JP2011226738A - 伝熱媒体及びその製造方法 - Google Patents

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顕生 佐谷野
Tetsuji Kaneko
哲治 金子
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由美子 阿部
Yoshihisa Saito
宣久 斉藤
Shohei Kawano
昌平 川野
Masahito Yamada
雅人 山田
Chikako Iwaki
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Abstract

【課題】伝熱特性、耐食性及び密着強度に優れた伝熱媒体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基材1表面に緻密層2を形成するためのセラミックスの前駆体溶液を塗布した後、前駆体溶液を熱処理して緻密層2とする。更に、セラミックス前駆体組成中に気孔形成用物質を20体積%以上、80体積%以下となるように配合、調製した組成物を用い、緻密層2の上に塗布した後、気孔形成用物質を消失させてポーラス層3を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、加圧水型原子炉(PWR)の熱交換器等に利用可能な伝熱媒体及びその製造方法に関する。
熱交換器における固体伝熱媒体は、温度差のある流体間に存在し、高温側の流体の熱を低温側の流体へ輸送することにより熱交換を図るものである。この熱交換の効率は、固体である伝熱媒体の材質で決まる熱伝導率、低温側の流体と伝熱媒体の界面における熱伝達率、及び高温側の流体と伝熱媒体の界面における熱伝達率の3つの因子によって決定される。このうち、固体伝熱媒体の熱伝導率は、環境温度と伝熱媒体の材質が決まれば一義的に決まる物性値である。
これに対し、低温側の流体と伝熱媒体の界面における熱伝達率、及び高温側の流体と伝熱媒体の界面における熱伝達率は、いずれも流体の材質、伝熱媒体の材質の他に、流体の流速や向き等の流れの状態、及び伝熱媒体の表面性状によっても大きく変わることが知られている。特に、伝熱媒体の表面性状については実用性の高さとそのインパクトの大きさの観点から多くの研究者によって研究がなされてきた。
例えば、特許文献1、2には、伝熱媒体の表面にナノオーダの大きさの孔を有する多孔質層(ナノポーラス層)を形成する手法により、伝熱媒体の表面熱伝達率を著しく向上できることが記載されている。
特開2005−69520号公報 WO2004−033980号公報
しかしながら、上記の手法は、いずれも酸またはアルカリ水溶液中にナノ粒子を分散したエッチング液により金属基材を処理し、金属基材表面を溶かしながらナノ粒子を付着させるものである。
このため、付着したナノ粒子により形成される皮膜の気孔率、気孔径、および膜厚を厳密に制御することは困難である。しかも、金属基材に直接ナノポーラス層を形成しているため、これを伝熱媒体として用いた場合、流体がナノポーラス層中に浸入して金属基材と流体が直接接触することになり、環境によっては金属基材と流体との反応が起こり、十分な耐食性を付与することができない。
さらに、皮膜密着強度についても、ポーラスになる分、金属基材と皮膜の接触面積が減少するため不利になってしまう。
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたものであり、伝熱特性、耐食性及び密着強度に優れるとともに、皮膜の気孔率、気孔径、及び膜厚を厳密に制御することで特性制御が可能な伝熱媒体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、流体の有する熱を効率良く伝達するための固体伝熱媒体表面構造に関して鋭意研究を重ねた結果、基材側から順に緻密な層とポーラスな層とを形成した皮膜を設けることによって、伝熱特性に優れ、かつ耐食性や耐久性にも優れた実用性の高い伝熱媒体を形成できること、及びポーラスな層の気孔率、気孔径、膜厚等を制御することによって特性を厳密に制御できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の伝熱媒体は、固体状の伝熱体である基材上に、気孔率が10%以下の緻密層とその上に形成された気孔率20%以上80%以下のポーラス層との複合層からなる皮膜を設けたことを特徴とするものである。
