JP2012001413A - グリーン成形体及びハニカム焼成体の製造方法 - Google Patents

グリーン成形体及びハニカム焼成体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 焼成時における割れの発生を抑制することができるグリーン成形体を提供すること。
【解決手段】 無機化合物、水、有機物及び吸熱材を含むハニカム形状のグリーン成形体であって、有機物の含有量は、無機化合物100重量部に対して20重量部以上であり、吸熱材の含有量は、無機化合物100重量部に対して1重量部以上であり、グリーン成形体はセル構造を有し、セル構造は隔壁と流路からなり、流路は隔壁により区画されている、グリーン成形体。
【選択図】 図1

Description

本発明はグリーン成形体及びハニカム焼成体の製造方法に関する。
チタン酸アルミニウム、コージェライトは、近年、ディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排ガスに含まれる微細なカーボン粒子を捕集するためのセラミックスフィルターを構成する材料として、産業上の利用価値が高まっている。
チタン酸アルミニウムの製造方法としては、少なくともアルミニウム源粉末及びチタン源粉末を含み、必要に応じてケイ素源粉末やマグネシウム源粉末などを含む原料混合物を成形し、焼成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。コージェライトの製造方法としては、アルミニウム源粉末、ケイ素源粉末、マグネシウム源粉末などを含む原料混合物を成形し、焼成する方法が知られている。また、原料混合物として、更に、有機バインダ、造孔材などの有機添加物を含むものを用い、この原料混合物のグリーン成形体を酸素含有雰囲気下にて150〜900℃で加熱することにより有機添加物を除去した後、1300℃以上で焼成する方法も知られている(特許文献1の段落0031〜0032)。
国際公開第05/105704号パンフレット
しかしながら、従来の方法では、ハニカム形状のグリーン成形体を焼成するときに割れ(クラック)が生じやすく、最終製品であるハニカム焼成体の強度が低下するという問題がある。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、焼成時における割れの発生を抑制することができるグリーン成形体、及び、該グリーン成形体を用いたハニカム焼成体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記(1)〜(10)に記載のグリーン成形体、及び、下記(11)〜(12)に記載のハニカム焼成体の製造方法を提供する。
(1)無機化合物、水、有機物及び吸熱材を含むハニカム形状のグリーン成形体であって、上記有機物の含有量は、上記無機化合物100重量部に対して20重量部以上であり、上記吸熱材の含有量は、上記無機化合物100重量部に対して1重量部以上であり、グリーン成形体はセル構造を有し、上記セル構造は隔壁と流路からなり、上記流路は上記隔壁により区画されている、グリーン成形体。
(2)上記流路は、その両端の開口部のうちの一方が封口されている、(1)記載のグリーン成形体。
(3)上記有機物は、バインダを含む、(1)又は(2)記載のグリーン成形体。
(4)上記有機物は、造孔材を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載のグリーン成形体。
(5)上記無機化合物は、チタン源及びアルミニウム源を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載のグリーン成形体。
(6)上記無機化合物は、更にマグネシウム源を含む、(5)記載のグリーン成形体。
(7)上記無機化合物は、更にケイ素源を含む、(5)又は(6)記載のグリーン成形体。
(8)上記吸熱材は、金属水酸化物を含む、(1)〜(7)のいずれかに記載のグリーン成形体。
(9)上記金属水酸化物は、アルミニウム、チタン及びマグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む、(8)記載のグリーン成形体。
(10)上記金属水酸化物は、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、(8)又は(9)記載のグリーン成形体。
(11)(1)〜(10)のいずれかに記載のグリーン成形体を焼成する焼成工程を有する、ハニカム焼成体の製造方法。
(12)上記焼成工程において、100〜600℃の温度範囲での昇温速度を50℃/時間以下とする、(11)記載の方法。
本発明のグリーン成形体によれば、焼成時における局所的な有機物の燃焼発熱による温度上昇を抑制し、焼成体の割れ(クラック)を防ぐことができる。また、本発明のハニカム焼成体の製造方法によれば、割れ(クラック)が十分に抑制されたハニカム焼成体を得ることができる。
