JP2011231925A - ボールねじ用ナットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸方向寸法が長く内径が小さいナットを製造する場合でも、金型を破損することなく、ボール戻し経路をなす凹部をナット素材の内周面に塑性加工で直接、形成できるようにする。
【解決手段】素材ホルダ2とカムスライダ3とカムドライバ4を有する金型を用いたプレス法により、ナット素材1の内周面11にボール戻し経路をなすS字状凹部15を形成する。カムドライバ4は、カムスライダ3の斜面31と同じ傾斜の斜面41を有する。カムスライダ3は、S字状凹部15に対応するS字状凸部35を有する。プレス圧を掛けてカムドライバ4を上から押すと、カムスライダ3が径方向外側へ動き、S字状凸部35がナット素材1の内周面11を押して塑性変形させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、ボールねじを構成するナットの製造方法に関する。
ボールねじは、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝で形成される軌道の間に配置されたボールと、前記ボールを軌道の終点から始点に戻すボール戻し経路とを備え、前記軌道内をボールが転動することで前記ナットがねじ軸に対して相対移動する装置である。
このようなボールねじは、一般的な産業用機械の位置決め装置等だけでなく、自動車、二輪車、船舶等の乗り物に搭載される電動アクチュエータにも使用されている。
ボールねじのボール戻し経路には循環チューブ方式やコマ方式などがあり、コマ方式の場合は、ボール戻し経路をなす凹部が形成されたコマをナットの貫通穴に嵌めている。これに対して、下記の特許文献1には、ボール戻し経路をなす凹部(循環溝)を、ナット素材の内周面に塑性加工で直接形成することが記載されている。その形成方法を図7を用いて説明する。
先ず、循環溝の形状に対応するS字状の凸部37,38を有する円筒状の加工ヘッド30を備えた金型を用意する。そして、ナット素材1を、その軸方向を水平方向に向けて台200の上に置き、ナット素材1の内部に加工ヘッド30を入れて、凸部37,38を上に向け、基端部30aと先端部30bを固定する。次に、この状態で、金型の上部材20にプレス圧を掛けて下降させ、凸部37,38をナット素材1の内周面11に押し当てることで、ナット素材1の内周面11を塑性変形させる。
特開2008−281063号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、ナットの軸方向寸法が長く内径が小さい場合、金型の加工ヘッドが細長くなるため、強度が不足して破損し易くなるという問題点がある。
この発明の課題は、ボール戻し経路をなす凹部を、ナット素材の内周面に塑性加工で直接形成する方法として、軸方向寸法が長く内径が小さいナットを製造する場合でも、金型を破損することなく前記凹部を形成できる方法を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明は、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝で形成される軌道の間に配置されたボールと、前記ナットの内周面に凹部として形成された、前記ボールを軌道の終点から始点に戻すボール戻し経路とを備え、前記軌道内をボールが転動することで前記ナットがねじ軸に対して相対移動するボールねじの前記ナットの製造方法であって、円筒状のナット素材に内挿され、その軸方向に沿って移動するカムドライバと、前記ナット素材とカムドライバとの間に配置され、前記凹部に対応する凸部が形成され、前記カムドライバの移動により前記凸部が前記ナットの径方向に移動するカムスライダと、を有するカム機構の金型を用いたプレス法により、前記凹部を前記ナット素材の内周面に塑性加工で形成することを特徴とする。
この発明の方法によれば、前記金型を用いたプレス法により、カム機構をなす斜面でカムドライバの前記軸方向への運動が前記径方向へ方向を変えてカムスライダに伝達され、カムスライダに形成された凸部がナット素材の内周面を押して塑性変形させることで、前記ナット素材の内周面に前記凹部が形成される。そして、軸方向寸法が長く内径が小さいナットを製造する場合でも、特許文献1の方法と比較して前記金型に破損が生じ難い。
この発明の方法で使用する金型としては下記の構成(1) 〜(4) のいずれかを有するものが挙げられる。