また、本発明の伝熱媒体の製造方法は、固体状の伝熱体である基材上に、セラミックスの前駆体溶液を塗布した後、前記溶液を熱処理して緻密層を形成する緻密層形成工程と、セラミックスの前駆体組成中に気孔形成用物質を20体積%以上、80体積%以下となるように配合して調製した組成物を前記緻密層の上に塗布した後、前記気孔形成用物質を消失させてポーラス層を形成するポーラス層形成工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の伝熱媒体によれば、伝熱特性、耐食性及び耐久性に優れた実用性の高い伝熱媒体を提供することが可能となる。また、ポーラス層の気孔率、気孔径、膜厚等を制御することによって特性を制御することができる。
また、本発明の伝熱媒体の製造方法によれば、上記の高熱伝達率のコーティング皮膜を安価にかつ高品質で安定的に製造することができる。
本発明に係る伝熱媒体の一実施の形態を示す模式断面図。 本発明に係る伝熱媒体の製造方法の一実施の形態により得られた皮膜断面の電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)写真。 実施例で用いた配管の温度変化を評価する装置を示す模式図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(伝熱媒体10の全体構成)
図1に、本発明に係る伝熱媒体の一実施の形態の模式断面図を示す。
この伝熱媒体10は、固体状の媒体である基材1上に、気孔率が10%以下の緻密層2とその上に形成され気孔率が20%以上80%以下のポーラス層3とからなる皮膜4が設けられており、ポーラス層3中には複数の気孔5が形成されている。
(緻密層2)
緻密層2の気孔率は、10%以下、好ましくは6%以下、最も好ましくは3%以下とする。ここで、気孔率を10%以下としたのは、気孔率が10%より大きい場合には気孔同士がつながってしまい、ポーラス層3の表面を通過する流体が直接基材1と接触してしまうため十分な耐食性が得られなくなるためである。また、基材1と緻密層2の接触面積が減少するため十分な密着強度が得られなくなるためである。
また、緻密層2の膜厚は、0.01μm以上、1μm以下であることが好ましい。緻密層2の膜厚を0.01μm以上としたのは、膜厚が0.01μmより小さい場合には、部分的に被膜の形成されていない部位が生じたり、あるいはわずかな摩耗により皮膜が失われてしまったりするためである。
一方、1μm以下としたのは、膜厚が1μmより厚い場合には密着強度が減少すると同時に、緻密層2自身が熱抵抗となり全体として高伝熱特性を達成できなくなるためである。
ここで、緻密層2の材質は、酸化物セラミックスが好ましい。これは、酸化物セラミックスが様々な流体に対し化学的に安定であると同時に熱的にも安定であるからである。また、高い硬度を有するため、摩耗にも強く様々な環境において高い耐久性を有するからである。
また、緻密層2の材質は、酸化物セラミックスの中でもTiO、ZrO、若しくはZrTiO又はこれらの混合物であることが好ましい。これらは高温水中における耐食性という観点から、特に優れた材質であるからである。TiO、ZrO、ZrTiOは、いずれも結晶質であっても良いし、非晶質であっても良い。また結晶質と非晶質の混合体でも良い。
(ポーラス層3)
一方、ポーラス層3の気孔率は、20%以上80%以下、好ましくは30%以上70%以下、最も好ましくは40%以上60%以下とする。ここで、ポーラス層3の気孔率を20%以上80%以下に限定したのは、気孔率が20%より小さい場合、ナノポーラスな効果が発揮されず、十分な熱伝達率向上が得られないためである。また、気孔率が80%より大きい場合、皮膜自身の強度が弱くなり皮膜が脱離してしまうためである。
また、ポーラス層3の膜厚は、0.1μm以上、100μm以下であることが好ましい。ポーラス層3の膜厚を0.1μm以上としたのは、膜厚が0.1μmより小さい場合には、高熱伝達率を達成するための十分なポーラス層が形成されないため、伝熱向上効果が十分得られなくなるためである。一方、100μm以下としたのは、膜厚が100μmより厚い場合には密着強度が減少すると同時にポーラス層3自身が熱抵抗となり全体として高伝熱特性を達成できなくなるためである。
ここで、ポーラス層3の材質は、酸化物セラミックスが好ましい。これは、酸化物セラミックスが様々な流体に対し化学的に安定であると同時に熱的にも安定であるからである。また、高い硬度を有するため、摩耗にも強く様々な環境において高い耐久性を有するからである。
また、ポーラス層の材質は、酸化物セラミックスの中でもTiO、ZrO、若しくはZrTiO又はこれらの混合物であることが好ましい。これらは高温水中における耐食性という観点から、特に優れた材質であるからである。TiO、ZrO、ZrTiOはいずれも結晶質であっても良いし、非晶質であっても良い。また結晶質と非晶質の混合体でも良い。ここで、緻密層とポーラス層の材質は同じでも良いし、異なっても良い。
