JP6109045B2 - 単純遊星減速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、単純遊星減速装置に関する。
従来、特許文献1に示すような単純遊星減速装置が用いられている。その単純遊星減速装置は、太陽歯車、該太陽歯車の周りで公転しキャリヤに支持された遊星歯車、および該遊星歯車が内接噛合する内歯歯車を有する単純遊星減速機構を備え、縦置きで使用される。そして、潤滑油がその単純遊星減速機構の収納される空間に封入されている。
特開2012−122552号公報
このような単純遊星減速装置において回転動作がなされると、潤滑油の油面がすり鉢状態になり太陽歯車が潤滑油面に浸からず、太陽歯車への潤滑油の供給が不十分となるおそれがあった。
そこで、本発明は、前記問題点を解決するべくなされたもので、太陽歯車への潤滑油の供給促進が可能となる単純遊星減速装置を提供することを課題とする。
本発明は、太陽歯車、該太陽歯車の周りで公転しキャリヤに支持された遊星歯車、および該遊星歯車が内接噛合する内歯歯車を有する単純遊星減速機構を備え、縦置きで使用される単純遊星減速装置であって、前記単純遊星減速機構の上方を覆うカバーが、前記太陽歯車の径方向において、外側から内側に向けて下方に傾斜する連続した傾斜面を有し、前記傾斜面を構成する部分の部材は前記カバーにおいて別体構成とされており、前記傾斜面を構成する部分の部材の径方向内側端部が、前記カバーに配置されるオイルシールよりも径方向内側に位置することによって、上記課題を解決したものである。
また、本発明は、太陽歯車、該太陽歯車の周りで公転しキャリヤに支持された遊星歯車、および該遊星歯車が内接噛合する内歯歯車を有する単純遊星減速機構を備え、縦置きで使用される単純遊星減速装置であって、前記単純遊星減速機構の上方を覆うカバーは、前記太陽歯車の径方向において、外側から内側に向けて下方に傾斜する連続した傾斜面を有し、軸方向から見て、前記カバーの前記内歯歯車と重なる位置にも前記傾斜面が設けられていることによって、同様に上記課題を解決したものである。
本発明では、単純遊星減速機構の上方を覆うカバーが太陽歯車の径方向において、外側から内側に向けて下方に傾斜する連続した傾斜面を有する。このため、本発明では、太陽歯車の回転で飛散された潤滑油のうち、カバーに付着した潤滑油を、カバーの下方に傾斜する連続した傾斜面に沿って径方向の内側に導くことができる。即ち、(カバーに付着した位置で潤滑油を下方に滴下するのではなく)カバーに付着した位置よりも径方向内側の位置に潤滑油を移動させてカバーから下方に滴下することができる。
本発明によれば、太陽歯車への潤滑油の供給促進が可能となる。
本発明の実施形態の一例に係る単純遊星減速装置周辺の構成を示す断面図 上記単純遊星減速装置が組み込まれた建設機械の旋回装置の駆動ユニットを示す断面図 上記単純遊星減速装置におけるカバー体を示す図 上記駆動ユニットが組み込まれたショベルカーの全体概略透視図
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態の一例に係る(1段目の)単純遊星減速装置周辺の構成を示す断面図、図2は該単純遊星減速装置が組み込まれたショベルカー(建設機械)の旋回装置の駆動ユニットを示す断面図、図3は該単純遊星減速装置におけるカバー体を示す図である。また、図4は、該駆動ユニットが組み込まれたショベルカーの全体概略透視図である。
まず、図4を参照して、駆動ユニット10が組み込まれたショベルカー100の全体概略構成から説明する。
このショベルカー100は、下部走行体(クローラ)102の上部に運転席104を含む上部旋回体106が旋回可能に載置されている。上部旋回体106からは、ブーム108、アーム110、及びアタッチメント112が片持ち状態で据え付けられている。下部走行体(クローラ)102には、旋回内歯歯車114が固定されており、この旋回内歯歯車114に上部旋回体106側に取り付けた駆動ユニット10の後述する最終出力軸116(図4では符号略)の旋回ピニオン118が噛合することにより、上部旋回体106が旋回できるような構成とされている。
