JP2011226951A - 修飾酵素 - Google Patents
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Abstract
【課題】高活性の脂質修飾酵素を用いて、保存信頼性が高く、しかも基質濃度が0の場合の酸化電流値が低く、基質を高精度で定量することができるバイオセンサを提供することをも目的とする。
【解決手段】脂質性化合物を含む媒体にフラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコースデヒドロゲナーゼおよびムタロターゼを添加して複合体を生成させる工程、生成した複合体を析出させる工程、および析出物を分離乾燥して脂質修飾酵素を得る工程を含むことを特徴とする脂質修飾酵素の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】脂質性化合物を含む媒体にフラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコースデヒドロゲナーゼおよびムタロターゼを添加して複合体を生成させる工程、生成した複合体を析出させる工程、および析出物を分離乾燥して脂質修飾酵素を得る工程を含むことを特徴とする脂質修飾酵素の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、血液および尿などの生体試料中のグルコースを高精度で、迅速かつ容易に定量するためのバイオセンサに関する。
血糖自己測定は、糖尿病患者が通常の自分の血糖値を把握し治療に生かすために重要である。自己測定用の血糖センサにはグルコースを基質とする酵素が利用されている。そのような酵素の例としては例えばグルコースオキシダーゼ(EC 1.1.3.4)が挙げられる。グルコースオキシダーゼはグルコースに対する特異性が高く、熱安定性に優れているという利点を有していることから血糖センサ用酵素として古くから利用されており、その最初の発表は実に40年ほど前に遡る。グルコースオキシダーゼを利用した血糖センサにおいては、グルコースを酸化してD−グルコノ−δ−ラクトンに変換する過程で生じる電子がメディエーターを介して電極に渡されることで測定がなされるが、グルコースオキシダーゼは反応で生じたプロトンを酸素に渡しやすいため溶存酸素が測定値に影響してしまうという問題があった。
このような問題を回避するために、例えばNAD(P)依存型グルコースデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.47)あるいはピロロピノリンキノン依存型グルコースデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.5.2(旧EC1.1.99.17))が血糖センサ用酵素として用いられている。これらは溶存酸素の影響を受けない点で優位であるが、前者のNAD(P)依存型グルコースデヒドロゲナーゼは安定性の乏しさや補酵素の添加が必要という煩雑性がある。一方後者のピロロピノリンキノン依存型グルコースデヒドロゲナーゼは、基質特異性に乏しくマルトースやラクトースといったグルコース以外の糖類にも作用するため、測定値の正確性を損ねる可能性があるという欠点がある。
より実用面において有利な血糖センサ用酵素として、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)依存型グルコースデヒドロゲナーゼ(以下FAD−GDHと略す)が注目されている。本酵素は、グルコースオキシダーゼが溶存酸素と反応するという欠点、NAD(P)依存型グルコースデヒドロゲナーゼが補酵素の添加を必要とするという欠点、ピロロピノリンキノン依存型グルコースデヒドロゲナーゼが基質特異性に乏しいという欠点の全てを克服している。本酵素については、非特許文献1〜4に報告されている。さらに血糖センサへの応用を見据えて、特許文献1〜5に本酵素が開示されている。
血糖センサをはじめとする従来の構成のグルコース測定用バイオセンサでは、酵素とメディエーターとが同一試薬層中に存在するため、試料液が供給されると速やかに反応が開始されるという利点がある。しかしながら、酵素はメディエーターなどの化合物と混在状態で長期間保存されると、その活性が低下し、センサの応答特性が劣化するという問題がある。さらに、基質を含まない試料液に対して酸化電流値が発生するという問題もある。
そこで、酵素とメディエーターを別々の層へ分離させる構成が考えられる。しかし、酵素およびメディエーターはいずれも水溶性であるため、完全な分離状態にすることが困難である。
