JP2011241116A - チタン酸アルミニウム焼結体の製造方法及びチタン酸アルミニウム焼結体 - Google Patents

チタン酸アルミニウム焼結体の製造方法及びチタン酸アルミニウム焼結体 Download PDF

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Abstract

【課題】少ないコストでチタン酸アルミニウム焼結体における欠陥の発生を抑制できるチタン酸アルミニウム焼結体の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明のチタン酸アルミニウム焼結体の製造方法は、チタン源、アルミニウム源、有機バインダ、繊維状無機物質及び溶媒を含む原料混合物を調製する工程と、原料混合物を成形してグリーン成形体を形成する工程と、グリーン成形体を焼成する工程と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、チタン酸アルミニウム焼結体の製造方法及びチタン酸アルミニウム焼結体に関する。
チタン酸アルミニウム焼結体は、構成元素としてチタンおよびアルミニウムを含み、X線回折スペクトルにおいて、チタン酸アルミニウムの結晶パターンを有するセラミックスであって、耐熱性に優れたセラミックスとして知られている。チタン酸アルミニウム焼結体は、従来からルツボのような焼結用の冶具などとして用いられてきた。近年では、ディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排ガスに含まれる微細なカーボン粒子を捕集するためのセラミックスフィルター(DPF:Diesel particulate filter)を構成する材料として、その産業上の利用価値が高まっている。
チタン酸アルミニウム焼結体の製造方法としては、アルミニウム源粉末およびチタン源粉末を含む原料混合物を成形することにより得たグリーン成形体を焼成する方法が知られている(下記特許文献1参照)。
国際公開第05/105704号パンフレット
チタン酸アルミニウム焼結体からなるハニカム構造体は、アルミニウム源粉末およびチタン源粉末等を含む原料混合物を押出成形することによりハニカム状のグリーン成形体を形成し、グリーン成形体を焼成することにより製造される。押出成形時の原料混合物に成型加工性や保形性を付与するためには、原料混合物に有機バインダを添加する必要がある。
ハニカム構造体の製造では、焼成前にグリーン成形体を仮焼きすることによって、グリーン成形体中の有機バインダを燃焼させ、有機バインダが除去された成形体を得る。しかしながら、グリーン成形体中の有機バインダが燃焼することによって、仮焼き後の成形体に歪みや破損等の欠陥が発生してしまうことがある。欠陥を伴わずにグリーン成形体から有機バインダを除去することは容易ではない。欠陥を有する成形体を焼成すると、原料粉末の焼結や成形体の収縮の結果、ハニカム構造体にひび割れ等の欠陥が生じてしまう。壁の薄いハニカム構造体に生じたひび割れは、ハニカム構造体がDPFとして車両に実装された際に、ハニカム構造体内に過度な温度勾配や内部応力を発生させ、ハニカム構造体の溶融や破損を招く。また、ひび割れはハニカム構造体による微細粒子の捕捉率を低下させる。
したがって、ひび割れ等の欠陥を防止するためには、成形体の焼成時に格別の注意を払わなければならない。例えば従来は、焼成時間を長くしたり、特別に設計された焼成炉等を用いたりすることにより、有機バインダの燃焼を制御し、熱応力や特異収縮を抑制することが試みられてきた。しかしながら、これらの方法は高機能で高価な製造設備を必要とし、製造コストを上昇させる。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、少ないコストでチタン酸アルミニウム焼結体における欠陥の発生を抑制できるチタン酸アルミニウム焼結体の製造方法及び欠陥の少ないチタン酸アルミニウム焼結体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のチタン酸アルミニウム焼結体の製造方法は、チタン源、アルミニウム源、有機バインダ、繊維状無機物質及び溶媒を含む原料混合物を調製する工程と、原料混合物を成形してグリーン成形体を形成する工程と、グリーン成形体を焼成する工程と、を備える。なお、本発明において、「チタン酸アルミニウム焼結体」は「チタン酸アルミニウムマグネシウム焼結体」を含意する。
上記本発明では、繊維状無機物質がバインダ又は焼結助剤として機能し、燃焼することはなく焼成の間グリーン成形体中に残存し、グリーン成形体の破損を抑制する。したがって、本発明では、有機バインダと繊維状無機物質を併用しない場合に比べて、有機バインダの燃え尽きに因るグリーン成形体の欠陥の発生が抑制される。その結果、本発明では、焼成工程後に得られるチタン酸アルミニウム焼結体における欠陥の発生を抑制できる。また、上記本発明では、繊維状無機物質を用いることでチタン酸アルミニウム焼結体の欠陥の発生を抑制するため、欠陥の発生を抑制することを目的とした特殊な製造設備が不要となり、製造コストを削減できる。
