JP2011234474A - プロテクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤーハーネスの外径が小さい場合にも、係止部が大きく突出するのを防止すること。
【解決手段】合体状態でワイヤーハーネスWHを挿通収容可能な収容体を構成する第1プロテクタ部材29と第2プロテクタ部材40とを備え、第1プロテクタ部材20は、壁部25と壁部25に間隔をあけて対向する補助壁部26とを有し、第2プロテクタ部材40は、壁部25と補助壁部26との間に挿入方向Pに沿って挿入可能な挿入部46を有し、壁部25及び補助壁部26の少なくとも一方には、挿入方向Pに沿った異なる位置に被係止部30が複数形成され、挿入部46の挿入方向P所定の位置には、複数の被係止部30に対して選択的に係止可能な係止部50が形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】合体状態でワイヤーハーネスWHを挿通収容可能な収容体を構成する第1プロテクタ部材29と第2プロテクタ部材40とを備え、第1プロテクタ部材20は、壁部25と壁部25に間隔をあけて対向する補助壁部26とを有し、第2プロテクタ部材40は、壁部25と補助壁部26との間に挿入方向Pに沿って挿入可能な挿入部46を有し、壁部25及び補助壁部26の少なくとも一方には、挿入方向Pに沿った異なる位置に被係止部30が複数形成され、挿入部46の挿入方向P所定の位置には、複数の被係止部30に対して選択的に係止可能な係止部50が形成されている。
【選択図】図1
Description
ワイヤーハーネスを保護する技術に関する。
車両にワイヤーハーネスを配策する際、ワイヤーハーネスを周辺部品から保護するために部分的にプロテクタに収容することがある。このようなプロテクタは、ワイヤーハーネスの外径に対応して収容容量が決定される。しかしながら、マイナーチェンジ、モデルチェンジによりワイヤーハーネスの外径が大きくなると、プロテクタ内にワイヤーハーネスを収容できなくなる恐れがある。この場合、新たなプロテクタを設計、製造する必要があった。
そこで、特許文献1のような収容容量を調節可能なプロテクタが提案されている。特許文献1のプロテクタは、ワイヤーハーネスが載置される底部とその両側に立設された伸縮自在な側壁とを有する本体部と、側壁間に収容されたワイヤーハーネスを押える蓋部とを有している。そして、本体部及び蓋部のいずれか一方に突設され、複数段の係止突起が形成された係止アームが係止枠部及び係止爪を有する係止部に対して任意の係止突起の位置で選択的に係止することにより、蓋部が本体部に対して収容容量を調節可能に固定される。ここで、係止アームが係止枠部に挿入した状態で、係止爪が複数段の係止突起のうちの一つに係止されることにより、係止アームが任意の位置で係止部に係止する。
しかしながら、特許文献1のプロテクタでは、ワイヤーハーネスの外径が小さい場合、複数段の係止突起のうち係止アームの基端部側の1つに係止爪が係止するため、係止アームの先端部が係止枠部から大きく突出してしまう。この突出した係止アームの先端部は、プロテクタの車両に対する配設作業の妨げになる恐れがある。
そこで、本発明は、ワイヤーハーネスの外径が小さい場合にも、係止部が大きく突出するのを防止することを目的とする。
第1の態様に係るプロテクタは、ワイヤーハーネスを保護するプロテクタであって、合体状態で前記ワイヤーハーネスを挿通収容可能な収容体を構成する第1プロテクタ部材と第2プロテクタ部材とを備え、前記第1プロテクタ部材は、壁部と、前記壁部に間隔をあけて対向する補助壁部とを有し、前記第2プロテクタ部材は、前記壁部と前記補助壁部との間に挿入方向に沿って挿入可能な挿入部を有し、前記壁部及び前記補助壁部の少なくとも一方には、前記挿入方向に沿った異なる位置に被係止部が複数形成され、前記挿入部の挿入方向所定の位置には、前記複数の被係止部に対して選択的に係止可能な係止部が形成されている。
第2の態様に係るプロテクタは、第1の態様に係るプロテクタであって、前記複数の被係止部は、前記壁部及び前記補助壁部の両方に前記挿入方向に沿って交互に形成されている。
