JP2020132597A - 人工爪原料組成物、人工爪原料組成物の硬化方法、人工爪の製造方法および人工爪 - Google Patents

人工爪原料組成物、人工爪原料組成物の硬化方法、人工爪の製造方法および人工爪 Download PDF

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Abstract

【課題】 接着剤およびプライマーを用いることなく、人工爪と自爪との接着性を長期間保つことが可能であり、かつ、人工爪を自爪から容易に除去できる人工爪原料組成物、人工爪原料組成物の硬化方法、人工爪の製造方法および人工爪を提供する。【解決手段】下記成分(A)〜(C)を含み、下記成分(A)および(B)の全質量中、下記成分(B)の含有率が1〜70質量%であり、かつ、酸性リン化合物の含有率が0〜30質量%であることを特徴とする人工爪原料組成物。(A)1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物(B)1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有し、かつ、1分子中に前記不飽和結合1個に対して2個以上のオキシアルキレン基を有するラジカル重合性化合物(C)光重合開始剤【選択図】 なし

Description

本発明は、人工爪原料組成物、人工爪原料組成物の硬化方法、人工爪の製造方法、および人工爪に関する。
手足の爪を装飾する方法として、ラッカー塗料を用いるマニキュアが広く用いられてきた。これらのマニキュアは、ラッカー塗料を手足の爪に塗布した後、溶剤を揮発させて乾燥することにより硬化させるものである。しかし、これらのマニキュアは、前記ラッカー塗料の乾燥および硬化に長時間を必要とする。また、これらのマニキュアは、爪との接着性が弱いため、時間経過とともに剥がれやすくなるという欠点がある。
一方、近年、手足の爪に塗料を塗布するだけでなく、爪の上に合成樹脂(人工爪)を形成していろいろなデザインを施すネイルアートが、女性の間で人気が高まっている。人工爪を形成する方法の一つとして、基材とする合成樹脂と(メタ)アクリル酸エステルモノマーと重合開始剤とを混合した後、速やかに爪に塗布して、爪の上で重合させる方法がある。しかしながら、この方法は(メタ)アクリル酸エステルモノマーの刺激臭が非常に強いことや、モノマーと重合開始剤を混合した後、速やかにデザインを施さないと、混合物が重合し、硬化してしまうこと等の問題があり、必ずしも広く普及するには至っていない。
上記の施術方法の欠点を改善したネイルアート技術として、最近急速に普及してきた方法は、光(紫外線、可視光線)の照射による合成樹脂形成の方法である。紫外線(UV)硬化樹脂の技術は、産業のさまざまな分野で利用されており、またそこに使われる化合物、装置および方法もよく研究されており、日々進歩している。この光硬化の方法は、強い刺激臭がなく、デザインの施術も比較的容易に行えるため、ジェルネイルとしてプロネイリストからアマチュアの女性まで広く普及しつつある。
ジェルネイルを構成する主成分は、ラジカル重合が可能な化合物と光重合開始剤である。ラジカル重合が可能な化合物の中でも、(メタ)アクリレート不飽和結合を持ったウレタン系の化合物(ウレタンアクリレートオリゴマー)と、希釈剤としての不飽和結合性モノマーとを含んだ人工爪原料組成物が、重合後の艶や自爪との接着性が比較的良好なものとして広く使われている。
特開2002−322034号公報 特開2006−312596号公報 特開2009−126833号公報 特開2010−13439号公報 特開2010−105967号公報 特開2011−20956号公報 特開2011−229725号公報 特許5636533号
ジェルネイル(人工爪)で要求される爪との接着性はかなり高度なものである。すなわち、人工爪は、日常生活の中で、長期間、爪(自爪)との接着性を保つ必要があり、その間に爪から剥がれたり、部分的にでも、爪から浮き上がったり(リフト)してはならない。
人工爪と自爪の接着性を長期間良好に保つのは難しい。そこで前記接着性を強固にするためにいろいろな方法が行われている。例えば、自爪とジェルの接着面積を大きくするために、ジェルを塗布する前に、自爪をやすりのようなもので、細かく磨いてからジェルを塗布する方法や、予め接着剤やプライマーを自爪の上に塗っておき、その上に人工爪原料組成物を塗布して硬化するという方法等がある。また、特許5636533号のように、リン酸エステルやシランカップリング剤をジェルの配合成分と共重合させて、接着性を強化する方法も提案されている。
硬化したジェル(人工爪)を除去するのに、広く普及している方法は、硬化したジェルを載せた指をアセトン等の溶剤を含んだ不織布で覆い、さらにその外からアルミホイル等で一定時間包み込み、硬化したジェルを爪から剥がす方法である。しかし、人工爪を自爪から除去する際、人工爪と自爪との接着性が強固であればあるほど、人工爪を自爪から除去することが困難になる。具体的には、例えば、自爪上のジェルを機械で削り取ったり、人工爪を載せた爪とともに指を、アセトンを含んだ不織布に長い時間包んだりしなければならない。自爪や皮膚を損傷させることなく、人工爪を容易に除去できるジェルが望まれていた。
そこで、本発明は、接着剤およびプライマーを用いることなく、人工爪と自爪との接着性を長期間保つことが可能であり、かつ、人工爪を自爪から容易に除去できる人工爪原料組成物、人工爪原料組成物の硬化方法、人工爪の製造方法および人工爪の提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の人工爪原料組成物は、下記成分(A)〜(C)を含み、
