JP2011226458A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】押圧部材が変位を開始する時期の変動が低減された燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】制御ボディ40は、圧力制御室53、当該制御室53に燃料を流入させる流入口52a、当該制御室53から燃料を流出させる流出口54aを有している。これら流入口52aおよび流出口54aは、圧力制御室53に露出する当接面90に開口している。また圧力制御室53内には、燃料の圧力で当接面90を押圧することにより流入口52aと当該圧力制御室53とを遮断するフローティングプレート70が配置されている。このような燃料噴射装置100において、当接面90を囲む内壁面56aおよびフローティングプレート70の外壁面70aのそれぞれにおいて、互いに接触可能な外周壁面部72および制御壁面部57の少なくとも一方には、これら面部57又は72から離間する方向に窪む凹部57aが形成されることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、供給流路から供給される供給燃料の噴孔からの噴射を制御するために弁部を開閉し、当該制御に伴って供給燃料の一部を戻り流路に排出する燃料噴射装置に関する。
従来、圧力制御室を有する制御ボディと、圧力制御室内の燃料の圧力に応じて弁部を開閉する弁部材と、を備える燃料噴射装置が知られている。このような燃料噴射装置において制御ボディの圧力制御室には、供給流路を流通した燃料が流入する流入口および戻り流路に燃料を排出する流出口が開口している。また、圧力制御室内の燃料の圧力は、流出口と戻り流路との連通および遮断を切り替える圧力制御弁によって制御される。
このような形態の燃料噴射装置では、圧力制御室内の燃料圧力の変動に応じて弁部材が弁部を開閉するので、圧力制御弁による流出口と戻り流路との連通および遮断の切り替えに対して、圧力制御室内の燃料圧力の上昇および下降はすみやかに生じることが望ましい。そこで特許文献1に開示の燃料噴射装置は、圧力制御室内に、当該圧力制御室内を往復変位可能な押圧部材をさらに備えている。この押圧部材は、圧力制御弁によって流出口と戻り流路とが連通すると、圧力制御室から流出口に向かう燃料の流れによって、当該流出口の開口する当接面に吸引されて、当該当接面を押圧する。この押圧部材による当接面の押圧により流入口と圧力制御室および流出口との連通が遮断されることで、圧力制御室内の燃料の圧力はすみやかに下降する。
また、圧力制御弁によって流出口と戻り流路とが遮断されると、流入口から圧力制御室に流入する燃料の流れによって、押圧部材は、当接面から離間する方向に圧力を受けて、変位を開始する。この押圧部材の変位によって、流入口と圧力制御室および流出口とが再び連通状態となることで、圧力制御室内の燃料の圧力はすみやかに上昇する。
このように、圧力制御弁による流出口と戻り流路との連通および遮断の切り替えに応じて押圧部材が往復変位することで、圧力制御室内における燃料圧力のすみやかな上昇および下降の実現が図られている。
欧州特許第1656498号明細書
さて、特許文献1に開示の燃料噴射装置では、圧力制御室内を変位する押圧部材は、当該圧力制御室に露出し当接面を囲んでいる制御ボディの内壁面に接触し得る。押圧部材の外壁面と制御ボディの内壁面のそれぞれにおいて互いに接触可能な部分を接触外壁面部および接触内壁面部とすると、押圧部材の外壁面が制御ボディの内壁面に接触することにより、これら接触外壁面部と接触内壁面部との間に燃料が保持されなくなる。すると、押圧部材が圧力制御室内の燃料から受ける力によって、接触外壁面部は接触内壁面部に張り付こうとする。これにより、押圧部材は、圧力制御室内を円滑に往復変位することができなくなり、圧力制御弁による流出口と戻り流路との連通および遮断の切り替えに対する応答性の悪化を招くおそれがある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、圧力制御弁による流出口と戻り流路との連通および遮断の切り替えに対する押圧部材の応答性を向上させた燃料噴射装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、供給流路(14d)から供給される供給燃料の噴孔(44)からの噴射を制御する弁部(50)を開閉し、当該制御に伴って供給燃料の一部を戻り流路(14f)に排出する燃料噴射装置(100)であって、供給流路(14d)を流通した燃料が流入口(52a)から流入し、戻り流路(14f)へは流出口(54a)を経由して燃料を排出する圧力制御室(53)、圧力制御室(53)に露出し流入口(52a)および流出口(54a)が開口する当接面(90)、および圧力制御室(53)に露出し当接面(90)を囲む内壁面(56a)を有する制御ボディ(40)と、流出口(54a)と戻り流路(14f)との連通および遮断を切り替え、圧力制御室(53)内の燃料の圧力を制御する圧力制御弁(80)と、圧力制御室(53)内の燃料の圧力に応じて、弁部(50)を開閉する弁部材(60)と、圧力制御室(53)内に往復変位可能に配置され、往復変位によって当接面(90)に当接し、圧力制御弁(80)によって流出口(54a)と戻り流路(14f)とが連通すると、当接面(90)を流入口(52a)と圧力制御室(53)との連通を遮断するように押圧し、圧力制御弁(80)によって流出口(54a)と戻り流路(14f)とが遮断されると、当接面(90)の流入口(52a)を圧力制御室(53)へ開放するように変位する押圧部材(70)と、を備え、押圧部材(70)の外壁面(70a)および制御ボディ(40)の内壁面(56a)は、それぞれにおいて互いに接触可能な接触外壁面部(72)および接触内壁面部(57)を有し、接触外壁面部(72)および接触内壁面部(57)の少なくとも一方には、接触内壁面部(57)と接触外壁面部(72)とのうち対応するものから離間する方向に窪む凹部(57a)が形成されることを特徴とする。
この発明によれば、押圧部材の外壁面と制御ボディの内壁面のそれぞれにおいて互いに接触可能な接触外壁面部および接触内壁面部のうち少なくとも一方に形成された凹部には、圧力制御室内の燃料が流入する。この凹部は、流入した圧力制御室内の燃料を保持できる。この凹部に保持された燃料から受ける力によって、接触外壁面部は接触内壁面部から離間する方向に押される。加えて、凹部が接触内壁面部又は接触外壁面部から離間する方向に窪んでいるので、接触内壁面部と接触外壁面部との接触面積は減少する。以上により、押圧部材の外壁面が圧力制御室の内壁面に張り付こうとする力の低減を図り得るので、押圧部材は圧力制御室内を円滑に往復変位することができる。したがって、圧力制御弁による流出口と戻り流路との連通および遮断の切り替えに対する押圧部材の応答性は向上し得る。
請求項2に記載の発明では、制御ボディ(40)の内壁面(56a)は、押圧部材(70)の変位軸に沿った筒面状の接触内壁面部(57)を形成し、押圧部材(70)の外壁面(70a)は、接触内壁面部(57)の径方向において接触内壁面部(57)と対向する接触外壁面部(72)を形成すること特徴とする。
この発明によれば、押圧部材の変位軸に沿った筒状の接触内壁面部、又は当該接触内壁面部の径方向においてこの接触内壁面部と対向する接触外壁面部のうち少なくとも一方に凹部が形成される。この凹部に保持された燃料は、押圧部材の変位軸が当該変位軸と交差する方向である接触内壁面部の径方向にずれを生じた場合に、接触外壁面部を押すこととなる。これにより押圧部材の変位軸のずれが矯正され得る。故に、押圧部材は、接触外壁面部の接触内壁面部への張り付きを抑制され、圧力制御室内を円滑に往復変位することができる。
請求項3に記載の発明では、凹部(57a)は、変位軸に対して点対称な形状であることを特徴とする。この発明によれば、押圧部材の変位軸に対して点対称な形状である凹部に保持された燃料は、当該変位軸を挟んで位置する接触外壁面部に、等しい力で作用させられ得る。故に、押圧部材の変位軸のずれは、さらに矯正され易くなる。したがって押圧部材は、接触外壁面部の接触内壁面部への張り付きを抑制され、圧力制御室内をさらに円滑に往復変位することができる。
請求項4に記載の発明では、凹部(57a)は、変位軸まわりに延びる環状であることを特徴とする。この発明によれば、押圧部材の変位軸まわりに延びる環状の凹部に保持された燃料は、当該変位軸まわりのすべての方向から接触外壁面部に圧力を作用させられ得る。故に、押圧部材は、当該押圧部材の変位軸が当該変位軸と直交する方向にずれを生じた場合であっても、確実にその変位軸のずれが矯正され得る。以上のように、変位軸と直交するすべての方向において当該変位軸のずれが矯正されることで、制御ボディの内壁面に対して当該押圧部材は調心され得る。故に、押圧部材は、接触外壁面部の接触内壁面部への張り付きを確実に抑制され、圧力制御室内を円滑に往復変位することができる。
請求項5に記載の発明では、接触外壁面部(72)は、押圧部材(70)の往復変位によって、接触内壁面部(57)に対して摺動することを特徴とする。
押圧部材の往復変位によって、内壁面の接触内壁面部に対して接触外壁面部が摺動する構成では、当該接触内壁面と当該接触外壁面との間隙は、一般にごく僅かなものとなる。故に、接触内壁面部に対して摺動する接触外壁面は、当該接触内壁面に張り付き易くなり、押圧部材の往復変位を妨げるおそれが高い。このような接触内壁面部に対して接触外壁面部が摺動する形態に本発明を適用することによれば、張り付きを抑制する凹部の作用は、押圧部材の応答性向上に効果的に貢献し得る。したがって、本発明は、接触内壁面部に対して接触外壁面部が摺動する形態の燃料噴射装置に特に好適である。
請求項6に記載の発明では、凹部(357a)は、接触内壁面部(357)および接触外壁面部(372)のうち、少なくとも接触外壁面部(372)に形成されることを特徴とする。
