JP2011235323A - 車両用のスタビライザ製造装置と製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性の高いスタビライザの成形技術を提供する。
【解決手段】スタビライザ製造装置10は、第1クランプ部材25と第2クランプ部材35と第3クランプ部材45と相対変位機構50とを備えている。相対変位機構50は、第1クランプ部材25と第3クランプ部材45に対して第2クランプ部材35を相対移動させ、第1クランプ部材25と第2クランプ部材35の相対変位及び第3クランプ部材45と第2クランプ部材35の相対変位を同時に生じさせるように構成されている。
【選択図】図3
【解決手段】スタビライザ製造装置10は、第1クランプ部材25と第2クランプ部材35と第3クランプ部材45と相対変位機構50とを備えている。相対変位機構50は、第1クランプ部材25と第3クランプ部材45に対して第2クランプ部材35を相対移動させ、第1クランプ部材25と第2クランプ部材35の相対変位及び第3クランプ部材45と第2クランプ部材35の相対変位を同時に生じさせるように構成されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、棒材を成形して車両用のスタビライザを製造する装置に関する。本発明はまた、棒材を成形して車両用のスタビライザを製造する方法にも関する。
自動車等の車両のロール剛性を高めるために、左右の車輪に独立して設けられている懸架装置を連結するスタビライザが知られている。車両がロールして左右の懸架装置が相対変位すると、その変位に応じた捩れがスタビライザに加わる。スタビライザに捩れが加わると、スタビライザから左右の懸架装置に復元力が作用し、車両の傾きが抑えられる。
スタビライザは、中空又は中実の棒材を曲げ加工することによって製造されることが多い。特許文献1に、棒材を曲げ加工する技術の一例が開示されている。図5A及び図5Bに、特許文献1に開示される技術の概要を示す。
図5Aに示されるように、特許文献1に開示される技術では、2つの保持部材120,130を利用して棒材Wを把持する。第1保持部材120が棒材Wを把持する部位と第2保持部材130が棒材Wを把持する部位は、棒材Wの軸方向に異なっている。
図5Aに示されるように棒材Wを保持部材120,130で把持すると、次に、図5Bに示されるように、第2保持部材130を自転させることで、第1保持部材120と第2保持部材130を相対変位させる。これにより、棒材Wには、第1保持部材120と第2保持部材130で把持される部位の間に曲げモーメントが作用し、第1保持部材120と第2保持部材130の間に湾曲部が形成される。特許文献1に開示される技術では、2つの保持部材120,130を利用して、棒材Wに1つの湾曲部が形成される。
一般的に、スタビライザには複数の湾曲部が必要とされている。特許文献1の技術を利用して複数の湾曲部を形成するためには、湾曲部を形成する部位のそれぞれに対して、第1保持部材120と第2保持部材130を位置決めする工程と、第1保持部材120に対して第2保持部材130を相対変位させて棒材Wを曲げ加工する工程を実施しなければならない。このため、特許文献1の技術は、複数の湾曲部を形成する場合に生産性が悪いという問題がある。
本明細書では、車両用のスタビライザの製造において、生産性の高い成形技術を提供することを目的としている。
本明細書で開示される技術では、少なくとも3つ以上の保持部材を利用することを特徴としている。本明細書で開示される技術では、隣り合う保持部材の相対変位を同時に生じさせることで、棒材に複数の湾曲部を同時に形成することを特徴としている。複数の湾曲部が同時に形成されるので、この成形技術の生産性は高い。
本明細書で開示される技術を具現化する車両用のスタビライザ製造装置は、第1保持部材と第2保持部材と第3保持部材と相対変位機構を備えている。第1保持部材は、棒材を保持するように構成されている。第2保持部材は、棒材の軸方向において、第1保持部材が保持する部位とは異なる部位で棒材を保持するように構成されている。第3保持部材は、棒材の軸方向において、第1保持部材及び第2保持部材が保持する部位とは異なる部位で棒材を保持するように構成されている。第1保持部材と第2保持部材と第3保持部材は、棒材を保持したときに、棒材の軸方向に沿ってこの順で並ぶように構成されている。なお、ここでいう「保持部材」とは、棒材を保持したときに、保持部材と棒材とが当接する部位において、棒材の軸方向に対して直交する方向の両者の相対変位が規制されている部材をいう。