JP2011233338A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】非水電解質二次電池の高温時の安全性を向上させる。
【解決手段】正極と、負極と、前記正負極間に介在するセパレータと、非水溶媒と電解質塩とを有する非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、前記セパレータの透気度が、100℃において500sec/100ml以下であり、且つ120℃において1000sec/100ml以上であり、前記非水電解質は、前記非水電解質に対して0.3質量%以上の下記式1で示されるジニトリル化合物及び/又は25℃、1気圧条件で前記非水溶媒に対して3体積%以上のフルオロエチレンカーボネート化合物を含むことを特徴とする。
(式1) NC−(CH−)CN ・・・(2≦n≦5)
【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。
携帯電話、ノートパソコン等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源として、高いエネルギー密度を有し、高容量である非水電解質二次電池が広く利用されている。
近年では、電池のさらなる高容量化が求められており、このため活物質の充填密度を高めたり、より高い電位となるまで充電して使用したりすることが行われている。
電池を高容量化すると、非水電解質と活物質との反応による発熱量もまた大きくなり、非水電解質と活物質との反応は、高温条件においてより進行し易い。このため、非水電解質と活物質との反応による発熱により、非水電解質と活物質とのさらなる反応が引き起こされる。よって、高容量な非水電解質二次電池には、より一層高温条件における安全性を向上させることが求められている。
従来、電池が高温となった場合には、正負電極を離隔するセパレータのリチウムイオンを伝導する孔を閉塞させ電流を遮断すること(シャットダウン)により、安全性を高める手段が採用されている。しかし、高容量電池では非水電解質と活物質との反応による発熱量自体が大きいため、セパレータがシャットダウンする前に電池が熱暴走に至る危険性がある。
そこで、より安全性を高めるために特殊な化合物(添加剤)を非水電解質に添加する技術や、セパレータを改良する技術が提案されている(たとえば、特許文献1〜7参照)。
特表2009-523305号公報 特表2009-527087号公報 特開2002-151039号公報 特開2006-269359号公報 特開2008-81535号公報 特開2009-266438号公報 特開2009-123484号公報
特許文献1は、塩素及び/又はフッ素により置換されたエチレンカーボネートまたはその分解産物を10重量%〜40重量%の範囲で含有し、脂肪族ニトリル化合物を1重量%〜40重量%の範囲で含有する非水電解液を用いる技術である。この技術によると、電池の安全性を向上させることができるとされる。
特許文献2は、塩素及び/又はフッ素により置換されたエチレンカーボネート又はその分解産物を1重量%〜10重量%、脂肪族ジニトリル化合物を1重量%〜10重量%含有する非水電解液を用いる技術である。この技術によると、電池の安全性を向上させることができるとされる。
特許文献3は、空孔率が25%以上45%以下の範囲のセパレータを用いる技術である。この技術によると、良好なシャットダウン特性を示すセパレータを用いることにより、優れた信頼性を実現できるとされる。
特許文献4は、少なくとも二つの層が積層された積層体よりなり、該少なくとも二つの層のうち、少なくとも一層が140℃以下のシャットダウン温度を有しており、少なくとも一層の熱変形温度(JIS K 7207A法)が100℃以上であり、正極と対向する層の酸素指数(JIS K 7201)が26以上である非水系電解液二次電池用セパレータを用いる技術である。この技術によると、酸化還元性に優れ、さらに、高温での形状維持とシャットダウン特性のバランスが向上するとされる。
特許文献5は、エチレンから誘導される構成単位と、炭素原子数4〜10のα−オレフィンから選択される1種以上のモノマーから誘導される構成単位とからなるエチレン・α−オレフィン共重合体を含むポリオレフィン系樹脂から形成され、シャットダウン温度が125℃以下である多孔性フィルムを用いる技術である。この技術によると、通常の使用温度を越えた場合に、低温でシャットダウンできるとされる。
特許文献6は、ポリイミド製セパレータを用い、フッ素化鎖状カーボネートを含有する非水電解質を用いる技術である。この技術によると、非水電解質及びセパレータが難燃性を有し、且つ、良好な高率放電特性を両立できるとされる。
特許文献7は、シャットダウン機能を有する多孔質基材層と、多孔質耐熱樹脂層から成り、塩素含有量が質量基準で500〜5000ppmであるセパレータを用いる技術である。この技術によると、イオン透過性を損なうことなく、過熱時におけるシャットダウン応答性に優れると共に、過熱時におけるシュリンク低減を図ることができるとされる。
しかしながら、上記技術を用いても、高容量化した非水電解質二次電池の安全性はいまだ十分ではない。
本発明は、以上に鑑みなされたものであって、非水電解質二次電池の高温時の安全性を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、正極と、負極と、前記正負極間に介在するセパレータと、非水溶媒と電解質塩とを有する非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、前記セパレータの透気度が、100℃において500sec/100ml以下であり、且つ120℃において1000sec/100ml以上であり、前記非水電解質は、前記非水電解質に対して0.3質量%以上の下記式1で示されるジニトリル化合物及び/又は25℃、1気圧条件で前記非水溶媒に対して3体積%以上のフルオロエチレンカーボネート化合物を含むことを特徴とする。