下記成分(A)および(B)の全質量中、下記成分(B)の含有率が1〜70質量%であり、かつ、酸性リン化合物の含有率が0〜30質量%であることを特徴とする。
(A)1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物
(B)1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有し、かつ、前記不飽和結合1個に対して2個以上のオキシアルキレン基を有するラジカル重合性化合物
(C)光重合開始剤
また、本発明の人工爪原料組成物の硬化方法は、前記本発明の人工爪原料組成物に光照射して前記人工爪原料組成物を硬化させる、人工爪原料組成物の硬化方法である。
さらに、本発明の人工爪の製造方法は、前記本発明の硬化方法により前記人工爪原料組成物を硬化させる硬化工程を含む、人工爪の製造方法である。
さらに、本発明の人工爪は、下記成分(A)および(B)を含む人工爪原料組成物の共重合体を含み、
前記人工爪原料組成物において、下記成分(A)および(B)の全質量中、下記成分(B)の含有率が1〜70質量%であり、かつ、酸性リン化合物の含有率が0〜30質量%であることを特徴とする。
(A)1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物
(B)1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有し、かつ、1分子中に前記不飽和結合1個に対して2個以上のオキシアルキレン基を有するラジカル重合性化合物
本発明によれば、接着剤およびプライマーを用いることなく、人工爪と自爪との接着性を長期間保つことが可能であり、かつ、人工爪を自爪から容易に除去できる人工爪原料組成物、人工爪原料組成物の硬化方法、人工爪の製造方法および人工爪を提供することができる。
つぎに、本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
本発明の人工爪原料組成物は、前述のとおり、下記成分(A)〜(C)を含み、
下記成分(A)および(B)の全質量中、下記成分(B)の含有率が1〜70質量%であり、かつ、酸性リン化合物の含有率が0〜30質量%であることを特徴とする。
(A)1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物
(B)1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有し、かつ、1分子中に前記不飽和結合1個に対して2個以上のオキシアルキレン基を有するラジカル重合性化合物
(C)光重合開始剤
本発明の人工爪原料組成物において、前記成分(A)は、前記ラジカル重合性化合物を1種類のみ含んでいても良いが、2種類以上の前記ラジカル重合性化合物を含んでいても良い。前記成分(B)は、前記1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有し、かつ、1分子中に前記不飽和結合1個に対して2個以上のオキシアルキレン基を有するラジカル重合性化合物を1種類のみ含んでいても良いが、2種類以上を含んでいても良い。また、前記成分(C)における光重合開始剤は、1種類のみでも良いが、2種類以上を併用しても良い。
前記成分(B)において、前記オキシアルキレン基は、例えば、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であってもよい。
前記成分(B)において、前記オキシアルキレン基が、例えば、オキシエチレン基およびオキシプロピレン基の少なくとも一方であってもよい。
前記成分(B)1分子中において、例えば、前記オキシアルキレン基が2個以上結合してポリオキシアルキレン基を形成していてもよい。
本発明の人工爪原料組成物において、前記成分(B)の含有率は、前記成分(A)および(B)の全質量に対して1〜30質量%であることが好ましい。
本発明の人工爪原料組成物の硬化方法は、前述のとおり、本発明の人工爪原料組成物に光照射して前記人工爪原料組成物を硬化させる、人工爪原料組成物の硬化方法である。また、本発明の人工爪の製造方法は、前述のとおり、本発明の硬化方法により前記人工爪原料組成物を硬化させる硬化工程を含む、人工爪の製造方法である。本発明の人工爪の製造方法は、前記硬化工程に先立ち、前記人工爪原料組成物を爪に塗布する塗布工程をさらに含むことが好ましい。
本発明の人工爪原料組成物を用いることによって、例えば、接着剤やプライマーを使うことなく、人工爪原料組成物のみを爪に塗布し重合させることで、人工爪が長期間爪から剥離することなく接着し続け、美しい外観を保てる。また、本発明の人工爪を除去する際には、例えば、人工爪を削ることなく、溶剤で容易に除去できることで、爪に対する負担を軽減することができる。
[成分(A)]
本発明の前記成分(A)において、1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有する前記ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合し得る化合物であれば特に制限はない。例えば、前記成分(A)は、一般的な人工爪原料組成物に用いられるラジカル重合性化合物と同様またはそれに準じてもよい。ただし、前記成分(A)は、前記成分(B)以外のラジカル重合性化合物であるものとする。すなわち、前記成分(A)は、1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有し、かつ、1分子中に前記不飽和結合1個に対して2個以上のオキシアルキレン基を有するラジカル重合性化合物以外のラジカル重合性化合物である。