図1の(a)は、本発明のグリーン成形体の好適な一実施形態を示す斜視図であり、図1の(b)は、図1の(a)の部分拡大図である。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当部分には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
<グリーン成形体>
本発明のグリーン成形体は、無機化合物、水、有機物及び吸熱材を含むものである。以下、グリーン成形体の各構成成分について説明する。
(無機化合物)
無機化合物は、例えば、焼成によりチタン酸アルミニウムとなる材料、焼成によりコージェライトとなる材料であり、好ましくは焼成によりチタン酸アルミニウムとなる材料である。これらの材料は、通常、アルミニウム源、チタン源、マグネシウム源、ケイ素源などである。これらの材料は、通常、粉末状である。例えば、焼成によりチタン酸アルミニウムを形成する場合、無機化合物はアルミニウム源及びチタン源を含み、任意にマグネシウム源及び/又はケイ素源を含む。焼成によりコージェライトを形成する場合、無機化合物はアルミニウム源、マグネシウム源及びケイ素源を含む。
(アルミニウム源)
アルミニウム源は、チタン酸アルミニウム焼成体又はコージェライト焼成体を構成するアルミニウム成分となる化合物である。アルミニウム源としては、たとえば、アルミナ(酸化アルミニウム)が挙げられる。アルミナの結晶型としては、γ型、δ型、θ型、α型などが挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。なかでも、α型のアルミナが好ましく用いられる。
アルミニウム源は、空気中で焼成することによりアルミナに導かれる化合物であってもよい。かかる化合物としては、たとえばアルミニウム塩、アルミニウムアルコキシド、金属アルミニウムなどが挙げられる。
アルミニウム塩は、無機酸との塩であってもよいし、有機酸との塩であってもよい。アルミニウム無機塩として具体的には、たとえば、硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウムアルミニウムなどの硝酸塩;炭酸アンモニウムアルミニウムなどの炭酸塩などが挙げられる。アルミニウム有機塩としては、たとえば、蓚酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
アルミニウムアルコキシドとして具体的には、たとえば、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムsec−ブトキシド、アルミニウムtert−ブトキシドなどが挙げられる。
アルミニウム源としては、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
なお、アルミニウム源は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
アルミニウム源の、レーザー回折法により測定される体積基準の累積百分率50%相当粒子径(D50)は、20μm以上、60μm以下の範囲内であることが好ましい。アルミニウム源のD50をこの範囲内に調整することにより、多孔性を示す焼成体が得られるとともに、焼成収縮率をより効果的に低減させることができる。アルミニウム源のD50は、より好ましくは20μm以上、40μm以下である。
(チタン源)
チタン源は、チタン酸アルミニウム焼成体を構成するチタン成分となる化合物であり、かかる化合物としては、たとえば酸化チタンが挙げられる。酸化チタンとしては、たとえば、酸化チタン(IV)、酸化チタン(III)、酸化チタン(II)などが挙げられ、酸化チタン(IV)が好ましく用いられる。酸化チタン(IV)の結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型などが挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。より好ましくは、アナターゼ型、ルチル型の酸化チタン(IV)である。
チタン源は、空気中で焼成することによりチタニア(酸化チタン)に導かれる化合物であってもよい。かかる化合物としては、たとえば、チタン塩、チタンアルコキシド、水酸化チタン、窒化チタン、硫化チタン、チタン金属などが挙げられる。
チタン塩として具体的には、三塩化チタン、四塩化チタン、硫化チタン(IV)、硫化チタン(VI)、硫酸チタン(IV)などが挙げられる。チタンアルコキシドとして具体的には、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)t−ブトキシド、チタン(IV)イソブトキシド、チタン(IV)n−プロポキシド、チタン(IV)テトライソプロポキシド、および、これらのキレート化物などが挙げられる。
チタン源としては、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記のなかでも、チタン源としては、酸化チタンが好ましく用いられ、より好ましくは、酸化チタン(IV)が用いられる。なお、チタン源は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