上記本発明では、原料混合物がマグネシウム源を含むことが好ましい。これにより、チタン酸アルミニウム焼結体が熱分解し難くなる。つまり、チタン酸アルミニウム焼結体の耐熱性が向上する。
上記本発明では、原料混合物がケイ素源を含むことが好ましい。ケイ素源は焼結助剤として機能するため、ケイ素源を含むグリーン成形体を焼成して得られるチタン酸アルミニウム焼結体の耐熱性が向上する。
上記本発明では、繊維状無機物質として、アルミナ繊維、アルミナシリカ繊維及びガラス繊維からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いればよい。これらの繊維状無機物質は、チタン酸アルミニウム焼結体における欠陥の発生を抑制できる点において好適である。
本発明のチタン酸アルミニウム焼結体は、チタン源、アルミニウム源、有機バインダ、繊維状無機物質及び溶媒を含む原料混合物から形成され、アルミニウムの含有率が酸化アルミニウム換算で40〜60モル%であり、チタンの含有率が酸化チタン換算で35〜55モル%である。繊維状無機物質を含む原料混合物から形成される本発明のチタン酸アルミニウム焼結体は、欠陥が少ない点において優れている。
上記本発明では、原料混合物がマグネシウム源及びケイ素源を含み、マグネシウムの含有率が酸化マグネシウム換算で1〜5質量%であり、ケイ素の含有率が酸化ケイ素換算で2〜5質量%であることが好ましい。マグネシウム及びケイ素の含有により、チタン酸アルミニウム焼結体の耐熱性が向上する。
本発明によれば、少ないコストでチタン酸アルミニウム焼結体における欠陥の発生を抑制できるチタン酸アルミニウム焼結体の製造方法及び欠陥の少ないチタン酸アルミニウム焼結体を提供することが可能となる。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る製造方法の中途で形成されるグリーン成形体の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のグリーン成形体の端面の部分拡大図である。 図2(a)は、本発明の一実施形態に係る製造方法により得られるチタン酸アルミニウム焼結体の斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のチタン酸アルミニウム焼結体の部分拡大図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付す。また、上下左右の位置関係は図面に示す通りであるが、寸法の比率は図面に示すものに限定されない。
<チタン酸アルミニウム焼結体の製造方法>
本実施形態は、チタン酸アルミニウム焼結体からなるハニカム構造体(多セル型セラミックモノリス)の製造方法である。
[原料混合物の調製]
まず本実施形態では、繊維状無機物質、無機化合物源粉末、有機バインダ、及び溶媒を混練機等により混合して原料混合物を調製する。無機化合物源粉末は、チタン源粉末及びアルミニウム源粉末を含む。無機化合物源粉末は、更にマグネシウム源粉末及びケイ素源粉末を含んでもよい。
(繊維状無機物質)
繊維状無機物質としては、アルミナ繊維、アルミナシリカ繊維及びガラス繊維からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いればよい。これらの繊維状無機物質は、チタン酸アルミニウム焼結体における欠陥の発生を抑制できる点において好適である。
有機バインダとしてセルロース類等の水溶性有機バインダを用い、溶媒として水等の極性溶媒を用いる場合、繊維状無機物質として繊維状ケイ酸塩鉱物を用いることが好ましい。この繊維状ケイ酸塩鉱物は、水溶性有機バインダ及び極性溶媒との高い化学的親和性を有するため、原料混合物内に高密度で充填される。このような原料混合物を用いることにより、欠陥が少なく機械的強度に優れたチタン酸アルミニウムを得易くなる。このような利点を得るためには、繊維状ケイ酸塩鉱物の比表面積が100m/gを超えることが好ましく、繊維状ケイ酸塩鉱物のアスペクト比が500よりも大きいことが好ましく、繊維状ケイ酸塩鉱物の中心粒径(粒径のメジアン)が1〜2μmであることが好ましい。繊維状ケイ酸塩鉱物の具体例としては、水和マグネシウム・アルミノケイ酸塩クレーであるアタパルジャイト・クレーが挙げられる。アタパルジャイト・クレーは、針状粒子を含んでおり、大表面積と高いアスペクト比とを有する。原料混合物における繊維状ケイ酸塩鉱物の含有量は、無機化合物源粉末100重量部に対して、通常2〜10重量部であり、好ましくは5〜10重量部であり、より好ましくは1〜3重量部である。
(アルミニウム源)
アルミニウム源は、チタン酸アルミニウム焼結体を構成するアルミニウム成分となる化合物である。アルミニウム源としては、例えば、アルミナ(酸化アルミニウム)が挙げられる。アルミナの結晶型としては、γ型、δ型、θ型、α型などが挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。なかでも、α型のアルミナが好ましく用いられる。