第3の態様に係るプロテクタは、第2の態様に係るプロテクタであって、前記複数の被係止部は、前記壁部及び前記補助壁部の内側に開口する凹状に形成され、前記係止部は、前記壁部及び前記補助壁部の両方に形成されている前記複数の被係止部に対して選択的に係止可能な両側凸状或いは両側に突出可能に形成されている。
第4の態様に係るプロテクタは、第3の態様に係るプロテクタであって、前記係止部は、前記挿入方向前方から後方に向けて漸次厚さ寸法が大きくなるように形成され、後端側部分が厚さ方向に揺動可能なように前端部で支持され、前記壁部及び前記補助壁部は、前記係止部の後端部の厚さ寸法より小さい隙間をあけて位置する。
第1の態様に係るプロテクタによると、第1プロテクタ部材の壁部及び補助壁部の少なくとも一方に挿入方向に沿って被係止部が複数形成され、第2プロテクタ部材の挿入部の挿入方向所定の位置に複数の被係止部に対して選択的に係止可能な係止部が形成されている。このため、係止部は、いずれの被係止部に係止している場合でもその被係止部に対して突出量一定であると共に、壁部或いは補助壁部の側方に位置し、壁部及び補助壁部の両方を越えて大きく突出することはない。すなわち、ワイヤーハーネスの外径が小さい場合にも、係止部が大きく突出するのを防止することができる。
第2の態様に係るプロテクタによると、被係止部が壁部及び補助壁部に挿入方向に沿って交互に形成されているため、係止部はより小さい間隔で異なる被係止部に係止することができる。このため、小さい単位で収容容量を調節することができ、ワイヤーハーネスの外径の変更に対してより柔軟に対応することができる。
第3の態様に係るプロテクタによると、複数の被係止部が凹状に形成され、係止部が両側凸状或いは両側に突出可能に形成されており、構造を簡易にすることができる。
第4の態様に係るプロテクタによると、係止部が挿入方向前方から後方に向けて漸次厚さ寸法が大きくなるように形成されているため、壁部と補助壁部との隙間を通じて被係止部に係止しやすい。また、係止部は後端側部分が厚さ方向に揺動可能なように前端部で支持され、壁部及び補助壁部は係止部の後端部の厚さ寸法より小さい隙間をあけて位置するように構成されている。これにより、係止部が凹状の被係止部に係止する際、後端部は壁部或いは補助壁部のうち当該被係止部に対向する部分に押されて被係止部側に揺動し、より大きく被係止部内に進出する。このため、係止部がより確実に被係止部に対して係止し、第1プロテクタ部材及び第2プロテクタ部材の合体状態をより確実に維持することができる。
実施形態に係るプロテクタについて説明する。プロテクタは、車両に配策されるワイヤーハーネスを収容して周辺部材から保護するための部材である。そして、本プロテクタは、ワイヤーハーネスのうち収容部分の外径がマイナーチェンジ、モデルチェンジ等により変更された場合にもワイヤーハーネスを収容可能なように、収容容量を調節可能に構成されている。
プロテクタ10は、合体状態でワイヤーハーネスWHを挿通収容可能な収容体を構成する第1プロテクタ部材20と第2プロテクタ部材40とを備えている(図1参照)。このプロテクタ10は、ワイヤーハーネスWHの保護対象部分の車両配策時の形態及びその周辺空間に応じた形状に形成される。第1プロテクタ部材20及び第2プロテクタ部材40は、それぞれ、樹脂材により一体成形されている。
以下、図1に示すプロテクタ10の一例について説明する。すなわち、ここでは、第1プロテクタ部材20がワイヤーハーネスWHを主として収容するプロテクタ本体部、第2プロテクタ部材40がプロテクタ本体部に被さるように合体可能なプロテクタカバーである。
第1プロテクタ部材20は、底部23と、底部23の両側部に立設された一対の側壁部24とを有する第1本体部22を有している(図1参照)。すなわち、第1本体部22は、全体として、一方側から他方側にワイヤーハーネスWHを挿通収容する略溝状に形成されている。
底部23は、ワイヤーハーネスWHのうち保護対象部分を載置可能で、当該ワイヤーハーネスWHの一方向における占有面積より大きく形成されている。ここでは、底部23は、平面板状に形成されているものとする。
一対の側壁部24は、それぞれ、底部23の両側端部から、一方向(ここでは、底部23に略直交する方向)に沿って底部23の載置面側に突出するように形成されている。すなわち、ワイヤーハーネスWHは、保護対象部分が底部23上に載置された状態で、一対の側壁部24の間に介在するように配設される。