チタン源の粒径は、特に限定されないが、通常、レーザ回折法により測定される、体積基準の累積百分率50%相当粒子径(D50)が0.1〜25μmの範囲内であるものが用いられ、十分に低い焼成収縮率の達成のためには、D50が0.3〜20μmの範囲内であるチタン源を用いることが好ましい。チタン源は、バイモーダルな粒径分布を示すことがあるが、このようなバイモーダルな粒径分布を示すチタン源を用いる場合においては、レーザ回折法により測定される粒径分布における、粒径が大きい方のピークの粒径が、好ましくは20〜50μmの範囲内である。
レーザ回折法により測定されるチタン源のモード径は、特に限定されないが、0.3〜60μmの範囲内であるものを用いることができる。
焼成によりチタン酸アルミニウムを形成する場合、グリーン成形体中におけるAl(アルミナ)換算でのアルミニウム源とTiO(チタニア)換算でのチタン源とのモル比は、好ましくは30:70〜70:30の範囲内であり、より好ましくは40:60〜60:40の範囲内である。このような範囲内で、アルミニウム源とチタン源とのモル比を調整することにより、焼成時の収縮率を低減させることが可能となる。また、チタン源をアルミニウム源よりも多く用いた場合、焼成時の収縮率を低減させることが可能となる。
(マグネシウム源)
マグネシウム源は、コージェライト焼成体を構成するマグネシウム成分となる化合物である。また、チタン酸アルミニウム焼成体を形成する場合においても、グリーン成形体はマグネシウム源を含有していてもよい。チタン酸アルミニウム焼成体を形成する原料混合物がマグネシウム源を含む場合、得られるチタン酸アルミニウム焼成体は、チタン酸アルミニウムマグネシウム結晶からなる焼成体である。マグネシウム源の併用により、耐熱性がより向上されたチタン酸アルミニウム焼成体を得ることが可能となる。
マグネシウム源としては、マグネシア(酸化マグネシウム)のほか、空気中で焼成することによりマグネシアに導かれる化合物が挙げられる。後者の例としては、たとえば、マグネシウム塩、マグネシウムアルコキシド、窒化マグネシウム、金属マグネシウムなどが挙げられる。
マグネシウム塩として具体的には、塩化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、蓚酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、ジメタクリル酸マグネシウム、安息香酸マグネシウムなどが挙げられる。
マグネシウムアルコキシドとして具体的には、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシドなどが挙げられる。なお、マグネシウム源は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
マグネシウム源として、マグネシウム源とアルミニウム源とを兼ねた化合物を用いることもできる。このような化合物としては、たとえば、マグネシアスピネル(MgAl)が挙げられる。
なお、マグネシウム源として、マグネシウム源とアルミニウム源とを兼ねた化合物を用いてチタン酸アルミニウム焼成体を形成する場合、アルミニウム源のAl(アルミナ)換算量、および、マグネシウム源とアルミニウム源とを兼ねた化合物に含まれるアルミニウム源のAl(アルミナ)換算量の合計量と、チタン源のTiO(チタニア)換算量とのモル比が、上述した範囲内となるように調整される。
マグネシウム源としては、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
マグネシウム源の粒径は、特に限定されないが、通常、レーザ回折法により測定される、体積基準の累積百分率50%相当粒子径(D50)が0.5〜30μmの範囲内であるものが用いられ、焼成時の収縮率低減の観点からは、D50が2〜20μmの範囲内であるマグネシウム源を用いることが好ましい。
焼成によりチタン酸アルミニウムを形成する場合、グリーン成形体中におけるMgO(マグネシア)換算でのマグネシウム源の含有量は、Al(アルミナ)換算でのアルミニウム源とTiO(チタニア)換算でのチタン源との合計量に対して、モル比(マグネシウム源のモル数/アルミニウム源とチタン源との合計モル数)で、0.03〜0.15とすることが好ましく、より好ましくは0.03〜0.12である。
(ケイ素源)
ケイ素源(シリコン源)は、コージェライト焼成体を構成するシリコン成分となる化合物である。また、チタン酸アルミニウム焼成体を形成する場合においても、グリーン成形体はケイ素源を含有していてもよい。チタン酸アルミニウム焼成体を形成する場合、ケイ素源は、シリコン成分となってチタン酸アルミニウム焼成体に含まれる化合物であり、ケイ素源の併用により、耐熱性がより向上されたチタン酸アルミニウム焼成体を得ることが可能となる。
ケイ素源としては、たとえば、二酸化ケイ素、一酸化ケイ素などの酸化ケイ素(シリカ)が挙げられる。