アルミニウム源は、単独で空気中で焼成することによりアルミナに導かれる化合物であってもよい。かかる化合物としては、例えばアルミニウム塩、アルミニウムアルコキシド、水酸化アルミニウム、金属アルミニウムなどが挙げられる。
アルミニウム塩は、無機酸との無機塩であってもよいし、有機酸との有機塩であってもよい。具体的なアルミニウム無機塩としては、例えば、硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウムアルミニウムなどのアルミニウム硝酸塩、炭酸アンモニウムアルミニウムなどのアルミニウム炭酸塩などが挙げられる。アルミニウム有機塩としては、例えば、蓚酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
アルミニウムアルコキシドとして具体的には、例えば、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムsec−ブトキシド、アルミニウムtert−ブトキシドなどが挙げられる。
水酸化アルミニウムの結晶型としては、例えば、ギブサイト型、バイヤライト型、ノロソトランダイト型、ベーマイト型、擬ベーマイト型などが挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。アモルファスの水酸化アルミニウムとしては、例えば、アルミニウム塩、アルミニウムアルコキシドなどのような水溶性アルミニウム化合物の水溶液を加水分解して得られるアルミニウム加水分解物も挙げられる。
アルミニウム源としては、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記のなかでも、アルミニウム源としては、アルミナが好ましく用いられ、より好ましくは、α型のアルミナである。なお、アルミニウム源は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
アルミニウム源粉末の粒径は、特に限定されない。例えば、レーザ回折法により測定される体積基準の累積百分率50%に相当するアルミニウム源粉末の粒子径は20〜60μmの範囲内であればよい。なお、この粒子径は、D50又は平均粒子径とも呼ばれる。焼成時の収縮率低減の観点からは、D50が30〜60μmの範囲内であるアルミニウム源粉末を用いることが好ましい。
原料混合物にはアルミナゾルや後述のシリカゾルを添加することができる。このように、アルミナゾル、シリカゾル等を添加することにより、原料混合物中の微小な粒子同士を吸着させ、グリーン成形体中の粒子径0.1μm以下の粒子の量を、無機化合物源粉末(固形分)の100重量部に対して1〜5重量部とすることができ、これにより500℃における脱脂後の成形体の強度を例えば0.2kgf以上とすることができる。
アルミナゾルとは、微粒子状のアルミナを分散質とし、液体を分散媒とするコロイドである。アルミナゾルは、単独でアルミニウム源とすることもできるが、他のアルミニウム源と共に併用されることが好ましい。アルミナゾルの分散媒は、例えば、混合時や仮焼時に蒸発等により除去される。
アルミナゾルの分散媒としては、水溶液や各種有機溶媒、例えば、塩酸水溶液、酢酸水溶液、硝酸水溶液、アルコール、キシレン、トルエン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。アルミナゾルとしては、平均粒子径が1〜100nmのコロイド状アルミナゾルが好適に用いられる。このような平均粒子径を有するアルミナゾルを用いることにより、原料混合物中の粒子同士を吸着させられるといった利点がある。また、アルミナゾルの市販品としては、例えば、日産化学工業社製「アルミナゾル100」、「アルミナゾル200」、「アルミナゾル520」、シーアイ化成製「NanoTek Al」等が挙げられる。このうち、日産化学工業社製「アルミナゾル200」を用いることが好ましい。
アルミナゾルは、無機化合物源粉末(固形分)の100重量部に対して固形分で0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部用いることができる。アルミナゾルは、2種以上混合して用いてもよい。
(チタン源)
チタン源は、チタン酸アルミニウム焼結体を構成するチタン成分となる化合物であり、かかる化合物としては、例えば酸化チタンが挙げられる。酸化チタンとしては、例えば、酸化チタン(IV)、酸化チタン(III)、酸化チタン(II)などが挙げられ、なかでも酸化チタン(IV)が好ましく用いられる。酸化チタン(IV)の結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型などが挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。より好ましくは、アナターゼ型、ルチル型の酸化チタン(IV)である。
チタン源は、単独で空気中で焼成することによりチタニア(酸化チタン)に導かれる化合物であってもよい。かかる化合物としては、例えば、チタン塩、チタンアルコキシド、水酸化チタン、窒化チタン、硫化チタン、チタン金属などが挙げられる。