次に、図1、図2を参照して、駆動ユニット10を説明する。
駆動ユニット10は、モータ(駆動源)12、1段目〜3段目の単純遊星減速装置(遊星歯車減速装置)14〜16を備える。以降「1段目の単純遊星減速装置14」を単に減速装置14とのみ称することがある。なお、減速装置14におけるカバー体66に関連する構成については、後に詳述する。
モータ12のモータ軸12Aは、1段目の単純遊星減速装置14の太陽歯車18と連結されている。
減速装置14は、ケーシング20の中に、当該太陽歯車18、該太陽歯車18の周りで公転しキャリヤ32に支持された遊星歯車34、および該遊星歯車34が内接噛合する内歯歯車36を有する単純遊星減速機構(遊星歯車減速機構)38を備える。なお、この実施形態では、太陽歯車18、遊星歯車34、および内歯歯車36は、全てヘリカル歯車で構成されている。
本実施形態では、ショベルカー100が水平面上に置かれたときに、減速装置14の単純遊星減速機構38の軸心O1が鉛直方向と一致するように配置される。即ち、減速装置14は、縦置きで使用される。ここで、「縦置きで使用」とは、狭義には単純遊星減速機構38の軸心O1を鉛直方向に向けた状態で使用することを意味するが、本明細書においては、「オイル(潤滑油)の上面L1が、単純遊星減速機構38の軸心O1と交差する態様での使用」という、より広い使用態様の概念を包含しているものとする。すなわち、例えば、ショベルカー100が傾いた地面上において単純遊星減速機構38の軸心O1が傾いた態様で使用される場合等を含む。別の言い方をすれば、軸心O1(の方向)が鉛直方向に対してなす角度が45°以内であれば縦置きでの使用であると言える。
減速装置14は、内歯歯車36がケーシング20と一体化されている(固定されている)。すなわち、減速装置14は、太陽歯車18から動力を入力し、遊星歯車34を内歯歯車36との間で公転させ、この遊星歯車34の公転をキャリヤ32から取り出す構成とされている。
太陽歯車18は、歯部18Aと、該歯部18Aに連続し当該太陽歯車18の軸心と同軸に負荷側(出力側:下側)に突出された軸部18Bと、を有している。歯部18Aおよび軸部18Bは、共に中空で、歯部18Aの内側に雌スプライン18Cが形成されている。そして、モータ軸12Aには、雄スプライン12Cが形成されている。モータ軸12Aの雄スプライン12Cは、太陽歯車18の雌スプライン18Cと係合し、太陽歯車18と連結される。太陽歯車18は、軸部18Bの外周とキャリヤ32の内周との間に配置された軸受74によって支持されている。軸受74は、外輪74A、転動体74B、及び内輪74Cを備える。
遊星歯車34は、遊星ピン40に2列のローラ軸受42を介して回転可能に支持されている。遊星ピン40は、キャリヤ32に圧入されることで該キャリヤ32と一体化されている。このため、遊星歯車34の公転は、該ローラ軸受42および遊星ピン40を介してキャリヤ32に伝えられる。なお、キャリヤ32は単純遊星減速機構38の負荷側から反負荷側(モータ12側)にまで延在されており、遊星ピン40は、(単一の)キャリヤ32に両持ち支持されている。また、遊星ピン40には潤滑通路40Aが設けられている(後述)。
キャリヤ32は、減速装置14の出力部材44と一体化されている。キャリヤ32は、出力部材44とは別体とされ、キャリヤ32に固定されている。出力部材44は、キャリヤ32と連結される円板状のフランジ部44Aと、該フランジ部44Aの径方向中央から負荷側(下側)に延在された出力軸部44Bとを有する。キャリヤ32と出力部材44とが一体化される際には、ノックピン76が用いられる。ノックピン76は、ボルト77による連結を行う際の仮止め機能を果たすと共に、キャリヤ32と出力部材44の連結に対して剪断応力を付与する。