この発明によれば、凹部を押圧部材の接触外壁面部に形成することで、当該押圧部材の変位にかかわらず、凹部は接触外壁面部と接触内壁面部との間に燃料を保持し続けられる。故に、押圧部材の外壁面が圧力制御室の内壁面部に張り付こうとする力を低減する作用は、さらに確実に発揮され得る。
請求項7に記載の発明では、内壁面(456a)は、押圧部材(270)の変位軸に沿う方向において当接面(90)と対向する接触内壁面部(458)を形成し、外壁面(270a)は、変位軸に沿う方向において接触内壁面部(458)と対向し、押圧部材(270)の当接面(90)から離間する方向への変位により当該接触内壁面部(458)と接触することで当該押圧部材(270)の変位を規制する接触外壁面部(278)を形成することを特徴とする。
この発明によれば、押圧部材の変位軸に沿う方向において当接面と対向する接触内壁面部、又は当該変位軸に沿う方向において当該接触内壁面部と対向する接触外壁面部のうちの少なくとも一方に凹部が形成される。この凹部に保持された燃料は、当接面から離間する方向への押圧部材の変位を規制するため接触内壁面部を接触させている接触外壁面部を、当接面側に向けて押すこととなる。故に、押圧部材は、接触外壁面部の接触内壁面部への張り付きを抑制されるので、圧力制御弁による流出口と戻り流路とが連通すると、すみやかに接触外壁面部を接触内壁面部から離間させられ得る。これにより押圧部材は、円滑に変位を開始することができるので、応答性の向上が図られる。
請求項8に記載の発明では、凹部(558a)は、接触外壁面部(278)および接触内壁面部(558)のうち一方が他方に線接触するように、当該一方に形成されることを特徴とする。
この発明によれば、凹部の形成によって、接触外壁面部および接触内壁面部のうち一方が他方に線接触する形態では、接触外壁面部および接触内壁面間の接触面積は、小さくなる。故に、接触外壁面部の接触内壁面部への張り付き力は、低減される。以上により、押圧部材は、流出口と戻り流路とが連通すると、すみやかに接触外壁面部を接触内壁面部から離間させ、変位を開始できる。したがって、押圧部材の応答性は、確実に向上する。
請求項9に記載の発明では、凹部(558a)は、接触内壁面部(558)が接触外壁面部(278)に線接触するように、当該接触内壁面部(558)に形成されることを特徴とする。
この発明によれば、接触外壁面部および接触内壁面部のうち一方が他方に線接触する形態では、線接触する部分に応力が集中し易い。そのため、接触外壁面部および接触内壁面部のうち、凹部の形成される一方は、高い強度が確保されなければならない。故に、線接触を実現させるために形成される凹部は、円滑な変位を実現するために質量を抑えなければならない押圧部材よりも、強度確保の容易な制御ボディの接触内壁面部に形成されるのが好適なのである。
請求項10に記載の発明では、制御ボディ(540)において接触内壁面部(558)を支持する支持部(558b)は、変位軸に沿う縦断面の幅が当該変位軸に沿って弁部材(60)側に向かうほど広くなることを特徴とする。
この発明によれば、接触内壁面部を支持する支持部の縦断面における幅を、変位軸に沿って弁部材側に向かうほど広くすることにより、当該支持部によって支持される接触内壁面部の線接触する部分は、高い強度を維持し得る。これにより接触内壁面部は、長期に亘る使用においても、接触外壁面部と確実に線接触し続けられる。したがって、高い信頼性を維持しつつ、応答性の向上が図られた燃料噴射装置が実現する。
請求項11に記載の発明では、接触内壁面部(558)において接触外壁面部(278)に線接触する部分は、当該接触内壁面部(558)の外縁よりも内縁に近接していることを特徴とする。
この発明によれば、接触外壁面部に線接触する部分を接触内壁面部の外縁よりも内縁に近接して設けることにより、接触外壁面部と接触内壁面部との接触面積は、さらに小さくなる。これにより、接触外壁面部の接触内壁面部への張り付き力は、さらに低減される。以上により、押圧部材は、接触内壁面部から接触外壁面部をさらにすみやかに離間させ、変位を開始できるようになる。したがって、押圧部材の応答性は、より確実に向上する。
請求項12に記載の発明では、凹部(458a)は、変位軸に対して点対称な形状であることを特徴とする。この発明によれば、押圧部材の変位軸に対して点対称な形状である凹部に保持された燃料は、接触外壁面部のうち当該変位軸を挟んで位置する部分に、当接面側に向けて押す力を均しく作用させられ得る。故に、接触外壁面部が接触内壁面部から離間するに際して、押圧部材の変位軸の方向は正しい方向のまま維持され易い。このように、押圧部材の変位軸の傾きを抑制する作用の発揮によれば、押圧部材は当接面に向かって円滑に変位し得る。したがって、押圧部材の応答性の向上が図られ得る。
請求項13に記載の発明では、凹部(458a)は、変位軸まわりに延びる環状であることを特徴とする。この発明によれば、押圧部材の変位軸まわりに延びる環状の凹部に保持された燃料は、当該変位軸まわりの全周に亘り、接触外壁面部の接触内壁面部への張り付きを抑制できる。故に、接触外壁面部が接触内壁面部から離間するに際して、押圧部材の変位軸の傾きを抑制する作用は、さらに確実に発揮され得る。以上により、当接面に向かう押圧部材の円滑な変位は、さらに確実なものとなる。したがって、押圧部材のさらなる応答性の向上が図られ得る。
請求項14に記載の発明では、押圧部材(70)は、円盤状であり、当該押圧部材(70)の変位軸方向の端面(73a)によって当接面(90)を押圧し、当該当接面(90)に当接することで圧力制御室(53)と流出口(54a)とを連通する連通孔(71)を有し、連通孔(71)は、端面(73a)において径方向の中央部から変位軸方向に沿って延伸することを特徴とする。
この発明によれば、押圧部材の変位軸方向に沿って延伸する連通孔を流通する燃料は、変位軸方向の力を押圧部材に作用させる。加えて、この連通孔が変位軸方向の端面において径方向の中央部に位置しているので、連通孔を流通する燃料による力は、押圧部材の端面においてその径方向の中央部に作用する。以上によれば、接触内壁面部が押圧部材の変位軸に沿った形状である場合においては、連通孔を流通する燃料による力が接触外壁面を接触内壁面に接触させるよう押圧部材に作用する事態を未然に防ぎ得る。また、接触内壁面部が当接面と対向する形状である場合においては、連通孔を流通する燃料による力は、押圧部材の変位軸の方向を正しい方向に維持したまま、接触内壁面部から接触外壁面部が離間するよう当該押圧部材に作用し得る。したがって、押圧部材の円滑な変位はさらに確実なものとなる。
さらに、押圧部材の変位軸の方向を正しい方向に維持できる請求項14に記載の発明を、接触外壁面部の接触内壁面部への張り付き力を低減できる請求項7に記載の構成と組み合わせることによれば、押圧部材の円滑な変位は、いっそう確実なものとなる。これにより弁部材は、より確実に応答性が向上する。
請求項15に記載の発明では、制御ボディ(40)は、当接面(90)を形成する弁ボディ部材(46)と、弁ボディ部材(46)とともに圧力制御室(53)を区画し、内周側の壁面に接触内壁面部(57)を形成する円筒部材(56)と、を有することを特徴とする。
この発明のように、制御ボディは、当接面を形成する弁ボディ部材と、当該弁ボディ部材とともに圧力制御室を区画する円筒部材とを有する形態であってもよい。このように内周側の壁面に接触内壁面部を形成する円筒部材を制御ボディにおいて個別の構成とすることで、凹部を接触内壁面部に形成する形態においては、当該凹部の加工は容易になり得る。したがって、押圧部材の応答性の向上が図られた燃料噴射装置を確実に実現することに、請求項15に記載の発明は貢献し得る。
本発明の第一実施形態による燃料噴射装置を備える燃料供給システムの構成図である。 本発明の第一実施形態による燃料噴射装置の縦断面図である。 本発明の第一実施形態による燃料噴射装置の特徴部分近傍を拡大した図である。 本発明の第一実施形態による燃料噴射装置の特徴部分をさらに拡大した図である。 図4の変形例を示す図である。 図5の変形例を示す図である。 図5の別の変形例を示す図である。 図7の変形例を示す図である。 図8の変形例を示す図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による燃料噴射装置100が用いられた燃料供給システム10を、図1に示す。尚、本実施形態の燃料噴射装置100は、内燃機関であるディーゼル機関20の燃焼室22内に向けて直接的に燃料を噴射する、所謂、直接噴射式燃料供給システムである。
燃料供給システム10は、フィードポンプ12、高圧燃料ポンプ13、コモンレール14、機関制御装置17、および燃料噴射装置100等から構成されている。
フィードポンプ12は、電動式のポンプであって、燃料タンク11内に収容されている。フィードポンプ12は、燃料タンク11内に貯留されている燃料に、この燃料の蒸気圧よりも高圧であるフィード圧を与える。このフィードポンプ12は、高圧燃料ポンプ13に燃料配管12aによって接続されており、所定のフィード圧を与えた液相状態の燃料をこの高圧燃料ポンプ13に供給する。尚、燃料配管12aには、調圧弁(図示しない)が設けられており、当該調圧弁によって高圧燃料ポンプ13に供給される燃料の圧力は所定値に保たれる。
高圧燃料ポンプ13は、ディーゼル機関に取り付けられて、当該ディーゼル機関の出力軸からの動力によって駆動される。高圧燃料ポンプ13は、コモンレール14に燃料配管13aによって接続されており、フィードポンプ12によって供給された燃料にさらに圧力を加えて、当該コモンレール14に供給する。加えて、高圧燃料ポンプ13は、機関制御装置17と電気的に接続された電磁弁(図示しない)を有している。この電磁弁の機関制御装置17による開閉の制御によって、高圧燃料ポンプ13からコモンレール14に供給される燃料の圧力は所定の圧力に制御される。