チタン塩として具体的には、三塩化チタン、四塩化チタン、硫化チタン(IV)、硫化チタン(VI)、硫酸チタン(IV)などが挙げられる。チタンアルコキシドとして具体的には、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)t−ブトキシド、チタン(IV)イソブトキシド、チタン(IV)n−プロポキシド、チタン(IV)テトライソプロポキシド、および、これらのキレート化物などが挙げられる。
チタン源としては、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記のなかでも、チタン源としては、酸化チタンが好ましく用いられ、より好ましくは、酸化チタン(IV)である。なお、チタン源は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
チタン源粉末の粒径は、特に限定されない。例えば、レーザ回折法により測定される、体積基準の累積百分率50%に相当するチタン源粉末の粒子径(D50)は0.5〜25μmの範囲内であればよい。十分に低い焼成収縮率の達成のためには、チタン源粉末のD50が1〜20μmの範囲内であることが好ましい。なお、チタン源粉末は、バイモーダルな粒径分布を示すことがあるが、このようなバイモーダルな粒径分布を示すチタン源粉末を用いる場合においては、レーザ回折法により測定される粒径分布における、粒径が大きい方のピークの粒径が20〜50μmの範囲内であることが好ましい。
レーザ回折法により測定されるチタン源粉末のモード径は、特に限定されないが、0.3〜60μmの範囲内であればよい。
(マグネシウム源)
原料混合物は、マグネシウム源を含有していてもよい。マグネシウム源を含むグリーン成形体から製造されたチタン酸アルミニウム焼結体は、チタン酸アルミニウムマグネシウム結晶の焼結体である。
マグネシウム源としては、マグネシア(酸化マグネシウム)のほか、単独で空気中で焼成することによりマグネシアに導かれる化合物が挙げられる。後者の例としては、例えば、マグネシウム塩、マグネシウムアルコキシド、水酸化マグネシウム、窒化マグネシウム、金属マグネシウムなどが挙げられる。
マグネシウム塩として具体的には、塩化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、蓚酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、ジメタクリル酸マグネシウム、安息香酸マグネシウムなどが挙げられる。
マグネシウムアルコキシドとして具体的には、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシドなどが挙げられる。なお、マグネシウム源は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
マグネシウム源として、マグネシウム源とアルミニウム源とを兼ねた化合物を用いることもできる。このような化合物としては、例えば、マグネシアスピネル(MgAl)が挙げられる。
マグネシウム源として、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
マグネシウム源粉末の粒径は、特に限定されない。例えば、レーザ回折法により測定される体積基準の累積百分率50%に相当するマグネシウム源粉末の粒子径(D50)は0.5〜30μmの範囲内であればよい。焼成時の収縮率低減の観点からは、D50が3〜20μmの範囲内であるマグネシウム源粉末を用いることが好ましい。
グリーン成形体中におけるMgO(マグネシア)換算でのマグネシウム源のモル量は、Al(アルミナ)換算でのアルミニウム源とTiO(チタニア)換算でのチタン源との合計モル量に対して、0.03〜0.15であることが好ましく、より好ましくは0.03〜0.12である。マグネシウム源の含有量をこの範囲内に調整することにより、耐熱性がより向上された、大きい細孔径および開気孔率を有するチタン酸アルミニウム焼結体を比較的容易に得ることができる。
(ケイ素源)
原料混合物は、ケイ素源をさらに含有していてもよい。ケイ素源は、シリコン成分となってチタン酸アルミニウム焼結体に含まれる化合物である。ケイ素源の併用により、耐熱性がより向上されたチタン酸アルミニウム焼結体を得ることが可能となる。ケイ素源としては、例えば、二酸化ケイ素、一酸化ケイ素などの酸化ケイ素(シリカ)が挙げられる。
ケイ素源は、単独で空気中で焼成することによりシリカに導かれる化合物であってもよい。かかる化合物としては、例えば、ケイ酸、炭化ケイ素、窒化ケイ素、硫化ケイ素、四塩化ケイ素、酢酸ケイ素、ケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、長石、ガラスフリットなどが挙げられる。なかでも、長石、ガラスフリットなどが好ましく用いられ、工業的に入手が容易であり、組成が安定している点で、ガラスフリットなどがより好ましく用いられる。なお、ガラスフリットとは、ガラスを粉砕して得られるフレークまたは粉末状のガラスをいう。ケイ素源として、長石とガラスフリットとの混合物からなる粉末を用いることもできる。