ケイ素源は、空気中で焼成することによりシリカに導かれる化合物であってもよい。かかる化合物としては、たとえば、炭化ケイ素、窒化ケイ素、硫化ケイ素、四塩化ケイ素、酢酸ケイ素、ケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、長石、ガラスフリットなどが挙げられる。なかでも、長石、ガラスフリットなどが好ましく用いられ、工業的に入手が容易であり、組成が安定している点で、ガラスフリットなどがより好ましく用いられる。なお、ガラスフリットとは、ガラスを粉砕して得られるフレークまたは粉末状のガラスをいう。ケイ素源として、長石とガラスフリットとの混合物からなる粉末を用いることもできる。
ケイ素源がガラスフリットである場合、得られるチタン酸アルミニウム焼成体の耐熱分解性をより向上させるという観点から、屈伏点が700℃以上のものを用いることが好ましい。ガラスフリットの屈伏点は、熱機械分析装置(TMA:Thermo Mechanical Analyisis)を用いて、低温からガラスフリットの膨張を測定し、膨張が止まり、次に収縮が始まる温度(℃)と定義される。
ガラスフリットを構成するガラスには、二酸化ケイ素〔SiO〕を主成分(全成分中50重量%以上)とする一般的なケイ酸ガラスを用いることができる。ガラスフリットを構成するガラスは、その他の含有成分として、一般的なケイ酸ガラスと同様、アルミナ〔Al〕、酸化ナトリウム〔NaO〕、酸化カリウム〔KO〕、酸化カルシウム〔CaO〕、マグネシア〔MgO〕等を含んでいてもよい。また、ガラスフリットを構成するガラスは、ガラス自体の耐熱水性を向上させるために、ZrOを含有していてもよい。
ケイ素源としては、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
ケイ素源の粒径は、特に限定されないが、通常、レーザ回折法により測定される、体積基準の累積百分率50%相当粒子径(D50)が0.5〜30μmの範囲内であるものが用いられ、原料混合物の成形体の充填率をより向上させ、機械的強度のより高い焼成体を得るためには、D50が1〜20μmの範囲内であるケイ素源を用いることが好ましい。
焼成によりチタン酸アルミニウムを形成する場合、グリーン成形体中におけるケイ素源の含有量は、Al(アルミナ)換算でのアルミニウム源とTiO(チタニア)換算でのチタン源との合計量100重量部に対して、SiO(シリカ)換算で、通常0.1〜10重量部であり、好ましくは0.1〜5重量部である。ケイ素源は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
マグネシアスピネル(MgAl)などの複合酸化物のように、チタン、アルミニウム、ケイ素およびマグネシウムのうち、2つ以上の金属元素を成分とする化合物を原料として用いることができる。この場合、そのような化合物は、それぞれの金属源化合物を混合した原料混合物と同じであると考えることができる。このような考えに基づき、グリーン成形体中におけるアルミニウム源、チタン源、マグネシウム源およびケイ素源の量が上述した範囲内に調整される。
グリーン成形体中の無機化合物100重量部のうち、粒子径0.1μm以下の粒子の含有量を1〜5重量部とする場合、原料混合物中にシリカゾルを添加して混合することが好ましい。シリカゾルとは、微粒子状のシリカを分散質とし、液体を分散媒とするコロイドである。シリカゾルは、単独でケイ素源とすることもできるが、他のケイ素源と共に併用されることが好ましい。シリカゾルの分散媒は、例えば、混合時や仮焼時に蒸発等により除去される。
シリカゾルの分散媒としては、水溶液や各種有機溶媒、例えば、アンモニア水溶液、アルコール、キシレン、トルエン、トリグリセリドなどが挙げられる。シリカゾルとしては、平均粒子径が1〜100nmのコロイド状シリカゾルが好適に用いられる。このような平均粒子径を有するシリカゾルを用いることにより、原料混合物中の粒子同士を吸着させ、焼成時に融解し結合させることができるといった利点がある。
シリカゾルの市販品としては、例えば、日産化学工業社製「スノーテックス20、30、40、50、N、O、S、C、20L、OL、XS、XL、YL、ZL、QAS−40、LSS−35、LSS−45」、旭電化社製「アデライトAT−20、AT−30、AT−40、AT−50、AT−20N、AT−20A、AT−30A、AT−20Q、AT−300、AT−300Q」、触媒化成工業社製「Cataloid S−20L、S−20H、S−30L、S−30H、SI−30、SI−40、SI−50、SI−350、SI−500、SI−45P、SI−80P、SN、SA、SC−30」、デュポン社製「ルドックスHS−40、HS−30、LS、SM−30、TM、AS、AM」等が挙げられる。このうち、中性域でコロイド状態が安定な「スノーテックスC」を用いることが好ましい。
シリカゾルは、無機化合物(固形分)の合計100重量部に対して固形分で0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部用いられる。シリカゾルは、2種以上混合して用いてもよい。