コモンレール14は、クロム・モリブデン鋼等の金属材料からなる管状の部材であり、ディーゼル機関のバンクあたりの気筒数に応じた複数の分岐部14aが形成されている。これら複数の分岐部14aは、供給流路14dを形成する燃料配管によって、それぞれ燃料噴射装置100に接続されている。また、燃料噴射装置100と高圧燃料ポンプ13とは、戻り流路14fを形成する燃料配管によって接続されている。以上の構成によりコモンレール14は、高圧燃料ポンプ13によって高圧な状態で供給された燃料を一時的に蓄え、圧力を保持したまま複数の燃料噴射装置100に供給流路14dを介して分配する。加えて、コモンレール14は、軸方向の両端部のうち、一方の端部にコモンレールセンサ14bを、他方の端部に圧力レギュレータ14cを有している。コモンレールセンサ14bは、機関制御装置17に電気的に接続されており、燃料の圧力および温度を検出して当該機関制御装置17に出力する。圧力レギュレータ14cは、コモンレール14内の燃料の圧力を一定に保持するとともに、余剰分の燃料を減圧して排出する。この圧力レギュレータ14cを通過した余剰分の燃料は、コモンレール14と燃料タンク11との間を接続する燃料配管14e内の流路を介して、当該燃料タンク11へ戻される。
燃料噴射装置100は、コモンレール14の分岐部14aを通じて供給される圧力の高められた供給燃料を噴孔44から噴射する装置である。具体的に、燃料噴射装置100は、供給流路14dを介して高圧燃料ポンプ13から供給される供給燃料の噴孔44からの噴射を、機関制御装置17からの制御信号に応じて制御する弁部50を備えている。加えて、この燃料噴射装置100において、供給流路14dから供給された供給燃料の一部であって、噴孔44からの噴射されなかった余剰分の燃料は、燃料噴射装置100と高圧燃料ポンプ13との間を連通する戻り流路14fに排出され、高圧燃料ポンプ13へと戻される。この燃料噴射装置100は、ディーゼル機関20の燃焼室22の一部であるヘッド部材21の挿入孔に挿入されて、取り付けられている。燃料噴射装置100は、ディーゼル機関20の燃焼室22毎に複数配置され、当該燃焼室22内に向け直接的に燃料を、具体的には160から220メガパスカル(MPa)程度の噴射圧力で噴射する。
機関制御装置17は、マイクロコンピュータ等によって構成されている。この機関制御装置17は、上述したコモンレールセンサ14bに加えて、ディーゼル機関20の回転速度を検出する回転速度センサ、スロットル開度を検出するスロットルセンサ、吸入吸気量を検出エアフローセンサ、過給圧を検出する過給圧センサ、冷却水温を検出する水温センサ、および潤滑油の油温を検出する油温センサ等、種々のセンサと電気的に接続されている。機関制御装置17は、これらの各センサからの情報に基づいて、高圧燃料ポンプ13の電磁弁および各燃料噴射装置100の弁部50の開閉を制御するための電気信号を、高圧燃料ポンプ13の電磁弁および各燃料噴射装置100に出力する。
次に、燃料噴射装置100の構成について、図2〜図4に基づいて説明する。
燃料噴射装置100は、制御弁駆動部30、制御ボディ40、ノズルニードル60、スプリング76、およびフローティングプレート70を備えている。
制御弁駆動部30は、制御ボディ40内に収容されている。この制御弁駆動部30は、ターミナル32、ソレノイド31、固定子36、可動子35、スプリング34、およびバルブシート部材33を有している。ターミナル32は、導電性を備える金属材料によって形成され、延伸方向の両端部のうち、一方の端部を制御ボディ40から外部に露出させているとともに、他方の端部をソレノイド31と接続させている。ソレノイド31は、螺旋状に巻設されており、ターミナル32を介して機関制御装置17からのパルス電流の供給を受ける。ソレノイド31は、この電流の供給を受けることで、軸方向に沿って周回する磁界を発生させる。固定子36は、磁性材料によって形成された円筒状の部材であって、ソレノイド31によって発生された磁界内で帯磁する。可動子35は、磁性材料によって形成される二段円柱状の部材であって、固定子36の軸方向先端側に配置されている。可動子35は、帯磁した固定子36によって軸方向基端側に吸引される。スプリング34は、金属製の線材を周回状に巻設したコイルスプリングであって、可動子35を固定子36から離間させる方向に付勢している。バルブシート部材33は、制御ボディ40の後述する制御弁座部47aとともに圧力制御弁80を形成している。バルブシート部材33は、可動子35の軸方向において固定子36とは反対側に設けられて、制御弁座部47aに着座する。ソレノイド31による磁界の形成の無い場合、バルブシート部材33は、スプリング34の付勢力によって制御弁座部47aに着座している。ソレノイド31によって磁界が形成された場合、バルブシート部材33は、制御弁座部47aから離座する。
制御ボディ40は、ノズルボディ41、シリンダ56、バルブボディ46、ホルダ48、リテーニングナット49を有している。これらノズルボディ41、バルブボディ46、およびホルダ48は、ヘッド部材21(図1参照)への挿入方向先端側から、この順で並んでいる。この制御ボディ40には、流入路52、流出路54、圧力制御室53、圧力制御室53に露出する当接面90および内壁面56aを有している。流入路52は、高圧燃料ポンプ13およびコモンレール14等と繋がる供給流路14d(図1参照)側に連通しており、当該流入路52の流路端である流入口52aを当接面90に開口させている。また、流出路54は、高圧燃料ポンプ13と繋がる戻り流路14f(図1参照)側に連通しており、当該流出路54の流路端である流出口54aを当接面90に開口させている。圧力制御室53は、シリンダ56等によって区画され、供給流路14d(図1参照)を通過した燃料が流入口52aから流入し、戻り流路14f(図1参照)に流出口54aを経由して燃料を排出する。
ノズルボディ41は、クロム・モリブデン鋼等の金属材料よりなる有底円筒状の部材である。このノズルボディ41は、ノズルニードル収容部43、弁座部45、および噴孔44を有している。ノズルニードル収容部43は、ノズルボディ41の軸方向に沿って形成され、ノズルニードル60を収容する円筒穴である。このノズルニードル収容部43には、高圧燃料ポンプ13およびコモンレール14(図1参照)から高圧な燃料が供給される。弁座部45は、ノズルニードル収容部43の底壁に形成されて、ノズルニードル60の先端と接触する。噴孔44は、弁座部45を挟んでバルブボディ46とは反対側に位置し、ノズルボディ41の内側から外側に向けて放射状に複数形成されている。この噴孔44を通過することで、高圧な燃料は、微粒化および拡散して空気と混合し易い状態となる。
シリンダ56は、金属材料よりなり、バルブボディ46およびノズルにニードル60とともに圧力制御室53を区画する円筒状の部材である。シリンダ56は、ノズルニードル収容部43内に、当該ノズルニードル収容部43と同軸となるように配置されている。このシリンダ56において、バルブボディ46側となる軸方向の端面がバルブボディ46に保持されている。このシリンダ56の内壁面56aは、制御壁面部57およびシリンダ摺動面部59を形成している。制御壁面部57は、シリンダ56の軸方向においてバルブボディ46側に位置し、当接面90を囲っている。シリンダ摺動面部59は、シリンダ56の軸方向においてバルブボディ46とは反対側に位置し、ノズルニードル60をその軸方向に沿って摺動させる。また、シリンダ56の内径は制御壁面部57からシリンダ摺動面部59に向かって縮径されている。
バルブボディ46は、クロム・モリブデン鋼等の金属材料よりなり、ノズルボディ41とホルダ48との間で保持されている円柱状の部材である。このバルブボディ46は、制御弁座部47a、当接面90、流出路54、および流入路52を形成している。制御弁座部47aは、バルブボディ46の軸方向の両端面のうち、ホルダ48側の端面に形成され、制御弁駆動部30のバルブシート部材33等とともに圧力制御弁80を構成している。また、当接面90は、バルブボディ46のノズルボディ41側の端面の径方向中央部に形成されている。この当接面90は、円筒状のシリンダ56によって囲まれて円形をなしている。流出路54は、この当接面90の径方向中央部から、制御弁座部47aに向って延びている。この流出路54は、バルブボディ46の軸方向に対して傾斜している。流入路52は、当接面90において流出路54の径方向外側から、制御弁座部47aを形成する端面に向って延びている。この流入路52は、バルブボディ46の軸方向に対して傾斜している。
さらにバルブボディ46は、当接面90から窪み流出口54aを形成する流出凹部97を有している。また、バルブボディ46は、当接面90から窪み流入口52aを形成する流入凹部94を有している。流出凹部97は、当接面90の径方向中央部において円状に窪んでいる。流入凹部94は、当接面90において流出凹部97の径方向外側に位置し、流出凹部97と同心で円環状に窪んでいる。これら流出凹部97および流入凹部94は、互いに独立している。
ホルダ48は、クロム・モリブデン鋼等の金属材料よりなる筒状の部材であって、軸方向に沿って形成される縦孔48a,48b、およびソケット部48cを有している。縦孔48aは、供給流路14d(図1参照)と流入路52とを連通する燃料流路である。一方、縦孔48bのバルブボディ46側には制御弁駆動部30が収容されている。加えて、縦孔48bのバルブボディ46とは反対側には、縦孔48bの開口を閉塞するようソケット部48cが形成されている。このソケット部48cは、内部に制御弁駆動部30のターミナル32の一端が突出しており、機関制御装置17と接続されたプラグ部(図示しない)と嵌合自在である。このソケット部48cと図示しないプラグ部との接続によれば、機関制御装置17から制御弁駆動部30へのパルス電流の供給が可能となる。