ケイ素源がガラスフリットである場合、得られるチタン酸アルミニウム焼結体の耐熱分解性をより向上させるという観点から、屈伏点が700℃以上のものを用いることが好ましい。ガラスフリットの屈伏点は、熱機械分析装置(TMA:Thermo Mechanical Analysis)を用いて、低温からガラスフリットの膨張を測定し、膨張が止まり、次に収縮が始まる温度(℃)と定義される。
ガラスフリットを構成するガラスには、ケイ酸(SiO)を主成分(全成分中50重量%以上)とする一般的なケイ酸ガラスを用いることができる。ガラスフリットを構成するガラスは、その他の含有成分として、一般的なケイ酸ガラスと同様、アルミナ(Al)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化カリウム(KO)、酸化カルシウム(CaO)、マグネシア(MgO)等を含んでいてもよい。また、ガラスフリットを構成するガラスは、ガラス自体の耐熱水性を向上させるために、ZrOを含有していてもよい。
ケイ素源として、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ケイ素源粉末の粒径は、特に限定されない。例えば、レーザ回折法により測定される体積基準の累積百分率50%に相当するケイ素源の粒子径(D50)は0.5〜30μmの範囲内であればよい。グリーン成形体の比重をより向上させ、機械的強度のより高い焼成体を得るためには、ケイ素源のD50が1〜20μmの範囲内であることが好ましい。
原料混合物がケイ素源を含む場合、原料混合物中におけるケイ素源の含有量は、Al(アルミナ)換算でのアルミニウム源とTiO(チタニア)換算でのチタン源との合計量100重量部に対して、SiO(シリカ)換算で、通常0.1重量部〜10重量部であり、好ましくは5重量部以下である。また、原料混合物中におけるケイ素源の含有量は、原料混合物中に含まれる無機化合物源中、2重量%以上5重量%以下とすることがより好ましい。ケイ素源は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
マグネシアスピネル(MgAl)などの複合酸化物のように、チタン、アルミニウム、ケイ素およびマグネシウムのうち、2つ以上の金属元素を成分とする化合物を原料として用いることができる。
原料混合物中の無機化合物源粉末100重量部における粒子径0.1μm以下の粒子の含有量を1〜5重量部とする場合、上述のように、原料混合物にアルミナゾルおよび/またはシリカゾルを添加して混合することが好ましい。シリカゾルとは、微粒子状のシリカを分散質とし、液体を分散媒とするコロイドである。シリカゾルは、単独でケイ素源とすることもできるが、他のシリカ源と共に併用されることが好ましい。シリカナゾルの分散媒は、例えば、混合時や仮焼時に蒸発等により除去される。
シリカゾルの分散媒としては、水溶液や各種有機溶媒、例えば、アンモニア水溶液、アルコール、キシレン、トルエン、トリグリセリドなどが挙げられる。シリカゾルとしては、平均粒子径が1〜100nmのコロイド状シリカゾルが好適に用いられる。このような平均粒子径を有するシリカゾルを用いることにより、原料混合物中の粒子同士を吸着させ、焼成時に融解し結合させることができるといった利点がある。
シリカゾルの市販品としては、例えば、日産化学工業社製「スノーテックス20、30、40、50、N、O、S、C、20L、OL、XS、XL、YL、ZL、QAS−40、LSS−35、LSS−45」、旭電化社製「アデライトAT−20、AT−30、AT−40、AT−50、AT−20N、AT−20A、AT−30A、AT−20Q、AT−300、AT−300Q」、触媒化成工業社製「Cataloid S−20L、S−20H、S−30L、S−30H、SI−30、SI−40、SI−50、SI−350、SI−500、SI−45P、SI−80P、SN、SA、SC−30」、デュポン社製「ルドックスHS−40、HS−30、LS、SM−30、TM、AS、AM」等が挙げられる。このうち、中性域でコロイド状態が安定な「スノーテックスC」を用いることが好ましい。
原料混合物におけるシリカゾルの含有量は、無機化合物源粉末(固形分)の100重量部に対して固形分で0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部であればよい。2種以上のシリカゾルを混合して用いてもよい。
原料混合物は、チタン酸アルミニウムやチタン酸アルミニウムマグネシウムを含んでもよい。例えば、原料混合物の構成成分としてチタン酸アルミニウムマグネシウムを使用する場合、チタン酸アルミニウムマグネシウムは、チタン源、アルミニウム源およびマグネシウム源を兼ね備えた原料に相当する。
(有機バインダ)