焼成によりチタン酸アルミニウムを形成する場合、グリーン成形体は、チタン酸アルミニウムやチタン酸アルミニウムマグネシウムを含むことができる。たとえば、グリーン成形体の構成成分としてチタン酸アルミニウムマグネシウムを使用する場合、チタン酸アルミニウムマグネシウムは、チタン源、アルミニウム源およびマグネシウム源を兼ね備えた原料に相当する。また、焼成によりコージェライトを形成する場合、グリーン成形体は、コージェライトを含むことができる。たとえば、グリーン成形体の構成成分としてコージェライトを使用する場合、コージェライトは、アルミニウム源、マグネシウム源およびケイ素源を兼ね備えた原料に相当する。
(吸熱材)
グリーン成形体は、吸熱材を必須成分として含有する。本発明において、吸熱材は、上述した無機化合物とは区別して用いられる。グリーン成形体が吸熱材を含有することにより、グリーン成形体の焼成時における局所的な温度上昇を抑えることができ、焼成体の割れを抑制することができる。
吸熱材は、200℃以上600℃未満の範囲内に吸熱ピークを持ち、かつ総吸熱量が500J/g以上である化合物であることが好ましい。また、吸熱材は、アルミニウム、チタン、マグネシウム及びケイ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含むことが好ましい。
吸熱材としては、例えば、金属水酸化物や珪酸などの含水化合物が挙げられ、中でも金属水酸化物が好ましい。吸熱材として金属水酸化物を用いた場合、グリーン成形体の焼成時に金属水酸化物の脱水反応が起こり、生成した水の吸熱作用によって局所的な有機物の燃焼発熱を吸熱することができ、局所的な温度上昇をより十分に抑えることができる。その結果、焼成体の割れをより十分に抑制することができる。
金属水酸化物は、アルミニウム、チタン及びマグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を含むことが好ましく、中でも水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。これらの金属水酸化物を用いることにより、上述した吸熱作用がより有効に得られ、焼成体の割れをより十分に抑制することができる。また、これらの金属水酸化物は、焼成後のセラミックスを構成するアルミニウム源やマグネシウム源にもなるため、好ましい。
水酸化アルミニウムの結晶型としては、たとえば、ギブサイト型、バイヤライト型、ノロソトランダイト型、ベーマイト型、擬ベーマイト型などが挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。アモルファスの水酸化アルミニウムとしては、たとえば、アルミニウム塩、アルミニウムアルコキシドなどのような水溶性アルミニウム化合物の水溶液を加水分解して得られるアルミニウム加水分解物も挙げられる。
グリーン成形体中の吸熱材の含有量は、無機化合物(固形分)100重量部に対して固形分で1重量部以上であり、好ましくは3〜20重量部である。この含有量が1重量部未満であると、脱脂、焼成時の発熱を抑えることができない場合がある。また、この含有量が20重量部を超えると、得られるグリーン成形体の強度や、最終的に得られる焼成体の物性の調整が困難となる場合がある。
なお、吸熱材として、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸などを用いる場合、これらに含まれるアルミニウム、マグネシウム、ケイ素の量も考慮して、グリーン成形体中におけるアルミニウム源、チタン源、マグネシウム源およびケイ素源の量が上述した範囲内に調整される。
(有機物)
有機物としては、例えば、バインダ、造孔材、潤滑剤および可塑剤、分散剤、溶媒が挙げられる。これらの中でも、有機物は、バインダ及び造孔材の少なくとも一方を含むことが好ましく、両方を含むことがより好ましい。
グリーン成形体中における有機物の合計の含有量は、無機化合物(固形分)100重量部に対して20重量部以上であり、好ましくは20〜40重量部である。
バインダとしては、例えば、ヒドロキシプロポキシルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアルコールが挙げられる。これらの中でも、バインダとして好ましくはヒドロキシプロポキシルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースである。グリーン成形体中のバインダの含有量は、無機化合物(固形分)100重量部に対して、通常、0.1重量部以上であり、好ましくは1〜20重量部である。
造孔剤としては、例えば、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物材料;氷;およびドライアイスが挙げられる。グリーン成形体中の造孔剤の含有量は、無機化合物(固形分)100重量部に対して、通常、0〜40重量部であり、好ましくは1〜20重量部である。
