JP2011229725A - 爪装飾の形成方法およびその除去方法、並びに、爪装飾および爪装飾用キット - Google Patents

爪装飾の形成方法およびその除去方法、並びに、爪装飾および爪装飾用キット Download PDF

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Abstract

【課題】爪への密着性が良好で、しかも除去する際に指先や爪への負担が小さい爪装飾、および該爪装飾の除去方法を提供する。
【解決手段】本発明にかかる爪装飾の形成方法は、爪の上に、(A)(メタ)アクリロイル基を2個以上有する重量平均分子量600〜50,000の化合物、(C)光ラジカル重合開始剤、及び、(D)ラジカル重合抑制剤、を含有する第1組成物を塗布し、光を照射する工程と、少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する化合物、及び、光ラジカル重合開始剤を含有する第2組成物を塗布し、光を照射する工程と、を含み、前記第1組成物に含まれる(D)成分の含有量が前記第1組成物全体の0.3〜5質量%であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、爪装飾の形成方法およびその除去方法、並びに、爪装飾および爪装飾用キットに関する。
近年、手や足の爪にデザインを施すネイルアートに対する人気が高まり、爪(自爪)に合成樹脂製の人工爪(付け爪)を形成する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。また、特に最近、ウレタン系樹脂と光重合性モノマーを含むジェル状の装飾用硬化性組成物を爪に塗布した後、紫外線を照射して硬化させたジェルネイルと呼ばれる爪装飾が、仕上がりがクリアである、爪との密着性が高く長持ちする、アクリル系樹脂のような臭気がない等の理由から注目を集めている。
特開2000−256134号公報 特開2004−275736号公報 特表2002−505915号公報
しかしながら、ジェルネイルは、上述したように架橋性の重合体で形成されるため、例えば、再加工を行う場合(爪が伸びて、ジェルネイルで被覆されていない部位が現れた場合など)や、爪からジェルネイルを除去する場合などに、各種の問題が生じることがあった。
例えば、ジェルネイルを除去するときには、ジェルネイル表面を粗目のファイル(爪用やすり)でこすって傷を付けて除去液を滲み込みやすくさせた後、アセトン等の有機溶媒(除去液)に浸したコットンをジェルネイル上に乗せ、これをアルミホイル等で巻いて5〜10分間程度そのまま放置してジェルネイルを膨潤させた後、この膨潤したジェルネイルを木製のへら等を用いて剥がすことが主流であった。このような方法では、指先や爪が除去液でもろくなったり、指先がかさついたりする場合があり、また、アセトンを使用することから、身体への負担が比較的大きいといった問題があった。
本発明のいくつかの態様にかかる目的の一つは、爪への密着性が良好で、しかも除去する際に指先や爪への負担が小さい爪装飾、および該爪装飾の除去方法を提供することにある。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明にかかる爪装飾の形成方法の一態様は、
爪の上に、
(A)(メタ)アクリロイル基を2個以上有する重量平均分子量600〜50,000の化合物、
(C)光ラジカル重合開始剤、及び、
(D)ラジカル重合抑制剤、
を含有する第1組成物を塗布し、光を照射する工程と、
少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する化合物、及び、光ラジカル重合開始剤を含有する第2組成物を塗布し、光を照射する工程と、
を含み、
前記第1組成物に含まれる(D)成分の含有量が前記第1組成物全体の0.3〜5質量%であることを特徴とする。
本適用例の爪装飾の形成方法によれば、爪との密着性が高く、簡便かつ安全に除去することができる爪装飾を形成することができる。これにより、指先や爪への負担を軽減することができ、指先の装飾および指先の状態を良好に保たせることができる。
[適用例2]
適用例1において、
前記第1組成物が、さらに、(B)分子内にエチレン性不飽和基を1個有する(A)成分以外の化合物、を含有することができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2において、
前記(D)成分が、フェノール化合物であってもよい。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか1例において、
前記(A)成分が、末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物であってもよい。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか1例において、