前記成分(A)において、前記ラジカル重合性化合物は、光重合可能な化合物を含むことが好ましいが、熱重合可能な化合物を含んでいても良い。例えば、前記成分(A)が光重合可能な化合物を含み、前記成分(C)の光重合開始剤により重合開始可能であっても良い。また、例えば、前記成分(A)が熱重合可能な化合物を含む場合、本発明の人工爪原料組成物が、さらに熱重合開始剤を含んでいても良い。前記成分(A)としては、例えば、公知の単官能モノマー、多官能モノマー、および、ラジカル重合性の不飽和結合を1個以上保有するオリゴマー等が挙げられる。
前記単官能モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のエステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド置換物、スチレン、スチレン置換物等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸のエステルは、特に限定されず、例えば、非芳香族エステルでもよいし、芳香族エステルでもよい。前記(メタ)アクリル酸のエステルは、例えば、下記化学式(A1)で表すことができる。
Figure 2020132597
前記化学式(A1)中、Rは、水素原子またはメチル基である。Rは、水素原子または任意の原子もしくは原子団である。Rにおける前記原子団は、特に限定されないが、例えば、炭素原子および水素原子のみからなっていてもよいし、それ以外の原子(ヘテロ原子)を含んでいてもよい。Rにおける前記原子団としては、直鎖または分枝脂肪族炭化水素基、環状炭化水素基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。前記直鎖または分枝脂肪族炭化水素基は、例えば、飽和脂肪族炭化水素基(アルキル基)であってもよく、炭素数が1〜18であってもよい。前記直鎖または分枝脂肪族炭化水素基は、例えば、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、炭素数が2〜18であってもよい。前記環状炭化水素基は、例えば、飽和(シクロアルキル基)でも不飽和でもよく、非芳香環でも芳香環でもよく、例えば、炭素数が3〜18であってもよい。前記環状炭化水素基は、例えば、シクロヘキシル基、イソボルニル基、トリシクロデカン基、ベンジル基等であってもよい。また、Rにおける前記原子団は、例えば、その水素原子の1個以上が、さらなる置換基で置換されていてもよい。前記さらなる置換基も特に限定されないが、例えば、フェニル基、ヒドロキシ基、テトラヒドロフルフリル基、スクシニルモノエステル基、ヘキサヒドロフタル酸モノエステル基、フタル酸モノエステル基、安息香酸エステル基、リン酸エステル基等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸およびそのエステルの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸、ネオペンチルグリコール-アクリル酸-安息香酸エステル、2-(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。なお、本発明において、(メタ)アクリル酸は、「アクリル酸および/またはメタクリル酸」を意味し、(メタ)アクリレートは、「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を意味し、(メタ)アクリロイロキシは、「アクリロイロキシおよび/またはメタクリロイロキシ」を意味する。
前記多官能モノマーとしては、例えば、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸のエステル、多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記多官能モノマーの具体例としては、例えば、イタコン酸、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1.4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1.6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1.9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1.5ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
前記ラジカル重合性の不飽和結合を1個以上保有するオリゴマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリロイル基を1個以上結合させたウレタン骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが光重合硬化樹脂の主たる成分として数多く市販されている。前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、EBECRYL 230、EBECRYL 270、EBECRYL 4858、EBECRYL 8201、EBECRYL 8402(いずれも、ダイセル・オルネクス社の商品名)、オレスター RA1573、オレスター RA1574(いずれも、三井化学社の商品名)、UV−3200B、UV−7000B、UV−7550B、UV−7630B(いずれも、日本合成化学社の商品名)、CN964、CN981、CN996(いずれも、SARTOMER社の商品名)、AH−600、AT−600、UA−306H(いずれも、共栄社化学社の商品名)、UA−4200(新中村化学社の商品名)、アロニックス M−1200(東亞合成社の商品名)、ニューフロンティア R−1304(第一工業製薬社の商品名)等がある。またポリエステル骨格を有するポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーも数多く市販されており、例えばアロニックスM−6200、アロニックスM−7100、アロニックスM−8560(いずれも、東亞合成社の商品名)、オレスター RA1050(三井化学社の商品名)等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