(基材1)
伝熱媒体の基材1は金属、特にステンレス鋼が好ましい。これらは、一般的に熱伝導率が高く、複雑な加工が容易にできると同時に強度、コスト等多くの点で実用材料として最も好適であるからである。
(伝熱媒体10の製造方法)
次に、上記のような構造を有する伝熱媒体10の製造方法について説明する。
先ずは、基材1表面に緻密層2を形成するためのセラミックスの前駆体溶液を塗布する。
ここで、セラミックス前駆体としては、例えば、酸化ジルコニウムの前駆体溶液、酸化チタンの前駆体溶液、又はこれらの混合溶液等を使用することができる。酸化ジルコニウムの前駆体溶液としては、ジルコニウムのアルコキシド、アシレート、キレート、塩、ゾル等が挙げられる。酸化チタンの前駆体溶液としては、チタンのアルコキシド、アシレート、キレート、塩、ゾル等が挙げられる。
次に、塗布した前駆体溶液を400℃〜500℃の温度で熱処理してコーティング皮膜を形成して、緻密層2とする。
更に、セラミックス前駆体組成中に気孔形成用物質を配合、調製した組成物を用い、緻密層2の上に塗布して皮膜を形成した後、この皮膜から気孔形成用物質を消失させてポーラス層3を形成する。
気孔を形成するための気孔形成用物質は、組成物を調製する際や皮膜を形成する際においては、粒状の固形状で存在し、気孔を形成する際には後述するように、この物質のみが消失する特性を有するものを用いる。これより、伝熱媒体のコーティング皮膜中に気孔を形成する。
この気孔形成用物質としては、カーボンが好適である。カーボンにはアモルファス、黒鉛、ダイアモンド等が含まれるが、いずれのカーボンも500℃〜600℃程度で大気中の酸素と反応して二酸化炭素となり消失する。従って、気孔形成用物質を含むセラミックス前駆体組成物に対して500℃以上で加熱処理を行うことにより、気孔形成物質を消失させてその跡を気孔とすることができる。
ここで、添加するカーボン粒子の粒径を制御することにより最終的に形成する皮膜中の気孔径を制御することができる。また、カーボン粒子の添加量を制御することにより最終的に形成する皮膜の気孔率を制御することができる。更に、添加するカーボン粒子の形状を制御することにより最終的に形成する皮膜中の気孔形状を制御することができる。
気孔形成用物質であるカーボンの平均一次粒径は、1μm以下が好ましい。1μmより大きくなると、最終的に得られる伝熱媒体皮膜中に形成される気孔径が1μmより大きくなってしまい、流体−伝熱媒体界面において高い熱伝達率が達成できなくなるからである。なお、ここで平均粒径は、例えば、光散乱法、レーザ回折法、電子顕微鏡観察等により測定したものである。
また、前述の皮膜形成では、調製された伝熱媒体組成物を用いて、基材表面に皮膜を形成する。例えば、コーティング組成物をディップコーティング、スプレーコーティング、フローコーティング、スピンコーティング、ロールコーティング等の湿式コーティングにより、基体表面を覆った後、乾燥させて皮膜を形成することができる。乾燥は、常温で放置することにより行っても良いし、加熱して行ってもよく、これらを適宜組み合わせて行うこともできる。
図2に、上述した製造方法により得られた実際のコーティング皮膜断面の電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)写真の一例を示す。
これより、基材上に、約0.1μmの厚さのTiOからなる緻密層と約1μmの厚さのZrTiOからなるポーラス層の2層構造からなる皮膜が形成されていることが分かる。
(伝熱媒体10の効果)
本実施の形態に係る伝熱媒体10は、基材1上に、緻密層2とポーラス層3の2層構造からなる皮膜4が形成されているので、伝熱特性、耐食性及び耐久性に優れた実用性の高い伝熱媒体を提供することが可能となる。
また、ポーラス層3の気孔率、気孔径、膜厚等を制御することによって特性を制御することができる。
従って、流体の関与する熱交換器・システムにおいて、流体と伝熱媒体の界面における熱伝達率を著しく向上させ、伝熱効率を飛躍的に向上させることができる。
以下の実施例及び比較例において、図1に示したように、金属基材1上に、気孔率10%以下の緻密層2とその上に形成された気孔率20%以上80%以下のポーラス層3からなる皮膜4が形成された構造を有する伝熱媒体10を形成して性能を評価した。
伝熱媒体10の性能評価は、内面に緻密層2とポーラス層3とからなるコーティング皮膜4を形成した金属配管に、図3に示したように、水を流通させるためのポンプ(図示せず)と、入口、出口のそれぞれに温度測定のための熱電対7,8を設けた装置を使用し、この金属配管6内にポンプの圧力により水を矢印方向に注入し、入口と出口の温度を熱電対7,8により計測してその温度変化により伝熱特性を評価した。