前記(A)成分が、分子内にウレタン結合を有する化合物であってもよい。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか1例において、
前記第1組成物に含まれるラジカル重合抑制剤の量より、前記第2組成物に含まれるラジカル重合抑制剤の量の方が少なくすることができる。
[適用例7]
本発明にかかる爪装飾の一態様は、
爪の上に形成され、複数の硬化層を有する爪装飾であって、
前記硬化層のうち、少なくとも前記爪に接する第1硬化層は、
(A)(メタ)アクリロイル基を有する重量平均分子量600〜50,000の化合物、
(C)光ラジカル重合開始剤、及び、
(D)ラジカル重合抑制剤、
を含有する第1組成物を硬化させて形成され、
前記(D)成分の含有量が前記第1組成物全体の0.3〜5質量%であることを特徴とする。
本適用例の爪装飾によれば、爪との密着性が高い装飾を長持ちさせることができ、その上、簡便かつ安全に除去することができる。これにより、指先や爪への負担を軽減することができ、指先の装飾および指先の状態を良好に保たせることができる。
[適用例8]
適用例7において、
前記第1組成物が、さらに、(B)分子内にエチレン性不飽和基を1個有する(A)成分以外の化合物、を含有してもよい。
[適用例9]
適用例7または適用例8において、
前記(D)成分が、フェノール化合物であることができる。
[適用例10]
適用例7ないし適用例9のいずれか1例において、
前記(A)成分が、末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることができる。
[適用例11]
適用例7ないし適用例10のいずれか1例において、
前記(A)成分が、分子内にウレタン結合を有する化合物であることができる。
[適用例12]
適用例7ないし適用例11のいずれか1例において、
前記硬化層のうち、前記第1硬化層以外の硬化層(以下、第2硬化層ともいう)は、前記第1硬化層よりもラジカル重合抑制剤の含有量が少なくされてもよい。
[適用例13]
本発明にかかる爪装飾の除去方法の一態様は、
適用例7ないし適用例12のいずれか1例に記載された爪装飾を、前記爪から除去する方法であって、
前記第1硬化層および前記第2硬化層の少なくとも一方に、アルコールを含有するリムーバーを接触させる工程を含むことを特徴とする。
本適用例の爪装飾の除去方法によれば、爪との密着性が高い爪装飾を、簡便かつ安全に除去することができる。これにより、指先や爪への負担を軽減することができ、指先の状態を良好に保たせることができる。
[適用例14]
適用例13において、
前記リムーバーは、さらに、D−リモネンを含有することができる。
[適用例15]
本発明にかかる爪装飾用キットの一態様は、
(A)(メタ)アクリロイル基を2個以上有する重量平均分子量600〜50,000の化合物、
(C)光ラジカル重合開始剤、及び、
(D)ラジカル重合抑制剤、
を含有し、前記(D)成分の含有量が全体の0.3〜5質量%である第1組成物と、
アルコールを含有するリムーバーと、
を含む。
本適用例の爪装飾用キットによれば、爪との密着性が高い爪装飾を形成できるとともに、該爪装飾を簡便かつ安全に除去することができる。これにより、指先や爪への負担を軽減することができ、指先の状態を良好に保たせることができる。
本発明の爪装飾およびその除去方法によれば、爪との密着性が高い装飾を長持ちさせることができ、その上、これを簡便かつ安全に除去することができる。これにより、指先や爪への負担を軽減することができ、指先の装飾および指先の状態を良好に保たせることができる。
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。さらに、以下の実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.爪装飾
本実施形態にかかる爪装飾は、爪の上に形成され、人間等の動物の爪の外観を装飾することができる。また、本実施形態にかかる爪装飾は、人工爪の外観を装飾するものであってもよい。装飾の態様としては、例えば、流行等に応じて任意のデザインとすることができる。また、本実施形態にかかる爪装飾は、装飾を目的とすることに限定されず、例えば、爪を保護するために形成されるものであってもよい。
1.1.爪装飾の構成
本実施形態の爪装飾は、複数の硬化層を有する。
爪装飾における硬化層の数は、特に限定されない。硬化層には、爪に接触する第1硬化層と、爪には接触せず第1硬化層の爪とは反対側に形成される第2硬化層を含む。第2硬化層は、複数であってもよい。
1.1.1.第1硬化層