上記はいずれも(メタ)アクリロイル基を保有する単官能、多官能(メタ)アクリレート化合物である。これ以外に、1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有する化合物として、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、マレイン酸、フマル酸、スチレン、桂皮酸、ブタジエン等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
本発明の人工爪原料組成物において、前記成分(A)の含有量は、前記成分(A)および(B)の全質量に対して30〜99質量%である。前記成分(A)の含有量が、前記成分(A)および(B)の全質量の30質量%以上であれば、UVや可視光線で光硬化しやすく、99質量%以下であれば、短い時間でも光硬化しやすい。前記成分(A)の含有量は、前記成分(A)および(B)の全質量に対して、例えば、50質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、または85質量%以上であってもよく、例えば、98質量%以下、97質量%以下、96質量%以下、95質量%以下、90質量%以下、85質量%以下、または80質量%以下であってもよい。
また、本発明の人工爪原料組成物において、前記成分(A)は、酸性リン化合物を含んでいても含んでいなくてもよい。すなわち、前記成分(A)は、1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有するラジカル重合性の酸性リン化合物を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。さらに、本発明の人工爪原料組成物は、全体として、酸性リン化合物を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。本発明の人工爪原料組成物全体における酸性リン化合物の含有率は、前述のとおり、前記成分(A)および(B)の全質量に対して0〜30質量%であり、例えば、0〜20質量%、0.1〜10質量%、0.1〜5質量%、0.2〜3質量%、または0.5〜2質量%でもよい。
[成分(B)]
本発明において、前記成分(B)は、前述のとおり、1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有し、かつ、1分子中に前記不飽和結合1個に対して2個以上のオキシアルキレン基を有するラジカル重合性化合物である。
前記成分(B)において、前記オキシアルキレン基は、下記化学式(B1)で表すことができる。
Figure 2020132597
前記化学式(B1)において、R11は、直鎖または分枝アルキレン基である。前記直鎖または分枝アルキレン基は、例えば、炭素数が1〜4であり、例えば、主鎖炭素数が1〜4である。前記R11は、例えば、エチレン基(ジメチレン基)、プロピレン基、またはテトラメチル基であってもよい。
前記成分(B)において、前記オキシアルキレン基は、前述のとおり、オキシエチレン基およびオキシプロピレン基の少なくとも一方であってもよい。前記オキシエチレン基は、下記化学式(B2)で表すことができる。前記オキシプロピレン基は、下記化学式(B3)または(B4)で表すことができる。
Figure 2020132597
Figure 2020132597
Figure 2020132597
また、前述のとおり、前記成分(B)1分子中において、前記オキシアルキレン基が2個以上結合してポリオキシアルキレン基を形成していてもよい。前記ポリオキシアルキレン基は、例えば、下記化学式(B5)で表すことができる。
Figure 2020132597
前記化学式(B5)において、nは、2以上の整数である。nは、例えば、3以上でもよいし、7以上、10以上、または、20以上であってもよい。nの上限は、特に限定されないが、例えば、50以下、20以下、または、10以下であってもよい。R11は、前記化学式(B1)と同様である。また、前述のとおりnが2以上の整数であるため、前記化学式(B5)中にR11は複数存在する。前記化学式(B5)中の各R11は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記成分(B)は、例えば、不飽和結合を有する有機化合物のアルキレンオキシド付加物またはポリアルキレンオキシド付加物であってもよい。前記アルキレンオキシドは、例えば、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの少なくとも一方であってもよい。また前記アルキレンオキシド付加物またはポリアルキレンオキシド付加物はアルコキシ基が結合したアルコキシアルキレンオキシド付加物またはアルコキシポリアルキレンオキシド付加物であっても良い。さらに前記アルキレンオキシド付加物またはポリアルキレンオキシド付加物はビスフェノールA、トリメチロールプロパン、グリセリン等のアルコールにアルキレンオキシドまたはポリアルキレンオキシドが付加した化合物でも良い。前記不飽和結合を有する有機化合物は、例えば、カルボン酸、エポキシ化合物等が挙げられる。前記カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。前記エポキシ化合物としては、例えば、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。