フランジ部44Aの外周には、出力部材44の回転を制動するブレーキ機構50が付設されている。ブレーキ機構50は、湿式ブレーキであり、図示せぬ油圧ポンプからの圧油が供給される油圧室52、該油圧室52に供給された圧油によって摺動するピストン54、該ピストン54に付勢力を与えるコイルばね56、および摩擦板セット58を備える。摩擦板セット58は、ケーシング20に軸方向に摺動可能かつ回転不能に組み込まれた複数の固定側摩擦板58Aと、出力部材44のフランジ部44Aに軸方向に摺動可能かつ回転不能に組み込まれた複数の回転側摩擦板58Bを交互に備えている。
ブレーキ機構50は、通常時(非運転時)は、コイルばね56の付勢力によって固定側摩擦板58Aおよび回転側摩擦板58Bが強く押圧されることによって出力部材44の回転を制動している。油圧室52に圧油が供給されると、ピストン54が上側に移動して固定側摩擦板58Aおよび回転側摩擦板58Bの圧接を解き、出力部材44を回転可能な状態に解放する。このようなブレーキ機構50は、回転動作がなされていない際に、確実に出力部材44の回転を停止させるのに用いることができる。
単純遊星減速装置14のケーシング20は、前記内歯歯車36と一体の第1ケーシング体21、該第1ケーシング体21の上面にリング状に形成された凹部21Aに嵌合する第2ケーシング体22、第1ケーシング体21の下側に連結された第3ケーシング体23、および第3ケーシング体23のさらに下側に配置され、2段目ケーシング26(図2)との連結の橋渡しをするリング状の第4ケーシング体24とで主に構成されている。
第1ケーシング体21は、内周に内歯歯車36の内歯36Aが形成されると共に、円周方向の複数ヶ所に前記ブレーキ機構50のコイルばね56を収容するばね孔56Aを備える。第2ケーシング体22は、前記凹部21Aに嵌合するリング形状とされ、該コイルばね56を収容するばね孔56Aの開口部を閉塞している。第3ケーシング体23の内周の一部は、前記ブレーキ機構50のピストン54のシリンダ面54Aを構成している。第3ケーシング体23は、該1段目の単純遊星減速装置14の負荷側面にまで連続しており、該負荷側面の中央に、円筒状の筒体部23Aを備えている。前記出力部材44の出力軸部44Bは、この筒体部23Aからケーシング外(2段目の単純遊星減速装置15側)に突出している。第1ケーシング体21、第3ケーシング体23、第4ケーシング体24は、ボルト78によって固定される。第2ケーシング体22は、ボルト79によって固定される。
出力部材44の出力軸部44Bの外周には軸受59が配置される。そして、その軸方向外側にブッシュ60が圧入され、該ブッシュ60と筒体部23Aとの間にはオイルシール62が2個並んで配置されている。なお、単純遊星減速装置14のモータ12側の側面は、(減速装置14のカバーを兼用する)モータケーシング64のカバー体66によって閉塞されている。なお、符号68は空気抜き孔、70A〜70EはOリングである。
1段目の単純遊星減速装置14の後段には、公知の2段目の単純遊星減速装置15および3段目の単純遊星減速装置16が連結されている(図2参照)。
この駆動ユニット10は、以上のような構成を有し、モータ12のモータ軸12Aの回転を、1段目〜3段目の単純遊星減速装置14〜16によって順次減速し、3段目の単純遊星減速装置16の(最終)出力軸116から減速回転を取り出している。3段目の単純遊星減速装置16の(最終)出力軸116には、前記図4の旋回ピニオン118が設けられている。旋回ピニオン118は、前記図4の(下部走行体102に固定された)旋回内歯歯車114と噛合している。
(上部旋回体106側に取り付けた)駆動ユニット10の旋回ピニオン118を回転させると、該旋回ピニオン118が旋回内歯歯車114と噛合しながら該旋回内歯歯車114に沿って公転するため、ショベルカー100は、下部走行体102に対して上部旋回体106を旋回させることができる。