第1硬化層は、爪に接触して形成される。第1硬化層は、必ずしも爪全体を覆っている必要はないし、爪全体を覆っていてもよい。第1硬化層の厚みは、例えば、50μm以上1mm以下とすることができる。第1硬化層の厚みがこの範囲であると、爪装飾の爪への密着性と、爪装飾の除去しやすさの両立を図りやすい。
第1硬化層の機能の一つとしては、爪装飾と爪とを密着させ、通常の状態で、爪装飾が爪から剥がれにくくすることが挙げられる。また、第1硬化層の機能の一つとしては、爪装飾を剥がす際に、特定の溶液と第1硬化層とを接触させることにより、爪装飾を爪から剥がれやすくさせることが挙げられる。
1.1.2.第1硬化層の材質
第1硬化層(爪に接する硬化層)は、(A)(メタ)アクリロイル基を有する重量平均分子量3,000〜50,000の化合物、(B)分子内にエチレン性不飽和基を1個有する化合物、(C)光ラジカル重合開始剤、及び、(D)ラジカル重合抑制剤を含有する組成物を硬化させて形成される。そして、当該組成物において、(D)成分の含有量は、第1組成物全体の0.3〜5質量%である。このような、硬化されることによって第1硬化層が形成される組成物を、本明細書では、以下、第1組成物と称する。
1.1.2.1.(A)成分
第1組成物には、(A)(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、(A)成分ともいう。)が配合される。第1組成物に(A)成分が配合されることで、第1組成物の粘度を適度に保ち、第1組成物を爪等に塗布する際、例えば厚塗りを容易化させることができる。
(A)成分の質量平均分子量は3,000〜50,000の範囲にある。ここで、質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の分子量をいう。(A)成分の質量平均分子量がこの範囲にあれば、密着性、耐摩耗性の良好な第1硬化層を形成することができる。(A)成分の質量平均分子量が3,000に満たないと、第1組成物の塗布性が劣る場合があり、逆に50,000を超えると、爪装飾を除去しやすくするという、第1硬化層の効果が得られにくくなる場合がある。このような観点からは、(A)成分の質量平均分子量は、4,000〜30,000の範囲であることがさらに好ましい。
また、(A)成分は分子内にウレタン結合を有することが好ましい。ウレタン結合は、(A)成分を構成する分子の主鎖中に存在しても良いし、側鎖に存在しても良い。(A)成分がウレタン結合を有することで、(A)成分の水素結合が強固となるため、第1組成物を硬化させて形成される第1硬化層の耐摩耗性をさらに向上させることができると考えられる。さらに、ウレタン結合の存在により、塗布時のレベリング性を向上させることができ、例えば、硬化後の光沢を向上させることができる。さらに、(A)成分は分子内にウレタン結合を有する場合には、爪と第1硬化層との間の密着性をより高めることができる。
分子内にウレタン結合を有する(A)成分の製造法は、例えば、ジオール化合物とジイソシアネート化合物の反応物に(メタ)アクリロイル基を導入する方法や、水酸基を有する重合体に(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する化合物を反応させる方法が挙げられる。
また、(A)成分として、市販品を使用することもできる。(A)成分として使用できる化合物としては、例えば、NKエステル14G(平均分子量736)、23G(平均分子量1136(以上、新中村化学工業製)、FA−023M(平均分子量1114)、FA−321M(平均分子量804)(以上、日立化成工業製)等が挙げられる。
第1組成物における、(A)成分の配合量は、第1組成物全体を100質量%として20〜70質量%であることが好ましく、30〜65質量%であることがより好ましい。第1組成物における(A)成分の配合量が上記範囲内であることで、塗布性や、硬化物した場合の耐摩耗性、除去性に優れた第1硬化層を形成することができる。
1.1.2.2.(B)成分
第1組成物には、分子内にエチレン性不飽和基を1個有する化合物(以下、(B)成分ともいう。)が配合される。(B)成分は、第1組成物に紫外線を照射した場合の、主たる硬化成分である。また、(B)成分は、第1組成物の粘度を下げる効果を有する。
(B)成分としては、公知の化合物を使用できる。(B)成分は、具体的には、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタム、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、リモネン等の化合物を例示することができるが、これらに限定されない。