リテーニングナット49は、金属材料よりなる二段円筒状の部材である。リテーニングナット49は、ノズルボディ41の一部およびバルブボディ46を収容しつつ、ホルダ48のバルブボディ46側に螺合されている。加えて、リテーニングナット49は、内周壁部で段差部49aを形成している。この段差部49aは、リテーニングナット49のホルダ48への取り付けによって、ノズルボディ41およびバルブボディ46をホルダ48側に押し付ける。これにより、リテーニングナット49は、ノズルボディ41およびバルブボディ46を、ホルダ48とともに挟持している。
ノズルニードル60は、高速度工具鋼等の金属材料よって全体として円柱状に形成されて、シート部65、受圧面61、スプリング収容部62、ニードル摺動部63、および鍔部材67を有している。シート部65は、ノズルニードル60の軸方向の両端部のうち、圧力制御室53とは反対側となる端部に形成されて、制御ボディ40の弁座部45に着座する。このシート部65は、ノズルニードル収容部43内に供給される高圧な燃料の噴孔44への連通および遮断を切り替える弁部50を弁座部45とともに構成している。受圧面61は、ノズルニードル60の軸方向の両端部のうち、シート部65とは反対側となる、圧力制御室53側の端部によって形成されている。この受圧面61は、当接面90および制御壁面部57とともに圧力制御室53を区画しており、当該圧力制御室53内の燃料の圧力を受ける。スプリング収容部62は、受圧面61の径方向中央部にノズルニードル60と同軸に形成される円筒穴である。このスプリング収容部62は、スプリング76の一部を収容している。ニードル摺動部63は、ノズルニードル60の円柱状の外周壁のうち、制御壁面部57よりも受圧面61側に位置する部分である。このニードル摺動部63は、シリンダ56の内周壁によって形成されるシリンダ摺動面部59に対して摺動自在に支持されている。鍔部材67は、ノズルニードル60の外周壁部に外嵌され、当該ノズルニードル60に保持される環状の部材である。
このノズルニードル60は、リターンスプリング66によって弁部50側に付勢されている。リターンスプリング66は、金属製の線材を周回状に巻設したコイルスプリングである。リターンスプリング66は、軸方向の一端を鍔部材67の圧力制御室53側の面に、他端をシリンダ56の弁部側の端面に、それぞれ着座させている。以上の構成によるノズルニードル60は、受圧面61の受ける圧力制御室53内の燃料の圧力に応じてシリンダ56に対してシリンダ56の軸方向に直線状に往復変位することで、シート部65を弁座部45に着座および離座させ、弁部50を開閉する。
フローティングプレート70は、金属材料よりなる円盤状の部材であって、外壁面70aにより押圧面部73および外周壁面部72を形成している。このフローティングプレート70は、圧力制御室53内に往復変位可能に配置されており、軸方向がシリンダ56の軸方向に沿っている。加えて、フローティングプレート70は、シリンダ56と同軸上に配置され、軸方向に変位する。このフローティングプレート70の変位する方向に沿う軸
(以下、変位軸)方向の両端面73a,77aのうち、当接面90と当該変位軸方向において対向する端面73aは、押圧面部73を形成している。押圧面部73は、フローティングプレート70の往復変位によって当接面90に当接する。この押圧面部73と変位軸方向において反対側となるフローティングプレート70の端面77aは、圧力制御室53内の燃料によって、当接面90に向かう方向に力を受ける。加えてこの端面77aには、スプリング76の一端が着座している。以上の端面73a,77a間を連続させている外周壁面部72は、フローティングプレート70の外壁面70aにおいて変位軸まわりに位置する面部であって、当該プレート70の変位軸方向に沿って形成されている。この外周壁面部72は、変位軸と直交する方向において制御壁面部57と対向しており、シリンダ56に対してフローティングプレート70が同軸に位置した状態では、制御壁面部57との間に燃料が流通可能な隙間を形成している。これら外周壁面部72および制御壁面部57間の隙間を通して、フローティングプレート70に対して当接面90側となる圧力制御室53の空間に流入した燃料が、当該プレート70に対して受圧面61側となる圧力制御室53の空間に流通する。
また、フローティングプレート70の押圧面部73の径方向の中央部からは、連通孔71が当該フローティングプレート70の変位軸方向に沿って延伸している。連通孔71は、フローティングプレート70の押圧面部73押圧面部73が当接面90に当接している際に、圧力制御室53と流出路54とを連通させる燃料流路となる。この連通孔71は、絞り部71aおよび連通凹部71bを具備している。絞り部71aは、連通孔71の流路面積を絞り、当該連通孔71を流れる燃料の流量を調整する。この絞り部71aは、フローティングプレート70の軸方向の両端面73a,77aのうち、受圧面61と対向する端面77aよりも、当該押圧面を形成する端面73aに近接している。また、連通凹部71bは連通孔71の一対の開口のうち、端面77aの開口を拡大している。一方、変位軸方向において、押圧面部73押圧面部73と反対側となる端面77aは、スプリング76によって付勢されている。
スプリング76は、金属製の線材を周回状に巻設したコイルスプリングである。スプリング76の軸方向の一端は、フローティングプレート70の端面77aに着座している。またスプリング76の軸方向の他端は、ノズルニードル60のスプリング収容部62に収容されている。スプリング76は、フローティングプレート70およびノズルニードル60間に、これらと同軸且つ軸方向に縮められ状態で配置されている。
以上の構成によって、スプリング76はフローティングプレート70をノズルニードル60に対して当接面90側に付勢している。スプリング76の付勢によれば、フローティングプレート70は、当該プレート70の軸方向の端面73a,77a間における圧力差が小さい場合であっても、当接面90側に付勢されて、当該当接面90に押圧面部73押圧面部73を当接させている。
(特徴部分)
次に、燃料噴射装置100の特徴部分について、図4に基づいてさらに詳細に説明する。
シリンダ56の内壁面56aに形成された制御壁面部57は、変位するフローティングプレート70の任意の位置において、外周壁面部72と対向する。このフローティングプレート70が変位軸の方向と直交する方向にすれを生じた場合、当該制御壁面部57は外周壁面部72と接触し得る。この制御壁面部57には、当該制御壁面部57に対応する外周壁面部72から離間する方向に窪む凹部57aが形成されている。この凹部57aは、フローティングプレート70の変位軸およびシリンダ56の中心軸に対して点対称な形状であって、当該変位軸まわりに円環状に延びている。凹部57aは、制御壁面部57において最もシリンダ摺動面部59側に近接する位置に形成されている。
以上の構成による燃料噴射装置100が、機関制御装置17からの制御信号に応じて弁部50を開閉させ燃料の噴射を行う動作について、図2〜図4に基づいて以下説明する。
機関制御装置17のパルス電流に応じてソレノイド31が発生する磁界は、圧力制御弁80を開弁する。この圧力制御弁80の作動によって、流出口54aと戻り流路14fとが連通し、流出路54および縦孔48bを通じて圧力制御室53から燃料が流出する。これにより、圧力制御室53内において、まず流出口54a付近の減圧が生じ、フローティングプレート70は、当接面90に向って吸引されるとともに、端面77aに圧力制御室53内の燃料による圧力を受ける。加えて、フローティングプレート70は、端面77a側からスプリング76の付勢力を受けている。これら流出口54a付近の減圧およびスプリング76の付勢力は、バルブボディ46の当接面90に当接していた押圧面部73を、当該当接面90にさらに強く押圧する。このようにフローティングプレート70の押圧面部73が当接面90を押圧することによって、当該当接面90に開口する流入口52aと圧力制御室53とが遮断される。流入口52aからの燃料の流入を遮断された圧力制御室53では、連通孔71を通過する燃料の流出によって、急速な圧力の下降が生じることとなる。
圧力制御室53内の急速な減圧によって、圧力制御室53内の燃料から受圧面61が受ける力とリターンスプリング66の付勢力との総和よりも、ノズルニードル収容部43内の燃料から主にシート部65等が受ける力が上回ることとなったノズルニードル60は、圧力制御室53側に高速で押し上げられる。圧力制御室53側へ変位するノズルニードル60は、シート部65を弁座部45から離座させて、弁部50を開弁状態とする。
機関制御装置17のパルス電流に応じたソレノイド31による磁界の消失によって、圧力制御弁80は閉弁する。これにより、流出口54aと戻り流路14fとが遮断され、流出路54および縦孔48bを通じた燃料の流出は停止する。流出凹部97内に連通孔71を通過した燃料が流入することによれば、フローティングプレート70に作用している押圧面部73を当接面90に押圧する力は、スプリング76による付勢力が主となる。すると、フローティングプレート70は、流入凹部94内を満たしている高圧の燃料の圧力によって、ノズルニードル60側へと押し下げられ、変位を開始する。
第一実施形態では、シリンダ56の制御壁面部57に形成された凹部57aには圧力制御室53内の燃料が保持されている。この凹部57aに保持された燃料から受ける力によって、フローティングプレート70の外周壁面部72は当該凹部57aの形成された制御壁面部57から離間する方向に押される。これにより、フローティングプレート70の外周壁面部72とシリンダ56の制御壁面部57との間に生じる張り付き力の低減を図り得る。加えて、制御壁面部57に凹部57aを形成することで、当該制御壁面部57と外周壁面部72との接触面積を低減することができるので、これら各面部57および72間に生じる張り付き力はさらに低減され得る。制御壁面部57への外周壁面部72の張り付きを抑制されたフローティングプレート70は、その動作を妨げられることなく、円滑にノズルニードル60側への変位を開始する。