ここで、減速装置14におけるカバー体(カバー)66の近傍の構成について、図1〜図3を用いて、詳細に説明する。
上述したように、カバー体66は、減速装置14のカバーと兼用され、単純遊星減速装置14のモータ12側の側面を閉塞している。即ち、カバー体66は、モータ12と単純遊星減速装置14とを仕切るための部材(モータフランジ)であり、単純遊星減速機構38の上方を覆っている。カバー体66は、フランジ部66Aと傾斜部66Bとを備える。
フランジ部66Aは、モータケーシング64に一体的に形成されており、モータ軸12Aが貫通する貫通孔66ABが設けられている。その貫通孔66ABには、オイルシール63が配置されている。
傾斜部66Bにもモータ軸12が貫通する貫通孔66BBが設けられ、単純遊星減速機構38側の面に、太陽歯車18の径方向において、外側から内側に向けて下方に傾斜する連続した傾斜面Sを有する。本実施形態では、傾斜面Sの傾きは一定とされている。傾斜面Sの径方向内側の終端位置は、太陽歯車18の最外径の位置P1よりも内側でモータ軸12Aの極近傍まで延在されている。即ち、傾斜面Sの径方向内側の終端位置(傾斜部66Bの径方向内側端部)は、オイルシール63よりも径方向内側に位置する。また、傾斜面Sは、軸方向から見て、カバー体66の内歯歯車36と重なる位置を超えて、第1ケーシング体21の内面に接触する側面まで形成されている(本実施形態では、傾斜面Sが軸方向から見て、カバー体66の内歯歯車36と重なる位置が傾斜面Sの途中位置とされているが、傾斜面Sの始点(端部)とされていてもよい)。その傾斜面S上には、軸心O1を中心とする所定の径R1における周方向で間欠的に凹部66BAが設けられている。凹部66BAは、下方に傾斜する傾斜部Sをそこで不連続となるように設けたもので、傾斜面Sに沿って導かれる潤滑油をその凹部66BAで留めることを可能としている(凹部66BAが存在する径方向の前後及び周方向の左右には下方に傾斜する連続した傾斜部Sが存在する)。なお、当該所定の径R1は、公転する遊星歯車34の軸心(遊星ピン40の軸心)までの距離R1と一致している。
フランジ部66Aは、傾斜部66Bに設けられたボルト孔66BCと係合するボルト81により、傾斜部66Bと一体とされている。即ち、傾斜部66Bはカバー体66において別体構成とされている。なお、図3において、符号66AAは、モータ12と減速装置14とを連結させるためのボルト80が係合するボルト孔である。
なお、遊星ピン40には前述の如く、潤滑通路40Aが設けられている。潤滑通路40Aは、1つの軸方向通路40Bと軸方向通路40Bに直交して放射状に延びる複数の水平通路40Cとを備える。軸方向通路40Bは、遊星ピン40の軸心で遊星ピン40を軸方向に貫通するように設けられている。即ち、軸方向から見て軸方向通路40Bの位置は、傾斜部66Bの凹部66BAの位置と一致する。言い換えれば、カバー体66の(潤滑通路40Aの)軸方向通路40Bの上方位置に、遊星歯車34の公転方向において間欠的に凹部66BAが設けられている。水平通路40Cは、遊星ピン40の径方向に延び、2列のローラ軸受42が隣接している位置で遊星ピン40を貫通するように設けられている。
ケーシング20内には、潤滑油が太陽歯車18の軸方向ほぼ中央の位置に相当するオイルレベルL1まで封入されている。このオイルレベルL1は、太陽歯車18の歯部18Aの下端位置より高く、太陽歯車18の上端位置よりは低い位置に相当している。即ち、減速装置14の回転動作の有無に関係なく、太陽歯車18、遊星歯車34および内歯歯車36の少なくとも一部が露出する量の潤滑油がケーシング20内に封入されている。なお、潤滑油は多いほど撹拌抵抗が大きくなるので多くの潤滑油が撹拌されることで発熱量が増大する。このため、発熱量を抑制するためにケーシング20内に封入する潤滑油は本実施形態では満杯ではなく相応の量とされている。