(B)成分の市販品としては、アロニックス M−101、M−102、M−111、M−113、M−114、M−117(以上、東亜合成株式会社製);ビスコート LA、STA、IBXA、2−MTA、#192、#193(大阪有機化学株式会社製);NK エステル AMP−10G、AMP−20G、AMP−60G(以上、新中村化学工業株式会社製);ライトアクリレート L−A、S−A、IB−XA、PO−A、PO−200A、NP−4EA、NP−8EA(以上、共栄社化学株式会社製);FA−511、FA−512A、FA−513A(以上、日立化成工業株式会社製)等が挙げられる。
第1組成物における(B)成分の配合量は、第1組成物全体を100質量%として25〜75質量%であることが好ましく、30〜65質量%であることがより好ましい。第1組成物における(B)成分の配合量が上記範囲内であることで、爪装飾の耐久性、特に耐摩耗性に優れた第1硬化層を形成することができる。また、第1組成物における(B)成分の配合量が上記範囲内であることで、重合抑制剤((D)成分(後述))が配合されても爪装飾に耐久性を付与することができる。
1.1.2.3.(C)成分
第1組成物には、光ラジカル重合開始剤(以下、(C)成分ともいう。)が配合される。(C)成分は、第1組成物に紫外線を照射した場合に、第1組成物を硬化させる機能を有する。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、tert−ブチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル誘導体;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパン等のアセトフェノン誘導体;ミヒラーズケトン、2,4,6−(トリハロメチル)トリアジン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロノパン、ジメチルベンジルケタール、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、トリブロモメチルフェニルスルホン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。また、(C)成分は、これら例示した化合物に限定されるものでない。
第1組成物における(C)成分の配合量は、第1組成物全体を100質量%として0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜8質量%であることがより好ましい。第1組成物における(C)成分の配合量が上記範囲内であることで、爪装飾の耐久性、特に耐摩耗性に優れた第1硬化層を形成することができる。
1.1.2.4.(D)成分
第1組成物には、ラジカル重合抑制剤(以下、(D)成分ともいう。)が配合される。(D)成分は、第1組成物を硬化させるときに、除去が可能な硬化の度合いになるように調節する機能を有する。
(D)成分としては、公知のものが使用できるが、フェノール系化合物、キノン系化合物、アミン系化合物、硫黄系化合物、ヒドロキシルアミン系化合物、及び、亜硝酸系化合物等が挙げられ、これらは複数種使用してもよい。
(D)成分として使用可能な化合物の内、フェノール系化合物の具体例としては、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,1,3−トリ(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(3−t−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプロパノイック酸、ペンタエリトリトール テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−メチル−ベンゼンプロパノイック酸、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ]エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。
(D)成分として使用可能な化合物の内、キノン系化合物としては、ベンゾキノン、ナフトキノン等が、アミン系化合物としてはフェノチアジン等が、硫黄系化合物としてはジラウリルチオジプロピオネート等が、リン系化合物としてはトリフェニルフォスファイト等が例示できるが、これらに限定されない。
第1組成物における(D)成分の配合量は、組成物全体を100質量%として0.3〜5質量%の範囲内であり、0.5〜4質量%であることが好ましい。第1組成物における(C)成分の配合量が上記範囲内であることで、爪装飾の除去性を高めるという第1硬化層の効果を高めることができる。
1.1.2.5.その他の成分