フローティングプレート70のノズルニードル60側への円滑な変位によれば、流入口52aは圧力制御室53にすみやかに開放される。これにより、流入路52からの燃料の流入が再開される。流入路52から流入した燃料は、フローティングプレート70の外周壁面部72とシリンダ56の制御壁面部57との間の隙間を通過し、当該プレート70に対して受圧面61側となる圧力制御室53の空間内の圧力をすみやかに上昇させる。このような、圧力制御室53内の急速な増圧によって、圧力制御室53内の燃料から受圧面61が受ける力とリターンスプリング66による付勢力との総和は、ノズルニードル収容部43内の燃料から主にシート部65等が受ける力を再び上回る。すると、ノズルニードル60は弁部50側に高速で押し下げられる。そして、ノズルニードル60は、シート部65を弁座部45に着座させることで、弁部50を閉弁状態とする。
さらに、圧力制御室53では、フローティングプレート70の当接面90側と受圧面61側との圧力差が次第に解消される。これにより、フローティングプレート70は、スプリング76の付勢力によって当接面90側に付勢され、当該当接面90に変位しようとする。このときも、制御壁面部57および外周壁面部72間に生じる張り付き力が凹部57a内の燃料によって低減されているので、フローティングプレート70は、その動作を妨げられることなく、円滑に当接面90側への変位を開始する。そして、フローティングプレート70は、再び当接面90に当接する。
ここまで説明した第一実施形態によれば、制御壁面部57と外周壁面部72との張り付き力の低減を図り得るので、フローティングプレート70は圧力制御室53内を円滑に往復変位することができる。したがって、圧力制御弁80による流出口54aと戻り流路14f(図1参照)との連通および遮断の切り替えに対するフローティングプレート70の応答性は向上し得る。
加えて第一実施形態では、変位軸に沿って形成される制御壁面部57に形成された凹部57a内の燃料は、フローティングプレート70の変位軸が当該変位軸と直交方向にずれを生じた場合に、このずれを矯正する方向に外周壁面部72を押す。このように凹部57a内に保持された燃料による力によって制御壁面部57への外周壁面部72の接触を抑制することによれば、シリンダ56の内壁面56aにフローティングプレート70の外壁面70aが張り付く事態の発生も低減され得る。
さらに、変位軸に対して点対称な円環状に形成された凹部57a内に保持された燃料は、外周壁面部72において変位軸を挟んで位置する部分を等しい力で押す。故に、押圧部材の変位軸のずれは、その発生が抑制されるとともに、生じた場合であっても矯正され易くなる。この凹部57a内に保持された燃料によるずれの矯正作用は変位軸と直交するすべての方向において生じ得るので、フローティングプレート70はシリンダ56に対して同軸となるよう調心される。以上によれば、フローティングプレート70は、外周壁面部72の制御壁面部57への張り付きを確実に抑制され、圧力制御室53内を円滑に往復変位することができる。したがって、圧力制御弁80の切り替えに対するフローティングプレート70の応答性の向上はさらに確実なものとなる。
また第一実施形態では、フローティングプレート70の変位軸方向に沿って延伸する連通孔71を流通する燃料は、変位軸方向の力をフローティングプレート70に作用させる。加えて、この連通孔71が変位軸方向の端面73aの径方向の中央部に位置しているので、連通孔71を流通する燃料による力は当該端面73aの径方向の中央部に作用することとなる。故に、連通孔71を流通する燃料による力が、外周壁面部72を制御壁面部57に接触させるようフローティングプレート70に作用し、当該フローティングプレート70の変位を妨げる事態を未然に防ぎ得る。故に、フローティングプレート70の円滑な変位はさらに確実なものとなる。
また加えて第一実施形態では、当接面90を形成するバルブボディ46と、内壁面56aによって制御壁面部57を形成するシリンダ56とを制御ボディ40において個別の構成とすることで、凹部57aの加工性の向上が図られている。具体的には、シリンダ56において、凹部57aの形成される制御壁面部57の内径は、シリンダ摺動面部59の内径よりも大きい。故に、バルブボディ46とシリンダ56とが一体で構成されたとすると、制御壁面部57への凹部57aの加工は、内径の小さいシリンダ摺動面部59に妨げられやすく、困難である。故に、凹部57aの形成されるシリンダ56をバルブボディ46とは別の部材とし、当該凹部57aの加工を行った後にバルブボディ46へ保持させることで、確実に凹部57aの形成を行い得る。このように、フローティングプレート70の応答性の向上が図られた燃料噴射装置を確実に実現するためには、シリンダ56とバルブボディ46とを個別の構成とすることが好適なのである。
尚、第一実施形態において、バルブボディ46が請求項に記載の「弁ボディ部材」に、シリンダ56が請求項に記載の「筒状部材」に、制御壁面部57が請求項に記載の「接触内壁面部」に、ノズルニードル60が請求項に記載の「弁部材」に、フローティングプレート70が請求項に記載の「押圧部材」に、外周壁面部72が請求項に記載の「接触外壁面部」に、それぞれ相当する。
(第二実施形態)
図5に示す本発明の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態の燃料噴射装置200は、第一実施形態のシリンダ56およびフローティングプレート70に相当する、シリンダ256およびフローティングプレート270を備えている。加えて、燃料噴射装置200では、第一実施形態におけるスプリング76に相当する構成は省略されている。以下、第二実施形態による燃料噴射装置200の構成を、図5に基づいて、図2を参照しつつ詳細に説明する。
シリンダ256の内壁面256aにはプレートストッパ面部258が形成されている。このプレートストッパ面部258は、シリンダ256の軸方向において制御壁面部257とシリンダ摺動面部259との間に位置しており、当該軸方向において当接面90と対向した円環状を呈している。プレートストッパ面部258は、フローティングプレート270と接触することで、当該フローティングプレート270の受圧面61側への変位を規制する。
また、制御壁面部257には、第一実施形態の凹部57aに相当する凹部257aが形成されている。この凹部257aは、シリンダ256の径方向外側に向って窪んでおり、シリンダ256の中心軸に対して点対称な形状であって、当該中心軸まわりに円環状に延びている。凹部257aは、軸方向において制御壁面部257の中央に位置している。
フローティングプレート270の外壁面270aにおいて、変位軸方向受圧面61側となる端面277aの外縁には、接触面部278が形成されている。接触面部278は、円環状であって、変位軸に沿う方向においてプレートストッパ面部258と対向している。この接触面部278は、当接面90から離間する方向にフローティングプレート270が変位すると、シリンダ256のプレートストッパ面部258と接触し、受圧面61側への変位を規制される。
以上の構成による燃料噴射装置200が、弁部50を開閉させ燃料の噴射を行う動作について、図5に基づいて、図2を参照しつつ以下説明する。
圧力制御弁80の作動によって流出口54aと戻り流路14f(図1参照)とが連通する前において、フローティングプレート270は、接触面部278をプレートストッパ面部258に着座させている。この状態から、圧力制御弁80の作動によって流出口54aと戻り流路14fとが連通すると、流出路54を経由して圧力制御室53から燃料が流出する。これにより生じる流出口54a付近の減圧によって、フローティングプレート270は、当接面90に向って吸引され、接触面部278をプレートストッパ面部258から離間させる方向に変位しようとする。
第二実施形態では、シリンダ256の制御壁面部257に形成された凹部257aに保持された燃料から受ける力によって、外周壁面部272は制御壁面部257から離間する方向に押される。故に、フローティングプレート270の外周壁面部272とシリンダ256の制御壁面部257との間に生じる張り付き力は低減されるので、フローティングプレート270は、動作を妨げられることなく円滑に当接面90側への変位を開始する。
変位によって当接面90に当接したフローティングプレート270は、当接面90を押圧することによって、当該当接面90に開口する流入口52aと圧力制御室53とを遮断する。流入口52aからの燃料の流入を遮断された圧力制御室53内では、連通孔271を通過した燃料の流出によって、すみやかな圧力の下降が生じる。この圧力制御室53内の圧力の下降によって、ノズルニードル60は、圧力制御室53側に押し上げられ、シート部65を弁座部45から離座させて、弁部50を開弁状態とする。
圧力制御弁80の閉弁により、流出口54aと戻り流路14f(図1参照)とが遮断されると、フローティングプレート270は、流入口52aから流入する燃料によって受圧面61側へと押され、変位を開始する。このときも、制御壁面部257および外周壁面部272間に生じる張り付き力が凹部257a内の燃料によって低減されているので、フローティングプレート270は、その動作を妨げられることなく、円滑に受圧面61側への変位を開始する。そして、フローティングプレート270は、プレートストッパ面部258を再び接触面部278に着座させる。