潤滑剤および可塑剤としては、例えば、グリセリンなどのアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラギン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸Alなどのステアリン酸金属塩が挙げられる。グリーン成形体中の潤滑剤および可塑剤の含有量は、無機化合物(固形分)100重量部に対して、通常、0〜10重量部であり、好ましくは1〜5重量部である。
分散剤としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ポリカルボン酸アンモニウム、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどの界面活性剤が挙げられる。グリーン成形体中の分散剤の含有量は、無機化合物(固形分)100重量部に対して、通常、0〜20重量部であり、好ましくは0〜5重量部である。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類が挙げられる。グリーン成形体中の溶媒の含有量は、無機化合物(固形分)100重量部に対して、通常、0〜50重量部であり、好ましくは0〜20重量部である。
(水)
グリーン成形体は、分散媒及び/又は溶媒としての水を必須成分として含有する。グリーン成形体中の水の含有量は、無機化合物(固形分)100重量部に対して、通常、1〜50重量部であり、好ましくは5〜40重量部である。グリーン成形体が水を含有することにより、各物質の混合状態を改善することができる。
(グリーン成形体の構造)
グリーン成形体は、セル構造を有する。セル構造は隔壁と流路からなり、流路は隔壁により区画されている。
図1の(a)は、本発明のグリーン成形体の好適な一実施形態を示す斜視図であり、図1の(b)は、図1の(a)の部分拡大図である。本実施形態に係るグリーン成形体70は、図1の(a)に示すように、隔壁70cにより区画された多数の流路70a,70bが略平行に配置された円柱体である。流路70a,70bの断面形状は、図1の(b)に示すように正方形である。これらの複数の流路70a,70bは、グリーン成形体70において、端面から見て、正方形配置、すなわち、流路70a,70bの中心軸が、正方形の頂点にそれぞれ位置するように配置されている。また、本実施形態のグリーン成形体70において、流路70a,70bは、その両端の開口部のうちの一方が封口されている。図1の(b)に示した側の端部(図1(a)における上端部)では、流路70aが開口し、粒子70bが封口されている。また、これとは反対側の端部(図1(a)における下端部)では、流路70aが封口され、流路70bが開口している。グリーン成形体70においては、図1の(b)に示すように、このような流路70aと流路70bとが交互に配置されている。流路70a,70bの断面の正方形のサイズは、例えば、一辺0.5〜2.5mmとすることができる。
なお、流路70a,70bの断面の形状について、図1では正方形の場合を示したが、この形状は特に限定されず、例えば、三角形、長方形、六角形、八角形、円形などでもよく、更に複数の形状の組み合わせでもよい。
グリーン成形体70を焼成した後のハニカム焼成体としての寸法は、図1に示したような円柱体である場合、例えば、直径約100mm以上、長さ約100mm以上、隔壁70cの壁厚は約0.5mm以下であることが好ましい。また、ハニカム焼成体におけるセル構造は流路70a,70bの合計数として100CPSI以上、有効気孔率は30〜60体積%、平均細孔直径は1〜20μm、細孔径分布(D90−D10)/D50は0.5未満であることが好ましい。ここで、D10、D50、D90は全細孔容積のうち累積細孔容積が各々10%、50%、90%になるときの細孔直径である。
なお、図1では、一方の開口部が封口された流路70a,70bを有するグリーン成形体70を示したが、本発明のグリーン成形体はこれに限定されず、例えば、流路70a,70bの両端とも開口部が封口されておらず、貫通した状態であってもよい。その場合、該グリーン成形体を焼成した後に封口が行われる。
(グリーン成形体の製造方法)
グリーン成形体は例えば以下のようにして製造することができる。
チタン酸アルミニウム焼成体を形成する場合のグリーン成形体では、アルミニウム源、チタン源、及び、任意に配合されるマグネシウム源、ケイ素源を含む無機化合物と、有機物と、水と、吸熱材とを用意する。これらを所定の比率で混練機等により混合して原料混合物を得、得られた原料混合物を成形することにより、ハニカム形状のグリーン成形体を得ることができる。
コージェライト焼成体を形成する場合のグリーン成形体では、アルミニウム源、マグネシウム源、及びケイ素源を含む無機化合物と、有機物と、水と、吸熱材とを用意する。これらを所定の比率で混練機等により混合して原料混合物を得、得られた原料混合物を成形することにより、ハニカム形状のグリーン成形体を得ることができる。
ここで、成形は、例えば、押出機を使って行うことができる。
成形後、成形体を乾燥することもできる。