(実施例1)
外径12mm、内径10mm、長さ500mmのステンレス鋼SUS304の金属配管6内面にTiOのアルコキシ金属塩(溶媒はイソプロピルアルコール)をディッピングにより塗布した後、大気中400℃、30分熱処理することにより配管内面にTiOコーティング皮膜4の緻密層2を形成した。
次に、同じTiOのアルコキシ金属塩(溶媒はイソプロピルアルコール)中に一次粒子系50nmのアモルファスカーボン粒子を配合して分散液とした。このときの配合量は、皮膜4形成後の熱処理でカーボン粒子が酸化消失することにより気孔率が40%形成されるように調合した。具体的には、カーボン粒子0.49gに対し、Ti−アルコキシドのイソプロピルアルコール溶液17.7gを調合した。なお、Ti−アルコキシドのイソプロピルアルコール溶液の固形分はTiOに換算して9.1%である。ここで、カーボン粒子の比重は1.8、TiOの比重は3.9とした。
次に、緻密層2を形成したステンレス鋼SUS304の金属配管6内面に、この分散液をディッピングにより塗布し、塗布後、大気中600℃で1時間熱処理して微細な気孔を有するポーラス層3を形成した。
なお、ディッピングにおいては、ステンレス鋼SUS304の金属配管6内面のみをコーティングするため、外表面はテフロン(登録商標)製テープによりマスキングして実施した。
このときのコーティング皮膜4の膜厚は緻密層2が約0.1μm、ポーラス層3が約1μmで、緻密層2の気孔率は0%、ポーラス層3の気孔率は約40%であった。
コーティングを行ったステンレス鋼SUS304の金属配管6を用いて図3に示した装置構成とし、金属配管6の内部にポンプにより80℃の純水を通過させながら入口と出口の温度を測定することにより金属配管6通過前後の温度変化を測定した。
なお、このときの大気温度は20℃に制御し、また純水流体の流速は1m/sとした。
その結果、緻密層2及びポーラス層3からなる皮膜4を形成した金属配管6は、皮膜4が形成されていない金属配管と比較して熱伝達率が大幅に向上していることが認められた。
(実施例2)
皮膜4の緻密層2の膜厚を0.01μmとした他は実施例1とまったく同じ方法で皮膜4を形成し、実施例1と同じ方法で温度変化を測定した。
その結果、緻密層2及びポーラス層3からなる皮膜4を形成した金属配管6は、皮膜4が形成されていない金属配管と比較して熱伝達率が大幅に向上していることが認められた。
(実施例3)
皮膜4の緻密層2の膜厚を1μmとした他は実施例1とまったく同じ方法で皮膜4を形成し、実施例1と同じ方法で温度変化を測定した。
その結果、緻密層2及びポーラス層3からなる皮膜4を形成した金属配管6は、皮膜4が形成されていない金属配管と比較して熱伝達率が大幅に向上していることが認められた。
(実施例4)
皮膜4のポーラス層3の膜厚を0.1μmとした他は実施例1とまったく同じ方法で皮膜4を形成し、実施例1と同じ方法で温度変化を測定した。
その結果、緻密層2及びポーラス層3からなる皮膜4を形成した金属配管6は、皮膜4が形成されていない金属配管と比較して熱伝達率が大幅に向上していることが認められた。
(実施例5)
皮膜4のポーラス層3の膜厚を100μmとした他は実施例1とまったく同じ方法で皮膜4を形成し、実施例1と同じ方法で温度変化を測定した。
その結果、緻密層2及びポーラス層3からなる皮膜4を形成した金属配管6は、皮膜4が形成されていない金属配管と比較して熱伝達率が大幅に向上していることが認められた。
(実施例6)
皮膜4の材質について、緻密層2とポーラス層3の両方をZrOとした他は実施例1とまったく同じ方法で皮膜4を形成し、実施例1と同じ方法で温度変化を測定した。
その結果、緻密層2及びポーラス層3からなる皮膜4を形成した金属配管6は、皮膜4が形成されていない金属配管と比較して熱伝達率が大幅に向上していることが認められた。
(実施例7)
皮膜4の材質について、緻密層2とポーラス層3の両方をZrTiOとした他は実施例1とまったく同じ方法で皮膜4を形成し、実施例1と同じ方法で温度変化を測定した。
その結果、緻密層2及びポーラス層3からなる皮膜4を形成した金属配管6は、皮膜4が形成されていない金属配管と比較して熱伝達率が大幅に向上していることが認められた。
(実施例8)
皮膜4の材質について、緻密層をTiO、ポーラス層をZrTiOとした他は実施例1とまったく同じ方法で皮膜4を形成し、実施例1と同じ方法で温度変化を測定した。
その結果、緻密層2及びポーラス層3からなる皮膜4を形成した金属配管6は、皮膜4が形成されていない金属配管と比較して熱伝達率が大幅に向上していることが認められた。