保持部材の一例には、棒材をその半径方向への相対変位を禁止する一方で、棒材をその軸方向への相対変位を許容する態様が含まれる。また、保持部材の他の一例には、棒材をいずれの方向への相対変位も禁止する態様が含まれる。なお、後者の例を特に、本明細書では「固定」という。相対変位機構は、第1保持部材及び第3保持部材に対して第2保持部材の位置を相対移動させ、第1保持部材と第2保持部材を相対変位させるとともに、第3保持部材と第2保持部材も同時に相対変位させるように構成されている。相対変位機構の一例は、アクチュエータを有しており、そのアクチュエータを利用して第2保持部材の位置を移動させるように構成されていてもよい。また、第2保持部材が移動するとき、少なくとも第1保持部材と第3保持部材のいずれか一方の位置が移動してもよい。相対変位機構は、第1保持部材及び第3保持部材に対して少なくとも第2保持部材の位置を相対移動させることで、第1保持部材と第2保持部材の相対変位及び第3保持部材と第2保持部材の相対変位を同時に生じさせるように構成されていることを特徴としている。このスタビライザ製造装置では、相対変位機構によって第2保持部材を相対移動させると、棒材には第1保持部材と第2保持部材の間に湾曲部が形成されるとともに、第3保持部材と第2保持部材の間にも湾曲部が形成される。このスタビライザ製造装置によると、複数の湾曲部が同時に形成されるので、高い生産性でスタビライザを製造することができる。
本明細書で開示されるスタビライザ製造装置では、相対変位機構が、第1保持部材と第3保持部材を結ぶ第1方向に直交する第2方向に沿って第2保持部材を移動させるように構成されていてもよい。即ち、このスタビライザ製造装置の相対変位機構は、第2保持部材を単軸駆動させる機構で構成されていてもよい。このスタビライザ製造装置は、シンプルな機構でありながら、少なくとも2つの湾曲部を同時に形成することができる。
本明細書で開示されるスタビライザ製造装置は、第1保持部材を第1方向に沿ってスライド可能に案内する第1ガイド部材と、第3保持部材を第1方向に沿ってスライド可能に案内する第2ガイド部材をさらに備えていてもよい。このスタビライザ製造装置の第1保持部材は、相対変位機構が第2保持部材を第2方向に移動させるときに、第1ガイド部材に案内されて第1方向に沿ってスライドする。さらに、このスタビライザ製造装置の第3保持部材は、相対変位機構が第2保持部材を第2方向に移動させるときに、第2ガイド部材に案内されて第1方向に沿ってスライドする。このスタビライザ製造装置によると、相対変位機構が第2保持部材を第2方向に移動させるときに、その第2保持部材の移動に追従して第1保持部材と第3保持部材が第1方向にスライドする。これにより、棒材の軸方向の伸びが抑制される。したがって、このスタビライザ製造装置によると、形状が安定化されたスタビライザを製造することができる。
本明細書で開示される技術を具現化する車両用のスタビライザの製造方法は、第1保持部材を用いて棒材を保持する工程と、第2保持部材を用いて棒材を保持する工程と、第3保持部材を用いて棒材を保持する工程と、第2保持部材の位置を相対移動させる工程とを備えている。第2保持部材が棒材を保持する部位は、棒材の軸方向において、第1保持部材が保持する部位とは異なる部位である。第3保持部材が棒材を保持する部位は、棒材の軸方向において、第1保持部材及び第2保持部材が保持する部位とは異なる部位である。第1保持部材と第2保持部材と第3保持部材は、棒材を保持したときに、棒材の軸方向に沿ってこの順で並んでいる。第2保持部材の位置を相対移動させる工程では、第1保持部材及び第3保持部材に対して第2保持部材の位置を相対移動させ、第1保持部材と第2保持部材の相対変位及び第3保持部材と第2保持部材の相対変位を同時に生じさせる。この製造方法によると、複数の湾曲部を有するスタビライザを高い生産性で製造することができる。
本明細書で開示される技術によると、棒材に複数の湾曲部を同時に形成することができるので、高い生産性でスタビライザを製造することができる。
本明細書で開示される技術の特徴の一部を整理して記載する。
(第1特徴) 相対変位機構は、第2保持部材を単軸方向に駆動させるアクチュエータを備えていてもよい。
(第2特徴) 第1保持部材と第2保持部材は、相対変位の前後において、棒材を保持する部位における棒材の軸方向を第1方向に維持するように構成されていてもよい。この場合、第1保持部材と第2保持部材の間に2つの湾曲部が同時に形成される。