乾燥は、外部の熱源を使用して行うことができ、例えばマイクロ波加熱、誘導加熱、および通常の発熱体加熱により行われる。乾燥は、マイクロ波加熱、誘導加熱、および発熱体加熱のうちの2種以上の方法の組合せにより行うこともできる。乾燥雰囲気は、例えば、相対湿度が50%以上である。なお、本発明のグリーン成形体は、上記外部の熱源を使用した乾燥を行う前のものを言う。
成形後又は乾燥後、成形体には封口を施してもよい。封口は、例えば、図1に示したように、流路70a,70bの一端の開口部に封口材を充填することにより行われる。この場合、封口は、例えば、複数の貫通孔が所望の位置に設けられたマスクを成形体の一端面に密着させ、そこへ封口材を供給することにより、流路70aの端部にのみ封口材を充填し、成形体の他端面に対しても同様にして流路70bの端部にのみ封口材を充填することにより行うことができる。これにより、図1に示したように、一端の開口部が封口された流路70aと、流路70aとは反対側の開口部が封口された流路70bとが交互に配置されたグリーン成形体70を得ることができる。
封口材としては、通常、グリーン成形体と同じ材料を用いることができる。また、封口材として、グリーン成形体とは異なる材料を用いることもできる。
なお、封口は、後述の焼成後に行ってもよい。その場合、封口後に再度焼成が行われる。図1に示したように、グリーン成形体に対して封口を行っておいた場合には、焼成工程が1回で済むため好ましい。また、本発明においては、封口後のグリーン成形体を焼成する場合でも、焼成体の割れを抑制することができる。
<ハニカム焼成体の製造方法>
本発明のハニカム焼成体の製造方法は、上述のグリーン成形体を焼成する焼成工程を有する方法である。焼成工程を経て、ハニカム形状のチタン酸アルミニウム焼成体又はコージェライト焼成体を得ることができる。かかる製造方法によれば、上述した組成を有するグリーン成形体を用いているため、焼成時における割れの発生が十分に抑制されたハニカム焼成体を得ることができる。
焼成は、例えば、焼成炉にグリーン成形体を置き、加熱する方法により行うことができる。焼成温度は、通常1300℃以上、好ましくは1400℃以上である。一方、得られるハニカム焼成体を加工し易いものにする観点から、焼成温度は、通常1650℃以下であり、好ましくは1600℃以下であり、より好ましくは1550℃以下である。
焼成温度に至るまでの昇温段階において、100〜600℃の温度範囲では、昇温速度は50℃/時間以下とすることが好ましい。この昇温速度を50℃/時間以下とすることにより、局所的な有機物の燃焼発熱を抑えることができ、また、吸熱材による吸熱作用をより有効に得ることができ、焼成体の割れをより十分に抑制することができる。昇温速度の下限は、焼成炉等により異なるが、例えば、2℃/時間である。焼成工程において、焼成温度に至るまでの昇温段階は、仮焼(脱脂)と呼ばれる段階であり、この仮焼によりグリーン成形体中のバインダ等の有機物が、焼失、分解等により除去される。
焼成は、100〜600℃の温度範囲では、酸素と有機物の燃焼による発熱を抑えるため、雰囲気の酸素濃度を10体積%未満とすることが好ましい。
上記範囲(100〜600℃)以外の温度では、焼成は、通常、大気中で行われるが、原料混合物の成分や成分量比によっては、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス中で焼成してもよいし、一酸化炭素ガス、水素ガスなどのような還元性ガス中で焼成してもよい。また焼成雰囲気中の水蒸気分圧を低くして焼成してもよい。
焼成は通常、管状電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉などの通常の焼成炉を用いて行われる。焼成は回分式で行ってもよいし、連続式で行ってもよい。また焼成は静置式で行ってもよいし、流動式で行ってもよい。
焼成時間は、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気などにより異なり、通常は10分以上300時間以下である。
以上のようにして、目的のハニカム焼成体を得ることができる。このようなハニカム焼成体は、成形直後のグリーン成形体の形状をほぼ維持した形状を有する。得られたハニカム焼成体は、研削加工等により、所望の形状に加工することもできる。
例えば、図1に示したグリーン成形体を焼成して得られるハニカム焼成体においては、隔壁70cは、焼成後にセラミックス材料からなる多孔質の隔壁となり、この隔壁がフィルターの役割を果たす。このハニカム焼成体に対し、図1の(b)に示した側の端部(図1(a)における上端部)から流体を供給した場合、流体は開口している流路70aから入り、多孔質の隔壁を通って流路70bに移動し、図1の(b)に示した側と反対側の端部(図1(a)における下端部)において、流路70bの開口部から排出される。
