JP2011236950A5 - - Google Patents

Description

３９は遊星歯車減速機構１６のキャリア１９に取付けられる円環状の底板部で、該底板部３９は、中央部に電動モータ１０の回転軸１０Ａが挿通される軸挿通孔３９Ａを有している。また、底板部３９のうち、支持軸１９Ｂのねじ穴１９Ｃに対応する位置には、それぞれねじ挿通孔３９Ｂが設けられている。そして、このねじ挿通孔３９Ｂを通じてねじ穴１９Ｃに螺合する結合ねじ２１を用いて、キャリア１９に底板部３９を取付ける構成となっている。

４０は太陽歯車１７と各遊星歯車１８との噛合部を覆う円環状の覆板部で、該覆板部４０は、底板部３９から上方に立ち上がって電動モータ１０の回転軸１０Ａへと延びる略凸湾曲状（ドーム状）に形成され、その中央部には回転軸１０Ａが挿通される軸挿通孔４０Ａが設けられている。この場合、この軸挿通孔４０Ａの内径は、太陽歯車１７と各遊星歯車１８との噛合部を結ぶ仮想円（太陽歯車１７の基準ピッチ円）の内径よりも小さく設定されている。

また、覆板部４０の内側面は、図９に示すように、内径側が底板部３９の上面に平行な水平面４０Ｂとなっており、外径側がこの水平面４０Ｂから底板部３９の上面に向けて連続する凹湾曲面４０Ｃとなっている。そして、図３および図４に矢印Ｆで示すように、旋回装置８の作動時に太陽歯車１７と各遊星歯車１８との噛合部から飛散ないしは噴出した潤滑油は、水平面４０Ｂに衝突した後、キャリア１９の回転に伴う遠心力により凹湾曲面４０Ｃに沿って底板部３９の上面へ流下し、後述の潤滑油通路４２に導かれる構成となっている。

しかも、対となる仕切板４１の間に潤滑油通路４２を設けているため、キャリア１９に取付けられるドーナツ状ガイド部材３８の回転方向が何れの方向でも（正転でも逆転でも）、回転方向の後側となる仕切板４１により潤滑油の流動を堰き止め、この潤滑油を潤滑油通路４２に確実に導くことができ、遊星歯車用軸受２０の潤滑を効率良く行うことができる。

さらに、ドーナツ状ガイド部材３８の外周側に鍔部４３を全周に亘って設けているので、この鍔部４３により、ハウジング１２の内周面近傍の潤滑油の液面が上昇してこの液面がすり鉢状（円すい凹面状）に傾斜することを防止できる。この結果、１段目の太陽歯車１７の周囲で潤滑油が不足するのを抑え、太陽歯車１７と各遊星歯車１８との噛合部を適正に潤滑することができる。

５３は太陽歯車１７と各遊星歯車１８との噛合部を覆う覆板部で、該覆板部５３は、底板部５２から上方に立ち上がって電動モータ１０の回転軸１０Ａへと延びる略凸湾曲状に形成され、その内側面は凹湾曲面５３Ａとなっている。そして、１段目の太陽歯車１７と各遊星歯車１８との噛合部から飛散した潤滑油を凹湾曲面５３Ａで受けると共に、この潤滑油を遠心力により凹湾曲面５３Ａに沿って底板部５２の上面へ流下させ、後述の潤滑油通路５５に導く構成となっている。

また、上述した各実施の形態では、キャリア回転型の遊星歯車減速機構１６，２３，２８を設けた場合を例に挙げて説明したが、キャリア固定型の遊星歯車減速機構を用いる構成としても良い。