第1組成物中には、さらに、一般的な装飾用硬化性組成物中に配合され得る添加成分を、効果を損わない範囲内において任意に配合することができる。このような添加成分としては、例えば、多官能のエチレン性不飽和基含有化合物、溶剤、消泡剤、緩衝剤、キレート化剤、分散剤、染料、顔料、充填剤、防腐剤、樹脂粉末、増粘剤、湿潤剤等が挙げられる。また、第1組成物中に配合されるその他の成分は、これら例示に限定されるものでない。このような添加成分のうち、多官能のエチレン性不飽和基含有化合物は、(B)成分と同様に使用できるが、多量に配合すると、第1硬化層による除去性の向上効果が低下する場合があるため、組成物全体の20質量%以下とすることが好ましい。
上述した、第1組成物を用いて爪装飾を形成するには、まず爪上に第1組成物を塗布した後、紫外線を照射して、組成物を光硬化させる。これにより、第1硬化層を形成することができる。
1.2.第2硬化層
第2硬化層は、第1硬化層の上に形成され、爪に接触することなく形成される。第2硬化層は、必ずしも第1硬化層全体を覆っている必要はないし、第1硬化層全体を覆っていてもよい。また、第2硬化層は、複数形成されてもよい。第2硬化層が例えば層状に形成される場合の厚みは、第2硬化層の合計で、例えば、50μm以上1mm以下とすることができる。第2硬化層は、塊状に形成されてもよく、複数の塊状の硬化物をそれぞれ第2硬化層と称しても良い。
第2硬化層の機能の一つとしては、爪装飾の装飾性(デザイン性、造形性など)を発現することが挙げられる。また、第2硬化層の機能の一つとしては、爪装飾を剥がす際、第1硬化層が膨潤等により柔らかくなった場合に、第2硬化層を手掛かりとして、爪装飾の取り扱いを容易にすることが挙げられる。さらに、第2硬化層のうち、爪装飾の表面を構成する第2硬化層は、爪装飾に耐擦過性等を付与する機能を有してもよい。さらに、第2硬化層の硬化度(架橋密度)を大きくすれば、例えば、爪装飾を形成した後に、未硬化の成分を拭き取るなどの作業を省略させることができる。
第2硬化層の材質は、特に限定されず、公知の硬化性樹脂を用いることができる。第2硬化層は、例えば、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂などにより形成されることができる。
第2硬化層には、多官能のエチレン性不飽和基含有化合物、溶剤、消泡剤、緩衝剤、キレート化剤、分散剤、充填剤、防腐剤、樹脂粉末、増粘剤、湿潤剤等が含有されてもよい。また、第2硬化層には、特に、染料、顔料等の色材を配合することができる。これにより爪装飾に着色、パール調、ラメ調などの外観を付与させることができる。
第2硬化層の架橋密度は、第1硬化層の架橋密度よりも大きいことがより好ましい。第2硬化層の架橋密度を第1硬化層の架橋密度よりも大きくすることにより、例えば、爪装飾を剥がす際、第1硬化層が膨潤等により柔らかくなった場合に、第2硬化層を手掛かりとして、爪装飾の取り扱いをより容易化することができる。また第2硬化層の架橋密度を第1硬化層の架橋密度よりも大きくすれば、第2硬化層の堅牢度が高まり、例えば、爪装飾の耐摩耗性を向上させることができる。
第2硬化層の材質は、例えば、上述の第1組成物と同様の第2組成物の硬化物としてもよい。この場合、第2硬化層の架橋密度を第1硬化層の架橋密度よりも大きくしたい場合には、例えば、第2組成物において、(D)成分の含有量を、第1組成物よりも小さくして、該第2組成物により第2硬化層を形成すれば、このような架橋密度の差を設けることができる。なお、この場合、第2組成物は(D)成分を含有しないようにしてもよい。
このようにすれば、第2硬化層の架橋密度を第1硬化層の架橋密度よりも大きくすることができ、第2硬化層をより堅牢にすることができ、その上、爪装飾を除去するときに第2硬化層を手掛かりとすることができ、爪装飾の取り扱いを容易にすることができる。
また、第2硬化層のうち、爪装飾の最表面に位置するものについては、硬化度(架橋密度)を他の第2硬化層よりも大きくすることによって、爪装飾の耐摩耗性(傷つきにくさ)を向上させることができる。第2硬化層の架橋密度を高める方法としては、上述の(D)成分の含有量を減少させる方法の他にも、例えば、第2組成物中の多官能のエチレン性不飽和基含有化合物の含有量を大きくする方法などを挙げることができる。
1.3.爪装飾の形成
本実施形態の爪装飾は、爪上に、フラットブラシ等を用いて第1組成物を塗布し、紫外線を照射することで、第1硬化層を形成し、前記第1硬化層上に、第2組成物を塗布し、紫外線を照射することで、第2硬化層を形成することで形成することができる。
ここで、第1組成物を塗布する前に、爪をサンディングしてもよい。また、第1組成物または第2組成物を塗布する方法は、公知の方法を使用することができる。組成物の硬化に使用する紫外線は、第1組成物および第2組成物を硬化させることができれば特に限定されないが、市販のUVジェルネイル用UVライトを使用することができる。紫外線の照射時間は、通常、30〜300秒であるが、適宜変更可能である。前記第1硬化層と前記第2硬化層は、互いに接していてもよいし、第1硬化層上に第1組成物の硬化層を更に設けてもよい。また、第2硬化層も複数形成してもよい。