第2プロテクタ部材40は、一対の側壁部24の先端部間の開口を覆う態様で第1本体部22に対して被される蓋状の第2本体部42を有している(図1参照)。
第2本体部42は、天井部43と、天井部43の両側部に立設された一対の側壁部44とを有している。この第2本体部42は、第1本体部22に被さった状態で、一対の側壁部24の外側に一対の側壁部44が重なるように構成されている。好ましくは、一対の側壁部24の先端側部分の外側部と一対の側壁部44の内側部とが面接触するように重なるとよい。すなわち、第2本体部42は、一対の側壁部24の外側形状より大きく形成された天井部43の両側端部から、一対の側壁部44が天井部43に対して略直交する方向の一方側に向けて突出するように構成されている。ここでは、天井部43は、図1に示すように平板状に形成されているものとする。
上記第1本体部22の一対の側壁部24及び第2本体部42の一対の側壁部44の突出寸法(高さ寸法)は、プロテクタ10の収容容量を最大にした状態でも、一対の側壁部24と一対の側壁部44とが重なるように構成されているとよい。すなわち、プロテクタ10内に収容されるワイヤーハーネスWHが、プロテクタ10の側方から外部に露出されないことが好ましい。
なお、上記第1本体部22および第2本体部42の各部の名称(底部、天井部、側壁部)は、説明の便宜上付したものであって、プロテクタ10の使用態様を限定するものではない。
そして、第1プロテクタ部材20と第2プロテクタ部材40とは、第2本体部42が第1本体部22に被された状態で、ワイヤーハーネスWHを挿通収容可能な内部空間を有する収容体を構成する(図6、図7参照)。第1本体部22に第2本体部42が被された状態が、第1プロテクタ部材20と第2プロテクタ部材40との合体状態である。
もっとも、第1本体部22及び第2本体部は、底部23と一対の側壁部24、天井部43と一対の側壁部44との境界が存在するような形状に限られず、組合せた状態で内側にワイヤーハーネスWHを配設可能であればよく、湾曲部分が連続した形状であってもよい。
また、第1プロテクタ部材20及び第2プロテクタ部材40は、上記のようなプロテクタ本体とプロテクタカバーとの関係に限られず、どちらの収容容量が大きくてもよい。
上記第1プロテクタ部材20及び第2プロテクタ部材40は、合体状態を維持するための構成を有している(図1参照)。当該構成は、プロテクタ10の両側に設けられるが、ここでは、一方側に着目して説明する(図1ではプロテクタ10の他方側の構成を省略している)。以下、一対の側壁部24のうちの一方を壁部25、一対の側壁部44のうちの一方を一方の側壁部45として説明する。
第1プロテクタ部材20は、第1本体部22の壁部25に対して間隔をあけて対向するように形成された補助壁部26をさらに有している(図2、図3参照)。そして、壁部25及び補助壁部26には、被係止部30が複数形成されている。
また、第2プロテクタ部材40は、壁部25と補助壁部26との間に挿入方向Pに沿って挿入可能な挿入部46をさらに有している(図4、図5参照)。この挿入部46の挿入方向P所定の位置には、複数の被係止部30に対して選択的に係止可能な係止部50が形成されている。なお、ここでは、第1プロテクタ部材20及び第2プロテクタ部材40の合体時の近接方向(換言すると、一対の側壁部24、44が突出する方向)が挿入方向Pである。
つまり、第1プロテクタ部材20及び第2プロテクタ部材40は、挿入部46が壁部25と補助壁部26との間に挿入されて係止部50が複数の被係止部30のいずれか一つに係止することにより、合体状態を維持するようになっている。そして、係止部50が複数の被係止部30のうちのいずれに係止するかによって、第1本体部22及び第2本体部42が有する内部空間の大きさ(プロテクタ10の収容容量)が決定される。以下、この構成について詳細に説明する。
挿入部46は、一方の側壁部45の先端部の一部分から、その突出方向に向けて延出するように形成されている(図2、図3参照)。より具体的には、挿入部46は、一方の側壁部45から厚さを同じにして延出している。すなわち、挿入部46は、第1本体部22に第2本体部42が被された状態で、壁部25の外側面に沿って延びるようになっている。そして、この挿入部46の挿入方向P(延出方向)所定の位置には係止部50が形成されている。