前記成分(B)としては、例えば、公知の単官能モノマー、多官能モノマーが挙げられる。
前記単官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(n>3)、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート(n>3)、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(n>3)、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート(n>3)、等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
前記多官能モノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(n>3)、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(n>3)、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO付加物トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO付加物トリ(メタ)アクリレート、グリセリンEO付加物トリ(メタ)アクリレート、グリセリンPO付加物トリ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
本発明の人工爪原料組成物において、前記成分(B)の含有量は、前述のとおり、前記成分(A)および(B)の全質量に対し、1〜70質量%である。前記(B)の含有量が1%未満であると、硬化した人工爪の除去が困難になる。また、このため、硬化した人工爪の除去時に自爪を傷めるおそれがある。前記(B)の含有量が70%を超えると、例えば、十分な接着性が得られず、短期間で人工爪が自爪から剥がれたり、一部が浮き上がったり(リフト)する等のおそれがある。前記成分(B)の含有量は、前記成分(A)および(B)の全質量に対して、例えば、2質量%以上、3質量%以上、4質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、または20質量%以上であってもよく、50質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、または15質量%以下であってもよい。
また、本発明の人工爪原料組成物において、前記成分(B)は、酸性リン化合物を含んでいても含んでいなくてもよい。すなわち、前記成分(B)は、1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有し、かつ、1分子中に前記不飽和結合1個に対して2個以上のオキシアルキレン基を有するラジカル重合性の酸性リン化合物を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。さらに、本発明の人工爪原料組成物は、全体として、酸性リン化合物を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。本発明の人工爪原料組成物全体における酸性リン化合物の含有率は、前述のとおりである。
[成分(C)]
本発明において、前記成分(C)の光重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、公知の光重合開始剤であってもよい。前記成分(C)の光重合開始剤の具体例としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス−(η6−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム、1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、メチルベンゾイルホルメート、ミヒラーズケトン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、tert−ブチルアントラキノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ジメチルベンジルケタール等、数多く挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。本発明における前記光重合開始剤は、一般に広く利用されている光重合開始剤でも良い。例えば、可視光線を利用する光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(BASF社製、商品名ルシリンTPO)、UVを利用する光重合開始剤としては1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASF社製、商品名イルガキュア184)が広く利用されている。
本発明の人工爪原料組成物において、前記光重合開始剤の含有量は、0.1〜30質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。前記光重合開始剤の含有量が0.1%以上であれば、UVや可視光線で光硬化しやすい。また、前記光重合開始剤の含有量が30%以下であれば、人工爪原料組成物がわずかの光で望ましくない固化を起こす等の問題を防止しやすい。