1.4.作用効果等
本実施形態の爪装飾は、爪に接する第1硬化層を有する。第1硬化層は、上述の第1組成物を硬化させて形成される。これにより、爪装飾の爪との密着性を十分に確保しつつ、爪装飾を除去する際には、簡便かつ安全に除去可能にすることができる。すなわち、本実施形態の爪装飾によれば、爪装飾を長持ちさせることができ、その上、これを剥がす際には容易に剥がすことができる。これにより爪装飾を施した指先や爪への負担を軽減することができ、指先の装飾および指先の状態を良好に保たせることができる。
また、本実施形態の爪装飾は、上述のように、第1硬化層の架橋密度が比較的小さくなるように形成されているため、リムーバーに、アセトンなどの爪や皮膚等に対する影響が比較的大きい溶剤を配合する必要がないという効果を有する。
2.爪装飾の除去方法
本実施形態の爪装飾の除去方法は、アルコールを含有する溶液を第1硬化層に接触させる工程を含む。
アルコールを含有する溶液(以下、これをリムーバーと称する場合がある。)としては、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)などのアルコール類の単独あるいは複数の混合液が挙げられる。また、リムーバーには、必要に応じて、アセトンなどのケトン類、ジエチルエーテルなどのエーテル類などが含有されもよい。ただし、リムーバーは、爪や皮膚等に対する影響が小さいこと、臭気の少ないことが好ましいため、ケトン類、エーテル類を含まず、アルコール類を主として配合されることがより好ましい。
リムーバーにおけるアルコール類の含有量は、リムーバー全体を100質量%としたときに、30〜100質量%、より好ましくは40〜100質量%の範囲が好ましい。このような範囲のアルコール類を含むリムーバーは、爪装飾の第1硬化層に接触した際に、十分に第1硬化層を膨潤させ、柔軟性を付与することができ、爪からの爪装飾の剥離を容易化することができる。
また、リムーバーには、爪や皮膚等に対する影響が小さい範囲で、その他の化合物を配合してもよい。このような化合物としては、例えば、マカダミアナッツオイル、ヒマシ油、D−リモネン等の天然物由来の化合物が挙げられる。リムーバーに、このような化合物を添加することにより、例えば、臭気を低減させたり、保湿性を向上させたりすることができる。
リムーバーを第1硬化層に接触させる方法としては、特に限定されないが、例えば、リムーバーに浸したコットン等を爪装飾上に乗せて放置する方法、リムーバー中に指先(爪装飾)を浸漬する方法等が挙げられる。
より具体的な爪装飾の除去方法としては、例えば、爪装飾表面にリムーバーに浸したコットンを載せ、これをアルミホイル等で巻いて約10分間程度そのまま放置して爪装飾(第1硬化層)を膨潤させた後、ネイルワイプまたはスティック状器具等を用いて剥がす方法が挙げられる。なお、当該方法において、リムーバーに浸したコットンをアルミホイルで巻く作業を行わなくとも、コットンを載せた後の放置時間を長めにするだけとしてもよい。
本実施形態の爪装飾の除去方法によれば、上述のように、第1硬化層が、架橋密度が比較的小さくなるように形成されているため、リムーバーに、アセトンなどの爪や皮膚等に対する影響が比較的大きい溶剤を配合することなく、安全かつ簡便に爪装飾を除去することができる。これにより、爪装飾を施した指先や爪への負担を軽減することができ、指先の装飾および指先の状態を良好に保たせることができる。
なお、以上の実施形態では、爪に対して装飾を施す場合について例示しているが、本発明の爪装飾およびその除去方法は、対象が爪であることに限定されず、例えば、つけ爪の装飾や、携帯電話、衣類(履き物を含む)、カバン類、眼鏡、時計、宝飾品、その他の生活用品などを装飾するために用いることもできる。このような用途においても本発明にかかる爪装飾は、対象への密着性が良好であるとともに、安全かつ簡便に除去することができるという効果を奏することができる。
3.実施例および比較例
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。なお、実施例においては、特に断りのない限り、「%」、「部」はそれぞれ、「質量%」、「質量部」を意味する。
3.1.第1組成物
3.1.1.(A)成分
(重合体A1の製造)
300mLビーカー中に、イソボルニルメタクリレート50g、ポリテトラメチレングリコール153.3gを仕込み、緩やかに攪拌しながらオイルバスにて反応液温度が30℃になるまで昇温した。次に、反応液にトリレンジイソシアネート41.9gを滴下し、液温を60℃まで昇温し1時間反応させた。その後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.8gを滴下し70℃にて1時間反応させた。反応終了後、室温に冷却し、反応液を回収することで質量平均分子量8,000の重合体A1を得た。
3.1.2.実施例1
