JP2011227265A - 樹脂シートおよび液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 線状光源8、光拡散板10および液晶パネル3がこの順で設置された液晶表示装置1において、光拡散板10を液晶パネル3に近づく方向へ反らせ、その中央部12における反り量Wを、0.1mm〜6.0mmとする。これにより、十分なハンドリング性を維持しつつ、パネルムラの発生防止と、光源隠蔽性の向上とを両立させる。
【選択図】図1
Description
光拡散板や導光板などの光学板は、一般的に、熱成形により形成される高い光透過性を有する光学シート(樹脂シート)からなる。しかしながら、熱成形時の残留歪みに起因して光学シートに反りが発生し、その結果、液晶表示装置を組み立てたときに、光学板と液晶パネルとが接触する不具合がある。光学板と液晶パネルとが接触は、画像ムラ(パネルムラ)などの液晶表示装置の表示特性の低下の原因となる。
本発明の目的は、パネルムラの発生を防止しつつ、光源の隠蔽性を向上させることができる樹脂シートおよび当該樹脂シートを備える液晶表示装置を提供することである。
すなわち、本発明の樹脂シートおよび液晶表示装置は、樹脂シートが、液晶パネルに近づく方向へ凸状な反り(逆反り)を有しており、さらに、その中央部における反り量が0.1mm〜6.0mmであることにより、十分なハンドリング性を維持しつつ、パネルムラの発生防止と、光源隠蔽性の向上とを両立させることができる。
当該設置状態において、樹脂シートの中央部と液晶パネルとの距離が5mm〜10mmであれば、樹脂シートと液晶パネルとの間に少なくとも5mmの間隔が確保される。そのため、樹脂シートと液晶パネルとの間に、拡散フィルム、プリズムフィルム、反射型偏光分離フィルム、位相差フィルム、偏光フィルムなどの光学フィルムを設置することができる。その結果、パネルムラの発生を防止できるだけでなく、液晶表示装置の光学特性を向上させることができる。
さらに、反り量が大きくとも6.0mmに抑えられているので、十分なハンドリング性を維持することもでき、製造効率の低下を抑制することもできる。
液晶表示装置1(液晶テレビ)は、いわゆる直下型液晶ディスプレイであって、バックライトシステム2と、バックライトシステム2の前面に配置された液晶パネル3と、バックライトシステム2と液晶パネル3との間に配置された光学フィルム4とを備えている。なお、図1および図2では、液晶表示装置1を便宜的に、その前側を紙面上側に向けた姿勢で表している。また、以下の図で表される液晶表示装置1、バックライトシステム2、液晶パネル3などの各構成部材の縮尺は、説明の便宜上それぞれ設定されたものであり、全ての構成部材の縮尺が同じであるわけではない。
すなわち、箱状のランプボックス7は、その開放面9の輪郭が四角枠状の側壁6により形成され、側壁6および後壁5により囲まれる空間内に、線状光源8が設けられている。ランプボックス7の後壁5内面には、例えば、線状光源8から後壁5側へ入射する光を、ボックスの開放面9側へ反射させるための反射板(図示せず)が全体に取り付けられている。
隣り合う線状光源8の中心同士の間隔Lは、省電力化の観点から、30mm〜60mmであることが好ましい。また、光拡散板10の背面11おける中央部12(中央部12の詳細は後述する。)と線状光源8の中心との距離Dは、薄型化の観点から、10mm〜20mmであることが好ましい。また、距離Dに対する間隔Lの比率(L/D)は、2.5〜4.0であることが好ましい。とりわけ、間隔Lは、40mm〜55mmであることが好ましく、距離Dは、13mm〜17mmであることが好ましい。また、線状光源8の数は、ランプボックス7のサイズ(液晶表示装置1の画面サイズ)および間隔Lにより必然的に決まるが、例えば、32型の液晶表示装置1では、6〜10本であることが好ましい。なお、図1および図2では、図解し易くするために、線状光源8を5本分だけ表している、
また、線状光源8としては、例えば、蛍光管(冷陰極管)、ハロゲンランプ、タングステンランプなど、公知の筒形ランプを用いることができる。また、バックライトシステム2の光源としては、線状光源8に代えて、発光ダイオード(LED)などの点状光源などを用いることもできる。
図3を参照して、まず、光拡散板10を、その長手方向が水平となるように2点で吊り下げ、その状態で光拡散板10の背面11側に、上下方向(上端14中央−下端15中央間)および左右方向(左端16中央−右端17中央間)に1本ずつ糸18,19を張る。そして、糸18と糸19との交点20から背面11へ向かって下ろした垂線21と光拡散板10とが交わる部分を光拡散板10の中央部12として設定する(つまり、光拡散板10には前面13および背面11のそれぞれに中央部12が存在する。)。反り量Wは、背面11の中央部12と交点20との距離を、定規などで測定することにより求めることができる。このように測定される反り量Wは、0.1mm〜6.0mmであり、好ましくは、1.0mm〜3.0mmである。