[成分(A)〜(C)以外の成分(添加物等)]
本発明の人工爪原料組成物は、前記成分(A)〜(C)以外の成分を適宜含んでいても良いし、含んでいなくても良い。例えば、本発明の人工爪原料組成物には、着色、装飾するために、二酸化チタン、べんがら等の金属酸化物系顔料、群青、紺青等の金属錯塩系顔料、カーボンブラック、その他の無機顔料や染料のレーキ顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、縮合多環系顔料、その他の有機顔料、さらには被覆マイカ等のパール顔料、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム細片、その他のラメ素材、各種貝殻粉末、ブロンズ粉、その他の粉末等を配合することができる。また、上記着色顔料に加えて炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン等の体質顔料も填料として、配合することができる。
また、本発明の人工爪原料組成物には、例えば、油脂、高級アルコール、高級脂肪酸、シリコーン油、その他の油性成分、界面活性剤類、香料類、水、エタノールや酢酸エチル等の溶剤類、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、防カビ剤等も添加剤として配合することができる。
[人工爪形成(製造)方法]
本発明の人工爪の形成(製造)方法は、前述のとおり、本発明の人工爪原料組成物に光照射して前記人工爪原料組成物を硬化させる硬化工程を含む。これ以外は、本発明の人工爪の形成(製造)方法は、特に限定されないが、例えば、以下のようにして行うことができる。
すなわち、まず、爪(自爪)に付着する水分、油分を、エタノールを含んだ綿布で除去する。つぎに、本発明の人工爪原料組成物を、マニキュア用ブラシで自爪上に塗布する。人工爪と自爪との密着性を高めるために、本発明の人工爪原料組成物を塗布する前に自爪をやすりのようなものでサンディングしてもよい。
さらに、本発明の人工爪原料組成物を塗布後、光照射して硬化させる。前記光は、特に限定されないが、例えば、可視光でも良いし、紫外線(UV)でも良い。前記光照射用の光源も特に限定されないが、例えば、市販のジェルネイル専用UVランプ、または可視光線照射LEDランプでも良い。前記光源により、前記塗布後の人工爪原料組成物に一定時間光を照射し、前記人工爪原料組成物の塗布層を硬化させることによって、本発明の人工爪を形成させる。光照射時間および照射光の強度等は特に限定されず、例えば、公知の人工爪の形成(製造)方法と同様でもよいし、またはそれに準じて適宜設定してもよい。また、上記塗布と硬化を繰り返して、着色顔料の発色度を高めたり、人工爪の厚さを調整することもできる。
[人工爪除去方法]
本発明の人工爪を除去する方法は、特に限定されないが、例えば、下記のとおりである。すなわち、本発明の人工爪の形成(光硬化)から所望の日数(特に限定されないが、例えば、14日またはそれ以上)後に、前記人工爪表面をファイル(爪用やすり)でこすって傷付ける。その後、アセトンに浸したコットンを前記人工爪上に乗せ、アルミホイル等で包んで揮発を防ぎ、適宜な時間(特に限定されないが、例えば、10分間)、そのまま放置する。これにより、硬化した前記人工爪は膨潤し、自爪から部分的に剥がれる。さらに、自爪上に残った人工爪をスティック状器具等を用いて自爪から剥がす。
以上、説明したように、本発明の人工爪原料組成物(ジェルネイル)によれば、接着剤およびプライマーを用いることなく、自爪との接着性を長期間(特に限定されないが、例えば、14日間またはそれ以上)保てる。また、本発明によれば、接着剤およびプライマーを用いることなく、本発明の人工爪原料組成物のみを爪に塗工した後、紫外線または可視光線等を照射することで、簡便に硬化させ、人工爪を形成させることもできる。さらに、形成させた本発明の人工爪は、例えば、溶剤で容易に除去できることにより、自爪を傷つけずに除去することも可能である。
本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例によりなんら限定されるものではない。
以下の実施例および比較例で使用した化学品は、以下のとおりである。

成分(A):ラジカル重合性不飽和結合を有する化合物
A1:ウレタンアクリレートオリゴマー1(ポリエーテル系)
A2:ウレタンアクリレートオリゴマー2(ポリエステル系)
A3:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
A4:イソボルニルアクリレート
A5:イソボルニルメタクリレート
A6:トリメタクリル酸トリメチロールプロパン
A7:アクリル酸
A8:メタクリル酸
A9:カプロラクトン変性メタクリレートのリン酸エステル
A10:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン

成分(B):1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有し、かつ、1分子中に前記不飽和結合1個に対して2個以上のオキシアルキレン基を有するラジカル重合性化合物
B1:メタクリル酸EO4.5モル付加物
B2:メタクリル酸EO8モル付加物
B3:メタクリル酸PO5モル付加物
B4:メタクリル酸PO8モル付加物
B5:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=4)
B6:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=9)