有機バインダとしては、水溶性の有機バインダが好ましい。水溶性の有機バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩などの塩などが挙げられる。
有機バインダの量は、無機化合物源粉末の100重量部に対して、通常20重量部以下であり、好ましくは15重量部以下、さらに好ましくは6重量部である。また、有機バインダの下限量は、通常0.1重量部、好ましくは3重量部である。
(溶媒)
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類、および水などの極性溶媒を用いることができる。なかでも、水が好ましく、不純物が少ない点で、より好ましくはイオン交換水が用いられる。溶媒の使用量は、無機化合物源粉末の100重量部に対して、通常、10重量部〜100重量部、好ましくは20重量部〜80重量部である。なお、溶媒として非極性溶媒を用いてもよい。
(その他の添加物)
原料混合物は、有機バインダ以外の有機添加物を含むことができる。その他の有機添加物とは、例えば、造孔剤、潤滑剤および可塑剤、分散剤である。
造孔剤としては、グラファイト等の炭素材、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類、でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物材料、氷、及びドライアイス等などが挙げられる。造孔剤の添加量は、無機化合物源粉末の100重量部に対して、通常、0〜40重量部であり、好ましくは0〜25重量部である。造孔剤はグリーン成形体の焼成時に消失する。したがって、チタン酸アルミニウム焼結体では、造孔剤が存在していた箇所に微細孔が形成される。この微細孔の孔径はディーゼル燃料に由来する微細粒子の粒子径よりも小さい。したがって、気体は微細孔中を通過できるが、微細粒子は通過できない。
潤滑剤及び可塑剤としては、グリセリンなどのアルコール類、カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラギン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸、ステアリン酸Al等のステアリン酸金属塩などが挙げられる。潤滑剤及び可塑剤の添加量は、無機化合物源粉末の100重量部に対して、通常、0〜10重量部であり、好ましくは1〜5重量部である。
分散剤としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸、シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸等の有機酸、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ポリカルボン酸アンモニウム、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等の界面活性剤などが挙げられる。分散剤の添加量は、無機化合物源粉末の100重量部に対して、通常、0〜20重量部であり、好ましくは2〜8重量部である。
[グリーン成形体の形成]
本実施形態では、格子状の開口を有するダイを備える押出成形機を用いて、上述の原料混合物を成形することにより、グリーン成形体を形成する。なお、成形前の原料混合物を混練してもよい。図1(a)及び図1(b)に示すように、グリーン成形体70は、ハニカム構造を有する円柱体である。グリーン成形体70は、その中心軸に平行であり、互いに直交する複数の隔壁を有する。つまり、グリーン成形体70は、その中心軸方向に垂直な断面において格子構造を有する。換言すれば、グリーン成形体70には、同一方向(中心軸方向)に延びる多数の貫通孔70a(流路)が形成されており、各貫通孔70aは隔壁によって分離されている。なお、グリーン成形体70が有する複数の隔壁が互いになす角は特に限定されず、例えば120°であってもよい。
[グリーン成形体の仮焼き及び焼成]
上述のグリーン成形体を仮焼き(脱脂)し、且つ焼成することにより、チタン酸アルミニウム焼結体を得ることができる。得られるチタン酸アルミニウム焼結体は、主にチタン酸アルミニウムの結晶粒子の焼結体から構成される。本実施形態では、原料混合物を成形してから焼成を行なうことにより、原料混合物を直接焼成する場合と比較して、焼成中の収縮を抑えることができ、得られるチタン酸アルミニウム焼結体の割れを効果的に抑制でき、また、焼成により生成した多孔質性のチタン酸アルミニウム結晶の細孔形状が維持されたチタン酸アルミニウム焼結体を得ることができる。
仮焼(脱脂)は、グリーン成形体中の有機バインダや、必要に応じて配合される有機添加物を、焼失、分解等により除去するための工程である。典型的な仮焼き工程は、焼成工程の初期段階、すなわちグリーン成形体が焼成温度に至るまでの昇温段階(例えば、300〜900℃の温度範囲)に相当する。仮焼(脱脂)工程おいては、昇温速度を極力おさえることが好ましい。本実施形態では、グリーン成形体が繊維状無機物質を含有するため、300〜900℃での仮焼き中に、グリーン成形体におけるひび割れ等の欠陥の発生を抑制しながら、有機バインダや有機添加物の焼失,分解を行うことが可能となる。つまり、本実施形態に係るグリーン成形体は、仮焼き及び焼成の際に、繊維状無機物質を含有しない従来のグリーン成形体に比べて優れた機械的強度を発揮する。