また、液晶パネル3は、液晶セル22と、液晶セル22を厚さ方向両側から挟む1対の偏光板23,24とを備えている。このような液晶パネル3は、後側の偏光板24と光拡散板10とが対向するように、バックライトシステム2の前面に配置される。
光学フィルム4としては、特に制限されず、例えば、帯電防止性能を持たない(つまり、帯電防止剤を不含有)フィルムであって、光拡散板10側の面(光拡散板10に対向する面)の表面抵抗値(例えば、JIS K6911準拠)が、例えば1×1013Ω/□以上、好ましくは、1×1013Ω/□〜1×1016Ω/□であるフィルムである。具体的には、上記の表面抵抗値を有する、拡散フィルム、プリズムフィルム、反射型偏光分離フィルム、位相差フィルム、偏光フィルムなどが挙げられる。
プリズムフィルムは、光拡散板10を拡散しながら透過した透過光を法線方向に集光することにより、前面側を高い輝度で照明するものであって、例えば、光拡散板10との対向面とは反対側の面に、微細なプリズムレンズや、微細な凸レンズ、レンチキュラーレンズなどの微細な集光性レンズが全面にわたって設けられたシートなどが挙げられる。プリズムフィルムの市販品としては、例えば、住友スリーエム株式会社製「BEF(Brightness Enhancement Film)」、積水フィルム株式会社製「エスティナ」、GEプラスチック
ス社製「イルミネックスADFフィルム」などが挙げられる。
<光拡散板の構成>
図4は、光拡散板の模式的な斜視図である。図5は、ランプボックスに対する光拡散板(切断線V−Vでの断面)の取り付け状態を示すランプボックスの要部断面図である。なお、図4および図5では、便宜上、光拡散板10を平坦に表している。
光拡散板10における基材層26側の主面(光拡散板10の前面13)には、光拡散板10の1組の対向周縁間に延びるシリンドリカルレンズ形状の半円凸部28が多数筋状に形成されている。
微細な凹凸29の形状は、例えば、表面の粗さで表すことができる。一例として、微細な凹凸29の算術平均粗さRa(例えば、JIS B0601−2001準拠)が、0.8μm〜5.0μmである。また、微細な凹凸29の十点平均粗さRz(例えば、JIS
B0601−2001準拠)が、8.0μm〜30.0μmである。また、微細な凹凸29の平均間隔Rsm(例えば、JIS B0601−2001準拠)が、100μm〜400μmである。
使用可能な透光性樹脂の具体例としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、環状オレフィン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂)などが挙げられる。
また、基材層26の原料として用いられる樹脂(A)と、背面層27の原料として用いられる樹脂(B)とは、同じであっても異なっていてもよい。樹脂(A)と樹脂(B)との組み合わせとして、好ましくは、同種の透光性樹脂の組み合わせが挙げられ、さらに好ましくは、樹脂(A)(B)のいずれにもスチレン系樹脂が含有される組み合わせが挙げられ、とりわけ好ましくは、樹脂(A)(B)のいずれにもスチレン系樹脂が単独で使用される組み合わせが挙げられる。
光拡散剤としては、光拡散板10を構成する透光性樹脂と屈折率が異なり、透過光を拡散できる粒子であれば特に制限されず、例えば、無機系の光拡散剤として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、硝子、タルク、マイカ、ホワイトカーボン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などが挙げられる。これらは、脂肪酸などで表面処理が施されたものであってもよい。
上記光拡散剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
紫外線吸収剤としては、特に制限されず、例えば、サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などが挙げられる。紫外線吸収剤を添加する場合には、透光性樹脂100重量部に対して、紫外線吸収剤を0.1〜3重量部添加することが好ましい。上記した範囲であれば、紫外線吸収剤の表面へのブリードを抑制でき、光拡散板の外観を良好に維持することができる。
さらに、光拡散板10には、必要により、帯電防止剤が透光性樹脂に混合されていてもよいし、その前面13および/または背面11に帯電防止剤がコーティングされていても良い。
<光拡散板(積層樹脂シート)の製造方法>