B7:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=13)
B8:ポリエチレングリコールジメタクリレート(n=9)
B9:ポリプロピレングリコールジアクリレート(n=7)
B10:ポリプロピレングリコールジアクリレート(n=12)
B11:ポリプロピレングリコールジメタクリレート(n=7)
B12:トリメチロールプロパンEO6モル付加物トリメタクリレート
B13:トリメチロールプロパンPO6モル付加物トリメタクリレート
B14:ビスフェノールAのEO9モル付加物ジメタクリレート

(※下記B15は、1分子内に2個のラジカル重合性不飽和結合を有し、かつ、1分子中3個のオキシエチレン基を有する。すなわち、下記B15は、1分子中のオキシアルキレン基の数が、ラジカル重合性不飽和結合1個に対し2個未満であるため、本発明の成分(B)に該当しない。)
B15:トリエチレングリコールジメタクリレート

成分(C):光重合開始剤
C1:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
C2:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
人工爪原料組成物の硬化には、市販のジェルネイル専用LEDランプ(32W、ワールドビューティーワークス社製)を使用した。すべての実施例、比較例での人工爪(人工爪原料組成物の硬化物)は、上記ランプを20秒間照射することによって得られたものである。
実施例1
<人工爪原料組成物の調製>
(A1)67質量部のウレタンアクリレートオリゴマー1、(A3)10質量部の2−ヒドロキシエチルメタクリレート、(A5)8質量部のイソボルニルメタクリレート、(A9)1質量部のカプロラクトン変性メタクリレートのリン酸エステル、(A10)1質量部の3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(B1)8質量部のメタクリル酸EO4.5モル付加物、(C1)2.5質量部の2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、(C2)2.5質量部の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを容量100mlのフラスコに仕込み、フラスコ全体をアルミホイルで包んで光がフラスコ内に入るのを遮断した後、40℃で3時間、撹拌混合し、均一で透明な液体である人工爪原料組成物を得た。得られた人工爪原料組成物は、遮光性のプラスチック容器に格納し、48時間室温で静置し脱泡してから自爪に塗布し、さらに光照射により硬化させて人工爪を形成(製造)した。光照射は、前述のとおり、市販のジェルネイル専用LEDランプ(32W、ワールドビューティーワークス社製)により20秒間光照射した。
実施例2〜7、比較例1
実施例1の成分B1に代えて下記表1に示した成分B2〜B7を用いるか、または成分(B)を用いず、組成を下記表1に示した組成に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で人工爪原料組成物を製造した。これらの人工爪原料組成物に対し、実施例1と同様の条件で、光照射による人工爪原料組成物の硬化を行い、人工爪を形成(製造)した。なお、表1の数値は、質量部を表す。前記質量部は、各実施例または比較例における全成分の合計質量を100質量部として計算した数値である。
Figure 2020132597
[評価判定]
接着性
人工爪の形成(光硬化)から14日後、人工爪の損傷の程度と人工爪の自爪から剥がれた度合いを目視して評価判定した。
○:損傷もほとんどなく、自爪に密着したままである。
△:損傷している部分や自爪からわずかに剥がれている部分がある。
×:損傷が激しく、自爪から剥がれている部分が多い。
除去性
光硬化してから14日後に、人工爪上に1mlのアセトンを含んだ18mm×18mmの綿不織布を置き、アセトンの揮発を防ぐため、綿不織布を載せた人工爪をアルミホイルで包む。10分後にアルミホイルをほどいて、綿不織布を取り除き、膨潤した人工爪を除去するときの難易度を評価判定した。
○:人工爪を自爪から容易に除去できる。
△:人工爪の一部が自爪から除去できない。
×:アセトンでは人工爪の大部分を自爪から除去できない。
上記評価判定の結果を、下記表2に示す。
Figure 2020132597
[評価結果]
前記表2に示すとおり、成分(B)を配合した実施例1〜7の人工爪原料組成物から製造した人工爪は、光硬化してから14日経過しても、自爪に密着したままであり、アセトンで容易に除去されることが確認された。これに対し、成分(B)を含有しない比較例1の人工爪原料組成物を硬化した人工爪は、14日後にアセトンによる除去を行った場合、自爪から剥がすことが困難であった。
実施例8〜14、比較例2
実施例1の成分B1に代えて下記表3に示した成分B8〜B15を用い、組成を下記表3に示した組成に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で人工爪原料組成物を製造した。これらの人工爪原料組成物に対し、実施例1と同様の条件で、光照射による人工爪原料組成物の硬化を行い、人工爪を形成(製造)した。評価結果を下記表4に示す。
Figure 2020132597
Figure 2020132597
前記表4に示すとおり、成分(B)を配合した実施例8〜14の成分(B)の人工爪原料組成物は、光硬化してから14日経過しても、自爪に密着したままであり、アセトンで容易に除去されることが確認された。これに対し、成分(B)を配合せず不飽和結合1当量に対して2当量未満の酸化エチレンを付加したB15を配合した比較例2の場合、硬化した人工爪は、14日後のアセトンによる除去で、自爪から剥がすことが困難であった。