そこで、酵素とメディエーターを別々の層へ分離させる構成が考えられる。しかし、酵素およびメディエーターはいずれも水溶性であるため、完全な分離状態にすることが困難である。
また、脂質修飾酵素を用いたバイオセンサが特許文献6に開示されている。酵素は、脂質修飾することによって、水に不溶、有機溶媒に可溶となり、水に可溶なメディエーターとは分離した状態で試薬層を形成することができる。このことにより、迅速かつ高い保存信頼性を持ったセンサを提供することができる。しかしながら、現時点で血糖センサ用酵素として最も優れた特性を有することが知られているFAD−GDHに関しては、脂質修飾酵素の知見は得られておらず、高収率で高活性な脂質修飾酵素を得ることは困難であった。
Biochim Biophys Acta.1967;139(2):265−76
Biochim Biophys Acta.1967;139(2):277−93
Biochim Biophys Acta.146(2):317−27
Biochim Biophys Acta.146(2):328−35
本発明は、従来構成のバイオセンサの利点を活かしつつ、上記のような問題点を解決するもので、高活性の脂質修飾酵素を高収率で得る製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、その脂質修飾酵素を用いて、保存信頼性が高く、しかも基質濃度が0の場合の酸化電流値が低く、基質を高精度で定量することができるバイオセンサを提供することをも目的とする。
本発明は、その脂質修飾酵素を用いて、保存信頼性が高く、しかも基質濃度が0の場合の酸化電流値が低く、基質を高精度で定量することができるバイオセンサを提供することをも目的とする。
上記課題を解決するため発明者らは鋭意検討した結果、目的とするレベルで脂質修飾酵素を得ることに成功し、またバイオセンサに適用可能となり、本発明を完成させた。
すなわち本発明は以下の通りである。
[項1]
脂質性化合物を含む媒体にフラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコースデヒドロゲナーゼおよびムタロターゼを添加して複合体を生成させる工程、生成した複合体を析出させる工程、および析出物を分離乾燥して脂質修飾酵素を得る工程を含むことを特徴とする脂質修飾酵素の製造方法。
[項2]
電気絶縁性の基板、前記基板上に形成された作用極および対極を有する電極系、ならびに前記電極系上またはその近傍に形成された試薬層を具備し、試薬層が、脂質性化合物で修飾された、フラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコースデヒドロゲナーゼおよびムタロターゼ複合体とメディエーターとを含むことを特徴とするバイオセンサ。
すなわち本発明は以下の通りである。
[項1]
脂質性化合物を含む媒体にフラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコースデヒドロゲナーゼおよびムタロターゼを添加して複合体を生成させる工程、生成した複合体を析出させる工程、および析出物を分離乾燥して脂質修飾酵素を得る工程を含むことを特徴とする脂質修飾酵素の製造方法。
[項2]
電気絶縁性の基板、前記基板上に形成された作用極および対極を有する電極系、ならびに前記電極系上またはその近傍に形成された試薬層を具備し、試薬層が、脂質性化合物で修飾された、フラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコースデヒドロゲナーゼおよびムタロターゼ複合体とメディエーターとを含むことを特徴とするバイオセンサ。
本発明により、生体試料中のグルコースをより高精度に測定し得るという利点がある。
本発明で用いるFAD−GDHとしては、FAD依存型であれば特に限定されないが、糸状菌由来のFAD−GDHが好ましい。さらに、アスペルギルス属菌由来FAD−GDHが好ましく、アスペルギルス・オリゼ由来FAD−GDHがより好ましい。
アスペルギルス属菌由来FAD−GDHとしては、例えば、特許4292486、特許4348563、WO2004/058958に記載されているものが例示できる。
アスペルギルス属菌由来FAD−GDHとしては、例えば、特許4292486、特許4348563、WO2004/058958に記載されているものが例示できる。
本発明で用いられるムタロターゼとしては、特に限定されないが、オリエンタル酵母工業社製など市販のものが例示できる。
本発明で用いる脂質性化合物としては、好ましくは両親媒性脂質、カチオン性脂質などが挙げられる。