係止部50は、挿入部46の挿入方向P前方から後方に向けて漸次厚さ寸法が大きくなるように形成されている。より具体的には、係止部50は、挿入部46の幅方向(図4の左右方向)に直交する断面視において後端部を底辺とする略二等辺三角形状とされている(図5参照)。そして、係止部50の後端部が挿入方向P後方(天井部43側)に向かう係止面52を成している。
ここでは、挿入部46は、略中央に矩形孔を有する略矩環状に形成され、その内側の位置に係止部50が形成されている。より具体的には、係止部50は、前端部で挿入部46の内周部の先端側部分に支持される態様で形成されている。なお、係止部50の前端部の厚さ寸法は挿入部46の厚さ寸法と略同じに設定されている。そして、前記係止部50の前端部より厚さ寸法が大きく形成されている後端側部分は、図5に示すように、前端部と後端部を結ぶ方向が挿入方向Pに沿う姿勢で、厚さ方向において、後端側部分が挿入部46の両側に均等に突出するようになっている。
上記態様で形成されている係止部50は、前端部以外の3方が支持されず、前端部を支点として後端側部分が主として厚さ方向に揺動可能となっている。これにより、係止部50の後端側部分が厚さ方向一方側(一方の側壁部45の外側)から押されると、他方側(一方の側壁部45の内側)に向けて揺動されて他方側により大きく突出し(図6参照)、後端側部分が他方側から押されると一方側に向けて揺動されて一方側により大きく突出する(図7参照)。
もっとも、係止部50は、上記のものに限られず、壁部25及び補助壁部26の両方に形成されている複数の被係止部30に対して選択的に係止可能であれば、その他の両側凸状に形成されていてもよい。例えば、係止部150は、平板状の挿入部146の先端部両側に、挿入方向P前方から後方に向けて漸次厚さ寸法が大きくなるような両側凸状に形成されていてもよい(図8、図9参照)。
補助壁部26は、全体に亘って、壁部25に対して略一定の隙間をあけて位置するように設定されている(図2、図3参照)。より具体的には、壁部25と補助壁部26との隙間は、第2プロテクタ部材40の挿入部46を挿入可能な(ここでは、挿入部46の厚さ寸法より僅かに大きい)大きさに設定されている。また、この隙間は、係止部50の後端部の厚さ寸法より小さく設定されている。ここでは、補助壁部26は、壁部25の外側面から突出する一対の側片27により、上記位置に支持されている。この一対の側片27は、挿入方向Pに沿って形成されている。なお、一対の側片27の間隔は、挿入部46を挿入可能なように、挿入部46の幅寸法より大きく(ここでは、僅かに大きく)設定されている。すなわち、一対の側片27は、壁部25と補助壁部26との間に挿入される挿入部46の幅方向における位置規制をする役割も担っている。
この補助壁部26は、主として壁部25に対して離間する向きに弾性変形可能に構成されている。すなわち、壁部25と補助壁部26との間隔より大きい厚さ寸法に形成されている係止部50の後端部を、壁部25と補助壁部26との間に挿入可能にするため、壁部25との間隔を拡げるように弾性変形可能となっている。ここでは、補助壁部26は、壁部25より厚さ方向に弾性変形しやすく構成されている。例えば、補助壁部26は、壁部25より厚さ寸法を小さく設定されているとよい。
ここで、係止部50は、挿入部46の幅方向中間部に形成され、壁部25と補助壁部26との間に挿入される際には、一対の側片27の中間位置すなわち補助壁部26の中間位置に挿入されるようになっている。つまり、係止部50が壁部25と補助壁部26との間に挿入されたとき、補助壁部26のうち弾性変形により最も壁部25から離間しやすい中間位置に係止部50が位置して、係止部50をより挿入し易くなっている。
また、補助壁部26の挿入方向P後端部は、より弾性変形し易いように、一対の側片27より挿入方向P後方側に突出するように構成されている(図1〜3参照)。すなわち、当該後端部が、一対の側片27に支持されない構成である。これにより、補助壁部26は、壁部25との間に係止部50が挿入される際に、挿入方向P後端部が壁部25から離間する向きに容易に弾性変形するため、係止部50を挿入し易くなっている。