フローティングプレート270のノズルニードル60側への円滑な変位によれば、流入口52aは圧力制御室53にすみやかに開放される。流入口52aから圧力制御室53に流入した燃料は、フローティングプレート270の外周壁面部272とシリンダ256の制御壁面部257との間の隙間を通過し、当該プレート270に対して受圧面61側となる圧力制御室53の空間内の圧力をすみやかに上昇させる。すると、ノズルニードル60は弁部50側に押し下げられ、シート部65を弁座部45に着座させることで、弁部50を閉弁状態とする。
ここまで説明した第二実施形態のように、凹部257aは、制御壁面部257において形成される位置にかかわらず、当該制御壁面部257とシリンダ256の外周壁面部272との張り付き力の低減を図り得る。故に、フローティングプレート270は、圧力制御室53内を円滑に往復変位することができるので、圧力制御弁80に対する応答性が向上し得る。
加えて、第二実施形態のように、フローティングプレート270を当接面90側に付勢する部材を備えない形態であっても、凹部257aを形成することによるフローティングプレート270の応答性向上の効果は確実に獲得され得る。
尚、第二実施形態において、シリンダ256が請求項に記載の「筒状部材」に、制御壁面部257が請求項に記載の「接触内壁面部」に、フローティングプレート270が請求項に記載の「押圧部材」に、外周壁面部272が請求項に記載の「接触外壁面部」に、それぞれ相当する。
(第三実施形態)
図6に示す本発明の第三実施形態は、第二実施形態の変形例である。第三実施形態の燃料噴射装置300は、第二実施形態のシリンダ256およびフローティングプレート270(図5参照)に相当する、シリンダ356およびフローティングプレート370を備えている。第三実施形態では、第二実施形態の凹部257aに相当する凹部372aが、フローティングプレート370の外周壁面部372に形成されている。以下、第三実施形態による燃料噴射装置300の構成を、図6に基づいて、図2を参照しつつ詳細に説明する。
シリンダ356の内壁面356aによる制御壁面部357は、当該シリンダ356の軸方向に沿って延伸する円筒状である。制御壁面部357には、上記第一,第二実施形態の凹部57a,257aに相当する構成は形成されていない。
フローティングプレート370の外壁面370aに形成された外周壁面部372は、シリンダ356の軸方向に沿った内壁面356aによる制御壁面部357と、当該プレート370の変位軸と直交する方向において対向している。この外周壁面部372には、当該外周壁面部372に対応する制御壁面部357から離間する方向に窪む凹部372aが形成されている。この凹部372aは、フローティングプレート370の変位軸に対して点対称な形状であって、当該変位軸まわりに円環状に延びている。凹部372aは、フローティングプレート370の変位軸方向において、外周壁面部372の中央に位置している。
外周壁面部372は、フローティングプレート370の往復変位によって、シリンダ356の制御壁面部357に対して摺動する。このように、制御壁面部357に対して外周壁面部372が摺動する形態では、制御壁面部357と当該外周壁面部372との間隙は、ごく僅かなものとなっている。外周壁面部372には、圧力制御室53においてフローティングプレート370に対して当接面90側の空間から、当該プレート370に対して受圧面61側の空間に燃料を流通させるための連通溝(図示しない)が形成されている。この連通溝は、フローティングプレート370の変位軸に沿って、外周壁面部372に複数形成されている。
ここまで説明した第三実施形態では、外周壁面部372に形成された凹部372aに保持された燃料は、制御壁面部357に対して外周壁面部372を押すことができる。故に、制御壁面部357と外周壁面部372との張り付き力の低減を図り得るので、フローティングプレート370は圧力制御室53内を円滑に往復変位することができる。したがって、フローティングプレート370の応答性は向上し得る。
加えて第三実施形態では、フローティングプレート370の外周壁面部372に形成された凹部372aによって、燃料は、当該フローティングプレート370の変位にかかわらず、外周壁面部372と制御壁面部357との間に保持され得る。故に、フローティングプレート370の外周壁面部372がシリンダ356の制御壁面部357に張り付こうとする力の低減を図る作用は、さらに確実に発揮され得る。
また第三実施形態では、制御壁面部357に対して摺動する外周壁面部372は、当該制御壁面部357に張り付き易くなり、フローティングプレート370の往復変位を妨げる蓋然性が高い。故に、制御壁面部357および外周壁面部372間の張り付きを抑制する凹部372aの作用は、制御壁面部357に対して外周壁面部372が摺動する形態において、フローティングプレート370の応答性向上に効果的に貢献し得るのである。
尚、第三実施形態において、シリンダ356が請求項に記載の「筒状部材」に、制御壁面部357が請求項に記載の「接触内壁面部」に、フローティングプレート370が請求項に記載の「押圧部材」に、外周壁面部372が請求項に記載の「接触外壁面部」に、それぞれ相当する。
(第四実施形態)
図7に示す本発明の第四実施形態は、第二実施形態の別の変形例である。第四実施形態の燃料噴射装置400は、第二実施形態のシリンダ256(図5参照)に相当するシリンダ456を備えている。以下、第四実施形態による燃料噴射装置400の構成を、図7に基づいて、図2を参照しつつ詳細に説明する。
第四実施形態のシリンダ456の凹部458aは、当該シリンダ456の内壁面456aのうち、フローティングプレート270の変位軸に沿う方向において当接面90と対向するプレートストッパ面部458に形成されている。このプレートストッパ面部458は、フローティングプレート270外壁面270aのうち、変位軸方向においてノズルニードル60側の端面に形成される接触面部278と、当該変位軸方向において対向している。プレートストッパ面部458は、接触面部278と接触することにより、フローティングプレート270の変位を規制する。また凹部458aは、フローティングプレート270の変位軸方向において当接面90とは反対側に向かって窪んでおり、円筒状を呈する制御壁面部457と連続している。この凹部458aは、シリンダ456の中心軸に対して点対称な形状であって、当該中心軸まわりに円環状に形成されている。
以上の構成によれば、プレートストッパ面部458にフローティングプレート270の接触面部278が着座した状態において、凹部458aに保持された燃料は、当該接触面部278を当接面90側に向けて押すこととなる。これにより接触面部278のプレートストッパ面部458への張り付きは抑制され得る。故に、圧力制御弁80によって流出口54aと戻り流路14f(図1参照)とが連通すると、フローティングプレート270はすみやかに接触面部278をプレートストッパ面部458から離間させられ得る。以上のように円滑に変位を開始し得ることで、フローティングプレート270の圧力制御弁80に対する応答性は向上する。
加えて、第四実施形態では、フローティングプレート270の変位軸に対して点対称な円環状である凹部458aの形状により、当該凹部458a内の燃料は、当該変位軸を挟んで位置する接触面部278に、当接面90側に向けて押す力を均しく作用させられ得る。加えて、凹部458a内の燃料は、変位軸まわりの全周に亘り、接触面部278のプレートストッパ面部458への張り付きを抑制できる。故に、流出口54aと戻り流路14fとが連通し、接触面部278がプレートストッパ面部458から離間するに際して、フローティングプレート270の変位軸の方向は正しい方向のまま維持され易い。
さらに、変位軸方向に沿い且つ当該変位軸方向の端面273aの径方向の中央部に位置する連通孔271には、当該連通孔271を圧力制御室53から流出口54aに向けて流通する燃料から、当該変位軸方向に沿って当接面90に向かう力が作用する。故に、この連通孔271に作用する力によって、フローティングプレート270は、変位軸の方向を正しい方向に維持したまま、プレートストッパ面部458から接触面部278が離間するよう変位し得る。
これらのように、フローティングプレート270の変位軸の傾きを抑制する作用の発揮によれば、当該プレート270は当接面90に向かって円滑に変位し得る。したがって、フローティングプレート270の圧力制御弁80に対する応答性はさらに向上し得る。
また加えて第四実施形態では、フローティングプレート270の変位軸方向において当接面90とは反対側に向かって窪む形状の凹部458aは、当該当接面90とは反対側から加工することが極めて困難である。故に、凹部458aの形成されるシリンダ456をバルブボディ46とは別の部材とし、当該凹部458aの加工を行った後にバルブボディ46へ保持させることで、確実に凹部458aの形成を行い得る。このように、フローティングプレート270の応答性の向上が図られた燃料噴射装置400を確実に実現するためには、シリンダ456とバルブボディ46とを個別の構成とすることが好適なのである。
尚、第四実施形態において、シリンダ456が請求項に記載の「筒状部材」に、プレートストッパ面部458が請求項に記載の「接触内壁面部」に、接触面部278が請求項に記載の「接触外壁面部」に、それぞれ相当する。
(第五実施形態)
図8に示す本発明の第五実施形態は、第四実施形態の変形例である。第五実施形態の燃料噴射装置500の制御ボディ540は、第四実施形態のシリンダ456(図7参照)に相当するシリンダ556を有している。以下、第五実施形態による燃料噴射装置500の構成を、図8に基づいて詳細に説明する。
シリンダ556には、制御壁面部557、シリンダ摺動面部559、プレートストッパ面部558、凹部558a、および支持部558bが形成されている。制御壁面部557およびシリンダ摺動面部559は、シリンダ556の内周壁に形成される円筒穴である。制御壁面部557は、シリンダ556の径方向においてフローティングプレート270の外周面270aと対向している。シリンダ摺動面部559は、ノズルニードル60をその軸方向に沿って摺動させる。