(式1) NC−(CH−)CN ・・・(2≦n≦5)
電池の温度が上昇すると、非水電解質と正負電極とが発熱反応するが、負極と非水電解質との発熱反応は、正極側よりもより低い温度で起こり、また、正極と非水電解質との発熱反応による発熱量は、負極側よりも大きい。このため、負極と非水電解質との発熱反応が先行して起こり、負極側の発熱をトリガーとして正極側で急速な発熱反応が起こる。
セパレータの透気度が1000sec/100ml以上であると、セパレータが保持する非水電解質量が極めて少なくなるので、非水電解質と正負電極との反応が起き難くなる。また、非水電解質に含まれるジニトリル化合物やフルオロエチレンカーボネート化合物は、正極の発熱反応開始温度をより高い温度にする作用がある。
上記構成では、120℃での透気度が1000sec/100ml以上のセパレータと、ジニトリル化合物やフルオロエチレンカーボネート化合物と、を組み合わせている。この構成では、120℃での透気度が1000sec/100ml以上のセパレータを用いているので負極と非水電解質との発熱反応をより早期に停止させることができ、且つ、ジニトリル化合物やフルオロエチレンカーボネート化合物により、負極側での発熱をトリガーとする正極側での発熱反応を起こらないようにすることができる。これらが相乗的に作用して、高温条件における安全性が飛躍的に高まる。
なお、100℃におけるセパレータの透気度が高い場合には、通常の使用時においてもセパレータが保持する電解質量が不十分となり、放電特性を低下させるおそれがある。しかしながら、上記構成では100℃における透気度が500sec/100ml以下であるため、通常の使用時にセパレータが保持する電解質量が不十分となることがなく、放電特性が低下しない。
なお、ジニトリル化合物やフルオロエチレンカーボネートの含有量が過少であると、正極の発熱反応開始温度をより高い温度にする作用が十分に得られない。このため、ジニトリル化合物を非水電解質に対して0.3質量%以上とする、及び/又は、25℃、1気圧条件においてフルオロエチレンカーボネートの含有量を非水溶媒に対して3体積%以上とする。
また、ジニトリル化合物の含有量が過大であると、非水電解質の導電性が低下するおそれがあるので、ジニトリル化合物の含有量の上限は、5質量%とすることが好ましい。
また、フルオロエチレンカーボネート化合物の含有量が過大であると、非水電解質の粘性が高くなり、低温特性や負荷特性等の放電特性を低下させるおそれがあるので、フルオロエチレンカーボネート化合物の含有量の上限は、25℃、1気圧条件において、非水溶媒に対して30体積%とすることが好ましい。
ここで、フルオロエチレンカーボネート化合物とは、エチレンカーボネートの少なくとも1つの水素原子がフッ素原子に置換された化合物を意味し、エチレンカーボネートの水素原子の2以上がフッ素原子により置換されている化合物であってもよく、これらの混合物であってもよい。
本発明によると、非水電解質二次電池の高温時の安全性を飛躍的に向上できる。
本発明を実施するための形態を、実施例を用いて詳細に説明する。なお、本発明は下記の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
〈正極の作製〉
リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(LiNi0.33Mn0.33Co0.34)とリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)とを、質量比1:9で混合して、正極活物質となした。この正極活物質と、導電剤としてのカーボンブラックと、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンとを、質量比94:3:3で混合し、さらにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と混合して正極活物質スラリーとした。この正極活物質スラリーを、アルミニウム製の正極集電体(厚み15μm)の両面に塗布した。この極板を、100〜150℃で真空処理し、スラリー調製時に必要であったNMPを揮発除去した。この後、厚みが0.13mmとなるように圧延して正極を作製した。
〈負極の作製〉
負極活物質としての黒鉛と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)と、結着剤としてのスチレン−ブタジエンゴム(SBR)と、を質量比96:2:2で混合し、さらに水を混合して負極活物質スラリーとした。この後、この負極活物質スラリーを銅箔製の負極集電体(厚み10μm)の両面に塗布した。この極板を、100〜150℃で真空処理し、スラリー調製時に必要であった水を揮発除去した。この後、厚みが0.12mmとなるように圧延して負極を作製した。
〈電極体の作製〉
上記正極及び負極を、ポリオレフィン製微多孔膜からなるセパレータを介して巻回することにより、渦巻電極体を作製した。このセパレータを100℃、120℃で30分間放置し、その後JIS P 8117:1998に則り透気度を測定したところ、100℃放置のものでは420sec/100ml、120℃放置のものでは1650sec/100mlであった。
〈非水電解質の調製〉
非水溶媒としてのエチレンカーボネート(EC)とフルオロエチレンカーボネート(FEC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比27:3:70(25℃、1気圧)で混合し、電解質塩としてのLiPFを1.2M(モル/リットル)となるように溶解した。さらに、非水電解質全質量に対して2質量%となるようにビニレンカーボネートを添加して、非水電解質となした。