さらに、補助壁部26の挿入方向P後端部には、挿入部46及び係止部50を、壁部25と補助壁部26との間に誘い込む誘い込み部26aが形成されている(図3参照)。この誘い込み部26aは、壁部25に対して挿入方向P前方から後方に向けて漸次離間するように傾斜する形状である。すなわち、壁部25と補助壁部26との間隔は、補助壁部26の挿入方向P後端部の位置で、挿入方向P後方に向けて漸次大きくなっている。
被係止部30は、壁部25及び補助壁部26に対して、挿入方向Pに沿った異なる位置に複数形成されている(図2、図3参照)。この複数の被係止部30は、壁部25に形成された第1被係止部32と、補助壁部26に形成された第2被係止部36とを(ここではそれぞれ1つずつ)有している。
第1被係止部32は、壁部25の外側面(補助壁部26と壁部25との関係では内側)で開口し、挿入方向P前方側に向かう被係止面33を有する凹状に形成されている。より具体的には、第1被係止部32は、挿入部46から厚さ方向一方側(一方の側壁部45の内側)に突出される係止部50が進入可能な内部空間を有する凹状である。ここでは、第1被係止部32は、壁部25を直交方向に貫通する凹状である。この第1被係止部32の内周面のうち挿入方向P前方側に向かう面が被係止面33を成している。そして、この被係止面33に対して、係止部50の係止面52が当接することにより、係止部50が第1被係止部32に係止する。
もっとも、第1被係止部32は、係止部50が係止可能であれば上記形状に限られるものではなく、例えば壁部25の外側面(壁部25と補助壁部26との関係では内側)で開口する有底の凹状であってもよい。
第2被係止部36は、補助壁部26の挿入方向P前端側部分を、一対の側片27間で切り欠いたように形成されている。補助壁部26の内側に着目すると、第2被係止部36は、補助壁部26の内側(壁部25と補助壁部26との関係でも内側)で開口する凹状部分である。この第2被係止部36は、挿入方向P前方側に向かう被係止面37を有している。ここでは、補助壁部26の挿入方向P前端部が被係止面37を成している。そして、この被係止面37に対して、係止部50の係止面52が当接することにより、係止部50が第2被係止部36に係止する。
もっとも、第2被係止部32は、上記形状に限られるものではない。第2被係止部32は、例えば、挿入方向Pにおいて、補助壁部26の中途部でその内側面(壁部25と補助壁部26との関係でも内側)で開口する貫通孔状又は有底凹状であってもよい。
上記第1被係止部32及び第2被係止部36は、挿入方向Pにおいて、係止部50が第1被係止部32に係止する位置で補助壁部26により壁部25側に押されると共に、係止部50が第2被係止部36に係止する位置で壁部25により補助壁部26側に押されるような位置に形成されている(図6、図7参照)。
より具体的には、壁部25と補助壁部26との間隔が係止部50の後端部より小さく設定されているため、係止部50が壁部25と補助壁部26との間に挿入されている状態では、係止部50に対して壁部25及び補助壁部26の両側から厚さ方向の力が作用している。つまり、挿入方向Pにおいて、片側に壁部25或いは補助壁部26が存在する位置に被係止部30が設けられていれば、係止部50は壁部25或いは補助壁部26によりその厚さ方向反対側に押される。これにより、係止部50の後端側部分は揺動して被係止部30内により大きく進入する。
具体的な位置関係で言うと、第1被係止部32は、挿入方向Pにおいて、被係止面33の前方側近傍に補助壁部26が存在するような位置に形成されていればよい。好ましくは、被係止面33が補助壁部26の一部と同位置に位置するとよい。また、第2被係止部36も、第1被係止部32と同様に、挿入方向Pにおいて、被係止面37の前方側近傍に壁部25が存在するような位置に形成されていればよく、好ましくは、被係止面37が壁部25の一部と同位置に位置するとよい。
次に、係止部50を複数の被係止部30に対して選択的に係止させる動作について説明する。なお、この動作は、第1本体部22に対して第2本体部42を被せつつ行ってもよいし、被せた状態から行ってもよい。