グリーン成形体の焼成温度は、通常、1300℃以上、好ましくは1400℃以上である。また、焼成温度は、通常、1650℃以下、好ましくは1550℃以下である。この温度範囲でグリーン成形体を加熱することにより、グリーン成形体中の無機化合物粉末が確実に焼結する。焼成温度までの昇温速度は特に限定されるものではないが、通常、1℃/時間〜500℃/時間である。グリーン成形体がケイ素源粉末を含む場合には、焼成工程の前に、1100〜1300℃の温度範囲で3時間以上保持する工程を設けることが好ましい。これにより、ケイ素源粉末の融解、拡散を促進させることができる。
焼成は通常、大気中で行なわれるが、用いる原料粉末、すなわちアルミニウム源粉末、チタニウム源粉末、マグネシウム源粉末およびケイ素源粉末の種類や使用量比によっては、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス中で焼成してもよいし、一酸化炭素ガス、水素ガスなどのような還元性ガス中で焼成してもよい。また、水蒸気分圧を低くした雰囲気中で焼成を行なってもよい。
焼成は、通常、管状電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉などの通常の焼成炉を用いて行なわれる。焼成は回分式で行なってもよいし、連続式で行なってもよい。また、静置式で行なってもよいし、流動式で行なってもよい。
焼成に要する時間は、グリーン成形体がチタン酸アルミニウム結晶に遷移するのに十分な時間であればよく、グリーン成形体の量、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気などにより異なるが、通常は10分〜24時間である。
なお、グリーン成形体の仮焼きと焼成を個別に行ってもよい。仮焼き工程では、有機バインダその他の有機添加物の熱分解温度以上であり無機化合物粉末の焼結温度よりも低い温度でグリーン成形体を加熱すればよい。焼成工程では、仮焼き工程後のグリーン成形体を無機化合物粉末の焼結温度以上の温度で加熱すればよい。
以上のようにして、ハニカム構造を有するチタン酸アルミニウム焼結体を得ることができる。このようなチタン酸アルミニウム焼結体は、成形直後のグリーン成形体の形状をほぼ維持した形状を有する。得られたチタン酸アルミニウム焼結体は、研削加工等により、所望の形状に加工することもできる。
チタン酸アルミニウム焼結体にDPFの機能を具備させる場合、チタン酸アルミニウム焼結体の第一端面に位置する一部の貫通孔の端部を封口材で塞ぐ。具体的には、チタン酸アルミニウム焼結体の第一端面において、開いた貫通孔の端部と封口材で塞がれた貫通孔の端部とが、第一端面の格子構造に沿って交互に配置されるように、一部の貫通孔の端部を封口材で塞ぐ。このマスキング工程では、貫通孔と略同様の寸法の開口部とマスク部とが千鳥状に配置された第一マスクを用いればよい。次に、チタン酸アルミニウム焼結体の第一端面と反対側の第二端面に位置する一部の貫通孔の端部を封口材で塞ぐ。具体的には、開口部とマスク部の配置関係が第一マスクとは真逆である第二マスクを用いて、第一端面において端部が開いている貫通孔の第二端面側の端部だけを封口材で塞ぐ。
封口材としては、無機化合物源粉末、有機バインダ、及び溶媒の混合物を用いればよい。封口材が繊維状無機物質を含有してもよい。また、封口材として、グリーン成形体用の原料混合物と同じものを用いてもよい。封口材が含有する無機化合物源粉末の組成とグリーン成形体を形成するための原料混合物が含有する無機化合物源粉末の組成は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
以上のマスキング工程後のチタン酸アルミニウム焼結体を乾燥し、焼成することにより、図2(a)及び図2(b)に示すように、封口材がグリーン成形体と焼結して封口部70bとなり、チタン酸アルミニウム焼結体からなるDPF170が得られる。なお、DPFの隔壁表面に、アルミナ等の担体に担持された白金系金属触媒や、セリア又はジルコニア等の助触媒を付着させてもよい。
<チタン酸アルミニウム焼結体>
本実施形態に係るチタン酸アルミニウム焼結体は、上述のように、チタン源、アルミニウム源、有機バインダ、繊維状無機物質及び溶媒を含む原料混合物から形成される。チタン酸アルミニウム焼結体は、マグネシウム源を含有することが好ましい。チタン酸アルミニウム焼結体はケイ素源を含有してもよい。チタン酸アルミニウム焼結体は、X線回折スペクトルにおいて、チタン酸アルミニウム(AlTiO)またはチタン酸アルミニウムマグネシウム(Al2(1−x)MgTi(1+x))の結晶パターンのほか、アルミナ、チタニアなどの結晶パターンを含んでいてもよい。
特に、チタン酸アルミニウムマグネシウム焼結体からなるDPFは、SiC、コージェライト又はチタン酸アルミニウム単体からなるDPFに比べて、熱膨張係数が極めて小さく、融点が高く、再生時の耐熱衝撃性に優れ、煤の限界体積量が大きい点において優れている。