(1) 前記金型のカム機構は、前記カムドライバの軸方向に延びる斜面と前記カムスライダの軸方向に延びる斜面からなり、前記両斜面の一方が凹部の底面であり、他方が前記凹部に嵌まる部分の先端面である。
(2) 前記金型のカム機構は、前記カムドライバの軸方向に延びる斜面と前記カムスライダの軸方向に延びる斜面からなり、前記両斜面はそれぞれ、軸方向に傾斜角度が異なる複数の斜面を有し、前記複数の斜面の傾斜角度が軸方向で前記カムドライバの下死点に向けて小さくなっている。
(3) 前記金型のカム機構は、前記カムドライバの軸方向に延びる斜面と前記カムスライダの軸方向に延びる斜面からなり、前記両斜面の一方が凹部の底面であり、他方が前記凹部に嵌まる凸部の突出端面である。
(4) 前記金型は、軸方向に延びる複数の斜面を有するカムスライダと複数のカムドライバを有し、前記金型のカム機構は、前記カムスライダの軸方向に延びる複数の斜面と、前記複数のカムドライバに形成された各斜面とからなり、前記カムスライダが前記複数のカムドライバにより調芯されながら径方向外側へ動くことで、前記凸部が前記ナットの径方向に移動する。
本発明の方法によれば、ボール戻し経路をなす凹部を、ナット素材の内周面に塑性加工で直接形成する方法として、軸方向寸法が長く内径が小さいナットを製造する場合でも、金型を破損することなく前記凹部を形成することができる。
この発明の第1実施形態を説明する図である。 第1実施形態で使用するカムスライダおよびカムドライバの嵌め合い状態を示す平面図(a)と、カムスライダを示す斜視図(b)と、カムドライバを示す斜視図(c)である。 第2実施形態で使用するカムスライダおよびカムドライバを示す平面図であって、(a)はカムスライダとカムドライバが嵌まり合い、カムドライバが下死点に達した状態を示し、(b)はカムドライバを示し、(c)はカムスライダを示す。 第2実施形態で使用するカムスライダおよびカムドライバを示す図であって、(a)はカムドライバが下死点に達する少し前の状態を示す正面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)の状態の斜視図、(d)はカムドライバおよびカムドライバをそれぞれ示す斜視図である。 第3実施形態で使用するカムスライダおよびカムドライバを示す図であって、(a)はカムスライダとカムドライバが嵌まり合い、カムドライバが下死点に達した状態を示す平面図、(b)はカムドライバが下死点に達する少し前の状態を示す正面図、(c)は(b)のA−A断面図、(d)は(b)の状態の斜視図、(e)はカムドライバおよびカムドライバをそれぞれ示す斜視図である。 第4実施形態で使用するカムスライダおよびカムドライバを示す図であって、(a)はカムスライダとカムドライバが嵌まり合い、カムドライバが下死点に達した状態を示す平面図、(b)はカムドライバが下死点に達する少し前の状態を示す斜視図、(c)はカムドライバおよびカムドライバをそれぞれ示す斜視図である。 特許文献1の方法を説明する図である。
以下、この発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
この実施形態で使用する金型は、図1に示すように、ナット素材1を保持する凹部21を有する素材ホルダ2と、ナット素材1の内部に配置するカムスライダ3およびカムドライバ4と、を備えている。
カムスライダ3は、図2(a)および(b)に示すように、外周面31と軸方向に平行な平面32を有する略半円柱状部材であって、外周面31をなす円の径は、ナット素材1の内周面11をなす円11aの径より僅かに小さい。カムスライダ3の平面32には、径方向の中央部に、軸方向に延びる斜面33が形成されている。この斜面33は、軸方向一端(上端)の凹部34の底面ライン34aと、平面32の下端をなすライン32dを結ぶ平面に相当する。また、ボール戻し経路をなすS字状凹部に対応するS字状凸部35が、カムスライダ3の外周面31に形成されている。
カムドライバ4は、図2(c)に示すように、長尺な板状部材であって、一方の側面41がカムスライダ3の斜面33と同じ傾斜の斜面になっている。他方の側面42は、ナット素材1の内周面11をなす円11aに沿った円周面となっている。カムドライバ4の軸方向寸法は、カムスライダ3の軸方向寸法より長い。また、カムドライバ4の厚さは、カムスライダ3の凹部34の開口幅(斜面33の両側面間の寸法)に相当する厚さより僅かに薄い。
カムスライダ3の斜面31とカムドライバ4の傾斜した側面41が、金型のカム機構を構成する。
この金型を用い、以下の方法で、ナット素材1の内面にボール戻し経路をなすS字状凹部を形成する。