次に、この単純遊星減速装置14の作用を、特に出力部材44に関係する作用に着目して説明する。
モータ軸12Aが回転すると、モータ軸12Aに連結した太陽歯車18が回転する。すると、太陽歯車18により潤滑油が飛散され潤滑油の油面がモータ軸12Aの軸心(太陽歯車18の軸心)を最低位置とするすり鉢状となる。
ここで、太陽歯車18、遊星歯車34および内歯歯車36はヘリカル歯車であることから、太陽歯車18の一方向への回転に際しては潤滑油を下方ではなく斜め上方に飛散させる。即ち、この飛散により油滴がカバー体66に直接付着したり、潤滑油の油面が(単なる平歯車の場合に比べて)急峻なすり鉢状態となったりする。すると、そのすり鉢状態で油面の水準(レベル)が低くなり、太陽歯車18がほとんど油面に浸からない状態を生じさせるおそれがでてくる。しかし、そのような場合には、軸方向から見て内歯歯車36と重なる位置、即ちすり鉢状態の縁の位置で傾斜面Sに、油面が直接的に接触することとなる。即ち、本実施形態ではその接触した位置で傾斜面Sに付着した潤滑油は、カバー体66に直接付着した油滴と共に、傾斜面Sにより径方向内側に導かれていく。
そして、傾斜面Sに設けられた凹部66BAの部分では、潤滑油が留められる。このため、凹部66BAの位置において、相応の潤滑油が下方に滴下される。この位置は遊星ピン40の軸心の位置である。このため、滴下された潤滑油は、すべてではないが、軸方向通路40Bの上端開口から潤滑通路40Aに導入される(なお、本実施形態においては、遊星ピン40に対してボルト孔66BCも凹部66BAと同じ位置関係にあるので、ボルト孔66BCに配置されたボルト81も凹部66BAと同様の作用効果を奏している)。潤滑通路40Aに導入された潤滑油は、軸方向通路40Bを介して、水平通路40Cから2段のローラ軸受42へ供給される。即ち、潤滑通路40Aに導入された潤滑油は、遊星歯車34の遊星ピン40に対する回転をより円滑させることが可能となる。
一方で、凹部66BAが設けられていない傾斜面Sでは、太陽歯車18の最外径の位置P1よりも径方向内側にまで潤滑油が導かれ、潤滑油は相応にモータ軸12Aに届く。このため、モータ軸12Aに届いた潤滑油は、モータ軸12Aと太陽歯車18との嵌入部分及び太陽歯車18と遊星歯車34との噛合い部とを直接的に潤滑することができる。また、モータ軸12Aに届かずに径方向内側に導かれた潤滑油は、滴下した際に太陽歯車18と遊星歯車34との噛合い部とを直接的に潤滑することが可能となる。
逆に、太陽歯車18のもう一方向への回転に際しては潤滑油を上方ではなく斜め下方に飛散させる。このため、太陽歯車18の軸心付近では油面は大きくは低下せずに油面は(単なる平歯車の場合に比べて)緩やかなすり鉢状態となる。その際に、太陽歯車18にあっては相応に油面に浸かる状態とさせることが可能である。なお、この場合においても太陽歯車18に潤滑油が飛散されカバー体66に油滴が付着した際には、その油滴は前述の如く、直接的に太陽歯車18や遊星歯車34の潤滑に寄与させることができる。
即ち、本実施形態においては、単純遊星減速機構38の上方を覆うカバー体66が、太陽歯車18の径方向において、外側から内側に向けて下方に傾斜する連続した傾斜面Sを有する。このため、本実施形態では、太陽歯車18の回転で飛散された潤滑油のうち、カバー体66に付着した潤滑油を、傾斜面Sに沿って径方向の内側に導くことができる。即ち、(カバー体66に付着した位置で潤滑油を下方に滴下するのではなく)カバー体66に付着した位置よりも径方向内側の位置に潤滑油を移動させてカバー体66から下方に滴下することができる。即ち、本実施形態によれば、最も高速に回転する太陽歯車18への潤滑油の供給促進が可能となる。