チタン酸アルミニウム焼結体におけるアルミニウムの含有率は、酸化アルミニウム換算で40〜60モル%である。チタン酸アルミニウム焼結体におけるチタンの含有率は酸化チタン換算で35〜55モル%である。チタン酸アルミニウム焼結体におけるマグネシウムの含有率は酸化マグネシウム換算で1〜5質量%であることが好ましい。チタン酸アルミニウム焼結体におけるケイ素の含有率は酸化ケイ素換算で2〜5質量%であることが好ましい。なお、チタン酸アルミニウム焼結体の組成は、原料混合物の組成により適宜調整すればよい。つまり、原料混合物中の全アルミニウム原子の含有率は、酸化アルミニウム換算で、無機化合物粉末全体に対して40〜60モル%に調整すればよい。原料混合物中の全チタン原子の含有率は、酸化チタン換算で、無機化合物粉末全体に対して35〜55モル%に調整すればよい。チタン酸アルミニウム焼結体は、上記の成分以外に、原料に由来する成分又は製造工程において不可避的に仕掛品に混入する微量の成分を含有し得る。
貫通孔70aの長手方向に垂直な断面の内径(正方形の一辺の長さ)は特に限定されないが、例えば0.8〜2.5mmである。貫通孔70aが延びる方向におけるチタン酸アルミニウム焼結体170の長さは特に限定されないが、例えば40〜350mmである。また、チタン酸アルミニウム焼結体170の外径も特に限定されないが、例えば10〜320mmである。貫通孔70aの長軸方向における封口部70bの長さは特に限定されないが、例えば1〜20mmである。チタン酸アルミニウム焼結体170の端面に開いている貫通孔70aの数(セル密度)は特に限定されないが、例えば150〜450cpsiである。なお、cpsiとの単位は「/inch」を意味し、「/(0.0254m)」に等しい。貫通孔70aの隔壁の厚さは特に限定されないが、例えば0.2〜0.6mmである。
以上、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、グリーン成形体の形状はハニカムに限定されず、用途に応じて任意の形状を取ることができる。例えば、グリーン成形体の形状が、棒状、チューブ状、板状、るつぼ形状等であってもよい。ハニカム状でないグリーン成形体を形成する場合、原料混合物の成形法は、所望のグリーン成形体の形状に応じて適宜選択すればよく、例えば、一軸プレス機、打錠機、造粒機などを用いればよい。
チタン酸アルミニウム焼結体は、例えば、ルツボ、セッター、コウ鉢、炉材などの焼成炉用冶具、ガソリンエンジンなどの内燃機関の排気ガス浄化に用いられる排ガスフィルター又は触媒担体、ビールなどの飲食物の濾過に用いる濾過フィルター、石油精製時に生じるガス成分(例えば一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、酸素等)を選択的に透過させるための選択透過フィルターなどのセラミックスフィルター、基板、コンデンサーなどの電子部品などに好適に適用することができる。なかでも、セラミックスフィルターなどとして用いる場合、チタン酸アルミニウム焼結体は、高い細孔容積および開気孔率を有することから、良好なフィルター性能を長期にわたって維持することができる。
70・・・グリーン成形体、70a・・・貫通孔、70b・・・封口部、170・・・チタン酸アルミニウム焼結体(DPF)。

Claims (6)

  1. チタン源、アルミニウム源、有機バインダ、繊維状無機物質及び溶媒を含む原料混合物を調製する工程と、
    前記原料混合物を成形してグリーン成形体を形成する工程と、
    前記グリーン成形体を焼成する工程と、
    を備える、
    チタン酸アルミニウム焼結体の製造方法。
  2. 前記原料混合物がマグネシウム源を含む、
    請求項1に記載のチタン酸アルミニウム焼結体の製造方法。
  3. 前記原料混合物がケイ素源を含む、
    請求項1又は2に記載のチタン酸アルミニウム焼結体の製造方法。
  4. 前記繊維状無機物質が、アルミナ繊維、アルミナシリカ繊維及びガラス繊維からなる群より選ばれる少なくとも一種である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のチタン酸アルミニウム焼結体の製造方法。
  5. チタン源、アルミニウム源、有機バインダ、繊維状無機物質及び溶媒を含む原料混合物から形成され、
    アルミニウムの含有率が酸化アルミニウム換算で40〜60モル%であり、
    チタンの含有率が酸化チタン換算で35〜55モル%である、
    チタン酸アルミニウム焼結体。
  6. 前記原料混合物がマグネシウム源及びケイ素源を含み、
    マグネシウムの含有率が酸化マグネシウム換算で1〜5質量%であり、
    ケイ素の含有率が酸化ケイ素換算で2〜5質量%である、
    請求項5に記載のチタン酸アルミニウム焼結体。
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