先ず、素材ホルダ2の凹部21にナット素材1を配置し、ナット素材1の内部に、カムスライダ3を、凹部34側を上にし、S字状凸部35をナット素材1の内周面11に向けて挿入する。次に、カムスライダ3とナット素材1の間にカムドライバ4を挿入する。その際に、カムスライダ3の凹部34にカムドライバ4の側面41側の部分を嵌めて、カムスライダ3の斜面33とカムドライバ4の傾斜した側面41を接触させる。図1(a)はこの状態を示す。
次に、プレス圧を掛けてカムドライバ4を上から押すと、カムドライバ4の傾斜した側面41からカムスライダ3の斜面33に力が伝達される。これに伴い、カムドライバ4の下向きの力がカムスライダ3を径方向外側へ動かす力に変換されて、カムドライ3に形成されたS字状凸部35が、ナット素材1の内周面11を押して塑性変形させる。図1(b)はこの状態を示す。
これにより、ナット素材1の内周面11にボール戻し経路をなすS字状凹部15が形成される。
よって、この実施形態の方法によれば、軸方向寸法が長く内径が小さいナットを製造する場合でも、カムドライバ4に破損を生じさせずにS字状凹部15を形成することができる。
また、この実施形態の金型によれば、カムスライダ3の斜面33が凹部34の底面であり、カムドライバ4の斜面(傾斜した側面)41が凹部34に嵌まる部分の先端面であるため、このような嵌め合いがない金型と比較して、カムドライバ4の動きがスムーズになる。
なお、ナット素材1の内周面11に二つのS字状凹部を形成する場合は、上述の方法で一つのS字状凹部15を形成した後、カムドライバ4を抜いてから、カムスライダ3を動かして凸部35の位置を変え、再度カムドライバ4を挿入して上述の方法を行う。三つ以上のS字状凹部を形成する場合はこれを繰り返す。
[第2実施形態]
この実施形態で使用する金型は、第1実施形態で使用する金型と同様に、ナット素材1を保持する凹部21を有する素材ホルダ2を備えている。また、第1実施形態のカムスライダ3およびカムドライバ4に代えて、図3、4に示すカムスライダ5およびカムドライバ4Aを使用する。
カムドライバ4Aは、図3(a)(b)および図4に示すように、外周面43と軸方向に平行な平面44を有する略半円柱状部材であって、外周面43をなす円の径は、ナット素材1の内周面11をなす円11aの径より僅かに小さい。カムドライバ4Aの平面44には、径方向の中央部に、軸方向に延びる斜面45A,45a,45Bが形成されている。
図4(b)(d)に示すように、斜面45Aと斜面45aは同じ面上にある。斜面45Bは、カムドライバ4Aの軸方向一端(上端)から他端(下端)手前の所定位置までの範囲に形成されている。斜面45aは、斜面45Bの幅方向両側に形成された凹部46の底面である。斜面45Bの下側に斜面45Aが連続して形成されている。斜面45A,45aの傾斜角度αは斜面45Bの傾斜角度βより小さい。
カムスライダ5は、図3(a)(c)および図4に示すように、外周面51と、カムドライバ4Aの斜面45と同じ斜面52A,52a,52Bと、互いに平行な側面53,54を有する柱状部材であって、外周面51をなす円の径は、ナット素材1の内周面11をなす円11aの径より僅かに小さい。
斜面52aは、斜面52Bの幅方向両側に形成された凸部55の突出端面である。凸部55はカムドライバ4Aの凹部46に所定隙間で嵌まる形状である。斜面52Bの下側に斜面52Aが連続して形成されている。斜面52A,52aの傾斜角度αは斜面52Bの傾斜角度βより小さい。カムスライダ5の外周面51に、ボール戻し経路をなすS字状凹部に対応するS字状凸部35が形成されている。
カムドライバ4Aの斜面45A,45a,45Bとカムスライダ5の斜面52A,52a,52Bが、金型のカム機構を構成する。
第1実施形態と同様に、この実施形態でも、図1の素材ホルダ2の凹部21にナット素材1を配置し、ナット素材1の内部に、先ず、カムスライダ5を挿入する。次に、カムスライダ5の斜面52aにカムドライバ4Aの斜面45Aが接触するように、カムスライダ5とナット素材1の間にカムドライバ4Aを挿入する。次に、プレス圧を掛けてカムドライバ5を上から押す。
これに伴い、先ず、カムスライダ5の斜面52aがカムドライバ4Aの斜面45A,45aで押された後、カムスライダ5の斜面52Bがカムドライバ4Aの斜面45Bで押される。すなわち、傾斜角度αの斜面同士の接触でカムスライダ5が径方向外側に移動した後、傾斜角度βの斜面同士の接触でカムスライダ5がさらに径方向外側に移動する。そして、カムドライバ4Aを最終的に下死点(素材ホルダ2の凹部21の底面)に至らせることにより、ナット素材1の内周面11にS字状凹部15を形成する。