両親媒性脂質としては、例えば、レシチンなどのリン脂質、中性脂質、糖脂質、コール酸などの脂肪酸およびその塩とエステル、胆汁酸およびその塩、サポニン、ジアルキルメチルアンモニウム塩などが例示でき、これらの組み合わせであっても良い。
両親媒性脂質としては、例えば、レシチンなどのリン脂質、中性脂質、糖脂質、コール酸などの脂肪酸およびその塩とエステル、胆汁酸およびその塩、サポニン、ジアルキルメチルアンモニウム塩などが例示でき、これらの組み合わせであっても良い。
脂質修飾酵素の製造方法は、(a)脂質性化合物を含む媒体にFAD−GDHおよびムタロターゼを添加して前記脂質性化合物とFAD−GDHおよびムタロターゼの複合体を生成させる工程、(b)生成した複合体を析出させる工程、および(c)析出物を分離して乾燥して脂質修飾酵素を得る工程を有する。
工程(a)において、脂質性化合物を媒体に分散または溶解させ、脂質分散液または脂質溶液を調製する。このときに用いる媒体としては、例えば水、メタノール、エタノールおよびブタノールなどのアルコール、エチルエーテルなどのエーテル、アセトンなどの有機溶媒、トリス緩衝液、グッドバッファーなどの緩衝液などが挙げられる。なかでも水を用いるのが好ましいが、前記有機溶媒を用いると、生成した脂質修飾酵素が溶解しないため容易に媒体から分離することができる。
次に、FAD−GDHおよびムタロターゼを添加する。このとき、固体粉末状のFAD−GDHおよびムタロターゼを添加する方法、およびFAD−GDHおよびムタロターゼを含む液体を添加する方法のいずれを用いてもよい。ここで、脂質化合物および酵素の混合割合としては、脂質化合物:酵素が重量比で1:0.1〜1:10の範囲であればよい。
ついで、酵素および脂質の複合体を含む液を低温に保ち、酵素と脂質の複合体を析出させる。そして、析出物を分離して水で洗浄した後、乾燥させて粉末状の脂質修飾酵素を得る。このときの乾燥は常温以下の温度雰囲気下で行い、好ましくは凍結乾燥法を用いるのが有効である。
ついで、酵素および脂質の複合体を含む液を低温に保ち、酵素と脂質の複合体を析出させる。そして、析出物を分離して水で洗浄した後、乾燥させて粉末状の脂質修飾酵素を得る。このときの乾燥は常温以下の温度雰囲気下で行い、好ましくは凍結乾燥法を用いるのが有効である。
ムタロターゼは、水溶液中でα−ピラノース型←→鎖状グルコース←→β−ピラノース型となっているグルコースの平衡をβ−ピラノース型(β−D−グルコース)に傾かせる働きがあり、このβ−D−グルコースがグルコースオキシダーゼやグルコースデヒドロゲナーゼの基質となる為、測定感度を高める働きがあることは従来より知られているが、発明者らは、単にFAD−GDHおよびムタロターゼを混合するだけでなく、「脂質性化合物で修飾されたFAD−GDHおよびムタロターゼ複合体」を構築することにより、センサー適用の際にブランク値が低下することを見出した。ブランクが高いと、測定値にばらつきが出る原因になりうる。
このようにして得られる脂質修飾酵素は、有機溶媒に可溶で、水に不溶となる。そのため、バイオセンサに酵素の層を形成する際には、脂質修飾酵素を有機溶媒に溶解して基板の電極上またはその近傍に滴下して乾燥させる方法が簡便である。
一方、水溶性のメディエーターは、その水溶液を所定の場所に滴下し、乾燥して層を形成することができる。したがって、このような方法により、各層を形成すると、脂質修飾酵素を含む層およびメディエーターを含む層をいずれの順序で設けても、それぞれの層に含まれる酵素およびメディエーターが互いの影響を受けることなく、均一な層を形成することが可能である。
本発明のバイオセンサの試薬層は、前述のようにメディエーターを含む。メディエーターとしては、フェリシアン化物塩、p−ベンゾキノンおよびその誘導体、フェナジンメトサルフェート、メチレンブルー、ならびにフェロセンおよびその誘導体などが挙げられる。メディエーターとしては、これらの1種または2種以上を用いることができるが、特に、フェリシアン化物塩を用いることが好ましい。
酸化電流の測定方法としては、測定極と対極のみの二電極方式と、参照電極を加えた三電極方式があり、三電極方式の方が、より正確な測定が可能である。
なお、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
[実施例1]