上記した光拡散板10は、下記の方法により製造された積層樹脂シートを切断することにより作製することができる。
シート製造装置51は、原料樹脂をシート状に押し出して成形するシート成形機52と、押し出された積層樹脂シート53を押圧により成形するための一組の押圧用ロール群54と、押圧用ロール群54で成形された積層樹脂シート53を搬送するための搬送用ロール群55と、送風機56とを備えている。
第1および第2押出機57,58としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機など、公知の押出成形機を用いることができる。第1および第2押出機57,58には、押出機のシリンダ内に樹脂を投入するためのホッパ61,62が取り付けられている。
ダイ60としては、共押出し用のダイであれば特に制限されず、例えば、マルチマニホールドダイなど、公知のダイを用いることができる。
3つの押圧ロール63〜65は、それぞれ円柱状の金属製(例えば、ステンレス鋼製、鉄鋼製など)ロールからなり、各軸線が水平となるように配置されていて、上から順に上ロール63、中間ロール64および下ロール65として、互いの軸線が平行となるように鉛直方向に連続して配置されている。押圧ロール63〜65の回転軸にはそれぞれモータ(図示せず)が接続されていて、上ロール63および下ロール65が時計回りに回転可能であり、中間ロール64が反時計回りに回転可能である。すなわち、押圧ロール63〜65は、上から順に「時計回りに回転可能」、「反時計回りに回転可能」、「時計回りに回転可能」である。これにより、全てのロール63〜65が積層樹脂シート53を挟みこんだ状態で同期回転することができるので、シート成形機52から押し出された積層樹脂シート53の両面75,76に加工を施しながら下方から上方へ搬送し、搬送用ロール群55へと送出することができる。
上ロール63の周面66には、積層樹脂シート53に半円凸部28を形成するための凹版転写型67が取り付けられている。
マット転写型69には、図8に示すように、光拡散板10の背面11の微細な凹凸29とは反対型の微細な凹凸71からなるエンボス形状が、中間ロール64の周面68に多数形成されている。すなわち、マット転写型69の表面は、微細な凹凸71からなるエンボス形状が表面全体わたってほぼ均一に分布しているマット面とされており、その算術平均粗さRaが、例えば、6.0μm〜8.0μmであり、その十点平均粗さRzが、例えば、45.0μm〜50.0μmであり、その平均間隔Rsmが、例えば、120μm〜150μmである。
有機材料としては、加熱溶融状態でダイ60から押し出された直後の積層樹脂シート53に繰り返し押し当てても、転写型の形状を維持できる耐熱性を有していればよく、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状オレフィン重合体樹脂、アルリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、ポリエーテルスルホン樹脂(PES樹脂)、熱可塑性ポリイミド樹脂(PI樹脂)などが挙げられる。
下ロール65の周面70は、例えば、鏡面加工が施されることにより平滑面とされている。
搬送用ロール群55は、上ロール63から剥離して送出された積層樹脂シート53を、上ロール63の上端の高さ位置で支持して搬送するための搬送ロール73を複数有している。
(1)シート製造工程
まず、第1押出機57のホッパ61に基材層26の原料樹脂(A)が投入され、溶融混練された後、フィードブロック59に供給される。一方、第2押出機58のホッパ62に背面層27の原料樹脂(B)が投入され、溶融混練された後、フィードブロック59に供給される。第1押出機57および第2押出機58のシリンダ温度は、例えば、190℃〜250℃に設定される。
(2)転写工程
ダイ60から押し出された積層樹脂シート53は、押圧ロール63〜65で押圧・冷却されることによって成形される。
搬送の際、積層樹脂シート53は、押圧用ロール群54と搬送用ロール群55との間においては送風機56により送風冷却され、搬送用ロール群55においては搬送ロール73により接触冷却される。送風機56の風力は、適宜相対的に増減させ(例えば、弱風、中風、強風を送る。)、搬送ロール73の表面(設定)温度としては、例えば、40℃〜90℃の範囲内で全て同一温度に設定される。
(5)作用効果
以上のように、この液晶表示装置1によれば、光拡散板10は、液晶パネル3との関係においては、液晶パネル3に近づく方向へ凸状となるように反ってはいるが、その中央部12(液晶パネルに最も近い部分)における反り量Wが0.1mm〜6.0mmに抑えられている。そのため、光拡散板10の中央部12と液晶パネル3の背面25との間に5mm〜10mmの距離D´を設けることができる。その結果、光拡散板10と液晶パネル3との接触を防止できるので、パネルムラの発生を防止することができる。しかも、設置状態における光拡散板10の反り量Wが0.1mm〜6.0mmの範囲であれば、液晶表示装置1の使用時における線状光源8の点灯、液晶表示装置1の長期輸送時における周囲の気温上昇などにより、光拡散板10の反り量Wが液晶パネル3へ向かって増加しても、光拡散板10と液晶パネル3との接触を防止することができる。