(A)成分として上記で製造したA1(57質量部)、(B)成分としてD−リモネン(4.5質量部)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(30質量部)、およびイソボルニルメタクリレート(5質量部)、(C)成分として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製Irgacure651)(2.5質量部)、(D)成分としてペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製Irganox1010)(1質量部)を混合し、攪拌により均一な溶液とした。この溶液を孔径10μmのカプセルフィルターでろ過して実施例1の第1組成物を得た。
3.1.3.実施例2〜10、比較例1〜3
実施例1と同様の操作で、下記表1に示す各種成分を均一に混合し、各例の第1組成物を得た。
Figure 2011229725
表中、各組成は以下の通りである。
A1:重合体A1
A2:NKエステル23G(商品名、新中村化学工業社製)
B1:D−リモネン(和光純薬社製試薬)
B2:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(和光純薬社製試薬)
B3:イソボルニルメタクリレート(和光純薬社製試薬)
C1:Irgacure651(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
C2:Darocure TPO(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
D1:Irganox1010(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
D2:Irganox245(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
3.2.第2組成物
第2組成物としては、表1の比較例1の組成物を使用した。
3.3.爪装飾の形成
各実施例および各比較例の第1組成物を用いて、それぞれ、健常な爪の上に、第1硬化層を形成した。具体的には、爪ヤスリで全体をサンディングした爪上にフラットブラシを用いて各例の第1組成物を均一に塗布した。次にビューティーネイラー製UVランプ(36mW)を用いて60秒間UV照射した。その上に、表1の比較例1の組成物をフラットブラシを用いてそれぞれ均一に塗布し、UVランプを用いて60秒間UV照射し、爪上に各例の爪装飾を形成した。
また、実施例4において、第2組成物として、バイオスカルプチャー製 BIO Sジェル(商品名)、ibd製 ソークオフタイプ クリアジェル(商品名)を使用し、それぞれ4分、2分紫外線硬化し、実施例11、12とした。
3.4.爪装飾の評価
3.4.1.密着性
爪装飾の密着性は、装飾した爪を40℃の温浴に1時間浸漬した上で、以下のように評価した。
A:膜の浮き、剥がれ等が起こらない
B:膜の浮きが見られるが、剥がれは発生しない
C:膜の剥がれが見られる。
3.4.2.除去性
爪装飾の除去性は、以下のように評価した。
3cm四方のコットンにリムーバーを染み込ませ、爪装飾全体を覆うように載せた。次にアルミホイルで爪全体を包み、10分間静置した後、アルミホイル、コットンを取り除き、爪ワイプを用いて爪装飾を除去した。ワイプで爪装飾を容易に除去できない場合は、ウッドスティックを用いて削ぎ落とした。この工程において、爪装飾の剥離性を下記指標にて評価した。エタノール系リムーバーは、エタノール/D−リモネン=65/35(質量比)で混合して使用した。
A:エタノール系リムーバーの使用で、爪装飾をフィルム状に剥離できる
B:エタノール系リムーバーの使用では、爪ワイプで簡単に剥離できないが、ウッドスティックで簡単にそぎ落とすことができる
C:エタノール系リムーバーの使用では、ウッドスティックを用いても完全に剥離できないが、アセトンを使用するとウッドスティックを用いて簡単に剥離できる。
3.5.評価結果
評価結果を表2に記載する。
Figure 2011229725
表2をみると、各実施例および比較例1、2において、密着性のよい第1硬化層が得られることが判明した。
一方、表2の結果から明らかなように、ラジカル重合抑制剤((D)成分)を配合しない比較例1、2の第1組成物によって形成された第1硬化層は、アセトンを使用してウッドスティックを用いないと除去することができなかった。これに対し、ラジカル重合抑制剤((D)成分)を配合した各実施例では、エタノール系リムーバーを用いて除去することができることが判明した。
これらのことから、実施例の第1組成物により形成された第1硬化層は、密着性が良好であるとともに、除去性に優れていることが判明した。