(第3特徴) 第3保持部材と第2保持部材は、相対変位の前後において、棒材を保持する部位における棒材の軸方向を第1方向に維持するように構成されていてもよい。この場合、第3保持部材と第2保持部材の間に2つの湾曲部が同時に形成される。
(第4特徴) 各保持部材と棒材とは面接触することができる。この場合に、第1保持部材及び第3保持部材に対して第2保持部材が相対変位する間は、各保持部材と棒材との相対変位が禁止される。
(第5特徴) 各保持部材が棒材を保持しているときに、各保持部材と棒材との相対変位が禁止されている。
(第1特徴) 相対変位機構は、第2保持部材を単軸方向に駆動させるアクチュエータを備えていてもよい。
(第2特徴) 第1保持部材と第2保持部材は、相対変位の前後において、棒材を保持する部位における棒材の軸方向を第1方向に維持するように構成されていてもよい。この場合、第1保持部材と第2保持部材の間に2つの湾曲部が同時に形成される。
(第3特徴) 第3保持部材と第2保持部材は、相対変位の前後において、棒材を保持する部位における棒材の軸方向を第1方向に維持するように構成されていてもよい。この場合、第3保持部材と第2保持部材の間に2つの湾曲部が同時に形成される。
(第4特徴) 各保持部材と棒材とは面接触することができる。この場合に、第1保持部材及び第3保持部材に対して第2保持部材が相対変位する間は、各保持部材と棒材との相対変位が禁止される。
(第5特徴) 各保持部材が棒材を保持しているときに、各保持部材と棒材との相対変位が禁止されている。
図1に示される車両用のスタビライザ製造装置10は、基台11と、基台11上に所定距離を隔てて固定されている一対の位置決め機構12a,12bと、基台11上に固定されているテーブル13と、テーブル13上に設けられている3つの保持機構20,30,40と、保持機構30に対向して配置されている相対変位機構50を備えている。
位置決め機構12a,12bは、成形前の棒材Wを定位置に固定するためのものであり、各々が油圧シリンダーを備えている。紙面左側の位置決め機構12aには棒材Wの左端部が当接しており、紙面右側の位置決め機構12bには棒材Wの右端部が当接している。棒材Wは、一対の位置決め機構12a,12bの油圧シリンダーを利用して、軸方向の位置が定位置に固定される。
3つの保持機構20,30,40は、紙面左側から順に第1保持機構20と第2保持機構30と第3保持機構40と称される。なお、第1保持機構20と第2保持機構30と第3保持機構40は、実質的に共通の構成を備えている。以下では、第1保持機構20の構成のみを説明し、第2保持機構30及び第3保持機構40の説明を省略する。
第1保持機構20は、クランプ用油圧シリンダー22と第1クランプ部材25を備えている。なお、第1クランプ部材25は、請求項の第1保持部材の一例である。第1クランプ部材25は、上側クランプ部材24と下側クランプ部材26を備えている。上側クランプ部材24と下側クランプ部材26には、棒材Wの外形状に倣った当接面が形成されている。上側クランプ部材24と下側クランプ部材26とが閉じると、上側クランプ部材24と下側クランプ部材26の間に棒材Wの外形状に応じた空間が形成される。上側クランプ部材24は、クランプ用油圧シリンダー22のピストンロッドに連結されている。上側クランプ部材24は、クランプ用油圧シリンダー22を利用して、紙面上下方向に移動可能となるように構成されている。これにより、上側クランプ部材24は、下側クランプ部材26から離間した離間位置(図1参照)と、下側クランプ部材26に当接して下側クランプ部材26との間に棒材Wを固定する固定位置(図2参照)との間を移動することができる。固定位置では、上側クランプ部材24と下側クランプ部材26の相対変位が禁止される。また、第1クランプ部材25と棒材Wは面接触し、棒材Wは半径方向と軸方向のいずれへの移動も禁止されている。
第1保持機構20では、クランプ用油圧シリンダー22が下側クランプ部材26に図示しない連結部材を介して固定されており、上側クランプ部材24はその連結部材に対して上下方向に移動可能に案内されている。これにより、第1保持機構20では、クランプ用油圧シリンダー22と上側クランプ部材24と下側クランプ部材26が一体となって移動することができる。さらに、第1保持機構20では、紙面上下方向において、上側クランプ部材24が下側クランプ部材26及びクランプ用油圧シリンダー22に対して相対変位することができる。