〈電池の組み立て〉
円筒型外装缶に上記電極体を挿入した後、上記電解液を注液し、外装缶の開口部を封口することにより、直径18mm、高さ65mm、設計容量2.7Ahの実施例1に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例2)
フルオロエチレンカーボネート(FEC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比30:70(25℃、1気圧)で混合した非水溶媒を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例3)
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比30:70(25℃、1気圧)で混合した非水溶媒を用い、非水電解質全質量に対して0.3質量%となるようにアジポニトリル(NC−(CH−)CN)を添加した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例3に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例4)
アジポニトリルに代えてスクシノニトリル(NC−(CH−)CN)を添加した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例3と同様にして、実施例4に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例5)
アジポニトリルに代えてピメロニトリル(NC−(CH−)CN)を添加した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例3と同様にして、実施例5に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例6)
非水電解質全質量に対して5.0質量%となるようにアジポニトリルを添加した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例3と同様にして、実施例6に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例7)
非水電解質全質量に対して0.3質量%となるようにアジポニトリルを添加した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例7に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例1)
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比30:70(25℃、1気圧)で混合した非水溶媒を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例2)
エチレンカーボネート(EC)とフルオロエチレンカーボネート(FEC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比28:2:70(25℃、1気圧)で混合した非水溶媒を用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例2に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例3)
非水電解質全質量に対して0.2質量%となるようにアジポニトリルを添加した非水電解質を用いたこと以外は、上記実施例3と同様にして、比較例3に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例4)
100℃、120℃で30分間放置し、その後JIS P 8117:1998に則り測定された透気度が、100℃放置のものでは250sec/100ml、120℃放置のものでは400sec/100mlであるポリオレフィン製微多孔膜からなるセパレータを用いたこと以外は、上記比較例1と同様にして、比較例4に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例5)
100℃、120℃で30分間放置し、その後JIS P 8117:1998に則り測定された透気度が、100℃放置のものでは250sec/100ml、120℃放置のものでは400sec/100mlであるポリオレフィン製微多孔膜からなるセパレータを用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例5に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例6)
100℃、120℃で30分間放置し、その後JIS P 8117:1998に則り測定された透気度が、100℃放置のものでは250sec/100ml、120℃放置のものでは400sec/100mlであるポリオレフィン製微多孔膜からなるセパレータを用いたこと以外は、上記実施例3と同様にして、比較例6に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例7)
100℃、120℃で30分間放置し、その後JIS P 8117:1998に則り測定された透気度が、100℃放置のものでは250sec/100ml、120℃放置のものでは400sec/100mlであるポリオレフィン製微多孔膜からなるセパレータを用いたこと以外は、上記実施例4と同様にして、比較例7に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例8)