プレートストッパ面部558は、フローティングプレート270の変位軸に沿う方向において、当接面90およびフローティングプレート270の接触面部278と対向している。プレートストッパ面部558は、当接面90から離間する方向へのフローティングプレート270の変位によって接触面部278と接触することにより、当該フローティングプレート270の変位を規制する。
凹部558aは、制御壁面部557およびプレートストッパ面部558に亘って形成されている。凹部558aは、変位軸に沿う方向においてノズルニードル60側に向かうほど、シリンダ556の径方向外側に向うように窪んでいる。凹部558aは、プレートストッパ面部558がフローティングプレート270の接触面部278に円環状に線接触するように、シリンダ556の周方向に沿って円環状に形成されている。このような凹部558aの形状によって、プレートストッパ面部558において接触面部278に線接触する部分は、プレートストッパ面部558の内縁に位置する。
支持部558bは、シリンダ556においてプレートストッパ面部558を支持している。上述したようなノズルニードル60側に向かうほどシリンダ556の径方向外側に向うように窪む凹部558aの形状によって、支持部558bは、縦断面における幅が当該変位軸に沿ってノズルニードル60側に向かうほど広くなっている。支持部558bの強度を高く維持するために、シリンダ556の軸方向に沿うシリンダ摺動面部559と凹部558aとの間における支持部558bの角度θは、45度よりも大きくされることが望ましい。
ここまで説明した第五実施形態では、凹部558aに保持された燃料がプレートストッパ面部558に着座する接触面部278を当接面90側に向けて押すので、接触面部278のプレートストッパ面部558への張り付きは、抑制され得る。故に、圧力制御弁80(図3参照)によって流出口54aと戻り流路14f(図1参照)とが連通すると、フローティングプレート270は、すみやかに接触面部278をプレートストッパ面部458から離間させられる。以上のように円滑に変位を開始しできることにより、フローティングプレート270の圧力制御弁80に対する応答性は、向上する。
加えて第五実施形態では、凹部558aの形成によってプレートストッパ面部558が接触面部278に線接触するので、これらプレートストッパ面部558および接触面部278間の接触面積は、小さくなる。故に、接触面部278のプレートストッパ面部558への張り付き力は、低減される。以上により、フローティングプレート270は、流出口54aと戻り流路14f(図1参照)とが連通すると、すみやかに接触面部278をプレートストッパ面部558から離間させ、変位を開始できる。したがって、フローティングプレート270の応答性は、確実に向上する。
また第五実施形態では、プレートストッパ面部558において接触面部278に線接触する部分は、当該プレートストッパ面部558の外縁よりも内縁に近接して設けられている。このように、プレートストッパ面部558の接触部分を内縁に近接させることにより、プレートストッパ面部558と接触面部278との接触面積は、さらに小さくなる。これにより、プレートストッパ面部558の接触面部278への張り付き力は、さらに低減される。以上により、フローティングプレート270の変位の開始がすみやかに行われるようになるので、フローティングプレート270の応答性は、より確実に向上する。
さらに第五実施形態では、制限孔271が中心軸に沿って形成されるフローティングプレート270の形態により、当該フローティングプレート270の変位軸の方向は、正しい方向に維持される。この制限孔271の配置による作用が接触面部278のプレートストッパ面部558への張り付き力を低減する凹部558aの作用とみ合わせることによれば、フローティングプレート270の円滑な変位は、いっそう確実なものとなる。したがって、フローティングプレート270の応答性は、より確実に向上する。
また加えて第五実施形態では、支持部558bの縦断面における幅を広げることにより、当該支持部558bによって支持されるプレートストッパ面部558の接触部分は、高い強度を維持し得る。これによりプレートストッパ面部558は、長期に亘る使用においても、接触面部278と確実に線接触し続けられる。したがって、高い信頼性を維持しつつ、応答性の向上が図られた燃料噴射装置500が実現する。
また加えて第五実施形態では、プレートストッパ面部558が接触面部278に線接触するので、当該線接触する部分に応力が集中し易くなる。故に、凹部558aは、円滑な変位を実現するために質量を抑えなければならないフローティングプレート270よりも、強度確保の容易なシリンダ556に形成されるのが好適なのである。
尚、第五実施形態において、シリンダ556が請求項に記載の「筒状部材」に相当し、プレートストッパ面部558が請求項に記載の「接触内壁面部」に相当する。
(第六実施形態)
図9に示す本発明の第六実施形態は、第五実施形態の変形例である。第六実施形態の燃料噴射装置600は、第五実施形態のシリンダ556(図8参照)に相当するシリンダ656を備えている。以下、第六実施形態による燃料噴射装置600の構成を、図9に基づいて詳細に説明する。
シリンダ656には、上述した第五実施形態によるシリンダ556の各要素に相当する要素659,658,658a,658bに加えて、面取り部658cが形成されている。面取り部658cは、シリンダ摺動面部659プレートストッパ面部658との間に位置する角部が面取りされることによって形成されている。面取り部658cおよび凹部658aが形成されることにより、プレートストッパ面部658は、接触面部278に線接触するようになる。第六実施形態では、プレートストッパ面部658において接触面部278に線接触する部分は、プレートストッパ面部658の内縁と外縁の中間に位置している。
支持部658bは、縦断面における幅が当変位軸に沿ってノズルニードル60側に向かうほど広くなっている。ノズルニードル60側に向かうほどシリンダ656の径方向外側に向うように窪む凹部658aの形状に加えて、面取り部658cが形成されることにより、面取り部658cと凹部658aとの間における支持部658bの角度θは、鈍角となる。これにより、支持部658bの強度は高く維持される。
ここまで説明した第六実施形態でも、凹部658aおよび面取り部658cの形成によってプレートストッパ面部658が接触面部278に線接触するので、これらプレートストッパ面部658および接触面部278間の接触面積は、小さくなる。これにより、接触面部278のプレートストッパ面部658への張り付き力が低減されるので、フローティングプレート270は、流出口54aと戻り流路14f(図1参照)とが連通すると、すみやかに変位を開始できるようになる。したがって、フローティングプレート270の応答性は、第六実施形態による燃料噴射装置600でも確実に向上する。
さらに第六実施形態では、面取り部658cを形成することで、縦断面における支持部658bの幅の広がりがさらに大きくなるよう、当該支持部658bの形状を規定できる。故に、支持部658bによって支持されるプレートストッパ面部658の接触部分は、さらに高い強度を維持し得る。これによりプレートストッパ面部658は、長期に亘る使用においても、接触面部278と確実に線接触し続けられる。したがって、高い信頼性を維持しつつ、応答性の向上が図られた燃料噴射装置600が実現する。
尚、第六実施形態において、シリンダ656が請求項に記載の「筒状部材」に相当し、プレートストッパ面部658が請求項に記載の「接触内壁面部」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本発明による複数の実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
上記実施形態では、凹部を、シリンダの制御壁面部又はフローティングプレートの外周壁面部のいずれか一方に形成する形態と、シリンダのプレートストッパ面部に形成する形態とを説明した。しかし、凹部は、シリンダの内壁面およびフローティングプレートの外壁面のそれぞれにおいて、互いに接触可能な面部であれば、形成される場所を限定されない。例えば、シリンダの制御壁面部およびフローティングプレートの外周壁面部の両方に凹部が形成された形態や、シリンダの制御壁面部およびプレートストッパ面部の両方に凹部が形成された形態であってもよい。又は、制御壁面部とプレートストッパ面部とが連続している部分に、これら制御壁面部およびプレートストッパ面部に跨って形成される凹部が形成される形態であってもよい。
上記実施形態では、凹部は、フローティングプレートの変位軸に対して対称な円環状であった。しかし、凹部の形状は、円環状に限定されるものではない。例えば、フローティングプレートの変位軸まわりに延びる凹部を複数形成し、これら複数の凹部により全体として環状を呈していてもよい。
上記第五および第六実施形態では、凹部は、プレートストッパ面部が接触面部に線接触するように、当該プレートストッパ面部に形成さていた。しかし、プレートストッパ面部および接触面部間の線接触を実現するための凹部は、フローティングプレートの接触面部に形成されていてもよい。又は、プレートストッパ面部および接触面部の両方に、凹部が形成されていてもよい。また、プレートストッパ面部および接触面部において線接触する部分は、各面部の内縁および外縁のうち、いずれに近接していてもよい。
上記実施形態では、バルブボディの当接面、シリンダの内壁面、およびノズルニードルの受圧面によって圧力制御室を区画し、当該圧力制御室内に供給される燃料と、噴孔に供給される燃料とが分けられた形態の燃料噴射装置に本発明を適用した例を説明した。しかし、上記実施形態のシリンダに相当する構成を有さず、制御ボディのバルブボディ又はノズルボディ等によって圧力制御室等が形成される形態の燃料噴射装置に本発明を適用してもよい。