この実施形態の金型では、カムドライバ4Aおよびカムスライダ5の軸方向で下側の斜面45A,52Aの傾斜角度αが、軸方向で上側の斜面45B,52Bの傾斜角度βより小さくなっている。カムスライダ5の径方向外側への移動量は、傾斜角度αの斜面45A,52A同士の接触によるものより、傾斜角度βの斜面45B,52B同士の接触によるものの方が大きい。そのため、カムドライバ4Aが下死点に向かう間に、カムスライダ5との接触斜面が、傾斜角度αの斜面45A,52Aから傾斜角度βの斜面45B,52Bに変わることにより、カムドライバ4Aの単位移動量当たりのカムスライダ5の径方向移動量が大きくなる。
よって、この実施形態の金型を使用することで、第1実施形態の金型を用いた場合よりも、S字状凹部15の冷間鍛造による形成を効率的に行うことができる。
[第3実施形態]
この実施形態で使用する金型は、第1実施形態で使用する金型と同様に、ナット素材1を保持する凹部21を有する素材ホルダ2を備えている。また、第1実施形態のカムスライダ3およびカムドライバ4に代えて、図5に示すカムスライダ6およびカムドライバ7を使用する。
カムドライバ7は、図5(a)〜(e)に示すように、外周面71と軸方向に平行な平面72を有する略半円柱状部材の平面72から、T字状凸部73が突出した形状を有する。また、図5(a)に示すように、外周面61をなす円の径は、ナット素材1の内周面11をなす円11aの径より僅かに小さい。T字状凸部73は平面72の径方向中央部から突出し、図5(c)(e)に示すように、突出寸法は軸方向一端(上端)側から他端(下端)側に向けて連続的に減少している。すなわち、T字状凸部73の突出端面が軸方向に延びる斜面73aとなっている。
カムスライダ6は、図5(a)〜(e)に示すように、外周面61と軸方向に平行な平面62とからなる略半円柱状部材である。また、図5(a)に示すように、外周面61をなす円の径は、ナット素材1の内周面11をなす円11aの径より僅かに小さい。カムスライダ6の平面62に、カムドライバ7のT字状凸部73が嵌まるT字状凹部63が形成されている。そして、図5(c)(e)に示すように、凹部63の底面が軸方向に延びる斜面63aとなっている。また、ボール戻し経路をなすS字状凹部に対応するS字状凸部35が、カムスライダ6の外周面61に形成されている。
カムドライバ7の斜面73aとカムスライダ6の斜面63aが、金型のカム機構を構成する。
第1実施形態と同様に、この実施形態でも、図1の素材ホルダ2の凹部21にナット素材1を配置し、ナット素材1の内部に、先ず、カムスライダ6を挿入する。次に、カムスライダ6とナット素材1の間にカムドライバ7を挿入する。その際に、カムスライダ6のT字状凹部63にカムドライバ7のT字状凸部73を嵌めて、斜面63aと斜面73aを接触させた状態とする。次に、プレス圧を掛けてカムドライバ7を上から押して下死点(素材ホルダ2の凹部21の底面)に至らせることにより、ナット素材1の内周面11にS字状凹部15を形成する。
この実施形態の金型によれば、カムドライバ7のT字状凸部73とカムスライダ6のT字状凹部63とが嵌まり合うことで、カムドライバ7の斜面73aとカムスライダ6の斜面63aが確実に接触するため、カムドライバ7の軸方向の移動とカムスライダ6の径方向の移動が確実に行われ、カムドライバ7の動きがスムーズになる。
よって、この実施形態の金型を使用することで、このような凹凸の嵌め合いがない金型を用いた場合よりも、S字状凹部15の冷間鍛造による形成を高精度で行うことができる。
[第4実施形態]
この実施形態で使用する金型は、第1実施形態で使用する金型と同様に、ナット素材1を保持する凹部21を有する素材ホルダ2を備えている。また、第1実施形態のカムスライダ3およびカムドライバ4に代えて、図6に示すカムスライダ8と一対のカムドライバ9A,9Bを使用する。
カムスライダ8は、図6(a)〜(c)に示すように、外周面81と軸方向に延びる一対の斜面82,83とを有する略扇柱状部材であって、図6(a)に示すように、外周面81をなす円の径は、ナット素材1の内周面11をなす円11aより僅かに小さい。また、ボール戻し経路をなすS字状凹部に対応するS字状凸部35が、カムスライダ8の外周面81に形成されている。
カムドライバ9Aは、外周面91Aと、カムドライバ8の斜面82と同じ傾斜の斜面92Aと、互いに平行な側面93A,94Aを有する柱状部材である。カムドライバ9Bは、外周面91Bと、カムドライバ8の斜面83と同じ傾斜の斜面92Bと、互いに平行な側面93B,94Bを有する柱状部材である。外周面91A,91Bをなす円の径は、ナット素材1の内周面11をなす円11aより僅かに小さい。