第1保持機構20の下側クランプ部材26は、テーブル13上に配設されている第1ガイド部材15aに案内可能に支持されている。第1ガイド部材15aは、紙面左右方向に下側クランプ部材26を案内するように構成されている。このため、第1保持機構20の下側クランプ部材26は、テーブル13上を紙面左右方向にスライドすることができる。上述したように、第1保持機構20では、下側クランプ部材26とクランプ用油圧シリンダー22が図示しない連結部材を介して固定されている。したがって、クランプ用油圧シリンダー22と上側クランプ部材24も、下側クランプ部材26に追従してテーブル13上を紙面左右方向にスライドすることができる。同様に、第3保持機構40の下側クランプ部材46も、テーブル13上に配設されている第2ガイド部材15bに案内可能に支持されている。第2ガイド部材15bは、紙面左右方向に第3保持機構40の下側クランプ部材46を案内するように構成されている。したがって、第3保持機構40のクランプ用油圧シリンダー42と上側クランプ部材44も、下側クランプ部材46に追従してテーブル13上を紙面左右方向にスライドすることができる。
第1保持機構20の下側クランプ部材26は、テーブル13上に固定されている第1初期位置決めシリンダー14aのピストンロッドに連結されている。同様に、第3保持機構40の下側クランプ部材46も、テーブル13上に固定されている第2初期位置決めシリンダー14bのピストンロッドに連結されている。これら初期位置決めシリンダー14a,14bは、下側クランプ部材26,46を紙面左右方向に移動可能に構成されている。第1保持機構20の紙面左右方向の初期位置は、第1初期位置決めシリンダー14aを利用して決定される。同様に、第3保持機構40の紙面左右方向の初期位置は、第2初期位置決めシリンダー14bを利用して決定される。
相対変位機構50は、相対変位用油圧シリンダーを備えている。相対変位用油圧シリンダーのピストンロッドは、第2保持機構30の下側クランプ部材36に連結されている。相対変位機構50の相対変位用油圧シリンダーは、第2保持機構30の下側クランプ部材36を紙面上下方向に移動可能に構成されている。
次に、スタビライザ製造装置10を用いた棒材Wの成形工程を説明する。まず、第1初期位置決めシリンダー14aを利用して、第1保持機構20の紙面左右方向の位置が初期位置に位置決めされる。初期位置は、第1クランプ部材25と第2クランプ部材35の間の距離(後述する距離L)によって設定される。同様に、第2初期位置決めシリンダー14bを利用して、第3保持機構40の紙面左右方向の位置が初期位置に位置決めされる。初期位置は、第3クランプ部材45と第2クランプ部材35の間の距離(後述する距離L)で設定される。
次に、保持機構20,30,40の上側クランプ部材24,34,44が離間位置にある状態で、棒材Wを定位置に固定する。棒材Wは、一対の位置決め機構12a,12bの油圧シリンダーを利用して、軸方向の位置が第1クランプ部材25と第2クランプ部材35と第3クランプ部材45の位置に対して定められた位置に固定される。
次に、保持機構20,30,40の上側クランプ部材24,34,44が、クランプ用油圧シリンダー22,32,42を利用して固定位置に移動する(図2参照)。クランプ用油圧シリンダー22,32,42は、上側クランプ部材24,34,44を紙面下向きに押圧し、下側クランプ部材26,36,46との間で棒材Wを固定する。これによって、各クランプ部材25,35,45は棒材Wと面接触し、棒材Wの各クランプ部材25,35,45に対する相対変位が禁止される。
次に、相対変位機構50が、相対変位用油圧シリンダーを利用して、第2保持機構30の下側クランプ部材36を紙面下向きに移動させる(図3参照)。上記したように、第2保持機構30では、図示しない連結部材を介して下側クランプ部材36とクランプ用油圧シリンダー32が固定されているので、下側クランプ部材36が紙面下向きに移動すると、クランプ用油圧シリンダー32を介して上側クランプ部材34も紙面下向きに移動する。このため、第2保持機構30の第2クランプ部材35は、棒材Wを固定した状態で紙面下向きに移動する。このとき、第1保持機構20と第3保持機構40は、紙面上下方向の移動が禁止されているので、第2クランプ部材35が紙面下向きに移動すると、第1クランプ部材25と第2クランプ部材35が相対変位するとともに、第3クランプ部材45と第2クランプ部材35も相対変位する。なお、第2クランプ部材35が紙面下向きに移動するのに追従して、第1クランプ部材25は第1ガイド部材15aに案内されて紙面右向きにスライドし、第3クランプ部材35は第2ガイド部材15bに案内されて紙面左向きにスライドする。