また、光拡散板10の中央部12と液晶パネル3の背面25との間に5mm〜10mmの距離D´が設けられているため、光拡散板10と液晶パネル3との間に少なくとも5mmの間隔が確保される。そのため、図1および図2に示すように、光拡散板10と液晶パネル3との間に、光学フィルム4を設置することができる。その結果、パネルムラの発生を防止できるだけでなく、液晶表示装置1の光学特性を向上させることができる。
そして、上記した光拡散板10は、例えば、20型(444mm×249mm)〜65型(1428mm×804mm)のランプボックス7のサイズ(液晶表示装置1の画面サイズ)を有する液晶表示装置1に好適に利用することができる。
例えば、本発明の樹脂シートは、光拡散板10のような2層樹脂板に限定されるものではなく、例えば、単層樹脂板、3層以上の層からなる樹脂板であってもよい。
また、光拡散板10の表面形状は、半円凸部28のようなシリンドリカルレンズ形状および微細な凹凸29のようなマット面形状(エンボス仕上げ)に限らず、光拡散板10の光拡散性を向上するために種々の形状に加工されたものであってもよい。また、前面13と背面11の形状は同じであってもよく、異なっていてもよい。
また、上記バックライトシステム2は、液晶ディスプレイ用の面光源装置として好適に用いられるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
<実施例および比較例>
(実施例1)
1.積層樹脂シートの製造装置の構成
図6に示す樹脂シート製造装置51と同様の構成を有する装置を用いた。なお、装置に装着されるポリシングロールとして、以下の(1)〜(3)のロールを準備した。
(1)上ロール
周面に凹版転写型が設けられた金属製ロール(直径:450mm)。すなわち、上ロールの周面には、周方向に一周する断面半円弧状の凹溝が、互いに平行に多数本筋状に形成されている。なお、隣り合う凹溝のピッチPを280μmとし、凹溝の深さHを122μmとした。
(2)中間ロール
周面にマット転写型が設けられた金属製ロール(直径:450mm)。すなわち、中間ロールの周面は、微細な凹凸が多数形成されてなるマット面とされている。なお、微細な凹凸の算術平均粗さRaを6.9μmとし、十点平均粗さRzを46.6μmとし、平均間隔Rsmを92.7μmとした。
(3)下ロール
周面が鏡面加工された金属製ロール(直径:450mm)。
(4)搬送ロール
周面が鏡面加工された金属製ロール(直径:100mm)を26個設けた(それらのうち、上ロールに近い側から数えて10個目までのロールが冷却機能を有している。)。
2.具体的な製造方法
スチレン樹脂(東洋スチレン社製「HRM40」 屈折率1.59 吸水率0.2%)100質量部を、シリンダ内の温度が190〜250℃の第1押出機で溶融混練した後、2層分配型フィードブロックに供給した。また、スチレン樹脂(東洋スチレン社製「HRM40」 屈折率1.59 吸水率0.2%)100質量部を、シリンダ内の温度が190〜250℃の第2押出機で溶融混練した後、上記2層分配型フィードブロックに供給した。
その後、表面温度が一様に45℃に設定された搬送ロールにより冷却しながら搬送し、引取りロールで引き取ることにより、積層樹脂シートを得た。
(実施例2)
中型扇風機による冷却を追加したこと以外は、実施例1と同様の方法・条件により、積層樹脂シートを作製した。具体的には、上ロールから剥離された積層樹脂シートを、搬送ロールで搬送する前に、その下面側から中型扇風機2台で冷却した。
(比較例1)
搬送ロールの表面温度を85℃に設定したこと以外は、実施例1と同様の方法・条件により、積層樹脂シートを作製した。
(比較例2)
大型扇風機および中型扇風機による冷却を追加したこと以外は、実施例1と同様の方法・条件により、積層樹脂シートを作製した。具体的には、上ロールから剥離された積層樹脂シートを、搬送ロールで搬送する前に、その下面側から大型扇風機1台および中型扇風機2台で冷却した。
<評価>
1.試験サンプル(光拡散板)の作製
上記実施例および比較例で作製された各積層樹脂シートを716mm×414mmの大きさに切断することにより、試験サンプルを作製した。作製されたサンプルについて、以下の2〜5の物性測定および評価を実施した。
2.転写率