係止部50を、複数の被係止部30のうち第1被係止部32に係止する場合(図6参照)から説明する。
まず、挿入部46を、その先端側から挿入方向Pに沿って壁部25と補助壁部26との間に挿入する。この際、挿入部46は、補助壁部26の誘い込み部26aにより、壁部25と補助壁部26との間に案内される。ここで、挿入部46は、一対の側片27間を通りつつ、壁部25と補助壁部26との間に挿入される。
挿入部46が壁部25と補助壁部26との間に挿入されるのに伴い、係止部50も誘い込み部26aに案内されつつ、その前端側から壁部25と補助壁部26との間に挿入されていく。係止部50は、壁部25と補助壁部26との両側に接触した位置から、壁部25と補助壁部26との間隔を拡げるように、主として補助壁部26を徐々に弾性変形させていく。すなわち、補助壁部26より弾性変形し難い壁部25により補助壁部26側に押された係止部50が補助壁部26を押すことにより、補助壁部26が壁部25から離間する向きに弾性変形される。
係止部50の後端部が第1被係止部32の被係止面33の位置を越えるまで、挿入部46が挿入されると、係止部50に作用する壁部25側からの力が解除される。すると、係止部50は、厚さ方向において挿入部46から壁部25側に突出している部分が第1被係止部32内に進入すると共に、さらに補助壁部26の弾性復帰力により後端側部分が押されて壁部25側に揺動されることにより第1被係止部32内により大きく突出する(図6参照)。
以上により、係止部50が第1被係止部32に係止される。すなわち、係止部50の係止面52が第1被係止部32の被係止面33に当接するため、第1プロテクタ部材20及び第2プロテクタ部材40は離間方向の相対移動を規制される。
次に、係止部50を複数の被係止部30のうち第2被係止部36に係止する場合(図7参照)を説明する。
係止部50が第1被係止部32に係止された状態から、さらに挿入部46を挿入方向P前方側に向けて挿入していく。そして、係止部50が第1被係止部32の挿入方向P前方側端部と補助壁部26との両方に接触した位置から、再び壁部25と補助壁部26との間隔を拡げるように、主として補助壁部26を徐々に弾性変形させていく。もっとも、係止部50が第1被係止部32に係止した状態で、係止部50は、第2被係止部32の前方側端部及び補助壁部26に当接していてもよい。
係止部50の後端部が第2被係止部36の被係止面37の位置を越えるまで、挿入部46が挿入されると、係止部50に作用する補助壁部26側からの力が解除される。すると、係止部50は、壁部25に押されて後端側部分が補助壁部26側に揺動されることにより第2被係止部36内により大きく突出する(図7参照)。
以上により、係止部50が第2被係止部36に係止される。より具体的には、係止部50の係止面52が第2被係止部36の被係止面37に当接するため、第1プロテクタ部材20及び第2プロテクタ部材40は離間方向の相対移動を規制される。
そして、係止部50が第2被係止部36に係止した状態より、第1被係止部32に係止した状態の方が、底部23と天井部43との間隔が大きく、プロテクタ10の収容容量は大きくなる。すなわち、上記プロテクタ10によると、2段階の収容容量に調節することができる。また、プロテクタ10内に収容されたワイヤーへーネスWHに対応した位置の被係止部30に係止部50が係止されることにより、第2プロテクタ部材40及び第1プロテクタ部材20は近接方向にも位置規制され、被係止部30及び係止部50の係止状態が維持される。
上記説明では、被係止部30が2つ形成されている例を挙げたが、被係止部30は3つ以上形成されていてもよい。また、複数の被係止部30は、壁部25及び補助壁部26の両方に形成されている場合に限定されず、壁部25及び補助壁部26の少なくとも一方に形成されていればよい。もっとも、好ましくは、複数の被係止部30は、壁部25及び補助壁部26の両方に交互に形成されているとよい(図3、図6、図7参照)。