第1クランプ部材25と第2クランプ部材35が相対変位することで、棒材Wには、第1クランプ部材25と第2クランプ部材35の間に曲げ変形が形成される。同様に、第3クランプ部材45と第2クランプ部材35が相対変位することで、棒材Wには、第3クランプ部材45と第2クランプ部材35の間に曲げ変形が形成される。図4A及び図4Bを参照して、この曲げ変形をより詳細に説明する。
図4Aに、成形前の棒材Wの様子を示す。第1クランプ部材25は、少なくとも棒材Wの軸方向に異なるポイントP1とP2で棒材Wに当接して棒材Wを固定している。本実施例では、第1クランプ部材25は、ポイントP1とP2の間に亘って棒材Wに面接触して棒材Wを固定している。第2クランプ部材35は、少なくとも棒材Wの軸方向に異なるポイントP3とP4で棒材Wに当接して棒材Wを固定している。本実施例では、第2クランプ部材35は、ポイントP3とP4の間に亘って棒材Wに面接触して棒材Wを固定している。第3クランプ部材45は、少なくとも棒材Wの軸方向に異なるポイントP5とP6で棒材Wに当接して棒材Wを固定している。本実施例では、第3クランプ部材45は、ポイントP5とP6の間に亘って棒材Wに面接触して棒材Wを固定している。また、第1クランプ部材25と第2クランプ部材35は、距離L(ポイントP2とP3の間の距離)を隔てて棒材Wを固定している。第3クランプ部材45と第2クランプ部材35も、距離L(ポイントP5とP4の間の距離)を隔てて棒材Wを固定している。
図4Bに示されるように、第2クランプ部材35が紙面下向きに移動すると、ポイントP2とP3の間の距離Lを維持するように第1クランプ部材25が紙面右向きにスライドし、第1クランプ部材25と第2クランプ部材35が相対変位する。このとき、ポイントP1とP2を結ぶ方向(紙面左右方向)とポイントP3とポイントP4を結ぶ方向(紙面左右方向)は、相対変位の前後において維持される。一方、ポイントP2とP3を結ぶ方向は、相対変位の前後において変化する。これにより、ポイントP2とP3のそれぞれには逆向きの曲げモーメントが加わり、第1クランプ部材25と第2クランプ部材35の間に2つの湾曲部が形成される。同様に、第2クランプ部材35が紙面下向きに移動すると、ポイントP5とP4の間の距離Lを維持するように第3クランプ部材45が紙面左向きにスライドし、第3クランプ部材45と第2クランプ部材35が相対変位する。このとき、ポイントP5とP6を結ぶ方向(紙面左右方向)とポイントP3とポイントP4を結ぶ方向(紙面左右方向)は、相対変位の前後において維持される。一方、ポイントP5とP4を結ぶ方向は、相対変位の前後において変化する。これにより、ポイントP5とP4のそれぞれには逆向きの曲げモーメントが加わり、第3クランプ部材45と第2クランプ部材35の間に2つの湾曲部が形成される。
スタビライザ製造装置10は、少なくとも以下の特徴を有する。
(1)スタビライザ製造装置10では、1回の成形工程で、ポイントP2,P3,P4,P5に4つの湾曲部を同時に形成することができる。スタビライザ製造装置10は、高い生産性でスタビライザを製造することができる。また、一般的なスタビライザは、左右対象な形態であることが多い。このため、スタビライザ製造装置10は、そのような形態のスタビライザを製造するときに特に有用である。
(1)スタビライザ製造装置10では、1回の成形工程で、ポイントP2,P3,P4,P5に4つの湾曲部を同時に形成することができる。スタビライザ製造装置10は、高い生産性でスタビライザを製造することができる。また、一般的なスタビライザは、左右対象な形態であることが多い。このため、スタビライザ製造装置10は、そのような形態のスタビライザを製造するときに特に有用である。
(2)スタビライザ製造装置10で成形される湾曲部の曲げ角度は、クランプ部材25,35,45間の距離Lと相対変位機構50による第2クランプ部材35の引き込み量によって一義的に決定される。このため、スタビライザ製造装置10は、高い形状精度でスタビライザを製造することができる。特に、各クランプ部材25,35,45が棒材Wと面接触し、棒材Wが曲げ成形される間、棒材Wの各クランプ部材25,35,45に対する相対変位が禁止される。特許文献1の技術のように、第2保持部材130が棒材Wと線接触する場合と比較して、棒材Wの各クランプ部材25,35,45に対する自由度が少ないため、高い形状精度でスタビライザを製造することができる。