また、ラジカル重合抑制剤を過剰に配合した比較例3の第1組成物によって形成された第1硬化層は、密着性が不足しており、実用性能が不足することが判明し、爪装飾の第1硬化層としては不十分な特性を有することが判明した。
本発明の爪装飾は、爪への密着性が良好であるとともに、エタノール等の安全な除去液を用いて容易に除去できるため、爪を始め広範な装飾対象への装飾に使用できる。

Claims (15)

  1. 爪の上に、
    (A)(メタ)アクリロイル基を2個以上有する重量平均分子量600〜50,000の化合物、
    (C)光ラジカル重合開始剤、及び、
    (D)ラジカル重合抑制剤、
    を含有する第1組成物を塗布し、光を照射する工程と、
    少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する化合物、及び、光ラジカル重合開始剤を含有する第2組成物を塗布し、光を照射する工程と、
    を含み、
    前記第1組成物に含まれる(D)成分の含有量が前記第1組成物全体の0.3〜5質量%であることを特徴とする爪装飾の形成方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1組成物が、さらに、(B)分子内にエチレン性不飽和基を1個有する(A)成分以外の化合物、を含有することを特徴とする爪装飾の形成方法。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記(D)成分が、フェノール化合物であることを特徴とする爪装飾の形成方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
    前記(A)成分が、末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることを特徴とする爪装飾の形成方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
    前記(A)成分が、分子内にウレタン結合を有する化合物であることを特徴とする爪装飾の形成方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    前記第1組成物に含まれるラジカル重合抑制剤の量より、前記第2組成物に含まれるラジカル重合抑制剤の量の方が少ないことを特徴とする爪装飾の形成方法。
  7. 爪の上に形成され、複数の硬化層を有する爪装飾であって、
    前記硬化層のうち、少なくとも前記爪に接する第1硬化層は、
    (A)(メタ)アクリロイル基を有する重量平均分子量600〜50,000の化合物、
    (C)光ラジカル重合開始剤、及び、
    (D)ラジカル重合抑制剤、
    を含有する第1組成物を硬化させて形成され、
    前記(D)成分の含有量が前記第1組成物全体の0.3〜5質量%であることを特徴とする爪装飾。
  8. 請求項7において、
    前記第1組成物が、さらに、(B)分子内にエチレン性不飽和基を1個有する(A)成分以外の化合物、を含有することを特徴とする爪装飾。
  9. 請求項7または請求項8において、
    前記(D)成分が、フェノール化合物であることを特徴とする爪装飾。
  10. 請求項7ないし請求項9のいずれか1項において、
    前記(A)成分が、末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることを特徴とする爪装飾。
  11. 請求項7ないし請求項10のいずれか1項において、
    前記(A)成分が、分子内にウレタン結合を有する化合物であることを特徴とする爪装飾。
  12. 請求項7ないし請求項11のいずれか1項において、
    前記硬化層のうち、前記第1硬化層以外の硬化層(以下、第2硬化層ともいう)は、前記第1硬化層よりもラジカル重合抑制剤の含有量が少ないことを特徴とする爪装飾。
  13. 請求項7ないし請求項12のいずれか1項に記載された爪装飾を、前記爪から除去する方法であって、
    前記第1硬化層および前記第2硬化層の少なくとも一方に、アルコールを含有するリムーバーを接触させる工程を含むことを特徴とする爪装飾の除去方法。
  14. 請求項13において、
    前記リムーバーは、さらに、D−リモネンを含有することを特徴とする爪装飾の除去方法。
  15. (A)(メタ)アクリロイル基を2個以上有する重量平均分子量600〜50,000の化合物、
    (C)光ラジカル重合開始剤、及び、
    (D)ラジカル重合抑制剤、
    を含有し、前記(D)成分の含有量が全体の0.3〜5質量%である第1組成物と、
    アルコールを含有するリムーバーと、
    を含む、爪装飾用キット。
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