また、被係止部30及び係止部50の組合せは、上記のものに限定されるものではない。例えば、第1被係止部232及び第2被係止部236(被係止部230)が、壁部25及び補助壁部26の対向する側から突出し、挿入方向P後方から前方に向けて漸次突出寸法が大きくなる凸状に形成されると共に、係止部250が、挿入部246の両側面で開口する凹状に形成されていてもよい(図10参照)。他にも、被係止部及び係止部の両方が凸状に形成されていてもよい(図10の被係止部と図5又は図9の係止部とが設けられた構成)。
また、図1では、第1プロテクタ部材20及び第2プロテクタ部材40の合体状態を維持するための構成が、プロテクタ10の片側一箇所に設けられている例を示しているが、言うまでもなく片側複数箇所に設けられていてもよい。
また、第1プロテクタ部材20に複数の被係止部30が設けられ、第2プロテクタ部材40に係止部50が設けられる例について説明したが、第1プロテクタ部材20に係止部50が、第2プロテクタ部材40に複数の被係止部30が設けられる構成であってもよい。
また、第1プロテクタ部材20及び第2プロテクタ部材40が分離された構成について説明したが、双方が蝶番等により一方側で連結されていてもよい。この場合、連結されている側の反対側に、第1プロテクタ部材20及び第2プロテクタ部材40の合体状態を維持するための構成が設けられていればよい。
さらに、プロテクタ10は、ワイヤーハーネスWHの保護対象部分が分岐を有する場合でも適用可能である。この場合は、プロテクタはワイヤーハーネスWHの主幹部を収容する部分から枝部を収容する部分が分岐するように構成され、第1プロテクタ部材及び第2プロテクタ部材の合体状態を維持するように、各部分に係止部50及び複数の被係止部30の組合せが設けられていればよい。
上記構成に係るプロテクタ10によると、車両のマイナーチェンジ、モデルチェンジ等によりワイヤーハーネスWHの外径が変更された場合でも、収容容量を調節して適用することができる。これにより、新たなプロテクタを設計、製造する手間を省くことができ、これに掛かる人件費及び設備費等も削減することができる。
また、第1プロテクタ部材20の壁部25及び補助壁部26に第1被係止部32及び第2被係止部36が挿入方向Pに沿って形成され、挿入部46の挿入方向P所定の位置に係止部50が形成されている。そして、係止部50は、係止面52が被係止面33又は被係止面37に当接した位置で第1被係止部32又は第2被係止部36に係止する。このため、被係止面33及び被係止面37より前方側に突出する係止部50及び挿入部46の寸法は、係止部50が第1被係止部32及び第2被係止部36のいずれに係止した場合でも変わらない。また、第1被係止部32及び第2被係止部36のいずれに係止している場合でも壁部25或いは補助壁部26の側方に位置し、その両方を越えて大きく突出することはない。すなわち、ワイヤーハーネスWHの外径が小さい場合にも、係止部50が大きく突出するのを防止することができる。
また、被係止部30が壁部25及び補助壁部26に挿入方向Pに沿って交互に形成されているため、係止部50はより小さい間隔で異なる被係止部30に係止することができる。これにより、小さい単位で収容容量を調節することができ、ワイヤーハーネスWHの外径の変更に対してより柔軟に対応することができる。
また、複数の被係止部30が凹状に形成され、係止部50が両側凸状に形成されており、構造を簡易にすることができる。
また、係止部50は、挿入方向P前方から後方に向けて漸次厚さ寸法が大きくなるように形成されているため、壁部25と補助壁部26との間に挿入しやすくなっている。また、係止部50は後端側部分が主として厚さ方向に揺動可能なように前端部で支持され、壁部25及び補助壁部26は係止部50の後端部の厚さ寸法より小さい隙間をあけて位置するように構成されている。これにより、係止部50が凹状の被係止部30に係止する際、後端部は壁部25或いは補助壁部26のうち当該被係止部30に対向する部分に押されて被係止部30側に揺動し、より大きく被係止部30内に進出する。このため、係止部50がより確実に被係止部30に対して係止し、第1プロテクタ部材20及び第2プロテクタ部材40の合体状態をより確実に維持することができる。
さらに、係止部50の後端側部分を揺動可能に構成しているため、そうでない場合と比較して、厚さ寸法を小さくすることができる。すなわち、係止部50の厚さ寸法を小さくした場合でも、係止部50の揺動により片側から突出する寸法を大きく確保することができる。