実施例15〜23、比較例3〜5
実施例1の成分に代えて下記表5に示した成分を用い、組成を下記表5に示した組成に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で人工爪原料組成物を製造した。これらの人工爪原料組成物に対し、実施例1と同様の条件で、光照射による人工爪原料組成物の硬化を行い、人工爪を形成(製造)した。評価結果を下記表6に示す。
Figure 2020132597
Figure 2020132597
前記表6に示すとおり、実施例15〜23において、成分(A)を種々変更した人工爪原料組成物でも、成分(B)を2種類以上配合した人工爪原料組成物でも、光硬化してから14日経過後、自爪に密着したままであり、アセトンで容易に除去されることが確認された。これに対し、成分(B)を配合しない比較例3〜4の場合、硬化した人工爪は、14日後のアセトンによる除去で、自爪から剥がすことが困難であった。また、成分(B)を配合しない比較例5の場合、人工爪の接着性が不良で損傷が激しく、除去を行う前に自爪から剥がれてしまったため、除去性試験自体を行うことができなかった。
実施例24〜27、比較例6〜7
実施例1の成分に代えて下記表7に示した成分を用い、組成を下記表7に示した組成に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で人工爪原料組成物を製造した。これらの人工爪原料組成物に対し、実施例1と同様の条件で、光照射による人工爪原料組成物の硬化を行い、人工爪を形成(製造)した。評価結果を下記表8に示す。
Figure 2020132597
Figure 2020132597
前記表8に示すとおり、実施例24〜27において、成分(A)としてアクリル酸、メタクリル酸を配合した人工爪原料組成物でも、成分(B)を配合した人工爪原料組成物の場合は、光硬化してから14日経過後、自爪に密着したままであり、アセトンで容易に除去されることが確認された。これに対し、成分(B)を配合しない比較例6〜7の場合、硬化した人工爪は、14日後のアセトンによる除去で、自爪から剥がすことが困難であった。
以上説明したとおり、本発明によれば、接着剤およびプライマーを用いることなく、人工爪と自爪との接着性を長期間保つことが可能であり、かつ、人工爪を自爪から容易に除去できる。本発明によれば、接着剤およびプライマーを用いる必要がないため、人工爪の形成が簡便で低コストである。また、本発明によれば、人工爪が長期間自爪から剥離することなく接着し続けるため、美しい外観を保つことができる。さらに、本発明では、硬化した人工爪を除去する際に、例えば、人工爪を削ることなく、アセトン等の溶剤で容易に除去できるため、爪(自爪)に対する負担を軽減することができる。

Claims (9)

  1. 下記成分(A)〜(C)を含み、
    下記成分(A)および(B)の全質量中、下記成分(B)の含有率が1〜70質量%であり、かつ、酸性リン化合物の含有率が0〜30質量%であることを特徴とする人工爪原料組成物。
    (A)1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物
    (B)1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有し、かつ、1分子中に前記不飽和結合1個に対して2個以上のオキシアルキレン基を有するラジカル重合性化合物
    (C)光重合開始剤
  2. 前記成分(B)において、前記オキシアルキレン基が、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である請求項1記載の人工爪原料組成物。
  3. 前記成分(B)において、前記オキシアルキレン基が、オキシエチレン基およびオキシプロピレン基の少なくとも一方である請求項1または2記載の人工爪原料組成物。
  4. 前記成分(B)1分子中において、前記オキシアルキレン基が2個以上結合してポリオキシアルキレン基を形成している請求項1から3のいずれか一項に記載の人工爪原料組成物。
  5. 前記成分(B)の含有率が、前記成分(A)および(B)の全質量に対して1〜30質量%である請求項1から4のいずれか一項に記載の人工爪原料組成物。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の人工爪原料組成物に光照射して前記人工爪原料組成物を硬化させる、人工爪原料組成物の硬化方法。
  7. 請求項6記載の硬化方法により前記人工爪原料組成物を硬化させる硬化工程を含む、人工爪の製造方法。
  8. 前記硬化工程に先立ち、前記人工爪原料組成物を爪に塗布する塗布工程をさらに含む、請求項7記載の製造方法。
  9. 下記成分(A)および(B)を含む人工爪原料組成物の共重合体を含み、
    前記人工爪原料組成物において、下記成分(A)および(B)の全質量中、下記成分(B)の含有率が1〜70質量%であり、かつ、酸性リン化合物の含有率が0〜30質量%であることを特徴とする人工爪。
    (A)1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物
    (B)1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有し、かつ、1分子中に前記不飽和結合1個に対して2個以上のオキシアルキレン基を有するラジカル重合性化合物
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