更に含有する請求項1から3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インク。
- フッ素系界面活性剤を含有する請求項1から4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インク。
- 請求項1から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インクと、
重合性化合物及び重合開始剤を少なくとも含有してなり、前記重合性化合物が、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド及びトリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化性処理液と、
を有することを特徴とする材料セット。 - インクを画像信号に従って液滴として吐出し、記録用メディア上に付着させて画像を形成するインクジェット記録方法であって、
前記記録用メディアが、実質的に液体非吸収性であり、
前記インクが、請求項1から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インクであり、
前記インクを前記記録用メディア上に付着後、活性エネルギー線の照射により画像を硬化させることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 記録用メディア上に処理液を付与し、インクを画像信号に従って液滴として吐出し、前記インクを記録用メディア上に付着させて画像を形成するインクジェット記録方法であって、
前記記録用メディアが、実質的に液体非吸収性であり、
前記処理液が、重合性化合物及び重合開始剤を少なくとも含有してなり、前記重合性化合物が、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド及びトリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化性処理液であり、
前記インクが、請求項1から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インクであり、
前記インクを前記記録用メディア上に付着後、活性エネルギー線の照射により画像を硬化させることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 記録用メディアが、Japan TAPPI No.51に記載の「紙及び板紙の液体吸収性試験方法」における接触時間100msから400msまでの間でのインク転移量の増加量が5mL/m2以下である請求項7から8のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
- 記録用メディアが、ポリプロピレンを含むプラスチックフィルムである請求項7から9のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
- 請求項1から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項1から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インクを吐出する手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
- 重合性化合物及び重合開始剤を少なくとも含有してなり、前記重合性化合物が、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド及びトリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化性処理液を記録用メディア上に付与する手段と、
請求項1から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性インクを吐出する手段と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
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