各サンプルの基材層(樹脂(A)層)側の主面に形成された半円凸部の断面形状を、超深度形状測定顕微鏡(KEYENCE社製「VK−8500」)で観察して、半円凸部の高さH´を測定した。そして、上ロールの周面に形成された凹溝の深さHに対する半円凸部の高さH´の割合を求めることにより、半円凸部の転写率(=H´/H×100(%))を算出した。算出結果を、下記表1に示す。
3.背面層の表面粗さ
(1)算術平均粗さRa
各サンプルの背面層側の主面の算術平均粗さRaを、JIS B0601−2001に準拠して測定した。具体的には、表面粗さ計(Mitutoyo社製「SJ−201P」)を用いて積層樹脂板のマット面の算術平均粗さRaを測定した。なお、表面粗さ計の測定条件は、カットオフ値:0.8×1、測定レンジ:オートに設定した。
(2)十点平均粗さRz
各サンプルの背面層側の主面の十点平均粗さRzを、JIS B0601−2001に準拠して測定した。具体的には、表面粗さ計(Mitutoyo社製「SJ−201P」)を用いてサンプルのマット面の十点平均粗さRzを測定した。なお、表面粗さ計の測定条件は、カットオフ値:0.8×1、測定レンジ:オートに設定した。
(3)凹凸の平均間隔Rsm
各サンプルの背面層側の主面の凹凸の平均間隔Rsmを、JIS B0601−2001に準拠して測定した。具体的には、表面粗さ計(Mitutoyo社製「SJ−201P」)を用いてサンプルのマット面の凹凸の平均間隔Rsmを測定した。なお、表面粗さ計の測定条件は、カットオフ値:0.8×1、測定レンジ:オートに設定した。
4.ランプムラ評価
液晶テレビ(パナソニック社製「LC−32X2」)を分解し、元々設置されていた透光性樹脂シートを各サンプルに置き換えて、再度組み立てることにより、評価用テレビとした。この評価用テレビは、以下の構成を有していた。
・線状光源の数:8本
・隣り合う線状光源の中心同士の間隔L:45mm
・光拡散板と線状光源の中心との距離D:15mm
・距離Dに対する間隔Lの比率(L/D):3.0
そして、その評価用テレビのバックライト(線状光源8本)を点灯させた。この際、パターンジェネレータ(リーダー電子株式会社社製「NTSCパターンジェネレータ LT436」)をテレビに接続し、液晶パネルの画面を白色表示させた。その後、ランプ(線状光源)のイメージが正面から見えるかどうか確認することにより、ランプムラの評価を行なった。結果を表1に示す。表1において、「○」は、液晶パネルの画面を見る角度に関係なくランプイメージが全く見えなかったことを表し、「×」は、液晶パネルの画面をどこから見てもランプイメージが見えたことを表している。
5.パネルムラ評価
4.ランプムラ評価で用いた評価用テレビと同じ構造の評価用テレビを組み立てた。その評価用テレビを、50℃/80%RHの環境下にて、24時間セットした。24時間経過後、25℃/50%RHの暗室環境下にて、1時間放置した後、バックライト(線状光源8本)を点灯させた。そして、バックライト点灯直後から24時間が経過するまで、1時間ごとに正面からパネルムラが発生しているかを目視で確認することにより、パネルムラの評価を行なった。結果を表1に示す。表1において、「○」は、パネルムラが全く見えなかったことを表し、「×」は、パネルムラが見えたことを表している。
6.考察
表1に示すように、実施例1および2では、評価用サンプルが、液晶パネルに近づく方向へ凸状な反り(逆反り)を有しており、さらに、その反り量が0.1mm〜6.0mmであるため、パネルムラおよびランプムラのいずれも発生していないことが確認できた。
3 液晶パネル
8 線状光源
10 光拡散板
12 中央部
Claims (4)
- 画像を表示するための液晶パネルと、前記液晶パネルの後方に配置され、前記液晶パネルに光を照射するための光源とを備える液晶表示装置において、前記液晶パネルと前記光源との間に設置される樹脂シートであって、
当該設置状態において前記液晶パネル側に凸状な反りを有し、その中央部における反り量が0.1mm〜6.0mmであることを特徴とする、樹脂シート。 - 前記設置状態において、前記中央部と前記液晶パネルとの距離が、5mm〜10mmであることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂シート。
- 画像を表示するための液晶パネルと、
前記液晶パネルの後方に配置され、前記液晶パネルに光を照射するための光源と、
前記液晶パネルと前記光源との間に介在された樹脂シートとを備え、
前記樹脂シートは、前記液晶パネル側に凸状な反りを有し、その中央部における反り量が0.1mm〜6.0mmであることを特徴とする、液晶表示装置。 - 前記樹脂シートの前記中央部と前記液晶パネルとの距離が、5mm〜10mmであることを特徴とする、請求項3に記載の液晶表示装置。
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