図1は、本発明によるバイオセンサの一例として実施例で用いたものである。絶縁性基板に作用電極、対向電極、および参照電極を配した電極センサを用いた。本電極センサは、4.0mm×17mmの基板に電極が印刷されている。このセンサの作用電極(面積約1.3mm2)上に試薬層となる溶液を分注、乾燥させた。試薬層を作成した後、絶縁性基板と同じサイズのポリエチレンテレフタレートフィルムを電極上に接着テープにて積層し、図1に示すバイオセンサを完成した。本バイオセンサは、積層により電極とポリエチレンテレフタレートフィルムとの間に約1.3mm3の空間ができており、作用電極近傍の側面をサンプル吸入口(幅約2mm)とすることができる。試料をセンサのサンプル吸入口に接することにより、毛管現象によってすばやく自動的に試薬層の全体に約1.3μL吸引することができる。
図1は、本発明によるバイオセンサの一例として実施例で用いたものである。絶縁性基板に作用電極、対向電極、および参照電極を配した電極センサを用いた。本電極センサは、4.0mm×17mmの基板に電極が印刷されている。このセンサの作用電極(面積約1.3mm2)上に試薬層となる溶液を分注、乾燥させた。試薬層を作成した後、絶縁性基板と同じサイズのポリエチレンテレフタレートフィルムを電極上に接着テープにて積層し、図1に示すバイオセンサを完成した。本バイオセンサは、積層により電極とポリエチレンテレフタレートフィルムとの間に約1.3mm3の空間ができており、作用電極近傍の側面をサンプル吸入口(幅約2mm)とすることができる。試料をセンサのサンプル吸入口に接することにより、毛管現象によってすばやく自動的に試薬層の全体に約1.3μL吸引することができる。
まず、図1の作用電極上にフェリシアン化カリウムの水溶液を滴下し、乾燥させて第1の試薬層を形成した。この第1の試薬層内に含まれるフェリシアン化カリウムの量は1平方センチメートルあたり5μmolであった。次に、第1の試薬層の上に、以下のようにして脂質で修飾した酵素の層を形成した。まず、脂質性化合物で修飾された、フラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコースデヒドロゲナーゼおよびムタロターゼ複合体(以下、脂質修飾酵素と略す。)を以下の方法で作製した。両親媒性脂質(DC−3−12L)10mgと脱イオン水10mlを混合し、超音波洗浄機を用いて脂質を脱イオン水に分散させた。この分散液に、pH7のリン酸ナトリウム緩衝液を50mMになるように添加したのち、FAD−GDH10mgとムタロターゼ10mgを溶解させた。この溶解液を氷浴中で2時間冷却した後、4℃で1.5日間放置し、脂質と酵素の複合体を析出、沈殿させた。この沈殿物を分取し、脱イオン水で洗浄した後に、凍結乾燥機を用いて乾燥させ、粉末状の脂質修飾酵素を得た。このように作製された脂質修飾酵素は、有機溶媒中に凝集することなく容易に分散可能で、しかも水に対しても可溶である。
次に、脂質修飾酵素の粉末をトルエンに溶解し、その溶液を前記第1の試薬層上に滴下し
乾燥させ、第2の試薬層を形成した。このとき、先に形成したフェリシアン化カリウムの層と脂質修飾酵素の層は完全に分離した状態で形成される。この第2の試薬層に含まれる脂質修飾酵素の量は、試薬層1平方センチメートルあたり0.1mgであった。
乾燥させ、第2の試薬層を形成した。このとき、先に形成したフェリシアン化カリウムの層と脂質修飾酵素の層は完全に分離した状態で形成される。この第2の試薬層に含まれる脂質修飾酵素の量は、試薬層1平方センチメートルあたり0.1mgであった。
グルコースを含む試料液が試薬層に供給されると、試料液内のグルコースは、FAD−GDHによって酸化される。そして、これと同時に試薬層中のメディエーターが還元される。
グルコース測定は、センサにポテンシオスタットにて0.3Vの電圧を印加し、約10秒後に試料を吸入することにより行った。計測開始は、試料吸入直後より実施した。ブランクについては、グルコースを含まない試料にて確認した。
グルコース測定は、センサにポテンシオスタットにて0.3Vの電圧を印加し、約10秒後に試料を吸入することにより行った。計測開始は、試料吸入直後より実施した。ブランクについては、グルコースを含まない試料にて確認した。
電流値は、生成したメディエーターの濃度、すなわち試料液中の基質濃度に比例するので、この電流値を測定することにより、試料液のグルコース濃度を求めることができた。
0mM、5mM、10mM、20mM、および40mMのグルコース濃度の試料を用意し、それぞれに対するセンサの応答電流値を測定した結果、応答電流値とグルコース濃度との間には一定の相関性があり、良好な直線性を示した。同様の試験を3回行ったが、いずれも直線性は良好であった。また、ブランク値は3回の試験すべてにおいて0μAであった。
[比較例1〜3]