そして、本実施形態においては、傾斜面Sを構成する部分の部材(傾斜部66B)はカバー体66において別体構成とされている。即ち、この実施形態は、オイルシール63をカバー体66のフランジ部66Aに組み込み、それを覆うように傾斜面Sを有する傾斜部66Bを配置することができる。このため、カバー体66とモータ軸12Aとの間に必要となるオイルシール63を容易に組み込むことができる。具体的に言うならば、通常使用されるようにオイルシール63を配置して確実にケーシング20の潤滑油を封止しながら、そのオイルシール63の位置に制限されることなく傾斜面Sを最適に設けることができる。より具体的には、傾斜面Sの径方向内側の終端位置を、オイルシール63よりも径方向内側とすることができる。なお、傾斜部66Bが別体構成とされていることから、フランジ部66Aを変更することなく傾斜部66Bだけを減速装置14の使用状況等に応じて適宜交換することも可能である。
本発明について上記実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち本発明の要旨を逸脱しない範囲においての改良並びに設計の変更が可能なことは言うまでも無い。
例えば、上記実施形態においては、傾斜面Sの傾きは一定とされていたが、本発明はこれに限定されず、傾きが一定でなくてもよい。例えば、傾斜面Sが曲面でもよい。本発明において「連続した傾斜面」とは周方向の特定の範囲が連続的に傾斜していればよく、前述した凹部66BAやボルト81のように、周方向の特定の位置(又は範囲)のみが不連続となっていることは、禁止されない(「連続した傾斜面」の概念に含まれる)。即ち、必ずしも傾斜面Sに相当する表面のすべての周方向且つ径方向において連続となっている必要はない。
また、上記実施形態においては、太陽歯車18、遊星歯車34および内歯歯車36はヘリカル歯車とされていたので、太陽歯車18の回転方向の向きで潤滑油の油面の上昇程度が激しく変動していた。このため、上記実施形態に対して本発明が適用されるには好適であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、太陽歯車、遊星歯車および内歯歯車は平歯車とされていてもよい。
また、上記実施形態においては、傾斜面Sの径方向内側の終端位置は、太陽歯車18の最外径の位置P1よりも内側とされ、且つ軸方向から見て、カバー体66の内歯歯車36と重なる位置にも傾斜面Sが設けられていたが、本発明はこれに限定されない。傾斜面Sの径方向内側の終端位置が太陽歯車の最外径の位置よりも外側であってもよいし、軸方向から見て、カバー体の内歯歯車と重なる位置には傾斜面Sが設けられていなくてもよい。そのような場合でも、カバーに付着した位置で潤滑油が下方に滴下されるよりもその潤滑油は径方向内側に導かれるので、太陽歯車への潤滑油の供給を促進することができる。
また、上記実施形態においては、傾斜面Sを構成する傾斜部66Bはカバー体66において別体構成とされていたが、本発明はこれに限定されず、一体構成されていてもよい。
また、上記実施形態においては、遊星ピン40に潤滑通路40Aが設けられ、カバー体66の潤滑通路40Aの上方位置に、遊星歯車34の公転方向において間欠的に凹部66BAが設けられていたが、本発明はこれに限定されず、凹部66BAの代わりに凸部が設けられていてもよい。その場合であっても、傾斜面Sに導かれる潤滑油はそこで留められ、その位置で潤滑油を滴下させることが可能となる。もちろん、遊星ピンに潤滑通路が設けられていなくてもよいし、カバーに当該凹部が設けられていなくてもよい。
また、上記実施形態においては、カバー体66は、上方に配置され前段に連結されるモータ12とその下方に配置される単純遊星減速機構38とを仕切るための部材であったが、本発明はこれに限定されない。たとえば、上方に配置されるのが前段の減速機であれば、その前段の減速機と単純遊星減速機構とを仕切るための部材であってよいし、上方に配置されるのが後段の減速機(つまり上下が逆となった駆動ユニットのイメージ)であれば、その後段の減速機と単純遊星減速機構とを仕切るための部材であってよい。