上記実施形態においては、圧力制御室53内の燃料の圧力を制御する圧力制御弁80を開閉する駆動部として、ソレノイド31の電磁力で可動子35を駆動する機構を用いていた。しかし、機関制御装置17からの制御信号に応じて可動し、圧力制御弁80を開閉できる駆動部であれば、ソレノイドを用いた形態以外の、例えばピエゾ素子を用いる形態であってもよい。
以上、燃料を燃焼室22に直接的に噴射するディーゼル機関20に用いられる燃料噴射装置に、本発明を適用した例を説明した。しかし、本発明は、ディーゼル機関20に限らず、オットーサイクル機関等の内燃機関に用いられる燃料噴射装置に適用されてもよい。加えて、燃料噴射装置によって噴射される燃料は、軽油に限らず、ガソリン、および液化石油ガス等であってもよい。さらには、外燃機関等の燃料を燃焼させる機関の燃焼室に向けて燃料を噴射する燃料噴射装置に本発明を適用してもよい。
10 燃料供給システム、11 燃料タンク、12 フィードポンプ、12a 燃料配管、13 高圧燃料ポンプ、13a 燃料配管、14 コモンレール、14a 分岐部、14b コモンレールセンサ、14c 圧力レギュレータ、14d 供給流路、14e 燃料配管、14f 戻り流路、17 機関制御装置、20 ディーゼル機関、21 ヘッド部材、22 燃焼室、30 制御弁駆動部、31 ソレノイド、32 ターミナル、33 バルブシート部材、34 スプリング、35 可動子、36 固定子、40,540 制御ボディ、41 ノズルボディ、43 ノズルニードル収容部、44 噴孔、45 弁座部、46 バルブボディ(弁ボディ部材)、47a 制御弁座部、48 ホルダ、48a,48b 縦孔、48c ソケット部、49 リテーニングナット、49a 段差部、50 弁部、52 流入路、52a 流入口、53 圧力制御室、54 流出路、54a 流出口、56,356,456,556,656 シリンダ(筒状部材)、56a,256a,356a,456a 内壁面、57,257,357 制御壁面部(接触内壁面部)、457,557 制御壁面部557、57a,257a 凹部、258 プレートストッパ面部、458,558,658 プレートストッパ面部(接触内壁面部)、458a,558a,658a 凹部、558b,658a 支持部、658c 面取り部、59,259,559,659 シリンダ摺動面部、60 ノズルニードル(弁部材)、61 受圧面、62 スプリング収容部、63 ニードル摺動部、65 シート部、66 リターンスプリング、67 鍔部材、70,270,370 フローティングプレート(押圧部材)、70a,270a,370a 外壁面、71,271 連通孔、71a 絞り部、71b 連通凹部、72,272,372 外周壁面部(接触外壁面部)、372a 凹部、73 押圧面部、73a,77a,273a,277a 端面、76 スプリング、278 接触面部(接触外壁面部)、80 圧力制御弁、90 当接面、94 流入凹部、97 流出凹部、100,200,300,400,500,600 燃料噴射装置

Claims (15)

  1. 供給流路(14d)から供給される供給燃料の噴孔(44)からの噴射を制御する弁部(50)を開閉し、当該制御に伴って供給燃料の一部を戻り流路(14f)に排出する燃料噴射装置(100)であって、
    前記供給流路(14d)を流通した燃料が流入口(52a)から流入し、前記戻り流路(14f)へは流出口(54a)を経由して燃料を排出する圧力制御室(53)、前記圧力制御室(53)に露出し前記流入口(52a)および前記流出口(54a)が開口する当接面(90)、および前記圧力制御室(53)に露出し前記当接面(90)を囲む内壁面(56a)を有する制御ボディ(40)と、
    前記流出口(54a)と前記戻り流路(14f)との連通および遮断を切り替え、前記圧力制御室(53)内の燃料の圧力を制御する圧力制御弁(80)と、
    前記圧力制御室(53)内の燃料の圧力に応じて、前記弁部(50)を開閉する弁部材(60)と、
    前記圧力制御室(53)内に往復変位可能に配置され、前記往復変位によって前記当接面(90)に当接し、前記圧力制御弁(80)によって前記流出口(54a)と前記戻り流路(14f)とが連通すると、前記当接面(90)を前記流入口(52a)と前記圧力制御室(53)との連通を遮断するように押圧し、前記圧力制御弁(80)によって前記流出口(54a)と前記戻り流路(14f)とが遮断されると、前記当接面(90)の前記流入口(52a)を前記圧力制御室(53)へ開放するように変位する押圧部材(70)と、を備え、
    前記押圧部材(70)の外壁面(70a)および前記制御ボディ(40)の内壁面(56a)は、それぞれにおいて互いに接触可能な接触外壁面部(72)および接触内壁面部(57)を有し、
    前記接触外壁面部(72)および前記接触内壁面部(57)の少なくとも一方には、前記接触内壁面部(57)と前記接触外壁面部(72)とのうち対応するものから離間する方向に窪む凹部(57a)が形成されることを特徴とする燃料噴射装置(100)。
  2. 前記制御ボディ(40)の内壁面(56a)は、前記押圧部材(70)の変位軸に沿った筒面状の前記接触内壁面部(57)を形成し、
    前記押圧部材(70)の外壁面(70a)は、前記接触内壁面部(57)の径方向において前記接触内壁面部(57)と対向する前記接触外壁面部(72)を形成すること特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置(100)。
  3. 前記凹部(57a)は、前記変位軸に対して点対称な形状であることを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射装置(100)。
  4. 前記凹部(57a)は、前記変位軸まわりに延びる環状であることを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射装置(100)。
  5. 前記接触外壁面部(72)は、前記押圧部材(70)の往復変位によって、前記接触内壁面部(57)に対して摺動することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射装置(100)。
  6. 前記凹部(357a)は、前記接触内壁面部(357)および前記接触外壁面部(372)のうち、少なくとも前記接触外壁面部(372)に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料噴射装置(300)。
  7. 前記内壁面(456a)は、前記押圧部材(270)の変位軸に沿う方向において前記当接面(90)と対向する前記接触内壁面部(458)を形成し、
    前記外壁面(270a)は、前記変位軸に沿う方向において前記接触内壁面部(458)と対向し、前記押圧部材(270)の前記当接面(90)から離間する方向への変位により当該接触内壁面部(458)と接触することで当該押圧部材(270)の変位を規制する前記接触外壁面部(278)を形成することを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射装置(400)。
  8. 前記凹部(558a)は、前記前記接触外壁面部(278)および前記接触内壁面部(558)のうち一方が他方に線接触するように、当該一方に形成されることを特徴とする請求項7に記載の燃料噴射装置(500)。
  9. 前記凹部(558a)は、前記接触内壁面部(558)が前記接触外壁面部(278)に線接触するように、当該接触内壁面部(558)に形成されることを特徴とする請求項8に記載の燃料噴射装置(500)。
  10. 前記制御ボディ(540)において前記接触内壁面部(558)を支持する支持部(558b)は、前記変位軸に沿う縦断面の幅が当該変位軸に沿って前記弁部材(60)側に向かうほど広くなることを特徴とする請求項9に記載の燃料噴射装置(500)。
  11. 前記接触内壁面部(558)において前記接触外壁面部(278)に線接触する部分は、当該接触内壁面部(558)の外縁よりも内縁に近接していることを特徴とする請求項9又は10に記載の燃料噴射装置(500)。
  12. 前記凹部(458a)は、前記変位軸に対して点対称な形状であることを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載の燃料噴射装置(400)。
  13. 前記凹部(458a)は、前記変位軸まわりに延びる環状であることを特徴とする請求項12に記載の燃料噴射装置(400)。
  14. 前記押圧部材(70)は、円盤状であり、当該押圧部材(70)の変位軸方向の端面(73a)によって前記当接面(90)を押圧し、当該当接面(90)に当接することで前記圧力制御室(53)と流出口(54a)とを連通する連通孔(71)を有し、
    前記連通孔(71)は、前記端面(73a)において径方向の中央部から前記変位軸方向に沿って延伸することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の燃料噴射装置(100)。
  15. 前記制御ボディ(40)は、
    前記当接面(90)を形成する弁ボディ部材(46)と、
    前記弁ボディ部材(46)とともに前記圧力制御室(53)を区画し、内周側の壁面に前記接触内壁面部(57)を形成する円筒部材(56)と、を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の燃料噴射装置(100)。
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