カムドライバ9A,9Bの斜面92A,92Bとカムスライダ8の斜面82,83が、金型のカム機構を構成する。
第1実施形態と同様に、この実施形態でも、図1の素材ホルダ2の凹部21にナット素材1を配置し、ナット素材1の内部に、先ず、カムスライダ8を挿入する。次に、カムスライダ8の各斜面82,83に各カムドライバ9A,9Bの斜面92A,92Bが接触するように、カムスライダ8とナット素材1の間に両カムドライバ9A,9Bを挿入する。次に、プレス圧を掛けて両カムドライバ9A,9Bを上から押して下死点(素材ホルダ2の凹部21の底面)に至らせることにより、ナット素材1の内周面11にS字状凹部15を形成する。
この実施形態の金型によれば、カムスライダ8が一対のカムドライバ9A,9Bにより調芯されながら径方向外側へ動くため、ナット素材1の内周面11に、S字状凸部35によって生じるS字状凹部15以外の変形が生じ難くなる。
よって、この実施形態の金型を使用することで、第1実施形態の金型を用いた場合よりも、S字状凹部15の冷間鍛造による形成を高精度で行うことができる。
1 ナット素材
11 ナット素材の内周面
11a ナット素材の内周面をなす円
15 ボール戻し経路をなすS字状凹部
2 素材ホルダ
21 凹部
3 カムスライダ
33 カムスライダの斜面(カム機構)
35 S字状凸部
4 カムドライバ
41 カムドライバの傾斜した側面(カム機構)
42 円周状の側面
4A カムドライバ
45A,45a,45B カムドライバの斜面(カム機構)
5 カムスライダ
52A,52a,52B カムスライダの斜面(カム機構)
6 カムスライダ
63 T字状凹部
63a カムスライダの斜面(カム機構)
7 カムドライバ
73 T字状凸部
73a カムドライバの斜面(カム機構)
8 カムスライダ
82,83 カムスライダの斜面(カム機構)
9A,9B カムドライバ
92A,92B カムドライバの斜面(カム機構)

Claims (5)

  1. 内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝で形成される軌道の間に配置されたボールと、前記ナットの内周面に凹部として形成された、前記ボールを軌道の終点から始点に戻すボール戻し経路とを備え、前記軌道内をボールが転動することで前記ナットがねじ軸に対して相対移動するボールねじの前記ナットの製造方法であって、
    円筒状のナット素材に内挿され、その軸方向に沿って移動するカムドライバと、
    前記ナット素材とカムドライバとの間に配置され、前記凹部に対応する凸部が形成され、前記カムドライバの移動により前記凸部が前記ナットの径方向に移動するカムスライダと、
    を有するカム機構の金型を用いたプレス法により、
    前記凹部を前記ナット素材の内周面に塑性加工で形成することを特徴とするボールねじ用ナットの製造方法。
  2. 前記金型のカム機構は、前記カムドライバの軸方向に延びる斜面と前記カムスライダの軸方向に延びる斜面からなり、前記両斜面の一方が凹部の底面であり、他方が前記凹部に嵌まる部分の先端面である請求項1記載のボールねじ用ナットの製造方法。
  3. 前記金型のカム機構は、前記カムドライバの軸方向に延びる斜面と前記カムスライダの軸方向に延びる斜面からなり、前記両斜面はそれぞれ、軸方向に傾斜角度が異なる複数の斜面を有し、前記複数の斜面の傾斜角度が軸方向で前記カムドライバの下死点に向けて小さくなっている請求項1記載のボールねじ用ナットの製造方法。
  4. 前記金型のカム機構は、前記カムドライバの軸方向に延びる斜面と前記カムスライダの軸方向に延びる斜面からなり、前記両斜面の一方が凹部の底面であり、他方が前記凹部に嵌まる凸部の突出端面である請求項1記載のボールねじ用ナットの製造方法。
  5. 前記金型は、軸方向に延びる複数の斜面を有するカムスライダと複数のカムドライバを有し、
    前記金型のカム機構は、前記カムスライダの軸方向に延びる複数の斜面と、前記複数のカムドライバに形成された各斜面とからなり、
    前記カムスライダが前記複数のカムドライバにより調芯されながら径方向外側へ動くことで、前記凸部が前記ナットの径方向に移動する請求項1記載のボールねじ用ナットの製造方法。
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