10 プロテクタ
20 第1プロテクタ部材
25 壁部
26 補助壁部
30、230 被係止部
40 第2プロテクタ部材
46、146、246 挿入部
50、150、250 係止部
P 挿入方向
WH ワイヤーハーネス
20 第1プロテクタ部材
25 壁部
26 補助壁部
30、230 被係止部
40 第2プロテクタ部材
46、146、246 挿入部
50、150、250 係止部
P 挿入方向
WH ワイヤーハーネス
Claims (4)
- ワイヤーハーネスを保護するプロテクタであって、
合体状態で前記ワイヤーハーネスを挿通収容可能な収容体を構成する第1プロテクタ部材と第2プロテクタ部材とを備え、
前記第1プロテクタ部材は、壁部と、前記壁部に間隔をあけて対向する補助壁部とを有し、
前記第2プロテクタ部材は、前記壁部と前記補助壁部との間に挿入方向に沿って挿入可能な挿入部を有し、
前記壁部及び前記補助壁部の少なくとも一方には、前記挿入方向に沿った異なる位置に被係止部が複数形成され、
前記挿入部の挿入方向所定の位置には、前記複数の被係止部に対して選択的に係止可能な係止部が形成されているプロテクタ。 - 請求項1に記載のプロテクタであって、
前記複数の被係止部は、前記壁部及び前記補助壁部の両方に前記挿入方向に沿って交互に形成されているプロテクタ。 - 請求項2に記載のプロテクタであって、
前記複数の被係止部は、前記壁部及び前記補助壁部の内側に開口する凹状に形成され、
前記係止部は、前記壁部及び前記補助壁部の両方に形成されている前記複数の被係止部に対して選択的に係止可能な両側凸状或いは両側に突出可能に形成されているプロテクタ。 - 請求項3に記載のプロテクタであって、
前記係止部は、前記挿入方向前方から後方に向けて漸次厚さ寸法が大きくなるように形成され、後端側部分が厚さ方向に揺動可能なように前端部で支持され、
前記壁部及び前記補助壁部は、前記係止部の後端部の厚さ寸法より小さい隙間をあけて位置するプロテクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010101702A JP2011234474A (ja) | 2010-04-27 | 2010-04-27 | プロテクタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2010101702A JP2011234474A (ja) | 2010-04-27 | 2010-04-27 | プロテクタ |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2011234474A true JP2011234474A (ja) | 2011-11-17 |
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ID=45323214
Family Applications (1)
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JP2010101702A Pending JP2011234474A (ja) | 2010-04-27 | 2010-04-27 | プロテクタ |
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101585803B1 (ko) | 2014-11-24 | 2016-01-14 | 현대위아 주식회사 | 산업용 로보트용 케이블 가이딩 장치 |
JP2020205732A (ja) * | 2019-06-19 | 2020-12-24 | 矢崎総業株式会社 | ロック構造 |
JP2021136742A (ja) * | 2020-02-26 | 2021-09-13 | 矢崎総業株式会社 | 筐体及びワイヤハーネス |
-
2010
- 2010-04-27 JP JP2010101702A patent/JP2011234474A/ja active Pending
Cited By (5)
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