また、上記実施形態において、太陽歯車18、遊星歯車34、および内歯歯車36の少なくとも一部が露出する量の潤滑油が封入されていたが、本発明はこれに限定されず、太陽歯車、遊星歯車、および内歯歯車の全てが浸るような量の潤滑油が封入されていてもよい。
本発明の単純遊星減速装置は、太陽歯車、遊星歯車、および内歯歯車を有する遊星歯車を有する減速機構を備え、(ショベルカーの旋回装置に限らず)縦置きで使用される装置に広く適用することができる。
10…駆動ユニット
12…モータ
12A…モータ軸
14〜16…単純遊星減速装置
18…太陽歯車
20…ケーシング
21〜24…第1〜第4ケーシング体
32…キャリヤ
34…遊星歯車
36…内歯歯車
38…単純遊星減速機構
40…遊星ピン
44…出力部材
44A…フランジ部
44B…出力軸部
50…ブレーキ機構
62…オイルシール
66…カバー体
66A…フランジ部
66B…傾斜部
L1…オイルレベル

Claims (8)

  1. 太陽歯車、該太陽歯車の周りで公転しキャリヤに支持された遊星歯車、および該遊星歯車が内接噛合する内歯歯車を有する単純遊星減速機構を備え、縦置きで使用される単純遊星減速装置であって、
    前記単純遊星減速機構の上方を覆うカバーは、前記太陽歯車の径方向において、外側から内側に向けて下方に傾斜する連続した傾斜面を有し、
    前記傾斜面を構成する部分の部材は前記カバーにおいて別体構成とされており、
    前記傾斜面を構成する部分の部材の径方向内側端部が、前記カバーに配置されるオイルシールよりも径方向内側に位置する
    ことを特徴とする単純遊星減速装置。
  2. 太陽歯車、該太陽歯車の周りで公転しキャリヤに支持された遊星歯車、および該遊星歯車が内接噛合する内歯歯車を有する単純遊星減速機構を備え、縦置きで使用される単純遊星減速装置であって、
    前記単純遊星減速機構の上方を覆うカバーは、前記太陽歯車の径方向において、外側から内側に向けて下方に傾斜する連続した傾斜面を有し、
    軸方向から見て、前記カバーの前記内歯歯車と重なる位置にも前記傾斜面が設けられている
    ことを特徴とする単純遊星減速装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記太陽歯車、遊星歯車および内歯歯車の少なくとも一部が露出する量の潤滑油が封入される
    ことを特徴とする単純遊星減速装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記太陽歯車、遊星歯車および内歯歯車はヘリカル歯車とされる
    ことを特徴とする単純遊星減速装置。
  5. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記傾斜面の径方向内側の終端位置は、前記太陽歯車の最外径の位置よりも内側とされている
    ことを特徴とする単純遊星減速装置。
  6. 請求項において、
    前記傾斜面を構成する部分の部材は前記カバーにおいて別体構成とされている
    ことを特徴とする単純遊星減速装置。
  7. 請求項において、
    前記傾斜面を構成する部分の部材の径方向内側端部が、前記カバーに配置されるオイルシールよりも径方向内側に位置する
    ことを特徴とする単純遊星減速装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記遊星歯車を回転可能に支持する遊星ピンに潤滑通路が設けられ、
    前記カバーの該潤滑通路の上方位置に、周方向で間欠的に凸部或いは凹部が設けられている
    ことを特徴とする単純遊星減速装置。
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