上述したハニカム焼成体は、たとえば、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジンなどの内燃機関の排気ガス浄化に用いられる排ガスフィルターや、触媒担体、ビールなどの飲食物の濾過に用いる濾過フィルター、石油精製時に生じるガス成分、たとえば一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、酸素などを選択的に透過させるための選択透過フィルターなどのセラミックスフィルターなどに好適に適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
無機化合物粉末及び吸熱材として以下のものを用いる。無機化合物粉末及び吸熱材の仕込み組成は、アルミナ〔Al〕、チタニア〔TiO〕、マグネシア〔MgO〕およびシリカ〔SiO〕換算の重量比で、〔Al〕/〔TiO〕/〔MgO〕/〔SiO〕=43%/49%/5%/3%である。
(1)アルミニウム源粉末
D50が29μmの酸化アルミニウム粉末(α−アルミナ粉末):25重量部
(2)チタン源粉末
D50が1.0μmの酸化チタン粉末(ルチル型結晶):48重量部
(3)マグネシウム源粉末
D50が5.5μmのマグネシアスピネル粉末:18重量部
(4)ケイ素源粉末
D50が8.5μmのガラスフリット(タカラスタンダード社製、商品名「CK0832」):4重量部
(5)吸熱材
D50が1.0μmの水酸化アルミニウム粉末(吸熱ピーク300℃、総吸熱量970J/g):5重量部
上記のアルミニウム源粉末、チタン源粉末、マグネシウム源粉末、ケイ素源粉末及び吸熱材からなる混合物の合計量100重量部に対して、造孔材としてコーンスターチ(日本コーンスターチ株式会社、商品名「Y−3P」)11重量部、バインダとしてメチルセルロース11重量部、界面活性剤としてポリオキシアルキレンアルキルエーテル6重量部、および潤滑剤としてグリセリン0.6重量部を加え、さらに、分散媒(溶媒)として水を28重量部加えた後、混練機を用いて混練することにより、坏土(成形用原料混合物)を調製する。坏土中の吸熱材の量は、全有機成分100重量部に対して17.5重量部であり、無機化合物100重量部に対して5.3重量部である。また、坏土中の有機物の量は、無機化合物100重量部に対して30.1重量部である。この坏土を押出成形することにより、ハニカム形状のグリーン(未焼成)成形体(直径160mmφの円柱体)を作製する。グリーン成形体を250mmの長さで切断し、常圧下、マイクロ波で乾燥した後、雰囲気の酸素濃度を3体積%として昇温速度10℃/時間にて600℃まで昇温し、その後1450℃で5時間焼成することで、チタン酸アルミニウム焼成体を得る。本実施例では、焼成時の割れの発生が十分に抑制されたチタン酸アルミニウム焼成体を得ることができる。
70…グリーン成形体、70a,70b…流路、70c…隔壁。

Claims (12)

  1. 無機化合物、水、有機物及び吸熱材を含むハニカム形状のグリーン成形体であって、
    前記有機物の含有量は、前記無機化合物100重量部に対して20重量部以上であり、
    前記吸熱材の含有量は、前記無機化合物100重量部に対して1重量部以上であり、
    グリーン成形体はセル構造を有し、前記セル構造は隔壁と流路からなり、前記流路は前記隔壁により区画されている、グリーン成形体。
  2. 前記流路は、その両端の開口部のうちの一方が封口されている、請求項1記載のグリーン成形体。
  3. 前記有機物は、バインダを含む、請求項1又は2記載のグリーン成形体。
  4. 前記有機物は、造孔材を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のグリーン成形体。
  5. 前記無機化合物は、チタン源及びアルミニウム源を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のグリーン成形体。
  6. 前記無機化合物は、更にマグネシウム源を含む、請求項5記載のグリーン成形体。
  7. 前記無機化合物は、更にケイ素源を含む、請求項5又は6記載のグリーン成形体。
  8. 前記吸熱材は、金属水酸化物を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のグリーン成形体。
  9. 前記金属水酸化物は、アルミニウム、チタン及びマグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む、請求項8記載のグリーン成形体。
  10. 前記金属水酸化物は、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項8又は9記載のグリーン成形体。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のグリーン成形体を焼成する焼成工程を有する、ハニカム焼成体の製造方法。
  12. 前記焼成工程において、100〜600℃の温度範囲での昇温速度を50℃/時間以下とする、請求項11記載の方法。
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