100℃、120℃で30分間放置し、その後JIS P 8117:1998に則り測定された透気度が、100℃放置のものでは250sec/100ml、120℃放置のものでは400sec/100mlであるポリオレフィン製微多孔膜からなるセパレータを用いたこと以外は、上記実施例5と同様にして、比較例8に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例9)
100℃、120℃で30分間放置し、その後JIS P 8117:1998に則り測定された透気度が、100℃放置のものでは250sec/100ml、120℃放置のものでは400sec/100mlであるポリオレフィン製微多孔膜からなるセパレータを用いたこと以外は、上記実施例7と同様にして、比較例9に係る非水電解質二次電池を作製した。
なお、上記実施例1〜7、比較例1〜9において、セパレータの透気度は、主成分となるポリエチレンと、リチウムイオン伝導用の空孔を形成するための無機微粉体と、可塑剤と、を混練・加熱溶融してシート状の成型物となすときに、さらに主成分よりも融点の低い高分子成分(低分子量のポリエチレンやポリプロピレン)を添加することによって制御した。低融点高分子成分が存在すると、低い温度でこれらの成分が溶融して、セパレータの微多孔を一部閉塞して、透気度を大きく(透過性を低く)すると考えられる。また、比較例4〜9で用いたセパレータを130℃で30分間放置し、その後JIS P 8117:1998に則り透気度を測定したところ、4500sec/100mlであった。
〔加熱試験〕
上記実施例1〜7、比較例1〜9と同一の条件で、電池をそれぞれ作製した。これらの電池を、定電流1350mAで電圧が4.35Vとなるまで充電し、その後定電圧4.35Vで電流が54mAとなるまで充電した。この後、これらの電池を5℃/minで電池温度を25℃から150℃まで上昇させ、その後150℃で3時間放置した。このとき、電池の発煙、発火の有無を確認し、発煙、発火がいずれもない場合を良好(○)、発煙、発火の何れかが有る場合を不良(×)と評価した。この結果を下記表1に示す。
Figure 2011233338
上記表1から、100℃における透気度が500sec/100ml以下で且つ120℃における透気度が1000sec/100ml以上のセパレータを用い、0.3質量%以上のジニトリル化合物及び/又は3体積%以上のフルオロエチレンカーボネート(FEC)を用いた実施例1〜7では、加熱試験で発煙や発火が確認されていないことがわかる。これに対し、ジニトリル化合物が0.2質量%以下且つフルオロエチレンカーボネートが2体積%以下である比較例1〜3、120℃における透気度が1000sec/100ml未満のセパレータを用いた比較例4〜7では、加熱試験で発煙や発火が確認されていることがわかる。
このことは、次のように考えられる。電池の温度が上昇すると、非水電解質と正負電極とが発熱反応するが、負極と非水電解質との発熱反応は、正極側よりもより低い温度で起こり、また、正極と非水電解質との発熱反応による発熱量は、負極側よりも大きい。このため、負極と非水電解質との発熱反応が先行して起こり、負極側の発熱をトリガーとして正極側で急速な発熱反応が起こる。また、セパレータの透気度が大きいと、セパレータが保持できる非水電解質量が減少する。
ここで、上記実施例1〜7では、100℃における透気度が500sec/100ml以下で且つ120℃における透気度が1000sec/100ml以上のセパレータを用いており、120℃以上ではセパレータが保持する非水電解質量が極めて少なくなるので、非水電解質と正負電極との反応が起き難い。また、ジニトリル化合物やフルオロエチレンカーボネートは、正極の発熱反応開始温度をより高い温度にする作用がある。これらの両者を組み合わせることにより、負極と非水電解質との発熱反応をより早期に停止させることができ、且つ負極側での発熱をトリガーとする正極側での発熱反応を起こらないようにすることができる。これらの相乗作用により、高温条件における安全性が飛躍的に高まる。
また、上記実施例1〜7で用いたセパレータは、100℃における透気度が500sec/100ml以下であるため、通常の使用時にセパレータが保持する電解質量が不十分となることがなく、良好な充放電を行うことができる。
これに対し、セパレータの120℃における透気度が1000sec/100ml未満であると、負極と非水電解質との発熱反応をより早期に停止させることができないため、正極側での発熱反応が起こり、これにより電池が発煙、発火に至る(比較例4〜7)。
また、ジニトリル化合物やフルオロエチレンカーボネートの含有量が含まれていない、もしくは過少であると、負極側の発熱反応を早期に停止させても、負極側での発熱をトリガーとする正極側での発熱反応が起こってしまい、これにより電池が発煙、発火に至る(比較例1〜3)。このため、ジニトリル化合物を0.3質量%以上及び/又はフルオロエチレンカーボネートの含有量を3体積%以上とする。
また、表1から、ジニトリル化合物として、アジポニトリル(メチレン(CH)基が4つの化合物)、スクシノニトリル(メチレン基が2つの化合物)、ピメロニトリル(メチレン基が5つの化合物)いずれであっても、高い安全性が得られることがわかる(実施例3〜5参照)。よって、メチレン基数が2〜5のジニトリル化合物であれば、高い安全性が得られることがわかる。
また、表1から、アジポニトリルの含有量が0.3〜5質量%であれば、高い安全性が得られることがわかる(実施例3、6参照)。アジポニトリルの含有量が5質量%よりも高くても高い安全性が得られるものと考えられるが、5質量%よりも高くすると、非水電解質の導電性が低下するおそれがあるので、アジポニトリルの含有量の上限は、5質量%とすることが好ましい。