(3)スタビライザ製造装置10の第1クランプ部材25及び第3クランプ部材45は、ガイド部材15a,15bに案内されて紙面左右方向への移動が許容されているのみであり、その他の方向への移動は禁止されている。第2クランプ部材35は、相対変位機構50によって紙面上下方向への移動が許容されているのみであり、その他の方向への移動は禁止されている。したがって、第1クランプ部材25と第2クランプ部材35と第3クランプ部材45の移動方向はいずれも、同一面内にのみ許容されている。このため、成形されるスタビライザは、その面内での平坦性が極めて高い。スタビライザ製造装置10は、高い形状精度でスタビライザを製造することができる。
(4)スタビライザ製造装置10では、相対変位機構50が第2クランプ部材35を引き込むのに追従して、第1クランプ部材25が第1ガイド部材15aに案内されて紙面右向きにスライドし、第3クランプ部材45が第2ガイド部材15bに案内されて紙面左向きにスライドし、第1クランプ部材25と第2クランプ部材35の間の距離L及び第3クランプ部材45と第2クランプ部材35の間の距離Lが維持される。このため、成形後の棒材Wでは、軸方向の伸びが抑制されることで、スプリングバック量が低減される。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:スタビライザ製造装置
15a:第1ガイド部材
15b:第2ガイド部材
25:第1クランプ部材
35:第2クランプ部材
45:第3クランプ部材
50:相対変位機構
15a:第1ガイド部材
15b:第2ガイド部材
25:第1クランプ部材
35:第2クランプ部材
45:第3クランプ部材
50:相対変位機構
Claims (4)
- 棒材を成形して車両用のスタビライザを製造する装置であって、
第1保持部材と第2保持部材と第3保持部材と相対変位機構と、を備えており、
前記第1保持部材は、前記棒材を保持するように構成されており、
前記第2保持部材は、前記棒材の軸方向において、前記第1保持部材が保持する部位とは異なる部位で前記棒材を保持するように構成されており、
前記第3保持部材は、前記棒材の軸方向において、前記第1保持部材及び前記第2保持部材が保持する部位とは異なる部位で前記棒材を保持するように構成されており、
前記第1保持部材と前記第2保持部材と前記第3保持部材は、前記棒材を保持したときに、前記棒材の軸方向に沿ってこの順で並ぶように構成されており、
前記相対変位機構は、前記第1保持部材及び前記第3保持部材に対して前記第2保持部材の位置を相対移動させ、前記第1保持部材と前記第2保持部材の相対変位及び前記第3保持部材と前記第2保持部材の相対変位を同時に生じさせるように構成されているスタビライザ製造装置。 - 前記相対変位機構は、前記第1保持部材と前記第3保持部材を結ぶ第1方向に直交する第2方向に沿って前記第2保持部材を移動させるように構成されている請求項1に記載のスタビライザ製造装置。
- 前記第1保持部材を前記第1方向に沿ってスライド可能に案内する第1ガイド部材と、
前記第3保持部材を前記第1方向に沿ってスライド可能に案内する第2ガイド部材と、をさらに備えており、
前記第1保持部材は、前記相対変位機構が前記第2保持部材を前記第2方向に移動させるときに、前記第1ガイド部材に案内されて前記第1方向に沿ってスライドし、
前記第3保持部材は、前記相対変位機構が前記第2保持部材を前記第2方向に移動させるときに、前記第2ガイド部材に案内されて前記第1方向に沿ってスライドする請求項2に記載のスタビライザ製造装置。 - 棒材を成形して車両用のスタビライザを製造する方法であって、
第1保持部材を用いて前記棒材を保持する工程と、
前記棒材の軸方向において前記第1保持部材が保持する部位とは異なる部位で、第2保持部材を用いて前記棒材を保持する工程と、
前記棒材の軸方向において前記第1保持部材及び前記第2保持部材が保持する部位とは異なる部位で、第3保持部材を用いて前記棒材を保持する工程と、
前記第1保持部材及び前記第3保持部材に対して前記第2保持部材の位置を相対移動させる工程と、を備えており、
前記第1保持部材と前記第2保持部材と前記第3保持部材は、前記棒材を保持したときに、前記棒材の軸方向に沿ってこの順で並んでおり、
前記第2保持部材の位置を相対移動させる工程では、前記第1保持部材と前記第2保持部材の相対変位及び前記第3保持部材と前記第2保持部材の相対変位を同時に生じさせるスタビライザの製造方法。
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