実施例1において、脂質修飾酵素のかわりに、比較例1として、フラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコースデヒドロゲナーゼおよびムタロターゼの等重量混合物、比較例2として、フラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコースデヒドロゲナーゼのみ、比較例3として、ムタロターゼのみ、を用いて、同様のセンサを作製し、同様の試験を各比較例ごとに3回行った。
実施例1において、脂質修飾酵素のかわりに、比較例1として、フラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコースデヒドロゲナーゼおよびムタロターゼの等重量混合物、比較例2として、フラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコースデヒドロゲナーゼのみ、比較例3として、ムタロターゼのみ、を用いて、同様のセンサを作製し、同様の試験を各比較例ごとに3回行った。
その結果、比較例1においては、直線性は実施例と同程度に良好であり、応答電流値も同程度であったが、ブランク値は、0.41μA、0.26μA、0.16μAを示した。比較例2においては、直線性は実施例と同程度に良好であったが、応答電流値は実施例や比較例1に対して劣り、ブランク値は、0.45μA、0.34μA、0.65μAを示した。比較例3は、全く測定ができなかった。
(比較例1のブランク値:平均0.28μA,標準偏差0.13);比較例2のブランク値:平均0.48μA,標準偏差0.16)
(比較例1のブランク値:平均0.28μA,標準偏差0.13);比較例2のブランク値:平均0.48μA,標準偏差0.16)
以上のように、本発明によれば、血液、尿などの生体試料中に含まれるグルコースを高精度で定量し得るバイオセンサを提供することができる。
Claims (2)
- 脂質性化合物を含む媒体にフラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコースデヒドロゲナーゼおよびムタロターゼを添加して複合体を生成させる工程、生成した複合体を析出させる工程、および析出物を分離乾燥して脂質修飾酵素を得る工程を含むことを特徴とする脂質修飾酵素の製造方法。
- 電気絶縁性の基板、前記基板上に形成された作用極および対極を有する電極系、ならびに前記電極系上またはその近傍に形成された試薬層を具備し、試薬層が、脂質性化合物で修飾された、フラビンアデニンジヌクレオチド依存型グルコースデヒドロゲナーゼおよびムタロターゼ複合体とメディエーターとを含むことを特徴とするバイオセンサ。
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JP2010097771A JP2011226951A (ja) | 2010-04-21 | 2010-04-21 | 修飾酵素 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020518817A (ja) * | 2017-05-04 | 2020-06-25 | シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッドSiemens Healthcare Diagnostics Inc. | 溶解度を低下させた酵素で生産されるバイオセンサ、その生産方法及び使用方法 |
-
2010
- 2010-04-21 JP JP2010097771A patent/JP2011226951A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020518817A (ja) * | 2017-05-04 | 2020-06-25 | シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッドSiemens Healthcare Diagnostics Inc. | 溶解度を低下させた酵素で生産されるバイオセンサ、その生産方法及び使用方法 |
US11733197B2 (en) | 2017-05-04 | 2023-08-22 | Siemens Healthcare Diagnostics Inc. | Biosensors produced from enzymes with reduced solubility and methods of production and use thereof |
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