また、表1から、フルオロエチレンカーボネート(FEC)の含有量が3〜30体積%であれば、高い安全性が得られることがわかる(実施例1、2参照)。フルオロエチレンカーボネートの含有量が30体積%よりも高くても高い安全性が得られるものと考えられるが、30体積%よりも高くすると、非水電解質の粘性が高くなり放電特性が低下するおそれがあるので、フルオロエチレンカーボネートの含有量の上限は、30体積%とすることが好ましい。
また、表1から、フルオロエチレンカーボネート(FEC)とアジポニトリルを併用した場合においても、高い安全性が得られることがわかる(実施例7参照)。
(追加事項)
なお、100℃における透気度が500sec/100ml以下で且つ120℃における透気度が1000sec/100ml以上という物性を満たすものであれば、ポリエチレン以外に、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂を主体とするセパレータを用いることができる。また、セパレータの厚みは、20μm以下とすることが好ましい。
正極活物質としては、リチウム遷移金属複合酸化物、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン酸化合物等を用いることが好ましい。リチウム遷移金属複合酸化物としては、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物や、これらの化合物に含まれる遷移金属元素の一部を他の金属元素に置換した化合物が好ましい。また、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン酸化合物としては、リン酸鉄リチウムが好ましい。これらを単独で用いることができ、又は複数種混合して用いることもできる。また、正極に炭酸リチウム等の公知の添加剤を添加してもよい。
負極活物質としては、炭素材料、チタン酸化物、半金属元素、合金等を用いることが好ましい。炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化性炭素等が好ましい。チタン酸化物としては、LiTi12等が好ましい。半金属元素としては、ケイ素・スズ等が好ましい。合金としては、Sn−Co合金等が好ましい。これらを単独で用いることができ、又は複数種混合して用いることもできる。
また、フルオロエチレンカーボネート以外の非水電解質の非水溶媒としては、プロピレンカーボネート・エチレンカーボネート・ブチレンカーボネート・ビニレンカーボネートに代表される環状カーボネート、γ−ブチロラクトン・γ−バレロラクトンに代表されるラクトン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネートに代表される鎖状カーボネート、テトラヒドロフラン・1,2−ジメトキシエタン・ジエチレングリコールジメチルエーテル・1,3−ジオキソラン・2−メトキシテトラヒドロフラン・ジエチルエーテルに代表されるエーテル等を単独で、あるいは二種以上混合して用いることができる。また、非水電解質の電解質塩としては、LiPF、LiAsF、LiClO、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等を用いることができる。
また、ジニトリル化合物以外に、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、tert−アルキルベンゼン、シクロアルキルベンゼン、1,3−ジオキサン、無水コハク酸、無水マレイン酸、グリコール酸無水物、エチレンサルファイト、ジビニルスルホン、ビニルアセテート、ビニルピバレート、カテコールカーボネート、スルトン化合物、ビフェニル等の公知の添加剤を、1種又は複数種非水電解質に添加してもよい。
以上に説明したように、本発明によれば、高容量な非水電解質二次電池の高温時における安全性を飛躍的に向上できるという優れた効果を奏する。したがって、産業上の利用可能性は大きい。

Claims (3)

  1. 正極と、負極と、前記正負極間に介在するセパレータと、非水溶媒と電解質塩とを有する非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、
    前記セパレータの透気度が、100℃において500sec/100ml以下であり、且つ120℃において1000sec/100ml以上であり、
    前記非水電解質は、前記非水電解質に対して0.3質量%以上の下記式1で示されるジニトリル化合物及び/又は25℃、1気圧条件で前記非水溶媒に対して3体積%以上のフルオロエチレンカーボネート化合物を含む、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
    (式1) NC−(CH−)CN ・・・(2≦n≦5)
  2. 請求項1に記載の非水電解質二次電池において、
    前記ジニトリル化合物の含有量が、前記非水電解質に対して5.0質量%以下である、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
  3. 請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池において、
    前記フルオロエチレンカーボネート化合物の含有量が、前記非水溶媒に対して、25℃、1気圧条件で30体積%以下である、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
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