(実施例9)
気孔を形成するために添加するカーボンの粒径を100nmとした他は実施例1とまったく同じ方法で皮膜4を形成し、実施例1と同じ方法で温度変化を測定した。
その結果、緻密層2及びポーラス層3からなる皮膜4を形成した金属配管6は、皮膜4が形成されていない金属配管と比較して熱伝達率が大幅に向上していることが認められた。
(実施例10)
気孔を形成するために添加するカーボンの粒径を1μmとした他は実施例1とまったく同じ方法で皮膜4を形成し、実施例1と同じ方法で温度変化を測定した。
その結果、緻密層2及びポーラス層3からなる皮膜4を形成した金属配管6は、皮膜4が形成されていない金属配管と比較して熱伝達率が大幅に向上していることが認められた。
(比較例1)
皮膜4の緻密層2の膜厚を9nm(0.009μm)とした他は実施例1とまったく同じ方法で皮膜4を形成し、実施例1と同じ方法で温度変化を測定した。その結果、皮膜4の形成された管は、測定中にポーラス層3のはがれが生じ測定を行うことができなかった。
(比較例2)
皮膜4の緻密層2の膜厚を2μmとした他は実施例1とまったく同じ方法で皮膜4を形成し、実施例1と同じ方法で温度変化を測定した。その結果、皮膜4の形成された管は、皮膜4が形成されていないものと比較して熱伝達率の向上が認めらなかった。
(比較例3)
皮膜4のポーラス層3の膜厚を0.09μmとした他は実施例1とまったく同じ方法で皮膜4を形成し、実施例1と同じ方法で温度変化を測定した。その結果、皮膜4の形成された管は、皮膜4が形成されていないものと比較して熱伝達率の向上が認めらなかった。
(比較例4)
皮膜4のポーラス層3の膜厚を120μmとした他は実施例1とまったく同じ方法で皮膜4を形成し、実施例1と同じ方法で温度変化を測定した。その結果、皮膜4の形成された管は、測定中に皮膜のはがれが生じ測定を行うことができなかった。
(比較例5)
気孔を形成するために添加するカーボンの粒径を2μmとした他は実施例1とまったく同じ方法で皮膜4を形成し、実施例1と同じ方法で温度変化を測定した。その結果、皮膜4の形成された管は、皮膜4が形成されていないものと比較して熱伝達率の向上が認めらなかった。
1…基材、2…緻密層、3…ポーラス層、4…皮膜、5…気孔、6…金属配管、7…熱電対(流体入口測定用)、8…熱電対(流体出口測定用)

Claims (10)

  1. 固体状の伝熱体である基材上に、気孔率が10%以下の緻密層とその上に形成された気孔率20%以上80%以下のポーラス層との複合層からなる皮膜を設けたことを特徴とする伝熱媒体。
  2. 前記緻密層の膜厚は、0.01μm以上1μm以下であることを特徴とする請求項1記載の伝熱媒体。
  3. 前記緻密層は、TiO、ZrO、若しくはZrTiO又はこれらの混合物である酸化物セラミックスからなることを特徴とする請求項1又は2記載の伝熱媒体。
  4. 前記ポーラス層の膜厚は、0.1μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の伝熱媒体。
  5. 前記ポーラス層は、TiO、ZrO、若しくはZrTiO又はこれらの混合物である酸化物セラミックスからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の伝熱媒体。
  6. 前記基材はステンレス鋼からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の伝熱媒体。
  7. 固体状の伝熱体である基材上に、セラミックスの前駆体溶液を塗布した後、前記溶液を熱処理して緻密層を形成する緻密層形成工程と、
    セラミックスの前駆体組成中に気孔形成用物質を20体積%以上、80体積%以下となるように配合して調製した組成物を前記緻密層の上に塗布した後、前記気孔形成用物質を消失させてポーラス層を形成するポーラス層形成工程と、
    を備えることを特徴とする伝熱媒体の製造方法。
  8. 前記気孔形成用物質はカーボン粉末であることを特徴とする請求項7記載の伝熱媒体の製造方法。
  9. 前記カーボン粉末の平均粒径が1μm以下であることを特徴とする請求項8記載の伝熱媒体の製造方法。
  10. 前記ポーラス層形成工程において、500℃以上の温度で加熱処理を施すことによって前記気孔形成用物質を分解消失させることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項記載の伝熱媒体の製造方法。
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